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代数的整数論 004



1 名前:132人目の素数さん [2006/11/23(木) 21:57:04 ]
Kummer ◆g2BU0D6YN2氏が代数的整数論を語るスレです。

前スレ
science4.2ch.net/test/read.cgi/math/1141019088/

39 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/25(土) 19:19:10 ]
補題
[2, b + ω] が2次体 Q(√m)の整数環のイデアルとなるための条件を
述べる。
m ≡ 1 (mod 8) のとき、任意の有理整数 b で [2, b + ω] はイデアル
となる。
m ≡ 1 (mod 8) でないなら、つまり m ≡ 5 (mod 8) なら(>>38)
[2, b + ω] はどんな有理整数 b に対してもイデアルにならない。

証明
>>19>>35 より [2, b + ω] がイデアルとなるためには
N(b + ω) ≡ 0 (mod 2) が必要十分である。
この条件を書き直して見よう。

m ≡ 1 (mod 4) なら
N(b + ω) = N(b + (1 + √m))/2) = N((2b + 1 + √m)/2)
= ((2b + 1)^2 - m)/4
よって ((2b + 1)^2 - m)/4 ≡ 0 (mod 2) が必要十分である。
よって (2b + 1)^2 - m ≡ 0 (mod 8) が必要十分である。

b が偶数なら b = 2k とすると
(4k + 1)^2 - m = 16k^2 + 8k + 1 - m ≡ 0 (mod 8)
よって m ≡ 1 (mod 8)

b が奇数なら b = 2k - 1 とすると
(4k - 1)^2 - m = 16k^2 - 8k + 1 - m ≡ 0 (mod 8)
よって m ≡ 1 (mod 8)

逆に m ≡ 1 (mod 8) なら、b が偶数でも奇数でも
(2b + 1)^2 - m ≡ 0 (mod 8) となる。
証明終

40 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/25(土) 19:24:58 ]
訂正

>>39
>m ≡ 1 (mod 8) でないなら、つまり m ≡ 5 (mod 8) なら(>>38)

m ≡ 1 (mod 4) かつ m ≡ 1 (mod 8) でないなら、
つまり m ≡ 5 (mod 8) なら(>>38)

41 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/25(土) 19:34:44 ]
補題
[2, b + ω] が2次体 Q(√m)の整数環のイデアルとなるための条件を
述べる(>>39 の続き)。
m ≡ 2 (mod 4) なら b ≡ 0 (mod 2)
m ≡ 3 (mod 4) なら b ≡ 1 (mod 2)
が [2, b + ω] がイデアルとなるための必要十分条件である。

証明
>>19>>35 より [2, b + ω] がイデアルとなるためには
N(b + ω) ≡ 0 (mod 2) が必要十分である。
この条件を書き直して見よう。

ω = √m だから
N(b + ω) = (b + √m)(b - √m) = b^2 - m ≡ 0 (mod 2)

m ≡ 2 (mod 4) なら m ≡ 0 (mod 2) だから b^2 ≡ 0 (mod 2)
よって b ≡ 0 (mod 2)

m ≡ 3 (mod 4) なら m ≡ 1 (mod 2) だから b^2 ≡ 1 (mod 2)
よって b ≡ 1 (mod 2)
証明終

42 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2006/11/25(土) 19:37:18 ]
人工無能やぶれたり!w

8 名前:132人目の素数さん[sage] 投稿日:2006/11/23(木) 22:40:50

!qni>|



43 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/25(土) 19:58:57 ]
命題
2次体 Q(√m) において非零素イデアル P は pZ[ω] または
[p, b + ω] の形である。ここで p は有理素数、b は有理整数。

証明
P = [p, b + cω] となる(>>14)。
c は p の約数だから c = 1 または c = p である。
c = p なら b は p で割れるから(>>14)、P = [p, pω] となる(>>34)。
よって P = pZ[ω] である。
証明終

44 名前:132人目の素数さん [2006/11/25(土) 20:15:46 ]
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45 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/25(土) 20:26:15 ]
定義
2次体 Q(√m) において ω の Q 上のモニックな最小多項式を
f(X) とする(前スレ2の927)。
f(X) の判別式を2次体 Q(√m) の判別式と呼ぶ。

46 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/25(土) 20:30:41 ]
訂正

>>45
>(前スレ2の927)。

>(前スレ3の927)。

47 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/25(土) 20:37:08 ]
命題
2次体 Q(√m) の判別式を D とする。
p を奇素数とする。

1) p が D の約数 のとき pZ[ω] = P^2 となる。
ここで、
m ≡ 1 (mod 4) なら P = [p, (m - 1)/2 + ω] = [p, (m + √m)/2]

m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) なら P = [p, ω] = [p, √m]

2) D が p と素で mod p の平方剰余のとき
pZ[ω] = PP' となる。

ここで P, P' は Z[ω] の相異なる素イデアルで
m ≡ 1 (mod 4) のとき
P = [p, b + ω]
P' = [p, -b - 1 + ω]
ここで (2b + 1)^2 ≡ m (mod p)

m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) のとき
P = [p, b + ω]
P' = [p, -b + ω]
ここで b^2 ≡ m (mod p)

3) D が p と素で mod p の平方非剰余のとき
pZ[ω] は素イデアルである。

証明
前スレ3の957と>>37による。
証明終



48 名前:132人目の素数さん [2006/11/25(土) 20:46:52 ]
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49 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/25(土) 20:57:09 ]
命題
2次体 Q(√m) の判別式を D とする。

1) 2 が D の約数 のとき pZ[ω] = P^2 となる。

m ≡ 2 (mod 4) なら P = [2, ω] = [2, √m]
m ≡ 3 (mod 4) なら P = [2, 1 + ω] = [2, 1 + √m]

2) m ≡ 1 (mod 8) のとき
2Z[ω] = PP' となる。
ここで P, P' は Z[ω] の相異なる素イデアルで
P = [2, ω] = [2, (1 + √m)/2]
P' = [2, 1 + ω] = [2, 1 + (1 + √m)/2]

3) m ≡ 5 (mod 8) のとき
2Z[ω] は素イデアルである。

証明
前スレ3の958と>>39, >>40, >>41による。
証明終

50 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/25(土) 21:09:23 ]
>>47>>49 あってるかな?
こういう素イデアルの標準基底まできちんと書いてある本少ないね。
高木もこのへん、ややはしょっている。

51 名前:132人目の素数さん [2006/11/25(土) 21:13:45 ]
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52 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/25(土) 22:13:45 ]
前スレ3の751で平方剰余の相互律を証明したが、ここで平方剰余の
第2補充法則を述べる。

λを奇素数とし、Z[η] = Z[η_0, η_1] を (λ - 1)/2 項周期から
構成される円分整数全体のなす環とする(前スレ3の744)。
Q[η] は2次体である。

前スレ3の744より
2Z[η] が Z[η] の相異なる2個の素イデアルの積となるためには
2 が λ を法として平方剰余であることが必要十分である。

2Z[η] が Z[η] の素イデアルであるためには
2 が λ を法として平方非剰余であることが必要十分である。

前スレ3の748より
Q[η] の判別式 D は
λ ≡ 1 (mod 4) のときは D = λ
λ ≡ -1 (mod 4) のときは D = -λ
となる。

>>49 より

1) λ ≡ 1 (mod 4) のとき
λ ≡ 1 (mod 8) なら (2/λ) = 1

λ ≡ 5 (mod 8) なら (2/λ) = -1

2) -λ ≡ 1 (mod 4) のとき
-λ ≡ 1 (mod 8) なら (2/λ) = 1
-λ ≡ 5 (mod 8) なら (2/λ) = -1

53 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/25(土) 22:24:10 ]
λ ≡ ±1 (mod 8) のとき (λ^2 - 1)/8 は偶数である。
λ ≡ ±5 (mod 8) のとき (λ^2 - 1)/8 は奇数である。
よって >>52 より (2/λ) = (-1)^((λ^2 - 1)/8)
これが平方剰余の第2補充法則である。

54 名前:132人目の素数さん [2006/11/25(土) 22:33:57 ]
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55 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/25(土) 22:36:42 ]
>>52 は 前スレ3の751の平方剰余の相互律の証明と本質的には同じである。
2次体はそれを含む円分体により統制されていることが分かるだろう。

これらの証明は非常に美しいし、神秘的だと思う。

56 名前:132人目の素数さん [2006/11/25(土) 22:42:58 ]
同値類から整数の減法の定義を導きたいのですが、考えてもわかりません。
調べても加法と乗法しか載っておらず困ってます。
初歩的な質問で申し訳ありませんが、わかる方いらっしゃったら教えてください。
よろしくお願いします。


57 名前:132人目の素数さん [2006/11/25(土) 22:54:12 ]
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58 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/26(日) 09:40:47 ]
今後、特に断らなければ2次体 Q(√m) の整数環 Z[ω] のイデアルで
0 でないものを単に Q(√m) のイデアルと呼ぶことにする。
したがって、Q(√m) の素イデアルといえば Z[ω] の素イデアルで
0 でないものを意味する。

59 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/26(日) 09:52:37 ]
定義
2次体 Q(√m) の単位写像でない自己同型を σ とする。
つまり σ(√m) = -√m である。

Q(√m) のイデアル I に対して σ(I) は 明らかに Q(√m) の
イデアルである。
これを I の共役イデアルと呼ぶ。

特に断らない限り I の共役イデアルを I' と書く。

60 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/26(日) 10:11:32 ]
補題
2次体 Q(√m) の判別式を D とする。
p を奇素数とする。

>>47 の 1) より p が D の約数 のとき pZ[ω] = P^2 となるが
この素イデアル P は自己共役である。つまり P = P' である。

証明
>>47 の 1) より
m ≡ 1 (mod 4) のとき P = [p, (m + √m)/2] である。

P' = [p, (m - √m)/2] -- 共役イデアルの定義(>>59)
= [p, (-m + √m)/2] -- これは (m - √m)/2 に -1 を掛けたもの
= [p, m + (-m + √m)/2] -- m は p の倍数だから >>34 より
= [p, (m + √m)/2]
= P

m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) なら P = [p, √m] である。

P' = [p, -√m] -- 共役イデアルの定義(>>59)
= [p, √m] -- これは -√m に -1 を掛けたもの
= P

証明終

61 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/26(日) 10:28:39 ]
補題
2次体 Q(√m) の判別式を D とする。
p を奇素数とする。

>>47 の 2) より D が p と素で mod p の平方剰余のとき pZ[ω] = PP'
となるが、この P' は P の共役イデアルである。

証明
>>47 の 2) より

m ≡ 1 (mod 4) のとき
P = [p, b + ω]
P' = [p, -b - 1 + ω]
ここで (2b + 1)^2 ≡ m (mod p)

P = [p, b + ω] の共役は
[p, b + ω']
= [p, b + 1 - ω]   -- ω + ω' = 1 を使った
= [p, -b - 1 + ω]   -- b + 1 - ω に -1 を掛けたもの

m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) のとき
P = [p, b + ω]
P' = [p, -b + ω]
ここで b^2 ≡ m (mod p)

P = [p, b + ω] の共役は
[p, b + ω']
= [p, b - ω]   -- ω = √m
= [p, -b + ω]   -- b - ω に -1 を掛けたもの

証明終

62 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/26(日) 10:39:53 ]
補題
2次体 Q(√m) の判別式を D とする。

>>49 の 1) より
2 が D の約数 のとき 2Z[ω] = P^2 となるが
この素イデアル P は自己共役である。つまり P = P' である。

証明
>>49 の 1) より
m ≡ 2 (mod 4) なら P = [2, ω] = [2, √m]
m ≡ 3 (mod 4) なら P = [2, 1 + ω] = [2, 1 + √m]

これより >>60 と同様にして確かめればよい。
証明終

63 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/26(日) 10:47:03 ]
補題
2次体 Q(√m) の判別式を D とする。

>>49 の 2) より m ≡ 1 (mod 8) のとき 2Z[ω] = PP' となるが
となるが、この P' は P の共役イデアルである。

証明
>>47 の 2) より
P = [2, ω] = [2, (1 + √m)/2]
P' = [2, 1 + ω] = [2, 1 + (1 + √m)/2]

P の共役は
[2, (1 - √m)/2]
= [2, (-1 + √m)/2]
= [2, 2 + (-1 + √m)/2]
= [2, 1 + (1 + √m)/2]

証明終

64 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/26(日) 10:58:21 ]
命題
2次体 Q(√m) において、任意の素イデアル P の共役イデアル P' は
素イデアルであり、PP' = N(P)Z[ω] となる。

証明
P' が素イデアルであることは共役イデアルの定義より明らか。

>>60, >>61, >>62, >>63>>47 の 3), >>49 の 3)
および >>25 よりわかる。

証明終

65 名前:132人目の素数さん [2006/11/26(日) 11:26:18 ]
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66 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/26(日) 11:28:26 ]
補題
B を単項イデアル整域とし、t をその素元とする。
B/tB は標数 p の有限体で |B/tB| = p^f = q とする。
r ≧ 1 を任意の整数とする。

|B/(t^r)B| = q^r = p^(fr)

である。

ここで、有限集合 S に対して |S| は S の元の個数を表す。

証明
B のイデアルの列 B ⊃ tB ⊃ ... ⊃ (t^r)B より、
|B/(t^r)B| = |B/tB||tB/(t^2)B|...|(t^(r-1))B/(t^r)B|

一方、前スレ3の896 より、|(t^(i-1))B/(t^i)B| = |B/tB|
|B/(t^r)B| = |B/tB|^r

証明終

67 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/26(日) 11:41:49 ]
命題
A を Dedekind 整域(前スレ2の601)とし、P をその素イデアルとする。
A/P は標数 p の有限体で |A/P| = p^f = q とする。
r ≧ 1 を任意の整数とする。

|A/P^r| = q^r = p^(fr)

である。

証明
前スレ3の895 より A/P^r は A_P/(P^r)A_P に標準的に同型である。
A_P は離散付値環(前スレ2の585)だから >>66 よりわかる。
証明終



68 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/26(日) 11:51:41 ]
定義
A を Dedekind 整域とする。
A の任意の非零イデアル I に対して A/I が
有限環のとき A は有限ノルム性を持つという。

このとき |A/I| を I の絶対ノルムまたは単にノルムと呼び
N(I) と書く。

69 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/26(日) 11:55:36 ]
補題
A を有限ノルム性(>>68)を持つ Dedekind 整域とする。
I と J を A の非零イデアルで互いに素、
すなわち I + J = A とする。

このとき N(IJ) = N(I)N(J) である。

証明
中国式剰余定理(前スレの341)より明らか。

70 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/26(日) 12:03:41 ]
命題
A を有限ノルム性(>>68)を持つ Dedekind 整域とする。
I と J を A の任意の非零イデアルとする。

このとき N(IJ) = N(I)N(J) である。

証明
>>67 より A の非零素イデアルにたいして N(P^r) = N(P)^r である。
これと A の任意の非零イデアルが非零素イデアルのべき積に
一意に分解されること(前スレ2の676)、および >>69 よりわかる。

証明終

71 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/26(日) 12:26:21 ]
命題
2次体 Q(√m) において、任意のイデアル I とその共役イデアル I'
に対して
II' = N(I)Z[ω] となる。

証明
>>64 より素イデアル P に対して PP' = N(P)Z[ω] となる。
よって任意の有理整数 r ≧ 1 に対して、
(P^r)(P')^r = N(P)^rZ[ω] = N(P^r)Z[ω] (>>67より)

これと Q(√m) の任意のイデアルが素イデアルのべき積に
一意に分解されること(前スレ2の676)、および >>70 よりわかる。

証明終

72 名前:132人目の素数さん [2006/11/26(日) 12:56:51 ]
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73 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/26(日) 13:41:32 ]
定義
2次体 Q(√m) の整数環 Z[ω] の可逆元を Q(√m) の単数と呼ぶ。

74 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/26(日) 13:52:47 ]
命題
2次体 Q(√m) の整数 α が単数であるためには
N(α) = 1 または N(α) = -1 となることが必要十分である。

証明
α が単数なら αβ = 1 となる整数 β がある。
N(αβ) = N(α)N(β) = 1 であるが、N(α) と N(β) は有理整数
(前スレ3の927)だから N(α) = 1 または N(α) = -1 である。

逆に N(α) = 1 または N(α) = -1 とする。

N(α) = 1 なら αα' = 1 だから α は単数である。

N(α) = -1 なら αα' = -1 だから α(-α') = 1 となり、
やはり α は単数である。

証明終

75 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/26(日) 14:05:45 ]
命題
α ≠ 0 を2次体 Q(√m) の整数とすると
N(αZ[ω]) = |N(α)| である。

ここで右辺は N(α) の絶対値をあらわす。

証明
イデアル αZ[ω] の共役イデアルは α'Z[ω] である。
よって
(αZ[ω])(α'Z[ω]) = αα'Z[ω] = N(α)Z[ω]

一方、>>71 より (αZ[ω])(α'Z[ω]) = N(αZ[ω])Z[ω] となる。

したがって N(α)Z[ω] = N(αZ[ω])Z[ω] である。
よって
N(α) = N(αZ[ω])εとなる整数εがある。
容易にわかるようにεは単数である。

両辺のノルムをとると
N(α)^2 = N(αZ[ω])^2 N(ε) となる。
>>74 より N(ε) = ±1 であるから

N(α)^2 = ±N(αZ[ω])^2 となる。

左辺は正だから N(α)^2 = N(αZ[ω])^2 である。
よって N(α) = ±N(αZ[ω]) である。

N(αZ[ω]) > 0 だから N(αZ[ω]) = |N(α)| である。

証明終

76 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/26(日) 15:32:43 ]
M を x_1, ..., x_n を基底とする自由アーベル群とする。
N を M の部分群で M/N が有限群となるものとする。

前スレ3の988より N は n 次の自由アーベル群である。
N の基底を y_1, ..., y_n とし、

y_1 = a_(1,1)x_1 + ..., + a_(1,n)x_n
.
.
y_n = a_(n,1)x_1 + ..., + a_(n,n)x_n

とする。

このとき、|M/N| = |det(a_(i,j))| である。

証明は後で行う。

77 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/26(日) 15:36:59 ]
>>76 の証明

A = (a_(i,j)) を n × n 行列 とする。
X を (x_1, ..., x_n) を縦にしたベクトルとする。
Y を (y_1, ..., y_n) を縦にしたベクトルとする。
Y = AX である。

前スレ3の988 より

N の基底 z_1, ..., z_n で、

z_1 = b_(1, 1) x_1
z_2 = b_(2, 1) x_1 + b_(2, 2) x_2
.
.
z_i = b_(i, 1) x_1 + b_(i, 2) x_2 + ... + b_(i, i) x_i
.
.
z_n = b_(n, 1) x_1 + b_(n, 2) x_2 + ................ + b_(n, n) x_n

となるものがある。
ここで 各 b_(i, i) > 0 である。

前スレ3の991 より |M/N| = b_(1, 1)b_(2, 2)...b_(n, n) である。

B = (b_(i,j)) を n × n 行列 とする。
Z を (z_1, ..., z_n) を縦にしたベクトルとする。
Z = BX である。

(続く)



78 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/26(日) 15:48:30 ]
>>77 の続き

Y と Z は N の基底だから、
Y = CZ となる有理整数を成分とする行列 C で可逆、つまり
CD と DC が n 次の単位行列となる有理整数を成分とする行列 D が
存在する。det(CD) = det(C)det(D)= 1 だから det(C) = ±1 である。

Z = BX と Y = CZ より Y = CBX となる。
一方、Y = AX だから
AX = CBX となる。
よって A = CB となる。
よって det(CB) = det(A) となる。
よって ±det(B) = det(A) となる。

>>77 より |M/N| = b_(1, 1)b_(2, 2)...b_(n, n) = det(B) だから
|M/N| = |det(A)| である。
証明終

79 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/26(日) 16:51:31 ]
訂正

>>69
>中国式剰余定理(前スレの341)より明らか。

>中国式剰余定理(前スレ1の341)より明らか。

80 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/26(日) 20:01:16 ]
>>75 の別証

αZ[ω] = [α, αω] は Z[ω] の部分アーベル群である。
1) α = a + bω
2) αω = c + dω
とする。

この2式の両辺の共役をとると
3) α' = a + bω'
4) α'ω' = c + dω'

α, αω を第1行、
α', α'ω' を第2行に持つ行列の行列式をΔ[α, αω] とする。

同様に 1, ω を第1行、1, ω' を第2行に持つ行列の行列式
をΔ[1, ω] とする。

a, b を第1行
c, d を第2行に持つ行列を A とする

1), 2) ,3) ,4) より
Δ[α, αω] = det(A)Δ[1, ω] となる。

Δ[α, αω] = αα'Δ[1, ω] = N(α)Δ[1, ω]
よって N(α)Δ[1, ω] = det(A)Δ[1, ω]

Δ[1, ω] = ω' - ω ≠ 0 であるから、
N(α) = det(A) となる。
1), 2) と >>76 より N(αZ[ω]) = |det(A)| だから
N(αZ[ω]) = |N(α)| となる。
証明終

81 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/26(日) 20:45:26 ]
命題
I = [a, r + ω] を2次体 Q(√m) の原始イデアル(>>17) とする。
ここで a > 0 で a = gh, g > 0, h > 0 とする。

このとき、J_1 = [g, r + ω], J_2 = [h, r + ω] はそれぞれ
イデアルで I = (J_1)(J_2) となる。

証明(高木の初等整数論講義)
θ = r + ω とおく。
N(θ) は a で割れる(>>35)から g と h でも割れる。
よって [g, θ] と [h, θ] はイデアルである(>>19)。

(J_1)(J_2) = (gh, gθ, hθ, θ^2) ⊂ I である。

>>25 より N(I) = a = gh = N(J_1)N(J_2) である。
>>70 より N((J_1)(J_2)) = N(J_1)N(J_2) である。
よって I = (J_1)(J_2) である。
証明終

82 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2006/11/26(日) 21:01:10 ]
TeX でまとめなおせば本にもできるだろ。
つか掲示板じゃ見にくすぎる。

83 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2006/11/26(日) 21:15:32 ]
>82
> TeX でまとめなおせば本にもできるだろ。
> つか掲示板じゃ見にくすぎる。
前からそう言ってるんだけどね・・・

84 名前:132人目の素数さん [2006/11/26(日) 21:22:14 ]
>>82

そうなの?
版権の問題はないのかな。

85 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/26(日) 22:22:20 ]
>>81 の命題は高木以外では見たことがない。
意外だね。基本的なことなのに。

86 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2006/11/27(月) 11:22:54 ]
>56
此処 ⇒ h ttp://www1.ezbbs.net/19/dslender2/ で聞いてみたら如何かね?
Kummerさんは、整数論の構成に関する持論の展開に忙しいから解答しないよ、多分。

87 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2006/11/27(月) 11:28:13 ]
>>56のような質問じゃ答えようもないよねw



88 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2006/11/27(月) 16:29:04 ]
>>56

>同値類から整数の減法の定義を導きたい
この内容を具体的に表現できれば、質問すれで回答を得られるだろう。


89 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2006/11/27(月) 17:52:55 ]
つうか代数的整数論じゃない。整数論かどうかも怪しい。

90 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/27(月) 21:16:29 ]
>>81 により原始イデアル [a, r + ω] は [p, r + ω] の形の
素イデアルの積に分解される。

91 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/27(月) 21:35:14 ]
2次体 Q(√m) のイデアル I = (α_1, ..., α_n) が
有限個の生成元で与えられたとき、以下に述べるように I を
有限回の手続きで素イデアルの積に分解することが出来る。

I の標準基底は >>23 で述べたように有限回の手続きで求まる。
I = [a, b + cω] を標準基底による表示とすれば >>18 により
I = c[a', b' + ω] となる。

c は有限個(c = 1 のときは 0 個)の素数の積となるから、
cZ[ω] を素イデアルの積に分解するのは >>47>>49 により
有限回の手続きで出来る。

[a', b' + ω] は原始イデアルだから >>90 で述べたように
[p, b' + ω] の形の素イデアルの積に分解される。
つまり、a' を有理整数の範囲で素因数分解すればよい。

92 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/27(月) 22:10:06 ]
問題
Q(√(-5)) において単項イデアル (3 + 5√(-5)) を素イデアルの積に
分解せよ。

答えだけじゃなくて解き方も書くこと。
誰か?

93 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/27(月) 22:25:46 ]
>>92

書き忘れたけど、素イデアルは標準基底で表すこと。

94 名前:聴講生 mailto:sage [2006/11/28(火) 07:49:16 ]
>>92
>>11より、ω=√(-5)とするとQ(√(-5))の整数環はZ[ω]
(3 + 5√(-5)) = <3 + 5√(-5),-25 + 3√(-5)>
>>10の手続きで標準基底を求める。
5と3は互いに素で、5・(-1) + 3・2 = 1 なので、
y_1 = 3 + 5√(-5),y_2 = -25 + 3√(-5),z_2 = -y_1 + 2y_2 とおくと
y_1 - 5z_2 = 268,y_2 - 3z_2 = 134
よって <3 + 5√(-5),-25 + 3√(-5)> = <268,134,81+√(-5)>
                        = [134,81+√(-5)]
これは原始イデアルで、134 = 2・67 だから
[134,81+√(-5)] = [2,81+√(-5)][67,81+√(-5)]


95 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/28(火) 09:24:25 ]
>>94

ご名答。

蛇足かもしれないが検算してみよう。

N(3 + 5√(-5)) = 9 + 125 = 134 = 2・67 で67 は素数だから
(3 + 5√(-5)) はノルムが 2 と 67 の素イデアルの積となる。

[2,81+√(-5)] = [2,1+√(-5)] で
N(1+√(-5)) = 1 + 5 = 6
これは 2 で割れるから [2,81+√(-5)] はイデアルで(>>19)そのノルムは
2 である。よってこれは素イデアル。

[67,81+√(-5)] = [67,14+√(-5)]
N(14+√(-5)) = 196 + 5 = 201 = 3・67
よってこれも素イデアルでそのノルムは 67。

96 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/28(火) 15:18:28 ]
次の補題は周知だが後で必要になるので証明しておく。

97 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/28(火) 15:20:25 ]
補題(多項式のTaylor展開)

A を標数 0 の整域、つまり有理整数環 Z と同型な部分環をもつ
整域とする。
f(X) ∈ A[X] を次数 n ≧ 1 の A 係数の多項式とする。
a を A の任意の元とする。
このとき
f(X + a) = f(a) + f'(a)X + (f''(a)/2)(X^2) + ... (f^(n)(a)/n!)(X^n)

ここで f^(k)(a) は f(X) の k 次の導多項式 f^(k)(X) の
X = a での値である。
各 f^(k)(a)/k! は A の元である。つまり f^(k)(a) は k! で割れる。

証明
f(X + a) = c_0 + c_1X + c_2(X^2) + ... c_n(X^n)
とおく。ここで、c_0, ..., c_n は A の適当な元。

X = 0 を代入すると、
f(a) = c_0 となる。

f'(X + a) = c_1 + 2c_2X + ... nc_n(X^(n-1)) である。
X = 0 を代入すると、
f'(a) = c_1 となる。

f''(X + a) = 2c_2 + ... n(n-1)c_n(X^(n-2)) である。
X = 0 を代入すると、
f''(a) = 2c_2 となる。
A において 2 ≠ 0 で、A は整域だから c_2 は一意に決まり、
c_2 = f''(a)/2 である。

このように順次 c_k を決めていけばよい(正式には帰納法による)。
証明終



98 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/28(火) 20:39:27 ]
補題
f(X) ∈ Z[X] を次数 m ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。
f'(X) をその導多項式とする。つまり f'(X) = df(X)/dx である。
p を有理素数とする。

ある有理整数 n ≧ 1 に対して合同方程式
f(X) ≡ 0 (mod p^n) が根 a を持ち、f'(a) が p で割れないなら、
f(X) ≡ 0 (mod p^(n+1)) は
b ≡ a (mod p^n)
となる根 b を持つ。このような b は mod p^(n+1) で一意に決まる。

証明
f(a) ≡ 0 (mod p^n) だから、f(a) は p^n で割れる。
よって f(a) = (p^n)t となる有理整数 t がある。

>>97 より x を任意の有理整数とすると、
f(a + (p^n)x) ≡ f(a) + f'(a)(p^n)x (mod p^(n+1))
である。

よって
f(a + (p^n)x) = f(a) + f'(a)(p^n)x + (p^(n+1))r
となる有理整数 r がある。

よって
f(a + (p^n)x) = (p^n)(t + f'(a)x + pr)

仮定より f'(a) ≡ 0 (mod p) でないから
x に関する一次合同方程式
t + f'(a)x ≡ 0 (mod p)
は解け、その解 x は mod p で一意に決まる。
b = a + (p^n)x とおけばよい。
証明終

99 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/28(火) 20:45:39 ]
命題
f(X) ∈ Z[X] を次数 m ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。
f'(X) をその導多項式とする。つまり f'(X) = df(X)/dx である。
p を有理素数とする。
合同方程式
f(X) ≡ 0 (mod p) が根 a を持ち、f'(a) が p で割れないなら、

任意の有理整数 n ≧ 1 に対して合同方程式
f(X) ≡ 0 (mod p^n) が b ≡ a (mod p)
となる根 b を持つ。
このような b は mod p^n で一意に決まる。

証明
>>98 を n = 1 から初めて順次適用すればよい。

100 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/28(火) 21:50:10 ]
命題
f(X) ∈ Z[X] を次数 n ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。

m > 1 を有理整数で、m = (p_1)^(k_1)...(p_r)^(k_r)
を m の素因数分解とする。

明らかに f(X) ≡ 0 (mod m) の解 c は
各 i で f(X) ≡ 0 (mod (p_i)^(k_i)) の解でもある。

f(X) ≡ 0 (mod m) の解で mod m で合同なものを同一した集合を
S とする。よって |S| ≦ m である。

各 i に対し f(X) ≡ 0 (mod (p_i)^(k_i)) の 解で mod (p_i)^(k_i)
で合同なものを同一した集合を T_i とする。

f(X) ≡ 0 (mod m) の解 c に f(X) ≡ 0 (mod (p_i)^(k_i)) の解 c を
対応させることにより、S から T_i への写像 φ_i が定まる。
よって S から T = ΠT_i への写像 φ が定まる。
ここで、φ は φ(x) = (φ_1(x), ..., φ_r(x)) で定義される
写像である。

このとき φ は全単射である。

証明
中国式剰余定理(前スレの341)より明らか。

101 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/28(火) 21:58:42 ]
訂正

>>98
>補題
>f(X) ∈ Z[X] を次数 m ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。
>f'(X) をその導多項式とする。つまり f'(X) = df(X)/dx である。
>p を有理素数とする。


補題
f(X) ∈ Z[X] を次数 m ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。
f'(X) をその導多項式とする。つまり f'(X) = df(X)/dx である。
p を有理素数とする。
f(X) の最高次の係数は p で割れないとする。

102 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/28(火) 22:01:19 ]
訂正

>>99
>命題
>f(X) ∈ Z[X] を次数 m ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。
>f'(X) をその導多項式とする。つまり f'(X) = df(X)/dx である。
>p を有理素数とする。

命題
f(X) ∈ Z[X] を次数 m ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。
f'(X) をその導多項式とする。つまり f'(X) = df(X)/dx である。
p を有理素数とする。
f(X) の最高次の係数は p で割れないとする。

103 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/28(火) 22:05:55 ]
訂正

>>100
>命題
>f(X) ∈ Z[X] を次数 n ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。
>
>m > 1 を有理整数で、m = (p_1)^(k_1)...(p_r)^(k_r)
>を m の素因数分解とする。

命題
f(X) ∈ Z[X] を次数 n ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。

m > 1 を有理整数で、m = (p_1)^(k_1)...(p_r)^(k_r)
を m の素因数分解とする。
f(X) の最高次の係数は各 p_i で割れないとする。
この条件は、特に f(X) がモニックなら満たされることに注意しておく。

104 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/29(水) 20:48:31 ]
任意の有理素数 p が与えられたとき、それをノルムとするイデアルは
>>47>>49 で与えられている。

では、任意の有理整数 a ≧ 1 が与えられたとき、それをノルムと
するイデアルをすべて求めるにはどうしたらよいか?
この問題を考えよう。

まずイデアル I に対してそのノルム N(I) は I に含まれることに
注意する。
これは >>25 からもわかるし、Z[ω]/I が位数 N(I) の
アーベル群であることから、任意の整数 α ∈ Z[ω] に対して
N(I)α ∈ I となることからも分かる。
さらに、>>71 からも分かる。

したがって、 有理整数 a ≧ 1 をノルムとするイデアル I は
aZ[ω] を含むが Z[ω]/aZ[ω] は有限環だから、このような
イデアルは有限個である。

a = 1 なら I = Z[ω] だから a > 1 と仮定する。

105 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/30(木) 12:33:15 ]
>>47
>>49 より

2次体 Q(√m) の判別式を D とする。
p を素数とする。

1) p が D の約数 のとき pZ[ω] = P^2 となる。

2) D が p と素の場合。
 (a) D が mod p の平方剰余、
  または p = 2 で m ≡ 1 (mod 8) のとき
  pZ[ω] = PP' となる。 P ≠ P' である。

 (b) D が mod p の平方非剰余
  または p = 2 で m ≡ 5 (mod 8) のとき
  pZ[ω] は素イデアルである。

106 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/01(金) 17:14:17 ]
>>105 において、
1) の場合、p は Q(√m) において分岐するという。
2) (a)の場合、p は Q(√m) において完全分解するという。
2) (b)の場合、p は Q(√m) において分解しないという。

高木は、初等整数論講義において、完全分解する素数を第1種、
分解しない素数を第2種、
分岐する素数を第3種と呼んでいる。
我々はこの用語を使わないことにする。

分岐という言葉はリーマン面を複素数球面の被覆と見たときの
分岐点から来ている。
なぜリーマン面かというと、代数体と代数関数体の間に強い類似が
あるから。

107 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/01(金) 17:48:14 ]
1)
p が完全分解する素数で、(p) = PP' とする。

N(P) = N(P') = p である。

p^n をノルムにもつイデアルは (P^i)(P'^j) の形である。
ここで i + j = n である。

よってこのようなイデアルは n + 1 個ある。

2)
p が分解しない素数とする。すなわち (p) は素イデアルである。

N((p)) = p^2 だから
p^n をノルムにもつイデアルは (p)^i の形である。
ここで 2i = n である。

よって n が偶数のとき、このようなイデアルはただ 1 個である。
n が奇数のとき、このようなイデアルは存在しない。

3)
p が分岐する素数で、(p) = P^2 とする。

N(P) = p だから
p^n をノルムにもつイデアルは P^n の形である。
よってこのようなイデアルはただ 1 個である。

(高木の初等整数論講義)



108 名前:132人目の素数さん [2006/12/01(金) 21:43:10 ]
>106
> >>105 において、
> 2) (b)の場合、p は Q(√m) において分解しないという。
単なる茶々かもしれないが、英語では"inert"と言った筈。
(とは言っても直訳して"惰性的"、というのもセンスがないか…)

109 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/01(金) 22:56:46 ]
>>108

inert というのは Cohen の
A course in computational algebraic number thery
という長い題名の本で初めて知った。
これは英語でもそれほど流通していないのではないかな。

因みにこの本はいいね。今まで類書がほとんどなかったので貴重。
このスレでも参考にするつもり。
ただアルゴリズムの説明がプログラム作成
を前提としているので分かりにくい。

Neukirch の日本語訳の代数的整数論では不分解という言葉を
使っている。

110 名前:132人目の素数さん [2006/12/01(金) 23:01:17 ]
横浜のヤクザ林一家林組は、経営しているカラオケ屋バンガーローハウス中華街店で、
カラオケをしている時に機械を使い脳に電波ではいり、人をもて遊んでいる
だれにもばれないとおもってやりたい放題。そして気づかれないように思考盗聴、自殺、突然死、、マインドコントロール、誰かをずっと好きにさせるなど。
痛みやいやがらせや声を聞かせることもできる。

111 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/02(土) 00:48:00 ]
今度は素数べき p^n をノルムにもつ原始イデアルを求めよう。

1)
p が完全分解する素数で、(p) = PP' とする。

PP' = (p) は原始イデアルではないから、
(P^i)(P'^j) の形のイデアルで原始イデアルであるのは
i = 0 または j = 0 の場合のみである。

よって、p^n、n ≧ 1 をノルムにもつイデアルは P^n か P'^n である。
よってこのようなイデアルは2個ある。

2)
p が分解しない素数とする。

p^n、n ≧ 1 をノルムにもつイデアルは 2i = n として (p)^i であるが、
これは原始イデアルではない。

3)
p が分岐する素数で、(p) = P^2 とする。

p^n をノルムにもつイデアルは P^n の形であるが、
n ≧ 2 のときは P^n ⊂ P^2 ⊂ (p) となり、
P^n は原始イデアルではない。

n = 1 の場合は原始イデアルである。

112 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/02(土) 01:02:45 ]
有理整数 k ≧ 1 に対してそれをノルムとするイデアルの個数を
Φ(k)と書こう。

有理整数 a > 1 を素因数分解して a = Πp^n とする。
ここで p は a の相異なる素因子 を動く。
このときΦ(a) = ΠΦ(p^n) となることは明らかだろう。

>>107 により各 Φ(p^n) は求まっているから、Φ(a) も求まる。

>>107 より p が分解しない素数の場合、
p の指数 n が奇数なら、Φ(p^n) = 0 である。
よって Φ(a) = 0 であことに注意しておく。

a をノルムとする各イデアルを素イデアルの積と表す方法も
明らかだろう。

113 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/02(土) 02:25:45 ]
>>111 の 1) 即ち p が完全分解する素数で、(p) = PP' のとき
任意の有理整数 n ≧ 1 に対して P^n が原始イデアルであることを
示そう。

P^n が原始イデアルでないとすると 、P^n ⊂ (q) となる素数 q がある。
よって N(P^n) = p^n は q で割れる。よって p = q である。
よって P^n ⊂ (p) = PP' となり、P^n ⊂ P' である。
P' は素イデアルだから P ⊂ P' したがって P = P' となり、
P ≠ P' に矛盾する。

114 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/02(土) 09:42:57 ]
補題
2次体 Q(√m) において P と L が素イデアルで P^r と L^s が
原始イデアルとする。ここで r, s ≧ 1 である。
N(P) と N(L) が素なら (P^r)(L^s) も原始イデアルである。

証明
(P^r)(L^s) が原始イデアルでないとすると 、(P^r)(L^s) ⊂ (q) となる
素数 q がある。
N(P) と N(L) が素だから (q) の素イデアル分解を考えることにより
P^r ⊂ (q) または L^s ⊂ (q) となることがわかる。
これは矛盾である。
証明終

115 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/02(土) 10:05:42 ]
有理整数 k ≧ 1 に対してそれをノルムとする原始イデアルの個数を
Ψ(k)と書こう。

有理整数 a > 1 を素因数分解して a = Πp^n とする。
ここで p は a の相異なる素因子 を動く。
このとき >>111>>114 より Ψ(a) = ΠΨ(p^n) となる。

>>111(>>113 も参照) により各 Ψ(p^n) は求まっているから
Ψ(a) も求まる。

a をノルムとする各原始イデアルを素イデアルの積と表す方法も
明らかだろう。

116 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/02(土) 10:40:10 ]
>>112 により与えられた有理整数 a > 1 をノルムとする各イデアルを
素イデアルの積という形で求めることが出来た。
このイデアルの標準基底を求めることを考えよう。

任意のイデアルは有理整数と原始イデアルの積である(>>18)。
a = N(I) として、 I = cJ とする。ここで c は有理整数 c ≧ 1 で
J は原始イデアルである。
このとき a = (c^2)N(J) となる。

従って a をノルムとするイデアルの標準基底を求めるには、
a を任意の平方数 c^2 で割り、a = (c^2)k としたとき、
k をノルムとする原始イデアルの標準基底を求めればよい。

よって、問題は原始イデアルの場合に帰着する。

さらに、この問題は >>111>>114 より以下の二つの問題に帰着する。

1) I と J が原始イデアルで、N(I) と N(J) が素とする。
それぞれその標準基底から IJ の標準基底を求めよ。

2) p が完全分解する素数(>>106)で p = PP' とする。
n を任意の有理整数としたとき、P の標準基底から
P^n の標準基底を求めよ。

117 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/02(土) 11:03:16 ]
訂正

>>116
>2) p が完全分解する素数(>>106)で p = PP' とする。
>n を任意の有理整数としたとき、P の標準基底から
>P^n の標準基底を求めよ。

2) p が完全分解する素数(>>106)で p = PP' とする。
n ≧ 1 を任意の有理整数としたとき、P の標準基底から
P^n の標準基底を求めよ。



118 名前:132人目の素数さん [2006/12/02(土) 12:04:29 ]
>109
> inert というのは(中略)
> 英語でもそれほど流通していないのではないかな。
そうでもない。例えば
"Algebraic Number Theory"           Frohlich、Taylor
"Algebraic Numbers and Algebraic Functions"  P. M. Cohn
"An Introductions to Rings and Modules"    Berrick, Keating
ま、名前より内容の方が大事なんだけどね。

> Cohen の A course in computational algebraic number thery
> (中略)はいいね。
確か、続編もあった筈。
似たような本としてPohst, Zassenhausというのがあったような。

119 名前:132人目の素数さん [2006/12/02(土) 12:36:02 ]
恐れ入りました

120 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/02(土) 13:24:29 ]
>>118
>確か、続編もあった筈。
>似たような本としてPohst, Zassenhausというのがあったような。

続編も持ってる。
これは相対代数体を扱ってる。
類体の構成もやってるんで面白そう。
まだ読んでないが。

しかしCohenは円分体の類数計算を扱ってないのが不思議。

Pohst, ZassenhausはCohenの前に出たもの。
Cohenと重なる部分が多そうなんで持ってない。

121 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/02(土) 14:41:27 ]
命題(高木の初等整数論講義)
I = [a, r + ω] と J = [b, s + ω] を原始イデアルの標準基底での
表示とする。
a と b が素なら IJ = [ab, t + ω] である。

ここで t は連立合同方程式
t ≡ r (mod a)
t ≡ s (mod b)
の解である。

証明
>>34 より
I = [a, t + ω]
J = [b, t + ω]

N(t + ω) ∈ I だから N(t + ω) は a で割れる。
N(t + ω) ∈ J だから N(t + ω) は b で割れる。

a と b は素だから N(t + ω) は ab で割れる。

よって >>19 より [ab, t + ω] はイデアルである。
>>81 より [ab, t + ω] = [a, t + ω][b, t + ω] である。
証明終

122 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2006/12/02(土) 14:44:01 ]
1

123 名前:132人目の素数さん [2006/12/02(土) 15:36:22 ]
さすが高木というかこのあたりを書いた本は非常に少ないのでは
ないかな。こちらもそんなに多く読んだわけではないので
はっきりは分からないが。

一般的に、構成的な方法で代数的整数論を展開するのは現代では
まれだよね。近現代ではと言ったほうがいいかな。
最近では構成的な方法はコンピュータや暗号との関係で見直されている。
歴史は繰り返すってやつだね。
昔の数学は構成的なのが多かった。
例えば、消去法なんてのもそうだし。
前に触れた不変式論もそう。
これ等は最近(といっても20、30年ほど前からだが)
見直されてきている。

124 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/03(日) 10:40:03 ]
補題
2次体 Q(√m) において
p が完全分解(>>106)する奇素数で p = PP' とする。
P = [p, b + ω] とする。

n ≧ 1 を任意の有理整数としたとき、
P^n = [p^n, r + ω] となる。

ここで r ≡ b (mod p) であり、さらに

m ≡ 1 (mod 4) なら
(2r + 1)^2 ≡ m (mod p^n)

m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) なら
r^2 ≡ m (mod p^n)

証明
>>113 より P^n は原始イデアルである。
N(P^n) = p^n だから
適当な r により P^n = [p^n, r + ω] と書ける。

r + ω ∈ [p, b + ω] だから
r - b = r + ω - (b + ω) ∈ [p, b + ω] となり、
r ≡ b (mod p) である。

残りは >>37 の証明と同様である。
証明終

125 名前:132人目の素数さん [2006/12/03(日) 13:04:04 ]
補題
2次体 Q(√m) において
2 が完全分解(>>106)し 2 = PP' とする。
このとき m ≡ 1 (mod 8) である(>>49)。

P = [2, b + ω] とする。ここで b = 0 または 1 である。

n ≧ 1 を任意の有理整数としたとき、
P^n = [2^n, r + ω] となる。

ここで r ≡ b (mod 2) であり、さらに
(2r + 1)^2 ≡ m (mod 2^(n+2))
である。

証明
>>113 より P^n は原始イデアルである。
N(P^n) = 2^n だから
適当な r により P^n = [2^n, r + ω] と書ける。

r + ω ∈ [2, b + ω] だから
r - b = r + ω - (b + ω) ∈ [2, b + ω] となり、
r ≡ b (mod 2) である。

m ≡ 1 (mod 8) だから
N(r + ω) = N(r + (1 + √m))/2) = N((2r + 1 + √m)/2)
= ((2r + 1)^2 - m)/4
よって ((2r + 1)^2 - m)/4 ≡ 0 (mod 2^n)
よって (2r + 1)^2 ≡ m (mod 2^(n + 2) となる。
証明終

126 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/03(日) 13:09:00 ]
>>124 の r は >>98 を n = 1 から初めて順次適用すれば求まる。


127 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/03(日) 13:33:44 ]
補題
a を有理整数で a ≡ 1 (mod 8) とする。
n ≧ 3 とし
x^2 ≡ a (mod 2^n) の根の一つを b とする。

このとき b + 2^n または b + 2^(n-1) のどちらか一方は
x^2 ≡ 1 (mod 2^(n+1) の根である。

証明
b^2 = a + (2^n)t とする。

(b + 2^n)^2 = b^2 + 2^(n+1)b + 2^(2n)
= a + (2^n)t + 2^(n+1)b + 2^(2n) ≡ a + (2^n)t (mod 2^(n+1))

よって t が偶数なら
b + 2^n が x^2 ≡ 1 (mod 2^(n+1)) の根である。

次に t が奇数の場合を考える。
n ≧ 3 だから 2n - 2 ≧ n + 1 である。
さらに b は奇数である。

よって
(b + 2^(n-1))^2 = b^2 + (2^n)b + 2^(2n-2)
≡ a + (2^n)t + (2^n) (mod 2^(n+1))
≡ a + (2^n)(t + 1) (mod 2^(n+1))

よって t が奇数なら b + 2^(n-1) が
x^2 ≡ 1 (mod 2^(n+1)) の根である。
証明終



128 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/03(日) 13:36:53 ]
>>125 の r は >>127 を順次適用すれば求まる。


129 名前:132人目の素数さん [2006/12/03(日) 14:17:54 ]
くんまー拡大!

130 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/03(日) 14:25:51 ]
>>104 で提出した問題、
任意の有理整数 a ≧ 1 が与えられたとき、それをノルムと
するイデアルをすべて求めるにはどうしたらよいか?

は以上で解決したとみていいだろう。

131 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/03(日) 18:11:51 ]
問題
Q(√(-5)) において、ノルムが10以下のイデアルの標準基底と
その素イデアル分解を求めよ。素イデアル分解に現れる素イデアルも
標準基底で表すこと。
答えだけでいい。
だれか?


ノルム4のイデアル
[2, 2√(-5)] = [2, 1 + √(-5)]^2

132 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/04(月) 13:52:03 ]
>>131 へのヒントもこめて、以下に今までのまとめを述べる。

有理整数 a > 1 を素因数分解して a = Πp^n とする。
a をノルムとするイデアルを素イデアルの積と表す方法
>>107>>112 による。
>>107 において
1) p が完全分解する素数で、(p) = PP' とする。
p^n をノルムにもつイデアルは (P^i)(P'^j) の形である。
ここで i + j = n である。

この場合 P^i と (P')^j を標準基底で表す方法は >>124, >>126,
>>125, >>127 による。

P^i と (P')^j はともに原始イデアルである。

2) p が分解しない素数とする。
p^n、n ≧ 1 をノルムにもつイデアルは n が偶数なら 2i = n として
(p)^i である。

n が奇数なら p^n をノルムにもつイデアルはない。

3) p が分岐する素数で、(p) = P^2 とする。
p^n をノルムにもつイデアルは P^n の形である。
n = 2k + r とする。ここで r = 0 または 1 である。
P^n = (p^k)P^r となる。

r = 0 のときは P^n = P^(2k) = (p)^k である。
r = 1 のとき、P^n = (p^k)P であるが、P の標準基底 [p, b + ω] は
>>47>>49 で求まっている。
(続く)

133 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2006/12/04(月) 17:25:36 ]
2

134 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2006/12/04(月) 17:26:37 ]
1

135 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/04(月) 20:03:40 ]
>>132 の 1) の補足

1) p が完全分解する素数で、(p) = PP' とする。
p^n をノルムにもつイデアルは (P^i)(P')^j の形である。
ここで i + j = n である。

i ≦ j のとき (P^i)(P')^j = (P^i)(P')^i(P')^(j-i)
= (p^i)(P')^(j-i)
である。

同様に、
j ≦ i のとき (P^i)(P')^j = (P^j)(P')^j(P)^(i-j)
= (p^j)(P)^(i-j)
である。

いずれにしても (p^k) の形のイデアルと原始イデアルの積になる。

136 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/04(月) 20:20:49 ]
>>132>>135 より a = Πp^n をノルムとするイデアル I は
(n)ΠI_p の形になる。

ここで n はある有理整数であり、 I_p は原始イデアルで、
そのノルムは p のべきである。

>>121 より ΠI_p は原始イデアルあり、その標準基底も求まる。

ΠI_p = [s, r + ω] とすれば
I = (n)[s, r + ω] = [ns, nr + nω] となる。
これが a をノルムとするイデアル I の標準基底による表示である。

137 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/04(月) 20:25:07 ]
>>136

ΠI_p は Π(I_p) と書いたほうが見やすかった。



138 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/04(月) 20:40:52 ]
>>132, >>135, >>136 より >>131 の問題は機械的に解けるはず。
誰か?

139 名前:132人目の素数さん [2006/12/05(火) 12:26:44 ]
>>131 は難しいのかな?

140 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/05(火) 17:28:07 ]
わかるところだけでいいけど
誰か?

