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代数的整数論 004



1 名前:132人目の素数さん [2006/11/23(木) 21:57:04 ]
Kummer ◆g2BU0D6YN2氏が代数的整数論を語るスレです。

前スレ
science4.2ch.net/test/read.cgi/math/1141019088/

943 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/15(木) 12:15:00 ]
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944 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/15(木) 12:16:00 ]
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945 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/15(木) 12:17:00 ]
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946 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/15(木) 12:18:00 ]
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947 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/15(木) 12:19:00 ]
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948 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/15(木) 12:56:50 ]
Dirichlet の「整数論講義」に従って >>933 の応用として
Wilson の定理の拡張(Gauss)を証明する。

その前に Wilson の定理について述べる。

命題(Wilson の定理)
p を素数とすると (p - 1)! ≡ -1 (mod p) である。

証明
p = 2 のときは明らかだから p は奇素数とする。

mod p で多項式 X^(p - 1) - 1 を考える。

X^(p - 1) - 1 ≡ (X - 1)(X - 2) ... (X - (p - 1)) (mod p) である。

X = 0 とおくと
- 1 ≡ ((-1)^(p - 1))(p - 1)!(mod p) である。

p - 1 は偶数だから (-1)^(p - 1) = 1 である。
よって
(p - 1)! ≡ -1 (mod p) である。
証明終

949 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/15(木) 18:25:20 ]
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950 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/15(木) 18:35:50 ]
うんこーーーーーーー

951 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/15(木) 21:46:58 ]
Wilson の定理を一般の mod m の場合に拡張するためには >>948
証明ではうまくいかない。
そこで拡張可能な証明を紹介する。

Wilson の定理(>>948)の別証

p = 2 のときは明らかだから p は奇素数とする。

(Z/pZ)^* を以下の同値関係で類別する。

x と y を (Z/pZ)^* の元としたとき y = x^(-1) のとき x と y は
同値と定義する。

x = x^(-1) となるのは x^2 = 1 のときに限る。つまり x = ±1
の時に限る。
x ≠ x^(-1) のとき、つまり x ≠ ±1 のときは x の属す同値類は
{x, x^(-1)} である。

よって (Z/pZ)^* の同値類は以下のタイプで尽くされる。
{1}, {-1}, {x, x^(-1)}
ここで x ≠ ±1

xx^(-1) = 1 であるから (Z/pZ)^* の ±1 以外の全ての元の積は 1
である。
よって (Z/pZ)^* の全ての元の積は 1(-1) = -1 である。
証明終



952 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/15(木) 21:47:27 ]
うんこ

953 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/15(木) 22:07:58 ]
m > 2 を有理整数として (Z/mZ)^* を考える。

(Z/mZ)^* を以下の同値関係で類別する。

x と y を (Z/mZ)^* の元としたとき y = x^(-1) のとき x と y は
同値と定義する。

x = x^(-1) となるのは x^2 = 1 のときに限る。

よって (Z/mZ)^* の同値類は以下のタイプで尽くされる。
{a}, {b, b^(-1)}

ここで a^2 = 1, b^2 ≠ 1

よって (Z/mZ)^* の元 b で b^2 ≠ 1 となるもの全ての積は 1 である。
よって S = {a ∈ (Z/pZ)^* ; a^2 = 1} とおくと、
(Z/mZ)^* の全ての元の積は S の全ての元の積と一致する。

S を以下の同値関係で類別する。
x と y を S の元としたとき y = -x のとき x と y は
同値と定義する。

x = -x となるのは 2x = 0 のときに限る。
x = c (mod m) とすると 2c ≡ 0 (mod m) である。
gcd(c, m) = 1 だから 2 ≡ 0 (mod m) である。
m > 2 であるからこれはありえない。
よって S の同値類は以下のタイプで尽くされる。
{b, -b}
よって S の全ての元の積は b(-b) = -b^2 = -1 の(|S|/2)乗である。
これは |S|/2 が偶数、つまり |S| ≡ 0 (mod 4) のときは 1
そうでないときは -1 である。

