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戦隊シリーズ総合カップルスレ 6



1 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/08/21(火) 18:42:23 ID:IlThlvYe]
こちらは戦隊シリーズの総合カップルスレです。
現在放映中の『獣拳戦隊ゲキレンジャー』、前年度放映の『轟轟戦隊ボウケンジャー』等々、
戦隊作品のカップルについて マターリと語って行きましょう。
煽り・荒らしはスルー推奨。他カプ批判もNG。みんなを幸せにする修行をしましょう。


【ネタバレについて】
特撮板本スレに準じ、放映日当日・映画公開終了までのネタバレは控えてください。
もしスレ住人からの要望により、映画等のネタバレを投下する場合、
投下前にネタバレであることを明記し、NGワード用タイトルをつけること。
バレを見たくない人はあぼん推奨。


前スレ
戦隊シリーズ総合カップルスレ 5
sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1176541347/

過去スレ
戦隊シリーズ総合カップルスレ 4(dat落ち)
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1161010229/
戦隊シリーズ総合カップルスレ 3(dat落ち)
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1142719752/
戦隊シリーズ総合カップルスレ 2 (dat落ち)
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1114938210/
戦隊シリーズ総合カップルスレ (dat落ち)
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1105953664/
【S.P.D】デカレンジャー総合カップルスレ【S.E.X】(dat落ち)
ttp://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1080011602/

2chエロパロ板SS保管庫
ttp://sslibrary.arings2.com/

戦隊シリーズ総合カップルスレ保管庫

戦隊シリーズ総合保管庫
ttp://sentaieroparo.blog100.fc2.com/


地球署の図書館
ttp://tfb.fc2web.com/index.html
保管庫の避難所
PC版 ttp://spdlib2.h.fc2.com/index.htm
携帯版 ttp://spdlib2.h.fc2.com/i/index.htm

401 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/07(金) 19:54:55 ID:ixlifqFF]
>>398
猛きことチャウチャウの如しw

速攻餌付けされそうな理央様だな


冒険赤桃は本編が自分的に消化不良気味だったから
いきなりドカンと爆弾投下だw
しかもVSネタが
自分の妄想パターンその2くらいと被ってるあたり…
wktkすぎ

402 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/07(金) 21:32:38 ID:iNb+l8M3]
>>401
妄想パターン……いくつまであるんだろうかw

403 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/07(金) 22:05:48 ID:qpAEHX+5]
チーフの心情を疑似体験したい人は長谷川先生の大外伝を読もう!

404 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/08(土) 01:55:39 ID:9wgd4Giw]
VSでは冒険黒黄の行く末も気になる。
黒の中の人が「最終回で結婚してる設定が良かった」
なんて言うから妄想が止まらないんだぜ。
赤桃ほどではなくても、何か燃料投下が来たら嬉しいな。

405 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/08(土) 12:59:34 ID:NEF1yWnR]
>>404
m j d !
黒の人、青の人から(黒黄を指して)「ここはくっついて欲しいんだよね」
と言われたら、凄く嫌がっていたらしいのに、本人の口から、そんな
嬉しい発言があったとは!wktkして参りました!
黄には、是非に黄色のウエディングドレスで。

406 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/08(土) 17:33:27 ID:ag8pMPoP]
>>405
最終回間近の雑誌インタビューにその発言あったよ
その時も件の青「黒黄くっついてほしい」の時も一貫していやがる冒険黄に萌えたw

ファンへの配慮もありそうだが、ハイホビの冒険黄ゲキ黄対談では
冒険男メンバーは女扱いしないで「俺が俺が」wらしいから
いい仲間って感じなんだろうとほのぼのしたよ



407 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/08(土) 17:34:53 ID:ag8pMPoP]
IDが冒険銀でうれしい

…彼に幸せはないのだろうか

408 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/08(土) 17:45:48 ID:GlubWXEI]
えーちゃんにはあんなに綺麗なおかあさんがいるじゃないか

409 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/08(土) 21:34:40 ID:iRyCBRWg]
VSへのwktkがとまんない!
蒼太とシズカの二人が大好きだからシズカ出てくれて嬉しい限りだ
この二人もなんか進展あったらいいな

銀はゲキ黄と絡んだら面白いんじゃないかと勝手に妄想してる
空回り系真面目っ子とだらしない不良って雰囲気で




410 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/08(土) 21:39:53 ID:85ZRkCRS]
>>390
メレには、最後には流れ暴魔キリカみたいになって欲しいんだけど、
脳内に浮かんでくるのがお別れする姿ばかりなんだよ。
スクライドのシェリスばりの。

411 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/08(土) 23:08:49 ID:wLgKJV13]
>>410
自分はタイムのエンディングっぽい別れが浮かぶよ。

メレ消滅、理央様ひとりぼっちとかイヤだな。

412 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/09(日) 02:23:39 ID:7+h2V8h6]
VS情報来ていたんですね、もう3月が待ち遠しい限りです。
頭がやや冒険モードに入ったので、エロなし激短で恐縮ですが、赤桃を燃料代わりに。
かなりわけわかめな話の上、暗い二人です。すみません…。

お好みでない方は、冒険赤桃「やさしい気持ち」でNG登録をお願いいたします。

413 名前:冒険赤桃「やさしい気持ち」 mailto:sage [2007/12/09(日) 02:24:28 ID:7+h2V8h6]
冒険者たるもの、他人にどうにかしてもらおうなんて考えてはいけない。
期待も望みも夢も、自分で得るべきものだからだ。

恐らく、どんな人間も一線を画すであろう自分の性格の特殊性なんて、嫌というほど認識している。
冒険への渇望。次のステージへと膨らむ期待感。
盲目で貪欲な俺の態度が、どれだけ周囲を、そして仲間たちを困惑させてきたかも知ってるつもりだ。

だから、宇宙プレシャスを探索に行くと言った時の真墨と映士の驚きは想定内で、俺は何の動揺もなく、騒ぐ奴らを蹴り飛ばすようにかわした。
既に事情を知っていた蒼太たちは笑顔で見送ってくれて、穏やかな日常とも、感慨が薄いながらしばしの別れ。
彼らの笑みに隠された本来の意味も知らず、真墨たちが戸惑う様が滑稽だからだと信じて疑いもせず、旅立った直後に…どんでん返しは起こった。

そう、あの瞬間まで。
自分が誰かにしてやられるなんて、これっぽっちも思っていなかったんだ、俺は。

「明石さん」

大量の書類を抱えた彼女が、いつも通り生真面目に背筋を伸ばしたまま現れる。
「報告書の確認をお願いします。あと、こちらの書類の重複項目をチェックしておきました」
控えめながら、確実に書き込まれた赤いライン。
何ということだ。宇宙に飛び立ってから3度も、さくらに間違いを訂正されるなんて。

「すまない」
さすがに情けなくなり、溜息をつくと。
「…すみません」
彼女もまた、ハッとしたように目を伏せる。

不気味な沈黙が横たわる直前。
未処理のものがありますので、と呟いた後、さくらは足早にコックピットを後にした。

律義に閉まる自動扉が妙に癇に障って、俺は書類を頭上に放り投げる。
だが無重力空間では、紙片はあてどもなくふわふわと漂うだけ。
上手く行かない。
結局残るのは、そんな軋み。


