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代数的整数論 005



1 名前:132人目の素数さん [2007/03/16(金) 07:45:20 ]
Kummer ◆g2BU0D6YN2氏が代数的整数論を語るスレです。

前スレ
science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1164286624/

116 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/08(日) 17:37:25 ]
>>112 の逆が成り立つことは明らかだろうが、一応証明する。

命題
α と β を実無理数とする。
ある実無理数 ω と n ≧ 1, m ≧ 1 があり、
α = [k_0, . . . , k_(n-1), ω]
β = [h_0, . . . , h_(m-1), ω]
となるとする。
ここで、各 k_i は有理整数で i ≧ 1 のとき k_i ≧ 1 であり、
各 h_i も有理整数で i ≧ 1 のとき h_i ≧ 1 である。

このとき、α = (aβ + b)/(cβ + d) となる。
ここで a, b, c, d は有理整数で ad - bc = ±1 である。

証明
α = [k_0, . . . , k_(n-1), ω] より
α = (pω + r)/(qω + s) となる。
ここで p, r, q, s は有理整数で ps - qr = ±1 である。
よって A = (p, r)/(q, s) とおけば、A ∈ GL_2(Z) であり、
α = Aω となる。

同様に
β = [h_0, . . . , h_(m-1), ω] より
β = (p'ω + r')/(q'ω + s') となる。
ここで p', r', q', s' は有理整数で p's' - q'r' = ±1 である。
B = (p', r')/(q', s') とおけば、B ∈ GL_2(Z) であり、
β = Bω となる。

従って、α = Aω = AB^(-1)ω となり
AB^(-1) ∈ GL_2(Z) である。
証明終

117 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/08(日) 17:59:59 ]
>>116
>従って、α = Aω = AB^(-1)ω となり

従って、α = Aω = AB^(-1)β となり

118 名前:β ◆aelgVCJ1hU [2007/04/08(日) 18:09:04 ]
呼んだか・・?

119 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/08(日) 19:46:47 ]
>>112
>このとき、ある実無理数 ω と n ≧ 1, m ≧ 1 があり、

このとき、ある実無理数 ω > 1 と n ≧ 1, m ≧ 1 があり、

120 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/09(月) 22:34:11 ]
補題
θ を簡約された2次無理数とし、
θ = (pθ + q)/(rθ + s) とする。
ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = ±1 である。

このとき (rθ + s)(rθ' + s) = ε である。
ここで θ' は θ の共役で ε = ps - qr = ±1 である。

証明
θ = (pθ + q)/(rθ + s) より、
θ(rθ + s) = pθ + q

rθ^2 + (s - p)θ - q = 0
よって θ は
rx^2 + (s - p)x - q の根である。
よって
rx^2 + (s - p)x - q = r(x - θ)(x - θ')

従って
r(θ + θ') = p - s
rθθ' = -q

(rθ + s)(rθ' + s) = r^2θθ' + rs(θ + θ') + s^2
= -qr + s(p - s) + s^2 = ps - qr = ε
証明終

121 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/11(水) 12:51:05 ]
>>120

証明からわかるように、θ は単に2次無理数であればよく、
簡約された2次無理数である必用はなかった。

122 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/11(水) 15:16:24 ]
命題(高木の初等整数論講義)
θ を簡約された2次無理数とし、
θ = (pθ + q)/(rθ + s) とする。
ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = ±1 である。
さらに、rθ + s > 1 とする。

このときある n ≧ 1 があり、
θ = [k_0, . . . , k_(n-1), θ] となる。
ここで、各 k_i は有理整数で i ≧ 1 のとき k_i ≧ 1 である。

証明
E = rθ + s, E' = rθ' + s とおく。
>>120 より EE' = ps - qr = ±1 である。
|EE'| = 1 で E > 1 だから |E'| < 1
したがって、E - E' > 0
即ち r(θ - θ') > 0
θ は簡約された2次無理数だから、θ > 1, -1 < θ' < 0
である(>>95)。
よって、θ - θ' > 0 だから r > 0 である。
よって、rθ' + s > -r + s

EE' = 1 のとき E > 1 より 1 > E' > 0
よって r + 1 > r + E'
一方、上より E' > -r + s だから r + E' > s
よって r + 1 > s
よって r ≧ s

EE' = -1 のときは E > 1 より 0 > E' > -1
よって r > r + E'
一方 r + E' > s だから r > s
(続く)

123 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/11(水) 16:26:18 ]
>>122 の続き。

EE' = 1 のとき E' > 0 すなわち rθ' + s > 0 だから
s > -rθ' > 0
この場合 r ≧ s だったから r > s なら >>110 より本命題は従う。

EE' = -1 のとき 0 > E' > -1
一方 r > 0 で θ' < 0 だから s > rθ' + s
よって s > - 1 即ち s ≧ 0 である。
r > s だったから s > 0 ならやはり >>110 より本命題は従う。

残るのは EE' = 1 で r = s > 0 の場合と
EE' = -1 で r > s = 0 の場合である。

EE' = 1 で r = s > 0 なら、
pr - qr = 1
(p - q)r = 1
r > 0 だから r = 1
よって q = p - 1

θ = (pθ + p - 1)/(θ + 1) = (p(θ + 1) - 1)/(θ + 1)
= p - 1/(θ + 1) = p - 1 + 1 - 1/(θ + 1)
= p - 1 + θ/(θ + 1) = p - 1 + 1/(1 + 1/θ)

よって θ = [p - 1, 1, θ] となり、この場合も本命題は従う。

EE' = -1 で r > s = 0 なら、
ps - qr = -qr = -1 よって qr = 1
r > 0 だから r = q = 1
θ = (pθ + 1)/θ = p + 1/θ = [p, θ]
よって、この場合も本命題は従う。
証明終

124 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/11(水) 20:28:21 ]
>>123
>よって q = p - 1
>
>θ = (pθ + p - 1)/(θ + 1) = (p(θ + 1) - 1)/(θ + 1)
>= p - 1/(θ + 1) = p - 1 + 1 - 1/(θ + 1)
>= p - 1 +
>
>よって θ = [p - 1, 1, θ] となり、この場合も本命題は従う。

ここは高木のように以下のようにしたほうが良かった。

よって p = q + 1
θ = ((q + 1)θ + q)/(θ + 1) = q + θ/(θ + 1) = q + 1/(1 + 1/θ)
よって θ = [q, 1, θ] となり、この場合も本命題は従う。



125 名前:132人目の素数さん [2007/04/12(木) 06:33:11 ]
Thomas Pietraho.

126 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/12(木) 12:41:15 ]
θ を実2次無理数とする。
θ は2次多項式 ax^2 + bx + c の根である。
ここで a, b, c は有理整数で a > 0, gcd(a, b, c) = 1 である。
a, b, c は θ により一意に決まる。

2次方程式の根の公式よりθ = (-b ± √D)/2a である。
話を固定するため θ = (-b + √D)/2a と仮定する。
ここで D = b^2 - 4ac である。
D は θ の判別式である(過去スレ4の276)。
θ は実数と仮定したから D > 0 である。

D = b^2 - 4ac だから D ≡ b^2 (mod 4) である。

0^2 ≡ 0 (mod 4)
1^2 ≡ 1 (mod 4)
2^2 ≡ 0 (mod 4)
3^2 ≡ 1 (mod 4)
よって D ≡ 0 (mod 4) または D ≡ 1 (mod 4) である。

θ は無理数だから D は平方数でない。
従って、過去スレ4の586より D はある2次体 Q(√m) の整環
R = [1, fω] の判別式になる。
D = (f^2)d である。
ここで f は有理整数 f > 0 であり d は Q(√m) の判別式である。

過去スレ4の587より
I = [a, (-b + √D)/2] = [a, aθ] は R のイデアルである。

過去スレ4の592より I は可逆イデアルである。

127 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/12(木) 20:56:36 ]
θ を実2次無理数とする。
θ は2次多項式 ax^2 + bx + c の根である。
ここで a, b, c は有理整数で a > 0, gcd(a, b, c) = 1 である。
a, b, c は θ により一意に決まる。

2次方程式の根の公式よりθ = (-b ± √D)/2a である。
話を固定するため θ = (-b + √D)/2a と仮定する。
ここで D = b^2 - 4ac である。
D は θ の判別式である(過去スレ4の276)。
θ は実数と仮定したから D > 0 である。

D = b^2 - 4ac だから D ≡ b^2 (mod 4) である。

0^2 ≡ 0 (mod 4)
1^2 ≡ 1 (mod 4)
2^2 ≡ 0 (mod 4)
3^2 ≡ 1 (mod 4)
よって D ≡ 0 (mod 4) または D ≡ 1 (mod 4) である。

θ は無理数だから D は平方数でない。
従って、過去スレ4の586より D はある2次体 Q(√m) の整環
R = [1, fω] の判別式になる。
D = (f^2)d である。
ここで f は有理整数 f > 0 であり d は Q(√m) の判別式である。

過去スレ4の587より
I = [a, (-b + √D)/2] = [a, aθ] は R のイデアルである。

過去スレ4の592より I は可逆イデアルである。

128 名前:132人目の素数さん mailto: sage [2007/04/12(木) 21:04:02 ]
Googleがking仕様になったぞ
早く見てみろ

129 名前:132人目の素数さん [2007/04/12(木) 21:07:46 ]
ax^2 + bx + c=0
の解はa,b,cの関数で、逆函数がある。
2つの2次曲線の交点が解だと、逆函数は存在しない。
でも2次曲線のx切片が2個決まれば、その2点を通る2次曲線は
無限にある。


130 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/13(金) 12:06:28 ]
>>127 の続き。

(1) m ≡ 1 (mod 4) のとき

ω = (1 + √m)/2 であり、d = m である(過去スレ3の768)。
D = (f^2)m より

(-b + √D)/2 = (-b + f√m)/2 = (-b - f + f(1 + √m))/2
= -(b + f)/2 + fω

D ≡ f^2 (mod 4) だから b^2 ≡ f^2 (mod 4)
よって b^2 ≡ f^2 (mod 2)
よって b ≡ f (mod 2)
よって b + f ≡ 0 (mod 2)
即ち -(b + f)/2 は有理整数である。

(2) m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) のとき

ω = √m であり、d = 4m である(過去スレ3の768)。
D = 4(f^2)m より

(-b + √D)/2 = (-b + 2f√m)/2 = -b/2 + fω

D ≡ 0 (mod 4) だから b^2 ≡ 0 (mod 4)
よって b ≡ 0 (mod 2)
即ち -b/2 は有理整数である。

131 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/13(金) 16:58:24 ]
>>130 の続き。

I = [a, (-b + √D)/2] = [a, aθ] = [a, c + fω] である。
ここで、
m ≡ 1 (mod 4) のとき c = -(b + f)/2
m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) のとき c = -b/2

I = αI となる α ∈ Q(√m) があるとする。

過去スレ4の593より
θ = (pθ + q)/(rθ + s) となる。
ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = ±1 である。

逆に、ps - qr = ±1 となる有理整数 p, q, r, s があり、
θ = (pθ + q)/(rθ + s) とすると、過去スレ4の593より
I = αI となる。
ここで、α = rθ' + s である。

I は可逆イデアルだから I = αI なら II^(-1) = αII^(-1)
II^(-1) = R だから R = αR である。ここで R = [1, fω]。
よって αβ = 1 となる β ∈ R がある。
即ち α は R の単数である。

逆に α が R の単数なら αR = R だから I = RI = αRI = αI

132 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/13(金) 17:02:38 ]
過去スレ4の590より
R = {(x + y√D)/2 ; x ∈ Z, y ∈ Z, x ≡ yD (mod 2) } である。
従って、
D ≡ 0 (mod 4) のとき
R = {(u + v√D)/2 ; u ∈ Z, v ∈ Z, u ≡ 0 (mod 2) } である。

D ≡ 1 (mod 4) のとき
R = {(u + v√D)/2 ; u ∈ Z, v ∈ Z, u ≡ v (mod 2) } である。

α = (u + v√D)/2 が R の単数なら、
αα' = (u + v√D)/2 (u - v√D)/2 = (u^2 - Dv^2)/4 = ±1

逆に (u, v) が u^2 - Dv^2 = ±4 の有理整数解なら
u^2 ≡ Dv^2 (mod 4)

D ≡ 0 (mod 4) のとき
u^2 ≡ 0 (mod 4)
u ≡ 0 (mod 2)

D ≡ 1 (mod 4) のとき
u^2 ≡ v^2 (mod 4)
u ≡ v (mod 2)

よって、いずれの場合にも α = (u + v√D)/2 は R の元であり
従って R の単数である。

133 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/13(金) 17:06:01 ]
(u, v) が u^2 - Dv^2 = ±4 の有理整数解なら
(u, -v), (-u, v), (-u, -v) も同様である。
これ等には、それぞれ α', -α', -α が対応する。

u > 0, v > 0 なら
D ≧ 2 だから α = (u + v√D)/2 ≧ (1 + √2)/2 > 1

以上から、次のことが分かった。
α を R の単数とすると、α, α', -α', -α のどれか一つは
1 より大きい。

134 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/13(金) 17:27:10 ]
>>133 を以下のように訂正する。

(u, v) が u^2 - Dv^2 = ±4 の有理整数解なら
(u, -v), (-u, v), (-u, -v) も同様である。
これ等には、それぞれ α', -α', -α が対応する。

u = 0 なら -Dv^2 = ±4 より v^2 = 1 または v^2 = 4 となり
D = 4 または D = 1 となって矛盾。

v = 0 なら u^2 = 4 より u = ±2 となり α = ±1 である。

u > 0, v > 0 なら
D ≧ 2 だから α = (u + v√D)/2 ≧ (1 + √2)/2 > 1

以上から、次のことが分かった。
α ≠ ±1 を R の単数とすると、α, α', -α', -α のどれか一つは
1 より大きい。



135 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/13(金) 21:52:44 ]
>>131 より
θ = (pθ + q)/(rθ + s) なら rθ + s は R の単数である。
よって >>132 より rθ + s = (u + v√D)/2 となる。
ここで (u, v) は u^2 - Dv^2 = ±4 の有理整数解である。
p, q, r, s を u, v で表してみよう。

(u + v√D)/2 = rθ + s = r(-b + √D)/2a + s
よって v = r/a
よって r = av

u/2 = -rb/2a + s だから
u/2 = -vb/2 + s
s = (u + vb)/2

θ = (pθ + q)/(rθ + s)
だから
θ(rθ + s) = pθ + q
これに θ = (-b + √D)/2a を代入して
(u + v√D)/2 (-b + √D)/2a = p(-b + √D)/2a + q
(-ub + (u - vb)√D + vD)/4a = 2p(-b + √D)/4a + q
よって
(-ub + vD)/4a = (4aq - 2pb)/4a
-ub + vD = 4aq - 2pb

(u - vb)/4a = 2p/4a
p = (u - bv)/2

-ub + vD = 4aq - 2pb = 4aq - (u - bv)b
-b^2v + vD = 4aq
q = v(-b^2 + D)/4a = -4acv/4a = -cv

以上から (p, q/(r, s) = ((u - bv)/2, -cv)/(av, (u + bv)/2)

136 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/13(金) 22:08:52 ]
>>122
>このときある n ≧ 1 があり、
>θ = [k_0, . . . , k_(n-1), θ] となる。
>ここで、各 k_i は有理整数で i ≧ 1 のとき k_i ≧ 1 である。

θ > 1 だから k_0 ≧ 1 でもある。

137 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/13(金) 22:44:28 ]
命題
θ, R は >>126 同じとする。

A = (p_0, q_0)/(r_0, s_0) ∈ GL_2(Z)
B = (p_1, q_1)/(r_1, s_1) ∈ GL_2(Z) で
θ = Aθ
θ = Bθ とする。

E_0 = r_0θ + s_0
E_1 = r_1θ + s_1
とおけば、>>131 より E_0, E_1 は R の単数である。

AB = C とすれば
θ = Cθ である。
C = (p_2, q_2)/(r_2, s_2) ∈ GL_2(Z)
E_2 = r_2θ + s_2 とおく。

このとき、E_0E_1 = E_2 である。

証明

E_0E_1 = (r_0θ + s_0)(r_1θ + s_1)
= r_0θ(r_1θ + s_1) + s_0(r_1θ + s_1)
= r_0(p_1θ + q_1) + s_0(r_1θ + s_1)
= (r_0p_1 + s_0r_1)θ + (r_0q_1 + s_0s_1)
= r_2θ + s_2
証明終

138 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/14(土) 00:52:14 ]
R = [1, fω] を実2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。
θ を判別式 D の簡約された2次無理数とする。

>>127 において θ が簡約された2次無理数の場合を考える。

>>101 より θ は純循環連分数に展開される。
θ = [k_0, . . . , k_(n-1), θ] で、k_0, . . . , k_(n-1) が
最短の純循節とする。

θ = (p_(n-1)θ + p_(n-2))/(q_(n-1)θ + q_(n-2)) で
p_(n-1)q_(n-2) - q_(n-1)p_(n-2) = (-1)^n
である(>>43, >>44, >>57)。

θ > 1 で q_(n-1) > 0, q_(n-2) ≧ 0 だから
E = q_(n-1)θ + q_(n-2) > 1 である。
>>131 より E は R の単数である。

α を R の単数で α > 1 とする。
α' も R の単数であるから >>131 より I = α'I である。
よって θ = (pθ + q)/(rθ + s) となる
有理整数 p, q, r, s で ps - qr = ±1 となるものがあり、
α' = rθ' + s である。
よって α = rθ + s である。
α > 1 だから >>122 より rθ + s はθの連分数展開から得られる。
よって >>137 より α = E^m となる m ≧ 1 がある。

139 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/14(土) 01:07:04 ]
α を R の単数で α > 1 とする。
α' も R の単数であるから >>131 より I = α'I である。
よって θ = (pθ + q)/(rθ + s) となる
有理整数 p, q, r, s で ps - qr = ±1 となるものがあり、
α' = rθ' + s である。
よって α = rθ + s である。
α > 1 だから >>122 より rθ + s はθの連分数展開から得られる。
よって >>137 より α = E^m となる m ≧ 1 がある。

α を R の単数で 0 < α < 1 とすると、1/α > 1 だから
>>138 より 1/α = E^m となる m ≧ 1 がある。
よって α = E^(-m) である。

α < 0 なら -α > 0 だから α ≠ -1 なら上でのべたことから
-α = E^m となる m ≠ 0 がある。

以上から R の任意の単数は ±E^m, m ∈ Z と書ける。
E を R の基本単数と呼ぶ。

140 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/14(土) 01:12:10 ]
>>138
>R = [1, fω] を実2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。
>θ を判別式 D の簡約された2次無理数とする。

この部分は不要なので削除する。

141 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/04/14(土) 04:10:00 ]
16

142 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/04/14(土) 04:11:00 ]
17

143 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/04/14(土) 04:12:00 ]
16

144 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/04/14(土) 04:13:00 ]
15



145 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/04/14(土) 04:14:02 ]
14

146 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/04/14(土) 04:15:00 ]
13

147 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/21(土) 10:13:27 ]
連分数の理論を(2元)2次形式論と実2次体に応用するためには、
2次の無理数と2次形式と2次体のイデアルの3者の関係をはっきり
させておいたほうが良い。
この関係は過去スレ4でもある程度扱ったが、ここではより詳しく
述べる。

ここで述べる定式化は Henri Cohen の
A course in computational algebraic number thery から拝借した。

148 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/21(土) 10:43:56 ]
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。
過去スレ4の586より D はある2次体 Q(√m) の整環 R の
判別式である。

I を R の分数イデアル(過去スレ2の677)とする。
即ち、Q(√m) の R-部分加群 I が次の条件を満たすとき I を R の
分数イデアルと呼ぶ。
1) I ≠ 0
2) Q(√m) の元 x ≠ 0 で xI ⊂ R となるものがある。

定義より、I = (1/α)J と書ける。
ここで J は R のイデアルで α は R の元である。

I のノルム N(I) を N(I) = N(J)/|N(α)| で定義する。

これが J と α の取り方によらないことは証明を要する。

149 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/04/21(土) 10:57:54 ]


150 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/21(土) 11:17:07 ]
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、
I ≠ 0 を R のイデアルとする。
R = [μ, ν] を R のある基底による表示とする。
I = [α, β] を I のある基底による表示とする。
I ⊂ R だから
α = pμ + qν
β = rμ + sν
と書ける。ここで p, q, r, s は有理整数である。
このとき N(I) = |ps - qr| である。

証明
I = [a, b + cfω] を I の標準基底 (過去スレ4の429) による
表示とする。
N(I) = ac である(過去スレ4の438)。

[μ, ν] の [1, fω] による変換行列を A とする。
つまり、(μ, ν)' = A(1, fω)' である。
ここで、(μ, ν)', (1, fω)' はそれぞれ列ベクトルを表す。

同様に [a, b + cfω] の [1, fω] による変換行列を B とする。
つまり、(a, b + cfω)' = B(1, fω)' である。
ここで、B = (a, 0)/(b, c) である。
同様に [α, β] の [a, b + cfω] による変換行列を C とする。

(α, β)' = C(a, b + cfω)' = CB(1, fω)' = CBA^(-1) (μ, ν)'
従って、P = (p, q)/(r, s) とおけば P = CBA^(-1) である。
det(A) = ±1, det(C) = ±1 だから |det(P)| = |det(B)| = ac = N(I)
det(P) = ps - qr だから N(I) = |ps - qr| である。
証明終

151 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/21(土) 11:30:20 ]
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、
I ≠ 0 を R のイデアルとする。
R = [μ, ν] を R のある基底による表示とする。
I = [α, β] を I のある基底による表示とする。
I ⊂ R だから
α = pμ + qν
β = rμ + sν
と書ける。ここで p, q, r, s は有理整数である。

このとき
αβ' - α'β = (ps - qr)(μν' - μ'ν)

証明
(α, α')/(β, β') = (p, q)/(r, s) (μ, μ')/(ν, ν')
である。

両辺の行列式をとればよい。
証明終

152 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/21(土) 11:47:49 ]
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、
I ≠ 0 を R のイデアルとする。
I = [α, β] を I のある基底による表示とする。

(αβ' - α'β)^2 は有理整数 > 0 であり、基底 α, β の
取り方によらない。

証明
I = [γ, δ] を I の別の基底による表示とする。
[α, β] の [γ, δ] による変換行列を P とすれば
>>151 と同様にして
αβ' - α'β = (ps - qr)(γδ' - γ'δ)
両辺を2乗して
(αβ' - α'β)^2 = (ps - qr)^2 (γδ' - γ'δ)^2

det(P) = ±1 だから
(αβ' - α'β)^2 = (γδ' - γ'δ)^2
証明終

153 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/21(土) 11:54:18 ]
定義
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、
I ≠ 0 を R のイデアルとする。
I = [α, β] を I のある基底による表示とする。

d(I) = (αβ' - α'β)^2 と書き、これを I の判別式という。
>>152 より、これは基底 α, β の取り方によらない。

d(I) を d(α, β) とも書く。

容易にわかるように d(R) は R の判別式に一致する。
さらに d(1, ω) は2次体 Q(√m) の判別式である。

154 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/21(土) 11:59:03 ]
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、
I ≠ 0 を R のイデアルとする。

d(I) = (N(I)^2)d(R)である。

証明
定義(>>152) と >>150, >>151 より明らかである。



155 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/21(土) 12:05:04 ]
定義
α, β を2次体 Q(√m) の元とする。
Δ(α, β) = αβ' - α'β と書く。

156 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/21(土) 12:19:47 ]
補題
α, β, γ を2次体 Q(√m) の元とする。

Δ(γα, γβ) = N(γ)Δ(α, β) である。

証明
Δ(γα, γβ) = γαγ'β' - γ'α'γβ = γγ'(αβ' - α'β) = N(γ)Δ(α, β)
証明終

157 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/04/22(日) 04:10:00 ]
12

158 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/04/22(日) 04:11:00 ]
11

159 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/04/22(日) 04:12:00 ]
10

160 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/04/22(日) 04:13:00 ]
9

161 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/04/22(日) 04:14:00 ]
8

162 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/04/22(日) 04:15:00 ]
7

163 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/22(日) 13:48:32 ]
訂正

>>152
>(αβ' - α'β)^2 は有理整数 > 0 であり、基底 α, β の
>取り方によらない。

(αβ' - α'β)^2 は基底 α, β の取り方によらない。

164 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/22(日) 16:08:13 ]
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、
I ≠ 0 を R のイデアルとする。
γ ≠ 0を2次体 Q(√m) の元とする。

N(γI) = |N(γ)|N(I) である。

証明
>>154 より
d(γI) = (N(γI)^2)d(R)

I = [α, β] を I のある基底による表示とする。
γI = [γα, γβ] である。

>>156 より
d(γI) = (N(γ)^2)d(I)

>>154 より
(N(γ)^2)d(I) = (N(γ)^2)(N(I)^2)d(R)

従って、
(N(γI)^2)d(R) = (N(γ)^2)(N(I)^2)d(R)

d(R) ≠ 0 であるから
N(γI)^2 = (N(γ)^2)(N(I)^2)

よって
N(γI) = |N(γ)|N(I)
証明終



165 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/22(日) 16:16:24 ]
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、
I ≠ 0, J ≠ 0 を R のイデアルとする。
α ≠ 0, β ≠ 0 を2次体 Q(√m) の元とする。

(1/α)I = (1/β)J なら
N(I)/|N(α)| = N(J)/|N(β)| である。

証明
(1/α)I = (1/β)J だから βI = αJ
>>164 より N(β)N(I) = |N(α)|N(J)
よって
N(I)/|N(α)| = N(J)/|N(β)| である。
証明終

166 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/22(日) 16:20:31 ]
定義
I を R の分数イデアルとする(>>148)。
定義より、I = (1/α)J と書ける。
ここで J は R のイデアルで α ≠ 0 は R の元である。

I のノルム N(I) を N(I) = N(J)/|N(α)| で定義する。

>>165 よりこれは J と α の取り方によらない。

167 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/22(日) 20:48:52 ]
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、
I ≠ 0 を R の分数イデアルとする。
I は基底をもつ、即ち I = [θ_1, θ_2] と表示される。
ここで θ_1, θ_2 は Q(√m) の非零元である。

証明
I = (1/γ)J と書ける。
ここで J ≠ 0 は R のイデアルで γ ≠ 0 は R の元である。
J = [α, β] を J のある基底による表示とする。
I = [α/γ, β/γ] である。
証明終

168 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/04/22(日) 20:49:50 ]
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169 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/04/22(日) 20:59:16 ]
民主党は“全て中国の言う通り”がモットー。
公明党は創価学会とともに日本を朝鮮のものにしようとしてる。
創価学会は日本の大手メディアを間接支配していて、 社民党は朝鮮総連とともに拉致の存在を否定し、被害者の活動を妨害した。
共産党は北朝鮮に関して社民党と同じ。それに加えて反自衛隊・反米である。
朝鮮総連と民潭は日本を解体して朝鮮にしようと参政権を狙っているし、
統一教会は売国政党の社民党を支援している。
☆朝日新聞などは中国と朝鮮の代弁者、つまり日本最大手の売国新聞だし、
日教組は基本理念のレベルから反資本主義・反体制であり、残る自民党にも中国の顔色ばかり窺っている者が潜んでいるのである。
今後は『人権擁護法案』成立を契機に公明党は民主党に鞍替えして連立し、 実質外国人与党が誕生して第二期工作の完結となるのが彼らの筋書きである。 (今、実際にそのように動きつつある)
そうすればあっという間に外国人参政権を成立させて日本の国政は全て
朝鮮人が牛耳り、朝鮮に歯向かう日本人の政治介入する隙間を残さない
新たな制度が完成することだろう。
そしてこれらの売国組織に必ず関与し、彼らの侵略行為の結果において
最も利益を享受する立場にあるのが『在日朝鮮人』である。
hisazin-up.dyndns.org/up/src/14540.wmv 在日特権の真相にせまる21.68MiB

170 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/04/22(日) 21:01:39 ]
啓蒙の実践

☆虚構世界 円の紋章
www.google.com/search?q=%22%E8%99%9A%E6%A7%8B%E4%B8%96%E7%95%8C+%E5%86%86%E3%81%AE%E7%B4%8B%E7%AB%A0%22&sourceid=ie7&rls=com.microsoft:en-US&ie=utf8&oe=utf8

■超越論と非超越論
www.google.com/search?hl=ja&rls=com.microsoft%3Aen-US&q=%22%E8%B6%85%E8%B6%8A%E8%AB%96%E3%81%A8%E9%9D%9E%E8%B6%85%E8%B6%8A%E8%AB%96%22&lr=

■オタク概念の整備
www.google.com/search?hl=ja&rls=com.microsoft%3Aen-US&q=%22%E3%82%AA%E3%82%BF%E3%82%AF%E6%A6%82%E5%BF%B5%E3%81%AE%E6%95%B4%E5%82%99%22&lr=

■淫乱肉便器と淫乱肉便器候補
www.google.com/search?q=%22%E6%B7%AB%E4%B9%B1%E8%82%89%E4%BE%BF%E5%99%A8%E3%81%A8%E6%B7%AB%E4%B9%B1%E8%82%89%E4%BE%BF%E5%99%A8%E5%80%99%E8%A3%9C%22&sourceid=ie7&rls=com.microsoft:en-US&ie=utf8&oe=utf8
●実姉
www.google.com/search?hl=ja&rls=com.microsoft%3Aen-US&q=%22%E5%AE%9F%E5%A7%89%22&btnG=Google+%E6%A4%9C%E7%B4%A2&lr=
●淫乱肉便器の紹介
www.google.com/search?hl=ja&rls=com.microsoft%3Aen-US&q=%22%E6%B7%AB%E4%B9%B1%E8%82%89%E4%BE%BF%E5%99%A8%E3%81%AE%E7%B4%B9%E4%BB%8B%22&lr=
■持続可能な淫乱投票システム
www.google.com/search?hl=ja&rls=com.microsoft%3Aen-US&q=%22%E6%8C%81%E7%B6%9A%E5%8F%AF%E8%83%BD%E3%81%AA%E6%B7%AB%E4%B9%B1%E6%8A%95%E7%A5%A8%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0%22&lr=


171 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/22(日) 21:24:20 ]
>>164 を以下のように訂正する。

補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、
I ≠ 0 を R のイデアルとする。
γ ≠ 0 を R の元とする。

このとき
N(γI) = |N(γ)|N(I) である。

証明
>>154 より
d(γI) = (N(γI)^2)d(R)

I = [α, β] を I のある基底による表示とする。
γI = [γα, γβ] である。

>>156 より
d(γI) = (N(γ)^2)d(I)

>>154 より
(N(γ)^2)d(I) = (N(γ)^2)(N(I)^2)d(R)

従って、
(N(γI)^2)d(R) = (N(γ)^2)(N(I)^2)d(R)

d(R) ≠ 0 であるから
N(γI)^2 = (N(γ)^2)(N(I)^2)

よって
N(γI) = |N(γ)|N(I)
証明終

172 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/22(日) 21:36:15 ]
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、
I ≠ 0 を R の分数イデアルとする。
γ ≠ 0 を2次体 Q(√m) の元とする。

このとき
N(γI) = |N(γ)|N(I) である。

証明
γ = α/β と書ける。ここで α, β は R の元である。

γI = (α/β)I = (1/β)αI

αI ⊂ R であるから >>166 より
N(γI) = N(αI)/|N(β)|

>>171 より
N(γI) = |N(α)|N(I)/|N(β)| = |N(γ)|N(I)
証明終

173 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/22(日) 22:00:37 ]
命題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、
I ≠ 0 を R の分数イデアルとする。
I = [θ, τ] を I のある基底による表示とする(>>167)。
R = [μ, ν] を R のある基底による表示とする。
I ⊂ Q(√m) だから
θ = pμ + qν
τ = rμ + sν
と書ける。ここで p, q, r, s は有理数である。
このとき N(I) = |ps - qr| である。

