- 862 名前:132人目の素数さん [03/11/27 23:33]
- 補題
X を体 k 上の有限型スキームとする。任意の k-スキーム Y に対して、射影 f: X x Y → X は開射である。ここに、X x Y は k 上のファイバー積である。 証明(EGA IV 2.4.9) {U_i} を X のアフィン開被覆、{V_j} を Y のアフィン開被覆と すると {U_i x V_j} は X x Y のアフィン開被覆となる。 従がって、X = Spec(A), Y = Spec(B) と仮定してよい。 B の k 上有限型の部分代数全体を{B_i}とする。B_i の添え字の 集合 I にB_i ⊆ B_j ⇔ i ≦ j により順序を定める。 I はこの順序により有向集合となり、B は B_i の帰納的極限 ind lim B_i となる。帰納的極限はテンソル積と可換だから A (x) B = ind lim A (x) B_i となる。 f: Spec(A (x) B) → Spec(A) が開射であることを言うには、 t を A (x) B の任意の元として U = D(t) の形の開集合に対して f(U) が開であることを言えばよい。t は、ある A (x) B_i の元 t_i の像である。U_i = D(t_i) とおく。 g_i: Spec(A (x) B) → Spec(A (x) B_i) を標準射とすると、 U = (g_i)^(-1)(U_i) である。 f_i: Spec(A (x) B_i) → Spec(A) を射影とする。 f: Spec(A (x) B) → Spec(A) は Spec(A (x) B) → Spec(A (x) B_i) → Spec(A) と分解する。 すなわち、f = f_i g_i である。 補題(>>854)より、f_i は開射だから、f(U) = f_i(U_i) を示せば よい。f(U) = f_i(g_i(U)) であり、g_i(U) ⊆ U_i だから、 f(U) ⊆ f_i(U_i) である。 (続く)
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