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戦隊シリーズ総合カップルスレ 6



1 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/08/21(火) 18:42:23 ID:IlThlvYe]
こちらは戦隊シリーズの総合カップルスレです。
現在放映中の『獣拳戦隊ゲキレンジャー』、前年度放映の『轟轟戦隊ボウケンジャー』等々、
戦隊作品のカップルについて マターリと語って行きましょう。
煽り・荒らしはスルー推奨。他カプ批判もNG。みんなを幸せにする修行をしましょう。


【ネタバレについて】
特撮板本スレに準じ、放映日当日・映画公開終了までのネタバレは控えてください。
もしスレ住人からの要望により、映画等のネタバレを投下する場合、
投下前にネタバレであることを明記し、NGワード用タイトルをつけること。
バレを見たくない人はあぼん推奨。


前スレ
戦隊シリーズ総合カップルスレ 5
sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1176541347/

過去スレ
戦隊シリーズ総合カップルスレ 4(dat落ち)
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1161010229/
戦隊シリーズ総合カップルスレ 3(dat落ち)
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1142719752/
戦隊シリーズ総合カップルスレ 2 (dat落ち)
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1114938210/
戦隊シリーズ総合カップルスレ (dat落ち)
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1105953664/
【S.P.D】デカレンジャー総合カップルスレ【S.E.X】(dat落ち)
ttp://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1080011602/

2chエロパロ板SS保管庫
ttp://sslibrary.arings2.com/

戦隊シリーズ総合カップルスレ保管庫

戦隊シリーズ総合保管庫
ttp://sentaieroparo.blog100.fc2.com/


地球署の図書館
ttp://tfb.fc2web.com/index.html
保管庫の避難所
PC版 ttp://spdlib2.h.fc2.com/index.htm
携帯版 ttp://spdlib2.h.fc2.com/i/index.htm

42 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/08/25(土) 15:10:25 ID:uj+/9Jgb]
>>41
「おまた」はよせw

43 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/08/25(土) 17:01:06 ID:aqRV9Qv7]
>>42
あ、ごめんなさい。
根がはしたないものでツイ…。

44 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/08/26(日) 02:13:42 ID:emTUMqBZ]
夏休みは今週で終わりなんだぜ☆


>>38
オチが映画に繋がるとは…GJ!!

45 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/08/26(日) 21:40:43 ID:Vmd+Zlhg]
いいっすねー!所有シリーズ大好きなオレとしては大満足です。オチが映画のオープニングってのもGJ!

46 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/08/27(月) 07:49:29 ID:vUGfHg8C]
今週はショボーンなペンギンが可愛すぎる

47 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/08/28(火) 01:38:16 ID:3uggDlNS]
ゴリラとペンギンに萌えた。
はしゃぐペンギンを大きく暖かく見守るゴリラ。
あの小屋で普段何してるのかと。

48 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/08/28(火) 10:38:30 ID:5beJ8++2]
ペンギンが、ラゲク様とは別の意味でえろく思えてきた。妖艶エロと明るいエロ。
ナースコスなんかされるとついつい人間体Verを考えてしまう。
マスタークラスにタイプが違うえろい女性を揃えてた獣拳とは何とけしからん拳法か。

49 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/08/28(火) 13:00:06 ID:m5eY+Gtq]
魔法の冥府神の女神二人も良いエロ神様でしたね。懐かしいなぁ。

50 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/08/28(火) 22:57:49 ID:Lvicz/tX]
>>48
さすが、心にケダモノを感じる拳法だというだけのことはあるぜw



51 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/08/28(火) 23:58:51 ID:IA/yUUSV]
ペンギン師匠、ランにお色気も伝授してやったってください!
あんなけしからんエロい太ももを遊ばせとくなんて勿体無い!!

52 名前:名無しさん@ピンキー [2007/08/29(水) 00:34:00 ID:9E0vsy4n]
ぬおぉぉぉぉぉ!!
久々の赤桃、しかも『所有シリーズ』!!
モエモエです!!!!
不滅の牙、かっこよすぎるーーー

53 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/08/29(水) 04:29:42 ID:W+ZFfjY3]
ペンギン師匠は、エロハンとの「獣拳武装〜」が、マジで朝8時前からこんなもの放送するのかけしからんもっとやれだったよな。
彼女は、エロハンのあの鼻があんな事やこんな事をしていたり、理知的ながら良く喋るゴリラ師匠が淡々と言葉責めしてるんだろうか。
そして彼女自身もそれを楽しんでいる感じ…正に獣拳とは心に獣を感じる拳法か!

>>48
ラゲク様とペンギン師匠って、同じようにナースコスさせて「お注射しましょ☆」と言わせるにしても、態度と言い回しが全然違いそうだなw

54 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/08/29(水) 17:19:44 ID:aIfHRm2k]
淫靡系エロゲーのヒロインと明快系エロゲーのヒロインみたいな感じだなw

55 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/08/29(水) 18:12:32 ID:XmJHEUS7]
ただ実際のプレーだと、ラゲクよりペング師匠の方が複数相手とかこなしてそうに思う。
あくまであっけらかんと明るくね。
ラゲクは一対一での濃厚な責めが似合う……かな。

もちろんあくまで個人感だけど。
どっちにしろラゲクの下乳は篠原さんナニヤッテンダw

56 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/08/30(木) 04:03:13 ID:HgDjnzBd]
獣姦合体ハァハァ

>>53
あくまで紳士的に言葉責めするゴリー先生いいよゴリー先生


57 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/08/30(木) 11:37:59 ID:Kni5syXf]
お前らアホだろwwwwwwww>ペンギン師匠談義

58 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/08/30(木) 16:56:29 ID:URYl6HXL]
デカ赤×黄のシューティングスターの続きが読みたい・・・

59 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/08/31(金) 15:43:54 ID:e0Oxp1Ol]
踊るアホウに見るアホウ
同じアホなら踊らにゃソンソン

エロパロは楽しんだ者勝ち〜

60 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/09/02(日) 01:42:08 ID:8NubxvSx]
今更だが映画観てきた。
何だあの理央メレっぷり。
公式からの提供で萌え死ぬかと思った。



61 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/09/02(日) 13:41:57 ID:Ia88ytTu]
自分もデカ赤黄もしくは
デカ黄桃読みたいです

62 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/09/03(月) 03:01:00 ID:DtlQlz/T]
>>60
毛皮かけるとこで鼻血が出るかと

しかし二人の間にはもれなくバエが

63 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/09/03(月) 03:46:26 ID:ZYAIBxBq]
いらん事まで実況する訳だなw

64 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/09/03(月) 05:06:23 ID:5kqGYPfQ]
昨日のメレのテンプレそのまんまなツンデレに吹いた。
映画の理央様も相当なツンデレだったが……

人間時代のバエが結構美形だったりして、メレに
「……なんでよりによってこんな姿になったのかしら」
とか思われてたりしたらそれなんて(ry

65 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/09/03(月) 21:13:59 ID:l4ny7xLy]
>>64
石田だからなwあながちありえないとも言い切れないんだよなあ…w

66 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/09/04(火) 20:03:54 ID:f6IqWssw]
何しろ格下と戦わない主義のメレが戦った相手だからな、バエ。
あれで結構な実力者のはずなんだよ。

67 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/09/05(水) 01:15:31 ID:aDvuCTGD]
前スレ埋まったようだな

前スレ833超ガンガレ

68 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/09/05(水) 08:18:20 ID:fMQcyRAO]
sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1176541347/833
まぁなんつーかアレだ
職人っつったってみんな趣味で書いてるだけだしプロでもなんでもないしさ、
多少のアレはあっても内容とか心情とかが伝わればそれでいいんでわ?
別に作文コンクールじゃないんだし、気楽に気楽に

69 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/09/05(水) 22:39:11 ID:MQzLoC2D]
ここ来てまだ三日目ぐらいの者ですが、保管庫のSSのクオリティの高さに驚きました。
特に「シューティング・スター」は感動しました。
よろしかったら続編を・・

70 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/09/06(木) 02:03:00 ID:8YRVNSaw]
もっと他にも、過去戦隊を書いてくれる神がお出ましになるといいな…。80〜90年初期とか。



71 名前:名無しさん@ピンキー [2007/09/09(日) 05:40:57 ID:IewQVTRz]
待ちage。

72 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/09/09(日) 20:08:36 ID:bXp8WyxR]
今年の男女比4:1か・・・なんという逆ハーレム

73 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/09/09(日) 21:15:53 ID:IR3gAOxj]
6人目初登場戦隊とか前の中国拳法戦隊とか、
男女比5:1も珍しくないけど

74 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/09/09(日) 21:18:38 ID:JEc0rUZr]
美樹さんを、時々で良いので思い出してあげて下さい…。

追加メンバーが入る様になってから、3:3が普通になったからな。
でも、ハリケンなんて、5:1だったぞw

75 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/09/09(日) 21:59:04 ID:JEc0rUZr]
連書きすまん

うはwwwwネタ被りな上、色々間違ってるわwww

76 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/09/10(月) 00:45:07 ID:wFVSbBn8]
豚切りすみませんが、大連の緑孔雀を書きましたので投下します。

・9レス消費予定
・設定は41話「クジャク大昇天」の最初でクジャクが白い衣装でしたが、その後湖に向かう間の話です。
・孔雀視点です。
・タイトルは「クジャク大昇天前夜」です。タイトル思いつかなくてまんまですいません。

エロ以前に、3人称の小説自体初めてなんでアレですが、よろしくお願いします。

77 名前:孔雀大昇天前夜(1) mailto:sage [2007/09/10(月) 00:47:35 ID:wFVSbBn8]
「クジャク、聖なるクジャクの涙の手がかり、やっと掴んだよ。」
「ホント?大五。」

−−−あと2本、羽飾りが落ちたら、私の命は尽きる…。

 大昔、村に伝染病が流行った時、あふれた雫を飲んだ人々が助かり、クジャクの涙を「お助け様」という入神として祀った。
 しかし、クジャクの涙は大地震で飲み込まれてしまったので、人々は孔雀明王の絵を飾った祠を建てた。
 その祠がある湖を目指して車を飛ばしてきたのだが、普段運転をしない大五だったので、渋滞の上に道に迷ってしまい、目的地に着いた時はすでに夜だった。
「クジャク、すまなかった。俺もお前みたいに飛べればよかったんだけど」
「飛ぶのには、気力を使うから…。」
 クジャクは、いつもの赤い戦闘スタイルの衣装ではなく、白いドレスのようなワンピースを着ていた。今にも倒れてしまいそうな美しいお姫様に、少しでも負担をかけさせないようにと大五は慣れない運転をしたのだった。
「本当に申し訳ない。運転はいつも亮がしているんだ。」
「手がかりが分かった訳でもうれしいわ。夜が明けたら行動しましょう。」
 それで、近くのホテルを手配したのだった。
 大五は律儀にシングルを二つ手配していた。チェックインを済ました後ホテルで食事を取ったが、会話はあまり弾まなかった。
 傍から見ると恋人同士に見えなくもないが、6000年の時空を超えて蘇った孔雀明王の化身と、24歳ペットショップ店員とでは、共通の会話を探すのが難しいだろう。
 しかし、二人とも口数が多いほうではなかったので、沈黙もごく普通の空間となっていた。
 ただ、クジャクは話したいことがあるのか、何度か大五に話を切り出そうとしていたが、結局切り出すことなく食事が終わった。