証明
R の元 γ ≠ 0 があり、γI ⊂ R となる。
r = N(γ) = γγ' とおけば、rI ⊂ R となる。
rI = [α, β] とする。
α = aμ + bν
β = cμ + dν
と書ける。ここで a, b, c, d は有理整数である。
I = [α/r, β/r] である。
α/r = (a/r)μ + (b/r)ν
β/r = (c/r)μ + (d/r)ν

I = [θ, τ] でもあるから
|(a/r)(d/r) - (b/r)(c/r)| = |ps - qr|
よって |ad - bc|/r^2 = |ps - qr|

一方、>>150 より
N(rI) = |ad - bc|
>>172 より N(rI) = |N(r)|N(I) = (r^2)N(I)
よって N(I) = |ad - bc|/r^2
よって N(I) = |ps - qr| である。
証明終

174 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/23(月) 12:46:13 ]
命題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、
I ≠ 0 を R の分数イデアルとする。
I = [α, β] を I のある基底による表示とする(>>167)。

Δ(α, β) = αβ' - α'β と書いた(>>155)。

Δ(α, β)^2 = (N(I)^2)d(R) である。

証明
R = [μ, ν] を R のある基底による表示とする。
I ⊂ Q(√m) だから
α = pμ + qν
β = rμ + sν
と書ける。ここで p, q, r, s は有理数である。

>>151 と同様にして
Δ(α, β) = (ps - qr)Δ(μ, ν)

>>173 より N(I) = |ps - qr| である。
よって
Δ(α, β)^2 = (N(I)^2)Δ(μ, ν)^2 である。

一方、>>153 より Δ(μ, ν)^2 = d(R) である。
証明終



175 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/23(月) 12:52:29 ]
命題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、
I ≠ 0 を R の分数イデアルとする。
I = [α, β] を I のある基底による表示とする(>>167)。

d(I) = Δ(α, β)^2 と書き、これを I の判別式という。

>>174 より、d(I) = (N(I)^2)d(R) だからこれは基底 α, β の
取り方によらない。
d(I) は0でない有理数である。

176 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/23(月) 20:52:43 ]
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、
I ≠ 0 を R の分数イデアルとする。
I = [α, β] を I のある基底による表示とする。

>>174 より Δ(α, β)^2 = (N(I)^2)D である。
ここで D は R の判別式である。
従って、(Δ(α, β)/√D)^2 = N(I)^2 である。
よって Δ(α, β)/√D は0でない実数である。
ここで √D = (√|D|)i とする(過去レス4の273参照)。

Δ(α, β)/√D > 0 のとき、基底 α, β は正に向き付けられている
という。
Δ(α, β)/√D < 0 のとき、基底 α, β は負に向き付けられている
という。

Δ(-α, β) = -αβ' + α'β = -Δ(α, β) だから
Δ(-α, β)/√D = -Δ(α, β)/√D
よって基底 α, β が正に向き付けられているとき
基底 -α, β は負に向き付けられている。

177 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/23(月) 21:09:14 ]
命題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、
I ≠ 0 を R の分数イデアルとする。
I = [α, β] = [γ, δ] とし、
α, β と γ, δ は共に正に向き付けられているとする。

α, β の γ, δ による変換行列を P = (p, q)/(r, s) とする。
即ち、
α = pγ + qδ
β = rγ + sδ
とする。

このとき P ∈ SL_2(Z) である。

証明
P ∈ GL_2(Z) であるから det(P) > 0 を示せばよい。

>>151 と同様にして
Δ(α, β) = det(P)Δ(γ, δ) である。
よって
Δ(α, β)/√D = det(P)Δ(γ, δ)/√D である。
ここで D は R の判別式である。

α, β と γ, δ は共に正に向き付けられているから、
Δ(α, β)/√D > 0
Δ(γ, δ)/√D > 0

従って det(P) > 0 である。
証明終

178 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/04/24(火) 04:10:00 ]
15

179 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/04/24(火) 04:11:00 ]
14

180 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/04/24(火) 04:12:00 ]
13

181 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/04/24(火) 04:13:00 ]
12

182 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/04/24(火) 04:14:00 ]
11

183 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/04/24(火) 04:15:00 ]
10

184 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/25(水) 20:15:48 ]
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。
過去スレ4の586より D はある2次体 Q(√m) の整環 R の
判別式である。

判別式 D の2次形式の集合を F(D) と書く。

2次形式 ax^2 + bxy + cy^2 を (a, b, c) と略記した
(過去スレ4の328)。

σ = (p, q)/(r, s) を SL_2(Z) の元とする。
(a, b, c) ∈ F(D) のとき (a, b, c) に σ = (p, q)/(r, s) を
作用させると、 過去スレ4の401より
(a, b, c)σ = (k, l, m)

ここで
k = ap^2 + bpr + cr^2
l = 2apq + b(ps + qr) + 2crs
m = aq^2 + bqs + cs^2

過去スレ4の281より (k, l, m) の判別式は D である。
よって過去スレ4の403より F(D) は右 SL_2(Z)-集合となる。



185 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/28(土) 08:32:40 ]
SL_2(Z) の元 (1, 1)/(0, 1) を S と書いた(過去スレ4の237)。

任意の n ∈ Z に対して S^n = (1, n)/(0, 1) である。
よって過去スレ4の401より (a, b, c) ∈ F(D) のとき
(a, b, c)S^n = (a, 2an + b, an^2 + bn + c)
である。

過去スレ4の587より I = [a, (-b + √D)/2] は R のイデアルである。
(k, l, m) ∈ F(D) があり、[a, (-b + √D)/2] = [k, (-l + √D)/2]
とする。
I ∩ Z = aZ = kZ だから a = ±k である。

簡単のために a = k と仮定する。
(-b + √D)/2 = na + t(-l + √D)/2 となる n, t ∈ Z がある。
よって
t = 1
-b = 2na - l
よって
l = b + 2an
D = l^2 - 4km = b^2 - 4ac だから

(b + 2an)^2 - 4am = b^2 - 4ac
よって
4am = (b + 2an)^2 - b^2 + 4ac = 4abn + 4a^2n^2 + 4ac
m = bn + an^2 + c

以上から (k, l, m) = (a, 2an + b, an^2 + bn + c) である。
即ち (a, b, c)S^n = (k, l, m) である。

186 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/28(土) 08:36:29 ]
逆に (a, b, c)S^n = (k, l, m) なら
k = a
l = 2an + b
だから
[k, (-l + √D)/2] = [a, -an + (-b + √D)/2] = [a, (-b + √D)/2] である。

187 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/28(土) 09:03:27 ]
SL_2(Z) を Γ と書き、S で生成される Γ の部分群を Γ_∞ と書く。
即ち Γ_∞ = {S^n = (1, n)/(0, 1), n ∈ Z} である。

Γ は C ∪ {∞} に一次分数変換として作用する
(過去スレ4の196)。ここで、C は複素数体である。
このとき、Γ_∞ は Γ の ∞ における安定化部分群
(過去スレ4の392)である。

Γ_∞ は F(D) に右から作用する。
F(D) の Γ_∞ の作用による商集合を F(D)/Γ_∞ と書いた
(過去スレ4の390)。

R の分数イデアル全体を id(R) と書こう。

(a, b, c) ∈ F(D) に R のイデアル [a, (-b + √D)/2] を対応させる
ことにより F(D) から id(R) への写像が得られる。
この写像を φ_FI と書こう。F は form、I は ideal の頭文字である。

>>186 より φ_FI は F(D)/Γ_∞ から id(R) への写像を引き起こす。

188 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/28(土) 10:35:47 ]
>>176 を以下のように訂正する。

R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、
I ≠ 0 を R の分数イデアルとする。
I = [α, β] を I のある基底による表示とする。

>>174 より Δ(α, β)^2 = (N(I)^2)D である。
ここで D は R の判別式である。
従って、(Δ(α, β)/√D)^2 = N(I)^2 である。
よって Δ(α, β)/√D は0でない実数である。
ここで √D = (√|D|)i とする(過去レス4の273参照)。

Δ(-α, β)/√D > 0 のとき、基底 α, β は正に向き付けられている
という。
Δ(-α, β)/√D < 0 のとき、基底 α, β は負に向き付けられている
という。

Δ(-α, β) = -αβ' + α'β = -Δ(α, β) だから
Δ(-α, β)/√D = -Δ(α, β)/√D
よって基底 α, β が正に向き付けられているとき
基底 -α, β は負に向き付けられている。

189 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/28(土) 10:38:51 ]
>>177 を以下のように訂正する。

命題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、
I ≠ 0 を R の分数イデアルとする。
I = [α, β] = [γ, δ] とし、
α, β と γ, δ は共に正に向き付けられているとする。

α, β の γ, δ による変換行列を P = (p, q)/(r, s) とする。
即ち、
α = pγ + qδ
β = rγ + sδ
とする。

このとき P ∈ SL_2(Z) である。

証明
P ∈ GL_2(Z) であるから det(P) > 0 を示せばよい。

>>151 と同様にして
Δ(α, β) = det(P)Δ(γ, δ) である。
よって
Δ(α, β)/√D = det(P)Δ(γ, δ)/√D である。
ここで D は R の判別式である。

α, β と γ, δ は共に正に向き付けられているから、
Δ(α, β)/√D < 0
Δ(γ, δ)/√D < 0

従って det(P) > 0 である。
証明終

190 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/28(土) 10:58:09 ]
(a, b, c) ∈ F(D) のとき I = [a, (-b + √D)/2] の
基底 a, (-b + √D)/2 の向き(>>188)を調べる。

Δ(-a, (-b + √D)/2) = a((-b + √D)/2 - (-b - √D)/2)
= a√D

従って a > 0 のとき a, (-b + √D)/2 は正の向き、
a < 0 のとき a, (-b + √D)/2 は負の向きである。

まず a > 0 の場合を考える。
α = a
β = (-b + √D)/2 とおき、
f(x, y) = N(xα - yβ)/N(I) とおく。
x と y は有理整数である。

過去スレ4の392より、
k = (αα')/N(I)
l = -(αβ' + βα')/N(I)
m = (ββ')/N(I)
とおけば、f(x, y) = kx^2 + lxy + my^2 である。

今の場合、N(I) = a だから
k = a
l = b
m = c
である。
即ち N(xα - yβ)/N(I) = ax^2 + bxy + cy^2 である。

191 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/28(土) 11:39:35 ]
今度は a < 0 の場合を考える。
I = [a, (-b + √D)/2] = [-a, (-b + √D)/2] であり、
Δ(a, (-b + √D)/2)) = -a√D だから
-a, (-b + √D)/2 は正の向きである。

α = -a
β = (-b + √D)/2 とおき、
f(x, y) = N(xα + yβ)/N(I) とおく。
x と y は有理整数である。

過去スレ4の584より、
k = (αα')/N(I)
l = (αβ' + βα')/N(I)
m = (ββ')/N(I)
とおけば、f(x, y) = kx^2 + lxy + my^2 である。

今の場合、N(I) = -a だから
k = -a
l = -b
m = -c
である。
即ち N(xα + yβ)/N(I) = -ax^2 - bxy - cy^2 である。

192 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/28(土) 12:24:17 ]
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、I と J を R の
分数イデアルとする。
J ⊂ I なら N(J)/N(I) は有理整数である。

証明
I = [α, β]
J = [δ, γ]
とする。
J ⊂ I だから
δ = pα + qβ
γ = rα + sβ
と書ける。
ここで p, q, r, s は有理整数である。

>>151 と同様にして
Δ(δ, γ) = (ps - qr)Δ(α, β)
だから >>175 より
d(J) = (ps - qr)^2 d(I)

>>174 より
d(I) = (N(I)^2)d(R)
だから
d(J) = (ps - qr)^2(N(I)^2)d(R)

d(J) = (N(J)^2)d(R)
だから
(ps - qr)^2(N(I)^2)d(R) = (N(J)^2)d(R)
よって
N(I)|ps - qr| = N(J)
証明終

193 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/28(土) 12:33:43 ]
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、
γ ≠ 0 を2次体 Q(√m) の元とする。

N(γR) = |N(γ)| である。

証明
>>172 において I = R とすればよい。

194 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/28(土) 12:36:11 ]
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、I と J を R の
分数イデアルとする。
γ ∈ I なら N(γ)/N(I) は有理整数である。

証明
>>192>>193 より明らかである。



195 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/28(土) 12:37:18 ]
>>194 を以下のように訂正する。

補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、I を R の
分数イデアルとする。
γ ∈ I なら N(γ)/N(I) は有理整数である。

証明
>>192>>193 より明らかである。

196 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/28(土) 12:59:00 ]
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、
I を R の分数イデアルとする。
α, β ∈ I なら (αβ' + βα')/N(I) は有理整数である。

証明
N(α + β) = (α + β)(α' + β')
= αα' + (αβ' + βα') + ββ'

よって
(αβ' + βα')/N(I) = N(α + β)/N(I) - αα'/N(I) - ββ'/N(I)

>>195 よりこの右辺は有理整数である。
証明終

197 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/28(土) 13:23:43 ]
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、
I = [α, β] を R の分数イデアルとする。

α, β は正に向き付けられているとする(>>188)。

s = ±1 として f(x, y) = sN(xα - syβ)/N(I) とおく。
x と y は有理整数である。
>>195 より f(x, y) は有理整数である。
f(x, y) は α, β, s に依存するから f(α, β, s; x, y) とも書く。

N(xα - syβ) = (xα - syβ)(xα' - syβ')
= (αα')x^2 - s(αβ' + βα')xy + (ββ')y^2

a = s(αα')/N(I)
b = -(αβ' + βα')/N(I)
c = s(ββ')/N(I)
とおけば、f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 である。

>>195>>196 より a, b, c は有理整数である。
よって f(x, y) は有理整数係数の2次形式と見なせる。

r ≠ 0 を有理数とする。
rI = [rα, rβ] であり、

Δ(rα, rβ) = (r^2)Δ(α, β) だから rα, rβ の向きも正である。

f(rα, rβ, s; x, y) = sN(xrα - syrβ)/N(rI)
= sN(r)N(xα - syβ)/|N(r)|N(I)
= s(r^2)N(xα - syβ)/(r^2)N(I)
= f(α, β, s; x, y)

198 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/04/28(土) 13:36:31 ]
がんがれ、くまごろん

199 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/28(土) 14:21:58 ]
>>197 の続き。

n を有理整数とする。
I = [α, β] = [α, β + nα] である。

Δ(α, β + nα) = α(β' + nα') - α'(β + nα)
= Δ(α, β)
従って、α, β + nα も正の向きである。

f(α, β + nα, s; x, y) = kx^2 + lxy + m^2 を計算しよう。

a = s(αα')/N(I)
b = -(αβ' + βα')/N(I)
c = s(ββ')/N(I)
だから

k = s(αα')/N(I) = a

l = -(α(β + nα)' + (β + nα)α')/N(I)
= b - 2na/s

m = s(β + nα)(β' + nα')/N(I)
= s(ββ' + n(βα' + αβ') + n^2αα')/N(I)
= c - snb + an^2

即ち
f(α, β + nα, s; x, y) = (a, b - 2na/s, an^2 - sbn + c)

200 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/28(土) 14:24:18 ]
>>185 より
s = 1 のとき

f(α, β + nα, s; x, y) = f(α, β, s; x, y)S^(-n)

s = -1 のとき
f(α, β + nα, s; x, y) = f(α, β, s; x, y)S^n

201 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/28(土) 15:36:32 ]
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、
I を R の分数イデアルとする。

分数イデアルの定義(>>148)より、
γI ⊂ R となる R の元 γ ≠ 0 がある。
γ' ∈ R だから
γ'γI ⊂ γ'R ⊂R

r = γγ' とおけば、r は有理整数で rI ⊂ R である。
rI は R のイデアルだから過去レス4の427より
rI = [a, b + cfω] と書ける。
ここで a > 0, 0 ≦ b < a, c > 0 で a と b は c で割れる。

I = [a/r, (b + cfω)/r] である。

Δ(a, b + cfω) = a(b + cfω') - a(b + cfω) = acf(ω' - ω)
= -ac√D

ac > 0 だから a, b + cfω の向きは正である。

Δ(a/r, (b + cfω)/r) = (1/r^2)Δ(a, b + cfω) だから
a/r, b + cfω/r の向きも正である。

即ち、
α = a/r
β = (b + cfω)/r とおけば
I = [α, β] で α, β の向きは正である。

202 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/28(土) 16:13:16 ]
>>197 の補足。

(αβ' + βα')^2 - 4αα'ββ' = (αβ' - βα')^2
だから f(x, y) の判別式は (αβ' - βα')^2/N(I)^2 である。
>>174 よりこれは R の判別式に等しい(過去スレ4の584も参照)。

203 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/28(土) 16:34:46 ]
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。
R の分数イデアル全体を id(R) と書いた(>>187)。

I を R の分数イデアルとし、r ≠ 0 を有理数とすると、
rI は R の分数イデアルである。
従って id(R) は Q^* の元の作用により (Q^*)-集合(>>388)となる。
ここで Q は有理数体であり、Q^* はその乗法群である。

id(R)/(Q^*) × {±1} から F(D)/Γ_∞ への写像 φ_IF を以下のように
定義する。ここで {±1} は 有理整数環 Z の単元群 Z^* である。

id(R)/(Q^*) の任意の類 {I} をとる。ここで I は R の分数イデアル
である。
>>201 より I の基底 α, β で α は有理数で α, β の向きは正と
なるものがある。

s = ±1 のとき f(x, y) = sN(xα - syβ)/N(I) とおく。
>>197 より f(x, y) は有理整数係数の2次形式と見なせる。
>>202 より f(x, y) の判別式は D である。

f(x, y) の属す F(D)/Γ_∞ の類 {f(x, y)} は id(R)/(Q^*) の類 {I}
のみで決まり、I および α, β のとり方によらないことを示そう。

204 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/28(土) 18:21:51 ]
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし
I をその原始イデアル(過去スレ4の430)とする。

I = [α, β] で α ∈ Z なら β = s ± fω と書ける。
ここで s ∈ Z である。

証明
I = [a, b + fω] を I の標準基底(過去スレ4の430)とする。
N(I) = a である。
I ∩ Z = αZ = aZ だから α = ±a である。

β = s + tfω とする。
N(I) = |αt| = a|t| である。
従って |t| = 1 である。
証明終



205 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/28(土) 18:28:19 ]
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし
I をその原始イデアル(過去スレ4の430)とする。

I = [α, β] = [α, γ] で α ∈ Z なら
β - γ ∈ αZ である。

証明
>>204 より β - γ ∈ I ∩ Z = αZ である。
証明終

206 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/28(土) 19:03:39 ]
>>205 を以下のように訂正する。

補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし
I をその原始イデアル(過去スレ4の430)とする。

I = [α, β] = [α, γ] で α ∈ Z かつ
α, β と α, γ の向きはともに正とする。

このとき
β - γ ∈ αZ である。

証明
>>204 より β = s ± fω と書ける。
β = s + fω のとき
Δ(α, β) = -α√D
β = s - fω のとき
Δ(α, β) = α√D

同様に
γ = t ± fω と書ける。
γ = t + fω のとき
Δ(α, γ) = -α√D
γ = t - fω のとき
Δ(α, γ) = α√D

α, β と α, γ の向きはともに正だから
β = s + fω のとき γ = t + fω であり、
β = s - fω のとき γ = t - fω である。

よって β - γ ∈ I ∩ Z = αZ である。
証明終

207 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/29(日) 01:50:43 ]
>>203 の続き。

id(R)/(Q^*) の任意の類 {I} をとる。ここで I は R の分数イデアル
である。
>>201 より I の基底 α, β で α は有理数で α, β の向きは正と
なるものがある。

>>201 より rI ⊂ R となる有理整数 r ≠ 0 がある。
rI はある有理整数と原始イデアルの積となるから、
結局、 qI が原始イデアルとなるような有理数 q ≠ 0 がある。

qI = [qα, qβ] であるが、>>197 より
f(α, β, s; x, y) = f(qα, qβ, s; x, y)
従って、I は原始イデアルと仮定してよい。

I = [γ, δ] で γ は有理整数で γ, δ の向きは正とする。
α = ±γ である。
α = -γ なら I = [-γ, -δ] で -γ, -δ の向きは正であるから
α = γ と仮定してよい。
このとき >>206 より β - δ ∈ αZ である。
>>200 より
f(α, β, s; x, y) と f(γ, δ, s; x, y) は F(D)/Γ_∞ の同じ類
に属す。
これで >>203 の最後の主張は証明された。

208 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/29(日) 02:22:14 ]
>>187 で (a, b, c) ∈ F(D) に R のイデアル [a, (-b + √D)/2] を
対応させる F(D) から id(R) への写像を φ_FI と書いたが、
(a, b, c) ∈ F(D) に ([a, (-b + √D)/2], sign(a)) を対応させる
F(D) から id(R) × {±} への写像を φ_FI と書くことに訂正する。
ここで sign(a) は a の符号を表す。
即ち a > 0 のとき sign(a) = 1, a < 0 のとき sign(a) = -1 である。

>>187 より φ_FI は F(D)/Γ_∞ から id(R) × {±} への写像を
引き起こす。
従って F(D)/Γ_∞ から (id(R)/Q^*) × {±} への写像を引き起こす。
この写像を記号の濫用だが同じ φ_FI で表す。

他方、>>203>>207 より
id(R)/(Q^*) × {±1} から F(D)/Γ_∞ への写像 φ_IF が定義された。

φ_FI と φ_IF は互いに逆写像であることをこれから示す。

209 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/29(日) 04:43:31 ]
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。
R の任意のイデアル I ≠ 0 は
I = [a, b + c(D + √D)/2] と一意に書ける。
ここで a > 0, 0 ≦ b < a, c > 0 で a と b は c で割れる。

証明
θ = (D + √D)/2 とおく。
過去スレ4の585より R = [1, θ] だから
I = [a, b + cθ], a > 0, 0 ≦ b < a, c > 0 と一意に書ける
ことは過去スレ4の14の証明と同様である。

θ + θ' = D
θθ' = (D^2 - D)/4 より
θ は X^2 - DX + (D^2 - D)/4 の根である。
従って θ^2 = Dθ - (D^2 - D)/4

aθ ∈ I だから a は c で割れる。

(b + cθ)θ = bθ + cθ^2 = (b + cD)θ - c(D^2 - D)/4 ∈ I

D ≡ 0, 1 (mod 4) だから
D^2 ≡ 0, 1 (mod 4)
よって D^2 ≡ D (mod 4)
よって c(D^2 - D)/4 ∈ Z である。
よって b + cD ≡ 0 (mod c) となる。
よって b ≡ 0 (mod c) となる。
証明終

210 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/29(日) 04:45:50 ]
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。
R の原始イデアル I は
I = [a, b + (D + √D)/2] と一意に書ける。
ここで a > 0, 0 ≦ b < a

証明
>>209 より明らかである。

211 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/29(日) 05:08:37 ]
>>208 の続き。

>>190>>191 より
(φ_IF)(φ_FI) = 1 である。

I を R = [1, ω] の原始イデアルとする。
>>210より I = [a, b + (D + √D)/2] と書ける。
ここで a, b は有理整数で a > 0 である。

θ = (D + √D)/2 とおく。

α = a
β = b + θ
とおいて
>>197 の f(α, β, s; x, y) を計算する。

N(I) = a だから
s(αα')/N(I) = sa
-(αβ' + βα')/N(I) = -(β + β') = -(2b + D)

従って >>197 より f(α, β, s; x, y) = (sa, -(2b + D), *) である。
ここで * はある有理整数だがその正確な値はここでは必要ない。

この2次形式の φ_FI による像は
([sa, b + (D + √D)/2], s) = (I, s) である。
これは (φ_FI)(φ_IF) = 1 を意味する。
以上から φ_FI と φ_IF は互いに逆写像である。

212 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/29(日) 05:18:05 ]
>>211 より F(D)/Γ_∞ と (id(R)/Q^*) × {±1} は集合として同型
である。

この事実を述べた文献は非常に少ないと思う。

213 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/29(日) 05:21:02 ]
>>208

{±} と書いたのは {±1} の間違いである。

214 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/29(日) 12:11:15 ]
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。

Qd = { (-b + √D)/2a ; a > 0, D ≡ b^2 (mod 4a) }
とおく。
Qd は quadratic numbers の略である。

Qd の元 θ と有理整数 n に対して θ + n も Qd の元である。
従って Qd には有理整数環の加法群 Z が作用する。
Qd/Z をその商集合とする。

写像 φ_IQ : id(R)/(Q^*) → Qd/Z を以下のように定義する。

id(R)/(Q^*) の任意の類 { I } をとる。ここで I は R の分数イデアル
である。
>>201 より I の基底 α, β で α は有理数で α, β の向きは正と
なるものがある。
β/α ∈ Qd である。

φ_IQ({ I }) = {β/α} とおく。

これが I の取りかたおよび 基底 α, β の取り方によらないことを
以下に示す。



215 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/29(日) 12:24:32 ]
>>207 より qI が原始イデアルとなるような有理数 q ≠ 0 がある。
qI = [qα, qβ] であるが >>197 より qα, qβ の向きも正である。
qβ/qα = β/α であるから I は原始イデアルと仮定してよい。

I = [γ, δ] で γ は有理整数で γ, δ の向きは正とする。
α = ±γ である。
α = -γ なら I = [-γ, -δ] で -γ, -δ の向きは正であるから
α = γ と仮定してよい。
このとき >>206 より β - δ ∈ αZ である。
よって δ/γ = (β + nα)/α = β/α + n となる n ∈ Z がある。
よって φ_IQ({ I }) は I およびその基底 α, β の取り方によらない。

216 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/29(日) 12:47:22 ]
今度は、写像 φ_QI : Qd/Z → id(R)/(Q^*) を以下のように定義する。

θ = (-b + √D)/2a が Qd の元のとき、過去スレ4の587より
I = [a, (-b + √D)/2] は R のイデアルである。

φ_QI({θ}} = { I } と定義する。

まず θ = (-b + √D)/2a = (-l + √D)/2k とする。
ここで
a > 0, D ≡ b^2 (mod 4a)
k > 0, D ≡ l^2 (mod 4k)
である。

k(-b + √D) = a(-l + √D)
よって
a = k
b = l

従って I = [a, (-b + √D)/2] は θ ∈ Qd により一意に決まる。

n ∈ Z のとき θ + n = (-b + √D)/2a + n = (-b + 2an + √D)/2a
これに対応するイデアルは
[a, (-b + 2an + √D)/2] = [a, (-b + √D)/2 + an]
= [a, (-b + √D)/2]

従って I は {θ} のみで決まる。
以上から写像 φ_QI : Qd/Z → id(R)/(Q^*) は矛盾なく定義された。

217 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/29(日) 13:05:05 ]
>>214 で定義した φ_IQ : id(R)/Q^* → Qd/Z と
>>216 で定義した φ_QI : Qd/Z → id(R)/Q^* が互いに逆写像で
あることは簡単にわかるが一応証明する。

I を R の原始イデアルとする。
>>210より I = [a, b + (D + √D)/2] と書ける。
ここで a, b は有理整数で a > 0 である。
この基底 a, b + (D + √D)/2 の向きは正である。

φ_IQ({ I }) = { (2b + D + √D)/2a }
φ_QI({ (2b + D + √D)/2a }) = { [a, b + (D + √D)/2] }
よって (φ_QI)(φ_IQ) = 1 である。

今度は θ = (-b + √D)/2a が Qd の元とする。
φ_QI({θ}) = { [a, (-b + √D)/2] }
φ_IQ({ [a, (-b + √D)/2] }) = { (-b + √D)/2a }
よって (φ_IQ)(φ_QI) = 1 である。

以上で φ_IQ と φ_QI は互いに逆写像であることがわかった。
従って、id(R)/Q^* と Qd/Z は集合として同型である。

218 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/29(日) 13:59:35 ]
>>211 より
φ_FI : F(D)/Γ_∞ → id(R)/Q^* × {±1}

φ_IF : id(R)/Q^* × {±1} → F(D)/Γ_∞
は集合としての同型(即ち全単射)である。

>>211 より
φ_IQ : id(R)/Q^* → Qd/Z

φ_QI : Qd/Z → id(R)/Q^*
は集合としての同型である。

φ_FI: F(D)/Γ_∞ → id(R)/Q^* × {±1}

φ_IQ × 1 : id(R)/Q^* × {±1} → Qd/Z × {±1}
を合成して

同型 φ_FQ : F(D)/Γ_∞ → Qd/Z × {±1}
が得られる。

即ち
(a, b, c) ∈ F(D) のとき

(a, b, c) → ([a, (-b + √D)/2], sign(a))
→ ((-b + √D)/2|a|, sign(a))
と対応させる。

つまり
φ_FQ({ (a, b, c) }) = ({ (-b + √D)/2|a| }, sign(a))

219 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/29(日) 14:09:02 ]
φ_FQ の逆写像 φ_QF : Qd/Z × {±1} → F(D)/Γ_∞ は

φ_QI × 1 : Qd/Z × {±1} → id(R)/Q^* × {±1}

φ_IF : id(R)/Q^* × {±1} → F(D)/Γ_∞
の合成である。

即ち
(-b + √D)/2a ∈ Qd のとき

((-b + √D)/2a, s) → ([a, (-b + √D)/2], s)
→ f(a, (-b + √D)/2, s: x, y)
と対応させる。

つまり
φ_QF({ (-b + √D)/2a }, s) = { f(a, (-b + √D)/2, s: x, y) }

220 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/30(月) 09:04:31 ]
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。

判別式 D の原始的(過去スレ4の279)な2次形式の集合を
F_0(D) と書く。
即ち F_0(D) = {(a, b, c) ; D = b^2 - 4ac, gcd(a, b, c) = 1}

過去スレ4の282 より Γ = SL_2(Z) は F_0(D) に右から作用する。
従って商集合 F_0(D)/Γ と F_0(D)/Γ_∞ が得られる。

R の可逆分数イデアル全体を I(R) と書いた(過去スレ2の521)。
I が R の可逆分数イデアルで r ≠ 0 を有理数とすると
rI も可逆分数イデアルである。
従って、id(R)/Q^* と同様に I(R)/Q^* が得られる。

過去スレ4の592より判別式 D の2次形式 (a, b, c) が原始的で
あるためには R のイデアル [a, (-b + √D)/2] が可逆である
ことが必要十分である。

従って同型

φ_FI: F(D)/Γ_∞ → id(R)/Q^* × {±1}

は同型

F_0(D)/Γ_∞ → I(R)/Q^* × {±1}

を引き起こす。
この同型を(記法の濫用で)同じ φ_FI で表す。

221 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/30(月) 09:22:08 ]
定義
有理整数係数の原始的な2次多項式 ax^2 + bx + c, a ≠ 0
の根を原始的な2次無理数という。
ここで ax^2 + bx + c が原始的とは gcd(a, b, c) = 1 を意味する。


222 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/30(月) 09:34:14 ]
>>221 を以下のように訂正する。

定義
ax^2 + bx + c を有理整数係数の原始的な2次多項式とし、
その判別式を D とする。
この多項式の根を判別式 D の原始的な2次無理数という。

ここで ax^2 + bx + c が原始的とは gcd(a, b, c) = 1 を意味する。

223 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/30(月) 09:58:10 ]
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。

Qd = { (-b + √D)/2a ; a > 0, D ≡ b^2 (mod 4a) } とおいた(>>214)。

Qd の元で原始的(>>221)なもの全体を Qd_0 と書く。
即ち
Qd_0 = { (-b + √D)/2a ∈ Qd ; gcd(a, b, (b^2 - D)/4a) = 1 }

>>218 より
φ_FQ({ (a, b, c) }) = ({ (-b + √D)/2|a| }, sign(a))
により同型
φ_FQ : F(D)/Γ_∞ → Qd/Z × {±1} が得られる。

この同型は同型
F_0(D)/Γ_∞ → Qd_0/Z × {±1} を引き起こす。

この同型を(記法の濫用で)同じ φ_FQ で表す。

224 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/30(月) 10:03:26 ]
>>220, >>223から

同型
φ_IQ : id(R)/Q^* → Qd/Z
は同型
I(R)/Q^* → Qd_0/Z を引き起こすことが分かる。

この同型を(記法の濫用で)同じ φ_IQ で表す。



225 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/30(月) 10:27:18 ]
定義
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。
R の Picard 群 Pic(R) = I(R)/P(R) (過去スレ4の473) を Cl(D)
と書く。

226 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/04/30(月) 10:28:34 ]
226とは何か.ここでは"226"に五つの意味を与えよう.
226は自然数である."226"の一つ目の意味だ.
自然数からいくつでも次の自然数を作ることができる.数学では自然数全体の集合は存在するという前提がある.
自然数の空間には加法を入れることができる.乗法も入れられるが,ここでは関係ない.自然数の加法があると,加法の逆演算を考えたくなる.それを減法と呼ぶが,減法のできない自然数の組が存在する.
そこで,自然数の組を利用して整数の空間を作る.整数の組ならどのようなものでも減法ができる.整数の空間に全ての自然数を埋め込むことができる.整数の226もできる."226"の二つ目の意味だ.
ところで,整数の空間では加法減法乗法は自由にできるが,乗法の逆演算である除法はできないことがあるから,除法もできる空間を考えよう.
整数の空間は乗法について交換法則が成り立ち,しかも0でない整数m,nの積mnは0でないという性質があるから,整数空間の構造を部分的に含み,しかも0で割る以外の加減乗除が自由に出来,二整数の除法だけで作った空間が一意に存在する.
そのような空間の要素を有理数と呼ぶ.有理数の226もできる."226"の三つ目の意味だ.
有理数の空間の基本列として,1,3/2,7/5,17/12,41/29,…のようなものがあるが,これは有理数の極限を持たない.
そこで,有理数の基本列の極限を全て入れた空間を考える.その空間の要素を実数という.実数空間には有理数空間を埋め込むことができ,実数の226もできる."226"の四つ目の意味だ.
実数係数整式では,例えばx^2+1にはxにどのような実数を代入しても0にならない.つまり,実数の範囲で解けない代数方程式があるのだ.
そこで,i^2+1=0を満たすiを加えてさらに加減乗除ができるよう拡張した空間を考える.その空間の元を複素数という.ちなみに複素数係数の代数方程式は1次以上なら必ず複素数の範囲で解が存在する.
複素数空間に実数空間を埋め込むことができ,複素数の226もできる."226"の五つ目の意味だ.

