補題 f: X = Spec(A) → Y = Spec(B) をアフィンスキームの射とする。 さらに、A, B は整域とする。 f が支配的なら、付随する射 ψ: B → A は単射である。
証明 Ker(ψ) が 0 でないとする。h を 0 でない Ker(ψ) の元とする。 B は整域だから h はベキ零ではない。従がって、D(h) は空でない。 f^(-1)(D(h)) = D(ψ(h)) = D(0) となるが、D(0) は空集合である。 つまり、D(h) ∩ f(X) は空である。これは、f(X) が Y で稠密で あることに反する。
588 名前:∩( ・ω・)∩ ばんじゃーい [03/11/03 04:22]
∩( ・ω・)∩ ばんじゃーい
589 名前:132人目の素数さん [03/11/03 04:42]
補題 f: X = Spec(A) → Y = Spec(B) をアフィンスキームの射とする。 A, B は整域とする。 f が支配的かつ生成的に有限な有限型射とする。 このとき、X の関数体は Y の関数体の有限次拡大である
証明 >>587の補題より、B ⊆ A と考えてよい。 >>528の補題より、Y の生成点 ζにたいして、 f^(-1)(ζ) = Spec(A (x) K) と見なせる。 ここに、K は Y の関数体、即ち B の商体であり、 A (x) K は A と K の B 上のテンソル積である。 f は有限型射だから>>511より A は B 上の有限生成の代数である。 従がって、A (x) K も K 上有限生成な代数である。 A (x) K は、A の 積閉集合 B - {0} による局所化であるから、 L を X の関数体としたとき、A (x) K ⊆ L と考えてよい。 さらに、A (x) K の商体が L であることも明らか。 さて、f は生成的に有限だから、Spec(A (x) K) は有限集合である。 即ち、dim A (x) K = 0。これは、L が K 上代数的であることを意味する。
590 名前:132人目の素数さん [03/11/03 05:13]
補題 f: X = Spec(A) → Y = Spec(B) をアフィンスキームの射とする。 A, B は整域とする。 f が支配的かつ生成的に有限な有限型射とする。 このとき Y の稠密な開部分集合 U が存在し、 f により誘導される射 f^(-1)(U) → U が有限射となることを示せ。
証明 >>589の補題より、B ⊆ A と考えてよい。 さらに、A の商体 L は B の商体 K の有限次拡大である。 A は B 上の代数として有限生成だから、その有限個の 生成元を a_i とする。各 a_i は K 上代数的であるから、 b_i0 (a_i)^n + b_i1 (a_i)^(n-1) + ... + b_in = 0 となる B の元 b_ij が存在する。この式の両辺を b_i0 で割ること により、a_i は B[1/b_i0] 上整であることがわかる。 各 i にわたる b_i0 の積を b とする。各 a_i は B[1/b] の上に整となる。従がって、A[1/b] は B[1/b] 上整となる。 A[1/b] は B[1/b] 上の代数として有限生成だから、 加群としても有限生成となる。 U = Spec(B[1/b]) とすれば、f^(-1)(U) = Spec(A[1/b]) だから、>>488より、f^(-1)(U) → U は有限射である。
591 名前:132人目の素数さん [03/11/03 09:43]
まいった。降参。 >>491のHartshorne II Ex. 3.7 がわからない。 >>590で証明したように、X と Y がアフィンなら成り立つ。 しかし、一般の場合の証明が出来ない。 誰か証明してくれ。
592 名前:132人目の素数さん [03/11/03 10:07]
Hartshorne II Ex. 3.8 (正規化)
スキーム X の各局所環 O_x が整閉整域のとき、 X を正規スキームと呼ぶ。 X を整スキームとする。各アフィン開集合 U = Spec(A) に 対して、A~ を A のその商体における整閉包とし、 U~ = Spec(A~) とおく。各 U~ を張り合わせて X の正規化と 呼ばれるスキーム X~ が得られることを示せ。 さらに、射 : X~ → X が存在し、次の普遍性を持つことを 示せ。任意の正規な整スキーム Z と任意の支配的射 f: Z → X に対して、f は Z → X~ → X と一意に分解する。 もし、X が体 k 上有限型であれば、X~ → X は有限射である。
定義 f: X → Y をスキームの射とする。y ∈ Y を点とする。 k(y) を y の剰余体とし、Spec(k(y)) → Y を標準射とする。 このとき、X_y = X x Spec(k(y)) を 射 f の y 上のファイバー と呼ぶ。ここで、X x Spec(k(y)) は Y 上のファーバー積である。