78 名前:孔雀大昇天前夜(2) mailto:sage [2007/09/10(月) 00:49:47 ID:wFVSbBn8]

「大五、…話があるの。」
「どうしたんだい?クジャク。」
 自分の部屋に戻ろうとした大五だったが、素直に部屋に入った。
 しかし大五は椅子には座らず、ドアのそばに立っていた。
 聖なるクジャクの涙のことだから、話はすぐに終わると思っていたのだろう。
 クジャクは、大五の視線を背後に感じながら、ガラス窓に手をかける。
 窓についた水滴を弄びながら、最初の言葉を選んでいたが、ようやく切り出した言葉は、意外といえば意外だった。

「ありがとう。」

「クジャク…?」
「6000年もの間、鏡化粧師に閉じ込められたのを救ってくれたのはあなただった。陽炎頭巾の灼熱地獄の中に吸い込まれた時も、あきらめないで脱出したのは…あなただった。今は私のためにクジャクの涙を探してくれている。」
「…。」
「そして、クジャクの涙の手がかりまで見つけてくれた。本当にありがとう。…でも、もう十分だから。」
「十分って?」
 クジャクが言っていることが理解できないのか、クジャクに近寄ろうとした。その気配を感じたクジャクは、振り返って真正面から切り出した。
「あなたのこと振り回してばかりいたから。…もう私のことは忘れて、新しい生活を歩んでほしいの。」
「クジャク、何言っているんだよ。ここまで来たら、最後までクジャクの涙を探すの付き合うよ。クジャクの涙を手に入れたらお前は助かるんだ。そして、一緒にゴーマを倒せばいいじゃないか。」
「…。」
ムリよ、と言いたかったが言えなかった。唇を噛み締めたまま、大五の熱い視線から目を外すことしかできない。

79 名前:孔雀大昇天前夜(3) mailto:sage [2007/09/10(月) 00:51:42 ID:wFVSbBn8]
 大五はクジャクの涙を手に入れれば、クジャクが助かると思い込んでいた。
 もちろん、この時は、クジャクも大五も、道士嘉挧からの残酷とも言える言葉を聞かされていない。
 でも、いつの頃かは知らないが、クジャクは自分の運命を徐々に受け入れ始めていた。

 仮にクジャクの涙を手に入れることができても、この汚れた大気の中で自分は生きていけるのか?
 もしクジャクの涙が一度しか使えない物だったら、自分の命よりも先にガラの頬の傷を…。

 でもこのことだけは、大五に言うことができなかった。

 そして自分の運命を受け入れ始めたことで、小さな欲望がクジャクの中に芽生えた。
 大五には「気力を使うから」と言ったが、実は移動自体それほど身体の負担はかからない。大五を置きざりにしても、クジャクの涙があるという祠に飛んでいけるはずだった。

 でも、そうしなかった。

 今夜ここに泊まることに素直に従ったのも、この小さな欲望のせいかもしれない。
 そんな欲望が、大五に伝わる訳がなかった。
「…やっぱり、俺、今から祠を探してくるよ。一刻も早くクジャクの涙を見つけないと。もう羽飾りも二本しかないんだろ?」
 大五は「行って来る」と小さく言ってから、ドアに向かった。
「ま、待って。」
ドアを開けて出て行こうとする大五に、声を振り絞って叫ぶ。
「行かないで!!!」
自分でも信じられないくらい無意識に叫んでいた。膝から崩れ落ちるのとほぼ同時に、「クジャクゥゥゥゥ!」と駆け寄る大五の姿があった。

80 名前:孔雀大昇天前夜(4) mailto:sage [2007/09/10(月) 00:53:07 ID:wFVSbBn8]
「大丈夫か?羽飾りは?」
と、クジャクを助け起こすと、必死に変色した羽飾りを探した。
落ちていなかったので、少しだけほっとしたようだった。しかし一刻も早くクジャクの涙を探したい気持ちと、クジャクのそばにいてやりたい気持ちが交差しているのか、苦痛の表情を浮かべて全身を小刻みに震わせていた。
「大五…」
クジャクは弱弱しく微笑んだ。
「クジャク…。やっぱり俺、探しに…。」
最後まで言わせない、と言わんばかりに、白くて長い指が、大五の袖をしっかりと掴んだ。
「クジャク…。」
「私は孔雀明王の化身。災いを滅ぼし、命の平和を願うのが役目…。でも、今だけは…」

「今だけは、そのことを忘れたいの。お願い、大五。忘れさせて…。」
大五も限界だったようだ。あっという間に強い力で抱きしめた。
ダイレンジャーの中でも細身な男のはずたが、信じられないくらいの強さで締め付けてくる。
でも大五の身体は、まだ小刻みに震えていた。「クジャク…クジャク…」とうわ言のように叫びながら、それでも力を緩めることはない。
大五の背中からもあふれるくらいの気力が放出された。少しでも全身いっぱいに受け止めたくて両腕を回すと、ようやく大五の震えも収まったようだった。



81 名前:孔雀大昇天前夜(5) mailto:sage [2007/09/10(月) 00:54:42 ID:wFVSbBn8]

言葉はいらなかった。

 クジャクはシャワーを浴び終えた。
 バスタオルを巻いて浴室を出ると、先にシャワーを浴びた大五がベッドの上でクジャクの羽を握り締めたまま瞑想していた。
「…。」
 気を散らさないように、音を立てないで歩いたつもりだったが、大五はいつの間にか瞑想を止めてクジャクを見つめていた。
 白いバスタオルを巻いたクジャクの白い肌は、バスタオルと一つに溶け込み美しさを際立たせていたが、大五は目に深い悲しみを浮かべたまま表情を変えることはなかった。
 クジャクを見つめたまま、右手に巻いてあるオーラギャザーにゆっくり手をかけると外した。同じように左手のオーラスプラッターも外す。
「大五…。」
 大五は無言のまま、サイドテーブルにオーラギャザーとスプレッダーをクジャクの羽と並べて置いた。



 まず顔のラインを確かめるかのように、そっと指先を走らせた。
 額から始まって、こめかみ、まぶた、頬…。さっき抱きしめられた時の激しさとは違い、その動きは割れ物を扱うかのような繊細さだった。
 そして、口角から顎のラインをたどり、反対側の口角から唇へ指を走らせるとクジャクの軽く開いた口元から舌が覗いた。
 ようやく大五の顔が近づいてきた。
 最初は、軽く唇を合わせるだけだったが、顔の向きを変えると、激しく舌をねじこんた。
 クジャクも弱弱しく舌を絡めるが、さらに激しく密着させるように、奥まで舌を入れてきた。
 右手はいつのまにか、クジャクの胸を包み込むように揉んでいた。親指と人差し指で固くなっている尖端を摘んでとがらせると、クジャクは唇を離して甘い声をあげた。
 呼吸がしにくかったのか荒く息をあげるクジャクの上唇を、軽く合わせるように吸った。

82 名前:孔雀大昇天前夜(6) mailto:sage [2007/09/10(月) 00:55:55 ID:wFVSbBn8]

 まるで唇に記憶として刻ませるかのように、クジャクのボデイラインを這っていった。
 大五の熱い息がかかるたびに、我慢できずに何度か甘い声をあげてしまう。
 感じている顔を見られるのが恥ずかしくて、手で顔を隠すように覆った。
 熱い息が胸元にかかった。
 左手で乳房を持ち上げ、乳輪をなぞるように舌を動かす。
 
 −−−早く舐めて…。
 
 恥ずかしいながらも、そう思わずには入られなかった。
 もちろん口には出さなかったが、願いが通じたのか大五はじらさずに口に含んだ。
「あぁ…」
 たまらず声をあげた。右手が、下腹部を通り越して、一番敏感な所を探し当てたのもある。
 右の胸を強く吸われながら、大五の指が十分に濡れている部分をさらにかき出した。最初は広範囲に指を動かしていたが、一番濡れている壷に指先が触れると、ゆっくりと進入していき上下に動かした。
「あっ…あぁ…」
 これ以上声を出さないようにと、自分の手で口を塞ぐようにしたが、その手の上に重ねるように大五は自分の左手を置いた。
 右手は相変わらず上下に動かしている。
 重ねたクジャクの手を優しく外すと、クジャクは舌を絡めて大五の指先を吸った。

 十分に濡れたことを確認すると、すでに固くなっている自分のモノをあてがった。
 指とは比べられない太さに、クジャクは太腿に力を入れてしまったが、乳首を強く吸われると力を抜いて大五を迎え入れる。
 一気に奥まで入れて、クジャクの表情に苦痛が消えるのを待ってから腰を動かした。
「はぁ…あぁ…大五…。」
 首を絡めるようにして抱きしめていた。息もかなり荒くなっている。
 大五は時折、クジャクの唇を重ね、腰を激しく動かしていった。
 クジャク…、大五…、お互いが名を呼び合っているうちに、すべてを放出した大五はそのままクジャクの肩口に顔をうずめた。

83 名前:孔雀大昇天前夜(7) mailto:sage [2007/09/10(月) 00:57:09 ID:wFVSbBn8]

 自分の内側にも大五の気力を感じ、クジャクは満たされた表情でぼんやりと天井を見つめた。
 それに反し、大五はクジャクの肩口に顔を埋めたまま、嗚咽を我慢するようにしていた。
「クジャク…。すまない…。」
 なぜ自分に詫びるのか、全く理解できなかった。
 
−−−謝らなきゃいけないのは、私の方なのに…
−−−あなたのこと、利用するだけ利用して、本当のこと伝えていないのに…。

 分からないまま、大五の後頭部をやさしくさすった。
「…幻覚を見せようとしたんだ。」
「幻覚?」
 大五は天幻星の名の通り、指先から霧を吹き出し敵に幻覚を見せて攻撃するのを得意としていた。
「幻なら、身体に負担をかけずに満足させることができるんだ。」
「大五…。」
「でも…俺…。やっぱりできなかった。早くクジャクの涙を見つけて助けたいのに…、どうしても我慢できなかった。幻じゃなくて、直に触れたかった。お前を抱きたかった。」
「さっき、瞑想していたのは、幻影を見せようとしたの?」
「あぁ…。」
 最後まで大五は葛藤していた。
 でも、結局クジャクの命よりも、自分の欲望を取ってしまった。
 オーラギャザーとオーラスプレッダーを外したのは、欲望を取ったことの表れだろう。
 二つのアイテムは大五の理性そのものだったのだ。

