補題 A を単項イデアル整域、M を A-加群とする。 a と b を A の元で互いに素とする。 x ∈ M で、abx = 0 なら、x = y + z, ay = 0, bz = 0 となる M の元 y, z がある。
証明 as + bt =1 となる A の元 s, t がある。 よって、x = asx + btx となる。 y = btx, z = asx とすればよい、。 証明終
669 名前:208 [2005/11/04(金) 15:03:26 ]
命題 A を単項イデアル整域、M を A 上有限生成の捩れ加群とする。 A の素元 p に対して M(p) = {x ∈ M; (p^n)x = 0 となる n > 0 がある} とおく。M = ΣM(p) (直和) となる。ここで p は、Ann(M) を割る素元 全体を動く。
証明 まず、M は有限生成の捩れ加群だから、Ann(M) ≠ 0 である。 x ∈ M, x ≠ 0 とし、Ann(x) = aA とする。M は捩れ加群だから、 a ≠ 0 である。>>668 より x ∈ ΣM(p) となる。ここで p は a の素因子を渡る。あとは、Ann(M) ⊂ aA に注意すればよい。 証明終
670 名前:208 [2005/11/04(金) 15:08:43 ]
命題 A を単項イデアル整域、M を A 上有限生成の捩れ加群とする。 Supp(M) は、極大イデアルのみからなる。
証明 Supp(M) = V(Ann(M)) と Ann(M) ≠ 0 より明らか。 証明終
671 名前:208 [2005/11/04(金) 15:12:58 ]
命題 A を単項イデアル整域、M を A 上有限生成の捩れ加群とする。 M は A-加群として長さ有限である。
定義 A を単項イデアル整域、M を A 上有限生成の捩れ加群とする。 >>671 より M は長さ有限である。 M の組成列に現れる剰余加群は、A/p と同型である。 ここで、p は A のある極大イデアル。 M の組成列に現れる極大イデアルを重複度もいれて p_1, ..., p_r としたとき それらの重複を考慮した積 を M の内容(content)とよび、|M| と書く。
定義 A を単項イデアル整域、M を A 上有限生成の加群とする。 A のある素元 p があり、M の任意の元 x に対して (p^n)x = 0 となる整数 n > 0 があるとき、M を p-加群と呼ぶ。 ここで、n は x に依存する。p の生成する A の極大イデアル を (p) と したとき、M を (p)-加群とも呼ぶ。
681 名前:208 [2005/11/04(金) 17:20:08 ]
定義 A を単項イデアル整域、p を A の極大イデアル、M を p-加群とする。 M の任意の元に x 対して Ann(x) = p^n となる整数 n ≧ 0 があるが、 この n を x の指数と呼ぶ。
>>685 17 :132人目の素数さん :04/07/31 12:25 >>11-16 well known and trivial
689 名前:208 [2005/11/07(月) 09:58:44 ]
補題 A を単項イデアル整域、p を A の素元、M を p-加群(>>680) とする。 x を M の元でその指数 n が M の元のなかで最大のもの とする。N = Ax とおく。M/N はあきらかに p-加群である。 y を M の任意の元とする。y (mod N) の M/N における指数(>>681)を m とすると、M の元 z で、その指数が m となり、y = z (mod N) と なるものが存在する。
証明 まず、y の指数は m 以上だから m ≦ n に注意する。 (p^m)y = tx となる t ∈ A がある。 (p^n)y = (p^(n-m))tx = 0 であるから、 (p^(n-m))t = sp^n となる s ∈ A がある。 両辺を p^n で割ると、tp^(-m) = s よって、t = s(p^m) (p^m)y = tx だから、(p^m)y = s(p^m)x よって、(p^m)(y - sx) = 0 となる。 z = y - sx とおけばよい。 何故なら、z の指数が m より小さいとすると、 y (mod N) の指数も m より小さいことになって矛盾。 証明終
690 名前:208 [2005/11/07(月) 10:21:05 ]
命題 A を単項イデアル整域、p を A の素元、M を p-加群(>>680) とする。 M は、単項 p-加群つまり一個の元で生成される p-加群の直和となる。