141 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/05(火) 17:32:40 ]
このスレで分からないところがあったらどんどん質問してください。

142 名前:聴講生 mailto:sage [2006/12/05(火) 18:18:22 ]
今見ました。今からバイトなのでもうちょっと待って頂けると嬉しいかも。

143 名前:聴講生 mailto:sage [2006/12/06(水) 01:00:11 ]
>>131
ノルムが1→[1, √(-5)]
ノルムが2→P_2 = [2, 1 + √(-5)]
ノルムが3→P_3 = [3, 1 + √(-5)],P'_3 = [3, -1 + √(-5)]
ノルムが4は例の通り
ノルムが5→P_5 = [5, √(-5)]
ノルムが6→[6, 1 + √(-5)] = (P_2)(P_3),[6, -1 + √(-5)] = (P_2)(P'_3)
ノルムが7→[7, 3 + √(-5)],[7, -3 + √(-5)]
ノルムが8→[4, 2 + 2√(-5)] = (P_2)^3
ノルムが9→[9, -2 + √(-5)] = (P_3)^2,[9, 2 + √(-5)] = (P'_3)^2,
        [3, 3√(-5)] = (P_3)(P'_3)
ノルムが10→「10, 5 + √(-5)] = (P_2)(P_5)

144 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/06(水) 12:04:59 ]
>>143

有難うございます。
正解です。

145 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/06(水) 12:50:26 ]
問題
Q(√(-5)) において、イデアル [2, 1 + √(-5)] は単項イデアル
ないことを証明せよ。

146 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/06(水) 12:54:08 ]
訂正

>>145

Q(√(-5)) において、イデアル [2, 1 + √(-5)] は単項イデアルで
ないことを証明せよ。

147 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/06(水) 17:37:59 ]
問題
Dedekind 整域が一意分解整域であれば単項イデアル整域である。
これを証明せよ。



148 名前:聴講生 mailto:sage [2006/12/07(木) 00:21:38 ]
>>146
[2, 1 + √(-5)] のノルムは 2 なので、
これが a + b√(-5) ∈ Z[√(-5)] で生成される
単項イデアルであるとすると、 a^2 + 5b^2 = 2
しかし此れを充たす整数 a, b は存在しないので
[2, 1 + √(-5)] は単項イデアルでない。

>>147
任意の素イデアルが単項イデアルであることを示せば充分。
ある素イデアルの生成元の一つを x とし、
x = (x_1)・・・(x_n), x_i は素元
を x の素元分解とすると、x_1〜x_n の少なくとも一つは
その素イデアルに含まれるので、素イデアルは素元で生成される。
素元の生成するイデアルは素イデアルであるので、
もとの素イデアルは単項イデアルとなる。

149 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/07(木) 09:18:50 ]
>>148

有難うございます。
正解です。

他の人のために補足します。

>[2, 1 + √(-5)] のノルムは 2 なので、
>これが a + b√(-5) ∈ Z[√(-5)] で生成される
>単項イデアルであるとすると、 a^2 + 5b^2 = 2

これは N(a + b√(-5)) = a^2 + 5b^2 と >>75 を使っています。

>素元の生成するイデアルは素イデアルであるので、
>もとの素イデアルは単項イデアルとなる。

ここでは、Dedekind 整域では 0 でない素イデアルは極大なので
これ等の素イデアルの間には真の包含関係がないことを使っています。

さらに、Dedekind 整域では任意の 0 でないイデアルは素イデアルの
積となるので、単項イデアルの積としてやはり単項イデアルとなります。

150 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 11:18:40 ]
>>146>>147 より Q(√(-5)) は一意分解整域でないことがわかる。

Q(√(-5)) は一意分解整域でない整域のもっとも身近な例として
有名であり、ほとんどの代数学の教科書に書いてある。
しかし、その証明はここに述べたものよりやや天下り的なものが多い。

151 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 12:04:56 ]
>>146 より Q(√(-5)) の素イデアルは必ずしも単項ではない。
では、どのような素イデアルが単項なのか?
この問題は自然だし興味がもてるだろう。

素イデアル P のノルムは p または p^2 である。
ここで p は有理素数。

N(P) = p^2 のときは P = (p) であり、P は単項である。
よって N(P) = p となる場合のみ考えればよい。
この場合、P が単項であるためには >>148 と同様にして
p = a^2 + 5(b^2) となる有理整数 a, b が存在することが
必要十分であることがわかる。

まず p が分岐する素数、つまり p = 2 または p = 5 の場合を考える。
p = 2 のときは >>148 より N(P) = 2 となる素イデアルは
存在しない。
p = 5 のときは、5 = a^2 + 5(b^2) を満たすのは a = 0, b = ±1 のとき
だけである。よって N(P) = 5 となる素イデアルは (√(-5)) のみである。

残るのは p が完全分解する素数の場合だけである。

152 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 13:50:05 ]
問題
p = a^2 + 5(b^2) となる有理整数 a, b が存在するような素数 p で
100 以下のものを全て求めよ。

153 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2006/12/09(土) 14:11:35 ]
>>152
(a,b) p
(0,1) 5, (2,3) 29, (1,6)41, (3,4) 61, (4,3) 89
ただ計算しました。

154 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 14:31:13 ]
>>153

正解です。
計算方法を書いておきます。

a^2 + 5(b^2) ≦ 100 より 5(b^2) ≦ 100 となり b^2 ≦ 20
よって b ≦ 4 となる。
b = 0 のとき a^2 は素数でないから b = 0 は除外する。
すると、a^2 + 5 ≦ 100 より a^2 ≦ 95 よって a ≦ 9

0 ≦ a ≦ 9
1 ≦ b ≦ 4
のとき (a, b) = a^2 + 5(b^2)の値を計算した結果を以下に書く。
数字の横に * が付いてるのはそれが素数であることを示している。

155 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 14:32:09 ]
(0, 1) = 5*
(0, 2) = 20
(0, 3) = 45
(0, 4) = 80
(1, 1) = 6
(1, 2) = 21
(1, 3) = 46
(1, 4) = 81
(2, 1) = 9
(2, 2) = 24
(2, 3) = 49
(2, 4) = 84
(3, 1) = 14
(3, 2) = 29*
(3, 3) = 54
(3, 4) = 89*

続く

156 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 14:33:10 ]
(4, 1) = 21
(4, 2) = 36
(4, 3) = 61*
(4, 4) = 96
(5, 1) = 30
(5, 2) = 45
(5, 3) = 70
(5, 4) = 105
(6, 1) = 41*
(6, 2) = 56
(6, 3) = 81
(6, 4) = 116
(7, 1) = 54
(7, 2) = 69
(7, 3) = 94
(7, 4) = 129
(8, 1) = 69
(8, 2) = 84
(8, 3) = 109*
(9, 1) = 86

157 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 14:43:39 ]
>>153

今、いま気付いたけど、a と b が一部反対になっています。



158 名前:132人目の素数さん [2006/12/09(土) 14:59:44 ]
p=(a+1)^2+5a^2,a^2+5(a+1)^2


159 名前:132人目の素数さん [2006/12/09(土) 15:00:44 ]
p=5b^2 mod a
=a^2 mod b

160 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2006/12/09(土) 15:11:24 ]
何か高校数学で出てきそうな問題ですね。
敢えて難しい定理を用いて解けという出題意図なのかと思った。

161 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 15:18:02 ]
p を Q(√(-5)) で完全分解(>>106)する素数とする。
p ≠ 5 である。

p = a^2 + 5(b^2) が有理整数解 (a, b) をもつための条件を求める。

まず
a^2 ≡ p (mod 5)
つまり Legendre の記号(前スレ3の746)を使えば
(p/5) = 1 である。

1^2 ≡ 1 (mod 5)
2^2 ≡ 4 (mod 5)
3^2 ≡ 4 (mod 5)
4^2 ≡ 1 (mod 5)
だから

p ≡ 1 (mod 5)
または
p ≡ 4 (mod 5)
である。

162 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 15:28:53 ]
一方 p は Q(√(-5)) で完全分解(>>106)するから、 >>105 より
(-5/p) = 1 である。

(-5/p) = (-1/p)(5/p)
であり、
平方剰余の相互法則(前スレ3の751)より
(5/p)(p/5) = 1 である。

>>161 より (p/5) = 1 だったから (5/p) = 1
よって (-1/p) = 1 である。

(-1/p) = (-1)^((p-1)/2) だから
(p-1)/2 は偶数である。
よって p ≡ 1 (mod 4) となる。

>>161
p ≡ 1 (mod 5)
または
p ≡ 4 (mod 5)
と組み合わせて

p ≡ 1 (mod 20)
または
p ≡ 9 (mod 20)
である。

163 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 15:33:32 ]
>>162
>(-1/p) = (-1)^((p-1)/2) だから

これは平方剰余の第一補充法則と呼ばれている。

前スレ3の747の
4) (a/p) ≡ a^{(p - 1)/2} (mod p)
から直ちにでる。

164 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 15:38:37 ]
>>160

簡単な計算ですが、こういう計算が初等整数論では重要な場合あります。

165 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 15:41:33 ]
>>161
>p ≠ 5 である。

p ≠ 2 でもあることに注意しておく。

166 名前:132人目の素数さん [2006/12/09(土) 15:49:04 ]
p=a^2+b^2 mod 4
=a^2-b^2 mod 6

167 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 15:50:48 ]
>>162 の結果

p ≡ 1 (mod 20)
または
p ≡ 9 (mod 20)

を満たす 100 以下の素数を求めてみよう。

100以下の整数 ≧ 1 で 20k + 1 の形のものは

21, 41, 61, 81

20k + 9 の形のものは

29, 49, 69, 89

これ等のなかで素数なのは
29, 41, 61, 89

これは >>153 と 5 を除いて一致する。



168 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 16:57:51 ]
>>167 から次の予想をするには支持データ数が足りないだろう。
しかし、この予想は正しいことを後で証明する。

予想
p を 5 以外の有理素数とする。
p = a^2 + 5(b^2) となる有理整数 a, b が存在するためには、

p ≡ 1 (mod 20)
または
p ≡ 9 (mod 20)

が必要十分である。

169 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21:02:14 ]
命題
A を Dedekind 整域、K をその商体とする。
I, J を A の分数イデアル(前スレ2の677) とし、
IJ = A とする。ここで IJ は集合 { xy; x ∈ I, y ∈ J } で生成される
K の A-部分加群である。
このとき J = { x ∈ K; xI ⊂ A } である。

証明
L = { x ∈ K; xI ⊂ A } とおく。

IJ = A だから J ⊂ L である。
よって IJ ⊂ IL である。

L の定義より IL ⊂ A だから IJ ⊂ IL ⊂ A となる。

IJ = A より IL = A となる。

IL = A の両辺に J を掛けて JIL = J
JIL = (IJ)L = L だから L = J
証明終

170 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21:09:57 ]
証明からわかるように >>169 の命題の仮定で A は Dedekind 整域で
ある必要はなかった。

171 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21:17:11 ]
問題
A を Dedekind 整域とする。
P ≠ 0 を A の素イデアルで a ≠ 0 を P の元とする。
このとき (a) = PI となるイデアル I がある。

172 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21:24:57 ]
問題
A を Dedekind 整域、K をその商体とする。
P ≠ 0 を A の素イデアルとし、P^(-1) = { x ∈ K; xP ⊂ A }
とおく。
P^(-1) は A の分数イデアルで PP^(-1) = A である。

173 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21:26:53 ]
問題
A を Dedekind 整域、K をその商体とする。
I ≠ 0 を A のイデアルとし、I^(-1) = { x ∈ K; xP ⊂ A }
とおく。
I^(-1) は A の分数イデアルで II^(-1) = A である。

174 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21:31:31 ]
問題
>>173 において I は A の分数イデアルとしてもよい。

175 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21:32:01 ]
問題
A を Dedekind 整域とする。
I ≠ 0 と J ≠ 0 を A のイデアルとし、I ⊂ J とする。
このとき I = JL となるイデアル L がある。

176 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21:35:15 ]
命題
A を Dedekind 整域とする。
A の分数イデアル全体は乗法に関して群になる。

証明
>>174 より明らか。

177 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21:40:01 ]
定義
A を Dedekind 整域とする。
A の分数イデアル全体は乗法に関して群になる(>>176)。
この群を A のイデアル群と呼び I(A) と書く。



178 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21:43:57 ]
定義
A を Dedekind 整域、K をその商体とする。
K の元 x ≠ 0 に対して xA は分数イデアルである。
この形の分数イデアルを単項分数イデアルまたは主分数イデアルと
呼ぶ。

179 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21:46:12 ]
定義
A を Dedekind 整域とする。
A の主分数イデアル(>>178)全体は乗法に関して群になる。
この群を A の主イデアル群と呼び P(A) と書く。

180 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21:49:51 ]
定義
A を Dedekind 整域とする。
A のイデアル群 I(A) を主イデアル群 P(A) で割った剰余群 I(A)/P(A)
をA のイデアル類群と呼び Cl(A) と書く。

181 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21:57:13 ]
A を Dedekind 整域とする。
前スレ2の 541 よりイデアル類群 Cl(A) は標準的に A の Picard 群
Pic(A) に同型であることを注意しておく。

182 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 22:27:17 ]
問題
A を Dedekind 整域とする。
A の任意の分数イデアルは I/J の形に書ける。ここで I, J は
A のイデアルで I/J は I(J^(-1)) を表す。

183 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 22:32:29 ]
問題
A を Dedekind 整域とする。
A の分数イデアル M に対して M = I/J とする。
ここで I, J は A のイデアルである。
このとき N(I)/N(M) は、M = I/J となる I, J の取り方によらない。

184 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 22:35:12 ]
訂正

>>183
>このとき N(I)/N(M) は、M = I/J となる I, J の取り方によらない。

このとき N(I)/N(J) は、M = I/J となる I, J の取り方によらない。

185 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 22:39:49 ]
定義
A を Dedekind 整域とする。
A の分数イデアル M に対して M = I/J とする。
ここで I, J は A のイデアルである。
>>182 よりこのようなイデアルは存在する。
>>183 より N(I)/N(J) は M = I/J となる I, J の取り方によらない。
N(I)/N(J) を M のノルムと呼び N(M) と書く。

明らかに、この定義は M がイデアルのときのノルムの拡張になっている。

186 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 22:48:05 ]
A を Dedekind 整域とする。
A のイデアルのことを A の分数イデアルと区別して整イデアル
ともいう。
しかし、このスレでは通常、単にイデアルと呼ぶことにする。

定義(前スレ2の677)からイデアルは、分数イデアルでもある。

187 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 22:52:57 ]
2次体 Q(√m) においては、誤解のない限り、Q(√m) の整数環 Z[ω] の
分数イデアルのことを Q(√m) の分数イデアルとも言う。



188 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 23:09:53 ]
問題
2次体 Q(√m) のイデアル I ≠ 0 に対して、I^(-1) = [r, s + tω] と
書ける。ここで r, s, t は適当な有理数である。
I を標準基底 [a, b + cω] で表したとき、r, s, t を a, b, c から
求めよ。

189 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 23:13:47 ]
問題
2次体 Q(√m) の任意の分数イデアル M は M = [r, s + tω] と
書ける。ここで r, s, t は適当な有理数である。

190 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 23:17:13 ]
問題
2次体 Q(√m) の分数イデアル M を M = [r, s + tω] と
表したとき、N(M) = rt であることを証明せよ。
ここで r, s, t は適当な有理数である。

191 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 23:20:17 ]
問題
2次体 Q(√m) の分数イデアル L, M に対して、
N(LM) = N(L)N(M) となることを証明せよ。

192 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 23:22:02 ]
訂正

>>186
>定義(前スレ2の677)からイデアルは、分数イデアルでもある。

定義(前スレ2の677)から0でないイデアルは、分数イデアルでもある。

193 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 23:44:30 ]
定義
A を Dedekind 整域とする。
A のイデアル類群(>>180) Cl(A) = I(A)/P(A) の各剰余類を A の
イデアル類と呼ぶ。

A が2次体 Q(√m) の整数環のとき、誤解の恐れがない限り
A のイデアル類を Q(√m) のイデアル類と呼ぶ。

194 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 23:51:58 ]
問題(高木の初等整数論)

2次体 Q(√m) の原始イデアル I = [a, b + ω] と J = [k, l + ω] が
同じイデアル類に属すとする。すなわち I = ρJ となる ρ ∈ Q(√m)
があるとする。
このとき θ = (b + ω)/a、ψ = (l + ω)/k とおくと、
θ = (pψ + q)/(rψ + s) となる。
ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = ±1 である。

195 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 23:58:11 ]
問題(高木の初等整数論)
以下のように >>194 の逆が成り立つ。

2次体 Q(√m) の原始イデアル I = [a, b + ω] と J = [k, l + ω] に
対して、θ = (b + ω)/a、ψ = (l + ω)/k とおく。

θ = (pψ + q)/(rψ + s) となるとする。
ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = ±1 である。

このとき ρ = rψ' + s とおくと I = ρJ となる。
さらに N(ρ) = ±(a/k) である。

196 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 01:55:54 ]
(a, b)/(c, d) は第一行が a, b で第2行が c, d である
2次の正方行列を表すことにする。

C を複素数体とし、GL_2(C) を C 上の2次の正則行列のなす群とする。
つまり C の元を成分とする行列 (a, b)/(c, d) で
ad - bc ≠ 0 となるもの全体のなす群である。

GL_2(C) は C ∪ {∞} に一次分数変換として作用する。

g = (a, b)/(c, d) で z ∈ C ∪ {∞} のとき
g(z) = (az + b)/(cz + d) である。
ただし、c ≠ 0 のとき
g(∞) = lim [z → ∞] (az + b)/(cz + d) = a/c とする。
c = 0 のとき g(∞) = lim [z → ∞] (az + b)/d = ∞ とする。

SL_2(R) を実数体の元を成分とする行列 (a, b)/(c, d) で
ad - bc = 1 となるもの全体のなす群とする。

同様に SL_2(Z) を有理整数を成分とする行列 (a, b)/(c, d) で
ad - bc = 1 となるもの全体のなす群とする。

197 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2006/12/10(日) 02:00:58 ]
モジュラー



198 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 02:07:27 ]
問題
SL_2(R) の元 g = (a, b)/(c, d) と z ∈ C に対して
g(z) = (az + b)/(cz + d) とおく。
ただし、cz + d ≠ 0 とする。
このとき Im(g(z)) = Im(z)/|cz + d|^2 である。

199 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 02:40:49 ]
H を複素上半平面とする。
即ち H = {z ∈ C ; Im(z) > 0 } である。

>>198 より SL_2(R) は H に作用する。

問題
g ∈ SL_2(R) で g(z) = z となる z ∈ H が3個以上あれば、
g = ±1 である。

200 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 02:51:55 ]
>>199 より PSL_2(R) = SL_2(R)/{±1} は H に忠実に作用する。
SL_2(Z)/{±1} をモジュラー群と呼ぶ。

201 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2006/12/10(日) 08:37:25 ]
ガイシュツかも知れんが…

pが奇素数のとき 次の不等式を示せ.
 Σ[r=1,p-1] { (r^2)/p - [r^2/p] } = (p-1)/2,  (p≡1 (mod 4))
 Σ[r=1,p-1] { (r^2)/p - [r^2/p] } < (p-1)/2,  (p≡3 (mod 4))
 ( [x] は Gaussの記号 )

messages.yahoo.co.jp/bbs?.mm=GN&action=m&board=1835554&tid=bdpbja1jiteybc0a1k&sid=1835554&mid=603
出題(不等式)

202 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 12:11:48 ]
問題
SL_2(R) の任意の元の固有方程式は以下の3種類である。

1) (X - 1)^2 = X^2 -2x + 1

2) (X + 1)^2 = X^2 +2x + 1

3) (X - λ)(X - 1/λ) ここで λ ≠ ±1

203 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 12:24:46 ]
問題
>>202 の 3) のタイプの行列 g は、さらに二つのタイプに分けられる。

a) λ は実数

この場合 |Tr(g)| > 2 である。

b) λ は実数でない
この場合 |λ| = 1 であり、|Tr(g)| < 2 である。

204 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 12:30:47 ]
定義
SL_2(R) の元 g は

|Tr(g)| = 2 のとき放物型という。
|Tr(g)| < 2 のとき楕円型という。
|Tr(g)| > 2 のとき双曲型という。

205 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 12:39:49 ]
ここで、線形代数の復習をしよう。

問題
K を代数的閉体とする。
K の元を成分とする n 次の正方行列 A は三角行列に相似である。
つまり、n 次の正則行列 P があり PAP^(-1) が三角行列になる。

206 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2006/12/10(日) 12:44:08 ]
>>kummerさん
もしかして保形関数(保形型式)の話しをやるのですか?

207 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 12:47:30 ]
問題
K を代数的閉体とする。
A を K の元を成分とする n 次の正方行列とする。
A の固有多項式を (X - λ_1)... (X - λ_n) とする。
ここで, λ_1, ... λ_n の中に同じものがあってもよい。

f(X) を K の元を係数とする次数1以上の多項式とする。
このとき f(A) の固有多項式は (X - f(λ_1))... (X - f(λ_n))
である。



208 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 12:51:44 ]
>>206

今はしないです。後でするかもしれないですが。
ここではモジュラー群の基本事項をやるだけです。

209 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 13:12:05 ]
問題
K を代数的閉体とする。
A を K の元を成分とする n 次の正方行列とする。
A がべき零、つまり A^m = 0 となる有理整数 m ≧ 1 があるためには
A の固有値がすべて0であることが必要十分である。
さらに、このとき A^n = 0 となる。

210 名前:132人目の素数さん [2006/12/10(日) 14:40:15 ]
訂正

>>204
>定義
>SL_2(R) の元 g は
>
>|Tr(g)| = 2 のとき放物型という。
>|Tr(g)| < 2 のとき楕円型という。
>|Tr(g)| > 2 のとき双曲型という。

定義
SL_2(R) の元 g, g ≠ ±1 は

|Tr(g)| = 2 のとき放物型という。
|Tr(g)| < 2 のとき楕円型という。
|Tr(g)| > 2 のとき双曲型という。

211 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 15:37:08 ]
問題
g ≠ ±1 を SL_2(R) の元とする。
g^m = 1 となる有理整数 m > 1 があるためには
g の固有値 λ がすべて λ^m = 1 かつ λ ≠ ±1 を満たすことが
必要十分である。

212 名前:132人目の素数さん [2006/12/10(日) 15:40:57 ]
万一、命題の証明や問題が間違っていた場合は、それを指摘することも
演習とするw

こちらも間違えることは当然ある。

213 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 18:16:11 ]
問題
>>198 より SL_2(R) は複素上半平面 H に作用するが、この作用は
推移的である。つまり、H の任意の2点 z, w に対して w = g(z)
となる g ∈ SL_2(R) がある。

214 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 18:25:38 ]
問題
SL_2(R) の複素上半平面 H への作用(>>198)において、虚数単位 i の
安定化部分群 { g ∈ SL_2(R) ; g(i) = i } は
特殊回転群 SO(2) = { g ∈ SL_2(R) ; g(g^t) = 1 } である。
ここで g^t は g の転置行列である。

215 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 18:29:31 ]
問題
g ∈ SL_2(R) で g(z) = z となる z ∈ H が1個以上あれば、
g = ±1 か g は楕円型(>>210)である。

216 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 18:35:55 ]
問題
SL_2(R) の位数有限の元は ±1 か楕円型(>>210)である。

217 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 18:37:30 ]
問題
g を SL_2(Z) の元で楕円型(>>210)とする。
g の特性多項式は

X^2 + 1
X^2 + X + 1
X^2 - X + 1

のどれかである。



218 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 18:40:47 ]
問題
g を SL_2(Z) の元で楕円型(>>210)とする。
g の位数は 3, 4, 6 のどれかである。

219 名前:132人目の素数さん [2006/12/10(日) 18:48:51 ]
きゃは!おもしろい。

220 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 19:07:38 ]
定義
2次体 Q(√m) において、αを任意の整数、β を 0 でない任意の整数
とする。
このとき、α = βγ + δ、 |N(δ)| < |N(β)| となる整数 γ、δ が
常に存在するとき Q(√m) は、ノルム Euclid 的であるという。

221 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 19:11:26 ]
問題
2次体 Q(√(-1)) はノルム Euclid 的である。

222 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 19:28:38 ]
>>196 以降は志村の
Introduction to the arithmetic theory of automorphic functions
を参考にしている。

223 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 19:38:09 ]
定義
複素上半平面 H の点 z に対して g(z) = z となる楕円型(>>210)の元
g ∈ SL_2(Z) が存在するとき、z を楕円点という。

224 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 21:15:43 ]
問題
g を SL_2(Z) の位数4の元とする。

Z[g] は2次の全行列環 M_2(Z) の部分環として
2次体 Q(√(-1)) の整数環 Z[√(-1)] に同型である。

225 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 21:19:09 ]
問題
g を SL_2(Z) の位数4の元とする。
Z[g] の元を Z^2 に左から作用させて Z^2 を Z[g]-加群とみなす。

このとき Z^2 は階数1の Z[g]-自由加群である。

226 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 21:26:08 ]
問題
g を SL_2(Z) の位数4の元とする。

g は (0, -1)/(1, 0) または (0, 1)/(-1, 0) に SL_2(Z) 内で
共役である。

なお、記法 (a, b)/(c, d) については >>196 を参照。

227 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 21:38:31 ]
問題
g を SL_2(Z) の位数3の元とする。

Z[g] は2次の全行列環 M_2(Z) の部分環として
2次体 Q(√(-3)) の整数環 Z[ρ] に同型である。
ここで、ρ = (-1 + √(-3))/2 = exp(2π√(-1)/3) である。



228 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 21:44:33 ]
問題
g を SL_2(Z) の位数3の元とする。
Z[g] の元を Z^2 に左から作用させて Z^2 を Z[g]-加群とみなす。

このとき Z^2 は階数1の Z[g]-自由加群である。

ヒント:
2次体 Q(√(-3)) の整数環 Z[ρ] は前スレ3の233から
ノルム Euclid 的(>>220)である。

229 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 21:46:53 ]
>>225
>>228

Z^2 の元は列ベクトルとみなす。

230 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 21:49:42 ]
問題
g を SL_2(Z) の位数3の元とする。

g は h = (0, -1)/(1, -1) または h^2 = (-1, 1)/(-1, 0) に
SL_2(Z) 内で共役である。

なお、記法 (a, b)/(c, d) については >>196 を参照。

231 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 21:59:55 ]
問題
g を SL_2(Z) の位数6の元とする。

g は -h = (0, 1)/(-1, 1) または -h^2 = (1, -1)/(1, 0) に
SL_2(Z) 内で共役である。

ここで h = (0, -1)/(1, -1) である。

232 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2006/12/10(日) 22:07:22 ]
>>201

・p≡1 (mod 4) のとき
 x^2 ≡ -1 (mod p) を満たすxがある。(-1 は平方剰余)
 よって、{k,p-k}の対は 共に平方剰余 または共に非剰余。
 x^2 ≡k, y^2≡p-k (mod p) なる x,y をとると、
 r=x,p-x ⇒ (r^2)/p - [(r^2)/p] = k/p,
 r=y,p-y ⇒ (r^2)/p - [(r^2)/p] = (p-k)/p,
 辺々たせば =1.
 平方剰余は (p-1)/2 個, すなわち (p-1)/4 対あるから、
 これは与式左辺のp-1項を尽くしている。

233 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 22:14:02 ]
定義
複素上半平面 H の楕円点 z の安定化部分群
{ g ∈ SL_2(R) ; g(z) = z } は有限巡回群である(>>218)。
この部分群の標準射 SL_2(Z) → SL_2(Z)/{±1} による像の位数を
この楕円点の位数という。

234 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 22:24:58 ]
問題
複素上半平面 H の楕円点 z の位数(>>233) は2または3である。

位数2の楕円点は √(-1) に SL_2(Z) の元の作用で移る。

位数3の楕円点は (-1 + √(-3))/2 = exp(2π√(-1)/3) に
SL_2(Z) の元の作用で移る。

235 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 22:52:20 ]
定義
複素上半平面 H の部分集合 D が以下の条件を満たすとき SL_2(Z) の
基本領域と呼ぶ。

1) D は H の連結開部分集合である。

2) D の任意の異なる2点は SL_2(Z) の作用で同値ではない。

3) H の任意の点は D の閉包のある点とSL_2(Z) の作用で同値である。

236 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 23:01:33 ]
D = { z ∈ H ; |Re(z)| < 1/2 かつ |z| > 1 } とおく。

D が SL_2(Z) の基本領域であることを示すのが次の目標である。

237 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 23:24:23 ]
SL_2(Z) の元 S, T を

S = (1, 1)/(0, 1)
T = (0, -1)/(1, 0)

で定義する。

S(z) = z + 1
T(z) = -1/z

である。



238 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 23:35:48 ]
問題
S = (1, 1)/(0, 1) と T = (0, -1)/(1, 0) で生成される SL_2(Z) の
部分群を G' とする。

複素上半平面 H の任意の点 z に対して { Im(g(z)) ; g ∈ G' } は
最大値をもつ。

239 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 23:50:28 ]
補題
z を複素上半平面 H の点で |z| < 1 とする。
このとき |T(z)| > 1 である。
ここで、T = (0, -1)/(1, 0) である。

証明
自明である。

240 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/11(月) 00:03:58 ]
問題
S = (1, 1)/(0, 1) と T = (0, -1)/(1, 0) で生成される SL_2(Z) の
部分群を G' とする。

>>238 より 複素上半平面 H の任意の点 z に対してある g ∈ G'
があり Im(g(z)) が最大値となる。

w = S^n(g(z)) とおく。つまり w = g(z) + n である。
|Re(w)| ≦ 1/2 となるように整数 n をとる。
このとき |Im(w)| ≧ 1 である。

つまり、w は
D~ = { z ∈ H ; |Re(z)| ≦ 1/2 かつ |z| ≧ 1 } の点である。

241 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/11(月) 00:45:26 ]
訂正

>>239 を次の問題に置き換える。

問題
z を複素上半平面 H の点で |z| < 1 とする。
w = -1/z とおく。
このとき Im(w) > Im(z) である。

242 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/11(月) 07:33:58 ]
>>205, >>207, >>209 は、ここでの話題とあまり関係ないかも
しれない。

他にもそのような問題があるかもしれないので、問題を解くのは
必要性がはっきりした時点にしたほうがよいかも知れない。

もちろん、解くのはなんら問題ない。

243 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/11(月) 10:25:47 ]
訂正

>>214
>特殊回転群 SO(2) = { g ∈ SL_2(R) ; g(g^t) = 1 } である。

特殊直行群 SO(2) = { g ∈ SL_2(R) ; g(g^t) = 1 } である。

244 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/11(月) 10:26:43 ]
もといw

特殊直交群 SO(2) = { g ∈ SL_2(R) ; g(g^t) = 1 } である。

245 名前:132人目の素数さん [2006/12/11(月) 18:51:32 ]
クンマー、ディリクレ

246 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/11(月) 19:45:09 ]
問題
H を複素上半平面とする。
即ち H = {z ∈ C ; Im(z) > 0 } である。

D = { z ∈ H ; |Re(z)| < 1/2 かつ |z| > 1 } とおく。

z ∈ D なら Im(z) > (√3)/2 である。

247 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/11(月) 20:16:43 ]
問題
z を |z| > 1 である任意の複素数とする。

|z + 1|^2 > 2(Re(z) + 1) である。



248 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/11(月) 20:34:48 ]
問題
H を複素上半平面とする。
即ち H = {z ∈ C ; Im(z) > 0 } である。

D = { z ∈ H ; |Re(z)| < 1/2 かつ |z| > 1 } とおく。

z ∈ D なら |z + d| > 1 である。
ここで d は |d| ≧ 1 である任意の実数である。

249 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/11(月) 21:13:22 ]
補題
H を複素上半平面とする。
即ち H = {z ∈ C ; Im(z) > 0 } である。

D = { z ∈ H ; |Re(z)| < 1/2 かつ |z| > 1 } とおく。

g を SL_2(Z) の元、z を D の点とし w = g(z) とおく。
g = (a, b)/(c, d) とする。
この記法 (a, b)/(c, d) については >>196 を参照。
即ち w = (az + b)/(cz + d) である。

Im(w) ≧ Im(z) なら c = 0 または ±1 である。

証明

>>198 より Im(w) = Im(z)/|cz + d|^2 である。

Im(w) ≧ Im(z) より Im(z)/|cz + d|^2 ≧ Im(z) となる。
よって Im(z) ≧ Im(z)|cz + d|^2 となる。
Im(z) > 0 だから
|cz + d| ≦ 1 となる。

y = Im(z) とおくと、cz + d の虚部は cy である。
よって |cz + d| ≦ 1 より |cy| ≦ 1 となる。
よって |c| ≦ 1/y となる。
一方、>>246 より y > (√3)/2 である。
よって |c| ≦ 2/√3 < 2 である。
よって c = 0 または ±1 である。
証明終

250 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/11(月) 21:16:16 ]
問題
H を複素上半平面とする。
即ち H = {z ∈ C ; Im(z) > 0 } である。

D = { z ∈ H ; |Re(z)| < 1/2 かつ |z| > 1 } とおく。

D の任意の異なる2点は SL_2(Z) の作用で同値ではない。

251 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/11(月) 21:22:18 ]
>>240>>250 より
D = { z ∈ H ; |Re(z)| < 1/2 かつ |z| > 1 } は
SL_2(Z) の基本領域(>>235)である。

252 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/11(月) 22:29:32 ]
訂正

>>233
>定義
>複素上半平面 H の楕円点 z の安定化部分群
>{ g ∈ SL_2(R) ; g(z) = z } は有限巡回群である(>>218)。
>この部分群の標準射 SL_2(Z) → SL_2(Z)/{±1} による像の位数を
>この楕円点の位数という。

定義
複素上半平面 H の楕円点 z の安定化部分群
{ g ∈ SL_2(Z) ; g(z) = z } は有限巡回群である(>>218)。
この部分群の標準射 SL_2(Z) → SL_2(Z)/{±1} による像の位数を
この楕円点の位数という。

253 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/16(土) 11:09:44 ]
D = { z ∈ H ; |Re(z)| < 1/2 かつ |z| > 1 } とおく。

D の閉包を [D] と書く。

[D] = { z ∈ H ; |Re(z)| ≦ 1/2 かつ |z| ≧ 1 } である。

E = { z ∈ [D] ; |z| = 1 }
= { z ∈ H ; |Re(z)| ≦ 1/2 かつ |z| = 1 }

L = { z ∈ [D] ; Re(z) = -1/2 }
= { z ∈ H ; Re(z) = -1/2 かつ |z| ≧ 1 }

R = { z ∈ [D] ; Re(z) = 1/2 }
= { z ∈ H ; Re(z) = 1/2 かつ |z| ≧ 1 }

とおく(それぞれの図を描かくとよい)。

[D] の境界は [D] - D であるが、
[D] - D = E ∪ L ∪ R
である。

F = { z ∈ E ; Re(z) ≦ 0 }
= { z ∈ H ; -1/2 ≦ Re(z) ≦ 0 かつ |z| = 1 }
G = D ∪ L ∪ F
とおく。

G = { z ∈ H ; -1/2 ≦ Re(z) < 1/2 かつ |z| ≧ 1 で
|z| = 1 のときは -1/2 ≦ Re(z) ≦ 0 }
である。

254 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/16(土) 11:30:14 ]
[D] の図は例えば

ttp://en.wikipedia.org/wiki/Modular_group

にある。

255 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/16(土) 12:22:19 ]
簡単のために H の2点が SL_2(Z) の作用で同値なことを単に同値と
いうことにする。

z = x + y√(-1) で |z| = 1 のとき
-1/z = (-x + y√(-1))/|z|^2 = -x + y√(-1)

よって変換 T(z) = -1/z は E = { z ∈ [D] ; |z| = 1 } の点を
虚軸に関して対称な点に写す。
よって、 E の点は F = { z ∈ E ; Re(z) ≦ 0 } の点と同値である。

変換 S^(-1)(z) = z - 1 は R = { z ∈ [D] ; Re(z) = 1/2 }
の点を L = { z ∈ [D] ; Re(z) = -1/2 } の点に写す。

よって [D] の任意の点は G = D ∪ L ∪ F の点に同値である。
>>240 より H の任意の点は [D] の点に同値だから、
結局 G の点に同値となる。

256 名前:132人目の素数さん [2006/12/16(土) 12:43:11 ]
定理の証明は見ずに自分で証明すること。

遅くとも学部四年になるまでには、こういう読み方を身に付けないと
いけない。

257 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/16(土) 14:44:50 ]
補題
G を >>253 の通りとする。
z ∈ G なら Im(z) ≧ (√3)/2 である。

証明
>>246 と同様である。



258 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/16(土) 14:46:47 ]
補題
z を |z| ≧ 1 である任意の複素数とする。
d を実数とし、|z + d| ≦ 1 とする。

このとき
d = 0 なら |z| = 1

d > 0 なら x ≦ -d/2
d < 0 なら x ≧ -d/2

証明
>>247 と同様の単純計算である。

259 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/16(土) 14:49:13 ]
補題
G を >>253 の通りとする。
z ∈ G とし d を有理整数とする。
さらに |z + d| ≦ 1 とする。

このとき d = 0 または d = 1 である。

d = 0 なら |z| = 1

d = 1 なら z = (-1 + √(-3))/2

証明
>>258 より明らかである。

260 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/17(日) 01:01:35 ]
補題
G を >>253 の通りとする。

g = (a, b)/(c, d) を SL_2(Z) の元とする。
なお、記法 (a, b)/(c, d) については >>196 を参照。

z, w ∈ G で w = g(z) = (az + b)/(cz + d) とする。

Im(w) ≧ Im(z)

なら c = 0 または c = ±1 である。

証明
>>249 の証明とほとんど同じである。
>>246 の代わりに >>257 を使う。

261 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/17(日) 01:14:21 ]
>>260 において c = 0 なら g = ±1 であり、w = z である。

証明
ad - bc = 1 だから c = 0 より a = d = ±1 である。
よって w = z ± d となる。
z と w は G に属するから d = 0 である。
証明終

262 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/17(日) 01:27:17 ]
>>260 において c = 1 なら d = 0 または d = 1 である。

d = 0 なら |z| = 1

d = 1 なら z = (-1 + √(-3))/2

である。

証明
Im(w) = Im(z)/|z + d|^2 ≧ Im(z)
より、|z + d| ≦ 1 となる。
よって >>259 より主張がでる。

263 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/17(日) 02:12:19 ]
>>262 において

d = 0 なら

w = z = √(-1) で g = (0, -1)/(1, 0)

または

w = z = (-1 + √(-3))/2 で g = (-1, -1)/(1, 0)

証明
ad - bc = 1 で c = 1 だから d = 0 なら b = -1 である。
よって w = a - 1/z である。

|z| = 1 で z ∈ G だから z ∈ F である。
ここで F は >>253 で定義された集合である。
|z| = 1 だから -1/z は虚軸に対して z と対称の位置にある。
w ∈ G だから a = 0 または a = -1 である。

a = 0 なら z = √(-1) で g = (0, -1)/(1, 0) よって w = -1/z = z

a = -1 なら z = (-1 + √(-3))/2 で g = (-1, -1)/(1, 0)
よって w = -1 - 1/z = (-z - 1)/z = z^2/z = z

ここで z は 1 の原始3乗根だから z^2 + z + 1 = 0 となることを
使った。
証明終

264 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/17(日) 02:42:15 ]
>>262 において

d = 1 なら w = z = (-1 + √(-3))/2 で g = (0, -1)/(1, 1)

証明
ad - bc = 1 で c = 1 だから d = 1 なら a - b = 1 である。
よって a = b + 1 である。

w = ((b + 1)z + b)/(z + 1) = b + z/(z + 1) = b - z/z^2 = b - 1/z

w ∈ G だから b = -1 である。
よって
w = (-z - 1)/z - z^2/z = z
証明終

265 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/17(日) 02:44:44 ]
訂正

>>264
>w = (-z - 1)/z - z^2/z = z

w = (-z - 1)/z = z^2/z = z

266 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/17(日) 03:02:42 ]
>>260 において c = -1 のときは -g = (-a, -b)/(-c, -d) で
w = -g(z) であるから c = 1 の場合の結果を適用できる。

つまり以下のようになる。

c = -1 なら d = 0 または d = -1 である。

d = 0 なら
w = z = √(-1) で g = (0, 1)/(-1, 0)
または
w = z = (-1 + √(-3))/2 で g = (1, 1)/(-1, 0)

d = 1 なら
w = z = (-1 + √(-3))/2 で g = (0, 1)/(-1, -1)

267 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/17(日) 03:53:47 ]
定理
G を >>253 の通りとする。

(1) 任意の z ∈ H に対して g(z) ∈ G となる g ∈ SL_2(Z) が
存在する。

(2) G の異なる2元は SL_2(Z) に関して同値ではない。

(3) z ∈ G に対して I(z) = { g ∈ SL_2(Z) ; g(z) = z } を
z の安定化部分群とする。

S = (1, 1)/(0, 1)
T = (0, -1)/(1, 0)
ρ = (-1 + √(-3))/2 = exp(2π√(-1)/3) とおく。

z が √(-1) でも ρ でもないとき I(z) = {±1}

z = √(-1) のとき I(z) = {±1, ±g}
ここで g = T

z = (-1 + √(-3))/2 = exp(2πi/3) のとき I(z) = {±1, ±g, ±g^2}
ここで g = TS = (0, -1)/(1, 1)

証明
(1)
>>255 で証明されている。

(2) と (3)
>>261 >>262 >>263 >>264 >>265 >>266 からわかる。
証明終



268 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/17(日) 04:10:06 ]
>>267 から >>234 の別証が得られたことになる。

269 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/17(日) 04:32:25 ]
定理
SL_2(Z) は S = (1, 1)/(0, 1) と T = (0, -1)/(1, 0) で生成される。

証明
S と T で生成される SL_2(Z) の部分群を K とおく。

D = { z ∈ H ; |Re(z)| < 1/2 かつ |z| > 1 } とおく。

D から任意の元 z を取る。
g を SL_2(Z) の任意の元とする。

>>240>>255 より hg(z) ∈ G となる h ∈ K が存在する。

>>267 の (2) より hg(z) = z である。
>>267 の (3) より hg = ±1 である。
よって g ∈ K となる。

証明終

270 名前:132人目の素数さん [2006/12/17(日) 06:41:46 ]
kummer さんの数式の書き方、きれいですね!
TeX いらないのでは!

271 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/17(日) 10:52:37 ]
>>270

有難うございます。
これだけ書いてるとさすがに上達しますw

272 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/17(日) 12:11:49 ]
定義
2次体 Q(√m) において m > 0 のとき Q(√m) を実2次体と呼ぶ。
m < のとき Q(√m) を虚2次体と呼ぶ。

273 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/17(日) 12:20:51 ]
定義
2次体 Q(√m) において m > 0 のとき Q(√m) を実2次体と呼ぶ。
m < のとき Q(√m) を虚2次体と呼ぶ。

Q(√m) が虚2次体のとき、√m = √(|m|) √(-1) と決めておく。
ここで √(|m|) は |m| の正の平方根である。

したがって、√m および ω (>>11) は複素上半平面にある。

274 名前:132人目の素数さん [2006/12/17(日) 12:42:07 ]
問題
z を複素数、a, b, c, d を実数とする。
ただし、cz + d ≠ 0 とする。

w = (az + b)/(cz + d) とおく。

このとき

Im(w) = (ad - bc)Im(z)/|cz + d|^2

である。

275 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/17(日) 12:49:19 ]
補題

虚2次体 Q(√m) の原始イデアル I = [a, b + ω] と J = [k, l + ω]
が同じイデアル類に属すとする。
すなわち I = ρJ となる ρ ∈ Q(√m) があるとする。
このとき θ = (b + ω)/a、ψ = (l + ω)/k とおくと、
θ = (pψ + q)/(rψ + s) となる。
ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = 1 である。

証明
>>194 より θ = (pψ + q)/(rψ + s) となる。
ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = ±1 である。

>>273 の規約より θ と ψ は複素上半平面にある。

よって >>274 より ps - qr = 1 である。

証明終

276 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/17(日) 15:35:27 ]
定義
代数的数(前スレ3の156) θ に対して Q(θ) が Q の n 次拡大で
あるとき θ を n 次の代数的数という。

θ は有理数係数の多項式 f(X) = a_0X^n + a_1X^(n-1) ... + a_n の
根となる。ここで a_0, ..., a_n の最大公約数は 1 であり、
a_0 > 0 である。

f(X) は θ により一意に決まる。

f(X) の判別式を θ の判別式という。

ここで f(X) の判別式について復習しよう。

f(X) の根を θ_0, ..., θ_(n-1) とする。

f(X) の根の差積をΔとする。つまり Δ = Π(θ_i - θ_j) である。
ここで積は i < j となる対 (i, j) 全体を動く。

D = Δ^2 は θ_0, ..., θ_(n-1) の対称式だから f(X) の係数の
多項式で表せる。よって D は有理整数である。

D を f(X) の判別式という。

277 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/17(日) 20:10:58 ]
A を環とする。

x と y を A の元を成分とする n 次の列ベクトルとしたとき
(x, y) は (x^t)y を表すとする。ここで x^t は x の転置であり、
x^t は行ベクトルになる。

S を A の元を成分とする n 次の対称行列とする。

2次形式 (x, Sx) = (x^t)Sx = (Sx, x)
を考える。これを S[x] と書く。

P を A の元を成分とする n 次の可逆正方行列とする。

x = Py と変数変換すると、

S[x] = (Py, SPy) = (Py)^t(SPy) = y^t(P^t)SPy =(y, (P^t)SPy)
= (P^t)SP[y]

det((P^t)SP) = det(P)^2 det(S) である。



278 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/17(日) 21:01:58 ]
>>276
>ここで a_0, ..., a_n の最大公約数は 1 であり、
>a_0 > 0 である。

a_0 > 0 の条件をつけない場合もある。
この場合 f(X) の係数は符号を除いて決まる。
さらに f(X) の判別式は根の差積 Δ の平方だから
θ により一意に決まる。

279 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/17(日) 22:12:29 ]
定義
有理整数係数の2元2次同次多項式

f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2

を2元2次形式、略して、2次形式という。

gcd(a, b, c) = 1 のとき f を原始的という。

D = b^2 - 4ac を f の判別式という。

280 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/17(日) 22:40:30 ]
2次形式

f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2

に一次変換

x = pu + qv
y = ru + sv

を施して

f(pu + qv, ru + sv) = ku^2 + luv + mv^2

とする。
ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = ±1 である。

k = ap^2 + bpr + cr^2
l = 2apq + b(ps + qr) + 2crs
m = aq^2 + bqs + cs^2

である。

281 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/17(日) 23:09:27 ]
>>280 のつづき

f(x, y) の判別式を D とする。

A を2次の正方行列 (a, b/2)/(b/2, c) とする。
行列の記法 (a, b)/(c, d) については >>196 を参照。

B = (k, l/2)/(l/2, m) とおく。

P = (p, q)/(r, s) とおく。

P の転置行列 P^t は (p, r)/(q, s) である。

>>277 より

B = (P^t)AP である。

よって det(B) = det(P)^2 det(A) である。

det(P) = ps - qr = ±1

だから
det(B) = det(A) である。

よって km - l^2/4 = ac - b^2/4
よって l^2 - 4km = b^2 - 4ac = D

282 名前:132人目の素数さん [2006/12/17(日) 23:26:42 ]
命題

>>280 において

gcd(a, b, c) = gcd(k, l, m) である。

証明
a, b, c で生成される有理整数環のイデアルを I とする。
k, l, m で生成される有理整数環のイデアルを J とする。

k = ap^2 + bpr + cr^2
l = 2apq + b(ps + qr) + 2crs
m = aq^2 + bqs + cs^2

より J ⊂ I である。

一次変換

x = pu + qv
y = ru + sv

は可逆だから

2次形式 g(u, v) = ku^2 + luv + mv^2
にこの逆一次変換を作用させて f(x, y) を得ることが出来て、
a, b, c を k, l, m の式で表せる。

よって I ⊂ J である。
証明終

283 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/17(日) 23:29:43 ]
>>282 に名前を入れるのを忘れた。
将来の検索の便宜のために注意しておく。

284 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/18(月) 19:44:58 ]
2次の代数的数(>>276)のことを2次の無理数ともいう。

285 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/18(月) 19:46:12 ]
GL_n(Z) で有理整数を成分とする n 次の正方行列で可逆なものの
なす群を表す。

g ∈ GL_n(Z) であるためには det(g) = ±1 が必要十分である。

GL_2(Z) の元は C ∪ {∞} に一次分数変換として作用する(>>196)。

286 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/18(月) 19:49:21 ]
命題
θ を2次の無理数(>>284)とする。
τ = g(θ) とする。ここで g は GL_2(Z) (>>285) の元である。
このとき τ も2次の無理数であり、θ と同じ判別式(>>276)をもつ。

証明
aθ^2 + bθ + c = 0 とする。
ここで a, b, c は有理整数で gcd(a, b, c) = 1 である。

D = b^2 - 4ac は θ の判別式である。
θ は2次の無理数だから D は平方数ではない。

2次形式 f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を考える。

g の逆行列を h = (p, q)/(r, s) とする。
θ = h(τ) = (pτ + q)/(rτ + s) である。

g(u, v) = f(pu + qv, ru + sv) = kx^2 + lxy + my^2
とすると、>>281 より D = l^2 - 4km である。

μ = pτ + q
ν = rτ + s
とおく。

θ = μ/ν だから
a(μ/ν)^2 + b(μ/ν) + c = 0
aμ^2 + bμν + cν^2 = 0
よって f(μ, ν) = g(τ, 1) = 0

よって g(τ, 1) = lτ^2 + mτ + n = 0
D = l^2 - 4km は平方数ではないから τ は2次の無理数である。
証明終

287 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/18(月) 19:56:08 ]
2次体 Q(√m) の判別式を D とする。
θ を判別式 D の2次の無理数とする。

aθ^2 + bθ + c = 0 とする。
ここで a, b, c は有理整数で gcd(a, b, c) = 1 である。
さらに a > 0 とする。

D = b^2 - 4ac である。
θ = (-b ± √D)/2a であるが θ = (-b + √D)/2a と仮定する。

a(aθ^2 + bθ + c) = a^2θ^2 + abθ + ac = 0
だから
(aθ)^2 + b(aθ) + ac = 0

よって aθ は代数的整数である。
aθ = (-b + √D)/2 だから aθ ∈ Q(√m) である。

m ≡ 1 (mod 4) のとき
(-b + √D)/2 = (-b - 1 + 1 + √m)/2 = (-b - 1)/2 + ω

m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) のとき
(-b + √D)/2 = (-b + 2√m)/2 = -b/2 + ω

いずれの場合でも aθ = r + ω の形である。
r = aθ - ω は有理数で代数的整数でもあるから、有理整数である
(前スレ3の158より有理整数環は整閉である)。

(aθ)^2 + b(aθ) + ac = 0
だから N(aθ) = ac である。

よって [a, aθ] = [a, r + ω] は Q(√m) の原始イデアルである。



288 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/18(月) 19:59:48 ]
>>285

A を環としたとき GL_n(A) も同様に定義される。

g ∈ GL_n(A) であるためには det(g) が A の可逆元であることが
必要十分である。

289 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/18(月) 22:55:11 ]
補題
2次形式 f = a^x^2 + bxy + cy^2 の判別式が、ある2次体 Q(√m) の
判別式に等しいなら f は原始的(>>279)である。

証明
2次体 Q(√m) の判別式を D とする。
仮定より、D = b^2 - 4ac である。

f が原始的でないとするとある有理整数 t > 1 があり、
a, b, c はそれぞれ t で割れる。よって D は t^2 で割れる。
D = (t^2)d とする。

m ≡ 1 (mod 4) のときは D = m であるから D は平方因子を含まない。
これは D = (t^2)d に反する。

よって m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) である。
この場合 D = 4m である。
m は平方因子を含まないから 2 で割れるとしても 4 では割れない。
よって t = 2 である。

b = 2e とする。
D = b^2 - 4ac = 4(e^2 - ac)
よって e2 - ac = m である。

ac ≡ 0 (mod 4) だから m ≡ e^2 (mod 4)
よって
m ≡ 0 (mod 4) または m ≡ 1 (mod 4)
である。これは矛盾である。
証明終

290 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/18(月) 23:04:49 ]
>>289
>m は平方因子を含まないから 2 で割れるとしても 4 では割れない。

m ≡ 0 (mod 4) でないことは
m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) からもわかる。

291 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/18(月) 23:17:34 ]
補題
有理整数係数の2次多項式 f(X) = aX^2 + bX + c の判別式が、
ある2次体 Q(√m) の判別式に等しいなら gcd(a, b, c) = 1 である。

証明
>>289 と同様である。

292 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/18(月) 23:26:20 ]
命題
I = [a, r + ω] を2次体 Q(√m) の原始イデアルの標準基底による
表示とする。

θ = (r + ω)/a とおく。
θ は2次無理数であり、その判別式は Q(√m) の判別式と一致する。

証明
Q(√m) の判別式を D とする。

θ が有理数なら ω = aθ - r が有理数になり矛盾である。
θ ∈ Q(√m) だから θ は2次無理数である。

β = r + ω とおく。仮定より N(r + ω) = ββ ' は a で割れる。

f(X) = a(X - θ)(X - θ ') とおく。

f(X) = a(X - β/a)(X - β '/a) = aX^2 -(β + β ')X + ββ '/a

b = -(β + β ')
c = ββ '/a
とおくと b と c は有理整数」であり、f(X) = aX^2 + bX + c である。

f(X) の判別式は (β + β ')^2 - 4ββ ' = (β - β ')^2
= (ω - ω ')^2 = D である。

>>290 より gcd(a, b, c) = 1 である。
よって θ の判別式は D である。
証明終

293 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/19(火) 22:18:56 ]
定義
2次形式(>>279) f(x, y) = a^x^2 + bxy + cy^2 の判別式 D が
平方数でなく D < 0 とする。

a > 0 のとき f は正定値であるという。
a < 0 のとき f は負定値であるという。

D は平方数でないから a ≠ 0 であることに注意する。

294 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/19(火) 22:28:43 ]
>>293
>a^x^2 + bxy + cy^2

ax^2 + bxy + cy^2

295 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/19(火) 22:42:50 ]
補題
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を正定値(>>293)の2次形式とする。

(u, v) を 直積 Z × Z の元とすれば f(u, v) ≧ 0 であり、
f(u, v) = 0 となるのは (u, v) = (0, 0) のときに限る。

証明
f(x, y) の判別式を D とする。
f(x, y) は正定値だから D < 0 かつ a > 0 である(>>293)。

af(x, y) = a^2x^2 + abxy + acy^2

= (ax + by/2)^2 + acy^2 - (b^2/4)y^2

= (ax + by/2)^2 + (4ac - b^2)y^2/4

= (ax + by/2)^2 + |D|y^2/4

これから補題の主張は直に出る。

証明終

296 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/20(水) 12:51:50 ]
補題
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を負定値(>>293)の2次形式とする。

(u, v) を 直積 Z × Z の元とすれば f(u, v) ≦ 0 であり、
f(u, v) = 0 となるのは (u, v) = (0, 0) のときに限る。

証明
>>295 の証明より

af(x, y) = (ax + by/2)^2 + |D|y^2/4

これより補題の主張は明らか。

証明終

297 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/20(水) 12:54:09 ]
命題
2次形式 f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 に一次変換

x = pu + qv
y = ru + sv

を施して

g(u, v) = f(pu + qv, ru + sv) = ku^2 + luv + mv^2

とする。

ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = ±1 である。

f(x, y) が正定値(>>293)であるためには g(u, v) が正定値であること
が必要十分である。

証明
>>281 より f と g の判別式は同じである。

一次変換
x = pu + qv
y = ru + sv
は可逆だから (u, v) に (x, y) を対応させることにより
集合としての直積 Z × Z の自己同型写像が得られる。

これと >>295>>296 からわかる。
証明終



298 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/20(水) 15:34:52 ]
命題
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を正定値(>>293)の2次形式とする。
さらに f = f(x, y) の判別式が、ある2次体 Q(√m) の判別式 D に
等しいとする。

f に一次変換
x = pu + qv
y = ru + sv
を施して

g(u, v) = f(pu + qv, ru + sv) = ku^2 + luv + mv^2

とする。 ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = 1 である。

このとき [a, (-b + √D)/2] と [k, (-l + √D)/2] は Q(√m) の
原始イデアルであり、同じイデアル類に属す。

299 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/20(水) 15:37:57 ]
>>298 の証明

D < 0 だから Q(√m) は虚2次体である。
θ = (-b + √D)/2a とおく。θ は ax^2 + bx + c = 0 の根である。

ここで、>>273 と同様に √D = √|D| √(-1) とする。
a > 0 だから θ は複素上半平面にある。

>>287 より [a, (-b + √D)/2] は Q(√m) の原始イデアルである。

行列 (p, q)/(r, s) の逆行列は (s, -q)/(-r, p) である。
τ = (sθ - q)/(-rθ + p) とおく。
θ = (pτ + q)/(rτ + s) である。

>>198 より Im(τ) = Im(θ)/|-rθ + p|^2 だから
τ も複素上半平面にある。

aθ^2 + bθ + c = 0 より

a(pτ + q)^2 + b(pτ + q)(rτ + s) + c(rτ + s)^2 = 0

この左辺は f(pτ + q, rτ + s) = g(τ, 1) = kτ^2 + lτ + m
である。

>>297 より g(u, v) は正定値だから、k > 0 である。
よって τ が複素上半平面にあることから τ = (-l + √D)/2k で
でなければならない。

>>287 より [k, (-l + √D)/2] は Q(√m) の原始イデアルである。
>>195 より [a, (-b + √D)/2] と [k, (-l + √D)/2] は、
Q(√m) の同じイデアル類に属す。
証明終

300 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/20(水) 15:54:09 ]
>>194 において Q(√m) が虚2次体のとき、>>273 より
θ と ψ は複素上半平面にある。

>>274 より Im(θ) = (ps - qr)Im(ψ )/|rψ + s|^2

よって ps - qr = 1 である。

301 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/20(水) 16:05:53 ]
I = [a, b + cω] を2次体 Q(√m) のイデアルの標準基底による
表示とする(>>16)。

a と b は c で割れるから a = ce、b = cr とすると、

I = c[e, r + ω] となる。[e, r + ω] は原始イデアルである。

(b + cω)/a = (r + ω)/e である。

302 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/20(水) 16:17:06 ]
定義
2次形式 f と g は ps - qr = 1 となる有理整数 p, q, r, s があり、

g(x, y) = f(px + qy, rx + sy)

となるとき、同値であるという。

303 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/20(水) 16:36:36 ]
定義
Q(√m) を虚2次体とする。その判別式を D とする。
Q(√m) のイデアル類群(>>193)を Cl(D) と書く。

判別式 D の正定値2次形式を >>302 の同値関係で類別した同値類の
集合を F+(D) と書く。

F+ の元からその任意の代表 f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 をとる。

>>287 より [a, (-b + √D)/2] は Q(√m) の原始イデアルである。

>>298 より、このイデアルの属すイデアル類は f(x, y) の取り方に
よらない。

よって F+(D) から Cl(D) への写像が定まる。
この写像を Φ+ と書く。

304 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/20(水) 17:08:22 ]
命題
>>303 の写像 Φ+ は単射である。

証明
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 と g(x, y) = kx^2 + lxy + my^2
を 判別式 D の正定値2次形式とする。
さらに [a, (-b + √D)/2] と [k, (-l + √D)/2] が同じイデアル類に
属すとする。

θ = (-b + √D)/2a
τ = (-l + √D)/2k とおく。

>>300 より ps - qr = 1 となる有理整数 p, q, r, s があり、
θ = (pτ + q)/(rτ + s) となる。
aθ^2 + bθ + c = 0 だから
a(pτ + q)^2 + b(pτ + q)(rτ + s) + c(rτ + s)^2 = 0
この左辺は f(pτ + q, rτ + s) である。

f(px + qy, rx + sy) を x, y の2次形式とみたものを h(x, y) とする。
>>297 より h(x, y) は正定値である。
>>281 より h(x, y) の判別式は D だから >>289 より h(x, y) は
原始的である。

h(τ, 1) = 0 だから h(x, 1) は τ を根とする2次式で、その係数
の最大公約数が 1 かつ最高次の係数が正であり τ により
一意に決まる(>>276)。

一方 τ = (-l + √D)/2k は kx^2 + lx + m の根でもあるから
g(x, y) = h(x, y) である。
証明終

305 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/20(水) 17:33:53 ]
命題
>>303 の写像 Φ+ は全射である。

証明
I = [a, b + cω] を2次体 Q(√m) のイデアルの標準基底による
表示とする(>>16)。

>>301 より I = c[e, r + ω] となり、
(b + cω)/a = (r + ω)/e である。

θ = (r + ω)/e とおく。

>>292 よりθ は2次無理数であり、
その判別式は D である。

よって aθ^2 + bθ + c = 0 となる。
ここで a, b, c は有理整数で gcd(a, b, c) = 1、a > 0、
b^2 - 4ac = D である。

θ は複素上半平面にあるから θ = (-b + √D)/2a である。
よって >>287 より [a, (-b + √D)/2] は Q(√m) の原始イデアル
である。

>>195 より [a, (-b + √D)/2] と [e, r + ω] は
Q(√m) の同じイデアル類に属す。

よって、写像 Φ+ により f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 の
属す F+ の類が I の属すイデアル類に対応する。
証明終

306 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2006/12/20(水) 18:38:43 ]
これって何の本を参考にされてるんですか?