227 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/30(月) 10:32:36 ]
定義
R = [1, fω] を実2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。
Q(√m) は実2次体だから D > 0 である。

P+(R) = {αR ; α ∈ Q(√m), N(α) > 0 } とおく。
I(R)/P+(R) を Cl+(D) と書き、R の狭義のイデアル類群と呼ぶ。

228 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/30(月) 13:05:17 ]
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。
I = [α, β] を R の分数イデアルとし、
α, β の向き(>>188)は正とする。

f(α, β; x, y) = N(xα - yβ)/N(I) とおく。

これは >>197 の f(α, β, s; x, y) = sN(xα - syβ)/N(I) で
s = 1 の場合である。
>>197>>202 より f(α, β; x, y) は判別式 D の2次形式である。

I = [γ, δ] で、γ, δ の向きも正とする。

>>189 より
α = pγ + qδ
β = rγ + sδ
となる有理整数 p, q, r, s で ps - qr = 1 となるものがある。

>>197 より
a = (αα')/N(I)
b = -(αβ' + βα')/N(I)
c = (ββ')/N(I)
とおけば、f(α, β; x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 である。

同様に
k = (γγ')/N(I)
l = -(γδ' + δγ')/N(I)
m = (δδ')/N(I)
とおけば、f(γ, δ; x, y) = kx^2 + lxy + my^2 である。

229 名前:KingOfUniverse ◆667la1PjK2 [2007/04/30(月) 13:08:49 ]
talk:>>226 数学基礎論的整数論。

230 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/04/30(月) 13:17:12 ]
>>226
226に226個の意味を与えてみよ

231 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/30(月) 13:17:22 ]
αα' = (pγ + qδ)(pγ' + qδ')
= γγ'p^2 + (γδ' + δγ')pq + δδ'q^2

αβ' + βα'
= (pγ + qδ)(rγ' + sδ') + (rγ + sδ)(pγ' + qδ')
= γγ' pr + γδ'ps + δγ'qr + δδ'qs
+ γγ' rp + γδ' rq + δγ'sp + δδ'qs
= 2γγ' pr + (γδ'+ δγ')(sp + qr) + 2γγ' qs

ββ' = (rγ + sδ)(rγ' + sδ')
= γγ'r^2 + (γδ' + δγ')rs + δδ's^2

従って
a = kp^2 - lpq + mq^2
b = 2kpr - l(sp + qr) + 2mqs
c = kr^2 - lrs + ms^2

従って >>184 より σ = (-p, r)/(q, -s) おくと σ ∈ SL_2(Z) で
(k, l, m)σ = (a, b ,c)

232 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/30(月) 13:30:57 ]
>>231 を以下のように訂正する。

αα' = (pγ + qδ)(pγ' + qδ')
= γγ'p^2 + (γδ' + δγ')pq + δδ'q^2

αβ' + βα'
= (pγ + qδ)(rγ' + sδ') + (rγ + sδ)(pγ' + qδ')
= γγ' pr + γδ'ps + δγ'qr + δδ'qs
+ γγ' rp + γδ' rq + δγ'sp + δδ'qs
= 2γγ' pr + (γδ'+ δγ')(sp + qr) + 2γγ' qs

ββ' = (rγ + sδ)(rγ' + sδ')
= γγ'r^2 + (γδ' + δγ')rs + δδ's^2

従って
a = kp^2 - lpq + mq^2
b = -2kpr + l(sp + qr) - 2mqs
c = kr^2 - lrs + ms^2

従って >>184 より σ = (-p, r)/(q, -s) おくと σ ∈ SL_2(Z) で
(k, l, m)σ = (a, b ,c)

233 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/30(月) 14:06:35 ]
定義
R = [1, fω] を虚2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。
判別式 D の正定値(過去スレ4の293)原始2次形式の集合を
(F_0)+(D) と書く。

これは過去スレ4の405と異なることに注意しておく。

234 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/30(月) 14:13:02 ]
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。
判別式 D の2次形式の集合を F(D) と書いた(>>184)。

I = [α, β] を R の分数イデアルとし、
α, β の向き(>>188)は正とする。
>>228, >>232 より f(α, β; x, y) が属す F(D)/Γ の類は α, β の
取り方によらない。

>>220 より I が可逆分数イデアルのときは f(α, β; x, y) は
原始的である。

D < 0 のときは (αα')/N(I) > 0 だから f(α, β; x, y) は
正定値である。



235 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/04/30(月) 14:21:39 ]
δ ≠ 0 を Q(√m) の元とする。

δI = [δα, δβ] も R の可逆分数イデアルである。

f(δα, δβ; x, y) = N(xδα - yδβ)/N(δI)
= (N(δ)/|N(δ)|)f(α, β; x, y)

従って、N(δ) > 0 なら f(δα, δβ; x, y) = f(α, β; x, y)
である。

Q(√m) が虚2次体のときは常に N(δ) > 0 である。

よって、I に f(α, β; x, y) が属す (F_0)+(D)/Γ の類を対応させる
ことにより
写像 ψ_IF : Cl(D) → (F_0)+(D)/Γ
が得られる。

Q(√m) が実2次体のときは N(δ) > 0 なる δ で生成される
単項イデアル δR 全体のなす群 P+(R) で I(R) を類別した
狭義のイデアル類群 Cl+(D) を考える(>>227)。

このとき、I に f(α, β; x, y) が属す F_0(D)/Γ の類を対応させる
ことにより
写像 ψ_IF : Cl+(D) → F_0(D)/Γ
が得られる。

236 名前:KingOfUniverse ◆667la1PjK2 [2007/04/30(月) 15:23:18 ]
talk:>>230 私がやってみよう。1次元〜226次元線形空間の226倍写像。

237 名前:132人目の素数さん [2007/04/30(月) 17:44:47 ]
それよりkingとくんまーの白熱した議論が見たい

238 名前:KingOfUniverse ◆667la1PjK2 [2007/04/30(月) 18:06:42 ]
talk:>>237 だが、何の議論をすればいいのだ?

239 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/04/30(月) 18:54:16 ]
>>238
人の脳を読む能力を悪用する奴を潰す必要性について

240 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/05/01(火) 01:53:40 ]
>>238
ゴミは消えろ

241 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/02(水) 20:32:42 ]
再び >>232(即ち >>228の続き)を以下のように訂正する。

f(α, β; x, y) = N(xα - yβ)/N(I)

α = pγ + qδ
β = rγ + sδ
を代入すると

f(α, β; x, y) = N(x(pγ + qδ) - y(rγ + sδ))/N(I)
= ((xp - yr)γ - (-xq + ys)δ)/N(I)
= f(γ, δ; xp - yr, -xq + ys)

従って (a, b, c) = (k, l, m)σ

ここで σ = (p, -r)/(-q, s) ∈ SL_2(Z)

242 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/03(木) 11:07:24 ]
>>235 の続き。

D < 0 のとき
ψ_IF : Cl(D) → (F_0)+(D)/Γ

D > 0 のとき
ψ_IF : Cl+(D) → F_0(D)/Γ

が定義された。

それぞれの逆写像 ψ_FI を定義しよう。

D < 0 の場合。
(a, b, c) ∈ F_0+(D) のとき

ψ_FI({ (a, b, c) }) = { [a, (-b + √D)/2] } と定義する。

D > 0 の場合。
(a, b, c) ∈ F_0(D) のとき

ψ_FI({ (a, b, c) }) = { [a, (-b + √D)/2]α } と定義する。
ここで α は sign(N(α)) = sign(a) となる Q(√m) の任意の
元である。
例えば
a > 0 のときは α = 1
a < 0 のときは α = √m とすればよい。

以上の定義が2次形式類の代表 (a, b, c) の取り方によらないことを
証明しよう。

243 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/03(木) 11:32:01 ]
D < 0 の場合。
ψ_FI : (F_0)+(D)/Γ → Cl(D)
の定義が
(a, b, c) ∈ F_0+(D) の取り方によらないことは、
過去スレ4の598で証明されている。

D > 0 の場合を考える。
f = (a, b, c) ∈ F_0(D) のとき
Ψ(f) = { [a, (-b + √D)/2]α } ∈ Cl+(D) と定義する。
ここで α は sign(N(α)) = sign(a) となる Q(√m) の任意の
元である。

ψ_FI : F_0(D)/Γ → Cl+(D)
の定義が
(a, b, c) ∈ F_0(D) の取り方によらないことを証明するには、
任意の σ ∈ SL_2(Z) に対して
Ψ(fσ) = Ψ(fσ) を証明すればよい。

過去スレ4の269より
SL_2(Z) は S = (1, 1)/(0, 1) と T = (0, -1)/(1, 0) で生成される。

従って
Ψ(fS) = Ψ(f) と Ψ(fT) = Ψ(f) を証明すればよい。

244 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/03(木) 11:51:16 ]
>>185 より
(a, b, c)S = (a, 2a + b, a + b + c)

よって
Ψ(fS) = { [a, -a + (-b + √D)/2]α }
= { [a, (-b + √D)/2]α }
= Ψ(f)

>>184 より (a, b, c)T = (c, -b, a) だから
Ψ(fT) = { [c, (b + √D)/2]β }
ここで sign(N(β)) = sign(c)

I = [a, (-b + √D)/2]
J = [c, (b + √D)/2]
θ = (-b + √D)/2
とおく。

θ'I = [a(-b - √D)/2, ac]
= a[(-b - √D)/2, c]
= a[c, (b + √D)/2]
= aJ
よって
I = (a/θ')J
Iα = (a/θ')Jα = (aα/θ'β)Jβ

N(θ') = ac だから
N(aα/θ'β) = (a^2)N(α)/acN(β) = aN(α)/cN(β) > 0
よって
Ψ(fT) = { Jβ } = { Iα } = Ψ(f)
証明終



245 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/03(木) 12:03:49 ]
D < 0 の場合。
ψ_FI : (F_0)+(D)/Γ → Cl(D)
の定義が
(a, b, c) ∈ F_0+(D) の取り方によらないことは、
過去スレ4の598で証明されているが、
>>244 と同様にも証明される。
つまり、>>244 の I = (a/θ')J は D < 0 の場合もそのまま成り立つ。

246 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/03(木) 12:10:38 ]
>>243 の証明の基本アイデアつまり、
SL_2(Z) は S = (1, 1)/(0, 1) と T = (0, -1)/(1, 0) で生成される
事実を利用する方法は Buell の Binary quadratic forms から借りた。

このアイデアを知るまでは証明がどうしてもうまくいかなかった。


247 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/03(木) 17:55:36 ]
命題
R = [1, fω] を虚2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。
>>235 で 写像 ψ_IF : Cl(D) → (F_0)+(D)/Γ が
>242 で 写像 ψ_FI : (F_0)+(D)/Γ → Cl(D) が定義された。

(ψ_FI)(ψ_IF) = 1 である。

証明
(a, b, c) ∈ F_0+(D) とする。

ψ_FI({ (a, b, c) }) = { [a, (-b + √D)/2] } である。

I = [a, (-b + √D)/2]
α = a
β = (-b + √D)/2 とおく。

-Δ(α, β) = a√D だから I の基底 α, β の向き(>>188)は正である。

>>228 において
(αα')/N(I) = a^2/a = a
-(αβ' + βα')/N(I) = (ab)/a = b
(ββ')/N(I) = ac/a = a

だから N(xα - yβ)/N(I) = a^x^2 + bxy + cy^2 である。
従って (ψ_FI)(ψ_IF) = 1 である。
証明終

248 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/03(木) 18:02:25 ]
>>247 を以下のように訂正する。

命題
R = [1, fω] を虚2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。
>>235 で 写像 ψ_IF : Cl(D) → (F_0)+(D)/Γ が
>242 で 写像 ψ_FI : (F_0)+(D)/Γ → Cl(D) が定義された。

(ψ_IF)(ψ_FI) = 1 である。

証明
(a, b, c) ∈ F_0+(D) とする。

ψ_FI({ (a, b, c) }) = { [a, (-b + √D)/2] } である。

I = [a, (-b + √D)/2]
α = a
β = (-b + √D)/2 とおく。

-Δ(α, β) = a√D だから I の基底 α, β の向き(>>188)は正である。

>>228 において
(αα')/N(I) = a^2/a = a
-(αβ' + βα')/N(I) = (ab)/a = b
(ββ')/N(I) = ac/a = a

だから N(xα - yβ)/N(I) = a^x^2 + bxy + cy^2 である。
従って (ψ_IF)(ψ_FI) = 1 である。
証明終

249 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/03(木) 18:16:34 ]
命題
R = [1, fω] を虚2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。
>>235 で 写像 ψ_IF : Cl(D) → (F_0)+(D)/Γ が
>242 で 写像 ψ_FI : (F_0)+(D)/Γ → Cl(D) が定義された。

(ψ_FI)(ψ_IF) = 1 である。

証明
>>207 より Cl(D) の代表として原始イデアル I が取れる。
>>210 より I = [a, b + (D + √D)/2] と書ける。
ここで a > 0, 0 ≦ b < a

α = a
β = b + (D + √D)/2 とおく。
-Δ(α, β) = a√D だから I の基底 α, β の向き(>>188)は正である。

>>228 において
(αα')/N(I) = a^2/a = a
-(αβ' + βα')/N(I) = -a(2b + D)/a = -2b - D
(ββ')/N(I) = (b^2 + bD + (D^2 - D)/4)/a

よって
ψ_IF({ I }) = { (a, -2b - D, (b^2 + bD + (D^2 - D)/4)/a) }

ψ_FI({ (a, -2b - D, (b^2 + bD + (D^2 - D)/4)/a) })
= { [a, b + (D + √D)/2] }

よって
(ψ_FI)(ψ_IF) = 1 である。
証明終

250 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/03(木) 18:21:25 ]
>>248>>249 より D < 0 のとき
(F_0)+(D)/Γ と Cl(D) は集合として同型である。

このことは過去スレ601と602でも証明されている。

251 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/03(木) 18:40:54 ]
命題
R = [1, fω] を実2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。
>>235 で 写像 ψ_IF : Cl+(D) → F_0(D)/Γ が
>242 で 写像 ψ_FI : F_0(D)/Γ → Cl+(D) が定義された。

(ψ_IF)(ψ_FI) = 1 である。

証明
(a, b, c) ∈ F_0(D) とする。

ψ_FI({ (a, b, c) }) = { [a, (-b + √D)/2]δ } である。
ここで δ は sign(N(δ)) = sign(a) となる Q(√m) の任意の
元である。

I = [a, (-b + √D)/2]δ
α = aδ
β = (-b + √D)δ/2 とおく。

-Δ(α, β) = aδ'(-b + √D)δ/2 - aδ(-b - √D)δ'/2
= N(δ)a√D だから I の基底 α, β の向き(>>188)は正である。

>>228 において
(αα')/N(I) = N(δ)a^2/|N(δ)||a| = sign(N(δ))sign(a)a = a

-(αβ' + βα')/N(I) = N(δ)(ab)/|N(δ)||a|
= sign(N(δ))sign(a)b = b

(ββ')/N(I) = N(δ)ac/|N(δ)||a| = sign(N(δ))sign(a)c = c

よって
(ψ_IF)(ψ_FI) = 1 である。
証明終

252 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/03(木) 18:47:26 ]
命題
R = [1, fω] を実2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。
>>235 で 写像 ψ_IF : Cl+(D) → F_0(D)/Γ が
>242 で 写像 ψ_FI : F_0(D)/Γ → Cl+(D) が定義された。

(ψ_FI)(ψ_IF) = 1 である。

証明
>>207 より Cl+(D) の代表として原始イデアル I が取れる。
>>210 より I = [a, b + (D + √D)/2] と書ける。
ここで a > 0, 0 ≦ b < a

α = a
β = b + (D + √D)/2 とおく。
-Δ(α, β) = a√D だから I の基底 α, β の向き(>>188)は正である。

>>228 において
(αα')/N(I) = a^2/a = a
-(αβ' + βα')/N(I) = -a(2b + D)/a = -2b - D
(ββ')/N(I) = (b^2 + bD + (D^2 - D)/4)/a

よって
ψ_IF({ I }) = { (a, -2b - D, (b^2 + bD + (D^2 - D)/4)/a) }

ψ_FI({ (a, -2b - D, (b^2 + bD + (D^2 - D)/4)/a) })
= { [a, b + (D + √D)/2]δ }
ここで δ は sign(N(δ)) = sign(a) となる Q(√m) の任意の
元である。
a > 0 だから δ = 1 とできる。
よって
(ψ_FI)(ψ_IF) = 1 である。
証明終

253 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/03(木) 18:49:23 ]
>>251>>252 より D > 0 のとき
F_0(D)/Γ と Cl+(D) は集合として同型である。

254 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/03(木) 23:15:20 ]
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。

Qd = { (-b + √D)/2a ; a > 0, D ≡ b^2 (mod 4a) } とおいた(>>214)。

Qd の元で原始的(>>221)なもの全体を Qd_0 と書いた(>>223)。
即ち
Qd_0 = { (-b + √D)/2a ∈ Qd ; gcd(a, b, (b^2 - D)/4a) = 1 }

θ = (-b + √D)/2a ∈ Qd_0 のとき
過去スレ4の592より [a, (-b + √D)/2] は R の可逆イデアルである。

g(θ) を [a, (-b + √D)/2] の属す Cl+(D) (>>227) の類とする。
ただし、D < 0 のときは Cl+(D) は Cl(D) を意味するとする。

σ ∈ SL_2(Z) のとき g(σθ) = g(θ) を示そう。

過去スレ4の269より
SL_2(Z) は S = (1, 1)/(0, 1) と T = (0, -1)/(1, 0) で生成される。

従って
g(Sθ) = g(θ) と g(Tθ) = g(θ) を証明すればよい。



255 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/04(金) 13:36:04 ]
>>254 は没とする。

理由は Qd は SL_2(Z) の作用で閉じていないため。

256 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/04(金) 15:54:10 ]
R = [1, fω] を実2次体 Q(√m) の整環とし、D > 0 を
その判別式とする。

Q(D) = { (-b + √D)/2a ; D ≡ b^2 (mod 4a) } とおく。

即ち Q(D) は判別式 D に属す2次無理数(過去スレ596) の集合である。

Q_0(D) = { (-b + √D)/2a ∈ Q(D) ; gcd(a, b, (b^2 - D)/4a) = 1 }
とおく。

即ち Q_0(D) は判別式 D に属す原始的な2次無理数(過去スレ596) の
集合である。

Q_0(D) は左 SL_2(Z)-集合である。

g(θ) を [a, (-b + √D)/2]δ の属す Cl+(D) (>>227) の類とする。
ここで δ は sign(N(δ)) = sign(a) となる Q(√m) の任意の
元である。

σ ∈ SL_2(Z) のとき g(σθ) = g(θ) を示そう。

過去スレ4の269より
SL_2(Z) は S = (1, 1)/(0, 1) と T = (0, -1)/(1, 0) で生成される。

従って
g(Sθ) = g(θ) と g(Tθ) = g(θ) を証明すればよい。

257 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/04(金) 16:08:05 ]
Sθ = θ + 1 = (2a - b + √D)/2a

[a, (2a - b + √D)/2] = [a, a + (-b + √D)/2] = [a, (-b + √D)/2]

よって g(Sθ) = g(θ) である。

Tθ = -1/θ = -2a/(-b + √D) = -2a(-b - √D)/4ac = (b + √D)/2c
よって
g(Tθ) = { [c, (b + √D)/2]γ } である。
ここで γ は sign(N(γ)) = sign(c) となる Q(√m) の任意の
元である。

((-b - √D)/2)[a, (-b + √D)/2] = [a(-b - √D)/2, ac]
= a[(b + √D)/2, c]

よって
I = [a, (-b + √D)/2]
J = [c, (b + √D)/2]
とおくと

θ' I = aJ
I = (a/θ')J
Iδ = (a/θ')Jδ = (aδ/θ'γ)Jγ

N(θ') = ac だから
N(aδ/θ'γ) = a^2N(δ)/acN(γ) = aN(δ)/cN(γ) > 0
よって I と J は Cl+(D) の同じ類に属す。

即ち
g(Tθ) = g(θ) である。
よって >>256 の最後の主張が証明された。

258 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/04(金) 16:14:59 ]
>>256 より g(θ) は θ の属す Q_0(D)/Γ の類できまり、
その代表元 θ の取り方によらない。

よって写像
ψ_QI: Q_0(D)/Γ → CL+(D) が定義される。

259 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/04(金) 16:37:16 ]
CL+(D) の任意の類 { I } をとる。ここで I は R の可逆分数イデアル
である。

I = [α, β] で α, β の向きは正とする。
このような基底 α, β が存在することは >>201 からわかる。

>>228 と同様に
f(α, β; x, y) = N(xα - yβ)/N(I) とおく。

>>197 より
a = (αα')/N(I)
b = -(αβ' + βα')/N(I)
c = (ββ')/N(I)
とおけば、f(α, β; x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 である。

h(x) = ax^2 + bx + c とおく。

N(I)αh(β/α) = α'β^2 - αββ' - α'β^2 + αββ' = 0
よって h(β/α) = 0 である。
よって β/α は D に属す2次無理数である。

260 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/04(金) 17:21:36 ]
I = [γ, δ] で、γ, δ の向きも正とする。

>>189 より
α = pγ + qδ
β = rγ + sδ
となる有理整数 p, q, r, s で ps - qr = 1 となるものがある。
θ = β/α
μ = δ/δ
とおく。

θ = β/α = (rγ + sδ)/(pγ + qδ) = (r + sμ)/(p + qμ)
よって
μ = (pθ - r)/(-qθ + s)

よって μ と θ は Q_0(D)/Γ の同じ類に属す。

τ ∈ Q(√m) で N(τ) > 0 とする。
τI = τ[α, β] = [τα, τβ] で
Δ(τα, τβ) = τατ'β' - τβτ'α' = N(τ)Δ(α, β)
だから τα, τβ の向きは正である。
さらに τβ/τα = β/α である。

以上から写像
ψ_IQ: CL+(D) → Q_0(D)/Γ が

ψ_IQ({ I }) = {β/α} で矛盾なく定義されることがわかった。

261 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/04(金) 17:49:14 ]
命題
R = [1, fω] を実2次体 Q(√m) の整環とし、D > 0 をその判別式
とする。
>>258 で 写像 ψ_QI: Q_0(D)/Γ → CL+(D) が定義された。
>260 で 写像 ψ_IQ: CL+(D) → Q_0(D)/Γ が が定義された。

(ψ_IQ)(ψ_QI) = 1 である。

証明
θ = (-b + √D)/2a ∈ Q_0(D) とする。

I = [a, (-b + √D)/2]δ とおく。
ここで δ は sign(N(δ)) = sign(a) となる Q(√m) の任意の
元である。

ψ_QI({ θ }) = { I } である。

α = a
β = (-b + √D)/2
とおく。

I = [δα, δβ] である。

Δ(δα, δβ) = δαδ'β' - δβδ'α' = N(δ)Δ(α, β)
= -N(δ)a√D < 0

よって δα, δβ の向きは正である。

δβ/δα = β/α である。
従って、ψ_IQ({ I }) = { θ } である。
よって (ψ_IQ)(ψ_QI) = 1 である。
証明終

262 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/04(金) 18:07:36 ]
命題
R = [1, fω] を実2次体 Q(√m) の整環とし、D > 0 をその判別式
とする。
>>258 で 写像 ψ_QI: Q_0(D)/Γ → CL+(D) が定義された。
>260 で 写像 ψ_IQ: CL+(D) → Q_0(D)/Γ が が定義された。

(ψ_QI)(ψ_IQ) = 1 である。

証明
>>207 より Cl+(D) の代表として原始イデアル I が取れる。
>>210 より I = [a, b + (D + √D)/2] と書ける。
ここで a > 0, 0 ≦ b < a

α = a
β = b + (D + √D)/2 とおく。
-Δ(α, β) = a√D だから I の基底 α, β の向き(>>188)は正である。

β/α = (2b + D + √D)/2a

よって
ψ_IQ({ I }) = { (2b + D + √D)/2a })

a > 0 だから
ψ_QI({ (2b + D + √D)/2a })) = { [a, b + (D + √D)/2] }

よって
(ψ_QI)(ψ_IQ) = 1 である。
証明終

263 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/04(金) 18:09:30 ]
>>261>>262 より D > 0 のとき
Q_0(D)/Γ と Cl+(D) は集合として同型である。

264 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/04(金) 18:25:21 ]
R = [1, fω] を虚2次体 Q(√m) の整環とし、D < 0 を
その判別式とする。

Q+(D) = { a > 0, (-b + √D)/2a ; D ≡ b^2 (mod 4a) } とおく。

これは >>214 の Qd と同じものである。

即ち Q+(D) は判別式 D に属す2次無理数(過去スレ596) で
複素上半平面にあるものの集合である。

(Q_0)+(D) = { (-b + √D)/2a ∈ Q+(D) ; gcd(a, b, (b^2 - D)/4a) = 1 }
とおく。

即ち (Q_0)+(D) は Q+(D) に属す原始的な2次無理数(過去スレ596) の
集合である。

これは >>223 の Qd_0 と同じものである。

(Q_0)+(D) は左 SL_2(Z)-集合である。

θ = (-b + √D)/2a ∈ (Q_0)+(D) のとき

g(θ) を [a, (-b + √D)/2] の属す Cl(D) の類とする。

σ ∈ SL_2(Z) のとき g(σθ) = g(θ) を示そう。

過去スレ4の269より
SL_2(Z) は S = (1, 1)/(0, 1) と T = (0, -1)/(1, 0) で生成される。

従って
g(Sθ) = g(θ) と g(Tθ) = g(θ) を証明すればよい。



265 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/04(金) 18:26:44 ]
Sθ = θ + 1 = (2a - b + √D)/2a

[a, (2a - b + √D)/2] = [a, a + (-b + √D)/2] = [a, (-b + √D)/2]

よって g(Sθ) = g(θ) である。

Tθ = -1/θ = -2a/(-b + √D) = -2a(-b - √D)/4ac = (b + √D)/2c

b^2 - 4ac < 0
b^2 < 4ac
a > 0
だから
c > 0 である。

よって
g(Tθ) = { [c, (b + √D)/2] }

((-b - √D)/2)[a, (-b + √D)/2] = [a(-b - √D)/2, ac]
= a[(b + √D)/2, c]

よって
I = [a, (-b + √D)/2]
J = [c, (b + √D)/2]
とおくと

θ' I = aJ
I = (a/θ')J

よって I と J は Cl(D) の同じ類に属す。

266 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/04(金) 18:29:09 ]
>>265 より g(θ) は θ の属す (Q_0)+(D)/Γ の類できまり、
その代表元 θ の取り方によらない。

よって写像
ψ_QI: (Q_0)+(D)/Γ → CL(D) が定義される。

267 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/04(金) 18:49:01 ]
CL(D) の任意の類 { I } をとる。ここで I は R の可逆分数イデアル
である。

I = [α, β] で α, β の向きは正とする。
このような基底 α, β が存在することは >>201 からわかる。

>>228 と同様に
f(α, β; x, y) = N(xα - yβ)/N(I) とおく。

>>197 より
a = (αα')/N(I)
b = -(αβ' + βα')/N(I)
c = (ββ')/N(I)
とおけば、f(α, β; x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 である。

h(x) = ax^2 + bx + c とおく。

N(I)αh(β/α) = α'β^2 - αββ' - α'β^2 + αββ' = 0
よって h(β/α) = 0 である。
よって β/α は D に属す2次無理数である。

Im(β/α) = (β/α - β'/α')/2 = (βα' - αβ')/2αα'
= (βα' - αβ')/2N(α)

α, β の向きは正だから
(βα' - αβ')/√D > 0

α は虚2次体 Q(√m) の元だから αα' = N(α) > 0 である。
よって
Im(β/α)/√D = (βα' - αβ')/2N(α)√D > 0
よって β/α は複素上半平面にある。

268 名前:クマーさんを応援する人 [2007/05/04(金) 20:56:58 ]
こんにちは。

269 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/05(土) 00:54:53 ]
>>267 の続き。

>>250 より
(F_0)+(D)/Γ と Cl(D) は集合として同型である。

この同型で { (a, b, c) } は { I } と対応するから
(a, b, c) は原始的である。

>>267 より β/α は ax^2 + bx + c の根だから β/α は
原始的である。

よって β/α は (Q_0)+(D) の元である。

270 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/05(土) 00:55:57 ]
I = [γ, δ] で、γ, δ の向きも正とする。

>>189 より
α = pγ + qδ
β = rγ + sδ
となる有理整数 p, q, r, s で ps - qr = 1 となるものがある。
θ = β/α
μ = δ/δ
とおく。

θ = β/α = (rγ + sδ)/(pγ + qδ) = (r + sμ)/(p + qμ)
よって
μ = (pθ - r)/(-qθ + s)

よって μ と θ は (Q_0)+(D) の同じ類に属す。

τ ≠ 0 を Q(√m) の元とする。
τI = τ[α, β] = [τα, τβ] で
Δ(τα, τβ) = τατ'β' - τβτ'α' = N(τ)Δ(α, β)
N(τ) > 0 だから τα, τβ の向きは正である。
さらに τβ/τα = β/α である。