84 名前:孔雀大昇天前夜(8) mailto:sage [2007/09/10(月) 00:58:28 ID:wFVSbBn8]

 クジャクは上半身を起こした。
 幻じゃなくてよかった、と言ったら大五はどんな顔をするだろう?
 想像すると顔に笑みが浮かんだが、うつぶせになっている大五には見えないようだった。
「…なぜ、あなたの気力と共鳴したのか、私考えてみたの。」
 クジャクの言葉に、大五は顔をあげ仰向けに寝返った。
「赤橙黄緑青藍紫…。虹色の中で、一番真ん中にあるのが緑。だから共鳴したのかと思った…。」
「クジャク…。」
「でも、それなら6000年も待つことなかったと思うの。…仮にあなたが緑色の気力を持たなくても、私はあなたと共鳴したと思う。あなただから、共鳴できたの。」

−−−クジャクの羽を送った時から、あなたに抱きしめられたかったのかもしれない。あなたの腕の中で…。

 クジャクは静かに微笑んだ。
「クジャク…。」
 クジャクの顔が、ゆっくりと下がっていく。
 二人の顔が近づき、大五が目を閉じると、クジャクは唇を重ねた。
 下から全てを受け止めるように、大五も舌を絡めながら、クジャクの身体を抱きしめていた。
 最初で最後のクジャクからのキスだった。

85 名前:孔雀大昇天前夜(9) mailto:sage [2007/09/10(月) 00:59:46 ID:wFVSbBn8]

 夜が明けた。
 結局大五は、自分の部屋に戻らず、穏やかな表情で深い寝息を立てて眠っている。
 クジャクは大五を起こさないようにベッドから出ると、シャワーを浴びた。
 身体の所々に触れると、先ほどまでの熱い愛撫の感触が湧き上がってくる。

−−−大五、ありがとう。女としての喜びまで手に入れることができた私には、もう思い起こすことはない。後はクジャクの涙を見つけてガラの頬の傷を…。

 シャワーを浴び終えると、いつもの赤い戦闘服に着替えた。
 大五には黙って出ていくつもりだった。ここまで連れてきてもらって勝手だとわかっているが、後は自分一人でガラと決着をつける、そう決めていた。
 クジャクが浴室のドアを開けると…。
「大五…。」
 すでに身仕度を終えた大五が、入り口を塞ぐように立っている。
「祠の場所、案内するよ。」
 クジャクが黙って出ようとしたことに気づいているはずだが、そのことには何も触れなかっ
た。その代わりオーラギャザーをつけた手が、クジャクの手をしっかり握る。
「もう、離さない…。」
 低く聞こえないかくらいの小さな声だったがはっきりとクジャクの耳に届いた。大五に腕を引か
れるようにして部屋を出る二人。

−−−大五、ありがとう…。そして、ごめんなさい…。

 クジャクを助けたい一心の大五。
 自分の命よりもガラの傷を直したいクジャク。

 気力は十分過ぎるくらい共鳴しあっているのに、二人の気持ちは最後の羽飾りが落ちるまですれ違ったままだった。

<おわり>

86 名前:前スレ833 mailto:sage [2007/09/10(月) 01:02:16 ID:wFVSbBn8]
以上です。
本当にエロ以前に、文章が書けなくて投げ出したくなりましたが、
>>67さんや、>>68さんの「作文コンクールじゃないんだし、気楽に気楽に 」のおかげで
なんとか完成することができました。

この場をお借りしてどうもありがとうございました。

87 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/09/10(月) 01:34:27 ID:DqvVji7s]
>>86
GJです。
緑孔雀、当時かなり好きでした。
本編を思い出してどうにも泣けてきた…。
エロ部分もよかったです。ありがとう。
本編観たくなってきたなー。

88 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/09/10(月) 12:55:28 ID:pPTtmenY]
>>86
GJ! 自分も前スレ833は気になってたので、投下があって嬉しいです。
ラストの切なさが泣ける。

「〜た」の多用ということですが、現在形を織り交ぜればいいんじゃないで
しょうか。た、る、た、とか、た、る、る、とか、そんな感じ。
書き手スレのまとめサイトとかも参考にしてみては。↑この話題も確か
あったと思う。


しっとりした雰囲気にセンスを感じました。また期待してます!



89 名前:名無しさん@ピンキー [2007/09/10(月) 18:02:30 ID:++bs53tr]
ゴウとレツの近親相姦まだー?

90 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/09/11(火) 08:20:11 ID:2C8oHj1Q]
>>86GJ
切ない感じが良かったですよ。



91 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/09/11(火) 12:33:15 ID:DBVTYVa7]
ひさしぶりに冒険37話の堀西さくら子ちゃんの回を見たけど、
若林マネージャーと同一人物には見えないよなぁ。
でも、アップだと、やっぱり大五だったw

92 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/09/13(木) 16:32:47 ID:/C9TuGfD]
ボウケン黒×黄投下します。

シリアスですがドロドロはありません。

お目汚し失礼しますが、よろしくお願いいたします。

93 名前:ボウケン黒×黄 蛍-01 mailto:sage [2007/09/13(木) 16:33:19 ID:/C9TuGfD]

 唐物屋の女主人からまた古い蔵を整理するとの連絡を受け、菜月と
蒼太が人里離れた屋敷へ向かった。丸一日整理を手伝い、中でも高い
ハザードレベルを示した数点をSGSに寄託することを、女主人は
快諾してくれた。
 唐物屋の屋敷を辞したときには、もう日が暮れていた。

 帰りの車の中は、二人とも上機嫌だった。たまには、こんな楽な
ミッションがあってもいい。
 運転しながら、蒼太が思い出したように言った。

「そうだ、菜月ちゃん、蛍好き? この近くに、蛍が凄く綺麗な場所
 があるんだけど」
「蛍? 見たい見たい!」

 蒼太が山道に車を止め、しばらく歩くとせせらぎが聞こえてきた。
 藪を抜けると──

「うわあ……」

 闇に、黄色く白く、無数の光が点滅していた。見渡す限りの蛍だった。
 遙か上空から見下ろした都会のように見える。空気の澄んだ山頂から
見上げる、満天の星のようにも見える。

94 名前:ボウケン黒×黄 蛍-02 mailto:sage [2007/09/13(木) 16:34:20 ID:/C9TuGfD]

「まるで、宇宙にいるみたい……」
「でしょ? 今時これほど蛍がいる場所って、なかなかないんだよ」
 菜月に喜んで貰えて、蒼太も嬉しそうだった。

「今度、真墨と来るといいよ」
「え……」

 蒼太に言われて、うっとりしていた菜月は我に返った。

「ううん、ダメなの…… 真墨、蛍嫌いなんだよ」
「え、どうして?」
「せっかく闇に慣れた目が狂うからって、前に言ってた」
「そうなんだ。真墨もあれで、結構神経質なとこあるからね」

 間もなく、二人は車へと戻っていった。
 その後の車中で、菜月はちょっと黙りがちだった。

 SGSに帰還しサロンに入ると、もうそこは無人だった。

「じゃ、これ僕が処理しておくから。菜月ちゃん、先帰りなよ」
 蒼太の申し出に、菜月は戸惑う。

「え、駄目だよそんな……」
「でも、チーフも今日は、珍しく早仕舞いしたみたいだし── ねっ」
 そう言って蒼太がウインクしたので、菜月はちょっと赤くなった。

「え、でも、いいの?」
「いいの、どうせすぐ終わるし、今度真墨に奢ってもらうから。じゃ、
 また明日!」
 蒼太の方も、菜月に有無を言わせぬつもりのようだ。暫くの押し問答
の末、菜月は厚意に甘えることにした。

「ありがと、蒼太さん」
 蒼太に礼を言いながら、菜月はサロンを後にした。




95 名前:ボウケン黒×黄 蛍-03 mailto:sage [2007/09/13(木) 16:36:01 ID:/C9TuGfD]

 真墨に拾われてしばらくの間、菜月は暗いところが怖かった。夜の
闇の中で菜月が怖いと震えていると、真墨はただ見えないだけだよと
言って抱きしめてくれた。

『真墨は、見えるの?』
『見えるよ。俺には見えてるから、安心しろ』

 そう言う真墨の腕の中は温かかった。その腕の中で、菜月はよう
やく眠ることができたのだった。

 あの頃の真墨は、菜月にとって全てだった。強くて、優しくて、
何だって知っていて。真墨がいれば、何があったって大丈夫。
 ずっと、そう思っていた。


 今また暗闇の中で、菜月は真墨に抱きしめられている。
 あの時とは違う素肌をぴったり重ね合わせた抱擁は、それだけで
菜月の内に、じわり熱を籠もらせた。

 真墨の顔が、キスを求めるように近づいてくる。菜月はふと、自分
から真墨の口に吸い付いた。

「んんっ……」
 不意を突かれて、真墨が喉声を上げる。

「コラ」

 口を離すと、真墨がちょっと拗ねた。そんな真墨が愛しくて、菜月
は笑顔で見上げた。

「だって、真墨が大好きだもん」

 返事は待たずに、菜月は真墨の股間に顔を埋めた。声にならない
喘ぎが、菜月の耳に届く。

96 名前:ボウケン黒×黄 蛍-04 mailto:sage [2007/09/13(木) 16:37:32 ID:/C9TuGfD]

 唇で、舌で、真墨を弄ぶ。口腔全体に吸い付けると、真墨がびくり
と体を震わせる。

「菜月……」

 熱い吐息で名を呼ばれ、菜月は口を離さずに真墨を見上げた。紅潮
した顔が菜月を切なげに見下ろしている。震える長い睫が綺麗だと、
菜月は思った。

 下部に舌を密着させて奥まで吸い上げると、筋がひくひくと動くの
がわかる。真墨が自分の口に応えてくれるのが嬉しくて、菜月は真墨
を吸い続けた。


 塩の味がしてきた。次第に真墨が菜月の口中で膨張し、全てを咥え
込むと喉奥にまで達して、苦しい。

(ああ、おっきい……)

