f: X → Y をスキームの射とする。 任意の点 y ∈ Y に対して f^(-)(y) が有限集合となるとき f を準有限射という。
(a) 有限射は準有限射であることを示せ。
(b) 有限射は閉写像であることを示せ。即ち、任意の閉集合の f による像は閉集合となる。
(c) 全射で有限型かつ準有限な射で有限射でない例をしめせ。
490 名前:132人目の素数さん [03/10/31 21:36]
Hartshorne II Ex. 3.6
スキーム X の各開集合 U に対して、O_X(U) が整域となるとき X を整スキームという。
X を整スキームとする。X の生成点 ζ における局所環 O_ζは 体であることを示せ。これを X の関数体と呼び、K(X) と書く。 U = Spec(A) を X の任意の開集合としたとき、K(X) は A の 商体と同型であることを示せ。
491 名前:132人目の素数さん [03/10/31 21:54]
Hartshorne II Ex. 3.7
f: X → Y をスキームの射とし、Y を既約とする。 Y の生成点ζに対して、f(-1)(ζ) が有限集合のとき、 f を生成的に有限と呼ぶ。
射 f は、f(X) が Y において稠密なとき支配的と呼ぶ。
さて、X, Y をともに整スキームとし、f: X → Y を 支配的かつ生成的に有限な有限型の射とする。 Y の稠密な開部分集合 U が存在し、f により誘導される射 f^(-1)(U) → U が有限射となることを示せ。 [ヒント:最初に X の関数体は Y の関数体の有限次拡大である ことを示せ。]
X を位相空間、Z を既約な閉集合とする。 Z の生成点(generic point)とは、Z = Cl{ζ} となる点ζのことである。 ここで、Cl{ζ} は、一点からなる集合{ζ}の閉包をあらわす。 X がスキームなら全ての(空でない)既約な閉集合は一意に定まる生成点 を持つことを示せ。
証明 F を X の既約な閉集合といする。 まず、X がアフィンスキーム Spec(A) のときは、F = V(P) となる。 ここで、P は A の素イデアル。この P が F の生成点である。 これが一意に定まることも明らか。 X が一般のスキームとする。F と交わる空でないアフィン開集合 U をとる。 U ∩ F は F の空でない開集合だから既約である。 従がって、U ∩ F は U の既約な閉集合である。最初に述べたことから U ∩ F は生成点 ζ を持つ。U ∩ F は F の稠密な部分集合だから、 ζは F の生成点でもある。U ∩ F の生成点は一意に定まるから F の生成点も一意に定まる。
補題 A → B を環の射。Spec(B) の有限個の開集合 D(f_i) による被覆 があり、各 B[1/f_i] が A 上有限生成の代数とする。 このとき、B も A 上有限生成の代数である。
証明 D(f_i) は Spec(B) の被覆だから (f_i)(g_i) = 1 となる B の元 g_i が存在する。 B[1/f_i] の A 上の有限個の生成元を b_ij/(f_i)^n, j = 1,2,... とする。B = A[f_i, g_i, b_ij; i,j = 1,2,...] となることを示す。 B の任意の元 b を取る。 b/1 ∈ A[b_ij/(f_i)^n, j = 1,2,..] だから (f_i)^r b ∈ A[f_i, b_ij, j = 1,2,..] となる 整数 r > 0 がある。r は各 i に共通としておく。 (f_i)(g_i) = 1 だから、(f_i)^r c_i = 1 となる A[f_i, g_i, i = 1,2,..] の元 c_i がある。 何故なら、(f_i)^r で生成されるこの環のイデアルは 単位イデアルだから。 故に b = (f_i)^r b c_i は A[f_i, g_i, b_ij, i,j = 1,2,...] に含まれる。
511 名前:132人目の素数さん [03/11/01 16:25]
Hartshorne II Ex. 3.3
(c) スキームの射 f: X → Y が有限型であれば、以下が成立する。 Y の任意のアフィン開集合 V = Spec(B) と、f^(-1)(V) の任意の アフィン開部分集合 U = Spec(A) ⊆ f^(-1)(V)に対して、 A は有限生成の B-代数となる。
証明 f: X → Y が有限型であるから U のアフィン開集合 W_i = Spec(C_i) による被覆があって、各 C_i は有限生成の B-代数となる。W_i に含まれる Spec(A[1/h]) の形の開集合を 考える。h の W_i における像をh' とすると、 Spec(A[1/h]) = Spec(C_i[1/h']) と見なせる。 C_i[1/h'] は有限生成の C_i 代数だから、有限生成の B-代数でもある。 従がって、A[1/h] も有限生成の B-代数である。 >>510の補題から A は有限生成の B-代数である。
512 名前:132人目の素数さん [03/11/01 17:28]
補題 A を環、Spec(A) の有限個の開集合 D(f_i) による被覆があるとする。 M を A-加群とする。各 M[1/f_i] = 0 なら M = 0 である。
証明 x を M の任意の元とする。 x/1 は M[1/f_i] で 0 となるから、ある n > 0 があって (f_i)^n x = 0 となる。n を十分大きく取れば、この n は 各 i に共通に取れる。一方、D(f_i) は Spec(A) の被覆だから (f_i)^n g_i = 1 となる A の元 g_i がある。 これから x = 肺 (f_i)^n g_i = 0 となる。 即ち、M = 0 である。
513 名前:132人目の素数さん [03/11/01 17:35]
も う い い だ ろ ?