以上から写像
ψ_IQ: CL(D) → (Q_0)+(D)/Γ が

ψ_IQ({ I }) = {β/α} で矛盾なく定義されることがわかった。

271 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/05(土) 01:04:00 ]
命題
R = [1, fω] を虚2次体 Q(√m) の整環とし、D < 0 をその判別式
とする。
>>266 で 写像 ψ_QI: (Q_0)+(D)/Γ → CL(D) が定義された。
>260 で 写像 ψ_IQ: CL(D) → (Q_0)+(D)/Γ が定義された。

(ψ_IQ)(ψ_QI) = 1 である。

証明
θ = (-b + √D)/2a ∈ (Q_0)+(D) とする。

I = [a, (-b + √D)/2] とおく。

ψ_QI({ θ }) = { I } である。

α = a
β = (-b + √D)/2
とおく。

Δ(α, β) = αβ' - βα' = -a√D < 0

よって α, β の向きは正である。

β/α = (-b + √D)/2a = θ

従って、ψ_IQ({ I }) = { θ } である。
よって (ψ_IQ)(ψ_QI) = 1 である。
証明終

272 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/05(土) 01:06:55 ]
>>271
>>260 で 写像 ψ_IQ: CL(D) → (Q_0)+(D)/Γ が定義された。

>>270 で 写像 ψ_IQ: CL(D) → (Q_0)+(D)/Γ が定義された。

273 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/05(土) 01:10:04 ]
命題
R = [1, fω] を虚2次体 Q(√m) の整環とし、D < 0 をその判別式
とする。
>>266 で 写像 ψ_QI: (Q_0)+(D)/Γ → CL(D) が定義された。
>>270 で 写像 ψ_IQ: CL(D) → (Q_0)+(D)/Γ が定義された。

(ψ_QI)(ψ_IQ) = 1 である。

証明
>>207 より Cl(D) の代表として原始イデアル I が取れる。
>>210 より I = [a, b + (D + √D)/2] と書ける。
ここで a > 0, 0 ≦ b < a

α = a
β = b + (D + √D)/2 とおく。
Δ(α, β) = -a√D だから I の基底 α, β の向き(>>188)は正である。

β/α = (2b + D + √D)/2a

よって
ψ_IQ({ I }) = { (2b + D + √D)/2a })

a > 0 だから
ψ_QI({ (2b + D + √D)/2a })) = { [a, b + (D + √D)/2] }

よって
(ψ_QI)(ψ_IQ) = 1 である。
証明終

274 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/05(土) 01:12:24 ]
>>271>>273 より D < 0 のとき
(Q_0)+(D)/Γ と Cl(D) は集合として同型である。



275 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/05(土) 10:01:18 ]
D < 0 のとき >>248>>249 より
ψ_FI : (F_0)+(D)/Γ → Cl(D) は同型である。

>>271>>273 より
ψ_IQ: CL(D) → (Q_0)+(D)/Γ は同型である。

よって
ψ_FQ = IQ(ψ_IQ)(ψ_FI) : (F_0)+(D)/Γ → (Q_0)+(D)/Γ は
同型である。

このとき
(a, b, c) ∈ (F_0)+(D) の類には (-b + √D)/2a の類が
対応する。

276 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/05(土) 10:07:44 ]
>>275
>よって
>ψ_FQ = IQ(ψ_IQ)(ψ_FI) : (F_0)+(D)/Γ → (Q_0)+(D)/Γ は
同型である。

277 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/05(土) 10:08:27 ]
>>275
>よって
>ψ_FQ = IQ(ψ_IQ)(ψ_FI) : (F_0)+(D)/Γ → (Q_0)+(D)/Γ は
>同型である。

よって
ψ_FQ = (ψ_IQ)(ψ_FI) : (F_0)+(D)/Γ → (Q_0)+(D)/Γ は
同型である。


278 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/05(土) 10:10:42 ]
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。
D > 0 のとき >>251>>252 より
ψ_FI : F_0(D)/Γ → Cl+(D) は同型である。

>>261>>262 より
ψ_IQ : CL+(D) → Q_0(D)/Γ は同型である。

よって
ψ_FQ = (ψ_IQ)(ψ_FI) : F_0(D)/Γ → Q_0(D)/Γ は
同型である。

このとき
(a, b, c) ∈ F_0(D) の類には (-b + √D)/2a の類が
対応する。

279 名前:132人目の素数さん [2007/05/05(土) 13:30:17 ]
挨拶にシカトするなんて糞
はじめから見てるが、この書き込んでるやつ馬鹿もいいところだろ。

うんこ以下

280 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/05(土) 19:50:46 ]
R = [1, fω] を虚2次体 Q(√m) の整環とし、D < 0 をその判別式
とする。

>>220 より同型
φ_FI : F_0(D)/Γ_∞ → I(R)/Q^* × {±1}
が存在する。

φ_FI は >>243 の同型 ψ_FI を引き起こす。

ψ_FI : (F_0)+(D)/Γ → Cl(D)

281 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/05(土) 20:07:26 ]
R = [1, fω] を実2次体 Q(√m) の整環とし、D > 0 をその判別式
とする。

P+ = {αR ; α ∈ Q(√m), N(α) > 0 } とおく。

完全列
1 → P+ → K^*/(R^*)+ → {±1} → 1
が存在する。

ここで K = Q(√m) であり、
(R^*)+ = { α ∈ R^* ; N(α) > 0 } である。

K^*/(R^*)+ → {±1} は α ∈ K^* に sign(N(α)) を対応させる
ことにより引き起こされる。

P~ = K^*/(R^*)+ とおく。

(I, s) ∈ I(R) × {±1} と、[β] ∈ P~ に対して

[β](I, s) = (βI, s(sign(N(β)))) と定義する。

ε ∈ (R^*)+ のとき (εI, s(sign(N(ε)))) = (I, s) だから
[β](I, s) は [β] ∈ P~ のみで決まる。

よって商集合 (I(R) × {±1})/P~ が定義される。

>>220 の同型
φ_FI : F_0(D)/Γ_∞ → I(R)/Q^* × {±1}
は同型
F_0(D)/Γ → (I(R) × {±1})/P~ を引き起こすことを示そう。

282 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/05(土) 20:22:44 ]
[ (a, b, c) ] ∈ F_0(D)/Γ のとき
[([a, (-b + √D)/2], sign(a))] ∈ (I(R) × {±1})/P~
が代表 (a, b, c) の取り方によらないことを示す。

ここで、[ (a, b, c) ] は (a, b, c) が属す F_0(D)/Γ の類を表す。
同様に、[([a, (-b + √D)/2], sign(a))] は (I(R) × {±1})/P~ の
類を表す。

f = (a, b, c) ∈ F_0(D) のとき
Ψ(f) = [([a, (-b + √D)/2], sign(a))] ∈ (I(R) × {±1})/P~
とおく。

過去スレ4の269より
SL_2(Z) は S = (1, 1)/(0, 1) と T = (0, -1)/(1, 0) で生成される。

従って、いつものように
Ψ(fS) = Ψ(f) と Ψ(fT) = Ψ(f) を証明すればよい。

>>185 より
(a, b, c)S = (a, 2a + b, a + b + c)

よって
Ψ(fS) = [([a, -a + (-b + √D)/2], sign(a))]
= Ψ(f)

283 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/05(土) 20:29:31 ]
>>184 より (a, b, c)T = (c, -b, a) だから
Ψ(fT) = [([c, (b + √D)/2], sign(c))]

I = [a, (-b + √D)/2]
J = [c, (b + √D)/2]
θ = (-b + √D)/2
とおく。

θ'I = [a(-b - √D)/2, ac]
= a[(-b - √D)/2, c]
= a[c, (b + √D)/2]
= aJ
よって
I = (a/θ')J

N(θ') = ac だから
N(a/θ') = a/c

Ψ(fT) = [((a/θ')[c, (b + √D)/2], sign(c)sign(N(a/θ')))]
= [([a, (-b + √D)/2], sign(c)sign(a/c))]
= [([a, (-b + √D)/2], sign(a))]
= Ψ(f)

284 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/06(日) 07:16:12 ]
(I, s) ∈ I(R) × {±1} とする。
即ち、I は R の可逆分数イデアルであり、s = ±1 である。
I = [α, β] で、α, β は正に向き付けられているとする(>>188)。

>>197 で f(α, β, s; x, y) = sN(xα - syβ)/N(I) とおいた。
f(α, β, s; x, y) ∈ F_0(D) である。

I = [γ, δ] で、γ, δ の向きも正とする。

>>189 より
α = pγ + qδ
β = rγ + tδ
となる有理整数 p, q, r, t で pt - qr = 1 となるものがある。

f(α, β, s; x, y) = sN(xα - syβ)/N(I)

α = pγ + qδ
β = rγ + tδ
を代入すると

f(α, β, s; x, y) = sN(x(pγ + qδ) - sy(rγ + tδ))/N(I)
= s((xp - ysr)γ - s(-xsq + yt)δ)/N(I)
= f(γ, δ; xp - ysr, -xq + yst)

従って (a, b, c) = (k, l, m)σ

ここで σ = (p, -sr)/(-sq, t) ∈ SL_2(Z)



285 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/06(日) 07:43:24 ]
δ ∈ K^* として
[δ](I, s) = (δI, s(sign(N(δ))) を考える(>>281)。

δI = [δα, δβ] であり、
Δ(δα, δβ) = δαδ'β' - δβδ'α' = N(δ)Δ(α, β)

まず N(δ) > 0 の場合を考える。

Δ(δα, δβ) = Δ(α, β)
だから δα, δβ の向きは正である。

f(δα, δβ, s(sign(N(δ)); x, y) = sN(xδα - syδβ)/N(δI)
= (N(δ)/N(δ))sN(xα - syβ)/N(I)
= sN(xα - syβ)/N(I)
= f(α, β, s; x, y)

N(δ) < 0 とする。

Δ(δα, δβ) = -Δ(α, β)
だから δα, -δβ の向きは正である。

f(δα, -δβ, s(sign(N(δ)); x, y) = -sN(xδα - syδβ)/N(δI)
= -(N(δ)/|N(δ)|)sN(xα - syβ)/N(I)
= sN(xα - syβ)/N(I)
= f(α, β, s; x, y)

286 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/06(日) 08:07:13 ]
>>282, >>283 より

写像 Ψ_0 : F_0(D)/Γ → (I(R) × {±1})/P~

Ψ_0( [ (a, b, c) ] ) = [ ([a, (-b + √D)/2], sign(a)) ]
により定義される。

>>284 より

写像 Ψ_1 : (I(R) × {±1})/P~ → F_0(D)/Γ

Ψ_1( [ (I, s) ] ) = [ f(α, β, s; x, y) ]
により定義される。

287 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/06(日) 08:16:09 ]
(a, b, c) ∈ F_0(D) のとき
Ψ_0( [ (a, b, c) ] ) = [ ([a, (-b + √D)/2], sign(a)) ]

a > 0 のとき
α = a
β = (-b + √D)/2
s = sign(a) = 1 とおく。

Δ(α, β) = -a√D だから α, β の向きは正である。

s(αα')/N(I) = a
-(αβ' + βα')/N(I) = b
s(ββ')/N(I) = c

よって
f(α, β, s; x, y) = ax^2 + bxy + cy^2

a < 0 のとき
α = -a
β = (-b + √D)/2
s = sign(a) = -1 とおく。

Δ(α, β) = a√D だから α, β の向きは正である。

s(αα')/N(I) = a
-(αβ' + βα')/N(I) = b
s(ββ')/N(I) = c

よって
f(-α, β, s; x, y) = ax^2 + bxy + cy^2

以上から Ψ_1Ψ_0 = 1 である。

288 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/06(日) 08:48:13 ]
[ (I, s) ] ∈ (I(R) × {±1})/P~ とする。
即ち、I は R の可逆分数イデアルであり、s = ±1 である。

>>207 より qI が原始イデアルとなるような有理数 q ≠ 0 がある。
よって I は原始イデアルと仮定してよい。

>>210より I = [a, b + (D + √D)/2] と書ける。
ここで a, b は有理整数で a > 0 である。

α = a
β = b+ (-b + √D)/2
とおく。
Δ(α, β) = -a√D だから α, β の向きは正である。

s(αα')/N(I) = sa
-(αβ' + βα')/N(I) = b
s(ββ')/N(I) = sc

となる。
ただし、 c = (ββ')/N(I) とおいた。

よって
f(α, β, s; x, y) = sax^2 + bxy + scy^2

Ψ_1( [ (I, s) ] ) = [ (sa, b, sc) ]

Ψ_0( (sa, b, sc) ] = [ ([sa, (-b + √D)/2], sign(sa)) ]
= [ (I, s) ]

よって Ψ_0Ψ_1 = 1 である。

289 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/06(日) 08:51:59 ]
>>287, >>288 より

Ψ_0 と Ψ_1 は互いに逆写像であり、

Ψ_0 : F_0(D)/Γ → (I(R) × {±1})/P~
は集合としての同型である。

290 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/06(日) 09:14:03 ]
写像 Φ_0 : (I(R) × {±1})/P~ → Cl+(D)
を Φ_0( [ (I, s) ] ) = [ δI ] で定義する。

ここで δ ∈ K^* は s = sign(N(δ)) となる任意の元である。

写像 Φ_1 : Cl+(D) → (I(R) × {±1})/P~
を Φ_1( [ I ] ) = [ (I, 1) ] で定義する。

Φ_1Φ_0( [ (I, s) ] ) = Φ_1( [ δI ] ) = [ (δI, 1) ]
= [ (I, sign(N(δ))) ]
= [ (I, s) ]

よって
Φ_1Φ_0 = 1

他方、
Φ_0Φ_1( [ I ] ) = Φ_0( [ (I, 1) ] ) = [ I ]

よって
Φ_0Φ_1 = 1

以上から
Φ_0 : (I(R) × {±1})/P~ → Cl+(D)
は集合としての同型である。

291 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/06(日) 09:16:15 ]
>>289>>290 より

Ψ_0 : F_0(D)/Γ → (I(R) × {±1})/P~

Φ_0 : (I(R) × {±1})/P~ → Cl+(D)
の合成写像

Φ_0Ψ_0 : F_0(D)/Γ → Cl+(D)
は同型である。

292 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/06(日) 09:41:43 ]
>>288 を以下のように修正する。

[ (I, s) ] ∈ (I(R) × {±1})/P~ とする。
即ち、I は R の可逆分数イデアルであり、s = ±1 である。

>>207 より qI が原始イデアルとなるような有理数 q ≠ 0 がある。
よって I は原始イデアルと仮定してよい。

>>210より I = [a, b + (D + √D)/2] と書ける。
ここで a, b は有理整数で a > 0 である。

α = a
β = b+ (D + √D)/2
とおく。
Δ(α, β) = -a√D だから α, β の向きは正である。

s(αα')/N(I) = sa
-(αβ' + βα')/N(I) = -2b - D
s(ββ')/N(I) = sc
となる。
ただし、 c = (ββ')/N(I) とおいた。

よって
f(α, β, s; x, y) = sax^2 - (2b + D)xy + scy^2

よって
Ψ_1( [ (I, s) ] ) = [ (sa, -(2b + D), sc) ]

Ψ_0( (sa, b, sc) ] = [ ([sa, b + (D + √D)/2], sign(sa)) ]
= [ (I, s) ]

よって Ψ_0Ψ_1 = 1 である。

293 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/07(月) 06:46:05 ]
>>286 より
Ψ_0( [ (a, b, c) ] ) = [ ([a, (-b + √D)/2], sign(a)) ]
である。

よって
Φ_0Ψ_0( [ (a, b, c) ] ) = [a, (-b + √D)/2]δ
ここで δ ∈ K^* は sign(a) = sign(N(δ)) となる任意の元である。

従って、>>242 より Φ_0Ψ_0 = ψ_FI である。

294 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/07(月) 20:38:51 ]
R = [1, fω] を実2次体 Q(√m) の整環とし、D > 0 をその判別式
とする。

>>253 より F_0(D)/Γ と Cl+(D) は集合として同型である。

では広義のイデアル類群 Cl(D) は F_0(D) とどのような関係に
あるのだろうか?
この問題について考えてみる。



295 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/07(月) 20:40:28 ]
(a, b, c) ∈ F_0(D) のとき I = [a, (-b + √D)/2] は R の可逆イデアル
である。
a > 0 なら、
α = a
β = (-b + √D)/2
とおく。

Δ(α, β) = -a√D < 0
だから I の基底 α, β は正の向きである。

(αα')/N(I) = a^2/(-a) = a
-(αβ' + βα')/N(I) = (ab)/a = b
(ββ')/N(I) = ac/a = c

だから N(xα - yβ)/N(I) = a^x^2 + bxy + cy^2 である。

a < 0 なら、
α = -a
β = (-b + √D)/2
とおく。
Δ(α, β) = a√D < 0
だから I の基底 α, β は正の向きである。

(αα')/N(I) = a^2/(-a) = -a
-(αβ' + βα')/N(I) = (-ab)/(-a) = b
(ββ')/N(I) = ac/(-a) = -c
だから N(xα - yβ)/N(I) = -a^x^2 + bxy - cy^2 である。

従って F_0(D)/Γ において [ (a, b. c) ] と [ (-a, b, -c) ]
が同一視出来ればそれによる商集合が Cl(D) と同型になるのでは
ないかと見当がつく。

296 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/07(月) 20:51:58 ]
τ = (1, 0)/(0, -1) とおく。
det(τ) = -1 である。
(a, b. c) ∈ F_0(D) のとき (a, b. c)τ = (a, -b, c) である。

σ ∈ SL_2(Z) とし、(a, b, c)σ = (k, l, m) とする。
(-a, -b, -c) と (-k, -l, -m) も F_0(D) の元であることに注意する。

過去スレ4の401より
k = ap^2 + bpr + cr^2
l = 2apq + b(ps + qr) + 2crs
m = aq^2 + bqs + cs^2

よって
(-a, -b, -c)σ = (-k, -l, -m)

一方、(-a, b, -c)τ = (-a, -b, -c) だから

(-a, b, -c)τσ = (-k, -l, -m) = (-k, l, -m)τ

τを両辺に掛けて τ^2 = 1 より
(-a, b, -c)τστ = (-k, l, -m)

det(τστ) = det(τ)^2 det(σ) = 1

以上から
(a, b, c) と (k, l, m) が F_0(D)/Γ の同じ類にあるなら
(-a, b, -c) と (-k, l, -m) も同じ類にある。

297 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/07(月) 21:15:53 ]
>>296 より
F_0(D)/Γ の元 [ (a, b, c) ] に [ (-a, b, -c) ] を対応させるのは
代表 (a, b, c) の取り方によらない。

有理整数環 Z の単数群 Z^* = {±1} の元 -1 の F_0(D)/Γ への
作用を [ (a, b, c) ](-1) = [ (-a, b, -c) ] で定義すれば、
[ (a, b, c) ](-1)^2 = [ (a, b, c) ] である。
よって F_0(D)/Γ は (Z^*)-集合(過去スレ4の388)となる。
よって商集合(過去スレ4の390)が (F_0(D)/Γ)/Z^* が定義される。

298 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/07(月) 21:43:25 ]
(a, b, c) ∈ F_0(D) に Cl(D) の元 [[a, (-b + √D)/2]] を
対応させる写像をχ_0とかく
χ_0((a, b, c)) = [[a, (-b + √D)/2]]

>>185 より
(a, b, c)S = (a, 2a + b, a + b + c)
χ_0((a, b, c)S) = [[a, -a + (-b + √D)/2]] = [[a, (-b + √D)/2]]
よって χ_0((a, b, c)S) = χ_0((a, b, c))

>>184 より (a, b, c)T = (c, -b, a) だから
χ_0((a, b, c)T) = [[c, (b + √D)/2]]

I = [a, (-b + √D)/2]
J = [c, (b + √D)/2]
θ = (-b + √D)/2
とおく。

θ'I = [a(-b - √D)/2, ac]
= a[(-b - √D)/2, c]
= a[c, (b + √D)/2]
= aJ
よって
I と J は Cl(D) の同じ類に属す。
よって
χ_0((a, b, c)T) = [[c, (b + √D)/2]] = χ_0((a, b, c))

以上から χ_0 は F_0(D)/Γ から Cl(D) への写像を誘導する。
この写像を同じ記号 χ_0 で表す。
即ち χ_0([ (a, b, c) ]) = [[a, (-b + √D)/2]] である。

299 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/07(月) 21:48:55 ]
χ_0([ (-a, b, -c) ]) = [[-a, (-b + √D)/2]]
= [[a, (-b + √D)/2]]
= χ_0([ (a, b, c) ])
だから
χ_0 は (F_0(D)/Γ)/Z^* (>>297)から Cl(D) への写像を誘導する。
この写像を同じ記号 χ_0 で表す。
即ち χ_0([[ (a, b, c) ]]) = [[a, (-b + √D)/2]] である。

300 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/07(月) 21:59:14 ]
I を R の可逆分数イデアルとする。
I = [α, β] で、α, β は正に向き付けられているとする(>>188)。

N(xα - yβ)/N(I) は F(D) の元である。

I = [γ, δ] で、γ, δ の向きも正とする。

>>189 より
α = pγ + qδ
β = rγ + sδ
となる有理整数 p, q, r, t で ps - qr = 1 となるものがある。

N(xα - yβ)/N(I) の α, β に
α = pγ + qδ
β = rγ + sδ
をそれぞれ代入すると

N(xα - yβ)/N(I) = N(x(pγ + qδ) - y(rγ + sδ))/N(I)
= ((xp - yr)γ - (-xq + ys)δ)/N(I)

よって、N(xα - yβ)/N(I) と N(xγ - yδ)/N(I) は
F(D)/Γ の同じ類に属す。

301 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/07(月) 22:20:34 ]
δ ∈ K^* として δI を考える。

δI = [δα, δβ] であり、
Δ(δα, δβ) = δαδ'β' - δβδ'α' = N(δ)Δ(α, β)

よって N(δ) > 0 なら
Δ(δα, δβ) < 0 だから δα, δβ の向きは正である。

このとき
N(xδα - yδβ)/N(δI) = (N(δ)/|N(δ)|) N(xα - yβ)/N(I)
= N(xα - yβ)/N(I)
よって N(xδα - yδβ)/N(δI) と N(xα - yβ)/N(I) は
(F(D)/Γ)/Z^* の同じ類に属す。

N(δ) < 0 なら δα, -δβ の向きは正である。

N(xδα + yδβ)/N(δI) = (N(δ)/|N(δ)|) N(xα + yβ)/N(I)
= -N(xα + yβ)/N(I)

>>197 より
a = (αα')/N(I)
b = -(αβ' + βα')/N(I)
c = (ββ')/N(I)
とおけば、N(xα - yβ)/N(I) = ax^2 + bxy + cy^2 である。

よって
-N(xα + yβ)/N(I) = -ax^2 + bxy - cy^2 である。

よって N(xδα + yδβ)/N(δI) と N(xα - yβ)/N(I) は
(F(D)/Γ)/Z^* の同じ類に属す。

302 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/07(月) 22:32:34 ]
>>300>>301 より Cl(D) から (F(D)/Γ)/Z^* への写像が
χ_1([I]) = [[N(xα - yβ)/N(I)]] で定義される。

ここで I = [α, β] は R の可逆分数イデアルであり、
α, β は正に向き付けられているとする。

303 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/07(月) 22:40:04 ]
>>295 より χ_1χ_0 = 1 である。


304 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/07(月) 22:41:44 ]
I を R の原始イデアルとする。
>>210より I = [a, b + (D + √D)/2] と書ける。
ここで a, b は有理整数で a > 0 である。

α = a
β = b + (D + √D)/2 とおく。
Δ(α, β) = -a√D だから I の基底 α, β の向き(>>188)は正である。

>>228 において
(αα')/N(I) = a^2/a = a
-(αβ' + βα')/N(I) = -a(2b + D)/a = -2b - D
(ββ')/N(I) = (b^2 + bD + (D^2 - D)/4)/a

よって
χ_1([I]) = [[ (a, -2b - D, (b^2 + bD + (D^2 - D)/4)/a) ]]

χ_0χ_1([I]) = [[a, b + (D + √D)/2]]

よって χ_0χ_1 = 1 である。



305 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/07(月) 22:43:54 ]
>>303>>304 より (F_0(D)/Γ)/Z^* と Cl(D) は集合として同型
である。
これで >>294 の問題は解決した。

306 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/07(月) 22:49:01 ]
訂正

>>285
>Δ(δα, δβ) = Δ(α, β)
>だから δα, δβ の向きは正である。

sign(Δ(δα, δβ)) = sign(Δ(α, β)) = -1
だから δα, δβ の向きは正である。

307 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/07(月) 22:52:16 ]
訂正

>>285
>Δ(δα, δβ) = -Δ(α, β)
>だから δα, -δβ の向きは正である。

sign(Δ(δα, δβ)) = -sign(Δ(α, β)) = 1
だから δα, -δβ の向きは正である。

308 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/05/08(火) 04:10:00 ]
55

309 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/05/08(火) 04:11:00 ]
54

310 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/05/08(火) 04:12:07 ]
53

311 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/05/08(火) 04:13:00 ]
52

312 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/05/08(火) 04:14:00 ]
51

313 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/05/08(火) 04:15:00 ]
50

314 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/05/09(水) 04:10:00 ]
49



315 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/05/09(水) 04:11:00 ]
48

316 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/05/09(水) 04:12:03 ]
47

317 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/05/09(水) 04:13:00 ]
46

318 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/05/09(水) 04:14:00 ]
47

319 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/05/09(水) 04:15:00 ]
46

320 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/05/10(木) 04:10:00 ]
45

321 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/05/10(木) 04:11:01 ]
44

322 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/05/10(木) 04:12:01 ]
43

323 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/05/10(木) 04:13:00 ]
42

324 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/05/10(木) 04:14:00 ]
41



325 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/05/10(木) 04:15:00 ]
40

326 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/10(木) 12:43:06 ]
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。
Q+(D) = { (-b + √D)/2a ; a > 0, D ≡ b^2 (mod 4a) } とおく。
これは >>218 で Qd と書いたものである。

>>218 より
φ_FQ([ (a, b, c) ]) = ([ (-b + √D)/2|a| ], sign(a))
により同型 φ_FQ : F(D)/Γ_∞ → Q+(D)/Z × {±1}
が得られる。

(a, b, c) ∈ F(D) に ((-b + √D)/2|a|, sign(a)) を対応させる
ことにより
写像 F(D) → Q+(D) × {±1} が得られる。
この写像を記号の濫用でやはり φ_FQ と書くことにする。
これは明らかに集合としての同型である。

327 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/10(木) 16:58:20 ]
判別式が正の2次形式を不定符号2次形式と呼ぶ。

328 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/10(木) 17:01:14 ]
過去スレ4の293で判別式が負の2次形式 (a, b, c) で
a > 0 のとき (a, b, c) は正定値というと書いたが、
これは Zagier の数論入門の日本語訳(岩波) から借りたものである。

しかし、この訳語はあまり良くない。
判別式が負の2次形式を定符号2次形式と呼び、
正定値の代わりに正の定符号と呼んだほうが意味がはっきりする。
しかし、今さら変えるのも混乱するのでこのままにしておく。

329 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/10(木) 20:38:01 ]
(a, b, c) を判別式 D > 0 の2次形式とする。
即ち、不定符号2次形式(>>327)とする。

>>326 より (a, b, c) には ((-b + √D)/2|a|, sign(a)) が対応する。

(-b + √D)/2|a| は2次無理数だから >>41 以降で展開した連分数の
理論が適用できる。
この理論を上記の対応により2次形式の言葉に翻訳しよう。

330 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/10(木) 20:44:53 ]
定義
(a, b, c) を判別式 D > 0 の2次形式とする。
θ = (-b + √D)/2|a| とおく。

1/θ が簡約された2次無理数のとき (a, b, c) を簡約された2次形式、
または単に簡約2次形式という。

331 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/10(木) 20:47:39 ]
>>330 において、θ ではなく 1/θ としたのは後で述べる
2次形式の簡約過程の計算をより単純にするためである。

332 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/10(木) 21:11:44 ]
補題
(a, b, c) を判別式 D > 0 の2次形式とする。
θ = (-b + √D)/2|a| とおく。

(a, b, c) が簡約2次形式であるためには

0 < θ < 1
1 < -θ'

が必要十分である。

ここで、θ' はいつものように θ の共役を表す。

証明
1/θ が簡約ということは >>95 より

1/θ > 1
-1 < 1/θ' < 0

ということである。

1/θ > 1 は 0 < θ < 1 と同値である。

-1 < 1/θ' < 0 は -θ' > 1 と同値である。
証明終

333 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/10(木) 22:54:24 ]
命題
(a, b, c) を判別式 D > 0 の2次形式とする。
(a, b, c) が簡約2次形式であるためには

|√D - 2|a|| < b < √D

が必要十分である。

証明
θ = (-b + √D)/2|a| とおく。

>>332 より (a, b, c) が簡約2次形式であるためには
0 < θ < 1
1 < -θ'
が必要十分である。
0 < θ < 1 より 0 < (-b + √D)/2|a| < 1
だから
0 < -b + √D < 2|a|
よって
√D - 2|a| < b < √D

他方
1 < (b + √D)/2|a| より
2|a| < b + √D
よって
2|a| - √D < b

よって |√D - 2|a|| < b < √D

この逆も明らかである。
証明終

334 名前:132人目の素数さん [2007/05/11(金) 07:57:24 ]
oniku!!



