記法 A を可換環とする。 B = A[X_1、...、X_n] を n 変数の多項式環とする。 B の元 f は f(X_1、...、X_n) = Σc_(a_1、...、a_n) (X_1)^(a_1)...(X_n)^(a_n) と書ける。 ここで (a_1、...、a_n) は (Z+)^n(>>73)の元であり、 c_(a_1、...、a_n) は A の元である。
このとき a = (a_1、...、a_n) X = (X_1、...、X_n) X^a = (X_1)^(a_1)...(X_n)^(a_n) c_a = c_(a_1、...、a_n) と略記する。 よって、f = Σc_a X^a である。
定義 A を可換環とする。 B = A[X_1、...、X_n] を n 変数の多項式環とする。 (Z+)^n(>>73)には辞書式順序(>>75)を入れておく。 f = Σc_a X^a(>>97)を B の 0 でない元とする。 max {a;c_a ≠ 0} ∈ (Z+)^n を f の複次数(multi-degree)と呼び mdeg(f) または mdeg f と書く。
a = mdeg(f) のとき c_a X^a を f の主項(leading term)と呼び lead(f) と書く。 c_a を f の主係数と呼ぶ。
命題 A を可換環とする。 B = A[X_1、...、X_n] を n 変数の多項式環とする。 G を集合 {1、...、n} 上の対称群(>>6)とする。 >>64より B は忠実(過去スレpart5の843)な G-集合(過去スレpart5の77)となる。 このとき、任意の f ∈ B に対して h = Σ[g ∈ O(f)] g は対称多項式(>>64)である。 ここで、O(f) = {σ(f); σ ∈ G} は f の軌道(過去スレpart5の92)である。
証明 H を f の安定化部分群(過去スレpart5の93)とする。 即ち H = {σ ∈ G;σ(f) = f} である。 G/H を G の H による左剰余類全体の集合とする。 σ_1、...、σ_m を G/H の完全代表系とする。 O(f) = {σ_1(f)、...、σ_m(f)} である。 よって、h = σ_1(f) + ...+ σ_m(f) である。 任意の τ ∈ G に対して τσ_1、...、τσ_m は G/H の完全代表系である。 よって、τh = τσ_1(f) + ...+ τσ_m(f) = σ_1(f) + ...+ σ_m(f) = h よって、h は対称多項式である。 証明終
命題 A を可換環とする。 s_k(1 ≦ k ≦ n) を次数 k の基本対称多項式(>>66)とする。 このとき、A[X_1、...、X_n]_sym(>>64)= A[s_1、...、s_n] である。 即ち、A 係数で n 変数の任意の対称多項式は s_1、...、s_n の A 係数の多項式として表される。
証明 >>91より、(Z+)^n (>>73)は整列集合(>>84)である。 M = {(a_1、...、a_n) ∈ (Z+)^n; a_1 ≧ a_2 ≧ ...≧ a_n} とおく。 M は整列集合の部分集合であるから整列集合である。 各 a ∈ M に対して次の命題 P(a) を考える。
P(a):a = mdeg(g) となる g ∈ A[X_1、...、X_n]_sym は常に g ∈ A[s_1、...、s_n] となる。
>>107より g ≠ 0 を A[X_1、...、X_n]_sym の元としたとき mdeg(g) ∈ M である。 よって、M の全ての元 a に対して P(a) が真であることを証明すれば良い。 そのため M に関する超限帰納法(>>110)を使う。
証明 f:M → Z+ を次のように定義する。 a ∈ M のとき f(a) を {x ∈ M; x < a} の元の個数とする。 f は明らかに単調増加(過去スレpart5の783)である。 a < b なら明らかに f(a) < f(b) であるから f は単射である。 任意の n ∈ Z+ に対して n = f(a) となる a ∈ M があることを n に関する帰納法で証明しよう。 n = 0 のときは a として M の最小元をとれば良い。 n > 0 として n - 1 = f(b) となる b ∈ M があると仮定する。 このとき n = f(a) となる a ∈ M があることを示せば良い。 M は無限集合だから {x ∈ M; x > b} は空でない。 a を {x ∈ M; x > b} の最小元とする。 f(a) = f(b) + 1 = n である。
