命題 A を可換環とする。 s_k(1 ≦ k ≦ n) を次数 k の基本対称多項式(>>66)とする。 このとき、A[X_1、...、X_n]_sym(>>64)= A[s_1、...、s_n] である。 即ち、A 係数で n 変数の任意の対称多項式は s_1、...、s_n の A 係数の多項式として表される。
証明 >>91より、(Z+)^n (>>73)は整列集合(>>84)である。 M = {(a_1、...、a_n) ∈ (Z+)^n; a_1 ≧ a_2 ≧ ...≧ a_n} とおく。 M は整列集合の部分集合であるから整列集合である。 各 a ∈ M に対して次の命題 P(a) を考える。
P(a):a = mdeg(g) となる g ∈ A[X_1、...、X_n]_sym は常に g ∈ A[s_1、...、s_n] となる。
>>107より g ≠ 0 を A[X_1、...、X_n]_sym の元としたとき mdeg(g) ∈ M である。 よって、M の全ての元 a に対して P(a) が真であることを証明すれば良い。 そのため M に関する超限帰納法(>>110)を使う。