307 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/20(水) 19:12:31 ]
>>306

主に高木の初等整数論講義です。
しかし、この本のこのあたりはあまり整理されていない。
2次形式もあまり表だっては使われていない。

2次形式まわりの定義(特に正定値2次形式)については Zagier の
数論入門(岩波) を参考にしました。
しかし、この本はこのあたりの証明はほとんど書いてないので
定義以外はあまり参考にならない。

写像 Φ+ の定義については Zagier と前に言及した Cohen の
A course in computational algebraic number thery
を参考にしました。

しかし、この本にも証明はほとんど書いてないです。



308 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2006/12/20(水) 19:30:04 ]
>>307
ありがと。
Zagierはちょうど図書館から借りてるところだったので、暇なときに読んでみる

309 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/20(水) 22:58:18 ]
正定値というのは positive definite の訳ですが誤解を与える
かもしれない。
正値のほうがいいかもしれない。

310 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/21(木) 09:34:58 ]
命題
Q(√m) を虚2次体とする。その判別式を D とする。
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の正定値(>>293)の
2次形式とする。

f に一次変換
x = pu + qv
y = ru + sv
を施して
g(u, v) = f(pu + qv, ru + sv) = ku^2 + luv + mv^2
とする。 ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = 1 である。

θ = (b + √D)/2a
τ = (-l + √D)/2k
とおくと
θ = (pτ + q)/(rτ + s) である。

証明
kτ^2 + lτ + m = 0 だから
g(τ, 1) = f(pτ + q, rτ + s) = 0
よって
a(pτ + q)^2 + b(pτ + q)(rτ + s) + c(rτ + s)^2 = 0

この式の両辺を (rτ + s)^2 で割ると

aμ^2 + bμ + c = 0
となる。ここで μ = (pτ + q)/(rτ + s) とおいた。

a > 0 であり、μ は複素上半平面にあるから
μ = (b + √D)/2a である。
よって θ = μ である。
証明終

311 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/21(木) 09:56:24 ]
定義
Q(√m) を虚2次体とする。その判別式を D とする。

複素上半平面にある判別式 D の2次の無理数(>>276) の SL_2(Z) の
作用での同値類の集合を H(D) と書く。

F+(D) (>>303) の元からその任意の代表 f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2
をとる。 (-b + √D)/2a は複素上半平面にある判別式 D の2次の
無理数である。

>>310 より (-b + √D)/2a の属す H(D) の同値類は f(x, y) の属す
F+(D) の同値類のみで決まる。

よって F+(D) から H(D) への写像が定まる。
この写像を Ψ+ と書く。

312 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/21(木) 09:58:46 ]
命題
>>311 の写像 Ψ+ は単射である。

証明
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 と g(x, y) = kx^2 + lxy + my^2
を 判別式 D の正定値2次形式とする。
さらに
θ = (-b + √D)/2a
τ = (-l + √D)/2k
とおいたとき

θ = (pτ + q)/(rτ + s)
とする。ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = 1 である。

aθ^2 + bθ + c = 0 だから
a(pτ + q)^2 + b(pτ + q)(rτ + s) + c(rτ + s)^2 = 0

この左辺は f(pτ + q, rτ + s) である。

f(px + qy, rx + sy) を x, y の2次形式とみたものを h(x, y) とする。
>>297 より h(x, y) は正定値である。
>>281 より h(x, y) の判別式は D だから >>289 より h(x, y) は
原始的である。

h(τ, 1) = 0 だから h(x, 1) は τ を根とする2次式で、その係数
の最大公約数が 1 かつ最高次の係数が正であり τ により
一意に決まる(>>276)。

一方 τ = (-l + √D)/2k は kx^2 + lx + m の根でもあるから
g(x, y) = h(x, y) である。
証明終

313 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/21(木) 10:09:09 ]
命題
>>311 の写像 Ψ+ は全射である。

証明
H(D) の任意の類からその代表 θ を取る。
θ は複素上半平面にある判別式 D の2次の無理数である。

aθ^2 + bθ + c = 0 とする。
ここで a, b, c は有理整数で gcd(a, b, c) = 1、a > 0、
b^2 - 4ac = D である。

f = ax^2 + bxy + cy^2 は判別式 D の正定値2次形式である。
f の属す F+(D) の類に θ の属す H(D) の類が対応する。
証明終

314 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/21(木) 11:22:09 ]
>>304>>305 より
集合 F+(D) と Cl(D) の間に全単射が存在し、

>>312>>313 より
F+(D) と H(D) の間に全単射が存在することが分かった。

315 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/21(木) 11:28:33 ]
Q(√m) を虚2次体とする。その判別式を D とする。
θ を複素上半平面にある判別式 D の2次の無理数とする。

>>267 の (1) より θ は >>253 の G の点と SL_2(Z) の作用で
同値である。

θ ∈ G となる条件を求めよう。

aθ^2 + bθ + c = 0 とする。
ここで a, b, c は有理整数で gcd(a, b, c) = 1、a > 0、
b^2 - 4ac = D である。

θ = (-b + √D)/2a である。

>>257 より (√|D|)/2a ≧ (√3)/2
よって
(√|D|) ≧ a√3
よって
a ≦ √(|D|/3)

よって a の取りうる値は有限である。

他方
|b/2a| ≦ 1/2 だから |b| ≦ a である。
よって b の取りうる値も有限である。

b^2 -4ac = D だから a と b が決まれば c も決まる。

以上から H(D) は有限集合であることが分かった。
>>314 よりイデアル類群 Cl (D) の位数も有限である。

316 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/21(木) 12:01:51 ]
定義
Q(√m) を虚2次体とする。その判別式を D とする。
>>315 より Q(√m) のイデアル類群 Cl (D) の位数は有限である。
これを Q(√m) の類数と呼び、h(D) と書く。

317 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/21(木) 12:05:57 ]
問題
Q(√(-5) の類数 h(-20) を >>315 を使って求めよ。
さらにイデアル類群 Cl (-20) の各類の代表となる原始イデアルを
求めよ。



318 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/21(木) 13:09:45 ]
問題
m が -1, -2, -3, -7, -11, -19, -43, -67, -163 のとき
Q(√(−m)) の類数は1であることを証明せよ。

m の値が異なる毎に答えのレスを変えること。

319 名前:132人目の素数さん [2006/12/22(金) 14:56:54 ]
与えられた類数を持つ虚二次体って有限個なの?

320 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/22(金) 15:31:19 ]
定義
Q(√m) を虚2次体とし、その判別式を D とする。

f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D で正定値(>>293)の
2次形式とする。

G を >>253 で定義した集合とする。
つまり

G = { z ∈ H ; -1/2 ≦ Re(z) < 1/2 かつ |z| ≧ 1 で
|z| = 1 のときは -1/2 ≦ Re(z) ≦ 0 }

(-b + √D)/2a が G に属すとき f(x, y) を簡約2次形式と呼ぶ。

321 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/22(金) 16:26:24 ]
命題
Q(√m) を虚2次体とし、その判別式を D とする。
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の正定値(>>293)の
2次形式とする。

f(x, y) が簡約2次形式(>>320)であるためには

|b| ≦ a ≦ c であり、
|b| = a または a = c のときは b ≧ 0 となることが必要十分である。

証明
θ = (-b + √D)/2a が >>253 で定義した集合 G に属すとする。

G = { z ∈ H ; -1/2 ≦ Re(z) < 1/2 かつ |z| ≧ 1 で
|z| = 1 のときは -1/2 ≦ Re(z) ≦ 0 }
である。

Re(θ) = -b/(2a) だから -1/2 ≦ -b/(2a) < 1/2 である。
したがって -a ≦ -b < a
よって |b| ≦ a
|b| = a のときは a = b である。

他方、 D = b^2 - 4ac に注意して、
|θ|^2 = (b^2 + |D|)/4a^2 = (b^2 + |D|)/4a^2 = 4ac/4a^2 = c/a

|θ| ≧ 1 であるためには a ≦ c が必要十分である。

|θ| = 1 つまり a = c のときは -1/2 ≦ -b/(2a) ≦ 0
よって -a ≦ -b ≦ 0
つまり a ≧ b ≧ 0
証明終

322 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/22(金) 20:01:00 ]
>>319

そうです。

もっと一般に与えられた次数と類数を持つ有理数体の虚アーベル拡大体
も有限個です。

この証明は、例えば Narkiewicz の
Elementary and analytic theory of algebraic numbers
に載っています。

323 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/22(金) 20:42:34 ]
Lecture Notes on Algebraic Number Theory

ttp://www.fen.bilkent.edu.tr/~franz/LN/LN-ant.html

324 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/22(金) 21:11:15 ]
命題
Q(√m) を虚2次体とし、その判別式を D とする。

f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の正定値(>>293)の
2次形式とする。

f に (-b + √D)/2a を対応させることにより、

判別式 D の正定値(>>293)の2次形式と、複素上半平面にある
判別式 D の2次無理数(>>276)とは1対1に対応する。

証明
判別式 D の正定値(>>293)の2次形式の集合を PF(D) と書く。
複素上半平面にある判別式 D の2次無理数の集合を HQ(D) と書く。

f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 が判別式 D の正定値2次形式なら

θ = (-b + √D)/2a は複素上半平面にある判別式 D の2次無理数
である。

従って φ(f) = θ により写像 φ : PF(D) → HQ(D) が定まる。

逆に、θ が複素上半平面にある判別式 D の2次無理数なら、
>>276 より aθ^2 + bθ + c = 0 となる。
ここで a, b, c は有理整数で gcd(a, b, c) = 1 かつ a > 0 である。

>>276 より a, b, c は θ により一意に決まる。

θ に ax^2 + bxy + cy^2 を対応させれば、これが φ の逆写像である。
証明終

325 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/22(金) 21:53:50 ]
Q(√m) を虚2次体とし、その判別式を D とする。

f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の正定値(>>293)の
2次形式とする。

θ = (-b + √D)/2a とおく。
θ は複素上半平面にある判別式 D の2次無理数である。

(p, q)/(r, s) ∈ SL_2(Z) のとき
τ = (sθ - q)/(-rθ + p) とおくと、>>286 より τ は判別式 D の
2次無理数である。

>>198 より Im(τ) = Im(θ)/|-rθ + p|^2 だから τ は
複素上半平面にある

θ = (pτ + q)/(rτ + s) である。

g(u, v) = f(pu + qv, ru + sv) = ku^2 + luv + mv^2 とする。

aθ^2 + bθ + c = 0 より

a(pτ + q)^2 + b(pτ + q)/(rτ + s) + c(rτ + s)^2 = 0 となる。

この左辺は f(pτ + q, rτ + s) = kτ^2 + lτ + m である。

>>281 より g(u, v) = ku^2 + luv + mv^2 の判別式は D であり、
>>297 より g は正定値2次形式である。よって k > 0 である。

よって τ = (-l + √D)/2k である。

以上を簡潔にまとめると
f に θ が対応するなら g には τ が対応する。

326 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/22(金) 22:43:34 ]
G を >>253 で定義した集合とする。

複素上半平面にある判別式 D の2次無理数 θ が与えられたとき
それと SL_2(Z) の作用に関して同値な2次無理数で G の点となるもの
を有限回の手続きで求める方法を述べる。

>>269 より SL_2(Z) は S = (1, 1)/(0, 1) と T = (0, -1)/(1, 0) で
生成される。

以下のアルゴリズムを考える。

(1) -1/2 ≦ Re(θ) < 1/2 なら (2) にいく。
-1/2 ≦ Re(θ) < 1/2 でなければ
θ に一次分数変換 S^(n)(θ) = θ + n を施すことにより
τ = θ + n を -1/2 ≦ Re(τ) < 1/2 と出来る。
θ = τ とおく。

(2) |θ| < 1 なら τ = T(θ) = -1/θ とすると |τ| > 1 となる。
θ = τ とおいて、(1) にいく。

|θ| > 1 なら終了。

|θ| = 1 なら (3) にいく。

(3) -1/2 ≦ Re(θ) ≦ 0 なら終了。

0 < Re(θ) < 1/2 なら τ = T(θ) = -1/θ とすると
|τ| = 1 で -1/2 < Re(τ) < 0 となるので θ = τ と
おいて終了。

327 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/22(金) 23:36:32 ]
補題
a と b を有理整数として a > 0 とする。

-a ≦ 2ak + b < a となる有理整数 k が一意に存在する。

証明
有理整数の割り算の剰余定理の一種だが、改めて証明しよう。

集合 { n ∈ Z ; 2an ≦ b } の最大値を m とする。

2am ≦ b < 2a(m + 1) = 2am + 2a だから区間 [2am, 2am + 2a) を
2等分して
2am ≦ b < 2am + a または 2am + a ≦ b < 2am + 2a である。

前者の場合 0 ≦ b - 2am < a
後者の場合 -a ≦ b - 2a(m + 1) < a
よって k = -m または k = -(m + 1) とおけばよい。

一意性の証明が残っている。
-a ≦ 2ak + b < a かつ -a ≦ 2al + b < a とする。

-a < -2al - b ≦ a だから
-2a < 2a(k - l) < 2a となる。
対称的に -2a < 2a(l - k) < 2a となる。

よって 2a|k - l| < 2a だから |k - l| < 1 となる。
k と l は有理整数だから k = l である。
証明終



328 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/22(金) 23:46:51 ]
>>326 のアルゴリズムが有限回で終わることを証明しよう。

そのため >>326 のアルゴリズムを正定値2次形式の簡約アルゴリズムに
翻訳する。

Gauss に倣って簡単のために、2次形式 ax^2 + bxy + cy^2 を
(a, b, c) と書くことにする。

いつものように Q(√m) を虚2次体とし、その判別式を D とする。
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の正定値(>>293)の
2次形式とする。

n を有理整数として f に S^n = (1, n)/(0, 1) を作用させと、

x = u + nv
y = v
とおいて、

f(u + nv, v) = a(u + nv)^2 + b(u + nv)v + cv^2
= au^2 + (2an + b)uv + (an^2 + bn + c)v^2
= (a, 2an + b, an^2 + bn + c)

f に T = (0, -1)/(1, 0) を作用させると、

x = -v
y = u
とおいて

f(-v, u) = av^2 - buv + cu^2 = (c, -b, a)

329 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/23(土) 00:14:09 ]
以下のアルゴリズムを考える。

(1)
-a ≦ -b < a なら (2) にいく。
-a ≦ -b < a でなければ

(a, b, c) に S^(n) を施すことにより
(a, 2an + b, an^2 + bn + c) となる(>>328)。

ここで -a ≦ -2an - b < a となるように n をとっておく(>>327) 。

(a, 2an + b, an^2 + bn + c) を改めて (a, b, c) とおく。

(2)
a < c なら終了。

a = c なら (3) にいく。

a > c なら
(a, b, c) に T を施すことにより (c, -b, a) となる(>>328)。

(c, -b, a) を改めて (a, b, c) とおき、(1) にいく。

(3)
b ≧ 0 なら終了。

b < 0 なら (a, b, c) に T を施すことにより (c, -b, a) となる。

(c, -b, a) を改めて (a, b, c) とおき、終了。

330 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/23(土) 00:40:24 ]
>>329 の (1) において |b| > a のとき、
(a, b, c) に S^(n) を施して
(a ', b ', c ') = (a, 2an + b, an^2 + bn + c) となり、
-a ≦ b ' < a となる。よって |b '| ≦ a である。
つまり |b| は、少なくとも 1 減少する。

-b = a のときも (a, b, c) に S^(n) を施すが、
このときも -a ≦ -b ' < a となり |b| は、少なくとも 1 減少する。

(2) と (3) において |b| は変化しない。

以上から >>329 のアルゴリズムは有限回で終わる。
したがって、それと同値な >>326 のそれも有限回で終わる。

331 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/23(土) 00:57:37 ]
訂正

>>330
>-b = a のときも (a, b, c) に S^(n) を施すが、
>このときも -a ≦ -b ' < a となり |b| は、少なくとも 1 減少する。

-b = a のときも (a, b, c) に S^(n) を施すが、
このときは -a = -b ' となり |b| は変化しない。

332 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/23(土) 01:08:43 ]
>>327
>対称的に -2a < 2a(l - k) < 2a となる。

この行は不要なので削除。

333 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/23(土) 01:33:37 ]
>>329 の簡約アルゴリズムは |b| = a または a = c の場合を
考慮するのでやや面倒である。
これを軽減するため以下の定義をする。

定義
Q(√m) を虚2次体とし、その判別式を D とする。

f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D で正定値(>>293)の
2次形式とする。

[D] を >>253 で定義した集合とする。
つまり
[D] = { z ∈ H ; |Re(z)| ≦ 1/2 かつ |z| ≧ 1 } である。

(-b + √D)/2a が [D] に属すとき f(x, y) を広義の簡約2次形式と呼ぶ。

334 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/23(土) 01:47:23 ]
命題
Q(√m) を虚2次体とし、その判別式を D とする。
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の正定値(>>293)の
2次形式とする。

f(x, y) が広義の簡約2次形式(>>333)であるためには

|b| ≦ a ≦ c となることが必要十分である。

証明
>>321 の証明から明らか。

335 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/23(土) 01:48:39 ]
Q(√m) を虚2次体とし、その判別式を D とする。

以下のアルゴリズムは判別式 D の任意の正定値2次形式 (a, b, c)
を広義の簡約2次形式(>>333)に変形する。

(1)
|b| ≦ a なら (2) にいく。

|b| > a なら
(a, b, c) に S^(n) を施すことにより
(a, 2an + b, an^2 + bn + c) となる(>>328)。

ここで -a ≦ -2an - b < a となるように n をとっておく(>>327) 。

(a, 2an + b, an^2 + bn + c) を改めて (a, b, c) とおく。

|b| ≦ a となっている。

(2)
a ≦ c なら終了。

a > c なら
(a, b, c) に T を施すことにより (c, -b, a) となる(>>328)。

(c, -b, a) を改めて (a, b, c) とおき、(1) にいく。

336 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/23(土) 01:54:06 ]
>>335 の (1) において |b| > a なら、(a, b, c) に S^(n) を施して
|b| ≦ a と出来る。
つまり |b| は、少なくとも 1 減少する。

(2) において |b| は変化しない。

以上から >>335 のアルゴリズムは有限回で終わる。

337 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/23(土) 02:20:08 ]
広義の簡約2次形式を狭義つまり >>320 で定義した簡約2次形式に
変形するのは簡単である。

(a, b, c) を広義の簡約2次形式とする。

|b| = a で b < 0 なら -b = a である。

(a, b, c) に 変換 S = (1, 1)/(0, 1) を施すことにより
(a, 2a + b, a + b + c) となる(>>328)。

ここで 2a + b = a である。
a + b + c = c である。

よって (a, 2a + b, a + b + c) = (a, a, c) は狭義の簡約2次形式
である。

今度は a = c で b < 0 とする。
(a, b, a) に T = (0, -1)/(1, 0) を施すことにより
(a, -b, a) となる(>>328)。

これは狭義の簡約2次形式である。



338 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/23(土) 02:36:15 ]
ここで一息いれて雑談。

有理整係数の2元2次形式について書いてある本は非常に少ない。
これは何故なんだろうね。

2元2次形式の理論は2次体の整数論に吸収されるからというのも
あるだろうが、これはちょっといただけない。

339 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/23(土) 11:30:10 ]
命題
Q(√m) を虚2次体とする。その判別式を D とする。

判別式 D の正定値2次形式を >>302 の同値関係で類別した同値類の
集合を F+(D) と書いた(>>303)。

|F+(D)| は、判別式 D の簡約2次形式(>>320)の個数と一致する。

証明
>>324>>325 および >>267 より明らかである。

340 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/23(土) 11:35:08 ]
命題
Q(√m) を虚2次体とする。その判別式を D とする。

Q(√m) の類数は、判別式 D の簡約2次形式(>>320)の個数と一致する。

証明
>>314 より Q(√m) の類数は |F+(D)| に等しい。
これと >>339 から出る。

341 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/23(土) 11:51:03 ]
Q(√m) を虚2次体とし、その判別式を D とする。

判別式 D の簡約2次形式(>>320)を求める方法を考える。

>>321 より
(a, b. c) (この記法に関しては >>328 を参照) が簡約2次形式(>>320)
であるためには、

|b| ≦ a ≦ c であり、
|b| = a または a = c のときは b ≧ 0 となることが必要十分である。

b^2 - 4ac = D だから
4ac = b^2 + |D|
c = (b^2 + |D|)/4a

a ≦ c より

a ≦ (b^2 + |D|)/4a

4a^2 ≦ b^2 + |D| ≦ a^2 + |D|

3a^2 ≦ |D|

a^2 ≦ |D|/3

a ≦ √(|D|/3)

よって a の取り得る値は有限個である。

|b| ≦ a だから b の取り得る値も有限個である。

c は c = (b^2 + |D|)/4a より a と b が決まれば一意に決まる。

342 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/23(土) 12:01:07 ]
>>340>>341 の威力をみるため、
m = -146 = -2・73 として Q(√m) の類数を計算してみよう。

m ≡ 2 (mod 4) だから Q(√m) の判別式 D は 4m = -584 = -2^3・73
である。

(a, b. c) を判別式 D の簡約2次形式とする。

a ≦ √(|D|/3) = √(584/3) = √194.666 = 13.95...
したがって、1 ≦ a ≦ 13

4ac = b^2 + |D| = b^2 + 584

ac = (b^2 + 584)/4

b^2 + 584 を 0 ≦ b ≦ 13 の範囲で計算すると

0^2 + 584 = 584 = 4・146 = 4・2・73
1^2 + 584 = 585
2^2 + 584 = 588 = 4・147 = 4・3・7^2
3^2 + 584 = 593
4^2 + 584 = 600 = 4・150 = 4・2・3・5^2
5^2 + 584 = 609
6^2 + 584 = 620 = 4・155 = 4・5・31
7^2 + 584 = 633
8^2 + 584 = 648 = 4・162 = 4・2・3^4
9^2 + 584 = 665
10^2 + 584 = 684 = 4・171 = 4・3^2・19
11^2 + 584 = 705
12^2 + 584 = 728 = 4・182 = 4・2・7・13
13^2 + 584 = 753

343 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/23(土) 12:11:52 ]
>>342 の続き

a = 1 のとき |b| = 0、c = 2・73 = 146、(a, b. c) = (1, 0, 146)
である。以下同様。
------------------------------------------------------------
a = 2 のとき |b| = 0、c = 73、(2, 0, 73)
------------------------------------------------------------
a = 3 のとき |b| = 2、c = 7^2 = 49、(3, ±2, 49)
------------------------------------------------------------
a = 4 は無い
------------------------------------------------------------
a = 5 のとき |b| = 4、c = 2・3・5 = 30、(5, ±4, 30)
------------------------------------------------------------
a = 6 のとき |b| = 4、c = 5^2 = 25、(6, ±4, 25)
------------------------------------------------------------
a = 7 のとき |b| = 2、c = 3・7 = 21、(7, ±2, 21)
------------------------------------------------------------
a = 8 は無い
------------------------------------------------------------
a = 9 のとき |b| = 8、c = 2・3^2 = 18、(9, ±8, 18)
------------------------------------------------------------
a = 10 のとき |b| = 4、c = 3・5 = 15、(10, ±4, 15)
------------------------------------------------------------
a = 11は無い
------------------------------------------------------------
a = 12は無い
------------------------------------------------------------
a = 13 のとき |b| = 12、c = 2・7 = 14、(13, ±12, 14)
------------------------------------------------------------

以上から h(D) = 16 である。

344 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/23(土) 12:21:28 ]
>>342>>343 の計算は電卓を使って30分程度かかりました。
以外に簡単というのが私の感想です。

345 名前:132人目の素数さん [2006/12/23(土) 21:16:14 ]
>338
> 有理整係数の2元2次形式について書いてある本は非常に少ない。
> これは何故なんだろうね。
読んだ事ないが、Scharlau が良いと Cohn に載っていた。
Milnor-Husemoller (絶版か?)てのは如何なんだろうか。
昔はトポロジーの分野で有理整係数の2元2次形式がよく出てたが・・・

346 名前:132人目の素数さん [2006/12/23(土) 22:42:31 ]
>>345

有難うございます。
Scharlau は知らなかったです。

Milnor-Husemollerの本は有理整係数の多元2次形式について書いて
あるんじゃないんですかね。

一般の n 元2次形式論の本はいくらかあるんです(Eichlerとか)。
それでも少ないとは思いますが。

私の言ってるのは、このスレで扱ってる2元2次形式のことです。
これは2次体の整数論と密接に関係しているので特殊な扱いが
出来るわけです。

347 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/23(土) 22:44:49 ]
>>346 に名前を入れるのを忘れました。



348 名前:king様の弟子 ◆/LAmYLH4jg [2006/12/23(土) 22:47:15 ]
:Kummer ◆g2BU0D6YN2 さんがんばってください!がんばって読んでます。

349 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/23(土) 22:53:13 ]
>>348

有難うございます。

350 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/24(日) 00:06:29 ]
>>343 の表の各簡約2次形式に対応する原始イデアルを求める。
>>303 より 簡約2次形式 (a, b, c) には Q(√m) の原始イデアル
[a, (-b + √D)/2] の類が対応する。
D = 4m だから √D = 2ω である。
ここで、いつものように ω = √m = √(-146) である。

------------------------------------------------------------
(1, 0, 146) 〜 [1, ω]
------------------------------------------------------------
(2, 0, 73) 〜 [2, ω]
------------------------------------------------------------
(3, -2, 49) 〜 [3, 1 + ω]
(3, 2, 49) 〜 [3, -1 + ω]
------------------------------------------------------------
(5, -4, 30) 〜 [5, 2 + ω]
(5, 4, 30) 〜 [5, -2 + ω]
------------------------------------------------------------
(6, -4, 25) 〜 [6, 2 + ω]
(6, 4, 25) 〜 [6, -2 + ω]
------------------------------------------------------------
(7, -2, 21) 〜 [7, 1 + ω]
(7, 2, 21) 〜 [7, -1 + ω]
------------------------------------------------------------
(9, -8, 18) 〜 [9, 4 + ω]
(9, 8, 18) 〜 [9, -4 + ω]
------------------------------------------------------------
(10, -4, 15) 〜 [10, 2 + ω]
(10, 4, 15) 〜 [10, -2 + ω]
------------------------------------------------------------
(13, -12, 14) 〜 [13, 6 + ω]
(13, 12, 14) 〜 [13, -6 + ω]
------------------------------------------------------------

351 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/24(日) 00:21:19 ]
>>350 を使って Q(√(-146)) のイデアル類群の構造を決定しよう。

単位類、つまり [1, ω] の属す類を E とおく。

[2, ω] の属す類を B とおく。

[2, ω]^2
= < 4, 2ω, -146 >
= < 4, 2ω, -2 >
= < 2ω, 2 >
= 2[1, ω]

だから B^2 = E である。

上の < 4, 2ω, -146 > などは、4, 2ω, -146 で生成される
Z[ω] の部分アーベル群を表す(>>9 参照)。

352 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/24(日) 00:39:31 ]
[5, 2 + ω] の属す類を C とおく。

[5, 2 + ω]^2
= < 25, 10 + 5ω, 4 + 4ω -146 >
= < 25, 10 + 5ω, 4ω -142 >
= < 25, 10 + 5ω, 4ω -17 >
= < 25, 27 + ω, 4ω -17 >
= < 25, 2 + ω, 4ω -17 >
= < 25, 2 + ω, -25 >
= [25, 2 + ω]

N(2 + ω) = 4 + 146 = 150 = 25・6

(2 + ω)/25 に一次変換 T = (0, -1)/(1, 0) (>>237) を施すと
-25/(2 + ω) になる。

-25/(2 + ω) = -25(2 - ω)/N(2 + ω) = -25(2 - ω)/(4 + 146)
= -25(2 - ω)/150 = -25(2 - ω)/(25・6) = (-2 + ω)/6

よって >>195 より [25, 2 + ω] 〜 [6, -2 + ω]
ここで 〜 は両辺のイデアルが同じイデアル類に属すことを示す。

353 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/24(日) 00:52:11 ]
>>352 より C^2 〜 [6, -2 + ω] = [6, 4 + ω]

よって

[5, 2 + ω]^3
〜 [5, 2 + ω][6, 4 + ω]
= < 30, 20 + 5ω, 12 + 6ω, 8 + 6ω - 146 >
= < 30, 20 + 5ω, 12 + 6ω, 6ω - 138 >
= < 30, 20 + 5ω, -8 + ω, 6ω - 138 >
= < 30, 20 + 5ω, -8 + ω, 6ω - 138 >
= < 30, 20 + 5ω, -8 + ω, 6ω - 18 >
= < 30, 20 + 5ω, -8 + ω, 30 >
= < 30, 20 + 5ω, -8 + ω >
= < 30, 60, -8 + ω >
= [30, -8 + ω] 〜 [7, 1 + ω]

以下、同様にして

[5, 2 + ω]^4 〜 [9, 4 + ω]
[5, 2 + ω]^5 〜 [13, -6 + ω]
[5, 2 + ω]^6 〜 [3, -1 + ω]
[5, 2 + ω]^7 〜 [10, -2 + ω]
[5, 2 + ω]^8 〜 [2, ω]

よって C^8 = B である。

>>351 より B^2 = E だから C の位数は 16 である。

よって Q(√(-146)) のイデアル類群は C で生成される位数 16 の
巡群である。

354 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/24(日) 01:03:23 ]
>>350 の表の各原始イデアルが属すイデアル類を C のべきで表す。

例えば、[3, 1 + ω] と [3, -1 + ω] は共役なので互いに
逆イデアルである。よって [3, 1 + ω] が C^6 に属すことから
[3, -1 + ω] が C^10 に属すことが分かる。

------------------------------------------------------------
(1, 0, 146) 〜 [1, ω] E
------------------------------------------------------------
(2, 0, 73) 〜 [2, ω] B = C^8
------------------------------------------------------------
(3, -2, 49) 〜 [3, 1 + ω] C^10
(3, 2, 49) 〜 [3, -1 + ω] C^6
------------------------------------------------------------
(5, -4, 30) 〜 [5, 2 + ω] C
(5, 4, 30) 〜 [5, -2 + ω] C^15
------------------------------------------------------------
(6, -4, 25) 〜 [6, 2 + ω] C^14
(6, 4, 25) 〜 [6, -2 + ω] C^2
------------------------------------------------------------
(7, -2, 21) 〜 [7, 1 + ω] C^3
(7, 2, 21) 〜 [7, -1 + ω] C^13
------------------------------------------------------------
(9, -8, 18) 〜 [9, 4 + ω] C^4
(9, 8, 18) 〜 [9, -4 + ω] C^12
------------------------------------------------------------
(10, -4, 15) 〜 [10, 2 + ω] C^9
(10, 4, 15) 〜 [10, -2 + ω] C^7
------------------------------------------------------------
(13, -12, 14) 〜 [13, 6 + ω] C^11
(13, 12, 14) 〜 [13, -6 + ω] C^5
------------------------------------------------------------

355 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/24(日) 01:07:09 ]
訂正

>>354
>例えば、[3, 1 + ω] と [3, -1 + ω] は共役なので互いに
>逆イデアルである。よって [3, 1 + ω] が C^6 に属すことから
>[3, -1 + ω] が C^10 に属すことが分かる。

例えば、[3, 1 + ω] と [3, -1 + ω] は共役なので互いに
逆イデアルである。よって [3, -1 + ω] が C^6 に属すことから
[3, 1 + ω] が C^10 に属すことが分かる。

356 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/24(日) 01:10:56 ]
>>354 の表の計算にはかなり時間がかかった。
ほとんど一日がかり。

357 名前:132人目の素数さん [2006/12/24(日) 03:08:03 ]
>>317>>318 の問題、誰か解いて



358 名前:聴講生 mailto:sage [2006/12/24(日) 08:11:23 ]
>>317
|D| = 20 より a ≦ √(20/3) なので、a = 1,2
b^2 - 4ac = -20 より b は偶数。よって、 |b| ≦ a より
a = 2,b = ±2,c = 3
2x^2 ±2xy + 3y^2 に対応するイデアルは[2,±1 + √(-5)]
[2,1 + √(-5)] = [2,-1 + √(-5)]
[2,1 + √(-5)]^2 = <4,2 + 2√(-5),-4 + 2√(-5)> = (2)
よって、h(-20) = 2 で、代表となる原始イデアルは
[1,√(-5)] と [2,1 + √(-5)]

359 名前:聴講生 mailto:sage [2006/12/24(日) 08:14:46 ]
a = 1,b = 0,c = 5 が抜けました。

360 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/24(日) 11:36:21 ]
訂正

>>354
>例えば、[3, 1 + ω] と [3, -1 + ω] は共役なので互いに
>逆イデアルである。よって [3, 1 + ω] が C^6 に属すことから
>[3, -1 + ω] が C^10 に属すことが分かる。

例えば、[3, 1 + ω] と [3, -1 + ω] は共役なので互いに
逆のイデアル類に属す。よって [3, 1 + ω] が C^6 に属すことから
[3, -1 + ω] が C^10 に属すことが分かる。

361 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/24(日) 13:15:45 ]
>>358

有難うございます。

362 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/24(日) 13:17:00 ]
>>161 の問題に戻る。

p を Q(√(-5)) で完全分解(>>106)する素数とする。
p ≠ 2, 5 である。

>>105 より (-5/p) = 1 である。

(-5/p) = (-1/p)(5/p)
であり、
平方剰余の相互法則(前スレ3の751)より
(5/p) = (p/5) である。

1^2 ≡ 1 (mod 5)
2^2 ≡ 4 (mod 5)
3^2 ≡ 4 (mod 5)
4^2 ≡ 1 (mod 5)

だから

p ≡ 1, 4 (mod 5) のとき (5/p) = 1 であり、
p ≡ 2, 3 (mod 5) のとき (5/p) = -1 である。

(-1/p) = (-1)^((p-1)/2) だから
p ≡ 1 (mod 4) のとき (-1/p) = 1 であり、
p ≡ 3 (mod 4) のとき (-1/p) = -1 である。

よって
p ≡ 1, 3, 7, 9 (mod 20) のとき (-5/p) = 1
p ≡ 11, 13, 17, 19 (mod 20) のとき (-5/p) = -1

よって p ≡ 1, 3, 7, 9 (mod 20) である。

363 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/24(日) 13:31:13 ]
>>362 の続き

(p) = PP ' を素イデアル分解とする。

P が単項イデアルなら p = a^2 + 5b^2 となる有理整数 a, b が
存在する。
よって (p/5) = 1 だから p ≡ 1, 4 (mod 5) であり、
p ≡ 1, 9 (mod 20) である。

L = [2, 1 + √(-5)] とおく。
>>358 より Q(√(-5) の類数は 2 で L は主類(単位類)に含まれない。
よって P が単項イデアルでないなら PL は単項イデアルである。

N(PL) = 2p だから 2p = a^2 + 5b^2 となる有理整数 a, b が
存在する。

(2p/5) = (2/5)(p/5) = 1

(2/5) = -1 だから (p/5) = -1 である。
p ≡ 2, 3 (mod 5) である。
よって p ≡ 3, 7 (mod 20) である。

以上から p が Q(√(-5)) で完全分解するためには、
p ≡ 1, 9 (mod 20) が必要十分である。

よって 素数 p ≠ 5 が p = a^2 + 5b^2 となる有理整数 a, b を持つ
ためには p ≡ 1, 9 (mod 20) が必要十分である。

これで >>168 の予想は証明された。

364 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/24(日) 14:10:05 ]
ttp://arxiv.org/abs/math.NT/0606547

Representing primes as x^2 + 5y^2 :
an inductive proof that Euler missed

によると、Cox の Primes of the forms x^2 + ny^2 という本に
>>168 の予想に関連した歴史が書いてあるそうである。

上記の論文の前書きによると(それは Cox からの引用)、

Fermat は以下の予想をした
(1) それぞれ ≡ 3, 7 mod 20 となる二つの素数の積は x^2 + 5y^2 と
書ける。

Euler は、以下の二つの予想をしたが証明は出来なかった。
(2) p ≡ 1, 9 mod 20 となる素数 p は p = x^2 + 5y^2 と書ける。

(3) p ≡ 3, 7 mod 20 となる素数 p に対して 2p = x^2 + 5y^2と書ける。

Lagrange と Legendre は上記の問題を解くため2次形式と種の理論を
展開して (2) と次の (4) を証明した

(4) p ≡ 3, 7 mod 20 となる素数は p = 2x^2 + 2xy + 3y^2 と書ける。

すると (1) と (3) は (2) と (4) と次の恒等式から得られる。

(2x^2 + 2xy + 3y^2)(2a^2 + 2ab + 3b^2)
= (2ax + bx + ay + 3by)^2 + 5(bx − ay)^2

2(2x^2 + 2xy + 3y^2) = (2x + y)^2 + 5y^2

365 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/24(日) 14:18:30 ]
>>364 の (4) の2次形式 2x^2 + 2xy + 3y^2 は >>358 に出て
きている。

366 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/24(日) 15:06:23 ]
問題
>>364 の (1) を証明せよ。

367 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/24(日) 17:59:43 ]
定義
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を(有理整数係数の)2次形式とする。

k を有理整数とする。
不定方程式 k = ax^2 + bxy + cy^2 が有理整数解 (u, v) を
持つとする。

u と v が互いに素なとき (u, v) を k = f(x, y) の原始解と呼ぶ。



368 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/24(日) 18:23:17 ]
命題(Gauss の 数論考究の art. 154)
ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の2次形式とする。
k を有理整数で
k = ax^2 + bxy + cy^2 が原始解(>>367)をもつなら
D は mod 4k で平方剰余である。

証明
(p, q) を原始解とする。
k = ap^2 + bpr + cr^2 である。
p と q は互いに素だから ps - qr = 1 となる有理整数 s, r がある。

f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2
に一次変換

x = pu + qv
y = ru + sv

を施して
f(pu + qv, ru + sv) = ku^2 + luv + mv^2 とする。

>>280 より
k = ap^2 + bpr + cr^2
l = 2apq + b(ps + qr) + 2crs
m = aq^2 + bqs + cs^2
である。

>>281 より D = l^2 - 4km だから

l^2 ≡ D (mod 4k) となり
D は mod 4k で平方剰余である。
証明終

369 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/24(日) 20:50:55 ]
訂正

>>368
>(p, q) を原始解とする。
>k = ap^2 + bpr + cr^2 である。
>p と q は互いに素だから ps - qr = 1 となる有理整数 s, r がある。

>(p, r) を原始解とする。
>k = ap^2 + bpr + cr^2 である。
>p と r は互いに素だから ps - qr = 1 となる有理整数 s, q がある。

370 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/24(日) 21:26:30 ]
命題
2次形式 f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 と
g(u, v) = ku^2 + luv + mv^2 があり、

変換

x = pu + qv
y = ru + sv

により

g(u, v) = f(pu + qv, ru + sv)

とする。

ここで p, q, r, s は ps - qr = 1 となる有理整数である。

有理整数 M に対して

M = ax^2 + bxy + cy^2 が有理整数解 (X, Y) をもつことと
M = ku^2 + luv + mv^2 が有理整数解 (U, V) をもつことは同値である。

ここで

X = pU + qV
Y = rU + sV

である。

証明
明らかである。

371 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/24(日) 21:33:44 ]
>>370 において、M = k とすると、

k = ku^2 + luv + mv^2 は自明な解 (1, 0) を持つ。
よって >>370 より

k = ax^2 + bxy + cy^2 は解 (p, r) を持つ。

これが >>368 の証明で使った原理である。

372 名前:132人目の素数さん [2006/12/25(月) 11:55:12 ]
science4.2ch.net/test/read.cgi/math/1162122603/916
です。
あちらのスレでは回答が部分的にも全く得られないままに終了してしまいました。
こちらでも同じ質問をして良いでしょうか?

373 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2006/12/25(月) 13:19:33 ]
>372無
は、ひょっとして無限次Gaolis群の話だろうか?
あの手の群を定義から直接計算するのは不可能に近いんじゃなかろうか?
TateとかSerreを見ると、「Golois Cohomologyを計算して
その副産物として得られる」という論法が多いようだが?

374 名前:132人目の素数さん [2006/12/25(月) 13:40:25 ]
>>373
あちらでも紹介した参考書以外に
Edited by Y, Ihara, K.Ribet, J-. P. Serre, Galois Groups over Q, Springer
などを仮定した上でもダメでしょうか?
ここには有名な Mazur のガロア表現の変形の論文も載っています。

375 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2006/12/25(月) 13:49:20 ]
>>373
typo多すぎだろww常識的に考えて

376 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2006/12/25(月) 13:52:30 ]
よくあること。


377 名前:132人目の素数さん [2006/12/25(月) 20:43:09 ]
>>375

イタイな
2chでどうでもいいtypo指摘とは





378 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/25(月) 21:28:09 ]
>>345

Scharlau の本も n 次2次形式について述べたもので2元2次形式に
特化したものではないようです。

2元2次形式に特化したものとしては Buell(1989) があります。
この本の前書きによると Mathews の Theory of numbers(1896)
を参考にしたそうです。1896 というのはタイプミスではありません。
つまり約100年前の本です。

Flath の Introduction to Number Theory(1988) は2元2次形式に
関してよく書けているそうです。

379 名前:132人目の素数さん [2006/12/25(月) 21:32:10 ]
しかしKummerのおっちゃんよ、今の世の中Kummerのやった類体論とかはもう
完成されてるとみなされて岩澤理論が絶好調なんだよ。
Kummerのむかしの研究をフォローするのをやめてBSD予想とか解いたら?

380 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/26(火) 09:12:12 ]
>>379
>今の世の中Kummerのやった類体論とかはもう完成されてるとみなされて

類体論をやったのは Kummer ではないです。
それに、類体論を未完成だと言ってる人は、私の知る限りいないです。
このスレは、50年以上前に完成された古い理論についてのスレだと
前スレに断ってあります。

前スレ3:
780 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/10(金) 09:36:08
勘違いしてる人がいるかもしれないので言っておくが、
このシリ−ズで扱う予定の題材は約50年前には完成されていたもの。
ほとんどは100年以上前に発見されていた。
この場で俺自身の研究なり独自の視点を発表しようなんて考えは
まったくない。

独自性があるとしたらアプローチの仕方、題材の取捨選択など。
わずかだがオリジナルな証明もあるかもしれない(実際、既にある)。

なお、このシリ−ズを書く一番の理由は俺自身の勉強のため。
他の理由もあるが、それらは2次的なもの。

381 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2006/12/26(火) 14:35:10 ]
>380
> 類体論を未完成だと言ってる
揚げ足取りじゃなくて、Langlands Programに 
Non-Abelian Calss Field Theory ってのがなかったっけ?