954 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/15(木) 22:33:22 ]
>>833 より x^2 ≡ 1 (mod m) の解の個数、つまり |S| は

(1) m = p^n または 2p^n のとき |S| = 2
ここで p は奇素数で n ≧ 1

(2) m = 4 のとき |S| = 2

(3) m = 4r、r は奇数 > 1 のとき |S| = 2^(s + 1)
ここで s は r の相異なる素因数の個数である。

(4) m = (2^e)r, e ≧ 3, r は奇数のときは
|S| = 2^(s + 1)

以上から |S| = 2 となるのは (1) と (2) の場合であり、
(3) と (4) の場合は |S| ≡ 0 (mod 4) である。

よって >>953 より次の命題が得られる。

命題(Wilson の定理の拡張)
m > 2 を有理整数とする。
(Z/mZ)^* の全ての元の積は以下のようになる。

(1) m = 4 または m = p^n または 2p^n のとき積は -1
ここで p は奇素数で n ≧ 1

(2) 上記以外の場合、積は 1

955 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/15(木) 22:40:46 ]
>>954 の命題(Wilson の定理の拡張)は Gauss が初めて証明した
(Disquisitiones art. 78)。

956 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/15(木) 22:49:18 ]
Wilson の定理(>>948) の逆も成り立つ。

命題
n > 1 を有理整数とする。
(n - 1)! ≡ -1 (mod n) なら n は素数である。

証明
n が素数でないとすると p < n となる素数 p で n を割るものがある。
p ≦ n - 1 だから (n - 1)! ≡ 0 (mod p) である。
一方、(n - 1)! ≡ -1 (mod n) だから (n - 1)! ≡ -1 (mod p)
である。
よって -1 ≡ 0 (mod p) である。
これは矛盾である。
証明終

957 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/15(木) 23:02:24 ]
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958 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/16(金) 01:35:00 ]
11

959 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/16(金) 01:36:00 ]
10

960 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/16(金) 01:37:00 ]
9

961 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/16(金) 01:38:00 ]
8



962 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/16(金) 01:39:00 ]
7

963 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/16(金) 01:40:00 ]
6

964 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/16(金) 06:49:00 ]
5

965 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/16(金) 06:50:00 ]
4

966 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/16(金) 06:51:00 ]
3

967 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/16(金) 06:52:00 ]
2

968 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/16(金) 06:53:00 ]
1

969 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/16(金) 06:54:00 ]
0

970 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/16(金) 07:46:06 ]
次スレ立てておきました。

代数的整数論 005
science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1173998720/

971 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/16(金) 12:59:01 ]
>>970

有難うございます。



972 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/16(金) 21:37:03 ]
>>778 以降、合同方程式 x^2 ≡ a (mod m) の解法について述べて
きたが、これと >>756 に述べた方法を使って
m = ax^2 + bxy + cy^2 の解を求めて見よう。

まず、p = 2281 として p = x^2 + y^2 を解く。
>>758 の方法を使う。
>>941 より z = 1207 (mod 2281) とおくと、z^4 = -1 であった。
よって z^2 = 1571 (mod 2281) は x^2 ≡ -1 (mod m) の解である。
つまり、1571^2 ≡ -1 (mod 2281) である。

2*1571 = 3142 だから
3142^2 ≡ -4 (mod 4*2281) である。

3142^2 + 4 = 4*2281*1082
よって
2次形式 (a, b, c) = (2281, 3142, 1082) の判別式は
D = b^2 - 4ac = 3142^2 - 4*2281*1082 = -4

(a, b, c) を >>335 の方法(>>411 の注意も参照)により簡約2次形式に
変形する。
(2281, 3142, 1082)S^(-1) = (2281, -1420, 221)
(2281, -1420, 221)T = (221, 1420, 2281)
(221, 1420, 2281)S^(-3) = (221, 94, 10)
(221, 94, 10)T = (10, -94, 221)
(10, -94, 221)S^5 = (10, 6, 1)
(10, 6, 1)T = (1, -6, 10)
(1, -6, 10)S^3 = (1, 0, 1)
となる。
ここで
S = (1, 1)/(0, 1)
T = (0, -1)/(1, 0)

