命題 A を整閉整域(>>578)、K をその商体、L/K を有限次とは限らない 準ガロワ拡大(>>586)とする。 B を A の L における整閉包(>>576)とする。 p を A の素イデアル、q_1, q_2 を p の上にある B の素イデアルと すると、σ(q_1) = q_2 となる σ∈ Aut(L/K) がある。
証明 M を L/K の中間体で、M/K が有限次準ガロワ拡大とする。 S をこのような M の集合とする。 M ∈ S に対して F(M) = {σ∈ Aut(L/K); σ(q_1 ∩ M) = q_2 ∩ M} とおく。 σ∈ Aut(L/K) を M に制限することにより、 連続写像 Aut(L/K) → Aut(M/K) が得られる。 F(M) は、この写像による、離散群 Aut(M/K) のある部分集合の逆像だから 閉集合である。一方、>>639 よりこれは空ではない。 M, M' ∈ S のとき、F(M) ∩ F(M') ⊃ F(M(M')) となる。 ここで、M(M') は M と M' から生成される L の部分体で M(M') ∈ S である。 Aut(L/K) は >>623 よりコンパクトだから、∩F(M) は空でない。 L は M ∈ S の合併集合となるから、σ ∈ ∩F(M) が求めるものである。 証明終