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代数的整数論 009



1 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/11/20(火) 21:01:45 ]
代数的整数論 009
Kummer ◆g2BU0D6YN2 が代数的整数論を語るスレです。

内容についてわからないことがあったら遠慮なく
質問してください。
その他、内容についてのご意見は歓迎します。
例えば、誤りの指摘、証明の改良など。
なお、このスレの主題に直接関係のないコメントについては
原則としてレスはしません(たとえそれが励ましの言葉であっても)。

過去スレ
#001
science4.2ch.net/test/read.cgi/math/1126510231
#002
science4.2ch.net/test/read.cgi/math/1132643310
#003
science4.2ch.net/test/read.cgi/math/1141019088/
#004
science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1164286624/
#005
science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1173998720/
#006
science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1185363461/l50
#007
science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1187904318/l50
#008
science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1189335756/

75 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/01(土) 21:54:24 ]
定義
E を実数体 R 上の線形空間とする。
E の前順序(過去スレ008の139) ≦ が次の条件を満たすとき
E を前順序線形空間と言う。
この前順序が順序のときは Eを順序線形空間と言う。

(1) x ≦ y, x ∈ E, y ∈ E なら任意の z ∈ E に対して
x + z ≦ y + z

(2) 任意の x ≧ 0, x ∈ E と任意の λ ≧ 0, λ ∈ R に対して
λx ≧ 0

76 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/01(土) 23:00:05 ]
補題
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上の線形空間とする。
C を E の錘(>>70)とする。
任意の λ > 0 に対して λC = C である。

証明
C は錘だから、任意の λ > 0 に対して λC ⊂ C である。
(1/λ)C ⊂ C であるから C ⊂ λC である。
よって λC = C である。
証明終

77 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/01(土) 23:07:24 ]
命題
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上の線形空間とする。
E の部分集合 C が凸錘であるためには

(1) C + C ⊂ C
(2) 任意の λ > 0 に対して λC ⊂ C となる

ことが必要十分である。

証明
必要性:
C が凸錘であるとする。
C は凸だから (1/2)C + (1/2)C ⊂ C である。
>>76 より (1/2)C = C だから C + C ⊂ C
C は錘だから (2) が成り立つ。

十分性:
(1) と (2) が成り立つとする。
(2) から C は錘である。
任意の 0 < λ < 1 に対して >>76 より
λC + (1 - λ)C = C + C ⊂ C
よって C は凸である。
証明終

78 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/01(土) 23:15:46 ]
命題
E を実数体 R 上の前順序線形空間(>>75)とする。
P = { x ∈ E | x ≧ 0 } とおく。
P は頂点付き凸錘(>>71, >>72)である。

証明
次の (1) と (2) が成り立つことは定義(>>75)から明らかである。

(1) P + P ⊂ P
(2) 任意の λ > 0 に対して λP ⊂ P となる

よって >>77 より P は凸錘である。
0 ∈ P だから P は頂点付きである。
証明終

79 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/02(日) 00:16:18 ]
命題
E を実数体 R 上の線形空間とする。
P を E の頂点付き凸錘(>>71, >>72)とする。
E の元 x, y の関係 x ≦ y を y - x ∈ P で定義する。
≦ は E の前順序であり E はこの前順序で前順序線形空間(>>75)となる。
このとき、P = { x ∈ E | x ≧ 0 } である。

証明
>>77 より

(1) P + P ⊂ P
(2) 任意の λ > 0 に対して λP ⊂ P
となる

x ≦ y, y ≦ z とする。
z - x = (z - y) + (y - x) ∈ P + P ⊂ P
よって x ≦ z である。

P は頂点付きだから 0 ∈ P である。
よって任意の x ∈ E に対して x ≦ x である。
以上から ≦ は前順序である。

x ≦ y なら 任意の z に対して (y + z) - (x + z) = y - x ∈ P
よって x + z ≦ y + z
(2) から x ≧ 0 なら λ > 0 に対して λx ≧ 0
よって E は前順序線形空間である。

P = { x ∈ E | x ≧ 0 } は明らかである。
証明終

80 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/02(日) 09:37:49 ]
補題
E を実数体 R 上の線形空間とする。
C を E の頂点付き凸錘(>>71, >>72)とする。
W = C ∩ (-C) は C に含まれる最大の線形部分空間である。

証明
0 ∈ W だから W は空でない。
>>76 より、任意の λ > 0 に対して λC = C である。
よって λ(-C) = -C である。
よって λW = W である。
任意の μ < 0 に対して -μ > 0 だから μ(-C) = μ(-C) である。
よって μC = C である。
よって μW = W である。

一方、W + W ⊂ (C + C) ∩ -(C + C) ⊂ C ∩ -C = W
よって W は E の線形部分空間である。

C に含まれる線形部分空間は -C にも含まれるから W にも含まれる。
証明終

81 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/02(日) 09:43:13 ]
命題
E を実数体 R 上の前順序線形空間(>>75)とする。
P = { x ∈ E | x ≧ 0 } とおく。
>>78 より P は頂点付き凸錘(>>71, >>72)である。

