命題 I を有向前順序集合、(X_i) を I を添字集合とする位相空間の射影系とする。 射影極限 proj.lim X_i を X とおく。f_i: X → X_i を標準射とする。 X の任意の開集合は、(f_i)^(-1)(U) の形の開集合の合併である。 ここに、 i は I の要素を動き、U は X_i の開集合を動く。
証明 X は直積空間 ΠX_i の部分空間であるから、 X の開集合 U は、f_(i_1)^(-1)(U_1) ∩ ... ∩ f_(i_r)^(-1)(U_r) の形の開集合の合併である。ここで、i_1, ... , i_r は I の要素で あり、 U_k は X_i_k の開集合である。 x を U の任意の点とし、 x ∈ f_(i_1)^(-1)(U_1) ∩ ... ∩ f_(i_r)^(-1)(U_r) とする。 I は有向前順序集合だから、i_1 ≦ j, ... i_r ≦ j となる j がある。 V_k = f_(i_k, j)^(-1)(U_k) とおく。 ここで、f_(i_k, j) : X_j → X_i_k は射影系を定義する射。 f_(i_k, j) は連続だから、V_k は X_j の開集合である。 (f_j)^(-1)(V_k) ⊂ f_(i_k)^(-1)(U_k) だから、 V = V_1 ∩ ... ∩ V_r とおけば、 (f_j)^(-1)(V) ⊂ f_(i_1)^(-1)(U_1) ∩ ... ∩ f_(i_r)^(-1)(U_r) となる。x ∈ (f_j)^(-1)(V) だから、命題の主張が出る。 証明終
621 名前:208 [2005/11/01(火) 10:24:29 ]
>>607 において、各 N ∈ S に対して G/N に離散位相を入れる。 N_1, N_2 ∈ S で N_1 ⊃ N_2 のとき N_1 ≦ N_2 と定義して、 S に順序を入れる。N_1 ≦ N_2 のとき、G/N_2 → G/N_1 が自然に 定義される。よって S を添字集合として、(G/N), N ∈ S は 離散位相群からなる射影系となる。よって、proj.lim G/N が定義 される。 各N ∈ S は開集合だから、標準射 G → G/N は連続である。 さらに、この射は、射影系(G/N)と両立するから、 連続写像 f: G → proj.lim G/N が自然に定義される。 このとき、f(G) は、proj.lim G/N において稠密である。
命題 k を体、K/k を k のガロワ拡大、つまり準ガロワで分離的な拡大とし、 G = Aut(K/k) とする。H を G の部分群とする。 K^H = {x ∈ K; 各σ∈H で、σ(x) = x } とおく。 つまり、K^H は H で固定化される K の部分体である。 G(K^H) すなわち Aut(K/K^H) は H の閉包である。
証明 H の閉包を cl(H) とする。 H ⊂ G(K^H) は明らかである。G(K^H) は G の閉部分群である(>>627) から、cl(H) ⊂ G(K^H) である。よって、σ∈G(K^H) の任意の近傍が H の元を含むことを示せばよい。L/k を K の中間体で有限次ガロワ拡大 となるものとする。M を L と K^H の合成部分体、すなわち K の部分体で L と K^H を含む最小のものとする。M/K^H は有限次ガロワ拡大である。 H の元を M に制限することにより射 φ: H → Aut(M/K^H) が得られる。 φ(H) で固定される M の部分体は、K^H である。 よって有限次ガロワ拡大の基本定理より、φ(H) = Aut(M/K^H) である。 つまり、φ は全射である。 σ∈G(K^H) の M への制限をσ|M とすれば、σ|M は Aut(M/K^H) の元であるから、σ|M = φ(τ) となる τ∈ H がある。 L ⊂ M であるから、σ|L = τ|L となる。これは、τ∈σG(L) を 意味する。σG(L) はσの基本開近傍だから cl(H) = G(K^H) である。 証明終
632 名前:208 [2005/11/01(火) 16:52:43 ]
命題 k を体、K/k を k のガロワ拡大とし、L/k をその任意の中間体とする。 G(L) すなわち Aut(K/L) で固定される体 は L である。 すなわち、K^G(L) = L である。
証明 K/L はガロワ拡大であり、特に分離拡大である。 x を K の元で L に含まれないものとする。x は L 上分離的だから x の L に関する共役元 y で x と異なるものがある。 x を y に写す Aut(K/L) の元が存在する。 これは、K^G(L) = L を意味する。 証明終
633 名前:208 [2005/11/01(火) 17:04:48 ]
無限次ガロワ拡大体の基本定理
k を体、K/k を k のガロワ拡大とする。 G = Aut(K/k) とおく。 L/k をその任意の中間体とする。L に G(L) を対応させることにより、 K/k の中間体と G の閉部分群の間に1対1の対応がつく。 この逆対応は、G の閉部分群 H に対して、H で固定される部分体 K^H を対応させるものである。