382 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/26(火) 16:33:14 ]
>>381

通常、類体論といえば数体のアーベル拡大体論のことをさす。
そしてこの意味の類体論は完成しています。

非可換の場合への拡張を話題にするときは必ず「非可換」をつけます。

っていうか、そんなことより問題解いてよ。
なんか話がすぐ舞い上がるから困るんだけど。
地道に行きましょうよ。

383 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/26(火) 19:16:37 ]
訂正

>>382
>通常、類体論といえば数体のアーベル拡大体論のことをさす。

通常、類体論といえば大域体と局所体のアーベル拡大についての理論をさす。

384 名前:天ノ川 創 [2006/12/26(火) 19:18:52 ]


385 名前:132人目の素数さん [2006/12/26(火) 20:43:52 ]
>>Kummerさん

うちの大学の教授も代数的数論をやってるみたいだけど、
論文はさっぱりわかりません。大体でいいので、こういう論文を読めるまでには
どういった知識が必要か教えていただけませんか?

www.math.ucsb.edu/~agboola/papers/papers.html

特に一番最近の論文について知りたいのですが。

ちなみに私はMasterの学生で、初等数論の知識を少し知ってるくらい。

386 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/26(火) 21:16:18 ]
前にも書きましたが、基本的に質問はこのスレで私が書いたものに
対してのみとさせていただいてます。
ただし、書いたものといっても雑談に類するものは除きます。

387 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2006/12/27(水) 11:51:57 ]
>374
此処↓で待っていたら?  Kさんが来るかもしれないよ。
h ttp://science4.2ch.net/test/read.cgi/math/1167112175/l50



388 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/28(木) 21:10:42 ]
ここで、今までにも何度か引用 (例えば >>199, >>214) した
G-集合 (G-set) についての基本を整理しておく。

定義
G を群とし S を集合とする。
G から Aut(S) への準同型 f : G → Aut(S) が与えられたとき、
S を 左 G-集合と呼ぶ。
このとき G は S に左から作用するという。
ここで Aut(S) は S の自己全単射のなす群である。

------------------------------------------------------

g ∈ G と x ∈ S に対して gx = f(g)(x) と定義することにより
写像 G × S → S が得られる。
このとき、以下の (1) と (2) が成り立つ。

(1) ex = e が任意の x ∈ S に対して成り立つ。
ここで e は G の単位元である。

(2) g(hx) = (gh)x が任意の g, h ∈ G と x ∈ S に対して成り立つ。

逆に (1) と (2) を満たす写像 G × S → S が与えられれば、
S は、左 G-集合となる。

G から Aut(S)^op への準同型 f : G → Aut(S)^op が与えられたとき、
S を 右 G-集合と呼ぶ。
ここで Aut(S)^op は Aut(S) の乗法の順序を反対に定義して得られる
群である。

通常、G-集合という場合、特に断らなければ左 G-集合を意味する。

389 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/28(木) 21:42:43 ]
定義
G を群とし S を左 G-集合 (>>388) とする。

任意の x, y ∈ S に対して gx = y となる g ∈ G があるとき
G は S に推移的に作用するという。

互いに相異なる n 個の S の元 x_1, ..., x_n と
互いに相異なる n 個の S の元 y_1, ..., y_n に対して

g(x_i) = y_i が各 i, 1 ≦ i ≦ n で成り立つような g ∈ G があるとき、

G は S に n-推移的に作用するという。

そのような g が唯一個だけ存在するとき G は、n - 強推移的に
作用するという。

標準射 (>>388) G → Aut(S) が単射のとき G は S に
忠実(または効果的)に作用するという。

x ∈ S に対して gx = x なら g = e となるとき
G は S に自由に作用するという。

G が S に推移的かつ自由に作用するとき、G は正則に作用するという。
これは 任意の x, y ∈ S に対して gx = y となる g ∈ G が
唯一個だけ存在することと同値である。
このとき S は G の主等質空間とみなせる。

390 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/28(木) 21:53:45 ]
定義
G を群とし S を左 G-集合 (>>388) とする。

x, y ∈ S に対して gx = y となる g ∈ G があるとき
x と y は同値と定義とすることにより S の同値関係が得られる。
この同値類を左 G-集合 S の軌道とよぶ。

x ∈ S に対して、x を含む軌道を x の軌道という。

x の軌道は { gx ; g ∈ G } である。

S の軌道全体の集合を S/G と書き、S の G の作用による商集合と呼ぶ。
S/G は、また軌道空間ともいう。

391 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/28(木) 21:59:28 ]
定義
G を群とし S を左 G-集合 (>>388) とする。

S の部分集合 T に対して GT = {gx ; g ∈ G, x ∈ T } と書く。

GT ⊂ T のとき T を G-不変な部分集合という。

392 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/28(木) 22:07:06 ]
定義
G を群とし S を左 G-集合 (>>388) とする。

x ∈ S に対して G_x = { g ; gx = g } と書き、x の安定化部分群
(または等方性部分群)と呼ぶ。

393 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/28(木) 22:20:17 ]
命題
G を群とし S を左 G-集合 (>>388) とする。
x ∈ S に対して H を x の安定化部分群 (>>392) とする。

gH に gx を対応させることにより G の H による左剰余類の
集合 G/H から x の軌道 Gx への全単射が得られる。

証明
簡単だし良く知られているので省略。
証明を知らない読者には演習問題とする。

394 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/28(木) 22:25:55 ]
命題
G を群とし S を左 G-集合 (>>388) とする。
x ∈ S に対して H を x の安定化部分群 (>>392) とする。

[G : H] が有限なら |Gx| = [G : H] である。

さらに |H| が有限なら |Gx| = |G|/|H| である。

証明
>>393 から明らか。

395 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/29(金) 00:27:14 ]
補題
G を群とし X を左 G-集合 (>>388) とする。
g ∈ G に対して X_g = { x ∈ X ; gx = x } とおき、
x ∈ X に対して G_x を x の安定化部分群 (>>392) とする。

このとき、Σ |X_g| = Σ |G_x| である。

ここで、左辺の g は全ての G の元 g を動き、
右辺の x は全ての X の元 x を動く。

証明
W = { (g, x) ∈ G × X ; gx = x } とおく。

写像 λ : W → G を λ(g, x) = g で、
写像 μ : W → X を μ(g, x) = x で、それぞれ定義する。

W = ∪ λ^(-1)(g) である。ここで g は G の元全体を動く。
g と h を G の異なる2元とすれば λ^(-1)(g) と λ^(-1)(h) は
交わらない。
したがって、

|W| = Σ |λ^(-1)(g)| である。

同様にして

|W| = Σ |μ^(-1)(x)| である。

一方、|λ^(-1)(g)| = |X_g| であり、|μ^(-1)(x)| = |G_x| である。

よって |W| = Σ |X_g| = Σ |G_x| である。
証明終

396 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/29(金) 00:31:27 ]
訂正

>>395
>G を群とし X を左 G-集合 (>>388) とする。

G を群とし X を左 G-集合 (>>388) とする。
さらに G と X は有限集合とする。

397 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/29(金) 00:57:47 ]
命題(Burnside の補題)
G を群とし X を左 G-集合 (>>388) とする。
さらに G と X は有限集合とする。
このとき

|X/G| = (1/|G|)Σ|X_g|

となる。
ここで、X/G は S の軌道空間 (>>390) であり、
右辺の和は G の元 g 全体を動き、
X_g = { x ∈ X ; gx = x } である。

証明
>>395 より。

Σ |X_g| = Σ |G_x|

一方、>>394 より |G_x| = |G|/|Gx|
よって

Σ |X_g| = Σ |G|/|Gx|

(1/|G|)Σ |X_g| = Σ 1/|Gx|

一方、Σ 1/|Gx| = Σ (Σ (1/|α|))

ここで右辺の外側の和は G の軌道(>>390) α 全体を動き、
内側の和は α の元 x 全体を動く。
よって、

Σ (Σ (1/|α|)) = Σ |α|(1/|α|) = Σ 1 = |X/G| である。
証明終



398 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/29(金) 01:00:34 ]
訂正

>>397
>ここで、X/G は S の軌道空間 (>>390) であり、

ここで、X/G は X の軌道空間 (>>390) であり、

399 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/29(金) 01:18:21 ]
定義
X と Y を G-集合 (>>388) とする。

X から Y への写像 f : X → Y があり、
f(σx) = σ(f(x)) が任意の σ ∈ G と任意の x ∈ X に対して
成り立つとき f を G-集合としての射という。

さらに G-集合としての射 g : Y → X があり
gf = 1 かつ fg = 1 となるとき f は同型射と呼ぶ。

このとき X と Y は G-集合として同型であるという。

400 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/29(金) 01:19:03 ]
>>388 以降の G-集合に関する記述は
英語版 Wikipedia の記事 Group action を参考にした。

401 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/29(金) 04:46:16 ]
判別式が平方数でない2次形式 (a, b, c)
(この記法に関しては >>328 を参照) 全体の集合を Ω とする。

ここで平方数とは集合 { x^2 ; x ∈ Z } = { 0, 1, 4, 9, ... }
の元のことである。
したがって (a, b, c) ∈ Ω なら b^2 - 4ac ≠ 0 であり、
ac ≠ 0 である。

(a, b, c) ∈ Ω と σ = (p, q)/(r, s) ∈ SL_2(Z) に対して、
(a, b, c)σ = (k, l, m) と定義する。

ここで、f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 とおいたとき、
ku^2 + luv + mv^2 = f(pu + qv, ru + sv) である。

即ち

k = ap^2 + bpr + cr^2
l = 2apq + b(ps + qr) + 2crs
m = aq^2 + bqs + cs^2

である(>>280)。

402 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/29(金) 05:03:40 ]
命題
>>401 の記法で f = (a, b, c) ∈ Ω、σ ∈ SL_2(Z)、τ ∈ SL_2(Z)
に対して、 (fσ)τ = f(στ) である。

証明
2次形式 f = (a, b, c) に対称行列 M = (a, b/2)/(b/2, c) を
対応させる。

>>277 より fσ には (σ^t)Mσ が対応する。

よって (fσ)τ には (τ^t)(σ^t)Mστ が対応する。
(τ^t)(σ^t)Mστ = (στ)^tMστ だから
fσ)τ = f(στ) である。

証明終

403 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/29(金) 05:09:15 ]
>>401 の記法で f = (a, b, c) ∈ Ω と SL_2(Z) の単位元 e
に対して、 fe= f だから >>402 より Ω は右 SL_2(Z)-集合(>>388)
である。

404 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/30(土) 01:32:39 ]
命題
D を負の有理整数で D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。

f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の正定値 (>>293)
かつ原始的 (>>279) な2次形式とする。
f に (-b + √D)/2a を対応させることにより、

判別式 D の正定値かつ原始的な2次形式と、複素上半平面にある
判別式 D の2次無理数(>>276)とは1対1に対応する。

証明
>>324 の証明と同様である。

405 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/30(土) 02:12:00 ]
D を負の有理整数で D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。

判別式 D の正定値かつ原始的な2次形式の集合を PF(D) と書く。
複素上半平面にある判別式 D の2次無理数の集合を HQ(D) と書く。

>>403, >>282, >>297 より PF(D) は、右 SL_2(Z)-集合(>>388)
である。

>>286 より HQ(D) は、左 SL_2(Z)-集合(>>388)である。

写像 φ : PF(D) → HQ(D) を >>324 の証明と同様に定義する。

>>404 より φ は全単射である。

f ∈ PF(D) と σ = (p, q)/(r, s) ∈ SL_2(Z) に対して

fσ = g、φ(f) = θ とおく。

>>325 と同様にして φ(g) = σ^(-1)θ

よって φ(fσ) = σ^(-1)φ(f)
よって φ(fσ^(-1)) = σφ(f)

σf = fσ^(-1) と定義すれば PF(D) は、左 SL_2(Z)-集合になる。
上記から φ は 左 SL_2(Z)-集合としての同型射(>>399)である。

406 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/30(土) 10:55:49 ]
判別式 D の正定値かつ原始的な2次形式の集合を PF(D) とする。
>>405 より PF(D) は 右 SL_2(Z)-集合(>>388) である。
軌道空間 (>>390) PF(D)/SL_2(Z) を F+(D) と書く。

複素上半平面にある判別式 D の2次無理数の集合を HQ(D) とする。
>>405 より HQ(D) は 左 SL_2(Z)-集合(>>388) である。
軌道空間 (>>390) HQ(D)/SL_2(Z) を H(D) と書く。

>>405 より PF(D) は左 SL_2(Z)-集合にもなる。
左 SL_2(Z)-集合としての PF(D) の軌道空間は、明らかに F+(D) と
一致する。

>>405 より φ : PF(D) → HQ(D) は、左 SL_2(Z)-集合としての
同型射である。

したがって、φ は全単射 F+(D) → H(D) を誘導する。

D が虚2次体の判別式と一致するとき、この写像は >>311 で定義した
Ψ+ と一致する。

したがって、 D が虚2次体の判別式と一致しない場合も
この写像を Ψ+ と書くことにする。

407 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/30(土) 11:02:54 ]
>>320 と同様に次の定義をする。

定義
D を負の有理整数で D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。

f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の正定値かつ原始的な
2次形式とする。

G を >>253 で定義した集合とする。
つまり

G = { z ∈ H ; -1/2 ≦ Re(z) < 1/2 かつ |z| ≧ 1 で
|z| = 1 のときは -1/2 ≦ Re(z) ≦ 0 }

(-b + √D)/2a が G に属すとき f(x, y) を簡約2次形式と呼ぶ。



408 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/30(土) 11:06:32 ]
命題
D を負の有理整数で D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。

f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の正定値かつ原始的な
2次形式とする。

f(x, y) が簡約2次形式 (>>407) であるためには

|b| ≦ a ≦ c であり、
|b| = a または a = c のときは b ≧ 0 となることが必要十分である。

409 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/30(土) 11:15:30 ]
定義
D を負の有理整数で D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。

f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の正定値かつ原始的な
2次形式とする。

[D] を >>253 で定義した集合とする。
つまり
[D] = { z ∈ H ; |Re(z)| ≦ 1/2 かつ |z| ≧ 1 } である。

(-b + √D)/2a が [D] に属すとき f(x, y) を広義の簡約2次形式と呼ぶ。

410 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/30(土) 11:18:50 ]
>>334 と同様に次の命題が成り立つ。
証明もまったく同じである。

命題
D を負の有理整数で D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。

f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の正定値かつ原始的な
2次形式とする。

f(x, y) が広義の簡約2次形式 (>>409) であるためには

|b| ≦ a ≦ c となることが必要十分である。

411 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/30(土) 11:28:36 ]
明らかに、>>326, >>328, >>329, >>330, >>335, >>336, >>337 は、
D が負の有理整数で D ≡ 0 または 1 (mod 4) の場合もそのまま
成り立つ。

412 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/30(土) 11:35:35 ]
>>339 と同様に次の命題が成り立つ。
証明もまったく同じである。

命題
D を負の有理整数で D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。

F+(D) (>>406) の元の個数は有限であり、判別式 D の簡約2次形式
(>>407) の個数と一致する。

413 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/30(土) 23:16:51 ]
定義
D を負の有理整数で D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。
h(D) = |F+(D)| と書く。

D が虚2次体 Q(√m) の判別式のときは、
>>314 より |F+(D)| は Q(√m) の類数と一致する。
したがって上の h(D) の定義は >>316 の定義の拡張になっている。

414 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/30(土) 23:32:44 ]
D = -180 のとき h(D) を計算しよう。
>>413 より h(D) は判別式 D の簡約2次形式 (>>407) の個数と
一致する。

>>408 より (a, b. c) が簡約2次形式 (>>407) であるためには、

gcd(a, b, c) = 1 かつ、
|b| ≦ a ≦ c であり、 |b| = a または a = c のときは b ≧ 0 と
なることが必要十分である。

>>341 と同様にして a ≦ √(|D|/3) である。

√(|D|/3) = √60 だから a ≦ 7 となる。
a > 0 だから 1 ≦ a ≦ 7 である。

4ac = b^2 + |D| = b^2 + 180

したがって、b は偶数でなければならない。

415 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/30(土) 23:34:34 ]
>>414 の続き

0^2 + 180 = 4・3・3・5
2^2 + 180 = 184 = 4・46 = 4・2・23
4^2 + 180 = 196 = 4・49 = 4・7・7
6^2 + 216 = 4・54 = 4・2・3^3

より gcd(a, b, c) = 1 に注意して、

------------------------------------------------------------
a = 1 のとき |b| = 0、c = 45、(1, 0, 45)
------------------------------------------------------------
a = 2 のとき |b| = 2、c = 23、(2, 2, 23)
------------------------------------------------------------
a = 3 は無い
------------------------------------------------------------
a = 4 は無い
------------------------------------------------------------
a = 5 のとき |b| = 0、c = 9、(5, 0, 9)
------------------------------------------------------------
a = 6 は無い
------------------------------------------------------------
a = 7 のとき |b| = 4、c = 7、(7, 4, 7)
------------------------------------------------------------

よって h(D) = 4 である。

416 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/30(土) 23:39:22 ]
訂正

>>415
>6^2 + 216 = 4・54 = 4・2・3^3

6^2 + 180 = 216 = 4・54 = 4・2・3^3

417 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/31(日) 10:56:43 ]
補題
D を平方数でない有理整数とすると、D = (f^2)c と書ける。
ここで f は有理整数 f > 0 であり、
c は平方因子を持たない有理整数で、c ≠ 1 である。

証明
D の素因数分解を考えれば明らかである。



418 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/31(日) 11:02:47 ]
命題
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。
このとき、D = (f^2)d と書ける。
ここで f は有理整数 f > 0 であり d はある2次体 Q(√m) の
判別式である。

証明
D ≡ 0 (mod 4) なら、D/4 に >>417 を適用して D = 4(g^2)m となる。
ここで g は有理整数 g > 0 であり、
m ≠ 1 は平方因子を持たない有理整数である。

m ≡ 1, 2, 3 (mod 4) であるが m ≡ 1 (mod 4) なら
m は2次体 Q(√m) の判別式である。
この場合、f = 2g, d = m とすればよい。

m ≡ 2, 3 (mod 4) なら、4m は2次体 Q(√m) の判別式である。
この場合、f = g, d = 4m とすればよい。

D ≡ 1 (mod 4) なら、D に >>417 を適用して D = (f^2)m となる。
f^2 ≡ 0 または 1 (mod 4) だが f^2 ≡ 0 (mod 4) なら
D ≡ 0 (mod 4) となるから f^2 ≡ 1 (mod 4) である。
したがって D ≡ m (mod 4) となり、m ≡ 1 (mod 4) である。
よって m は 2次体 Q(√m) の判別式である。
証明終

419 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/31(日) 11:28:44 ]
>>287 と同様のことを一般の2次の無理数の場合に考える。
θ を判別式 D の2次の無理数 (>>284) とする。

aθ^2 + bθ + c = 0 とする。
ここで a, b, c は有理整数で gcd(a, b, c) = 1 である。
さらに a > 0 とする。

D = b^2 - 4ac である。
D ≡ b^2 (mod 4) だから D ≡ 0 または 1 (mod 4) である。
D は勿論平方数ではない(平方数なら θ は有理数となる)。
よって >>418 より D = (f^2)d と書ける。
ここで f は有理整数 f > 0 であり d はある2次体 Q(√m) の
判別式である。

θ = (-b ± √D)/2a であるが θ = (-b + √D)/2a と仮定する。

a(aθ^2 + bθ + c) = a^2θ^2 + abθ + ac = 0
だから
(aθ)^2 + b(aθ) + ac = 0

よって aθ は代数的整数である。
aθ = (-b + √D)/2 = (-b + f√d)/2 だから aθ ∈ Q(√m) である。

m ≡ 1 (mod 4) のとき
(-b + √D)/2 = (-b - f + f(1 + √m))/2 = (-b - f)/2 + fω

m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) のとき
(-b + √D)/2 = (-b + 2f√m)/2 = -b/2 + fω

いずれの場合でも aθ = r + fω の形である。
r = aθ - fω は有理数で代数的整数でもあるから、有理整数である
(前スレ3の158より有理整数環は整閉である)。

420 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/31(日) 11:33:45 ]
>>419 の続き

ここで R = [1, fω] を考える。
(fω)^2 = (f^2)ω^2 ⊂ (f^2)[1, ω] ⊂ [1, fω]
よって (fω)R ⊂ R である。
よって RR ⊂ R である。
したがって R は Q(√m) の整数環 [1, ω] の部分環である。

421 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/31(日) 11:38:32 ]
定義
2次体 Q(√m) の 部分環 R でその加法群が階数2の自由アーベル
であるものを Q(√m) の整環 (order) と呼ぶ。

422 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/31(日) 12:06:04 ]
命題
2次体 Q(√m) の整環 (>>421) は Q(√m) の整数環の部分環である。

証明
前スレ1の 505 から明らかだが、改めて証明する。

R を Q(√m) の整環とする。
R のアーベル群としての基底を α, β とする。
つまり R = [α, β] とする。
γ ∈ R なら

γα = aα + bβ
γβ = cα + dβ

となる有理整数 a, b, c, d がある。

(γ - a)α - bβ = 0
-cα + (γ - d)β = 0

よって、係数の行列式は 0 である。
即ち (γ - a)(γ - d) - bc = 0

よって γ は代数的整数である。
よって γ は Q(√m) の整数環に含まれる。
証明終

423 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/31(日) 12:34:13 ]
前スレ3の 988より R = [a, b + cω] と書ける。
ここで a > 0、c > 0 である。

1 ∈ R だから a = 1 である。
したがって、R = [1, b + cω] = [1, cω]

よって アーベル群としての剰余類群 [1, ω]/R の位数は c である。
c を R の導手 (conductor) という。

R の導手は、通常ドイツ語の fuhrer の頭文字をとって f で
表す場合が多い。

424 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/31(日) 12:45:14 ]
定義
2次体 Q(√m) の整環 R = [1, fω] に対して、
fω の判別式 (>>276) を R の判別式という。

425 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/31(日) 12:50:01 ]
命題
2次体 Q(√m) の整環 R の判別式 (>>424) は (f^2)D である。
ここで f は R の導手 (>>423) であり、D は Q(√m) の判別式である。

証明
fω の判別式は (fω - fω ')^2 = (f^2)(ω - ω ')^2 = (f^2)D
である。

証明終

426 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/03(水) 16:00:16 ]
2次体 Q(√m) の整環 (>>421) R = [1, fω] のイデアル論について述べる。
このスレの初めのほうで述べた整数環 Z[ω] のイデアル論と同様の部分が
多い。

補題
a, b, c, e, f を有理整数とし、a > 0, c > 0, f > 0 とする
2次体 Q(√m) において
[a, b + cfω] = [a, e + cfω]
であるためには b ≡ e (mod a) が必要十分である。

証明
>>34 の証明と同様。

427 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/03(水) 16:07:05 ]
命題
2次体 Q(√m) の整環 R = [1, fω] の任意のイデアル I ≠ 0 は
I = [a, b + cfω] と一意に書ける。
ここで a > 0, 0 ≦ b < a, c > 0 で a と b は c で割れる。

証明
I = [a, b + cfω], a > 0, 0 ≦ b < a, c > 0 と一意に書ける
ことは >>14 の証明と同様である。

afω ∈ I だから a は c で割れる。

m ≡ 1 (mod 4) なら ω = (1 + √m)/2 であり、
ω^2 = ω - (1 - m)/4 である。

(b + cfω)fω = bfω + c(f^2)ω^2
= bfω + c(f^2)ω - c(f^2)(1 - m)/4
= (b + cf)fω - c(f^2)(1 - m)/4 ∈ I

よって b + cf ≡ 0 (mod c) となる。
よって b ≡ 0 (mod c) となる。

m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) なら、
ω = √m であり、 ω^2 = m である。
よって
(b + cfω)fω = bfω + c(f^2)ω^2 = bfω + c(f^2)m ∈ I
よって b ≡ 0 (mod c) となる。
証明終



428 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/03(水) 16:10:31 ]
定義
>>427 における a, b + cω をイデアル I の標準基底と呼ぶ。
ただし、必ずしも 0 ≦ b < a でなくてもよい。
この場合、>>426 より b は mod a で一意にきまる。

429 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/03(水) 16:14:57 ]
>>428 の訂正

定義
>>427 における a, b + cfω を R のイデアル I の標準基底と呼ぶ。
ただし、必ずしも 0 ≦ b < a でなくてもよい。
この場合、>>426 より b は mod a で一意にきまる。

430 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/03(水) 16:20:21 ]
定義
I = [a, b + cfω] を2次体 Q(√m) の整環 R = [1, fω] の
イデアル I の標準基底 (>>429) による表示とする。
c = 1 のとき I を原始イデアルという。

431 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/11(木) 16:48:33 ]
2次体 Q(√m) の整数環 Z[ω] は、Q(√m) のすべての整環を含む
最大の整環である。
したがって、Z[ω] を Q(√m) の主整環または極大整環とも言う。

432 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/11(木) 17:20:17 ]
2次体 Q(√m) の整環 R = [1, fω] のイデアル論と主整環 Z[ω] の
イデアル論との関連を述べる。

433 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/12(金) 12:50:20 ]
命題
A を整域とし、K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とする。
S を A の積閉部分集合とする。

このとき、B_S は A_S の K における整閉包である。

証明
A_S の K における整閉包を C とする。

x ∈ C とし、
x^n + (a_1/s)x^(n-1) + ... + (a_(n-1)/s)x + a_n/s = 0 とする。
ここで、各 a_i ∈ A で, s ∈ S

この等式の両辺に s^n を掛けて、

(sx)^n + a_1(sx)^(n-1) + ... + a_(n-1)s^(n-2)(sx) + (a_n)s^(n-1) = 0

となる。よって、sx は A 上整である。
よって、sx ∈ B である。
よって、x ∈ B_S である。

以上から C ⊂ B_S である。

一方、前スレ1の 514 より B_S は A_S 上整である。
よって B_S ⊂ C である。
証明終

434 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/12(金) 12:58:53 ]
B を環、A をその部分環とする。

B を A-加群とみなし、(A : B) = {a ∈ A; aB ⊂ A} を考える
(前スレ3の 583)。
(A : B) は A のイデアルである。

S を A の積閉部分集合とする。
B が A-加群として有限生成なら 前スレ3の 586 より
(A : B)_S = (A_S : B_S) である。

435 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/12(金) 16:04:40 ]
命題
A を整域とし、K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とする。
I = (A : B) とおく(>>434)。

A の素イデアル P に対して A_P が整閉であるためには、
I ⊂ P とならないことが必要十分である。

証明
S = A - P とおく。S は A の積閉部分集合である。
B_S を B_P と書くことにする。

>>433 より B_P は A_P の K における整閉包である。
従って、A_P が整閉であるためには A_P = B_P が必要十分である。

一方、A_P = B_P であるためには (A_P : B_P) = A_P が
必要十分である。
>>434 より (A : B)_P = (A_P : B_P) であるから、
これは、IA_P = A_P と同値である。
証明終

436 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/12(金) 17:35:13 ]
>>435 の訂正

命題
A を整域とし、K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とする。
B は A-加群として有限生成とする。

I = (A : B) とおく(>>434)。

A の素イデアル P に対して A_P が整閉であるためには、
I ⊂ P とならないことが必要十分である。

証明
S = A - P とおく。S は A の積閉部分集合である。
B_S を B_P と書くことにする。

>>433 より B_P は A_P の K における整閉包である。
従って、A_P が整閉であるためには A_P = B_P が必要十分である。

一方、A_P = B_P であるためには (A_P : B_P) = A_P が
必要十分である。
>>434 より (A : B)_P = (A_P : B_P) であるから、
これは、IA_P = A_P と同値である。
証明終

437 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/13(土) 15:33:51 ]
命題
2次体 Q(√m) の整環 R = [1, fω] に対して
(R : Z[ω]) = fZ[ω] である。

証明
α ∈ (R : Z[ω]) とすると、定義(>>434)から α ∈ R で
αZ[ω] ⊂ R である。

α = a + bfω とする。ここで、a, b は有理整数である。
αω = aω + bfω^2 ∈ R である。

m ≡ 1 (mod 4) なら ω = (1 + √m)/2 であり、
ω^2 = ω - (1 - m)/4 である。

αω = aω + bfω^2 = (a + bf)ω - bf(1 - m)/4
よって a + bf ≡ 0 (mod f)
a ≡ 0 (mod f)
よって α ∈ fZ[ω]

m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) なら、
ω = √m であり、 ω^2 = m である。

αω = aω + bfω^2 = aω + bfm
よって a ≡ 0 (mod f)
よってα ∈ fZ[ω]

以上から (R : Z[ω]) ⊂ fZ[ω] である。

fZ[ω] ⊂ (R : Z[ω]) は明らかである。
証明終



438 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/13(土) 16:00:20 ]
定義
I ≠ 0 を2次体 Q(√m) の整環 R = [1, fω] のイデアルとする。
I = [a, b + cfω] を I の標準基底 (>>429) による表示とすると、
|R/I| = ac である。
|R/I| を I のノルム(または絶対ノルム)と呼び、N(I) と書く。

439 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/13(土) 16:06:48 ]
命題
2次体 Q(√m) の整環 R = [1, fω] の 0 でない素イデアルは
極大イデアルである。

証明
P を R の 0 でない素イデアルとする。P は標準基底を持つから
R/P は有限整域である(>>438)。有限整域は体であるから
P は極大イデアルである。
証明終

440 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/13(土) 16:17:00 ]
命題
R を2次体 Q(√m) の整環とし、P ≠ 0 を R の素イデアルとする。
R_P は Krull次元(前スレ1の379)が1のネーター局所整域である。

証明
R の任意の非零イデアルは標準基底をもつから R はネーター整域で
ある。
よって >>439 より本命題の主張は明らかである。

441 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/13(土) 16:30:50 ]
命題
Rを2次体 Q(√m) の整環とし、P ≠ 0 を R の
素イデアルとする。
R_P が離散付値環(前スレ1の 645)であるためには R_P が整閉で
あることが必要十分である。

証明
R_P が離散付値環なら、R_P は一意分解整域だから 前スレ3の 158 より
R_P は整閉である。

逆に R_P が整閉なら >>440 と前スレ2の 555 より R_P は離散付値環
である。
証明終

442 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/13(土) 16:39:29 ]
命題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、P ≠ 0 を R の
素イデアルとする。
R_P が離散付値環であるためには P が f を含まない
ことが必要十分である。

証明
Z[ω] は Z-加群 として有限生成だから R-加群としても
有限生成である。

したがって、>>436>>437 より R_P が整閉であるためには
P が f を含まないことが必要十分である。

>>441 より、これは R_P が離散付値環であることと同値である。
証明終

443 名前:132人目の素数さん [2007/01/13(土) 17:52:12 ]
くんまー拡大!

444 名前:132人目の素数さん [2007/01/13(土) 19:31:51 ]
2次形式論卒論でやったからなつかしい。

445 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/14(日) 00:31:37 ]
定義
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
R のイデアルを R-イデアルともいう。

446 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/14(日) 00:35:05 ]
定義
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
I ≠ 0 を R-イデアルとする。
IZ[ω] が fZ[ω] と素のとき I を正則な R-イデアルという。

447 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/14(日) 00:54:20 ]
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
P ≠ 0 を R の素イデアルとする。
このとき Z[ω] の素イデアル P ' で P = R ∩ P ' となるものが
存在する。

証明
Z[ω] は R 上整だから Cohen-Seidenberg の定理 (前スレ1の520)
より補題の主張がいえる。
証明終



448 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/14(日) 01:23:58 ]
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
P ≠ 0 を R の素イデアルとする。

P が正則 (>>446) であるためには P が f を含まないことが
必要十分である。

証明
P が正則でないとする。
fZ[ω] + PZ[ω] ≠ Z[ω] だから、fZ[ω] + PZ[ω] ⊂ P ' となる
Z[ω] の素イデアル P ' が存在する。
>>439 より P は R の極大イデアルだから P = R ∩ P ' である。
一方、fZ[ω] ⊂ R だから fZ[ω] ⊂ P となる。

逆に fZ[ω] ⊂ P なら fZ[ω] ⊂ PZ[ω] だから P は正則でない。
証明終

449 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/14(日) 01:46:24 ]
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
I ≠ 0 を R-イデアルとする。

I が正則 (>>446) であるためには I ⊂ P となる任意の
R-素イデアル P が正則であることが必要十分である。

証明
I が正則であるとする。
P を I ⊂ P となる R-素イデアルとする。
P が正則でないなら >>448 より f ∈ P である。
>>447 より Z[ω] の素イデアル P ' で P = R ∩ P ' となるものが
存在する。
IZ[ω] ⊂ PZ[ω] ⊂ P ' で f ∈ P ' だから
fZ[ω] + IZ[ω] ⊂ P ' となり I は正則でない。
これは仮定に反する。
よって P は正則である。

逆に、P を I ⊂ P となる R-素イデアルで正則でないとする。
fZ[ω] + PZ[ω] ≠ Z[ω] だから
fZ[ω] + IZ[ω] ≠ Z[ω] となり I は正則でない。
証明終

450 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/14(日) 02:00:28 ]
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
P ≠ 0 を R の素イデアルとする。

P が正則であるためには R_P が離散付値環であることが
必要十分である。

証明
>>442>>448 より明らかである。

451 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/14(日) 02:19:25 ]
命題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
I と J を正則な R-イデアル (>>446) とする。

IZ[ω] = JZ[ω] なら I = J である。

証明
P を R の素イデアルとする。
S = R - P とおく。S は R の積閉部分集合である。
Z[ω]_S を Z[ω]_P と書くことにする。
>>433 より Z[ω]_P は R_P の K における整閉包である。

P が正則なら、>>450 より R_P は離散付値環だから整閉である。
よって Z[ω]_P = R_P である。
IZ[ω] = JZ[ω] より I(Z[ω]_P) = J(Z[ω]_P) であるから
I(R_P) = J(R_P) である。

P が正則でないなら、>>449 より I ⊂ P ではない。
よって I(R_P) = R_P である。
同様に J(R_P) = R_P である。

以上から R の任意の素イデアル P ≠ 0 に対して
I(R_P) = J(R_P) である。

従って、前スレ3の 587 より I = J である。
証明終

452 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/01/14(日) 09:39:00 ]
2chって来週閉鎖らしいけどだいじょうぶですか
スレ汚しすみません

453 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/14(日) 10:42:03 ]
命題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
I ≠ 0 を Z[ω] のイデアルで fZ[ω] と素とする。
I_0 = R ∩ I とおく。
このとき、I_0 は正則な R-イデアルで (I_0)Z[ω] = I となる。

証明(Hilbert の Zahlbericht の定理 64 の証明を拝借)
(I_0)Z[ω] = J とおく。

I は fZ[ω] と素だから I + fZ[ω] = Z[ω] である。
よって α + fβ = 1 となる α ∈ I と β ∈ Z[ω] がある。
α = 1 - fβ ∈ R だから α ∈ I_0 ⊂ J である。
よって J + fZ[ω] = Z[ω] である。
つまり、J は fZ[ω] と素である。

一方、(fZ[ω])I ⊂ R だから (fZ[ω])I ⊂ I_0 ⊂ J である。
従って、>>175 より (fZ[ω])I = JL となる Z[ω] のイデアル L が
存在する。
J は fZ[ω] と素であるから、I ⊂ J である。
J ⊂ I であるから I = J となる。
証明終

454 名前:132人目の素数さん [2007/01/14(日) 11:05:51 ]
>>452
>2chって来週閉鎖らしいけどだいじょうぶですか

お答えします。
閉鎖の場合 → このスレも閉鎖される。
閉鎖しない場合 → このスレも閉鎖されない。

っていうか当たり前だ
っていうか第3者としてはどうしょうもない

455 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/01/14(日) 11:22:28 ]
>>454
お答えありがとうございます。
私としては、ログの保存を念頭においておりましたが、
言葉至らず失礼いたしました。
たとえ、私が保存しても熊さんに渡せそうにないので。

456 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/14(日) 12:25:10 ]
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
正則な R-イデアルの全体は R-イデアルの積により可換な
モノイド(単位元をもつ半群)になる。
この可換モノイドを I+(R) とおく。

他方、Z[ω] のイデアルで fZ[ω] と素なもの全体もイデアルの積
により可換モノイドになる。
この可換モノイドを I+(f) とおく。

正則な R-イデアル I に IZ[ω] を対応させることにより、
写像 φ : I+(R) → I+(f) が得られる。
この φ は明らかにモノイドとしての準同型である。

>>451 より φ は単射であり、>>453 より φ は全射である。
よって φ は同型射である。

さらに φ はイデアルの包含関係を保存する。
つまり、 I ⊂ J なら φ(I) ⊂ φ(J) である。

457 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/14(日) 12:31:11 ]
命題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
正則な R-イデアルは正則な R-素イデアルのべき積として一意に
分解される。

証明
>>456 より明らかである。



458 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/14(日) 12:35:08 ]
命題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
I を正則な R-イデアルとする。

IZ[ω] が素イデアルであるためには I が素イデアルであることが
必要十分である。

証明
>>456 より明らかである。

459 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/14(日) 15:00:42 ]
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
I を正則な R-イデアルとすると、I = R ∩ IZ[ω] である。

証明
I_0 = R ∩ IZ[ω] とおく。
>>453 より (I_0)Z[ω] = IZ[ω] となる。
よって >>451 より I_0 = I である。
証明終

460 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/14(日) 15:13:59 ]
命題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
I を正則な R-イデアルとすると、剰余環 R/I は Z[ω]/IZ[ω] に
標準的に同型である。

証明
I は正則だから IZ[ω] + fZ[ω] = Z[ω] である。
fZ[ω] ⊂ R だから IZ[ω] + R = Z[ω] である。

従って R/(R ∩ IZ[ω]) は Z[ω]/IZ[ω] = (R + IZ[ω])/IZ[ω] に、
標準的に同型である。

>>459 より I = R ∩ IZ[ω] である。
証明終

461 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/14(日) 15:16:12 ]
命題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
I を正則な R-イデアルとすると、N(I) = N(IZ[ω]) である。

ここで N(I) は I のノルム(>>438) を表す。

証明
>>460 より明らか。

462 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/14(日) 18:14:26 ]
命題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
I と J を正則な R-イデアルとすると、N(IJ) = N(I)N(J) である。

証明
Z[ω] は Dedekind 整域で有限ノルム性(>>68)を持つから
>>70 より N(IZ[ω]JZ[ω]) = N(IZ[ω])N(JZ[ω]) である。

よって >>461 より N(IJ) = N(I)N(J) である。
証明終

463 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/18(木) 23:01:04 ]
定義
A を整域、K をその商体とする。
K の A-部分加群 I に対して A のある元 s ≠ 0 があり sI ⊂ A
となるとき I を A の分数イデアルという。

464 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/18(木) 23:07:04 ]
命題
A を整域 K をその商体とする。
K の A-部分加群 I が有限生成なら I は分数イデアルである。

証明
明らかである。

465 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/18(木) 23:09:03 ]
命題
A をネーター整域、K をその商体とする。
K の A-部分加群 I が分数イデアルであるためには I が A-加群として
有限生成であることが必要十分である。

証明
K の A-部分加群 I が分数イデアルとすると、A の元 s ≠ 0 があり
I ⊂ (1/s)A となる。
A はネーター環だから I は (1/s)A の A-部分加群として
有限生成である。

逆は >>464 である。
証明終

466 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/18(木) 23:10:18 ]
定義
A を整域 K をその商体とする。
K の A-部分加群 I に対して K の A-部分加群 J で IJ = A となる
ものがあるとき I を可逆分数イデアルという。
ここで IJ は集合 {xy; x ∈ I, y ∈ J} で生成される K の
A-部分加群である。

467 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/18(木) 23:24:11 ]
命題
A を整域、K をその商体とする。
A の可逆分数イデアル(>>466)は A-加群として有限生成である。

証明
前スレ2の 504 で証明済みである。



468 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/18(木) 23:28:58 ]
命題
A を整域とする。
A の可逆分数イデアル(>>466)は A の分数イデアル(>>463)である。

証明
>>467>>464 より明らかである。

469 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/19(金) 21:32:16 ]
定義
A を整域 K をその商体とする。
A の分数イデアル I に対して x ∈ K があり I = xA となるとき
I を単項分数イデアルまたは主分数イデアルという。

470 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/19(金) 21:39:25 ]
定義
A を整域 K をその商体とする。
A の0でない分数イデアル全体は乗法により群となる。
この群を A の可逆分数イデアル群と呼び、I(A) と書く
(前スレ2の521)。

471 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/19(金) 21:41:28 ]
定義
A を整域とする。
A の0でない単項分数イデアル全体は乗法により群となる。
この群を A の単項分数イデアル群と呼び、P(A) と書く
(前スレ2の539)。

472 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/19(金) 22:17:47 ]
命題
A を整域とする。
A の単項分数イデアル群 P(A) は、A の可逆分数イデアル群 I(A) の
部分群である。剰余類群 I(A)/P(A) は A の Picard 群 Pic(A)
(前スレ2の360)と標準的に同型である。

証明
K を A の商体とする。K は局所環であるから前スレ2の361より
Pic(K) = 0 である。
よって前スレ2の540より I(A)/P(A) は Pic(A) と同型になる。
証明終

473 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/19(金) 22:23:06 ]
定義
A を整域とする。
>>472 より I(A)/P(A) は Pic(A) と同一視される。
よって I(A)/P(A) を A の Picard 群と呼び Pic(A) と書く。

474 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/20(土) 08:01:31 ]
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
Pic(R) と Pic(Z[ω]) の関係を調べたい。

議論の本質を浮き彫りにするため問題を次のように一般化する。

A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とする。
B が A-加群として有限生成のとき Pic(A) と Pic(B) の関係はどうなるか?

475 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/20(土) 08:09:49 ]
以下 >>474 の問題の解法に関しては Neukirch の「代数的整数論」を
参考にした。

476 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/20(土) 08:36:21 ]
定義
A を環、I ≠ A を A のイデアルとする。
A/I のすべての零因子がベキ零のとき I を準素イデアルという。

前スレ1の 157 と 181 から、この定義は A がネーター環のときの
拡張になっている。

477 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/20(土) 08:38:00 ]
補題
A を環、M を A-加群とする。
M-正則(前スレ1の 179)な A の元全体は A の乗法に関して閉じている。

証明
M-正則の定義(前スレ1の 179)から明らかである。



478 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/20(土) 08:39:18 ]
命題
A を環、I を A の準素イデアルとする。
I の根基 rad(I) (前スレ1の 164) は素イデアルである。

証明
I は準素イデアルだから A/I を A-加群とみて (A/I)-正則な元の
集合は A - rad(I) である。
>>477 より A - rad(I) は乗法に関して閉じている.
ゆえに rad(I) は素イデアルである。
証明終

479 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/20(土) 08:40:11 ]
定義
A を環、I を A の準素イデアルとし、p = rad(I) とする。
p を I の素因子と呼び、I は p に属する準素イデアルという。

480 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/20(土) 08:41:19 ]
命題
A を環、p を A の素イデアルとする。
J を A_p の準素イデアルで pA_p に属するとする。
I を J の標準射 A → A_p による逆像とする。

このとき I は p に属する準素イデアルである。

証明
φ: A → A_p を標準射とする。

a ∈ A、x ∈ A - I で ax ∈ I とする。
φ(ax) ∈ J で φ(x) ∈ A_p - J だから
φ(a^n) ∈ J となる n > 0 がある。
a^n ∈ I だから I は準素イデアルである。

次に p = rad(I) を示す。
a ∈ rad(I) なら a^n ∈ I となる n > 0 がある。
φ(a^n) ∈ J だから φ(a) ∈ pA_p である。
よって a ∈ p である。

逆に a ∈ p なら φ(a) ∈ pA_p だから φ(a^n) ∈ J となる
n > 0 がある。a^n ∈ I だから a ∈ rad(I) である。
証明終

481 名前:132人目の素数さん [2007/01/20(土) 08:45:15 ]
>>上の人

おはよう。

482 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/20(土) 09:01:40 ]
補題
A を環、I を A のイデアルとする。
A の極大イデアル m があり、m ^n ⊂ I ⊂ m とする。
ここで n > 0 である。

このとき I は m に属する準素イデアルである。

証明
I ⊂ p となる A の素イデアルがあるとする。
m^n ⊂ p だから p = m である。
よって A/I は局所環である。
よって a ∈ A - m なら a (mod I) は A/I の可逆元である。
従って、b を A の元で ab ∈ I とすれば、b ∈ I である。
m の元は mod I でべき零なことに注意すれば I は準素イデアルである。
証明終

483 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/20(土) 09:13:45 ]
補題
A をネーター環、p を A の素イデアル、I を p に属する準素イデアル
であるとする。
このとき p^n ⊂ I となる n > 0 がある。

証明
p = rad(I) で p は有限生成だから、これは明らかである。

484 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/20(土) 09:20:40 ]
補題
A をネーター環、I を A のイデアルで
V(I) = {m} とする。
ここで V(I) = { p ∈ Spec(A); I ⊂ p } である(前スレ1の 160)。

このとき I は極大イデアル m に属する準素イデアルである。

証明
前スレ1の163より m = rad(I) である。
>>483 より m^n ⊂ I となる n > 0 がある。
よって >>482 より I は極大イデアル m に属する準素イデアルである。
証明終

485 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/20(土) 09:24:27 ]
>>484 の別証

Supp(A/I) = V(I) であり、
Ass(A/I) ⊂ Supp(A/I) だから(前スレ1の99)、
Ass(A/I) = {m} である。
従って I は m に属する準素イデアルである。
証明終

486 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/20(土) 09:26:18 ]
補題
A をネーター環、I を A のイデアルとする。
p を V(I) の極小元とする。
ここで V(I) = { p ∈ Spec(A); I ⊂ p } である(前スレ1の 160)。

I(p) を IA_p の標準射 A → A_p による逆像とする。

このとき I(p) は p に属する準素イデアルである。

証明
q を A の素イデアルで q ⊂ p とする。
さらに IA_p ⊂ qA_p とする。
I(p) ⊂ q となり I ⊂ I(p) だから I ⊂ q である。
p は V(I) の極小元だから q = p である。
以上から V(IA_p) = {pA_p} である。
>>484 よりIA_p は pA_p に属する準素イデアルである。

>>480 より I(p) は p に属する準素イデアルである。
証明終

487 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/20(土) 09:41:22 ]
補題
A を環、I を A のイデアルとする。
p が A の素イデアルのとき
I(p) = { a ∈ A; sa ∈ I となる s ∈ A - p が存在する }
とおく。
容易にわかるように I(p) は IA_p の標準射 A → A_p による
逆像である。

このとき I = ∩I(m) となる。
ここで m は A のすべての極大イデアルを動く。

証明
I ⊂ ∩I(m) は明らかだから逆の包含関係を示せばよい。

a ∈ ∩I(m) とする。
(I : a) = { x ∈ A; xa ∈ I } と書く。
(I : a) を含む極大イデアル m があるとすると、
a ∈ I(m) だから、s ∈ A - m があって s ∈ (I : a) ⊂ m となって
矛盾である。よって (I : a) = A である。
これは a ∈ I を意味する。
したがって ∩I(m) ⊂ I である。
証明終



488 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/20(土) 09:45:42 ]
>>487の I = ∩I(m) において、 I ⊂ m でないとき I(m) = A だから
m は I ⊂ m となるすべての極大イデアルに制限してもよい。

489 名前:132人目の素数さん [2007/01/20(土) 10:01:54 ]
熊先生いつも乙です.
全然わかりませんがログ保存してます.

490 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/20(土) 10:16:42 ]
補題
A をネーター環、I を A のイデアル、m を A の極大イデアルとし、
m は V(I) の極小元とする。
I(m) を IA_m の標準射 A → A_m による逆像とする。

このとき A/I(m) は A_m/IA_m に標準的に同型である。

証明
>>486 より I(m) は m に属する準素イデアルである。
>>483 より m^n ⊂ I(m) となる n > 0 がある。
よって V(I(m)) = {m} である。
よって A/I(m) は局所環である。
従って s ∈ A - m なら s は mod I(m) で A/I(m) の可逆元である。

a ∈ A、 s ∈ A - m で a/s ∈ A_m とする。
s は mod I(m) で A/I(m) の可逆元だから、a ≡ sb (mod I(m))
となる b ∈ A がある。

φ: A → A_m を標準射とする。
a/s - φ(b) = a/s - b/1 = (a - sb)/s = φ(a - sb)/φ(s) ∈ IA_m
よって φ: A → A_m と標準射 A_m → A_m/IA_m の合成をψとすると
ψは全射である。
ψの核は I(m) だから A/I(m) は A_m/IA_m に同型である。
証明終

491 名前:132人目の素数さん [2007/01/20(土) 10:18:20 ]
わからなかったら質問してよ。

492 名前:132人目の素数さん [2007/01/20(土) 10:51:30 ]
命題
A をネーター環、I を A のイデアルで I を含む素イデアルはすべて
極大イデアルであるとする。このとき I を含む極大イデアルは有限個
であり、A/I は環の直積 ΠA_m/IA_m と標準的に同型である。
ここで m は I ⊂ m となる極大イデアルを動く。

証明
仮定より I を含む極大イデアルは V(I) の極小元である。
前スレ1の224よりこれ等は有限個である。

m_1 と m_2 を V(I) の異なる2元とする。
>>486 より I(m_1) は m_1 に属する準素イデアルである。
よって I(m_1) を含む素イデアルは m_1 だけである。
同様に I(m_2) を含む素イデアルは m_2 だけである。
したがって I(m_1) と I(m_2) をともに含む素イデアルはない。
よって I(m_1) + I(m_2) = A である。

一方、>>487>>488 より I = ∩I(m) となる。

よって中国式剰余定理(前スレ1の341)より
A/I は環の直積 ΠA/I(m) と標準的に同型である。

>>490 より A/I(m) は A_m/IA_m に標準的に同型であるから
A/I は ΠA_m/IA_m と標準的に同型である。
証明終

493 名前:132人目の素数さん [2007/01/20(土) 11:01:11 ]
青木さやかも絶賛!!アンダーグラウンド
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/i.cgi/news/2092/

494 名前:ykr [2007/01/20(土) 12:56:56 ]
G={(x,y)∈X;y≦g(x)}、H={(x,y)∈X;y≧h(x)}とおき、
G,Hがそれぞれ凸集合で、y=g(x)とy=h(x)が2点で交わっているとき、
G∩Hである部分は1つしか存在しないということを証明したいです。

495 名前:132人目の素数さん [2007/01/20(土) 15:21:40 ]
念のために言うと、わからなかったら質問してよという意味は、
このスレまたは過去スレで私が書いたこと(雑談等は除く)に関して
分からなかったら質問してという意味です。

496 名前:ykr氏へ mailto:sage [2007/01/21(日) 16:03:53 ]
>494
> G,Hがそれぞれ凸集合で、y=g(x)とy=h(x)が2点で交わっているとき、
> G∩Hである部分は1つしか存在しない
Kummerさん:
ノイズかも知れんが、回答しておきやす。

G,Hがそれぞれ凸ならG∩Hも凸(何故かは自分で考えてね)。
で一般に空でない凸集合は(弧状)連結である(何故かは自分で考えてね)。
y=g(x)とy=h(x)が2点で交わっているなら、G∩Hは空でなく従って(弧状)連結であるよ。

497 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/23(火) 22:04:28 ]
>>492 の証明において I = ∩I(m) となり、各 I(m) は m に属する
準素イデアルであることを示したが、これは以下のようにしても分かる。

A をネーター環、I を A のイデアルで I を含む素イデアルはすべて
極大イデアルであるとする。

I = Q_1 ∩ Q_2 ... ∩ Q_n を I の最短準素分解(前スレ1の188)
とする。
m_i = rad(Q_i)、i = 1, ..., n とおく。
仮定より各 m_i は極大イデアルである。

I(m_i) を IA_(m_i) の標準射 A → A_(m_i) による逆像とする。

前スレ1の198より Q_i = I(m_i) である。
よって I = ∩I(m_i) となり、各 I(m) は m に属する準素イデアル
である。



498 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/23(火) 22:34:06 ]
>>475

Neukirch の「代数的整数論」(日本語訳)の命題(12.6) の証明(p. 79)
がどうも分からない。

a ≡ c (mod p) かつ a ∈ c(a_q/a_p)O_q となる a ∈ O が取れるのは
いいとして、これから ε = a/c が O_p の単数であることが何故言える
のか分からない。c が p に含まれないならそうなるが、そうとは
限らないのではないか?