335 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/11(金) 09:42:22 ]
命題
(a, b, c) を判別式 D > 0 の簡約2次形式(>>330)とする。

このとき ac < 0 である。
即ち a と c は符号が反対である。
つまり sign(c) = -sign(a)

証明
>>333 より 0 < b < √D

よって
b^2 < D

D - b^2 = -4ac だから
0 < -4ac

よって
ac < 0
証明終

336 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/11(金) 09:43:42 ]
命題
(a, b, c) を判別式 D > 0 の簡約2次形式(>>330)とする。
このとき |a| + |c| < √D である。

証明
>>333 より
|√D - 2|a|| < b

両辺を2乗して
(√D - 2|a|)^2 < b^2

よって
(√D - 2|a|)^2 - b^2
= D - 4|a|√D + 4a^2 - b^2
= -4ac - 4|a|√D + 4a^2 < 0

よって
((√D - 2|a|)^2 - b^2)/4|a|
= -ac/|a| - √D + |a|
= -sign(a)c - √D + |a|
= sign(c)c - √D + |a|
= |c| - √D + |a| < 0
証明終

337 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/11(金) 09:44:42 ]
命題
(a, b, c) を判別式 D > 0 の2次形式とする。
(a, b, c) が簡約2次形式(>>330)であるためには

|√D - 2|c|| < b < √D

が必要十分である。

証明
>>333 より |√D - 2|a|| < b
よって -b < √D - 2|a| < b
即ち 0 < √D - b < 2|a| < √D + b

√D - b < 2|a| の両辺に √D + b を掛けて
-4ac < 2|a|(√D + b)
-2sign(a)c < √D + b
2sign(c)c < √D + b
よって
2|c| - √D < b

他方 2|a| < √D + b の両辺に √D - b を掛けて

2|a|(√D - b) < -4ac
√D - b < -2sign(a)c = 2sign(c)c = 2|c|
√D - b < 2|c|
よって
-b < 2|c| - √D
以上から
|√D - 2|c|| < b < √D

同様にして、この式から逆に |√D - 2|a|| < b < √D がでる。
証明終

338 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/11(金) 09:50:01 ]
(a, b, c) を判別式 D > 0 の簡約2次形式(>>330)とする。

>>333 より 0 < b < √D
>>336 より |a| + |c| < √D

従って、判別式 D > 0 の簡約2次形式 (a, b, c) の個数は
有限である。

339 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/11(金) 15:15:39 ]
(a, b, c) を判別式 D > 0 の簡約2次形式(>>330)とする。

θ = (-b + √D)/2|a| とおく。

α = 1/θ - [1/θ] とおくと

1/θ = [1/θ] + 1/(1/α)
である。

>>41 の連分数の記号で書くと
1/θ = [[1/θ], 1/α]

α = 1/θ - [1/θ] を計算しよう。

>>335 より sign(a) = -sign(c) であることに注意する。

1/θ = 2|a|/(-b + √D) = 2|a|(-b - √D)/4ac
= sign(a)(-b - √D)/2c = -sign(c)(-b - √D)/2c
= (b + √D)/2|c|

よって
1/θ - [1/θ] = (b + √D)/2|c| - [(b + √D)/2|c|]
= (b - 2|c|[(b + √D)/2|c|] + √D])/2|c| ∈ Q+(D)

よって >>326 より

φ_FQ( (c, r, (r^2 - D)/4c) ) = (1/θ - [1/θ], -sign(a))
である。
ここで r = -b + 2|c|[(b + √D)/2|c|]

340 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/11(金) 15:36:10 ]
>>339 の続き。

n = [(b + √D)/2|c|] とおく。
即ち
n < (b + √D)/2|c| < n + 1

よって
2|c|n < b + √D < 2|c|n + 2|c|

r = -b + 2|c|n
だから

√D - 2|c| < r < √D

341 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/05/13(日) 04:10:00 ]
40

342 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/05/13(日) 04:11:00 ]
39

343 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/05/13(日) 04:12:00 ]
38

344 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/05/13(日) 04:13:00 ]
37



345 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/05/13(日) 04:14:00 ]
36

346 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/05/13(日) 04:15:00 ]
35

347 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/13(日) 13:05:45 ]
(a, b, c) を判別式 D > 0 の2次形式とする。
D = b^2 - 4ac は平方数でないと仮定しているから c ≠ 0 である。

>>340 と同様に

n = [(b + √D)/2|c|]
r = -b + 2|c|n とおく。

>>340 と同様に
√D - 2|c| < r < √D
である。

>>339 を参考にして2次形式 (c, r, (r^2 - D)/4c) を考える。

r^2 - D = (-b + 2|c|n)^2 - D
= b^2 - 4b|c|n + 4c^2 n^2 - b^2 + 4ac
= - 4b|c|n + 4c^2 n^2 + 4ac

よって
(r^2 - D)/4c = a - sign(c)bn + cn^2

よって
(c, r, (r^2 - D)/4c) = (c, -b + 2|c|n, a - sign(c)bn + cn^2)

σ = (0, 1)/(-1, -sign(c)n) とおく。
det(σ) = 1 だから σ ∈ SL_2(Z) である。

過去スレ4の280より
(a, b, c)σ = (c, -b + 2|c|n, a - sign(c)bn + cn^2)
である。

348 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/13(日) 15:39:41 ]
ρ(a, b, c) = (c, -b + 2|c|n, a - sign(c)bn + cn^2) とおく。
即ち
ρ(a, b, c) = (a, b, c)σ
である。

ρ(a, b, c) = (a_1, b_1, c_1) とおく。

|c_1| < |a_1| なら、即ち |a - sign(c)bn + cn^2| < |c| なら

ρ(a_1, b_1, c_1) = (a_2, b_2, c_2) とおく。

以下同様にして
|c_(n-1)| < |a_(n-1)| なら
ρ(a_(n-1), b_(n-1), c_(n-1)) = (a_n, b_n, c_n) とおく。

|c| = |a_1| > |c_1| = |a_2| > . . . > |c_(n-1)| = |a_n|

|c| は有限だからこの過程は有限回で終わる。
よって |a_n| ≦ |c_n| となる n がある。

このとき (ρ^n)(a, b, c) = (a_n, b_n, c_n) は簡約された2次形式
であることを証明しよう。

349 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/13(日) 16:29:19 ]
記号を簡単にするため (a_n, b_n, c_n) = (A, B, C) とおく。
|A| ≦ |C| である。

>>347 より √D - 2|A| < B < √D
よって
0 < √D - B < 2|A|
よって
1/|√D - B| > 1/(2|A|)

一方、
|√D - B||√D + B| = |D - B^2| = 4|A||C|
よって
|√D + B| = 4|A||C|/|√D - B| > 2|C|
よって
|√D + B| > 2|C| ≧ 2|A| > √D - B > 0

B < 0 とすると
√D + B = √D - |B|
√D - B = √D + |B|
よって
|√D - |B|| > √D + |B| となって矛盾。

従って、B ≧ 0 である。
B = 0 なら |√D + B| > √D - B より √D > √D となって矛盾。
よって B > 0 である。
よって 0 < B < √D である。

上の |√D + B| > 2|C| ≧ 2|A| > √D - B > 0 より
√D - B < 2|A| < √D + B
即ち
|√D - 2|A|| < B < √D である。
よって (A, B, C) は簡約されている。

350 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/13(日) 18:17:50 ]
命題
(a, b, c) を判別式 D > 0 の2次形式とする。
(a, b, c) が簡約されていれば >>348 で定義した ρ(a, b, c) も
簡約されている。

証明
n = [(b + √D)/2|c|]
r = -b + 2|c|n とおく。
ρ(a, b, c) = (c, r, (r^2 - D)/4c) である。

>>347 より √D - 2|c| < r < √D

|c| < (√D)/2 なら 0 < √D - 2|c|
よって |√D - 2|c|| < r < √D
よって ρ(a, b, c) は簡約されている。

|c| > (√D)/2 なら 2|c| - √D > 0
(a, b, c) は簡約されているから
2|c| - √D = |√D - 2|c|| < b < √D
よって
2|c| < b + √D < 2√D < 4|c|

よって
1 < (b + √D)/2|c| < 2
よって
[(b + √D)/2|c|] = 1
r = -b + 2|c| > 2|c| - √D = |√D - 2|c||
一方 2|c| - √D < b だから r = -b + 2|c| < √D
よって ρ(a, b, c) は簡約されている。
証明終

351 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/18(金) 12:13:22 ]
D > 0 を平方数でない正の有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) と
する。

>>326
φ_FQ((a, b, c)) = ((-b + √D)/2|a|, sign(a)) により
写像 φ_FQ : F(D) → Q+(D) × {±1} を定義した。

任意の σ ∈ SL_2(Z) に対してある τ ∈ GL_2(Z) があり

φ_FQ((a, b, c)σ) = (τ(θ), det(τ)sign(a))

となることを証明しよう。

ここで (a, b, c) は F(D) の任意の元であり、
θ = (-b + √D)/2|a| である。

352 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/18(金) 14:39:08 ]
>>351 の主張は(たぶん)誤りなので >>351 は削除する。

353 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/18(金) 21:42:49 ]
補題
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。
(a, b, c) を判別式 D の2次形式とする。
σ = (p, q)/(r, s) ∈ GL_2(Z) とし、
(a, b, c)σ = (k, l, m)とする。

θ = (-b + √D)/2a とおき、τ = (-sθ + q)/(rθ - p) とする。
即ち θ = (pτ + q)/(rτ + s) である。
このとき τ = (-l + (ps - qr)√D)/2k

証明
過去スレ4の401より
k = ap^2 + bpr + cr^2
l = 2apq + b(ps + qr) + 2crs
m = aq^2 + bqs + cs^2

τ = (-sθ + q)/(rθ - p)
に θ = (-b + √D)/2a を代入すると、
τ = (-s(-b + √D) + 2aq)/(r(-b + √D) - 2ap)
この分子と分母にそれぞれ (r(-b - √D) - 2ap) を掛けると

分子 = (-s(-b + √D) + 2aq)(r(-b - √D) - 2ap)
= -4acrs - 2apsb - 2aqrb + (2aps - 2aqr)√D
= -2a(2crs + psb + qrb + 2apq) + 2a(ps - qr)√D
= -2al + 2a(ps - qr)√D

分母 = (r(-b + √D) - 2ap)(r(-b - √D) - 2ap)
= 4acr^2 + 4abpr + 4a^2p^2
= 4a(cr^2 + bpr + ap^2) = 4ak

よって τ= (-l + (ps - qr)√D)/2k
証明終

354 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/18(金) 22:25:29 ]
D > 0 を平方数でない正の有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) と
する。

判別式 D の簡約2次形式(>>330)の集合を RF(D) と書く。



355 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/18(金) 22:32:47 ]
D > 0 を平方数でない正の有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) と
する。

σ = (p, q)/(r, s) ∈ GL_2(Z) とし、
(a, b, c) を判別式 D の2次形式とする。

過去スレ4の401より
k = ap^2 + bpr + cr^2
l = 2apq + b(ps + qr) + 2crs
m = aq^2 + bqs + cs^2
とおけば

(a, b, c)σ = (k, l, m)

とくに
U = (0, 1)/(1, 0) ∈ GL_2(Z) のとき

(a, b, c)U = (c, b, a)

明らかに (a, b, c) が簡約(>>330)されていれば
(a, b, c)U = (c, b, a) も簡約されている。

μ(a, b, c) = (c, b, a) と書く。

μ は RF(D) (>>354) から RF(D) への写像を定める。
この写像をやはり μ と書く。

μ^2 = 1 だから μ は RF(D) の集合としての自己同型である。

356 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/18(金) 23:34:23 ]
>>348 の ρ(a, b, c) は RF(D) (>>354) から RF(D) への写像を
定める。この写像をやはり ρ と書く。

(ρμ)(ρμ) = (μρ)(μρ) = 1 となることを示そう。

>>347 より n = [(b + √D)/2|c|] として、
σ = (0, 1)/(-1, -sign(c)n) とおくと、
σ ∈ SL_2(Z) で、ρ(a, b, c) = (a, b, c)σである。

>>355 より U = (0, 1)/(1, 0) とおくと、
μ(a, b, c) = (a, b, c)U

σU = (1, 0)/(-sign(c)n, -1)
よって
(σU)(σU) = 1

よって
(ρμ)(ρμ) = 1

同様に、
Uσ = (-1, -sign(c)n)/(0, 1)
よって
(Uσ)(Uσ) = 1
よって
(μρ)(μρ) = 1

357 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/18(金) 23:39:39 ]
>>356 より ρ^(-1) = μρμ である。
よって (a, b, c) ∈ RF(D) のとき ρ^(-1)(a, b, c) ∈ RF(D) である。
よって ρ は RF(D) の集合としての自己同型である。

358 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/19(土) 02:05:20 ]
D > 0 を平方数でない正の有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) と
する。

(a, b, c) ∈ RF(D) (>>354) とする。

i > 0 を任意の正の有理整数とすると、
>>350 より (ρ^i)(a, b, c) ∈ RF(D) である。

>>338 より RF(D) は有限集合である。
従って、(ρ^n)(a, b, c) = (ρ^(n+m))(a, b, c)
となる n > 0 と m > 0 がある。

>>357 より RF(D) の集合としての自己同型 ρ^(-n) が存在するから
ρ^(-n)(ρ^n)(a, b, c) = ρ^(-n)(ρ^(n+m))(a, b, c)
より、
(a, b, c) = (ρ^m)(a, b, c) となる。

さて、(a, b, c) は簡約されているので、>>335 より
(a, b, c) の先頭項、即ち a と ρ(a, b, c) の先頭項 c は
符号が反対である。
同様に i > 0 を任意の正の有理整数とすると、
(ρ^i)(a, b, c) の先頭項と (ρ^(i+1))(a, b, c) の先頭項は
符号が反対である。
従って、(a, b, c) = (ρ^m)(a, b, c) となる m は偶数である。

359 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/19(土) 02:27:23 ]
D > 0 を平方数でない正の有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) と
する。

>>357 より ρ は RF(D) の自己同型である。
G を ρ で生成される巡回群とする。
RF(D) は G-集合(過去スレ4の388)となる。
よって軌道空間(過去スレ4の390) RF(D)/G が考えられる。

f ∈ RF(D) のとき f の軌道(過去スレ4の390) は
>>358 より { f, ρf, . . . , ρ^(m-1)f } の形である。
ここで (ρ^m)f = f であり、 0 ≦ i < j < m のとき
(ρ^i)f ≠ (ρ^j)f である。

さらに m は偶数である。

f の軌道のことを f のサイクルと呼ぶ。

360 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/19(土) 03:20:43 ]
>>359 において f のサイクル { f, ρf, . . . , ρ^(m-1)f } の
元の個数 m を fのサイクルの長さという。

361 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/05/20(日) 04:10:00 ]
42

362 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/05/20(日) 04:11:00 ]
41

363 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/05/20(日) 04:12:00 ]
40

364 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/05/20(日) 04:13:00 ]
39



365 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/05/20(日) 04:14:00 ]
38

366 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/05/20(日) 04:15:00 ]
37

367 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/20(日) 10:13:37 ]
D > 0 を平方数でない正の有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) と
する。

f = (a, b, c) を判別式 D の簡約2次形式とする。

f のサイクル(>>359) を { f, ρf, . . . , ρ^(m-1)f } とする。
n ≧ 0 のとき (ρ^n)f = f_n
f_n = (a_n, b_n, c_n) とおく。

f のサイクルは { f_0, f_1, . . . , f_(m-1) } である。

>>326
φ_FQ((a, b, c)) = ((-b + √D)/2|a|, sign(a)) により
写像 φ_FQ : F(D) → Q+(D) × {±1} を定義した。

θ_n = (-b_n + √D)/2|a_n| とおくと、

φ_FQ(f_n) = (θ_n, sign(a_n)) である。

368 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/20(日) 10:24:42 ]
>>339 より

φ_FQ( ρ(a, b, c) ) = (1/θ - [1/θ], -sign(a))

よって
φ_FQ( ρ(f_n) ) = (1/θ_n - [1/θ_n], -sign(a_n))

よって
(θ_(n+1), sign(a_(n+1)) = (1/θ_n - [1/θ_n], -sign(a_n))

即ち
θ_(n+1) = 1/θ_n - [1/θ_n]
sign(a_(n+1) = -sign(a_n)

よって
sign(a_n) = (-1)^n sign(a_0)

369 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/20(日) 10:35:53 ]
>>368 より

f = (a, b, c) のサイクルは 1/θ の連分数展開
と対応していることがわかる。

(a, b, c) は簡約されているから >>335 より sign(c) = -sign(a)

よって
1/θ = 2|a|/(-b + √D)
= 2|a|(-b - √D)/4ac
= -sign(a)(b + √D)/2c
= sign(c)(b + √D)/2c
= (b + √D)/2|c|

370 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/20(日) 10:49:57 ]
ここで、簡約2次形式のサイクルの計算例を述べる。

D = 52 = 4×13 として2次形式 f = (3, 2, -4) を考える。

[√D] = 7 である。

|√D - 6| < 2 < √D だから (3, 2, -4) は簡約されている。

(a, b, c) = (3, 2, -4) とおく。
>>348 より
ρ(a, b, c) = (c, -b + 2|c|n, a - sign(c)bn + cn^2)

n = [(b + √D)/2|c|] = [(2 + √D)/8] = 1
だから
ρ(3, 2, -4) = (-4, 6, 1)

同様に
[(6 + √D)/2] = 6
だから
ρ(-4, 6, 1) = (1, 6, -4)

以下同様にして長さ10のサイクル

(3, 2, -4) → (-4, 6, 1) → (1, 6, -4) → (-4, 2, 3)
→ (3, 4, -3) → (-3, 2, 4) → (4, 6, -1)→(-1, 6, 4)
→ (4, 2, -3) → (-3, 4, 3) →(3, 2, -4)

が得られる。

371 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/20(日) 11:16:11 ]
>>367 より
θ_n = (-b_n + √D)/2|a_n| とおくと、
φ_FQ(f_n) = (θ_n, sign(a_n)) = (1/(1/θ_n), sign(a_n))

よって
φ_FQ( (3, 2, -4) ) = ( (-2 + √D)/6, 1 ) = (1/((2 + √D)/8), 1)
φ_FQ( (-4, 6, 1) ) = ( (-6 + √D)/8, 1 ) = (1/((6 + √D)/2), -1)
φ_FQ( (1, 6, -4) ) = ( (-6 + √D)/2, 1 ) = (1/((6 + √D)/8), 1)
φ_FQ( (-4, 2, 3) ) = ( (-2 + √D)/8, 1 ) = (1/((2 + √D)/6), -1)
φ_FQ( (3, 4, -3) ) = ( (-4 + √D)/6, 1 ) = (1/((4 + √D)/6), 1)
φ_FQ( (-3, 2, 4) ) = ( (-2 + √D)/6, 1 ) = (1/((2 + √D)/8), -1)
φ_FQ( (4, 6, -1) ) = ( (-6 + √D)/8, 1 ) = (1/((6 + √D)/2), 1)
φ_FQ( (-1, 6, 4) ) = ( (-6 + √D)/2, 1 ) = (1/((6 + √D)/8), -1)
φ_FQ( (4, 2, -3) ) = ( (-2 + √D)/8, 1 ) = (1/((2 + √D)/6), 1)
φ_FQ( (-3, 4, 3) ) = ( (-4 + √D)/6, 1 ) = (1/((4 + √D)/6), -1)
φ_FQ( (3, 2, -4) ) = ( (-2 + √D)/6, 1 ) = (1/((2 + √D)/6), 1)

372 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/20(日) 11:28:39 ]
>>371 から次の巡回系列が得られる。

(1/((2 + √D)/8), 1) → (1/((6 + √D)/2), -1)
→ (1/((6 + √D)/8), 1) → (1/((2 + √D)/6), -1)
→ (1/((4 + √D)/6), 1) → (1/((2 + √D)/8), -1)

→ (1/((6 + √D)/2), 1) → (1/((6 + √D)/8), -1)
→ (1/((2 + √D)/6), 1) → (1/((4 + √D)/6), -1)
→ (1/((2 + √D)/6), 1)

これから、符号を無視すると以下の簡約2次無理数の長さ5の巡回系列が
2つ繰り替えされていることが分かる。

(2 + √D)/8 → (6 + √D)/2 → (6 + √D)/8 → (2 + √D)/6
→ (4 + √D)/6 → (2 + √D)/8

373 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/20(日) 11:33:29 ]
>>372
>→ (1/((6 + √D)/2), 1) → (1/((6 + √D)/8), -1)
>→ (1/((2 + √D)/6), 1) → (1/((4 + √D)/6), -1)
>→ (1/((2 + √D)/6), 1)

→ (1/((6 + √D)/2), 1) → (1/((6 + √D)/8), -1)
→ (1/((2 + √D)/6), 1) → (1/((4 + √D)/6), -1)
→ (1/((2 + √D)/8), -1)

374 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/20(日) 15:31:31 ]
(2 + √D)/8 を連分数に展開してみよう。

(2 + √D)/8 = 1 + (-6 + √D)/8 = 1 + 1/(6 + √D)/2

(6 + √D)/2 = 6 + (-6 + √D)/2 = 6 + 1/(6 + √D)/8

(6 + √D)/8 = 1 + (-2 + √D)/8 = 1 + 1/(2 + √D)/6

(2 + √D)/6 = 1 + (-4 + √D)/6 = 1 + 1/(4 + √D)/6

(4 + √D)/6 = 1 + (-2 + √D)/6 = 1 + 1/(2 + √D)/8

よって
(2 + √D)/8 = [1, 6, 1, 1, 1, ...]

ここに現れた、簡約2次無理数の巡回列は >>372 と同じものである。



375 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/20(日) 16:16:57 ]
D > 0 を平方数でない正の有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。

f = (a, b, c) と g = (k, l, m) を判別式 D の簡約2次形式とする。

f と g が F(D)/Γ の同じ類に属すとする。
ここで F(D) は判別式 D の2次形式の集合であり、Γ = SL_2(Z)
である(>>234)。

このとき f のサイクルと g のサイクルは一致することを証明しよう。
ρ(f) の先頭項は a の符号と反対であり、f と ρ(f) は F(D)/Γ の
同じ類に属すから a > 0 と仮定してよい。
同様に k > 0 と仮定してよい。

σ = (p, q)/(r, s) ∈ SL_2(Z) とし、
(a, b, c)σ = (k, l, m)とする。

θ = (-b + √D)/2a とおき、τ = (-sθ + q)/(rθ - p) とする。
即ち θ = (pτ + q)/(rτ + s) である。
このとき >>353 より τ = (-l + √D)/2k

θ = (pτ + q)/(rτ + s) より
1/θ = (r + s(1/τ)/(p + q(1/τ))

>>112 より、ある実無理数 ω と n ≧ 1, m ≧ 1 があり、
1/θ = [k_0, . . . , k_(n-1), ω]
1/τ = [h_0, . . . , h_(m-1), ω]
となる。
ここで、各 k_i は有理整数で i ≧ 1 のとき k_i ≧ 1 であり、
各 h_i も有理整数で i ≧ 1 のとき h_i ≧ 1 である。

376 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/05/20(日) 16:32:15 ]
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》゙|′ .ミ .|     .∨   ,、    {lzトrr┘ \从,,)     }:! .《
}}.,rー ミ,,ェ    ,     .'|フ      .,,zu厶  ̄     ゙'^ l!
゙|从  》″    | r          -:(工ェ」zミv_   n.    〔   <人の脳を読む能力を悪用する奴を潰すのが先だ。
.》ト  .′    ∨       7vv=(干=─干ミl||l,_,z ″    》
.《l,_ .'|!                 .__     , . ゙̄..      〕
 《^¨′                 .゙冖'^^'''冖   v\    }    
 [      、        .           〕   〔 .′ .」_ .ll′      
 .|      | 」       ._}         .hノ   .:| ,.. .,.トト 〕
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   \        ∨゙ . _ .- . ' .`゙厂¨厂゙厂'. .゙ 、' .゙. ヽ‐,r|
   .ノy           .´ 、 .: ' ..:  .、 ' ` ' _ . .冫 -.',y;|

377 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/05/21(月) 04:10:00 ]
44

378 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/05/21(月) 04:11:00 ]
43

379 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/05/21(月) 04:12:00 ]
42

380 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/05/21(月) 04:13:00 ]
41

381 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/05/21(月) 04:14:00 ]
40

382 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/05/21(月) 04:15:00 ]
39

383 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/05/22(火) 04:10:00 ]
38

384 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/05/22(火) 04:11:00 ]
37



385 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/05/22(火) 04:12:00 ]
36

386 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/05/22(火) 04:13:01 ]
35

387 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/05/22(火) 04:14:01 ]
34

388 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/05/22(火) 04:15:01 ]
33

389 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/05/24(木) 04:10:00 ]
34

390 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/05/24(木) 04:11:00 ]
33

391 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/05/24(木) 04:12:00 ]
32

392 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/05/24(木) 04:13:00 ]
31

393 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/05/24(木) 04:14:00 ]
30

394 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/05/24(木) 04:15:00 ]
29



395 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/25(金) 17:17:23 ]
補題
β > 1 を実無理数とする。
α = (aβ + b)/(cβ + d) とする。
ここで a, b, c, d は有理整数で ad - bc = 1 であり、
c > d > 0 である。

このときある偶数 n ≧ 1 があり、
α = [k_0, . . . , k_(n-1), β] となる。
ここで、各 k_i は有理整数で i ≧ 1 のとき k_i ≧ 1 である。

証明
a/c を単純連分数(>>69)に展開して
a/c = [k_0, . . . , k_(n-1)] とする。
>>107 より ad - bc = (-)^n = 1 と仮定してよい。
即ち n は偶数と仮定してよい。

あとは >>110 の証明と同じである。
証明終

396 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/25(金) 17:21:06 ]
補題
β を簡約2次無理数とする。
α = (aβ + b)/(cβ + d) とする。
ここで a, b, c, d は有理整数で ad - bc = 1 である。

このとき、ある偶数 n ≧ 1 があり、
α = [k_0, . . . , k_(n-1), β]
となる。
ここで、各 k_i は有理整数で i ≧ 1 のとき k_i ≧ 1 である。

証明
cβ + d < 0 なら -cβ - d > 0 で
α = (-aβ - b)/(-cβ - d) だから
cβ + d > 0 と仮定してよい。

β を 無限連分数に展開して
β = [h_0, h_1, . . . ] とする。
m ≧ 1 に対して
ω_m = [h_m, h_(m+1), . . . ] とおく。

>>77 より
β = [h_0, . . . , h_(m-1), ω_m] である。
β は簡約2次無理数だから >>101 より純循環連分数に展開される。
よって ω_m = β、即ち β = [h_0, . . . , h_(m-1), β]
となる m ≧ 1 がある。
しかも、このような m としていくらでも大きい値が取れる。

従って >>395 より >>113 と同様にして
ある偶数 n ≧ 1 があり
α = [k_0, . . . , k_(n-1), β] となる。
証明終

397 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/25(金) 21:09:12 ]
>>375 の続き。

1/θ = (r + s(1/τ)/(p + q(1/τ)) であり、1/τ は簡約2次無理数
だから >>396 より、ある偶数 n ≧ 1 があり、
1/θ = [k_0, . . . , k_(n-1), 1/τ] となる。
ここで、各 k_i は有理整数で i ≧ 1 のとき k_i ≧ 1 である。
1/θ も簡約2次無理数だから 1/θ > 1 であり、k_0 ≧ 1 である。

>>368 と、n は偶数に注意して、
φ_FQ( ρ^n(f) ) = (τ, (-1)^n) = (τ, 1)
である。
一方 φ_FQ(g) = (τ, 1) だから ρ^n(f) = g である。
よって f と g は同じサイクルに属す。
即ち簡約2次形式 f と g が F(D)/Γ(>>375) の同じ類に属すことと、
f と g が RF(D)/G (>>359) の同じ類に属すことは同値である。

一方、>>348 より F(D)/Γの任意の類は簡約2次形式を含む。
よって |F(D)/Γ| = |RF(D)/G| である。

398 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/25(金) 21:14:07 ]
>>397 の結果は恐らく(不定符号)2次形式の初等的な理論の中で最初の
難関だろう。

399 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/30(水) 09:46:33 ]
D > 0 を平方数でない正の有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) と
する。
判別式 D の原始的(過去スレ4の279)な簡約2次形式(>>330)の集合を
RF_0(D) と書く。

>>397 の |F(D)/Γ| = |RF(D)/G| より
|F_0(D)/Γ| = |RF_0(D)/G| となる。

一方、>>253 より F_0(D)/Γ と Cl+(D) (>>227)は集合として同型である。
よって |Cl+(D)| = |RF_0(D)/G|

|Cl+(D)| を h+(D) と書き R の狭義の類数と呼ぶ。
ここで R は判別式 D の整環である。

|Cl(D)| を h(D) と書き R の広義の類数と呼ぶ。

400 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/30(水) 10:05:56 ]
D > 0 を平方数でない正の有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) と
する。

>>399 より R の狭義の類数 h+(D) は |RF_0(D)/G| と一致する。

RF_0(D) の元、つまり判別式 D の原始的な簡約2次形式を数え上げる
アルゴリズムは簡単である。

(a, b, c) ∈ RF_0(D) となる条件を求めよう。

まず >>333 より 0 < b < √D である。
即ち 1 ≦ b ≦ [√D]

>>335 より a と c の符号は反対だから
D = b^2 - 4ac = b^2 + 4|ac|

これから b が決まると |ac| が決まる。

>>333 より
|√D - 2|a|| < b

よって
√D - b < 2|a| < √D + b

よって
[√D] + 1 - b ≦ 2|a| ≦ [√D] + b

これから a が決まり D = b^2 + 4|ac| より c が決まる。

あとは gcd(a, b, c) = 1 に注意すればよい。

401 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/30(水) 10:54:46 ]
D = 328 として h+(D) を求めてみよう。
これは高木の「初等整数論講義」の例と同じである。

328 = 4・82 = 8・41 で 82 ≡ 2 (mod 4) だから
判別式 D の整環 R は Q(√82) の主整環である。
従って 判別式 D の2次形式はすべて原始的である(過去スレ4の289)。

[√D] = 18 である。
b^2 + 4|ac| = 328
[√D] + 1 - b ≦ 2|a| ≦ [√D] + b
より以下の20個が判別式 328 の原始的な簡約2次形式の全部である。

(9, 2, -9)
(-9, 2, 9)
(6, 8, -11)
(-11, 8, 6)
(11, 8, -6)
(-11, 8, 6)
(3, 14, -11)
(-3, 14, 11)
(11, 14, -3)
(-11, 14, 3)
(2, 16, -9)
(-2, 16, 9)
(9, 16, -2)
(-9, 16, 2)
(3, 16, -6)
(-3, 16, 6)
(6, 16, -3)
(-6, 16, 3)
(1, 18, -1)
(-1, 18, 1)

402 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/30(水) 11:10:03 ]
>>401 で求めた RF_0(328) をサイクルに分類するのは >>370
同様にすればよい。

(9, 2, -9) → (-9, 16, 2) → (2, 16, -9) → (-9, 2, 9)
→ (9, 16, -2) → (-2, 16, 9) → (9, 2, -9)

(11, 8, -6) → (-6, 16, 3) → (3, 14, -11) → (-11, 8, 6)
→ (6, 16, -3) → (-3, 14, 11) → (11, 8, -6)

(3, 16, -6) → (-6, 8, 11) → (11, 14, -3) → (-3, 16, 6)
→ (6, 8, -11) → (-11, 14, 3) → (3, 16, -6)

(1, 18, -1) → (-1, 18, 1) → (1, 18, -1)

以上から RF_0(328) は4個のサイクルからなっている。
よって h+(328) = 4 である。
即ち Q(√82) の狭義の類数は4である。

403 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/30(水) 11:37:28 ]
>>402 において、

(9, 2, -9) と (-9, 2, 9)
(11, 8, -6) と (-11, 8, 6)
(3, 16, -6) と (-3, 16, 6)
(1, 18, -1) と (-1, 18, 1)
はそれぞれ同じサイクルに属す。

従って >>305 より Q(√82) の広義の類数も4である。

404 名前:132人目の素数さん [2007/05/30(水) 18:09:12 ]
すみません、教えてください。
お願いします。

web2.incl.ne.jp/yaoki/wari7.htm
の問題

「2n−1個の任意の自然数がある。(nは自然数)
(2n−1個の内に、同じ自然数があってもかまわない)
その中のあるn個の自然数の和で、nで割り切れるものが必ず存在する。
そうであるなら証明を、そうとも限らないなら反例を示してください。」

の解答web2.incl.ne.jp/yaoki/awari7.htm
以下の所の意味がよく解りませんので、よろしくお願いいたします。

・・・・・・・・・・・・・・・・
Rk と Sk-1 は要素数が同じであるが、それぞれの要素数の和は法 p の下で剰余が等しくないことになる。
これは、Rk には Sk-1 にない要素が少なくとも1つはあることを意味する。
Sk = Sk-1 ∪ Rk であるから、Sk の要素数は Sk-1 よりも多くなる。
もし t = p ならば、Sk-1 には p 個の要素があり、法 p の下の剰余をすべて尽くしている。
・・・・・・・・・・・・・・・・
ここまではわかるのですが、次からがよくわかりません。
・・・・・・・・・・・・・・・・
こうなると Sk, Sk+1, ... は、要素数が p 個である状態が続いていく。
よって、Sk の要素は k+1 個以上あるが、p 個が上限である。
特に、Sp-1 は要素数が p 個で、法 p の下の剰余がすべて含まれる。
・・・・・・・・・・・・・・・・
t = p でないときは?



