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代数的整数論 004



1 名前:132人目の素数さん [2006/11/23(木) 21:57:04 ]
Kummer ◆g2BU0D6YN2氏が代数的整数論を語るスレです。

前スレ
science4.2ch.net/test/read.cgi/math/1141019088/

554 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/29(月) 12:51:34 ]
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
I = (A : B) を A の導手とする。
p ≠ 0 を A の素イデアルとする。

p が正則であるためには A_p が離散付値環であることが
必要十分である。

証明
>>436>>551 より p が正則であるためには A_p が整閉であることが
必要十分である。

>>554 より、これは A_p が離散付値環であることと同値である。
証明終

555 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/29(月) 12:53:02 ]
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
p ≠ 0 を A の素イデアルとする。

p が正則であるためには p が可逆分数イデアル(>>466)であることが
必要十分である。

証明
p が正則なら >>554 より A_p は離散付値環である。従って pA_p は
単項イデアルである。
q ≠ 0 を p と異なる A の素イデアルとすると、q は p に含まれない
から pA_q = A_q となり、これも 0 でない単項イデアルである。
よって >>500 (及び >>502) より p は可逆分数イデアルである。

逆に p が可逆分数イデアルなら >>499 より pA_p は単項イデアル
である。よって前スレ3の534より A_p は離散付値環である。
よって >>554 より p は正則である。
証明終

556 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/29(月) 12:54:06 ]
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
I と J を A の正則なイデアルとする。

IB = JB なら I = J である。

証明
>>451 と同様である。

557 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/29(月) 12:55:32 ]
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
I = (A : B) を A の導手とする。
J ≠ 0 を B のイデアルで I と素とする。
J_0 = A ∩ J とおく。
このとき、J_0 は正則なイデアルで (J_0)B = J となる。

証明
>>453 と同様である。

558 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/29(月) 12:56:22 ]
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。

A の正則なイデアルは正則な素イデアルのべき積として一意に
分解される。

証明
>>457 と同様である。

559 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/29(月) 12:58:41 ]
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。

A の正則なイデアルは可逆分数イデアルである。

証明
>>555>>558 より明らかである。

560 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/01/29(月) 13:18:00 ]
9

561 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/29(月) 17:24:48 ]
訂正

>>552 を以下のように修正する。

補題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
J ≠ 0 を A のイデアルとする。

J が正則 (>>550) であるためには J ⊂ p となる A の任意の
素イデアル p が正則であることが必要十分である。

証明
>>449 と同様である。

562 名前:"""""" mailto:"""""" [2007/01/29(月) 17:25:19 ]
● 若い桃尻お尻厳選?+秋山奈々??? ●
eco.no.land.to/idol/forumdisplay.php?fid=1&filter=0&orderby=views&page=1



563 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/29(月) 17:26:41 ]
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。

p ≠ 0 を A の素イデアルで正則でないとする。
a を p の 0 でない元とすると aA は可逆であるが >>561 より
正則ではない。

従って >>559 の逆は成立たない。

564 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/29(月) 20:17:58 ]
定義
A を Dedekind 整域とする。
M ≠ 0 と N ≠ 0 を A の分数イデアル(前スレ2の677) とする。
M の素イデアル分解に現れる素イデアルの集合と
N の素イデアル分解に現れる素イデアルの集合の共通集合が空のとき
M と N は互いに素であるという。

565 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/29(月) 20:19:29 ]
定義
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
I = (A : B) を A の導手とする。
M ≠ 0 を A の分数イデアルとする。
MB が I と互いに素(>>564)のとき M を正則な分数イデアルという。

566 名前:132人目の素数さん [2007/01/29(月) 22:39:00 ]
>>565 の訂正

定義
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
M ≠ 0 を A の分数イデアルとする。
I と J を正則なイデアルとして
M = I/J と書けるとき M を正則な分数イデアルという。
ここで I/J は I (J^(-1)) を意味する。
J は可逆(>>559)であるので J^(-1) は存在する。

567 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/29(月) 22:51:59 ]
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
M と N を正則な分数イデアル(>>566)とする。
MB = NB なら M = N である。

証明
定義(>>566)より M = I_1/J_1, N = I_2/J_2 とする。
ここで I_1, J_1, I_2, J_2 はそれぞれ正則なイデアルである。
MB = NB より (I_1)B/(J_1)B = (I_2)B/(J_2)B となる。
よって (I_1)(J_2)B = (I_2)(J_1)B である。
>>556 より (I_1)(J_2) = (I_2)(J_1) となる。
よって M = N となる。
証明終

568 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/29(月) 23:06:46 ]
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
I = (A : B) を A の導手とする。
M を B の分数イデアルで I と互いに素(>>564)であるとする。
このとき A の正則な分数イデアル M_0 で (M_0)B = M となるものが
一意に存在する。

証明
M は I と互いに素だから、M の素イデアル分解考えれば、M = J/L
と書ける。
ここで J と L はそれぞれ I と互いに素な B のイデアルである。

J_0 = A ∩ J, L_0 = A ∩ L とおくと >>557 より J_0, L_0 は
それぞれ A の正則なイデアルで (J_0)B = J, (L_0)B = L となる。
M_0 = (J_0)/(L_0) とおけば、(M_0)B = M となる。
>>567 より M_0 は一意に定まる。
証明終

569 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/30(火) 15:17:56 ]
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
M を A の可逆分数イデアルとする。
M が A の正則な分数イデアルであるためには M_p ≠ A_p となる
A の素イデアル p ≠ 0 がすべて正則であることが必用十分である。

証明
M が A の正則な分数イデアルとする。
M = J/L と書ける。ここで J と L は正則なイデアルである。
p が正則でなければ J は p に含まれないから J_p = A_p である。
同様に L_p = A_p である。よって M_p = J_p/L_p = A_p である。

逆に M_p ≠ A_p となる p ≠ 0 がすべて正則であるとする。
>>511 の証明より、正則なイデアル J, L が存在しして
M = J/L と書けることが分かる。
証明終

570 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/30(火) 15:18:30 ]
補題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
J と L を A の正則なイデアルとすると、JL も正則なイデアルである。

証明
p ≠ 0 を A の素イデアルで JL ⊂ p とすると、J ⊂ p または
L ⊂ p となる。いずれの場合でも p は正則である。
証明終

571 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/30(火) 15:19:14 ]
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
M と N を A の正則な分数イデアルとすると、MN も正則な分数イデアル
である。

証明
>>570 より明らかである。

572 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/30(火) 15:20:20 ]
定義
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
>>559>>571 より A の正則な分数イデアル全体は A の
可逆分数イデアル群(>>470) I(A) の部分群になる。
これを RI(A) と書く。
A の正則な単項分数イデアルのなす群を RP(A) と書く。
RP(A) = RI(A) ∩ P(A) である。



573 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/30(火) 15:21:15 ]
命題
A をDedekind整域とし、I ≠ 0 をそのイデアルとする。
A のイデアル類群(>>180) の各類は I と素なイデアルを
含む。

証明
C を A のイデアル類群の任意の類とする。
C^(-1) に属するイデアル J をとる。
前スレ2の785より α ∈ J で (α) = JL, I + L = A となる
α とイデアル L ≠ 0 が存在する。
L ∈ C が求めるものである。
証明終

574 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/30(火) 15:46:14 ]
補題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
I = (A : B) を A の導手とする。

>>547 の標準射 Pic(A) → Pic(B) の核の各類は A ∩ βB の形の
正則なイデアルを含む。ここで β ≠ 0 は I と素、
つまり βB + I = B となる B の元である。

証明
>>547 とそこにおける射 (B/I)^*/(A/I)^* → Pic(A) の定義から
分かる。

575 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/30(火) 16:37:04 ]
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。

>>572 の RI(A) は I(A) の部分群であり RP(A) = RI(A) ∩ P(A)
であるから標準射 RI(A)/RP(A) → I(A)/P(A) が存在するが、
これは同型である。

証明
RI(A)/RP(A) → I(A)/P(A) は単射であるから、これが全射であることを
示せばよい。

J を A のイデアルで可逆としたとき C(J) で J が属す I(A)/P(A) の
類を表す。

JB は B の非零イデアルだから >>573 より I と素な
B のイデアル L_1 で JB と同じイデアル類に属すものがある。
L = A ∩ L_1 とおくと >>557 より L は A の正則なイデアルであり
LB = L_1 である。

C(J) と C(L) の標準射 Pic(A) → Pic(B) による像はともに JB の属す
イデアル類だから一致する。
よって >>574 より C(J) = C(L) C(A ∩ βB) となる。
ここで β ≠ 0 は I と素な B の元である。

よって J と L(A ∩ βB) は I(A)/P(A) の同じ類に属す。
L と A ∩ βB はともに正則だから >>570 よりそれらの積 L(A ∩ βB)
も正則である。
これは標準射 RI(A)/RP(A) → I(A)/P(A) が全射であることを
示している。
証明終

576 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/30(火) 20:38:17 ]
2次体 Q(√m) の整環の話に戻る。

命題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする(>>421, >>423)。

a > 0 と b を有理整数として、N(b + fω) が a で割れれば
a, b + fω は R のあるイデアルの標準基底(>>429)である。

証明
a と b + fω が Z 上一次独立なのは明らか。
よって [a, b + fω] が R のイデアルであることを示せばよい。
つまり、afω ∈ [a, b + fω] と (b + fω)fω ∈ [a, b + fω]
を示せばよい。

afω = -ab + a(b + fω) ∈ [a, b + fω] である。

N(b + fω) = ak とする。
つまり (b + fω)(b + fω') = ak である。

Tr(ω) = ω + ω' = s とおく。
s は有理整数である(実際、0 または 1)。

ω' = s - ω より
(b + fω)(b + fs - fω) = ak
よって
(b + fω)(b + fs) - (b + fω)fω = ak
よって
(b + fω)fω = -ak + (b + fω)(b + fs) ∈ [a, b + fω]
証明終

577 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/01/31(水) 16:51:00 ]
14

578 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/03(土) 10:40:22 ]
命題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、α ≠ 0 を R の元とする。
イデアル αR のノルム(>>438)は |N(α)| に等しい。

証明
>>80 の証明と同様である。

579 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/03(土) 11:02:36 ]
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、
I ≠ 0 と J ≠ 0 を R のイデアルで J ⊂ I とする。
このとき N(J) は N(I) で割れる。

証明
J ⊂ I ⊂ R をアーベル群の昇列とみて
|R/J| = |R/I||I/J| となる。

これとノルムの定義(>>438)より
N(J) = N(I)|I/J| である。
証明終

580 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/03(土) 11:06:42 ]
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、
I ≠ 0 を R のイデアルとする。
α ≠ 0 が I の元のとき、N(α) は N(I) で割れる。

証明
>>578>>579 より明らかである。

581 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/03(土) 11:24:42 ]
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、
I ≠ 0 を R のイデアルとする。
I = [α, β] を I のある基底による表現とする。

このとき (αβ' - βα')^2 = (N(I)^2)D である。
ここで D は R の判別式(>>424)である。

証明
α = a + bfω
β = c + dfω
とする。
ここで a, b, c, d は有理整数である。

行列 A = (α, β)/(α', β') と B = (a, b)/(c, d) と
C = (1, fω)/(1, fω') を考える
(この記法に関しては >>196 を参照)。

A = BC より det(A) = det(B)det(C) となる。
det(B) = |N(I)|, det(C)^2 = D だから
det(A)^2 = (N(I)^2)D となる。
証明終

582 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/03(土) 11:41:00 ]
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、
I ≠ 0 を R のイデアルとする。
I = [α, β] を I のある基底による表現とする。

このとき αβ' + βα' は N(I) で割れる。

証明
N(α + β) = (α + β)(α' + β')
= αα' + (αβ' + βα') + ββ'

よって
(αβ' + βα')/N(I) = N(α + β)/N(I) - αα'/N(I) - ββ'/N(I)

>>580 よりこの右辺は有理整数である。
証明終



583 名前:132人目の素数さん [2007/02/03(土) 11:42:10 ]
正の整数mを10進法で表したときの各桁の数の2乗の和をf(m)とする。
(1)mの桁数が4以上なら、f(m)の桁数はmの桁数より小さいことを示せ。
(2)数列a(n)をa(1)=m,a(n+1)=f(a(n))と定める。数列a(n)はある項以降は同じ数の並びの繰り返しとなることを示せ。

584 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/03(土) 11:53:23 ]
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、
I ≠ 0 を R のイデアルとする。
I = [α, β] を I のある基底による表現とする。

x と y を有理整数とする。
>>580 より N(xα + yβ) は N(I) で割れる。
よって f(x, y) = N(xα + yβ)/N(I) は有理整数である。

N(xα + yβ) = (xα + yβ)(xα' + yβ')
= (αα')x^2 + (αβ' + βα')xy + (ββ')y^2

よって
a = (αα')/N(I)
b = (αβ' + βα')/N(I)
c = (ββ')/N(I)
とおけば、f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 である。

>>580>>582 より a, b, c は有理整数である。
よって f(x, y) は有理整数係数の2次形式と見なせる。

(αβ' + βα')^2 - 4αα'ββ' = (αβ' - βα')^2
だから f(x, y) の判別式は (αβ' - βα')^2/N(I)^2 である。
>>581 よりこれは R の判別式に等しい。

585 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/03(土) 13:43:51 ]
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、
D をその判別式(>>424)とする。

R = [1, (D + √D)/2] である。

証明
2次体 Q(√m) の判別式を d とする。
D = (f^2)d である(>>425)。

(1) m ≡ 1 (mod 4) のとき

ω = (1 + √m)/2 であり、d = m である。
D = (f^2)m より
(D + √D)/2 = (D + f√m)/2
= (D - f)/2 + f(1 + √m)/2
= (D - f)/2 + fω

m ≡ 1 (mod 4) だから
D = (f^2)m ≡ f^2 ≡ f (mod 2)
よって (D - f)/2 は有理整数である。

よって [1, fω] = [1, (D + √D)/2] である。

(2) m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) のとき

ω = √m であり、d = 4m である。
D = 4(f^2)m より
(D + √D)/2 = (4(f^2)m + 2f√m)/2
= 2(f^2)m + f√m = 2(f^2)m + fω
よって [1, fω] = [1, (D + √D)/2] である。
証明終

586 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/03(土) 14:44:50 ]
命題
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。
D はある2次体 Q(√m) の整環 R の判別式になる。
このとき2次体 Q(√m) と R は D により一意に決まる。

証明
>>418 より D = (f^2)d と書ける。
ここで f は有理整数 f > 0 であり d はある2次体 Q(√m) の
判別式である。
R = [1, fω] は Q(√m) の整環で、その判別式は D である(>>425)。

次に一意性を証明する。
Q(√D) = Q(√m) だから2次体 Q(√m) は D により一意に決まる。
よって D = (f^2)d となる f も一意に決まる。
よって R も一意に決まる。
証明終

587 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/03(土) 15:40:18 ]
命題
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。
>>586 より D はある2次体 Q(√m) の整環 R の判別式である。
ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の2次形式とすると、
I = [a, (-b + √D)/2] は R のイデアルである。
証明
D = b^2 - 4ac だから a ≠ 0 である。

>>585 より R = [1, (D + √D)/2] だから
a(D + √D)/2 ∈ [1, (-b + √D)/2] と
(-b + √D)(D + √D)/4 ∈ [1, (-b + √D)/2] を示せばよい。

a(D + √D)/2 = (aD + a√D)/2 = (aD + ab + a(-b + √D))/2
= a(D + b)/2 + a(-b + √D))/2

D ≡ b^2 (mod 2) だから
D + b ≡ b^2 + b ≡ b(b + 1) ≡ 0 (mod 2)
よって (D + b)/2 は有理整数である。
よって a(D + √D)/2 ∈ [1, (-b + √D)/2] である。

次に、
(-b + √D)(D + √D) = -bD - b√D + D√D + D
= -bD + D + (D - b)√D = -bD + D + (D - b)b + (D - b)(-b + √D)
= -bD + D + Db - b^2 + (D - b)(-b + √D)
= D - b^2 + (D - b)(-b + √D)

よって (-b + √D)(D + √D)/4 = (D - b^2)/4 + (D - b)(-b + √D)/4
D ≡ b^2 (mod 4)
D ≡ b^2 ≡ b (mod 2)
だから (D - b^2)/4 と (D - b)/2 は有理整数である。
よって (-b + √D)(D + √D)/4 ∈ [1, (-b + √D)/2] である。
証明終

588 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/03(土) 17:35:57 ]
>>584 を少し修正する(>>584 も後で使うかもしれない)。

R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、
I ≠ 0 を R のイデアルとする。
I = [α, β] を I のある基底による表現とする。

x と y を有理整数とする。
>>580 より N(xα - yβ) は N(I) で割れる。
よって f(x, y) = N(xα - yβ)/N(I) は有理整数である。

N(xα - yβ) = (xα - yβ)(xα' - yβ')
= (αα')x^2 - (αβ' + βα')xy + (ββ')y^2

よって
a = (αα')/N(I)
b = -(αβ' + βα')/N(I)
c = (ββ')/N(I)
とおけば、f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 である。

>>580>>582 より a, b, c は有理整数である。
よって f(x, y) は有理整数係数の2次形式と見なせる。

(αβ' + βα')^2 - 4αα'ββ' = (αβ' - βα')^2
だから f(x, y) の判別式は (αβ' - βα')^2/N(I)^2 である。
>>581 よりこれは R の判別式に等しい。

589 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/03(土) 17:55:59 ]
命題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。
I = [a, r + fω] を R の原始イデアルの標準基底による
表示とする(>>430)。
このとき判別式 D の2次形式 ax^2 + bxy + cy^2 があり、
r + fω = (-b + √D)/2 となる。

証明
α = a
β = r + fω とおく。

>>438 より N(I) = a だから
a = (αα')/N(I) である。

>>588 より
b = -(αβ' + βα')/N(I) = -(β' + β)
c = (ββ')/N(I) = (ββ')/a
とおけば、f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 の判別式は D である。

一方、a(X - β/a)(X - β'/a) = aX^2 + bX^2 + c となる。
よって β/a は aX^2 + bX^2 + c の根である。
よって β/a = (-b ± √D)/2a であるが、
√m の規約(>>273)より β/a = (-b + √D)/2a となる。
よって r + fω = (-b + √D)/2 となる。
証明終

590 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/03(土) 18:56:30 ]
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。
R = {(x + y√D)/2 ; x ∈ Z, y ∈ Z, x ≡ yD (mod 2) } である。

証明
>>585 より R の元 α は u と y を任意の有理整数として、
α = u + y(D + √D)/2 と書ける。
α = (2u + yD + y√D)/2 である。
よって x = 2u + yD とおけばよい。
証明終

591 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/03(土) 19:40:59 ]
命題(Cohen: A course in computational algebraic number theory)
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。
ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の2次形式とすると、
>>587 より I = [a, (-b + √D)/2] は R のイデアルである。
このとき、(R : I) = [1, (b + √D)/2a] である。
ここで (R : I) = { z ∈ Q(√m) ; zI ⊂ R } である(前スレ2の441)。

証明
z ∈ (R : I) とする。
za ∈ R と >>590 より z = (x + y√D)/2a となる。
ここで x と y は有理整数で x ≡ yD (mod 2) である。

z(-b + √D)/2 ∈ R より
(x + y√D)(-b + √D)/4a = (-bx + x√D - by√D + yD)/4a
= (-bx + yD + (x - by)√D)/4a ∈ R である。
よって >>590 より以下の3個の関係式が成り立つ。
(1) bx ≡ yD (mod 2a)
(2) x ≡ by (mod 2a)
(3) (-bx + yD)/2a ≡ (x - by)D/2a (mod 2)

(2) より x = by + 2at と書ける。
z = (x + y√D)/2a = (2at + y(b + √D))/2a = t + y(b + √D)/2a
よって z ∈ [1, (b + √D)/2a] である。
よって (R : I) ⊂ [1, (b + √D)/2a] である。

逆の包含関係は γ = (b + √D)/2a とおいたとき、
γ ∈ (R : I) が言えればよい。
γa = (b + √D)/2 において
D ≡ b^2 ≡ b (mod 2) だから >>590 より γa ∈ R である。
γ(-b + √D)/2 = (b + √D)(-b + √D)/4a = (D - b^2)/4a = c ∈ R である。
よって γI ⊂ R となるから γ ∈ (R : I) である。
証明終

592 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/04(日) 04:16:41 ]
命題(Cohen: A course in computational algebraic number theory)
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の2次形式とすると、
>>587 より I = [a, (-b + √D)/2] は R のイデアルである。
このとき、I が可逆であるためには f(x, y) が原始的(>>279)で
あることが必要十分である。

証明
前スレ2の503より I が可逆であるためには I(R : I) = R が
必要十分である。

>>591 より (R : I) = [1, (b + √D)/2a] である。

I(R : I) = <a, (b + √D)/2, (-b + √D)/2, (D - b^2)/4a>
= <a, (b + √D)/2, (-b + √D)/2, c>
= <a, (b + √D)/2 - (-b + √D)/2, (-b + √D)/2, c>
= <a, b, c, (-b + √D)/2>
= [gcd(a, b, c), (-b + √D)/2]

注1:上の記号 <...> については >>9 を参照。

よって I(R : I) = R なら gcd(a, b, c) = 1 である。

逆に gcd(a, b, c) = 1 なら
I(R : I) = [gcd(a, b, c), (-b + √D)/2]
= [1, (-b + √D)/2]
= [1, (-b - D)/2 + (D + √D)/2]
= [1, (D + √D)/2] = R

注2: D ≡ b^2 ≡ -b (mod 2) だから (-b - D)/2 は有理整数
である。
証明終



593 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/04(日) 05:59:41 ]
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
I = [a, b + fω] と J = [k, l + fω] を R の原始イデアルの
標準基底による表示とする。
I = αJ となる α ∈ Q(√m) があるとする。

このとき θ = (b + fω)/a、ψ = (l + fω)/k とおくと、
θ = (pψ + q)/(rψ + s) となる。
ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = ±1 である。

証明
I = ρJ より
[a, b + fω] = α[k, l + fω] = [αk, αl + αfω]

よって
b + fω = p(αl + αfω) + qαk = α(p(l + fω) + qk)
a = r(αl + αfω) + sαk = α(r(l + fω) + sk)
となる。
ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = ±1 である。

よって
θ = (p(l + fω) + qk)/(r(l + fω) + sk)
= (pψ + q)/(rψ + s)

証明終

594 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/04(日) 06:51:33 ]
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
I = [a, b + fω] と J = [k, l + fω] を R の原始イデアルの
標準基底による表示とする。
θ = (b + fω)/a、ψ = (l + fω)/k とおく。
θ = (pψ + q)/(rψ + s) となるとする。
ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = ±1 である。

このとき α = rψ' + s とおくと I = αJ となる。
さらに N(α) = ±(a/k) である。

証明
α = a/k(rψ + s)とおく。
a = αk(rψ + s)
aθ = αk(pψ + q)
である。よって [a, aθ] = α[k, kψ] となって I = αJ となる。

P = (p, q)/(r, s) とおく(この記法に関しては>>196を参照)。
(aθ, a)^t = P(αkψ, αk)^t
ここで ^t は行ベクトルの転置(transpose)を表す。