以上から f:M → Z+ は全単射であることが分かった。 f の逆写像を g:Z+ → M とする。 g が単調増加であることは明らかである。 証明終
命題 A を可換環とする。 B = A[X_1、...、X_n] を n 変数の多項式環とする。 C = A[X_1、...、X_(n-1)] とする。 s_k(1 ≦ k ≦ n) を B における次数 k の基本対称多項式(>>66)とする。 t_k(1 ≦ k ≦ n - 1) を C における次数 k の基本対称多項式とする。 このとき各 k、1 ≦ k ≦ n - 1 に対して s_k = t_k + t(k-1)X_n となる。
証明 各 k、1 ≦ k ≦ n - 1 に対して 集合 {1、...、n} の部分集合 T で k 個の要素からなるもの全体を P_k とする。 集合 {1、...、n - 1} の部分集合 S で k 個の要素からなるもの全体を Q_k とする。 R_k = {H ∈ P_k; n ∈ H} とおく。 P_k = Q_k ∪ R_k と直和分割される。 R_k の各元は Q_(k-1) の各元と1対1に対応する。 よって、本命題が得られる。 証明終
定義(過去スレpart5の2の拡張) A を可換環とする。 A[X_1、...、X_n] を n 変数の多項式環とする。 C を可換な A-線型環(過去スレpart1の97)とする。 α_1、...、α_n を C の元の有限列とする。 過去スレpart4の550より A-線型環としての準同型 ψ:A[X_1、...、X_n] → C で 各 i に対して ψ(X_i) = α_i となるものが一意に存在する。 ψ が単射のとき α_1、...、α_n は A 上代数的独立であるという。
命題(van der Waerden) A を可換環とする。 B = A[X_1、...、X_n] を n 変数の多項式環とする。 s_k(1 ≦ k ≦ n) を B における次数 k の基本対称多項式(>>66)とする。 このとき s_1、...、s_n は A 上代数的独立(>>119)である。
証明 n に関する帰納法を使う。 n = 1 のときは s_1 = X_1 であるから本命題は成り立つ。 n > 1 と仮定する。 s_1、...、s_n が A 上代数的独立でないとして矛盾を導こう。 B の元 f ≠ 0 で f(s_1、...、s_n) = 0 となるものがある。 f として X_n に関する次数 m が最小のものをとる。 f = g_m(X_n)^m + g_(m-1)(X_(m-1))^(m-1) + ...+ g_0 とする。 ここで、各 g_i は A[X_1、...、X_(n-1)] の元である。 このとき g_0 ≠ 0 である。 何故なら g_0 = 0 なら f は X_n で割れて m の最小性に反するからである。
命題 A を可換環とする。 A[X_1、...、X_n] を n 変数の多項式環とする。 s_k(1 ≦ k ≦ n) を次数 k の基本対称多項式(>>66)とする。 f ≠ 0 を A[X_1、...、X_n]_sym(>>64)の元とする。 >>111より G ∈ A[X_1、...、X_n] で f = G(s_1、...、s_n) となるものが存在する。 >>120より G は f により一意に定まる。 e = (e_1、...、e_n) = mdeg(f) (>>101)とする。 このとき e_1 = deg(G)(>>121)である。
命題 A を可換環とする。 A[X_1、...、X_n] を n 変数の多項式環とする。 s_k(1 ≦ k ≦ n) を次数 k の基本対称多項式(>>66)とする。 f ≠ 0 を A[X_1、...、X_n]_sym(>>64)の元で同次多項式(>>124)とする。 >>111より G ∈ A[X_1、...、X_n] で f = G(s_1、...、s_n) となるものが存在する。 >>120より G は f により一意に定まる。 このとき G は同重(>>125)でその重さ(>>125)は f の次数(>>121)に等しい。