 口中に収まりきらないものを咥え舐めつくしながら、菜月はうっとり
と目を閉じる。

 欲しい。そう思って、さっきから体の奥がじんじんと熱い。きっと
中はもう蕩けてしまっている。

「真墨…… お願い」

 堪えきれず、口を離して真墨に訴える。

「ん…… 我慢、できないか?」
 真墨が抱き寄せてくれた。真墨は、汗だくだった。

 ベッドに腰掛けている真墨に跨り、真墨のものを濡れそぼった中心に
導いた。
 身を沈めると、満たされた悦びで思わず、頬が緩む。


97 名前:ボウケン黒×黄 蛍-05 mailto:sage [2007/09/13(木) 16:38:21 ID:/C9TuGfD]

「あぁあっ…… は……っ、あんっ、んっ、あぁ……」

 真墨に下から突き上げられて、菜月は恥ずかしげもなく乱れる。

 もっと快びたくて腰が振れる。して欲しくて胸の先端を差し出す
と、真墨が喰らいつき舌でねっとりと愛撫する。その快感に真墨と
繋がったところが、ひくひくと震えた。

 真墨の名を呼びながら、菜月は腕と中で真墨を抱え込む。真墨の
全てを感じていたい。

 真墨を受け入れたい。真墨に受け入れて欲しい。

 突き上げが激しくなってくる。菜月の喘ぎはもはや啜り泣きにも
似て、中は真墨を熱く絡み付き、捉えて離さない。

 堪えきれずに、真墨が喘いだ。

「菜月、イク……」
「来て」

 震える声で囁いた瞬間、菜月の躰が強張った。
 真墨が数度菜月を突き上げ、果てた。

 深い息を吐きながら、二人ともしばらく、繋がったままだった。




98 名前:ボウケン黒×黄 蛍-06 mailto:sage [2007/09/13(木) 16:39:56 ID:/C9TuGfD]

 蛍を見てはしゃぐ菜月に、真墨がぽつりと『蛍は嫌いだ』と言った
のは、いつのことだったろう。ただ覚えているのは、その時の真墨が
とても寂しそうで頼りなげで、それが菜月をとても不安にさせたこと。

 そしてまたそのずっと後、真墨は、蛍は死んだ人の魂が帰って来た
姿だと言った。

 蛍が嫌い。蛍は死んだ人の魂。真墨のその二つの言葉が菜月の中で
はっきりと結びついたのは、ボウケンジャーとなって初めて唐物屋を
訪れた時のことだ。

『お前は大人を盾にした』

 闇のヤイバのその言葉を、真墨は否定しなかった。

 そんなに深い心の傷を抱えながらも、真墨は菜月のことをいつでも
考えてくれていた。菜月はそれに、長い間甘えていた。それが当たり
前だと、ずっと続くことなのだと、菜月は勝手に考えていたのだ。

 真墨が姿を消して初めて、菜月はそれに気が付いた。後悔はしても
しきれない。再会したとき、菜月は必死だった。自分が真墨にして
あげられることをしよう、その一心で真墨に語りかけていた。

 だから、戻ってきてくれて、嬉しかった。
 吹っ切れた真墨が、カッコ良かった。



99 名前:ボウケン黒×黄 蛍-07 mailto:sage [2007/09/13(木) 16:41:31 ID:/C9TuGfD]

 シャワーを浴びて、真墨の隣に横になる。
 菜月はまだ起きていた真墨の顔を覗き込むと、思い切って言った。

「真墨……」
「ん?」
「今度さ、蛍、見に行こ」

 嫌な顔をするかもしれない。でも菜月は真墨の目を正面から見つめ
た。菜月は、本気だからだ。

 しかし真墨は嫌がらなかった。その吸い込まれそうな黒い瞳で、
菜月を穏やかに見つめ返す。

「今日ね、蒼太さんに蛍の綺麗なとこ、教えてもらったの。菜月は、
 真墨と行きたいの」
「菜月……」

 次の言葉を言うとき、菜月はちょっとだけ唇が震えた。

「きっと蛍も、真墨に会いたいよ」

 菜月がそう言うと── 真墨が、ぷっと吹き出した。

「もー、菜月マジメに言ってるのにぃ」
「悪い、だってお前が、真剣な顔でそんなこと言うから……」

 菜月は顔を赤くして抗議する。くっくと笑いながら、真墨が菜月
を力強く抱きしめた。
 しばらくそのまま、真墨は菜月を離さなかった。

「菜月、ありがとな」

 ぽつりと言った真墨の声は、いつもよりよほど優しかった。

100 名前:ボウケン黒×黄 蛍-08 mailto:sage [2007/09/13(木) 16:42:58 ID:/C9TuGfD]

 真墨の腕が緩んだ。微笑いながら菜月の顔を覗き込んで、言った。

「じゃ行くか。お前と一緒に、蛍見に」
「ホント? 嬉しい!」
「問題は、いつ休みがとれるかってことだよな」
「もー、それって行かないって言ってるのと、一緒だよぉ」
「ちょ、そんなこと言ってねえよ」
「じゃあ明日行こ! ね、決まり!」
「明日ぁ? お前、それいくらなんでも……」

 それ以上、菜月は真墨に言わせなかった。深い深いキスで口を塞ぐ。
 真墨は、降参してくれた。


 間もなく真墨が、先に寝てしまった。

 すぐ横で目を閉じた真墨の顔が見える。
 菜月はちょっとだけ、寝付けなかった。

「真墨……」

 これで良かったのかどうか分からないけど。菜月がいるから。
 菜月が護ってあげるから。

 心の中でそう誓って、菜月は閉じた真墨の瞼にそっとキスを落とした。

 夜はもう遅かった。真墨の寝息を聞いているうち、菜月もいつの間にか、
眠ってしまっていた。

<終>



101 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/09/13(木) 18:12:38 ID:GW2vPnsa]
>>92-100
冒険黒黄、GJ!です!
相変わらず、この二人は、可愛く仲良しな感じが良いな!
真墨の強引になりきれない所が、真墨らしくて良かった!
リードする、菜月も、ケナ可愛だ。

102 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/09/13(木) 18:59:20 ID:3Krx9bgb]
>>92-100
超GJです!
二人の余裕のない感じとお互いが心の支えになっているのが、
伝わってきてすごく良かったです。
すばらしい萌えと感動をどうもありがとうございました(´∀`*)

103 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/09/13(木) 19:36:46 ID:XhXCWDhi]
黒黄GJ!
ほんとにかわいいんだよなー、この二人。
>>98のくだりは本編を思い出してちょっとほろっときました。
ありがとう、楽しませてもらいました。そして蒼太もGJですw

104 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/09/14(金) 02:21:51 ID:50NNEGfD]
GJGJ!
とてもらしい、かわいい2人をありがとう!

105 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/09/15(土) 00:52:42 ID:IQf4SsQn]
久しぶりの冒険黒黄GJ!二人の感じが出てますねー。

106 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/09/15(土) 17:36:03 ID:ntOCVRcy]
光青桃書きです。
>>12-18の続きを投下します。

お好みでない方は、光青桃「Purple Butterfly」でNG登録をお願いいたします。


107 名前:光青桃「Purple Butterfly」 mailto:sage [2007/09/15(土) 17:37:28 ID:ntOCVRcy]
ここが世界の真ん中だ。
モモコの胸に耳を寄せ、心臓の音を聞きながら、アキラは思う。
規則正しい、でも結構早い?その鼓動が表す意味に、笑いを隠せない。

「…何笑ってんの」
不満そうに、恥ずかしそうに抗議するモモコ。
こんな声を聞くと益々からかいたくなるのは、ガキの証拠だろうか。

暗闇の中で見失なってしまわないように、アキラは手を伸ばす。
「きゃっ!」
柔らかく触れたのが何処かは分からないが、モモコは敏感に反応して身を引いた。
「何で逃げるんだよ」
「変なことしたら蹴る!」
「……。」
変なこと。どんなこと?
少なくとも合意の上なんだから、知識の上で知ってるのはすべて自然なことに過ぎないはずだ。

アキラは再確認する。
手順。呼吸。空間。
でもきっと、じきにそんなもの吹っ飛んでしまうということは目に見えていて。
時間を稼ぐかのように、何度ももそもそと身体の位置を動かし続けるモモコの上に、体重をかけた。
その表情を知ることは出来ないが、大丈夫。
しばらくすれば、暗闇でも目は見える。手探りも、始まってしまえばすぐ慣れる。そんな、時間が味方する感覚が後押しした。

押し返すように肩に触れていた手を、自分の首の後ろに回すよう促して、アキラは再びキスをする。
軽く啄ばんで何度も噛みつき、モモコの心のドアを叩いて。
味わうように唇の表面に舌を這わせると、モモコの身体が一瞬訝しげに強張った。
「…舌、出して」
自らの心臓はバクバクと、今にも破裂せんばかりに激しく脈打っているのに、出て来る声が冷静なことにアキラは驚く。
髪に指を埋めると、やっとモモコの身体から力が抜けて行って、薄く唇が開いた。
ゆっくりと舌を差し入れてみる。そこはあたたかで、不思議な世界。
モモコは素直に身を任せていたが、やがて普段の好奇心の強さの表れか、アキラの真似をするように舌を絡めて来た。
拙いながら、お互いを高め合う口づけはいつしか激しさを増し、呼吸すらも忘れさせる。
艶めかしい音が室内に、耳の奥に響いて、知らず知らずのうちに興奮が二人の背中を駆け上がった。


108 名前:光青桃「Purple Butterfly」 mailto:sage [2007/09/15(土) 17:38:42 ID:ntOCVRcy]
ずっとそうしていたいような、もっと求め合いたいような、どっちつかずの感覚。
アキラは唇を、そのまま肩に続くラインへと寄せる。
舌で触れると、モモコは身を捩った。
逃がさないように、押さえ込んだ身体に力を込める。
「んん…」
これ以上くすぐったがるまいと頑張っているのか、モモコが小さく声を洩らす。
「アキラ、遊んでるでしょ…」

遊んでません。
そう答える代わりに、タンクトップの上から胸に触れた。
「ちょっと…!」
抗議なんか、勿論聞けるはずもなく。
控え目と言うか慎ましいと言うか、掌に容易に収まってしまう胸。
多分自分にぴったりなサイズってことだと、アキラは妙な独占欲を燃え上がらせる。
それが、一気に大胆な行動を取らせた。