A = (aθ, aθ')/(a, a)
B = (αkψ, α'kψ')/(αk, α'k) とおく。
A = PB である。
det(A) = det(P)det(B)
det(A) = a^2(θ - θ') = af(ω - ω')
det(B) = αα'k^2(ψ - ψ') = αα'kf(ω - ω')

af(ω - ω') = ±αα'kf(ω - ω') より αα' = ±a/k
a = αk(rψ + s) だったから α' = rψ + s
よって α = rψ' + s
証明終

595 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/04(日) 07:22:04 ]
>>593>>594はそれぞれ>>194>>195の解答にもなっている。

596 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/04(日) 09:25:52 ]
定義
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。
a, b, c を有理整数で b^2 - 4ac = D とする。
θ を多項式 aX^2 + bX + c の根とする。
θ を D に属す2次無理数という。

さらに gcd(a, b. c) = 1 のとき θ を D に属す原始的な2次無理数
という。
このとき θ の判別式(>>276)は D である。

597 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/04(日) 19:36:55 ]
命題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。
I ≠ 0 を R のイデアルとする。
I = [α, β] を I のある基底による表現とする。

このとき、β/α は D に属す2次無理数(>>596)である。

証明
a = (αα')/N(I)
b = -(αβ' + βα')/N(I)
c = (ββ')/N(I)
とおく。

>>588 より a, b, c は有理整数で、b^2 - 4ac = D である。

f(X) = aX^2 + bX + c とおく。

N(I)αf(β/α) = α'β^2 - αββ' - α'β^2 + αββ' = 0
よって f(β/α) = 0 である。
よって β/α は D に属す2次無理数である。
証明終

598 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/04(日) 20:58:25 ]
命題
R = [1, fω] を虚2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の正定値(>>293)かつ
原始的な2次形式とする。

f に一次変換
x = pu + qv
y = ru + sv
を施して

g(u, v) = f(pu + qv, ru + sv) = ku^2 + luv + mv^2

とする。 ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = 1 である。

このとき I = [a, (-b + √D)/2] と J = [k, (-l + √D)/2] は R の
可逆な原始イデアルであり、I(R)/P(R) (>>473) の同じ類に属す。

証明
>>405 より ku^2 + luv + mv^2 は判別式 D の正定値かつ原始的な
2次形式である。

よって >>592 より I と J は R の可逆な原始イデアルである。

θ = (-b + √D)/2a
τ = (-l + √D)/2k
とおく。

>>299 と同様にして θ = (pτ + q)/(rτ + s) であることがわかる。
>>594 より I と J は I(R)/P(R) の同じ類に属す。
証明終

599 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/05(月) 12:04:38 ]
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
I = [a, b + fω] と J = [k, l + fω] を R の原始イデアルの
標準基底による表示とする。
I = αJ となる α ∈ Q(√m) があるとする。

このとき θ = (b + fω)/a、ψ = (l + fω)/k とおくと、
θ = (pψ + q)/(rψ + s) となる。
ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = 1 である。

証明
>>593 より ps - qr = ±1 となる有理整数 p, q, r, s があり
θ = (pψ + q)/(rψ + s) となる。

>>273 の規約よりθ と ψ は複素上半平面にある。

>>274 より Im(θ) = (ps - qr)Im(ψ )/|rψ + s|^2
よって ps - qr = 1 である。
証明終

600 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/05(月) 12:06:19 ]
定義
R = [1, fω] を虚2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。
R の Picard 群 Pic(R) = I(R)/P(R) (>>473) を Cl(D) と書く。

>>406 で定義した F+(D) の元からその任意の代表
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 をとる。

>>592 より [a, (-b + √D)/2] は R の可逆な原始イデアルである。

>>598 より、このイデアルの属す Cl(D) の類は f(x, y) の取り方に
よらない。
よって F+(D) から Cl(D) への写像が定まる。
この写像を Φ+ と書く。

601 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/05(月) 12:08:11 ]
命題
>>600 の写像 Φ+ は単射である。

証明
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 と g(x, y) = kx^2 + lxy + my^2
を判別式 D の正定値かつ原始的な2次形式とする。
さらに [a, (-b + √D)/2] と [k, (-l + √D)/2] が同じ I(R)/P(R)
の類に属すとする。

θ = (-b + √D)/2a
τ = (-l + √D)/2k とおく。

>>599 より ps - qr = 1 となる有理整数 p, q, r, s があり、
θ = (pτ + q)/(rτ + s) となる。
aθ^2 + bθ + c = 0 だから
a(pτ + q)^2 + b(pτ + q)(rτ + s) + c(rτ + s)^2 = 0
この左辺は f(pτ + q, rτ + s) である。

f(px + qy, rx + sy) を x, y の2次形式とみたものを
h(x, y) とする。
>>405 より h(x, y) は判別式 D の正定値かつ原始的な2次形式である。
h(τ, 1) = 0 だから h(x, 1) は τ を根とする2次式で、その係数
の最大公約数が 1 かつ最高次の係数が正であり τ により
一意に決まる(>>276)。

一方 τ = (-l + √D)/2k は kx^2 + lx + m の根でもあるから
g(x, y) = h(x, y) である。
証明終

602 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/05(月) 12:09:17 ]
命題
>>600 の写像 Φ+ は全射である。

証明
I(R)/P(R) の各類の代表として原始イデアルが取れる。

I = [a, b + fω] を R の可逆な原始イデアルの標準基底による
表示とする。

>>589 より判別式 D の2次形式 ax^2 + bxy + cy^2 があり、
r + fω = (-b + √D)/2 となる。
I は可逆だから >>592 より ax^2 + bxy + cy^2 は原始的である。
証明終



603 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/07(水) 19:23:01 ]
32

604 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/08(木) 16:00:08 ]
補題
2次体 Q(√m) の任意の整数 α = a + bω のノルム N(α) は
以下の式で与えられる(ω については >>11 を参照)。

(1) m ≡ 1 (mod 4) のとき
N(α) = a^2 + ab + (b^2)(1 - m)/4

(2) m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) のとき
N(α) = a^2 - (b^2)m

証明
N(α) = (a + bω)(a + bω') = a^2 + ab(ω + ω') + (b^2)ωω'
より明らかである。

605 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/08(木) 16:22:54 ]
補題
虚2次体 Q(√m) の任意の整数 α ≠ 0 に対して N(α) > 0 である。

証明
α = a + bω とする
α の2次体 Q(√m) の元としての共役 α' = a + bω' は
α の複素数としての共役でもあるから
N(α) = αα' = |α|^2 > 0 である。

このことは以下のようにしても分かる。

>>604 より
m ≡ 1 (mod 4) のとき
N(α) = a^2 + ab + (b^2)(1 - m)/4
4N(α) = 4a^2 + 4ab + (b^2)(1 - m) = (2a + b)^2 - (b^2)m

m < 0 だから N(α) > 0 である。

m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) のとき
N(α) = a^2 - (b^2)m > 0 である。
証明終

606 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/08(木) 16:29:56 ]
補題
虚2次体 Q(√m) の整数 a + bω が単数(>>73)であるためには
有理整数 a, b が以下の等式を満たすことが必用十分である。

(1) m ≡ 1 (mod 4) のとき
(2a + b)^2 - (b^2)m = 4

(2) m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) のとき
a^2 - (b^2)m = 1

証明
>>74>>604>>605 より明らかである。

607 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/08(木) 16:31:13 ]
命題
虚2次体 Q(√m) の単数(>>73)は以下の通り。

(1) m = -1 のとき

±1、±√(-1)

(2) m = -3 のとき
±1、±ω、±ω^2
ここで ω = (-1 + √(-3))/2 = exp(2πi/3) は1の原始3乗根である。

(3) |m| > 3 のとき
±1

証明
>>606 より明らかである。

608 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/08(木) 16:32:31 ]
命題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
R の元 α が可逆元であるためには α が Q(√m) の単数(>>73)
であることが必要十分である。

つまり R^* = R ∩ Z[ω]^* である。

証明
まず ω' = 1 - ω または ω' = -ω だから α ∈ R なら α' ∈ R
であることに注意する。

R の可逆元は明らか単数である。

R の元 α が単数であるとする。
>>74 より N(α) = 1 または N(α) = -1 である。
N(α) = 1 なら αα' = 1 で、α' ∈ R だから α は R の可逆元
である。

N(α) = -1 なら αα' = -1 だから α(-α') = 1 となり、
やはり α は R の可逆元である。
証明終

609 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/08(木) 16:36:17 ]
命題
R = [1, fω] を虚2次体 Q(√m) の整環とする。
f > 1 なら R に属す単数は ±1 のみである。

証明
R の元 α = a + bfω が単数だとする。
>>74 より
N(α) = (a + bfω)(a + bfω')
= a^2 + abf(ω + ω') + (f^2)(b^2)ωω' = 1
である。

(1) m ≡ 1 (mod 4) のとき

a^2 + abf + (f^2)(b^2)(1 - m)/4 = 1

よって
(2a + bf)^2 - (f^2)(b^2)m = 4

よって f > 1 なら b = 0、a = ±1 である。

(2) m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) のとき

a^2 - (f^2)(b^2)m = 1

よって f > 1 なら b = 0、a = ±1 である。
証明終

610 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/08(木) 16:43:10 ]
命題
R = [1, fω] を虚2次体 Q(√m) の整環とする。
R^* = {±1} である。
ここで R^* は R の可逆元全体のなすアーベル群を表す(>>516)。

証明
>>608>>609 より明らかである。

611 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/08(木) 16:52:40 ]
補題
A と B を環とする。
A × B を A と B の環としての直積とする。

(a, b) ∈ A × B のとき (a, b) が可逆であるためには a と b が
それぞれ可逆であることが必用十分である。

証明
A × B の乗法の定義から明らかである。

612 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/08(木) 16:53:39 ]
補題
A と B を環とする。
このとき、(A × B)^* = (A^*)×(B^*) である。
ここで等号は群としての同型を表す。

証明
>>611 より明らかである。



613 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/08(木) 17:04:35 ]
補題
A を局所環とし、m をその極大イデアルとする。
x を A の元とする。
xA ≠ A であるためには x ∈ m が必用十分である。

証明
x ∈ m なら xA ⊂ m だから xA ≠ A である。

逆に xA ≠ A なら Zorn の補題より xA ⊂ m である。
証明終

614 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/08(木) 17:06:38 ]
補題
A を局所環とし、m をその極大イデアルとする。
A^* = A - m である。

証明
これは >>613 を言い換えたものである。

615 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/08(木) 17:16:40 ]
補題
2次体 Q(√m) の素イデアル P と有理整数 n ≧ 1 に対して
P と P^n をアーベル群とみて剰余群 P/P^n が考えられる。
このとき
|P/P^n| = N(P)^(n-1) である。

証明
定義(>>24)より |Z[ω]/P| = N(P)

>>70 より |Z[ω]/P^n| = N(P)^n

これから明らかである。
証明終

616 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/08(木) 17:19:37 ]
補題
2次体 Q(√m) の素イデアル P と有理整数 n ≧ 1 に対して
|(Z[ω]/P^n)^*| = N(P)^n - N(P)^(n-1) である。

証明
>>614>>615 から明らかである。

617 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/08(木) 20:34:40 ]
補題
p を素数とし、n ≧ 1 を有理整数とする。
2次体 Q(√m) において p は分岐するとする(>>106)。

このとき
|(Z[ω]/(p^n)Z[ω])^*| = p^(2n) - p^(2n-1)
である。

証明
p は分岐するから Q(√m) のある素イデアル P があり、
pZ[ω] = P^2 となる。

よって (p^n)Z[ω] = P^(2n) である。
よって >>616 より
|(Z[ω]/(p^n)Z[ω])^*| = p^(2n) - p^(2n-1)
証明終

618 名前:132人目の素数さん [2007/02/08(木) 20:38:45 ]
オナニー

619 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/08(木) 20:46:53 ]
補題
p を素数とし、n ≧ 1 を有理整数とする。
2次体 Q(√m) において p は完全分解するとする(>>106)。

このとき
|(Z[ω]/(p^n)Z[ω])^*| = (p^n - p^(n-1))^2
である。

証明
p は完全分解するから Q(√m) のある素イデアル P があり、
pZ[ω] = PP' となる。 P ≠ P' である。

よって (p^n)Z[ω] = (P^n)(P'^n) である。

中国式剰余定理(前スレ1の341)より
Z[ω]/(p^n)Z[ω] = (Z[ω]/P^n) × (Z[ω]/P'^n)

よって >>612>>616 と N(P) = N(P') = p より
|(Z[ω]/(p^n)Z[ω])^*|
= |(Z[ω]/P^n)^*| |(Z[ω]/P'^n)^*|
= (p^n - p^(n-1))^2
証明終

620 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/08(木) 20:53:56 ]
補題
p を素数とし、n ≧ 1 を有理整数とする。
2次体 Q(√m) において p は分解しないとする(>>106)。

このとき
|(Z[ω]/(p^n)Z[ω])^*| = p^(2n) - p^(2n - 2)
である。

証明
p は分解しないから pZ[ω] = P はQ(√m) の素イデアルである。
よって (p^n)Z[ω] = P^n で N(P) = p^2 である。

よって >>616 から
|(Z[ω]/(p^n)Z[ω])^*| = |(Z[ω]/P^n)^*| = p^(2n) - p^(2n - 2)
である。
証明終

621 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/08(木) 21:39:54 ]
定義
有理整数 n ≧ 1 に対して φ(n) を以下のように定義する。

(1) φ(1) = 1

(2) n > 1 のとき φ(n) = |(Z/nZ)^*|

φ を Euler の関数と呼ぶ。

622 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/08(木) 21:51:40 ]
補題
p を素数とし、n ≧ 1 を有理整数とする。

φ(p^n) = p^n - p^(n - 1)
である。
ここで、φ は Euler の関数(>>621)である。

証明
良く知られているし、>>615 の証明と同様にしてもわかる。



623 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/08(木) 21:56:47 ]
命題
r > 1 を有理整数とし、r = Πp^n を r の素因数分解とする。
ここで p は r の相異なる素因子を動く。


φ(r) = rΠ(1 - 1/p)
である。
ここで、φ(r) は Euler の関数(>>621)である。

証明
中国式剰余定理(前スレ1の341)より
Z/rZ = ΠZ/(p^n)/Z である。
>>612 より
φ(r) = |(Z/rZ)^*| = Π|(Z/(p^n)/Z)^*| である。

一方、622 より
|(Z/(p^n)/Z)^*| = p^n - p^(n - 1) = (p^n)(1 - 1/p)

よって φ(r) = rΠ(1 - 1/p) である。
証明終

624 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/08(木) 22:45:02 ]
命題
2次体 Q(√m) の主整環(>>431)を Z[ω] とする。
r > 1 を有理整数とし、r = Πp^n を r の素因数分解とする。
ここで p は r の相異なる素因子を動く。

このとき
|(Z[ω]/rZ[ω])^*| = φ(r)rΠ(1 - χ(p)/p)
である。

ここで χ(p) は以下のように定義する。
(1) p が2次体 Q(√m) において分岐する(>>106)とき
χ(p) = 0

(2) p が2次体 Q(√m) において完全分解する(>>106)とき
χ(p) = 1

(3) p が2次体 Q(√m) において分解しない(>>106)とき
χ(p) = -1

証明
中国式剰余定理(前スレ1の341)と >>612 より
r が素数べき p^n の場合に証明すればよい。
この場合は >>617, >>619, >>620, >>622 より明らかである。
証明終

625 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/08(木) 23:23:00 ]
32

626 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/09(金) 20:46:30 ]
命題
R = [1, fω] を虚2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。

このとき h(D) = |Cl(D)| である。

ここで h(D) は判別式 D の簡約2次形式(>>407) の個数であり、
Cl(D) は R の Picard 群 Pic(R) = I(R)/P(R) (>>473) である。

証明
>>601>>602 より明らかである。

627 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/09(金) 20:47:15 ]
補題
R = [1, fω] を虚2次体 Q(√m) の整環とする。

fZ[ω] = (R : Z[ω]) である。

ここで (R : Z[ω]) は R のイデアルとしての導手(>>540)である。

証明
α = a + bfω ∈ (R : Z[ω]) とする。
αω = aω + bfω^2 ∈ R

ω は (X - ω)(X - ω') = X^2 - Tr(ω)X + N(ω) の根だから

ω^2 = Tr(ω)ω - N(ω)

よって
-bfN(ω) + (a + bfTr(ω))ω ∈ R

よって a ≡ 0 (mod f) である。
よって α ∈ fZ[ω] である。
よって (R : Z[ω]) ⊂ fZ[ω] である。

逆の包含関係は明らかである。
証明終

628 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/09(金) 20:51:25 ]
補題
R = [1, fω] を虚2次体 Q(√m) の整環とする。

I = (R : Z[ω]) を R のイデアルとしての導手(>>540)とする。

|(R/I)^*| = φ(f) である。

ここで φ(f) は Euler の関数(>>621) である。

証明
>>627 より I = fZ[ω] = [f, fω] である。
よって R/I = [1, fω]/[f, fω] は Z/fZ と同型である。
よって |(R/I)^*| = φ(f) である。
証明終

629 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/09(金) 20:59:21 ]
命題
R = [1, fω] を虚2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。
d を Q(√m) の判別式とする。

h(D) = (h(d)/[Z[ω]^* : R^*])fΠ(1 - χ(p)/p)
である。
ここで p は f の相異なる素因子を動く。

証明
I = (R : Z[ω]) を R のイデアルとしての導手(>>540)とする。
>>627 より I = fZ[ω] である。

>>548>>626 より
h(D) = h(d)[(Z[ω]/I)^* : (R/I)^*]/[Z[ω]^* : R^*]

>>624 より
|(Z[ω]/I)^*| = φ(f)fΠ(1 - χ(p)/p)

>>628 より
|(R/I)^*| = φ(f)

よって
h(D) = (h(d)/[Z[ω]^* : R^*])fΠ(1 - χ(p)/p)
である。
証明終

630 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/09(金) 21:03:17 ]
>>629

χ(p) は >>624 で定義したものである。

631 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/09(金) 21:03:59 ]
命題
R = [1, fω] を虚2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。
d を Q(√m) の判別式とする。

(1) m = -1 のとき、即ち d = -4 のとき
h(D) = (1/2)fΠ(1 - χ(p)/p)

(2) m = -3 のとき、即ち d = -3 のとき
h(D) = (1/3)fΠ(1 - χ(p)/p)

(3) m が上記以外のとき
h(D) = h(d)fΠ(1 - χ(p)/p)

上記いずれの場合も p は f の相異なる素因子を動く。
χ(p) は >>624 で定義したものである。

証明
>>629 より
h(D) = (h(d)/[Z[ω]^* : R^*])fΠ(1 - χ(p)/p)

>>607>>609 より
(1) m = -1 のとき、[Z[ω]^* : R^*] = 2
(2) m = -3 のとき、[Z[ω]^* : R^*] = 3
(3) |m| > 3 のとき [Z[ω]^* : R^*] = 1

>>221 より Q(√(-1)) はノルム Euclid 的である。
よって h(-4) = 1 である。
前スレ3の233より Q(√(-3)) はノルム Euclid 的である。
よって h(-3) = 1 である。

以上から本命題の主張が得られる。
証明終

632 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/10(土) 00:34:00 ]
35



633 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/10(土) 11:32:12 ]
命題
R = [1, fω] を虚2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。
d を Q(√m) の判別式とする。
m ≧ 1 を有理整数として S = [1, mfω] を整環とする。

このとき

h((m^2)D) = (h(D)/[R^* : S^*])mΠ(1 - χ(p)/p)

となる。ここで p は m の相異なる素因子を動く。

証明
>>629 より

h(D) = (h(d)/[Z[ω]^* : R^*])fΠ(1 - χ(p)/p)
よって
h(d) = h(D)[Z[ω]^* : R^*]/(fΠ(1 - χ(p)/p))

再び >>629 より

h((m^2)D) = (h(d)/[Z[ω]^* : S^*])mfΠ(1 - χ(p)/p)
ここで p は mf の相異なる素因子を動く。

よって
h((m^2)D)
= (h(d)[Z[ω]^* : R^*]/[Z[ω]^* : S^*])mΠ(1 - χ(p)/p)
= (h(D)/[R^* : S^*])mΠ(1 - χ(p)/p)

証明終

634 名前:132人目の素数さん [2007/02/10(土) 11:38:30 ]
Cox の Primes of the form x^2 + ny^2 によると >>633 は Gauss が
証明したという。
Disquisitiones の art. 254-256 がその証明らしいいという。
私はその証明をまだ確かめてない。

635 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/10(土) 13:41:14 ]
定義
V を有理数体上の有限次ベクトル空間とする。
L を V のアーベル群としての部分群で階数 が n = dim V の
自由アーベル群であるとき L を V の格子(lattice)という。

636 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/10(土) 13:44:43 ]
定義
2次体 Q(√m) を有理数体上の2次元ベクトル空間とみて
L がその格子(>>635)のとき L を2次体 Q(√m) の格子という。

637 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/10(土) 13:52:24 ]
定義
L を2次体 Q(√m) の格子(>>636)とする。
(L : L) = {α ∈ Q(√m); αL ⊂ L} と書く。

638 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/10(土) 14:23:27 ]
命題
L を2次体 Q(√m) の格子(>>636)とする。
(L : L) = {α ∈ Q(√m); αL ⊂ L} は Q(√m) の整環である。

証明
α ∈ (L : L) なら L は Z[α] 上の忠実加群とみなせる。
よって前スレ3の839よりαは(代数的)整数である。
つまり、(L : L) ⊂ Z[ω] である。
よって (L : L) は自由アーベル Z[ω] の部分群として
有限生成の自由アーベル群である。

(L : L) は明らかに Z[ω] の部分環である。

L = [β, γ] とする。

ωβ = pβ + qγ
ωγ = rβ + sγ
となる有理数 p, q, r, s がある。

よって aωβ ∈ L. aωγ ∈ L となる有理整数 a ≠ 0 がある。
aωL ⊂ L だから aZ[ω]L ⊂ L である。
よって aZ[ω] ⊂ (L : L) である。

aZ[ω] は階数2の自由アーベル群だから (L : L) もそうである。
よって (L : L) は Q(√m) の整環である。
証明終

639 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/10(土) 17:37:41 ]
補題
L を2次体 Q(√m) の格子(>>636)とする。
α ≠ 0 を Q(√m) の元とすると
(αL : αL) = (L : L) である。

証明
自明である。

640 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/10(土) 17:40:32 ]
命題
L = [α, β] を2次体 Q(√m) の格子(>>636)とする。
τ = β/α とし、aτ^2 + bτ + c = 0 とする。
ここで a, b, c は有理整数で gcd(a, b, c) = 1 である。

このとき
(L : L) = [1, aτ]
である。

証明
L = [α, β] = α[1, τ] だから
>>639 より (L : L) = ([1, τ] : [1, τ])

γ ∈ ([1, τ] : [1, τ]) とすると、
γ ∈ [1, τ] より γ = m + nτ、m ∈ Z、n ∈ Z と書ける。
γτ ∈ [1, τ] だから γτ = mτ + nτ^2 である。
一方、aτ^2 + bτ + c = 0 だから τ^2 = (-b/a)τ - c/a
よって γτ = mτ + nτ^2 = -cn/a + (m - (bn/a))τ ∈ [1, τ]

よって
-cn ≡ 0 (mod a)
-bn ≡ 0 (mod a)

