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大好き★代数幾何



1 名前:132人目の素数さん [03/10/02 00:41]
Grothendieckは代数幾何が大好きだったそうです。

855 名前:132人目の素数さん [03/11/24 14:11]
補題
B を平坦な A-代数とする。
C を A-代数とする。
B (x) C は 平坦な C-代数である。

証明
0 → N → M を C-加群の完全列とする。
これは、A-加群の完全列とも見なせるから、
0 → N (x) B → M (x) B は完全である。
N (x) (C (x) B) = N (x) B (同型)
M (x) (C (x) B) = M (x) B (同型) より、
0 → N (x) (C (x) B) → M (x) (C (x) B) は完全である。

856 名前:132人目の素数さん [03/11/24 14:19]
補題
B を忠実平坦な A-代数とする。
C を A-代数とする。
B (x) C は 忠実平坦な C-代数である。

証明
B (x) C が平坦なことは>>855による。
N → M を C-加群の射とする。
0 → N (x) (C (x) B) → M (x) (C (x) B) が完全であるとする。
これは、0 → N (x) B → M (x) B が完全であることを意味する。
B は忠実平坦だから、0 → N → M は完全である。
よって、B (x) C は 忠実平坦である。

857 名前:132人目の素数さん [03/11/24 14:47]
スタートメニューに入れていたエロゲーが姉(23歳OL)にバレた。
『やってもいいけど終わったら削除しといてね』と言われた。
オナニーしてたら上の妹(18歳大1)に見つかった。
『小さい』と吐き捨てられた。
アダルトビデオ見ていたら下の妹(15歳中3)に見つかって上の二人に言いつけた。
三人に『セックスは見るものじゃなくてやって楽しむものだよ』と窘められた。
そして全員の非処女宣言と俺の童貞がバレた。以来、親のいない時間帯は
俺は兄弟の一番下っ端にされている。逆らえば『童貞』と妹に言われる。


858 名前:132人目の素数さん [03/11/24 16:27]
(;゚д゚) …

859 名前:132人目の素数さん [03/11/24 18:11]
Chevalleyの定理(II Ex. 3.19)を演習問題にするって、明らかに
行き過ぎだな。この問題が独力で解けるなら、本文の定理の証明の
大部分を演習にしていい。

860 名前:132人目の素数さん [03/11/25 07:54]
>>851
>>835は有名な2CHの駄法螺だよ。

861 名前:132人目の素数さん [03/11/26 07:17]
>>860
おまい痛い香具師だな

862 名前:132人目の素数さん [03/11/27 23:33]
補題
X を体 k 上の有限型スキームとする。任意の k-スキーム Y
に対して、射影 f: X x Y → X は開射である。ここに、X x Y は
k 上のファイバー積である。

証明(EGA IV 2.4.9)
{U_i} を X のアフィン開被覆、{V_j} を Y のアフィン開被覆と
すると {U_i x V_j} は X x Y のアフィン開被覆となる。
従がって、X = Spec(A), Y = Spec(B) と仮定してよい。
B の k 上有限型の部分代数全体を{B_i}とする。B_i の添え字の
集合 I にB_i ⊆ B_j ⇔ i ≦ j により順序を定める。
I はこの順序により有向集合となり、B は B_i の帰納的極限
ind lim B_i となる。帰納的極限はテンソル積と可換だから
A (x) B = ind lim A (x) B_i となる。
f: Spec(A (x) B) → Spec(A) が開射であることを言うには、
t を A (x) B の任意の元として U = D(t) の形の開集合に対して
f(U) が開であることを言えばよい。t は、ある A (x) B_i の元
t_i の像である。U_i = D(t_i) とおく。
g_i: Spec(A (x) B) → Spec(A (x) B_i) を標準射とすると、
U = (g_i)^(-1)(U_i) である。
f_i: Spec(A (x) B_i) → Spec(A) を射影とする。
f: Spec(A (x) B) → Spec(A) は
Spec(A (x) B) → Spec(A (x) B_i) → Spec(A) と分解する。
すなわち、f = f_i g_i である。
補題(>>854)より、f_i は開射だから、f(U) = f_i(U_i) を示せば
よい。f(U) = f_i(g_i(U)) であり、g_i(U) ⊆ U_i だから、
f(U) ⊆ f_i(U_i) である。
(続く)

863 名前:132人目の素数さん [03/11/27 23:34]
>>862の続き

逆の包含を示す
には、任意の元 x ∈ f_i(U_i) に対して、V = U ∩ f^(-1)(x) が
空でないことを示せばよい。V_i = U_i ∩ (f_i)^(-1)(x) とおけば、
V = (g_i)^(-1)(V_i) である。V_i は仮定により空ではない。
(f_i)^(-1)(x) = Spec((B_i (x) A) (x) k(x)) = Spec(B_i (x) k(x))
であり、V は h: Spec(B (x) k(x)) → Spec(B_i (x) k(x)) に
よる逆像である。B_i は B に含まれ、k は体だから、
B_i (x) k(x) → B (x) k(x) は単射である。
即ち、h は支配射であり、V は空ではない。
証明終



864 名前:132人目の素数さん [03/11/27 23:52]
補題
k を体とし、K, L を k の拡大体とする。
K の元で k 上分離代数的な元はすべて k に含まれとする。
このとき、 Spec(K (x) L) は既約である。
ここに。K (x) L は k 上のテンソル積を表す。

証明は例えば、Bourbaki Algebre V §17 No.2 Prop. 1 を参照。

865 名前:132人目の素数さん [03/11/27 23:52]
補題
f: X → Y を位相空間の連続写像とする。
f は以下の条件を満たすとする。
(1) f は全射で開写像である。
(2) 各点 y ∈ Y に対して f^(-1)(y) は既約である。

このとき、X は既約である。

証明
F_1, F_2 を X の閉集合とし、X = F_1 ∪ F_2 とする。
G_1 = {y ∈ Y; f^(-1)(y) ⊆ F_1}
G_2 = {y ∈ Y; f^(-1)(y) ⊆ F_2} とおく。
f は全射だから、Y - G_1 = f(X - F1) である。
f は開写像だから、G_1 は閉集合である。
同様に G_2 も閉集合である。
各点 y ∈ Yに対して f^(-1)(y) は既約であるから、
f^(-1)(y) は、F_1 または F_2 に含まれる。
従がって、Y = G_1 ∪ G_2 となる。
Y は既約だから、Y = G_1 または G_2 となる。
故に、 X = F_1 または F_2 となる。

866 名前:132人目の素数さん [03/11/28 00:16]
>>865
Yは既約という条件が抜けていた。

867 名前:132人目の素数さん [03/11/28 00:17]
補題
k を分離代数的閉体とする。
即ち、k 上の分離代数的閉包は k と一致する。
X を 有限型の k-スキームとする。
X が既約とすると、X x K も既約である。
ここに、K は k の任意の拡大体であり、X x K は、X と Spec(K)
の Spec(k) 上のファイバー積を表す。

証明
p: X x K → X を射影とする。
Spec(K) → Spec(k) は忠実平坦だから p も忠実平坦である(>>856)。
したがって、p は全射である。さらに >>862より p は開射である。
>>865 より各点 x ∈ X に対して、 f^(-1)(x) が既約なことを示せ
ばよい。f^(-1)(x) = Spec(K (x) k(x)) だから、>>864 より
f^(-1)(x) は既約である。

868 名前:132人目の素数さん [03/11/28 00:26]
>>862
>補題(>>854)より、f_i は開射だから、

この説明が抜けていた。
B_i は k-代数だから平坦である。
したがって、>>855 より A (x) B_i は平坦な A -代数である。
さらに、B_i は k 上有限型だから、 A (x) B_i も A上有限型である。
A は k 上有限型であるからネーター環である。

869 名前:132人目の素数さん [03/11/28 00:28]
>>862は X が k 上有限型でなくても成り立つ(EGA IV)。

870 名前:132人目の素数さん [03/11/28 20:32]
II Ex. 3.19 (d) の解答

k を代数的閉体とし、k[x, y] を k 上の2変数多項式環とし、
Y = Spec(k[x, y]) とする。C を Y の既約かつ被約な
1次元閉部分スキームとする。j: C → Y を標準射とする。
P を C の閉点とする。X = C - {P} とおく。
X は、C の開部分スキームである。h: X → C を標準射とする。
f = j h と置く。f: X → Y による X の像 f(X) は Y の閉集合でも
開集合でもない。

証明
f(X) = C - {P} が Y の閉集合であるとすると、それは C の閉集合
でもある。 C = (C - {P}) ∪ {P} であるから、C が既約であること
に矛盾する。
C - {P} が Y の開集合であるとすると、C の関数体が Y の関数体と
一致することになり、C が1次元であることに矛盾する。
証明終

871 名前:132人目の素数さん [03/11/28 21:06]
II Ex. 3.15 (a) の解答

(i) → (ii) の証明
k~ を 体 k の代数的閉包, k_s を k の分離代数的閉包とする。
X x k~ を k_s 上のファイバー積とし、X x k_s を k 上の
ファイバー積する。
X x k~ = (X x k_s) x k~ であり、(X x k_s) x k~ → X x k_s は
忠実平坦であるから全射である(>>856)。既約空間の連続写像による
像は既約だから、X x k_s は既約である。

(ii) → (iii) の証明
K_s を K の分離代数的閉包とする。k_s ⊆ K_s である。
X x K_s を k_s 上のファイバー積とし、X x k_s を
k 上のファイバー積すると X x K_s = (X x k_s) x K_s である。
X x k_s は仮定より既約だから、>>867 より X x K_s も既約である。
X x K_s = (X x K) x K_s であるから、X x K も既約である。

(iii) → (i) は明らか。

872 名前:sage [03/11/29 03:16]
すれ違いスマソ
最近趣味でhyperfunctionの勉強したいと思ってるんだけど
なんかいい参考書ない?
ちなみに当方は代数は投げざるを得なかった解析系しか知らない数学科卒。

煽りなしの誠意ある回答キボン!

