X が性質Pを満たさないと仮定して矛盾となることを示す。 X の閉集合で性質Pを満たさないものの集合をSとする。 X ∈ S だからS は空でない。 X は仮定よりネーター空間だから、S は包含関係による極小元 F を 持つ。Fの真部分閉集合は性質Pを満たす。従がって、仮定より Fは性質Pを満たす。仮定よりFは性質Pを満たさないから、これは矛盾である。
F をZariski空間 X の空でない極小閉集合とする。 x ∈ F なら {x}の閉包は F に含まれるから F と一致する。 つまり、F の任意の点は F の生成点である。 Zariski空間 X の定義より、F の生成点は一意に決まるから F は一点よりなる。
817 名前:132人目の素数さん [03/11/20 21:58]
II Ex. 3.17 (c) の解答
x と y を X の相異なる2点とする。 X はZariski空間だから、{x} の閉包 A と {y] の閉包 B は異なる。 つまり、 A は B に含まれないか、B は A に含まれない。 これは、(c) の主張を意味する。
818 名前:132人目の素数さん [03/11/20 22:04]
II Ex. 3.17 (d) の解答
x を X の生成点とする。 定義から X は {x} の閉包である。 これより、(d) の主張は明らかである。
819 名前:132人目の素数さん [03/11/20 22:48]
II Ex. 3.17 (e) の解答
x を 特殊化(specialization)における極小元とする。 F を {x} の閉包とし、y を F の元とする。 {y} の閉包は F に含まれるから F と一致する。 従がって y は F の生成元である。 X は Zariski空間だから F の生成元は一意に決まる。 故に、 x = y である。即ち、F は閉点である。
x を 特殊化(specialization)における極大元とする。 F を {x} の閉包とする。 F を含む既約閉集合を E とする。 X は Zariski空間だから E は生成元 y を持つ。 x は y の特殊化だから、x の極大性より x = y である。 故に, F = E となる。これは、F が X の既約成分であることを 意味する。
F を X の閉集合とする。 x を F の点とし、y を x の特殊化とする。 E を {x} の閉包とする。 E は F に含まれる。従がって、y も F に含まれる。 つまり、閉集合は特殊化で安定的(stable)である。
U を X の開集合とする。 x を U の点とし、y を x の一般化(generization)とする。 x は {y} の閉包に属すから、 y は U に含まれる。 つまり、開集合は一般化で安定的である。
今、注文しておいた洋書の古本が届いた。 Theorie der Kahlerschen Mannigfaltigkeiten by Andre Weil. 表紙を見たら Saunders MacLane のサインがあった。 裏表紙の内側にMacLaneの蔵書よりと古書店の書き込みがあった。 サインも古びており偽物と疑う理由はない。
定義より、t(X) の閉集合は、t(Y) の形の集合である。ここに Y は X の閉集合である。本文 (2.6) のように、写像 α: X → t(X) を α(p) = {p}~ で定義する。ここに、{p}~ は {p} の閉包である。 容易にわかるように、Y が X の閉集合なら α^(-1)(t(Y)) = Y である。t(Y_1) ⊆ t(Y_2) ... を t(X) の閉集合の昇鎖列とする。 この列にα^(-1)を作用させると、Y_1 ⊆ Y_2 ...となる。 X がネーター空間なら、この列はある番号から先一致する。 従がって列 t(Y_1) ⊆ t(Y_2) ...もある番号から先一致する。 故に、t(X) はネーター空間である。
t(Y) が t(X) の既約閉集合とする。 Y = Y_1 ∪ Y_2 とする。ここで、Y_1, Y_2 は閉集合。 t(Y) = t(Y_1) ∪ t(Y_2) だから、t(Y) = t(Y_1) または t(Y) = t(Y_2) となる。これより、Y = Y_1 または Y = Y_2 となる。即ち Y は既約である。従がって Y ∈ t(Y) となる。 Z を X の閉集合として、Y ∈ t(Z) とする。これは、Y ⊆ Z を 意味する。故に、t(Y) ⊆ t(Z) となる。これは、t(Y) が {Y} 閉包であることを意味する。即ち Y は t(Y) の生成点である。 Z をt(Y) のもう一つの生成点とする。{Z} の閉包は t(Z) であるから、 t(Y) = t(Z) となり、 Y = Z となる。即ち、t(Y) の生成点は 一意に決まる。以上で、t(X) はZariski空間であることが証明された。
(続く)