よって gcd(a, b, c) = 1 より n ≡ 0 (mod a) となる。
よって γ ∈ [1, aτ] である。
よって ([1, τ] : [1, τ]) ⊂ [1, aτ] である。

一方、aτ^2 = -c - bτ だから aτ∈ ([1, τ] : [1, τ])
よって [1, aτ] ⊂ ([1, τ] : [1, τ])

以上から (L : L) = [1, aτ] である。
証0明終

641 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/10(土) 17:45:45 ]
>>639 は αL が Q(√m) の格子であることを暗黙の前提としている。
しかし、これは明らかである。

642 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/10(土) 18:00:12 ]
命題
M ≠ 0 を2次体 Q(√m) の主整環 Z[ω] の可逆分数イデアル(>>466)
とする。

M は明らかに Q(√m) の格子であるが、
(M : M) = Z[ω] である。

証明
α ∈ (M : M) とする。
αM ⊂ M より αM(M^(-1)) ⊂ M(M^(-1)) となる。
M(M^(-1)) = Z[ω] だから α ∈ Z[ω] である。
よって (M : M) ⊂ Z[ω] である。

逆の包含関係は明らかである。
証明終



643 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/10(土) 18:04:55 ]
命題
M ≠ 0 を2次体 Q(√m) の整環 R の可逆分数イデアル(>>466)
とする。

M は明らかに Q(√m) の格子であるが、
(M : M) = R である。

証明
α ∈ (M : M) とする。
αM ⊂ M より αM(M^(-1)) ⊂ M(M^(-1)) となる。
M(M^(-1)) = R だから α ∈ R である。
よって (M : M) ⊂ R である。

逆の包含関係は明らかである。
証明終

644 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/10(土) 18:11:48 ]
>>642>>643 により不要だった。

645 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/10(土) 18:39:32 ]
命題(Cox の Primes of the forms x^2 + ny^2)
M ≠ 0 を2次体 Q(√m) の整環 R の分数イデアル(>>463)
とする。

(M : M) = R なら M は可逆である。

証明
M = [α, β] とする。
τ = β/α とし、aτ^2 + bτ + c = 0 とする。
ここで a, b, c は有理整数で gcd(a, b, c) = 1 である。

M = α[1, τ] である。
M' = α'[1, τ'] である。

よって
aMM' = aN(α)<1, τ, τ', ττ'>

τ + τ' = -b/a
ττ' = c/a
だから

aMM' = aN(α)<a, aτ, aτ', aττ'> = aN(α)<a, aτ, -b , c>
= N(α)[gcd(a, b, c), aτ]
= N(α)[1, aτ]

>>640 より [1, aτ] = (M : M) = R である。
よって
aMM' = N(α)R

これは M が可逆であることを意味する。
証明終

646 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/10(土) 23:44:40 ]
補題
ax^2 + bxy + cy^2 を原始的(>>279)な2次形式とする。
m ≧ 1 を有理整数とする。

互いに素な有理整数 s と t があり、
A = as^2 + bst + ct^2 が m と素になる。

証明
p を m の任意の素因数とする。

a と p が素なら s ≡ 1 (mod p), t ≡ 0 (mod p) とする。
このとき A ≡ a (mod p) だから A は p と素である。

a ≡ 0 (mod p) で c が p と素なら
s ≡ 0 (mod p), t ≡ 1 (mod p) とする。
このとき A ≡ c (mod p) だから A は p と素である。

a ≡ 0 (mod p) で c ≡ 0 (mod p) なら gcd(a, b, c) = 1 より
b は p と素である。
s ≡ 1 (mod p), t ≡ 1 (mod p) とする。
このとき A ≡ b (mod p) だから A は p と素である。

中国式剰余定理より m の各素因数 p に対して
上記の合同式を満たす s と t が存在して、A は m と素になる。
gcd(s, t) = r とする。 r = 1 なら s, t が求めるものである。
r ≠ 1 なら s = rs', t = rt'
とおけば
A = r^2(a(s')^2 + bs't' + c(t')^2)
A/r^2 = a(s')^2 + bs't' + c(t')^2
となり A/r^2 は m と素である。
よって s' と t' が求めるものである。
証明終

647 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/11(日) 03:55:00 ]
36

648 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/11(日) 11:12:04 ]
命題
ax^2 + bxy + cy^2 を原始的(>>279)な2次形式とする。
m ≧ 1 を有理整数とする。

このとき、SL_2(Z) の元 σ = (p, q)/(r, s) があり、
ax^2 + bxy + cy^2 に σ を右から作用させて(>>401)
Au^2 + Buv + Cv^2 となったとき、
A は m と素に出来る。

証明
>>646 より互いに素な有理整数 p と r があり、
A = ap^2 + bpr + cr^2 が m と素になる。

p と r は互いに素だから ps - qr = 1 となる
有理整数 s と q がある。
よって、行列 σ = (p, q)/(r, s) は SL_2(Z) の元である。

ax^2 + bxy + cy^2 に σ を右から作用させて
Au^2 + Buv + Cv^2 となったとする。
つまり、f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 とおいたとき、
Au^2 + Buv + Cv^2 = f(pu + qv, ru + sv) である。

>>401 より
A = ap^2 + bpr + cr^2
B = 2apq + b(ps + qr) + 2crs
C = aq^2 + bqs + cs^2
である。
A は m と素だから σ = (p, q)/(r, s) が求めるものである。
証明終

649 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/11(日) 11:12:47 ]
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
I と J を R の非零イデアルとする。
N(I) と N(J) が互いに素なら I + J = R である。

証明
I + J ≠ R とする。
R の素イデアル P があり I ⊂ P かつ J ⊂ P となる。
>>579 より N(I) と N(J) は N(P) で割れる。
証明終

650 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/11(日) 11:31:08 ]
命題
R = [1, fω] を虚2次体 Q(√m) の整環とする。
m ≧ 1 を有理整数とする。
I を R の可逆な分数イデアルとする。

このとき λ ∈ Q(√m) があり、
λI ⊂ R で λI + mR = R となる。

証明
D を R の判別式とする。

I に適当な定数を掛けることにより、初めから I は R の可逆な
原始イデアルと仮定してよい。
I = [a, b + fω] を R の標準基底による表示とする。

>>589 より判別式 D の2次形式 ax^2 + bxy + cy^2 があり、
r + fω = (-b + √D)/2 となる。
I は可逆だから >>592 より ax^2 + bxy + cy^2 は原始的である。

>>648 より SL_2(Z) の元 σ = (p, q)/(r, s) があり、
ax^2 + bxy + cy^2 に σ を右から作用させて
Au^2 + Buv + Cv^2 となったとき、
A は m と素に出来る。

>>282 より gcd(A, B, C) = 1 である。
>>594 より
J = [A, (-B + √D)/2] は R の可逆な原始イデアルであり、
I(R)/P(R) (>>473) の I と同じ類に属す。

N(J) = A で A は m と素だから >>649 より
J + mR = R である。
証明終

651 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/11(日) 11:50:30 ]
>>650
訂正:

>命題
>R = [1, fω] を虚2次体 Q(√m) の整環とする。

命題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。

652 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/11(日) 12:12:44 ]
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
I ≠ 0 を R のイデアルとする。

N(I) ∈ I である。

証明
ノルムの定義(>>438)より |R/I| = N(I) である。
つまり R/I のアーベル群としてに位数は N(I) である。
よって R/I の任意の元 x に対して N(I)x = 0 である。
特に N(I)1 = 0 である。
これは N(I) ∈ I を意味する。
証明終



653 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/11(日) 12:16:10 ]
命題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
I ≠ 0 を R のイデアルとする。
R の Picard 群 I(R)/P(R) (>>473) の任意の剰余類には
I と素な R のイデアル J が存在する。
つまり、 I + J = R となる J ∈ I(R) が存在する。

証明
>>650 より I(R)/P(R) の任意の剰余類には
J + N(I)R = R となる J ∈ I(R) が存在する。

>>652 より N(I) ∈ I だから
N(I)R ⊂ I である。
よって J + I = R である。
証明終

654 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/12(月) 06:58:52 ]
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。

R の正則(>>550)な分数イデアル全体を RI(R) と書いたく(>>572)。
R の正則な単項分数イデアルのなす群を RP(R) と書いた(>>572)。

>>653 を R の導手(>>540) I = fZ[ω] (>>627) に適用すると、
RP(R)/RI(R) は I(R)/P(R) に同型になる。

これは >>575 を R に適用した場合の別証明になっている。

655 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 mailto:sage [2007/02/12(月) 08:08:54 ]
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
Z[ω] の元 α に対して α ∈ R で αR が正則であるためには

α ≡ a (mod fZ[ω]) で gcd(a, f) = 1 となる有理整数 a が
存在することが必要十分である。

証明
α ∈ R で αR が正則とする。
α ∈ R なら α = a + bfω と書ける。

αR が正則だから αZ[ω] + fZ[ω] = Z[ω] である。

α ≡ a (mod fZ[ω]) だから aZ[ω] + fZ[ω] = Z[ω] である。
gcd(a, f) ≠ 1 とすると a と f を割る素数 p がある。
p を含む Z[ω] の素イデアル P をとれば aZ[ω] + fZ[ω] ⊂ P
となって矛盾。
よって gcd(a, f) = 1 である。

逆に α ≡ a (mod fZ[ω]) で gcd(a, f) = 1 となる有理整数 a が
あるとする。

αZ[ω] + fZ[ω] = aZ[ω] + fZ[ω] = Z[ω] である。
よって αR は正則である。

証明終

656 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 mailto:sage [2007/02/12(月) 08:46:28 ]
訂正

>>470
>A の0でない分数イデアル全体は乗法により群となる。

A の0でない可逆分数イデアル全体は乗法により群となる。


657 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/12(月) 08:48:17 ]
定義
A を Dedekind 環とする。
m ≠ 0 を A のイデアルとする。
A の分数イデアルで m と素なもの全体は
可逆分数イデアル群 I(A) (>>470) の部分群となる。
これを I(m) と書く。

A の単項分数イデアルで m と素なもの全体は
単項分数イデアル群 P(A) (>>471) の部分群となる。
これを P(m) と書く。

658 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/12(月) 09:06:55 ]
命題
A を Dedekind 環とする。
m ≠ 0 を A のイデアルとする。

I(m)/P(m) は I(A)/P(A) に標準的に同型である。

ここで, I(m) と P(m) は >>657 で定義したもの。

証明
I(m) → I(A) を包含写像とする。
この核は P(m) である。

よって標準単射 I(m)/P(m) → I(A)/P(A) が得られる。
>>573 より、これは全射である。
証明終

659 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/12(月) 09:18:38 ]
定義
A を Dedekind 環とする。
a ≠ 0 を A の元とする。

I(aA) (>>657) をI(a) と書く。
同様に、P(aA) を P(a) と書く。


660 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/12(月) 10:31:31 ]
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
I = (A : B) を A の導手とする。

J ≠ 0 を B のイデアルで I と素とする。
J に A ∩ J を対応させることにより B のイデアルで I と
素なものと A の正則なイデアルとの1対1の対応が得られる。

証明
J ≠ 0 を B のイデアルで I と素とする。
>>557 より A ∩ J は正則な A のイデアルで (A ∩ J)B = J となる。

よって J に A ∩ J を対応させる写像は単射である。

逆に J_0 を A の正則なイデアルとする。
定義(>>550)より (J_0)B は I と素である。
よって >>557 より A ∩ (J_0)B は正則であり
(A ∩ (J_0)B)B = (J_0)B となる。
よって >>556 より A ∩ (J_0)B = J_0 である。

よって J に A ∩ J を対応させる写像は全単射である。
証明終

661 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/12(月) 10:56:13 ]
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
f = (A : B) を A の導手とする。

I(f) (>>657) と RI(A) (>>572) は標準的に同型である。

証明
>>660 より明らかである。

662 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/12(月) 11:26:42 ]
補題(高木:代数的整数論)
A を Dedekind 環とする。
m ≠ 0 を A のイデアルとする。
xA を P(m) (>>657) の元とする。

このとき aA + m = A、bA + m = A となる
A の元 a と b が存在して、xA = aA/bA となる。

証明
定義から xA = I/J で I + m = A, J + m = A となる
A のイデアル I と J がある。

前スレ2の785より
JL = bA で L + m = A となる b ∈ A がある。
J + m = A だから JL + m = A である(前スレ1の340)。
同様に I + m = A だから IL + m = A である。

xA = IL/JL = IL/bA

IL = xbA である。
よって a = xb とすればよい。
証明終



663 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/12(月) 16:28:11 ]
補題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
f = (A : B) を A の導手とする。
I を A の正則イデアルとする。

このとき I の元 a で aA = IL となるものが存在する。
ここで L は正則イデアルである。

証明
>>552 より I を含む A の素イデアルは正則である。
よって I + f = A である。

中国式剰余定理(前スレ1の341)より
a ≡ 0 (mod I)
a ≡ 1 (mod f)
となる a ∈ A がある。

a ∈ I だから aA ⊂ I である。
a ≡ 1 (mod f) だから b ∈ f があり a + b = 1 である。
よって aB + f = B である。
つまり aA は正則イデアルである。

I は正則だから可逆である(>>559)。
L = aA/I とおけば L は正則イデアルである。
aA = IL である。
証明終

664 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/12(月) 16:45:17 ]
補題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
f = (A : B) を A の導手とする。

xA を RP(A) (>>572) の元とする。

このとき aA + f = A、bA + f = A となる
A の元 a と b が存在して、xA = aA/bA となる。

証明
定義から xA = I/J となる正則なイデアル I と J がある。
>>663 より I の元 b で bA = IL となるものが存在する。
ここで L は正則イデアルである。

xA = I/J = IL/JL = IL/bA である。
IL は正則で IL = bxA だから b = ax とすれば xA = aA/bA となる。
証明終

665 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/12(月) 17:00:43 ]
>>664 を以下のように訂正する。

補題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
f = (A : B) を A の導手とする。

xA を RP(A) (>>572) の元とする。

このとき aA + f = A、bA + f = A となる
A の元 a と b が存在して、xA = aA/bA となる。

証明
定義から xA = I/J となる正則なイデアル I と J がある。
>>663 より J の元 b で bA = JL となるものが存在する。
ここで L は正則イデアルである。

xA = I/J = IL/JL = IL/bA である。
IL は正則で IL = bxA だから b = ax とすれば xA = aA/bA となる。
証明終

666 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/12(月) 17:51:00 ]
45

667 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/12(月) 17:52:00 ]
44

668 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/12(月) 17:53:00 ]
43

669 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/12(月) 17:54:00 ]
42

670 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/12(月) 17:55:00 ]
41

671 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/12(月) 17:56:00 ]
40

672 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/12(月) 20:01:52 ]
定義
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
f = (A : B) を A の導手とする。

P_A(f) = {(a/b)B; a ∈ A, b ∈ A, aA と bA はともに正則}
と書く。

P_A(f) は明らかに P(f) (>>657) の部分群である。



673 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/12(月) 20:11:39 ]
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
f = (A : B) を A の導手とする。

I(f)/P_A(f) は標準的に RI(A)/RP(A) に同型である。

証明
>>661 より I(f) と RI(A) は標準的に同型である。
この同型では I と J が A の正則なイデアルのとき
I/J には IB/JB が対応する。

よって >>664>>672 より、この同型は P_A(f) と RP(A) の同型を
引き起こす。
証明終

674 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/14(水) 08:39:00 ]
39

675 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/14(水) 08:40:00 ]
38

676 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/14(水) 08:41:00 ]
37

677 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/14(水) 08:42:00 ]
36

678 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/14(水) 08:43:00 ]
35

679 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/14(水) 08:44:00 ]
34

680 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/14(水) 21:29:19 ]
補題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
f = (A : B) を A の導手とする。
I を B のイデアルで I + f = B とする。

このとき I ∩ A の元 a で aB = IL となるものが存在する。
ここで L は B のイデアルで L + f = B となる。

証明
>>660 より I ∩ A は A の正則イデアルである。
>>663 より I ∩ A の元 a で aA = (I ∩ A)J となるものが
存在する。ここで J は正則イデアルである。
aB = (I ∩ A)B(JB) であるが >>660 より (I ∩ A)B = I である。
よって aB = I(JB) である。L = JB とすればよい。
証明終

681 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/14(水) 22:39:49 ]
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
f = (A : B) を A の導手とする。

αを B の元で α + f ∈ (B/f)^* とする。
つまり、α + f は剰余環 B/f の可逆元である。
よって αγ ≡ 1 (mod f) となる γ ∈ B がある。
よって αB + f = B である。
αγ - 1 ∈ f ⊂ A だから αγ ∈ A である。

βを B の元で α ≡ β (mod f) とする。
αγ ≡ βγ (mod f) だから βγ ≡ 1 (mod f) である。
よって αγと同様に βγ ∈ A である。

(αB)(βγB) = αβγB
(βB)(αγB) = αβγB
よって (αB)(βγB) = (βB)(αγB)
よって αB と βB は P(f)/P_A(f) の同じ剰余類に属す。
ここで P(f) は >>657 で、P_A(f) は >>672 で定義したものである。
よって、アーベル群としての射 φ: (B/f)^* → P(f)/P_A(f) が
定まる。

682 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/15(木) 18:48:00 ]
35



683 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/15(木) 18:49:00 ]
34

684 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/15(木) 18:50:00 ]
35

685 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/15(木) 18:51:00 ]
34

686 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/15(木) 18:52:00 ]
33

687 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/15(木) 18:53:00 ]
32

688 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/15(木) 20:20:13 ]
補題
>>681 の射 φ: (B/f)^* → P(f)/P_A(f) は全射である。

証明
P(f) の元は αB = I/J と書ける。ここで α ≠ 0 は K の元で、
I と J は B のイデアルでともに f と素である。

>>680 より J ∩ A の元 c で cB = JL となるものが存在する。
ここで L は B のイデアルで f と素である。

αB = I/J = IL/JL = IL/cB
IL = αcB だから αc = β とおけば β ∈ B で βB は f と
素である。つまり βB∈ P(f) である。
αB = βB/cB だから βB と αB は P(f)/P_A(f) の同じ剰余類に属す。
φ の定義から、この剰余類は φ(β + f) である。
証明終

689 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/15(木) 21:00:39 ]
補題
A と B は >>681 と同じものとする。

p : B → B/f
π: (B/f)^* → (B/f)^*/(A/f)^*
を、それぞれ標準写像とする。

α ∈ B^* なら p(α) ∈ (B/f)^* だから α に πp(α) を
対応させて、射 B^* → (B/f)^*/(A/f)^* が得られる。
この核は A^* である。

証明
α ∈ B^* で p(α) ∈ (A/f)^* なら p(α) = p(a) となる a ∈ A
がある。
α - a ∈ f ⊂ A だから α ∈ A である。
よって、射 B^* → (B/f)^*/(A/f)^* の核は A^* である。
証明終

690 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/15(木) 21:13:10 ]
命題
>>681 の射 φ: (B/f)^* → P(f)/P_A(f) の定義より
φ((A/f)^*) ⊂ P_A(f) である。
よって φ は射 φ~: (B/f)^*/(A/f)^* → P(f)/P_A(f) を引き起こす。
このとき、次の完全系列が成り立つ。

0 → B^*/A^* → (B/f)^*/(A/f)^* → P(f)/P_A(f) → 0

証明
p : B → B/f
π: (B/f)^* → (B/f)^*/(A/f)^*
を、それぞれ標準写像とする。

>>688 より φ: (B/f)^* → P(f)/P_A(f) は全射である。
よって φ~: (B/f)^*/(A/f)^* → P(f)/P_A(f) も全射である。

>>689 より
0 → B^*/A^* → (B/f)^*/(A/f)^*
は完全である。

残るは φ~ : (B/f)^*/(A/f)^* → P(f)/P_A(f) の核が
B^*/A^* の像と一致することである。

α ∈ B で αB + f = B とする。
つまり p(α) ∈ (B/f)^* である。
さらに αB ∈ P_A(f) とする。
P_A(f) の定義(>>672)から αB = aB/bB となる。
ここで、a ∈ A, b ∈ A で aA と bA はともに正則である。
αbB = aB より αb = aε となる ε ∈ B^* がある。
p(αb) = p(aε) だから p(α)p(b) = p(a)p(ε)
p(b) ∈ (A/f)^*、p(a) ∈ (A/f)^* だから πp(α) = πp(ε)
証明終

691 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/15(木) 21:32:35 ]
>>690 の系

次の完全系列が成り立つ。

0 → B^*/A^* → (B/I)^*/(A/I)^* → I(f)/P_A(f) → I(f)/P(f) → 0

証明
>>690 より明らかである。

692 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/15(木) 21:39:26 ]
>>690 の系

次の完全系列が成り立つ。

0 → B^*/A^* → (B/I)^*/(A/I)^* → RI(A)/RP(A) → Pic(B) → 0

証明
>>673 より I(f)/P_A(f) は標準的に RI(A)/RP(A) に同型である。

>>658 より I(f)/P(f) は Pic(B) = I(B)/P(B) に標準的に同型である。

よって >>691 より明らかである。
証明終



693 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/15(木) 23:11:18 ]
>>575 から RI(A)/RP(A) は I(A)/P(A) と標準的に同型である。
よって >>691 から >>547 の別証が得られる。

A が2次体 Q(√m) の整環で B が Q(√m) の主整環の場合には
>>654 からも RI(A)/RP(A) と I(A)/P(A) が標準的に同型であることが
分かる。

>>654 の証明は、2次形式の初等的な結果 >>648 を元にしており、
>>575 の証明より古典的である。

694 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/16(金) 21:05:09 ]
>>693
>>>575 から RI(A)/RP(A) は I(A)/P(A) と標準的に同型である。
>よって >>691 から >>547 の別証が得られる。

>>575>>547 から証明しているので、これは正確には別証とは
言えない。>>575>>547 とは関係なく証明したいところだが、
今のところ(2次体は別にして)思いつかない。
誰か分かるひといますか?