f の主係数(>>101)を c とする。 f = c(s_1)^(a_1)...(s_n)^(a_n) なら G = c(X_1)^(a_1)...(X_n)^(a_n) とおけば f = G(s_1、...、s_n) となり n = e_1 + ... + e_n = a_1 + 2a_2 + ...+ na_n これは G の重さに等しい。
f ≠ c(s_1)^(a_1)...(s_n)^(a_n) なら h = f - c(s_1)^(a_1)...(s_n)^(a_n) とおく。 各 s_k(1 ≦ k ≦ n)は同次多項式であるから c(s_1)^(a_1)...(s_n)^(a_n) も同次多項式である。 deg(c(s_1)^(a_1)...(s_n)^(a_n)) = e_1 + ... + e_n = n であるから h も次数 n の同次多項式である。 h ≠ 0 であるから mdeg(h) が定義され mdeg(h) < e である。 帰納法の仮定より H ∈ A[X_1、...、X_n] で h = H(s_1、...、s_n) となるものが存在し、 n = deg(h) は H の各項の重さに等しい。 f = c(s_1)^(a_1)...(s_n)^(a_n) + H(s_1、...、s_n) G = c(X_1)^(a_1)...(X_n)^(a_n) + H とおけば G ∈ A[X_1、...、X_n] で f = G(s_1、...、s_n) となる。 G は同重でその重さは f の次数 n に等しい。 証明終
定義 A を可換環とする。 B = A[X_1、...、X_n] を n 変数の多項式環とする。 B の任意の元 f は f = Σc_a X^a(>>97)と書ける。 f の c_a ≠ 0 となる各項 c_a X^a の次数(>>121)が全て等しいとき f を同次多項式と言う。 定数、つまり A の元も同次多項式である。
命題 A を可換環とする。 B = A[X_1、...、X_n] を n 変数の多項式環とする。 s_k(1 ≦ k ≦ n) を次数 k の基本対称多項式(>>66)とする。 f を A[X_1、...、X_n]_sym(>>64)の任意の元とする。 f = Σc_a X^a(>>97)と書ける。 C を {c_a; c_a ≠ 0} で生成される A の部分環とする。 このとき G ∈ C[X_1、...、X_n] で f = G(s_1、...、s_n) となるものが一意に存在する。
証明 f ∈ C[X_1、...、X_n]_sym であるから >>111より G ∈ C[X_1、...、X_n] で f = G(s_1、...、s_n) となるものが存在する。 >>120より G は f により一意に定まる。 証明終
補題 A を可換環とする。 A[X] を 1 変数の多項式環とする。 f ∈ A[X] をモニック(過去スレpart1の115)な多項式とする。 n = deg f とする。 M = A + AX + ...+ AX^(n-1) とおく。 このとき A[X] は A-加群として M と fA[X] の直和である。
証明 A[X] の任意の 元 g ≠ 0 に対して g = fq + r、deg r < n となる A[X] の元 q, r が一意に定まる。 これより本命題は明らかである。 証明終
補題 A を可換環とする。 B = A[X_1、...、X_n] を n 変数の多項式環とする。 C = A[X_1、...、X_(n-1)] とする。 s_k(1 ≦ k ≦ n) を B における次数 k の基本対称多項式(>>66)とする。 t_k(1 ≦ k ≦ n - 1) を C における次数 k の基本対称多項式とする。 このとき各 k、1 ≦ k ≦ n - 1 に対して t_k = (-1)^k (X_n)^k + Σ[i = 1、...、k] (-1)^(k-i) s_i (X_n)^(k-i)
証明 k に関する帰納法を使う。 t_1 = X_1 + ...+ X_(n-1) = -X_n + s_1 だから k = 1 のときは成り立つ。