873 名前:872 mailto:sage [03/11/29 03:18]
しまった!
久しぶりのかきこでsage間違えました。

ゴメン。
モウダメポ…。



874 名前:132人目の素数さん [03/11/30 15:24]
以下しばらく II Ex.3.15 (b) の証明の準備を行う。

定義
k を体とし、 A を k 代数とする。k の任意の拡大体 K に対して
k 上のテンソル積 A (x) K が被約であるとき、 A は k 上分離的
であるという。

875 名前:132人目の素数さん [03/11/30 15:24]
補題
k を体とする。
分離的 k 代数の部分代数は分離的である。

証明
A を 分離的 k 代数とし、B をその部分代数とする。
定義より、k の任意の拡大体 K に対して A (x) K が被約である。
B (x) K は A (x) K の部分代数だから、被約である。

876 名前:132人目の素数さん [03/11/30 15:25]
補題
k を体とし、 A を k 代数とする。
A の部分代数で k 上有限生成なものすべてが分離的なら
A も分離的である。

証明
x を A の元でベキ零とする。 k 上 x で生成された部分代数 k[x]
は、x を含むから x = 0 である。

877 名前:132人目の素数さん [03/11/30 15:29]
補題
k を体とし、 A を k 代数とする。
k の任意の有限生成拡大体 K に対して
k 上のテンソル積 A (x) K が被約であるなら A は k 上分離的
である。

証明
L を k の任意の拡大体とする。
x を A (x) L の元でベキ零とする。x = 0 を示せばよい。
x = Σ (a_i (x) x_i) と書ける。ここに、各 a_i は A の元であり、
各 x_i は L の元である。
K を k 上すべての x_i で生成される k の拡大体とする。
A (x) K は A (x) L に含まれると考えてよい。
x は A (x) K に含まれるベキ零元だから、仮定より x = 0 である。

878 名前:132人目の素数さん [03/11/30 15:30]
補題
k を体とし、 A を分離的 k 代数とする。
k の任意の拡大体 K に対して A (x) K は K上分離的である。

証明
L を K の任意の拡大体とする。(A (x) K) (x) L が被約であること
を示せばよい。これは、A (x) L = (A (x) K) (x) L より明らか。

879 名前:132人目の素数さん [03/11/30 15:31]
補題
k を体とし、 K を k の拡大体で分離代数的とする。
K は k 代数として分離的である。

証明
補題より、K は k 上有限次と仮定してよい。
代数学の周知の定理より K = k[α] となる。
αの k 上の最小多項式を f(X) とすると、K = k[X]/(f(X)) と
見なせる。L を k 任意の代数拡大とする。
0 → (f(X)) → k[X] → K → 0 は k 加群の列として完全だから、
0 → (f(X)) (x) L → k[X] (x) L → K (x) L → 0 も完全である。
k[X] (x) L = L[X] だから、K (x) L = L[X] / (f(X)) と見なせる。
f(X) は L において重根を持たないから、
f(X) は、L[X] において互いに素な既約多項式 f_1, f_2, ... f_r の
積となる。よって、L[X] / (f(X)) = Π (L[X] / (f_i)) である。
各 L[X] / (f_i) は体だから L[X] / (f(X)) は被約である。

880 名前:132人目の素数さん [03/11/30 15:32]
定義
K が k の拡大体でその超越基 S を適当にとると、
K が k(S) 上分離代数的になるとき、K は k 上分離生成であると
いい、S を分離的超越基という。

補題
k を体とし、 K を k の拡大体で分離生成とする。
K は k 代数として分離的である。

証明
L を k の任意の拡大体とする。
K (x) L = K (x) (k(S) (x) L) であり、
k(S) (x) L は L(S) の部分代数と見なせる。
よって K (x) L は K (x) L(S) の部分代数である。
K は k(S) 上分離代数的だから補題(>>879)より K (x) L(S) は
被約である。故に、K (x) L も被約である。

881 名前:132人目の素数さん [03/11/30 15:35]
補題
k を標数 p の体とする。k~ を k の代数的閉体とする。
k の元 x の k~ における p 乗根 x^(1/p) はただ一つ存在する。
k の元 x にその p 乗根 x^(1/p) を対応させる写像を f とする。
f は体の準同型である。f(k) = k^(1/p) と書く。
k^(1/p) は k を含む体である。
K を k の有限生成拡大体とする。
K (x) k^(1/p) が被約なら、K は k 上分離生成である。

証明
K の k 上の生成元を x_1, x_2, ... x_n とする。
x_1, ..., x_r が超越基としてよい。{x_1, x_2, ... x_n} -
{x_1, x_2, ... x_r} の元で k (x_1, ..., x_r) 上分離的なもの
の集合を S、分離的でないものの集合を T とする。
x_s を Tの元とする。x_s は F(x_1, ... , x_r, Y^p) の根として
よい。ここに、F は k [X_1, ..., X_r, Y] のある元である。
各 i に対して偏微分多項式 dF/dX_i = 0 とすると、
F(X_1, ..., X_r, Y^p) = G((X_1)^p, ..., (X_r)^p, Y^p)
となる k 係数の多項式 G がある。
よって、F(X_1, ..., X_r, Y^p) = H(X_1, ..., X_r, Y)^p となる。
ここに H は k^(1/p) 係数の多項式である。
k[x_1, ..., x_r, y] (x) k^(1/p) =
(k[X_1, ..., X_r, Y] / (F(X_1, ..., X_r, Y^p))) (x) k^(1/p) =
k^(1/p)[X_1, ..., X_r, Y] / (G(X_1, ..., X_r, Y)^p)
となるが、これは k[x_1, ..., x_r, y] (x) k^(1/p) が被約で
あることに反する。よって、dF/dX_1 ≠ 0 としてよい。
x_1 は k(x_2, ..., x_r, x_s) 上分離的である。
よって S の各元も k(x_2, ..., x_r, x_s) 上分離的である。
即ち、{x_1, x_2, ... x_n} - {x_2, ..., x_r, x_s} の元で
k (x_1, ..., x_r) 上分離的でないものの集合の元の個数は
T の元の個数より少ない。これより帰納法で補題が成り立つ。

882 名前:132人目の素数さん [03/11/30 15:37]
補題
k を標数 p の完全体とする。k の任意の拡大体は分離的な
k 代数である。

証明
k の拡大体 K の部分体で k 上有限生成のものは補題(>>881)より
分離的なk 代数である。よって K も 分離的である。

883 名前:132人目の素数さん [03/11/30 15:39]
補題
被約なネーター環の全商環は有限個の体の直積である。

証明
A を被約なネーター環とする。
A の極小素イデアル全体を P_1, ..., P_r とする。
A の零イデアル (0) の任意の素因子を P とする。
A の非零元 x があって、Px = 0 となる。
A は被約だから、∩ P_i = 0 である。
よって、x は ある P_i に含まれない
Px ⊆ P_i だから、P ⊆ P_i となる。
よって P = P_i である。
従がって、A の零因子全体の集合は ∪ P_i である。
∪ P_i に含まれる素イデアルは P_1, ..., P_r のどれかである。
これより、A の全商環 Q はアルティン環であることがわかる。
さらに Q は被約であるから、有限個の体の直積である。



884 名前:132人目の素数さん [03/11/30 15:42]
補題
k を完全体とする。任意の被約な k 代数 A は分離的である。

証明
補題(>>876)より A は k 上有限生成としてよい。
A はネーター環で被約だから、その全商環 Q は、補題(>>883)より
有限個の体K_i の直積である。k の標数が 0 のときは、各 K_i は
分離生成だから、補題(>>880)より分離的代数である。
k の標数が 0 でないときは、補題(>>882)により、やはり各 K_i は
分離的代数である。よって、Q も分離的で、その部分代数 A も
分離的である。

885 名前:132人目の素数さん [03/11/30 15:51]
II Ex.3.15 (b) の解答

k~ を k の代数的閉包、 k_p を k の完全閉包(perfct closure)
とする。
X のアフィン開被覆 {U_i} をとると、{U_i x K} は X x K の
アフィン開被覆である。これと II Ex.2.3 (a) より X は k 上の
アフィンスキーム Spec(A) と仮定してよい。

(i) → (ii)
k_p ⊆ k~ だから A (x) k_p ⊆ A (x) k~ となり、
A (x) k_p は被約である。

(ii) → (iii)
K_p を K の完全閉包(perfct closure) とする。
k_p ⊆ K_p と見なせる。
A (x) K = (A (x) k_p) (x) K_p であるから、補題(>>884)より、
A (x) K は被約である。

(iii) → (i) は自明である。

886 名前:132人目の素数さん [03/11/30 16:26]
>>885の証明は松村英之の可換環論(共立出版)の9章§26を参考にした。

887 名前:770 mailto:sage [03/11/30 17:20]
>>874
> 以下しばらく II Ex.3.15 (b) の証明の準備を行う。
3.15(b)ってどんなもんだいでした?
過去のレス探してみたのですが、なかなかみつかりません。
すいませんがレス番おしえていただけませんか?
まだ、ハーツホーンがてにはいってないし、この辺の
話なら私にも理解できそうな気がしているので・・・。
よろしくお願いします。

888 名前:132人目の素数さん [03/11/30 18:03]
>>887
著作権の関係から問題の翻訳はしないことになった。
だけど、説明しておこう。
X を 体 k 上有限型のスキームとする。以下の(i),(ii),(iii)は
同値である。
(i) X x k~ は被約である。ここに、k~ は k の代数的閉包。
(ii) X x k_p は被約である。ここに、k_p は k の完全閉包である。
(iii) K を k の任意の拡大体とすると、X x K は被約である。

889 名前:132人目の素数さん [03/11/30 18:21]
>>885
>A (x) K = (A (x) k_p) (x) K_p であるから、補題(>>884)より、
>A (x) K は被約である。

以下のように訂正する。

A (x) K_p = (A (x) k_p) (x) K_p であるから、補題(>>884)より、
A (x) K_p は被約である。よって A (x) K_p の部分代数である
A (x) K も被約である。

890 名前:770 mailto:sage [03/11/30 18:45]
>>888
> >>887
> 著作権の関係から問題の翻訳はしないことになった。
なるほど・・・。
早く、ハーツホーン手に入れないといけませんね。
> だけど、説明しておこう。
どうも、ありがとうございました。
>>874あたりからよく読んで、考えて見ます。