695 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/17(土) 10:11:00 ]
36

696 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/17(土) 10:12:00 ]
35

697 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/17(土) 10:13:00 ]
34

698 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/17(土) 10:14:00 ]
33

699 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/17(土) 10:15:00 ]
32

700 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/17(土) 10:16:00 ]
31

701 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/17(土) 11:21:03 ]
2次形式による有理整数の表現の問題を考える。
この問題は歴史的には初等整数論の中心的位置を占めていた。
この問題を解く努力から Gauss の2次形式論が生み出された。

ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の2次形式とする。
D は平方数でないとする。

m を有理整数として不定方程

m = ax^2 + bxy + cy^2

を考える。

この不定方程式に有理整数解があるとき m は2次形式
ax^2 + bxy + cy^2 で表現されるという。

解 (s, t) で gcd(s, t) = 1 となるものがあるとき
m は ax^2 + bxy + cy^2 で固有に表現される
(properly represented)という。

702 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/17(土) 12:07:26 ]
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を2次形式として
m = f(p, r) を有理整数 m の固有表現(>>701)とする。

gcd(p, r) = 1 だから ps - rq = 1 となる s と q がある。

>>401 より
f(pu + qv, ru + sv) = mu^2 + luv + kv^2 である。

ここで
m = ap^2 + bpr + cr^2
l = 2apq + b(ps + qr) + 2crs
k = aq^2 + bqs + cs^2

つまり m の固有表現 m = f(p, r) から f(x, y) と同値な2次形式
mu^2 + luv + kv^2 が得られる。



703 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/17(土) 12:15:50 ]
命題
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を2次形式とする。
m = f(p, r) を有理整数 m の固有表現(>>701)とする。
このとき m ≠ 0 である。

証明
D を f(x, y) の判別式とする。
>>702 において
D = l^2 - 4mk (>>281) で D は平方数でないと仮定してるから
m ≠ 0 である。
証明終

704 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/17(土) 12:25:51 ]
今後、特に断らない限り2次形式の判別式は平方数でないとする。

705 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/17(土) 12:32:19 ]
補題
ax^2 + bxy + cy^2 を判別式が D の2次形式とする。

このとき ac ≠ 0 で

D ≡ 0 または 1 (mod 4)
かつ
D ≡ b (mod 2)
である。

証明
D = b^2 - 4ac で D は平方数でないから(>>704) ac ≠ 0 である。

D = b^2 - 4ac より D ≡ b^2 (mod 4)
よって D ≡ 0 または 1 (mod 4) である。
D が偶数なら b^2 ≡ 0 (mod 4) より b も偶数である。
D が奇数なら b^2 ≡ 1 (mod 4) より b も奇数である。
即ち D ≡ b (mod 2) である。
証明終

706 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/17(土) 12:43:16 ]
命題
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を2次形式とする。
f(x, y) = 0 の有理整数解は (0, 0) のみである。

証明
x = 0 が f(x, y) = 0 の解とすると cy^2 = 0 である。
>>705 より c ≠ 0 であるから y = 0 である。
同様に y = 0 が f(x, y) = 0 の解なら x = 0 である。

従って、f(x, y) = 0 に (0, 0) 以外の解 (x, y) があれば
xy ≠ 0 である。従って、d = gcd(x, y), x = dx', y = dy' と
おけば 0 = f(x', y') は 0 の固有表現である。
しかし、これは >>703 よりあり得ない。
証明終

707 名前:132人目の素数さん [2007/02/17(土) 12:54:38 ]
u^Au=0
u^S^RSu=0
rija^ijaji=0


708 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/17(土) 14:07:11 ]
命題
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を2次形式とする。

有理整数 m に対して
S(f, m) = {(x, y) ∈ Z^2; m = f(x, y), (x , y) ≠ (0, 0)}
P(f, m) = {(x, y) ∈ Z^2; m = f(x, y), gcd(x, y) = 1}
とおく。

このとき、全単射 φ: S(f, m) → ∪P(f, m/(d^2)) が存在する。
ここで ∪P(f, m/(d^2)) の d は d^2 が m の約数となるような
d ≧ 1 を動く。

証明
(x, y) ∈ S(f, m) とする。
(x , y) ≠ (0, 0) だから d = gcd(x, y) は 0 でない。
x = dx', y = dy' とすれば m = f(x, y) = (d^2)f(x',y') である。
gcd(x', y') = 1 だから (x', y') ∈ P(f, m/(d^2)) である。
φ(x, y) = (x', y') と定義すればよい。
証明終

709 名前:132人目の素数さん [2007/02/17(土) 14:12:19 ]
くんまさん
今までの全部まとめた本出す予定ありますか?

710 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/17(土) 14:17:29 ]
m = ax^2 + bxy + cy^2 において x = 0 のときは m = cy^2 となり
これは簡単に解ける。y = 0 の場合も同様である。

よって不定方程式 m = ax^2 + bxy + cy^2 は (x , y) ≠ (0, 0)
の場合が解ければよい。

よって >>708 により有理整数の2次形式による表現の問題は固有な表現の
問題に帰着する。

711 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/17(土) 14:23:53 ]
>>709

今はその予定はありません。
全部書き終わったら、そのとき考えます。
しかし、今まで書いた部分は全体の1割くらいなんで、まだまだ先は長いです。

712 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/17(土) 18:23:00 ]
2次形式 f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 と
g(u, v) = mu^2 + luv + kv^2 があり、
変換
x = pu + qv
y = ru + sv
により
g(u, v) = f(pu + qv, ru + sv) とする。
ここで p, q, r, s は ps - qr = 1 となる有理整数である。

>>401 より
m = ap^2 + bpr + cr^2
l = 2apq + b(ps + qr) + 2crs
k = aq^2 + bqs + cs^2
である。

ここで、行列 (p, q)/(r, s) (この記法に関しては>>196を参照)が
(1, q)/(0, 1) の場合を考える。
つまり、p = 1, r = 0, s = 1 である。
このとき
m = a
l = 2aq + b
k = aq^2 + bq + c
である。

よって2次形式 (a, b, c) (この記法に関しては>>328を参照)
は行列 (1, q)/(0, 1) ∈ SL_2(Z) により (a, l, k) に変換される。
ここで l ≡ b (mod 2a) である。
さらに >>281 より (a, b, c) と (a, l, k) の判別式は同じである。



713 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/17(土) 18:24:13 ]
>>712 の続き

逆に、2次形式 (a, b, c) と (a, l, k) が同じ判別式 D を持ち、
l ≡ b (mod 2a) とする。
l = b + 2aq となる有理整数 q がある。

D = l^2 - 4ak = b^2 - 4ac
だから

4ak = l^2 - b^2 + 4ac = (b + 2aq)^2 - b^2 + 4ac
= 4aqb + 4a^2q^2 + 4ac

よって
k = aq^2 + bq + c

よって (a, b, c) は (1, q)/(0, 1) により (a, l, k) に変換される。

714 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/17(土) 19:03:18 ]
2次形式 (a, b, c) と (a, l, k) が同じ判別式 D を持ち、
l ≡ b (mod 2a) のとき
(a, b, c) と (a, l, k) は互いに平行な形式という(Dirichlet)。

>>237 で SL_2(Z) の元 S を S = (1, 1)/(0, 1) で定義した。
z を複素上半平面(>>199)の点とすると S(z) = z + 1 であった
(>>237)。

>>712>>713 より2次形式 (a, b, c) と (m, l, k) が互いに
平行な形式であるためには (a, b, c)S^n = (m, l, k) となる
有理整数 n が存在することが必要十分である。
ここで、(a, b, c)S^n の記法に関しては>>401を参照のこと。

715 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/17(土) 19:46:36 ]
2次形式 (a, b, c) に T = (0, -1)/(1, 0) (>>237) を作用させると
>>401 より (c, -b , a) となる。

(a, b, c) と (c, -b , a) は互いに相補的な形式という(Dirichlet)。

716 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/17(土) 21:30:40 ]
命題
m が 2次形式 (a, b, c) により固有に表現される(>>701)ためには
ある有理整数 l, k があり (a, b, c) と (m, l, k) が同値(>>302)
であることが必要十分である。

証明
m が (a, b, c) により固有に表現されれば、>>702 より
ある有理整数 l, k があり (a, b, c) と (m, l, k) が同値になる。

逆に、(a, b, c) と (m, l, k) が同値とする。
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 とおく。

(p, q)/(r, s) ∈ SL_2(Z) があり、
f(pu + qv, ru + sv) = mu^2 + luv + kv^2 である。

u = 1, v = 0 とすれば、
f(p, r) = m である。

ps - qr = 1 だから gcd(p, r) = 1 である。
よって m は (a, b, c) により固有に表現される。
証明終

717 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/17(土) 21:53:37 ]
命題(Gauss: Disquisitiones, art.154)
(a, b, c) を判別式 D の2次形式とし、m ≠ 0 を有理整数とする。
m が (a, b, c) により固有に表現される(>>701)なら、
D ≡ l^2 (mod 4m) となる有理整数 l が存在する。

証明
m が (a, b, c) により固有に表現されれば、>>716 より
ある有理整数 l, k があり (a, b, c) と (m, l, k) が同値になる。
D = l^2 - 4mk (>>281) だから D ≡ l^2 (mod 4m) である。
証明終

718 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/18(日) 12:20:51 ]
2次形式 (a, b, c) が σ = (p, q)/(r, s) ∈ SL_2(Z) により
(m, l, k) に変換されるとする。

f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 とおく。
f(pu + qv, ru + sv) = mu^2 + luv + kv^2 である。

>>401 より
m = ap^2 + bpr + cr^2
l = 2apq + b(ps + qr) + 2crs
k = aq^2 + bqs + cs^2
である。

よって m = f(p, r) である。
つまり、(a, b, c)σ = (m, l, k) となる
σ = (p, q)/(r, s) ∈ SL_2(Z) に対して、
不定方程式 m = ax^2 + bxy + cy^2 の固有な解 (p, r) が得られる。

(a, b, c) をある (m, l', k') に移し、解 (p, r) を与える変換は
無数にある。このとき l', k' の取り得る値は任意ではありえない。
l', k' がどの程度の自由度をもつかを調べよう。

言い換えると、(a, b, c) が (p, q')/(r, s') ∈ SL_2(Z) により
(m, l', k') に変換されるとき、l', k' と l, k の関係を調べよう。

719 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/18(日) 13:34:22 ]
>>718の続き

ps - rq = 1
ps' - rq' = 1
だから
p(s'- s) - r(q'- q) = 0
よって
p(s' - s) = r(q' - q)
p と r は素だから q' - q = pt となる有理整数 t がある。
p(s' - s) = rpt より
s' - s = rt である。

l = (2ap + br)q + (bp + 2cr)s
l' = (2ap + br)q' + (bp + 2cr)s'
だから
l' - l = (2ap + br)pt + (bp + 2cr)rt
= 2a(p^2)t + 2brpt + 2c(r^2)t = 2mt
である。

よって (m, l, k) と (m, l', k') は互いに平行な形式(>>714)である。

(m, l', k') の判別式は (a, b, c) の判別式 D と同じだから(>>281)
D = (l')^2 - 4mk' より k' は (a, b, c) と l' により決まる。

720 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/19(月) 20:09:00 ]
33

721 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/19(月) 20:10:00 ]
34

722 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/19(月) 20:11:00 ]
33



723 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/19(月) 20:12:00 ]
32

724 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/19(月) 20:13:00 ]
31

725 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/19(月) 20:14:00 ]
30

726 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/23(金) 09:19:00 ]
29

727 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/23(金) 09:20:00 ]
28

728 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/23(金) 09:21:00 ]
27

729 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/23(金) 09:22:00 ]
26

730 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/23(金) 09:23:00 ]
25

731 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/23(金) 09:24:00 ]
24

732 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/24(土) 14:10:01 ]
補題
(a, b, c) を判別式 D の2次形式とし、2次形式 (a, b, c) が
σ = (p, q)/(r, s) ∈ SL_2(Z) により (m, l, k) に
変換されるとする。

さらに τ = (p, q')/(r, s') ∈ SL_2(Z) で
(a, b, c)τ = (m, l, k) とする。

このとき σ = τ である。

証明
>>719 において l' - l = 2mt だが l= l' だから t = 0 である。
よって q = q', s = s' である。
つまり σ = τ である。
証明終



733 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/24(土) 14:23:54 ]
ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の2次形式とし、
m ≠ 0 を有理整数とする。

m = ax^2 + bxy + cy^2 の固有な解(>>701)の全てを求めるには
以下のようにする。

(1)
合同方程式 x^2 ≡ D (mod 4m) に解があるかないかを調べる。
解が無ければ、m は判別式 D のどんな2次形式に
よっても固有に表現されない(>>717)。

(2)
x^2 ≡ D (mod 4m) の解の集合を、mod 2m で類別した集合を
S とする。
S の各類から代表 l をとる。l^2 ≡ D (mod 4m) だから
l^2 - D = 4mk となる有理整数 k がある。
2次形式 (m, l, k) の判別式は D である。

(a, b, c) と (m, l, k) が SL_2(Z) の作用(>>403)で同値かどうかを
調べる。

同値でないなら l の属す S の類に対応する m = ax^2 + bxy + cy^2 の
固有な解は無い(>>716, >>718, >>719)。

同値なら (a, b, c)σ = (m, l, k) となる
σ = (p, q)/(r, s) ∈ SL_2(Z) を全て求める。
このとき (p, r) が m = ax^2 + bxy + cy^2 の固有な解である。
>>732 より、このようなσで相異なるものは相異なる解を与える。

734 名前:132人目の素数さん [2007/02/24(土) 15:25:57 ]
質問です。

3以上の偶数は素数ではありません。
でも2で割ると素数になる偶数はたくさん存在すると思います。
たとえば6、10、14、・・などがその例です。

2で割ると素数になるような偶数は無限個存在するのですか?
プログラムを組んでみたところ、無限個存在しそうな予感がしているのですが・・。

735 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/24(土) 15:45:38 ]
>>734

かなり寒い質問だな。数学を知らないと見える。

素数が無限個あるならば、その一つ一つを二倍した数の全体は無限個だ。


736 名前:132人目の素数さん [2007/02/24(土) 15:49:26 ]
>>735
レスありがとうございます。
一応数学科のものです・・。

その論法だと穴があると思います。
定義域が無限集合でも、値域が有限になる例はいくらでもあります。

737 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/24(土) 15:58:58 ]
>>736

ものを神秘化し過ぎている。

単に一つ一つを検証すれば良いのだ。

数学的に表現するなら、「任意の素数の二倍が求める物で、異なる物の二倍は異なる」と言えば良い。

738 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/24(土) 18:31:52 ]
>>733 において、合同方程式 x^2 ≡ D (mod 4m) を解くのは比較的簡単
であるから、問題となるのは以下の2点である。

(1) 判別式 D の2次形式 (a, b, c) と (m, l, k) が与えられたとき
それらが同値か否かを判定せよ。

(2) 同値なら (a, b, c)σ = (m, l, k) となる
σ ∈ SL_2(Z) を全て求めよ。

739 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/24(土) 18:39:00 ]
>>738 において
(a, b, c)σ = (m, l, k)
(a, b, c)τ = (m, l, k)
となる σ, τ ∈ SL_2(Z) があれば
(a, b, c)σ = (a, b, c)τ より
(a, b, c)τσ^(-1) = (a, b, c)

ε = τσ^(-1) とおけば (a, b, c)ε = (a, b, c) で
τ = εσ である。

従って、>>738 の (2) は次の二つの問題に分解される。

(a) (a, b, c)σ = (m, l, k) となる σ ∈ SL_2(Z) を一つ求めよ。

(b) (a, b, c)ε = (a, b, c) となる ε ∈ SL_2(Z) を全て求めよ。

740 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/24(土) 20:29:22 ]
補題
(a, b, c) と (m, l, k) を判別式 D の2次形式とする。

(a, b, c) と (m, l, k) が同値であるためには、
gcd(a, b, c) = gcd(m, l, k) で
(a', b', c') と (m', l', k') が同値であることが必要十分である。
ここで
a' = a/gcd(a, b, c), b' = b/gcd(a, b, c), c' = c/gcd(a, b, c)
m' = m/gcd(m, l, k), l' = l/gcd(m, l, k), k' = k/gcd(m, l, k)
である。

証明
(a, b, c) と (m, l, k) が同値であるとする。
(a, b, c)σ = (m, l, k) とする。
ここで σ = (p, q)/(r, s) ∈ SL_2(Z) である。
>>282 より gcd(a, b, c) = gcd(m, l, k) である。
d = gcd(a, b, c) とする。

f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2
g(x, y) = mx^2 + lxy + ky^2
f '(x, y) = a 'x^2 + b 'xy + c 'y^2
g '(x, y) = m 'x^2 + l 'xy + n 'y^2
とおく。
f(x, y) = df '(x, y), g(x, y) = dg '(x, y) である。
f(px + qy, rx + sy) = g(x, y) だから
df '(px + qy, rx + sy) = dg '(x, y)
よって
f '(px + qy, rx + sy) = g '(x, y)
従って、(a', b', c') と (m', l', k') は同値である。

逆の証明も同様である。
証明終

741 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/24(土) 20:55:25 ]
>>240 より>>738 の問題は原始的(>>279)な2次形式に限ってよい。

>>738 の問題は、判別式 D が負の場合のほうが正の場合より簡単
なので、まず D が負の場合を考えることにする。

(a, b, c) と (m, l, k) が同値なら
(-a, -b, -c) と (-m, -l, -k) も同値であるから、
a > 0 となる (a, b, c), つまり正定値(>>293)の2次形式のみ
扱えばよい。

つまり、D が負の場合は >>738 の問題を正定値(>>293)の原始的
な2次形式に限ってよい。
しかし、この場合は次に説明するように >>738 の問題は既に
解けている。

742 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/24(土) 20:57:15 ]
訂正

>>741
>>>240 より>>738 の問題は原始的(>>279)な2次形式に限ってよい。

>>740 より>>738 の問題は原始的(>>279)な2次形式に限ってよい。



743 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/24(土) 21:21:06 ]
>>738 の問題を正定値で原始的2次形式の場合に解くことを考える。

問題 (1)
判別式 D < 0 の正定値で原始的な2次形式 (a, b, c) と
(m, l, k) が与えられたとき、それらが同値か否かを判定せよ。
さらに、同値なら (a, b, c) を (m, l, k) に変換する1次変換
を求めよ。

解答
(a, b, c) を簡約2次形式(>>407, >>408)に変形する。
これには、まず >>335 のアルゴリズムを使って、
広義簡約2次形式(>>409, >>410)に変形する。
次に、>>337 のアルゴリズムを使って、これを簡約2次形式に
変形する。
これを (a', b', c') とする。
(a, b, c) を (a', b', c') に変形する1次変換 σ はこの
アルゴリズムにより容易にわかる。

同様に、(m, l, k) を簡約2次形式 (a', b', c') に変形する。
(m, l, k) を (m', l', k') に変形する1次変換を τ とする。

(a', b', c') ≠ (m', l', k') なら (a, b, c) と (m, l, k) は
同値でない。

(a', b', c') = (m', l', k') なら (a, b, c) と (m, l, k) は
同値であり (a, b, c)σ = (m, l, k)τ だから
(a, b, c)στ^(-1) = (m, l, k) である。

744 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/24(土) 21:55:02 ]
>709
> くんまさん 今までの全部まとめた本出す予定ありますか?
>711
> 今はその予定はありません。全部書き終わったら、そのとき考えます。
> しかし、今まで書いた部分は全体の1割くらいなんで、まだまだ先は長いです。

Kummerさん:
「1割」でもかなりな量ですなあ。今のペースだと2-3年かかりまっせ。
この本↓みたいな精神で今までのを纏めると皆の役に立つんじゃないでしょうかね。
www.amazon.com/Algebraic-Number-Theory-Fermats-Theorem/dp/1568811195
御一考をお願いします。

745 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/24(土) 22:31:01 ]
>>744

本にするヒマがあったらこれを書き続けたいですね。
大体、今まで書いたことなんて本にするようなもんじゃないですよ。
重要なことが抜けてるんで。
まだ、2次体論の佳境に入ってないんです。


746 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/25(日) 00:40:30 ]
>>744
サンキュー
その本は何かとアマゾン込むへ飛んだ
そして別の欲しかった本をマーケットプレイスで
見つけて即注文
今までアマゾンjpになければ諦めていた
そうかcomもチェックする必要があることに気付いた

747 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/25(日) 00:53:07 ]
>そうかcomもチェックする必要があることに気付いた

俺は最初に amazon.com でチェックする。
amazon.jp って配達がとんでもなく遅い場合がある。
com もそういう場合があるが頻度は少ないように思う。

748 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/25(日) 01:30:55 ]
ということは、仏語の本は
アマゾンのfrか?
あしたから検索しよっと


749 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/25(日) 01:49:41 ]
問題 (2)
判別式 D < 0 の正定値で原始的な2次形式 (a, b, c) と
(m, l, k) が同値なら (a, b, c)σ = (m, l, k) となる
σ ∈ SL_2(Z) を全て求めよ。

解答
>>743 より (a, b, c)σ = (m, l, k) となる一つの σ ∈ SL_2(Z) が
求まる。
>>739 より (a, b, c)ε = (a, b, c) となる ε ∈ SL_2(Z) を
すべて求めればよい。

I((a, b, c)) = { ε ∈ SL_2(Z) ; (a, b, c)ε = (a, b, c) }
とおく。

>>405 より写像
φ : PF(D) → HQ(D) は左 SL_2(Z)-集合としての同型射(>>399)である。
φ((a, b, c)) = (-b + √D)/2a である。

>>267 より
(-b + √D)/2a が √(-1) と同値つまり、
(a, b, c) が (1, 0, 1) と同値のとき
I((a, b, c)) = {±1, ±T} である。
ここで T = (0, -1)/(1, 0)

(-b + √D)/2a が (-1 + √(-3))/2 と同値つまり、
(a, b, c) が (1, 1, 1) と同値のとき
I((a, b, c)) = {±1, ±TS, ±(TS)^2}
ここで S = (1, 1)/(0, 1) したがって TS = (0, -1)/(1, 1)

(a, b, c) が (1, 0, 1) とも (1, 1, 1) とも同値でないとき
I((a, b, c)) = {±1}

750 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/25(日) 07:51:00 ]
29

751 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/25(日) 07:52:00 ]
30

752 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/25(日) 07:53:00 ]
29



753 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/25(日) 07:54:00 ]
28

754 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/25(日) 07:55:00 ]
27

755 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/25(日) 07:56:00 ]
26

756 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/25(日) 10:06:22 ]
>>733, >>741, >>742, >>743, >>749 により判別式 D が負の場合の
m = ax^2 + bxy + cy^2 の固有な解の全てを求める問題は原理的には
解けたことになる。
さらに >>710 により固有でない解も求まる。

757 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/25(日) 10:37:28 ]
以上の結果の簡単な応用の一例として、p を奇素数としたとき
p = x^2 + y^2 を解くことを考えてみよう。

2次形式 (1, 0, 1) = x^2 + y^2 の判別式 D は -4 だから、
判別式が -4 の簡約2次形式(>>407, >>408)を求める。

>>408 より判別式 -4 の (a, b, c) が簡約2次形式であるためには
|b| ≦ a ≦ c であり、
|b| = a または a = c のときは b ≧ 0 となることが必要十分である。

>>341 と同様にして
a ≦ √(|D|/3)
D = -1 だから
a ≦ 1 である。
a ≠ 0 だから a = 1 である。
よって |b| ≦ 1 である。

4ac = b^2 + |D| = b^2 + 4
よって
4c = b^2 + 4
よって b^2 = 1 ではありえない。
よって b = 0 である。
よって c = 1 である。

以上から判別式が -4 の簡約2次形式は (1, 0, 1) のみである。

(続く)

758 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/25(日) 11:00:23 ]
>>757 の続き

p = x^2 + y^2 に解があればそれは固有である。
よって >>717 より
l^2 ≡ -4 (mod 4p) となる有理整数 l が存在する。
l^2 ≡ 0 (mod 4) だから l は偶数である。
l = 2t とすると
t^2 ≡ -1 (mod p) である。
よって (-1/p) = 1 である。

ここで (-1/p) は Legendre の記号(前スレ3の746)である。

逆に (-1/p) = 1 なら
l^2 ≡ -4 (mod 4p) となる有理整数 l が存在する。
l^2 + 4 = 4pk とする。

p は奇素数だから l とは互いに素である。
よって2次形式 (p, l, k) は正定値かつ原始的で判別式は -4 である。
>>757 より、これは (1, 0, 1) と同値である。