414 名前:冒険赤桃「やさしい気持ち」 mailto:sage [2007/12/09(日) 02:24:59 ID:7+h2V8h6]
地球を出てから約2か月。
深遠なる宇宙、その未知の魅惑の中に、さくらとたった二人。

初めは何も思いはしなかった。
プレシャスを探すというのは、彼女が決めたことだと思っていたから。
けれどある日ふと、何故?と疑問を抱いてしまった日から、誘い込まれた迷宮。

組織のトップたるチーフ、そしてサブチーフ。
後者のポストは、未だSGS内部でも宙に浮いたままらしい。
前者に関して言えば、真墨に任せれば大丈夫だと信じつつ、無意識にさくらの存在を保険にしたのも事実だった。
彼女の生来の責任感、プライドの強さは分かっていたから、或いは俺以上の働きをしてくれるだろうと、虫のいい想いを同時に抱いて。
だから。
地味ながらも重要で、天職と言えるかも知れないそのポジションを投げ出してまで、このプロジェクトについて来た理由が、全くもって分からない。

かかる時間も、成果も不明。メリットなんかない、特に女性には。
或いは、ぐらついた足場でも平気で渡る俺への忠誠かとも、一応は考えた。
でも、一時の同情で決めるには、やはりあまりにもリスクが高すぎる。それを計算出来ない人間ではないはずだ。

「はぁ…。」
辞書に載っている意味そのままの溜息をつく。
業務的には助かっているのに、感情としては混乱している。
俺は他人の気持ちに、過剰な期待を抱かないから尚更なんだと思い到って、何という本末転倒。


415 名前:冒険赤桃「やさしい気持ち」 mailto:sage [2007/12/09(日) 02:25:38 ID:7+h2V8h6]
「お話したいことがあります」

そう切り出されたのは、報告書の転送期限を無事に守れた夜のこと。
一見ダイニング風に設えられた差し向かいのスペースで、最早味気なさにも慣れた宇宙食の夕飯を終えた直後だった。
「どうしたんだ?」
さくらのもたらす緊迫感に、どんな顔で返していいか分からなくて、俺は口角を無理矢理上げてその申し出を受ける。

「…私は、」
「うん」
「頑張りたいんです、この宇宙で。自分のためにも、みんな…の、ためにも」
意気込みの割に、何故か消え入りそうな語尾。
「でももし、それが単なる我儘だったら。人を巻き込んでいるとしたら、そんな自分を許せないです」
「…ほぅ?」
巻き込まれている記憶はないが、正直、彼女の言わんとしていることが掴めず、困惑してしまう。
当たり障りなく返す俺に、きっと感じているであろう、噛み合わない感じ。
さくらは顔を上げた。

「チーフ、命令してください。帰れでも残れでも…ご指示に従います」

言葉そのものより、随分久しぶりに聞いたような気がする呼称が、妙に耳にざらついた。
明石さん。そう呼んだのもさくらなら、チーフと敢えて役職を持ち出すのも、またさくらで。
呼び方に至る経緯にこそ意味があるのか、それとも単に便宜上のものかなど知りようもない、が。

「さくら」
声をかけたら、彼女は緊張そのままに、大袈裟なほど肩を跳ね上げて反応した。
青みがかった顔色。
震えているようにすら見える指先は、きっと冷たいに違いない。


416 名前:冒険赤桃「やさしい気持ち」 mailto:sage [2007/12/09(日) 02:26:44 ID:7+h2V8h6]
手を伸ばしたのは、我ながらどんな勇気か気まぐれか。
視線の底にある、二つの掌。
その重なりが、まるで磁石のように確かなことを、不思議に思いながら。

驚きに満ちるさくらの頬に赤みが差し、唇がかすかに動く。
言おうとしたのは、きっと俺の…役職ではなく、名前の方。
指先は語らない。だから何も読み取れはしないし、出来る訳がない。
そう思っていたのに、いい意味で裏切られている。

気持ちなんて、他人にどうにかしてもらえないのと同じくらい、どうにかしてやろうなんて愚の骨頂。
けれど、その不遜さを差し置いて、出来ることがあるとすれば。

「――ここにいてくれ」

チーフとしての命令ではなく、明石暁としての願いを伝えること。

そして、実感した。
校閲担当なんかじゃない。単なる話し相手でも、冒険者としてでもない。
例えば明日、例えば1年後。

俺は彼女がいなければ、困る。

それは、誰よりも深い存在として。

一瞬茫然としてから唇を結ぶ表情に、決して笑わず、完璧主義で無駄がない、出会った頃のさくらを思い出す。
だがそれが、遠く離れた過去であると示すかのように。
今の彼女は、心からの歓びを漂わせて、静かに微笑んだ。

――冒険の始まりだ。

胸を焦がされるような導きを感じながら、俺は触れた指先に力を込めた。


〈終〉


417 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/09(日) 17:01:36 ID:paiFwX3g]
見事なスレッドストッパーw
乙!

418 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/09(日) 17:49:16 ID:Gtdb5Kc9]
冒険赤桃あざーすっ!!久しぶりに萌えますた。

419 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/09(日) 18:25:00 ID:grY6rJ8q]
>>405
「H/E/R/O V/I/S/I/O/N」(一応検索よけ)25号に掲載されてた
座談会での発言。発売は最終回後だったけど、座談会自体は
六人が最終回の試写を見たすぐあとに収録されたそうです。

>>413-416
冒険赤桃ありがとうございます。VS楽しみだなー。
黒黄もどうにかなっててくれw



420 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/10(月) 04:36:35 ID:Z80UYaC8]
冒険赤桃が求められてたからって
書けば何でもいいって訳じゃないんですが。

421 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/10(月) 08:42:12 ID:gSO0TnAm]
つまり>>420>>416の続きのエロを読みたいというわけだな

422 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/10(月) 12:46:48 ID:NDyqEICn]
うむ気持ちはわかる。
なんといってもここはPINK板だし。

423 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/10(月) 12:47:30 ID:NDyqEICn]
書き忘れ。
しかし赤桃職人さん、ありがとう。

424 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/10(月) 16:16:57 ID:4g14ois4]
>>423
やさしいな。

425 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/10(月) 17:16:18 ID:Z80UYaC8]
気にせず次の職人さんカム。

426 名前:名無しさん@ピンキー [2007/12/12(水) 03:44:53 ID:nU7KVN6t]
初めて投下します。
こちらの仕組みがあまりよくわかっておりませんのであらゆる意味でご容赦を。
空気が読めなくてすみません。

ゴウラン、レツラン、二つ投下します。
緩い気持ちで見守って頂けると幸いです。

427 名前:深紫に光る真摯01 (ゴウラン) [2007/12/12(水) 03:46:45 ID:nU7KVN6t]
それはある日のスクラッチ社員寮。
ビルの谷間を吹き抜ける風が冷たく感じる晩秋。
紫と黒のジャケットに身を包んだゴウは
細い弧を描く月を眺めていた。