405 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/31(木) 10:57:21 ]
D > 0 を平方数でない正の有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) と
する。

ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の2次形式とし、
m ≠ 0 を有理整数とする。

m = ax^2 + bxy + cy^2 の固有な解(過去スレ4の701)の全てを求めるには
過去スレ4の738 より以下の問題に帰着する。

(1) 判別式 D の2次形式 (a, b, c) と (m, l, k) が与えられたとき
それらが同値か否かを判定せよ。

(2) 同値なら (a, b, c)σ = (m, l, k) となる
σ ∈ SL_2(Z) を全て求めよ。

(1) は既に解けている。
即ち以下のようにする。
f と g を判別式 D の2次形式とする。
f と g が同値かどうかを判定するには、
>>348 の方法により f と g をそれぞれ簡約2次形式に変形して
それらが同じサイクルに含まれるかどうかを見ればよい。
同じサイクルに含まれれば、fσ = g となる σ ∈ SL_2(Z) は
少なくとも1個求まる。

よって (2) は (a, b, c)σ = (a, b, c) となる σ ∈ SL_2(Z) を
全て求めれば解ける(過去スレ4の739)。

406 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/31(木) 11:37:07 ]
D > 0 を平方数でない正の有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) と
する。
f = (a, b, c) を判別式 D の原始的な2次形式とする。

U(f) = {σ ∈ SL_2(Z) ; (a, b, c)σ = (a, b, c) }
とおく。

U(f) は SL_2(Z) の部分群である。
U(f) の構造を決定しよう。

σ = (p, q)/(r, s) ∈ SL_2(Z) とし、
(a, b, c)σ = (a, b, c
とする。

過去スレ4の401より
a = ap^2 + bpr + cr^2
b = 2apq + b(ps + qr) + 2crs
c = aq^2 + bqs + cs^2

ps - qr = 1 だから ps = qr + 1
これと
b = 2apq + b(ps + qr) + 2crs
より
b = 2apq + b(2qr + 1) + 2crs
よって
2apq + 2bqr + 2crs = 0
よって
apq + bqr + crs = 0

407 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/31(木) 11:46:11 ]
>>406 の続き。

apq + bqr + crs = 0 より、

aq = q(ap^2 + bpr + cr^2)
= apqp + bpqr + cr^2q
= (-bqr - crs)p + bpqr + cr^2q
= -crsp + cr^2q
= -cr(ps - qr)
= -cr

よって
r/a = -q/c

他方
c(p - s) = (aq^2 + bqs + cs^2)(p - s)
= apq^2 + bpqs + cs^2p - cs
= apq^2 + bpqs + cs(sp - 1)
= apq^2 + bpqs + csqr
= q(apq + bps + crs)
= q(bps - bqr)
= qb(ps - qr)
= qb

ここで再び apq + bqr + crs = 0 を使った。

よって
(s - p)/b = -q/c

以上から
r/a = (s - p)/b = -q/c

408 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/31(木) 11:55:14 ]
>>407 の続き。

r/a = (s - p)/b = -q/c を u とおく。

r = au
s - p = bu
q = -cu
となる。

u = v/w とする。
ここで v, w は有理整数で gcd(v, w) = 1 である。

wr = av
w(s - p) = bv
wq = -cv

よって w は a, b, c の共約数である。
2次形式 f = (a, b, c) は原始的だから w = ±1 である。
よって u は有理整数である。

t = p + s とおく。

t + bu = 2s
t - bu = 2p

よって
p = (t - bu)/2
s = (t + bu)/2
q = -cu
r = au

409 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/31(木) 14:36:11 ]
>>408 の続き。

p = (t - bu)/2
s = (t + bu)/2
q = -cu
r = au

ps - qr = 1 より

(t^2 - b^2u^2)/4 + acu^2 = (t^2 - b^2u^2 + 4acu^2)/4 = 1

よって
t^2 - Du^2 = 4

410 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/31(木) 14:37:35 ]
>>409 の続き。

逆に (t, u) が t^2 - Du^2 = 4 の解なら
p = (t - bu)/2
s = (t + bu)/2
q = -cu
r = au
とおくと
ps - qr = 1 となって、σ = (p, q)/(r, s) は SL_2(Z) の元である。

(a, b, c)σ = (k, l, m)
とする。

過去スレ4の401より
k = ap^2 + bpr + cr^2
l = 2apq + b(ps + qr) + 2crs
m = aq^2 + bqs + cs^2

411 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/31(木) 14:39:21 ]
>>410 の続き。

一方、
ap^2 + bpr + cr^2
= (t - bu)^2/4 + ab(t - bu)u/2 + ca^2u^2
= (a(t - bu)^2 + 2ab(t - bu)u + 4ca^2u^2)/4
= (at^2 - 2abtu + ab^2u^2 + 2abtu - 2ab^2u^2 + 4ca^2u^2)/4
= (at^2 - ab^2u^2 + 4ca^2u^2)/4
= a(t^2 - Du^2)/4
= a

よって k = a

2apq + b(ps + qr) + 2crs
= -2acu(t - bu)/2 + b(t^2 - b^2u^2)/4 - abcu^2 + 2acu(t + bu)/2
= 2abcu^2 + b(t^2 - b^2u^2)/4 - abcu^2
= b(t^2 - b^2u^2)/4 + abcu^2
= b(t^2 - Du^2)/4
= b

よって l = b

D = b^2 - 4ac = l^2 - 4km
だから

b^2 - 4am = D
よって
m = c

以上から
(a, b, c)σ = (a, b, c)

412 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/31(木) 15:29:04 ]
>>411 の続き。

t^2 - Du^2 = 4 の有理整数解 (t, u) の集合を Pell+(D) と書こう。

(t, u) ∈ Pell+(D) のとき
φ(t, u) = (p, q)/(r, s) ∈ SL_2(Z) と書く。
ここで
p = (t - bu)/2
s = (t + bu)/2
q = -cu
r = au

>>411 より φ は Pell+(D) から U(f) への写像である。
>>409 より φ は全射である。

φ が単射であることを示そう。

(t, u) と (t', u') を Pell+(D) の元で、
φ(t, u) = φ(t', u') とする。

a ≠ 0 だから(a = 0 なら D = b^2 となって D は平方数となって
仮定に反する)、
au = au' より u = u' である。

よって
(t - bu)/2 = (t' - bu')/2 より t = t' である

よって
(t, u) = (t', u')
よって φ は単射である。

413 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/31(木) 15:45:36 ]
>>412 の続き。

R を判別式 D の整環とする。
過去スレ4の590より
R = {(x + y√D)/2 ; x ∈ Z, y ∈ Z, x ≡ yD (mod 2) } である。

R の単数でノルムが1となるもの全体を (R^*)+ と書く
即ち (R^*)+ = { α ∈ R^* ; N(α) > 0 } である(>>281)。

α = (t + u√D)/2 が R の単数なら、
N(α) = αα' = (t + u√D)/2 (t - u√D)/2 = (t^2 - Du^2)/4 = ±1

特に N(α) = 1 なら t^2 - Du^2 = 4 である。
よって (t, u) ∈ Pell+(D) である。

逆に (t, u) ∈ Pell+(D) なら、
>>132 より α = (t + u√D)/2 は R の単数である。
明らかに、N(α) = 1 である。

以上から Pell+(D) と (R^*)+ は集合として同型である。

>>412 より Pell+(D) と U(f) は集合として同型であるから
U(f) と (R^*)+ は集合として同型である。

414 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/31(木) 15:59:34 ]
>>413 の続き。

>>139 より R の任意の単数は ±E^m, m ∈ Z と書ける。
ここで E は R の基本単数である。
よって R^* は群として Z × {±1} と同型である。
ここで Z は有理整数環の加法群である。

N(E) = 1 なら R^* = (R^*)+ である。

N(E) = -1 なら (R^*)+ の任意の元は ±(E^2)^m, m ∈ Z と書ける。
この場合も (R^*)+ は群として Z × {±1} と同型である。



415 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/31(木) 16:10:27 ]
>>408
>よって w は a, b, c の共約数である。

よって w は a, b, c の公約数である。

416 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/31(木) 17:25:26 ]
>>414 の続き。

R の基本単数は >>138>>139 の方法で求まる。

例として >>401 で取り上げた D = 328 のときに基本単数を
求めてみよう。

>>401 より (-1, 18, 1) は簡約2次形式だから
θ = 2|a|/(-b + √D) = (b + √D)/2|c| = (18 + √D)/2 は
簡約された2次無理数である(>>330, >>339)。

[θ] = 18

θ - 18 = (-18 + √D)/2

1/(θ - 18) = 2(-18 - √D)/(18^2 - 328)
= 2(18 + √D)/4 = (18 + √D)/2 = θ

よって
θ = [18, 0, θ]

よって
θ = 18 + 1/θ = (18θ + 1)/θ

>>138 より θ = (18 + √D)/2 は R の、従って Q(√82) の
基本単数である。

N(θ) = (18 + √D)/2 (18 - √D)/2 = (18^2 - 328)/4 = -4/4 = -1
よって

(R^*)+ = { ±θ^(2n) ; n ∈ Z }
= { ±((326 + 18√D)/2)^n) ; n ∈ Z }

417 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/05/31(木) 21:00:24 ]
>>416 の補足。

θ = (18 + √D)/2 = 9 + √82

θ^2 = (9 + √82)^2 = 81 + 18√82 + 82 = 163 + 18√82

よって
(R^*)+ = { ±θ^(2n) ; n ∈ Z } = { ±(163 + 18√82)^n) ; n ∈ Z }

418 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/01(金) 06:41:05 ]
訂正

>>416
>よって
>θ = [18, 0, θ]

よって
θ = [18, θ]


419 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/01(金) 10:59:10 ]
>>401 の (3, 14, -11) も簡約2次形式である。
これからも R の基本単数を計算して見よう。

θ = 2|a|/(-b + √D) = (b + √D)/2|c| = (14 + √D)/22
= (7 + √82)/11

これは簡約された2次無理数である(>>330, >>339)。

θ を連分数に展開する。

[(7 + √82)/11] = 1
(7 + √82)/11 - 1 = (-4 + √82)/11
11/(-4 + √82) = 11(4 + √82)/66 = (4 + √82)/6

[(4 + √82)/6] = 2
(4 + √82)/6 - 2 = (-8 + √82)/6
6/(-8 + √82) = 6(8 + √82)/18 = (8 + √82)/3

[(8 + √82)/3] = 5
(8 + √82)/3 - 5 = (-7 + √82)/3
3/(-7 + √82) = 3(7 + √82)/33 = (7 + √82)/11 = θ

よって
θ = [1, 2, 5, θ]
よって
θ = (16θ + 3)/(11θ + 2)

よって
11θ + 2 = 9 + √82 が基本単数である。
これは勿論 >>416 の結果と一致している。

420 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/02(土) 04:10:00 ]
43

421 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/02(土) 04:11:00 ]
42

422 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/02(土) 04:12:00 ]
41

423 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/02(土) 04:13:00 ]
40

424 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/02(土) 04:14:00 ]
39



425 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/02(土) 04:15:00 ]
38

426 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/05(火) 04:10:00 ]
37

427 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/05(火) 04:11:01 ]
36

428 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/05(火) 04:12:00 ]
35

429 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/05(火) 04:13:00 ]
34

430 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/05(火) 04:14:00 ]
33

431 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/05(火) 04:15:00 ]
34

432 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/05(火) 05:43:14 ]
荒らすな (゚Д゚)≡゚д゚)、カァー ペッ!!

433 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/05(火) 21:47:41 ]
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) と
する。
(a, b, c) を判別式 D の2次形式とする。

n を有理整数としたとき σ(n) = (0, 1)/(-1, n) とおく。
σ(n) ∈ SL_2(Z) である。

(a, b, c)σ(n) = (c, -b - 2cn, a + bn + cn^2)
となる。

2次形式 (c, -b - 2cn, a + bn + cn^2) を (c, b', a') と書くと、
b + b' ≡ 0 (mod 2c) である。

一般に、(a, b, c) と (c, b', a') を判別式 D の2次形式としたとき、
b + b' ≡ 0 (mod 2c) となるとき、
(c, b', a') は (a, b, c) の右に隣接しているといい、
(a, b, c) は (c, b', a') の左に隣接しているという。

この関係を (a, b, c) → (c, b', a') と表す。

b + b' = -2cn とすると
(a, b, c)σ(n) = (c, b', a') である。

434 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/05(火) 22:38:13 ]
D > 0 を平方数でない正の有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) と
する。

>>348 の ρ(a, b, c) は (a, b, c) の右に隣接している。

逆に、(a, b, c) と (c, b', a') を判別式 D > 0 の簡約2次形式
(>>330)とし、(c, b', a') が (a, b, c) の右に隣接しているとする。

b + b' ≡ 0 (mod 2c) だから b' = -b + 2|c|n と書ける。
(c, b', a') は簡約されているから

√D - 2|c| < -b + 2|c|n < √D

よって
2|c|n < b + √D < 2|c|n + 2|c|

即ち
n < (b + √D)/2|c| < n + 1

よって
n = [(b + √D)/2|c|]

>>348 より ρ(a, b, c) = (c, b', a') である。

以上をまとめると、簡約2次形式 (a, b, c) の右に隣接している
簡約2次形式はただ一つ存在し、それは ρ(a, b, c) である。



435 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/05(火) 22:56:44 ]
D > 0 を平方数でない正の有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) と
する。

(a, b, c) を判別式 D > 0 の簡約2次形式(>>330)とする。
μ(a, b, c) = (c, b, a) と書いた(>>355)。

>>356 より (μρ)(μρ) = 1 だから
μρμρ(a, b, c) = (a, b, c)
である。
両辺に μ を掛けて
ρμρ(a, b, c) = μ(a, b, c)

一方、(a, b, c) と (c, b', a') を判別式 D > 0 の簡約2次形式
とし、(c, b', a') が (a, b, c) の右に隣接しているとする。
即ち、(a, b, c) → (c, b', a') とする。
このとき、明らかに (a', b', c) → (c, b, a) である。
即ち、μ(c, b', a') → μ(a, b, c)

436 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/05(火) 23:04:30 ]
D > 0 を平方数でない正の有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) と
する。

(a, b, c) と (c, b', a') を判別式 D > 0 の簡約2次形式
とし、(c, b', a') が (a, b, c) の右に隣接しているとする。
即ち、(a, b, c) → (c, b', a') とする。
>>434 より ρ(a, b, c) = (c, b', a') である。
ρ^(-1) を両辺に掛けて
(a, b, c) = ρ^(-1)(c, b', a') となる。

即ち、簡約2次形式 (c, b', a') の左に隣接している
簡約2次形式はただ一つ存在し、それは ρ^(-1)(c, b', a') である。

437 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/06(水) 20:38:53 ]
D > 0 を平方数でない正の有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) と
する。

f と g を判別式 D > 0 の簡約2次形式
とし、g が f の右に隣接しているとする(>>433)。
即ち、f → g とする。
>>435 より μ(g) → μ(f) である。

さらに h を判別式 D > 0 の簡約2次形式で g → h とすれば、
μ(h) → μ(g) → μ(f) となる。

>>434 より f → g なら f と g は同じサイクル(>>359)に属す。
上から、一般に f と g が同じサイクルに属せば μ(f) と μ(g) も
同じサイクルに属すことが分かる。

よって μ: RF(D) → RF(D) は RF(D)/G (>>359) の集合としての
自己同型を引き起こす。この自己同型を同じくμで表そう。

μ: RF(D)/G → RF(D)/G

438 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/06(水) 20:42:57 ]
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) と
する。
(a, b, c) を判別式 D の2次形式とする。

(c, b, a) → (a, b, c) となるとき、
即ち b ≡ 0 (mod a) のとき (a, b, c) を両面形式(ambiguous form)
と呼ぶ(Gauss D.A. art. 163)。

439 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/06(水) 20:49:45 ]
>>437 の続き。

RF(D)/G の元、即ちサイクル C で μ(C) = C となるものを考える。
C の元の一つを f とする。

C の元の個数を n とすると (ρ^n)(f) = f だから >>358 より n は
偶数である。n = 2d とする。

i を任意の有理整数としたとき f_i = (ρ^i)(f) と書く。
C = { f_0, f_1, . . . , f_(n-1) } である。

μ(C) = C だから μ(f) は C の元である。
μ(f) = f_r とする。ここで 0 ≦ r < n である。

f = (a, b, c) とすると μ(f) = (c, b, a) である。
>>335 より a と c の符号は反対だから r は奇数である。
r = 2m - 1 とする。ここで 1 ≦ m ≦ d である。

μ(f) = f_r の両辺に μ を作用させると、f_0 = μ(f_r)
f_(r-1) → f_r だから >>435 より f_0 → μ(f_(r-1))

一方 f_0 → f_1 だから μ(f_(r-1)) = f_1
一般に h を任意の有理整数としたとき μ(f_(r-h)) = f_h
特に h = m とすると μ(f_(m-1)) = f_m
よって f_m は両面形式である(>>438)。

440 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/06(水) 20:54:15 ]
f_(m-1) = f_(m - 1 + 2d) だから
μ(f_(m - 1 + 2d)) = f_m
よって左辺の添字から d を引き、右辺の添字に d を加えれば、
μ(f_(m + d - 1)) = f_(m + d)
よって f_(m + d) は両面形式である。

m ≡ m + d (mod 2d) ではないから f_m ≠ f_(m + d) である。

f_s が両面形式だとする。
μ(f_(s - 1)) = f_s
よって
μ(f_s) = f_(s - 1)
左辺の添字から s を引き、右辺の添字に s を加えれば、
μ(f_0) = f_(2s - 1)

μ(f_0) = f_(2m - 1) だったから
f_(2s - 1) = f_(2m - 1)

よって
2s ≡ 2m (mod 2d)
s ≡ m (mod d)

s = m + dk とする。
k が偶数なら s ≡ m (mod 2d)
k が奇数なら s ≡ m + d (mod 2d)

以上から C には相異なる両面形式 f_m と f_(m + d) の2個があり、
C に含まれる両面形式はこれ以外にない。

441 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/06(水) 21:19:07 ]
クンメル氏乙

442 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/06(水) 21:24:45 ]
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。
(a, b, c) を判別式 D の両面形式(>>438)とする。

b ≡ 0 (mod a) だから b = an となる有理整数 n がある。

σ = (1, n)/(0 -1) は GL_2(Z) の元で det(σ) = -1 である。

(a, b, c)σ = (k, l, m) とする。

σ = (1, n)/(0 -1) = (p, q)/(r, s) とおく。

p = 1
q = n
r = 0
s = -1
である。

過去スレ4の280より
k = ap^2 + bpr + cr^2 = a
l = 2apq + b(ps + qr) + 2crs = 2an - b = b
m = aq^2 + bqs + cs^2 = an^2 - bn + c = c

即ち (a, b, c)σ = (a, b, c) である。

443 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/06(水) 21:44:36 ]
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。
(a, b, c) を判別式 D の2次形式とする。
σ = (p, q)/(r, s) ∈ GL_2(Z) で det(σ) = ps - qr = -1 とし、
(a, b, c)σ = (a, b, c) とする。
このとき p + s = 0 となることを証明しよう。
過去スレ4の280より
a = ap^2 + bpr + cr^2
b = 2apq + b(ps + qr) + 2crs
c = aq^2 + bqs + cs^2

qr = ps + 1 を
b = 2apq + b(ps + qr) + 2crs に代入すると
b = 2apq + b(2ps + 1) + 2crs
よって
2apq + 2bps + 2crs = 0
apq + bps + crs = 0
apq + (bp + cr)s = 0
両辺に r を掛けて
apqr + (bp + cr)rs = 0

一方 a = ap^2 + bpr + cr^2 より
a = ap^2 + (bp + cr)r
両辺に s を掛けて
as = asp^2 + (bp + cr)rs
これに、上の
0 = apqr + (bp + cr)rs を辺々引いて
as = asp^2 - apqr
両辺を a で割って
s = sp^2 - pqr
s = p(sp - qr)
s = -p
証明終

444 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/06(水) 21:53:40 ]
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。
(a, b, c) を判別式 D の2次形式とする。
ここで σ = (p, q)/(r, s) ∈ GL_2(Z) で det(σ) = ps - qr = -1
とし、(a, b, c)σ = (a, b, c) とする。

>>443 より s = -p である。
よって p^2 + qr = 1 である。

r = 0 の場合を考える。
p^2 = 1 である。

過去スレ4の280より
b = 2apq + b(ps + qr) + 2crs = 2apq - bp^2 = 2apq - b
よって
2b = 2apq
よって
b = apq

よって (a, b, c) は両面形式(>>438)である。



445 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/06(水) 22:28:02 ]
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。
(a, b, c) を判別式 D の2次形式とする。
ここで σ = (p, q)/(r, s) ∈ GL_2(Z) で det(σ) = ps - qr = -1
とし、(a, b, c)σ = (a, b, c) とする。

>>443 より s = -p である。
よって p^2 + qr = 1 である。

今度は r ≠ 0 の場合を考える。

τ = (u, v)/(w, z) ∈ SL_2(Z) を適当にとると

(a, b, c)τρ = (a, b, c)τ
τρτ^(-1) = σ

となる ρ ∈ GL_2(Z) で
det(ρ) = -1 で ρ = (α、β)/(0, -α) の形となることを
証明しよう。

τρτ^(-1) = σ より ρ = τ^(-1)στ

τ^(-1) = (z, -v)/(-w, u)
σ = (p, q)/(r, -p)
だから
τ^(-1)σ = (zp - vr, zq + vp)/(-wp + ur, -wq - up)

これと
ρ = τ^(-1)στ の (2, 1)-成分が 0 より
-uwp + u^2 r - w^2q - uwp = u^2 r - 2uwp - w^2q = 0

446 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/07(木) 09:04:21 ]
>>445 の u^2 r - 2uwp - w^2q = 0 の両辺に r を掛けて
u^2 r^2 - 2uwpr - w^2qr = 0

p^2 + qr = 1 だから

u^2 r^2 - 2uwpr - w^2(1 - p^2) = 0

よって
u^2 r^2 - 2uwpr + w^2p^2 - w^2 = 0

よって
(ur - wp)^2 - w^2 = 0

両辺を w^2 で割って
((u/w)r - p)^2 - 1 = 0

よって
(u/w)r - p = ±1

よって
u/w = (p ± 1)/r

u/w = (p ± 1)/r を満たす u, w で gcd(u, w) = 1 となるものをとる。
gcd(u, w) = 1 だから uz - vw = 1 となる z, v が存在する。
τ = (u, v)/(w, z) が求めるものである。

447 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/07(木) 10:33:44 ]
>>445 により、
(a, b, c)σ = (a, b, c) となる σ ∈ GL_2(Z) で det(σ) = -1
となるものがあれば、(a, b, c) は両面形式と同値になる。

448 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/07(木) 11:11:28 ]
>>447 を補足する。

(a, b, c)σ = (a, b, c) となる σ ∈ GL_2(Z) で det(σ) = -1
となるものがあれば、
>>445 により、τ = (u, v)/(w, z) ∈ SL_2(Z) を適当にとると
(a, b, c)τρ = (a, b, c)τ となる。
ここで ρ = (α、β)/(0, δ) ∈ GL_2(Z) で det(ρ) = -1 である。

>>444 より (a, b, c)τ は両面形式である。

449 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/07(木) 22:17:39 ]
D を平方数でない(正または負の)有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4)
とする。
判別式 D の2次形式の集合を F(D) と書いた(>>184)。

F(D) を Γ = SL_2(Z) の作用(>>184)で類別した集合を F(D)/Γ と書く。

f = (a, b, c) ∈ F(D) として f の属す F(D)/Γ の類を C とする。

τ = (1, 0)/(0, -1) とおく。
det(τ) = -1 である。
(a, b. c)τ = (a, -b, c) である(>>296)。

τ^2 = 1 だから τ^(-1) = τ である。

(a, -b, c) が C に属すとする。
これは fσ = fτ となる σ ∈ SL_2(Z) が存在することを意味する。
よって fστ = f である。
det(στ) = -1 だから >>447, >>448 より f は両面形式 g と
同値になる。即ち C は両面形式 g を含む。

逆に F(D)/Γ の類 E がある両面形式 (k, l, m) を含むとする。
l ≡ 0 (mod k) だから l = kn となる有理整数 n がある。

S = (1, 1)/(0, 1) とおけば、S^n = (1, n)/(0, 1)
τS^n = (1, n)/(0, -1)

従って、>>442 より (k, l, m)τS^n = (k, l, m) である。
よって (k, l, m)τ = (k, l, m)S^(-n) となる。
det(S^(-n)) = 1 だから (k, l, m)S^(-n) 従って (k, l, m)τ は
E に含まれる。

450 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/07(木) 22:19:49 ]
D を平方数でない(正または負の)有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4)
とする。

F(D)/Γ の類 C が両面形式を含むとき C を両面類という。

451 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/07(木) 22:55:14 ]
命題
D を平方数でない(正または負の)有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4)
とする。
F(D)/Γ の類 C が両面類であるためには、C の任意の元 (a, b, c) に
対して (a, -b, c) が C に含まれることが必要十分である。

証明
C の任意の元 (a, b, c) に対して (a, -b, c) が C に含まれれば、
>>449 より C は両面類である。

逆に C が両面類であるとする。
τ = (1, 0)/(0, -1) とおく。
C はある両面形式 f を含むから、>>449 より fτ ∈ C である。

g を C の任意の元とする。
このとき gτ が C に含まれることを示せばよい。

f と g は C の元だから fσ = g となる σ ∈ SL_2(Z) がある。
同様に fτ と g は C の元だから fτρ= g となる ρ ∈ SL_2(Z)
がある。
fσ = g より f = gσ^(-1) だから
fτρ= g より gσ^(-1)τρ = g である。

よって
gσ^(-1)τρτ = gτ

ここで κ = σ^(-1)τρτ とおくと
gκ = gτ

det(κ) = 1 だから gκ 従って gτ は C に含まれる。
証明終

452 名前:132人目の素数さん [2007/06/08(金) 05:32:04 BE:810288948-2BP(1000)]
このすれはノートか

453 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/08(金) 09:02:21 ]
このスレの内容についてコメントなり質問をしてください。
わからないところがあったら説明します。

内容に関係ないレスは原則として返事をしないのであしからず。

454 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/08(金) 09:10:43 ]
スレの目標と言うか今後のロードマップみたいなものは
どこかに書き込まれてまつか。
それと使用予定の参考文献とか。



455 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/08(金) 22:07:34 ]
>>454

基本的な方針は代数的整数論を出来る限り歴史的順序に従って述べようと
いうことです。
ただし、実際の歴史と同じように述べてもあまり意味はないし、
不可能です。
そこで、適宜現代的視点を取り入れていこうと思います。
大げさに言うと、古典と現代の融合を狙っています。

この方針と関係しますが、構成的方法の重視というのもあります。
つまり計算アルゴリズムを常に意識していこうと思っています。

今後の予定としては、2元2次形式論の初等的な部分を終ったら2次体の
類数公式をやる予定です。

次に、Hilbert の Bericht の内容を現代的な方法で扱いたい。
ここで種々の相互法則が出てくるでしょう。

類体論の成立過程を高次べき剰余の相互法則とからめてやりたいというのが
基本にあります。

それから類体論の成立過程で重要な役割をしているのが虚数乗法論です。
従って、これもやりたいと思ってます。

456 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/08(金) 22:09:05 ]
>>454 過去スレ3より
以下、今までに参考にした、またはこれから参考にする予定の本や論文を挙げる(全部ではない)。
Bourbakiの位相、代数、位相ベクトル空間、積分、可換代数
Weilの位相群上の積分とその応用
Hewitt-Rossの位相群上の調和解析
van der Weardenの代数学
秋月・鈴木の高等代数学 II
Artin, et al の Rings with minimum conditon
Cartan-EilenbergのHomological Algebra
Zariski-Samuelの可換代数
Serre の Local Algebra
Edwards の Fermat's Last Theorem
Gaussの数論考究(英訳)
Dirichletの整数論講義(和訳)
Hilbertの Bericht(英訳)
Heckeの代数的整数論講義(英訳)
高木の代数学、初等整数論、代数的整数論
高木の類体論の論文(1920)その他
Artinの一般相互法則に関する論文(1926)その他
Hasseの Bericht
Hasseの類体論に関するいくつかの論文
Herbrandの代数的整数論に関する2,3の論文
Chevalleyの類体論に関する2,3の論文。
Deuringの Algebren
Artinの Algebraic Numbers and Algebraic Functions
Artin-Tateの Class Field Theory
Serreの Local Fields
岩沢の 局所類体論
Cassels & Frohlich
Weilの Basic Number Theory
Langの Algebraic Number Theory
Neukirchの代数的整数論

457 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/08(金) 22:13:35 ]
>>454
参考ないし参考予定の文献は過去スレ3の673に書いてあります。
しかし、あれから半年以上たっているので新たに参考にしたものも
あります。

Zagier の数論入門(岩波)

Buell の Binary quadratic forms

Cohen の A course in computational algebraic number theory

Cox の Primes of the Form x2 + ny2: Fermat, Class Field Theory,
and Complex Multiplication

などです。

これ等は、過去スレ4とこのスレで参考とした箇所に書いてあります。
基本的に、参考にした文献は随時書いていきます。

458 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/08(金) 22:33:46 ]
命題
D を平方数でない(正または負の)有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4)
とする。
F(D)/Γ の類 C が両面類(>>450(なら、C の任意の2元
(同じであってもよい) f, g に対して fρ = g となる ρ ∈ GL_2(Z) で
det(ρ) = -1 となるものが存在する。

証明
τ = (1, 0)/(0, -1) とおく。
>>449>>451 より gτ は C に含まれる。
よって fσ = gτ となる σ ∈ SL_2(Z) がある。
τ^2 = 1 だから fστ = g である。
ρ = στ が求めるものである。
証明終

459 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/09(土) 00:31:11 ]
参考文献を追加します。

Serre の A course in arithmetic
Ireland-Rosen の A classical introduction to modern number theory
Lemmermeyer の Reciprocity laws
Samuel 数の代数的理論
Marcus Number fields
Frohlich-Taylor の Algebraic number theory
Cassels の Local fields
Hasse の Number theory
Gras の Class field theory
Koch の Algebraic number theory
Cohen の Advanced topics in computational number theory
Sliverman の The arithmetic of elliptic curves
Lang の Elliptic functions
Lang の Complex multiplication
Weber の Algebra III
Shimura の Introduction to arithmetic theory of automorphic functions

460 名前:454 mailto:sage [2007/06/09(土) 11:01:32 ]
ご丁寧にありがとうございます。
自分にはまだまだ敷居が高いのですが、
提示していただいた参考文献に何とか挑戦してみようかと思います。

横から失礼致しました。

461 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/13(水) 13:11:54 ]
D を平方数でない(正または負の)有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4)
とする。

判別式 D の2次形式の集合を F(D) と書いた(>>184)。

判別式 D の原始的2次形式の集合を F_0(D) と書いた(>>220)。

D < 0 のときは、判別式 D の正定値(過去スレ293)な2次形式の集合を
F+(D) と書く。
さらに、判別式 D の正定値かつ原始的な2次形式の集合を (F_0)+(D) と
書く。

F(D) を Γ = SL_2(Z) の作用(>>184)で類別した集合を F(D)/Γ と書く。
F_0(D)/Γ, F+(D)/Γ, (F_0)+(D)/Γ も同様に定義する。

462 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/13(水) 21:47:21 ]
D < 0 のとき F(D)/Γの構造を調べる。

f = (a, b, c) と g = (k, l, m) が F(D)/Γ の同じ類に属すとする。
fσ = g となる σ = (p, q)/(r, s) ∈ SL_2(Z) がある。

過去スレ4の280より
k = ap^2 + bpr + cr^2
l = 2apq + b(ps + qr) + 2crs
m = aq^2 + bqs + cs^2

ak = a(ap^2 + bpr + cr^2) = (ap + (b/2)r)^2 + acr^2 - (b^2)(r^2)/4
= (ap + (b/2)r)^2 + r^2(4ac - b^2)/4
= (ap + (b/2)r)^2 + r^2|D|/4 > 0

よって a と k は同符号である。
よって F(D)/Γ の各類の元はすべて正定値またはすべて負定値
(過去スレ293)である。

463 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/13(水) 21:52:34 ]
f = (a, b, c) が判別式 D の正定値な2次形式であれば、
-f = (-a, -b, -c) は判別式 D の負定値(過去スレの293)な
2次形式である。

g = (k, l, m) が判別式 D の次形式で f と同値なら、
即ち fσ = g となる σ ∈ SL_2(Z) があれば、
過去スレ4の280より
k = ap^2 + bpr + cr^2
l = 2apq + b(ps + qr) + 2crs
m = aq^2 + bqs + cs^2