よって (1, 0, 1)σ = (p, l, k) となる σ ∈ SL_2(Z) がある。
σ = (u, q)/(r, s) とする。

>>749 より (1, 0, 1)ε = (1, 0, 1) となる ε ∈ SL_2(Z) は
{±1, ±T} である。ここで T = (0, -1)/(1, 0) である。
よって (1, 0, 1)τ = (p, l, k) となる τ は
σ, -σ, Tσ, -Tσ の四個である。
即ち
(u, q)/(r, s), (-u, -q)/(-r, -s), (-r, -s)/(u, q), (r, s)/(-u, -q)
である。
よって p = x^2 + y^2 の解は (u, r), (-u, -r), (-r, u), (r, -u)
の4個である。

759 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/25(日) 11:11:49 ]
訂正

>>757
>>>341 と同様にして
>a ≦ √(|D|/3)
>D = -1 だから
>a ≦ 1 である。

>>341 と同様にして
a ≦ √(|D|/3)
D = -4 だから
a ≦ 1 である。

760 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/25(日) 16:03:42 ]
>>758
>よって p = x^2 + y^2 の解は (u, r), (-u, -r), (-r, u), (r, -u)
>の4個である。

これは明らかに間違いである。
修正は後でする(今検討中w)。

761 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/25(日) 20:40:48 ]
訂正
>>758
>よって p = x^2 + y^2 の解は (u, r), (-u, -r), (-r, u), (r, -u)
>の4個である。

よって (p, l, k) に対応する p = x^2 + y^2 の解は
(u, r), (-u, -r), (-r, u), (r, -u) の4個である。

他方 x^2 ≡ -4 (mod 4p) の別の解 -l には
2次形式 (p, -l, k) が対応する。

R = (1, 0)/(0, -1) とすると
(p, l, k)R = (p, -l, k)
(1, 0, 1)R = (1, 0, 1) である。

よって (1, 0, 1)RσR = (p, l, k)R = (p, -l, k)
U = RσR とおく。
det(U) = det(σ) = 1 だから U ∈ SL_2(Z) である。
U = (u, -q)/(-r, s) である。
>>758 と同様に
(1, 0, 1)τ = (p, -l, k) となる τ は
U, -U, TU, -TU の四個である。
即ち
(u, -q)/(-r, s),(-u, q)/(r, -s),(r, -s)/(u, -q),(-r, s)/(-u, q)
である。
よって (p, -l, k) に対応する p = x^2 + y^2 の解は
(u, -r), (-u, r), (r, u), (-r, -u)
の4個である。

>>758 と合わせて p = x^2 + y^2 の解は
(u, r),(-u, -r),(-r, u),(r, -u),(u, -r),(-u, r),(r, u),(-r, -u)
の8個である。

762 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/25(日) 20:46:27 ]
p を奇素数とする。
>>163 より (-1/p) = (-1)^((p-1)/2) だから
(-1/p) = 1 であるためには p ≡ 1 (mod 4) が必要十分である。

これと、>>757, >>758, >>761 より以下の定理が得られる

定理(Fermat-Euler)
p を奇素数とする。
p = x^2 + y^2 が有理整数解を持つためには
p ≡ 1 (mod 4) が必要十分である。
さらに、このとき解は順序と符号を除いて一つである。



763 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/25(日) 20:47:49 ]
>>762の定理は Fermat により明言され Eulerにより証明された。

764 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/26(月) 11:10:00 ]
29

765 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/26(月) 11:11:00 ]
28

766 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/26(月) 11:12:00 ]
27

767 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/26(月) 11:13:00 ]
26

768 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/26(月) 11:14:00 ]
25

769 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/26(月) 11:15:00 ]
24

770 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/26(月) 21:11:27 ]
>>367 の原始解の定義は >>701 の固有な解と同じものだった。
今後、固有な解に統一する。

さらに、>>717>>368 で証明してあった。

771 名前:132人目の素数さん [2007/02/26(月) 21:17:03 ]
            /⌒ヽ,  ,/⌒丶、       ,-
       `,ヾ   /    ,;;iiiiiiiiiii;、   \   _ノソ´
        iカ /    ,;;´  ;lllllllllllllii、    \ iカ
        iサ'     ,;´  ,;;llllllllllllllllllllii、    fサ
         !カ、._  ,=ゞiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii!! __fカヘ.
       /  `ヾサ;三ミミミミミK彡彡彡ミヾサ`´ 'i、
       i'   ,._ΞミミミミミミI彡/////ii_   |
       |  ;カ≡|ヾヾヾミミミミミN、//巛iリ≡カi  |
        |  iサ  |l lヾヾシヾミミミミG|ii//三iリ `サi  |
       |  ,カ ,カll|l l lヾリリリリリ川川|爪ミミiリllカ、カi  |
        |  ;iサ,サ |l l l リリ川川川川|爪ミミiiリ サi サi  |
        |   iカ ;カ, |l l リリリリ川川川川l爪ミミilリ ,カi カi  |
       |  iサ ;サ, |リ リリ川川川川川l爪ミミiリ ,サi サi  |
       |  iサ ;iカ, | リ彡彡川川川川|爪ミミiリ ,カi :サ、 |
       ,i厂 iサ, |彡彡彡彡ノ|川川|爪ミミリ ,サi `ヘ、
      ,√  ,:カ, |彡彡彡彡ノ川川|ゞミミミリ  ,カi   `ヾ
     ´    ;サ,  |彡彡彡彡川川リゞミミリ  ,サi
         ;カ,  |彡彡彡彡リリリミミミシ   ,カi
         ,;サ,   |彡彡ノリリリリミミミシ    ,サi
        ;メ'´    i彡ノリリリリリゞミミシ     `ヘ、
       ;メ      ヾリリリリノ巛ゞシ       `ヘ、
      ;メ        ``十≡=十´         `ヘ、
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772 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/01(木) 04:09:00 ]
27



773 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/01(木) 04:10:00 ]
26

774 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/01(木) 04:11:00 ]
25

775 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/01(木) 04:12:00 ]
24

776 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/01(木) 04:13:00 ]
23

777 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/01(木) 04:14:00 ]
22

778 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 12:28:08 ]
>>733 において合同方程式 x^2 ≡ D (mod 4m) の解法が必要であった。
この問題について考える。

m > 1 を有理整数で、m = (p_1)^(k_1)...(p_r)^(k_r)
を m の素因数分解とする。

a を有理整数として合同方程式 x^2 ≡ a (mod m) を考える。
この解は、明らかに各 i に対して x^2 ≡ a (mod (p_i)^(k_i)) の
解でもある。

逆に各 i に対して x^2 ≡ a (mod (p_i)^(k_i)) の解を b_i とする。
中国式剰余定理(前スレ1の341)より
c ≡ b_i (mod (p_i)^(k_i)) となる c ∈ Z がある。
c^2 ≡ a (mod (p_i)^(k_i)) だから c^2 ≡ a (mod m) である。

以上から x^2 ≡ a (mod m) の解の mod m の個数を N とし、
x^2 ≡ a (mod (p_i)^(k_i)) の解の mod (p_i)^(k_i) の個数を N_i
とすると、 N = Π N_i となる(>>100)。

以上から x^2 ≡ a (mod m) は m が素数 p のべき p^n のときに
解ければよい。
この問題は a が p と素なときが本質的であるが、そのときは
環 Z/p^nZ の可逆元のなす群 (Z/p^nZ)^* (>>516) の構造と関係する。
よって、この問題を解く前に (Z/p^nZ)^* の構造について述べる。

779 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 13:17:04 ]
(Z/p^nZ)^* の構造定理の証明に入る前に有限アーベル群について
復習しておく(これは後にも必要になる)。

G を位数 N の有限アーベル群とする。
N = (p_1)^(k_1)...(p_r)^(k_r) を N の素因数分解とする。
このとき各 p_i に対して G の位数 (p_i)^(k_i) の部分群 G_i が
唯一つ存在し、G は G_i の直積となる。

この事実は、有限群論のSylowの定理からも出るし、アーベル群の
基本定理からも出る。
さらに、単項イデアル環上の有限生成束縛加群の一般論からも出る。

これ等について説明しよう。

780 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 13:42:03 ]
Sylowの第一定理を証明する前に簡単な定義をする。

G を群とする。
G の元 g に対して G から G への写像 σ(g) を
σ(g)(x) = gxg^(-1) で定義する。
この σ により G は G-集合 (>>388) となる。

G を σ により G-集合と見たときの軌道(>>390)を共役類と呼ぶ。
ひとつの軌道に属す2元は互いに共役という。

x ∈ G のとき x の安定化部分群(>>392)を N(x) と書き、
x の正規化群と呼ぶ。
N(x) = {g ∈ G;gxg^(-1) = x } である。

G が有限群のとき x の属す共役類の元の個数は [G : N(x)] である
(>>394)。

781 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 14:04:15 ]
G を群とする。
G の元 x に共役(>>780)な元が x のみのとき x を自己共役元という。
G の自己共役元全体 Z は G の正規部分群である。
Z を G の中心と呼ぶ。

782 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 14:08:49 ]
G を有限群とする。G の中心(>>781)を Z とする。
G の共役類(>>780) C で |C| > 1 となるもの全体を C_1, ..., C_r
とする。
h_i = |C_i| とおく。
このとき、
|G| = |Z| + h_1 + ... + h_r である。

この等式を G の類等式と呼ぶ。



783 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 15:44:44 ]
補題
G を有限アーベル群とする。
p を素数とし、 G のすべての元の位数は p のべきだとする。
このとき G の位数も p のべきである。

証明
G の位数に関する帰納法を使う。
x を G の位数 p の元とする。
x で生成される G の部分群を H とする。
G/H の各元の位数は p のべきだから G/H は帰納法の仮定を満たす。
よって |G/H| は p のべきである。
よって |G| も p のべきである。
証明終

784 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 15:45:40 ]
補題
G を有限アーベル群とする。
|G| = (p^n)(q^m) とする。
ここで p と q は素数で p ≠ q である。
n ≧ 1, m ≧ 1 である。

このとき G には位数がそれぞれ p と q の元が存在する。

証明
G には位数 p の元が存在しないと仮定する。
これから矛盾を導けばよい。

G の任意の元 x ≠ 1 の位数の素因数は p または q である。
しかし仮定より x の位数は p では割れない。
よって x の位数は q のベキである。
>>783 より G の位数は q のベキであるが、これは仮定に反する。
証明終

785 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 16:12:34 ]
補題(Burnside)
G を有限群とする

|G| = (p^m)q とする。
ここで p と q は素数で p ≠ q である。
m ≧ 1 である。
さらに G の中心 K に位数 q の元があるとする。
このとき K は位数 p の元ももつ。

証明
G の共役類(>>780) C で |C| > 1 となるもの全体を C_1, ..., C_r
とする。
h_i = |C_i| とおく。
このとき、G の類等式は
|G| = |K| + h_1 + ... + h_r である(>>782)。

各 C_i から代表元 x_i をとる。
h_i = [G : N(x_i)] である(>>780)。

K ⊂ N(x_i) で |K| は仮定により q で割れるから h_i は p のベキ
である。
よって G の類等式から |K| は p で割れる。
よって >>784 より K は位数 p の元をもつ。
証明終

786 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 16:36:42 ]
命題(Sylowの第一定理)
G を位数 N の有限群とする。
p を素数とし、p^m が N を割るとする。ここで m ≧ 1 である。
このとき G の部分群 H で |H| = p^m となるものが存在する。

証明
G の位数に関する帰納法を使う。

G の中心(>>781)を K とする。
G の共役類(>>780) C で |C| > 1 となるもの全体を C_1, ..., C_r
とする。

G の類等式は
|G| = |K| + |C_1| + ... + |C_r| である。

|K| = 1 なら、ある C_i に対して |C_i| は p で割れない。
x ∈ C_i のとき |C_i| = [G : N(x)] である(>>780)。
よって N(x) は p^m で割れる。
帰納法の仮定から N(x) の部分群 H で |H| = p^m となるものが
存在する。

よって |K| > 1 と仮定する。
K に位数 p の元 x があるなら x で生成される部分群を L とすると、
L は G の正規部分群で |G/L| は p^(m-1) で割れる。
帰納法の仮定から G/L の部分群で位数が p^(m-1) となるものがある。
よって G の部分群で位数が p^m となるものがある。

(続く)

787 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 16:41:42 ]
>>786 の証明の続き。

q を p と異なる素数とし、K に位数 q の元 y があるとする。
このとき y で生成される部分群を M とすると、
|G/M| は p^m で割れるから、帰納法の仮定から G/M は位数 p^m の
部分群をもつ。
よって G は位数 (p^m)q の部分群 T をもつ。
G ≠ T なら T に帰納法の仮定を使えて、T は位数 p^m の部分群 H を
もつ。

残るのは G = T 即ち |G| = (p^m)q の場合である。
>>785 より K は位数 p の元 z をもつ。
これから前と同様にして G は位数 p^m の部分群 H をもつ。
証明終

788 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 16:54:01 ]
>>786 の証明は Burnside の Theory of groups of finite order から
借りた。

Sylowの第二、第三定理もあるがさしあたって必要ないので
今は述べないことにする。

>>786 の証明はアーベル群の基本定理を使えばもっと簡単になる。
それは後で述べる。

789 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 17:08:47 ]
>>779 で述べた命題を >>786 を使って証明する。

命題
G を位数 N の有限アーベル群とする。
N = (p_1)^(k_1)...(p_r)^(k_r) を N の素因数分解とする。
このとき各 p_i に対して G の位数 (p_i)^(k_i) の部分群 G_i が
唯一つ存在し、G は G_i の直積となる。

証明
>>786 より G_i の存在がわかる。
G_i の元の位数は p_i のベキだから G_1 × ... × G_r は直積
(アーベル群だから直積と直和は同じもの)である。
位数を比較して G = G_1 × ... × G_r となる。
これから各 G_i は G の元で位数が p_i のベキとなるもの全体で
あることがわかる。よって G_i は一意に定まる。
証明終

790 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 17:15:39 ]
G を有限群とする。
p を |G| を割る素数とし、 |G| = (p^m)r とする。
ここで r と p は素である。
>>786 より G は位数 p^m の部分群をもつ。
このような部分群を p-Sylow 部分群と呼ぶ。

791 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 17:29:50 ]
命題(Cauchy の定理)
G を有限群とする。
p を |G| を割る素数とすると G は位数 p の元をもつ。

証明
>>786 より G は位数 p の部分群 H をもつ。
H の 1 以外の元の位数は p である。
証明終

792 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 17:58:37 ]
前スレ1の669を引用する。

命題
A を単項イデアル整域、M を A 上有限生成の捩れ加群とする。
A の素元 p に対して M(p) = {x ∈ M; (p^n)x = 0 となる n > 0 がある}
とおく。M = ΣM(p) (直和) となる。ここで p は、Ann(M) を割る素元
全体を動く。



793 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 18:00:06 ]
>>789>>792>>783 から直ちに出る。

794 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/03(土) 18:02:49 ]
>788
>>786 (Sylow's theorem)の証明は
>>Burnside の Theory of groups of finite order から借りた。
Wielandtの(帰納法を使用しない)証明の方が、分かりやすいと思うんが…
ま、手段であって目的ではないから良いのかな。

795 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 18:10:40 ]
命題(Cauchy の定理(>>791)のアーベル群版)
G を有限アーベル群とする。
p を |G| を割る素数とすると G は位数 p の元をもつ。

これは、Sylowの第一定理(>>786)を使わなくても >>789 から
直ちに出る。>>789>>792 から出るからやはりSylowの第一定理
はいらない。

逆に、この命題からSylowの第一定理が出る。
それを次に述べる。

796 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 18:22:08 ]
>>786(Sylowの第一定理)の>>795を使った証明

G の位数に関する帰納法を使う。

G の中心(>>781)を K とする。
G の共役類(>>780) C で |C| > 1 となるもの全体を C_1, ..., C_r
とする。

G の類等式は
|G| = |K| + |C_1| + ... + |C_r| である。

ある C_i に対して |C_i| は p で割れないとする。
x ∈ C_i のとき |C_i| = [G : N(x)] である(>>780)。
よって N(x) は p^m で割れる。
帰納法の仮定から N(x) の部分群 H で |H| = p^m となるものが
存在する。

よって、この場合は定理は証明された。

次に、すべての |C_i| は p で割れるとする。
このとき上の類等式から |K| は p で割れる。
K はアーベル群だから >>795 より K は位数 p の元をもつ。
この元で生成される K の部分群を L とする。
L は G の正規部分群で |L| = p だから |G/L| は p^(m-1) で割れる。
よって帰納法の仮定から G/L に位数 p^(m-1) の部分群が存在する。
よって G に位数 p^m の部分群が存在する。
証明終

797 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 18:25:38 ]
アーベル群の基本定理からも>>789 したがって >>795 が出ることは明らかだろう。

798 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 18:30:41 ]
>>797
>アーベル群の基本定理からも>>789 したがって >>795 が出ることは
>明らかだろう。

しかし >>789 の証明にアーベル群の基本定理をもちだすのはやや
大げさだろう。実際、>>789>>792 からすぐ出るが
>>792 は前スレ1の669でみたように簡単に証明される。

799 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 18:43:20 ]
>>794

Burnsideの証明を改良した >>796 は十分わかりやすいと思うけど。
これは >>792 を使っているが、>>792 は単項イデアル整域上の
有限生成捩れ加群の基本であり、初等代数では常識と言えるもの。
証明も簡単だし。

800 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 19:56:51 ]
命題
G を位数 N の有限アーベル群とする。
N の任意の約数 n ≧ 1 に対して x^n = 1 となる G の元 x の個数は
n 以下だとする。
このとき G は巡回群である。

証明
>>789 より N が素数 p のベキ p^m の場合に証明すればよい。
G の元 g ≠ 1 の位数を p^s とする。
g で生成される G の部分群を H とする。
|H| = p^s である。
H の任意の元 h に対して h^(p^s) = 1 となるから
仮定より x^(p^s) = 1 の解は H の元のみである。

G = H なら G は巡回群である。
G ≠ H なら H に含まれない G の元 y がある。
y^(p^s) ≠ 1 だから y の位数は p^s より大きい。

G が y で生成されなければ、同様にして y の位数より大きい位数
の元がある。
このような手続きを繰り返せば G の生成元が必ず見つかる。
証明終

801 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 20:06:45 ]
命題
F を有限体とする。
F^* (>>516)は巡回群である。

証明
有限体 F においては、任意の有理整数 n ≧ 1 に対して
x^n = 1 の解の個数は n 以下である。
よって >>800 より F^* は巡回群である。
証明終

802 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 20:08:17 ]
命題(mod p の原始根の存在定理)
p を素数とする。
(Z/pZ)^* は巡回群である。

証明
>>801 より明らかである。



803 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 20:28:56 ]
p を素数としたとき、(Z/pZ)^* の生成元またはその代表元を
mod p の原始根という。

原始根を求めるには >>800 の証明方法が使える。
しかし、これは |(Z/pZ)^*| = p - 1 の素因数分解が必要だし、
(Z/pZ)^* の各 Sylow 部分群(>>790)を求める必要がある。

もっと簡単な方法を高木の本から紹介しよう。

804 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 21:00:11 ]
補題
n ≧ 1, m ≧ 1 を有理整数とする。
l を n と m の最小公倍数とする。
このとき n の約数 a と m の約数 b で
l = ab, gcd(a, b) = 1 となるものがある。

証明
n と m の素因数分解を
n = Π (p_i)^(n_i)
m = Π (p_i)^(m_i)
とする。

l = Π (p_i)^(max(n_i, m_i))
である。

m_i ≧ n_i なら a_i = 1, b_i = (p_i)^m_i
m_i < n_i なら a_i = (p_i)^(n_i), b_i = 1
とし、

a = Π a_i
b = Π b_i
とすればよい。
証明終

805 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 21:19:18 ]
補題
G を群とする。
x を G の元で位数が n とする。
y を G の元で位数が m とする。
gcd(n, m) = 1 で、xy = yx なら
z = xy の位数は nm である。

証明
xy = yx だから z^(nm) = (xy)^(nm) = (x^(nm))(y^(nm)) = 1 である。

r ≧ 1 を有理整数として z^r = 1 とする。
r が nm で割れることを示せばよい。

z^(rm) = 1
だから
(x^(rm))(y^(rm)) = 1
ここで
y^(rm) = 1
だから
x^(rm) = 1

よって rm は n で割れる。gcd(n, m) = 1 だから r は n で割れる。
同様に、r は m で割れる。
gcd(n, m) = 1 だから r は nm で割れる。
証明終

806 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 21:29:29 ]
補題
G を群とする。
x を G の元で位数が n とする。
y を G の元で位数が m とする。
l を n と m の最小公倍数とする。
xy = yx なら G には位数 l の元が存在する。

証明
>>804 より n の約数 a と m の約数 b で
l = ab, gcd(a, b) = 1 となるものがある。
x^(n/a) の位数は a である。
y^(m/b) の位数は b である。

>>805 より (x^(n/a))(y^(m/b) の位数は ab = l である。
証明終

807 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 21:41:46 ]
>>800 の別証

G の元 x ≠ 1 の位数を n とする。
|G| = n なら x は G の生成元である。

|G| ≠ n とする。
x の生成する G の部分群を H とすると、G ≠ H である。
G の元 y で H に含まれないものがある。
y の位数を m とする。
l を n と m の最小公倍数とする。
n = l とすると m は n の約数となり、y^n = 1 となる。
これは X^n = 1 の解が n 個以下という仮定に反する。
よって l > n である。

一方、>>806 より G には位数 l の元 z が存在する。
|G| = l なら z は G の生成元である。
|G| ≠ l なら、以上の手続きを繰り返せばよい。
証明終

808 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 21:52:21 ]
Cohen の A course in computational algebraic number theory
の p.25 に

"Let p be a prime. To find a primitive root modulo p there seems
to be no better way than to proceed as follows.
Try g = 2, g = 3, etc... until g is a primitive root."