さて、どうするか。

先日の騒ぎで気が付いてしまった思い。
自分はどうやらチームのキャプテンに惹かれている。
最初はただ、チームメイトとしての好感しかなく、
自分たちを引っ張るキャプテンとして奮闘する姿に、
支えなくては、と思い始めた頃から。
多分きっとその頃から、そう、だったのだろうけど。
なかなか認めたくはなかった。

心破れて幾ばくの時も経っていないのに、
あっさりと別の誰かに心奪われた自分が許せなくて。

気が付けば過ぎ去っていた十数年間。
大切過ぎて、カッコつけすぎて、何も言えなかった代償は
彼女に家庭ができている事だった。

昔の自分は、美希に焦がれていて。
あの頃の自分は子供で。
レツを背負っている事で同世代より大人だと思っていた。
何も言わないのが、最上だと信じて。
また、言わなくてもわかってくれているだろうという甘えも
心の片隅に存在。
レツが一人前になったら。
そんな気持ちで、何も言えないまま迎えたあの日。
レツを置いていくことができたのも、美希がいたから。
そして自分に何があっても。
美希は自分を思ってくれている。
待っていてくれる。

それが思い上がりだと知った現実は胸を締め付けた。
美希は結婚していて、子供もいて。

もしもの世界なんてないけれど。
もしもあの時、ちゃんと気持ちを伝えて。
必ず戻るから待っていてくれと言ったなら
美希はどうしただろうか?
そんな事を考えては苦笑して。

いいじゃないか。
幸せそうな顔、してるじゃないか。

そう、美希はとても幸せそうで。
自分が口を挟む余地などなかった。

428 名前:深紫に光る真摯02 (ゴウラン) [2007/12/12(水) 03:48:19 ID:nU7KVN6t]
だから、美希への気持ちは甘く淋しい思い出に。
そして、ランへの気持ちは現在進行形で
少しずつ加速していた。

「全くなんてこった・・・。」
思わずそんな言葉を口にする。
こんな戦いのまっただ中でこんな気持ちが芽生えるなんて。
見合い騒動の時、最前線で自分たちを引っ張ったキャプテン。
強くしなやかで、ついていかなければならない気持ちにさせられる。
そして時折、抱き締めたくなる衝動。
彼女が頑張れば頑張るほど、
磨かれてゆく心に自分の恋心が映って。
思わず困ってしまうのもしばしば。
参ったぜ、は何度心の中で繰り返したか。
馴れ馴れしく彼女に触れるケンに嫉妬して、
躊躇うことなく甘えるジャンに苛立ち、
連れ添った長さを感じさせるレツにへこんで
それを繰り返す日常。
自分のポジションに迷いながら今に至るけど。
もう二度と、後悔するような事はしないと誓った。
何も言わずに終わり諦めるのは嫌だと。
だからといって今すぐ口にするのも躊躇う。
今はまだ、理央たちとの決戦のさなか。
自分の色恋沙汰で周りの環境が変化するのは避けたい。
断られても自分は何とかなるが、
逆に断った彼女が気を遣いすぎるだろう。
彼女はオネストハート。
素直で清らかな心の持ち主。
その心が曇るのは嫌だった。

さて、それなら折り合いがいいのは何処だ。
思案にくれつつ自室に戻ろうとした時だった。

「ゴウ、さん?」
薄い月光が一人の人物を照らす。
「ラン?」
まさか思い人が登場するとは思いもせず
ゴウは平静を装いつつ心を跳ね上げた。
「どうしたんだ、こんな夜中に?」
つかつかとランに歩み寄る。
「もうちょっとトレーニングをしようと思って・・・。
自分の部屋だと筋力トレーニングしかできないから・・・。
こう、結構いいイメージが浮かんだから、
それを実践してみたくなったんです!」
無邪気な笑顔。
「そうか。良かったら相手になるぜ。」
その言葉に笑顔は倍速で華やかに。
「はい!お願いします!!」


429 名前:深紫に光る真摯03 (ゴウラン) [2007/12/12(水) 03:49:46 ID:nU7KVN6t]
真夜中の組み手。
「はっ!」
冷たい空気を切り裂くようにランの蹴りが高速で繰り出される。
それに続いて突きも。
ゴウはそれらをかわしながら受け流し、
また自らの肘や膝を使った攻撃を。
どれだけの時間が流れただろうか。
「やっ!!!」
あまりにも夢中になりすぎたランは真剣になるあまり、
自分の蹴りをゴウにヒットさせてしまった。
「っ!」
スーツを着ていない状態のゴウに膝をつかせるには充分の本気。
「ご、ごめんなさい!!!」
大慌てでランはゴウに駆け寄った。
「全く・・・参ったぜ。」
鳩尾を押さえながらゴウは苦笑する。
「ホントにごめんなさい・・・。」
しおれてうなだれるラン。
「気にするな。それより今日はこれで終わりにしようぜ。」
そろそろ休む時間。
眠らなければ明日に差しつかえるだろう。
「はい。」
ランは素直に返事をするとゴウを支えようと
彼にぴったり寄り添った。
「おいおい、大げさだな。」
思わず身を退こうとするゴウ。
「だって、怪我させたの私だし・・・。」
泣きそうな顔がゴウを見上げた。
「こんなのたいした事ねーって。」
ゴウはランにそう言って微笑みかけると彼女から離れ歩き出す。
ランはその後ろを俯いたままついていく。
ゆっくり下りる階段。
たどり着いたゴウの部屋。
未だランは落ち込んだまま。
「大丈夫だって言ってんだろ?確かめるか?」
ゴウのその言葉に無言で頷いてくる。
ゴウは彼女を自分の部屋へ。
ほとんど何も置いていない空間。
ゴウはランの目の前でジャケットとTシャツを脱いだ。
鍛え抜かれた筋肉質の上半身が現れる。
ちなみにランが蹴りつけた部分はそこはかとなく青くなっていた。
「やっぱり・・・。」
ランは顔をしかめる。
「こんなの怪我のうちにはいらねーって。
明日になったら消えてる。」
「駄目です!ちゃんと手当しておかないと!」
しおれていた顔はきりりと引き締まった。
目に止まった救急箱をやや強引に所有者から奪い取ると
湿布と包帯を取り出す。
ゴウをベッドに座らせると自分は床に跪き、手当を始めた。
ゴウの胸元でポニーテールが揺れる。
真剣な眼差しがゴウの体を見つめ
細い指先が肌に触れて。
そのしなやかさと優しさに誘われるように。

つい、その手を握ってしまった。




430 名前:深紫に光る真摯04 (ゴウラン) [2007/12/12(水) 03:50:35 ID:nU7KVN6t]
「ゴウさん?」
ランが顔を上げた瞬間、重なる唇。