E の前順序が順序であるためには P が尖っている(>>73)ことが
必要十分である。

証明
E の前順序が順序であるためには P ∩ -P = 0 が必要十分である。

>>80 より P ∩ -P は P に含まれる最大の線形部分空間である。
よって、P が尖っているためには P ∩ -P = 0 が必要十分である。
証明終

82 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/02(日) 11:32:06 ]
定義
E を実数体 R 上の線形空間とする。
X を E の凸部分集合とする。
f : X → R を写像とする。

X の2元 x ≠ y と任意の 0 < λ < 1 に対して
f(λx + (1 - λ)y) ≦ λf(x) + (1 - λ)f(y)
となるとき、f を広義の凸関数または単に凸関数と言う。

f(λx + (1 - λ)y) < λf(x) + (1 - λ)f(y)
となるとき、f を狭義の凸関数と言う。

83 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/02(日) 11:34:16 ]
定義
E を実数体 R 上の線形空間とする。
X を E の凸部分集合とする。
f : X → R を写像とする。

-f が広義の凸関数(>>82)のとき f を広義の凹関数または単に
凹関数と言う。
-f が狭義の凸関数のとき f を狭義の凹関数と言う。

言い換えると、
X の2元 x ≠ y と任意の 0 < λ < 1 に対して
f(λx + (1 - λ)y) ≧ λf(x) + (1 - λ)f(y)
となるとき、f を広義の凹関数または単に凹関数と言う。

f(λx + (1 - λ)y) > λf(x) + (1 - λ)f(y)
となるとき、f を狭義の凹関数と言う。



84 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/02(日) 11:35:53 ]
定義
E を実数体 R 上の線形空間とする。
X を E の凸部分集合とする。
f : X → R を写像とする。
f が同時に凸関数(>>82)で凹関数(>>83)のとき f をアフィン関数と言う。

言い換えると、
X の2元 x ≠ y と任意の 0 < λ < 1 に対して
f(λx + (1 - λ)y) = λf(x) + (1 - λ)f(y)
となるとき、f をアフィン関数と言う。

85 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/02(日) 12:15:54 ]
凸関数と凸集合には次の関係がある。

86 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/02(日) 12:17:06 ]
命題
E を実数体 R 上の線形空間とする。
X を E の凸部分集合とする。
f : X → R を写像とする。
以下の条件は同値である。

(1) f は凸関数(>>82)である。

(2) F = { (x, a) ∈ X × R | f(x) ≦ a } は凸集合である。

(3) F' = { (x, a) ∈ X × R | f(x) < a } は凸集合である。

証明
(1) ⇒ (3)
(x, a) ∈ F', (y, b) ∈ F', 0 < λ < 1 に対して
f(λx + (1 - λ)y) ≦ λf(x) + (1 - λ)f(y) < λa + (1 - λ)b
よって
λ(x, a) + (1 - λ)(y, b) = (λx + (1 - λ)y, λa + (1 - λ)b) ∈ F'
即ち、F' は凸集合である。

(3) ⇒ (2)
(x, a) ∈ F, (y, b) ∈ F, 0 < λ < 1 とする。
任意のε > 0 に対して
(x, a + ε) ∈ F', (y, b + ε) ∈ F' である。
λ(x, a + ε) + (1 - λ)(y, b + ε)
= (λx + (1 - λ)y, λa + (1 - λ)b + λε + (1 - λ)ε)
= (λx + (1 - λ)y, λa + (1 - λ)b + ε) ∈ F'
よって、f(λx + (1 - λ)y) < λa + (1 - λ)b + ε
よって、f(λx + (1 - λ)y) ≦ λa + (1 - λ)b
即ち、λ(x, a) + (1 - λ)(y, b) ∈ F である。
よって、F は凸集合である。
(続く)

87 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/02(日) 12:22:45 ]
>>86 の続き。

(2) ⇒ (1)
X の2元 x ≠ y と任意の 0 < λ < 1 に対して
f(x) ≦ a, f(y) ≦ b となる a, b を任意に取る。
(x, a) ∈ F, (y, b) ∈ F だから
λ(x, a) + (1 - λ)(y, b) = (λx + (1 - λ)y, λa + (1 - λ)b) ∈ F
よって、f(λx + (1 - λ)y) ≦ λa + (1 - λ)b
よって、f(λx + (1 - λ)y) ≦ λf(x) + (1 - λ)f(y)
証明終

88 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/02(日) 13:17:23 ]
定義
E を実数体 R 上の前順序線形空間(>>75)とする。
f : E → R を線形写像で任意の x ≧ 0 に対して f(x) ≧ 0 とする。
このとき f を E 上の正の線形形式と言う。

89 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/02(日) 14:00:21 ]
補題
E を実数体 R 上の前順序線形空間(>>75)とする。
V を E の線形部分空間で E の任意の元 x に対して
x ≦ y となる y ∈ V が存在するとする。
f を V 上の正の線形形式(>>88) とする。
a を E の元で V に含まれないものとする。
f は V + Ra 上の正の線形形式 h に拡張される。