891 名前:132人目の素数さん [03/11/30 19:17]
II Ex.3.15 (c) の解答

k を正標数 p の体とし、k(X) を一変数の有理関数体とする。
F(X, Y) = Y^2p + Y^p + X を
k[X, Y] の元とする。F(X, Y) は既約である。
よって F(X, Y) は k(X)[Y] の元としても既約である。
A = k(X)[Y] / (F(X, Y))とし、X = Sepc(A) とする。
X は k(X) 上の整スキームである。
F(X, Y) = (Y^2 + Y + X^(1/p))^p であり、
Y^2 + Y + X^(1/p) は k(X)~[Y] の元としてみたとき、
相いに素な二つの既約多項式の積となる。
ここに k(X)~ は k(X) の代数的閉体である。
よって、X x k(X)~ は既約でも被約でもない。

892 名前:132人目の素数さん mailto:sage [03/12/01 03:22]
>>872
ISBN 4130613006

893 名前:132人目の素数さん [03/12/02 23:36]
以下しばらく II Ex.4.1 の解答の準備をする。

補題
X と Y をアフィンスキームとし、
f: X → Y を射とする。
Y の任意のアフィン開集合 U に対して、f^(-1)(U) は
アフィンである。

証明
f^(-1)(U) は X と U の Y 上のファイバー積 X x U と見なせる
ことから明らかである。



894 名前:132人目の素数さん [03/12/02 23:38]
補題
Y = Spec(B) をアフィンスキームとし、f: X → Y をスキームの射と
する。B の有限個の元 g_i があり、D(g_i) が Y の被覆になって
いるとする。さらに、各 i に対して f^(-1)(D(g_i)) はアフィン
であるとする。このとき X はアフィンである。

証明
φ: B → Γ(X) を f に付随する環の準同型とする。
f はφにより一意に定まることに注意する。
つまり、f(x) は B → Γ(X) → O_x による O_x の極大イデアル
の逆像である。よって φ(g_i) = f_i とおけば、
f^(-1)(D(g_i)) = X_(f_i) である。
ここに、X_(f_i) = {x ∈ X; f_i(x) ≠ 0} であり、
f_i(x) は f_i の x における芽の 剰余体 k(x) = O_x/m_x における
剰余類を表す。
{D(g_i)} が Y の被覆であるから、{X_(f_i)} は X の被覆である。
{g_i} は単位イデアル A を生成するから、
Σ(g_i)(h_i) = 1 となる元 h_i が存在する。
よってΣφ(g_i)φ(h_i) = 1 となるから、
{f_i} は単位イデアル Γ(X) を生成する。
II Ex.2.17 (b) より X はアフィンである。

895 名前:132人目の素数さん [03/12/02 23:42]
定義
f: X → Y をスキームの射とする。
Y の開被覆 {U_i} が存在し、各 U_i に対して f^(-1)(U_i) が
アフィンとなるとき、f をアフィン射という。

補題
f: X → Y をアフィン射とする。
Y の任意のアフィン開集合 U に対して、f^(-1)(U) は
アフィンである。

証明
y を U の点とする。y ∈ U_i となる i がある。
y ∈ W ⊆ U ∩ U_i となるアフィン開集合 W がある。
f^(-1)(W) は 補題(>>893)よりアフィンである。
W は D(h) の形であるとしてよい。ここに h は Γ(U) の元である。
y は U の任意の点であったから、このような D(h) 全体は U の被覆
となる。さらに U は準コンパクトだから、有限個の D(h_i) で
U の被覆となるものが存在する。よって、補題(>>894)より
f^(-1)(U) はアフィンである。

896 名前:132人目の素数さん [03/12/03 00:03]
S をスキームとし、X と Y を S-スキームとする。
X と Y の S 上のファイバー積を (X x Y)/S で表す。

補題
f: X → Y をアフィン射とする。
g: Z → Y をスキームの射とする。
射影 p: (X x Z)/Y → Z はアフィン射である。

証明
Y のアフィン開被覆 {U_i} をとる。g^(-1)(U_i) のアフィン開被覆
を {V_(i_α)} とする。
p^(-1)(V_(i_α)) = (f^(-1)(U_i) x V_(i_α))/U_iである。
f はアフィン射だから、f^(-1)(U_i) はアフィンである。
よって p^(-1)(V_(α_i)) もアフィンである。よって、p は
アフィン射である。

897 名前:132人目の素数さん [03/12/03 00:04]
補題
f: X → Y を位相空間の連続写像とし、(V_i) をY の開被覆とする。
U_i = f^(-1)(V_i) とおく。各 i に対して f の U_i への制限を
f_i とおく。各 i に対して f_i(U_i) が V_i の閉集合であり、
f_i が U_i から f(U_i) への位相同型写像であるとする。
このとき、f(X) は Y の閉集合であり、f は X から f(X) への
位相同型を与える。

証明
f(x) = f(y) とする。f(x) ∈ V_i となる V_i がある。
x と y は f^(-1)(V_i) に含まれる。よって、f_i(x) = f_(y) と
なる。f_i は単射であるから、 x = y となり、f も単射である。
W を X の開集合で、x ∈ W とする。f(x) ∈ V_i となる V_i がある。
x ∈ W ∩ U_i であり、f_i が U_i から f(U_i) への位相同型写像
であるから、f(W ∩ U_i) は f(U_i) の開集合である。
f(W ∩ U_i) = f(U_i) ∩ V となる V_i の開集合 V がある。
f(X) ∩ V = f(U_i) ∩ V であるから、f(W ∩ U_i) は f(X) の
開集合である。よって、f は x の十分小さい近傍を f(x) の近傍に
写すから開写像である。
次に、f(X) は Y の閉集合であることを示す。
y ∈ Y - f(X) とする。y ∈ V_i となる V_i がある。
f(X) ∩ V_i は V_i の閉集合であるから、V_i - f(X) は V_i の
開集合である。y ∈ V_i - f(X) ⊆ Y - f(X) だから、Y - f(X) は
Y の開集合である。

898 名前:132人目の素数さん [03/12/03 00:05]
補題
f: X → Y をスキームの射とし、(V_i) をY の開被覆とする。
各 i に対して f の f^(-1)(V_i) への制限
f_i: f^(-1)(V_i) → V_i が閉埋入とすると、f も閉埋入である。

証明
X の各点 x において O_f(x) → O_x が全射となることは明らか
であるから、補題(>>897)よりわかる。

899 名前:132人目の素数さん [03/12/03 00:06]
補題
S をスキームとし、V を S の開部分スキームとする。
f: X → S と g: Y → S をスキームの射とし、f(X) ⊆ V
g(Y) ⊆ V とする。このとき、(X x Y)/S は (X x Y)/V
と同一視出来る。

証明
ファイバー積の定義から明らかである。

900 名前:132人目の素数さん [03/12/03 00:08]
補題
f: X → Y をスキームの射とし、(V_i) をY の開被覆とする。
U_i = f^(-1)(V_i) とおく。(U_i x U_i)/V_i は (X x X)/Y の
開被覆をなす。

証明
補題(>>899)より、(U_i x U_i)/V_i は (U_i x U_i)/Y と見なせる。
一方、(U_i x U_j)/Y は (X x X)/Y の開被覆をなす。
V_ij = V_i ∩ V_j とおき、U_ij = U_i ∩ U_j とおく。
(U_i x U_j)/Y = (U_ij x U_ij)/V_ij = (U_ij x U_ij)/Y
と見なせ、(U_ij x U_ij)/Y は (U_i x U_i)/Y の開集合である。
よって、(U_i x U_i)/V_i は (X x X)/Y の開被覆である。

901 名前:132人目の素数さん mailto:sage [03/12/03 00:08]
 _ _               __
 |主 | 、ノ | --|- ヽ/// ,フ_   |ニ|ヽヽ.ノ ┌┼┐ノ十ノヶ┐斤_.斤           「!
. llll亅|/ヽ l, 丿 フヾ.ヽ c_,ノ ノ 亅|.メ | | ,人亅.ー|‐ノノ亅 |三| つ ・・・・・・・・・ o
      ̄       ’ ̄ ̄           ̄            ´ `
                   _.. -‐- 、 _......_
 のび太駄目……!    /:::;rへ::::::::::u::::::::\    ジャイアンリサイタル開催……!
                   /::/ l  ヽ::u::::::::u::::::ヽ
 ネズミ大量発生……! { / ヽヽ o }r‐‐''''")::::::}   どら焼き取られた……!
        ,r(      |{ |ヾミヽ ̄0ヽ_o_ノ l::::/ )、
   r'⌒`ー-'  ヽ     l K >、ヾ / ニ三彡l::/ ノ  `〜〜〜 、
    ) キキキ   )   _(\ヽ >〈`┼┬ T フ l/ {  ククク…  )
   (   ……!(   /::::::ヽ \ヾ コココフ ノ   ` ー-〜ー--‐'
   ` ー-' ⌒ ー- '  /:::::::/::::/ヽ.._(〒)ニ二⊃、   地球破壊ばくだんを……!
            /:::::::/|::::{ r―---ッ |::::i:::::ヽ

902 名前:132人目の素数さん [03/12/03 00:10]
補題
f: X → Y をスキームの射とし、(V_i) をY の開被覆とする。
各 i に対して f の f^(-1)(V_i) への制限
f_i: f^(-1)(V_i) → V_i が分離射とすると、f も分離射である。

証明
補題(>>898)と補題(>>900)より明らか。

903 名前:132人目の素数さん [03/12/03 00:15]
補題
アフィン射は分離射である。
証明
補題(>>902)と本文の II prop. 4.1 より明らか。



904 名前:132人目の素数さん [03/12/03 00:45]
念のためにいっとくけどこのスレpart2つくるときスレタイ変えんなよ
演習問題のつながりがわからなくなるから・・・

905 名前:132人目の素数さん [03/12/03 03:34]
自作自演しないとスレが伸びない!
俺は分かってしまったんだ!!
レス数が多いスレはほとんどが、スレを立てた奴が自作自演をして伸ばしていることを!
まるで子供の頃の純心なピュアさがなくなってしまったようだ。
強いて言えば、サンタクロースの正体を知ってしまった小学校低学年のような悲しみだ!!
みんな自作自演でスレを伸ばしていたんだ!!
ID非表示の板では普通に書き込み、ID任意表示の板ではメール欄に何か書き込み、
さらにはID強制表示の板ではPCの他に携帯電話を使い自作自演をする!!
嗚呼、改めて2chの恐ろしさを知ってしまった!!まだ奥が深い、深すぎる!!
匿名掲示板2ch恐ろしや!!



