命題 A を半局所環(極大イデアルが有限個しかない環)とする。 M を A 上の階数 n(>>253) の射影加群とすると、 M は自由である。
証明 A の Jacobson 根基(前スレの238)、つまり A のすべての極大イデアルの 共通集合を I とする。 B = A/I は半単純環(>>279)である。 M(x)B は >>355 より B 上の階数 n の射影加群である。 よって >>340 より M(x)B = M/IM は B 上の階数 n の自由加群である。 M は射影加群だから A-加群として平坦である。 よって、>>182 の証明と同様にすればよい。 証明終
359 名前:208 [2005/12/13(火) 10:15:19 ]
俺は自由だ
360 名前:208 [2005/12/13(火) 11:25:12 ]
環 A のPicard群 の層を使わない定義をまだしていなかった。
定義 A を環とする。A 上の階数1の射影加群の同型類はテンソル積 によりアーベル群となる(>>262, >>263, >>270)。 これを A の Picard群と呼び Pic(A) と書く。
定義 A を環とし、A の非零因子全体の集合を S とする。 A の S による局所化 A_S を A の全商環と呼ぶ。
363 名前:208 [2005/12/13(火) 11:39:13 ]
命題 ネーター環の全商環は半局所環である。
証明 A をネーター環とする。 Ass(A) (前スレの89) に属す素イデアルの 合併は A の非零因子全体の集合と一致する(前スレの201)。 これから明らか。 証明終
364 名前:208 [2005/12/13(火) 11:48:26 ]
環 A の全商環 B が半局所環となるとする(例えば、A がネーター環なら >>363よりそうなる)。 M を A 上の階数1の射影加群とする。 >>361 より M(x)B は B-加群として B と同型である。 一方、M は平坦だから A-加群の完全列 0 → A → B を完全列 0 → M → M(x)B に写す。 よって、M は B の A-部分加群と同型になる。 これから、Pic(A) の構造を調べるには B の A-部分加群で階数1の 射影加群となるものを調べればよいことが分かる。
補題 A を環とし、M を A-加群で射影的とする。 このとき、Hom(M, A) の元の族 (g_i), i ∈ I と、 M の元の族 (x_i), i ∈ I が存在し、 M の任意の元 x に対して x = Σg_i(x)x_i となる。 ここで、f_i(x) は有限個の i を除いて 0 となる。
証明 M の生成元を (x_i), i ∈ I とする。 L = A^(I) を I を添字集合とする自由加群とし、 (e_i), i ∈ I をその標準基底とする。 各 i ∈ I に対して p(e_i) = x_i により、 A-加群としての射 p: L → M を定義する。 p は全射で、M は射影的だから、射 s: M → L で、 ps = 1 となるものが存在する。
一方、各 i ∈ I に対して f_i ∈ Hom(M, A) を f_i(e_i) = 1, i ≠ j のとき f_i(e_j) = 0 で定義する。 s(x) = Σa_ie_i, a_i ∈ A とする。 各 i ∈ I に対して f_i(s(x)) = a_i となる。 よって、 x = ps(x) = Σa_i p(e_i) = Σf_i(s(x)) x_i となる。 よって、g_i = (f_i)s とおけばよい。 証明終
補題 A を環とし、M を A-加群とする。 Hom(M, A) の元の族 (g_i), i ∈ I と、 M の元の族 (x_i), i ∈ I が存在し、 M の任意の元 x に対して x = Σg_i(x)x_i となるとする。 ここで、g_i(x) は有限個の i を除いて 0 となる。 このとき、M は射影的である。
証明 明らかに (x_i), i ∈ I は M の生成元である。 L = A^(I) を I を添字集合とする自由加群とし、 (e_i), i ∈ I をその標準基底とする。 各 i ∈ I に対して p(e_i) = x_i により、 A-加群としての射 p: L → M を定義する。