この命題(12.6)は >>474 の問題の解法において重要であるので、
1週間ほど考えたあげく、今日ようやく証明することが出来た。
この証明は Neukirch の証明(?)よりわかりやすいと思う。
それをこれから述べる。

499 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/24(水) 21:50:44 ]
命題
A を整域、K をその商体とする。
M を A の可逆分数イデアル(>>466)とする。
p を A の素イデアルとすると M_p は A_p の単項分数イデアル(>>469)
である。

証明
前スレ2の509より M_p は階数1の射影加群である。
A_p は局所環だから、前スレ2の191より M_p は階数1の自由加群
である。M_p は (A_p)-加群として K の部分加群とみなせるから
A_p の単項分数イデアルである。
証明終

500 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/24(水) 22:20:42 ]
命題
A を整域、K をその商体とする。
M を K の A-部分加群で有限表示(前スレ2の176)を持つとする。
A の各極大イデアル m に対して M_m が A_m の単項分数イデアルなら
M は可逆分数イデアルである。

証明
前スレ2の235より M は射影的である。
よって、前スレ2の511より M は可逆分数イデアルである。
証明終

501 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/24(水) 23:13:49 ]
訂正

>>499
>命題
>A を整域、K をその商体とする。
>M を A の可逆分数イデアル(>>466)とする。
>p を A の素イデアルとすると M_p は A_p の単項分数イデアル(>>469)
>である。

命題
A を整域、K をその商体とする。
M を A の可逆分数イデアル(>>466)とする。
p を A の素イデアルとすると M_p は A_p の 0 でない単項分数イデアル
(>>469)である。

502 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/24(水) 23:17:27 ]
訂正

>命題
>A を整域、K をその商体とする。
>M を K の A-部分加群で有限表示(前スレ2の176)を持つとする。
>A の各極大イデアル m に対して M_m が A_m の単項分数イデアルなら
>M は可逆分数イデアルである。

命題
A を整域、K をその商体とする。
M ≠ 0 を K の A-部分加群で有限表示(前スレ2の176)を持つとする。
A の各極大イデアル m に対して M_m が A_m の 0 でない単項分数
イデアルなら M は可逆分数イデアルである。

503 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/24(水) 23:19:07 ]
>>502>>500 の訂正

504 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/24(水) 23:32:10 ]
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
M ≠ 0 を A の分数イデアルとする。
M_p ≠ A_p となる A の素イデアル p ≠ 0 は有限個しかない。

証明
分数イデアルの定義(>>463)より A の元 a ≠ 0 があり
aM ⊂ A となる。aM = I は A の非零イデアルである。

A は1次元だから I ⊂ p となる素イデアル p は Supp(A/I) の
極小元である。よって前スレ1の224よりこれ等は有限個である。
IA_p ≠ A_p は I ⊂ p と同値だから IA_p ≠ A_p となる p は
有限個である。

同様に aA_p ≠ A_p となる p も有限個である。

一方、M = (1/a)I だから M_p = (1/a)IA_p となる。
(1/a)IA_p ≠ A_p なら (1/a)A_p ≠ A_p または IA_p ≠ A_p である。
よって M_p ≠ A_p となる A の素イデアル p ≠ 0 は有限個しかない。
証明終

505 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/25(木) 12:20:56 ]
A を1次元のネーター整域とする。
p ≠ 0 を A の素イデアルとする。

M を A の可逆分数イデアルとしたとき、M_p は A_p の
可逆分数イデアルである。
よって、M に M_p を対応させることにより
A の可逆分数イデアル群 I(A) から A_p の可逆分数イデアル群 I(A_p)
への写像 Φ_p : I(A) → I(A_p) が得られる。
Φ_p は明らかに群としての準同型である。

Σ I(A_p) を I(A_p) の直和とする。ここで p は A のすべての
0 でない素イデアルを動く。

>>504 より、アーベル群の射 Φ : I(A) → Σ I(A_p) が得られる。

506 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/25(木) 12:56:54 ]
補題
A を整域とし、K をその商体とする。
A = ∩ A_m である。
ここで m は A のすべての極大イデアルを動く。
A_m は K の部分環とみなしている。

証明
A ⊂ ∩ A_m は明らかである。

x ∈ ∩ A_m とする。

I = {a ∈ A; ax ∈ A} とおく。
I は A のイデアルである。

I ≠ A と仮定する。
I ⊂ m となる極大イデアル m がある。
x ∈ A_m だから s ∈ A - m があり sx ∈ A となる。
よって s ∈ I となるが、これは I ⊂ m に矛盾する。
よって I = A となり x ∈ A である。
証明終

507 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/25(木) 13:02:52 ]
命題
A を1次元のネーター整域とする。
>>505 で定義した 射 Φ : I(A) → Σ I(A_p) は単射である。

証明
M を A の可逆分数イデアルとし、Φ(M) = 0 とする。
これは、すべての p ≠ 0 で M_p = A_p を意味する。
よって M ⊂ ∩ A_p である。

A は1次元だから A の 0 でない素イデアルと A の極大イデアルは
同じものである。
よって >>506 より ∩ A_p = A である。
よって M ⊂ A である。

M ≠ A とすると M ⊂ p となる極大イデアル p がある。
M_p ⊂ pA_p だから M_p ≠ A_p となって仮定に反する。
よって M = A である。
証明終



508 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/25(木) 15:07:52 ]
補題
A を環、S を A の積閉部分集合とする。
I を A_S のイデアルとし、J を I の標準射 A → A_S による逆像と
する。このとき I = JA_S である。

証明
a/s ∈ I とする。ここで a ∈ I, s ∈ S である。

a/1 = (s/1)(a/s) ∈ I だから a ∈ J である。
よって a/s ∈ JA_S である。
よって I ⊂ JA_S である。

逆の包含関係は明らかである。
証明終

509 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/25(木) 15:10:45 ]
補題
A をネーター環、p と q を A の素イデアルで q は p に含まれない
とする。
I を q に属する準素イデアルとすると IA_p = A_p である。

証明
>>483 より q^n ⊂ I となる n > 0 がある。

q は p に含まれないから qA_p = A_p である。
よって (q^n)A_p = A_p である。
よって IA_p = A_p である。
証明終

510 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/25(木) 15:14:21 ]
補題
A をネーター環とし、m_1, ..., m_n を A の相異なる極大イデアル
とする。

各 i に対して q_i を A_(m_i) の (m_i)A_(m_i) に属する準素イデアル
とし、Q_i を q_i の標準射 A → A_(m_i) による逆像とする。

I = Q_1 ∩ Q_2 ... ∩ Q_n とおく。
各 i に対して IA_(m_i) = q_i である。

証明
前スレ3の585より
IA_(m_i) = (Q_1)A_(m_i) ∩ ... ∩ (Q_1)A_(m_i) である。

>>480 より、各 Q_i は m_i に属する準素イデアルである。
>>509 より、i ≠ j なら (Q_j)A_(m_i) = A_(m_i) である。
よって IA_(m_i) = (Q_i)A_(m_i) である。
>>508 より、(Q_i)A_(m_i) = q_i である。
証明終

511 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/25(木) 15:23:45 ]
命題
A を1次元のネーター整域とする。
>>505 で定義した 射 Φ : I(A) → Σ I(A_p) は全射である。

証明
ξ = (ξ_p) を Σ I(A_p) の任意の元とする。

A_p は局所環だから、前スレ2の361より Pic(A_p) = 0 である。
よって >>472 より I(A_p) = P(A_p) である。

よって、各 ξ_p は (a_p/b_p)A_p と書ける。
ここで a_p と b_p は A の 0 でない元である。
(a_p/b_p)A_p ≠ A_p となる p は有限個である。
(a_p/b_p)A_p = A_p のときは a_p = b_p = 1 と仮定してよい。

各 p に対して I(p) = A ∩ a_pA_p とおく。
>>484 より a_pA_p ≠ A_p なら a_pA_p は pA_p に属する
準素イデアルである。

I = ∩ I(p) とおく。ここで p は A の 0 でない素イデアル全体を
動く。I(p) は有限個を除いて A_p に等しい。

>>510 より、各 p に対して IA_p = a_pA_p となる。

同様に 各 p に対して J(p) = A ∩ b_pA_p とおき、
J = ∩ J(p) とおく。

M = I(J^(-1)) とおけば 各 p に対して M_p = (a_p/b_p)A_p である。
即ち Φ(M) = ξ である。
証明終

512 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/25(木) 15:38:14 ]
>>511 の命題が >>498 で書いた Neukirch の「代数的整数論」の
命題(12.6) である。

証明が出来てしまえば簡単だが Neukirch の証明に拘っていたので
証明に手間どった。

なお、あとで気付いたが EGA IV-4 の命題 (21.9.4) p. 285 が
スキーム論での >>511 (及び >>507) に対応する命題である。

513 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/25(木) 15:59:40 ]
>>511 の証明の補足説明。

I = ∩ I(p) が A の可逆分数イデアルであることは、
各 p に対して IA_p = a_pA_p であることから >>500(と>>502)
より分かる。

J = ∩ J(p) も同様に A の可逆分数イデアルである。

514 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/25(木) 16:23:48 ]
補題
A を環、M を A-加群、N をその部分加群とする。
A のすべての極大イデアル m にたいして M_m = N_m なら
M = N である。

証明
m を A の任意の極大イデアルとする。

完全列 0 → N → M → M/N → 0 より
完全列 0 → N_m → M_m → (M/N)_m → 0 が得られる。

仮定より M_m = N_m だから (M/N)_m = 0 である。
前スレ2の224より M/N = 0 である。
即ち M = N である。
証明終

515 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/25(木) 16:32:25 ]
>>511 の証明において M = ∩ (a_p/b_p)A_p である。
ここで p は A の 0 でない素イデアル全体を動く。

証明
N = ∩ (a_p/b_p)A_p とおく。

各 p 対して M_p = (a_p/b_p)A_p だから M ⊂ (a_p/b_p)A_p である。
よって M ⊂ N である。

N ⊂ (a_p/b_p)A_p だから N_p ⊂ (a_p/b_p)A_p である。
M_p ⊂ N_p だから M_p = N_p = (a_p/b_p)A_p である。

よって >>514 より M = N である。
証明終

516 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/25(木) 17:08:11 ]
前スレ2の524の定義を再度書く。

定義
A を環とする。A の可逆元全体は乗法によりアーベル群となる。
この群を U(A) または A^* と書く。

517 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/25(木) 17:09:05 ]
補題
A を整域とし、K をその商体とする。
A の単項分数イデアル群 P(A) は K^*/A^* と標準的に同型である。

証明
K^* の元 x に xA を対応させることにより
アーベル群の射 f : K^* → P(A) が得られる。

f は全射であり、その核は A^* である。
よって f は同型 K^*/A^* → P(A) を誘導する。
証明終



518 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/25(木) 17:17:22 ]
命題
A を単項イデアル整域(前スレ1の644)とし、K をその商体とする。
K^*/A^* は Σ K^*/(A_p)^* に標準的に同型である。
ここで p は A の 0 でない素イデアル全体を動く。

証明
>>507>>511 より I(A) は Σ I(A_p) と標準的に同型である。
A は単項イデアル整域だから I(A) = P(A) である。

A_pは局所環だから、前スレ2の361より Pic(A_p) = 0 である。
よって >>472 より I(A_p) = P(A_p) である
(このことは A_p が離散付値環であることからも分かる)。

以上から P(A) は Σ P(A_p) と標準的に同型である。

一方、>>517 より P(A) は K^*/A^* と標準的に同型であり、
P(A_p) は K^*/A^* と標準的に同型である。
よって K^*/A^* は Σ K^*/(A_p)^* に標準的に同型である。
証明終

519 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/25(木) 21:11:08 ]
定義
G をアーベル群で同時に関係 ≧ により順序集合であるとする。
x ≧ y のとき x + z ≧ y + z が G の任意の元 z で成り立つとき
G をアーベル順序群という。

520 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/25(木) 21:12:13 ]
定義
G をアーベル順序群(>>519)とする。
G+ = {x ∈ G; x ≧ 0} と書く。

521 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/25(木) 21:13:08 ]
命題
集合 I を添字集合とするアーベル順序群の列 (G_i) があるとする。
G = Σ G_i を (G_i) の直和アーベル群とする。

G の元 x = (x_i) と y = (y_i) に対して x_i ≧ y_i がすべての
i ∈ I に対して成り立つとき x ≧ y と定義することにより
G はアーベル順序群になる。

証明
自明である。

522 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/25(木) 21:15:03 ]
補題
集合 I を添字集合とするアーベル順序群の列 (G_i) があるとする。
各 i に対して G_i の任意の元 a は
a = b - c, b ∈ (G_i)+, c ∈ (G_i)+ と書けるとする。

G = Σ G_i を (G_i) の直和アーベル群とする。
>>521 より G はアーベル順序群である。

G の任意の元 x は x = y - z, y ∈ G+, z ∈ G+ と書ける。

証明
G の任意の元 x = (x_i) に対して y = (y_i) ∈ G+ と
z = (z_i) ∈ G+ を以下のように定義する。

x_i = 0 のときは y_i = z_i = 0 とする。

仮定より x_i ≠ 0 のときは x_i = b - c となる (G_i)+ の元
b と c がある。y_i = b, z_i = c とおく。

y = (y_i), z = (z_i) とおけばよい。
証明終

523 名前:132人目の素数さん [2007/01/25(木) 21:16:50 ]
オナニースレ?

524 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/25(木) 21:20:16 ]
補題
集合 I を添字集合とするアーベル順序群の列 (H_i) があるとする。
各 i に対して H_i の任意の元 a は
a = b - c, b ∈ (H_i)+, c ∈ (H_i)+ と書けるとする。

H = Σ H_i を (H_i) の直和アーベル群とする。
>>521 より H はアーベル順序群である。

G をアーベル群でアーベル群の射 Φ : G → H があり、
任意の y ∈ H+ に対して Φ(x) = y となる x ∈ G があるとする。

このとき Φ は全射である。

証明
>>522 より H の任意の元 x は x = y - z, y ∈ H+, z ∈ H+
と書ける。
これより本命題の主張は明らかである。
証明終

525 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/25(木) 21:22:59 ]
命題
A を整域とし、K をその商体とする。
A の単項分数イデアル群 P(A) は x ⊂ y のとき x ≧ y と
定義することによりアーベル順序群になる。

このとき P(A)+ は A の 0 でない単項イデアル全体と一致する。

証明
自明である。

526 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/25(木) 21:50:17 ]
補題
A を1次元のネーター整域とする。
>>505 で定義した 射 Φ : I(A) → Σ I(A_p) を考える。
H = Σ I(A_p) とおく。

I(A_p) = P(A_p) だから >>525 より I(A_p) はアーベル順序群になる。
よって >>521 より H もアーベル順序群である。

このとき、任意の y ∈ H+ に対して Φ(x) = y となる
x ∈ I(A) がある。

証明
各 p に対して A_p は1次元の局所ネーター環である。
従って、y = (y_p) ∈ H+ に対して y_p ≠ A_p なら >>484 より
y_p は pA_p に属する準素イデアルである。

I = ∩ (A ∩ y_p) とおく。ここで p は y_p ≠ A_p となる p を
動く。

>>510 より y_p ≠ A_p のとき IA_p = y_p である。
容易にわかるように I を含む素イデアル p は y_p ≠ A_p となるもの
に限る。
従って y_p = A_p なら I は p に含まれないから IA_p = A_p である。

以上から各 p に対して IA_p = A_p である。
>>500 より I は可逆分数イデアルである。
よって x = I とおけば x ∈ I(A) で Φ(x) = y である。
証明終

527 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/25(木) 21:59:58 ]
>>524>>526 より >>511 の別証が得られることは明らかだろう。
別証といっても本質的にはあまり違わないが、こちらの方がすっきり
しているだろう。



528 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/25(木) 22:45:02 ]
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とする。
B が A-加群として有限生成のとき B は Dedekind 整域である。

証明
A はネーター環だから B のイデアルは有限生成 A-加群の部分加群
として有限個の生成元をもつ。
これらの生成元はイデアルとしての生成元でもあるから
B はネーター環である。

B は A-加群として有限生成だから前スレ1の505から
B は A 上整である。
よって前スレ1の637より B は1次元である。

以上から B は1次元のネーター整閉整域だから前スレ2の601の
定義より Dedekind 整域である。
証明終

529 名前:132人目の素数さん [2007/01/26(金) 05:15:19 ]
Kummer= kokorono itami.....

530 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/26(金) 12:00:09 ]
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
p ≠ 0 を A の素イデアルとしたとき B_p は単項イデアル整域であり、
その極大イデアルは有限個である。
ここで B_p は積閉部分集合 S = A - p に関する B の局所化である。

証明
前スレ2の787より B_p は Dedekind 整域である。

A_p ⊂ B_p であり A_p は pA_p を極大イデアルとする局所環である。
前スレ1の514より B_p は A_p の上に整だから B_p の極大イデアルは
pA_p の上にある(前スレ1の518)。
よって B_p の極大イデアルは pB_p を含む。
よってこれ等は有限個である。
前スレ2の767より B_p は単項イデアル整域である。
証明終

531 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/26(金) 12:02:14 ]
補題
A を環、S を A の積閉部分集合とする。
B = A_S とおく。
p を S と交わらない A の素イデアルとする。
pB は B の素イデアルだから局所化 B_pB が意味をもつが
B_pB は A_p と標準的に同型である。

証明
U = A - p とおくと S ⊂ U である。
B_pB の元は (a/s)/(u/t) の形をしている。
ここで a ∈ A, s ∈ S, u ∈ A - p, t ∈ S である。

u ∈ A - p に対して (u/1)/(1/1) は B_pB の可逆元だから
a ∈ A のとき a/u に (a/1)/(u/1) を対応させて
射 φ : A_p → B_pB が定まる。

a ∈ A, s ∈ S, u ∈ A - p, t ∈ S のとき、
B_pB において
(a/s)/(1/1) = (a/1)/(s/1)
(u/t)/(1/1) = (u/1)/(t/1)
だから
(a/s)/(u/t) = (at/1)/(su/1)
である。
よって φ(at/su) = (a/s)/(u/t) となって φ は全射である。

a ∈ A, u ∈ A - p のとき、φ(a/u) = 0 とする。
φ(a/u) = (a/1)/(u/1) だから v ∈ A - p, s ∈ S があって
B において (v/s)(a/1) = va/s = 0 となる。
よって t ∈ S があって tva = 0 となる。
tv ∈ A - p だから A_p において a/u = 0 である。
よって φ は単射である。
証明終

532 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/26(金) 12:04:15 ]
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
p ≠ 0 を A の素イデアルとする。

このとき K^*/(B_p)^* は Σ K^*/(B_P)^* に標準的に同型である。

ここで P は B の 0 でない素イデアルで p = A ∩ P となるもの
全体を動く。
B_p は積閉部分集合 S = A - p に関する B の局所化である。

証明
C = B_p とおく。
>>530 より C は単項イデアル整域である。
よって >>518 より K^*/C^* は Σ K^*/(C_M)^* に標準的に
同型である。ここで M は C の極大イデアル全体を動く。

C の極大イデアル M は >>530 の証明で述べたように pA_p の上にある。
よって M = PC の形である。
ここで P は B の 0 でない素イデアルで p = A ∩ P となるもの
である。
よって >>531 より C_M は B_P に標準的に同型である。
証明終

533 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/26(金) 12:35:50 ]
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。

このとき B の可逆分数イデアル群 I(B) は Σ K^*/(B_p)^* に標準的に
同型である。
ここで p は A の 0 でない素イデアル全体を動く。

証明
>>528 より B は Dedekind 整域だから当然1次元のネーター整域で
ある。よって >>507>>511 より I(B) は Σ I(B_P) と標準的に
同型である。ここで P は B の 0 でない素イデアル全体を動く。
各 B_P は局所環だから前スレ2の361より Pic(B_P) = 0 である。
よって >>472 より I(B_P) = P(B_P) である。
>>517 より P(B_P) は K^*/(B_P)^* と標準的に同型である。

以上から I(B) は Σ K^*/(B_P)^* に標準的に同型である。
ここで P は B の 0 でない素イデアル全体を動く。

>>532 より Σ K^*/(B_P)^* は Σ K^*/(B_p)^* に標準的に同型である。
証明終

534 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/26(金) 12:48:50 ]
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
このとき次のアーベル群の完全列が存在する。

0 → K^*/A^ → Σ K^*/(A_p)^* → Pic(A) → 0

ここで Σ K^*/(A_p)^* の p は A の 0 でない素イデアル全体を動く。

証明
>>507>>511 より I(A) は Σ I(A_p) と標準的に
同型である。ここで p は A の 0 でない素イデアル全体を動く。
各 A_p は局所環だから前スレ2の361より Pic(A_p) = 0 である。
よって >>472 より I(A_p) = P(A_p) である。
>>517 より P(A_p) は K^*/(A_p)^* と標準的に同型である。

以上から I(A) は Σ K^*/(A_p)^* に標準的に同型である。

>>472 より P(A) は K^*/A^* と標準的に同型である。
後は>>473 に注意すればよい。
証明終

535 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/26(金) 12:51:40 ]
訂正
>>534
>0 → K^*/A^ → Σ K^*/(A_p)^* → Pic(A) → 0

0 → K^*/A^* → Σ K^*/(A_p)^* → Pic(A) → 0

536 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/26(金) 13:01:28 ]
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
このとき次のアーベル群の完全列が存在する。

0 → K^*/B^* → Σ K^*/(B_p)^* → Pic(B) → 0

ここで Σ K^*/(B_p)^* の p は A の 0 でない素イデアル全体を動く。

証明
>>533 より明らかである。

537 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/26(金) 13:06:37 ]
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。

このとき次のアーベル群の可換図式が存在する。

0 → K^*/A^* → Σ K^*/(A_p)^* → Pic(A) → 0
   |       |      |
   v       v      v
0 → K^*/B^* → Σ K^*/(B_p)^* → Pic(B) → 0

上と下の水平の列はそれぞれ完全である。

ここで Σ K^*/(A_p)^* と Σ K^*/(B_p)^* の p は A の 0 でない
素イデアル全体を動く。

証明
>>534>>536 および各標準射の定義から明らかである。



538 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/26(金) 13:09:55 ]
>>537

可換図式の垂直の矢印がおかしいが意味は分かるだろう。

539 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/26(金) 13:20:55 ]
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
このとき次のアーベル群の完全列が存在する。

0 → B^*/A^* → Σ (B_p)^*/(A_p)^* → Pic(A) → Pic(B) → 0

ここで Σ (B_p)^*/(A_p)^* の p は A の 0 でない素イデアル全体を
動く。

証明
>>537 に蛇の補題(snake lemma)を適用すればよい。

540 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/26(金) 15:44:59 ]
定義
A を整域とし、K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とする。
>>434 で定義した (A : B) = {a ∈ A; aB ⊂ A} を A の導手という。

541 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/26(金) 15:46:42 ]
補題
A を整域とし、K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とする。
I = (A : B) を A の導手(>>540)とする。
B が A-加群として有限生成なら I ≠ 0 である。

証明
x_1, ..., x_n を B の A-加群としての生成元とする。
各 x_i は K の元だから、A の元 a ≠ 0 で各 i に対して
a(x_i) ∈ A となるものがある。
aB ⊂ A だから a ∈ I である。
証明終

542 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/26(金) 15:49:03 ]
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
I ≠ 0 を A のイデアルとする。
p を A の素イデアルで I ⊂ p とする。

このとき B_p/IB_p は環として Π B_P/IB_P に標準的に同型である。
ここで Π B_P/IB_P の P は B の素イデアルで p = A ∩ P となる
もの全体を動く。

証明
A_p ⊂ B_p で B_p は A_p 上整だから B_p の極大イデアルは
pA_p の上にある。よって、これ等は PB_p の形である。
ここで P は B の素イデアルで p = A ∩ P となる。
I ⊂ p だから I ⊂ P である。よって IB_p ⊂ PB_p である。

C = B_p おくと C は1次元のネーター整域だから
>>492 より C/IC = Π C_m/IC_m である。
ここで m = PB_p は C の極大イデアル全体を動く。

>>531 より C_m は B_P に標準的に同型である。
証明終

543 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/26(金) 15:59:34 ]
補題
A を1次元のネーター整域とする。
I ≠ 0 を A のイデアルとする。

(A/I)^* はアーベル群として Σ (A_p/IA_p)^* に標準的に
同型である。
ここで p は A の素イデアルで I ⊂ p となるもの全体を動く。

証明
I ≠ 0 だから I ⊂ p となる A の素イデアル p は極大イデアルであり
従って有限個である。

よって >>492 より A/I は環として Π A_p/IA_p に標準的に同型
である。
ここで p は A の素イデアルで I ⊂ p となるもの全体を動く。

よって (A/I)^* はアーベル群として Σ (A_p/IA_p)^* に標準的に
同型である。
証明終

544 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/26(金) 16:11:12 ]
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
I = (A : B) を A の導手とする。

(B/I)^* はアーベル群として Σ (B_p/IB_p)^* に標準的に同型である。
ここで p は A の 0 でない素イデアル全体を動く。

証明
>>541 より I ≠ 0 である。
よって >>543 より (B/I)^* はアーベル群として Σ (B_P/IB_P)^* に
標準的に同型である。
ここで P は B の素イデアルで I ⊂ P となるもの全体を動く。

>>433 より A_p の K における整閉包は B_p である。
I ⊂ p でないなら >>436 より B_p = A_p である。
IA_p = A_p だから、B_p/IB_p = A_p/IA_p = 0 である。
よって Σ (B_p/IB_p)^* は I ⊂ p となる p のみの有限和である。

I ⊂ p のとき、>>542 より
B_p/IB_p は環として Π B_P/IB_P に標準的に同型である。
ここで P は B の素イデアルで p = A ∩ P となるもの全体を動く。

よって (B_p/IB_p)^* はアーベル群として Σ (B_P/IB_P)^* に
標準的に同型である。

以上から Σ (B_p/IB_p)^* は Σ (B_P/IB_P)^* に標準的に
同型である。
ここで P は B の素イデアルで I ⊂ P となるもの全体を動く。
証明終

545 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/26(金) 17:08:56 ]
補題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
I = (A : B) を A の導手とする。
p を I ⊂ p となる A の素イデアルとする。

φ: B_p → B_p/IB_p を標準射とする。
B_p の可逆元 x に対して φ(x) は B_p/IB_p の可逆元だから
φ はアーベル群の射 ψ: (B_p)^* → (B_p/IB_p)^* を誘導する。
このとき ψ は全射である。

証明
B_p の極大イデアルは >>530 の証明で述べたように pA_p の上にある。
よって PB_p の形である。
ここで P は B の 0 でない素イデアルで p = A ∩ P となるもの
である。I ⊂ p だから IB_p ⊂ PB_p である。
よって B_p/IB_p の極大イデアルと B_p の極大イデアルは1対1に
対応する。

B_p の元 y に対して φ(y) が B_p/IB_p の可逆元だとする。
φ(y) は B_p/IB_p のどの極大イデアルにも含まれない。
即ち y は B_p の可逆元である。
よって ψ: (B_p)^* → (B_p/IB_p)^* は全射である。
証明終

546 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/26(金) 17:12:04 ]
補題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
I = (A : B) を A の導手とする。
p を I ⊂ p となる A の素イデアルとする。

I は A に含まれる B のイデアルだから IB_p = IA_p である。
よって (A_p/IA_p)^* ⊂ (B_p/IB_p)^* である。

このとき (B_p)^*/(A_p)^* はアーベル群として
(B_p/IB_p)^*/(A_p/IA_p)^* に標準的に同型である。

証明
>>545 より ψ: (B_p)^* → (B_p/IB_p)^* は全射である。

ψと標準射 (B_p/IB_p)^* → (B_p/IB_p)^*/(A_p/IA_p)^* の合成射を
Ψ: (B_p)^* → (B_p/IB_p)^*/(A_p/IA_p)^* とする。

B_p の可逆元 x に対して Ψ(x) = 0 とする。
これは ψ(x) ∈ (A_p/IA_p)^* を意味する。
よって x ≡ y (mod IB_p) となる y ∈ A_p がある。
IB_p = IA_p だから x ∈ A_p である。
x は B_p の可逆元だから x ∈ A_p である。
ψ(x) ∈ (A_p/IA_p)^* だから x ∈ (A_p)^* である。

よって Ψ の核は (A_p)^* である。
証明終

547 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/26(金) 17:30:04 ]
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
I = (A : B) を A の導手とする。
このとき次のアーベル群の完全列が存在する。

0 → B^*/A^* → (B/I)^*/(A/I)^* → Pic(A) → Pic(B) → 0

証明
以下、簡単のためにアーベル群の標準同型を等号 = で表す。

>>539 より次のアーベル群の完全列が存在する。
0 → B^*/A^* → Σ (B_p)^*/(A_p)^* → Pic(A) → Pic(B) → 0

ここで p は A の 0 でない素イデアル全体を動くが、
I ⊂ p でないときは >>436 より B_p = A_p である。
よって Σ (B_p)^*/(A_p)^* は I ⊂ p となる p のみの有限和である。

(B/I)^*/(A/I)^* = Σ (B_p)^*/(A_p)^* を言えばよい。

>>543 より (A/I)^* = Σ (A_p/IA_p)^* である。
>>544 より (B/I)^* = Σ (B_p/IB_p)^* である。

よって
(B/I)^*/(A/I)^* = Σ (B_p/IB_p)^*/(A_p/IA_p)^* である。

>>546 より (B_p)^*/(A_p)^* = (B_p/IB_p)^*/(A_p/IA_p)^* である
証明終



548 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/27(土) 10:28:23 ]
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
さらに B が有限ノルム性(>>68)を持ち Pic(B) が有限群であるとする。
I = (A : B) を A の導手とする。

このとき、

|Pic(A)| = |Pic(B)|[(B/I)^* : (A/I)^*]/[B^* : A^*]

である。

証明
>>547 より Pic(A) → Pic(B) の核の位数は
[(B/I)^* : (A/I)^*]/[B^* : A^*] である。
これより明らかである。
証明終

549 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/27(土) 10:34:48 ]
>>548 を代数体に適用すると Hilbert の Zahlbericht の定理 66
となる。Hilbert はこれを解析的に証明している。

550 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/29(月) 12:42:14 ]
定義
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
I = (A : B) を A の導手とする。
J ≠ 0 を A の イデアルとする。
JB が I と素のとき J を正則なイデアルという。

551 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/29(月) 12:45:22 ]
補題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
I = (A : B) を A の導手とする。
p ≠ 0 を A の素イデアルとする。

p が正則 (>>550) であるためには p が I を含まないことが
必要十分である。

証明
>>448 と同様である。

552 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/29(月) 12:46:37 ]
補題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
I = (A : B) を A の導手とする。
I ≠ 0 を A のイデアルとする。

I が正則 (>>550) であるためには I ⊂ p となる A の任意の
素イデアル p が正則であることが必要十分である。

証明
>>449 と同様である。

553 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/29(月) 12:47:30 ]
命題
A を1次元のネーター整域とし、p ≠ 0 を A の素イデアルとする。
A_p が離散付値環(前スレ1の 645)であるためには A_p が整閉で
あることが必要十分である。

証明
A_P が離散付値環なら、A_p は一意分解整域だから 前スレ3の 158 より
A_P は整閉である。

逆に A_p が整閉なら前スレ2の 555 より A_p は離散付値環である。
証明終

554 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/29(月) 12:51:34 ]
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
I = (A : B) を A の導手とする。
p ≠ 0 を A の素イデアルとする。

p が正則であるためには A_p が離散付値環であることが
必要十分である。

証明
>>436>>551 より p が正則であるためには A_p が整閉であることが
必要十分である。

>>554 より、これは A_p が離散付値環であることと同値である。
証明終

555 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/29(月) 12:53:02 ]
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
p ≠ 0 を A の素イデアルとする。

p が正則であるためには p が可逆分数イデアル(>>466)であることが
必要十分である。

証明
p が正則なら >>554 より A_p は離散付値環である。従って pA_p は
単項イデアルである。
q ≠ 0 を p と異なる A の素イデアルとすると、q は p に含まれない
から pA_q = A_q となり、これも 0 でない単項イデアルである。
よって >>500 (及び >>502) より p は可逆分数イデアルである。

逆に p が可逆分数イデアルなら >>499 より pA_p は単項イデアル
である。よって前スレ3の534より A_p は離散付値環である。
よって >>554 より p は正則である。
証明終

556 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/29(月) 12:54:06 ]
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
I と J を A の正則なイデアルとする。

IB = JB なら I = J である。

証明
>>451 と同様である。

557 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/29(月) 12:55:32 ]
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
I = (A : B) を A の導手とする。
J ≠ 0 を B のイデアルで I と素とする。
J_0 = A ∩ J とおく。
このとき、J_0 は正則なイデアルで (J_0)B = J となる。

証明
>>453 と同様である。



558 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/29(月) 12:56:22 ]
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。

A の正則なイデアルは正則な素イデアルのべき積として一意に
分解される。

証明
>>457 と同様である。

559 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/29(月) 12:58:41 ]
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。

A の正則なイデアルは可逆分数イデアルである。

証明
>>555>>558 より明らかである。

560 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/01/29(月) 13:18:00 ]
9

561 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/29(月) 17:24:48 ]
訂正

>>552 を以下のように修正する。

補題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
J ≠ 0 を A のイデアルとする。

J が正則 (>>550) であるためには J ⊂ p となる A の任意の
素イデアル p が正則であることが必要十分である。

証明
>>449 と同様である。

562 名前:"""""" mailto:"""""" [2007/01/29(月) 17:25:19 ]
● 若い桃尻お尻厳選?+秋山奈々??? ●
eco.no.land.to/idol/forumdisplay.php?fid=1&filter=0&orderby=views&page=1

563 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/29(月) 17:26:41 ]
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。

p ≠ 0 を A の素イデアルで正則でないとする。
a を p の 0 でない元とすると aA は可逆であるが >>561 より
正則ではない。

従って >>559 の逆は成立たない。

564 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/29(月) 20:17:58 ]
定義
A を Dedekind 整域とする。
M ≠ 0 と N ≠ 0 を A の分数イデアル(前スレ2の677) とする。
M の素イデアル分解に現れる素イデアルの集合と
N の素イデアル分解に現れる素イデアルの集合の共通集合が空のとき
M と N は互いに素であるという。

565 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/29(月) 20:19:29 ]
定義
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
I = (A : B) を A の導手とする。
M ≠ 0 を A の分数イデアルとする。
MB が I と互いに素(>>564)のとき M を正則な分数イデアルという。

566 名前:132人目の素数さん [2007/01/29(月) 22:39:00 ]
>>565 の訂正

定義
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
M ≠ 0 を A の分数イデアルとする。
I と J を正則なイデアルとして
M = I/J と書けるとき M を正則な分数イデアルという。
ここで I/J は I (J^(-1)) を意味する。
J は可逆(>>559)であるので J^(-1) は存在する。

567 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/29(月) 22:51:59 ]
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
M と N を正則な分数イデアル(>>566)とする。
MB = NB なら M = N である。

証明
定義(>>566)より M = I_1/J_1, N = I_2/J_2 とする。
ここで I_1, J_1, I_2, J_2 はそれぞれ正則なイデアルである。
MB = NB より (I_1)B/(J_1)B = (I_2)B/(J_2)B となる。
よって (I_1)(J_2)B = (I_2)(J_1)B である。
>>556 より (I_1)(J_2) = (I_2)(J_1) となる。
よって M = N となる。
証明終



568 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/29(月) 23:06:46 ]
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
I = (A : B) を A の導手とする。
M を B の分数イデアルで I と互いに素(>>564)であるとする。
このとき A の正則な分数イデアル M_0 で (M_0)B = M となるものが
一意に存在する。

証明
M は I と互いに素だから、M の素イデアル分解考えれば、M = J/L
と書ける。
ここで J と L はそれぞれ I と互いに素な B のイデアルである。

J_0 = A ∩ J, L_0 = A ∩ L とおくと >>557 より J_0, L_0 は
それぞれ A の正則なイデアルで (J_0)B = J, (L_0)B = L となる。
M_0 = (J_0)/(L_0) とおけば、(M_0)B = M となる。
>>567 より M_0 は一意に定まる。
証明終

569 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/30(火) 15:17:56 ]
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
M を A の可逆分数イデアルとする。
M が A の正則な分数イデアルであるためには M_p ≠ A_p となる
A の素イデアル p ≠ 0 がすべて正則であることが必用十分である。

証明
M が A の正則な分数イデアルとする。
M = J/L と書ける。ここで J と L は正則なイデアルである。
p が正則でなければ J は p に含まれないから J_p = A_p である。
同様に L_p = A_p である。よって M_p = J_p/L_p = A_p である。

逆に M_p ≠ A_p となる p ≠ 0 がすべて正則であるとする。
>>511 の証明より、正則なイデアル J, L が存在しして
M = J/L と書けることが分かる。
証明終

570 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/30(火) 15:18:30 ]
補題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
J と L を A の正則なイデアルとすると、JL も正則なイデアルである。

証明
p ≠ 0 を A の素イデアルで JL ⊂ p とすると、J ⊂ p または
L ⊂ p となる。いずれの場合でも p は正則である。
証明終

571 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/30(火) 15:19:14 ]
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
M と N を A の正則な分数イデアルとすると、MN も正則な分数イデアル
である。

証明
>>570 より明らかである。

572 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/30(火) 15:20:20 ]
定義
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
>>559>>571 より A の正則な分数イデアル全体は A の
可逆分数イデアル群(>>470) I(A) の部分群になる。
これを RI(A) と書く。
A の正則な単項分数イデアルのなす群を RP(A) と書く。
RP(A) = RI(A) ∩ P(A) である。

573 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/30(火) 15:21:15 ]
命題
A をDedekind整域とし、I ≠ 0 をそのイデアルとする。
A のイデアル類群(>>180) の各類は I と素なイデアルを
含む。

証明
C を A のイデアル類群の任意の類とする。
C^(-1) に属するイデアル J をとる。
前スレ2の785より α ∈ J で (α) = JL, I + L = A となる
α とイデアル L ≠ 0 が存在する。
L ∈ C が求めるものである。
証明終

574 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/30(火) 15:46:14 ]
補題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
I = (A : B) を A の導手とする。

>>547 の標準射 Pic(A) → Pic(B) の核の各類は A ∩ βB の形の
正則なイデアルを含む。ここで β ≠ 0 は I と素、
つまり βB + I = B となる B の元である。

証明
>>547 とそこにおける射 (B/I)^*/(A/I)^* → Pic(A) の定義から
分かる。

575 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/30(火) 16:37:04 ]
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。

>>572 の RI(A) は I(A) の部分群であり RP(A) = RI(A) ∩ P(A)
であるから標準射 RI(A)/RP(A) → I(A)/P(A) が存在するが、
これは同型である。

証明
RI(A)/RP(A) → I(A)/P(A) は単射であるから、これが全射であることを
示せばよい。

J を A のイデアルで可逆としたとき C(J) で J が属す I(A)/P(A) の
類を表す。

JB は B の非零イデアルだから >>573 より I と素な
B のイデアル L_1 で JB と同じイデアル類に属すものがある。
L = A ∩ L_1 とおくと >>557 より L は A の正則なイデアルであり
LB = L_1 である。

C(J) と C(L) の標準射 Pic(A) → Pic(B) による像はともに JB の属す
イデアル類だから一致する。
よって >>574 より C(J) = C(L) C(A ∩ βB) となる。
ここで β ≠ 0 は I と素な B の元である。

よって J と L(A ∩ βB) は I(A)/P(A) の同じ類に属す。
L と A ∩ βB はともに正則だから >>570 よりそれらの積 L(A ∩ βB)
も正則である。
これは標準射 RI(A)/RP(A) → I(A)/P(A) が全射であることを
示している。
証明終

576 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/30(火) 20:38:17 ]
2次体 Q(√m) の整環の話に戻る。

命題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする(>>421, >>423)。

a > 0 と b を有理整数として、N(b + fω) が a で割れれば
a, b + fω は R のあるイデアルの標準基底(>>429)である。

証明
a と b + fω が Z 上一次独立なのは明らか。
よって [a, b + fω] が R のイデアルであることを示せばよい。
つまり、afω ∈ [a, b + fω] と (b + fω)fω ∈ [a, b + fω]
を示せばよい。

afω = -ab + a(b + fω) ∈ [a, b + fω] である。

N(b + fω) = ak とする。
つまり (b + fω)(b + fω') = ak である。

Tr(ω) = ω + ω' = s とおく。
s は有理整数である(実際、0 または 1)。

ω' = s - ω より
(b + fω)(b + fs - fω) = ak
よって
(b + fω)(b + fs) - (b + fω)fω = ak
よって
(b + fω)fω = -ak + (b + fω)(b + fs) ∈ [a, b + fω]
証明終

577 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/01/31(水) 16:51:00 ]
14



578 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/03(土) 10:40:22 ]
命題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、α ≠ 0 を R の元とする。
イデアル αR のノルム(>>438)は |N(α)| に等しい。

証明
>>80 の証明と同様である。

579 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/03(土) 11:02:36 ]
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、
I ≠ 0 と J ≠ 0 を R のイデアルで J ⊂ I とする。
このとき N(J) は N(I) で割れる。

証明
J ⊂ I ⊂ R をアーベル群の昇列とみて
|R/J| = |R/I||I/J| となる。

これとノルムの定義(>>438)より
N(J) = N(I)|I/J| である。
証明終

580 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/03(土) 11:06:42 ]
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、
I ≠ 0 を R のイデアルとする。
α ≠ 0 が I の元のとき、N(α) は N(I) で割れる。

証明
>>578>>579 より明らかである。

581 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/03(土) 11:24:42 ]
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、
I ≠ 0 を R のイデアルとする。
I = [α, β] を I のある基底による表現とする。

このとき (αβ' - βα')^2 = (N(I)^2)D である。
ここで D は R の判別式(>>424)である。

証明
α = a + bfω
β = c + dfω
とする。
ここで a, b, c, d は有理整数である。

行列 A = (α, β)/(α', β') と B = (a, b)/(c, d) と
C = (1, fω)/(1, fω') を考える
(この記法に関しては >>196 を参照)。

A = BC より det(A) = det(B)det(C) となる。
det(B) = |N(I)|, det(C)^2 = D だから
det(A)^2 = (N(I)^2)D となる。
証明終

582 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/03(土) 11:41:00 ]
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、
I ≠ 0 を R のイデアルとする。
I = [α, β] を I のある基底による表現とする。

このとき αβ' + βα' は N(I) で割れる。

証明
N(α + β) = (α + β)(α' + β')
= αα' + (αβ' + βα') + ββ'

よって
(αβ' + βα')/N(I) = N(α + β)/N(I) - αα'/N(I) - ββ'/N(I)

>>580 よりこの右辺は有理整数である。
証明終

583 名前:132人目の素数さん [2007/02/03(土) 11:42:10 ]
正の整数mを10進法で表したときの各桁の数の2乗の和をf(m)とする。
(1)mの桁数が4以上なら、f(m)の桁数はmの桁数より小さいことを示せ。
(2)数列a(n)をa(1)=m,a(n+1)=f(a(n))と定める。数列a(n)はある項以降は同じ数の並びの繰り返しとなることを示せ。

584 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/03(土) 11:53:23 ]
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、
I ≠ 0 を R のイデアルとする。
I = [α, β] を I のある基底による表現とする。

x と y を有理整数とする。
>>580 より N(xα + yβ) は N(I) で割れる。
よって f(x, y) = N(xα + yβ)/N(I) は有理整数である。

N(xα + yβ) = (xα + yβ)(xα' + yβ')
= (αα')x^2 + (αβ' + βα')xy + (ββ')y^2

よって
a = (αα')/N(I)
b = (αβ' + βα')/N(I)
c = (ββ')/N(I)
とおけば、f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 である。

>>580>>582 より a, b, c は有理整数である。
よって f(x, y) は有理整数係数の2次形式と見なせる。

(αβ' + βα')^2 - 4αα'ββ' = (αβ' - βα')^2
だから f(x, y) の判別式は (αβ' - βα')^2/N(I)^2 である。
>>581 よりこれは R の判別式に等しい。

585 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/03(土) 13:43:51 ]
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、
D をその判別式(>>424)とする。

R = [1, (D + √D)/2] である。

証明
2次体 Q(√m) の判別式を d とする。
D = (f^2)d である(>>425)。

(1) m ≡ 1 (mod 4) のとき

ω = (1 + √m)/2 であり、d = m である。
D = (f^2)m より
(D + √D)/2 = (D + f√m)/2
= (D - f)/2 + f(1 + √m)/2
= (D - f)/2 + fω

m ≡ 1 (mod 4) だから
D = (f^2)m ≡ f^2 ≡ f (mod 2)
よって (D - f)/2 は有理整数である。

よって [1, fω] = [1, (D + √D)/2] である。

(2) m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) のとき

ω = √m であり、d = 4m である。
D = 4(f^2)m より
(D + √D)/2 = (4(f^2)m + 2f√m)/2
= 2(f^2)m + f√m = 2(f^2)m + fω
よって [1, fω] = [1, (D + √D)/2] である。
証明終

586 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/03(土) 14:44:50 ]
命題
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。
D はある2次体 Q(√m) の整環 R の判別式になる。
このとき2次体 Q(√m) と R は D により一意に決まる。

証明
>>418 より D = (f^2)d と書ける。
ここで f は有理整数 f > 0 であり d はある2次体 Q(√m) の
判別式である。
R = [1, fω] は Q(√m) の整環で、その判別式は D である(>>425)。

次に一意性を証明する。
Q(√D) = Q(√m) だから2次体 Q(√m) は D により一意に決まる。
よって D = (f^2)d となる f も一意に決まる。
よって R も一意に決まる。
証明終

587 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/03(土) 15:40:18 ]
命題
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。
>>586 より D はある2次体 Q(√m) の整環 R の判別式である。
ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の2次形式とすると、
I = [a, (-b + √D)/2] は R のイデアルである。
証明
D = b^2 - 4ac だから a ≠ 0 である。

>>585 より R = [1, (D + √D)/2] だから
a(D + √D)/2 ∈ [1, (-b + √D)/2] と
(-b + √D)(D + √D)/4 ∈ [1, (-b + √D)/2] を示せばよい。

a(D + √D)/2 = (aD + a√D)/2 = (aD + ab + a(-b + √D))/2
= a(D + b)/2 + a(-b + √D))/2

D ≡ b^2 (mod 2) だから
D + b ≡ b^2 + b ≡ b(b + 1) ≡ 0 (mod 2)
よって (D + b)/2 は有理整数である。
よって a(D + √D)/2 ∈ [1, (-b + √D)/2] である。

次に、
(-b + √D)(D + √D) = -bD - b√D + D√D + D
= -bD + D + (D - b)√D = -bD + D + (D - b)b + (D - b)(-b + √D)
= -bD + D + Db - b^2 + (D - b)(-b + √D)
= D - b^2 + (D - b)(-b + √D)

よって (-b + √D)(D + √D)/4 = (D - b^2)/4 + (D - b)(-b + √D)/4
D ≡ b^2 (mod 4)
D ≡ b^2 ≡ b (mod 2)
だから (D - b^2)/4 と (D - b)/2 は有理整数である。
よって (-b + √D)(D + √D)/4 ∈ [1, (-b + √D)/2] である。
証明終



588 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/03(土) 17:35:57 ]
>>584 を少し修正する(>>584 も後で使うかもしれない)。

R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、
I ≠ 0 を R のイデアルとする。
I = [α, β] を I のある基底による表現とする。

x と y を有理整数とする。
>>580 より N(xα - yβ) は N(I) で割れる。
よって f(x, y) = N(xα - yβ)/N(I) は有理整数である。

N(xα - yβ) = (xα - yβ)(xα' - yβ')
= (αα')x^2 - (αβ' + βα')xy + (ββ')y^2

よって
a = (αα')/N(I)
b = -(αβ' + βα')/N(I)
c = (ββ')/N(I)
とおけば、f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 である。

>>580>>582 より a, b, c は有理整数である。
よって f(x, y) は有理整数係数の2次形式と見なせる。

(αβ' + βα')^2 - 4αα'ββ' = (αβ' - βα')^2
だから f(x, y) の判別式は (αβ' - βα')^2/N(I)^2 である。
>>581 よりこれは R の判別式に等しい。

589 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/03(土) 17:55:59 ]
命題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。
I = [a, r + fω] を R の原始イデアルの標準基底による
表示とする(>>430)。
このとき判別式 D の2次形式 ax^2 + bxy + cy^2 があり、
r + fω = (-b + √D)/2 となる。

証明
α = a
β = r + fω とおく。

>>438 より N(I) = a だから
a = (αα')/N(I) である。

>>588 より
b = -(αβ' + βα')/N(I) = -(β' + β)
c = (ββ')/N(I) = (ββ')/a
とおけば、f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 の判別式は D である。

一方、a(X - β/a)(X - β'/a) = aX^2 + bX^2 + c となる。
よって β/a は aX^2 + bX^2 + c の根である。
よって β/a = (-b ± √D)/2a であるが、
√m の規約(>>273)より β/a = (-b + √D)/2a となる。
よって r + fω = (-b + √D)/2 となる。
証明終

590 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/03(土) 18:56:30 ]
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。
R = {(x + y√D)/2 ; x ∈ Z, y ∈ Z, x ≡ yD (mod 2) } である。

証明
>>585 より R の元 α は u と y を任意の有理整数として、
α = u + y(D + √D)/2 と書ける。
α = (2u + yD + y√D)/2 である。
よって x = 2u + yD とおけばよい。
証明終

591 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/03(土) 19:40:59 ]
命題(Cohen: A course in computational algebraic number theory)
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。
ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の2次形式とすると、
>>587 より I = [a, (-b + √D)/2] は R のイデアルである。
このとき、(R : I) = [1, (b + √D)/2a] である。
ここで (R : I) = { z ∈ Q(√m) ; zI ⊂ R } である(前スレ2の441)。

証明
z ∈ (R : I) とする。
za ∈ R と >>590 より z = (x + y√D)/2a となる。
ここで x と y は有理整数で x ≡ yD (mod 2) である。

z(-b + √D)/2 ∈ R より
(x + y√D)(-b + √D)/4a = (-bx + x√D - by√D + yD)/4a
= (-bx + yD + (x - by)√D)/4a ∈ R である。
よって >>590 より以下の3個の関係式が成り立つ。
(1) bx ≡ yD (mod 2a)
(2) x ≡ by (mod 2a)
(3) (-bx + yD)/2a ≡ (x - by)D/2a (mod 2)

(2) より x = by + 2at と書ける。
z = (x + y√D)/2a = (2at + y(b + √D))/2a = t + y(b + √D)/2a
よって z ∈ [1, (b + √D)/2a] である。
よって (R : I) ⊂ [1, (b + √D)/2a] である。

逆の包含関係は γ = (b + √D)/2a とおいたとき、
γ ∈ (R : I) が言えればよい。
γa = (b + √D)/2 において
D ≡ b^2 ≡ b (mod 2) だから >>590 より γa ∈ R である。
γ(-b + √D)/2 = (b + √D)(-b + √D)/4a = (D - b^2)/4a = c ∈ R である。
よって γI ⊂ R となるから γ ∈ (R : I) である。
証明終

592 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/04(日) 04:16:41 ]
命題(Cohen: A course in computational algebraic number theory)
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の2次形式とすると、
>>587 より I = [a, (-b + √D)/2] は R のイデアルである。
このとき、I が可逆であるためには f(x, y) が原始的(>>279)で
あることが必要十分である。

証明
前スレ2の503より I が可逆であるためには I(R : I) = R が
必要十分である。

>>591 より (R : I) = [1, (b + √D)/2a] である。

I(R : I) = <a, (b + √D)/2, (-b + √D)/2, (D - b^2)/4a>
= <a, (b + √D)/2, (-b + √D)/2, c>
= <a, (b + √D)/2 - (-b + √D)/2, (-b + √D)/2, c>
= <a, b, c, (-b + √D)/2>
= [gcd(a, b, c), (-b + √D)/2]

注1:上の記号 <...> については >>9 を参照。

よって I(R : I) = R なら gcd(a, b, c) = 1 である。

逆に gcd(a, b, c) = 1 なら
I(R : I) = [gcd(a, b, c), (-b + √D)/2]
= [1, (-b + √D)/2]
= [1, (-b - D)/2 + (D + √D)/2]
= [1, (D + √D)/2] = R

注2: D ≡ b^2 ≡ -b (mod 2) だから (-b - D)/2 は有理整数
である。
証明終

593 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/04(日) 05:59:41 ]
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
I = [a, b + fω] と J = [k, l + fω] を R の原始イデアルの
標準基底による表示とする。
I = αJ となる α ∈ Q(√m) があるとする。

このとき θ = (b + fω)/a、ψ = (l + fω)/k とおくと、
θ = (pψ + q)/(rψ + s) となる。
ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = ±1 である。

証明
I = ρJ より
[a, b + fω] = α[k, l + fω] = [αk, αl + αfω]

よって
b + fω = p(αl + αfω) + qαk = α(p(l + fω) + qk)
a = r(αl + αfω) + sαk = α(r(l + fω) + sk)
となる。
ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = ±1 である。

よって
θ = (p(l + fω) + qk)/(r(l + fω) + sk)
= (pψ + q)/(rψ + s)

証明終

594 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/04(日) 06:51:33 ]
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
I = [a, b + fω] と J = [k, l + fω] を R の原始イデアルの
標準基底による表示とする。
θ = (b + fω)/a、ψ = (l + fω)/k とおく。
θ = (pψ + q)/(rψ + s) となるとする。
ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = ±1 である。

このとき α = rψ' + s とおくと I = αJ となる。
さらに N(α) = ±(a/k) である。

証明
α = a/k(rψ + s)とおく。
a = αk(rψ + s)
aθ = αk(pψ + q)
である。よって [a, aθ] = α[k, kψ] となって I = αJ となる。

P = (p, q)/(r, s) とおく(この記法に関しては>>196を参照)。
(aθ, a)^t = P(αkψ, αk)^t
ここで ^t は行ベクトルの転置(transpose)を表す。

A = (aθ, aθ')/(a, a)
B = (αkψ, α'kψ')/(αk, α'k) とおく。
A = PB である。
det(A) = det(P)det(B)
det(A) = a^2(θ - θ') = af(ω - ω')
det(B) = αα'k^2(ψ - ψ') = αα'kf(ω - ω')

af(ω - ω') = ±αα'kf(ω - ω') より αα' = ±a/k
a = αk(rψ + s) だったから α' = rψ + s
よって α = rψ' + s
証明終

595 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/04(日) 07:22:04 ]
>>593>>594はそれぞれ>>194>>195の解答にもなっている。

596 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/04(日) 09:25:52 ]
定義
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。
a, b, c を有理整数で b^2 - 4ac = D とする。
θ を多項式 aX^2 + bX + c の根とする。
θ を D に属す2次無理数という。

さらに gcd(a, b. c) = 1 のとき θ を D に属す原始的な2次無理数
という。
このとき θ の判別式(>>276)は D である。

597 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/04(日) 19:36:55 ]
命題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。
I ≠ 0 を R のイデアルとする。
I = [α, β] を I のある基底による表現とする。

このとき、β/α は D に属す2次無理数(>>596)である。

証明
a = (αα')/N(I)
b = -(αβ' + βα')/N(I)
c = (ββ')/N(I)
とおく。

>>588 より a, b, c は有理整数で、b^2 - 4ac = D である。

f(X) = aX^2 + bX + c とおく。

N(I)αf(β/α) = α'β^2 - αββ' - α'β^2 + αββ' = 0
よって f(β/α) = 0 である。
よって β/α は D に属す2次無理数である。
証明終



598 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/04(日) 20:58:25 ]
命題
R = [1, fω] を虚2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の正定値(>>293)かつ
原始的な2次形式とする。

f に一次変換
x = pu + qv
y = ru + sv
を施して

g(u, v) = f(pu + qv, ru + sv) = ku^2 + luv + mv^2

とする。 ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = 1 である。

このとき I = [a, (-b + √D)/2] と J = [k, (-l + √D)/2] は R の
可逆な原始イデアルであり、I(R)/P(R) (>>473) の同じ類に属す。

証明
>>405 より ku^2 + luv + mv^2 は判別式 D の正定値かつ原始的な
2次形式である。

よって >>592 より I と J は R の可逆な原始イデアルである。

θ = (-b + √D)/2a
τ = (-l + √D)/2k
とおく。

>>299 と同様にして θ = (pτ + q)/(rτ + s) であることがわかる。
>>594 より I と J は I(R)/P(R) の同じ類に属す。
証明終

599 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/05(月) 12:04:38 ]
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
I = [a, b + fω] と J = [k, l + fω] を R の原始イデアルの
標準基底による表示とする。
I = αJ となる α ∈ Q(√m) があるとする。

このとき θ = (b + fω)/a、ψ = (l + fω)/k とおくと、
θ = (pψ + q)/(rψ + s) となる。
ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = 1 である。

証明
>>593 より ps - qr = ±1 となる有理整数 p, q, r, s があり
θ = (pψ + q)/(rψ + s) となる。

>>273 の規約よりθ と ψ は複素上半平面にある。

>>274 より Im(θ) = (ps - qr)Im(ψ )/|rψ + s|^2
よって ps - qr = 1 である。
証明終

600 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/05(月) 12:06:19 ]
定義
R = [1, fω] を虚2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。
R の Picard 群 Pic(R) = I(R)/P(R) (>>473) を Cl(D) と書く。

>>406 で定義した F+(D) の元からその任意の代表
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 をとる。

>>592 より [a, (-b + √D)/2] は R の可逆な原始イデアルである。

>>598 より、このイデアルの属す Cl(D) の類は f(x, y) の取り方に
よらない。
よって F+(D) から Cl(D) への写像が定まる。
この写像を Φ+ と書く。