「きゃあぁっ」
裾を持ち上げ、その下に隠れていた胸を露にする。
いつの間にか闇に慣れていた目が、しっかりとその綺麗な形を、先端の可愛い色づきを捉えていた。
抵抗出来ないようにモモコの腕を押さえ、吸い寄せられるように小さな突起を口に含む。
舌で転がすうちにそれは形を変えて、触れられるのを待つようにくっきりとした輪郭を浮かび上がらせた。
「…いやぁ…」
切なげな溜息に、ゾクゾクする。
この世の中に、こんなにも柔らかな感触があったなんて。
アキラは反対側の胸の質感を、掌で味わう。先端は既にぴんと張って、そこに触れる度に強く反応するモモコに、密かにポイントを学んで。
「こう?」
片方を吸い、もう片方は指で摘むようにして聞くと、モモコは苦しげに呼吸をしながら首を振る。
まるで、一番の秘密をひた隠しにするかのように。
「隠せてないから」
苦笑して、アキラは更にその行為に夢中になる。
やがて、最後にして最大の秘密の部分へ、ゆっくりと進み出した。
「!?」
ボトムの上から触れただけなのに、モモコは怖がるように身体を震わせる。

アキラの感覚一つ一つが、面白いほどに冴え渡っていた。
触れた指先だけで、自分もこんなにも感じている。
それを裏付けるかのように、既にこれ以上ないほどに熱く勃ち上がっている自分自身。
頭がふわふわする。血液が足りていないのか、それともモモコに酔わされているのか…。
このまま倒れて死んで行けるなら、それはそれで男冥利に尽きるかも知れない。
まだこんなに若いのに。こんなこと分かるなんて変なの、と、可笑しくなってしまう。


109 名前:光青桃「Purple Butterfly」 mailto:sage [2007/09/15(土) 17:40:03 ID:ntOCVRcy]
ゆっくり、は、次第にままならなくなる。
全て剥がして、脱がせてしまいたい。
込み上げる情動を抑えきれなくて、意識を払う間もなく手が動いた。
「アキ…ラ、…んっ…」
この後に及んで、拒否なんかさせない。素早く唇を重ねたら、モモコは素直に受け入れてくれた。

――形としての抵抗、なのかな。
そう言えば、モモコも初めてだと言っていた。
だからきっと、アキラの一挙手一投足に声を上げるのは、彼女にとって必要な覚悟の儀式に違いない。
でも、本気でそれを言われるのは怖いから、キスをやめることが出来ない。
「は…ぅ、ん…」
モモコの手の中で遊ぶ、アキラの髪。掬われては散る、柔らかな情事の証。
モモコの下半身を覆う布に、そっと手をかける。
ボトムは足に引っかかって上手く下ろせず、膝の辺りで無理矢理引っ張って取り除いた。
スマートになんて無理だ。
分かっていたのに、まだ何処かでかっこよくあろうとするから、余計に縺れてしまう。

「わ…」
ふくらはぎや膝の裏側の感触のなめらかさに、思わず感嘆の声を洩らす。
こんな清らかさを、アキラは知らない。自分にはないものだから。
楽しみながら掌を這わせていたら、行き着いたのは腿の内側。
モモコを隠す、最後の布地。意識した途端に、アキラの本能が目覚めた。
「ぇ、え…?」
モモコの混乱。そのまま拒む間も与えず、一気にショーツを引き下ろす。
どういう訳か、今度はかなり上手く出来た。それがアキラの自信になって、大胆不敵な行動を促す。
軽く開かせた状態の足の間に膝を捻じ込み、唇を臍の辺りに寄せる。

「や…だ。やだ、アキラ…!」

多分モモコも、それが何処へ向かおうとしているかが分かっているのだろう。
情報ばかりが蔓延している世の中だから、人の心は後回しになる。こういうことも、その典型と言えるのかも知れない。


110 名前:光青桃「Purple Butterfly」 mailto:sage [2007/09/15(土) 17:41:30 ID:ntOCVRcy]
恥ずかしくて苦しい。
自分だけこんな恰好にされることに、納得出来ないモモコ。
でも、アキラはもう立ち止まってはくれない。それでもいいと言ったのは、確かに自分。

「あの。」
「…え?」
不満げな声に、モモコはいつの間にか閉じていたらしい瞳を開く。
「何なのさ、この手は?」
アキラの動きを拒むように、鬱血するほど強く彼を掴んだ手。
無意識に篭る力は、悪気などないだけに、より場を張り詰めさせている。
慌てて手を離したが、謝るのも何だか癪で、モモコは黙り込む。
気まずさが広がりかけた、次の瞬間。

「…ふ、ふは、あはははっ…!!」

モモコの身体が、まな板の上の魚のように跳ね上がった。
アキラが細い脇腹に手を伸ばし、思いっきりくすぐったからだ。
とめどない笑い声。
それはお互いの、最後のわだかまりを吹き飛ばして行く風のようで。

アキラは真上からモモコを見据え、言う。
「怖くないから」
「怖くない訳ないでしょっ」
反射的に事実を口にして、モモコは潤んだ目元を押さえた。笑ったせいだけじゃない、ちょっとチクリと痛む胸の奥。

受け入れる側と、挑んで行く側。根本的な違いがある以上、恐怖心は抗いがたく存在する。
そしてやっと、その訳がモモコ自身にも分かった。

これまで生きてきた自分と、別れなければならない瞬間だからなのだ、と。

モモコは起き上がり、思いきってアキラに手を伸ばすと、着ていたシャツを素早く脱がせた。
「…うぁ?」
「足上げて」
呆然とする彼には目もくれず、一心不乱に身につけているものを捨て去りにかかる。

初めて目にする、男の下着姿。その中が想像すらしたことのない事態になっていることにはさすがに気がついたが、そんなことで止まってはいられない。

はだかんぼ。綺麗に身包み剥がされた状態のアキラは、何が起こったのか全くわからないという風に座り込んでいた。
やがて、モモコに静かな笑みが広がって、そんな彼を強く抱きしめる。




111 名前:光青桃「Purple Butterfly」 mailto:sage [2007/09/15(土) 17:42:28 ID:ntOCVRcy]
アキラの身体は、自分とは比べ物にならないくらい熱かった。
一瞬その異質さに驚いたが、肌と肌がぴったりくっつき合う、気の遠くなりそうな心地好さが勝る。
「…やっと、落ち着いた」
自分自身に知らせるように、モモコが呟くと。
「俺だって、超ドキドキだよ?でもモモコに触れて嬉しいから、怖くなんかないからね」
アキラは言い切って、ぎゅっと抱きしめ返してきた。
それはどんな意地なのか、情熱なのか。
きっと自分にだけに捧げられる気持ちだということは伝わってきて、モモコは言い知れぬ歓びを噛み締める。

――あぁ、そうか。これが、「愛してる」ってことだ。

「…アキラがしたいなら、いいよ」
「そんなのやだ。俺だけの我侭になるなんてやだよ」
本当は、とっくに全部奪ってしまいたいのに。
そんなことは出来ない、したくないと思ってしまうのは、とても大事だから。
「大丈夫。あたしの我侭でも…あるもの」
触れて欲しくて、言葉には出来なくて。
結局同じものを抱えてる二人が重なり合うことは、とても自然なこと。
「なら、やめないよ?」
最後の猶予を与えたアキラに、モモコはキスでOKを伝えた。

再びゆっくりと押し倒され、止まないキスの雨。
触れてくる指先に、もう怖さは感じなかった。

「あ…」
自分でもよく知らない部分に、他人が触れるなんて。
許せるような、許せないような微妙な感覚は、相手がアキラだからこその反比例。

「モモコ…感想、聞きたい?」
「言わなくていいから」
どうせ、何と答えたらいいか分からないくらい、素直に卑猥なことを言うんだろう。
そんなこと知らされるまでもなく、自らの身体と感覚の変化で分かっているから、モモコは即座に拒否をした。

「んんっ…」
少し上のあたりに、一番敏感な部分があった。アキラは素早く見つけ出して、容赦なく摘み、転がしてくる。
「あぁ、あ…ん」
指がくるくると滑らせるように動くと、モモコは全身の毛穴が開いて目を覚ますかのような、寒気にも似た心地好さを感じた。
先が見えない不安と、柔らかく甘い刺激。それが人の言う「気持ちいい」ということだと分かった時、初めて力が抜ける。
溢れ出る声は、自分のものとは到底認めたくない。けれど、そう悪いものではないのかもしれない。
だって、アキラが歓んでいるから。
その分、情熱を籠めてモモコに触れてくるから、拒めるはずなんてない。


112 名前:光青桃「Purple Butterfly」 mailto:sage [2007/09/15(土) 17:44:05 ID:ntOCVRcy]
やがて、少し下に指が滑って行ったかと思ったら、熱いものが潜り込んできて、思わず腰に力が篭る。
「ふぁ…」
小さく混乱の声を出して、アキラを見て。
「すっごい狭い…」
言うな。抗議しようとしたら、その指先は思いもかけない動きを見せた。
くるりと回る。内壁を解すように引っ掻いて、くすぐって来る。

「ぅん、や…」
入り口のあたりを、痛みとの微妙な境界で震わされるのが堪らなくて、モモコは静かに声を上げた。
自分の感覚が何処にあるのか分からなくて、胸元で手を組む。
アキラはそれを跳ね除けて、ひっそりと揺れる胸の先端を口に含んだ。
「あ、ぁん…ん…」
頭の芯がぼんやりしてくる。
真綿のような快楽で包まれた理性が、こんなはずじゃないと警鐘を鳴らし続けているが、もう構ってなどいられない。
侵食されていく意識。
それでも何処かで負けまいと踏ん張っていたが、アキラのキスが、その最後の鎖を引きちぎる。
「あ…ふ、あぁんっ…」
見えない何かに、強引に天上へ押し上げられるようだった。背を反らせた途端、モモコは見知らぬ世界へ招かれる。
浮かび上がる感覚。けれど現実には、背中はベッドについたまま。
何?なんで?あたし今、何処に…?