よって
-k = -ap^2 - bpr - cr^2
-l = -2apq - b(ps + qr) - 2crs
-m = -aq^2 - bqs - cs^2

よって
(-a, -b, -c)σ = (-k, -l, -m) である。

逆に (-a, -b, -c) と (-k, -l, -m) が同値なら、
(a, b, c) と (k, l, m) も同値になる。

以上から、判別式 D の負定値な2次形式の集合を F-(D) と書けば、
F(D) = F+(D) ∪ F-(D)
F(D)/Γ = (F+(D)/Γ) ∪ (F-(D)/Γ)
であり
F+(D)/Γ と F-(D)/Γ は集合として同型である。
よって |F(D)/Γ| = 2|F+(D)/Γ|

464 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/13(水) 21:57:25 ]
D を平方数でない(正または負の)有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4)
とする。
f = (a, b, c) を判別式 D の2次形式とする。
gcd(a, b, c) を記号の濫用だが gcd(f) とも書くことにする。

g = (k, l, m) が判別式 D の2次形式で f と同値なら、
過去スレの282より gcd(f) = gcd(g) である。

よって C が F(D)/Γ の類のとき C の各元の gcd は同じである。
これを gcd(C) と書くことにする。
よって F(D)/Γ の各類は同じ gcd を持つものをひとつのグループと
することにより、いくつかのにグループに分類出来る。
各グループを判別式 D のオーダー(order)と呼ぶ(Gauss D.A. art. 226)。
定義から各オーダーに属す類の gcd は同じである。
これをそのオーダーの gcd と呼ぶ。
定義から gcd が1のオーダーは F_0(D)/Γである。

因みにオーダーという用語は生物分類学における「目(もく)」(order)から
来たものと思われる。

F(D)/Γ の各類は英語で class というが、これは生物分類学における
「網(こう)」にあたる。



465 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/13(水) 22:05:27 ]
D を平方数でない(正または負の)有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4)
とする。
判別式 D の整環(過去スレ4の418,421,424)を O(D) と書く。
O(D) の導手(過去スレ4の423)を f(D) と書く。

2次体 Q(√D) の判別式を d とする。O(d) は Q(√D) の主整環である。
1, ω を O(d) の標準基とすると、O(D) = [1, f(D)ω] である。
D = (f(D))^2 d である(過去スレ4の425)。

(a, b, c) を判別式 D の2次形式とする。
g = gcd(a, b, c) とする。

a = ga'
b = gb'
c = gc'

とすれば (a', b', c') は原始的(過去スレ4の279)な2次形式である。
その判別式を D' とすれば
D = (g^2)((b')^2 - 4a'c') = (g^2)D'

D' = (f(D'))^2 d だから
(f(D))^2 d = (g^2)(f(D'))^2 d
よって
(f(D))^2 = (g^2)(f(D'))^2
よって
f(D) = gf(D')

よって
O(D) = [1, f(D)ω] ⊂ O(D') = [1, f(D')ω] ⊂ O(d) = [1, ω]
よって
[O(D') : O(D)] = g である。
ここで [O(D') : O(D)] はアーベル群 O(D')/O(D) の位数を表す。

466 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/13(水) 22:19:16 ]
D を平方数でない(正または負の)有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4)
とする。
f = (a, b, c) と g = (k, l, m) を判別式 D の2次形式とする。
e = gcd(a, b, c) = gcd(k, l, m) とする。

a = ea'
b = eb'
c = ec'

k = ek'
l = el'
m = em'

とすれば (a', b', c') と (k', l', m') は原始的な2次形式である。

f = (a, b, c) と g = (k, l, m) が F(D)/Γ の同じ類に属すとする。
fσ = g となる σ = (p, q)/(r, s) ∈ SL_2(Z) がある。

過去スレ4の280より
k = ap^2 + bpr + cr^2
l = 2apq + b(ps + qr) + 2crs
m = aq^2 + bqs + cs^2

これから
(a', b', c')σ = (k', l', m') となる。

467 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/13(水) 22:32:12 ]
逆に2次形式 (a', b', c') と (k', l', m') が同値なら、
任意の有理整数 e ≠ 0 に対して
a = ea'
b = eb'
c = ec'

k = ek'
l = el'
m = em'

とおくと、(a, b, c) と (k, l, m) は同値である。
よって >>465>>466 より gcd が e の F(D)/Γ の類と
F_0(D')/Γ の類は1対1に対応する。
ここで D' = D/e^2 である。

すなわち判別式 D の gcd が e のオーダー(>>464)と F_0(D')/Γ は
集合として同型である。

468 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/13(水) 22:57:24 ]
D を平方数でない(正または負の)有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4)
とする。
判別式 D の整環を O(D) と書き、O(D) の導手を f(D) と書いた(>>465)。
2次体 Q(√D) の判別式を d とすると D = (f(D))^2 d である。
f(D) の任意の約数 e > 0 に対して D' = (f(D)/e)^2 d とおくと、
D' は導手 f(D)/e の整環 O(D') の判別式である。

従って、>>465>>467 より

|F(D)/Γ| = Σ |F_0(D')/Γ|

ここで D' = (f(D)/e)^2 d であり、e は f(D) の約数 e > 0 全体を
動く。

469 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/13(水) 23:12:18 ]
>>468 より D のオーダー(>>464)と O(D) ⊂ O(D') となる
2次体 Q(√D) の整環 O(D') とは1対1に対応する。

これが整環を英語で order (ドイツ語で ordnung)と呼ぶ理由である。
Grauert によると Cartan が解析的連接層を O と書いたのは
これに遠因があるらしい。

470 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/17(日) 04:10:00 ]
49

471 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/17(日) 04:11:00 ]
48

472 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/17(日) 04:12:00 ]
47

473 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/17(日) 04:13:00 ]
46

474 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/17(日) 04:14:00 ]
45



475 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/17(日) 04:15:00 ]
44

476 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/18(月) 04:10:00 ]
43

477 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/18(月) 04:11:01 ]
42

478 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/18(月) 04:12:00 ]
41

479 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/18(月) 04:13:00 ]
40

480 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/18(月) 04:14:00 ]
39

481 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/18(月) 04:15:00 ]
38

482 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/19(火) 04:10:00 ]
39

483 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/19(火) 04:11:00 ]
38

484 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/19(火) 04:12:00 ]
37



485 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/19(火) 04:13:00 ]
36

486 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/19(火) 04:14:00 ]
35

487 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/19(火) 04:15:00 ]
34

488 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/21(木) 04:10:00 ]
33

489 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/21(木) 04:11:00 ]
32

490 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/21(木) 04:12:00 ]
31

491 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/21(木) 04:13:00 ]
30

492 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/21(木) 04:14:00 ]
29

493 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/21(木) 04:15:00 ]
28

494 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/23(土) 04:09:59 ]
27



495 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/23(土) 04:11:03 ]
26

496 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/23(土) 04:12:00 ]
25

497 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/23(土) 04:13:00 ]
24

498 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/23(土) 04:14:00 ]
25

499 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/23(土) 04:15:00 ]
24

500 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/24(日) 15:52:55 ]
D を平方数でない(正または負の)有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4)
とする。

ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の2次形式とする。
m を ax^2 + bxy + cy^2 で表現される有理整数とする
(過去スレ4の701)。

即ち不定方程 m = ax^2 + bxy + cy^2
に有理整数解 (u, v) があるとする。

α= au + (b + √D)v/2 とおく。

N(α) = (au + (b + √D)v/2)(au + (b - √D)v/2) =
a^2u^2 + au(b - √D)v/2 + au(b + √D)v/2) + (4acv^2)/4
= a^2u^2 + aub + acv^2
= am

一方
α = au + (b + √D)v/2 = au + (b - D + D + √D)v/2
= au + (b - D)/2 + (D + √D)v/2

判別式 D の整環を R とすると、
R = [1, (D + √D)/2] である(過去スレ4の585)。

一方
D = b^2 -4ac だから b^2 ≡ D (mod 4)
よって b が偶数のときは 0 ≡ D (mod 4) となって D も偶数であり、
b が奇数のときは 1 ≡ D (mod 4) となって D も奇数である。
よって (b - D)/2 は有理整数である。

よって α = au + (b - D)/2 + (D + √D)v/2 は R の元である。

501 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/24(日) 16:36:35 ]
>>500 はこれから説明しようとすることと直接関係がなかった。
従って、ひとまず忘れてください。
ただし、後で参照するかもしれない。

502 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/24(日) 16:49:36 ]
D を平方数でない(正または負の)有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4)
とする。

ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の2次形式とする。
k を ax^2 + bxy + cy^2 で表現される有理整数とする
(過去スレ4の701)。

即ち不定方程 m = ax^2 + bxy + cy^2
に有理整数解 (p, r) があるとする。

m' を ax^2 + bxy + cy^2 で表現される有理整数とする
即ち不定方程 m' = ax^2 + bxy + cy^2
に有理整数解 (q, s) があるとする。

ax^2 + bxy + cy^2 に
一次変換
x = pu + qv
y = ru + sv
を施すと

過去スレ4の280より
k = ap^2 + bpr + cr^2
l = 2apq + b(ps + qr) + 2crs
m = aq^2 + bqs + cs^2
となる。
ただし、過去スレ4の280では ps - qr = ±1 と仮定したが
この仮定がなくてもこの関係式が成り立つことは明らかである。

過去スレ4の281より
l^2 - 4km = D(ps- qr)^2
よって
4km = l^2 - D(ps- qr)^2

503 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/24(日) 16:51:36 ]
>>502 は没。


504 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/24(日) 16:52:34 ]
D を平方数でない(正または負の)有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4)
とする。

ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の2次形式とする。
k を ax^2 + bxy + cy^2 で表現される有理整数とする
(過去スレ4の701)。

即ち不定方程 k = ax^2 + bxy + cy^2
に有理整数解 (p, r) があるとする。

m を ax^2 + bxy + cy^2 で表現される有理整数とする
即ち不定方程 m = ax^2 + bxy + cy^2
に有理整数解 (q, s) があるとする。

ax^2 + bxy + cy^2 に
一次変換
x = pu + qv
y = ru + sv
を施すと

過去スレ4の280より
k = ap^2 + bpr + cr^2
l = 2apq + b(ps + qr) + 2crs
m = aq^2 + bqs + cs^2
となる。
ただし、過去スレ4の280では ps - qr = ±1 と仮定したが
この仮定がなくてもこの関係式が成り立つことは明らかである。

過去スレ4の281より
l^2 - 4km = D(ps- qr)^2
よって
4km = l^2 - D(ps- qr)^2



505 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/25(月) 21:30:56 ]
命題(Gauss D.A. art. 229)
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。
p を D を割る奇素数とし、
f = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の2次形式とする。

m を f で表現される有理整数で p と素となるものとすると、
(m/p) は f と p だけで定まり, m の取り方によらない。
ここで (m/p) は Legendre の記号(過去スレ3の746)である。

証明
k と m を f で表現される有理整数で p と素とする。
>>504 より 4km = s^2 - Dt^2 となる有理整数 s, t がある。
よって 4km ≡ s^2 (mod p) となる。
よって (4km/p) = (km/p) = 1 である。
よって (k/p) = (m/p) である。
証明終

506 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/26(火) 20:49:41 ]
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 (mod 4) とする。
D' = D/4 とおく。

f = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の2次形式とする。
k と m を f で表現される有理整数でともに奇数とする。
>>504 より 4km = s^2 - Dt^2 となる有理整数 s, t がある。

s^2 ≡ 4km + Dt^2 ≡ 0 (mod 4) だから、
s^2 = 4u^2 となる有理整数 u がある。

よって
4km =s^2 - Dt^2 = 4u^2 - 4D't^2 より
km = u^2 - D't^2
となる。

507 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/26(火) 20:58:34 ]
>>506 の続き。

----------------------------------------------
D' ≡ 0 (mod 8) のとき
km = u^2 - D't^2 より
km ≡ u^2 (mod 8) となる。

u^2 ≡ 0, 1, 4, 1, 0, 1, 4, 1 (mod 8) だから
km が奇数に注意して

km ≡ 1 (mod 8) となる。

----------------------------------------------
D' ≡ 1 (mod 8) のとき
km = u^2 - D't^2 より
km ≡ u^2 - t^2 (mod 8) となる。

u^2 ≡ 0, 1, 4, 1, 0, 1, 4, 1 (mod 8)
t^2 ≡ 0, 1, 4, 1, 0, 1, 4, 1 (mod 8) だから

km ≡ 1, 3, 5, 7 (mod 8) となる。

---------------------
D' ≡ 2 (mod 8) のとき
km ≡ u^2 - 2t^2 (mod 8)

u^2 = 0, 1, 4, 1, 0, 1, 4, 1
2t^2 ≡ 0. 2, 0, 2, 0, 2, 0, 2 だから

km ≡ 1, 7 (mod 8) となる。

508 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/26(火) 21:01:29 ]
>>507 の続き。

----------------------------------------------
D' ≡ 3 (mod 8) のとき
km ≡ u^2 - 3t^2 (mod 8)

u^2 = 0, 1, 4, 1, 0, 1, 4, 1
3t^2 ≡ 0. 3, 4, 3, 0, 3, 4, 3 だから

km ≡ 1, 5 (mod 8) となる。
----------------------------------------------
D' ≡ 4 (mod 8) のとき
km ≡ u^2 - 4t^2 (mod 8)

u^2 = 0, 1, 4, 1, 0, 1, 4, 1
4t^2 ≡ 0. 4, 0, 4, 0, 4, 0, 4 だから

km ≡ 1, 5 (mod 8) となる。
----------------------------------------------
D' ≡ 5 (mod 8) のとき
km ≡ u^2 - 5t^2 (mod 8)

u^2 = 0, 1, 4, 1, 0, 1, 4, 1
5t^2 ≡ 0. 5, 4, 5, 0, 5, 4, 5 だから

km ≡ 1, 3, 5, 7 (mod 8) となる。

509 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/26(火) 21:04:02 ]
>>508 の続き。

----------------------------------------------
D' ≡ 6 (mod 8) のとき
km ≡ u^2 - 6t^2 (mod 8)

u^2 = 0, 1, 4, 1, 0, 1, 4, 1
6t^2 ≡ 0. 6, 0, 6, 0, 6, 0, 6 だから

km ≡ 1, 3 (mod 8) となる。

----------------------------------------------
D' ≡ 7 (mod 8) のとき
km ≡ u^2 - 7t^2 (mod 8)

u^2 = 0, 1, 4, 1, 0, 1, 4, 1
7t^2 ≡ 0. 7, 4, 7, 0, 7, 4, 7 だから

km ≡ 1, 5 (mod 8) となる。

510 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/26(火) 21:24:49 ]
>>507>>508 より
D' ≡ 1 (mod 8) と D' ≡ 5 (mod 8) のときは
km ≡ 1, 3, 5, 7 (mod 8) だから、これは km が奇数であるという
事実の他に何の情報も与えない。
よって、この場合は除外して考えてよい。

よって以下の4パターンに分けられる。

1) D' ≡ 0 (mod 8) のとき km ≡ 1 (mod 8)
2) D' ≡ 2 (mod 8) のとき km ≡ 1, 7 (mod 8)
3) D' ≡ 3, 4, 7 (mod 8) のとき km ≡ 1, 5 (mod 8)
4) D' ≡ 6 (mod 8) のとき km ≡ 1, 3 (mod 8)

511 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/27(水) 06:38:25 ]
有理整数の集合 Z から {±1} への写像ψ_1, ψ_2 を
r が偶数のとき ψ_1(r) = 0, ψ_2(r) = 0
r が奇数のとき
ψ_1(r) = (-1)^(r-1)/2
ψ_2(r) = (-1)^(r^2 - 1)/8
で定義する。

r ≡ s (mod 4) なら ψ_1(r) ≡ ψ_1(s) (mod 4)
r ≡ s (mod 8) なら ψ_2(r) ≡ ψ_2(s) (mod 8)
である。

過去スレ4の893より
a, b を奇数とすれば
(ab - 1)/2 ≡ (a - 1)/2 + (b - 1)/2 (mod 2)
よって
ψ_1(ab) = ψ_1(a)ψ_1(b)

過去スレ4の894より
a, b を奇数とすれば
(a^2b^2 - 1)/8 ≡ (a^2 - 1)/8 + (b^2 - 1)/8 (mod 2)
よって
ψ_2(ab) = ψ_2(a)ψ_2(b)

512 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/27(水) 06:41:32 ]
>>510 の続き。

>>511 より

ψ_1(1) = 1
ψ_1(3) = -1
ψ_1(5) = 1
ψ_1(7) = -1

ψ_2(1) = 1
ψ_2(3) = -1
ψ_2(5) = -1
ψ_2(7) = 1

よって

1) km ≡ 1 (mod 8) ⇔ ψ_1(km) = ψ_2(km)
2) km ≡ 1, 7 (mod 8) ⇔ ψ_2(km) = 1
3) km ≡ 1, 5 (mod 8) ⇔ ψ_1(km) = 1
4) km ≡ 1, 3 (mod 8) ⇔ ψ_1(km)ψ_2(km) = 1

513 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/27(水) 20:59:48 ]
>>512 を以下のように訂正する。

>>510 の続き。

>>511 より

ψ_1(1) = 1
ψ_1(3) = -1
ψ_1(5) = 1
ψ_1(7) = -1

ψ_2(1) = 1
ψ_2(3) = -1
ψ_2(5) = -1
ψ_2(7) = 1

よって

1) km ≡ 1 (mod 8) ⇔ ψ_1(km) = ψ_2(km) = 1
2) km ≡ 1, 7 (mod 8) ⇔ ψ_2(km) = 1
3) km ≡ 1, 5 (mod 8) ⇔ ψ_1(km) = 1
4) km ≡ 1, 3 (mod 8) ⇔ ψ_1(km)ψ_2(km) = 1

514 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/27(水) 21:01:21 ]
>>513 の続き。

有理整数の集合 Z から {±1} への写像 χ_2 を

1) D' ≡ 0 (mod 8) のとき χ_2 = ψ_1
2) D' ≡ 2 (mod 8) のとき χ_2 = ψ_2
3) D' ≡ 3, 4, 7 (mod 8) のとき χ_2 = ψ_1
4) D' ≡ 6 (mod 8) のとき χ_2 = ψ_1ψ_2

で定義する。

χ_2 は D により一意に決まる。



515 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/27(水) 21:10:28 ]
命題
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 (mod 4) とする。
f = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の2次形式とする。

m を f で表現される奇数とすると、χ_2(m) は f だけで定まり、
m の取り方によらない。
ここで χ_2 は >>514 で定義した写像である。

証明
>>513>>514 より明らかである。

516 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/27(水) 21:11:27 ]
命題
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。
f = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の原始的な2次形式とする。
任意の素数 p に対して f により固有(過去スレ4の701)に表現される数
で p と素であるものが存在する。

証明
a が p で割れないとする。
x として p で割れず、y として p で割れ
gcd(x, y) = 1 となるものをとれば、
ax^2 + bxy + cy^2 ≡ ax^2 (mod p) だから
ax^2 + bxy + cy^2 は p で割れない。

c が p で割れないとする。
x として p で割れ、y として p で割れず、
gcd(x, y) = 1 となるものをとれば、
ax^2 + bxy + cy^2 ≡ cy^2 (mod p) だから
ax^2 + bxy + cy^2 は p で割れない。

a と c が p で割れれば、f は原始的だから b は p で割れない。
x として p で割れず、y として p で割れず、
gcd(x, y) = 1 となるものをとれば、
ax^2 + bxy + cy^2 ≡ bxy (mod p) だから
ax^2 + bxy + cy^2 は p で割れない。
証明終

517 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/27(水) 22:36:38 ]
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。
p が D を割る奇素数のとき、有理整数の集合 Z から {±1} への
写像χ_p を χ_p(m) = (m/p) により定義する。
ここで (m/p) は Legendre の記号(過去スレ3の746)である。

D ≡ 0 (mod 4) で p = 2 のときは χ_p は >>514 で定義されたもの
とする。

518 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/27(水) 22:39:41 ]
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。
p を D の素因数の一つとする。

f = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の原始的2次形式とする。
>>516 より、f で表現される有理整数 m で p と素となるものが
存在する。
>>505>>515 より χ_p(m) は f と p だけで定まり, m の取り方に
よらない。
この値を χ_p(f) と書く。

f の属す F(D)/Γ (>>461) の類を [f] と書く。
g ∈ [f] なら g で表現される有理整数の集合は f で表現される
有理整数の集合と一致する。
よって χ_p(f) = χ_p(g) である。
よって χ_p(f) は f の属す類 [f] のみで定まる。
よってこの値を χ_p([f]) と書く。

519 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/27(水) 22:43:42 ]
>>518 を以下のように訂正する。

D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。
p が D を割る奇素数のとき、有理整数の集合 Z から {±1} への
写像χ_p を χ_p(m) = (m/p) により定義する。
ここで (m/p) は Legendre の記号(過去スレ3の746)である。
D ≡ 0 (mod 4) で p = 2 のときは χ_p は >>514 で定義されたもの
とする。

D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。
p を D の素因数の一つとする。

f = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の原始的2次形式とする。
>>516 より、f で表現される有理整数 m で p と素となるものが
存在する。
>>505>>515 より χ_p(m) は f と p だけで定まり, m の取り方に
よらない。
この値を χ_p(f) と書く。

f の属す F_0(D)/Γ (>>461) の類を [f] と書く。
g ∈ [f] なら g で表現される有理整数の集合は f で表現される
有理整数の集合と一致する。
よって χ_p(f) = χ_p(g) である。
よって χ_p(f) は f の属す類 [f] のみで定まる。
よってこの値を χ_p([f]) と書く。

520 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/27(水) 22:51:00 ]
>>519 において D < 0 のときは F_0(D)/Γ の代わりに
(F_0)+(D)/Γ (>>461) を考えることにする。

f が判別式 D の正定値かつ原始的な2次形式のとき
χ_p([f]) が >>519 と同様に定義される。

521 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/28(木) 04:25:40 ]
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。
p_1, p_2, . . . , p_r を D の素因子のすべてとする。

D > 0 のときは F_0(D)/Γ(>>461)、D < 0 のときは
(F_0)+(D)/Γ (>>461)の類 C に対して、
列 χ_(p_1)(C), . . . , χ_(p_r)(C) が定まる(>>519)。

二つの類はこの列が一致するとき同じ種(genus)に属すという。
これは同値関係であり、この同値類を判別式 D の種と呼ぶ。

522 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/28(木) 04:37:33 ]
いつになったらhypertex化するの??
非常に見づらいのだが。

523 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/28(木) 04:56:01 ]
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。

D ≡ 0 (mod 4) のとき (1, 0 -D/4) は判別式 D の原始的2次形式
である。

D ≡ 1 (mod 4) のとき (1, 1, (1 - D)/4) は判別式 D の
原始的2次形式である。

(1, 0 -D/4) または (1, 1, (1 - D)/4) を判別式 D の主形式と呼ぶ。
主形式の属す類を主類と呼ぶ。

>>242 より主類には Cl(D) または Cl+(D) の単位類が対応する。

524 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/28(木) 05:14:13 ]
主類の属す種を主種と呼ぶ。

判別式 D の主形式(>>523) は (x, y) = (1, 0) とおけば
1 を表現する。
p が D の素因子のとき χ_p(1) = 1 である。

よって類 C が主種に属すためには
χ_(p_1)(C) = χ_(p_2)(C) = . . . = χ_(p_r)(C) = 1
が必要十分である。



525 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/28(木) 05:38:55 ]
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。
p を D の素因子の一つとする。

判別式 D の原始的2次形式 f = ax^2 + bxy + cy^2 が与えられたとき、
χ_p(f) は以下のようにして求まる(Gauss D.A. art. 230)。

(x, y) = (1, 0) のとき f は a を表現し、
(x, y) = (0, 1) のとき f は c を表現することに注意する。

a と c がともに p で割れれば、D = b^2 - 4ac より
b^2 も p で割れ、したがって b が p で割れる。
これは f が原始的という仮定に反する。

よって a または c のどちらか一方は p で割れない。
a が p で割れないときは、χ_p(f) = χ_p(a) であり、
c が p で割れないときは、χ_p(f) = χ_p(c) である。

526 名前:132人目の素数さん [2007/06/30(土) 01:48:47 ]
Takayama Yoshihiro.

527 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/30(土) 04:10:00 ]
30

528 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/30(土) 04:11:00 ]
29

529 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/30(土) 04:12:00 ]
28

530 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/30(土) 04:13:00 ]
27

531 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/30(土) 04:14:00 ]
26

532 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/06/30(土) 04:15:00 ]
25

533 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/30(土) 15:31:36 ]
次の命題は >>516 の命題の拡張である。

534 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/30(土) 15:32:25 ]
命題
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。
f = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の原始的な2次形式とする。
m ≠ 0 を任意の有理整数とする。
f により固有(過去スレ4の701)に表現される数で m と素であるもの
が存在する。

証明(Buell の Binary quadratic forms より)
P = a と c と m を割る素数の積。
Q = a と m を割るが c を割らない素数の積。
R = c と m を割るが a を割らない素数の積。
S = m を割るが a も c も割らない素数の積。
とおく。

n = aQ^2 + bQRS + c(RS)^2 とおく。
gcd(Q, RS) = 1 だから n は f により固有に表現される。

p を m の任意の素因子とする。

p が Q を割れば n ≡ c(RS)^2 (mod p) だから n は p で割れない。
p が R を割れば n ≡ aQ^2 (mod p) だから n は p で割れない。
p が S を割れば n ≡ aQ^2 (mod p) だから n は p で割れない。

p が P を割れば n ≡ bQRS (mod p) であるが
b は p で割れない(割れるなら f は原始的でい)から
n は p で割れない。

以上から n は m と素である。
証明終



535 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/30(土) 16:48:21 ]
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。
f = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の原始的2次形式とする。

平方剰余の相互法則を使うと Πχ_p(f) = 1 となることがわかる。
ここで p は D を割る素数全体を動く。
χ_p(f) は >>519 で定義したものである。

このことを証明しよう。

536 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/30(土) 17:31:49 ]
>>535 は間違いなので削除する。

537 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/30(土) 17:40:57 ]
ある2次体の判別式となるような有理整数を基本判別式という。
即ち次のどちらかを満たす有理整数 D を基本判別式という。

1) D ≡ 1 (mod 4) で D は平方因子を持たない。

2) D = 4m と書ける。
ここで m は平方因子を持たず m ≡ 2, 3 (mod 4) である。

538 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/30(土) 19:38:27 ]
D を基本判別式(>>537)とする。
f = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の原始的2次形式とする。
ただし、D < 0 のときは f は正定値(過去スレの293)とする。

Πχ_p(f) = 1 を示そう。ここで p は D を割る素数全体を動く。
χ_p(f) は >>519 で定義したものである。

>>534 より f により固有に表現される数 n で D と素であるもの
が存在する。
D < 0 のときは f は正定値だから n > 0 である。

539 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/30(土) 19:53:34 ]
まず D ≡ 1 (mod 4) の場合を考える。

D > 0 の場合。

n > 0 で n は奇数のとき。
Jacobi の記号の定義(過去スレの535)より
Πχ_p(n) = (n/D) である。

過去スレの895より
(n/D) = (-1)^((D-1)/2)((n-1)/2)(D/n)

D ≡ 1 (mod 4) だから
(n/D) = (D/n)

過去スレの717より
D ≡ r^2 (mod 4n) となる有理整数 r が存在する。
よって n を割る素数 p に対して (D/p) = 1 である。
従って (D/n) = 1 である。
以上をまとめると Πχ_p(n) = (n/D) = (D/n) = 1

n = 2のとき。
Jacobi の記号の定義より
Πχ_p(2) = (2/D) である。
過去スレの897より
(2/D) = (-1)^((D^2 - 1)/8)

過去スレの717より
D ≡ r^2 (mod 8) となる有理整数 r が存在するから。
D ≡ 1 (mod 8) である

よって (-1)^((D^2 - 1)/8) = 1
以上をまとめると Πχ_p(2) = (2/D) = (-1)^((D^2 - 1)/8) = 1

540 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/30(土) 20:16:39 ]
n > 0 で n が偶数のとき。

n = (2^s)k の形に書ける。ここで s ≧ 0 で k は奇数である。

Πχ_p(n) = Πχ_p(2)^s Πχ_p(k) である。

過去スレの717より
D ≡ r^2 (mod 4n) となる有理整数 r が存在する。
従って、>>539 と同じ論法で
Πχ_p(k) = 1
Πχ_p(2) = 1 となる。

従って、Πχ_p(n) = 1 である。

541 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/30(土) 20:21:17 ]
n < 0 のとき。

Πχ_p(n) = Πχ_p(-1)Πχ_p(-n)

>>539, >>540 と同様の論法より Πχ_p(-n) = 1 である。

Jacobi の記号の定義より
Πχ_p(-1) = (-1/D) である。

過去スレの896より
(-1/D) = (-1)^((D-1)/2)

D ≡ 1 (mod 4) だから (-1)^((D-1)/2) = 1 である。
よって Πχ_p(-1) = 1 である。
よって Πχ_p(n) = 1 である。

542 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/30(土) 20:35:50 ]
D < 0 の場合。

n > 0 で n は奇数のとき。
Jacobi の記号の定義(過去スレの535)より
Πχ_p(n) = (n/-D) である。

過去スレの895より
(n/-D) = (-1)^((-D-1)/2)((n-1)/2)(-D/n)

-D ≡ 3 (mod 4) だから

(n/-D) = (-1)^((n-1)/2)(-D/n)

(-D/n) = (-1/n)(D/n)

過去スレの896より
(-1/n) = (-1)^((n-1)/2)

>>539 と同じ論法で (D/n) = 1 である。

以上をまとめると、
Πχ_p(n) = (n/-D) = (-1)^((n-1)/2)(-D/n) = (D/n) = 1

543 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/30(土) 20:45:35 ]
D < 0 で n = 2のとき。

Πχ_p(2) = (2/-D) である。

過去スレの895より
(2/-D) = (-1)^((D^2 - 1)/8)

>>539 と同じ論法で (-1)^((D^2 - 1)/8) = 1 である。
よって Πχ_p(2) = 1 である。

D < 0 で n が偶数のとき。
>>540 と同じ論法で Πχ_p(n) = 1 である。

D < 0 だから f は正定値だから n は常に正である。
よって >>542 と上記で n のすべての場合を尽くしている。

544 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/30(土) 21:06:54 ]
次に D ≡ 0 (mod 4) で D/4 ≡ 3 (mod 4) の場合を考える。

m = D/4 とおく。

D > 0 の場合。

n > 0 で n は奇数のとき。
Jacobi の記号の定義(過去スレの535)より
Πχ_p(n) = χ_2(n) (n/m) である。

>>514 より χ_2(n) = (-1)^(n-1)/2

過去スレの895より
(n/m) = (-1)^((m-1)/2)((n-1)/2)(D/n)

m ≡ 3 (mod 4) だから
(n/m) = (-1)^((n-1)/2)(m/n)

よって Πχ_p(n) = (m/n)

過去スレの717より
D ≡ r^2 (mod 4n) となる有理整数 r が存在する。
よって
m ≡ s^2 (mod n) となる有理整数 s が存在する。
よって (m/n) = 1 である。

以上から Πχ_p(n) = 1 である。



545 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/30(土) 21:20:08 ]
D > 0 で n = -1 のとき。
Jacobi の記号の定義(過去スレの535)より
Πχ_p(-1) = χ_2(-1) (-1/m) である。