831 名前:132人目の素数さん [03/11/22 22:57]
II Ex. 3.17 (f) の解答の続き
X はZariski空間であるとする。 α: X → t(X) が全単射であることは明らかである。 Y を X の閉集合とする。α(Y) = t(Y) だから、 αは閉写像であり、従がって、同相写像である。
逆に、α: X → t(X) が同相写像であるとする。 t(X) はZariski空間であるから、X もZariski空間である。
832 名前:132人目の素数さん [03/11/22 23:43]
II Ex. 3.18 (a) の解答
X の局所閉集合の有限個の直和となる部分集合の全体をΩとする。 任意の開集合はΩに属すから、Ωは有限個の交わりと補集合をとる 操作に関して閉じていることを示せばよい。
局所閉集合の有限個の交わりは局所閉集合である。 これから E_1 ∈ Ω, E_2 ∈ Ω のとき E_1 ∩ E_2 ∈ Ωとなる。 よって、Ωは有限個の交わりをとる操作に関して閉じている。 次にΩは補集合をとる操作に関して閉じていることを示す。 X の部分集合 A に対して C(A) を A の補集合とする。 U を開集合、F を閉集合とする。 U ∪ F = (U - F) ∪ (U ∩ F) ∪ (F - U) だから、 U ∪ F ∈ Ω となる。 C(U ∩ F) = C(U) ∪ C(F) だから、C(U ∩ F) ∈ Ω となる。 Z_1 と Z_2 を局所閉集合とする。 E = Z_1 ∪ Z_2 なら、C(E) = C(Z_1) ∩ C(Z_2) であり、 上で述べたことより、C(Z_1) ∈ Ω, C(Z_2) ∈ Ωであり、 従がって、C(E) ∈ Ω である。
833 名前:132人目の素数さん [03/11/23 02:03]
II Ex. 3.18 (b) の解答
x を X の生成点とする。 E を X の可構集合(constructible subset) とする。 さらに E が X で稠密とする。 E は局所閉集合 Z_1, ... Z_n の直和とする。 E の閉包、即ち X は、各 Z_i の閉包の合併集合であり、 X は既約だから、ある Z_i の閉包と一致する。 Z_i = U ∩ C(V) とする。ここで、U と V は X の開集合であり、 C(V) = X - V である。 U が空とすると、Z_i は空であり、Z_i が稠密であることに反する。 従がって U は空でない。x は X の生成点だから、 x ∈ U となる。さらに V が空でないとすると、Z_i ∩ V は 空だから Z_i が稠密であることに反する。 従がって、V は空であり、Z_i = U となる。 これから、x ∈ Z_i ⊆ E であり、E が空でない開集合 U を含む ことが分かる。
S を X の可構集合とし、特殊化で安定とする。 S が閉集合であることを示す。 U = X - S と置く。 S の閉包の既約成分を F_1, ... F_n とする。 各 F_i の生成点を P_i とする。 ある i に対して P_i ∈ U と仮定する。 i = 1 と仮定してよい。 U は X の可構集合だから、U ∩ F_1 は F_1 の可構集合である。 II Ex. 3.18 (b) より、U ∩ F_1 は F_1 の空でな開集合 V を 含む。G = F_1 - V と置く。 V ⊆ U だから S = X - U ⊆ G ∪ F_2 ∪ ...∪ F_n となる。 これより、[S] = G ∪ F_2 ∪ ...∪ F_n となる。 ここで [S] は S の閉包をあらわす。G は F_1 の真閉部分集合 だから、これは F_1 が [S] の既約成分であることと矛盾する。 従がって、各 P_i は S に含まれる。仮定より、 S は特殊化で安定であるから、各 F_i は、S に含まれる。 よって、S = [S] となり S は閉集合である。
次に (c) の後半を示す。 T を X の可構集合とし、一般化で安定とする。 X - T が閉集合であることを示せばよい。 x を X - T の点とする。 y を x の特殊化とする。x は y の一般化である。 y ∈ T と仮定すると、 仮定よりT は一般化で安定だから x ∈ T となり矛盾。従がって y ∈ X - T である。 これは、X - T が特殊化で安定であることを意味する。 故に、前半の結果から X - T は閉集合である。
838 名前:132人目の素数さん [03/11/23 20:16]
補題 A をネーター環、X = Spec(A) とする。 Z を X の可構部分集合とする。 このとき、アフィンスキーム Y と有限型の射 f: Y → X が 存在し、f(Y) = Z となる。