「モモコ…ヤバ過ぎ」
自らの早すぎる鼓動と、乱れた呼吸の意味が分からないまま、モモコは大きく足を開かされる。
どうしてだろう。力が入らず、膝が笑っている。
恥ずかしさすらも置き去りに出来てしまうほど、もう完全にアキラの掌で踊らされていた。

「!?」
痺れるように甘い感覚を湛えていたその部分に、抗いようもない痛みを感じて、モモコは眉を顰める。
「ちょっと痛くなる、かも…」
アキラは呟くが、既にちょっとどころではないのだった。
身体を輪に例えたら、ちょうど真空状態になった中心に、目の覚めるような痛みの元がある。
裂かれるような、無理に押し入られるような、本能的な危機感。
無意識に逃げかけた腰を掴まれる。顔を上げると、片腕で抱きしめられた。
身長の割に筋肉質で、引き締まったその身体。
頬で胸の厚みを味わっていたら、ごめん。という小さな詫び声を聞いた。


113 名前:光青桃「Purple Butterfly」 mailto:sage [2007/09/15(土) 17:45:26 ID:ntOCVRcy]
やがて、これ以上ないほどの苦しみの瞬間が訪れて、モモコは歯を喰いしばるだけでは間に合わず、唇の隙間から低い悲鳴を逃がす。
力加減を失った苦悩でアキラの肩に縋りつき、唸りながらも必死に耐えて耐えて、耐え忍んだら。
「入ったぁ…」
吐息と共に呟いたアキラの全身は、汗でびっしょりになっていた。

…男の人も、こんなに苦しいんだ。
痛いのは女ばかりだと思い込んでいたから、モモコは不思議なものを見るように彼を見上げる。
追い討ちをかけるように切なげな溜息が聞こえて、髪を掬い上げる掌に耳をくすぐられて。
「どんな感じ?」
「…痛い」
「あ、そぅ…」
でもこれも甘美なものだと、不思議にモモコはうっとりと実感しているのだった。
努力の余韻か、それとも何かに耐えているのか、段々と荒くなるアキラの呼吸にジレンマを感じ取る。
…痛いって言ったから、我慢してるのかな。
真上からすっぽりと抱え込まれながら、いつもと違う目線を楽しんでいたら、少し余裕を持てるようになった。

「アキラ…好きにして?」
声をかけたら、申し訳なさそうに、恥ずかしそうに顔を歪めて笑うアキラを見たような気がした。
そしてその身体が、静かに動き始める。
甘く苦しげな呼吸。引き出されるのは、地の底を這うような苦しみ。
「う…っん、あぁ…!」
異物感がモモコの身体を容赦なく追い詰め、痛めつけるように打ち込まれた。
息をしようとすると突かれる。そのリズムで、酸欠を起こしてしまいそうになる。


114 名前:光青桃「Purple Butterfly」 mailto:sage [2007/09/15(土) 17:46:15 ID:ntOCVRcy]
が、張り詰めた感覚の向こうから、静かにやって来たものを得た時、モモコの身体に変化が起きた。

それは、少しだけさっき感じたものと似ていた。
苦しさの奥の方で始まる、柔らかな感じ。くすぐったくて優しい、心地好い感覚。
「は、ぁ…ん、あぁ、あん…」
夢中で吐き出す声はとめどなく、苦痛を快感へと変えて行く。

「痛い?」
「…だいじょ…、んっ、ああぁ…!」
知らなかったことは、こんなにも大きく凄いことだった。
だから人は抱き合うんだと、生命の謎すら解けたような気がした。
「アキラ…」
名前を呼んだら、誰よりも愛しいその人の唇で塞がれる。
声を出せないほど激しく絡む舌に、想いまで閉じ込められそうに思えて、爆発しそうな感情が興奮へと変換される。

零れ落ちる汗は、一体どちらのものだろう。
アキラの、この熱い体温と同じになって、このまま溶けてしまいたい。
そう思って腕に力を籠めた時、アキラの動きが早まった。

「ん…ん、ふ、っぁ…」
絶対にキスだけはやめない。
そんな意地にも似たアキラの想いの結晶が届いた時、モモコもまた、重く愛しい快感に全身を支配されて、痺れる身体をいっぱいに揺らしていた。


115 名前:光青桃「Purple Butterfly」 mailto:sage [2007/09/15(土) 17:46:48 ID:ntOCVRcy]
嵐の真ん中にいたみたい。
アキラの腕に頭を乗せ、引き寄せられながら、モモコは思う。
苦しかったはずなのに、いざ風に乗れたら、その中はうんと爽快で。

ちょんちょんとアキラの指先が、モモコの二の腕をつつく。
それは頬を通り、鼻を掠めて首に落ち、やがて胸元をまさぐり始めた。

ごちん。
「どうしたの?」
軽く拳を差し上げてから、一応聞いてみる。
「もぅ、聞くなら殴る前に聞いてよ」
大して痛くもないはずなのに、大袈裟な仕種でアキラは抗議した。
面白がって触っていた風な指先は段々と愛撫の様相を呈していて、モモコは思わず感じそうになる自分を押し殺した。
さっき覚えたばかりなのに、ずっと前から知ってたことみたいに覚えてる、身体って不気味だ。

「あのねモモコ。…もう一回、しよ?」
なんとまぁ、元気と言うか、現金と言うか。
「…いいよ」
でも、返していたのは肯定の3文字。
始めはキスからというのを譲りたくなくてアキラの頬を包んだら、当然だと言うようにその唇が重なってきた。

自分が、昨日までとどう違うかは、明日になってみなければ分からない。
でもアキラとの関係は、多分何も変わっていないだろう。
同じように笑って喧嘩して、戦って、そして、愛し合うだけだ。
それは、心で想い合うことの延長線上にあった、自然な行為で得た答え。

どう伝えたらいいか言葉を探して、モモコはやっと知ったような気がした。
アキラがくれた、無敵の言葉。
だからそれを返す、この夜と彼に感謝して。

「…大好きよ、アキラ」

きっとこれからも、ずっと。


<終>


116 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/09/15(土) 18:38:21 ID:pBmZqAQe]
最高

117 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/09/15(土) 22:59:37 ID:njNIXd5J]
>>106
G!J!
マスクマンのOPが脳内に自動再生。

>遊んでません。
アキラの↑心の声が地味にツボった。

118 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/09/16(日) 03:06:59 ID:VG0ox17K]
エロス

こういうねちっこい表現は久し振りだ
大変美味しゅうございました

119 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/09/16(日) 21:54:07 ID:eRLXKPqA]
光青桃良いよー!大好きだ!
初めて感が凄くイイ(・∀・)!!

120 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/09/17(月) 12:46:07 ID:CLtuVviX]
女の子に優しいケンがランにやさしくするシーン早くこないかな



121 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/09/17(月) 18:03:17 ID:k5TlRl9N]
>>106
GJ!二人とも初々しくてケナカワユス。
マスクは映画版しかみられないので馴染みが薄かったけど、気になるカプの一つになった。
早くあの頃の作品が全部DVDになるといいねぇ。

122 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/09/20(木) 19:48:29 ID:xJGIOd0c]
ボウケン黒×黄、>>93-100の続編を投下します。
シリアス、純愛系、エロあり の内容です。
お目汚し失礼しますが、よろしくお願いします。

123 名前:ボウケン黒×黄 聖母の涙-01 mailto:sage [2007/09/20(木) 19:49:42 ID:xJGIOd0c]
 菜月がまた唐物屋の女主人から連絡を受けたのは、もうすっか
り寒くなった頃のことだった。

「で、なんだって?」
「あのね、菜月に是非見せたいものがあるんだって。それで、
 それはプレシャスだから、菜月に見せてくれた後はSGSに
 持って行ってもいいって」
「へえ。どんな?」
「おばあちゃんは、内緒だって言ってた」

 その日一日外出をしていた真墨に、菜月は真墨の部屋で報告
していた。同じ仕事をしていると、どうしてもプライベートとの
切り離しは難しい。

「だから、真墨、一緒にいこ」
「コラ。そういうことは、思いつきで決めるんじゃない。
 仕事なんだぞ」
 無邪気に言う菜月に、真墨がちょっと厳しい顔で諭す。

「だって、おばあちゃんは今度の金曜日の、夜来てくれって」
「夜?」
「うん、その日の夜でないと見せられないからって。ね、いい
 でしょ。車だったらおばあちゃんちまで一時間くらいで行けるし、
 お仕事終わってから、二人でいこ」

 結局、その件では真墨が押し切られてしまった。
 半分仕事とはいえ二人で出かけるのは、夏に蛍を見に行って
以来、久しぶりだ。
 そうと決まって、菜月はちょっと嬉しかった。




124 名前:ボウケン黒×黄 聖母の涙-01 mailto:sage [2007/09/20(木) 19:50:41 ID:xJGIOd0c]

 電気を落とした部屋の中で、菜月は真墨に口を吸われた。
 舌が口中に這い込み、その温かく湿った愛撫が嬉しくて、菜月
も真墨に応えていく。

 角度を変え、唇を嬲り舌を絡め、その間にも真墨の掌が菜月の
躰を愛しげに撫でていく。菜月も真墨の躰に腕を廻し、素肌を
密着させるように抱きしめた。

「んっ、ん……っ、んん……」

 真墨の舌を味わい唾液を呑み下しながら、菜月は焦れていく。
 躰の奥が熱い。

 もっとイイことして。ねだるように腰をくねらすと、我慢しろ
とばかりに押さえつけられた。

「ますみぃ……」

 キスの合間に切なく呼びかけ、目で訴える。でも真墨は微笑っ
て、まだまだというように首を振った。

(もう……)

 それならと足の間に顔を埋めようとしたが、ひょいと体をかわ
されて、気が付けば真墨の下に組み敷かれていた。力は菜月の方
が強いのだが、体術ではまだ真墨に敵わない。

 押さえ込まれて、また口を吸われた。闇の中に口吻の水音が
いやらしく響き、それがまた菜月を昂ぶらせてしまう。

 頭がぼんやりする。下半身がじんじんと疼く。
 胸の先端がひどく敏感になり、真墨と触れているだけで菜月を
震わせた。もっと欲しくて胸を真墨に擦りつけると、真墨が喉奥
で笑っていた。

 いじわる。
 そう思って抵抗しようとしたが、腹に力を入れると体液がとろ
りと中を垂れ、その感触に痺れ、力は抜けてしまった。

 息が苦しい。切なくて切なくて涙が睫を濡らす頃、ようやく
真墨が口を離した。


125 名前:ボウケン黒×黄 聖母の涙-03 mailto:sage [2007/09/20(木) 19:51:32 ID:xJGIOd0c]

「菜月、顔真っ赤」
「…… わかってるもん」

 ぷっと膨れると、また真墨が笑った。

 真墨の指が菜月の中心を探ると、もうそこは音の立つほど濡れ
ていた。
 エロいな、と耳元で囁かれ、ひどく恥ずかしいのにまた感じて
しまい、びくりと躰が震えた。

「あん」

 真墨の指に犯され、思わず声が上がる。焦らされていた菜月の
中は真墨を歓迎し、奥へ奥へと導き入れるように蠢いた。指の
異物感と反応してしまう自分自身に責められて、菜月は喘ぎ、
真墨に縋りつく。

 真墨が菜月の腕をほどき、顔を足の間に埋めた。膨張しヒク
ヒクしているところに舌を当てられ、菜月は跳ね上がる。

 外は舌で捏ねられて、中は凄いところを擦られる。その快楽に
全身がカクカクと震える。声が止まらない。達する度にこぽりと溢れ

る体液を真墨が舐め吸い取るのが、恥ずかしい。

 不意に、舌も指も離された。真墨に口付けられ、自分の味を
味わわされる。下腹部に固いモノが当たり、口を繋げたまま
菜月が夢中で真墨の股間を探ると、それは既に膨張し反り返って
いた。期待に子宮がきりきりと悶える。