驚きでランの目が大きく見開いた。
手に持っていた包帯が床に落ちる。
抱き寄せられた戸惑い。

唇がゆっくりと離れた。
「悪い。つい、やっちまった。忘れてくれ。」
ゴウはランから手を離すと視線を逸らした。
苦々しい表情。

本当に、つい、だった。
愛おしくてどうしようもなくて。
抑えきれなくて。
思いを告げる前に行動を起こしていて。

どうかしてる。

真面目な彼女にいきなりなんて事をしたのだろう。
許されるとは思っていない。
だけど、戦いの最中である今だけは忘れてほしくて。

しばし、重苦しい沈黙が流れた。

ランはゆっくりと立ちあがる。
ゴウに背を向けて。
小さな肩が震えていた。

・・・そりゃ、怒るよな。
明日から気まずいかもしれない。
何をやってるんだ俺は。
そうなるのが嫌だからもう少しだまってるつもりじゃなかったのか。
後悔はもうしたくないから、
後悔しないように行動するんじゃないのか。
鉄の意思は何処へ消えた。

431 名前:深紫に光る真摯05 (ゴウラン) [2007/12/12(水) 03:51:19 ID:nU7KVN6t]
ゴウは心の中で自分に舌打ちする。
本当に馬鹿だ。
「・・・ラン、あのな。」
もう一度謝罪の言葉をかけようとして立ちあがり
彼女の正面に。
そして、見てしまった。
彼女の泣き顔。

・・・泣くほど、嫌だったのか。

誤魔化せるほど、甘くはなかった。
ゴウなりに心の落胆。
しかしそんな様子を微塵も見せず、ゴウはランに言葉を紡ぐ。

「今のはなかった事にしてくれ。
本当に悪かったと思ってる。」
何とか泣きやませたくて。
それなのに、ランの涙はあとからあとから溢れて止まらない。
ゴウは部屋を見回し普段使いのタオルを取り出すと
それをランに手渡した。
ランの顔が洗いざらしのタオルに埋まる。
これは完全に嫌われた。
さて、どうするか。
ゴウが思案にくれた時だった。

か細い声がタオルの隙間から零れる。
「・・・か?」
「ん?」
言葉が聞き取れなくて、ゴウはランに耳を近づけた。
「ゴウさんって、誰とでもこんな風にできるんですか?」
「・・・いや、まぁそう、だな・・・。」
嫌がられている相手に、
まさか本気で好きだから、などと言えるわけがない。
ゴウは言葉を濁した。
「私は・・・嬉しかった。」
「は?」
ゴウは一瞬、自分の耳を疑う。
でも。
「私は、嬉しかった・・・。
ゴウさん『も』私のこと好きなのかなって・・・。」
・・・今、なんて?
「でもそうじゃないってわかったらなんだか泣けてきちゃった。
ゴウさんにはついうっかりの出来事でも、
私は、ゴウさんの事好きです。
だから今日の事、忘れたくありません。
それって、迷惑ですか?」
堰を切ったように綴られる言葉の波。


432 名前:深紫に光る真摯06 (ゴウラン) [2007/12/12(水) 03:52:12 ID:nU7KVN6t]
ずっとずっと好きだった。
いつも頼りになる存在で。
ゴウがいるからキャプテンとして頑張れる。
みんなを引っ張っていける。
ゴウが支えてくれると信じているから。
私はキャプテンというタイプじゃない。
だけど、支えてもらっている限り鍛えたい。
キャプテンらしくあろうとして。
だから言えなかった。
ずっとずっと言えなかった。
自分の気持ちを閉じこめて。

「ゴウさんが、忘れたいなら忘れてもいいです。
でも、私は、覚えていていいですか?
迷惑、かけないし、明日からも今まで通り、します。
だから、ホントに・・・ごめんなさい・・・。」
ランの言葉がタオルに吸い込まれ消えていった。
呆然とするゴウ。
「参ったぜ・・・。」
思わず呟いてしまう。
「・・・そう、ですよね。参っちゃいますよね。」
ランは苦笑すると小さく頷いた。
「タオル、洗ってからお返しします。
今日の事は、頑張って忘れますから、ゴウさんも忘れてください。」
泣きはらした顔のまま、ゴウの隣をすり抜けようとする。
次の瞬間、ゴウはランの腕を掴んでいた。
「ゴウ、さん・・・。」
その意味を理解できず、ランは戸惑う。
抱き寄せられた事でさらに脳内は混乱。
頬に直接響いてくる心臓の鼓動。
「本当に、参ったぜ・・・。」
笑い混じりの声。
ますます意味がわからない。
「本当に、なんてこった。」
「ゴウさん?」
「あのな。」
ランの耳に熱い囁き。
「あの時言っただろ?『お前がいないとNO LIFE』」
「えぇ?」
「あれ、嘘じゃねーよ。」


433 名前:深紫に光る真摯07 (ゴウラン) [2007/12/12(水) 03:53:03 ID:nU7KVN6t]
嘘、なんかじゃない。
芝居混じりの本音。
あの時、どうしても見合いを成功させたくなくて。

瞬時に移り変わる表情。
笑顔から真剣な眼差しに。

「俺はランを俺の物にしたい。
意味はわかるよな?」
ゆっくりとランの頬にふれる。

「お前が、好きだ。」

もう、後悔したくないから。

「好きだから、ついやっちまった。」

親指で彼女の柔らかな唇をなぞった。
過去の気持ちなんてどこかに吹き飛んで。
今見えているのはたったひとり。

孤独な一匹狼が寄り添いたいと願う俊足の姫君。

「好き、って・・・。
それって、私も好きでいていいんですか?」
思いがけない告白にランはどこか間の抜けた問いを。
「おいおい、今更俺は振られるのか?」
ちょっとした茶目っ気。
「そ、そんなっっ!振られる、なんて事・・・!!
・・・そんな事、ない、です・・・。」
ランは顔を赤くしながら俯いた。
だいたい、さっきからドキドキしっぱなし。
素肌のゴウに抱き締められて、
あまりにもの恥ずかしさに逃げ出したいくらいなのに、
それプラス告白なんて、あり得なさすぎる。
こんな幸せ、あっていいのかわからない。


434 名前:深紫に光る真摯08 (ゴウラン) [2007/12/12(水) 03:53:43 ID:nU7KVN6t]
抱き寄せられたままもう一度口づけられる。
今度はきちんと目を閉じた。
ゴウも、さっきの突然な出来事を埋め合わせるように
小さな触れあいを何度も繰り返して。
舌を伸ばす。
ランの口を軽く開けさせると少し角度を斜めに。
ちりちりと舐めながらランの舌を探してそれを緩やかに吸い上げた。
生まれて初めてのそれにランは頭がぼうっとなる。
優しく肩を撫でられて。
だけど強く抱き締められて。
唇が離れるとその寂しさに声をあげてしまう。
瞼をあければ、ゴウが真剣な顔で自分を見つめていて。