証明 Z を局所閉集合 Z_1, ... Z_n の直和とする。 各 Z_i に対して アフィンスキーム Y_i と 有限型の射 f_i: Y_i → X が存在し、f(Y_i) = Z_i とする。 Y を {Y_i} の直和スキームとする。f を {f_i} から誘導される 射 f: Y → X とする。f(Y) = Z であり、f は有限型であるから Z が局所閉集合の場合に補題を証明すればよい。 Z = U ∩ F となる X の開集合 U と閉集合 F が存在する。 U はアフィン開集合 D(h_i) の有限個の合併集合となるから、 U はアフィン開集合 D(h) と仮定してよい。 F を X の被約な閉部分スキームと考える。 U x F を X 上のファイバー積とし、Y = U x F とおく。 f(Y) = U ∩ F であり、f は有限型である。 証明終
839 名前:132人目の素数さん [03/11/23 20:17]
補題 X をネータースキームとし、Z を X の可構部分集合とする。 このとき、アフィンスキーム Y と有限型の射 f: Y → X が 存在し、f(Y) = Z となる。
証明 X は有限個のアフィン開集合 U_i の合併となる。 各 Z ∩ U_i は U_i の可構部分集合である。 前補題より、アフィンスキーム Y_i と有限型の射 f_i: Y_i → U_i が存在し、f_i(Y_i) = Z ∩ U_i となる。 g_i: U_i → X を標準埋入射とする。 h_i = (g_i)(f_i) : Y_i → X とする。 Y を {Y_i} の直和スキームとする。f を {h_i} から誘導される 射: Y → X とすればよい。 証明終
840 名前:132人目の素数さん [03/11/23 21:44]
補題 X をZariski空間とし、E を X の部分集合とする。 X の任意の既約閉集合 Y に対して、以下の条件(*) が成り立つとする。
(*) E ∩ Y が Y において稠密なら、 E ∩ Y は Y の空でない開集合を含む。
このとき、E は X の可構部分集合である。
証明 ネーター帰納法を使う。 X の任意の真閉部分集合 F に対して E ∩ F が F の 可構部分集合であると仮定してよい。 X が既約でない場合、Y_1, ..., Y_n を X の既約成分とする。 各 E ∩ Y_i は可構部分集合であるから、E は可構部分集合である。 X が既約とする。E が X において稠密でないなら、 E の閉包 [E] は E の真閉部分集合だから、 E は E の閉包 [E] の可構部分集合である。故に、E 自体が 可構部分集合である。 E が X において稠密とする。条件(*)より E は X の空でない開集合 U を含む。 E = (E - U) ∪ U であり、X - U は X の真閉部分集合だから E - U は X - U の、従がって X の可構部分集合である。 故に、E は X の可構部分集合である。
841 名前:132人目の素数さん [03/11/23 21:45]
以前 Harrison とかいうひとのホームページで Hartshorne の2章とかの 解答公開してたけど、Harrison のそのホームページ現在はなくなってた。
勿体無い・・。
842 名前:132人目の素数さん [03/11/23 21:48]
II Ex. 3.19 (a) の解答
Y は有限個のアフィン開集合 U_i の合併となる。 f の 制限 f_i: f^(-1)(U_i) → U_i を考える。 Z_i = Z ∩ f^(-1)(U_i) は f^(-1)(U_i) の可構部分集合である。 f_i(Z_i) = f(Z) ∩ U_i であるから、f(Z) ∩ U_i が U_i の 可構部分集合であれば、f(Z) が Y の可構部分集合であることが いえる。即ち、Y をアフィンスキームと仮定してよい。
補題(>>839)より、アフィンスキーム X' と 有限型の射 g: X' → X が存在し、g(X') = Z となる。 h = fg とすれば、h(X') = f(Z) である。 h は有限型だから、X はアフィンスキームとし、X = Z と 仮定してよい。
補題(>>840)より、Y の任意の既約閉集合 F に対して、 f(X) ∩ F が F において稠密なら、 f(X) ∩ F は F の空でない開集合を含むことを示せばよい。 F を被約な閉部分スキームとみなす。 T = X x F とおく。ここで、X x F は Y 上のファイバー積である。 g: T → F を射影とする。 T は位相空間として f^(-1)(F) と見なせ、 g は f の制限と見なせる。 従がって、g(T) = f(X) ∩ F である。 以上から、Y は既約で、f は支配的と仮定してよい。
X を既約成分 X_i に分解する。ある X_i に対して f(X_i) は Y で稠密である。これより、X も既約と仮定してよい。 さらに、X, Y をそれぞれの被約化 X_red, Y_red に置き換える ことにより X と Y は被約と仮定してよい。 証明終