補題 A を可換環とする。 E = A[X_1、...、X_n] を n 変数の多項式環とする。 s_k(1 ≦ k ≦ n)を E における次数 k の基本対称多項式(>>66)とする。 B = A[X_n] とする。 E = B[X_1、...、X_(n-1)] である。 R = B[X_1、...、X_(n-1)]_sym (>>64)とする。 このとき R = B[s_1、...、s_(n-1)] であり s_1、...、s_(n-1) は B 上代数的独立(>>119)である。
証明 t_k(1 ≦ k ≦ n - 1)を A[X_1、...、X_(n-1)] における次数 k の基本対称多項式とする。
補題 A を可換環とする。 E = A[X_1、...、X_n] を n 変数の多項式環とする。 S = A[X_1、...、X_n]_sym (>>64)とする。 B = A[X_n] とする。 R = B[X_1、...、X_(n-1)]_sym とする。 このとき R は 1、X_n、...、(X_n)^(n-1) を S 上の基底とする S-自由加群である。
命題 A を可換環とする。 B を A 上の可換な線型環(過去スレpart1の97)とする。 C を B 上の線型環とする。 (e_i)、i ∈ I を B の A 上の基底とする。 (f_j)、j ∈ J を C の B 上の基底とする。 このとき、((e_i)(f_j))、(i, j) ∈ I×J は C の A 上の基底である。
命題 A を可換環とする。 E = A[X_1、...、X_n] を n 変数の多項式環とする。 s_k を E における次数 k の基本対称多項式(>>66)とする。 S = A[X_1、...、X_n]_sym (>>64)とする。 I = {(a_1、...、a_n) ∈ (Z+)^n(>>73); 0 ≦ a_i < i、(1 ≦ i ≦ n)} とおく。 このとき単項式の族 (X^a)、a ∈ I は E の S-加群としての基底である。 即ち、E は S 上の階数 n! の自由加群である。
証明 n に関する帰納法を使う。 n = 1 のときは本命題は自明である。 n > 1 とする。 B = A[X_n] とする。 E = B[X_1、...、X_(n-1)] である。 R = B[X_1、...、X_(n-1)]_sym とする。 t_k(1 ≦ k ≦ n - 1) を A[X_1、...、X_(n-1)] における次数 k の基本対称多項式とする。 J = {(a_1、...、a_(n-1)) ∈ (Z+)^(n-1)(>>73); 0 ≦ a_i < i、(1 ≦ i ≦ (n-1))} とおく。 帰納法の仮定より、単項式の族 ((X_1)^(a_1)...(X_(n-1))^(a_(n-1)))、a ∈ J は E の R-加群としての基底である。 一方、>>143より R は 1、X_n、...、(X_n)^(n-1) を S 上の基底とする S-自由加群である。 よって、本命題は>>144より得られる。 証明終
命題 A を可換環とする。 s_k(1 ≦ k ≦ n) を次数 k の基本対称多項式(>>66)とする。 f を A[X_1、...、X_n]_sym(>>64)を任意の元とする。 このとき f = G(s_1、...、s_n) となる G ∈ A[X_1、...、X_n] が存在する。 さらに G の重さ(>>125)は f の次数(>>121)に等しくなるように G を選べる。
証明 m = deg f(>>134)とする。 n と m に関する2重帰納法を使う。 n ≦ 1 のときは自明である。 n > 1 とする。
A[X_1、...、X_(n-1)]-線型環(過去スレpart1の97)としての準同型 ψ:A[X_1、...、X_n] → A[X_1、...、X_(n-1)] を ψ(X_n) = 0 により定める。 t_k(1 ≦ k ≦ n - 1) を A[X_1、...、X_(n-1)] における次数 k の基本対称多項式とする。 >>118より各 k、1 ≦ k ≦ n - 1 に対して s_k = t_k + t_(k-1)X_n よって、ψ(s_k) = t_k