973 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/16(金) 21:43:32 ]
よって
(2281, 3142, 1082)S^(-1)TS^(-3)TS^5TS^3 = (1, 0, 1)

行列の積 U = S^(-1)TS^(-3)TS^5TS^3 を計算すると。
U = (11, 31)/(-16, -45)
U の逆行列は V = U^(-1) = (-45, -31)/(16, 11)
よって
(1, 0, 1)V = (2281, 3142, 1082)

>>758 より
x = -45, y = 16 が 2281 = x^2 + y^2 の解である。
実際、45^2 + 16^2 = 2025 + 256 = 2281

974 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/16(金) 22:01:40 ]
岩波数学辞典によると p = 9689 は素数で 2^p - 1 は素数である。
2^p - 1 は Mersenne数である。

さらに p ≡ 1 (mod 8) である。

p = x^2 + y^2 を >>972 と同様に解いてみるのも面白いかもしれない。
誰か解いてくれないか?

ただし、結果だけでなく >>972, >>973 と同様に
x^2 ≡ -1 (mod p) の解と2次形式 (a, b, c)
および (a, b, c) の簡約過程。
(1, 0, 1)V = (a, b, c) となる V ∈ SL_2(Z) も求めて欲しい。

975 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/17(土) 03:31:02 ]
>>974

今の場合、2^p - 1 が Mersenne数であるということに特に意味があるわけではない。
適当な大きさの素数が欲しかっただけである。

976 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/17(土) 06:48:22 ]
今度は p を奇素数としたとき p = x^2 + 2y^2 を解くことを
考えてみよう。

2次形式 (1, 0, 2) = x^2 + 2y^2 の判別式 D は -8 である。
判別式が -8 の簡約2次形式は、>>757 と同様にして
(1, 0, 2) のみであることが分かる。

よって >>758 と同様にして p = x^2 + 2y^2 に解があるためには、
x^2 ≡ -8 (mod 4p) に解があることが必要十分である。

x^2 ≡ 0 (mod 4) だから x は偶数である。
x = 2y とすると
y^2 ≡ -2 (mod p) である。

よって上記の条件は (-2/p) = 1 と同値である。
(-2/p) = (-1/p)(2/p) = 1 だから
これは (2/p) = (-1/p) = 1
または (2/p) = (-1/p) = -1
と同値である。

平方剰余の第一補充法則(>>163)と第2補充法則(>>53)より、
これは p ≡ 1 (mod 8) または p ≡ 3 (mod 8) と同値である。

977 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/17(土) 06:49:40 ]
x^2 ≡ -8 (mod 4p) の解 l に対して
l^2 + 8 = 4pk とする。
p は奇素数だから l とは互いに素である。
よって2次形式 (p, l, k) は正定値かつ原始的で判別式は -8 である。
これは (1, 0, 2) と同値である。

よって (1, 0, 2)σ = (p, l, k) となる σ ∈ SL_2(Z) がある。
σ = (u, q)/(r, s) とする。

>>749 より (1, 0, 2)ε = (1, 0, 2) となる ε ∈ SL_2(Z) は
{±1} である。

よって (1, 0, 2) を (p, l, k) に移す SL_2(Z) の元は
σ = (u, q)/(r, s) と -σ = (-u, -q)/(-r, -s) の2個である。

よって (u, r) と (-u, -r) が l に対応する p = x^2 + 2y^2 の
解である。

x^2 ≡ -4 (mod 4p) の別の解 -l には
2次形式 (p, -l, k) が対応する。

R = (1, 0)/(0, -1) とすると
(1, 0, 1)RσR = (p, l, k)R = (p, -l, k)
U = RσR とおく。
U ∈ SL_2(Z) で U = (u, -q)/(-r, s) である。