「おねがい」

 囁くと、真墨のそれがぴくりと動いた。
 真墨が体を起こす。
 中心に当てられ、奥までずぶりと、刺された。

「はう……っ」

 汗だくの真墨が覆い被さり、腰を激しく動かしてくる。
 菜月は真墨に足を絡め腰を動かし、躰の最奥で真墨を感じよう
とした。菜月の中は真墨を咥え込み、突き上げられる度に体液を
溢れさせ、ねっとりと包み込む。軽く達するほどに温かく、
柔らかく、真墨に纏わりついた。

 菜月の中も外も細かく震える。息が付けないほど荒くなる。

(あああ……)
 ぎゅっと閉じた目に、チラチラと光が飛ぶのが見える。
 くらくらする頭の隅で、夏に真墨と見た蛍のようだと思った。

「ますみっ」

 悲鳴にも似た声が上がる。真墨が痛いほど菜月を抱きしめ、
中でビクビクと震えた。
 じわり温かい液体が、二人の繋がりから、とろりと垂れた。




126 名前:ボウケン黒×黄 聖母の涙-04 mailto:sage [2007/09/20(木) 19:52:28 ID:xJGIOd0c]

 数日後。菜月は真墨と、唐物屋の屋敷を訪れた。言われた通り日が

暮れてからの訪問だった。

 車を止めた場所からさらに山道を上がり、屋敷の門をくぐる。
 女主人は、二人を歓迎してくれた。

「ねえ、菜月に見せてくれるものって、なあに?」
 菜月が尋ねると、女主人は次の間に置いてあった木箱を取って
きた。

「これよ。昔のつてで手に入れたの。菜月ちゃんに是非見せて
 あげたいと思って」
「え、わざわざ、菜月のために?」
「それ、SGSで持ってっちゃって、いいんですか?」
 二人の質問に、女主人は笑顔で答えた。

「いいのよ。私にとって菜月ちゃんは、孫のようなもんなんだ
 から」
 そう言いながら彼女は木箱を開けた。

 中には、純白に輝く玉が入っていた。

「これ、なあに?」
「『聖母の涙』っていうの。これに触れるとね…… もう亡く
 なってしまったけど自分のことを慈しんでくれた人の姿が、
 見えるのよ。例えば、お父さんとか、お母さんとか」
「え……」

 菜月は、女主人を丸い目で見つめた。

 彼女に、自分の生い立ちは話してあった。一瞬だけ見えた両親
の姿のこと、もう見ることは出来ないけどちゃんとその顔を覚え
たこと、そんなことも、話してあった。

 ただ、それでももう一度、両親の顔を見たかった。
 その気持ちは話さなかったはずなのに……

 菜月の様子に、女主人は少し心配そうに言った。
「菜月ちゃん。もしいいって言うなら、このまま持って帰って
 くれても……」
「ううん、そんなことないよ、菜月、嬉しい」
 菜月は、慌ててにっこり笑った。

「ただし、これも一回だけなの。それでもいい?」
「うん…… おばあちゃん、ありがとう」

 両親の姿を見られるのは一回だけ。

 でもそれよりも、自分のことをそこまで考えてくれる彼女の
ことが、菜月には嬉しかった。
 自分にそういう人がいることが、本当に本当に、泣きそうな
くらい、嬉しかったのだ。



127 名前:ボウケン黒×黄 聖母の涙-05 mailto:sage [2007/09/20(木) 19:53:54 ID:xJGIOd0c]

 このプレシャスは、新月の晩に使えるということだった。彼女
が訪問を夜に指定してきたのは、そのためだ。

 庭に出て、女主人がプレシャスを台の上に置く。

「ほら、菜月ちゃん」

 彼女に促され、菜月がおそるおそる、プレシャスに触れた。

「あ……」

『聖母の涙』が光る。その光に浮かぶ二人の男女が、菜月に
微笑みかけていた。

(お父さん…… お母さん……)

 十万年の時を経てなお、両親の想いが自分に寄せられている
のだ、そう思うと菜月は少し泣きそうになったが、なんとか
堪えて微笑んだ。

 菜月は幸せです。菜月を産んでくれてありがとう。その気持ち
が少しでも伝わるように。

 やがて光が弱まってきた。両親の姿も、少しずつ薄くなって
いく。
 菜月が思わず手を伸ばして二人に触れようとしたとき、ふと、
消えた。

「菜月」

 しばらくして、真墨がぽんと肩を叩いてくれた。良かったな、
とその手が言っていた。菜月は頷くのが、精一杯だった。
 唐物屋の女主人も、涙ぐみながら微笑み、頷いている。

「じゃ、回収するか」

 そう言って真墨が『聖母の涙』に触れた瞬間。

 突然、目が眩むばかりの光が放たれ、真墨を包んだ。

「えっ?」
「何?」
「まあ……」


128 名前:ボウケン黒×黄 聖母の涙-06 mailto:sage [2007/09/20(木) 19:54:35 ID:xJGIOd0c]

 光は周囲を煌々と照らす。辺りは昼のように明るくなり、その
天まで届かんばかりの光の中に、何人もの人影が浮かんできた。

 男達だった。

 日に焼けて厳つい体つき、顔に傷跡のある者、無精髭を生や
している者、ぼさぼさと伸ばした髪を無骨に束ねている者。

(あっ……!)

 思い当たった菜月は、はっと真墨の方を見た。

 真墨は、立ちつくしていた。

 男達は代わる代わる真墨に近づき、一見乱暴そうに、しかし
親しみを込めて真墨の肩を、頭を小突いている。皆その目に
優しい微笑みを浮かべているのが、菜月にも見える。

 次々と現れては消え、消えては現れるその男達を、真墨は
食い入るように見つめている。口元が少し動いているのは、
何かを呟いているのだろう。

 やがて菜月の時と同じように、光が弱まってきた。
 男達もそれを察し、真墨に向かって軽く手を振り、一人、
また一人、消えていった。

 光が消えた。人影が消えた。
 また、元の闇に戻った。

 しばらく、皆、口をきかなかった。


 沈黙を破ったのは、真墨だった。

『聖母の涙』をボックスに入れる。脇に抱えると、言った。
「唐物屋さん、プレシャスの回収に御協力していただき、
 ありがとうございました」
 一礼して、真墨はすたすたと歩き出した。

「真墨……!」
 菜月は少し慌てて、女主人の方を見た。
 彼女は柔らかい微笑みを浮かべ、頷いた。

「菜月ちゃん、行っておあげなさい」
「…… うん、ありがとう。おばあちゃん、また遊びに来るね」
「またいつでも、いらっしゃい」
 女主人に手を振り、菜月は真墨の後を追いかけた。



129 名前:ボウケン黒×黄 聖母の涙-07 mailto:sage [2007/09/20(木) 19:55:35 ID:xJGIOd0c]

「真墨、待ってよ」

 真墨の足はいつもよりよほど早く、菜月は夜の山道を転げる
ように走らなくてはならなかった。
 しかしもう少しで追いつきそうになった時、突然真墨が立ち
止まり、菜月は真墨の背中にぶつかってしまった。

 そのまま、菜月は真墨の体に腕を回した。

「真墨……」

 呼びかけてみたが返事はない。
 菜月は少し不安になり、真墨がどこにも行ってしまわない
ように、より力を込めて抱きしめる。

 あの光景が何を意味しているのか、菜月にもわかった。


 あの時、真墨は大人を盾にしたかもしれない。
 でも大人も、真墨の盾になってくれたのだ。

 真墨はあの人達に愛されていた。
 それが、本当のことだったのだ。


 菜月がなおも抱きしめていると、真墨の体がわずかに震えた。
 菜月は咄嗟に腕を放し、真墨の前に回り込む。覗き込むと、
真墨の見開いたままの黒い目から、涙がぼろぼろと零れ落ちて
いた。

「真墨」

 菜月の呼びかけに、堪えかねたかのように、真墨がぎゅっと、
目を閉じた。


 冬の、満天の星空の下。伊能真墨が声をあげて泣いている。
 菜月はそんな真墨を、いつもまでも抱きとめ、支えていた。

<終わり>

130 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/09/20(木) 20:09:52 ID:v1bmRXNo]
エロ場面が唐突過ぎて戸惑う



131 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/09/20(木) 20:58:32 ID:+R9yKbtJ]
>>122-129
GJ!何か、この二人を見ていると、ほのぼの幸せな気持ちになる。
良い話をありがとう!
自分的に、エロスレだから、エロ突入部分を唐突とは思わなかった。

132 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/09/21(金) 07:37:14 ID:iUkZpClR]
>>131
エロ突入前と突入後に、なにかワンクッション欲しかった。
この話だとなくても話の筋は通るし、
個人的にはエロに入る必然みたいなものが要る気がする。
エロ具合は文句ないから、尚更。

133 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/09/21(金) 08:36:48 ID:OM+WBJgu]
>>122
>>123
GJ!
自分はそんなに唐突とは思わなかったよ。
折り鶴の忍者は好きな話だったので、セツナスでした

134 名前:名無しさん@ピンキー [2007/09/26(水) 03:06:27 ID:D1cJxdmy]
投下待ちage。

135 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/09/28(金) 13:36:37 ID:MKS1web3]
前スレでデカレンの犬鳥の話してたけどもうしたら駄目?