証明
a は V に含まれないから V + Ra の元は x + λa, x ∈ V, λ ∈ R の
形に一意に書ける。
V + Ra 上の線形形式 h が f の拡張であれば、
x ∈ V, λ ∈ R のとき h(x + λa) = f(x) + λh(a) となる。
よって、
x + λa ≧ 0 のとき f(x) + λh(a) ≧ 0 となるように h(a) を
選べればよい。

これは、λ = 0 のときは明らかであるから、λ ≠ 0 としてよい。
λ > 0 のとき f(x) + λh(a) ≧ 0 は f(x/λ) + h(a) ≧ 0 と
同値である。x は任意だから、これは f(x) + h(a) ≧ 0 と同値である。
即ち f(x) ≦ h(a) と同値である。
λ < 0 のとき f(x) + λh(a) ≧ 0 は f(x/λ) + h(a) ≦ 0 と
同値である。x は任意だから、これは f(x) + h(a) ≦ 0 と同値である。
即ち h(a) ≦ f(x) と同値である。
以上から、任意の x ∈ V と 任意の y ∈ V に対して、
f(x) ≦ h(a) ≦ f(y) となるように h(a) が選べればよい。

(続く)

90 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/02(日) 14:01:06 ]
>>89 の続き。

A = { x ∈ V | x ≦ a } とおく。
-a ≦ x となる x ∈ V があるから -x ≦ a となって A は空でない。

B = { x ∈ V | a ≦ x } とおく。
仮定から B は空でない。

x ∈ A, y ∈ B のとき x ≦ a ≦ y である。
f は正の線形形式だから、f(x) ≦ f(y) となる。
よって α = sup{ f(x) | x ∈ A } と β = inf{ f(x) | x ∈ B } は
有限であり、α ≦ β である。
区間 [α, β] の任意の元 γ に対して h(a) = γ とおけばよい。
証明終

91 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/02(日) 14:17:22 ]
命題
E を実数体 R 上の前順序線形空間(>>75)とする。
V を E の線形部分空間で E の任意の元 x に対して
x ≦ y となる y ∈ V が存在するとする。
f を V 上の正の線形形式(>>88) とする。
f は E 上の正の線形形式 h に拡張される。

証明
V を含む E の線形部分空間 W と W 上で定義された正の線形形式 g で
f の拡張になっているものの対 (W, g) 全体の集合を Φ とおく。
Φ の順序 (W, g) ≦ (W', g') を W ⊂ W' で g' が g の拡張である
として定義する。
明らかに Φ は帰納的な集合であるから Zorn の補題により Φ には
極大元 (Z, h) が存在する。
E ≠ Z と仮定する。
a を E の元で V に含まれないものとする。
>>89 より h は V + Ra 上の正の線形形式 h' に拡張される。
これは (Z, h) が極大であることに反する。
よって E = Z である。
証明終

92 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/02(日) 14:28:46 ]
定義
E を実数体 R 上の線形空間とする。
p : E → R を写像で任意の x ∈ E と任意の λ ≧ 0 に対して
p(λx) = λp(x) とする。
このとき p を E 上の正の半同次形式と言う。

93 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/02(日) 14:38:14 ]
命題
E を実数体 R 上の線形空間とする。
p を E 上の正の半同次形式(>>92)とする。

p が凸(>>82)であるためには
任意の x ∈ E, y ∈ E に対して
p(x + y) ≦ p(x) + p(y) となることが必要十分である。

証明
必要性:
p が凸であるとする。
任意の x ∈ E, y ∈ E に対して
p((1/2)x + (1/2)y) ≦ (1/2)p(x) + (1/2)p(y) となる。
よって (1/2)p(x + y) ≦ (1/2)(p(x) + p(y))
よって p(x + y) ≦ p(x) + p(y)

十分性:
任意の x ∈ E, y ∈ E に対して
p(x + y) ≦ p(x) + p(y) となるとする。

0 < λ < 1 に対して
p(λx + (1 - λ)y) ≦ p(λx) + p((1 - λ)y) = λp(x) + (1 - λ)p(y)
よって、p は凸である。
証明終



94 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/02(日) 14:44:57 ]
定義
E を実数体 R 上の線形空間とする。
E 上の正の半同次形式(>>92)で凸(>>82)であるものを劣線形形式
(sublinear form)または劣線形関数と言う。

95 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/08(土) 21:59:35 ]
定理(Hahn-Banachの定理の解析版)
E を実数体 R 上の線形空間とする。
p を E 上の劣線形関数(>>94)とする。
V を E の線形部分空間とし、 f を V 上の線形形式で
任意の y ∈ V に対して f(y) ≦ p(y) とする。
このとき E 上の線形形式 h で f の拡張であり
任意の x ∈ E に対して h(x) ≦ p(x) となるものがある。

証明
P = { (x, a) ∈ E × R | p(x) ≦ a } とおく。
>>86 より P は R 上の線形空間 E × R の 凸部分集合である。
P は明らかに頂点付き錘(>>71)である。
>>79 より E × R の元 (x, a), (y, b) の関係 (x, a) ≦ (y, b) を
(y, b) - (x, a) ∈ P で定義することにより E × R は
前順序線形空間となる。