「さっき、言ったよな。お前を俺の物にしたいって。」

その問いに、ランは小さく頷いた。

「少し、訂正する。
今すぐお前の全部を俺の物にしたい。」

その意味をランが飲み込むのに数秒の時間が必要で。
だけど。

迷わずに頷いた。
ゴウと、少しでも近づきたい。

435 名前:深紫に光る真摯09 (ゴウラン) [2007/12/12(水) 03:54:23 ID:nU7KVN6t]
シングルベッドが軋む。
口づけは途絶えることなく続いて。
それと同時にジャケットの前がはだけていく。
いつのまにかゴウの唇はランの首筋に落ちて
愛おしげに何度も圧力がくわえられていた。
Tシャツの中に男の手が伸びる。
柔らかく撫でられながら下着の金具がはずされて。
ジャケット、Tシャツ、下着の3つがひとかたまりとなってベッドの下に落ちた。
ランは思わず自分を抱き締めるようにして身をすくめる。
あっという間の出来事に自分はなすすべもなくて。
ただ緊張感とそしてゴウへの愛おしさだけが自分を支配していた。
「そんなに固まるな。犯罪者の気分だ。」
そんな言葉に慌てて自分の手をほどきその身をゴウにさらす。
ゴウの手がランの胸を掴んだ。
先端に舌が這う。
「・・・ん・・・?は・・・んんぅ・・・?」
さっきまで首筋に施されていた甘さや、
腕や背中を撫でられていたものとは少し違う、
強烈な刺激。
思わず身悶えする。
ゴウの腕にしがみつき、ただ震えて。
後から後から押し寄せる脳内のうねりを堪えるのに必死。
一方のゴウも自分の中の全ての暴走を必死でくい止めていた。
想像以上に清らかな体。
柔らかく張りがあって、ずっと触っていたくなるような。
目の毒、という言葉があるが、これはまさにそれで。
いや、毒というよりかは媚薬で秘薬。
のめり込まずにはいられない。
もう、手放せない。
ずっと零れ続ける彼女の甘い吐息に痺れて。
きっと『初めて』であろう彼女を労る事を忘れそうになる。
大体、思いを告げてすぐ、
こうなりたいと願った自分を受け入れてもらえるだけで驚きで。
だから、せめて少しでも。

436 名前:深紫に光る真摯10 (ゴウラン) [2007/12/12(水) 03:55:03 ID:nU7KVN6t]
今は切なくそして今まで見たことのない、
艶やかな表情が苦痛に歪むのかと思うと
ゴウの良心がちくりと痛んだ。
だけど、引き返せない、引き返さない。
ずっと自分の心を捕らえていた人を今度は捕らえる。
もう二度と後悔しないと誓ったのだから。

ずっと触れたかった太股に触れる。
何度も何度も撫でて。
スカートの中に手を。
さすがにランはしっかりと足を閉じていたけれど。
スカートのホックを外しながら下着ごとそれを抜いて
自分の衣類も全て取り払った。

やっと、ふたりの間に何もなくなった。
ゴウはランを抱き締める。
ただぎゅっと抱き締めて。
何度も口づけて。
ゆっくりと彼女の柔らかい足を片方、自分の肩に乗せた。
「ゴウ、さん・・・。」
ランの瞳がもうすでに涙で滲んでいる。
ゴウはランを安心させるように頷くと
自分の指を体の中心にある裂け目へ伸ばした。
その場所は涙より甘くとろけるような愛蜜を忍ばせている。
何度もゴウはそこを撫でて、小さな潤みを広げ始めた。
「んっっっんんーーーっ!」
堪えつつも悲鳴に近い声があがる。
「大丈夫か?」
思わず聞いてしまう。
この先に進んでいいのか。
今更ながら。
今更すぎるけど。
ランは。
小さく頷いた。
ゴウはランの両足を自分の両脇に押し広げ
彼女を肩から掬うように抱き締めた。

437 名前:深紫に光る真摯11 (ゴウラン) [2007/12/12(水) 03:55:44 ID:nU7KVN6t]
「俺でいいのか?」
もう一度問う。
「ゴウさんが、いいです・・・。」
か細くもはっきりした答え。

ゴウの楔がランの中にぐっと押し込まれた。

「んっっやっっ!!」
みるみるランの表情が変わる。
覚えたての快楽から一気に見舞われる苦痛。
ゴウに必死にしがみつき堪えようとして
どれでも堪えきれなくて体がねじり上がる。
またゴウも、自分の衝動を必死で押さえようとしつつも
先に進む気持ちを堪えきれず
狭く締め付けてくる場所を必死で押し切っていた。
互いの額に汗が滲む。
「ゴウ、さん・・・っゴウさ・・・っっっぁあっ!」
譫言のような声。
「ラン、悪い・・・っ!」
最後の一押し。
一つになれた瞬間。
満ちるのは重なる気持ち。
赤い血がシーツに染みこんでいく。
「ゴ・・・ウさん・・・。」
震え続ける彼女は痛々しい。
それでもきゅっと全てを堪える姿は愛おしく
このままこの姿を留めていたいような。
それでいて、もっと違う何かを求めたいような。
きゅっと締め付けて波打つ襞に顔をしかめながら
ゴウはランのほどけた髪に自分の指を差し込んだ。
「動くからな。」
「う、動く・・・?」
「あぁ。」
そういうとゴウは少しずつ動き出した。
あまりにも狭すぎるそこはゴウの楔の自由を奪い
なかなか好きなようにはさせてくれないけれど、
それと同時にこの上ない快楽を道連れにゴウの神経をなで上げて。
「っっラン!」
こみ上げるのは離さない覚悟と、滾るばかりの欲情。
一気にほとばしる熱い愛の種。
「ゴウさん・・・。」
切なげな眼差しが震えながらゴウを見つめる。

後悔なんてしない。
後悔なんてさせない。

固く心に誓って。

ゴウはランに口づけた。


438 名前:酔い明けの宵01 (レツラン) [2007/12/12(水) 03:57:26 ID:nU7KVN6t]
こちらのレツランは恋人設定になっております。





それはある日のスクラッチ社員寮。
美人三姉妹との大騒動があった日の夜。
「んーーーー・・・?」
レツは自室で重い瞼を開けた。
「あ、目が覚めた?
おはよう。ってもう夜なんだけどね。」
ラン笑顔でがレツの顔をのぞき込んでくる。
「僕は・・・。」
しばしレツは記憶を思いめぐらせた。
「酔っぱらって寝ちゃったんだよ、レツ。
ゴウさんとジャンがここまで運んでくれたの。」
その言葉に昼間の出来事がささささーーーと甦ってきて。
一気に顔が青くなる。
その表情、まさにファンタスティックブルーで。
「ラ、ラン、あの、えっとその・・・。」
「何?」
「ご、誤解しないで欲しいんだ!
ぼ、僕はただ、そのマスター達に誘われて!!
そ、それに、チェリーさんの事は・・・!!」
いわゆるあれこれを浮気だと思われたくなくて
必死に言葉を紡ぐけど。
当のランは首を傾げるばかり。
純粋にレツの看病のため、ここにいるようで。
「はい、お水。」
差し出されるミネラルウォーターのペットボトル。
御礼を言いつつちらっと彼女の様子を伺うけれど、
本当に、ちょっとの欠片も怒っている様子はなくて。
「少しはその・・・。」
「ん?」
「・・・もういいよ。」