証明 >>632 より K^G(L) = L であり、>>631 より G(K^H) = H である。 証明終
634 名前:208 [2005/11/02(水) 09:52:53 ]
環の整拡大の話題に戻ろう。
補題 A ⊂ B を環の包含関係、B は A 上整とする。 p_0 ⊂ p_1 を A の長さ1の素イデアル鎖(>>379)とする。 q_0 を p_0 の上にある B の素イデアルとする。 B の長さ1の素イデアル鎖 q_0 ⊂ q_1 で q_1 が p_1 の上にあるものが存在する。
命題 A を整閉整域(>>578)、K をその商体、L/K を有限次準ガロワ拡大(>>586) とする。B を A の L における整閉包(>>576)とする。 p を A の素イデアル、q_1, q_2 を p の上にある B の素イデアルと すると、σ(q_1) = q_2 となる σ∈ Aut(L/K) がある。
証明 x ∈ q_1 とする。y = Πσ(x) とおく。ここで、積は Aut(L/K) の すべての元σを動くものとする。y は Aut(L/K) の元で不変だから、 y^q ∈ K となる整数 q がある。ただし、q は、L/K が分離的なときは 1 であり、そうでないときは、K の標数 p の適当なベキである。 y^q ∈ K ∩ B であり、A は整閉だから、A = K ∩ B となる。 よって、y^q ∈ A となる。一方、明らかに y^q ∈ q_1 だから、 y^q ∈ p となる。p ⊂ q_2 であるから、y^q ∈ q_2 となる。 これから、ある σ(x) ∈ q_2 となる。よって、x ∈ σ^(-1)(q_2) となる。以上から、q_1 ⊂ ∪σ^(-1)(q_2) となる。ここでσは Aut(L/K) のすべての元σを動く。よって、>>579 より q_1 ⊂ σ^(-1)(q_2) となるσがある。σ^(-1)(q_2) は、p の上にあるから、 >>574 より q_1 = σ^(-1)(q_2) である。 証明終
命題 A を整閉整域(>>578)、K をその商体、L/K を有限次とは限らない 準ガロワ拡大(>>586)とする。 B を A の L における整閉包(>>576)とする。 p を A の素イデアル、q_1, q_2 を p の上にある B の素イデアルと すると、σ(q_1) = q_2 となる σ∈ Aut(L/K) がある。
証明 M を L/K の中間体で、M/K が有限次準ガロワ拡大とする。 S をこのような M の集合とする。 M ∈ S に対して F(M) = {σ∈ Aut(L/K); σ(q_1 ∩ M) = q_2 ∩ M} とおく。 σ∈ Aut(L/K) を M に制限することにより、 連続写像 Aut(L/K) → Aut(M/K) が得られる。 F(M) は、この写像による、離散群 Aut(M/K) のある部分集合の逆像だから 閉集合である。一方、>>639 よりこれは空ではない。 M, M' ∈ S のとき、F(M) ∩ F(M') ⊃ F(M(M')) となる。 ここで、M(M') は M と M' から生成される L の部分体で M(M') ∈ S である。 Aut(L/K) は >>623 よりコンパクトだから、∩F(M) は空でない。 L は M ∈ S の合併集合となるから、σ ∈ ∩F(M) が求めるものである。 証明終
641 名前:208 [2005/11/02(水) 11:42:11 ]
補題 A を整閉整域(>>578)、K をその商体、L/K を有限次とは限らない 準ガロワ拡大(>>586)とする。 B を A の L における整閉包(>>576)とする。 p_0 ⊂ p_1 ⊂ ... ⊂ p_n を A の素イデアル鎖(>>379)とする。 q_n を p_n の上にある B の素イデアルとする。 このとき、B の素イデアル鎖 q_0 ⊂ q_1 ⊂ ... ⊂ q_n で p_i = A ∩ q_i が各 i で成立つものがある。
補題 A を単項イデアル整域、M を A-加群とする。 a と b を A の元で互いに素とする。 x ∈ M で、abx = 0 なら、x = y + z, ay = 0, bz = 0 となる M の元 y, z がある。
証明 as + bt =1 となる A の元 s, t がある。 よって、x = asx + btx となる。 y = btx, z = asx とすればよい、。 証明終
669 名前:208 [2005/11/04(金) 15:03:26 ]
命題 A を単項イデアル整域、M を A 上有限生成の捩れ加群とする。 A の素元 p に対して M(p) = {x ∈ M; (p^n)x = 0 となる n > 0 がある} とおく。M = ΣM(p) (直和) となる。ここで p は、Ann(M) を割る素元 全体を動く。