(y, a) ∈ V × R のとき g(y, a) = a - f(y) とおく。
(y, a) ∈ (V × R) ∩ P のとき f(y) ≦ p(y) ≦ a であるから
g(y, a) = a - f(y) ≧ 0
よって g は V × R 上の正の線形形式(>>88)である。

任意の (x, a) ∈ E × R に対して b ≧ p(-x) + a となる b ∈ R を
とる。(x, a) ≦ (0, b) であり (0, b) ∈ V × R である。
よって、>>91 より g は E 上の正の線形形式 u に拡張される。
a ∈ R のとき (0, a) ∈ V × R だから u(0. a) = g(0, a) = a
よって任意の (x, a) ∈ E × R に対して
u(x. a) = u((x, 0) + (0, a)) = u(x, 0) + u(0. a) = u(x, 0) + a
h(x) = -u(x, 0) とおけば h は E 上の線形形式であり、
u(x. a) = a - h(x) である。よって h は f の拡張である。
u は正の線形形式だから p(x) ≦ a のとき h(x) ≦ a である。
よって h(x) ≦ p(x) である。
証明終

96 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/08(土) 22:13:08 ]
>>95 の証明は Bourbaki による。
私の個人的な感じだが、この証明は綺麗だがなんとなく
キツネにつままれたような気がしないでもない。
間接的な証明だからかもしれない。
そこで直接的な証明をすることにする。
これは過去スレ006の768と本質的には同じである。

97 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/08(土) 23:00:42 ]
>>95 を証明する前段階として、次の補題を証明する。

補題
E を実数体 R 上の線形空間とする。
p を E 上の劣線形関数(>>94)とする。
V を E の線形部分空間とし、 f を V 上の線形形式で
任意の y ∈ V に対して f(y) ≦ p(y) とする。
a ∈ E - V に対して L = V + Ra とおく。
このとき L 上の線形形式 h で f の拡張であり
任意の x ∈ L に対して h(x) ≦ p(x) となるものがある。

この証明を述べる前に、その方針を述べる。

λ ≠ 0 のとき、任意の x ∈ V に対して
f(x) + λh(a) ≦ p(x + λa) となるように h(a) を定めればよい。

λ > 0 のとき両辺に 1/λ を掛けて
f((1/λ)x) + h(a) ≦ p((1/λ)x + a)
y = (1/λ)x とおくと、f(y) + h(a) ≦ p(y + a)
即ち h(a) ≦ p(y + a) - f(x)

λ < 0 のとき両辺に -(1/λ) を掛けて
f(-(1/λ)x) - h(a) ≦ p(-(1/λ)x - a)
z = -(1/λ)x とおくと、f(z) - h(a) ≦ p(z - a)
即ち f(z) - p(z - a) ≦ h(a)

よって f(z) - p(z - a) ≦ h(a) ≦ p(y + a) - f(y)
よって f(z) - p(z - a) ≦ p(y + a) - f(y)
即ち f(y) + f(z) ≦ p(y + a) + p(z - a) を示せばよい。
これは
f(y + z) ≦ p(y + z) = p((y + a) + (z - a)) ≦ p(y + a) + p(z - a)
より出る。

98 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/08(土) 23:21:46 ]
補題
E を実数体 R 上の線形空間とする。
p を E 上の劣線形関数(>>94)とする。
V を E の線形部分空間とし、 f を V 上の線形形式で
任意の y ∈ V に対して f(y) ≦ p(y) とする。
a ∈ E - V に対して L = V + Ra とおく。
このとき L 上の線形形式 h で f の拡張であり
任意の x ∈ L に対して h(x) ≦ p(x) となるものがある。

証明
任意の y ∈ V と任意の z ∈ V に対して
f(y + z) ≦ p(y + z) = p((y + a) + (z - a)) ≦ p(y + a) + p(z - a)
よって f(y) + f(z) ≦ p(y + a) + p(z - a)
よって f(z) - p(z - a) ≦ p(y + a) - f(y)

よって、
α = sup { f(z) - p(z - a) | z ∈ V }
β = inf { p(y + a) - f(y) | y ∈ V }
とおくと α と β は有限であり、α ≦ β である。
α ≦ h(a) ≦ β となるように h(a) を選ぶ。
任意の x ∈ V と λ ∈ R に対して h(x) = f(x) + λh(a) とおく。
>>97 で示したように f(x) + λh(a) ≦ p(x + λa) となる。
証明終

99 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/08(土) 23:39:56 ]
Hahn-Banachの定理の解析版(>>95)の別証

V を含む E の線形部分空間 W と W 上で定義された線形形式 g で
f の拡張であり、任意の y ∈ W に対して g(y) ≦ p(y) と
なっているものの対 (W, g) 全体の集合を Φ とおく。
Φ の順序 (W, g) ≦ (W', g') を W ⊂ W' で g' が g の拡張である
として定義する。
明らかに Φ は帰納的な集合であるから Zorn の補題により Φ には
極大元 (Z, h) が存在する。
E ≠ Z と仮定する。
a を E の元で V に含まれないものとする。
>>98 より h は V + Ra 上の線形形式 h' で
任意の y ∈ V + Ra に対して h'(y) ≦ p(y) となるもの
に拡張される。
これは (Z, h) が極大であることに反する。
よって E = Z である。
証明終