601 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/05(月) 12:08:11 ]
命題
>>600 の写像 Φ+ は単射である。

証明
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 と g(x, y) = kx^2 + lxy + my^2
を判別式 D の正定値かつ原始的な2次形式とする。
さらに [a, (-b + √D)/2] と [k, (-l + √D)/2] が同じ I(R)/P(R)
の類に属すとする。

θ = (-b + √D)/2a
τ = (-l + √D)/2k とおく。

>>599 より ps - qr = 1 となる有理整数 p, q, r, s があり、
θ = (pτ + q)/(rτ + s) となる。
aθ^2 + bθ + c = 0 だから
a(pτ + q)^2 + b(pτ + q)(rτ + s) + c(rτ + s)^2 = 0
この左辺は f(pτ + q, rτ + s) である。

f(px + qy, rx + sy) を x, y の2次形式とみたものを
h(x, y) とする。
>>405 より h(x, y) は判別式 D の正定値かつ原始的な2次形式である。
h(τ, 1) = 0 だから h(x, 1) は τ を根とする2次式で、その係数
の最大公約数が 1 かつ最高次の係数が正であり τ により
一意に決まる(>>276)。

一方 τ = (-l + √D)/2k は kx^2 + lx + m の根でもあるから
g(x, y) = h(x, y) である。
証明終

602 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/05(月) 12:09:17 ]
命題
>>600 の写像 Φ+ は全射である。

証明
I(R)/P(R) の各類の代表として原始イデアルが取れる。

I = [a, b + fω] を R の可逆な原始イデアルの標準基底による
表示とする。

>>589 より判別式 D の2次形式 ax^2 + bxy + cy^2 があり、
r + fω = (-b + √D)/2 となる。
I は可逆だから >>592 より ax^2 + bxy + cy^2 は原始的である。
証明終

603 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/07(水) 19:23:01 ]
32

604 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/08(木) 16:00:08 ]
補題
2次体 Q(√m) の任意の整数 α = a + bω のノルム N(α) は
以下の式で与えられる(ω については >>11 を参照)。

(1) m ≡ 1 (mod 4) のとき
N(α) = a^2 + ab + (b^2)(1 - m)/4

(2) m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) のとき
N(α) = a^2 - (b^2)m

証明
N(α) = (a + bω)(a + bω') = a^2 + ab(ω + ω') + (b^2)ωω'
より明らかである。

605 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/08(木) 16:22:54 ]
補題
虚2次体 Q(√m) の任意の整数 α ≠ 0 に対して N(α) > 0 である。

証明
α = a + bω とする
α の2次体 Q(√m) の元としての共役 α' = a + bω' は
α の複素数としての共役でもあるから
N(α) = αα' = |α|^2 > 0 である。

このことは以下のようにしても分かる。

>>604 より
m ≡ 1 (mod 4) のとき
N(α) = a^2 + ab + (b^2)(1 - m)/4
4N(α) = 4a^2 + 4ab + (b^2)(1 - m) = (2a + b)^2 - (b^2)m

m < 0 だから N(α) > 0 である。

m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) のとき
N(α) = a^2 - (b^2)m > 0 である。
証明終

606 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/08(木) 16:29:56 ]
補題
虚2次体 Q(√m) の整数 a + bω が単数(>>73)であるためには
有理整数 a, b が以下の等式を満たすことが必用十分である。

(1) m ≡ 1 (mod 4) のとき
(2a + b)^2 - (b^2)m = 4

(2) m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) のとき
a^2 - (b^2)m = 1

証明
>>74>>604>>605 より明らかである。

607 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/08(木) 16:31:13 ]
命題
虚2次体 Q(√m) の単数(>>73)は以下の通り。

(1) m = -1 のとき

±1、±√(-1)

(2) m = -3 のとき
±1、±ω、±ω^2
ここで ω = (-1 + √(-3))/2 = exp(2πi/3) は1の原始3乗根である。

(3) |m| > 3 のとき
±1

証明
>>606 より明らかである。



608 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/08(木) 16:32:31 ]
命題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
R の元 α が可逆元であるためには α が Q(√m) の単数(>>73)
であることが必要十分である。

つまり R^* = R ∩ Z[ω]^* である。

証明
まず ω' = 1 - ω または ω' = -ω だから α ∈ R なら α' ∈ R
であることに注意する。

R の可逆元は明らか単数である。

R の元 α が単数であるとする。
>>74 より N(α) = 1 または N(α) = -1 である。
N(α) = 1 なら αα' = 1 で、α' ∈ R だから α は R の可逆元
である。

N(α) = -1 なら αα' = -1 だから α(-α') = 1 となり、
やはり α は R の可逆元である。
証明終

609 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/08(木) 16:36:17 ]
命題
R = [1, fω] を虚2次体 Q(√m) の整環とする。
f > 1 なら R に属す単数は ±1 のみである。

証明
R の元 α = a + bfω が単数だとする。
>>74 より
N(α) = (a + bfω)(a + bfω')
= a^2 + abf(ω + ω') + (f^2)(b^2)ωω' = 1
である。

(1) m ≡ 1 (mod 4) のとき

a^2 + abf + (f^2)(b^2)(1 - m)/4 = 1

よって
(2a + bf)^2 - (f^2)(b^2)m = 4

よって f > 1 なら b = 0、a = ±1 である。

(2) m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) のとき

a^2 - (f^2)(b^2)m = 1

よって f > 1 なら b = 0、a = ±1 である。
証明終

610 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/08(木) 16:43:10 ]
命題
R = [1, fω] を虚2次体 Q(√m) の整環とする。
R^* = {±1} である。
ここで R^* は R の可逆元全体のなすアーベル群を表す(>>516)。

証明
>>608>>609 より明らかである。

611 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/08(木) 16:52:40 ]
補題
A と B を環とする。
A × B を A と B の環としての直積とする。

(a, b) ∈ A × B のとき (a, b) が可逆であるためには a と b が
それぞれ可逆であることが必用十分である。

証明
A × B の乗法の定義から明らかである。

612 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/08(木) 16:53:39 ]
補題
A と B を環とする。
このとき、(A × B)^* = (A^*)×(B^*) である。
ここで等号は群としての同型を表す。

証明
>>611 より明らかである。

613 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/08(木) 17:04:35 ]
補題
A を局所環とし、m をその極大イデアルとする。
x を A の元とする。
xA ≠ A であるためには x ∈ m が必用十分である。

証明
x ∈ m なら xA ⊂ m だから xA ≠ A である。

逆に xA ≠ A なら Zorn の補題より xA ⊂ m である。
証明終

614 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/08(木) 17:06:38 ]
補題
A を局所環とし、m をその極大イデアルとする。
A^* = A - m である。

証明
これは >>613 を言い換えたものである。

615 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/08(木) 17:16:40 ]
補題
2次体 Q(√m) の素イデアル P と有理整数 n ≧ 1 に対して
P と P^n をアーベル群とみて剰余群 P/P^n が考えられる。
このとき
|P/P^n| = N(P)^(n-1) である。

証明
定義(>>24)より |Z[ω]/P| = N(P)

>>70 より |Z[ω]/P^n| = N(P)^n

これから明らかである。
証明終

616 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/08(木) 17:19:37 ]
補題
2次体 Q(√m) の素イデアル P と有理整数 n ≧ 1 に対して
|(Z[ω]/P^n)^*| = N(P)^n - N(P)^(n-1) である。

証明
>>614>>615 から明らかである。

617 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/08(木) 20:34:40 ]
補題
p を素数とし、n ≧ 1 を有理整数とする。
2次体 Q(√m) において p は分岐するとする(>>106)。

このとき
|(Z[ω]/(p^n)Z[ω])^*| = p^(2n) - p^(2n-1)
である。

証明
p は分岐するから Q(√m) のある素イデアル P があり、
pZ[ω] = P^2 となる。

よって (p^n)Z[ω] = P^(2n) である。
よって >>616 より
|(Z[ω]/(p^n)Z[ω])^*| = p^(2n) - p^(2n-1)
証明終



618 名前:132人目の素数さん [2007/02/08(木) 20:38:45 ]
オナニー

619 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/08(木) 20:46:53 ]
補題
p を素数とし、n ≧ 1 を有理整数とする。
2次体 Q(√m) において p は完全分解するとする(>>106)。

このとき
|(Z[ω]/(p^n)Z[ω])^*| = (p^n - p^(n-1))^2
である。

証明
p は完全分解するから Q(√m) のある素イデアル P があり、
pZ[ω] = PP' となる。 P ≠ P' である。

よって (p^n)Z[ω] = (P^n)(P'^n) である。

中国式剰余定理(前スレ1の341)より
Z[ω]/(p^n)Z[ω] = (Z[ω]/P^n) × (Z[ω]/P'^n)

よって >>612>>616 と N(P) = N(P') = p より
|(Z[ω]/(p^n)Z[ω])^*|
= |(Z[ω]/P^n)^*| |(Z[ω]/P'^n)^*|
= (p^n - p^(n-1))^2
証明終

620 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/08(木) 20:53:56 ]
補題
p を素数とし、n ≧ 1 を有理整数とする。
2次体 Q(√m) において p は分解しないとする(>>106)。

このとき
|(Z[ω]/(p^n)Z[ω])^*| = p^(2n) - p^(2n - 2)
である。

証明
p は分解しないから pZ[ω] = P はQ(√m) の素イデアルである。
よって (p^n)Z[ω] = P^n で N(P) = p^2 である。

よって >>616 から
|(Z[ω]/(p^n)Z[ω])^*| = |(Z[ω]/P^n)^*| = p^(2n) - p^(2n - 2)
である。
証明終

621 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/08(木) 21:39:54 ]
定義
有理整数 n ≧ 1 に対して φ(n) を以下のように定義する。

(1) φ(1) = 1

(2) n > 1 のとき φ(n) = |(Z/nZ)^*|

φ を Euler の関数と呼ぶ。

622 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/08(木) 21:51:40 ]
補題
p を素数とし、n ≧ 1 を有理整数とする。

φ(p^n) = p^n - p^(n - 1)
である。
ここで、φ は Euler の関数(>>621)である。

証明
良く知られているし、>>615 の証明と同様にしてもわかる。

623 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/08(木) 21:56:47 ]
命題
r > 1 を有理整数とし、r = Πp^n を r の素因数分解とする。
ここで p は r の相異なる素因子を動く。


φ(r) = rΠ(1 - 1/p)
である。
ここで、φ(r) は Euler の関数(>>621)である。

証明
中国式剰余定理(前スレ1の341)より
Z/rZ = ΠZ/(p^n)/Z である。
>>612 より
φ(r) = |(Z/rZ)^*| = Π|(Z/(p^n)/Z)^*| である。

一方、622 より
|(Z/(p^n)/Z)^*| = p^n - p^(n - 1) = (p^n)(1 - 1/p)

よって φ(r) = rΠ(1 - 1/p) である。
証明終

624 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/08(木) 22:45:02 ]
命題
2次体 Q(√m) の主整環(>>431)を Z[ω] とする。
r > 1 を有理整数とし、r = Πp^n を r の素因数分解とする。
ここで p は r の相異なる素因子を動く。

このとき
|(Z[ω]/rZ[ω])^*| = φ(r)rΠ(1 - χ(p)/p)
である。

ここで χ(p) は以下のように定義する。
(1) p が2次体 Q(√m) において分岐する(>>106)とき
χ(p) = 0

(2) p が2次体 Q(√m) において完全分解する(>>106)とき
χ(p) = 1

(3) p が2次体 Q(√m) において分解しない(>>106)とき
χ(p) = -1

証明
中国式剰余定理(前スレ1の341)と >>612 より
r が素数べき p^n の場合に証明すればよい。
この場合は >>617, >>619, >>620, >>622 より明らかである。
証明終

625 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/08(木) 23:23:00 ]
32

626 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/09(金) 20:46:30 ]
命題
R = [1, fω] を虚2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。

このとき h(D) = |Cl(D)| である。

ここで h(D) は判別式 D の簡約2次形式(>>407) の個数であり、
Cl(D) は R の Picard 群 Pic(R) = I(R)/P(R) (>>473) である。

証明
>>601>>602 より明らかである。

627 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/09(金) 20:47:15 ]
補題
R = [1, fω] を虚2次体 Q(√m) の整環とする。

fZ[ω] = (R : Z[ω]) である。

ここで (R : Z[ω]) は R のイデアルとしての導手(>>540)である。

証明
α = a + bfω ∈ (R : Z[ω]) とする。
αω = aω + bfω^2 ∈ R

ω は (X - ω)(X - ω') = X^2 - Tr(ω)X + N(ω) の根だから

ω^2 = Tr(ω)ω - N(ω)

よって
-bfN(ω) + (a + bfTr(ω))ω ∈ R

よって a ≡ 0 (mod f) である。
よって α ∈ fZ[ω] である。
よって (R : Z[ω]) ⊂ fZ[ω] である。

逆の包含関係は明らかである。
証明終



628 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/09(金) 20:51:25 ]
補題
R = [1, fω] を虚2次体 Q(√m) の整環とする。

I = (R : Z[ω]) を R のイデアルとしての導手(>>540)とする。

|(R/I)^*| = φ(f) である。

ここで φ(f) は Euler の関数(>>621) である。

証明
>>627 より I = fZ[ω] = [f, fω] である。
よって R/I = [1, fω]/[f, fω] は Z/fZ と同型である。
よって |(R/I)^*| = φ(f) である。
証明終

629 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/09(金) 20:59:21 ]
命題
R = [1, fω] を虚2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。
d を Q(√m) の判別式とする。

h(D) = (h(d)/[Z[ω]^* : R^*])fΠ(1 - χ(p)/p)
である。
ここで p は f の相異なる素因子を動く。

証明
I = (R : Z[ω]) を R のイデアルとしての導手(>>540)とする。
>>627 より I = fZ[ω] である。

>>548>>626 より
h(D) = h(d)[(Z[ω]/I)^* : (R/I)^*]/[Z[ω]^* : R^*]

>>624 より
|(Z[ω]/I)^*| = φ(f)fΠ(1 - χ(p)/p)

>>628 より
|(R/I)^*| = φ(f)

よって
h(D) = (h(d)/[Z[ω]^* : R^*])fΠ(1 - χ(p)/p)
である。
証明終

630 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/09(金) 21:03:17 ]
>>629

χ(p) は >>624 で定義したものである。

631 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/09(金) 21:03:59 ]
命題
R = [1, fω] を虚2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。
d を Q(√m) の判別式とする。

(1) m = -1 のとき、即ち d = -4 のとき
h(D) = (1/2)fΠ(1 - χ(p)/p)

(2) m = -3 のとき、即ち d = -3 のとき
h(D) = (1/3)fΠ(1 - χ(p)/p)

(3) m が上記以外のとき
h(D) = h(d)fΠ(1 - χ(p)/p)

上記いずれの場合も p は f の相異なる素因子を動く。
χ(p) は >>624 で定義したものである。

証明
>>629 より
h(D) = (h(d)/[Z[ω]^* : R^*])fΠ(1 - χ(p)/p)

>>607>>609 より
(1) m = -1 のとき、[Z[ω]^* : R^*] = 2
(2) m = -3 のとき、[Z[ω]^* : R^*] = 3
(3) |m| > 3 のとき [Z[ω]^* : R^*] = 1

>>221 より Q(√(-1)) はノルム Euclid 的である。
よって h(-4) = 1 である。
前スレ3の233より Q(√(-3)) はノルム Euclid 的である。
よって h(-3) = 1 である。

以上から本命題の主張が得られる。
証明終

632 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/10(土) 00:34:00 ]
35

633 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/10(土) 11:32:12 ]
命題
R = [1, fω] を虚2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。
d を Q(√m) の判別式とする。
m ≧ 1 を有理整数として S = [1, mfω] を整環とする。

このとき

h((m^2)D) = (h(D)/[R^* : S^*])mΠ(1 - χ(p)/p)

となる。ここで p は m の相異なる素因子を動く。

証明
>>629 より

h(D) = (h(d)/[Z[ω]^* : R^*])fΠ(1 - χ(p)/p)
よって
h(d) = h(D)[Z[ω]^* : R^*]/(fΠ(1 - χ(p)/p))

再び >>629 より

h((m^2)D) = (h(d)/[Z[ω]^* : S^*])mfΠ(1 - χ(p)/p)
ここで p は mf の相異なる素因子を動く。

よって
h((m^2)D)
= (h(d)[Z[ω]^* : R^*]/[Z[ω]^* : S^*])mΠ(1 - χ(p)/p)
= (h(D)/[R^* : S^*])mΠ(1 - χ(p)/p)

証明終

634 名前:132人目の素数さん [2007/02/10(土) 11:38:30 ]
Cox の Primes of the form x^2 + ny^2 によると >>633 は Gauss が
証明したという。
Disquisitiones の art. 254-256 がその証明らしいいという。
私はその証明をまだ確かめてない。

635 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/10(土) 13:41:14 ]
定義
V を有理数体上の有限次ベクトル空間とする。
L を V のアーベル群としての部分群で階数 が n = dim V の
自由アーベル群であるとき L を V の格子(lattice)という。

636 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/10(土) 13:44:43 ]
定義
2次体 Q(√m) を有理数体上の2次元ベクトル空間とみて
L がその格子(>>635)のとき L を2次体 Q(√m) の格子という。

637 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/10(土) 13:52:24 ]
定義
L を2次体 Q(√m) の格子(>>636)とする。
(L : L) = {α ∈ Q(√m); αL ⊂ L} と書く。



638 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/10(土) 14:23:27 ]
命題
L を2次体 Q(√m) の格子(>>636)とする。
(L : L) = {α ∈ Q(√m); αL ⊂ L} は Q(√m) の整環である。

証明
α ∈ (L : L) なら L は Z[α] 上の忠実加群とみなせる。
よって前スレ3の839よりαは(代数的)整数である。
つまり、(L : L) ⊂ Z[ω] である。
よって (L : L) は自由アーベル Z[ω] の部分群として
有限生成の自由アーベル群である。

(L : L) は明らかに Z[ω] の部分環である。

L = [β, γ] とする。

ωβ = pβ + qγ
ωγ = rβ + sγ
となる有理数 p, q, r, s がある。

よって aωβ ∈ L. aωγ ∈ L となる有理整数 a ≠ 0 がある。
aωL ⊂ L だから aZ[ω]L ⊂ L である。
よって aZ[ω] ⊂ (L : L) である。

aZ[ω] は階数2の自由アーベル群だから (L : L) もそうである。
よって (L : L) は Q(√m) の整環である。
証明終

639 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/10(土) 17:37:41 ]
補題
L を2次体 Q(√m) の格子(>>636)とする。
α ≠ 0 を Q(√m) の元とすると
(αL : αL) = (L : L) である。

証明
自明である。

640 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/10(土) 17:40:32 ]
命題
L = [α, β] を2次体 Q(√m) の格子(>>636)とする。
τ = β/α とし、aτ^2 + bτ + c = 0 とする。
ここで a, b, c は有理整数で gcd(a, b, c) = 1 である。

このとき
(L : L) = [1, aτ]
である。

証明
L = [α, β] = α[1, τ] だから
>>639 より (L : L) = ([1, τ] : [1, τ])

γ ∈ ([1, τ] : [1, τ]) とすると、
γ ∈ [1, τ] より γ = m + nτ、m ∈ Z、n ∈ Z と書ける。
γτ ∈ [1, τ] だから γτ = mτ + nτ^2 である。
一方、aτ^2 + bτ + c = 0 だから τ^2 = (-b/a)τ - c/a
よって γτ = mτ + nτ^2 = -cn/a + (m - (bn/a))τ ∈ [1, τ]

よって
-cn ≡ 0 (mod a)
-bn ≡ 0 (mod a)

よって gcd(a, b, c) = 1 より n ≡ 0 (mod a) となる。
よって γ ∈ [1, aτ] である。
よって ([1, τ] : [1, τ]) ⊂ [1, aτ] である。

一方、aτ^2 = -c - bτ だから aτ∈ ([1, τ] : [1, τ])
よって [1, aτ] ⊂ ([1, τ] : [1, τ])

以上から (L : L) = [1, aτ] である。
証0明終

641 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/10(土) 17:45:45 ]
>>639 は αL が Q(√m) の格子であることを暗黙の前提としている。
しかし、これは明らかである。

642 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/10(土) 18:00:12 ]
命題
M ≠ 0 を2次体 Q(√m) の主整環 Z[ω] の可逆分数イデアル(>>466)
とする。

M は明らかに Q(√m) の格子であるが、
(M : M) = Z[ω] である。

証明
α ∈ (M : M) とする。
αM ⊂ M より αM(M^(-1)) ⊂ M(M^(-1)) となる。
M(M^(-1)) = Z[ω] だから α ∈ Z[ω] である。
よって (M : M) ⊂ Z[ω] である。

逆の包含関係は明らかである。
証明終

643 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/10(土) 18:04:55 ]
命題
M ≠ 0 を2次体 Q(√m) の整環 R の可逆分数イデアル(>>466)
とする。

M は明らかに Q(√m) の格子であるが、
(M : M) = R である。

証明
α ∈ (M : M) とする。
αM ⊂ M より αM(M^(-1)) ⊂ M(M^(-1)) となる。
M(M^(-1)) = R だから α ∈ R である。
よって (M : M) ⊂ R である。

逆の包含関係は明らかである。
証明終

644 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/10(土) 18:11:48 ]
>>642>>643 により不要だった。

645 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/10(土) 18:39:32 ]
命題(Cox の Primes of the forms x^2 + ny^2)
M ≠ 0 を2次体 Q(√m) の整環 R の分数イデアル(>>463)
とする。

(M : M) = R なら M は可逆である。

証明
M = [α, β] とする。
τ = β/α とし、aτ^2 + bτ + c = 0 とする。
ここで a, b, c は有理整数で gcd(a, b, c) = 1 である。

M = α[1, τ] である。
M' = α'[1, τ'] である。

よって
aMM' = aN(α)<1, τ, τ', ττ'>

τ + τ' = -b/a
ττ' = c/a
だから

aMM' = aN(α)<a, aτ, aτ', aττ'> = aN(α)<a, aτ, -b , c>
= N(α)[gcd(a, b, c), aτ]
= N(α)[1, aτ]

>>640 より [1, aτ] = (M : M) = R である。
よって
aMM' = N(α)R

これは M が可逆であることを意味する。
証明終

646 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/10(土) 23:44:40 ]
補題
ax^2 + bxy + cy^2 を原始的(>>279)な2次形式とする。
m ≧ 1 を有理整数とする。

互いに素な有理整数 s と t があり、
A = as^2 + bst + ct^2 が m と素になる。

証明
p を m の任意の素因数とする。

a と p が素なら s ≡ 1 (mod p), t ≡ 0 (mod p) とする。
このとき A ≡ a (mod p) だから A は p と素である。

a ≡ 0 (mod p) で c が p と素なら
s ≡ 0 (mod p), t ≡ 1 (mod p) とする。
このとき A ≡ c (mod p) だから A は p と素である。

a ≡ 0 (mod p) で c ≡ 0 (mod p) なら gcd(a, b, c) = 1 より
b は p と素である。
s ≡ 1 (mod p), t ≡ 1 (mod p) とする。
このとき A ≡ b (mod p) だから A は p と素である。

中国式剰余定理より m の各素因数 p に対して
上記の合同式を満たす s と t が存在して、A は m と素になる。
gcd(s, t) = r とする。 r = 1 なら s, t が求めるものである。
r ≠ 1 なら s = rs', t = rt'
とおけば
A = r^2(a(s')^2 + bs't' + c(t')^2)
A/r^2 = a(s')^2 + bs't' + c(t')^2
となり A/r^2 は m と素である。
よって s' と t' が求めるものである。
証明終

647 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/11(日) 03:55:00 ]
36



648 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/11(日) 11:12:04 ]
命題
ax^2 + bxy + cy^2 を原始的(>>279)な2次形式とする。
m ≧ 1 を有理整数とする。

このとき、SL_2(Z) の元 σ = (p, q)/(r, s) があり、
ax^2 + bxy + cy^2 に σ を右から作用させて(>>401)
Au^2 + Buv + Cv^2 となったとき、
A は m と素に出来る。

証明
>>646 より互いに素な有理整数 p と r があり、
A = ap^2 + bpr + cr^2 が m と素になる。

p と r は互いに素だから ps - qr = 1 となる
有理整数 s と q がある。
よって、行列 σ = (p, q)/(r, s) は SL_2(Z) の元である。

ax^2 + bxy + cy^2 に σ を右から作用させて
Au^2 + Buv + Cv^2 となったとする。
つまり、f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 とおいたとき、
Au^2 + Buv + Cv^2 = f(pu + qv, ru + sv) である。

>>401 より
A = ap^2 + bpr + cr^2
B = 2apq + b(ps + qr) + 2crs
C = aq^2 + bqs + cs^2
である。
A は m と素だから σ = (p, q)/(r, s) が求めるものである。
証明終

649 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/11(日) 11:12:47 ]
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
I と J を R の非零イデアルとする。
N(I) と N(J) が互いに素なら I + J = R である。

証明
I + J ≠ R とする。
R の素イデアル P があり I ⊂ P かつ J ⊂ P となる。
>>579 より N(I) と N(J) は N(P) で割れる。
証明終

650 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/11(日) 11:31:08 ]
命題
R = [1, fω] を虚2次体 Q(√m) の整環とする。
m ≧ 1 を有理整数とする。
I を R の可逆な分数イデアルとする。

このとき λ ∈ Q(√m) があり、
λI ⊂ R で λI + mR = R となる。

証明
D を R の判別式とする。

I に適当な定数を掛けることにより、初めから I は R の可逆な
原始イデアルと仮定してよい。
I = [a, b + fω] を R の標準基底による表示とする。

>>589 より判別式 D の2次形式 ax^2 + bxy + cy^2 があり、
r + fω = (-b + √D)/2 となる。
I は可逆だから >>592 より ax^2 + bxy + cy^2 は原始的である。

>>648 より SL_2(Z) の元 σ = (p, q)/(r, s) があり、
ax^2 + bxy + cy^2 に σ を右から作用させて
Au^2 + Buv + Cv^2 となったとき、
A は m と素に出来る。

>>282 より gcd(A, B, C) = 1 である。
>>594 より
J = [A, (-B + √D)/2] は R の可逆な原始イデアルであり、
I(R)/P(R) (>>473) の I と同じ類に属す。

N(J) = A で A は m と素だから >>649 より
J + mR = R である。
証明終

651 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/11(日) 11:50:30 ]
>>650
訂正:

>命題
>R = [1, fω] を虚2次体 Q(√m) の整環とする。

命題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。

652 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/11(日) 12:12:44 ]
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
I ≠ 0 を R のイデアルとする。

N(I) ∈ I である。

証明
ノルムの定義(>>438)より |R/I| = N(I) である。
つまり R/I のアーベル群としてに位数は N(I) である。
よって R/I の任意の元 x に対して N(I)x = 0 である。
特に N(I)1 = 0 である。
これは N(I) ∈ I を意味する。
証明終

653 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/11(日) 12:16:10 ]
命題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
I ≠ 0 を R のイデアルとする。
R の Picard 群 I(R)/P(R) (>>473) の任意の剰余類には
I と素な R のイデアル J が存在する。
つまり、 I + J = R となる J ∈ I(R) が存在する。

証明
>>650 より I(R)/P(R) の任意の剰余類には
J + N(I)R = R となる J ∈ I(R) が存在する。

>>652 より N(I) ∈ I だから
N(I)R ⊂ I である。
よって J + I = R である。
証明終

654 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/12(月) 06:58:52 ]
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。

R の正則(>>550)な分数イデアル全体を RI(R) と書いたく(>>572)。
R の正則な単項分数イデアルのなす群を RP(R) と書いた(>>572)。

>>653 を R の導手(>>540) I = fZ[ω] (>>627) に適用すると、
RP(R)/RI(R) は I(R)/P(R) に同型になる。

これは >>575 を R に適用した場合の別証明になっている。

655 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 mailto:sage [2007/02/12(月) 08:08:54 ]
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
Z[ω] の元 α に対して α ∈ R で αR が正則であるためには

α ≡ a (mod fZ[ω]) で gcd(a, f) = 1 となる有理整数 a が
存在することが必要十分である。

証明
α ∈ R で αR が正則とする。
α ∈ R なら α = a + bfω と書ける。

αR が正則だから αZ[ω] + fZ[ω] = Z[ω] である。

α ≡ a (mod fZ[ω]) だから aZ[ω] + fZ[ω] = Z[ω] である。
gcd(a, f) ≠ 1 とすると a と f を割る素数 p がある。
p を含む Z[ω] の素イデアル P をとれば aZ[ω] + fZ[ω] ⊂ P
となって矛盾。
よって gcd(a, f) = 1 である。

逆に α ≡ a (mod fZ[ω]) で gcd(a, f) = 1 となる有理整数 a が
あるとする。

αZ[ω] + fZ[ω] = aZ[ω] + fZ[ω] = Z[ω] である。
よって αR は正則である。

証明終

656 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 mailto:sage [2007/02/12(月) 08:46:28 ]
訂正

>>470
>A の0でない分数イデアル全体は乗法により群となる。

A の0でない可逆分数イデアル全体は乗法により群となる。


657 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/12(月) 08:48:17 ]
定義
A を Dedekind 環とする。
m ≠ 0 を A のイデアルとする。
A の分数イデアルで m と素なもの全体は
可逆分数イデアル群 I(A) (>>470) の部分群となる。
これを I(m) と書く。

A の単項分数イデアルで m と素なもの全体は
単項分数イデアル群 P(A) (>>471) の部分群となる。
これを P(m) と書く。



658 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/12(月) 09:06:55 ]
命題
A を Dedekind 環とする。
m ≠ 0 を A のイデアルとする。

I(m)/P(m) は I(A)/P(A) に標準的に同型である。

ここで, I(m) と P(m) は >>657 で定義したもの。

証明
I(m) → I(A) を包含写像とする。
この核は P(m) である。

よって標準単射 I(m)/P(m) → I(A)/P(A) が得られる。
>>573 より、これは全射である。
証明終

659 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/12(月) 09:18:38 ]
定義
A を Dedekind 環とする。
a ≠ 0 を A の元とする。

I(aA) (>>657) をI(a) と書く。
同様に、P(aA) を P(a) と書く。


660 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/12(月) 10:31:31 ]
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
I = (A : B) を A の導手とする。

J ≠ 0 を B のイデアルで I と素とする。
J に A ∩ J を対応させることにより B のイデアルで I と
素なものと A の正則なイデアルとの1対1の対応が得られる。

証明
J ≠ 0 を B のイデアルで I と素とする。
>>557 より A ∩ J は正則な A のイデアルで (A ∩ J)B = J となる。

よって J に A ∩ J を対応させる写像は単射である。

逆に J_0 を A の正則なイデアルとする。
定義(>>550)より (J_0)B は I と素である。
よって >>557 より A ∩ (J_0)B は正則であり
(A ∩ (J_0)B)B = (J_0)B となる。
よって >>556 より A ∩ (J_0)B = J_0 である。

よって J に A ∩ J を対応させる写像は全単射である。
証明終

661 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/12(月) 10:56:13 ]
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
f = (A : B) を A の導手とする。

I(f) (>>657) と RI(A) (>>572) は標準的に同型である。

証明
>>660 より明らかである。

662 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/12(月) 11:26:42 ]
補題(高木:代数的整数論)
A を Dedekind 環とする。
m ≠ 0 を A のイデアルとする。
xA を P(m) (>>657) の元とする。

このとき aA + m = A、bA + m = A となる
A の元 a と b が存在して、xA = aA/bA となる。

証明
定義から xA = I/J で I + m = A, J + m = A となる
A のイデアル I と J がある。

前スレ2の785より
JL = bA で L + m = A となる b ∈ A がある。
J + m = A だから JL + m = A である(前スレ1の340)。
同様に I + m = A だから IL + m = A である。

xA = IL/JL = IL/bA

IL = xbA である。
よって a = xb とすればよい。
証明終

663 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/12(月) 16:28:11 ]
補題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
f = (A : B) を A の導手とする。
I を A の正則イデアルとする。

このとき I の元 a で aA = IL となるものが存在する。
ここで L は正則イデアルである。

証明
>>552 より I を含む A の素イデアルは正則である。
よって I + f = A である。

中国式剰余定理(前スレ1の341)より
a ≡ 0 (mod I)
a ≡ 1 (mod f)
となる a ∈ A がある。

a ∈ I だから aA ⊂ I である。
a ≡ 1 (mod f) だから b ∈ f があり a + b = 1 である。
よって aB + f = B である。
つまり aA は正則イデアルである。

I は正則だから可逆である(>>559)。
L = aA/I とおけば L は正則イデアルである。
aA = IL である。
証明終

664 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/12(月) 16:45:17 ]
補題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
f = (A : B) を A の導手とする。

xA を RP(A) (>>572) の元とする。

このとき aA + f = A、bA + f = A となる
A の元 a と b が存在して、xA = aA/bA となる。

証明
定義から xA = I/J となる正則なイデアル I と J がある。
>>663 より I の元 b で bA = IL となるものが存在する。
ここで L は正則イデアルである。

xA = I/J = IL/JL = IL/bA である。
IL は正則で IL = bxA だから b = ax とすれば xA = aA/bA となる。
証明終

665 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/12(月) 17:00:43 ]
>>664 を以下のように訂正する。

補題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
f = (A : B) を A の導手とする。

xA を RP(A) (>>572) の元とする。

このとき aA + f = A、bA + f = A となる
A の元 a と b が存在して、xA = aA/bA となる。

証明
定義から xA = I/J となる正則なイデアル I と J がある。
>>663 より J の元 b で bA = JL となるものが存在する。
ここで L は正則イデアルである。

xA = I/J = IL/JL = IL/bA である。
IL は正則で IL = bxA だから b = ax とすれば xA = aA/bA となる。
証明終

666 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/12(月) 17:51:00 ]
45

667 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/12(月) 17:52:00 ]
44



668 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/12(月) 17:53:00 ]
43

669 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/12(月) 17:54:00 ]
42

670 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/12(月) 17:55:00 ]
41

671 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/12(月) 17:56:00 ]
40

672 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/12(月) 20:01:52 ]
定義
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
f = (A : B) を A の導手とする。

P_A(f) = {(a/b)B; a ∈ A, b ∈ A, aA と bA はともに正則}
と書く。

P_A(f) は明らかに P(f) (>>657) の部分群である。

673 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/12(月) 20:11:39 ]
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
f = (A : B) を A の導手とする。

I(f)/P_A(f) は標準的に RI(A)/RP(A) に同型である。

証明
>>661 より I(f) と RI(A) は標準的に同型である。
この同型では I と J が A の正則なイデアルのとき
I/J には IB/JB が対応する。

よって >>664>>672 より、この同型は P_A(f) と RP(A) の同型を
引き起こす。
証明終

674 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/14(水) 08:39:00 ]
39

675 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/14(水) 08:40:00 ]
38

676 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/14(水) 08:41:00 ]
37

677 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/14(水) 08:42:00 ]
36



678 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/14(水) 08:43:00 ]
35

679 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/14(水) 08:44:00 ]
34

680 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/14(水) 21:29:19 ]
補題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
f = (A : B) を A の導手とする。
I を B のイデアルで I + f = B とする。

このとき I ∩ A の元 a で aB = IL となるものが存在する。
ここで L は B のイデアルで L + f = B となる。

証明
>>660 より I ∩ A は A の正則イデアルである。
>>663 より I ∩ A の元 a で aA = (I ∩ A)J となるものが
存在する。ここで J は正則イデアルである。
aB = (I ∩ A)B(JB) であるが >>660 より (I ∩ A)B = I である。
よって aB = I(JB) である。L = JB とすればよい。
証明終

681 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/14(水) 22:39:49 ]
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
f = (A : B) を A の導手とする。

αを B の元で α + f ∈ (B/f)^* とする。
つまり、α + f は剰余環 B/f の可逆元である。
よって αγ ≡ 1 (mod f) となる γ ∈ B がある。
よって αB + f = B である。
αγ - 1 ∈ f ⊂ A だから αγ ∈ A である。

βを B の元で α ≡ β (mod f) とする。
αγ ≡ βγ (mod f) だから βγ ≡ 1 (mod f) である。
よって αγと同様に βγ ∈ A である。

(αB)(βγB) = αβγB
(βB)(αγB) = αβγB
よって (αB)(βγB) = (βB)(αγB)
よって αB と βB は P(f)/P_A(f) の同じ剰余類に属す。
ここで P(f) は >>657 で、P_A(f) は >>672 で定義したものである。
よって、アーベル群としての射 φ: (B/f)^* → P(f)/P_A(f) が
定まる。

682 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/15(木) 18:48:00 ]
35

683 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/15(木) 18:49:00 ]
34

684 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/15(木) 18:50:00 ]
35

685 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/15(木) 18:51:00 ]
34

686 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/15(木) 18:52:00 ]
33

687 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/15(木) 18:53:00 ]
32



688 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/15(木) 20:20:13 ]
補題
>>681 の射 φ: (B/f)^* → P(f)/P_A(f) は全射である。

証明
P(f) の元は αB = I/J と書ける。ここで α ≠ 0 は K の元で、
I と J は B のイデアルでともに f と素である。

>>680 より J ∩ A の元 c で cB = JL となるものが存在する。
ここで L は B のイデアルで f と素である。

αB = I/J = IL/JL = IL/cB
IL = αcB だから αc = β とおけば β ∈ B で βB は f と
素である。つまり βB∈ P(f) である。
αB = βB/cB だから βB と αB は P(f)/P_A(f) の同じ剰余類に属す。
φ の定義から、この剰余類は φ(β + f) である。
証明終

689 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/15(木) 21:00:39 ]
補題
A と B は >>681 と同じものとする。

p : B → B/f
π: (B/f)^* → (B/f)^*/(A/f)^*
を、それぞれ標準写像とする。

α ∈ B^* なら p(α) ∈ (B/f)^* だから α に πp(α) を
対応させて、射 B^* → (B/f)^*/(A/f)^* が得られる。
この核は A^* である。

証明
α ∈ B^* で p(α) ∈ (A/f)^* なら p(α) = p(a) となる a ∈ A
がある。
α - a ∈ f ⊂ A だから α ∈ A である。
よって、射 B^* → (B/f)^*/(A/f)^* の核は A^* である。
証明終

690 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/15(木) 21:13:10 ]
命題
>>681 の射 φ: (B/f)^* → P(f)/P_A(f) の定義より
φ((A/f)^*) ⊂ P_A(f) である。
よって φ は射 φ~: (B/f)^*/(A/f)^* → P(f)/P_A(f) を引き起こす。
このとき、次の完全系列が成り立つ。

0 → B^*/A^* → (B/f)^*/(A/f)^* → P(f)/P_A(f) → 0

証明
p : B → B/f
π: (B/f)^* → (B/f)^*/(A/f)^*
を、それぞれ標準写像とする。

>>688 より φ: (B/f)^* → P(f)/P_A(f) は全射である。
よって φ~: (B/f)^*/(A/f)^* → P(f)/P_A(f) も全射である。

>>689 より
0 → B^*/A^* → (B/f)^*/(A/f)^*
は完全である。

残るは φ~ : (B/f)^*/(A/f)^* → P(f)/P_A(f) の核が
B^*/A^* の像と一致することである。

α ∈ B で αB + f = B とする。
つまり p(α) ∈ (B/f)^* である。
さらに αB ∈ P_A(f) とする。
P_A(f) の定義(>>672)から αB = aB/bB となる。
ここで、a ∈ A, b ∈ A で aA と bA はともに正則である。
αbB = aB より αb = aε となる ε ∈ B^* がある。
p(αb) = p(aε) だから p(α)p(b) = p(a)p(ε)
p(b) ∈ (A/f)^*、p(a) ∈ (A/f)^* だから πp(α) = πp(ε)
証明終

691 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/15(木) 21:32:35 ]
>>690 の系

次の完全系列が成り立つ。

0 → B^*/A^* → (B/I)^*/(A/I)^* → I(f)/P_A(f) → I(f)/P(f) → 0

証明
>>690 より明らかである。

692 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/15(木) 21:39:26 ]
>>690 の系

次の完全系列が成り立つ。

0 → B^*/A^* → (B/I)^*/(A/I)^* → RI(A)/RP(A) → Pic(B) → 0

証明
>>673 より I(f)/P_A(f) は標準的に RI(A)/RP(A) に同型である。

>>658 より I(f)/P(f) は Pic(B) = I(B)/P(B) に標準的に同型である。

よって >>691 より明らかである。
証明終

693 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/15(木) 23:11:18 ]
>>575 から RI(A)/RP(A) は I(A)/P(A) と標準的に同型である。
よって >>691 から >>547 の別証が得られる。

A が2次体 Q(√m) の整環で B が Q(√m) の主整環の場合には
>>654 からも RI(A)/RP(A) と I(A)/P(A) が標準的に同型であることが
分かる。

>>654 の証明は、2次形式の初等的な結果 >>648 を元にしており、
>>575 の証明より古典的である。

694 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/16(金) 21:05:09 ]
>>693
>>>575 から RI(A)/RP(A) は I(A)/P(A) と標準的に同型である。
>よって >>691 から >>547 の別証が得られる。

>>575>>547 から証明しているので、これは正確には別証とは
言えない。>>575>>547 とは関係なく証明したいところだが、
今のところ(2次体は別にして)思いつかない。
誰か分かるひといますか?

695 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/17(土) 10:11:00 ]
36

696 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/17(土) 10:12:00 ]
35

697 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/17(土) 10:13:00 ]
34



698 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/17(土) 10:14:00 ]
33

699 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/17(土) 10:15:00 ]
32

700 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/17(土) 10:16:00 ]
31

701 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/17(土) 11:21:03 ]
2次形式による有理整数の表現の問題を考える。
この問題は歴史的には初等整数論の中心的位置を占めていた。
この問題を解く努力から Gauss の2次形式論が生み出された。

ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の2次形式とする。
D は平方数でないとする。

m を有理整数として不定方程

m = ax^2 + bxy + cy^2

を考える。

この不定方程式に有理整数解があるとき m は2次形式
ax^2 + bxy + cy^2 で表現されるという。

解 (s, t) で gcd(s, t) = 1 となるものがあるとき
m は ax^2 + bxy + cy^2 で固有に表現される
(properly represented)という。

702 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/17(土) 12:07:26 ]
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を2次形式として
m = f(p, r) を有理整数 m の固有表現(>>701)とする。

gcd(p, r) = 1 だから ps - rq = 1 となる s と q がある。

>>401 より
f(pu + qv, ru + sv) = mu^2 + luv + kv^2 である。

ここで
m = ap^2 + bpr + cr^2
l = 2apq + b(ps + qr) + 2crs
k = aq^2 + bqs + cs^2

つまり m の固有表現 m = f(p, r) から f(x, y) と同値な2次形式
mu^2 + luv + kv^2 が得られる。

703 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/17(土) 12:15:50 ]
命題
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を2次形式とする。
m = f(p, r) を有理整数 m の固有表現(>>701)とする。
このとき m ≠ 0 である。

証明
D を f(x, y) の判別式とする。
>>702 において
D = l^2 - 4mk (>>281) で D は平方数でないと仮定してるから
m ≠ 0 である。
証明終

704 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/17(土) 12:25:51 ]
今後、特に断らない限り2次形式の判別式は平方数でないとする。

705 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/17(土) 12:32:19 ]
補題
ax^2 + bxy + cy^2 を判別式が D の2次形式とする。

このとき ac ≠ 0 で

D ≡ 0 または 1 (mod 4)
かつ
D ≡ b (mod 2)
である。

証明
D = b^2 - 4ac で D は平方数でないから(>>704) ac ≠ 0 である。

D = b^2 - 4ac より D ≡ b^2 (mod 4)
よって D ≡ 0 または 1 (mod 4) である。
D が偶数なら b^2 ≡ 0 (mod 4) より b も偶数である。
D が奇数なら b^2 ≡ 1 (mod 4) より b も奇数である。
即ち D ≡ b (mod 2) である。
証明終

706 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/17(土) 12:43:16 ]
命題
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を2次形式とする。
f(x, y) = 0 の有理整数解は (0, 0) のみである。

証明
x = 0 が f(x, y) = 0 の解とすると cy^2 = 0 である。
>>705 より c ≠ 0 であるから y = 0 である。
同様に y = 0 が f(x, y) = 0 の解なら x = 0 である。

従って、f(x, y) = 0 に (0, 0) 以外の解 (x, y) があれば
xy ≠ 0 である。従って、d = gcd(x, y), x = dx', y = dy' と
おけば 0 = f(x', y') は 0 の固有表現である。
しかし、これは >>703 よりあり得ない。
証明終

707 名前:132人目の素数さん [2007/02/17(土) 12:54:38 ]
u^Au=0
u^S^RSu=0
rija^ijaji=0




708 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/17(土) 14:07:11 ]
命題
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を2次形式とする。

有理整数 m に対して
S(f, m) = {(x, y) ∈ Z^2; m = f(x, y), (x , y) ≠ (0, 0)}
P(f, m) = {(x, y) ∈ Z^2; m = f(x, y), gcd(x, y) = 1}
とおく。

このとき、全単射 φ: S(f, m) → ∪P(f, m/(d^2)) が存在する。
ここで ∪P(f, m/(d^2)) の d は d^2 が m の約数となるような
d ≧ 1 を動く。

証明
(x, y) ∈ S(f, m) とする。
(x , y) ≠ (0, 0) だから d = gcd(x, y) は 0 でない。
x = dx', y = dy' とすれば m = f(x, y) = (d^2)f(x',y') である。
gcd(x', y') = 1 だから (x', y') ∈ P(f, m/(d^2)) である。
φ(x, y) = (x', y') と定義すればよい。
証明終

709 名前:132人目の素数さん [2007/02/17(土) 14:12:19 ]
くんまさん
今までの全部まとめた本出す予定ありますか?