補題 A を単項イデアル整域、p を A の極大イデアル、M を 単項 p-加群 とする。 つまり M は、p-加群(>>680)でかつ一個の元で生成される とする。Ann(M) = p^n とする(>>684)。>>678 より |M| = p^n である。 k ≧ 0 を整数として、(p^k)M を考える。 0 ≦ k < n のとき、|(p^k)M| = p^(n-k) であり、 k ≧ n のとき、(p^k)M = 0 である。
証明 簡単なので読者に任す。
707 名前:208 [2005/11/10(木) 09:12:10 ]
補題 A を単項イデアル整域、p を A の極大イデアル、M を 単項 p-加群 とし、Ann(M) = p^n とする。 k ≧ 0 を整数として、p^(k-1)M/(p^k)M を考える。 0 < k ≦ n のとき、|p^(k-1)M/(p^k)M| = p であり、 k > n のとき、p^(k-1)M/(p^k)M = 0 である。
命題 A を単項イデアル整域、p を A の極大イデアル、M を 単項 p-加群 M_i, i = 1, ..., r の有限個の直和とする。|M_i| = p^(m_i) とする。 n を {m_1, ... , mr} の最大値とする。 0 < k ≦ n のとき、leng(p^(k-1)M/(p^k)M) は、m_i ≧ k となる i の個数に等しい。
命題 A を可換環、 M を A-加群とする。 B を可換とは限らない A-代数とし、 f: M → B を A-加群としての射で、 f(x)^2 = 0 が任意の x ∈ M で成立つとする。 このとき、A-代数としての射 g: ΛM → B で f = gj となるものが一意に存在する。 ここで、j: M → ΛM は標準単射。
証明 読者に任す。
748 名前:208 [2005/11/11(金) 11:03:35 ]
定義 R を可換環、 A, B を可換とは限らない R-次数代数とする。 Z^2 型の R-次数代数 C を以下のように定義する。 C の (p,q)次の成分を C_(p,q) = A_p(x)B_q とする。 x ∈ A_p, y ∈ B_q z ∈ A_r, w ∈ B_s のとき、(x(x)y)(z(x)w) = (-1)^(qr) xz(x)yw と定義する。 この積が結合律を満たすことは読者に任す。 C を A と B の歪テンソル積と呼び、A(x)'B と書く。
749 名前:208 [2005/11/11(金) 11:48:10 ]
命題 R を可換環、 A, B を可換とは限らない R-次数代数とする。 C を Z^2 型の R-次数代数とする。 f: A → C g: B → C を R-代数の射で、 f(A_p) ⊂ C_(p,0) g(B_q) ⊂ C_(0,q) とする。 さらに、x ∈ A_p, y ∈ B_q のとき f(x)g(y) = (-1)^(pq) g(y)f(x) とする。 このとき、R-次数代数の(次数を保つ)射 h: A(x)'B → C で、hu = f, hv = g となるものが一意に存在する。 ここで、A(x)'B は A と B の歪テンソル積(>>748)で u: A → A(x)'B, v: B → A(x)'B は標準射。
命題 R を可換環、 A, B, C を可換とは限らない R-次数代数とする。 f: A → C g: B → C を R-代数の射で次数を保つ、即ち f(A_p) ⊂ C_p g(B_q) ⊂ C_q とする。 さらに、x ∈ A_p, y ∈ B_q のとき f(x)g(y) = (-1)^(pq) g(y)f(x) とする。 このとき、R-代数の射 h: A(x)'B → C で、 h(A_p(x)B_q) ⊂ C_(p+q) hu = f, hv = g となるものが一意に存在する。 ここで、A(x)'B は A と B の歪テンソル積(>>748)で u: A → A(x)'B, v: B → A(x)'B は標準射。
証明 読者に任す。
751 名前:132人目の素数さん [2005/11/11(金) 13:00:42 ]
命題 A を可換環、 M, N を A-加群とする。 L = M + N (直積)とする。 ΛL は (ΛM)(x)'(ΛN) に A-次数代数として標準的に同型となる。 ただし、(ΛM)(x)'(ΛN) の次数型は全次数 n = p + q により Z 型と考える。
証明 標準射 f: ΛM → ΛL と g: ΛN → ΛL がある。 これは、>>750 の命題の条件を満たす。 よって、h: (ΛM)(x)'(ΛN) → ΛL が定義される。 一方、標準射 M → (ΛM)(x)'(ΛN) と N → (ΛM)(x)'(ΛN) から、射 L → (ΛM)(x)'(ΛN) が定義される。 これは、>>747 の命題の条件を満たす。 よって、射 k: ΛL → (ΛM)(x)'(ΛN) が定義される。 h と k が互いに逆射となっていることは読者に任す。 証明終