とある。

>>807(高木の方法) がその a better way だと思うんですが。

809 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/03(土) 21:57:04 ]
百日。


810 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/03(土) 23:27:00 ]
Gauss による >>800 の別証(Disquisitiones の art. 54) を紹介
する(高木の初等整数論講義の補遺にもある)。

>>800 の別証:
d ≧ 1 を N の約数としたとき、G の位数 d の元の個数をψ(d) と
書くことにする。G に関する仮定より
ψ(d) = 0 または ψ(d) = φ(d) である。
ここで φ(d) は Euler の関数である。
つまり φ(d) は位数 d の巡回群の生成元の個数である。
よって φ(d) = |(Z/dZ)^*| である。

明らかに、N = Σ ψ(d) である。
ここで d は N の約数 d ≧ 1 全体を動く。

一方、位数 N の巡回群を考えることにより、N = Σ φ(d) となる。
よって N の任意の約数 d に対して ψ(d) = φ(d) でなければ
ならない。
特に、ψ(N) = φ(N) である。
よって ψ(N) ≠ 0 だから G は巡回群である。
証明終

811 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/04(日) 00:23:44 ]
p を素数として n ≧ 1 を有理整数とする。
(Z/(p^n)Z)^* が巡回群のときにその生成元またはその任意の代表元を
mod p^n の原始根という。

812 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/04(日) 00:27:39 ]
p を奇素数として n ≧ 1 を有理整数とする。
g ∈ Z を mod p^(n+1) の原始根(>>811)とする。
g mod p^n の (Z/(p^n)Z)^* における位数を r とする。

g^r ≡ 1 (mod p^n) である。
g^r = 1 + h(p^n) となる h ∈ Z がある。

二項定理より
g^(rp) = (1 + h(p^n))^p
= 1 + h(p^(n+1)) + (p(p - 1)/2)(h^2)(p^(2n)) + ...
= 1 + h(p^(n+1)) + ((p - 1)/2)(h^2)(p^(2n + 1)) + ...

p は奇数だから (p - 1)/2 は有理整数である。

よって
g^(rp) ≡ 1 + h(p^(n+1)) (mod p^(n + 2))

よって
g^(rp) ≡ 1 (mod p^(n + 1))

rp は φ(p^(n+1)) = (p^n)(p - 1) で割れる。
よって r は φ(p^n) = (p^(n-1))(p - 1) で割れる。
よって r = (p^(n-1))(p - 1) である。
よって g は mod p^n の原始根である。

g^r = 1 + h(p^n) において h は p で割れない。
何故なら h ≡ 0 (mod p) なら
g^r ≡ 1 (mod p^(n+1)) となって g が mod p^(n+1) の原始根という
仮定に反するからである。



813 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/04(日) 00:41:25 ]
補題
p を奇素数として n ≧ 1 を有理整数とする。
g を mod p^n の原始根(>>811)とする。
g は mod p の原始根でもあり g^p - 1 は p^2 で割れない。

証明
>>812 より明らかである。

814 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/04(日) 01:58:30 ]
>>812 の逆を考える。

p を素数として n ≧ 1 を有理整数とする。
g を mod p^n の原始根(>>811)とする。

r = (p^(n-1))(p - 1) とおく。

g^r ≡ 1 (mod p^n) である。
g^r = 1 + h(p^n) となる h ∈ Z がある。
h が p で割れないとする。

g mod p^(n + 1) の (Z/(p^(n+1))Z)^* における位数を d とする。

g^d ≡ 1 (mod p^(n + 1))
よって
g^d ≡ 1 (mod p^n)
よって
d は (p^(n-1))(p - 1) の倍数である。
一方、d は (p^n)(p - 1) の約数である。
よって d は r = (p^(n-1))(p - 1) または rp = (p^n)(p - 1) である。
d = r とすると
g^r ≡ 1 (mod p^(n + 1)) となって h が p で割れることになり
仮定に反する。
よって d = (p^n)(p - 1) となり g は mod p^(n + 1) の原始根である。

815 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/04(日) 02:01:49 ]
補題
p を奇素数として n ≧ 1 を有理整数とする。
g を mod p の原始根で g^p - 1 は p^2 で割れないとする。
g は mod p^n の原始根でもある。

証明
>>814 より明らかである。

816 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/04(日) 02:10:17 ]
訂正

>>813
>g は mod p の原始根でもあり g^p - 1 は p^2 で割れない。

g は mod p の原始根でもあり g^(p-1) - 1 は p^2 で割れない。

817 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/04(日) 02:11:15 ]
訂正

>>815
>g を mod p の原始根で g^p - 1 は p^2 で割れないとする。

g を mod p の原始根で g^(p-1) - 1 は p^2 で割れないとする。

818 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/04(日) 07:43:35 ]
p を奇素数として n ≧ 1 を有理整数とする。
a を mod p の原始根で a^(p-1) - 1 は p^2 で割れるとする。

a^(p-1) ≡ 1 (mod p) だから
a^(p-1) - 1 = ph となる h ∈ Z がある。
仮定より h は p で割れる。

a と mod p で合同な有理整数 b で b^(p-1) - 1 は p^2 で割れない
ようなものがあるかどうかを調べる。

a ≡ b (mod p) だから b = a + pt となる t ∈ Z がある。
2項定理より
b^p = a^p + (p^2)t + (p(p-1)/2)(p^2)t^2 + ...
よって
b^p ≡ a^p (mod p^2)

よって
b^p - b ≡ a^p - b (mod p^2)

一方
a^(p-1) = 1 + ph だから
a^p = a + pah である。
よって
a^p - b = a + pah - (a + pt) = p(ah - t)

よって
b^p - b ≡ p(ah - t) (mod p^2)

よって ah - t が p で割れなければ、b^p - b は p^2 で割れない。
従って、b^(p-1) - 1 は p^2 で割れない
ah ≡ 0 (mod p) だから t として 1 を取ればよい。
つまり、b = a + p が求めるものである。

819 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/04(日) 07:46:46 ]
補題
p を奇素数として n ≧ 1 を有理整数とする。
a を mod p の原始根で a^(p-1) - 1 は p^2 で割れるとする。
このとき b + p は mod p^n の原始根である。

証明
>>818 で証明されている。


820 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/04(日) 07:52:53 ]
命題
p を奇素数として n ≧ 1 を有理整数とする。
(Z/p^nZ)^* は巡回群である。

証明
>>815(及び>>817) と >>819 から明らかである。

821 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/04(日) 07:58:28 ]
>>820 の証明は Dirichlet の整数論講義から借りた。
この証明は、発見的であり自然である。
他でよく見られる証明は、整理されすぎていて舞台裏が見えにくい。

822 名前:KingOfUniverse ◆667la1PjK2 [2007/03/04(日) 08:34:07 ]
talk:>>771 何やってんだよ?



823 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/04(日) 09:10:00 ]
30

824 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/04(日) 09:11:00 ]
29

825 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/04(日) 09:12:00 ]
28

826 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/04(日) 09:13:00 ]
27

827 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/04(日) 09:14:00 ]
26

828 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/04(日) 09:15:00 ]
25

829 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/04(日) 10:17:44 ]
補題
p を素数として n ≧ 1 を有理整数とする。
a ≡ b (mod p^n) なら
a^p ≡ b^p (mod p^(n+1))
である。

証明
a = b + cp^n とする

二項定理より
a^p = (b + cp^n)^p = b^p + cp^(n+1) + (p(p-1)/2)(c^2)p^2n + ...
よって
a^p ≡ b^p (mod p^(n+1))
証明終

830 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/04(日) 11:02:16 ]
補題
n ≧ 3 を有理整数とする。
5^(2^(n-3)) ≡ 1 + 2^(n-1) (mod 2^n)
である。

証明
n に関する帰納法を使う。
n = 3 のときは正しい。

ある n ≧ 3 に対して
5^(2^(n-3)) ≡ 1 + 2^(n-1) (mod 2^n)
が正しいとする。

>>829 より、
5^(2^(n-2)) ≡ (1 + 2^(n-1))^2 (mod 2^(n+1))

ここで
(1 + 2^(n-1))^2 = 1 + 2^n + 2^(2n - 2)

2n - 2 ≧ n + 1
だから

5^(2^(n-2)) ≡ 1 + 2^n (mod 2^(n+1))
証明終

831 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/04(日) 11:18:47 ]
補題
n ≧ 3 を有理整数とする。
a を任意の奇数とすると、
a^(2^(n-2)) ≡ 1 (mod 2^n)
である。

証明
n に関する帰納法を使う。
n = 3 のときは正しい。

ある n ≧ 3 に対して
a^(2^(n-2)) ≡ 1 (mod 2^n)
が正しいとする。

>>829 より
a^(2^(n-1)) ≡ 1 (mod 2^(n+1))
証明終

832 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/04(日) 11:23:16 ]
補題
n ≧ 3 を有理整数とする。

5 mod 2^n の (Z/2^nZ)^* における位数は 2^(n-2) である。

証明
>>830>>831 より明らかである。



833 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/04(日) 11:38:03 ]
補題
n ≧ 3 を有理整数とする。
任意の有理整数 k ≧ 0 に対して
5^k ≡ -1 (mod 2^n)
とはならない。

証明
5^k ≡ -1 (mod 2^n)
と仮定する。

5^k ≡ -1 (mod 4)
である。

一方
5 ≡ 1 (mod 4)
だから
1 ≡ -1 (mod 4)
となって矛盾である。
証明終

834 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/04(日) 11:44:34 ]
命題
n ≧ 3 を有理整数とする。
G = (Z/2^nZ)^* とおく。
a と b をそれぞれ mod 2^n における -1 と 5 の剰余類とする。
a で生成される G の部分群を K とし、
b で生成される G の部分群を H とする。
|K| = 2
|H| = 2^(n-2)
であり
G = K × H (直積)である。

証明
|G| = 2^(n-1) と >>832>>833 より明らかである。

835 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/04(日) 11:58:05 ]
>>800 の証明は以下のようにしたほうが明快だろう。

>>789 より N が素数 p のベキ p^m の場合に証明すればよい。
G における x^(p^(m-1)) = 1 の解の個数は p^(m-1) 以下である。
よって g^(p^(m-1)) ≠ 1 となる g ∈ G がある。
g が G の生成元である。
証明終

836 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/05(月) 16:04:00 ]
23

837 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/05(月) 16:05:00 ]
22

838 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/05(月) 16:06:00 ]
21

839 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/05(月) 16:07:00 ]
20

840 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/05(月) 16:08:00 ]
19

841 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/05(月) 16:09:00 ]
18

842 名前:132人目の素数さん [2007/03/06(火) 10:42:57 ]
modular form no ii hon oshiete!!!



843 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/06(火) 13:08:24 ]
>>795>>789 を使わない証明を思いついた。

命題
G を有限アーベル群とする。
p を |G| を割る素数とすると G は位数 p の元をもつ。

証明
G の位数に関する帰納法を使う。

G の元 x ≠ 1 の位数 m が p で割れるとする。
m = pt とする。x^t の位数は p だから、この場合は命題は
証明された。

G の元 x ≠ 1 の位数 m が p で割れないとする。
x で生成される部分群を H とする。
G/H の位数は p で割れるから帰納法の仮定より G/H は位数 p の元を
もつ。その元の任意の代表を y とする。
y^p ∈ H だから (y^p)^m = 1 である。よって y の位数は pm の
約数である。
よって、y の位数が p で割れないとすると、y^m = 1 となる。
このとき y mod H の位数は m の約数となり p で割れない。
これは矛盾である。
よって y の位数は p で割れる。
よって y の適当なべきの位数は p である。
証明終

844 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/06(火) 20:29:06 ]
補題
H と K をそれぞれ位数 n と位数 m の巡回群とする。
G = H × K を直積とする。

gcd(n, m) ≠ 1 なら G は巡回群ではない。

証明
gcd(n, m) ≠ 1 だから、n と m はある素数 p で割れる。
>>795 より H と K はそれぞれ位数 p の部分群をもつ。
これらは明らかに異なる。

一方、G が巡回群なら位数 p の部分群はただ一つである。
よって G は巡回群ではない。
証明終

845 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/06(火) 20:31:41 ]
>>844 は間違いではないが、次のように訂正する。

補題
H と K をそれぞれ位数 n と位数 m のアーベル群とする。
G = H × K を直積とする。

gcd(n, m) ≠ 1 なら G は巡回群ではない。

証明
gcd(n, m) ≠ 1 だから、n と m はある素数 p で割れる。
>>795 より H と K はそれぞれ位数 p の部分群をもつ。
これらは明らかに異なる。

一方、G が巡回群なら位数 p の部分群はただ一つである。
よって G は巡回群ではない。
証明終

846 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/06(火) 20:35:27 ]
命題
H と K をそれぞれ位数 n と位数 m の巡回群とする。
G = H × K を直積とする。

G が巡回群であるためには gcd(n, m) = 1 が必要十分である。

証明
>>805>>845 より明らかである。

847 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/06(火) 20:39:11 ]
補題
p を素数とし、n ≧ 1 を有理整数とする。
(Z/p^nZ)^* の位数は p = 2 で n = 1 を除いて偶数である。

証明
|(Z/p^nZ)^*| = (p^(n - 1))(p - 1) より明らかである。

848 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/06(火) 20:58:06 ]
命題
N ≧ 2 を有理整数とする。
(Z/NZ)^* が巡回群となるのは、以下の場合のみである。

N = 2, 4, p^n, 2p^n

ここで p は奇素数で n ≧ 1 である。

証明
N の素因数分解を N = Π q^r とする。

中国式剰余定理(前スレ1の341)より
Z/NZ = Π Z/(q^r)/Z である。
よって >>612 より
(Z/NZ)^* = Π (Z/(q^r)/Z)^* である。

>>820 より p が奇素数で n ≧ 1 のとき (Z/p^nZ)^* は巡回群である。

>>834 より (Z/2^nZ)^* は n ≧ 3 のときは巡回群でない。
一方、 (Z/2Z)^* と (Z/4Z)^* 明らかに巡回群である。

以上の事実と >>847>>845 より本命題の主張は明らかである。
証明終

849 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/06(火) 21:19:02 ]
アーベル群の基本定理と >>845 から >>800 の別証明が得られる。
この証明は高木の「代数的整数論」にある証明(p.34)と同じである。

>>800 の別証明

アーベル群の基本定理から G は巡回群の直積である。
G が巡回群でないとすると >>846 よりある素数 p があり、
G は位数 p の部分群2個 の直積を部分群として含む。
すると x^p = 1 の G における解の個数は p^2 以上となり
仮定に反する。
証明終

850 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/07(水) 21:12:09 ]
補題
n ≧ 1 と m ≧ 1 を有理整数とする。
d = gcd(n, m) とおく。
a を有理整数とする。

合同方程式 nx ≡ a (mod m) に解があるためには a が d で割れる
ことが必要十分である。
このとき x^n = a 解の個数は d である。

証明
nb ≡ a (mod m) となる b ∈ Z があるとする。
nb - a = mk となる k ∈ Z がある。
a = nb - mk である.
よって a ≡ 0 (mod d) である。

逆に a ≡ 0 (mod d) とする。
a = d(a ') と書ける。

n と m は d で割れるから
n = d(n ')
m = d(m ') と書ける。
よって nx ≡ a (mod m) は (n ')x ≡ a ' (mod m ') と同値である。
gcd(n ', m ') = 1 だから
(n ')x ≡ a ' (mod m ') は mod m ' で唯一の解 b ' を持つ。

nx ≡ ny (mod m) なら、n(x - y) ≡ 0 (mod m)
よって n '(x - y) ≡ 0 (mod m ')
よって x ≡ y (mod m ')

これから nx ≡ a (mod m) の解は
b ', b ' + m ', ..., b ' + (d - 1)m ' の d 個である。
証明終

851 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/07(水) 22:14:54 ]
命題
G を位数 m の巡回群とする。
n ≧ 1 を有理整数、 a を G の元とする。
d = gcd(n, m) とする。

x^n = a に解があるためには a^(m/d) = 1 が必要十分である。
このとき、この解の個数は d である。

証明
G の生成元を g とする。
a = g^i とかける。

x を G の元とし x^n = a とする。
x = g^y とすると g^(ny) = g^i となる。
よって x^n = a に解があるためには ny ≡ i (mod m) に解 y が
あることが必要十分である。
>>850 より、これは i ≡ 0 (mod d) と同値である。
容易にわかるように、これは a^(m/d) = 1 と同意である。

x^n = a に解があるとき、この解の個数は >>850 より d である。
証明終

852 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/07(水) 22:15:33 ]
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853 名前:KingOfUniverse ◆667la1PjK2 [2007/03/07(水) 22:21:19 ]
talk:>>852 お前に何が分かるというのか?

854 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/07(水) 22:45:08 ]
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855 名前:KingOfUniverse ◆667la1PjK2 [2007/03/07(水) 22:57:44 ]
talk:>>854 お前に何が分かるというのか?

856 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/09(金) 10:24:00 ]
25

857 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/09(金) 10:25:00 ]
26

858 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/09(金) 10:26:00 ]
25

859 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/09(金) 10:27:00 ]
24

860 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/09(金) 21:49:34 ]
命題
m ≧ 1 を有理整数とし、(Z/mZ)^* は巡回群とする。
n ≧ 1 を有理整数、 a を 有理整数で gcd(a, m) = 1 とする。

このとき
x^n ≡ a (mod m)
に解があるためには
a^(φ(m)/d) ≡ 1 (mod m)
が必要十分である。

ここで φ(m) は Euler の関数である。
つまり、φ(m) = |(Z/mZ)^*| である。
さらに、d = (n, φ(m)) である。

証明
>>851 より明らかである。

861 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/10(土) 05:49:28 ]
>>860 の命題と同じ条件で、x^n ≡ a (mod m) に解があるとき、
その解の個数は d = (n, φ(m)) である。

これも >>851 より明らかである。

862 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/10(土) 06:46:03 ]
命題
p を有理素数とする。
n ≧ 1 と a を 有理整数でそれぞれ p で割れないとする。
x^n ≡ a (mod p) が解 b を持つとする。

このとき、任意の e ≧ 1 に対して x^n ≡ a (mod p^e) が
c ≡ b (mod p) となる根 c を持つ。
このような c は mod p^e で一意に決まる。

証明
x^n ≡ a (mod p) の解を b とする。
f(X) = X^n - a とおく。
仮定より f '(b) = nb^(n-1) は p で割れない。
よって本命題は >>99 から得られる。
証明終



863 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/10(土) 07:49:46 ]
命題
p を奇素数とする。
a を 有理整数で a は p で割れないとする。

n ≧ 1、e ≧ 1 に対して x^n ≡ a (mod p^e) が解を持つためには
a^(φ(p^e)/d) ≡ 1 (mod p^e) が必要十分である。
ここで、d = gcd(n, φ(p^e)) である。

x^n ≡ a (mod p^e) が解を持つなら、その個数は d である。

証明
>>820 より (Z/p^eZ)^* は巡回群である。
よって本命題は >>860>>861 から出る。

864 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/10(土) 08:02:49 ]
>>863 において n が p で割れないときはもっと良い結果が得られる。

命題
p を奇素数とする。
n ≧ 1 と a を 有理整数でそれぞれ p で割れないとする。

x^n ≡ a (mod p) が解を持つためには
a^((p - 1)/d) ≡ 1 (mod p) が必要十分である。
ここで、d = gcd(n, p - 1) である。

x^n ≡ a (mod p) が解を持たないとする。
このとき、任意の e ≧ 1 に対して x^n ≡ a (mod p^e) も
解を持たない。

x^n ≡ a (mod p) が解を持つなら、
任意の e ≧ 1 に対して x^n ≡ a (mod p^e) も解を持ち、
その個数は d = gcd(n, p - 1) である。

証明
最初の主張は >>863 より出る。

残りの主張は >>862 より出る。

865 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/10(土) 09:05:48 ]
>>862 は p = 2 でも成り立つから >>864 も p = 2 で成り立つ。

従って、n ≧ 1 と a が奇数のとき
任意の e ≧ 1 に対して x^n ≡ a (mod 2^e) は
唯一の解を持つ。

866 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/10(土) 10:05:06 ]
>>864 より次の命題が直ちに得られる。

命題
p を奇素数とする。
a を 有理整数で a は p で割れないとする。

(a/p) = 1 なら、任意の e ≧ 1 に対して x^2 ≡ a (mod p^e) が
解を持つ。このとき、解の個数は2である。
ここで (a/p) は Legendre の記号(前スレ3の746)である。

逆に、ある e ≧ 1 に対して x^2 ≡ a (mod p^e) が解を持つなら
(a/p) = 1 である。

867 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/10(土) 13:50:22 ]
解析的整数論ってなんかかっこいいよね

868 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/10(土) 18:57:17 ]
ζ関数、多重ゼータ値、保型形式など

869 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/10(土) 20:04:00 ]
22

870 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/10(土) 20:05:00 ]
21

871 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/10(土) 20:06:00 ]
20

872 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/10(土) 20:07:00 ]
19



873 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/10(土) 20:08:00 ]
18

874 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/10(土) 20:08:33 ]
[Gauss: Disquisitiones, art.102]
今度は p を奇素数として a が p で割れるときに
x^2 ≡ a (mod p^n) を考える。
a = (p^k)b, gcd(b, p) = 1 とする。

1) k ≧ n のとき
a ≡ 0 (mod p^n) であるから
x^2 ≡ a (mod p^n) は解 x = 0 を持つ。

2) 1≦ k < n で k が奇数のとき
x^2 ≡ a (mod p^n) は解を持たない。

証明
x^2 ≡ a (mod p^n) が解 x = c を持つとする。
c^2 ≡ (p^k)b (mod p^n) より c^2 は p^k で割れる。
c = (p^s)d, gcd(d, p) = 1 とする。
k = 2t + 1 とすると、2s ≧ 2t + 1 だから s ≧ t + 1
よって c^2 は 2t + 2 で割れる。
c^2 ≡ (p^k)b (mod p^n) で 2t + 2 ≦ n だから
(p^(2t + 1))b ≡ 0 (mod p^(2t + 2))
よって b ≡ 0 (mod p) となり矛盾である。

3) 1≦ k < n で k が偶数のとき
x^2 ≡ a (mod p^n) が解を持つためには、(b/p) = 1 が
必要十分である。

証明
k = 2s とする。
x^2 ≡ (p^(2s))b (mod p^n)
x = (p^s)y とおくと
y^2 ≡ b (mod p^(n - k))
これと >>866 より上記の主張が出る。

875 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/10(土) 20:09:00 ]
17

876 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/10(土) 20:10:00 ]
17

877 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/10(土) 20:16:13 ]
>>874 は簡単だが、あまり他では言及されてない。


878 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/10(土) 21:17:02 ]
[Gauss: Disquisitiones, art.104]
>>874 の 1) と 3) における(互いに合同でない)解の個数を求める。
条件を再度述べる。
p を奇素数として a が p で割れるときに
x^2 ≡ a (mod p^n) を考える。
a = (p^k)b, gcd(b, p) = 1 とする。

1) k ≧ n のとき
n が偶数のとき n = 2m
n が奇数のとき n = 2m - 1 とおく。
x^2 ≡ a (mod p^n) より
x^2 ≡ 0 (mod p^n) となる。
よって x ≡ 0 (mod p^m) となる。

0, p^m, 2p^m, ..., (p^(n - m) - 1)p^m
の p^(n - m) 個が解である。

3) 1≦ k < n で k が偶数で、(b/p) = 1 のとき。
k = 2s とする。
x^2 ≡ (p^(2s))b (mod p^n)
x = (p^s)y とおくと
y^2 ≡ b (mod p^(n - 2s))
この解の一つを v とする。

v(p^s),
(v + p^(n - 2s))(p^s) = v(p^s) + p^(n - s),
... ,
(v + (p^s - 1)p^(n - 2s))(p^s) = v(p^s) + (p^s - 1)p^(n - s)
の p^s 個が v から得られる解である。

y^2 ≡ b (mod p^(n - 2s)) のもう一つの解 v' も同様であるから、
合計 2(p^s) 個 の解が得られる。

879 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/10(土) 23:07:15 ]
a を奇数として合同方程式
x^2 ≡ a (mod 2^n) を考える。

まず x^2 ≡ a (mod 2) は唯一つの解 x ≡ 1 (mod 2) を持つ。

次に x^2 ≡ a (mod 4) を考える。
a が奇数だから x も奇数である。
x = 2k + 1 とすると x^2 = 4k^2 + 4k + 1 だから
x^2 ≡ 1 (mod 4) である。
よって a ≡ 1 (mod 4) である。
よって x^2 ≡ a (mod 4) に解があるためには a ≡ 1 (mod 4) が
必要十分である。
このとき解は x ≡ 1 (mod 4) と x ≡ 3 (mod 4) の2個である。

次に x^2 ≡ a (mod 8) を考える。
a が奇数だから x も奇数である。
x = 4k ± 1 とすると、 x^2 = 16k^2 ± 8k + 1 だから
x^2 ≡ 1 (mod 8) である。
よって x^2 ≡ a (mod 8) に解があるためには a ≡ 1 (mod 8) が
必要十分である。
このとき解は x ≡ 1 (mod 8) と x ≡ 3 (mod 8)
x ≡ 5 (mod 8), x ≡ 7 (mod 8)
の4個である。