906 名前:132人目の素数さん mailto:sage [03/12/03 18:25]
すまんが、誰か次スレ立ててくんない?
自分で立てようと思ったが、「このホストでは、しばらくスレッドが立てられません」
になってしまうんで。

以下、使おうと思ったテンプレを貼っておくので、よかったら使って。

大好きか★代数幾何 Part 2

代数幾何に関する話題なら何でもOK。
現在 Hartshorne, Algebraic Geometry の演習問題を解く作業が
進行中!

前スレ:
大好き★代数幾何
science2.2ch.net/test/read.cgi/math/1065022897/
関連スレ:
グロタンディックだが質問あるかね?
science2.2ch.net/test/read.cgi/math/1011949239/
グロタンってさ。
science2.2ch.net/test/read.cgi/math/1067672952/

science2.2ch.net/test/read.cgi/math/1003853278/
スペクトル系列
science2.2ch.net/test/read.cgi/math/1031726106/
【代数幾何学】広中平祐氏【フィールズ賞】
science2.2ch.net/test/read.cgi/math/1032524347/

907 名前:132人目の素数さん [03/12/03 20:08]
II Ex.4.1 の解答

f: X → Y を有限射とする。
補題(>>903)より f は分離射である。
f は定義から有限型である。
よって、f が絶対閉射(universally closed) であることを
示せばよい。Ex.3.5.(b) (>>535) より、有限射は閉射である。
よって、g: Z → Y をスキームの射としたとき、
射影 p: (X x Z)/Y → Z が有限射であることを言えばよい。
補題(>>896)より、p はアフィン射であり、そこでの証明より
p が有限射となることも明らかである。

908 名前:132人目の素数さん mailto:sage [03/12/03 20:36]
>>906
そのタイトルじゃあスレの中身が推測できないのでは?(今もだけど)

909 名前:132人目の素数さん mailto:sage [03/12/03 20:50]
>>906
何日か前にもう立ってたジャン。
science2.2ch.net/test/read.cgi/math/1070390175/l50

910 名前:909 mailto:sage [03/12/03 20:55]
「何日か前」ではなかった。よく見れば今朝(昨晩?)だ。

911 名前:770 mailto:sage [03/12/04 00:14]
>>905
私は、ロムしてますが、このスレのファンなので・・・。
どなたかしりませんが・・・。

912 名前:906 [03/12/04 00:23]
>>909
いくらなんでも、このスレscience2.2ch.net/test/read.cgi/math/1070390175/l50
を次スレに使うのはイヤなんだけど・・・
誰か新しいの立てくれない?
あいかわらず 「このホストでは、しばらくスレッドが立てられません」 になっちゃうんで。

>>908
じゃあ、スレタイを好きなのに変えて立ててくれない?

913 名前:770 mailto:sage [03/12/04 09:55]
>>908
そのスレタイきにいってるんですが・・・。



914 名前:906 [03/12/04 12:18]
>>913
じゃ、次スレ立ててくれませんか?

915 名前:132人目の素数さん [03/12/04 12:21]
じゃあ、スレタイは これでいい?

 「代数幾何は大好きか?」

916 名前:132人目の素数さん mailto:sage [03/12/04 12:28]
だいすきかだいすうきか

917 名前:132人目の素数さん [03/12/04 13:10]
新スレ立てたよ!!
science2.2ch.net/test/read.cgi/math/1070510931/

918 名前:770 mailto:sage [03/12/04 13:11]
やっぱ、星があったほうがめりはりあるし・・・。

919 名前:906 mailto:sage [03/12/04 13:34]
>>917
ありがとう!

920 名前:132人目の素数さん [03/12/04 14:34]
大好き★代数幾何 2
science2.2ch.net/test/read.cgi/math/1070390175/l50
大好き★代数幾何 Part 2
science2.2ch.net/test/read.cgi/math/1070510931/l50


921 名前:132人目の素数さん [03/12/05 04:12]
大好き★代数幾何 Part3
science2.2ch.net/test/read.cgi/math/1070564052/l50

922 名前:132人目の素数さん [03/12/05 08:52]
厨は厨を呼ぶってか。スレ乱立させやがって。
削除依頼だしとけよ。

923 名前:132人目の素数さん [03/12/05 15:13]
   
          /""`'・.,
         ,/'   ..::::\.,__,,,.....,,,__
        ,i'    ...::::::::"""    `''・-、.,_   _,,......,,,_
         i'  ...::::"           ":::`・'"~   :|
        /"                 " ::::  ...::,l
       ./'                     "::::::/
      ./'.                       ::"i,
      |.         \             .::::::|
       |.                       .:::::::|   
      i;             i、.,    ,.    /...::::::::|
       '、            | ∨`"~'/      :::::::: |
        \           l,    /     .::::::: ノ'  賠償ニダッ!! 
         `/(          i.,_,/     ...:::::/
      ,.-'"~ ~"ー-.,,__          .....:::::::ノ').,
     ./=ー'"~"`ー-.,_~"\-.,_  ,...,_ "";.-、::/ノ::: 'i,
    / ̄    :::::〜`i.():::\`""| `(^);;;;;|;;/;:::::::: 'i,
  . /         ::::::`i |:::::):;;;;;i、,/人_ノ;;;;'i,::::::::::: i
   |          .:::::::|/::::└ー-,;;;\;i;;;;|/;:::::::::::: i
   i.,_,.人       ..::::::/ :::::::::::::/;;;;;;;'i,'i;;;;|\;:::::::::::: i
      `;      .::...:::::/  :::::::::::`- .,_;;;;i,ノ;|;;;/;:::::::::::: /
      `、.,..:::::::::::::::::/   :::::::::::::::;;;;;;\,i ,/;;;;;:::::::::::|/
        `i"`-.,_,.ノ   ::::::::::::::::;;;;;;;;;;;\|;;;;::::::::::::|





924 名前:132人目の素数さん mailto:sage [03/12/05 22:48]
大好き★代数幾何 Part 2
science2.2ch.net/test/read.cgi/math/1070510931/l50

これが正統な次スレだよね?

925 名前:132人目の素数さん mailto:sage [03/12/05 23:40]
>>924
そうです。

926 名前:132人目の素数さん mailto:sage [03/12/06 00:18]
非可換幾何と非可換代数幾何の違いを教えて下さい

927 名前:132人目の素数さん [03/12/06 22:38]
II Ex.4.2 の前半の解答

h: X → (Y x Y)/S を f と g から得られる射とする。
Δ: Y → (Y x Y)/S を対角射とする。
Y は分離射だからΔ(Y) は (Y x Y)/S の閉部分スキームである。
Δ(Y) の h による逆像 h^(-1)(Δ(Y)) = (X x Δ(Y))/((Y x Y)/S) を
考える。これは X の閉部分スキームである。f と g は X の稠密な
開集合 U で一致するから、U ⊆ h^(-1)(Δ(Y)) である。
よって、位相空間として h^(-1)(Δ(Y)) = X である。
X は被約だから、スキームとしても h^(-1)(Δ(Y)) = X である。
これは、f = g を意味する。

928 名前:132人目の素数さん [03/12/06 23:03]
II Ex.4.3 の前半の解答

Δ: X → (X x X)/S を対角射とし、p, q : (X x X)/S を射影とする。
(U x V)/S = p^(-1)(U) ∩ q^(-1)(V) だから、
Δ^(-1)((U x V)/S) = Δ^(-1)(p^(-1)(U)) ∩ Δ^(-1)(q^(-1)(V)) =
U ∩ V である。Δ は閉埋入だから、
Δ の制限射 U ∩ V → (U x V)/S も閉埋入である。
(U x V)/S はアフィンだから、U ∩ V もアフィンである。

929 名前:132人目の素数さん [03/12/07 04:59]
補題
S をスキームとし、X, Y をスキームとする。
f: X → S と g: Y → S をスキームの射とし、
q: (X x Y)/S → Y を射影とする。
f が全射なら q も全射である。

証明
y を Y の点とする。f は全射だから、f(x) = g(y) となる x ∈ X
がある。s = g(y) と置くと、k(x) と k(y) は それぞれ
k(s) の拡大体である。よって、(k(x) (x) k(y))/k(s) のある
極大イデアルによる剰余体を K とすれば、k(x) と k(y) は
K の部分体と見なせる。
よって、S-スキームの射 Spec(K) → X と Spec(K) → Y が定義され、
Spec(K) → (X x Y)/S が得られる。この像を z とすれば、q(z) = y
となる。

930 名前:132人目の素数さん [03/12/07 05:00]
補題
S をスキームとし、f: X → Y を S-スキームの射とする。
T → S をスキームの射とする。
g: (X x T)/S → (Y x T)/S を f により誘導される射とする。
f が全射であれば、g も全射である。

証明
(X x T)/S = (X x ((Y x T)/S))/Y だから、補題(>>929)より明らか
である。

931 名前:132人目の素数さん [03/12/07 05:01]
補題
S をネータースキームとし、f: g(g^(-1)(F))を S-スキームの射とする。
Y は S 上有限型かつ分離的とする。
X が S 上固有で、f が全射とすると、Y も S 上固有である。

証明
T → S をスキームの射とする。
g: (X x T)/S → (Y x T)/S を f から誘導される射とし、
p: (X x T)/S → X と q: (Y x T)/S → T を射影とする。
F を (Y x T)/S の閉集合とする。
補題(>>930)より g は全射であるから、F = g(g^(-1)(F))となる。
X は S 上固有だからqg = p は閉写像である。
よって、q(F) = q(g(g^(-1)(F))) = p(g^(-1)(F)) は T の
閉集合である。即ち、Y → S は絶対閉射である。
Y は S 上有限型かつ分離的であるから固有である。

932 名前:132人目の素数さん [03/12/07 05:05]
>>931
>S をネータースキームとし、f: g(g^(-1)(F))を S-スキームの射とする。

