補題 X を体 k 上の有限型の整スキームとし、K をその関数体とする。 K/k の任意の付値環が一意に定まる中心を X 上に持てば X の 任意の既約かつ被約な閉部分スキーム Y に対しても同様のこと が成り立つ。即ち、Y の生成点を y としたとき、k(y) の任意の 付値環は、一意に定まる中心を Y 上に持つ。
証明 k(y) の任意の付値環を R とする。 Ex.4.5 (a) の逆が成り立つから、X は k 上分離的である。 よって、本文の Corollary 4.8 (a) より、Y も k 上分離的で ある。故に、Ex.4.5 (a) より R の中心の一意性が言える。 よって、R の中心が Y 上に存在することを示せばよい。 O_y を y における X の局所環とする。I章 Th. 6.1A より O_y はK/k のある付値環 S により支配される。S の剰余体を L とする。k(y) ⊆ L だから、再び I章 Th. 6.1A より R は L/k の付値環 R' により支配される。Φを標準写像 : S → L とし、T = Φ^(-1)(R') と置く。容易にわかるように T は K/k の付値環であり、T の剰余体は R' の剰余体と同一視 される。仮定より T は中心 z を X 上に持つ。O_z を z に おける X の局所環とする。O_z ⊆ T ⊆ S だから、S の 極大イデアル m(S) と O_z との交わりを q とすると、 q は、O_z の素イデアルである。 O_z の q による局所化 (O_z)q は S により支配される。 j: Spec(O_z) → X を標準射とし、j(q) = t と置くと、 (O_z)q は O_t と同一視される。S の中心は一意だから O_t = O_y である。これは、z が y の特殊化であることを 意味する。Φ': O_z → R' をΦの制限写像とする。Φ'の核は、 q である。Φ'(O_z) ⊆ Φ(T) = R' であり、 Φ'(O_z) = O_z/q ⊆ k(y) だからΦ'(O_z) ⊆ R である。 T は O_z を支配するから、R は O_z/q を支配する。 O_z/q は z の Y における局所環だから、補題が証明された。