証明 まず、M は有限生成の捩れ加群だから、Ann(M) ≠ 0 である。 x ∈ M, x ≠ 0 とし、Ann(x) = aA とする。M は捩れ加群だから、 a ≠ 0 である。>>668 より x ∈ ΣM(p) となる。ここで p は a の素因子を渡る。あとは、Ann(M) ⊂ aA に注意すればよい。 証明終
670 名前:208 [2005/11/04(金) 15:08:43 ]
命題 A を単項イデアル整域、M を A 上有限生成の捩れ加群とする。 Supp(M) は、極大イデアルのみからなる。
証明 Supp(M) = V(Ann(M)) と Ann(M) ≠ 0 より明らか。 証明終
671 名前:208 [2005/11/04(金) 15:12:58 ]
命題 A を単項イデアル整域、M を A 上有限生成の捩れ加群とする。 M は A-加群として長さ有限である。
定義 A を単項イデアル整域、M を A 上有限生成の捩れ加群とする。 >>671 より M は長さ有限である。 M の組成列に現れる剰余加群は、A/p と同型である。 ここで、p は A のある極大イデアル。 M の組成列に現れる極大イデアルを重複度もいれて p_1, ..., p_r としたとき それらの重複を考慮した積 を M の内容(content)とよび、|M| と書く。
定義 A を単項イデアル整域、M を A 上有限生成の加群とする。 A のある素元 p があり、M の任意の元 x に対して (p^n)x = 0 となる整数 n > 0 があるとき、M を p-加群と呼ぶ。 ここで、n は x に依存する。p の生成する A の極大イデアル を (p) と したとき、M を (p)-加群とも呼ぶ。
681 名前:208 [2005/11/04(金) 17:20:08 ]
定義 A を単項イデアル整域、p を A の極大イデアル、M を p-加群とする。 M の任意の元に x 対して Ann(x) = p^n となる整数 n ≧ 0 があるが、 この n を x の指数と呼ぶ。
>>685 17 :132人目の素数さん :04/07/31 12:25 >>11-16 well known and trivial
689 名前:208 [2005/11/07(月) 09:58:44 ]
補題 A を単項イデアル整域、p を A の素元、M を p-加群(>>680) とする。 x を M の元でその指数 n が M の元のなかで最大のもの とする。N = Ax とおく。M/N はあきらかに p-加群である。 y を M の任意の元とする。y (mod N) の M/N における指数(>>681)を m とすると、M の元 z で、その指数が m となり、y = z (mod N) と なるものが存在する。
証明 まず、y の指数は m 以上だから m ≦ n に注意する。 (p^m)y = tx となる t ∈ A がある。 (p^n)y = (p^(n-m))tx = 0 であるから、 (p^(n-m))t = sp^n となる s ∈ A がある。 両辺を p^n で割ると、tp^(-m) = s よって、t = s(p^m) (p^m)y = tx だから、(p^m)y = s(p^m)x よって、(p^m)(y - sx) = 0 となる。 z = y - sx とおけばよい。 何故なら、z の指数が m より小さいとすると、 y (mod N) の指数も m より小さいことになって矛盾。 証明終
690 名前:208 [2005/11/07(月) 10:21:05 ]
命題 A を単項イデアル整域、p を A の素元、M を p-加群(>>680) とする。 M は、単項 p-加群つまり一個の元で生成される p-加群の直和となる。
補題 A を単項イデアル整域、p を A の極大イデアル、M を 単項 p-加群 とする。 つまり M は、p-加群(>>680)でかつ一個の元で生成される とする。Ann(M) = p^n とする(>>684)。>>678 より |M| = p^n である。 k ≧ 0 を整数として、(p^k)M を考える。 0 ≦ k < n のとき、|(p^k)M| = p^(n-k) であり、 k ≧ n のとき、(p^k)M = 0 である。
証明 簡単なので読者に任す。
707 名前:208 [2005/11/10(木) 09:12:10 ]
補題 A を単項イデアル整域、p を A の極大イデアル、M を 単項 p-加群 とし、Ann(M) = p^n とする。 k ≧ 0 を整数として、p^(k-1)M/(p^k)M を考える。 0 < k ≦ n のとき、|p^(k-1)M/(p^k)M| = p であり、 k > n のとき、p^(k-1)M/(p^k)M = 0 である。
命題 A を単項イデアル整域、p を A の極大イデアル、M を 単項 p-加群 M_i, i = 1, ..., r の有限個の直和とする。|M_i| = p^(m_i) とする。 n を {m_1, ... , mr} の最大値とする。 0 < k ≦ n のとき、leng(p^(k-1)M/(p^k)M) は、m_i ≧ k となる i の個数に等しい。