以下のように訂正:
S をネータースキームとし、f: X → Y を S-スキームの射とする。

933 名前:132人目の素数さん [03/12/07 05:06]
II Ex.4.4 の解答

j: Z → X を標準射とする。
構造射 Z → S は Z → X → Y → S と分解し、仮定により
固有(proper) だから 本文の Corollary 4.8 (e) より、
fj: Z → Y は固有である。よって、f(Z) は Y の閉集合である。
f(Z) を像スキームと考えると、 Z → f(Z) は全射である。
f(Z) は Y の閉部分スキームだから、Y 上分離的かつ有限型である
(本文の Corollary 4.6 (a) と Ex.3.13 (a))。
Y は、S 上分離的かつ有限型であるから、f(Z) も S 上分離的かつ
有限型である(本文の Corollary 4.6 (b) と Ex.3.13 (c))。
よって補題(>>931)より f(Z) は S 上固有である。



934 名前:132人目の素数さん [03/12/07 14:59]
II Ex.4.5 (a) の解答

X の生成点をξとする。
R を K/k の付値環とし、t_1 をその生成点、t_0 をその唯一の閉点
とする。さらに、x_1, x_2 をその中心とする。
O_x_1 ⊆ R だから Spec(R) → Spec(O_x_1) が定まり、
Spec(O_x_1) → X と組み合わせて、k-射 f_1: Spec(R) → X が
得られる。同様に、k-射 f_2: Spec(R) → X が得られる。
作り方から、f_1(t_0) = x_1, f_2(t_0) = x_2,
f_1(t_1) = f_2(t_1) = ξ である。
よって、f_1 と f_2 の Spec(K) への制限は一致する。
よって、本文の Theorem 4.3 より、f_1 = f_2 となる。
これは、x_1 = x_2 を意味する。

935 名前:132人目の素数さん [03/12/07 15:14]
II Ex.4.5 (b) の解答

X の生成点をξとする。
R を K/k の付値環とし、t_1 をその生成点、t_0 をその唯一の閉点
とする。本文の Theorem 4.3 より、k-射 h: Spec(R) → X が存在
して h(t_1) = ξ となる。h(t_0) = x とおく。本文の Lemma 4.4
より、x は R の中心である。

936 名前:132人目の素数さん [03/12/07 16:14]
II Ex.4.5 (c) の前半の解答
即ち Ex.4.5 (a) の逆を証明する。

X の生成点をξとし、Δ: X → (X x X)/k を対角射とする。
Δ(ξ) = η とおく。η → η' を (X x X)/k における特殊化と
する。{η} の閉包はΔ(X)の閉包と一致するから、η' が Δ(X) に
含まれることを示せばよい。Δ(ξ) = ηより k(η) ⊆ k(ξ)
である。他方、ηの射影はξであるから、 k(ξ) ⊆ k(η) でも
ある。よって、k(ξ) = k(η) である。{η} の閉包 Z に
被約スキームの構造を与え、そのη' における局所環をO_η'とする。
O_η' を支配する K の付値環 R が存在する(I Theorem 6.1A)。
よって、k-射 f: Spec(R) → Z で f(t_1) = η, f(t_0) = η'
となるものが存在する。ここに、t_1 は R の生成点、t_0 は R の
唯一の閉点である。(X x X)/k から X への射影を p_1, p_2 とし、
p_1(η') = x_1, p_2(η') = x_2, (p_1)f = h_1, (p_2)f = h_2
とおく。h_1(t_1) = ξ, h_1(t_0) = x_1 であり、
h_2(t_1) = ξ, h_2(t_0) = x_2 である。
X の x_1, x_2 における局所環をそれぞれ O_x_1, O_x_2
とすれば、R は、O_x_1, O_x_2 を支配する。仮定より、x_1 = x_2
である。よって、Lemma 4.4 より、h_1 = h_2 となる。
よって、f(t_0) = η' はΔ(X)に含まれる。

937 名前:132人目の素数さん [03/12/12 11:35]
age


938 名前:132人目の素数さん mailto:sage [03/12/13 06:36]
このスレ、パフォーマンスとして面白いと思った。
頑張ッテネ

939 名前:132人目の素数さん [03/12/13 17:37]
補題
X を体 k 上の有限型の整スキームとし、K をその関数体とする。
K/k の任意の付値環が一意に定まる中心を X 上に持てば X の
任意の既約かつ被約な閉部分スキーム Y に対しても同様のこと
が成り立つ。即ち、Y の生成点を y としたとき、k(y) の任意の
付値環は、一意に定まる中心を Y 上に持つ。

証明
k(y) の任意の付値環を R とする。
Ex.4.5 (a) の逆が成り立つから、X は k 上分離的である。
よって、本文の Corollary 4.8 (a) より、Y も k 上分離的で
ある。故に、Ex.4.5 (a) より R の中心の一意性が言える。
よって、R の中心が Y 上に存在することを示せばよい。
O_y を y における X の局所環とする。I章 Th. 6.1A より
O_y はK/k のある付値環 S により支配される。S の剰余体を
L とする。k(y) ⊆ L だから、再び I章 Th. 6.1A より R は
L/k の付値環 R' により支配される。Φを標準写像 : S → L
とし、T = Φ^(-1)(R') と置く。容易にわかるように T は
K/k の付値環であり、T の剰余体は R' の剰余体と同一視
される。仮定より T は中心 z を X 上に持つ。O_z を z に
おける X の局所環とする。O_z ⊆ T ⊆ S だから、S の
極大イデアル m(S) と O_z との交わりを q とすると、
q は、O_z の素イデアルである。
O_z の q による局所化 (O_z)q は S により支配される。
j: Spec(O_z) → X を標準射とし、j(q) = t と置くと、
(O_z)q は O_t と同一視される。S の中心は一意だから
O_t = O_y である。これは、z が y の特殊化であることを
意味する。Φ': O_z → R' をΦの制限写像とする。Φ'の核は、
q である。Φ'(O_z) ⊆ Φ(T) = R' であり、
Φ'(O_z) = O_z/q ⊆ k(y) だからΦ'(O_z) ⊆ R である。
T は O_z を支配するから、R は O_z/q を支配する。
O_z/q は z の Y における局所環だから、補題が証明された。

940 名前:132人目の素数さん [03/12/13 17:40]
II Ex.4.5 (c) の後半の解答
即ち Ex.4.5 (b) の逆を証明する。

X → Spec(k) は、II Ex.4.5 (c) の前半より分離射であり、
仮定より有限型だから、これが絶対閉射であることを示せば
よい。
Y を任意の k-スキームとする。
(X x Y)/k の任意の点を z とする。
x, y をそれぞれ z の X, Y への射影とする。
k(x), k(y) は、k(z) の部分体と見なせる。
y → y' を Y における特殊化とする。
{y} の閉包を被約スキームと考えたものを Z とする。
Z の y' における局所環を支配する k(z)/k の付値環を
R とする。g: Spec(R) → Y を自然な射とする。
R と k(x) の交わりは、k(x)/k の付値環であるから、
補題(>>939)より、R は、X 上に中心 x' を持つ。
よって、射 f:Spec(R) → X が得られる。
f と g より、射 h: Spec(R) → (X x Y)/k が得られる。
Spec(R) の閉点を t としたとき、h(t) の Y への射影は y' である。
本文の Th. 4.7 の後半の証明と同様にして、これから、射影
(X x Y)/k → Y が閉射であることが出る。

941 名前:132人目の素数さん [03/12/13 19:20]
II Ex.4.5 (d) の解答

Γ(X, O_X) = ∩ O_x と見なせるから、Ex.4.5 (b) と Th. 4.11A より
Γ(X, O_X) は, k の K における整閉包であることからわかる。

942 名前:132人目の素数さん [03/12/13 19:41]
II Ex.4.6 の解答
f は 固有射だから、f(X) は Y の閉集合である。
f(X) を被約スキームと考えると、f は X → f(X) → Y と
分解する。Corollary 4.8 より X → f(X) は固有である。
f(X) → Y は有限射だから、X → f(X) が有限射であることを
示せばよい。すなわち、f は支配的と仮定してよい。
X = Spec(A), Y = Spec(B) とする。f は支配的だから、
B ⊆ A と見なしてよい。X の関数体を K とする。
Th. 4.7 より、B を含む K/k の付値環は、A を含む。
Th. 4.11A より A は B の K における整閉包に含まれる。
即ち、 A は B 上整である。A は B 上有限型だから、B-加群
として有限生成である。よって、f は有限射である。

943 名前:132人目の素数さん [03/12/13 20:21]
 189 名前:某D 投稿日:03/05/21 16:23
まったくワシの教授は出て行ってしまったわな。後で聞いたら土けん屋にゴツイ
いやがらせされてた話。いま週一で出て行った先に指導受けにいってる
けど、多元で学位は取れんな。ここ数年はマシな教授は出て行くだろうから、
もう多元もオシマイや。ついでにワシも。



944 名前:132人目の素数さん [03/12/14 13:08]
>>939の補題と>>940の証明は私が考えた(1週間かかった)
ものですが、この証明が載っている本、誰か知ってますか?

945 名前:あんたすげーよ mailto:sage [03/12/17 13:58]
55 :132人目の素数さん :03/11/30 23:29
さぁ、単純に考えて次のうち50歳でどれが有意義な人生を歩めるでしょうか?
1.2chにのめりこむ。実況やりまくる
2.コンピュータやインターネットにのめりこむ。サーバ立てたりプログラム書きまくる。
3.数学にのめりこむ。

56 :132人目の素数さん :03/11/30 23:40
>>55
俺は50過ぎで1,2,3全部ほぼ毎日やってる。
のめり込むほどじゃないが。

59 :132人目の素数さん :03/12/01 17:15
>>56-58
ズバリ聞きます。ご職業はなんでしょうか?

60 :132人目の素数さん :03/12/01 19:55
>>59
俺は(56)はSE。
代数幾何学のスレでHartshorneの問題を解いてるのは(主に)俺。


946 名前:132人目の素数さん mailto:sage [03/12/17 14:36]
>>945
どこのスレにかいてあったの?