710 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/17(土) 14:17:29 ]
m = ax^2 + bxy + cy^2 において x = 0 のときは m = cy^2 となり
これは簡単に解ける。y = 0 の場合も同様である。

よって不定方程式 m = ax^2 + bxy + cy^2 は (x , y) ≠ (0, 0)
の場合が解ければよい。

よって >>708 により有理整数の2次形式による表現の問題は固有な表現の
問題に帰着する。

711 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/17(土) 14:23:53 ]
>>709

今はその予定はありません。
全部書き終わったら、そのとき考えます。
しかし、今まで書いた部分は全体の1割くらいなんで、まだまだ先は長いです。

712 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/17(土) 18:23:00 ]
2次形式 f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 と
g(u, v) = mu^2 + luv + kv^2 があり、
変換
x = pu + qv
y = ru + sv
により
g(u, v) = f(pu + qv, ru + sv) とする。
ここで p, q, r, s は ps - qr = 1 となる有理整数である。

>>401 より
m = ap^2 + bpr + cr^2
l = 2apq + b(ps + qr) + 2crs
k = aq^2 + bqs + cs^2
である。

ここで、行列 (p, q)/(r, s) (この記法に関しては>>196を参照)が
(1, q)/(0, 1) の場合を考える。
つまり、p = 1, r = 0, s = 1 である。
このとき
m = a
l = 2aq + b
k = aq^2 + bq + c
である。

よって2次形式 (a, b, c) (この記法に関しては>>328を参照)
は行列 (1, q)/(0, 1) ∈ SL_2(Z) により (a, l, k) に変換される。
ここで l ≡ b (mod 2a) である。
さらに >>281 より (a, b, c) と (a, l, k) の判別式は同じである。

713 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/17(土) 18:24:13 ]
>>712 の続き

逆に、2次形式 (a, b, c) と (a, l, k) が同じ判別式 D を持ち、
l ≡ b (mod 2a) とする。
l = b + 2aq となる有理整数 q がある。

D = l^2 - 4ak = b^2 - 4ac
だから

4ak = l^2 - b^2 + 4ac = (b + 2aq)^2 - b^2 + 4ac
= 4aqb + 4a^2q^2 + 4ac

よって
k = aq^2 + bq + c

よって (a, b, c) は (1, q)/(0, 1) により (a, l, k) に変換される。

714 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/17(土) 19:03:18 ]
2次形式 (a, b, c) と (a, l, k) が同じ判別式 D を持ち、
l ≡ b (mod 2a) のとき
(a, b, c) と (a, l, k) は互いに平行な形式という(Dirichlet)。

>>237 で SL_2(Z) の元 S を S = (1, 1)/(0, 1) で定義した。
z を複素上半平面(>>199)の点とすると S(z) = z + 1 であった
(>>237)。

>>712>>713 より2次形式 (a, b, c) と (m, l, k) が互いに
平行な形式であるためには (a, b, c)S^n = (m, l, k) となる
有理整数 n が存在することが必要十分である。
ここで、(a, b, c)S^n の記法に関しては>>401を参照のこと。

715 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/17(土) 19:46:36 ]
2次形式 (a, b, c) に T = (0, -1)/(1, 0) (>>237) を作用させると
>>401 より (c, -b , a) となる。

(a, b, c) と (c, -b , a) は互いに相補的な形式という(Dirichlet)。

716 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/17(土) 21:30:40 ]
命題
m が 2次形式 (a, b, c) により固有に表現される(>>701)ためには
ある有理整数 l, k があり (a, b, c) と (m, l, k) が同値(>>302)
であることが必要十分である。

証明
m が (a, b, c) により固有に表現されれば、>>702 より
ある有理整数 l, k があり (a, b, c) と (m, l, k) が同値になる。

逆に、(a, b, c) と (m, l, k) が同値とする。
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 とおく。

(p, q)/(r, s) ∈ SL_2(Z) があり、
f(pu + qv, ru + sv) = mu^2 + luv + kv^2 である。

u = 1, v = 0 とすれば、
f(p, r) = m である。

ps - qr = 1 だから gcd(p, r) = 1 である。
よって m は (a, b, c) により固有に表現される。
証明終

717 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/17(土) 21:53:37 ]
命題(Gauss: Disquisitiones, art.154)
(a, b, c) を判別式 D の2次形式とし、m ≠ 0 を有理整数とする。
m が (a, b, c) により固有に表現される(>>701)なら、
D ≡ l^2 (mod 4m) となる有理整数 l が存在する。

証明
m が (a, b, c) により固有に表現されれば、>>716 より
ある有理整数 l, k があり (a, b, c) と (m, l, k) が同値になる。
D = l^2 - 4mk (>>281) だから D ≡ l^2 (mod 4m) である。
証明終



718 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/18(日) 12:20:51 ]
2次形式 (a, b, c) が σ = (p, q)/(r, s) ∈ SL_2(Z) により
(m, l, k) に変換されるとする。

f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 とおく。
f(pu + qv, ru + sv) = mu^2 + luv + kv^2 である。

>>401 より
m = ap^2 + bpr + cr^2
l = 2apq + b(ps + qr) + 2crs
k = aq^2 + bqs + cs^2
である。

よって m = f(p, r) である。
つまり、(a, b, c)σ = (m, l, k) となる
σ = (p, q)/(r, s) ∈ SL_2(Z) に対して、
不定方程式 m = ax^2 + bxy + cy^2 の固有な解 (p, r) が得られる。

(a, b, c) をある (m, l', k') に移し、解 (p, r) を与える変換は
無数にある。このとき l', k' の取り得る値は任意ではありえない。
l', k' がどの程度の自由度をもつかを調べよう。

言い換えると、(a, b, c) が (p, q')/(r, s') ∈ SL_2(Z) により
(m, l', k') に変換されるとき、l', k' と l, k の関係を調べよう。

719 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/18(日) 13:34:22 ]
>>718の続き

ps - rq = 1
ps' - rq' = 1
だから
p(s'- s) - r(q'- q) = 0
よって
p(s' - s) = r(q' - q)
p と r は素だから q' - q = pt となる有理整数 t がある。
p(s' - s) = rpt より
s' - s = rt である。

l = (2ap + br)q + (bp + 2cr)s
l' = (2ap + br)q' + (bp + 2cr)s'
だから
l' - l = (2ap + br)pt + (bp + 2cr)rt
= 2a(p^2)t + 2brpt + 2c(r^2)t = 2mt
である。

よって (m, l, k) と (m, l', k') は互いに平行な形式(>>714)である。

(m, l', k') の判別式は (a, b, c) の判別式 D と同じだから(>>281)
D = (l')^2 - 4mk' より k' は (a, b, c) と l' により決まる。

720 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/19(月) 20:09:00 ]
33

721 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/19(月) 20:10:00 ]
34

722 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/19(月) 20:11:00 ]
33

723 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/19(月) 20:12:00 ]
32

724 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/19(月) 20:13:00 ]
31

725 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/19(月) 20:14:00 ]
30

726 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/23(金) 09:19:00 ]
29

727 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/23(金) 09:20:00 ]
28



728 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/23(金) 09:21:00 ]
27

729 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/23(金) 09:22:00 ]
26

730 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/23(金) 09:23:00 ]
25

731 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/23(金) 09:24:00 ]
24

732 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/24(土) 14:10:01 ]
補題
(a, b, c) を判別式 D の2次形式とし、2次形式 (a, b, c) が
σ = (p, q)/(r, s) ∈ SL_2(Z) により (m, l, k) に
変換されるとする。

さらに τ = (p, q')/(r, s') ∈ SL_2(Z) で
(a, b, c)τ = (m, l, k) とする。

このとき σ = τ である。

証明
>>719 において l' - l = 2mt だが l= l' だから t = 0 である。
よって q = q', s = s' である。
つまり σ = τ である。
証明終

733 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/24(土) 14:23:54 ]
ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の2次形式とし、
m ≠ 0 を有理整数とする。

m = ax^2 + bxy + cy^2 の固有な解(>>701)の全てを求めるには
以下のようにする。

(1)
合同方程式 x^2 ≡ D (mod 4m) に解があるかないかを調べる。
解が無ければ、m は判別式 D のどんな2次形式に
よっても固有に表現されない(>>717)。

(2)
x^2 ≡ D (mod 4m) の解の集合を、mod 2m で類別した集合を
S とする。
S の各類から代表 l をとる。l^2 ≡ D (mod 4m) だから
l^2 - D = 4mk となる有理整数 k がある。
2次形式 (m, l, k) の判別式は D である。

(a, b, c) と (m, l, k) が SL_2(Z) の作用(>>403)で同値かどうかを
調べる。

同値でないなら l の属す S の類に対応する m = ax^2 + bxy + cy^2 の
固有な解は無い(>>716, >>718, >>719)。

同値なら (a, b, c)σ = (m, l, k) となる
σ = (p, q)/(r, s) ∈ SL_2(Z) を全て求める。
このとき (p, r) が m = ax^2 + bxy + cy^2 の固有な解である。
>>732 より、このようなσで相異なるものは相異なる解を与える。

734 名前:132人目の素数さん [2007/02/24(土) 15:25:57 ]
質問です。

3以上の偶数は素数ではありません。
でも2で割ると素数になる偶数はたくさん存在すると思います。
たとえば6、10、14、・・などがその例です。

2で割ると素数になるような偶数は無限個存在するのですか?
プログラムを組んでみたところ、無限個存在しそうな予感がしているのですが・・。

735 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/24(土) 15:45:38 ]
>>734

かなり寒い質問だな。数学を知らないと見える。

素数が無限個あるならば、その一つ一つを二倍した数の全体は無限個だ。


736 名前:132人目の素数さん [2007/02/24(土) 15:49:26 ]
>>735
レスありがとうございます。
一応数学科のものです・・。

その論法だと穴があると思います。
定義域が無限集合でも、値域が有限になる例はいくらでもあります。

737 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/24(土) 15:58:58 ]
>>736

ものを神秘化し過ぎている。

単に一つ一つを検証すれば良いのだ。

数学的に表現するなら、「任意の素数の二倍が求める物で、異なる物の二倍は異なる」と言えば良い。



738 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/24(土) 18:31:52 ]
>>733 において、合同方程式 x^2 ≡ D (mod 4m) を解くのは比較的簡単
であるから、問題となるのは以下の2点である。

(1) 判別式 D の2次形式 (a, b, c) と (m, l, k) が与えられたとき
それらが同値か否かを判定せよ。

(2) 同値なら (a, b, c)σ = (m, l, k) となる
σ ∈ SL_2(Z) を全て求めよ。

739 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/24(土) 18:39:00 ]
>>738 において
(a, b, c)σ = (m, l, k)
(a, b, c)τ = (m, l, k)
となる σ, τ ∈ SL_2(Z) があれば
(a, b, c)σ = (a, b, c)τ より
(a, b, c)τσ^(-1) = (a, b, c)

ε = τσ^(-1) とおけば (a, b, c)ε = (a, b, c) で
τ = εσ である。

従って、>>738 の (2) は次の二つの問題に分解される。

(a) (a, b, c)σ = (m, l, k) となる σ ∈ SL_2(Z) を一つ求めよ。

(b) (a, b, c)ε = (a, b, c) となる ε ∈ SL_2(Z) を全て求めよ。

740 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/24(土) 20:29:22 ]
補題
(a, b, c) と (m, l, k) を判別式 D の2次形式とする。

(a, b, c) と (m, l, k) が同値であるためには、
gcd(a, b, c) = gcd(m, l, k) で
(a', b', c') と (m', l', k') が同値であることが必要十分である。
ここで
a' = a/gcd(a, b, c), b' = b/gcd(a, b, c), c' = c/gcd(a, b, c)
m' = m/gcd(m, l, k), l' = l/gcd(m, l, k), k' = k/gcd(m, l, k)
である。

証明
(a, b, c) と (m, l, k) が同値であるとする。
(a, b, c)σ = (m, l, k) とする。
ここで σ = (p, q)/(r, s) ∈ SL_2(Z) である。
>>282 より gcd(a, b, c) = gcd(m, l, k) である。
d = gcd(a, b, c) とする。

f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2
g(x, y) = mx^2 + lxy + ky^2
f '(x, y) = a 'x^2 + b 'xy + c 'y^2
g '(x, y) = m 'x^2 + l 'xy + n 'y^2
とおく。
f(x, y) = df '(x, y), g(x, y) = dg '(x, y) である。
f(px + qy, rx + sy) = g(x, y) だから
df '(px + qy, rx + sy) = dg '(x, y)
よって
f '(px + qy, rx + sy) = g '(x, y)
従って、(a', b', c') と (m', l', k') は同値である。

逆の証明も同様である。
証明終

741 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/24(土) 20:55:25 ]
>>240 より>>738 の問題は原始的(>>279)な2次形式に限ってよい。

>>738 の問題は、判別式 D が負の場合のほうが正の場合より簡単
なので、まず D が負の場合を考えることにする。

(a, b, c) と (m, l, k) が同値なら
(-a, -b, -c) と (-m, -l, -k) も同値であるから、
a > 0 となる (a, b, c), つまり正定値(>>293)の2次形式のみ
扱えばよい。

つまり、D が負の場合は >>738 の問題を正定値(>>293)の原始的
な2次形式に限ってよい。
しかし、この場合は次に説明するように >>738 の問題は既に
解けている。

742 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/24(土) 20:57:15 ]
訂正

>>741
>>>240 より>>738 の問題は原始的(>>279)な2次形式に限ってよい。

>>740 より>>738 の問題は原始的(>>279)な2次形式に限ってよい。

743 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/24(土) 21:21:06 ]
>>738 の問題を正定値で原始的2次形式の場合に解くことを考える。

問題 (1)
判別式 D < 0 の正定値で原始的な2次形式 (a, b, c) と
(m, l, k) が与えられたとき、それらが同値か否かを判定せよ。
さらに、同値なら (a, b, c) を (m, l, k) に変換する1次変換
を求めよ。

解答
(a, b, c) を簡約2次形式(>>407, >>408)に変形する。
これには、まず >>335 のアルゴリズムを使って、
広義簡約2次形式(>>409, >>410)に変形する。
次に、>>337 のアルゴリズムを使って、これを簡約2次形式に
変形する。
これを (a', b', c') とする。
(a, b, c) を (a', b', c') に変形する1次変換 σ はこの
アルゴリズムにより容易にわかる。

同様に、(m, l, k) を簡約2次形式 (a', b', c') に変形する。
(m, l, k) を (m', l', k') に変形する1次変換を τ とする。

(a', b', c') ≠ (m', l', k') なら (a, b, c) と (m, l, k) は
同値でない。

(a', b', c') = (m', l', k') なら (a, b, c) と (m, l, k) は
同値であり (a, b, c)σ = (m, l, k)τ だから
(a, b, c)στ^(-1) = (m, l, k) である。

744 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/24(土) 21:55:02 ]
>709
> くんまさん 今までの全部まとめた本出す予定ありますか?
>711
> 今はその予定はありません。全部書き終わったら、そのとき考えます。
> しかし、今まで書いた部分は全体の1割くらいなんで、まだまだ先は長いです。

Kummerさん:
「1割」でもかなりな量ですなあ。今のペースだと2-3年かかりまっせ。
この本↓みたいな精神で今までのを纏めると皆の役に立つんじゃないでしょうかね。
www.amazon.com/Algebraic-Number-Theory-Fermats-Theorem/dp/1568811195
御一考をお願いします。

745 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/24(土) 22:31:01 ]
>>744

本にするヒマがあったらこれを書き続けたいですね。
大体、今まで書いたことなんて本にするようなもんじゃないですよ。
重要なことが抜けてるんで。
まだ、2次体論の佳境に入ってないんです。


746 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/25(日) 00:40:30 ]
>>744
サンキュー
その本は何かとアマゾン込むへ飛んだ
そして別の欲しかった本をマーケットプレイスで
見つけて即注文
今までアマゾンjpになければ諦めていた
そうかcomもチェックする必要があることに気付いた

747 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/25(日) 00:53:07 ]
>そうかcomもチェックする必要があることに気付いた

俺は最初に amazon.com でチェックする。
amazon.jp って配達がとんでもなく遅い場合がある。
com もそういう場合があるが頻度は少ないように思う。



748 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/25(日) 01:30:55 ]
ということは、仏語の本は
アマゾンのfrか?
あしたから検索しよっと


749 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/25(日) 01:49:41 ]
問題 (2)
判別式 D < 0 の正定値で原始的な2次形式 (a, b, c) と
(m, l, k) が同値なら (a, b, c)σ = (m, l, k) となる
σ ∈ SL_2(Z) を全て求めよ。

解答
>>743 より (a, b, c)σ = (m, l, k) となる一つの σ ∈ SL_2(Z) が
求まる。
>>739 より (a, b, c)ε = (a, b, c) となる ε ∈ SL_2(Z) を
すべて求めればよい。

I((a, b, c)) = { ε ∈ SL_2(Z) ; (a, b, c)ε = (a, b, c) }
とおく。

>>405 より写像
φ : PF(D) → HQ(D) は左 SL_2(Z)-集合としての同型射(>>399)である。
φ((a, b, c)) = (-b + √D)/2a である。

>>267 より
(-b + √D)/2a が √(-1) と同値つまり、
(a, b, c) が (1, 0, 1) と同値のとき
I((a, b, c)) = {±1, ±T} である。
ここで T = (0, -1)/(1, 0)

(-b + √D)/2a が (-1 + √(-3))/2 と同値つまり、
(a, b, c) が (1, 1, 1) と同値のとき
I((a, b, c)) = {±1, ±TS, ±(TS)^2}
ここで S = (1, 1)/(0, 1) したがって TS = (0, -1)/(1, 1)

(a, b, c) が (1, 0, 1) とも (1, 1, 1) とも同値でないとき
I((a, b, c)) = {±1}

750 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/25(日) 07:51:00 ]
29

751 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/25(日) 07:52:00 ]
30

752 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/25(日) 07:53:00 ]
29

753 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/25(日) 07:54:00 ]
28

754 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/25(日) 07:55:00 ]
27

755 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/25(日) 07:56:00 ]
26

756 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/25(日) 10:06:22 ]
>>733, >>741, >>742, >>743, >>749 により判別式 D が負の場合の
m = ax^2 + bxy + cy^2 の固有な解の全てを求める問題は原理的には
解けたことになる。
さらに >>710 により固有でない解も求まる。

757 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/25(日) 10:37:28 ]
以上の結果の簡単な応用の一例として、p を奇素数としたとき
p = x^2 + y^2 を解くことを考えてみよう。

2次形式 (1, 0, 1) = x^2 + y^2 の判別式 D は -4 だから、
判別式が -4 の簡約2次形式(>>407, >>408)を求める。

>>408 より判別式 -4 の (a, b, c) が簡約2次形式であるためには
|b| ≦ a ≦ c であり、
|b| = a または a = c のときは b ≧ 0 となることが必要十分である。

>>341 と同様にして
a ≦ √(|D|/3)
D = -1 だから
a ≦ 1 である。
a ≠ 0 だから a = 1 である。
よって |b| ≦ 1 である。

4ac = b^2 + |D| = b^2 + 4
よって
4c = b^2 + 4
よって b^2 = 1 ではありえない。
よって b = 0 である。
よって c = 1 である。

以上から判別式が -4 の簡約2次形式は (1, 0, 1) のみである。

(続く)



758 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/25(日) 11:00:23 ]
>>757 の続き

p = x^2 + y^2 に解があればそれは固有である。
よって >>717 より
l^2 ≡ -4 (mod 4p) となる有理整数 l が存在する。
l^2 ≡ 0 (mod 4) だから l は偶数である。
l = 2t とすると
t^2 ≡ -1 (mod p) である。
よって (-1/p) = 1 である。

ここで (-1/p) は Legendre の記号(前スレ3の746)である。

逆に (-1/p) = 1 なら
l^2 ≡ -4 (mod 4p) となる有理整数 l が存在する。
l^2 + 4 = 4pk とする。

p は奇素数だから l とは互いに素である。
よって2次形式 (p, l, k) は正定値かつ原始的で判別式は -4 である。
>>757 より、これは (1, 0, 1) と同値である。

よって (1, 0, 1)σ = (p, l, k) となる σ ∈ SL_2(Z) がある。
σ = (u, q)/(r, s) とする。

>>749 より (1, 0, 1)ε = (1, 0, 1) となる ε ∈ SL_2(Z) は
{±1, ±T} である。ここで T = (0, -1)/(1, 0) である。
よって (1, 0, 1)τ = (p, l, k) となる τ は
σ, -σ, Tσ, -Tσ の四個である。
即ち
(u, q)/(r, s), (-u, -q)/(-r, -s), (-r, -s)/(u, q), (r, s)/(-u, -q)
である。
よって p = x^2 + y^2 の解は (u, r), (-u, -r), (-r, u), (r, -u)
の4個である。

759 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/25(日) 11:11:49 ]
訂正

>>757
>>>341 と同様にして
>a ≦ √(|D|/3)
>D = -1 だから
>a ≦ 1 である。

>>341 と同様にして
a ≦ √(|D|/3)
D = -4 だから
a ≦ 1 である。

760 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/25(日) 16:03:42 ]
>>758
>よって p = x^2 + y^2 の解は (u, r), (-u, -r), (-r, u), (r, -u)
>の4個である。

これは明らかに間違いである。
修正は後でする(今検討中w)。

761 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/25(日) 20:40:48 ]
訂正
>>758
>よって p = x^2 + y^2 の解は (u, r), (-u, -r), (-r, u), (r, -u)
>の4個である。

よって (p, l, k) に対応する p = x^2 + y^2 の解は
(u, r), (-u, -r), (-r, u), (r, -u) の4個である。

他方 x^2 ≡ -4 (mod 4p) の別の解 -l には
2次形式 (p, -l, k) が対応する。

R = (1, 0)/(0, -1) とすると
(p, l, k)R = (p, -l, k)
(1, 0, 1)R = (1, 0, 1) である。

よって (1, 0, 1)RσR = (p, l, k)R = (p, -l, k)
U = RσR とおく。
det(U) = det(σ) = 1 だから U ∈ SL_2(Z) である。
U = (u, -q)/(-r, s) である。
>>758 と同様に
(1, 0, 1)τ = (p, -l, k) となる τ は
U, -U, TU, -TU の四個である。
即ち
(u, -q)/(-r, s),(-u, q)/(r, -s),(r, -s)/(u, -q),(-r, s)/(-u, q)
である。
よって (p, -l, k) に対応する p = x^2 + y^2 の解は
(u, -r), (-u, r), (r, u), (-r, -u)
の4個である。

>>758 と合わせて p = x^2 + y^2 の解は
(u, r),(-u, -r),(-r, u),(r, -u),(u, -r),(-u, r),(r, u),(-r, -u)
の8個である。

762 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/25(日) 20:46:27 ]
p を奇素数とする。
>>163 より (-1/p) = (-1)^((p-1)/2) だから
(-1/p) = 1 であるためには p ≡ 1 (mod 4) が必要十分である。

これと、>>757, >>758, >>761 より以下の定理が得られる

定理(Fermat-Euler)
p を奇素数とする。
p = x^2 + y^2 が有理整数解を持つためには
p ≡ 1 (mod 4) が必要十分である。
さらに、このとき解は順序と符号を除いて一つである。

763 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/25(日) 20:47:49 ]
>>762の定理は Fermat により明言され Eulerにより証明された。

764 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/26(月) 11:10:00 ]
29

765 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/26(月) 11:11:00 ]
28

766 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/26(月) 11:12:00 ]
27

767 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/26(月) 11:13:00 ]
26



768 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/26(月) 11:14:00 ]
25

769 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/26(月) 11:15:00 ]
24

770 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/26(月) 21:11:27 ]
>>367 の原始解の定義は >>701 の固有な解と同じものだった。
今後、固有な解に統一する。

さらに、>>717>>368 で証明してあった。

771 名前:132人目の素数さん [2007/02/26(月) 21:17:03 ]
            /⌒ヽ,  ,/⌒丶、       ,-
       `,ヾ   /    ,;;iiiiiiiiiii;、   \   _ノソ´
        iカ /    ,;;´  ;lllllllllllllii、    \ iカ
        iサ'     ,;´  ,;;llllllllllllllllllllii、    fサ
         !カ、._  ,=ゞiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii!! __fカヘ.
       /  `ヾサ;三ミミミミミK彡彡彡ミヾサ`´ 'i、
       i'   ,._ΞミミミミミミI彡/////ii_   |
       |  ;カ≡|ヾヾヾミミミミミN、//巛iリ≡カi  |
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       |  ,カ ,カll|l l lヾリリリリリ川川|爪ミミiリllカ、カi  |
        |  ;iサ,サ |l l l リリ川川川川|爪ミミiiリ サi サi  |
        |   iカ ;カ, |l l リリリリ川川川川l爪ミミilリ ,カi カi  |
       |  iサ ;サ, |リ リリ川川川川川l爪ミミiリ ,サi サi  |
       |  iサ ;iカ, | リ彡彡川川川川|爪ミミiリ ,カi :サ、 |
       ,i厂 iサ, |彡彡彡彡ノ|川川|爪ミミリ ,サi `ヘ、
      ,√  ,:カ, |彡彡彡彡ノ川川|ゞミミミリ  ,カi   `ヾ
     ´    ;サ,  |彡彡彡彡川川リゞミミリ  ,サi
         ;カ,  |彡彡彡彡リリリミミミシ   ,カi
         ,;サ,   |彡彡ノリリリリミミミシ    ,サi
        ;メ'´    i彡ノリリリリリゞミミシ     `ヘ、
       ;メ      ヾリリリリノ巛ゞシ       `ヘ、
      ;メ        ``十≡=十´         `ヘ、
                 ┃   ┃
                 |  |
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              /         \
             /            \

772 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/01(木) 04:09:00 ]
27

773 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/01(木) 04:10:00 ]
26

774 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/01(木) 04:11:00 ]
25

775 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/01(木) 04:12:00 ]
24

776 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/01(木) 04:13:00 ]
23

777 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/01(木) 04:14:00 ]
22



778 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 12:28:08 ]
>>733 において合同方程式 x^2 ≡ D (mod 4m) の解法が必要であった。
この問題について考える。

m > 1 を有理整数で、m = (p_1)^(k_1)...(p_r)^(k_r)
を m の素因数分解とする。

a を有理整数として合同方程式 x^2 ≡ a (mod m) を考える。
この解は、明らかに各 i に対して x^2 ≡ a (mod (p_i)^(k_i)) の
解でもある。

逆に各 i に対して x^2 ≡ a (mod (p_i)^(k_i)) の解を b_i とする。
中国式剰余定理(前スレ1の341)より
c ≡ b_i (mod (p_i)^(k_i)) となる c ∈ Z がある。
c^2 ≡ a (mod (p_i)^(k_i)) だから c^2 ≡ a (mod m) である。

以上から x^2 ≡ a (mod m) の解の mod m の個数を N とし、
x^2 ≡ a (mod (p_i)^(k_i)) の解の mod (p_i)^(k_i) の個数を N_i
とすると、 N = Π N_i となる(>>100)。

以上から x^2 ≡ a (mod m) は m が素数 p のべき p^n のときに
解ければよい。
この問題は a が p と素なときが本質的であるが、そのときは
環 Z/p^nZ の可逆元のなす群 (Z/p^nZ)^* (>>516) の構造と関係する。
よって、この問題を解く前に (Z/p^nZ)^* の構造について述べる。

779 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 13:17:04 ]
(Z/p^nZ)^* の構造定理の証明に入る前に有限アーベル群について
復習しておく(これは後にも必要になる)。

G を位数 N の有限アーベル群とする。
N = (p_1)^(k_1)...(p_r)^(k_r) を N の素因数分解とする。
このとき各 p_i に対して G の位数 (p_i)^(k_i) の部分群 G_i が
唯一つ存在し、G は G_i の直積となる。

この事実は、有限群論のSylowの定理からも出るし、アーベル群の
基本定理からも出る。
さらに、単項イデアル環上の有限生成束縛加群の一般論からも出る。

これ等について説明しよう。

780 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 13:42:03 ]
Sylowの第一定理を証明する前に簡単な定義をする。

G を群とする。
G の元 g に対して G から G への写像 σ(g) を
σ(g)(x) = gxg^(-1) で定義する。
この σ により G は G-集合 (>>388) となる。

G を σ により G-集合と見たときの軌道(>>390)を共役類と呼ぶ。
ひとつの軌道に属す2元は互いに共役という。

x ∈ G のとき x の安定化部分群(>>392)を N(x) と書き、
x の正規化群と呼ぶ。
N(x) = {g ∈ G;gxg^(-1) = x } である。

G が有限群のとき x の属す共役類の元の個数は [G : N(x)] である
(>>394)。

781 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 14:04:15 ]
G を群とする。
G の元 x に共役(>>780)な元が x のみのとき x を自己共役元という。
G の自己共役元全体 Z は G の正規部分群である。
Z を G の中心と呼ぶ。

782 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 14:08:49 ]
G を有限群とする。G の中心(>>781)を Z とする。
G の共役類(>>780) C で |C| > 1 となるもの全体を C_1, ..., C_r
とする。
h_i = |C_i| とおく。
このとき、
|G| = |Z| + h_1 + ... + h_r である。

この等式を G の類等式と呼ぶ。

783 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 15:44:44 ]
補題
G を有限アーベル群とする。
p を素数とし、 G のすべての元の位数は p のべきだとする。
このとき G の位数も p のべきである。

証明
G の位数に関する帰納法を使う。
x を G の位数 p の元とする。
x で生成される G の部分群を H とする。
G/H の各元の位数は p のべきだから G/H は帰納法の仮定を満たす。
よって |G/H| は p のべきである。
よって |G| も p のべきである。
証明終

784 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 15:45:40 ]
補題
G を有限アーベル群とする。
|G| = (p^n)(q^m) とする。
ここで p と q は素数で p ≠ q である。
n ≧ 1, m ≧ 1 である。

このとき G には位数がそれぞれ p と q の元が存在する。

証明
G には位数 p の元が存在しないと仮定する。
これから矛盾を導けばよい。

G の任意の元 x ≠ 1 の位数の素因数は p または q である。
しかし仮定より x の位数は p では割れない。
よって x の位数は q のベキである。
>>783 より G の位数は q のベキであるが、これは仮定に反する。
証明終

785 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 16:12:34 ]
補題(Burnside)
G を有限群とする

|G| = (p^m)q とする。
ここで p と q は素数で p ≠ q である。
m ≧ 1 である。
さらに G の中心 K に位数 q の元があるとする。
このとき K は位数 p の元ももつ。

証明
G の共役類(>>780) C で |C| > 1 となるもの全体を C_1, ..., C_r
とする。
h_i = |C_i| とおく。
このとき、G の類等式は
|G| = |K| + h_1 + ... + h_r である(>>782)。

各 C_i から代表元 x_i をとる。
h_i = [G : N(x_i)] である(>>780)。

K ⊂ N(x_i) で |K| は仮定により q で割れるから h_i は p のベキ
である。
よって G の類等式から |K| は p で割れる。
よって >>784 より K は位数 p の元をもつ。
証明終

786 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 16:36:42 ]
命題(Sylowの第一定理)
G を位数 N の有限群とする。
p を素数とし、p^m が N を割るとする。ここで m ≧ 1 である。
このとき G の部分群 H で |H| = p^m となるものが存在する。

証明
G の位数に関する帰納法を使う。

G の中心(>>781)を K とする。
G の共役類(>>780) C で |C| > 1 となるもの全体を C_1, ..., C_r
とする。

G の類等式は
|G| = |K| + |C_1| + ... + |C_r| である。

|K| = 1 なら、ある C_i に対して |C_i| は p で割れない。
x ∈ C_i のとき |C_i| = [G : N(x)] である(>>780)。
よって N(x) は p^m で割れる。
帰納法の仮定から N(x) の部分群 H で |H| = p^m となるものが
存在する。

よって |K| > 1 と仮定する。
K に位数 p の元 x があるなら x で生成される部分群を L とすると、
L は G の正規部分群で |G/L| は p^(m-1) で割れる。
帰納法の仮定から G/L の部分群で位数が p^(m-1) となるものがある。
よって G の部分群で位数が p^m となるものがある。

(続く)

787 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 16:41:42 ]
>>786 の証明の続き。

q を p と異なる素数とし、K に位数 q の元 y があるとする。
このとき y で生成される部分群を M とすると、
|G/M| は p^m で割れるから、帰納法の仮定から G/M は位数 p^m の
部分群をもつ。
よって G は位数 (p^m)q の部分群 T をもつ。
G ≠ T なら T に帰納法の仮定を使えて、T は位数 p^m の部分群 H を
もつ。

残るのは G = T 即ち |G| = (p^m)q の場合である。
>>785 より K は位数 p の元 z をもつ。
これから前と同様にして G は位数 p^m の部分群 H をもつ。
証明終



788 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 16:54:01 ]
>>786 の証明は Burnside の Theory of groups of finite order から
借りた。

Sylowの第二、第三定理もあるがさしあたって必要ないので
今は述べないことにする。

>>786 の証明はアーベル群の基本定理を使えばもっと簡単になる。
それは後で述べる。

789 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 17:08:47 ]
>>779 で述べた命題を >>786 を使って証明する。

命題
G を位数 N の有限アーベル群とする。
N = (p_1)^(k_1)...(p_r)^(k_r) を N の素因数分解とする。
このとき各 p_i に対して G の位数 (p_i)^(k_i) の部分群 G_i が
唯一つ存在し、G は G_i の直積となる。

証明
>>786 より G_i の存在がわかる。
G_i の元の位数は p_i のベキだから G_1 × ... × G_r は直積
(アーベル群だから直積と直和は同じもの)である。
位数を比較して G = G_1 × ... × G_r となる。
これから各 G_i は G の元で位数が p_i のベキとなるもの全体で
あることがわかる。よって G_i は一意に定まる。
証明終

790 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 17:15:39 ]
G を有限群とする。
p を |G| を割る素数とし、 |G| = (p^m)r とする。
ここで r と p は素である。
>>786 より G は位数 p^m の部分群をもつ。
このような部分群を p-Sylow 部分群と呼ぶ。

791 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 17:29:50 ]
命題(Cauchy の定理)
G を有限群とする。
p を |G| を割る素数とすると G は位数 p の元をもつ。

証明
>>786 より G は位数 p の部分群 H をもつ。
H の 1 以外の元の位数は p である。
証明終

792 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 17:58:37 ]
前スレ1の669を引用する。

命題
A を単項イデアル整域、M を A 上有限生成の捩れ加群とする。
A の素元 p に対して M(p) = {x ∈ M; (p^n)x = 0 となる n > 0 がある}
とおく。M = ΣM(p) (直和) となる。ここで p は、Ann(M) を割る素元
全体を動く。

793 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 18:00:06 ]
>>789>>792>>783 から直ちに出る。

794 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/03(土) 18:02:49 ]
>788
>>786 (Sylow's theorem)の証明は
>>Burnside の Theory of groups of finite order から借りた。
Wielandtの(帰納法を使用しない)証明の方が、分かりやすいと思うんが…
ま、手段であって目的ではないから良いのかな。

795 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 18:10:40 ]
命題(Cauchy の定理(>>791)のアーベル群版)
G を有限アーベル群とする。
p を |G| を割る素数とすると G は位数 p の元をもつ。

これは、Sylowの第一定理(>>786)を使わなくても >>789 から
直ちに出る。>>789>>792 から出るからやはりSylowの第一定理
はいらない。

逆に、この命題からSylowの第一定理が出る。
それを次に述べる。

796 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 18:22:08 ]
>>786(Sylowの第一定理)の>>795を使った証明

G の位数に関する帰納法を使う。

G の中心(>>781)を K とする。
G の共役類(>>780) C で |C| > 1 となるもの全体を C_1, ..., C_r
とする。

G の類等式は
|G| = |K| + |C_1| + ... + |C_r| である。

ある C_i に対して |C_i| は p で割れないとする。
x ∈ C_i のとき |C_i| = [G : N(x)] である(>>780)。
よって N(x) は p^m で割れる。
帰納法の仮定から N(x) の部分群 H で |H| = p^m となるものが
存在する。

よって、この場合は定理は証明された。

次に、すべての |C_i| は p で割れるとする。
このとき上の類等式から |K| は p で割れる。
K はアーベル群だから >>795 より K は位数 p の元をもつ。
この元で生成される K の部分群を L とする。
L は G の正規部分群で |L| = p だから |G/L| は p^(m-1) で割れる。
よって帰納法の仮定から G/L に位数 p^(m-1) の部分群が存在する。
よって G に位数 p^m の部分群が存在する。
証明終

797 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 18:25:38 ]
アーベル群の基本定理からも>>789 したがって >>795 が出ることは明らかだろう。



798 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 18:30:41 ]
>>797
>アーベル群の基本定理からも>>789 したがって >>795 が出ることは
>明らかだろう。

しかし >>789 の証明にアーベル群の基本定理をもちだすのはやや
大げさだろう。実際、>>789>>792 からすぐ出るが
>>792 は前スレ1の669でみたように簡単に証明される。

799 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 18:43:20 ]
>>794

Burnsideの証明を改良した >>796 は十分わかりやすいと思うけど。
これは >>792 を使っているが、>>792 は単項イデアル整域上の
有限生成捩れ加群の基本であり、初等代数では常識と言えるもの。
証明も簡単だし。

800 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 19:56:51 ]
命題
G を位数 N の有限アーベル群とする。
N の任意の約数 n ≧ 1 に対して x^n = 1 となる G の元 x の個数は
n 以下だとする。
このとき G は巡回群である。

証明
>>789 より N が素数 p のベキ p^m の場合に証明すればよい。
G の元 g ≠ 1 の位数を p^s とする。
g で生成される G の部分群を H とする。
|H| = p^s である。
H の任意の元 h に対して h^(p^s) = 1 となるから
仮定より x^(p^s) = 1 の解は H の元のみである。

G = H なら G は巡回群である。
G ≠ H なら H に含まれない G の元 y がある。
y^(p^s) ≠ 1 だから y の位数は p^s より大きい。

G が y で生成されなければ、同様にして y の位数より大きい位数
の元がある。
このような手続きを繰り返せば G の生成元が必ず見つかる。
証明終

801 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 20:06:45 ]
命題
F を有限体とする。
F^* (>>516)は巡回群である。

証明
有限体 F においては、任意の有理整数 n ≧ 1 に対して
x^n = 1 の解の個数は n 以下である。
よって >>800 より F^* は巡回群である。
証明終

802 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 20:08:17 ]
命題(mod p の原始根の存在定理)
p を素数とする。
(Z/pZ)^* は巡回群である。

証明
>>801 より明らかである。

803 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 20:28:56 ]
p を素数としたとき、(Z/pZ)^* の生成元またはその代表元を
mod p の原始根という。

原始根を求めるには >>800 の証明方法が使える。
しかし、これは |(Z/pZ)^*| = p - 1 の素因数分解が必要だし、
(Z/pZ)^* の各 Sylow 部分群(>>790)を求める必要がある。

もっと簡単な方法を高木の本から紹介しよう。

804 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 21:00:11 ]
補題
n ≧ 1, m ≧ 1 を有理整数とする。
l を n と m の最小公倍数とする。
このとき n の約数 a と m の約数 b で
l = ab, gcd(a, b) = 1 となるものがある。

証明
n と m の素因数分解を
n = Π (p_i)^(n_i)
m = Π (p_i)^(m_i)
とする。

l = Π (p_i)^(max(n_i, m_i))
である。

m_i ≧ n_i なら a_i = 1, b_i = (p_i)^m_i
m_i < n_i なら a_i = (p_i)^(n_i), b_i = 1
とし、

a = Π a_i
b = Π b_i
とすればよい。
証明終

805 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 21:19:18 ]
補題
G を群とする。
x を G の元で位数が n とする。
y を G の元で位数が m とする。
gcd(n, m) = 1 で、xy = yx なら
z = xy の位数は nm である。

証明
xy = yx だから z^(nm) = (xy)^(nm) = (x^(nm))(y^(nm)) = 1 である。

r ≧ 1 を有理整数として z^r = 1 とする。
r が nm で割れることを示せばよい。

z^(rm) = 1
だから
(x^(rm))(y^(rm)) = 1
ここで
y^(rm) = 1
だから
x^(rm) = 1

よって rm は n で割れる。gcd(n, m) = 1 だから r は n で割れる。
同様に、r は m で割れる。
gcd(n, m) = 1 だから r は nm で割れる。
証明終

806 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 21:29:29 ]
補題
G を群とする。
x を G の元で位数が n とする。
y を G の元で位数が m とする。
l を n と m の最小公倍数とする。
xy = yx なら G には位数 l の元が存在する。

証明
>>804 より n の約数 a と m の約数 b で
l = ab, gcd(a, b) = 1 となるものがある。
x^(n/a) の位数は a である。
y^(m/b) の位数は b である。

>>805 より (x^(n/a))(y^(m/b) の位数は ab = l である。
証明終

807 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 21:41:46 ]
>>800 の別証

G の元 x ≠ 1 の位数を n とする。
|G| = n なら x は G の生成元である。

|G| ≠ n とする。
x の生成する G の部分群を H とすると、G ≠ H である。
G の元 y で H に含まれないものがある。
y の位数を m とする。
l を n と m の最小公倍数とする。
n = l とすると m は n の約数となり、y^n = 1 となる。
これは X^n = 1 の解が n 個以下という仮定に反する。
よって l > n である。

一方、>>806 より G には位数 l の元 z が存在する。
|G| = l なら z は G の生成元である。
|G| ≠ l なら、以上の手続きを繰り返せばよい。
証明終



808 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 21:52:21 ]
Cohen の A course in computational algebraic number theory
の p.25 に

"Let p be a prime. To find a primitive root modulo p there seems
to be no better way than to proceed as follows.
Try g = 2, g = 3, etc... until g is a primitive root."

とある。

>>807(高木の方法) がその a better way だと思うんですが。

809 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/03(土) 21:57:04 ]
百日。


810 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 23:27:00 ]
Gauss による >>800 の別証(Disquisitiones の art. 54) を紹介
する(高木の初等整数論講義の補遺にもある)。

>>800 の別証:
d ≧ 1 を N の約数としたとき、G の位数 d の元の個数をψ(d) と
書くことにする。G に関する仮定より
ψ(d) = 0 または ψ(d) = φ(d) である。
ここで φ(d) は Euler の関数である。
つまり φ(d) は位数 d の巡回群の生成元の個数である。
よって φ(d) = |(Z/dZ)^*| である。

明らかに、N = Σ ψ(d) である。
ここで d は N の約数 d ≧ 1 全体を動く。

一方、位数 N の巡回群を考えることにより、N = Σ φ(d) となる。
よって N の任意の約数 d に対して ψ(d) = φ(d) でなければ
ならない。
特に、ψ(N) = φ(N) である。
よって ψ(N) ≠ 0 だから G は巡回群である。
証明終

811 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/04(日) 00:23:44 ]
p を素数として n ≧ 1 を有理整数とする。
(Z/(p^n)Z)^* が巡回群のときにその生成元またはその任意の代表元を
mod p^n の原始根という。

812 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/04(日) 00:27:39 ]
p を奇素数として n ≧ 1 を有理整数とする。
g ∈ Z を mod p^(n+1) の原始根(>>811)とする。
g mod p^n の (Z/(p^n)Z)^* における位数を r とする。

g^r ≡ 1 (mod p^n) である。
g^r = 1 + h(p^n) となる h ∈ Z がある。

二項定理より
g^(rp) = (1 + h(p^n))^p
= 1 + h(p^(n+1)) + (p(p - 1)/2)(h^2)(p^(2n)) + ...
= 1 + h(p^(n+1)) + ((p - 1)/2)(h^2)(p^(2n + 1)) + ...

p は奇数だから (p - 1)/2 は有理整数である。

よって
g^(rp) ≡ 1 + h(p^(n+1)) (mod p^(n + 2))

よって
g^(rp) ≡ 1 (mod p^(n + 1))

rp は φ(p^(n+1)) = (p^n)(p - 1) で割れる。
よって r は φ(p^n) = (p^(n-1))(p - 1) で割れる。
よって r = (p^(n-1))(p - 1) である。
よって g は mod p^n の原始根である。

g^r = 1 + h(p^n) において h は p で割れない。
何故なら h ≡ 0 (mod p) なら
g^r ≡ 1 (mod p^(n+1)) となって g が mod p^(n+1) の原始根という
仮定に反するからである。

813 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/04(日) 00:41:25 ]
補題
p を奇素数として n ≧ 1 を有理整数とする。
g を mod p^n の原始根(>>811)とする。
g は mod p の原始根でもあり g^p - 1 は p^2 で割れない。

証明
>>812 より明らかである。

814 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/04(日) 01:58:30 ]
>>812 の逆を考える。

p を素数として n ≧ 1 を有理整数とする。
g を mod p^n の原始根(>>811)とする。

r = (p^(n-1))(p - 1) とおく。

g^r ≡ 1 (mod p^n) である。
g^r = 1 + h(p^n) となる h ∈ Z がある。
h が p で割れないとする。

g mod p^(n + 1) の (Z/(p^(n+1))Z)^* における位数を d とする。

g^d ≡ 1 (mod p^(n + 1))
よって
g^d ≡ 1 (mod p^n)
よって
d は (p^(n-1))(p - 1) の倍数である。
一方、d は (p^n)(p - 1) の約数である。
よって d は r = (p^(n-1))(p - 1) または rp = (p^n)(p - 1) である。
d = r とすると
g^r ≡ 1 (mod p^(n + 1)) となって h が p で割れることになり
仮定に反する。
よって d = (p^n)(p - 1) となり g は mod p^(n + 1) の原始根である。

815 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/04(日) 02:01:49 ]
補題
p を奇素数として n ≧ 1 を有理整数とする。
g を mod p の原始根で g^p - 1 は p^2 で割れないとする。
g は mod p^n の原始根でもある。

証明
>>814 より明らかである。

816 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/04(日) 02:10:17 ]
訂正

>>813
>g は mod p の原始根でもあり g^p - 1 は p^2 で割れない。

g は mod p の原始根でもあり g^(p-1) - 1 は p^2 で割れない。

817 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/04(日) 02:11:15 ]
訂正

>>815
>g を mod p の原始根で g^p - 1 は p^2 で割れないとする。

g を mod p の原始根で g^(p-1) - 1 は p^2 で割れないとする。



818 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/04(日) 07:43:35 ]
p を奇素数として n ≧ 1 を有理整数とする。
a を mod p の原始根で a^(p-1) - 1 は p^2 で割れるとする。

a^(p-1) ≡ 1 (mod p) だから
a^(p-1) - 1 = ph となる h ∈ Z がある。
仮定より h は p で割れる。

a と mod p で合同な有理整数 b で b^(p-1) - 1 は p^2 で割れない
ようなものがあるかどうかを調べる。

a ≡ b (mod p) だから b = a + pt となる t ∈ Z がある。
2項定理より
b^p = a^p + (p^2)t + (p(p-1)/2)(p^2)t^2 + ...
よって
b^p ≡ a^p (mod p^2)

よって
b^p - b ≡ a^p - b (mod p^2)

一方
a^(p-1) = 1 + ph だから
a^p = a + pah である。
よって
a^p - b = a + pah - (a + pt) = p(ah - t)

よって
b^p - b ≡ p(ah - t) (mod p^2)

よって ah - t が p で割れなければ、b^p - b は p^2 で割れない。
従って、b^(p-1) - 1 は p^2 で割れない
ah ≡ 0 (mod p) だから t として 1 を取ればよい。
つまり、b = a + p が求めるものである。

819 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/04(日) 07:46:46 ]
補題
p を奇素数として n ≧ 1 を有理整数とする。
a を mod p の原始根で a^(p-1) - 1 は p^2 で割れるとする。
このとき b + p は mod p^n の原始根である。

証明
>>818 で証明されている。


820 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/04(日) 07:52:53 ]
命題
p を奇素数として n ≧ 1 を有理整数とする。
(Z/p^nZ)^* は巡回群である。

証明
>>815(及び>>817) と >>819 から明らかである。

821 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/04(日) 07:58:28 ]
>>820 の証明は Dirichlet の整数論講義から借りた。
この証明は、発見的であり自然である。
他でよく見られる証明は、整理されすぎていて舞台裏が見えにくい。

822 名前:KingOfUniverse ◆667la1PjK2 [2007/03/04(日) 08:34:07 ]
talk:>>771 何やってんだよ?

823 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/04(日) 09:10:00 ]
30

824 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/04(日) 09:11:00 ]
29

825 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/04(日) 09:12:00 ]
28

826 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/04(日) 09:13:00 ]
27

827 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/04(日) 09:14:00 ]
26



828 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/04(日) 09:15:00 ]
25

829 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/04(日) 10:17:44 ]
補題
p を素数として n ≧ 1 を有理整数とする。
a ≡ b (mod p^n) なら
a^p ≡ b^p (mod p^(n+1))
である。

証明
a = b + cp^n とする

二項定理より
a^p = (b + cp^n)^p = b^p + cp^(n+1) + (p(p-1)/2)(c^2)p^2n + ...
よって
a^p ≡ b^p (mod p^(n+1))
証明終

830 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/04(日) 11:02:16 ]
補題
n ≧ 3 を有理整数とする。
5^(2^(n-3)) ≡ 1 + 2^(n-1) (mod 2^n)
である。

証明
n に関する帰納法を使う。
n = 3 のときは正しい。

ある n ≧ 3 に対して
5^(2^(n-3)) ≡ 1 + 2^(n-1) (mod 2^n)
が正しいとする。

>>829 より、
5^(2^(n-2)) ≡ (1 + 2^(n-1))^2 (mod 2^(n+1))

ここで
(1 + 2^(n-1))^2 = 1 + 2^n + 2^(2n - 2)

2n - 2 ≧ n + 1
だから

5^(2^(n-2)) ≡ 1 + 2^n (mod 2^(n+1))
証明終

831 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/04(日) 11:18:47 ]
補題
n ≧ 3 を有理整数とする。
a を任意の奇数とすると、
a^(2^(n-2)) ≡ 1 (mod 2^n)
である。

証明
n に関する帰納法を使う。
n = 3 のときは正しい。

ある n ≧ 3 に対して
a^(2^(n-2)) ≡ 1 (mod 2^n)
が正しいとする。

>>829 より
a^(2^(n-1)) ≡ 1 (mod 2^(n+1))
証明終

832 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/04(日) 11:23:16 ]
補題
n ≧ 3 を有理整数とする。

5 mod 2^n の (Z/2^nZ)^* における位数は 2^(n-2) である。

証明
>>830>>831 より明らかである。

833 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/04(日) 11:38:03 ]
補題
n ≧ 3 を有理整数とする。
任意の有理整数 k ≧ 0 に対して
5^k ≡ -1 (mod 2^n)
とはならない。

証明
5^k ≡ -1 (mod 2^n)
と仮定する。

5^k ≡ -1 (mod 4)
である。

一方
5 ≡ 1 (mod 4)
だから
1 ≡ -1 (mod 4)
となって矛盾である。
証明終

834 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/04(日) 11:44:34 ]
命題
n ≧ 3 を有理整数とする。
G = (Z/2^nZ)^* とおく。
a と b をそれぞれ mod 2^n における -1 と 5 の剰余類とする。
a で生成される G の部分群を K とし、
b で生成される G の部分群を H とする。
|K| = 2
|H| = 2^(n-2)
であり
G = K × H (直積)である。

証明
|G| = 2^(n-1) と >>832>>833 より明らかである。

835 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/04(日) 11:58:05 ]
>>800 の証明は以下のようにしたほうが明快だろう。

>>789 より N が素数 p のベキ p^m の場合に証明すればよい。
G における x^(p^(m-1)) = 1 の解の個数は p^(m-1) 以下である。
よって g^(p^(m-1)) ≠ 1 となる g ∈ G がある。
g が G の生成元である。
証明終

836 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/05(月) 16:04:00 ]
23

837 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/05(月) 16:05:00 ]
22



838 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/05(月) 16:06:00 ]
21

839 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/05(月) 16:07:00 ]
20

840 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/05(月) 16:08:00 ]
19

841 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/05(月) 16:09:00 ]
18

842 名前:132人目の素数さん [2007/03/06(火) 10:42:57 ]
modular form no ii hon oshiete!!!

843 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/06(火) 13:08:24 ]
>>795>>789 を使わない証明を思いついた。

命題
G を有限アーベル群とする。
p を |G| を割る素数とすると G は位数 p の元をもつ。

証明
G の位数に関する帰納法を使う。

G の元 x ≠ 1 の位数 m が p で割れるとする。
m = pt とする。x^t の位数は p だから、この場合は命題は
証明された。

G の元 x ≠ 1 の位数 m が p で割れないとする。
x で生成される部分群を H とする。
G/H の位数は p で割れるから帰納法の仮定より G/H は位数 p の元を
もつ。その元の任意の代表を y とする。
y^p ∈ H だから (y^p)^m = 1 である。よって y の位数は pm の
約数である。
よって、y の位数が p で割れないとすると、y^m = 1 となる。
このとき y mod H の位数は m の約数となり p で割れない。
これは矛盾である。
よって y の位数は p で割れる。
よって y の適当なべきの位数は p である。
証明終

844 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/06(火) 20:29:06 ]
補題
H と K をそれぞれ位数 n と位数 m の巡回群とする。
G = H × K を直積とする。

gcd(n, m) ≠ 1 なら G は巡回群ではない。

証明
gcd(n, m) ≠ 1 だから、n と m はある素数 p で割れる。
>>795 より H と K はそれぞれ位数 p の部分群をもつ。
これらは明らかに異なる。

一方、G が巡回群なら位数 p の部分群はただ一つである。
よって G は巡回群ではない。
証明終

845 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/06(火) 20:31:41 ]
>>844 は間違いではないが、次のように訂正する。

補題
H と K をそれぞれ位数 n と位数 m のアーベル群とする。
G = H × K を直積とする。

gcd(n, m) ≠ 1 なら G は巡回群ではない。

証明
gcd(n, m) ≠ 1 だから、n と m はある素数 p で割れる。
>>795 より H と K はそれぞれ位数 p の部分群をもつ。
これらは明らかに異なる。

一方、G が巡回群なら位数 p の部分群はただ一つである。
よって G は巡回群ではない。
証明終

846 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/06(火) 20:35:27 ]
命題
H と K をそれぞれ位数 n と位数 m の巡回群とする。
G = H × K を直積とする。

G が巡回群であるためには gcd(n, m) = 1 が必要十分である。

証明
>>805>>845 より明らかである。

847 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/06(火) 20:39:11 ]
補題
p を素数とし、n ≧ 1 を有理整数とする。
(Z/p^nZ)^* の位数は p = 2 で n = 1 を除いて偶数である。

証明
|(Z/p^nZ)^*| = (p^(n - 1))(p - 1) より明らかである。



848 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/06(火) 20:58:06 ]
命題
N ≧ 2 を有理整数とする。
(Z/NZ)^* が巡回群となるのは、以下の場合のみである。

N = 2, 4, p^n, 2p^n

ここで p は奇素数で n ≧ 1 である。

証明
N の素因数分解を N = Π q^r とする。

中国式剰余定理(前スレ1の341)より
Z/NZ = Π Z/(q^r)/Z である。
よって >>612 より
(Z/NZ)^* = Π (Z/(q^r)/Z)^* である。

>>820 より p が奇素数で n ≧ 1 のとき (Z/p^nZ)^* は巡回群である。

>>834 より (Z/2^nZ)^* は n ≧ 3 のときは巡回群でない。
一方、 (Z/2Z)^* と (Z/4Z)^* 明らかに巡回群である。

以上の事実と >>847>>845 より本命題の主張は明らかである。
証明終

849 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/06(火) 21:19:02 ]
アーベル群の基本定理と >>845 から >>800 の別証明が得られる。
この証明は高木の「代数的整数論」にある証明(p.34)と同じである。

>>800 の別証明

アーベル群の基本定理から G は巡回群の直積である。
G が巡回群でないとすると >>846 よりある素数 p があり、
G は位数 p の部分群2個 の直積を部分群として含む。
すると x^p = 1 の G における解の個数は p^2 以上となり
仮定に反する。
証明終

850 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/07(水) 21:12:09 ]
補題
n ≧ 1 と m ≧ 1 を有理整数とする。
d = gcd(n, m) とおく。
a を有理整数とする。

合同方程式 nx ≡ a (mod m) に解があるためには a が d で割れる
ことが必要十分である。
このとき x^n = a 解の個数は d である。

証明
nb ≡ a (mod m) となる b ∈ Z があるとする。
nb - a = mk となる k ∈ Z がある。
a = nb - mk である.
よって a ≡ 0 (mod d) である。

逆に a ≡ 0 (mod d) とする。
a = d(a ') と書ける。

n と m は d で割れるから
n = d(n ')
m = d(m ') と書ける。
よって nx ≡ a (mod m) は (n ')x ≡ a ' (mod m ') と同値である。
gcd(n ', m ') = 1 だから
(n ')x ≡ a ' (mod m ') は mod m ' で唯一の解 b ' を持つ。

nx ≡ ny (mod m) なら、n(x - y) ≡ 0 (mod m)
よって n '(x - y) ≡ 0 (mod m ')
よって x ≡ y (mod m ')

これから nx ≡ a (mod m) の解は
b ', b ' + m ', ..., b ' + (d - 1)m ' の d 個である。
証明終

851 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/07(水) 22:14:54 ]
命題
G を位数 m の巡回群とする。
n ≧ 1 を有理整数、 a を G の元とする。
d = gcd(n, m) とする。

x^n = a に解があるためには a^(m/d) = 1 が必要十分である。
このとき、この解の個数は d である。

証明
G の生成元を g とする。
a = g^i とかける。

x を G の元とし x^n = a とする。
x = g^y とすると g^(ny) = g^i となる。
よって x^n = a に解があるためには ny ≡ i (mod m) に解 y が
あることが必要十分である。
>>850 より、これは i ≡ 0 (mod d) と同値である。
容易にわかるように、これは a^(m/d) = 1 と同意である。

x^n = a に解があるとき、この解の個数は >>850 より d である。
証明終

852 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/07(水) 22:15:33 ]
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853 名前:KingOfUniverse ◆667la1PjK2 [2007/03/07(水) 22:21:19 ]
talk:>>852 お前に何が分かるというのか?

854 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/07(水) 22:45:08 ]
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855 名前:KingOfUniverse ◆667la1PjK2 [2007/03/07(水) 22:57:44 ]
talk:>>854 お前に何が分かるというのか?