100 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/08(土) 23:49:27 ]
Hahn-Banachの定理の証明は >>95>>99 も実数体の順序構造の性質
に依存していることに注意しておく。
即ち、この定理は本質的に実線形空間の定理であると考えられる。

101 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/09(日) 00:33:18 ]
Hahn-Banachの定理の解析版(>>95)の系1

E を実数体 R 上の線形空間とする。
p を E 上の半ノルム(過去スレ008の458)とする。
V を E の線形部分空間とし、 f を V 上の線形形式で
任意の y ∈ V に対して |f(y)| ≦ p(y) とする。
このとき E 上の線形形式 h で f の拡張であり
任意の x ∈ E に対して |h(x)| ≦ p(x) となるものがある。

証明
半ノルムは劣線形関数(>>94)である。
任意の y ∈ V に対して f(y) ≦ |f(y)| ≦ p(y) であるから
Hahn-Banachの定理の解析版(>>95) より
E 上の線形形式 h で f の拡張であり
任意の x ∈ E に対して h(x) ≦ p(x) となるものがある。
h(-x) ≦ p(-x) = p(x) であるから
h(x) ≧ -p(x) である。
よって、|h(x)| ≦ p(x) である。
証明終

102 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/09(日) 08:59:35 ]
命題
E を複素数体 C 上の線形空間とする。
Hom(E, C) を E から C への C 上の線形写像全体の集合とする。
Hom(E, R) を E から実数体 R への R 上の線形写像全体の集合とする。

f ∈ Hom(E, C) に対して Re(f) を f の実部とする。
即ち x ∈ E に対して Re(f)(x) = Re(f(x)) である。
Re(f) は明らかに Hom(E, R) の元である。

このとき f に Re(f) を対応させる写像 Re : Hom(E, C) → Hom(E, R) は
全単射である。

証明
f ∈ Hom(E, C) に対して g = Re(f) を f の実部、
h = Im(f) を f の虚部とする。
f = g + ih である。
即ち x ∈ E に対して f(x) = g(x) + ih(x) である。
f(ix) = if(x) であるから
g(ix) + ih(ix) = -h(x) + ig(x) である。
よって h(x) = -g(ix) である。
よって f(x) = g(x) - ig(ix) である。

逆に g ∈ Hom(E, R) に対して f(x) = g(x) - ig(ix) とおけば、
f(ix) = g(ix) + ig(x) = if(x) であるから f ∈ Hom(E, C) である。
この f を Γ(g) と書けば Re と Γ は互いに逆写像である。
証明終

103 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/09(日) 09:03:39 ]
>>102 を使って >>101 を複素線形空間の定理に拡張出来る。



104 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/09(日) 09:37:09 ]
定理(Hahn-Banach)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上の線形空間とする。
p を E 上の半ノルム(過去スレ008の458)とする。
V を E の線形部分空間とし、 f を V 上の線形形式で
任意の y ∈ V に対して |f(y)| ≦ p(y) とする。
このとき E 上の線形形式 h で f の拡張であり
任意の x ∈ E に対して |h(x)| ≦ p(x) となるものがある。

証明
K = R のときは >>101 で証明されているから K = C としてよい。
Re(f) を f の実部とする。
任意の y ∈ V に対して |Re(f)(y)| ≦ |f(y)| ≦ p(y) である。
よって、>>101 より E 上の線形形式 g で f の拡張であり
|g(x)| ≦ p(x) となるものがある。
>>102 より h(x) = g(x) - ig(ix) は Hom(E, C) の元であり、
f の拡張である。

任意の x ∈ E に対して |h(x)| ≦ p(x) を示せばよい。
h(x) = 0 ならこの不等式は明らかであるから h(x) ≠ 0 とする。

任意の実数 θ に対して λ = exp(iθ) とおく。
p(λx) = |λ|p(x) = p(x) であることに注意する。

|Re(λh(x))| = |Re(h(λx))| = |Re(g(λx))| ≦ p(λx) = p(x)

h(x) の偏角を θ とすれば h(x) = |h(x)|exp(iθ)である。
λ = exp(-iθ) とすれば λh(x) = |h(x)| である。
よって Re(λh(x)) = |h(x)|
よって上の不等式から |h(x)| ≦ p(x) である。
証明終

105 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/09(日) 09:42:55 ]
訂正

>>104
>よって、>>101 より E 上の線形形式 g で f の拡張であり
>|g(x)| ≦ p(x) となるものがある。

よって、>>101 より E 上の実線形形式 g で Re(f) の拡張であり
|g(x)| ≦ p(x) となるものがある。

106 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/09(日) 13:16:48 ]
命題(>>104 の系1)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上の線形空間とする。
p を E 上の半ノルム(過去スレ008の458)とする。
x_0 を E の点とする。
このとき E 上の線形形式 f で f(x_0) = p(x_0) で、
任意の x ∈ E に対して |f(x)| ≦ p(x) となるものがある。