439 名前:酔い明けの宵02 (レツラン) [2007/12/12(水) 03:58:07 ID:nU7KVN6t]
ちょっとぐらい、ヤキモチやいてくれてもいいのに。
悔しい。
自分ばっかり、嫉妬してる。
兄に、ジャンに、ケンに、マスターたちに。
自分以外の全ての男に嫉妬して
ぐるぐる頭の中を狂わせているのは自分だけ。
ランはいつだって何もわかっていない。
今だって不思議そうな顔で自分をのぞき込んでいて。
「ランって、本当に天然だよね。」
大きな溜息をつく。
「いっつも僕ばっかりだ。」
その無関心さに泣きそう。
もっともっと、独占しようとしてくれたっていいのに。
山ほど届くファンレターとか、
そういう物にももうちょっと敏感な反応を示してほしいのに。
信じてもらっている、といえば聞こえがいいけれど、
あんまりにもあんまりではないだろうか。
「どしたの、レツ?頭痛い?二日酔い?
もう、あんなに飲むんだもん。
信じられないよ。」
気前よくエレハンがカード払いしていたけど、
その値段に目が点になったとランは笑って。
「マスターエレハン、きっと明日正気に戻ったら
絶対に真っ青になるよね。」

だから、僕とふたりでいる時に、
別の男の話をしないで欲しいんだけど。

「ラン。」
「何?」

ランは返事をする。
次の瞬間にはベッドの上、レツの下の住人。



440 名前:酔い明けの宵03 (レツラン) [2007/12/12(水) 03:58:49 ID:nU7KVN6t]
「・・・あれ?」
まったくいつの間にレツは自分を組み敷いたのだろうか。
この辺り本当にファンタスティックテクニックだ、なんて思いながら。
ちょっと不機嫌そうな顔にランは疑問符。
「んー、と、レツぅ?」
「僕、まだ酔っぱらってるみたいだ。」
「えーーーー?だったら酔い覚ましの薬・・・。」
伸ばした手は遮られる。
「酔い覚ましの薬はここにあるよ。」
レツはやや強引にランに口づけた。
わざとらしいちゅくっと唇を吸い上げる音。
舌で口内を冒して。
「レツっ!?」
やや批判めいた声を尻目にランの服の隙間から
彼女の素肌に触れる。
「んっぁっ、あぁっっ!」
敏感な体が正直な反応を示し、躊躇いがちな声があがって。

この声を聞くことが出来るのは僕だけ。
この姿を堪能出来るのも僕だけ。

独占欲が満たされる瞬間。
それでもまだ足りない。

柔らかな胸を揉みながらその先端を親指と人差し指で摘んで
小刻みに揺らしながら甘く捻り、
Tシャツの中に顔を突っ込んで
固くなったそれを舌で弄んだ。
スカートの中に手を伸ばして下着の中に指を差し込むと
長い指で愛蜜が滲む熱く柔らかい隙間を出し入れしつつ
短い指で潤み輝く突起を執拗に押し回す。
「ん、レツ、レツぅ・・・っっ!」
甘い声と一緒に細い指がレツにしがみついてくる。
あとからあとから溢れてくる感情が堪えきれなくて。
ひたすらレツの名前を呼んだ。
それなのに。
レツは本当に欲しい物を与えてくれない。
ギリギリのところで、留まっている。
「レツ・・・。」
涙目で懇願すればちょっと意地の悪い顔が
自分のTシャツから顔を覗かせた。
「欲しい?」
「ん?」
「僕の事、欲しい?」


441 名前:酔い明けの宵04 (レツラン) [2007/12/12(水) 03:59:35 ID:nU7KVN6t]
「そ、そんなの・・・!」
「僕の事、欲しかったら自分で脱いで。
それから僕の服も脱がせて。」
いきなりの要求。
「レツ、そんなのっっ!!」
「できないならいいよ。
僕はランに触ってランが啼くのを聞くだけで気持ちいいから。」
そういうとまた執拗な愛撫を始める。
「レツ、レツ、レツ・・・っぅ!」
身悶えして、その名前を呼んで。
あぁ、もうちょっと、というところでその指と舌の動きは止まり、
火照りが収まりそうなところでまた動き出して。

「レツ、お願い・・・。」
うっすらと浮かべた涙。
普段より何トーンも高くか細い声。
震える体。
甘い水分にまみれた痴態。

「好きだよ・・・。」

ほら、また僕の負け。
本当にずるい。
そう言われたら、折れないわけにはいかないんだ。
それに、実はこっちもかなり限界だったし。

触るだけで、聞くだけで、満足できない所まで持ち上がっている気持ち。

鮮やかな手さばきで脱がせる衣類、脱ぐ衣類。

「僕も、だよ。」

大好きだよ。

ちゃんとわかって。


442 名前:酔い明けの宵05 (レツラン) [2007/12/12(水) 04:00:12 ID:nU7KVN6t]
願いを込めて貫く。
「ぁあっ!」
ランの体が一瞬、ふわりと浮いた。
それと同時にぎゅっとレツのかけがえのない一本を熱く締め上げて。

この瞬間が、互いを強く結びつける気がする。

何度繰り返しても飽きない行為。
何処まで先を突いても、この先がまだ在るような気がして。
もっと深い何かを探りながらいつもこうやって抱き合う。

大好きだよ。

とろけるような時間。
「酔っぱらいレツの馬鹿・・・。」
淡く微笑みながらランの指がレツの頬に触れる。
「僕はいつだって酔っぱらいなんだ。
ランがあまりにも魅力的で酔わずにいられないんだから。」
アルコールなんていらない。
君とこうしているだけで僕は頭の中がぼうっとする。

さぁ、一緒に行こう。
この酔いの最高点まで。
「レツっ!」
僕の名前を呼んで、僕にしがみついて。
愛しい女性が最高に綺麗な表情を見せてくれる。
僕のヤキモチなんてふっとばすくらい。
それと同時に僕は、熱い物も、彼女の上に吹っ飛ばしてしまった。


443 名前:名無しさん@ピンキー [2007/12/12(水) 04:01:13 ID:nU7KVN6t]
以上二つです。お目汚し及び空気読めなくてすみません。(逃走)

444 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/12(水) 06:39:00 ID:KBcghTg0]
レツラン、ゴウラン乙でした!
朝っぱらから読んじまった、まいったぜ!
ゴウランは、ゴウの切ない気持ちが、グッとキタ。レツランは、レツ、
もっと頑張れ!男を磨こうぜ!
とにかく、職人さんGJ!

あ、でも、次回から、メル欄にsageって入れて欲しいです。

445 名前:名無しさん@ピンキー [2007/12/12(水) 08:07:09 ID:XGQi81es]
乙!でも今度はポエムじゃなくてSSおながいします。

446 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/12(水) 09:14:15 ID:hrTo00ZC]
乙乙であります!
こういう綺麗にまとまったのも好きだけど
久々に濃いのも読みたくなってきた

447 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/12(水) 10:00:48 ID:prlEAp41]
内容は良かった!
しかし… 体言止めのオンパレードでだんだん読むのが辛くなった。
「溜め」の効果がある体言止めは、多用すると自己陶酔ぽくなる気がするのだが、どうだろうか。

448 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/12(水) 11:07:59 ID:9rtjTuim]
自分はきれいな文章がツボだったので、かなり楽しめたよ。
超GJ!