947 名前:132人目の素数さん [03/12/18 21:54]
補題
S をスキーム、 f:X → Y を S-スキームの射とする。
Y が S 上分離的なら f のグラフ射 g: X → (X x Y)/S は閉埋入である。

証明
g: X → (X x Y)/S は、対角射 Y → (Y x Y)/Z の
基底拡大である。すなわち、以下の図示はファイバー積である。
X --> (X x Y)/S
| |
v v
Y --> (Y x Y)/S

仮定より、対角射 Y → (Y x Y)/Z は閉埋入であり、閉埋入は
基底拡大で安定だから(Ex.3.11 (a))、g も閉埋入である。

948 名前:132人目の素数さん [03/12/18 21:56]
II Ex. 4.8 (d) の解答

f: X → X' と g: Y → Y' をスキームの射で性質Pを持つとする。
f x 1: X x Y → X' x Y は f: X → X' の基底拡大であり、
1 x g: X' x Y → X' x Y' は g: Y → Y' の基底拡大である。
よって、(c) より f x 1 も 1 x g も性質Pを持つ。
よって、(b) より f x g = (1 x g)(f x 1) も性質Pを持つ。

949 名前:132人目の素数さん [03/12/18 21:56]
II Ex. 4.8 (e) の解答

グラフ射Γ: X → (X x Y)/Z を考える。
q: (X x Y)/Z → Y を射影とする。
f: X → Y は f = qΓと分解する。
q: (X x Y)/Z → Y は gf: X → Z の基底拡大だから、仮定より
性質Pを持つ。一方、g: Y → Z は分離射だから、補題より、
Γは閉埋入である。よって、仮定よりΓも性質Pを持つ。
よって、Γと q の合成射 f も性質Pを持つ。

950 名前:132人目の素数さん [03/12/18 21:57]
II Ex. 4.8 (f) の解答
下の可換図式を考える。

X_red --> Y_red
| |
v v
X -----> Y

X_red → X は閉埋入だから、仮定より性質Pを持つ。
よって、X_red → Y_red → Y も性質Pを持つ。
Y_red → Y は閉埋入だから分離射である。
よって (e) より性質Pを持つ。

951 名前:132人目の素数さん mailto:sage [03/12/19 03:57]
>>946
数学って30過ぎてからでもいけますか?
science2.2ch.net/test/read.cgi/math/1065276786/l50

952 名前:132人目の素数さん [03/12/19 07:45]
可換図式の二つの垂直矢印がくっついちゃうのは何故なんだろう。
半角でスペースをとったからか?

953 名前:132人目の素数さん mailto:sage [03/12/19 08:51]
a = 半角スペース、b = 全角スペースとすると
aa = a
ab = ab
ba = ba
bb = bb
AAを描くときの基本



954 名前:132人目の素数さん mailto:sage [03/12/23 02:51]
みんな圏論にいっちゃった予感...

955 名前:132人目の素数さん [03/12/23 13:33]
まず記号を導入する。
S を次数付き環とし、f を S の同次元としたとき、
局所化 S[1/f] は自然に次数付き環とみなせる。
S[1/f] の0-次部分を S_(f) と書く。

補題
S, T を次数環で S_0 = T_0 = A とする。
次数環 U をその d 次部分 U_d = (S_d (x) T_d)/A として
定義する。ここに、(S_d (x) T_d)/A は S_d と T_d の A 上の
テンソル積である。
d > 0 を任意の整数とし、f を S_d の元、g を T_d の元とする。
(S_(f) (x) T_(g))/A は U_(f(x)g) に同型である。

証明
簡単なので略

956 名前:132人目の素数さん [03/12/23 13:34]
補題
S, T を次数環で S_0 = T_0 = A とする。
次数環 U をその d 次部分 U_d = (S_d (x) T_d)/A として
定義する。ここに、(S_d (x) T_d)/A は S_d と T_d の A 上の
テンソル積である。
Proj(U) は (Proj(S) x Proj(T))/A に同型である。

証明
補題(>>955)より明らか。

957 名前:132人目の素数さん [03/12/23 13:35]
補題
r, s > 0 を整数とし、P^r = Proj(Z[x_0, ..., x_r]),
P^s = Proj(Z[y_0, ..., y_s]) と置く。
ここに、Z[x_0, ..., x_r], Z[y_0, ..., y_s] は有理整数環 Z
上の多項式環である。
(r + s)-変数の多項式環 Z[x_0, ..., x_r, y_0, ..., y_s]
において、{x_iy_j; 0 ≦ i ≦ r, 0 ≦ j ≦ s} で生成される
部分環 C = Z[x_iy_j; 0 ≦ i ≦ r, 0 ≦ j ≦ s] を考える。
各 x_iy_j の次数を1と定義することにより、C は次数付き環と
なる。このとき、Proj(C) は、(P^r x P^s)/Z と同型である。

証明
補題(>>956)より明らか。

958 名前:132人目の素数さん [03/12/23 13:37]
補題
r, s > 0 を整数とし、P^r, P^s, P^(rs + r + s) を有理整数環
上の射影空間とする。
閉埋入 (P^r x P^s)/Z → P^(rs + r + s) が存在する。

証明
(r + s)-変数の多項式環 Z[x_0, ..., x_r, y_0, ..., y_s]
において、{x_iy_j; 0 ≦ i ≦ r, 0 ≦ j ≦ s} で生成される
部分環 C = Z[x_iy_j; 0 ≦ i ≦ r, 0 ≦ j ≦ s] を考える。
各 x_iy_j の次数を1と定義することにより、C は次数付き環と
なる。(r+1)(s+1) 個の変数で生成される多項式環
D = Z[z_ij; 0 ≦ i ≦ r, 0 ≦ j ≦ s] を考える。
z_ij に x_iy_j を対応させることにより、環の準同型
D → C が得られる。これは次数を保ち、全射である。
よって、Ex.3.12 (a) より閉埋入 Proj(C) → Proj(D) が
得られる。これと補題(>>957)よりわかる。

959 名前:132人目の素数さん [03/12/23 13:38]
II Ex.4.9 の解答

(a) 閉埋入は射影射である。

証明
X → Y を閉埋入とする。
P = Proj(Z[x])、即ち0次元の射影空間とする。
P = Spec(Z) だから P x Y = Y であり、
X → Y は X → P x Y → Y と分解する。
よって X → Y は射影射である。

960 名前:132人目の素数さん [03/12/23 13:39]
II Ex.4.9 の解答

(b) 射影射の基底拡大は射影射である。

証明
X → Y を射影射とし、Z → Y を射とする。
仮定より X → Y は X → P x Y → Y と分解する。
ここに、P は有理整数環上の射影空間であり、
X → P x Y は閉埋入である。
下の可換図式を考える。

W → PxZ → Z
↓    ↓    ↓
X → PxY → Y

ここで、Wは、XとPxZのPxY上のファイバー積である。
上図の右の四角はファイバー積だからWは(XxZ)/Yと
同型なことが分かる。
X → PxYは閉埋入だからW → PxZも閉埋入である。
よって、W → Zは射影射である。

961 名前:132人目の素数さん [03/12/23 13:40]
II Ex.4.9 の解答(続き)

(c) 射影射の合成は射影射である。

証明
X → Y, Y → Z をそれぞれ射影射とする。
X → Y は X → P x Y → Y と分解し、
Y → Z は Y → Q x Z → Z と分解する。
ここに、P, Q は有理整数環上の射影空間であり、
X → P x Y と Y → Q x Z は共に閉埋入である。

補題(>>958)より、ある射影空間 R に対して、
閉埋入 P x Q → R が存在する。
下の可換図式を考える。

X → PxY → PxQxZ → RxZ
     ↓      ↓      ↓
     Y  →  QXZ  → QXZ
                   ↓
                   Z
中央の四角はファイバー積である。
Y → Q x Z は閉埋入であるから、P x Y → P x Q x Z も
閉埋入である。よって、上段の3個の射はすべて閉埋入である。
これから、X → Y と Y → Z の合成は
X → R x Z → Z と分解し、X → R x Z は閉埋入だから
射影射である。

962 名前:132人目の素数さん [03/12/23 14:01]
>>954
帰ってきた。この辺の問題難しいんで気晴らしに行ってた。

963 名前:954 mailto:sage [03/12/23 17:17]
>>962
やはり、行ってらっしゃいましたか。



964 名前:132人目の素数さん [03/12/31 01:33]
補題
f: X → Y をスキームの射とし、 Y' を Y の部分スキームとする。
射影 p: (X x Y')/Y → X は埋入(immersion)である。
p は位相空間として f^(-1)(Y') への同型を与える。

証明
以下の図式より、p は埋入 Y' → Y の基底拡大であるから、
埋入である。

(XxY’)/Y → X
  ↓        ↓
  Y’     → Y

x を f^(-1)(Y') に属す点とする。
f(x) = y とおく。標準的な準同型 O_y → O_x
は、体の準同型 k(y) → k(x) を誘導する。
これは、さらに射 Spec(k(x)) → Spec(k(y)) を誘導する。
これを標準射 Spec(k(y)) → Y' と合成して
射 Spec(k(x)) → Y' を得る。
これは、合成射 Spec(k(x)) → X → Y と一致する。
よって、ファイバー積の定義より、
射 Spec(k(x)) → (X x Y')/Y が存在する。
この射に対応する (X x Y')/Y の点を z とすれば、
p(z) = x である。よって、p の像は f^(-1)(Y') である。
p は埋入だから p は f^(-1)(Y') への位相同型である。

965 名前:132人目の素数さん [03/12/31 01:34]
補題
f: X → Y をスキームの射とし、 Y' を Y の部分スキームとする。
(X x Y')/Y → X を射影とする。
Z → X をスキームの射とする。
Z → X → Y が Z → Y' → Y と分解する為には
Z → X が Z → (X x Y')/Y → X と分解することが必要十分
である。

証明
以下の可換図式とファイバー積の性質より明らかであろう。

(XxY’)/Y → X
  ↓        ↓
  Y’     → Y

966 名前:132人目の素数さん [03/12/31 01:38]
補題
f: X → Y をスキームの射とし、 X' を X の f による
閉像(scheme-theoretic image)とする(II Ex. 3.11 (d))。
U を Y の開集合とする。f_U: f^(-1)(U) → U を
f の制限射とする。f_U の閉像は X' ∩ U である。
ここで、X' ∩ U は X' の開部分スキームと見なす。