証明
x_0 で生成される E の線形部分空間を V とする。
V 上の線形形式 g を g(x_0) = p(x_0) で定義する。
即ち、任意の λ ∈ K に対して g(λx_0) = λp(x_0) である。
|g(λx_0)| = |λp(x_0)| = |λ|p(x_0) = p(λx_0) である。
よって >>104 より E 上の線形形式 f で g の拡張であり
任意の x ∈ E に対して |f(x)| ≦ p(x) となるものがある。
f(x_0) = g(x_0) = p(x_0) である。
証明終

107 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/09(日) 20:54:59 ]
訂正

>>104
>|Re(λh(x))| = |Re(h(λx))| = |Re(g(λx))| ≦ p(λx) = p(x)

|Re(λh(x))| = |Re(h(λx))| = |g(λx)| ≦ p(λx) = p(x)

108 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/09(日) 20:57:24 ]
>>104 の証明の補足。

|h(x)| ≦ p(x) であることは偏角を使わなくても次のようにして出来る。

h(x) ≠ 0 とする。
λ = |h(x)|/h(x) とおく。
|λ| = 1 である。
λh(x) = |h(x)| であるから Re(λh(x)) = |h(x)|
よって、
|h(x)| = |Re(λh(x))| = |Re(h(λx))| = |g(λx)| ≦ p(λx) = p(x)

109 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/15(土) 12:22:38 ]
Hahn-Banachの定理(>>104)を局所凸位相線形空間に適用するには
局所凸位相線形空間の間の連続写像を半ノルムで特徴付ける必要がある。
これについて述べる。

110 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/15(土) 14:12:22 ]
命題
K を可換とは限らない体とする。
| | を K の自明でない絶対値(過去スレ006の414)とする。
E と F を K 上の左位相線形空間とし E の位相は半ノルムの集合 Γ で
定義され(過去スレ008の469) F の位相は半ノルムの集合 Γ' で
定義されるとする。

f : E → F を線形写像とする。
f が連続であるためには
任意の q ∈ Γ' に対して Γ の元の有限列 p_i, i = 1, ... , n と
実数 α > 0 が存在し任意の x ∈ E に対して

q(f(x)) ≦ αsup{ p_i(x) | i = 1, ... , n}

となることが必要十分である。

証明
条件の十分性:
任意の γ > 0 に対して p_i(x) < γ/α, i = 1, ... , n
であれば、q(f(x)) < γ であるから f は 0 で連続である。
従って、
a ∈ E と任意の γ > 0 に対して p_i(x - a) < γ/α, i = 1, ... , n
であれば、q(f(x) - f(a)) = q(f(x - a)) < γ であるから
f は a で連続である。

(続く)

111 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/15(土) 14:12:59 ]
>>110 の続き。

条件の必要性:
f は 0 で連続だから、
任意の γ > 0 に対して Γ の元の有限列 p_i, i = 1, ... , n と
実数 α > 0 が存在し p_i(x) < α, i = 1, ... , n
であれば、q(f(x)) < γ となる。
p = sup{ p_i(x) | i = 1, ... , n} とおく。
p は半ノルムである。
α < 1 と仮定してよい。
さらに、K の絶対値は自明でないから
α = |λ| < 1 となる λ ∈ K があると仮定してよい。
p(x) ≦ |λ|^(m + 1) となる有理整数 m がある。
p(λ^(-m)x) ≦ |λ| であるから、q(f(x)) < γ|λ|^m
このとき、p(x) = 0 なら m はいくらでも大きく出来るから
q(f(x)) = 0 である。
よって、p(x) ≠ 0 と仮定してよい。

|λ|^(m + 2) < p(x) ≦ |λ|^(m + 1) となる有理整数 m がある。
|λ|^m < |λ|^(-2) p(x)
よって、
q(f(x)) < (γ|λ|^(-2))p(x)
α = γ|λ|^(-2) とおけば、q(f(x)) < αp(x)
証明終

112 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/15(土) 14:46:51 ]
命題(>>104 の系2)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上の局所凸線形空間とする。
M を E の線形部分空間で f を M 上の連続な線形形式とする。
f は E 上の連続な線形形式 h に拡張される。

証明
>>110 より E 上の連続な半ノルム p で
任意の x ∈ M に対して |f(x)| ≦ p(x) となるものがある。
>>104 より E 上の線形形式 h で f の拡張であり
任意の x ∈ E に対して |h(x)| ≦ p(x) となるものがある。
>>110 より h は連続である。
証明終

113 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/15(土) 14:49:23 ]
局所凸線形位相空間が重要な理由の一つは >>112 が成り立つことである。



114 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/15(土) 15:35:04 ]
命題(>>104 の系3)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のノルム空間とする。
M を E の線形部分空間で f を M 上の連続な線形形式とする。
E 上の連続な線形形式 h で f の拡張であり |h| = |f| となるものが
存在する。
ここで、 |h| と |f| はそれぞれ h と f のノルム(過去スレ006の690)
である。