880 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/10(土) 23:23:47 ]
[Dirichlet の整数論講義より]

今度は n ≧ 3 のとき a を奇数として合同方程式
x^2 ≡ a (mod 2^n) を考える。

x^2 ≡ a (mod 2^n) に解 c があるとする。
c^2 - a = (2^n)h とする。

x = c + (2^(n-1))y とおく。
x^2 = c^2 + (2^n)cy + (2^(2n-2))y^2
x^2 - a = (2^n)h + (2^n)cy + (2^(2n-2))y^2

n ≧ 3 だから 2n - 2 ≧ n + 1
よって
x^2 - a ≡ (2^n)(h + cy) (mod 2^(n+1))
よって h + cy ≡ 0 (mod 2) なら
x^2 ≡ a (mod 2^(n+1))
である。
c が奇数だから h + cy ≡ 0 (mod 2) となる y は存在する。

以上から x^2 ≡ a (mod 2^n) に解があれば、
x^2 ≡ a (mod 2^(n+1)) に解があることがわかった。

881 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/10(土) 23:41:34 ]
命題
n ≧ 3 で a を奇数とする。
x^2 ≡ a (mod 2^n) に解があるためには、
a ≡ 1 (mod 8) が必要十分である。

証明
>>879>>880 より明らかである。

882 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/10(土) 23:56:30 ]
命題
n ≧ 3 で a を奇数とする。
a ≡ 1 (mod 8) のとき
x^2 ≡ a (mod 2^n) には4個の解がある。

証明(Dirichlet の整数論講義)
x^2 ≡ a (mod 2^n) の解の一つを c とする。
x をこの方程式の任意の解とする。

(x - c)(x + c) ≡ 0 (mod 2^n) である。
x も c も奇数であるから x - c と x + c は偶数である。
よって
((x - c)/2)((x + c)/2) ≡ 0 (mod 2^(n-2)) である。

(x + c)/2 - (x - c)/2 = c は奇数だから
(x - c)/2 と (x + c)/2 のどちらか一方は奇数である。
よって
(x - c)/2 ≡ 0 (mod 2^(n-2))
または
(x + c)/2 ≡ 0 (mod 2^(n-2))
である。

つまり
x ≡ c (mod 2^(n-1))
または
x ≡ -c (mod 2^(n-1))

よって
x ≡ c (mod 2^n) または x ≡ c + 2^(n-1) (mod 2^n)
x ≡ -c (mod 2^n) または x ≡ -c + 2^(n-1) (mod 2^n)
証明終



883 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/11(日) 00:27:05 ]
今度は a が偶数のときに
x^2 ≡ a (mod 2^n) を考える。

命題
a を偶数で a = (2^k)b, gcd(b, 2) = 1 とする。
n が偶数のとき n = 2m
n が奇数のとき n = 2m - 1 とおく。

k ≧ n のとき x^2 ≡ a (mod 2^n) は 2^(n - m) 個の解をもつ。

証明
k ≧ n だから a ≡ 0 (mod 2^n) である。
よって x^2 ≡ 0 (mod 2^n) となる。
よって x ≡ 0 (mod 2^m) となる。

0, 2^m, 2(2^m), ..., (2^(n - m) - 1)2^m
の 2^(n - m) 個が解である。
証明終

884 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/11(日) 00:37:31 ]
命題
a を偶数で a = (2^k)b, gcd(b, 2) = 1 とする。
1≦ k < n で k が奇数のとき
x^2 ≡ a (mod 2^n) は解を持たない。

証明
>>874 と同様だが一応証明する。

x^2 ≡ a (mod 2^n) が解 x = c を持つとする。
c^2 ≡ (2^k)b (mod 2^n) より c^2 は 2^k で割れる。
c = (2^s)d, gcd(d, 2) = 1 とする。
k = 2t + 1 とすると、2s ≧ 2t + 1 だから s ≧ t + 1
よって c^2 は 2t + 2 で割れる。
c^2 ≡ (2^k)b (mod 2^n) で 2t + 2 ≦ n だから
(2^(2t + 1))b ≡ 0 (mod 2^(2t + 2))
よって b ≡ 0 (mod 2) となり矛盾である。
証明終

885 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/11(日) 00:49:27 ]
命題
a を偶数で a = (2^k)b, gcd(b, 2) = 1 とする。
1 ≦ k < n で k が偶数のとき
x^2 ≡ a (mod 2^n) が解を持つためには、

n = k + 1 のときは無条件
n = k + 2 のとき b ≡ 1 (mod 4)
n ≧ k + 3 のとき b ≡ 1 (mod 8)
が必要十分である。

証明
k = 2s とする。
x^2 ≡ (2^(2s))b (mod 2^n)
x = (2^s)y とおくと
y^2 ≡ b (mod 2^(n - k))

これと >>879 より上記の主張が出る。
証明

886 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/11(日) 00:57:22 ]
命題
a を偶数で a = (2^k)b, gcd(b, 2) = 1 とする。
1 ≦ k < n で k = 2s が偶数とする。
x^2 ≡ a (mod 2^n) が解を持つとき、その個数は

n = k + 1 のときは 2^s 個
n = k + 2 のとき 2^(s+1) 個
n ≧ k + 3 のとき 2^(s+2) 個
である。

証明
>>885 より >>878 の 3) と同様にすればよい。

887 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/11(日) 01:06:23 ]
以上で合同方程式 x^2 ≡ a (mod p^n) の解の様子はわかった。
a が p で割れる場合と p = 2 の場合も扱うと(難しくはないが)煩雑である。

888 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/11(日) 02:07:07 ]
p を奇素数とし gcd(a, p) = 1 のとき
x^2 ≡ a (mod p) に解があるかどうかを決定するには、
Legendre の記号(前スレ3の746) (a/p) を計算すればよい。

(a/p) を計算する一つの方法は、
(a/p) ≡ a^((p - 1)/2) (mod p) (前スレ3の747)
を使う。
p が大きいとき、この方法は効率が悪いように見えるが
実はそうでもない。
後で述べるが a^((p - 1)/2) を計算機で計算するのに効率のよい
アルゴリズムがある。

(a/p) を計算する別の方法としては、a の素因数分解と
平方剰余の相互律(前スレ3の751)を使うものがある。

この方法は具体例で示したほうが分かりやすい。
p = 997 として (588/997) を計算してみよう。
588 = (7^2)・3・2^2 だから
(588/997) = (7^2/997)(3/997)(2^2/997) = (3/997)

997 ≡ 1 (mod 4) だから平方剰余の相互律より
(3/997) = (997/3) = (1/3) = 1 である。

よって (588/997) = 1
実際 183^2 ≡ 588 (mod 997)

しかし、この方法は a の素因数分解が必要なので、大きい数の
計算には不向きである。
この不都合は次にのべる Jacobi の記号により解消される。

889 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/11(日) 09:32:19 ]
a を任意の有理整数とする。
>>100 を f(X) = X^2 - a に適用することにより、
x^2 ≡ a (mod m) の解は
各 x^2 ≡ a (mod (p_i)^(k_i)) の解が分かればよい。
しかし、この形の合同方程式の解の個数とその解法は原理的には
解決済みである(>>887)。
よって x^2 ≡ a (mod m) の解の個数と解法(中国式剰余定理を使う)も
解決されたとみてよい。

890 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/11(日) 09:37:35 ]
n > 1 を奇数で n = (p_1)(p_2)... をその素因数分解とする。
m を gcd(m, n) = 1 となる任意の有理整数としたとき (m/n) を

(m/n) = (m/p_1)(m/p_2)...

と定義する。

(m/n) を Jacobi の記号という。

n が素数のときは (m/n) は Legendre の記号である。
よって Jacobi の記号は Legendre の記号の拡張になっている。

x^2 ≡ m (mod n) に解があるのは n の各素因数 p に対して
(m/p) = 1 となることが必要十分である(>>866, >>889)。
ところが、(m/p) = -1 となる p が偶数個あっても (m/n) = 1 となる。
よって、(m/n) = 1 であっても x^2 ≡ m (mod n) に解があるとは
限らない。

891 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/11(日) 09:48:36 ]
命題
a ≡ b (mod n) なら (a/n) = (b/n) である。

証明
n = Π p を n の素因数分解とする。

a ≡ b (mod p) だから (a/p) = (b/p) である。
よって
Π (a/p) = Π (b/p)
即ち
(a/n) = (b/n) である。
証明終

892 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/11(日) 09:53:29 ]
命題
(ab/n) = (a/n)(b/n) である。

証明
n = Π p を n の素因数分解とする。

前スレ3の756より各 p に対して (ab/p) = (a/p)(b/p) である。
よって
Π (ab/p) = Π (a/p)(b/p) = Π (a/p)Π (b/p)
即ち
(ab/n) = (a/n)(b/n) である。
証明終



893 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/11(日) 10:05:10 ]
補題
a, b を奇数とすれば
(ab - 1)/2 ≡ (a - 1)/2 + (b - 1)/2 (mod 2)

証明
a - 1 と b - 1 は偶数だから
(a - 1)(b - 1) ≡ 0 (mod 4)
よって
ab - a - b + 1 ≡ 0 (mod 4)
ab - 1 ≡ (a - 1) + (b - 1) (mod 4)
よって
(ab - 1)/2 ≡ (a - 1)/2 + (b - 1)/2 (mod 2)
証明終

894 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/11(日) 10:09:31 ]
補題
a, b を奇数とすれば
(a^2b^2 - 1)/8 ≡ (a^2 - 1)/8 + (b^2 - 1)/8 (mod 2)

証明
a^2 - 1 ≡ 0 (mod 4)
b^2 - 1 ≡ 0 (mod 4)
よって
(a^2 - 1)(b^2 - 1) ≡ 0 (mod 16)
よって
a^2b^2 - a^2 - b^2 + 1 ≡ 0 (mod 16)
a^2b^2 - 1 ≡ (a^2 - 1) + (b^2 - 1) (mod 16)
よって
(a^2b^2 - 1)/8 ≡ (a^2 - 1)/8 + (b^2 - 1)/8 (mod 2)
証明終

895 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/11(日) 10:16:27 ]
命題
m > 1 と n > 1 が奇数で gcd(m, n) = 1 のとき

(m/n)(n/m) = (-1)^((m-1)/2)((n-1)/2)

証明
平方剰余の相互律(前スレ3の751)と >>893 より明らかである。

896 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/11(日) 10:20:07 ]
命題
n > 1 が奇数のとき
(-1/n) = (-1)^((n-1)/2)

証明
平方剰余の第一補充法則(>>163)と >>893 より明らかである。

897 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/11(日) 10:22:41 ]
命題
n > 1 が奇数のとき
(2/n) = (-1)^((n^2 - 1)/8)

証明
平方剰余の第2補充法則(>>53)と >>894 より明らかである。

898 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/11(日) 11:04:32 ]
Jacobi の記号(>>890)をつかうと a の素因数分解を使わずに (a/p) が
計算できる。

例として (365/1847) を計算する(Dirichletの例)。
1847 は素数である。

365 ≡ 1 (mod 4) だから >>895 より
(365/1847) = (1847/365)

1847 ≡ 22 (mod 365) だから >>895 より
(1847/365) = (22/365)

>>892 より (22/365) = (2/365)(11/365)
>>897 より (2/365) = -1
よって (365/1847) = -(11/365)

>>895 より
(11/365) = (365/11) = (2/11) = -1

よって
(365/1847) = 1

実際 496^2 ≡ 365 (mod 1847)

899 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/11(日) 11:35:11 ]
Legendre の記号 (a/p) を計算するために Jacobi の記号を使う方法は
相互律と素因数分解を使う方法より遥かに早い。

高木は「初等整数論講義」(第2版)の p.85 で

「このように Jacobi の記号を用いて Legendre の記号 (a/p) の値の計算
の手続きをいくぶん節約することができるのであるが、ただそれだけを
目標にして、 Jacobi の記号を掲出したのではない。
それはあまりにことごとしいであろう。」

と書いている。

理論的観点からはその通りかもしれない。
しかし、計算アルゴリズムという観点から見ると「いくぶん節約」
どころではなく遥かに早い。
大きい数の素因数分解は非常に遅いのである。

900 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/11(日) 12:20:00 ]
21

901 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/11(日) 12:21:00 ]
20

902 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/11(日) 12:22:00 ]
19



903 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/11(日) 12:23:00 ]
18

904 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/11(日) 12:24:00 ]
17

905 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/11(日) 12:25:00 ]
16

906 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/11(日) 13:31:00 ]
15

907 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/11(日) 13:32:00 ]
14

908 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/11(日) 13:33:00 ]
13

909 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/11(日) 13:34:00 ]
12

910 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/11(日) 13:35:00 ]
11

911 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/11(日) 13:36:00 ]
10

912 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/11(日) 20:20:31 ]
>>888 で述べた a^((p - 1)/2) (mod p) を効率よく計算する
アルゴリズムを紹介する。

Cohen の A course in computational algebraic number theory に
述べられている方法である。

問題を一般にして、G を群とし、G の元 g と n > 0 に対して
g^n を計算する方法を考える。

n を2進数で表示して n = Σ(ε_i)2^i とする。
ε_i は 0 または 1 である。

g^n = Π g^(2^i) である。ここで i は ε_i = 1 となる i を動く。

各 g^(2^i) は、最初に z = g として z = z・z を繰り返せばよい。
ここで = は右辺を左辺に代入することを表す。

各 g^(2^i) を計算したら順次、前に計算した結果に掛けていく。

これで終わりである。

このアルゴリズムを擬似コードで書くと次のようになる。



913 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/11(日) 20:24:46 ]
N = n
z = g
y = 1

do while(true)
  if N is odd then
    y = yz
  end if

  N = [N/2]

  if N = 0 then
    exit
  else
    z = zz
  end if
end do

[N/2] は N/2 の整数部分を表す。
コンピュータ言語のPascal風の擬似コ-ドの説明は不要だろう。

914 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/11(日) 21:01:37 ]
p を奇素数、 a を有理整数で gcd(a, p) = 1 とする。
(a/p) = 1 のときに
x^2 ≡ a (mod p)
を解く方法を考える。

x = 1 から順番に x^2 ≡ a (mod p) を確かめていくのは p が大きい
ときにはコンピュータを使ったとしても実用的ではない。

ここでも Cohen 本から効率的なアルゴリズムを紹介する。

p が特殊な場合は解はすぐ得られる。

p ≡ 3 (mod 4) のときは
x = a^((p + 1)/4) が解である(これを計算するのは>>912を使う)。

何故なら
x^2 = a^((p + 1)/2) = aa^((p - 1)/2)

(a/p) = 1 だから a^((p - 1)/2) ≡ 1 (mod p)

よって x^2 ≡ a (mod p)

915 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/11(日) 21:15:14 ]
命題
p を奇素数で p ≡ 5 (mod 8) とする。
a を有理整数で gcd(a, p) = 1、(a/p) = 1 とする。

a^((p - 1)/2) ≡ 1 (mod p) だから
a^((p - 1)/4) ≡ ±1 (mod p) である。

このとき a^((p - 1)/4) ≡ 1 (mod p) なら
x = a^((p + 3)/8) は
x^2 ≡ a (mod p) の解である。

a^((p - 1)/4) ≡ -1 (mod p) なら
x = 2a(4a)^((p - 5)/8) は
x^2 ≡ a (mod p) の解である。

証明
a^((p - 1)/4) ≡ 1 (mod p) なら
x^2 = a^((p + 3)/4) = aa^((p - 1)/4) ≡ 1 (mod p)

p ≡ 5 (mod 8) と、平方剰余の第2補充法則より
(2/p) = (-1)^((p^2 - 1)/8) = -1
よって
2^((p - 1)/2) ≡ -1 (mod p) だから

x^2 = 4a^2(4a)^((p - 5)/4) = a(4a)^((p - 1)/4)
= a(2^((p - 1)/2))a^((p - 1)/4) ≡ a (mod p)
証明終

916 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/11(日) 22:01:44 ]
>>914>>915 より p ≡ 3 (mod 4) と p ≡ 5 (mod 8) のときは
x^2 ≡ a (mod p) の解は求まった。
残るのは p ≡ 1 (mod 8) の場合である。

p - 1 = (2^e)r, r は奇数とする。
(Z/pZ)^* は位数 p - 1 の巡回群だから、その 2-Sylow 部分群(>>790)
P は位数 2^e の巡回群である。

a^(p - 1)/2 = (a^r)^(2^(e-1)) ≡ 1 (mod p)
よって b = a^r (mod p) とおくと b^(2^(e-1)) = 1 である。

P の生成元を z とする。
b = z^s とすると z^(s2^(e-1)) = 1 より s は偶数である。
-s ≡ k (mod 2^e) で 0 ≦ k < 2^e となるものがある。
k も偶数である。
bz^k = 1 である。

x = (a^(r + 1)/2)z^k/2 とおく。
x^2 = (a^(r + 1))z^k = abz^k ≡ a (mod p)

よって問題は z と k を求めることに帰着する。

n を p と素な有理整数とする。

z = n^r (mod p) とおく。
z^(2^e) = (n^r)^(2^e) = n^(p - 1) ≡ 1 (mod p)
z^(2^(e-1)) = (n^r)^(2^(e-1)) = n^(p - 1)/2
よって (n/p) = -1 なら z は P の生成元である。
n をランダムに選べば 50% の確率で (n/p) = -1 となるから
z は簡単に求まる。

917 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/11(日) 23:11:38 ]
今度は k を求める方法を考える。

b = a^r (mod p) とおいた。b^(2^(e-1)) = 1 である。
b^2^m = 1 となる最小の m ≧ 1 を求める。

b_1 = bz^2^(e-m) とおく。
(b_1)^2^(m-1) = (b^2^(m-1))(z^2^(e-1)) = (-1)^2 = 1
よって b_1 の位数は 2^(m-1) 以下である。

以上の処理を繰り返せば bz^k = 1 となる k が求まる。

918 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/11(日) 23:18:29 ]
>>616>>617 のアルゴリズムは Tonelli と Shanks による。

919 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/12(月) 09:06:00 ]
12

920 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/12(月) 09:07:00 ]
11

921 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/12(月) 09:08:00 ]
10

922 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/12(月) 09:09:00 ]
11



923 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/12(月) 12:14:00 ]
10

924 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/12(月) 12:15:00 ]
9

925 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/12(月) 12:16:00 ]
8

926 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/12(月) 12:17:00 ]
7

927 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/12(月) 12:18:00 ]
6

928 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/12(月) 12:19:00 ]
5

929 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/12(月) 21:02:02 ]
>>616>>617 のアルゴリズムがどこから来たのかがやや分かりにくい。
これを私の想像で説明して見よう。

>>916 の記号を使う。

b = a^r (mod p) とおくと b^(2^(e-1)) = 1 である。
よって b ∈ P である。
この観察が最初のキーポイントだと思われる。

y = a^(r + 1)/2 (mod p) とおく。
y^2 = a^(r + 1) = ab である。

w^2 = b となる w が求まれば
y^2 = aw^2
よって x = yw^(-1) おくと、
x^2 = (y^2)(w^(-2)) = abb^(-1) = a
となって x^2 ≡ a (mod p) が解ける。

従って、w^2 = b となる w を求めればよい。
これには P の生成元 z と b = z^s となる s を求めればよい。

以上が Tonelli と Shanks の基本アイデアだと思われる。

930 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/12(月) 21:11:51 ]
訂正

>>929
>w^2 = b となる w が求まれば
>y^2 = aw^2
>よって x = yw^(-1) おくと、
>x^2 = (y^2)(w^(-2)) = abb^(-1) = a
>となって x^2 ≡ a (mod p) が解ける。

w^2 = b となる w が求まれば
y^2 = aw^2
よって
(yw^(-1))^2 = a
よって x = yw^(-1) おけば
x^2 = a
となって x^2 ≡ a (mod p) が解ける。

931 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/12(月) 21:21:51 ]
>>916>>929 で a と a (mod p) を同一視している。
これは論理的にはおかしいがいわゆる記号の濫用
(abuse of notation)の一種(のつもり)です。

abuse of notation については英語版の wikipedia を参照。

932 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/12(月) 21:27:44 ]
訂正
>>918
>>>616>>617 のアルゴリズムは Tonelli と Shanks による。

>>916>>917 のアルゴリズムは Tonelli と Shanks による。>>929
>>>616>>617 のアルゴリズムがどこから来たのかがやや分かりにくい。

>>916>>917 のアルゴリズムがどこから来たのかがやや分かりにくい。



933 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/12(月) 23:25:52 ]
後の参照のため >>889 で述べたことの一部をもっと詳しく述べる。

命題
m > 1 と a を有理整数で gcd(a, m) = 1 とする。
m = (2^e)r、r は奇数。
r の相異なる素因数の個数を s とする。

x^2 ≡ a (mod m) に解があるためには

(1) e = 0 または e = 1 のときは r の各素因数 p に対して
(a/p) = 1 が必要十分である。
この条件が満たされるとき解の個数は 2^s である。

(2) e = 2 のときは r の各素因数 p に対して
(a/p) = 1 であり、さらに a ≡ 1 (mod 4) が必要十分である。
この条件が満たされるとき解の個数は 2^(s+1) である。

(3) e ≧ 3 のときは r の各素因数 p に対して
(a/p) = 1 であり、さらに a ≡ 1 (mod 8) が必要十分である。
この条件が満たされるとき解の個数は 2^(s+2) である。

証明
(1) は >>866>>889 より直ちに出る。

(2) は >>866>>879>>889 より直ちに出る。

(3) は >>866>>881, >>882>>889 より直ちに出る。

934 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/13(火) 00:00:38 ]
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935 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/13(火) 08:10:00 ]
12

936 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/13(火) 08:11:00 ]
11

937 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/13(火) 08:12:00 ]
10

938 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/13(火) 08:13:00 ]
9

939 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/13(火) 08:14:00 ]
8

940 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/13(火) 08:15:00 ]
7

941 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/14(水) 20:35:37 ]
Tonelli-Shanks のアルゴリズム(>>916, >>917) を具体例に
適用してみる。
p = 2281 は素数で p ≡ 1 (mod 8) である。
因みに 2^p - 1 は Mersenne 素数である(岩波数学辞典の付録)。

Jacobi の記号を使って (365/2281) を計算すると、
(365/2281) = (2281/365) = (91/365) = (365/91) = (1/91) = 1
よって x^2 ≡ 365 (mod 2281) には解がある。
p - 1 = 2280 = 8・285
365^285 (mod 2281) を >>912, >>913 のアルゴリズムで電卓をつかって
計算すると、365^285 ≡ -1 (mod 2281)

同様に y = 365^(285+1)/2 = 365^143 ≡ 2139 (mod 2281)
よって y^2 = 365^(285+1) ≡ -365 (mod 2281)

小さい数 n で (n/p) = -1 となるものを見つける。
n = 2, 3, 5, 7, ... と試していく。

p ≡ 1 (mod 8) だから >>53 より (2/2281) = 1
(3/2281) = (2281/3) = (1/3) = 1
(5/2281) = (2281/5) = (1/5) = 1
(7/2281) = (2281/7) = (-1/7) = -1