証明
射の閉像の作り方(>>751)から明らかであろう。

967 名前:132人目の素数さん [03/12/31 01:43]
補題
A を環、P^n = Proj(A[x_0,...,x_n]),
P^m = Proj(A[y_0,...,y_m]) をそれぞれ A 上の
射影空間とする。P^n と P^m の直和は、P^(n+m+1) の
閉部分スキームと標準的に同型である。

証明
A上の次数代数の準同型
Φ:A[x_0,...,x_n, y_0,...,y_m] → A[x_0,...,x_n] を
Φ(F(x_0,...,x_n, y_0,...,y_m)) = F(x_0,...,x_n, 0,...,0)
で定義する。ここで、F は同次元。
同様にΨ:A[x_0,...,x_n, y_0,...,y_m] → A[y_0,...,y_n] を
定義する。ΦとΨは共に全射である。
よって、P^n と P^m はP^(n+m+1) の閉部分空間と標準的に同型
である(Hartshorne II Ex.3.12a)。
p を P^n の元すなわち、A[x_0,...,x_n] の素イデアルで
イデアル(x_0,...,x_n) を含まないものとする。
Φの定義より各 j に対してΦ(y_j) = 0 であるので
Φ^(-1)(p) はA[y_0,...,y_n] のイデアル(y_0,...,y_n)を含む。
よって、P^n と P^m の P^(n+m+1) における像は交わらない。
よって各像の合併は P^n と P^m の直和と標準的に同型である。

968 名前:132人目の素数さん [03/12/31 01:45]
補題
S をスキームとし、X と Y を S 上射影的なスキームとする。
X と Y の直和は S 上射影的である。

証明
定義より構造射 X → S は X → P^n x S → S と分解する。
ここに、X → P^n x S は閉埋入。
同様に構造射 Y → S は Y → P^m x S → S と分解する。
補題(>967)より、P^n x S と P^m x S の直和は P^(n+m+1) x S
の閉部分スキームに同型である。
よって X と Y の直和は S 上射影的である。

969 名前:132人目の素数さん [03/12/31 01:46]
補題
f: Spec(B) → Spec(A) を有限型の射とする。
f は準射影的である。

証明
B = A[b_1, ..., b_ n] とする。A[x_1,...,x_n] を A 上の
多項式環とすると、A-代数としての全射
A[x_1,...,x_n] → B が存在する。
これは、閉埋入 Spec(B) → Spec(A[x_1,...,x_n]) を誘導する。
一方、開埋入
Spec(A[x_1,...,x_n]) → Proj(A[y_0, y_1,...,y_n]) が
存在する。よって合成射
g: Spec(B) → Proj(A[y_0, y_1,...,y_n]) は埋入である。
g による Spec(B) の閉像を Y とすると、Spec(B) → Y は
開埋入であり、f: Spec(B) → Spec(A) は
Spec(B) → Y → Spec(A) と分解し、Y → Spec(A) は射影的
である。よって、f は準射影的である。

970 名前:132人目の素数さん [03/12/31 01:47]
補題
X → Y を 準射影的な射とし、Y → Z を開埋入とする。
このとき、合成射 X → Z は準射影的である。

証明
X → Y は準射影的であるから、X → Y は X → Y' → Y と
分解する。ここに X → Y' は開埋入であり、Y' → Y は射影的
である。Y' → Y は射影的だから、Y' → P x Y → Y
と分解する。ここに、 P は有理整数環上の射影空間
であり、Y' → P x Y は開埋入である。
ここで、次の可換図式を考える。

PxY → Y
 ↓    ↓
PxZ → Z

これは、ファイバー積になっている。
X → Y → Z は X → Y' → P x Y → Y → Z と分解する。
これは、上記の可換図式より、X → Y' → P x Y → P x Z → Z
に等しい。Y → Z は開埋入だから、P x Y → P x Z も開埋入
である。よって、X → Y' → P x Y → P x Z の合成射
X → P x Z は埋入である。よって、X → P x Z → Z の合成射
X → Z は準射影的である。

971 名前:132人目の素数さん [03/12/31 01:52]
Harstshorne II Ex. 4.10 の解答
Chowの補題
X をネータースキーム S 上固有なスキームとする。
このとき、S 上射影的なスキーム X' と射 g: X' → X 及び
X の稠密な開集合 U で g は同型 g^(-1)(U) → U を誘導する
ものが存在する。

(a)
X は既約と仮定してよい。

証明
X はネーターだから有限個の既約成分 X_i を持つ。X_i を X の
被約な閉部分スキームと考える。仮定より、各 i に対してS 上
射影的なスキーム X'_i と射 g_i: X'_i → X_i 及び X_i の稠密
な開集合 U_i で g_i は同型 g_i^(-1)(U_i) → U_i を誘導する
ものが存在する。X' を各 X'_i の直和とする。補題(>>968)より
X' はS 上射影的である。g:X' → X を各 g_i から誘導される射
とする。
U'_i = {x ∈ U_i; x はどの X_j (j ≠ i)にも含まれない}
とし、U を U'_i の合併集合とする。U'_i は空でないから U も
空ではない。V を X の空でない開集合とすると、V はある X_i
と交わる。X_i は既約だからV は U'_i とも交わる。よって U
は X で稠密である。i ≠ j なら U'_i と U'_j は交わらない
からg が誘導する射 g^(-1)(U) → U は
同型 g_i^(-1)(U'_i) → U'_i の直和であり、やはり同型である。

972 名前:132人目の素数さん [03/12/31 01:54]
Harstshorne II Ex. 4.10

(b)
X をネータースキーム S 上固有かつ既約なスキームとする。
X の有限個のアフィン開被覆 U_i で各 U_i に対して
開埋入 U_i → P_i が存在する。ここに各 P_i は S 上射影的
なスキーム。

証明
f: X → S を構造射とする。
S はネーターだからアフィン開集合 S_i による有限被覆を持つ。
f は有限型だから、f^(-1)(S_i) はアフィン開集合 U_ij による
有限被覆を持つ。補題より、U_ij → S_i は準射影的である。
よって、補題より U_ij → S も準射影的である。
U_ij → S の閉像を P_ij とすれば U_ij → P_ij は
開埋入であり、P_ij は S 上射影的である。
添え字集合を適当に変えて U_ij, P_ij を それぞれ U_i, P_i
とすればよい。

973 名前:132人目の素数さん [03/12/31 11:32]
補題
f: X → Y をS-スキームの射とし、Y は X の f による閉像と
なっているとする。Z を S 上分離的スキームとし、
g_1, g_2 : Y → Z をS-スキームの射で、(g_1)f = (g_2)f と
すると、g_1 = g_2 となる。

証明
g_1, g_2 により h: Y → (Z x Z)/S が定まる。
Δ: Z → (Z x Z)/S を対角射とする。
Z は S 上分離的だからΔ(Z) は(Z x Z)/Sの閉部分スキームで
ある。よってh^(-1)(Δ(Z))は Y の閉部分スキームである
(>>964)。T = h^(-1)(Δ(Z)) とおく。

T →  Δ(Z)
↓     ↓
Y → (ZxZ)/S

(g_1)f = (g_2)f だから hf: X → Y → (Z x Z)/S は
X → Δ(Z) → (Z x Z)/S と分解する。よって補題(>>965)
より、f: X → Y は X → T → Y と分解する。
一方 Y は f の閉像だから T = Y となる。よって g_1 = g_2
である。



974 名前:132人目の素数さん mailto:sage [03/12/31 11:39]
で、おにいさん、それで空は飛べそうですか?


975 名前:132人目の素数さん [03/12/31 11:50]
補題
f: X → Y, g: Y → Z がスキームの射で、gf が埋入なら、
f も埋入である。

証明
Γ: X → (X x Y)/Z を f のグラフ射とし、
q: (X x Y)/Z → Y を射影とする。qΓ = f である。
次の可換図式を考える。

(XxY)/Z → Y
  ↓       ↓
  X     → Z

gf: X → Z は仮定より埋入だから q: (X x Y)/Z → Y も埋入
である。Γも埋入であるから qΓ = f も埋入である。

976 名前:132人目の素数さん [03/12/31 11:52]
Harstshorne II Ex. 4.10

(c)
U_i, P_i は (b) (>>972)と同じものとする。
P = (P_1 x P_2 x ... x P_n)/S とおく。
U を 各 U_i の共通集合とし、 f: U → (X x P)/S を U → X と
U → P_i から得られる射とする。
X' を U の f による閉像とする。
g: X' → X を X への射影、h: X' → P を P への射影とする。
このとき, h は閉埋入である。

証明
U → (X x P)/S → X は埋入だから、U → (X x P)/S も埋入
である(>>975)。
p_i: P → P_i を射影とする。V_i = (p_i)^(-1)(U_i) とおく。
まず、h^(-1)(V_i) が X' の被覆であることを証明する。
U_i は X の被覆だから、g^(-1)(U_i) は X' の被覆である。
よって、g^(-1)(U_i) ⊆ h^(-1)(V_i) を示せばよい。
(続く)

977 名前:132人目の素数さん [03/12/31 11:56]
Harstshorne II Ex. 4.10 (c) の証明の続き

U'_i = g^(-1)(U_i) とおく、
以下の図式が可換なことを示せばよい。

U'_i  →  P
 ↓     ↓
U_i  → P_i

U'_i = X' ∩ (U_i x P)/S であり、f: U → (X x P)/S の
閉像はX' であり、f(U) ⊆ U'_i であるから、U → U'_i の
閉像は U'_i である。
よって以下の図式を考える。