証明
p を E のノルムとする。f は連続だから |f| は有限である。
任意の x ∈ M に対して |f(x)| ≦ |f|p(x) となる。
|f|p(x) は E の半ノルムだから
>>104 より,E 上の線形形式 h で f の拡張であり
任意の x ∈ E に対して |h(x)| ≦ |f|p(x) となるものが存在する。
よって、|h| ≦ |f| である。
よって |h| は有限であり、h は連続である。

x ∈ E に対して |h(x)| ≦ |h|p(x) となる。
h は f の拡張であるから
x ∈ M に対して |f(x)| ≦ |h|p(x) となる。
よって、|f| ≦ |h| である。
証明終

115 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/16(日) 13:39:54 ]
定義
K を可換とは限らない位相体(過去スレ006の190)とする。
E を K 上の左位相線形空間(過去スレ006の583)とし
E は部分線形空間 M_1. ... , M_n の直和であるとする。
M = ΠM_i を位相線形空間の直積とする。
M から E への写像 f : M → E を
f(x_1, ... , x_n) = x_1 + ... , + x_n で定義する。
f は連続な全単射であるが、これが位相同型であるとき
E は M_i の位相直和であるという。

116 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/16(日) 13:54:07 ]
命題
K を可換とは限らない位相体(過去スレ006の190)とする。
E を K 上の左位相線形空間(過去スレ006の583)とし
E は部分線形空間 M_1. ... , M_n の直和であるとする。
E から各 M_i への射影を p_i とする。
E が M_i の位相直和(>>115)であるためには各 p_i が連続であることが
必要十分である。


証明
必要性は位相直和の定義(>>115)から明らかである。

各 p_i が連続であるとする。
M から E への写像 f : M → E を
f(x_1, ... , x_n) = x_1 + ... , + x_n で定義する。

x ∈ E に (p_1(x), ... , p_n(x)) ∈ ΠM_i を
対応させる写像 g は連続であり、f の逆写像である。
証明終

117 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/16(日) 16:01:04 ]
定義
K を可換とは限らない位相体(過去スレ006の190)とする。
E を K 上の左位相線形空間(過去スレ006の583)とし
E は部分線形空間 M と N の位相直和(>>115)であるとする。
このとき N を M の位相補空間と言う。

118 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/16(日) 16:10:40 ]
命題
K を可換とは限らない位相体(過去スレ006の190)とする。
E を K 上の左位相線形空間(過去スレ006の583)とし
M を E の部分線形空間とする。
f : E → M を連続な線形写像で任意の x ∈ M に対して
f(x) = x とする。
このとき M は位相補空間(>>117)を持つ。

証明
N = f^(-1)(0) とおく。
E は M と N の直和である。
1 - f はこの直和分解に関して E から N への射影であり連続である。
>>116 より E は M と N の位相直和(>>115)である。
証明終

119 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/16(日) 18:21:04 ]
命題(>>104 の系4)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上の分離的な局所凸線形空間とする。
M を E の有限次元の線形部分空間とする。
M は位相補空間を持つ。

証明
e_1, . . . , e_n を M の任意の基底とする。
過去スレ006の651より
写像 f : Σ(ξ_i)(e_i) → (ξ_i) は M から K^n への位相同型である。
f_i : M → K を f(Σ(ξ_i)(e_i)) = ξ_i により定義する。
>>112より f_i は E 上の連続な線形形式 g_i に拡張される。
g(x) = (g_1(x), ... , g_n(x)) により g : E → K^n を定義する。
h = f^(-1)g とおく。h : E → M は連続な線形写像であり、
x ∈ M のとき h(x) = x である。
>>118 より M は位相補空間を持つ。
証明終

120 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/22(土) 11:35:28 ]
後で必要になるのでアフィン空間について寄り道をする。
アフィン空間とは標語的に言うと、原点+べクトル空間のことである。
正確に定義すると次のようになる。

121 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/22(土) 11:36:26 ]
定義
K を可換とは限らない体とする。
V を K 上の左線形空間とする。
V に付随するアフィン空間 E とは V を加法群とみたとき
推移的な V-集合(過去スレ004の388,389) E であり、
E のある1点の安定化部分群(過去スレ004の392)が 0 と
なるようなものである。

122 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/22(土) 11:46:47 ]
K を可換とは限らない体とする。
V を K 上の左線形空間とし、
E を V に付随するアフィン空間(>>121)とする。

V は E に推移的に作用するから、E の任意の点の安定化部分群は
0 である。

E の点 p と V の元 x に対して x の p に対する作用を p + x または
x + p と書く。

V は E に推移的に作用するから、
E の2元 p, q に対して q = p + x となる x ∈ V が有る。
y ∈ V に対して p + x = p + y なら p + (x - y) = p である。
p の安定化部分群は 0 だから x - y = 0 である。
即ち q = p + x となる x ∈ V は一意に定まる。
このとき x = q - p と書く。