M の元 x に対して、s(x) = Σg_i(x)e_i により、 A-加群としての射 s: M → L を定義する。
x = Σg_i(x)x_i であるから、ps = 1 である。 よって、Ker(p) = N とおけば、 完全列 0 → N → L → M → 0 は分裂(split)する。 よって、M は L の直和因子と同型になり、射影的である(>>186)。 証明終
430 名前:9208 ◆lJJjsLsZzw [2005/12/15(木) 10:40:25 ]
定義 A を環とし、その全商環(>>362)を B とする。 B の A-加群としての部分加群 M に対して B の A-加群としての 部分加群 N があり、MN = A となるとき、M を可逆加群という。 ここで、MN は集合 {xy; x ∈ M, y ∈ N} で生成される B の A-部分加群である。
431 名前:9208 ◆lJJjsLsZzw [2005/12/15(木) 10:47:27 ]
定義 A を環とし、その全商環(>>362)を B とする。 B の A-加群としての部分加群 M が、MB = B を満たすとき、 M を非退化加群と呼ぶ。 ここで、MB は集合 {xy; x ∈ M, y ∈ B} で生成される B の A-部分加群である(よって B-部分加群つまり B のイデアルとなる)。
補題 A を環とし、その全商環を B(>>362) とする。 B の A-加群としての部分加群 M が非退化(>>431)なら M ∩ S は空でない。 ここで、 S は A の非零因子全体の集合である。
証明 MB の元は Σ(x_i)(a_i/s_i), x_i ∈ M, a_i ∈ A, s_i ∈ S と現される。 M は非退化だから、MB = B となり、1 = Σ(x_i)(a_i/s_i) となる x_i ∈ M, a_i ∈ A, s_i ∈ S がある。ここで、各 s_i は共通の 元 s ∈ S と仮定してよい。よって、s = Σ(x_i)(a_i) となり、 s ∈ M ∩ S となる。 証明終
補題 A を環とし、その全商環を B(>>362) とする。 B の A-加群としての部分加群 M が非退化(>>431)なら M_S = B である。 ここで、S は A の非零因子全体の集合である。
証明 M ⊂ B だから、M_S ⊂ B_S = B とみなせる。 >>434 より、s ∈ M ∩ S がある。 よって、1 = s/s ∈ M_S となって、M_S = B となる。 証明終
441 名前:9208 ◆lJJjsLsZzw [2005/12/15(木) 11:54:44 ]
定義 A を環とし、その全商環を B(>>362) とする。 B の A-加群としての部分加群 M, N に対して N:M = {x ∈ B; xM ⊂ N} と定義する。 N:M は B の A-加群としての部分加群である。
442 名前:132人目の素数さん [2005/12/15(木) 13:45:17 ]
>ただ諸君の大勢は金を >そんなに持ってるわけではないだろうから、俺が面倒みてるわけ。
バカ丸出し
443 名前:132人目の素数さん [2005/12/15(木) 13:54:00 ]
愚かすぎる
444 名前:9208 ◆lJJjsLsZzw [2005/12/15(木) 14:34:50 ]
補題 A を環とし、その全商環を B(>>362) とする。 B の A-加群としての部分加群 M が非退化(>>431)なら A:M = Hom(M, A) である。
証明 x ∈ A:M に対して φ(x) ∈ Hom(M, A) を φ(x)(y) = xy で定義する。
x に φ(x) を対応させることにより、 射 φ: A:M → Hom(M, A) が得られる。
>>434 より、s ∈ M ∩ S がある。 ここで、S は A の非零因子全体の集合である。 よって、φ(x) = 0 なら xs = 0 より x = 0 となる。 よって、φ は単射である。
f ∈ Hom(M, A) とする。 M ⊂ B だから、x ∈ M に対して tx ∈ A となる t ∈ S がある。 f(x) = f(stx)/st = txf(s)/st = xf(s)/s よって、f(x) = φ(f(s)/s)(x) となる。 即ち、f = φ(f(s)/s) である。 よって、φ は全射でもある。 証明終