B = A[x_1, ..., x_n] とし n に関する帰納法による。 n = 1 の場合が証明出来ればよい。 B = A[x] とする。
まず、x が A 上超越的な場合を考える。 b が A に含まれる場合は自明であるから b は A に含まれないとする。 b = a_r x^r + ... + a_1 x + a_0 とする。 ここで、r > 0 で、各 a_i は A の元で、a_r ≠ 0 である。 φ: A → K をφ(a_r) ≠ 0 となる準同型とする。 多項式 φ(a_r) X^r + ... + φ(a_1) X + φ(a_0) の K に おける根以外の K の元の一つをθとする。 K は無限体だからこのような元は存在する。 φの拡張 φ': B → K をφ'(x) = θにより定義する。 定義から、φ'(b) ≠ 0 である。 (続く)
848 名前:132人目の素数さん [03/11/24 00:01]
II Ex. 3.19 (b) の解答(続き)
次に、x が A 上代数的な場合を考える。 x が満たす A 上の関係式を c_m x^m + ... + c_1 x + c_0 = 0 とする。 ここで、各 c_i は A の元で c_m ≠ 0 である。 b もA 上代数的であるから、 d_s b^s + ... + d_1 b + d_0 = 0 とする。 ここで、各 d_i は A の元で d_0 ≠ 0 である。 a = (c_m)(d_0) とおく。 φ: A → K をφ(a) ≠ 0 となる準同型とする。 φは φ': A[1/a] → K に拡張される。 この核を P' とする。P' は A[1/a] の素イデアルである。 x は A[1/a] 上整であるから、A[1/a][x] の素イデアル Q で、P' = A[1/a] ∩ Q となるものが存在する。 A[1/a][x]/Q の商体は、A[1/a]/P' の商体の代数拡大だから、 単射準同型 A[1/a][x]/Q → K で、 φ'から誘導される単射準同型 A[1/a]/P' → K の拡張と なるものがある。よって、φ': A[1/a] → K は、 φ'': A[1/a][x] → K に拡張される。 φ''(b) = 0 とすると、φ(d_0) = 0 となり、φ(a) ≠ 0 に矛盾する。よってφ''を A[x] に制限した写像が求めるものである。 (続く)
849 名前:132人目の素数さん [03/11/24 00:02]
II Ex. 3.19 (b) の解答(続き)
次に Spec(B) → Spec(A) の像が空でない開集合を含む ことを示す。 b = 1 の場合を考える。 P を A の素イデアルで D(a) に含まれるとする。 A/P の商体の代数的閉包 を K とする。 i:A/P → K を標準単射とし、j: A → A/P を標準写像とする。 φ= ij とおく。φ(a) ≠ 0 だから、φの拡張 φ': B → K が 存在する。φ'の核を Q とすれば、P = A ∩ Q となる。 これは、Spec(B) → Spec(A) の像が D(a) を含むことを意味する。 証明終
定義 f: X → Y をスキームの射とする。 X の各点 x で O_x が O_f(x)-加群として平坦なとき、 f を平坦射と呼ぶ。
補題 X = Spec(A), Y = Spec(B) をアフィンスキームとし、 f: Y → X をスキームの射とする。 f が平坦なことと B が A-平坦なことは同値である。
証明 B が A-平坦とする。φ: A → B を f に付属する射とする。 q を B の素イデアルとし、 p = φ^(-1)(q) とおく。 0 → N → M を A_p-加群の完全列とする。 これは A-加群の完全列でおある。B は A-平坦だから、 0 → N (x) B → M (x) B は完全である。B_q は B-平坦だから、 0 → (N (x) B) (x) B_q → (M (x) B) (x) B_q も完全である。 これは 0 → N (x) B_q → M (x) B_q が完全であることを意味する。 即ち、B_q は A_p 上平坦である。故に、f は平坦である。
逆に f が平坦とする。 0 → N → M を A-加群の完全列とする。 q を B の素イデアルとし、 p = φ^(-1)(q) とおく。 0 → N (x) A_p → M (x) A_p は完全である。 仮定より、B_q は A_p-平坦だから、 0 → (N (x) A_p) (x) B_q → (M (x) A_p) (x) B_q は完全である。 0 → (N (x) B) (x) B_q → (M (x) B) (x) B_q が完全であることを 意味する。q は B の任意の素イデアルであるから、 0 → N (x) B → M (x) B は完全である。 即ち、B は A-平坦である。 証明終