123 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/22(土) 12:05:43 ]
K を可換とは限らない体とする。
V を K 上の左線形空間とする。

x ∈ V と y ∈ V に対して x の y に対する作用を x + y と定義することにより
V は V に付随するアフィン空間(>>121)になる。

E を V に付随するアフィン空間(>>121)とする。
p ∈ E をとる。
>>122 より x ∈ V に対して p + x ∈ E を対応させる写像 f は
V から E への全単射である。

x ∈ V, y ∈ V のとき
f(x + y) = p + (x + y) = (p + x) + y = f(x) + y

よって f は V-集合としての同型(過去スレ004の399)である。



124 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/23(日) 06:54:25 ]
定義
K を可換とは限らない体とする。
V を K 上の左線形空間とし、
E を V に付随するアフィン空間(>>121)とする。

E の部分集合 F が E のアフィン部分空間であるとは、F が空集合であるか
V の線形部分空間 W と E の点 p があり、F = p + W と書けることを言う。
ここで、 p + W = { p + x | x ∈ W } である。

125 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/23(日) 07:33:17 ]
K を可換とは限らない体とする。
V を K 上の左線形空間とし、
E を V に付随するアフィン空間(>>121)とする。

a, x_1, ... , x_n を E の(必ずしも相異ならない)点とする。

1 ≦ i ≦ n のとき x_i - a は V に属す。
従って、λ_1, ... , λ_n を K の元としたとき
x = a + Σλ_i(x_i - a) は E に属す。

p を E の任意の点とする。

x - p = a - p + Σλ_i(x_i - p - (a - p))
= (1 - Σλ_i)(a - p) + Σλ_i(x_i - a)

これから次の命題が出る。

126 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/23(日) 07:39:23 ]
命題
K を可換とは限らない体とする。
V を K 上の左線形空間とし、
E を V に付随するアフィン空間(>>121)とする。

x_1, ... , x_n を E の(必ずしも相異ならない)点とする。
λ_1, ... , λ_n を K の元の列で Σλ_i = 1 とする。

p を E の任意の点とする。
x = p + Σλ_i(x_i - p) は p の取り方によらない。

証明
q を E の点とする。

x - q = p - q + Σλ_i(x_i - q - (p - q))
= (1 - Σλ_i)(p - q) + Σλ_i(x_i - q) = Σλ_i(x_i - q)

即ち
x = q + Σλ_i(x_i - q)
証明終

127 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/23(日) 08:04:17 ]
定義
K を可換とは限らない体とする。
V を K 上の左線形空間とし、
E を V に付随するアフィン空間(>>121)とする。

x_1, ... , x_n を E の(必ずしも相異ならない)点とする。
λ_1, ... , λ_n を K の元の列で Σλ_i = 1 とする。
p を E の任意の点とする。
>>126 より
x = p + Σλ_i(x_i - p) は p の取り方によらない。

x を x_i の質量 λ_i の重心と言う。

128 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/23(日) 08:36:05 ]
命題
K を可換とは限らない体とする。
V を K 上の左線形空間とし、E を V に付随するアフィン空間(>>121)とする。

E の部分集合 F が E のアフィン部分空間(>>124)であるためには、
次の条件が成り立つことが必要十分である。

F の任意の有限点列 x_1, ... , x_n と K の元の有限列
λ_1, ... , λ_n で Σλ_i = 1 となるものに対して、
x_i の質量 λ_i の重心(>>127)が常に F に属す。

証明
必要性:
F = p + W とする。ここで、 p ∈ E で W は V の線形部分空間である。
x_1, ... , x_n を F の元の有限列、
λ_1, ... , λ_n を K の元の有限列で Σλ_i = 1 とする。
x_i - p ∈ W であるから、
x_i の質量 λ_i の重心 p + Σλ_i(x_i - p) は F に属す。

十分性:
F は空でないと仮定してよい。
a ∈ F をとる。
W = { x - a | x ∈ F } は 0 = a - a を含むから空ではない。

x, y を W の元とし、λ ∈ K, μ ∈ K とする。
a + λ(x - a) + μ(y - a)
= (1 - λ - μ)(a - a) + λ(x - a) + μ(y - a)
これは a, x, y の質量がそれぞれ 1 - λ - μ, λ, μ の重心である。
よって、仮定から a + λ(x - a) + μ(y - a) ∈ F である。
よって、 λ(x - a) + μ(y - a) ∈ W である。
即ち W は V の線形部分空間である。
証明終

129 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/12/23(日) 09:26:53 ]
命題
K を可換とは限らない体とする。
V を K 上の左線形空間とし、
E を V に付随するアフィン空間(>>121)とする。

(x_i), i ∈ I を E の元の族とする。
(x_i) の質量 (λ_i) の重心(>>127)全体は E のアフィン部分空間である。

ここで、(λ_i), i ∈ I は K の元の族で有限個の i ∈ I を除いて
λ_i = 0 で Σλ_i = 1 である。

証明
I が空集合のときは明らかだから I は空集合でないとする。
i ∈ I を固定する。
(λ_i), i ∈ I を K の元の族で有限個の i ∈ I を除いて
λ_i = 0 で Σλ_i = 1 とする。
(x_i) の質量 (λ_i) の重心は、x_i + Σλ_j(x_j - x_i), i ≠ j と
書ける。
これから命題の主張は明らかである。
証明終






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