ψ(f) は対称多項式であるから帰納法の仮定より P ∈ A[X_1、...、X_(n-1)] があり ψ(f) = P(t_1、...、t_(n-1)) となる。 P の重さは deg ψ(f) に等しくなるように P を選べる。 ψ(f - P(s_1、...、s_(n-1))) = P(t_1、...、t_(n-1)) - P(t_1、...、t_(n-1)) = 0 よって、>>136より f - P(s_1、...、s_(n-1)) は X_n で割れる。 f - P(s_1、...、s_(n-1)) は対称多項式であるから各項は X_i (1 ≦ i ≦ n - 1)で割れる。 よって、f - P(s_1、...、s_(n-1)) は s_n = (X_1)...(X_n) で割れる。 よって、f = P(s_1、...、s_(n-1)) + (s_n)h となる h ∈ A[X_1、...、X_(n-1)] がある。 任意の σ ∈ Sym({1、...、n})(>>6)をこの等式の両辺に作用(>>64)させると f = P(s_1、...、s_(n-1)) + (s_n)σh よって、(s_n)h = (s_n)σh >>159より h = σh よって、h は対称多項式である。
deg P(s_1、...、s_(n-1)) = deg P(t_1、...、t_(n-1)) = deg ψ(f) ≦ deg f = m よって、deg (s_n)h = deg(f - P(s_1、...、s_(n-1)) ≦ m deg (s_n)h = n + deg h だから deg h ≦ m - n < m
よって、帰納法の仮定より h = Q(s_1、...、s_n) となる Q ∈ A[X_1、...、X_n] がある。 Q の重さは deg h に等しくなるように Q を選べる。 G(X_1、...、X_n) = P(X_1、...、X_(n-1)) + X_nQ(X_1、...、X_n) とおけば G(X_1、...、X_n) ∈ A[X_1、...、X_n] で f = G(s_1、...、s_n) である。 P の重さ = deg ψ(f) ≦ deg f = m Q の重さ = deg h ≦ m - n よって、X_nQ の重さ ≦ m よって、G の重さ ≦ m G の重さ < m なら deg f < m となって矛盾。 よって、G の重さ = m 証明終
命題 A を可換環とする。 B と C を次数付き A-線型環(>>158)とする。 f:B → C を次数付き A-線型環としての準同型(>>159)とする。 1_B と 1_C をそれぞれ B と C の恒等写像とする。 次数付き A-線型環としての準同型 g:C → B で gf = 1_B、fg = 1_C となるものがあるとき f を次数付き A-線型環としての同型写像または同型と呼ぶ。 このとき B と C は次数付き A-線型環として同型であると言う。
定義 A を可換環とする。 B と C を次数付き A-線型環(>>158)とする。 f:B → C を次数付き A-線型環としての準同型(>>159)とする。 1_B と 1_C をそれぞれ B と C の恒等写像とする。 次数付き A-線型環としての準同型 g:C → B で gf = 1_B、fg = 1_C となるものがあるとき f を次数付き A-線型環としての同型写像または同型と呼ぶ。 このとき B と C は次数付き A-線型環として同型であると言う。
命題 A を可換環とする。 B を次数付き A-線型環(>>158)とする。 C を B の A-線型部分環(過去スレpart1の108)とする。 C が B の次数付き A-線型部分環(>>169)であるためには C の任意の元の各同次成分(>>170)が C に属すことが必要十分である。
証明 必要性: C が B の次数付き A-線型部分環であるとする。 C は A-部分加群 C ∩ B_n、n = 0、1、...の直和である。 よって、C の任意の元 x は x = Σy_n と一意に書ける。 ここで y_n ∈ C ∩ B_n、n = 0、1、...である。 他方、x = Σx_n と一意に書ける。 ここで x_n ∈ B_n、n = 0、1、...である。 よって、y_n = x_n、n = 0、1、...である。 よって、各 x_n は C に属す。