853 名前:132人目の素数さん [03/11/24 13:44]
定義 f: X → Y をスキームの射とする。 f が全射かつ平坦なとき、忠実平坦な射という。
補題 X = Spec(A), Y = Spec(B) をアフィンスキームとし、 f: Y → X をスキームの射とする。 f が忠実平坦なことと B が A上忠実平坦なことは同値である。 証明 B が A上忠実平坦とする。 p を A の素イデアルとする。k(p) = A_p/pA_p とおく。 B (x) k(p) は 0 でない(>>131)。 したがって、p のファイバー f^(-1)(p) = Spec(B (x) k(p)) は 空でない。故に、f は全射である。補題より、f は平坦だから 忠実平坦である。
逆に、f が 忠実平坦とする。 補題より、B は A上平坦である。 p を A の素イデアルとする。 f は全射だから、p のファイバー f^(-1)(p) = Spec(B (x) k(p)) は 空でない。故に、B (x) k(p) は 0 でない。 よって、B は A上忠実平坦である(>>131)。
854 名前:132人目の素数さん [03/11/24 13:50]
補題 Y をネータースキームとし、 f: X → Y を有限型の平坦射とすれば、f は開射である。
証明 U を X の開集合とする。 f(U) は II Ex.3.19 より可構集合だから、II Ex.3.18 (c) より f(U) が一般化で閉じていることを示せばよい。 x を U の点とし、y = f(x) とする。 O_y → O_x は忠実平坦である(>>131)。 故に Spec(O_x) → Spec(O_y) は全射である(>>853)。 y' を y の一般化とする。y' は Spec(O_y) の元と見なせる。 したがって、x の一般化 x' で f(x') = y' となるものが 存在する。x' ∈ U だから、y' ∈ f(U) である。 証明終
855 名前:132人目の素数さん [03/11/24 14:11]
補題 B を平坦な A-代数とする。 C を A-代数とする。 B (x) C は 平坦な C-代数である。
証明 0 → N → M を C-加群の完全列とする。 これは、A-加群の完全列とも見なせるから、 0 → N (x) B → M (x) B は完全である。 N (x) (C (x) B) = N (x) B (同型) M (x) (C (x) B) = M (x) B (同型) より、 0 → N (x) (C (x) B) → M (x) (C (x) B) は完全である。
856 名前:132人目の素数さん [03/11/24 14:19]
補題 B を忠実平坦な A-代数とする。 C を A-代数とする。 B (x) C は 忠実平坦な C-代数である。
証明 B (x) C が平坦なことは>>855による。 N → M を C-加群の射とする。 0 → N (x) (C (x) B) → M (x) (C (x) B) が完全であるとする。 これは、0 → N (x) B → M (x) B が完全であることを意味する。 B は忠実平坦だから、0 → N → M は完全である。 よって、B (x) C は 忠実平坦である。
補題 k を分離代数的閉体とする。 即ち、k 上の分離代数的閉包は k と一致する。 X を 有限型の k-スキームとする。 X が既約とすると、X x K も既約である。 ここに、K は k の任意の拡大体であり、X x K は、X と Spec(K) の Spec(k) 上のファイバー積を表す。
証明 p: X x K → X を射影とする。 Spec(K) → Spec(k) は忠実平坦だから p も忠実平坦である(>>856)。 したがって、p は全射である。さらに >>862より p は開射である。 >>865 より各点 x ∈ X に対して、 f^(-1)(x) が既約なことを示せ ばよい。f^(-1)(x) = Spec(K (x) k(x)) だから、>>864 より f^(-1)(x) は既約である。
k を代数的閉体とし、k[x, y] を k 上の2変数多項式環とし、 Y = Spec(k[x, y]) とする。C を Y の既約かつ被約な 1次元閉部分スキームとする。j: C → Y を標準射とする。 P を C の閉点とする。X = C - {P} とおく。 X は、C の開部分スキームである。h: X → C を標準射とする。 f = j h と置く。f: X → Y による X の像 f(X) は Y の閉集合でも 開集合でもない。