よって (u, -r) と (-u, r) が -l に対応する p = x^2 + 2y^2 の
解である。

978 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/17(土) 07:19:23 ]
>>976>>977 から次の命題が得られる。

命題(Fermat-Euler)
p を奇素数とする。
p = x^2 + 2y^2 が有理整数解を持つためには
p ≡ 1 (mod 8) または p ≡ 3 (mod 8) が必要十分である。
さらに、このとき解は順序と符号を除いて一つである。

979 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/17(土) 19:54:29 ]
>>974 を解いてみる。

p = 9689
p - 1 = 8*1211

(3/p) = (p/3) = (2/3) = -1
だから
z = 3^1211 ≡ 6682 (mod p)
とすると、z^8 = 1 である。
よって (z^2)^2 = -1 である。
z^2 = 2212 (mod p)
だから
2212^2 ≡ -1 (mod p)

2*2212 = 4424 だから
4424^2 ≡ -4 (mod 4*9689) である。

4424^2 + 4 = 4*9689*505
だから
2次形式 (9689, 4424, 505) の判別式は -4

>>335 より
(9689, 4424, 505) T = (505, -4424, 9689)
(505, -4424, 9689) S^4 = (505, -384, 73)
(505, -384, 73) T = (73, 384, 505)

このあとは読者の誰かに任そう。
誰か?

ただし、続きは上の結果が正しいかどうか確かめてからにしてください。
計算ミスがあるかもしれないので。

980 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/17(土) 20:44:05 ]
訂正
>>978
>さらに、このとき解は順序と符号を除いて一つである。

さらに、このとき解は符号を除いて一つである。

981 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/18(日) 01:59:09 ]
p を素数としたとき p = x^2 + 3y^2 を解くことを考えてみよう。
2次形式 (1, 0, 3) = x^2 + 3y^2 の判別式 D は -12 である。

>>408 より判別式 -4 の (a, b, c) が簡約2次形式であるためには
gcd(a, b, c) = 1 かつ、
|b| ≦ a ≦ c であり、
|b| = a または a = c のときは b ≧ 0 となることが必要十分である。

>>341 と同様にして a ≦ √(|D|/3) である。
a ≦ √(|D|/3) = 2
4ac = b^2 + |D| = b^2 + 12
よって b^2 ≡ 0 (mod 4)
よって b は偶数である。

0^2 + 12 = 4・3
2^2 + 12 = 16 = 4・4

a = 1 のとき (1, 0, 3)
a = 2 のとき (2, 2, 2) は原始的でない。
よって判別式が -12 の簡約2次形式は、(1, 0, 3) のみである。

p ≠ 2, 3 として合同方程式 x^2 ≡ -12 (mod 4p) を考える。
x^2 ≡ 0 (mod 4) だから x は偶数である。
x = 2y とおくと
y^2 ≡ -3 (mod p)

これは (-3/p) = (-1/p)(3/p) = 1 のときのみ解がある。
p ≡ 1 (mod 4) なら (-1/p) = 1, (3/p) = (p/3)
p ≡ 3 (mod 4) なら (-1/p) = -1, (3/p) = -(p/3)
いずれにしても (-1/p)(3/p) = (p/3) である。
よって (-3/p) = 1 は p ≡ 1 (mod 3) と同値である。



982 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/18(日) 02:08:41 ]
p ≡ 1 (mod 3) のとき
x^2 ≡ -12 (mod 4p) の解 l に対して
l^2 + 12 = 4pk とする。
p は奇素数だから l とは互いに素である。
よって2次形式 (p, l, k) は正定値かつ原始的で判別式は -12 である。
これは (1, 0, 3) と同値である。