十分性: C の任意の元の各同次成分が C に属すとする。 C の任意の元 x は x = Σx_n と一意に書ける。 ここで x_n ∈ B_n、n = 0、1、...である。 仮定より各 x_n は C に属すから x_n ∈ C ∩ B_n、n = 0、1、...である。 よって、C は A-部分加群 C ∩ B_n、n = 0、1、...の直和である。 よって、C は B の次数付き A-線型部分環である。 証明終
命題 A を可換環とする。 B = A[X_1、...、X_n] を n 変数の多項式環とする。 B の次数付けを同次(>>167)として B を次数付き A-線型環(>>158)と見なす。 このとき、A[X_1、...、X_n]_sym(>>64)は B の次数付き A-線型部分環(>>169)である。
命題 A を可換環とする。 B = A[X_1、...、X_n] を n 変数の多項式環とする。 s_k(1 ≦ k ≦ n)を B における次数 k の基本対称多項式(>>66)とする。 B の次数付けを同次(>>167)として B を次数付き A-線型環(>>158)と見なす。 >>172より A[X_1、...、X_n]_sym(>>64)は B の次数付き A-線型部分環(>>169)である。
C = A[Y_1、...、Y_n] を n 変数の多項式環とする。 C の次数付けを同重(>>168)として C を次数付き A-線型環と見なす。
ψ(f) は対称多項式であるから帰納法の仮定より P ∈ A[X_1、...、X_(n-1)] があり ψ(f) = P(t_1、...、t_(n-1)) となる。 ψ(f - P(s_1、...、s_(n-1))) = P(t_1、...、t_(n-1)) - P(t_1、...、t_(n-1)) = 0 よって、>>136より f - P(s_1、...、s_(n-1)) は X_n で割れる。 f - P(s_1、...、s_(n-1)) は対称多項式であるから各項は X_i (1 ≦ i ≦ n - 1)で割れる。 よって、f - P(s_1、...、s_(n-1)) は s_n = (X_1)...(X_n) で割れる。 よって、 f = P(s_1、...、s_(n-1)) + (s_n)h となる h ∈ A[X_1、...、X_(n-1)] がある。
任意の σ ∈ Sym({1、...、n})(>>6)をこの等式の両辺に作用(>>64)させると f = P(s_1、...、s_(n-1)) + (s_n)σh よって、(s_n)h = (s_n)σh >>159より h = σh よって、h は対称多項式である。
deg P(s_1、...、s_(n-1)) = deg P(t_1、...、t_(n-1)) = deg ψ(f) ≦ deg f = m よって、deg (s_n)h = deg(f - P(s_1、...、s_(n-1)) ≦ m deg (s_n)h = n + deg h だから deg h ≦ m - n < m
よって、帰納法の仮定より h = H(s_1、...、s_n) となる H ∈ A[X_1、...、X_n] がある。 G(X_1、...、X_n) = P(X_1、...、X_(n-1)) + X_nH(X_1、...、X_n) とおけば f = G(s_1、...、s_n) である。 証明終
定義 K を可換体とする。 L = K(X_1、...、X_n) を K 上の n 変数の有理関数体(>>8)とする。 G を {1、...、n} 上の対称群(>>6)とする。 >>10より G は Aut(L/K)(過去スレpart4の847)の部分群と見なされる。 G の固定体(過去スレpart4の863)を K(X_1、...、X_n)_sym と書き K 上の n 変数の対称有理関数体と言う。 K(X_1、...、X_n)_sym の元を K 上の n 変数の対称有理関数と呼ぶ。
命題 K を可換体とする。 L = K(X_1、...、X_n) を K 上の n 変数の有理関数体(>>8)とする。 K(X_1、...、X_n)_sym(>>6)は K[X_1、...、X_n]_sym(>>64)の商体である。
証明 A = K[X_1、...、X_n] S = K(X_1、...、X_n)_sym R = K[X_1、...、X_n]_sym とおく。 R の商体を M とする。 R ⊂ S だから M ⊂ S よって、逆の包含関係を示せば良い。