U → U'_i  →  P
     ↓     ↓
    U_i  → P_i

補題(>>973)より、上の図式から得られる次の図式が可換である
ことを示せばよいがこれは明らかである。

U  →  P
↓     ↓
U_i → P_i

978 名前:132人目の素数さん [03/12/31 12:29]
Harstshorne II Ex. 4.10 (c) の証明の続き

h^(-1)(V_i) → V_i が閉埋入であることを示す。
Q_i を P_i を除いた残りの P_j の積とする。
V_i = (U_i x Q_i)/S であるから、
h^(-1)(V_i) = X' ∩ (X x U_i x Q_i)/S である。
(U_i x Q_i)/S → U_i → X のグラフを Z_i とする。
Z_i は (X x U_i x Q_i)/S の閉部分スキームであり、
その (U_i x Q_i)/S への射影は同型である。
X' ∩ (X x U_i x Q_i)/S は f(U) の (X x U_i x Q_i)/S に
おける(部分スキームとしての)閉包であり、f(U) ⊆ Z_i で
あるから、X' ∩ (X x U_i x Q_i)/S ⊆ Z_i である
(スキームとしての包含)。
よって、X' ∩ (X x U_i x Q_i)/S → (U_i x Q_i)/S は閉埋入
である。
V_i の合併集合を V とする。
h^(-1)(V_i) は X' の被覆であるから、h(X') ⊆ V である。
h^(-1)(V_i) → V_i が閉埋入であるから、
X' → V は閉埋入であり、V → X は開埋入であるから
h: X' → P は埋入となる。
一方、X' → S は 固有であるから、X' → P も固有であり、
h(X') は P の閉集合である。よって h は閉埋入である。

979 名前:132人目の素数さん [03/12/31 12:31]
Harstshorne II Ex. 4.10 の解答の続き
(d) g^(-1)(U) → U は同型である。

証明
g^(-1)(U) = X' ∩ (U x P)/S は f(U) の (U x P)/S における
(部分スキームとしての)閉包であることに注意する。
f(U) は U → P のグラフであるから、f(U) は (U x P)/S の
閉集合である。よって g^(-1)(U) = X' ∩ (U x P)/S = f(U)
である。よって、g^(-1)(U) → U は同型である(逆の同型は f)。

980 名前:132人目の素数さん [03/12/31 19:50]
このスレが1000になると読めなくなるんだよね、確か?
俺はテキストファイルとして保存するつもりだけど。

981 名前:132人目の素数さん mailto:sage [03/12/31 20:26]
>>980
1000 にならなくてもある程度以上になったら 1000 を待たずにデータ落ちしますよ。

982 名前:132人目の素数さん [03/12/31 21:31]
Complex analytic and algebraic geometry という面白そうな
オンラインブックを見つけたたんだけど圧縮されていて解凍方法
がわからない。gunzipというプログラムで実行したらgzipの
フォーマットでないと言われた。誰か教えて下さい。

www-fourier.ujf-grenoble.fr/~demailly/books.html

983 名前:132人目の素数さん mailto:sage [03/12/31 21:58]
>>982
直接開け。拡張子書き換えでも多分可能。



984 名前:132人目の素数さん mailto:sage [03/12/31 21:59]
>>982
ファイル壊れているんじゃない?

$ file agbook.ps.gz
agbook.ps.gz: PostScript document text conforming at level 2.0

とでるけど、 ps ビューアーだと見れないし、かといって、アーカイバでも解凍できない。

985 名前:132人目の素数さん mailto:sage [03/12/31 22:19]
>>982
実は圧縮されていない。

986 名前:132人目の素数さん [03/12/31 23:27]
>>985
なるほど、読めました。有難うございます。目次を見ただけ
だけどこの本よさそうですね。

987 名前:132人目の素数さん mailto:sage [04/01/01 23:27]
987。


988 名前:132人目の素数さん [04/01/02 01:22]
Hartshorne II Ex. 4.11 (a) で以下の事実を証明する
必要がある。

A を局所ネーター整域、m を A の極大イデアルとし、
K をその商体とする。m の生成元 x_1, x_2, ..., x_n を適当に
とると、B = A[x_2/x_1, ..., x_n/x_1] としたとき、
mB = (x_1)Bとなり (x_1)B ≠ B となる。

x_1, x_2, ..., x_n は m の極小基底をとればいいんだろう
けど、mB = (x_1)B はすぐ示せるが、(x_1)B ≠ B の証明方法
が分からない。(x_1)B = B とすると、ある整数 r >= 0 があって
(x_1)^r ∈ m^(r+1) となることは示せるが。これが成り立たない
ことの証明が分からない。因みに EGA II p140 でも宮西の
「代数幾何学」 p123 でも(x_1)B ≠ B を証明せずに使っている。
しかも、生成元 x_1, x_2, ..., x_n を極小と仮定も
していない。つまり両方とも証明として不十分ということ。

989 名前:132人目の素数さん [04/01/02 01:50]
>>988
自己解決出来そう。しばらく考えてみる。

990 名前:132人目の素数さん [04/01/02 02:02]
           ...,、 -  、
      ,、 '  ヾ 、    丶,、 -、
     /    ヽ ヽ  \\:::::ゝ
 /ヽ/   i  i    ヽ .__.ヽ ヽ::::ヽ
 ヽ:::::l i.  l  ト  ヽ  ヽ .___..ヽ 丶::ゝ
 r:::::イ/ l  l.  i ヽ  \ \/ノノハ  ヽ
 l:/ /l l.  l  i  ヽ'"´__ヽ_ヽリ }. ',  ',
 'l. i ト l  レ'__    '"i:::::i゙〉l^ヾ  |.i. l
. l l lミ l /r'!:::ヽ    '‐┘ .} /  i l l  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  l l l.ヾlヽ ゝヾ:ノ   ,     !'"   i i/ i<  今年も数学がんばってね
  iハ l  (.´ヽ     _   ./    ,' ,' '  |  
   |l. l  ` ''丶  .. __  イ          \_______
   ヾ!        l.   ├ァ 、
          /ノ!   /  ` ‐- 、
         / ヾ_   /     ,,;'' /:i
        /,,  ',. `  /    ,,;'''/:.:.i

991 名前:132人目の素数さん [04/01/02 02:49]
補題
Kを体、v をその離散付値、L を K の有限次拡大体とする。
L の付値で v の拡大になっているものは離散付値である。

証明はたとえば、Bourbaki, Commutative Algebra VI §8.1
を参照。特に Proposition 1 とその Corollary 3。

992 名前:132人目の素数さん [04/01/02 02:50]
補題
Kを体、v をその離散付値、L を K の有限生成拡大体とする。
L の離散付値で v の拡張になっているものが存在する。

証明
A を K の付値環、m を A の極大イデアルとし、πをその生成元
とする。L の K 上の超越基を x_1, x_2, ..., x_n とする。
B = A[x_1, ...,x_n] とおく。
A は UFD だから B も UFDである(Gaussの定理)。
よってπは B の既約元であるから、πB は B の素イデアルで
あり、B の πB による局所化 B_πB は離散付値環である。
B の商体を M とすると、B_πB は M の離散付値 w を
引き起こす。w は v の拡張である。
L は M の有限次拡大体だから補題より w は L の
離散付値に拡張される。

993 名前:132人目の素数さん [04/01/02 02:51]
補題
A を局所ネーター整域、m を A の極大イデアルとし、
K をその商体とする。m の生成元 x_1, x_2, ..., x_n を適当に
とると、B = A[x_2/x_1, ..., x_n/x_1] としたとき、
mB = (x_1)Bとなり (x_1)B ≠ B となる。

証明
m の生成元 x_1, ..., x_n で 各 x_i が 0 でないものをとる。
Hartshorne I Th. 6.1A より K の付値環 R で A を支配する
ものが存在する。v を R に付随する付値で G をその値群と
する。g_i = v(x_i/x_1) と置く。g_k = min{g_1,...,g_n} と
する。各 i に対して v(x_i/x_k) = g_i - g_k >= 0 である。
よって、x_i/x_k ∈ R であり、
A[x_1/x_k, ..., x_n/x_k] ⊆ R となる。
必要なら x_1, ..., x_n の番号を付け替えて x_k = x_1 と
仮定してよい。よって B ⊆ R である。R は A を支配するから
R の極大イデアルは mB を含む。よって mB ≠ B である。
i ≧ 2 のとき、x_i ∈ (x_1)B だから
mB = (x_1, x_2, ..., x_n)B ⊆ (x_1)B である。
逆の包含関係は明らかだから、mB = (x_1)B である。



994 名前:132人目の素数さん [04/01/02 03:05]
補題(Krull-Akizuki)
A を1次元のネーター整域、K をその商体とする。
L を K の有限次拡大体とする。A の L における整閉包は
Dedekind整域である。

証明は例えば、Bourbaki VII §2.5 を参照。

995 名前:132人目の素数さん [04/01/02 03:38]
Hartshorne Ex.4.11 (a) の解答

A を局所ネーター整域、m を A の極大イデアルとし、
K をその商体とする。L を K の有限生成拡大体とする。
補題(>>993)よりm の生成元 x_1, x_2, ..., x_n を適当に
とると、B = A[x_2/x_1, ..., x_n/x_1] としたとき、
mB = (x_1)Bとなり (x_1)B ≠ B となる。
(x_1)B の極小素イデアルを p とする。
Harsthorne I Th.1.11A(Krullの単項イデアル定理)より B_p の
次元は1である。m ⊆ p であるから B_p は A を支配する。
補題(>>994)より B_p の K における整閉包 B~ は
Dedekind整域である。B~ の任意の極大イデアルを M とする。
B~_M は離散付値環である。B_p ∩ M は B_p の極大イデアル
である(Cohen-Seidenberg)から B~_M は B_p を支配する。
補題(>>992)より L の離散付値環で B~_M を支配、即ち A
を支配するものが存在する。

996 名前:132人目の素数さん [04/01/02 03:44]
Hartshorne Ex.4.11 (b) の解答

Ex.4.11 (a) と本文の Th.4.3 と Th.4.7 の証明から
明らか。

997 名前:132人目の素数さん [04/01/02 03:51]
これでこのスレでのHartshorneの問題の解答は終わりだな。
後で参照したい人はこのスレを保存しておいたほうがいいよ。
因みに私のやり方は、「全部読む」をクリックしてから
編集メニューの「すべて選択」を選び、コピーしてから
空のテキストファイルに貼り付ける。

998 名前:132人目の素数さん mailto:sage [04/01/02 04:06]
埋め

999 名前:132人目の素数さん mailto:sage [04/01/02 04:08]
生め

1000 名前:132人目の素数さん mailto:sage [04/01/02 04:08]
1000GET!

1001 名前:1001 [Over 1000 Thread]
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。






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