449 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/13(木) 07:52:58 ID:kv/J8zLe]
最近また活気付いてきたね イイヨイイヨー
次の職人さんどうぞー



450 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/13(木) 11:18:18 ID:WwkKJ19c]
じゃ便乗して久々に投下。
冒険銀桃いきます。

銀と桃が既に付き合っている、という設定で書いてます。
多分NG要素は無いと思いますが、もし不快に感じる人がいたらごめんなさい。
全14レス前後を予定、超長文で申し訳ないです。
題名は「男の世界」、よろしくお願いします。

451 名前:「男の世界」 冒険銀桃 1/14 mailto:sage [2007/12/13(木) 11:19:16 ID:WwkKJ19c]
「高丘さん」
「んぁ?」

ミッションを終えてソファに横たわりながら人参をパクついていた映士が
ふと見上げると、『あなたは馬ですか』とでも言いたげな視線で
こちらを見下ろすさくらが立っていた。

「はい、報告書。たまにはちゃんと書いて下さい」
「嫌だね」
「子供じゃないんですから」
「書きたくねえな」
「あなた、ボウケンジャーに入隊してまだ一度も・・・」
「つーことで、よろしく」

手馴れたもので、全く取り合う気のない映士が再びバフッと身を横たえ、
鼻歌交じりで再び人参にかぶりつく。

「・・・・・・もぉ」

映士の相変わらずの態度に、唇を尖らせて拗ねたような表情を見せるさくら。
それとほぼ同時に12時を知らせるメロディがサロンに鳴り渡る。

「・・・・もういいです。菜月、出掛けますよ」
「はーい、待ってましたぁ♪」

エアロバイクを漕いでいた菜月が嬉しそうにぴょんと飛び降り、
さくらの元へ駆け寄ってぎゅっと腕同士を絡ませる。

「どこか行くのか?」
「ええ、近くで海鮮レストランが最近オープンしたので、
今日はそこでお昼を一緒に食べようと菜月と約束してたんです」
「ねーーーっ♪」
「では、そういうことでしばらく出掛けてきます」

明石にそう告げると、未だソファに寝そべったままの映士を
さくらがちらと一瞥して、菜月と共にエレベーターへ乗り込んでいった。

452 名前:「男の世界」 冒険銀桃 2/14 mailto:sage [2007/12/13(木) 11:19:56 ID:WwkKJ19c]
「さぁ、残った男同士、寂しくラーメンでもすするか」

あらかじめ注文しておいたラーメンを4皿、明石がテーブルに並べると
4人衆が各々席に着き、いささか華やかさに欠いた昼食が始まった。

「・・・ところでよ」

ズルズルと麺をすする音が響く中、真墨が切り出す。

「さくら姐さんって、最近なんか感じ変わったよな」
「変わったって、何が?」

蒼太が蓮華でスープをすすりながら聞き返す。

「だってさ、さっきの見ただろ?あの程度で引き下がるなんて
前じゃ考えらんねーことだろ」
「そう言やそうだよね」
「それは相手が相手だから、というのがあるんじゃないのか?なぁ?」

明石が少し笑みを浮かべながら映士に視線を向ける。

「バカ言ってんじゃねえ。あいつはそういう公私混同はしねえよ」

阿呆らしい、とでも言いたげな様子で丼を持ち、
縁からグイとスープを映士が流し込む。

「まぁ確かに、映士に限らず僕らにもなんか丸くなったって言うか・・・」
「だろ?俺も最近さくら姐さんに怒鳴られた覚えがねえし」
「そうなのか・・・でも、やはりそれも映士の影響だろうな」

自分に対してはさくらは如何なる時も同じ態度で接してくるので
明石には正直ピンとこなかったが、それも良い傾向だと言いたげに
嬉しそうに口を揃えた。

「まぁ・・・・ああ見えて結構、根は優しいとこあるからな。
俺様に感謝しろよ?お前ら」

照れ隠しもあってか、映士がやや大袈裟に不遜ぶる。

453 名前:「男の世界」 冒険銀桃 3/14 mailto:sage [2007/12/13(木) 11:20:41 ID:WwkKJ19c]
「はいはい、ご馳走様」
「でもよ、あんなやり取りして後で気まずくならないのか?」

真墨が興味深げに映士に問う。

「あの程度でか?なるわけねえだろ」

即答する映士。

「さくらさんもそんなに怒った感じじゃなかったしね。
『・・・・・もぉ』とか言うの女の子っぽくて可愛かったなぁ」
「あ、俺も思った。ああいうのいいよな」
「普段表に出さねえだけで、あいつは元々可愛いんだよ」
「お前それノロケすぎだろw」
「うらやましがってんじゃねえよw」
「いや実際うらやましいよね、さくらさん美人だし」
「夜はもっと可愛くなるんじゃねえのかw」
「おう、そのへんの女シッポ巻いて逃げるぐらいかわいーぜw」

男集団特有の悪乗りが始まった。
ラーメンそっちのけで全員が・・・・と思いきや、
なにやら急に押し黙って様子のおかしい男が約一名。

「・・・・・のか?」
「え?」

騒いでいるところを不意に小声で呟かれ、
映士が振り返ると明石が真剣に表情でこっちを見ていた。

「・・・・夜はそんなに可愛いのか?」

うわ・・・こいつ目がマジだ。
ノリで喋ってんのに本気になってんじゃねーよ。

「ま、まあな。ところでよ・・・!」

妙に重苦しい雰囲気を察知して話題を変えようと、真墨と蒼太のほうを見る。
しかし時既に遅しだった。

「どんな風にだよ?」
「話だけでも聞きたいね」

こっちも真剣な眼差しに変わっていた。

454 名前:「男の世界」 冒険銀桃 4/14 mailto:sage [2007/12/13(木) 11:21:44 ID:WwkKJ19c]
「おめっ・・おめーらマジで聞き出そうとしてんじゃねーよ!」
「別にいいだろ?話ぐらい」
「他の女性と違ってさくらさんは未知の領域なんでね。興味あるってわけ」
「・・・・・・・・映士、話せ」

・・・お前ら童貞高校生かよ。
こんなにキラキラした目のお前ら見んの初めてだよ。

しかし正直、あのお堅いイメージのさくらがどんな"女"になるのか、
男なら興味が湧くという気持ちは理解できる。
それにこういう状況で『そんなの言えねえよ』と逃げようもんなら
根性なし、ヘタレ、卑怯者と後々までレッテルを貼られてしまう。
男・高丘映士。
ここでナメられるわけにはいかない。
男の世界とはそう言うものなのだ。