856 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/09(金) 10:24:00 ]
25

857 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/09(金) 10:25:00 ]
26



858 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/09(金) 10:26:00 ]
25

859 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/09(金) 10:27:00 ]
24

860 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/09(金) 21:49:34 ]
命題
m ≧ 1 を有理整数とし、(Z/mZ)^* は巡回群とする。
n ≧ 1 を有理整数、 a を 有理整数で gcd(a, m) = 1 とする。

このとき
x^n ≡ a (mod m)
に解があるためには
a^(φ(m)/d) ≡ 1 (mod m)
が必要十分である。

ここで φ(m) は Euler の関数である。
つまり、φ(m) = |(Z/mZ)^*| である。
さらに、d = (n, φ(m)) である。

証明
>>851 より明らかである。

861 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/10(土) 05:49:28 ]
>>860 の命題と同じ条件で、x^n ≡ a (mod m) に解があるとき、
その解の個数は d = (n, φ(m)) である。

これも >>851 より明らかである。

862 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/10(土) 06:46:03 ]
命題
p を有理素数とする。
n ≧ 1 と a を 有理整数でそれぞれ p で割れないとする。
x^n ≡ a (mod p) が解 b を持つとする。

このとき、任意の e ≧ 1 に対して x^n ≡ a (mod p^e) が
c ≡ b (mod p) となる根 c を持つ。
このような c は mod p^e で一意に決まる。

証明
x^n ≡ a (mod p) の解を b とする。
f(X) = X^n - a とおく。
仮定より f '(b) = nb^(n-1) は p で割れない。
よって本命題は >>99 から得られる。
証明終

863 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/10(土) 07:49:46 ]
命題
p を奇素数とする。
a を 有理整数で a は p で割れないとする。

n ≧ 1、e ≧ 1 に対して x^n ≡ a (mod p^e) が解を持つためには
a^(φ(p^e)/d) ≡ 1 (mod p^e) が必要十分である。
ここで、d = gcd(n, φ(p^e)) である。

x^n ≡ a (mod p^e) が解を持つなら、その個数は d である。

証明
>>820 より (Z/p^eZ)^* は巡回群である。
よって本命題は >>860>>861 から出る。

864 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/10(土) 08:02:49 ]
>>863 において n が p で割れないときはもっと良い結果が得られる。

命題
p を奇素数とする。
n ≧ 1 と a を 有理整数でそれぞれ p で割れないとする。

x^n ≡ a (mod p) が解を持つためには
a^((p - 1)/d) ≡ 1 (mod p) が必要十分である。
ここで、d = gcd(n, p - 1) である。

x^n ≡ a (mod p) が解を持たないとする。
このとき、任意の e ≧ 1 に対して x^n ≡ a (mod p^e) も
解を持たない。

x^n ≡ a (mod p) が解を持つなら、
任意の e ≧ 1 に対して x^n ≡ a (mod p^e) も解を持ち、
その個数は d = gcd(n, p - 1) である。

証明
最初の主張は >>863 より出る。

残りの主張は >>862 より出る。

865 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/10(土) 09:05:48 ]
>>862 は p = 2 でも成り立つから >>864 も p = 2 で成り立つ。

従って、n ≧ 1 と a が奇数のとき
任意の e ≧ 1 に対して x^n ≡ a (mod 2^e) は
唯一の解を持つ。

866 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/10(土) 10:05:06 ]
>>864 より次の命題が直ちに得られる。

命題
p を奇素数とする。
a を 有理整数で a は p で割れないとする。

(a/p) = 1 なら、任意の e ≧ 1 に対して x^2 ≡ a (mod p^e) が
解を持つ。このとき、解の個数は2である。
ここで (a/p) は Legendre の記号(前スレ3の746)である。

逆に、ある e ≧ 1 に対して x^2 ≡ a (mod p^e) が解を持つなら
(a/p) = 1 である。

867 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/10(土) 13:50:22 ]
解析的整数論ってなんかかっこいいよね



868 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/10(土) 18:57:17 ]
ζ関数、多重ゼータ値、保型形式など

869 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/10(土) 20:04:00 ]
22

870 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/10(土) 20:05:00 ]
21

871 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/10(土) 20:06:00 ]
20

872 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/10(土) 20:07:00 ]
19

873 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/10(土) 20:08:00 ]
18

874 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/10(土) 20:08:33 ]
[Gauss: Disquisitiones, art.102]
今度は p を奇素数として a が p で割れるときに
x^2 ≡ a (mod p^n) を考える。
a = (p^k)b, gcd(b, p) = 1 とする。

1) k ≧ n のとき
a ≡ 0 (mod p^n) であるから
x^2 ≡ a (mod p^n) は解 x = 0 を持つ。

2) 1≦ k < n で k が奇数のとき
x^2 ≡ a (mod p^n) は解を持たない。

証明
x^2 ≡ a (mod p^n) が解 x = c を持つとする。
c^2 ≡ (p^k)b (mod p^n) より c^2 は p^k で割れる。
c = (p^s)d, gcd(d, p) = 1 とする。
k = 2t + 1 とすると、2s ≧ 2t + 1 だから s ≧ t + 1
よって c^2 は 2t + 2 で割れる。
c^2 ≡ (p^k)b (mod p^n) で 2t + 2 ≦ n だから
(p^(2t + 1))b ≡ 0 (mod p^(2t + 2))
よって b ≡ 0 (mod p) となり矛盾である。

3) 1≦ k < n で k が偶数のとき
x^2 ≡ a (mod p^n) が解を持つためには、(b/p) = 1 が
必要十分である。

証明
k = 2s とする。
x^2 ≡ (p^(2s))b (mod p^n)
x = (p^s)y とおくと
y^2 ≡ b (mod p^(n - k))
これと >>866 より上記の主張が出る。

875 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/10(土) 20:09:00 ]
17

876 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/10(土) 20:10:00 ]
17

877 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/10(土) 20:16:13 ]
>>874 は簡単だが、あまり他では言及されてない。




878 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/10(土) 21:17:02 ]
[Gauss: Disquisitiones, art.104]
>>874 の 1) と 3) における(互いに合同でない)解の個数を求める。
条件を再度述べる。
p を奇素数として a が p で割れるときに
x^2 ≡ a (mod p^n) を考える。
a = (p^k)b, gcd(b, p) = 1 とする。

1) k ≧ n のとき
n が偶数のとき n = 2m
n が奇数のとき n = 2m - 1 とおく。
x^2 ≡ a (mod p^n) より
x^2 ≡ 0 (mod p^n) となる。
よって x ≡ 0 (mod p^m) となる。

0, p^m, 2p^m, ..., (p^(n - m) - 1)p^m
の p^(n - m) 個が解である。

3) 1≦ k < n で k が偶数で、(b/p) = 1 のとき。
k = 2s とする。
x^2 ≡ (p^(2s))b (mod p^n)
x = (p^s)y とおくと
y^2 ≡ b (mod p^(n - 2s))
この解の一つを v とする。

v(p^s),
(v + p^(n - 2s))(p^s) = v(p^s) + p^(n - s),
... ,
(v + (p^s - 1)p^(n - 2s))(p^s) = v(p^s) + (p^s - 1)p^(n - s)
の p^s 個が v から得られる解である。

y^2 ≡ b (mod p^(n - 2s)) のもう一つの解 v' も同様であるから、
合計 2(p^s) 個 の解が得られる。

879 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/10(土) 23:07:15 ]
a を奇数として合同方程式
x^2 ≡ a (mod 2^n) を考える。

まず x^2 ≡ a (mod 2) は唯一つの解 x ≡ 1 (mod 2) を持つ。

次に x^2 ≡ a (mod 4) を考える。
a が奇数だから x も奇数である。
x = 2k + 1 とすると x^2 = 4k^2 + 4k + 1 だから
x^2 ≡ 1 (mod 4) である。
よって a ≡ 1 (mod 4) である。
よって x^2 ≡ a (mod 4) に解があるためには a ≡ 1 (mod 4) が
必要十分である。
このとき解は x ≡ 1 (mod 4) と x ≡ 3 (mod 4) の2個である。

次に x^2 ≡ a (mod 8) を考える。
a が奇数だから x も奇数である。
x = 4k ± 1 とすると、 x^2 = 16k^2 ± 8k + 1 だから
x^2 ≡ 1 (mod 8) である。
よって x^2 ≡ a (mod 8) に解があるためには a ≡ 1 (mod 8) が
必要十分である。
このとき解は x ≡ 1 (mod 8) と x ≡ 3 (mod 8)
x ≡ 5 (mod 8), x ≡ 7 (mod 8)
の4個である。

880 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/10(土) 23:23:47 ]
[Dirichlet の整数論講義より]

今度は n ≧ 3 のとき a を奇数として合同方程式
x^2 ≡ a (mod 2^n) を考える。

x^2 ≡ a (mod 2^n) に解 c があるとする。
c^2 - a = (2^n)h とする。

x = c + (2^(n-1))y とおく。
x^2 = c^2 + (2^n)cy + (2^(2n-2))y^2
x^2 - a = (2^n)h + (2^n)cy + (2^(2n-2))y^2

n ≧ 3 だから 2n - 2 ≧ n + 1
よって
x^2 - a ≡ (2^n)(h + cy) (mod 2^(n+1))
よって h + cy ≡ 0 (mod 2) なら
x^2 ≡ a (mod 2^(n+1))
である。
c が奇数だから h + cy ≡ 0 (mod 2) となる y は存在する。

以上から x^2 ≡ a (mod 2^n) に解があれば、
x^2 ≡ a (mod 2^(n+1)) に解があることがわかった。

881 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/10(土) 23:41:34 ]
命題
n ≧ 3 で a を奇数とする。
x^2 ≡ a (mod 2^n) に解があるためには、
a ≡ 1 (mod 8) が必要十分である。

証明
>>879>>880 より明らかである。

882 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/10(土) 23:56:30 ]
命題
n ≧ 3 で a を奇数とする。
a ≡ 1 (mod 8) のとき
x^2 ≡ a (mod 2^n) には4個の解がある。

証明(Dirichlet の整数論講義)
x^2 ≡ a (mod 2^n) の解の一つを c とする。
x をこの方程式の任意の解とする。

(x - c)(x + c) ≡ 0 (mod 2^n) である。
x も c も奇数であるから x - c と x + c は偶数である。
よって
((x - c)/2)((x + c)/2) ≡ 0 (mod 2^(n-2)) である。

(x + c)/2 - (x - c)/2 = c は奇数だから
(x - c)/2 と (x + c)/2 のどちらか一方は奇数である。
よって
(x - c)/2 ≡ 0 (mod 2^(n-2))
または
(x + c)/2 ≡ 0 (mod 2^(n-2))
である。

つまり
x ≡ c (mod 2^(n-1))
または
x ≡ -c (mod 2^(n-1))

よって
x ≡ c (mod 2^n) または x ≡ c + 2^(n-1) (mod 2^n)
x ≡ -c (mod 2^n) または x ≡ -c + 2^(n-1) (mod 2^n)
証明終

883 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/11(日) 00:27:05 ]
今度は a が偶数のときに
x^2 ≡ a (mod 2^n) を考える。

命題
a を偶数で a = (2^k)b, gcd(b, 2) = 1 とする。
n が偶数のとき n = 2m
n が奇数のとき n = 2m - 1 とおく。

k ≧ n のとき x^2 ≡ a (mod 2^n) は 2^(n - m) 個の解をもつ。

証明
k ≧ n だから a ≡ 0 (mod 2^n) である。
よって x^2 ≡ 0 (mod 2^n) となる。
よって x ≡ 0 (mod 2^m) となる。

0, 2^m, 2(2^m), ..., (2^(n - m) - 1)2^m
の 2^(n - m) 個が解である。
証明終

884 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/11(日) 00:37:31 ]
命題
a を偶数で a = (2^k)b, gcd(b, 2) = 1 とする。
1≦ k < n で k が奇数のとき
x^2 ≡ a (mod 2^n) は解を持たない。

証明
>>874 と同様だが一応証明する。

x^2 ≡ a (mod 2^n) が解 x = c を持つとする。
c^2 ≡ (2^k)b (mod 2^n) より c^2 は 2^k で割れる。
c = (2^s)d, gcd(d, 2) = 1 とする。
k = 2t + 1 とすると、2s ≧ 2t + 1 だから s ≧ t + 1
よって c^2 は 2t + 2 で割れる。
c^2 ≡ (2^k)b (mod 2^n) で 2t + 2 ≦ n だから
(2^(2t + 1))b ≡ 0 (mod 2^(2t + 2))
よって b ≡ 0 (mod 2) となり矛盾である。
証明終

885 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/11(日) 00:49:27 ]
命題
a を偶数で a = (2^k)b, gcd(b, 2) = 1 とする。
1 ≦ k < n で k が偶数のとき
x^2 ≡ a (mod 2^n) が解を持つためには、

n = k + 1 のときは無条件
n = k + 2 のとき b ≡ 1 (mod 4)
n ≧ k + 3 のとき b ≡ 1 (mod 8)
が必要十分である。

証明
k = 2s とする。
x^2 ≡ (2^(2s))b (mod 2^n)
x = (2^s)y とおくと
y^2 ≡ b (mod 2^(n - k))

これと >>879 より上記の主張が出る。
証明

886 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/11(日) 00:57:22 ]
命題
a を偶数で a = (2^k)b, gcd(b, 2) = 1 とする。
1 ≦ k < n で k = 2s が偶数とする。
x^2 ≡ a (mod 2^n) が解を持つとき、その個数は

n = k + 1 のときは 2^s 個
n = k + 2 のとき 2^(s+1) 個
n ≧ k + 3 のとき 2^(s+2) 個
である。

証明
>>885 より >>878 の 3) と同様にすればよい。

887 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/11(日) 01:06:23 ]
以上で合同方程式 x^2 ≡ a (mod p^n) の解の様子はわかった。
a が p で割れる場合と p = 2 の場合も扱うと(難しくはないが)煩雑である。



888 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/11(日) 02:07:07 ]
p を奇素数とし gcd(a, p) = 1 のとき
x^2 ≡ a (mod p) に解があるかどうかを決定するには、
Legendre の記号(前スレ3の746) (a/p) を計算すればよい。

(a/p) を計算する一つの方法は、
(a/p) ≡ a^((p - 1)/2) (mod p) (前スレ3の747)
を使う。
p が大きいとき、この方法は効率が悪いように見えるが
実はそうでもない。
後で述べるが a^((p - 1)/2) を計算機で計算するのに効率のよい
アルゴリズムがある。

(a/p) を計算する別の方法としては、a の素因数分解と
平方剰余の相互律(前スレ3の751)を使うものがある。

この方法は具体例で示したほうが分かりやすい。
p = 997 として (588/997) を計算してみよう。
588 = (7^2)・3・2^2 だから
(588/997) = (7^2/997)(3/997)(2^2/997) = (3/997)

997 ≡ 1 (mod 4) だから平方剰余の相互律より
(3/997) = (997/3) = (1/3) = 1 である。

よって (588/997) = 1
実際 183^2 ≡ 588 (mod 997)

しかし、この方法は a の素因数分解が必要なので、大きい数の
計算には不向きである。
この不都合は次にのべる Jacobi の記号により解消される。

889 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/11(日) 09:32:19 ]
a を任意の有理整数とする。
>>100 を f(X) = X^2 - a に適用することにより、
x^2 ≡ a (mod m) の解は
各 x^2 ≡ a (mod (p_i)^(k_i)) の解が分かればよい。
しかし、この形の合同方程式の解の個数とその解法は原理的には
解決済みである(>>887)。
よって x^2 ≡ a (mod m) の解の個数と解法(中国式剰余定理を使う)も
解決されたとみてよい。

890 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/11(日) 09:37:35 ]
n > 1 を奇数で n = (p_1)(p_2)... をその素因数分解とする。
m を gcd(m, n) = 1 となる任意の有理整数としたとき (m/n) を

(m/n) = (m/p_1)(m/p_2)...

と定義する。

(m/n) を Jacobi の記号という。

n が素数のときは (m/n) は Legendre の記号である。
よって Jacobi の記号は Legendre の記号の拡張になっている。

x^2 ≡ m (mod n) に解があるのは n の各素因数 p に対して
(m/p) = 1 となることが必要十分である(>>866, >>889)。
ところが、(m/p) = -1 となる p が偶数個あっても (m/n) = 1 となる。
よって、(m/n) = 1 であっても x^2 ≡ m (mod n) に解があるとは
限らない。

891 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/11(日) 09:48:36 ]
命題
a ≡ b (mod n) なら (a/n) = (b/n) である。

証明
n = Π p を n の素因数分解とする。

a ≡ b (mod p) だから (a/p) = (b/p) である。
よって
Π (a/p) = Π (b/p)
即ち
(a/n) = (b/n) である。
証明終

892 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/11(日) 09:53:29 ]
命題
(ab/n) = (a/n)(b/n) である。

証明
n = Π p を n の素因数分解とする。

前スレ3の756より各 p に対して (ab/p) = (a/p)(b/p) である。
よって
Π (ab/p) = Π (a/p)(b/p) = Π (a/p)Π (b/p)
即ち
(ab/n) = (a/n)(b/n) である。
証明終

893 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/11(日) 10:05:10 ]
補題
a, b を奇数とすれば
(ab - 1)/2 ≡ (a - 1)/2 + (b - 1)/2 (mod 2)

証明
a - 1 と b - 1 は偶数だから
(a - 1)(b - 1) ≡ 0 (mod 4)
よって
ab - a - b + 1 ≡ 0 (mod 4)
ab - 1 ≡ (a - 1) + (b - 1) (mod 4)
よって
(ab - 1)/2 ≡ (a - 1)/2 + (b - 1)/2 (mod 2)
証明終

894 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/11(日) 10:09:31 ]
補題
a, b を奇数とすれば
(a^2b^2 - 1)/8 ≡ (a^2 - 1)/8 + (b^2 - 1)/8 (mod 2)

証明
a^2 - 1 ≡ 0 (mod 4)
b^2 - 1 ≡ 0 (mod 4)
よって
(a^2 - 1)(b^2 - 1) ≡ 0 (mod 16)
よって
a^2b^2 - a^2 - b^2 + 1 ≡ 0 (mod 16)
a^2b^2 - 1 ≡ (a^2 - 1) + (b^2 - 1) (mod 16)
よって
(a^2b^2 - 1)/8 ≡ (a^2 - 1)/8 + (b^2 - 1)/8 (mod 2)
証明終

895 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/11(日) 10:16:27 ]
命題
m > 1 と n > 1 が奇数で gcd(m, n) = 1 のとき

(m/n)(n/m) = (-1)^((m-1)/2)((n-1)/2)

証明
平方剰余の相互律(前スレ3の751)と >>893 より明らかである。

896 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/11(日) 10:20:07 ]
命題
n > 1 が奇数のとき
(-1/n) = (-1)^((n-1)/2)

証明
平方剰余の第一補充法則(>>163)と >>893 より明らかである。

897 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/11(日) 10:22:41 ]
命題
n > 1 が奇数のとき
(2/n) = (-1)^((n^2 - 1)/8)

証明
平方剰余の第2補充法則(>>53)と >>894 より明らかである。



898 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/11(日) 11:04:32 ]
Jacobi の記号(>>890)をつかうと a の素因数分解を使わずに (a/p) が
計算できる。

例として (365/1847) を計算する(Dirichletの例)。
1847 は素数である。

365 ≡ 1 (mod 4) だから >>895 より
(365/1847) = (1847/365)

1847 ≡ 22 (mod 365) だから >>895 より
(1847/365) = (22/365)

>>892 より (22/365) = (2/365)(11/365)
>>897 より (2/365) = -1
よって (365/1847) = -(11/365)

>>895 より
(11/365) = (365/11) = (2/11) = -1

よって
(365/1847) = 1

実際 496^2 ≡ 365 (mod 1847)

899 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/11(日) 11:35:11 ]
Legendre の記号 (a/p) を計算するために Jacobi の記号を使う方法は
相互律と素因数分解を使う方法より遥かに早い。

高木は「初等整数論講義」(第2版)の p.85 で

「このように Jacobi の記号を用いて Legendre の記号 (a/p) の値の計算
の手続きをいくぶん節約することができるのであるが、ただそれだけを
目標にして、 Jacobi の記号を掲出したのではない。
それはあまりにことごとしいであろう。」

と書いている。

理論的観点からはその通りかもしれない。
しかし、計算アルゴリズムという観点から見ると「いくぶん節約」
どころではなく遥かに早い。
大きい数の素因数分解は非常に遅いのである。

900 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/11(日) 12:20:00 ]
21

901 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/11(日) 12:21:00 ]
20

902 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/11(日) 12:22:00 ]
19

903 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/11(日) 12:23:00 ]
18

904 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/11(日) 12:24:00 ]
17

905 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/11(日) 12:25:00 ]
16

906 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/11(日) 13:31:00 ]
15

907 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/11(日) 13:32:00 ]
14



908 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/11(日) 13:33:00 ]
13

909 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/11(日) 13:34:00 ]
12

910 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/11(日) 13:35:00 ]
11

911 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/11(日) 13:36:00 ]
10

912 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/11(日) 20:20:31 ]
>>888 で述べた a^((p - 1)/2) (mod p) を効率よく計算する
アルゴリズムを紹介する。

Cohen の A course in computational algebraic number theory に
述べられている方法である。

問題を一般にして、G を群とし、G の元 g と n > 0 に対して
g^n を計算する方法を考える。

n を2進数で表示して n = Σ(ε_i)2^i とする。
ε_i は 0 または 1 である。

g^n = Π g^(2^i) である。ここで i は ε_i = 1 となる i を動く。

各 g^(2^i) は、最初に z = g として z = z・z を繰り返せばよい。
ここで = は右辺を左辺に代入することを表す。

各 g^(2^i) を計算したら順次、前に計算した結果に掛けていく。

これで終わりである。

このアルゴリズムを擬似コードで書くと次のようになる。

913 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/11(日) 20:24:46 ]
N = n
z = g
y = 1

do while(true)
  if N is odd then
    y = yz
  end if

  N = [N/2]

  if N = 0 then
    exit
  else
    z = zz
  end if
end do

[N/2] は N/2 の整数部分を表す。
コンピュータ言語のPascal風の擬似コ-ドの説明は不要だろう。

914 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/11(日) 21:01:37 ]
p を奇素数、 a を有理整数で gcd(a, p) = 1 とする。
(a/p) = 1 のときに
x^2 ≡ a (mod p)
を解く方法を考える。

x = 1 から順番に x^2 ≡ a (mod p) を確かめていくのは p が大きい
ときにはコンピュータを使ったとしても実用的ではない。

ここでも Cohen 本から効率的なアルゴリズムを紹介する。

p が特殊な場合は解はすぐ得られる。

p ≡ 3 (mod 4) のときは
x = a^((p + 1)/4) が解である(これを計算するのは>>912を使う)。

何故なら
x^2 = a^((p + 1)/2) = aa^((p - 1)/2)

(a/p) = 1 だから a^((p - 1)/2) ≡ 1 (mod p)

よって x^2 ≡ a (mod p)

915 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/11(日) 21:15:14 ]
命題
p を奇素数で p ≡ 5 (mod 8) とする。
a を有理整数で gcd(a, p) = 1、(a/p) = 1 とする。

a^((p - 1)/2) ≡ 1 (mod p) だから
a^((p - 1)/4) ≡ ±1 (mod p) である。

このとき a^((p - 1)/4) ≡ 1 (mod p) なら
x = a^((p + 3)/8) は
x^2 ≡ a (mod p) の解である。

a^((p - 1)/4) ≡ -1 (mod p) なら
x = 2a(4a)^((p - 5)/8) は
x^2 ≡ a (mod p) の解である。

証明
a^((p - 1)/4) ≡ 1 (mod p) なら
x^2 = a^((p + 3)/4) = aa^((p - 1)/4) ≡ 1 (mod p)

p ≡ 5 (mod 8) と、平方剰余の第2補充法則より
(2/p) = (-1)^((p^2 - 1)/8) = -1
よって
2^((p - 1)/2) ≡ -1 (mod p) だから

x^2 = 4a^2(4a)^((p - 5)/4) = a(4a)^((p - 1)/4)
= a(2^((p - 1)/2))a^((p - 1)/4) ≡ a (mod p)
証明終

916 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/11(日) 22:01:44 ]
>>914>>915 より p ≡ 3 (mod 4) と p ≡ 5 (mod 8) のときは
x^2 ≡ a (mod p) の解は求まった。
残るのは p ≡ 1 (mod 8) の場合である。

p - 1 = (2^e)r, r は奇数とする。
(Z/pZ)^* は位数 p - 1 の巡回群だから、その 2-Sylow 部分群(>>790)
P は位数 2^e の巡回群である。

a^(p - 1)/2 = (a^r)^(2^(e-1)) ≡ 1 (mod p)
よって b = a^r (mod p) とおくと b^(2^(e-1)) = 1 である。

P の生成元を z とする。
b = z^s とすると z^(s2^(e-1)) = 1 より s は偶数である。
-s ≡ k (mod 2^e) で 0 ≦ k < 2^e となるものがある。
k も偶数である。
bz^k = 1 である。

x = (a^(r + 1)/2)z^k/2 とおく。
x^2 = (a^(r + 1))z^k = abz^k ≡ a (mod p)

よって問題は z と k を求めることに帰着する。

n を p と素な有理整数とする。

z = n^r (mod p) とおく。
z^(2^e) = (n^r)^(2^e) = n^(p - 1) ≡ 1 (mod p)
z^(2^(e-1)) = (n^r)^(2^(e-1)) = n^(p - 1)/2
よって (n/p) = -1 なら z は P の生成元である。
n をランダムに選べば 50% の確率で (n/p) = -1 となるから
z は簡単に求まる。

917 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/11(日) 23:11:38 ]
今度は k を求める方法を考える。

b = a^r (mod p) とおいた。b^(2^(e-1)) = 1 である。
b^2^m = 1 となる最小の m ≧ 1 を求める。

b_1 = bz^2^(e-m) とおく。
(b_1)^2^(m-1) = (b^2^(m-1))(z^2^(e-1)) = (-1)^2 = 1
よって b_1 の位数は 2^(m-1) 以下である。

以上の処理を繰り返せば bz^k = 1 となる k が求まる。



918 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/11(日) 23:18:29 ]
>>616>>617 のアルゴリズムは Tonelli と Shanks による。

919 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/12(月) 09:06:00 ]
12

920 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/12(月) 09:07:00 ]
11

921 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/12(月) 09:08:00 ]
10

922 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/12(月) 09:09:00 ]
11

923 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/12(月) 12:14:00 ]
10

924 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/12(月) 12:15:00 ]
9

925 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/12(月) 12:16:00 ]
8

926 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/12(月) 12:17:00 ]
7

927 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/12(月) 12:18:00 ]
6



928 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/12(月) 12:19:00 ]
5

929 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/12(月) 21:02:02 ]
>>616>>617 のアルゴリズムがどこから来たのかがやや分かりにくい。
これを私の想像で説明して見よう。

>>916 の記号を使う。

b = a^r (mod p) とおくと b^(2^(e-1)) = 1 である。
よって b ∈ P である。
この観察が最初のキーポイントだと思われる。

y = a^(r + 1)/2 (mod p) とおく。
y^2 = a^(r + 1) = ab である。

w^2 = b となる w が求まれば
y^2 = aw^2
よって x = yw^(-1) おくと、
x^2 = (y^2)(w^(-2)) = abb^(-1) = a
となって x^2 ≡ a (mod p) が解ける。

従って、w^2 = b となる w を求めればよい。
これには P の生成元 z と b = z^s となる s を求めればよい。

以上が Tonelli と Shanks の基本アイデアだと思われる。

930 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/12(月) 21:11:51 ]
訂正

>>929
>w^2 = b となる w が求まれば
>y^2 = aw^2
>よって x = yw^(-1) おくと、
>x^2 = (y^2)(w^(-2)) = abb^(-1) = a
>となって x^2 ≡ a (mod p) が解ける。

w^2 = b となる w が求まれば
y^2 = aw^2
よって
(yw^(-1))^2 = a
よって x = yw^(-1) おけば
x^2 = a
となって x^2 ≡ a (mod p) が解ける。

931 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/12(月) 21:21:51 ]
>>916>>929 で a と a (mod p) を同一視している。
これは論理的にはおかしいがいわゆる記号の濫用
(abuse of notation)の一種(のつもり)です。

abuse of notation については英語版の wikipedia を参照。

932 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/12(月) 21:27:44 ]
訂正
>>918
>>>616>>617 のアルゴリズムは Tonelli と Shanks による。

>>916>>917 のアルゴリズムは Tonelli と Shanks による。>>929
>>>616>>617 のアルゴリズムがどこから来たのかがやや分かりにくい。

>>916>>917 のアルゴリズムがどこから来たのかがやや分かりにくい。

933 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/12(月) 23:25:52 ]
後の参照のため >>889 で述べたことの一部をもっと詳しく述べる。

命題
m > 1 と a を有理整数で gcd(a, m) = 1 とする。
m = (2^e)r、r は奇数。
r の相異なる素因数の個数を s とする。

x^2 ≡ a (mod m) に解があるためには

(1) e = 0 または e = 1 のときは r の各素因数 p に対して
(a/p) = 1 が必要十分である。
この条件が満たされるとき解の個数は 2^s である。

(2) e = 2 のときは r の各素因数 p に対して
(a/p) = 1 であり、さらに a ≡ 1 (mod 4) が必要十分である。
この条件が満たされるとき解の個数は 2^(s+1) である。

(3) e ≧ 3 のときは r の各素因数 p に対して
(a/p) = 1 であり、さらに a ≡ 1 (mod 8) が必要十分である。
この条件が満たされるとき解の個数は 2^(s+2) である。

証明
(1) は >>866>>889 より直ちに出る。

(2) は >>866>>879>>889 より直ちに出る。

(3) は >>866>>881, >>882>>889 より直ちに出る。

934 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/13(火) 00:00:38 ]
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935 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/13(火) 08:10:00 ]
12

936 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/13(火) 08:11:00 ]
11

937 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/13(火) 08:12:00 ]
10



938 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/13(火) 08:13:00 ]
9

939 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/13(火) 08:14:00 ]
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940 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/13(火) 08:15:00 ]
7

941 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/14(水) 20:35:37 ]
Tonelli-Shanks のアルゴリズム(>>916, >>917) を具体例に
適用してみる。
p = 2281 は素数で p ≡ 1 (mod 8) である。
因みに 2^p - 1 は Mersenne 素数である(岩波数学辞典の付録)。

Jacobi の記号を使って (365/2281) を計算すると、
(365/2281) = (2281/365) = (91/365) = (365/91) = (1/91) = 1
よって x^2 ≡ 365 (mod 2281) には解がある。
p - 1 = 2280 = 8・285
365^285 (mod 2281) を >>912, >>913 のアルゴリズムで電卓をつかって
計算すると、365^285 ≡ -1 (mod 2281)

同様に y = 365^(285+1)/2 = 365^143 ≡ 2139 (mod 2281)
よって y^2 = 365^(285+1) ≡ -365 (mod 2281)

小さい数 n で (n/p) = -1 となるものを見つける。
n = 2, 3, 5, 7, ... と試していく。

p ≡ 1 (mod 8) だから >>53 より (2/2281) = 1
(3/2281) = (2281/3) = (1/3) = 1
(5/2281) = (2281/5) = (1/5) = 1
(7/2281) = (2281/7) = (-1/7) = -1

7^285 ≡ 1207 (mod 2281)
よって z = 1207 (mod 2281) が (Z/pZ)^* の 2-Sylow 群の生成元
である(>>916)。
z^8 = 1 だから z^4 = -1
a = 365 (mod 2281) とおくと、y^2 = -a = a(z^4)
よって y^2(z^4) = a
(y(z^2))^2 = a
よって x = y(z^2) = 2139*1571 ≡ 456 (mod 2281) が
x^2 ≡ 365 (mod 2281) の解である。

942 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/15(木) 12:14:00 ]
9

943 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/15(木) 12:15:00 ]
8

944 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/15(木) 12:16:00 ]
7

945 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/15(木) 12:17:00 ]
6

946 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/15(木) 12:18:00 ]
5

947 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/15(木) 12:19:00 ]
4



948 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/15(木) 12:56:50 ]
Dirichlet の「整数論講義」に従って >>933 の応用として
Wilson の定理の拡張(Gauss)を証明する。

その前に Wilson の定理について述べる。

命題(Wilson の定理)
p を素数とすると (p - 1)! ≡ -1 (mod p) である。

証明
p = 2 のときは明らかだから p は奇素数とする。

mod p で多項式 X^(p - 1) - 1 を考える。

X^(p - 1) - 1 ≡ (X - 1)(X - 2) ... (X - (p - 1)) (mod p) である。

X = 0 とおくと
- 1 ≡ ((-1)^(p - 1))(p - 1)!(mod p) である。

p - 1 は偶数だから (-1)^(p - 1) = 1 である。
よって
(p - 1)! ≡ -1 (mod p) である。
証明終

949 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/15(木) 18:25:20 ]
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950 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/15(木) 18:35:50 ]
うんこーーーーーーー

951 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/15(木) 21:46:58 ]
Wilson の定理を一般の mod m の場合に拡張するためには >>948
証明ではうまくいかない。
そこで拡張可能な証明を紹介する。

Wilson の定理(>>948)の別証

p = 2 のときは明らかだから p は奇素数とする。

(Z/pZ)^* を以下の同値関係で類別する。

x と y を (Z/pZ)^* の元としたとき y = x^(-1) のとき x と y は
同値と定義する。

x = x^(-1) となるのは x^2 = 1 のときに限る。つまり x = ±1
の時に限る。
x ≠ x^(-1) のとき、つまり x ≠ ±1 のときは x の属す同値類は
{x, x^(-1)} である。

よって (Z/pZ)^* の同値類は以下のタイプで尽くされる。
{1}, {-1}, {x, x^(-1)}
ここで x ≠ ±1

xx^(-1) = 1 であるから (Z/pZ)^* の ±1 以外の全ての元の積は 1
である。
よって (Z/pZ)^* の全ての元の積は 1(-1) = -1 である。
証明終

952 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/15(木) 21:47:27 ]
うんこ

953 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/15(木) 22:07:58 ]
m > 2 を有理整数として (Z/mZ)^* を考える。

(Z/mZ)^* を以下の同値関係で類別する。

x と y を (Z/mZ)^* の元としたとき y = x^(-1) のとき x と y は
同値と定義する。

x = x^(-1) となるのは x^2 = 1 のときに限る。

よって (Z/mZ)^* の同値類は以下のタイプで尽くされる。
{a}, {b, b^(-1)}

ここで a^2 = 1, b^2 ≠ 1

よって (Z/mZ)^* の元 b で b^2 ≠ 1 となるもの全ての積は 1 である。
よって S = {a ∈ (Z/pZ)^* ; a^2 = 1} とおくと、
(Z/mZ)^* の全ての元の積は S の全ての元の積と一致する。

S を以下の同値関係で類別する。
x と y を S の元としたとき y = -x のとき x と y は
同値と定義する。

x = -x となるのは 2x = 0 のときに限る。
x = c (mod m) とすると 2c ≡ 0 (mod m) である。
gcd(c, m) = 1 だから 2 ≡ 0 (mod m) である。
m > 2 であるからこれはありえない。
よって S の同値類は以下のタイプで尽くされる。
{b, -b}
よって S の全ての元の積は b(-b) = -b^2 = -1 の(|S|/2)乗である。
これは |S|/2 が偶数、つまり |S| ≡ 0 (mod 4) のときは 1
そうでないときは -1 である。

954 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/15(木) 22:33:22 ]
>>833 より x^2 ≡ 1 (mod m) の解の個数、つまり |S| は

(1) m = p^n または 2p^n のとき |S| = 2
ここで p は奇素数で n ≧ 1

(2) m = 4 のとき |S| = 2

(3) m = 4r、r は奇数 > 1 のとき |S| = 2^(s + 1)
ここで s は r の相異なる素因数の個数である。

(4) m = (2^e)r, e ≧ 3, r は奇数のときは
|S| = 2^(s + 1)

以上から |S| = 2 となるのは (1) と (2) の場合であり、
(3) と (4) の場合は |S| ≡ 0 (mod 4) である。

よって >>953 より次の命題が得られる。

命題(Wilson の定理の拡張)
m > 2 を有理整数とする。
(Z/mZ)^* の全ての元の積は以下のようになる。

(1) m = 4 または m = p^n または 2p^n のとき積は -1
ここで p は奇素数で n ≧ 1

(2) 上記以外の場合、積は 1

955 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/15(木) 22:40:46 ]
>>954 の命題(Wilson の定理の拡張)は Gauss が初めて証明した
(Disquisitiones art. 78)。

956 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/15(木) 22:49:18 ]
Wilson の定理(>>948) の逆も成り立つ。

命題
n > 1 を有理整数とする。
(n - 1)! ≡ -1 (mod n) なら n は素数である。

証明
n が素数でないとすると p < n となる素数 p で n を割るものがある。
p ≦ n - 1 だから (n - 1)! ≡ 0 (mod p) である。
一方、(n - 1)! ≡ -1 (mod n) だから (n - 1)! ≡ -1 (mod p)
である。
よって -1 ≡ 0 (mod p) である。
これは矛盾である。
証明終

957 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/15(木) 23:02:24 ]
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        .|                          .             、・      ゙;
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   、|     .  |==・ . . . .・
   、’      .’._、.」
     .    ./ ´
  .  .  .  .,¨¨TTナナナ,
        ゙______|



958 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/16(金) 01:35:00 ]
11

959 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/16(金) 01:36:00 ]
10

960 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/16(金) 01:37:00 ]
9

961 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/16(金) 01:38:00 ]
8

962 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/16(金) 01:39:00 ]
7

963 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/16(金) 01:40:00 ]
6

964 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/16(金) 06:49:00 ]
5

965 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/16(金) 06:50:00 ]
4

966 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/16(金) 06:51:00 ]
3

967 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/16(金) 06:52:00 ]
2



968 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/16(金) 06:53:00 ]
1

969 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/16(金) 06:54:00 ]
0

970 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/16(金) 07:46:06 ]
次スレ立てておきました。

代数的整数論 005
science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1173998720/

971 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/16(金) 12:59:01 ]
>>970

有難うございます。

972 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/16(金) 21:37:03 ]
>>778 以降、合同方程式 x^2 ≡ a (mod m) の解法について述べて
きたが、これと >>756 に述べた方法を使って
m = ax^2 + bxy + cy^2 の解を求めて見よう。

まず、p = 2281 として p = x^2 + y^2 を解く。
>>758 の方法を使う。
>>941 より z = 1207 (mod 2281) とおくと、z^4 = -1 であった。
よって z^2 = 1571 (mod 2281) は x^2 ≡ -1 (mod m) の解である。
つまり、1571^2 ≡ -1 (mod 2281) である。

2*1571 = 3142 だから
3142^2 ≡ -4 (mod 4*2281) である。

3142^2 + 4 = 4*2281*1082
よって
2次形式 (a, b, c) = (2281, 3142, 1082) の判別式は
D = b^2 - 4ac = 3142^2 - 4*2281*1082 = -4

(a, b, c) を >>335 の方法(>>411 の注意も参照)により簡約2次形式に
変形する。
(2281, 3142, 1082)S^(-1) = (2281, -1420, 221)
(2281, -1420, 221)T = (221, 1420, 2281)
(221, 1420, 2281)S^(-3) = (221, 94, 10)
(221, 94, 10)T = (10, -94, 221)
(10, -94, 221)S^5 = (10, 6, 1)
(10, 6, 1)T = (1, -6, 10)
(1, -6, 10)S^3 = (1, 0, 1)
となる。
ここで
S = (1, 1)/(0, 1)
T = (0, -1)/(1, 0)

973 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/16(金) 21:43:32 ]
よって
(2281, 3142, 1082)S^(-1)TS^(-3)TS^5TS^3 = (1, 0, 1)

行列の積 U = S^(-1)TS^(-3)TS^5TS^3 を計算すると。
U = (11, 31)/(-16, -45)
U の逆行列は V = U^(-1) = (-45, -31)/(16, 11)
よって
(1, 0, 1)V = (2281, 3142, 1082)

>>758 より
x = -45, y = 16 が 2281 = x^2 + y^2 の解である。
実際、45^2 + 16^2 = 2025 + 256 = 2281

974 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/16(金) 22:01:40 ]
岩波数学辞典によると p = 9689 は素数で 2^p - 1 は素数である。
2^p - 1 は Mersenne数である。

さらに p ≡ 1 (mod 8) である。

p = x^2 + y^2 を >>972 と同様に解いてみるのも面白いかもしれない。
誰か解いてくれないか?

ただし、結果だけでなく >>972, >>973 と同様に
x^2 ≡ -1 (mod p) の解と2次形式 (a, b, c)
および (a, b, c) の簡約過程。
(1, 0, 1)V = (a, b, c) となる V ∈ SL_2(Z) も求めて欲しい。

975 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/17(土) 03:31:02 ]
>>974

今の場合、2^p - 1 が Mersenne数であるということに特に意味があるわけではない。
適当な大きさの素数が欲しかっただけである。

976 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/17(土) 06:48:22 ]
今度は p を奇素数としたとき p = x^2 + 2y^2 を解くことを
考えてみよう。

2次形式 (1, 0, 2) = x^2 + 2y^2 の判別式 D は -8 である。
判別式が -8 の簡約2次形式は、>>757 と同様にして
(1, 0, 2) のみであることが分かる。

よって >>758 と同様にして p = x^2 + 2y^2 に解があるためには、
x^2 ≡ -8 (mod 4p) に解があることが必要十分である。

x^2 ≡ 0 (mod 4) だから x は偶数である。
x = 2y とすると
y^2 ≡ -2 (mod p) である。

よって上記の条件は (-2/p) = 1 と同値である。
(-2/p) = (-1/p)(2/p) = 1 だから
これは (2/p) = (-1/p) = 1
または (2/p) = (-1/p) = -1
と同値である。

平方剰余の第一補充法則(>>163)と第2補充法則(>>53)より、
これは p ≡ 1 (mod 8) または p ≡ 3 (mod 8) と同値である。

977 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/17(土) 06:49:40 ]
x^2 ≡ -8 (mod 4p) の解 l に対して
l^2 + 8 = 4pk とする。
p は奇素数だから l とは互いに素である。
よって2次形式 (p, l, k) は正定値かつ原始的で判別式は -8 である。
これは (1, 0, 2) と同値である。

よって (1, 0, 2)σ = (p, l, k) となる σ ∈ SL_2(Z) がある。
σ = (u, q)/(r, s) とする。

>>749 より (1, 0, 2)ε = (1, 0, 2) となる ε ∈ SL_2(Z) は
{±1} である。

よって (1, 0, 2) を (p, l, k) に移す SL_2(Z) の元は
σ = (u, q)/(r, s) と -σ = (-u, -q)/(-r, -s) の2個である。

よって (u, r) と (-u, -r) が l に対応する p = x^2 + 2y^2 の
解である。

x^2 ≡ -4 (mod 4p) の別の解 -l には
2次形式 (p, -l, k) が対応する。

R = (1, 0)/(0, -1) とすると
(1, 0, 1)RσR = (p, l, k)R = (p, -l, k)
U = RσR とおく。
U ∈ SL_2(Z) で U = (u, -q)/(-r, s) である。

よって (u, -r) と (-u, r) が -l に対応する p = x^2 + 2y^2 の
解である。



978 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/17(土) 07:19:23 ]
>>976>>977 から次の命題が得られる。

命題(Fermat-Euler)
p を奇素数とする。
p = x^2 + 2y^2 が有理整数解を持つためには
p ≡ 1 (mod 8) または p ≡ 3 (mod 8) が必要十分である。
さらに、このとき解は順序と符号を除いて一つである。

979 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/17(土) 19:54:29 ]
>>974 を解いてみる。

p = 9689
p - 1 = 8*1211

(3/p) = (p/3) = (2/3) = -1
だから
z = 3^1211 ≡ 6682 (mod p)
とすると、z^8 = 1 である。
よって (z^2)^2 = -1 である。
z^2 = 2212 (mod p)
だから
2212^2 ≡ -1 (mod p)

2*2212 = 4424 だから
4424^2 ≡ -4 (mod 4*9689) である。

4424^2 + 4 = 4*9689*505
だから
2次形式 (9689, 4424, 505) の判別式は -4

>>335 より
(9689, 4424, 505) T = (505, -4424, 9689)
(505, -4424, 9689) S^4 = (505, -384, 73)
(505, -384, 73) T = (73, 384, 505)

このあとは読者の誰かに任そう。
誰か?

ただし、続きは上の結果が正しいかどうか確かめてからにしてください。
計算ミスがあるかもしれないので。

980 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/17(土) 20:44:05 ]
訂正
>>978
>さらに、このとき解は順序と符号を除いて一つである。

さらに、このとき解は符号を除いて一つである。

981 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/18(日) 01:59:09 ]
p を素数としたとき p = x^2 + 3y^2 を解くことを考えてみよう。
2次形式 (1, 0, 3) = x^2 + 3y^2 の判別式 D は -12 である。

>>408 より判別式 -4 の (a, b, c) が簡約2次形式であるためには
gcd(a, b, c) = 1 かつ、
|b| ≦ a ≦ c であり、
|b| = a または a = c のときは b ≧ 0 となることが必要十分である。

>>341 と同様にして a ≦ √(|D|/3) である。
a ≦ √(|D|/3) = 2
4ac = b^2 + |D| = b^2 + 12
よって b^2 ≡ 0 (mod 4)
よって b は偶数である。

0^2 + 12 = 4・3
2^2 + 12 = 16 = 4・4

a = 1 のとき (1, 0, 3)
a = 2 のとき (2, 2, 2) は原始的でない。
よって判別式が -12 の簡約2次形式は、(1, 0, 3) のみである。

p ≠ 2, 3 として合同方程式 x^2 ≡ -12 (mod 4p) を考える。
x^2 ≡ 0 (mod 4) だから x は偶数である。
x = 2y とおくと
y^2 ≡ -3 (mod p)

これは (-3/p) = (-1/p)(3/p) = 1 のときのみ解がある。
p ≡ 1 (mod 4) なら (-1/p) = 1, (3/p) = (p/3)
p ≡ 3 (mod 4) なら (-1/p) = -1, (3/p) = -(p/3)
いずれにしても (-1/p)(3/p) = (p/3) である。
よって (-3/p) = 1 は p ≡ 1 (mod 3) と同値である。

982 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/18(日) 02:08:41 ]
p ≡ 1 (mod 3) のとき
x^2 ≡ -12 (mod 4p) の解 l に対して
l^2 + 12 = 4pk とする。
p は奇素数だから l とは互いに素である。
よって2次形式 (p, l, k) は正定値かつ原始的で判別式は -12 である。
これは (1, 0, 3) と同値である。

よって (1, 0, 3)σ = (p, l, k) となる σ ∈ SL_2(Z) がある。
σ = (u, q)/(r, s) とする。

>>749 より (1, 0, 3)ε = (1, 0, 3) となる ε ∈ SL_2(Z) は
{±1} である。

よって (1, 0, 3) を (p, l, k) に移す SL_2(Z) の元は
σ = (u, q)/(r, s) と -σ = (-u, -q)/(-r, -s) の2個である。
よって (u, r) と (-u, -r) が l に対応する p = x^2 + 3y^2 の
解である。

x^2 ≡ -12 (mod 4p) の別の解 -l には
2次形式 (p, -l, k) が対応する。

R = (1, 0)/(0, -1) とすると
(1, 0, 3)RσR = (p, l, k)R = (p, -l, k)
U = RσR とおく。
U ∈ SL_2(Z) で U = (u, -q)/(-r, s) である。

よって (u, -r) と (-u, r) が -l に対応する p = x^2 + 3y^2 の
解である。

983 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/18(日) 02:14:29 ]
>>981>>982 から次の命題が得られる。

命題(Fermat-Euler)
p を 3 以外の奇素数とする。
p = x^2 + 3y^2 が有理整数解を持つためには
p ≡ 1 (mod 3) が必要十分である。
さらに、このとき解は符号を除いて一つである。

984 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/18(日) 02:33:12 ]
>>978 の命題は Fermat に知られていたが初めて証明したのは
Euler らしい。らしいというのは Gauss が Disquisitiones の
art. 182 に Lagrange が最初に証明したと書いているからである。
しかもはっきりと Euler は証明に成功しなかったと書いている。
しかし、Weil は「数論」で Euler が証明したと書いている。

985 名前:132人目の素数さん [2007/03/18(日) 02:45:40 ]
Kummer ◆g2BU0D6YN2 かっこいい

986 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/18(日) 02:48:40 ]
@


987 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/18(日) 11:36:15 ]
今度は p を素数としたとき p = x^2 + 5y^2 を解くことを考えてみよう。
この問題は >>161 でも考えたし解決済み(>>363)である。
しかし、2次形式論の応用として証明をする。

2次形式 (1, 0, 5) = x^2 + 5y^2 の判別式 D は -20 である。
>>408 より判別式 -20 の (a, b, c) が簡約2次形式であるためには
gcd(a, b, c) = 1 かつ、
|b| ≦ a ≦ c であり、
|b| = a または a = c のときは b ≧ 0 となることが必要十分である。

>>341 と同様にして a ≦ √(|D|/3) である。
よって a ≦ 2

4ac = b^2 + |D| = b^2 + 20
よって b^2 ≡ 0 (mod 4)
よって b は偶数である。

0^2 + 20 = 4・5
2^2 + 20 = 4・2・3

a = 1 のとき (a, b, c) = (1, 0, 5)
a = 2 のとき (a, b, c) = (2, 2, 3)

よって判別式が -20 の簡約2次形式は、(1, 0, 5) と (2, 2, 3)
である。



988 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/18(日) 13:22:45 ]
p ≠ 2, 5 として合同方程式 x^2 ≡ -20 (mod 4p) を考える。
x^2 ≡ 0 (mod 4) だから x は偶数である。
x = 2y とおくと
y^2 ≡ -5 (mod p)

x^2 ≡ -20 (mod 4p) が解けるためには (-5/p) = 1 が
必要十分である。

(-5/p) = (-1/p)(5/p)

平方剰余の相互律から (5/p) = (p/5) である。
よって p ≡ 1, 4 (mod 5) のとき (5/p) = 1
p ≡ 2, 3 (mod 5) のとき (5/p) = -1

一方、p ≡ 1 (mod 4) のとき (-1/p) = 1
p ≡ 3 (mod 4) のとき (-1/p) = -1

よって (-5/p) = 1 は

p ≡ 1, 4 (mod 5) かつ p ≡ 1 (mod 4)
つまり、p ≡ 1, 9 (mod 20)
または
p ≡ 2, 3 (mod 5) かつ p ≡ 3 (mod 4)
つまり、p ≡ 3, 7 (mod 20)
と同値である。

989 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/18(日) 13:45:35 ]
p ≠ 2, 5 として p = x^2 + 5y^2 となる有理整数 (x, y) が
あったとする。
p ≡ x^2 (mod 5) だから (p/5) = 1

p ≠ 2, 5 として p = 2x^2 + 2xy + 3y^2 となる有理整数 (x, y) が
あったとする。

2p = 4x^2 + 4xy + 6y^2 = (2x + y)^2 + 5y^2
2p ≡ (2x + y)^2 (mod 5)


よって (2p/5) = (2/5)(p/5) = -(p/5) = 1
よって (p/5) = -1

990 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/18(日) 15:39:57 ]
p ≡ 1, 2, 3, 9 (mod 20) なら >>988 より x^2 ≡ -20 (mod 4p) に
解がある。
x^2 ≡ -20 (mod 4p) の解 l に対して
l^2 + 20 = 4pk とする。
p は奇素数だから l とは互いに素である。
よって2次形式 (p, l, k) は正定値かつ原始的で判別式は -20 である。
よって >>987 より (p, l, k) は (1, 0, 5) または (2, 2, 3) に
同値である。

>>733 より (p, l, k) が (1, 0, 5) に同値なら p = x^2 + 5y^2 となる
有理整数 (x, y) がある。

このとき >>989 より (p/5) = 1 である。
p ≡ 1, 3, 7, 9 (mod 20) であったから
p ≡ 1, 9 (mod 20) である。

逆に p ≡ 1, 9 (mod 20) なら (p/5) = 1 だから >>989 より
(p, l, k) は (2, 2, 3) に同値ではない。
よって (p, l, k) は (1, 0, 5) に同値である。

以上から p = x^2 + 5y^2 となる有理整数 (x, y) があるためには
p ≡ 1, 9 (mod 20) が必要十分である。

>>977 と同様に、この場合、解は符号を除いて一個である。

同様に p = 2x^2 + 2xy + 3y^2 となる有理整数 (x, y) があるためには
p ≡ 3, 7 (mod 20) が必要十分である。

この場合も、解は符号を除いて一個である。

991 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/18(日) 16:05:30 ]
p ≠ 2, 5 として 2p = x^2 + 5y^2 を考える。
gcd(x, y) = d なら 2p が d^2 で割れるから d = 1 である。

よって解があるなら合同方程式 x^2 ≡ -20 (mod 8p) に解がある。
x^2 ≡ 0 (mod 4) だから x は偶数である。
x = 2y とおくと y^2 ≡ -5 (mod 2p) である。
これは連立合同方程式
y^2 ≡ -5 (mod 2)
y^2 ≡ -5 (mod p)
と同値である

y^2 ≡ -5 (mod 2) は常に解 y ≡ 1 (mod 2) をもつから、
x^2 ≡ -20 (mod 8p) に解があるなら (-5/p) = 1 である。
よって >>988 より p ≡ 1, 3, 7, 9 (mod 20) である。

一方、2p = x^2 + 5y^2 なら x^2 ≡ 2p (mod 5)
よって (2p/5) = 1
(2p/5) = (2/5)(p/5) = -(p/5)
よって (p/5) = -1 となる。
よって p ≡ 3, 7 (mod 20) である。

よって >>990 と同様に
2p = x^2 + 5y^2 となる有理整数 (x, y) があるためには
p ≡ 3, 7 (mod 20) が必要十分である。

992 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/18(日) 16:14:17 ]
>>990>>991 をまとめると次の命題が得られる。

命題(Fermat-Euler-Lagrange)
p ≠ 2, 5 を素数とする。

(1) p = x^2 + 5y^2 となる有理整数 (x, y) があるためには
p ≡ 1, 9 (mod 20) が必要十分である。

(2) p = 2x^2 + 2xy + 3y^2 となる有理整数 (x, y) があるためには
p ≡ 3, 7 (mod 20) が必要十分である。

(3) 2p = x^2 + 5y^2 となる有理整数 (x, y) があるためには
p ≡ 3, 7 (mod 20) が必要十分である。

上記のいずれの場合も解は符号を除いて一意である。






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