よって (1, 0, 3)σ = (p, l, k) となる σ ∈ SL_2(Z) がある。
σ = (u, q)/(r, s) とする。

>>749 より (1, 0, 3)ε = (1, 0, 3) となる ε ∈ SL_2(Z) は
{±1} である。

よって (1, 0, 3) を (p, l, k) に移す SL_2(Z) の元は
σ = (u, q)/(r, s) と -σ = (-u, -q)/(-r, -s) の2個である。
よって (u, r) と (-u, -r) が l に対応する p = x^2 + 3y^2 の
解である。

x^2 ≡ -12 (mod 4p) の別の解 -l には
2次形式 (p, -l, k) が対応する。

R = (1, 0)/(0, -1) とすると
(1, 0, 3)RσR = (p, l, k)R = (p, -l, k)
U = RσR とおく。
U ∈ SL_2(Z) で U = (u, -q)/(-r, s) である。

よって (u, -r) と (-u, r) が -l に対応する p = x^2 + 3y^2 の
解である。

983 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/18(日) 02:14:29 ]
>>981>>982 から次の命題が得られる。

命題(Fermat-Euler)
p を 3 以外の奇素数とする。
p = x^2 + 3y^2 が有理整数解を持つためには
p ≡ 1 (mod 3) が必要十分である。
さらに、このとき解は符号を除いて一つである。

984 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/18(日) 02:33:12 ]
>>978 の命題は Fermat に知られていたが初めて証明したのは
Euler らしい。らしいというのは Gauss が Disquisitiones の
art. 182 に Lagrange が最初に証明したと書いているからである。
しかもはっきりと Euler は証明に成功しなかったと書いている。
しかし、Weil は「数論」で Euler が証明したと書いている。

985 名前:132人目の素数さん [2007/03/18(日) 02:45:40 ]
Kummer ◆g2BU0D6YN2 かっこいい

986 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/18(日) 02:48:40 ]
@


987 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/18(日) 11:36:15 ]
今度は p を素数としたとき p = x^2 + 5y^2 を解くことを考えてみよう。
この問題は >>161 でも考えたし解決済み(>>363)である。
しかし、2次形式論の応用として証明をする。

2次形式 (1, 0, 5) = x^2 + 5y^2 の判別式 D は -20 である。
>>408 より判別式 -20 の (a, b, c) が簡約2次形式であるためには
gcd(a, b, c) = 1 かつ、
|b| ≦ a ≦ c であり、
|b| = a または a = c のときは b ≧ 0 となることが必要十分である。

>>341 と同様にして a ≦ √(|D|/3) である。
よって a ≦ 2

4ac = b^2 + |D| = b^2 + 20
よって b^2 ≡ 0 (mod 4)
よって b は偶数である。

0^2 + 20 = 4・5
2^2 + 20 = 4・2・3

a = 1 のとき (a, b, c) = (1, 0, 5)
a = 2 のとき (a, b, c) = (2, 2, 3)

よって判別式が -20 の簡約2次形式は、(1, 0, 5) と (2, 2, 3)
である。

988 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/18(日) 13:22:45 ]
p ≠ 2, 5 として合同方程式 x^2 ≡ -20 (mod 4p) を考える。
x^2 ≡ 0 (mod 4) だから x は偶数である。
x = 2y とおくと
y^2 ≡ -5 (mod p)

x^2 ≡ -20 (mod 4p) が解けるためには (-5/p) = 1 が
必要十分である。

(-5/p) = (-1/p)(5/p)

平方剰余の相互律から (5/p) = (p/5) である。
よって p ≡ 1, 4 (mod 5) のとき (5/p) = 1
p ≡ 2, 3 (mod 5) のとき (5/p) = -1

一方、p ≡ 1 (mod 4) のとき (-1/p) = 1
p ≡ 3 (mod 4) のとき (-1/p) = -1

よって (-5/p) = 1 は

p ≡ 1, 4 (mod 5) かつ p ≡ 1 (mod 4)
つまり、p ≡ 1, 9 (mod 20)
または
p ≡ 2, 3 (mod 5) かつ p ≡ 3 (mod 4)
つまり、p ≡ 3, 7 (mod 20)
と同値である。