514 名前:132人目の素数さん [03/11/01 17:39]
補題 A を環、Spec(A) の有限個の開集合 D(f_i) による被覆があるとする。 M を A-加群とする。各 M[1/f_i] が A[1/f_i] 上有限生成なら M は A 上有限生成である。
証明 M[1/f_i] の A[1/f_i] 上の生成元を x_ij/(f_i)^n, j = 1,2,.. とする。 n を十分大きく取れば、この n は各 i に共通に取れる。 x_ij 全体で生成される M のA-部分加群を N とする。 仮定より、(M/N)[1/f_i] = 0 となるから >>512の補題より M/N = 0 即ち M = N となる。
EGA IV 20.1 に、一般の環付き空間での有理形関数の定義があるんですが、 (20.1.3) に書いてあることにちょっと疑問があります。 「(X上の層) Sを、開集合 U に対してΓ(U, O_X) の非零因子全体 Γ(U, S) を対 応させる層とし・・・」というようなことが書いてあるんですが、一般の環付き 空間では(局所環付き空間でも)制限写像がうまく定まるとは限らないので、こ のような S がいつでも定義できるわけではないですよね? X がスキームや解析空 間なら大丈夫ですが・・・。
>>527 原文は次のようになってます。 (20.1.3) Nous allons nous interesser ici au cas ou S est le sous-faisceau S(O_X) de O_X tel que pour tout ouvert U, Γ(U, S) soit l'ensemble des elements reguliers de l'anneua Γ(U, O_X); "le sous-faisceau S(O_X)"と定冠詞が付いてたりするんで、「仮定」という感じ ではないかなという気がしたんですが・・・
532 名前:132人目の素数さん [03/11/02 15:52]
補題 X を位相空間とし、 開集合 U_i が X の被覆をなすとする。 X の部分集合 F が閉集合であるためには、 各 U_i ∩ F が U_i の閉集合であることを示せ。
補題 f: X = Spec(A) → Y = Spec(B) をアフィンスキームの射とする。 さらに、A, B は整域とする。 f が支配的なら、付随する射 ψ: B → A は単射である。
証明 Ker(ψ) が 0 でないとする。h を 0 でない Ker(ψ) の元とする。 B は整域だから h はベキ零ではない。従がって、D(h) は空でない。 f^(-1)(D(h)) = D(ψ(h)) = D(0) となるが、D(0) は空集合である。 つまり、D(h) ∩ f(X) は空である。これは、f(X) が Y で稠密で あることに反する。
588 名前:∩( ・ω・)∩ ばんじゃーい [03/11/03 04:22]
∩( ・ω・)∩ ばんじゃーい
589 名前:132人目の素数さん [03/11/03 04:42]
補題 f: X = Spec(A) → Y = Spec(B) をアフィンスキームの射とする。 A, B は整域とする。 f が支配的かつ生成的に有限な有限型射とする。 このとき、X の関数体は Y の関数体の有限次拡大である
証明 >>587の補題より、B ⊆ A と考えてよい。 >>528の補題より、Y の生成点 ζにたいして、 f^(-1)(ζ) = Spec(A (x) K) と見なせる。 ここに、K は Y の関数体、即ち B の商体であり、 A (x) K は A と K の B 上のテンソル積である。 f は有限型射だから>>511より A は B 上の有限生成の代数である。 従がって、A (x) K も K 上有限生成な代数である。 A (x) K は、A の 積閉集合 B - {0} による局所化であるから、 L を X の関数体としたとき、A (x) K ⊆ L と考えてよい。 さらに、A (x) K の商体が L であることも明らか。 さて、f は生成的に有限だから、Spec(A (x) K) は有限集合である。 即ち、dim A (x) K = 0。これは、L が K 上代数的であることを意味する。