G を {1、...、n} 上の対称群(>>6)とする。 f ∈ S を任意の対称有理関数とする。 f = g/h、g ∈ A、h ∈ A と書ける。 h’= Π[σ ∈ G]σh とおく。 h’∈ R である。 h ≠ 0 だから h’≠ 0 である。 g’= h’f とおく。 g’= h’(g/h) ∈ A 一方、g’は対称有理関数の積だから対称有理関数である。 よって、g’∈ A ∩ S = R よって、f = g’/h’∈ M よって、S ⊂ M 証明終
命題 K を可換体とする。 L = K(X_1、...、X_n) を K 上の n 変数の有理関数体(>>8)とする。 K(X_1、...、X_n)_sym(>>178)は K[X_1、...、X_n]_sym(>>64)の商体である。
証明 A = K[X_1、...、X_n] S = K(X_1、...、X_n)_sym R = K[X_1、...、X_n]_sym とおく。 R の商体を M とする。 R ⊂ S だから M ⊂ S よって、逆の包含関係を示せば良い。
G を {1、...、n} 上の対称群(>>6)とする。 f ∈ S を任意の対称有理関数とする。 f = g/h、g ∈ A、h ∈ A と書ける。 h’= Π[σ ∈ G]σh とおく。 h’∈ R である。 h ≠ 0 だから h’≠ 0 である。 g’= h’f とおく。 g’= h’(g/h) ∈ A 一方、g’は対称有理関数の積だから対称有理関数である。 よって、g’∈ A ∩ S = R よって、f = g’/h’∈ M よって、S ⊂ M 証明終
命題 K を可換体とする。 A = K[X_1、...、X_n] を n 変数の多項式環とする。 s_k(1 ≦ k ≦ n)を A における次数 k の基本対称多項式(>>66)とする。 L = K(X_1、...、X_n) を n 変数の有理関数体(>>8)とする。 このとき、K(X_1、...、X_n)_sym(>>178)= K(s_1、...、s_n)である。
命題 K を可換体とする。 f(X) を K 係数の定数でない1変数多項式とする。 L/K を f(X) の最小分解体(過去スレpart4の542)とする。 G = Aut(L/K)(過去スレpart4の847)とする。 f(X) の L における根全体の集合を S とする。 任意の σ ∈ G に対して σ(S) ⊂ S であり S は有限集合であるから σ(S) = S である。 よって、σ は S の置換を引き起こす。 よって S は G-集合(過去スレpart5の77)となる。 このとき S は忠実(過去スレpart5の843)な G-集合である。
証明 σ ∈ G が S の恒等写像を引き起こすとする。 σ = 1 を示せば良い。 S = {α_1、...、α_m} とする。 L = K(α_1、...、α_m) (過去スレpart4の539)である。 過去スレpart4の609より L = K[α_1、...、α_m] である。 よって L の任意の元 x に対して x = G(α_1、...、α_m) となる G ∈ K[X_1、...、X_m] がある。 σ(x) = σ(G(α_1、...、α_m)) = G(σ(α_1)、...、σ(α_m)) = G(α_1、...、α_m) = x よって、σ = 1 である。 証明終
命題 K を可換体とする。 A = K[X_1、...、X_n] を n 変数の多項式環とする。 s_k(0 ≦ k ≦ n)を A における次数 k の基本対称多項式(>>66)とする。 L = K(X_1、...、X_n) を n 変数の有理関数体(>>8)とする。 このとき、K(X_1、...、X_n)_sym(>>178)= K(s_1、...、s_n)である。
証明 S = K(X_1、...、X_n)_sym とおく。 M = K(s_1、...、s_n) とおく。
G を {1、...、n} 上の対称群(>>6)とする。 >>10より G は Aut(L/K)(過去スレpart4の847)の部分群と見なされる。 S は G の固定体(過去スレpart4の863)だから Artinの定理(過去スレpart1の438)より L/S はGalois拡大(過去スレpart4の844)で G = Aut(L/S) である。 過去スレpart1の317より |G| = [L : S] であるから [L : S] = n! である。