989 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/18(日) 13:45:35 ]
p ≠ 2, 5 として p = x^2 + 5y^2 となる有理整数 (x, y) が
あったとする。
p ≡ x^2 (mod 5) だから (p/5) = 1

p ≠ 2, 5 として p = 2x^2 + 2xy + 3y^2 となる有理整数 (x, y) が
あったとする。

2p = 4x^2 + 4xy + 6y^2 = (2x + y)^2 + 5y^2
2p ≡ (2x + y)^2 (mod 5)


よって (2p/5) = (2/5)(p/5) = -(p/5) = 1
よって (p/5) = -1

990 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/18(日) 15:39:57 ]
p ≡ 1, 2, 3, 9 (mod 20) なら >>988 より x^2 ≡ -20 (mod 4p) に
解がある。
x^2 ≡ -20 (mod 4p) の解 l に対して
l^2 + 20 = 4pk とする。
p は奇素数だから l とは互いに素である。
よって2次形式 (p, l, k) は正定値かつ原始的で判別式は -20 である。
よって >>987 より (p, l, k) は (1, 0, 5) または (2, 2, 3) に
同値である。

>>733 より (p, l, k) が (1, 0, 5) に同値なら p = x^2 + 5y^2 となる
有理整数 (x, y) がある。

このとき >>989 より (p/5) = 1 である。
p ≡ 1, 3, 7, 9 (mod 20) であったから
p ≡ 1, 9 (mod 20) である。

逆に p ≡ 1, 9 (mod 20) なら (p/5) = 1 だから >>989 より
(p, l, k) は (2, 2, 3) に同値ではない。
よって (p, l, k) は (1, 0, 5) に同値である。

以上から p = x^2 + 5y^2 となる有理整数 (x, y) があるためには
p ≡ 1, 9 (mod 20) が必要十分である。

>>977 と同様に、この場合、解は符号を除いて一個である。

同様に p = 2x^2 + 2xy + 3y^2 となる有理整数 (x, y) があるためには
p ≡ 3, 7 (mod 20) が必要十分である。

この場合も、解は符号を除いて一個である。

991 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/18(日) 16:05:30 ]
p ≠ 2, 5 として 2p = x^2 + 5y^2 を考える。
gcd(x, y) = d なら 2p が d^2 で割れるから d = 1 である。

よって解があるなら合同方程式 x^2 ≡ -20 (mod 8p) に解がある。
x^2 ≡ 0 (mod 4) だから x は偶数である。
x = 2y とおくと y^2 ≡ -5 (mod 2p) である。
これは連立合同方程式
y^2 ≡ -5 (mod 2)
y^2 ≡ -5 (mod p)
と同値である

y^2 ≡ -5 (mod 2) は常に解 y ≡ 1 (mod 2) をもつから、
x^2 ≡ -20 (mod 8p) に解があるなら (-5/p) = 1 である。
よって >>988 より p ≡ 1, 3, 7, 9 (mod 20) である。

一方、2p = x^2 + 5y^2 なら x^2 ≡ 2p (mod 5)
よって (2p/5) = 1
(2p/5) = (2/5)(p/5) = -(p/5)
よって (p/5) = -1 となる。
よって p ≡ 3, 7 (mod 20) である。

よって >>990 と同様に
2p = x^2 + 5y^2 となる有理整数 (x, y) があるためには
p ≡ 3, 7 (mod 20) が必要十分である。



992 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/18(日) 16:14:17 ]
>>990>>991 をまとめると次の命題が得られる。

命題(Fermat-Euler-Lagrange)
p ≠ 2, 5 を素数とする。

(1) p = x^2 + 5y^2 となる有理整数 (x, y) があるためには
p ≡ 1, 9 (mod 20) が必要十分である。

(2) p = 2x^2 + 2xy + 3y^2 となる有理整数 (x, y) があるためには
p ≡ 3, 7 (mod 20) が必要十分である。

(3) 2p = x^2 + 5y^2 となる有理整数 (x, y) があるためには
p ≡ 3, 7 (mod 20) が必要十分である。

上記のいずれの場合も解は符号を除いて一意である。






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