136 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/09/28(金) 15:03:03 ID:lcYbQxEK]
いいんじゃね?
そうポンポンと作品が投下されるスレじゃないし、保守がてらすればいいと思う。

137 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/09/28(金) 17:22:45 ID:gnKMOq/a]
>>135
駄目と思う理由を50字以内で述べよ
そしてそれを題材にSS書け

雑談はネタの宝庫だ

138 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/09/29(土) 01:34:38 ID:OxEizQWm]
流れぶった切りすみません。
視点が定まってないしょーもないSSで恐縮ですが、光青桃投下させて頂きます。
一気に書いたので、あまりエロくないです…。

お好みでない方は、光青桃「Golden Circle」でNG登録をお願いいたします。


139 名前:光青桃「Golden Circle」 mailto:sage [2007/09/29(土) 01:35:17 ID:OxEizQWm]
秋、大きな月の下。
もう夜は寒いなぁ、日が暮れるのも早くなったし。

呼び出すのには慣れてない。
けれどいつも傍に誰かがいて、聞き耳を立てられているような気がして落ち着かず、募っていた不満。
二人っきりになれてるようでなれなくて、掴まえた端から時間は逃げて行く。

不確かなことに脅えるのは、もう嫌だ。
冷たいとか会えないとか、お互いに疑心暗鬼に苛まれるなんてごめんだ。
だからアキラはまだ来ぬ想い人を、都会の片隅の公園で待つ。
ぐらつきそうな闇に沈む代わりに、誰にも邪魔されずにいられるから。

ベンチから両足を投げ出すように深く腰掛けて、自らが吐き出す溜息の向こうの空を見る。
星、ちーさいや。田舎ならもっと、砂を撒いたみたいになるのに。
ポケットに両手を突っ込んでも、全然あったかくなんてなれなくて、だから余計にモモコに会いたくて。
背もたれの角に首を乗せ、目を閉じた。夜露で深まる緑の匂いを、思いっきり吸い込んで。

「アキラ?」
風のノイズを超えて、名前を呼ばれた。
慌てて目を開け、一瞬手前の記憶があやふやなことに気付く。
「凍死しちゃうわよ」
そんな大袈裟な。まぁ確かにこれが冬なら、天国の階段の一段目を昇っていたのかも知れないが。
「待ちくたびれたんだもん」
半ば寝呆けたような状態でも、弱みは見せたくない。
「ごめんね。タケルや長官と話し込んじゃって…」
「俺、待ってるって言ったのに?」
何でこんなに不機嫌なんだろう。反発の言葉が、面白いほど口をついて出てくる。
「もう来ないかと思っちゃったよ」

アキラのその言葉に、モモコは困ったような笑みを見せて、ぽん、とアキラの頭に触れた。
「拗ねボーズ」
誤魔化そうとしてる。アキラは更に臍を曲げて、モモコの手を外した。
「どうして怒ってるの?」
アキラの正面にしゃがみ、モモコは下から顔を覗き込む。
まるで幼稚園児と先生だ。絶対嫌がると分かっててこんなことをする彼女が可愛いから、余計に腹立たしい。
「その格好が気に入らない」
適当に言ってみたのに、それは意外と気持ちに近かった。
「何で?」
ミニまではいかないにしろ、短めのスカートで惜しげもなく脚線美を晒しまくっているモモコは、不思議そうに聞き返す。
「もう夜は冷えるんだよ?早く帰らなきゃいけなくなっちゃうじゃん」
「…はぁ?」
ちっとも分からないという風な答え。いや、だからさ。上手く言えない自分が悔しい。

「――とりあえず、座って」
掌に顎を乗せ、面白そうにじっと自分を見つめているモモコに言い渡すと、ヤレヤレ、と何処かで聞いたような単語と共に彼女は立ち上がる。
小憎らしい仕種を目の当たりにして、争うつもりなんかないのに一矢報いてやりたくなった。
腕を掴んで、顔を見て。
「確かにチビだけどさ。俺の方が力は強いって知ってる?」
手首を強く握ると、モモコは顔をしかめた。


140 名前:光青桃「Golden Circle」 mailto:sage [2007/09/29(土) 01:35:52 ID:OxEizQWm]
まるで熱い魂を宿されるみたいで、少し怖くなる。
くるりと身体が裏返ったかと思ったら、そのまま強く引き寄せられた。
落ち着いた先は、アキラの膝の上。
どうしようかと肩越しに振り返ると、モモコの髪を弄ぶように集めながら、彼はまだ複雑な表情を見せたままだった。
二人の関係のことは、誰も知らない。
だから邪魔をされていた訳ではないけれど、確かに最近色々な事情が重なって、一緒の時間が取れなくなっていた。
そんなことでいちいちクサっていたら身が持たない。そう諦められてしまうのは、結局哀しい年の功か。

――いや、違う。
そんなことでは揺らがないと信じているから、だ。

アキラの気持ちは嫌と言うほど知ってるし、自分の想いだって負けないはずだと思う。
だから、こうして不満を正直に態度に出されると、どうしていいか分からなくなってしまう。
受け止めるべきか、突き放すべきか。

気付かれないようにちょっとだけ溜息をついて、モモコは自らの身体を半周させると、アキラの方を向いた。
「困ったものよね、本当に」
少し苦しい体制だが、我慢出来ないほどではない。肩を引き寄せ、抱きしめてやる。
「アキラ、身体冷たい…。もしかして随分待ってた?」
「待ってない。ぜーんぜん待ってなんかない!」
全く真逆。一体何なんだろう、そのこちらの働きかけを潰すかのように不貞腐れた態度は。
…おねーさんを、あんまり甘く見るんじゃありません。
モモコはアキラを睨み、後ろ髪を一瞬強く引っ張った。
そして次の瞬間、耳に音を立ててキスをしたら、彼は飛び退きながら驚く。

「あら、耳弱い?」
「何すんだよっ」
対する声は、多分本人にも予想外なほどの動揺。
刺々しかった少年の、円い部分。それを見つけて、モモコは楽しくなってくる。
頬を撫で、うなじのあたりに唇で触れて髪を梳き、現れた耳朶に軽く歯を立てて。
アキラは、まるで魔法にかかったように拗ねた態度を潜め、モモコが動く度にひっそりと息をつく。
「素直になれば可愛いのに」
「…それ、褒めてない」
吐息の絡む反発は、逆効果でしかない。
モモコは鼻を寄せて、唇が触れ合う直前で離れる。
何度か繰り返すと、アキラは焦れた様子で重ねようとして来るが、叶えてはやらない。最後には、懇願するような表情。




141 名前:光青桃「Golden Circle」 mailto:sage [2007/09/29(土) 01:37:01 ID:OxEizQWm]
「キスして欲しい?」

こんなに危ういモモコの声を、初めて聞いた。それは理性を揺さぶる、悪魔の誘惑にも似ていて。
答える代わりに、唐突にモモコのスカートの裾を摘み、ひらめかせる。
「ちょっと!」
さすがにその行動は予想外だったのか、強く窘められる。
でも、自分の膝の上で浮いてしまっている足では蹴ることも立ち上がることも出来ないから、言葉だけの抵抗に過ぎない。
そのままジャケットに手を入れて、胸の膨らみに触れる。
「誰か来る、ダメ!」
さっきから体制は同じだし、本当にまずいならその時点でやめるはずだ。
一方的に色々仕掛けて来た人が、今更お預け食らわそうってのは犯罪に等しいね。
久々に触れた、ふわっとした柔らかさが面白くて仕方のないアキラは、直に触れたくなって服の裾を探す。
「…怒るわよ」
精一杯の怒りを含んだ、モモコの低い呟き。
はい、後で思いっきり叱られます。アキラはさっさと開き直って、その指は止まらない。

辿り着いたのは、カップに包まれたささやかな双丘のちょうど中心、所謂谷間の部分。
今日の下着は何色だろう。キャミソールの上から覗き込み、
「あ、ブルーだ」
嬉しさに加え、もう一つ気づいたことがあって、アキラはニヤリと笑って見せる。
「これじゃ、怒れないよねぇ」
呟きと共に、プチンと金属が弾ける音。外してくれと言っているようなものではないか、フロントホックなんて。
何も邪魔するものがなくなったその実りを、アキラは掌で味わい始める。
包み込むには、ちょうどいい大きさ。そして、押し返すように張りのある柔肌。次第にその真ん中が硬さを増したので、指先で摘んでみる。
「あっ…」
さすがにそれには我慢出来ないらしく、モモコは甘い声を上げた。
一応何があるか、誰がいるか分からないから、辺りへの警戒は緩めない。
が、夜も更けて繁華街の公園にやって来る人間なんてそうはいないだろうから、心配はいらないはずだ。
いたとしても、多分目的は同じ。他人に干渉する余裕なんかありはしまい。
「ん…ふあ、ぁん…」
掌で乳房全体を揉みしだきながら、先端を執拗に攻撃して行くと、モモコの息が弾み出す。

と、突然顔を仰向けにされたかと思ったら、唇が柔らかく重なり、舌が入って来た。
仕掛けたり拒否したり、忙しかったモモコのそれは諦めか、理性の捩れか。
どちらにしても、激しいキスという形で混乱を伝えられて、アキラに完璧に火をつけてしまったから同じこと。
片手で頭を引き寄せながら唇を貪り、胸への愛撫に熱を込めて行く。


142 名前:光青桃「Golden Circle」 mailto:sage [2007/09/29(土) 01:37:44 ID:OxEizQWm]
モモコが利き手側に横向きに座ったのも、きっと小さな運命の符号。
アキラはそっとスカートを潜り、その奥へ、底へと進んで行く。
腕を割り入れるようにして足を開かせ、中心の合わせ目を探って。
「あぁ…ん」
その潤みを掬った途端、切ない吐息がアキラをくすぐった。
触れられるのを待つように、膨らんだ蕾。
ほんの少しの刺激で、まるで泉のように蜜が溢れる。
愛玩するように円を描いて触れながら、再び唇を塞いだ。途端に、何とも言えず艶めかしい水音が、静まり返った辺りに響き渡る。
「びしょ濡れだね」
口を掌で押さえ、耳元で下卑た煽り。
クチュ。グチュ…ぴちゃん。
中へと差し込む指の本数を増やすと、更にその音はいやらしさを増す。

「はぁ…っあぁ、ん、ん…」
アキラの肩にしがみつき、モモコは愛撫に応え続ける。
舌が這い上がってくる。耳がくすぐったい。熱く柔らかな感覚が、ひどく魅惑的。
きゅっと、モモコの中が締まった。断続的に起こるそれで、限界が近いことを知る。
敢えてゆっくり指を送りながら親指で蕾を拾うと、モモコは更に激しく首に腕を絡め、声を上げる。
「あっ、はぅ…あ、や、いっちゃ…あぁぁぁんっ…!」
腕が背中を、儚く滑り落ちた。
アキラの肩に顎を乗せたまま、モモコの全身が一気に弛緩する。

呼吸が整うのを待つ間に、アキラはベルトとファスナーを外しにかかる。
「ちょっとだけ…立てる?」
僅かに引いた身体を支えてやり、すぐに跨がるように座らせた。
「柔らかいね」
関節といい肌といい、何とも言えず。開いた腿を撫で、褒めた。
特に答えは待たず、ずらした下着の隙間から、アキラは自身をモモコの中に埋め込んで行った。
「あ…やっ…」
少し引っかかる感じ。痛みがあったのか、モモコは怖がって腰を引く。が、両手で強く寄せて、逃げ場を絶って。
それでも、なるべくゆっくり。そう念じながら、徐々に包まれる感覚がたまらない。
「は…」
甘い吐息は、どちらから洩れたものだろう。
「…あったかい、中」
顔を見て囁くと、モモコは恥ずかしそうに目を伏せる。
そんな彼女を揺するように、アキラは動き出した。







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