596 名前:132人目の素数さん [03/11/03 15:37]
Hartshorne II Ex. 3.10 (射のファイバー)
(a) f: X → Y をスキームの射とする。y ∈ Y を点とする。 sp(X_y) は、f^(-1)(y) と位相同型であることを示せ。 ここで、sp(X_y) は、f の y 上のファイバー X_y の台位相空間を あらわし、f^(-1)(y) は、X の部分空間としての位相を考える。
(b) X = Spec(k[s, t])/(s - t^2), Y = Spec(k[s]) とし, f: X → Y を s → s により定義される射とする。 y ∈ Y を点 a ∈ k, a ≠ 0 とする。このとき、ファイバー X_y は、2点からなり、剰余体は k であることを示せ。 y が点 0 ∈ k に対応する場合は、X_y は被約でない1点からなる スキームであることを示せ。 ηが Y の生成点のとき、X_ηは1点からなるスキームであり、 その剰余体は、ηの剰余体の2次の拡大体であることを示せ (k を代数的閉体と仮定せよ)。
597 名前:132人目の素数さん [03/11/03 16:02]
定義 閉埋入とは、スキームの射 f: Y → X で、sp(Y) から sp(X) の 閉部分集合への位相同型を誘導し、さらに f による誘導射 O_X → f_*(O_Y) が全射となるものをいう。 スキーム X の閉部分スキームとは、閉埋入の同値類をいう。 ここで、f: Y → X と f': Y' → X は、同型 i: Y'→ Y で f' = fi となるものが存在するとき、同値という。
598 名前:132人目の素数さん [03/11/03 16:17]
Hartshorne II Ex. 3.11 (閉部分スキーム)
(a) 閉埋入は基底の拡大で安定である: すなわち、f: Y → X を閉埋入とし、X' → X を任意の射とする。 このとき、Y x X' → X' も閉埋入である。 ここで、Y x X' は X 上のファイバー積である。
補題 X = Spec(A) をアフィン整スキームとする。 X が正規なら、A は、その商体において整閉である。
証明 定義から A の各局所環は整閉である。 これから、A も整閉である。
614 名前:132人目の素数さん [03/11/03 22:48]
補題 X = Spec(A) をアフィン整スキームとする。 A~ を A の商体における A の整閉包とする。 X~ = Spec(A~) は>>610の意味の X の正規化である。
証明 f: X~ → X を標準射とする。 U = Spec(B) を X のアフィン開集合とする。 f^(-1)(U) は Spec(A~ (x) B) と見なせる。 ここに、A~ (x) B は、A 上のテンソル積。 f^(-1)(U) の商体は、X~ の商体、即ち X の商体である。 f^(-1)(U) は正規であるから、>>613の補代より A~ (x) B は整閉である。これから、A~ (x) B は B の整閉包 である。
615 名前:132人目の素数さん [03/11/03 22:59]
補題 X = Spec(A) をアフィン整スキームとする。 X~ を>>610の意味の X の正規化とする。 f: X~ → X を標準射とする。 任意の正規な整スキーム Z と任意の支配的射 g: Z → X に対して、g は Z → X~ → X と一意に分解する。
証明 U = Spec(B) を Z の任意の空でないアフィン開集合とする。 g の制限 U → X を考える。 g は支配的だから、A → B は単射である。 B は整閉だから、A → B は、A → A~ → B と一意に分解する。 即ち、U → X は、U → X~ → X と一意に分解する。 U は任意の空でないアフィン開集合であったから、 補代がいえる。
616 名前:132人目の素数さん [03/11/03 23:05]
補題 X 整スキームとする。 X~ を>>610の意味の X の正規化とする。 f: X~ → X を標準射とする。 任意の正規な整スキーム Z と任意の支配的射 g: Z → X に対して、g は Z → X~ → X と一意に分解する。
証明 U = Spec(A) を x の任意の空でないアフィン開集合とする。 >>615より、g^(-1)(U) → U は、g^(-1)(U) → f^(-1)(U) → U と一意に分解する。これより、補題がいえる。
617 名前:132人目の素数さん [03/11/03 23:12]
補題 X = Spec(A) をアフィン整スキームとする。 X~ = Spec(A~) を X の正規化とする。 f: X~ → X を標準射とする。 U を X の任意の空でない開集合とする。 f^(-1)(U) は、U の正規化である。