7^285 ≡ 1207 (mod 2281)
よって z = 1207 (mod 2281) が (Z/pZ)^* の 2-Sylow 群の生成元
である(>>916)。
z^8 = 1 だから z^4 = -1
a = 365 (mod 2281) とおくと、y^2 = -a = a(z^4)
よって y^2(z^4) = a
(y(z^2))^2 = a
よって x = y(z^2) = 2139*1571 ≡ 456 (mod 2281) が
x^2 ≡ 365 (mod 2281) の解である。

942 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/15(木) 12:14:00 ]
9



943 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/15(木) 12:15:00 ]
8

944 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/15(木) 12:16:00 ]
7

945 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/15(木) 12:17:00 ]
6

946 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/15(木) 12:18:00 ]
5

947 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/15(木) 12:19:00 ]
4

948 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/15(木) 12:56:50 ]
Dirichlet の「整数論講義」に従って >>933 の応用として
Wilson の定理の拡張(Gauss)を証明する。

その前に Wilson の定理について述べる。

命題(Wilson の定理)
p を素数とすると (p - 1)! ≡ -1 (mod p) である。

証明
p = 2 のときは明らかだから p は奇素数とする。

mod p で多項式 X^(p - 1) - 1 を考える。

X^(p - 1) - 1 ≡ (X - 1)(X - 2) ... (X - (p - 1)) (mod p) である。

X = 0 とおくと
- 1 ≡ ((-1)^(p - 1))(p - 1)!(mod p) である。

p - 1 は偶数だから (-1)^(p - 1) = 1 である。
よって
(p - 1)! ≡ -1 (mod p) である。
証明終

949 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/15(木) 18:25:20 ]
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950 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/15(木) 18:35:50 ]
うんこーーーーーーー

951 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/15(木) 21:46:58 ]
Wilson の定理を一般の mod m の場合に拡張するためには >>948
証明ではうまくいかない。
そこで拡張可能な証明を紹介する。

Wilson の定理(>>948)の別証

p = 2 のときは明らかだから p は奇素数とする。

(Z/pZ)^* を以下の同値関係で類別する。

x と y を (Z/pZ)^* の元としたとき y = x^(-1) のとき x と y は
同値と定義する。

x = x^(-1) となるのは x^2 = 1 のときに限る。つまり x = ±1
の時に限る。
x ≠ x^(-1) のとき、つまり x ≠ ±1 のときは x の属す同値類は
{x, x^(-1)} である。

よって (Z/pZ)^* の同値類は以下のタイプで尽くされる。
{1}, {-1}, {x, x^(-1)}
ここで x ≠ ±1

xx^(-1) = 1 であるから (Z/pZ)^* の ±1 以外の全ての元の積は 1
である。
よって (Z/pZ)^* の全ての元の積は 1(-1) = -1 である。
証明終

952 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/15(木) 21:47:27 ]
うんこ



953 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/15(木) 22:07:58 ]
m > 2 を有理整数として (Z/mZ)^* を考える。

(Z/mZ)^* を以下の同値関係で類別する。

x と y を (Z/mZ)^* の元としたとき y = x^(-1) のとき x と y は
同値と定義する。

x = x^(-1) となるのは x^2 = 1 のときに限る。

よって (Z/mZ)^* の同値類は以下のタイプで尽くされる。
{a}, {b, b^(-1)}

ここで a^2 = 1, b^2 ≠ 1

よって (Z/mZ)^* の元 b で b^2 ≠ 1 となるもの全ての積は 1 である。
よって S = {a ∈ (Z/pZ)^* ; a^2 = 1} とおくと、
(Z/mZ)^* の全ての元の積は S の全ての元の積と一致する。

S を以下の同値関係で類別する。
x と y を S の元としたとき y = -x のとき x と y は
同値と定義する。

x = -x となるのは 2x = 0 のときに限る。
x = c (mod m) とすると 2c ≡ 0 (mod m) である。
gcd(c, m) = 1 だから 2 ≡ 0 (mod m) である。
m > 2 であるからこれはありえない。
よって S の同値類は以下のタイプで尽くされる。
{b, -b}
よって S の全ての元の積は b(-b) = -b^2 = -1 の(|S|/2)乗である。
これは |S|/2 が偶数、つまり |S| ≡ 0 (mod 4) のときは 1
そうでないときは -1 である。

954 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/15(木) 22:33:22 ]
>>833 より x^2 ≡ 1 (mod m) の解の個数、つまり |S| は

(1) m = p^n または 2p^n のとき |S| = 2
ここで p は奇素数で n ≧ 1

(2) m = 4 のとき |S| = 2

(3) m = 4r、r は奇数 > 1 のとき |S| = 2^(s + 1)
ここで s は r の相異なる素因数の個数である。

(4) m = (2^e)r, e ≧ 3, r は奇数のときは
|S| = 2^(s + 1)

以上から |S| = 2 となるのは (1) と (2) の場合であり、
(3) と (4) の場合は |S| ≡ 0 (mod 4) である。

よって >>953 より次の命題が得られる。

命題(Wilson の定理の拡張)
m > 2 を有理整数とする。
(Z/mZ)^* の全ての元の積は以下のようになる。

(1) m = 4 または m = p^n または 2p^n のとき積は -1
ここで p は奇素数で n ≧ 1

(2) 上記以外の場合、積は 1

955 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/15(木) 22:40:46 ]
>>954 の命題(Wilson の定理の拡張)は Gauss が初めて証明した
(Disquisitiones art. 78)。

956 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/15(木) 22:49:18 ]
Wilson の定理(>>948) の逆も成り立つ。

命題
n > 1 を有理整数とする。
(n - 1)! ≡ -1 (mod n) なら n は素数である。

証明
n が素数でないとすると p < n となる素数 p で n を割るものがある。
p ≦ n - 1 だから (n - 1)! ≡ 0 (mod p) である。
一方、(n - 1)! ≡ -1 (mod n) だから (n - 1)! ≡ -1 (mod p)
である。
よって -1 ≡ 0 (mod p) である。
これは矛盾である。
証明終

957 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/15(木) 23:02:24 ]
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958 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/16(金) 01:35:00 ]
11

959 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/16(金) 01:36:00 ]
10

960 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/16(金) 01:37:00 ]
9

961 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/16(金) 01:38:00 ]
8

962 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/16(金) 01:39:00 ]
7



963 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/16(金) 01:40:00 ]
6

964 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/16(金) 06:49:00 ]
5

965 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/16(金) 06:50:00 ]
4

966 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/16(金) 06:51:00 ]
3

967 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/16(金) 06:52:00 ]
2

968 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/16(金) 06:53:00 ]
1

969 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/16(金) 06:54:00 ]
0

970 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/16(金) 07:46:06 ]
次スレ立てておきました。

代数的整数論 005
science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1173998720/

971 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/16(金) 12:59:01 ]
>>970

有難うございます。

972 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/16(金) 21:37:03 ]
>>778 以降、合同方程式 x^2 ≡ a (mod m) の解法について述べて
きたが、これと >>756 に述べた方法を使って
m = ax^2 + bxy + cy^2 の解を求めて見よう。

まず、p = 2281 として p = x^2 + y^2 を解く。
>>758 の方法を使う。
>>941 より z = 1207 (mod 2281) とおくと、z^4 = -1 であった。
よって z^2 = 1571 (mod 2281) は x^2 ≡ -1 (mod m) の解である。
つまり、1571^2 ≡ -1 (mod 2281) である。

2*1571 = 3142 だから
3142^2 ≡ -4 (mod 4*2281) である。

3142^2 + 4 = 4*2281*1082
よって
2次形式 (a, b, c) = (2281, 3142, 1082) の判別式は
D = b^2 - 4ac = 3142^2 - 4*2281*1082 = -4

(a, b, c) を >>335 の方法(>>411 の注意も参照)により簡約2次形式に
変形する。
(2281, 3142, 1082)S^(-1) = (2281, -1420, 221)
(2281, -1420, 221)T = (221, 1420, 2281)
(221, 1420, 2281)S^(-3) = (221, 94, 10)
(221, 94, 10)T = (10, -94, 221)
(10, -94, 221)S^5 = (10, 6, 1)
(10, 6, 1)T = (1, -6, 10)
(1, -6, 10)S^3 = (1, 0, 1)
となる。
ここで
S = (1, 1)/(0, 1)
T = (0, -1)/(1, 0)



973 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/16(金) 21:43:32 ]
よって
(2281, 3142, 1082)S^(-1)TS^(-3)TS^5TS^3 = (1, 0, 1)

行列の積 U = S^(-1)TS^(-3)TS^5TS^3 を計算すると。
U = (11, 31)/(-16, -45)
U の逆行列は V = U^(-1) = (-45, -31)/(16, 11)
よって
(1, 0, 1)V = (2281, 3142, 1082)

>>758 より
x = -45, y = 16 が 2281 = x^2 + y^2 の解である。
実際、45^2 + 16^2 = 2025 + 256 = 2281

974 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/16(金) 22:01:40 ]
岩波数学辞典によると p = 9689 は素数で 2^p - 1 は素数である。
2^p - 1 は Mersenne数である。

さらに p ≡ 1 (mod 8) である。

p = x^2 + y^2 を >>972 と同様に解いてみるのも面白いかもしれない。
誰か解いてくれないか?

ただし、結果だけでなく >>972, >>973 と同様に
x^2 ≡ -1 (mod p) の解と2次形式 (a, b, c)
および (a, b, c) の簡約過程。
(1, 0, 1)V = (a, b, c) となる V ∈ SL_2(Z) も求めて欲しい。

975 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/17(土) 03:31:02 ]
>>974

今の場合、2^p - 1 が Mersenne数であるということに特に意味があるわけではない。
適当な大きさの素数が欲しかっただけである。

976 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/17(土) 06:48:22 ]
今度は p を奇素数としたとき p = x^2 + 2y^2 を解くことを
考えてみよう。

2次形式 (1, 0, 2) = x^2 + 2y^2 の判別式 D は -8 である。
判別式が -8 の簡約2次形式は、>>757 と同様にして
(1, 0, 2) のみであることが分かる。

よって >>758 と同様にして p = x^2 + 2y^2 に解があるためには、
x^2 ≡ -8 (mod 4p) に解があることが必要十分である。

x^2 ≡ 0 (mod 4) だから x は偶数である。
x = 2y とすると
y^2 ≡ -2 (mod p) である。

よって上記の条件は (-2/p) = 1 と同値である。
(-2/p) = (-1/p)(2/p) = 1 だから
これは (2/p) = (-1/p) = 1
または (2/p) = (-1/p) = -1
と同値である。

平方剰余の第一補充法則(>>163)と第2補充法則(>>53)より、
これは p ≡ 1 (mod 8) または p ≡ 3 (mod 8) と同値である。

977 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/17(土) 06:49:40 ]
x^2 ≡ -8 (mod 4p) の解 l に対して
l^2 + 8 = 4pk とする。
p は奇素数だから l とは互いに素である。
よって2次形式 (p, l, k) は正定値かつ原始的で判別式は -8 である。
これは (1, 0, 2) と同値である。

よって (1, 0, 2)σ = (p, l, k) となる σ ∈ SL_2(Z) がある。
σ = (u, q)/(r, s) とする。

>>749 より (1, 0, 2)ε = (1, 0, 2) となる ε ∈ SL_2(Z) は
{±1} である。

よって (1, 0, 2) を (p, l, k) に移す SL_2(Z) の元は
σ = (u, q)/(r, s) と -σ = (-u, -q)/(-r, -s) の2個である。

よって (u, r) と (-u, -r) が l に対応する p = x^2 + 2y^2 の
解である。

x^2 ≡ -4 (mod 4p) の別の解 -l には
2次形式 (p, -l, k) が対応する。

R = (1, 0)/(0, -1) とすると
(1, 0, 1)RσR = (p, l, k)R = (p, -l, k)
U = RσR とおく。
U ∈ SL_2(Z) で U = (u, -q)/(-r, s) である。

よって (u, -r) と (-u, r) が -l に対応する p = x^2 + 2y^2 の
解である。

978 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/17(土) 07:19:23 ]
>>976>>977 から次の命題が得られる。

命題(Fermat-Euler)
p を奇素数とする。
p = x^2 + 2y^2 が有理整数解を持つためには
p ≡ 1 (mod 8) または p ≡ 3 (mod 8) が必要十分である。
さらに、このとき解は順序と符号を除いて一つである。

979 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/17(土) 19:54:29 ]
>>974 を解いてみる。

p = 9689
p - 1 = 8*1211

(3/p) = (p/3) = (2/3) = -1
だから
z = 3^1211 ≡ 6682 (mod p)
とすると、z^8 = 1 である。
よって (z^2)^2 = -1 である。
z^2 = 2212 (mod p)
だから
2212^2 ≡ -1 (mod p)

2*2212 = 4424 だから
4424^2 ≡ -4 (mod 4*9689) である。

4424^2 + 4 = 4*9689*505
だから
2次形式 (9689, 4424, 505) の判別式は -4

>>335 より
(9689, 4424, 505) T = (505, -4424, 9689)
(505, -4424, 9689) S^4 = (505, -384, 73)
(505, -384, 73) T = (73, 384, 505)

このあとは読者の誰かに任そう。
誰か?

ただし、続きは上の結果が正しいかどうか確かめてからにしてください。
計算ミスがあるかもしれないので。

980 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/17(土) 20:44:05 ]
訂正
>>978
>さらに、このとき解は順序と符号を除いて一つである。

さらに、このとき解は符号を除いて一つである。

981 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/18(日) 01:59:09 ]
p を素数としたとき p = x^2 + 3y^2 を解くことを考えてみよう。
2次形式 (1, 0, 3) = x^2 + 3y^2 の判別式 D は -12 である。

>>408 より判別式 -4 の (a, b, c) が簡約2次形式であるためには
gcd(a, b, c) = 1 かつ、
|b| ≦ a ≦ c であり、
|b| = a または a = c のときは b ≧ 0 となることが必要十分である。

>>341 と同様にして a ≦ √(|D|/3) である。
a ≦ √(|D|/3) = 2
4ac = b^2 + |D| = b^2 + 12
よって b^2 ≡ 0 (mod 4)
よって b は偶数である。

0^2 + 12 = 4・3
2^2 + 12 = 16 = 4・4

a = 1 のとき (1, 0, 3)
a = 2 のとき (2, 2, 2) は原始的でない。
よって判別式が -12 の簡約2次形式は、(1, 0, 3) のみである。

p ≠ 2, 3 として合同方程式 x^2 ≡ -12 (mod 4p) を考える。
x^2 ≡ 0 (mod 4) だから x は偶数である。
x = 2y とおくと
y^2 ≡ -3 (mod p)

これは (-3/p) = (-1/p)(3/p) = 1 のときのみ解がある。
p ≡ 1 (mod 4) なら (-1/p) = 1, (3/p) = (p/3)
p ≡ 3 (mod 4) なら (-1/p) = -1, (3/p) = -(p/3)
いずれにしても (-1/p)(3/p) = (p/3) である。
よって (-3/p) = 1 は p ≡ 1 (mod 3) と同値である。

982 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/18(日) 02:08:41 ]
p ≡ 1 (mod 3) のとき
x^2 ≡ -12 (mod 4p) の解 l に対して
l^2 + 12 = 4pk とする。
p は奇素数だから l とは互いに素である。
よって2次形式 (p, l, k) は正定値かつ原始的で判別式は -12 である。
これは (1, 0, 3) と同値である。

よって (1, 0, 3)σ = (p, l, k) となる σ ∈ SL_2(Z) がある。
σ = (u, q)/(r, s) とする。

>>749 より (1, 0, 3)ε = (1, 0, 3) となる ε ∈ SL_2(Z) は
{±1} である。

よって (1, 0, 3) を (p, l, k) に移す SL_2(Z) の元は
σ = (u, q)/(r, s) と -σ = (-u, -q)/(-r, -s) の2個である。
よって (u, r) と (-u, -r) が l に対応する p = x^2 + 3y^2 の
解である。

x^2 ≡ -12 (mod 4p) の別の解 -l には
2次形式 (p, -l, k) が対応する。

R = (1, 0)/(0, -1) とすると
(1, 0, 3)RσR = (p, l, k)R = (p, -l, k)
U = RσR とおく。
U ∈ SL_2(Z) で U = (u, -q)/(-r, s) である。

よって (u, -r) と (-u, r) が -l に対応する p = x^2 + 3y^2 の
解である。



983 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/18(日) 02:14:29 ]
>>981>>982 から次の命題が得られる。

命題(Fermat-Euler)
p を 3 以外の奇素数とする。
p = x^2 + 3y^2 が有理整数解を持つためには
p ≡ 1 (mod 3) が必要十分である。
さらに、このとき解は符号を除いて一つである。

984 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/18(日) 02:33:12 ]
>>978 の命題は Fermat に知られていたが初めて証明したのは
Euler らしい。らしいというのは Gauss が Disquisitiones の
art. 182 に Lagrange が最初に証明したと書いているからである。
しかもはっきりと Euler は証明に成功しなかったと書いている。
しかし、Weil は「数論」で Euler が証明したと書いている。

985 名前:132人目の素数さん [2007/03/18(日) 02:45:40 ]
Kummer ◆g2BU0D6YN2 かっこいい

986 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/03/18(日) 02:48:40 ]
@


987 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/18(日) 11:36:15 ]
今度は p を素数としたとき p = x^2 + 5y^2 を解くことを考えてみよう。
この問題は >>161 でも考えたし解決済み(>>363)である。
しかし、2次形式論の応用として証明をする。

2次形式 (1, 0, 5) = x^2 + 5y^2 の判別式 D は -20 である。
>>408 より判別式 -20 の (a, b, c) が簡約2次形式であるためには
gcd(a, b, c) = 1 かつ、
|b| ≦ a ≦ c であり、
|b| = a または a = c のときは b ≧ 0 となることが必要十分である。

>>341 と同様にして a ≦ √(|D|/3) である。
よって a ≦ 2

4ac = b^2 + |D| = b^2 + 20
よって b^2 ≡ 0 (mod 4)
よって b は偶数である。

0^2 + 20 = 4・5
2^2 + 20 = 4・2・3

a = 1 のとき (a, b, c) = (1, 0, 5)
a = 2 のとき (a, b, c) = (2, 2, 3)

よって判別式が -20 の簡約2次形式は、(1, 0, 5) と (2, 2, 3)
である。

988 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/18(日) 13:22:45 ]
p ≠ 2, 5 として合同方程式 x^2 ≡ -20 (mod 4p) を考える。
x^2 ≡ 0 (mod 4) だから x は偶数である。
x = 2y とおくと
y^2 ≡ -5 (mod p)

x^2 ≡ -20 (mod 4p) が解けるためには (-5/p) = 1 が
必要十分である。

(-5/p) = (-1/p)(5/p)

平方剰余の相互律から (5/p) = (p/5) である。
よって p ≡ 1, 4 (mod 5) のとき (5/p) = 1
p ≡ 2, 3 (mod 5) のとき (5/p) = -1

一方、p ≡ 1 (mod 4) のとき (-1/p) = 1
p ≡ 3 (mod 4) のとき (-1/p) = -1

よって (-5/p) = 1 は

p ≡ 1, 4 (mod 5) かつ p ≡ 1 (mod 4)
つまり、p ≡ 1, 9 (mod 20)
または
p ≡ 2, 3 (mod 5) かつ p ≡ 3 (mod 4)
つまり、p ≡ 3, 7 (mod 20)
と同値である。

989 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/18(日) 13:45:35 ]
p ≠ 2, 5 として p = x^2 + 5y^2 となる有理整数 (x, y) が
あったとする。
p ≡ x^2 (mod 5) だから (p/5) = 1

p ≠ 2, 5 として p = 2x^2 + 2xy + 3y^2 となる有理整数 (x, y) が
あったとする。

2p = 4x^2 + 4xy + 6y^2 = (2x + y)^2 + 5y^2
2p ≡ (2x + y)^2 (mod 5)


よって (2p/5) = (2/5)(p/5) = -(p/5) = 1
よって (p/5) = -1

990 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/18(日) 15:39:57 ]
p ≡ 1, 2, 3, 9 (mod 20) なら >>988 より x^2 ≡ -20 (mod 4p) に
解がある。
x^2 ≡ -20 (mod 4p) の解 l に対して
l^2 + 20 = 4pk とする。
p は奇素数だから l とは互いに素である。
よって2次形式 (p, l, k) は正定値かつ原始的で判別式は -20 である。
よって >>987 より (p, l, k) は (1, 0, 5) または (2, 2, 3) に
同値である。

>>733 より (p, l, k) が (1, 0, 5) に同値なら p = x^2 + 5y^2 となる
有理整数 (x, y) がある。

このとき >>989 より (p/5) = 1 である。
p ≡ 1, 3, 7, 9 (mod 20) であったから
p ≡ 1, 9 (mod 20) である。

逆に p ≡ 1, 9 (mod 20) なら (p/5) = 1 だから >>989 より
(p, l, k) は (2, 2, 3) に同値ではない。
よって (p, l, k) は (1, 0, 5) に同値である。

以上から p = x^2 + 5y^2 となる有理整数 (x, y) があるためには
p ≡ 1, 9 (mod 20) が必要十分である。

>>977 と同様に、この場合、解は符号を除いて一個である。

同様に p = 2x^2 + 2xy + 3y^2 となる有理整数 (x, y) があるためには
p ≡ 3, 7 (mod 20) が必要十分である。

この場合も、解は符号を除いて一個である。

991 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/18(日) 16:05:30 ]
p ≠ 2, 5 として 2p = x^2 + 5y^2 を考える。
gcd(x, y) = d なら 2p が d^2 で割れるから d = 1 である。

よって解があるなら合同方程式 x^2 ≡ -20 (mod 8p) に解がある。
x^2 ≡ 0 (mod 4) だから x は偶数である。
x = 2y とおくと y^2 ≡ -5 (mod 2p) である。
これは連立合同方程式
y^2 ≡ -5 (mod 2)
y^2 ≡ -5 (mod p)
と同値である

y^2 ≡ -5 (mod 2) は常に解 y ≡ 1 (mod 2) をもつから、
x^2 ≡ -20 (mod 8p) に解があるなら (-5/p) = 1 である。
よって >>988 より p ≡ 1, 3, 7, 9 (mod 20) である。

一方、2p = x^2 + 5y^2 なら x^2 ≡ 2p (mod 5)
よって (2p/5) = 1
(2p/5) = (2/5)(p/5) = -(p/5)
よって (p/5) = -1 となる。
よって p ≡ 3, 7 (mod 20) である。

よって >>990 と同様に
2p = x^2 + 5y^2 となる有理整数 (x, y) があるためには
p ≡ 3, 7 (mod 20) が必要十分である。

992 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/03/18(日) 16:14:17 ]
>>990>>991 をまとめると次の命題が得られる。

命題(Fermat-Euler-Lagrange)
p ≠ 2, 5 を素数とする。

(1) p = x^2 + 5y^2 となる有理整数 (x, y) があるためには
p ≡ 1, 9 (mod 20) が必要十分である。

(2) p = 2x^2 + 2xy + 3y^2 となる有理整数 (x, y) があるためには
p ≡ 3, 7 (mod 20) が必要十分である。

(3) 2p = x^2 + 5y^2 となる有理整数 (x, y) があるためには
p ≡ 3, 7 (mod 20) が必要十分である。

上記のいずれの場合も解は符号を除いて一意である。








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