証明 f(X) = C - {P} が Y の閉集合であるとすると、それは C の閉集合 でもある。 C = (C - {P}) ∪ {P} であるから、C が既約であること に矛盾する。 C - {P} が Y の開集合であるとすると、C の関数体が Y の関数体と 一致することになり、C が1次元であることに矛盾する。 証明終
871 名前:132人目の素数さん [03/11/28 21:06]
II Ex. 3.15 (a) の解答
(i) → (ii) の証明 k~ を 体 k の代数的閉包, k_s を k の分離代数的閉包とする。 X x k~ を k_s 上のファイバー積とし、X x k_s を k 上の ファイバー積する。 X x k~ = (X x k_s) x k~ であり、(X x k_s) x k~ → X x k_s は 忠実平坦であるから全射である(>>856)。既約空間の連続写像による 像は既約だから、X x k_s は既約である。
(ii) → (iii) の証明 K_s を K の分離代数的閉包とする。k_s ⊆ K_s である。 X x K_s を k_s 上のファイバー積とし、X x k_s を k 上のファイバー積すると X x K_s = (X x k_s) x K_s である。 X x k_s は仮定より既約だから、>>867 より X x K_s も既約である。 X x K_s = (X x K) x K_s であるから、X x K も既約である。
定義 k を体とし、 A を k 代数とする。k の任意の拡大体 K に対して k 上のテンソル積 A (x) K が被約であるとき、 A は k 上分離的 であるという。
875 名前:132人目の素数さん [03/11/30 15:24]
補題 k を体とする。 分離的 k 代数の部分代数は分離的である。
証明 A を 分離的 k 代数とし、B をその部分代数とする。 定義より、k の任意の拡大体 K に対して A (x) K が被約である。 B (x) K は A (x) K の部分代数だから、被約である。
876 名前:132人目の素数さん [03/11/30 15:25]
補題 k を体とし、 A を k 代数とする。 A の部分代数で k 上有限生成なものすべてが分離的なら A も分離的である。
証明 x を A の元でベキ零とする。 k 上 x で生成された部分代数 k[x] は、x を含むから x = 0 である。
877 名前:132人目の素数さん [03/11/30 15:29]
補題 k を体とし、 A を k 代数とする。 k の任意の有限生成拡大体 K に対して k 上のテンソル積 A (x) K が被約であるなら A は k 上分離的 である。
証明 L を k の任意の拡大体とする。 x を A (x) L の元でベキ零とする。x = 0 を示せばよい。 x = Σ (a_i (x) x_i) と書ける。ここに、各 a_i は A の元であり、 各 x_i は L の元である。 K を k 上すべての x_i で生成される k の拡大体とする。 A (x) K は A (x) L に含まれると考えてよい。 x は A (x) K に含まれるベキ零元だから、仮定より x = 0 である。
878 名前:132人目の素数さん [03/11/30 15:30]
補題 k を体とし、 A を分離的 k 代数とする。 k の任意の拡大体 K に対して A (x) K は K上分離的である。
証明 L を K の任意の拡大体とする。(A (x) K) (x) L が被約であること を示せばよい。これは、A (x) L = (A (x) K) (x) L より明らか。
879 名前:132人目の素数さん [03/11/30 15:31]
補題 k を体とし、 K を k の拡大体で分離代数的とする。 K は k 代数として分離的である。
証明 補題より、K は k 上有限次と仮定してよい。 代数学の周知の定理より K = k[α] となる。 αの k 上の最小多項式を f(X) とすると、K = k[X]/(f(X)) と 見なせる。L を k 任意の代数拡大とする。 0 → (f(X)) → k[X] → K → 0 は k 加群の列として完全だから、 0 → (f(X)) (x) L → k[X] (x) L → K (x) L → 0 も完全である。 k[X] (x) L = L[X] だから、K (x) L = L[X] / (f(X)) と見なせる。 f(X) は L において重根を持たないから、 f(X) は、L[X] において互いに素な既約多項式 f_1, f_2, ... f_r の 積となる。よって、L[X] / (f(X)) = Π (L[X] / (f_i)) である。 各 L[X] / (f_i) は体だから L[X] / (f(X)) は被約である。
880 名前:132人目の素数さん [03/11/30 15:32]