>>514 より χ_2(-1) = -1

過去スレの896より
(-1/m) = (-1)^((m-1)/2)

m ≡ 3 (mod 4) だから
(-1/m) = -1

よって Πχ_p(-1) = 1 である。

546 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/30(土) 21:41:23 ]
D < 0 の場合。

n > 0 で n は奇数のとき。
Jacobi の記号の定義(過去スレの535)より
Πχ_p(n) = χ_2(n) (n/-m) である。

>>514 より χ_2(n) = (-1)^(n-1)/2

過去スレの895より
(n/-m) = (-1)^((-m-1)/2)((n-1)/2)(-m/n)

-m ≡ 1 (mod 4) だから
(n/-m) = (-m/n)

一方
(-m/n) = (-1/n)(m/n)

過去スレの896より
(-1/n) = (-1)^((n-1)/2)

よって
Πχ_p(n) = χ_2(n) (n/-m) = (m/n) = 1

547 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/30(土) 22:19:50 ]
次に D ≡ 0 (mod 4) で D/4 ≡ 2 (mod 8) の場合を考える。

m = D/4
m' = D/8 とおく。

D > 0 の場合。

n > 0 のとき。
このとき n は奇数である。

Jacobi の記号の定義(過去スレの535)より
Πχ_p(n) = χ_2(n) (n/m') である。

>>514 より
χ_2(n) = (-1)^(n^2 - 1)/8

m ≡ 2 (mod 8) だから m' ≡ 1 (mod 4) である。
よって過去スレの895より (n/m') = (m'/n) である。

よって
Πχ_p(n) = (-1)^(n^2 - 1)/8 (m'/n) である。

過去スレの895より897
(m/n) = (2/n)(m'/n) = (-1)^(n^2 - 1)/8 (m'/n)

一方 (m/n) = 1 だから
(m'/n) = (-1)^(n^2 - 1)/8

よって
Πχ_p(n) = 1 である。

548 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/30(土) 22:27:55 ]
D > 0 で n = -1 のとき。

Jacobi の記号の定義(過去スレの535)より
Πχ_p(-1) = χ_2(-1) (-1/m') である。

>>514 より
χ_2(-1) = (-1)^((-1)^2 - 1)/8 = 1

過去スレの896より
(-1/m') = (-1)^((m'-1)/2)

m ≡ 2 (mod 8) だから m' ≡ 1 (mod 4) である。
よって
(-1/m') = 1

以上から
Πχ_p(-1) = 1 である。

549 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/30(土) 23:02:54 ]
次に D ≡ 0 (mod 4) で D/4 ≡ 6 (mod 8) の場合を考える。

m = D/4
m' = D/8 とおく。

D > 0 の場合。

n > 0 のとき。
このとき n は奇数である。

Jacobi の記号の定義(過去スレの535)より
Πχ_p(n) = χ_2(n) (n/m') である。

>>514 より
χ_2(n) = (-1)^((n - 1)/2 + (n^2 - 1)/8)

m ≡ 6 (mod 8) だから m' ≡ 3 (mod 4) である。
よって過去スレの895より (n/m') = (-1)^((n - 1)/2) (m'/n) である。

よって
Πχ_p(n) = (-1)^(n^2 - 1)/8 (m'/n) である。

過去スレの897より
(m/n) = (2/n)(m'/n) = (-1)^(n^2 - 1)/8 (m'/n)

一方 (m/n) = 1 だから
(m'/n) = (-1)^(n^2 - 1)/8

よって
Πχ_p(n) = 1 である。

550 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/30(土) 23:08:06 ]
D > 0 で n = -1 のとき。

Jacobi の記号の定義(過去スレの535)より
Πχ_p(-1) = χ_2(-1) (-1/m') である。

>>514 より χ_2(-1) = (-1)^((n - 1)/2 + (n^2 - 1)/8) = -1

過去スレの896より
(-1/m') = (-1)^((m'-1)/2)

m ≡ 6 (mod 8) だから
m' ≡ 3 (mod 4)
よって
(-1/m') = -1

以上から
Πχ_p(-1) = 1 である。

551 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/30(土) 23:25:26 ]
D < 0 のとき。
f は正定値だから n > 0 である。

Jacobi の記号の定義(過去スレの535)より
Πχ_p(n) = χ_2(n) (n/-m') である。

>>514 より
χ_2(n) = (-1)^((n - 1)/2 + (n^2 - 1)/8)

過去スレの895より
(n/-m') = (-1)^((-m'-1)/2)((n-1)/2)(-m'/n)

-m' ≡ 1 (mod 4) だから
(n/-m') = (-m'/n)

一方
(-m'/n) = (-1/n)(m'/n)

過去スレの896より
(-1/n) = (-1)^((n-1)/2)

よって
Πχ_p(n) = (-1)^(n^2 - 1)/8 (m'/n)

過去スレの897より
(m/n) = (2/n)(m'/n) = (-1)^(n^2 - 1)/8 (m'/n)

一方 (m/n) = 1 だから
(m'/n) = (-1)^(n^2 - 1)/8

よって
Πχ_p(n) = 1 である。

552 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/06/30(土) 23:35:24 ]
D ≡ 0 (mod 4) で D/4 ≡ 2 (mod 8) の場合で
D < 0 のときを述べていなかった。
f は正定値だから n > 0 である。

Jacobi の記号の定義(過去スレの535)より
Πχ_p(n) = χ_2(n) (n/-m') である。

>>514 より χ_2(n) = (-1)^((n^2 - 1)/8)

過去スレの895より
(n/-m') = (-1)^((-m'-1)/2)((n-1)/2)(-m'/n)

-m' ≡ 3 (mod 4) だから
(n/-m') = (-1)^((n-1)/2)(-m'/n)

一方 (-m'/n) = (-1/n)(m'/n)

過去スレの896より (-1/n) = (-1)^((n-1)/2)

よって
Πχ_p(n) = (-1)^((n^2 - 1)/8) (n/-m')
= (-1)^((n^2 - 1)/8 + (n-1)/2) (-m'/n)
= (-1)^((n^2 - 1)/8) (m'/n)

過去スレの897より
(m/n) = (2/n)(m'/n) = (-1)^(n^2 - 1)/8 (m'/n)

一方 (m/n) = 1 だから
(m'/n) = (-1)^(n^2 - 1)/8

よって
Πχ_p(n) = 1 である

553 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/07/01(日) 06:57:17 ]
申し訳ないが >>514, >>515 は削除する。
従って、これ等に関係する箇所も削除する。
例えば >>521 など。

554 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/07/01(日) 07:35:40 ]
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。

p が D を割る奇素数のとき、有理整数の集合 Z から {±1} への
写像χ_p を χ_p(m) = (m/p) により定義する。
ここで (m/p) は Legendre の記号(過去スレ3の746)である。
D を割る奇素数の全体を p_1, p_2, . . . , p_r とする。

ψ_1, ψ_2 を >>511 で定義したものとする。

D を以下のように場合別けして、χ_p, ψ_1, ψ_2 を要素とする列を
割り当てる。

1) D ≡ 1 (mod 4) のとき、χ_(p_1), . . . , χ_(p_r)

2) D ≡ 0 (mod 4) で D/4 ≡ 0 (mod 8) のとき
χ_(p_1), . . . , χ_(p_r), ψ_1, ψ_2

3) D ≡ 0 (mod 4) で D/4 ≡ 1, 5 (mod 8) のとき
χ_(p_1), . . . , χ_(p_r)

4) D ≡ 0 (mod 4) で D/4 ≡ 2 (mod 8) のとき
χ_(p_1), . . . , χ_(p_r), ψ_2

5) D ≡ 0 (mod 4) で D/4 ≡ 3, 4, 7 (mod 8) のとき
χ_(p_1), . . . , χ_(p_r), ψ_1

6) D ≡ 0 (mod 4) で D/4 ≡ 6 (mod 8) のとき
χ_(p_1), . . . , χ_(p_r), ψ_1ψ_2

これ等の列を判別式 D の種の指標系という。



555 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/07/01(日) 10:14:50 ]
判別式 D の種の指標系(>>554)を Φ_1, . . . , Φ_μ とする。

f = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の原始的2次形式とする。
ただし、D < 0 のときは f は正定値とする。

>>534 より f により固有に表現される数 m で D と素であるもの
が存在する。

>>505>>513 より各 Φ_1(m), . . . , Φ_μ(m) は m の取り方に
よらず一定である。
よって、これ等を Φ_1(f), . . . , Φ_μ(f) と書く。

g を f と同値な2次形式とすると g により表現される数全体は
f のそれと一致する。
従って Φ_1(f), . . . , Φ_μ(f) は f の属す類 C のみで決まる。
よって、これ等を Φ_1(C), . . . , Φ_μ(C) とも書く。

二つの類はこの列が一致するとき同じ種(genus)に属すという。
これは同値関係であり、この同値類を判別式 D の種と呼ぶ
(Gauss D.A. art.. 231)。

主類(>>523)の属す種を主種と呼ぶ。

556 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/07/01(日) 11:54:59 ]
補題
D > 0 を平方数でない有理整数で、D ≡ 1 (mod 4) とする。
a と b を正の奇数で a ≡ b (mod D) とする。
このとき (D/a) = (D/b) である。
ここで (D/a) と (D/b) は Jacobi の記号(過去スレ4の890)である。

証明
過去スレの895より
(D/a) = (-1)^((D-1)/2)((a-1)/2)(a/D)
(D/b) = (-1)^((D-1)/2)((b-1)/2)(a/D)

D ≡ 1 (mod 4) だから (D-1)/2 ≡ 0 (mnod 2)
よって
(D/a) = (a/D)
(D/b) = (b/D)

a ≡ b (mod D) だから過去スレ4の891より
(a/D) = (b/D) である。
証明終

557 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/07/01(日) 12:05:26 ]
補題
D < 0 を平方数でない有理整数で、D ≡ 1 (mod 4) とする。
a と b を正の奇数で a ≡ b (mod D) とする。
このとき (D/a) = (D/b) である。
ここで (D/a) と (D/b) は Jacobi の記号(過去スレ4の890)である。

補題
過去スレ4の892より (D/a) = (-1/a)(-D/a)

過去スレ4の896より (-1/a) = (-1)^(a-1)/2

過去スレ4の895より
(-D/a) = (-1)^((-D-1)/2)((a-1)/2)(a/D)

-D ≡ 3 (mod 4) だから
(-D/a) = (-1)^((a-1)/2)(a/D)

よって
(D/a) = (-1/a)(-D/a) = (a/D)

同様に
(D/b) = (-1/b)(-D/b) = (b/D)

a ≡ b (mod D) だから過去スレ4の891より
(a/D) = (b/D) である。

よって (D/a) = (D/b) である。
証明終

558 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/07/01(日) 12:07:48 ]
>>557 を以下のように訂正する。

補題
D < 0 を平方数でない有理整数で、D ≡ 1 (mod 4) とする。
a と b を正の奇数で a ≡ b (mod D) とする。
このとき (D/a) = (D/b) である。
ここで (D/a) と (D/b) は Jacobi の記号(過去スレ4の890)である。

証明
過去スレ4の892より (D/a) = (-1/a)(-D/a)

過去スレ4の896より (-1/a) = (-1)^(a-1)/2

過去スレ4の895より
(-D/a) = (-1)^((-D-1)/2)((a-1)/2)(a/D)

-D ≡ 3 (mod 4) だから
(-D/a) = (-1)^((a-1)/2)(a/D)

よって
(D/a) = (-1/a)(-D/a) = (a/D)

同様に
(D/b) = (-1/b)(-D/b) = (b/D)

a ≡ b (mod D) だから過去スレ4の891より
(a/D) = (b/D) である。

よって (D/a) = (D/b) である。
証明終

559 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/07/01(日) 12:41:57 ]
補題
D > 0 を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 (mod 4) とする。
D = (2^α)m と書ける。ここで α ≧ 2、m は正の奇数である。
α は偶数とする。
a と b を正の奇数で a ≡ b (mod D) とする。
このとき (D/a) = (D/b) である。
ここで (D/a) と (D/b) は Jacobi の記号(過去スレ4の890)である。

証明
α が偶数だから (D/a) = (m/a), (D/b) = (m/b)

過去スレ4の895より、
(m/a) = (-1)^((m-1)/2)((a-1)/2)(a/m)
(m/b) = (-1)^((m-1)/2)((b-1)/2)(b/m)

m ≡ 1 (mod 4) なら
(m/a) = (a/m), (m/b) = (b/m)

a ≡ b (mod D) だから a ≡ b (mod m)
よって (a/m) = (b/m) 即ち (m/a) = (m/b)

m ≡ 3 (mod 4) なら
(m/a) = (-1)^((a-1)/2)(a/m)
(m/b) = (-1)^((b-1)/2)(b/m)

D ≡ 0 (mod 4) で a ≡ b (mod D) だから a ≡ b (mod 4)
よって (-1)^((a-1)/2) = (-1)^((b-1)/2)

a ≡ b (mod D) だから a ≡ b (mod m)
よって (a/m) = (b/m) 即ち (m/a) = (m/b)
証明終

560 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/07/01(日) 12:48:51 ]
補題
D > 0 を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 (mod 4) とする。
D = (2^α)m と書ける。ここで α ≧ 2、m は正の奇数である。
α は奇数とする。
a と b を正の奇数で a ≡ b (mod D) とする。
このとき (D/a) = (D/b) である。
ここで (D/a) と (D/b) は Jacobi の記号(過去スレ4の890)である。

証明
α は奇数だから (D/a) = (2/a)(m/a), (D/b) = (2/b)(m/b)
過去スレ4の895より、
(2/a) = (-1)^((a^2 - 1)/8)
(2/b) = (-1)^((b^2 - 1)/8)
a ≡ b (mod D) だから a ≡ b (mod 8)
よって (2/a) = (2/b)、よって (m/a) = (m/b) を示せばよい。

過去スレ4の895より、
(m/a) = (-1)^((m-1)/2)((a-1)/2)(a/m)
(m/b) = (-1)^((m-1)/2)((b-1)/2)(b/m)

m ≡ 1 (mod 4) なら (m/a) = (a/m), (m/b) = (b/m)
a ≡ b (mod D) だから a ≡ b (mod m)
よって (a/m) = (b/m) 即ち (m/a) = (m/b)

m ≡ 3 (mod 4) なら
(m/a) = (-1)^((a-1)/2)(a/m)
(m/b) = (-1)^((b-1)/2)(b/m)

a ≡ b (mod 4) だから (-1)^((a-1)/2) = (-1)^((b-1)/2)
a ≡ b (mod D) だから a ≡ b (mod m)
よって (a/m) = (b/m) 即ち (m/a) = (m/b)
証明終

561 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/07/01(日) 12:54:52 ]
補題
D < 0 を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 (mod 4) とする。
a と b を正の奇数で a ≡ b (mod D) とする。
a と b を正の奇数で a ≡ b (mod D) とする。
このとき (D/a) = (D/b) である。
ここで (D/a) と (D/b) は Jacobi の記号(過去スレ4の890)である。

証明
D = -(2^α)m と書ける。ここで α ≧ 2、m は正の奇数である。

(D/a) = (-1/a)(-D/a)
(D/b) = (-1/b)(-D/b)
である。

-D ≡ 0 (mod 4) だから >>559>>560 より
(-D/a) = (-D/b) である。
よって
(-1/a) = (-1/b) を示せばよい。

過去スレ4の896より、
(-1/a) = (-1)^((a-1)/2)
(-1/b) = (-1)^((b-1)/2)

a ≡ b (mod 4) だから
(-1/a) = (-1/b) である。
証明終

562 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/07/01(日) 12:57:55 ]
>>556, >>558, >>559, >>560, >>561 をまとめると次の命題が得られる。

命題
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0, 1 (mod 4) とする。
a と b を正の奇数で a ≡ b (mod D) とする。
このとき (D/a) = (D/b) である。

563 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/07/01(日) 13:32:19 ]
補題
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0, 1 (mod 4) とする。

(Z/DZ)^* の任意の類 C に対して正の奇数 m を適当にとれば
C = [m] と書ける。

証明
D ≡ 0 (mod 4) ならこれは明らかである。

よって D ≡ 1 (mod 4) とする。

(Z/DZ)^* の任意の類 C は [a] と書ける。
ここで a > 0 は D と素である。

a が奇数なら m = a とすればよい。

a が偶数なら m = a + nD とすればよい。
ここで n は奇数で a + nD > 0 となる任意の有理整数である。
証明終

564 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/07/01(日) 13:39:26 ]
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0, 1 (mod 4) とする。

(Z/DZ)^* から {±1} へのアーベル群としての準同型 χ を
以下のように定義する。

>>563 より (Z/DZ)^* の任意の類 C の代表として正の奇数 m が取れる。
χ(C) = (D/m) とする。
>>562 より χ(C) は m の取り方によらない。
これが アーベル群の準同型であることは Jacobi 記号の性質
(過去スレ4の892)から明らかである。



565 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/07/01(日) 13:48:37 ]
>>556, >>558, >>559, >>560, >>561, >>562 において
a, b はそれぞれ D と素であることを仮定している。

566 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/07/01(日) 14:21:58 ]
命題
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0, 1 (mod 4) とする。
χ: (Z/DZ)^* → {±1} を >>564 の準同型とする。

D > 0 のとき χ([-1]) = 1
D < 0 のとき χ([-1]) = -1

証明
1) D > 0 で D ≡ 0 (mod 4) とする。

χ([-1]) = χ([D-1]) = (D/D - 1) = (D - 1 + 1/D - 1)
= (1/D - 1) = 1

2) D > 0 で D ≡ 1 (mod 4) とする。
χ([-1]) = χ([2D-1]) = (D/2D - 1) = (2D - 1/D) = (-1/D) = 1

3) D < 0 で D ≡ 0 (mod 4) とする。

-D - 1 ≡ -1 (mod 4) だから
χ([-1]) = χ([-D-1]) = (D/-D - 1) = (-(-D - 1) - 1/-D - 1)
= (-1/-D - 1) = -1

4) D < 0 で D ≡ 1 (mod 4) とする。

-2D - 1 ≡ -1 (mod 4) だから
χ([-1]) = χ([-2D-1]) = (D/-2D - 1) = (-1/-2D - 1)(-D/-2D - 1)
= (-2D - 1/-D) = (-1/-D) =-1
証明終

567 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/07/01(日) 14:33:39 ]
命題
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 1 (mod 4) とする。
χ: (Z/DZ)^* → {±1} を >>564 の準同型とする。

D ≡ 1 (mod 8) のとき χ([2]) = 1
D ≡ 5 (mod 8) のとき χ([2]) = -1

証明
1) D > 0 のとき。

χ([2]) = χ([D + 2]) = (D/D + 2) = (D + 2/D)
= (2/D) = (-1)^(D^2 - 1)/8

よって
D ≡ 1 (mod 8) のとき χ([2]) = 1
D ≡ 5 (mod 8) のとき χ([2]) = -1

2) D < 0 のとき。
χ([2]) = χ([-D + 2]) = (D/-D + 2) = (-1/-D + 2)(-D/-D + 2)
= (-D/-D + 2) = (-D + 2/-D) = (2/-D) = (-1)^(D^2 - 1)/8

よって
D ≡ 1 (mod 8) のとき χ([2]) = 1
D ≡ 5 (mod 8) のとき χ([2]) = -1
証明終

568 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/07/01(日) 15:24:14 ]
命題
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0, 1 (mod 4) とする。
m を D と素な奇数とする。

m が判別式 D のある原始的2次形式により固有に表現される
(過去スレ4の701)ためには D が m を法として平方剰余になることが
必要十分である。

証明
m が判別式 D のある原始的2次形式により固有に表現されるなら
過去スレ4の717より D は m を法として平方剰余である。

逆に D ≡ b^2 (mod m) となる b があるとする。

m は奇数だから b が偶数なら b + m は奇数であり、
b が奇数なら b + m は偶数である。
よって D と b は偶奇が一致すると仮定してよい。
このとき D ≡ b^2 (mod 4m) となる。
b^2 - D = 4mc とする。

f(x, y) = mx^2 + bxy + cy^2 は判別式 D の2次形式で、
gcd(m, D) = 1 だから f は原始的である。
m = f(1, 0) だから m は f による固有に表現される。
証明終

569 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/07/01(日) 15:45:43 ]
命題
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0, 1 (mod 4) とする。
χ: (Z/DZ)^* → {±1} を >>564 の準同型とする。

D を割らない奇素数 p に対して χ([p]) = 1 となるためには
p が判別式 D のある原始的2次形式により固有に表現されることが
必要十分である。

証明
χ の定義から χ([p]) = (D/p) である。
よって >>568 より明らかである。
証明終

570 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/07/01(日) 21:08:35 ]
命題
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0, 1 (mod 4) とする。
χ: (Z/DZ)^* → {±1} を >>564 の準同型とする。

m を D と素な有理整数で、判別式 D の原始的2次形式 f により
表現されるとする。ここで表現は必ずしも固有とは限らない。
さらに、D < 0 のときは f は正定値とする。

ことき χ([m]) = 1 である。

証明
f = ax^2 + bxy + cy^2 とする。
m は f で表現されるから m = as^2 + bst + ct^2 となる有理整数
s, t がある。d = gcd(s, t) とおくと、m = (d^2)n となる n があり
n は f により固有に表現される。
χ([m]) = χ([d])^2 χ([n]) = χ([n]) である。
よって m は初めから f により固有に表現されると仮定してよい。

よって過去スレ4の717より D ≡ b^2 (mod 4m) となる有理整数 b が
存在する。

1) D ≡ 0 (mod 4) で m > 0 のとき。

m は D と素だから m は奇数である。
D ≡ b^2 (mod 4m) となる b があるから
χ([m]) = (D/m) = (b^2/m) = (b/m)^2 = 1

(続く)

571 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/07/01(日) 21:14:59 ]
2) D ≡ 0 (mod 4) で m < 0 のとき。
D < 0 なら、仮定より f は正定値だから m < 0 とはならない。
よって D > 0 である。

m は D と素だから m は奇数である。
D ≡ b^2 (mod 4m) より
D ≡ b^2 (mod -m) でもある。
よって χ([-m]) = (D/-m) = (b^2/-m) = (b/-m)^2 = 1

D > 0 だから >>566 より χ([-1]) = 1 である。
よって χ([m]) = χ([-1])χ([-m]) = χ([-1]) = 1

3) D ≡ 1 (mod 4) で m > 0 のとき。
m が奇数なら D ≡ b^2 (mod 4m) より
χ([m]) = (D/m) = (b^2/m) = (b/m)^2 = 1

m が偶数なら m = (2^α)n, α ≧ 1, n ≧ 1 は奇数と書ける。
D ≡ b^2 (mod 4m) より
D ≡ b^2 (mod n) である。
よって χ(n) = (D/n) = (b^2/n) = (b/n)^2 = 1

よって αが偶数なら
χ([m]) = χ(2^α) χ(n) = χ(n) = 1

αが奇数なら
χ([m]) = χ(2) χ(n) = χ(2)

D ≡ b^2 (mod 4(2^α)n) だから D ≡ b^2 (mod 8)
よって D ≡ 1 (mod 8) である。
>>567 より χ(2) = 1 である。
よって χ([m]) = 1 である。
(続く)

572 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/07/01(日) 21:17:23 ]
4) D ≡ 1 (mod 4) で m < 0 のとき。
D < 0 なら、仮定より f は正定値だから m < 0 とはならない。
よって D > 0 である。

m が奇数なら
D ≡ b^2 (mod 4m) より
χ([m]) = χ([-1])χ([-m]) = χ([-1]) = 1

m が偶数なら m = -(2^α)n, α ≧ 1, n ≧ 1 は奇数と書ける。
αが偶数なら
χ([m]) = χ([-1])χ(2^α)χ([n]) = χ([-1]) = 1

αが奇数なら
χ([m]) = χ([-1])χ(2)χ([n]) = χ(2)

D ≡ b^2 (mod 4(2^α)n) だから D ≡ b^2 (mod 8)
よって D ≡ 1 (mod 8) である。
>>567 より χ(2) = 1 である。
よって χ([m]) = 1 である。
証明終

573 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/07/02(月) 00:09:23 ]
補題
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 (mod 4) とする。
f = x^2 - (D/4)y^2 を判別式 D の主形式(>>523)とする。
m と n が f により表現されるなら mn もf により表現される。

証明
m = u^2 - (D/4)v^2 となる有理整数 u, v がある。

>>500 より
α= u + v(√D)/2 とおく
N(α) = (u + v(√D)/2)(u - v(√D)/2) = u^2 - (D/4)v^2 = m

同様に n = z^2 - (D/4)w^2 となる有理整数 z, w がある。
β= z + w(√D)/2 とおく
N(β) = (z + w(√D)/2)(z - w(√D)/2) = z^2 - (D/4)w^2 = n

nm = N(α)N(β) = N(αβ)
である。

αβ = (u + v(√D)/2)(z + w(√D)/2)
= uz + vwD/4 + (uw + vz)(√D)/2

よって
N(αβ) = (uz + vwD/4)^2 - (D/4)(uw + vz)^2

よって nm は f により表現される。
証明終

574 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/07/02(月) 04:10:01 ]
45



575 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/07/02(月) 04:11:00 ]
44

576 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/07/02(月) 04:12:00 ]
43

577 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/07/02(月) 04:13:00 ]
42

578 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/07/02(月) 04:14:01 ]
41

579 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/07/02(月) 04:15:00 ]
40

580 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/07/02(月) 07:48:43 ]
命題
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0, 1 (mod 4) とする。
f を判別式 D の主形式(>>523)とする。

即ち
D ≡ 0 (mod 4) のとき f = x^2 - (D/4)y^2
D ≡ 1 (mod 4) のとき f = x^2 + xy + ((1 - D)/4)D

R を判別式 D 整環とする。

f で表現される有理整数の全体は { N(θ) ; θ ∈ R } と一致する。

証明

D ≡ 0 (mod 4) のとき b = 0
D ≡ 1 (mod 4) のとき b = 1
とおく。

>>242 より f には R = [1, (-b + √D)/2] が対応する。

α = 1
β = (-b + √D)/2 とおく。

>>248 より
f(x, y) = N(xα - yβ)
証明終

581 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/07/02(月) 07:53:20 ]
>>580 より >>573 が直ちに得られる。
さらに D ≡ 1 (mod 4) の場合も証明される。

補題
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0, 1 (mod 4) とする。
f を判別式 D の主形式(>>523)とする。
m と n が f により表現されるなら mn もf により表現される。

証明
>>580 より明らかである。

582 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/07/02(月) 08:02:54 ]
>>580
>>R を判別式 D 整環とする。

R を判別式 D の整環とする。

583 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/07/02(月) 10:15:13 ]
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0, 1 (mod 4) とする。
χ: (Z/DZ)^* → {±1} を >>564 の準同型とする。

H = { [m] ∈ (Z/DZ)^* ; m は D と素で主形式により表現される }
とおく。

>>581 より H は (Z/DZ)^* の部分群である。
さらに >>570 より H は Ker(χ) に含まれる。

584 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/07/02(月) 10:21:10 ]
補題
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0, 1 (mod 4) とする。
χ: (Z/DZ)^* → {±1} を >>564 の準同型とする。
f = (a, b, c) を判別式 D の原始的2次形式とする。
さらに、D < 0 のときは f は正定値と仮定する。

集合 { [m] ∈ (Z/DZ)^* ; m は D と素で f により表現される }
は Ker(χ)/H のある剰余類に含まれる。

証明
>>534 より f により固有に表現される数 n で D と素であるもの
が存在する。

過去スレ4の716より f と同値な形式 g = (n, l, k) がある。
f と g がそれぞれ表現する数の全体は一致するから、
f の代わりに g を使ってもよい。
よって初めから、a は D と素であると仮定してよい。

m を D と素な有理整数で、f により表現されるとする。
よって m = f(u, v) となる有理整数 u, v がある。
α = au + (b + √D)v/2 とおく。

N(α) = (au + (b + √D)v/2)(au + (b - √D)v/2)
= a^2u^2 + auv(b - √D)/2 + auv(b + √D)/2) + (4acv^2)/4
= a^2u^2 + abuv + acv^2
= am

α は判別式 D の整環の元である。
従って >>580 より [a][m] ∈ H
a は D と素であると仮定したから >>570 より [a] ∈ Ker(χ)
[m] ∈ [a]^(-1)H
証明終



585 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/07/02(月) 10:39:27 ]
補題
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 (mod 4) とする。
χ: (Z/DZ)^* → {±1} を >>564 の準同型とする。
f = (a, b, c) を判別式 D の原始的2次形式とする。
さらに、D < 0 のときは f は正定値と仮定する。
H = { [m] ∈ (Z/DZ)^* ; m は D と素で主形式により表現される }
とおく。
集合 S = { [m] ∈ (Z/DZ)^* ; m は D と素で f により表現される }
は Ker(χ)/H のある剰余類に一致する。

証明
>>584 より S ⊂ [a]^(-1)H
よって逆の包含関係を証明すればよい。
>>584 の証明と同様の理由により a は D と素であると仮定してよい。
[m] ∈ [a]^(-1)H とする。
[a][m] ∈ H だから
am ≡ u^2 - (D/4)v^2 (mod D)
となる有理整数 u, v がある。

4af(x, y) = (2ax + by)^2 - Dy^2
D ≡ 0 (mod 4) だから D = b^2 - 4ac より b は偶数である。
よって af(x, y) = (ax + (b/2)y)^2 - (D/4)y^2

w = v
u ≡ az + (b/2)w (mod D)
を満たす有理整数 z, w を取る。
a は D と素だから、このような z, w は存在する。
af(z, w) ≡ u^2 - (D/4)v^2 (mod D)
am ≡ af(z, w) (mod D)
よって m ≡ f(z, w) (mod D)
よって [a]^(-1)H ⊂ S である。
証明終

586 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/07/02(月) 10:51:59 ]
補題
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 1 (mod 4) とする。
χ: (Z/DZ)^* → {±1} を >>564 の準同型とする。
f = (a, b, c) を判別式 D の原始的2次形式とする。
さらに、D < 0 のときは f は正定値と仮定する。
H = { [m] ∈ (Z/DZ)^* ; m は D と素で主形式により表現される }
とおく。
集合 S = { [m] ∈ (Z/DZ)^* ; m は D と素で f により表現される }
は Ker(χ)/H のある剰余類に一致する。

証明
>>584 より S ⊂ [a]^(-1)H
よって逆の包含関係を証明すればよい。
>>584 の証明と同様の理由により a は D と素であると仮定してよい。
[m] ∈ [a]^(-1)H とする。

[a][m] ∈ H だから
am ≡ u^2 + uv + (1 - D)/4)v^2 (mod D)
となる有理整数 u, v がある。

4(u^2 + uv + (1 - D)/4)v^2) ≡ (2u + v)^2 (mod D)
よって
4am ≡ (2u + v)^2 (mod D)
一方
4af(x, y) = (2ax + by)^2 - Dy^2

2u + v ≡ 2az + bw (mod D)
を満たす z, w を取る(例えば w = 1 として z を求めればよい)。

4af(z, w) ≡ 4am (mod D)
f(z, w) ≡ m (mod D)
証明終

587 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/07/02(月) 11:23:04 ]
補題
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 1 (mod 4) とする。
H = { [m] ∈ (Z/DZ)^* ; m は D と素で主形式により表現される }
とおく。

G = (Z/DZ)^* とおくと H = G^2 である。

証明

[m] ∈ H とする。
m = u^2 + uv + (1 - D)/4)v^2 となる有理整数 u, v がある。

4(u^2 + uv + (1 - D)/4)v^2) ≡ (2u + v)^2 (mod D)
よって
[4m] ∈ G^2 である。
4 は D と素だから [m] ∈ G^2 である。
よって H ⊂ G^2 である。

逆に z を D と素な有理整数とすると、
z^2 は主形式 x^2 + xy + (1 - D)/4)y^2 により表現される
(x = z, y = 0 とおけばよい)。
よって G^2 ⊂ H である。
証明終






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