定義 K が k の拡大体でその超越基 S を適当にとると、 K が k(S) 上分離代数的になるとき、K は k 上分離生成であると いい、S を分離的超越基という。
補題 k を体とし、 K を k の拡大体で分離生成とする。 K は k 代数として分離的である。
証明 L を k の任意の拡大体とする。 K (x) L = K (x) (k(S) (x) L) であり、 k(S) (x) L は L(S) の部分代数と見なせる。 よって K (x) L は K (x) L(S) の部分代数である。 K は k(S) 上分離代数的だから補題(>>879)より K (x) L(S) は 被約である。故に、K (x) L も被約である。
881 名前:132人目の素数さん [03/11/30 15:35]
補題 k を標数 p の体とする。k~ を k の代数的閉体とする。 k の元 x の k~ における p 乗根 x^(1/p) はただ一つ存在する。 k の元 x にその p 乗根 x^(1/p) を対応させる写像を f とする。 f は体の準同型である。f(k) = k^(1/p) と書く。 k^(1/p) は k を含む体である。 K を k の有限生成拡大体とする。 K (x) k^(1/p) が被約なら、K は k 上分離生成である。
証明 k の拡大体 K の部分体で k 上有限生成のものは補題(>>881)より 分離的なk 代数である。よって K も 分離的である。
883 名前:132人目の素数さん [03/11/30 15:39]
補題 被約なネーター環の全商環は有限個の体の直積である。
証明 A を被約なネーター環とする。 A の極小素イデアル全体を P_1, ..., P_r とする。 A の零イデアル (0) の任意の素因子を P とする。 A の非零元 x があって、Px = 0 となる。 A は被約だから、∩ P_i = 0 である。 よって、x は ある P_i に含まれない Px ⊆ P_i だから、P ⊆ P_i となる。 よって P = P_i である。 従がって、A の零因子全体の集合は ∪ P_i である。 ∪ P_i に含まれる素イデアルは P_1, ..., P_r のどれかである。 これより、A の全商環 Q はアルティン環であることがわかる。 さらに Q は被約であるから、有限個の体の直積である。
884 名前:132人目の素数さん [03/11/30 15:42]
補題 k を完全体とする。任意の被約な k 代数 A は分離的である。
証明 補題(>>876)より A は k 上有限生成としてよい。 A はネーター環で被約だから、その全商環 Q は、補題(>>883)より 有限個の体K_i の直積である。k の標数が 0 のときは、各 K_i は 分離生成だから、補題(>>880)より分離的代数である。 k の標数が 0 でないときは、補題(>>882)により、やはり各 K_i は 分離的代数である。よって、Q も分離的で、その部分代数 A も 分離的である。
885 名前:132人目の素数さん [03/11/30 15:51]
II Ex.3.15 (b) の解答
k~ を k の代数的閉包、 k_p を k の完全閉包(perfct closure) とする。 X のアフィン開被覆 {U_i} をとると、{U_i x K} は X x K の アフィン開被覆である。これと II Ex.2.3 (a) より X は k 上の アフィンスキーム Spec(A) と仮定してよい。
(i) → (ii) k_p ⊆ k~ だから A (x) k_p ⊆ A (x) k~ となり、 A (x) k_p は被約である。
(ii) → (iii) K_p を K の完全閉包(perfct closure) とする。 k_p ⊆ K_p と見なせる。 A (x) K = (A (x) k_p) (x) K_p であるから、補題(>>884)より、 A (x) K は被約である。
>>887 著作権の関係から問題の翻訳はしないことになった。 だけど、説明しておこう。 X を 体 k 上有限型のスキームとする。以下の(i),(ii),(iii)は 同値である。 (i) X x k~ は被約である。ここに、k~ は k の代数的閉包。 (ii) X x k_p は被約である。ここに、k_p は k の完全閉包である。 (iii) K を k の任意の拡大体とすると、X x K は被約である。
889 名前:132人目の素数さん [03/11/30 18:21]
>>885 >A (x) K = (A (x) k_p) (x) K_p であるから、補題(>>884)より、 >A (x) K は被約である。
以下のように訂正する。
A (x) K_p = (A (x) k_p) (x) K_p であるから、補題(>>884)より、 A (x) K_p は被約である。よって A (x) K_p の部分代数である A (x) K も被約である。