「・・・・しゃーねーな。お前らもっと寄れ」

ニヤリと不敵に微笑む映士。
真墨もニヤリ。
蒼太もニヤリ。
明石だけは真顔。

「そうでなくっちゃ」
「今なら誰もいねーしな」
「・・・・・・・映士、話せ」

テーブルを中央に、まるでスクラムを組むかのように4人が顔を寄せる。

455 名前:「男の世界」 冒険銀桃 5/14 mailto:sage [2007/12/13(木) 11:22:45 ID:WwkKJ19c]
映「で、なに聞きたいんだよ?」
真「プロポーションとかどうなんだよ。普段あんまり意識して見ねーけど」
映「いい、の一言だな」
蒼「胸とかどうなの?」
映「こんぐらいかな?結構あんぜ」

五本指をふに、と曲げて形を表現する。
ゴクリ、と明石の方から音がする、

映「全身すげー白くてよ、ウエストも締まってるし・・・申し分ないな」
真「出てるとこは出てるってか。理想だな」
蒼「エッチは?やっぱ奥手?」
映「まぁな。オトコ経験ほとんどねーから最初は俺がリードすんだけどよ、
  盛り上がってくるとああ見えて結構・・・」
真「好き?」
映「ああ、感度いいしな。ビックンビックンよ」
蒼「へぇ・・・なんだか想像つかないな」
真「あーいうタイプに限ってギャップあるって本当なんだな」

明石が微動だにせずテーブルの一点を見つめている。
明らかに妄想中だ。そっとしておこう。

蒼「さくらさんからもしてくれるの?」
真「お前それは突っ込んで聞きすぎだろw」
映「構わねぇよ。まぁ知識としてはあったみたいで一応してくれるんだけどよ・・・」
蒼「するんだ?」
映「でもまぁ慣れてねーから、ぎこちない感じなんだけど・・・それがまた、な?」
真「あー分かる」
蒼「めっちゃ分かる」
?「何が分かるんですか?」

「「「「うわああぁぁぁぁぁっ!!!!」」」」

4人が揃って椅子から転げ落ちる。
振り返るといつの間にかそこにはさくらの姿が。

456 名前:「男の世界」 冒険銀桃 6/14 mailto:sage [2007/12/13(木) 11:23:46 ID:WwkKJ19c]
「・・・何をそんなに驚いてるんですか?」
「いやっ・・・・あの、今のは・・・!」

普段滅多に見れない、うろたえた様子の映士。
完全に腰が抜け、床に尻もちをついている。

「・・・・今の?」
「あのっ・・・悪ぃ、すまね・・・」
「今のって何ですか?」
「えっ・・・?聞いてなかったのか?」
「ええ、みんな固まってるから何話してるのかと・・・それで声掛けたらうわっ、って」

ふうっ・・・と深い息が4人から漏れる。
危なかった。今のは本気で危なかった。
こんな話をしているなどとバレたら・・・ある意味ネガティブに襲われるより怖い。

「いや、何でもねえよ。ただちょっとした世間話だ」
「・・・そんな風には見えませんでしたけど?」

明らかに訝しんだ様子で4人を見回す。

「それよりよ、菜月は?」
「ああ、途中で牧野先生に呼ばれて一緒に行っちゃいました」
「そうか、メシ美味かったか?」
「ええ、まあ・・・」

なんとかその場をはぐらかし、再びソファに横になる映士。
わずかに首を傾げながら、さくらもサロンの隅にある自分の席へ移動する。

そして、残った興奮冷めやらぬ3人衆は、先程の映士の話を思い出しながら
さくらの後姿をつい目で追ってしまうのだった。

457 名前:「男の世界」 冒険銀桃 7/14 mailto:sage [2007/12/13(木) 11:24:47 ID:WwkKJ19c]
その日の夕方、勤務終了後。

「高丘さん。私が前買った材料、まだ冷蔵庫に残ってます?」
「あぁ、肉やら野菜やら色々あったな」
「それじゃお邪魔して、有り合わせで何か作りますね」
「悪いな」

などと言いながら二人で映士の部屋へ入り、ドアを閉める。
昼間の一件も事なきを得、上機嫌の映士がさくらの肩を抱くように手を乗せた。

「そうだな、今日は何か油っこいもんが食い・・・・・ぐふうっ!!」

突然だった。
映士の全身に激しい衝撃が走ったかと思うと、四肢の力が一瞬で抜け
そのままドサッ、と床に崩れ落ちる。

「・・・・なん・・・・だ?」

苦悶の表情で腹部を押さえ、上を見上げる。
すると、冷たい視線のさくらが無表情でこちらを見下ろしていた。

映士は何が起きたのかすぐに理解した。
これが噂に聞いていた・・・さくらのボディブローだ。
昔明石がくらったときの話を聞いたことがあるが、
さくらのパンチは即効性の上、ズシンと体の芯に衝撃が残るため
一度くらうとしばらくの間は手足の先まで痺れ、身動きが取れなくなるそうだ。

「・・・ど、どうして」
「身に覚えがあるでしょう?」
「昼間の・・・聞いてたのかよ・・・・・ぐふっ」
「ええ。あの場ではしらばっくれるしかありませんでしたけど」

ヤバい。
完全にキレてる。
映士の脳内で警鐘が煩いほどに鳴り響く。

「私、あんなに恥ずかしい思いをしたのは生まれて初めてです」

さくらが映士の体を起こし、ベッドにうつ伏せに寝せる。

458 名前:「男の世界」 冒険銀桃 8/14 mailto:sage [2007/12/13(木) 11:25:48 ID:WwkKJ19c]
「すまねぇ・・・つ、つい勢いで・・・・」
「別に謝って欲しいなんて、これっぽっちも思っていません」

そのまま映士の両手を後ろに回し、ポケットから取り出したハンカチで縛る。

「・・・お前、なにすん・・・・・・!」
「どのみち、絶対に許しませんけど」

ピシャリ、と冷たい声が映士に投げかけられる。
そしてゴロリと仰向けに転がされると、その上にブーツを履いたままの
さくらが馬乗りになった。

「ちょっ・・・待て、落ち着け。なっ?」
「誰がビックンビックンですって?」
「・・・・・!」

映士の背筋を、ツーッと冷たいものが流れる。

「同じ目に遭ってもらいます」
「・・・・同じ目?」

聞き返すと同時に、さくらがガバッとシャツを上に捲り上げ、
映士の上半身が露わになる。
反射的に体を起こそうとする映士。
そうはさせまいとさくらが上から覆いかぶさり、
押し倒しながら映士の乳首を口に含んだ。

「・・・っく!」

映士の体がビクッと震える。
それに構わず、更に先端を舌先で転がし、唇で吸い、
もう片方も指先で優しくこねくり続ける。

「・・・っおい・・・何考えてん・・・っだ・・・」
「同じ目に遭ってもらう、と言ったはずです」

予想外の攻撃。
しかもまるで別人のような、さくらの行動。
何がなんだか分からないまま、映士が身をよじって抵抗する。

459 名前:「男の世界」 冒険銀桃 9/14 mailto:sage [2007/12/13(木) 11:26:49 ID:WwkKJ19c]
「どうかしましたか?様子が変ですけど」
「・・・うるせえっ」
「フン」

そのまま、舌を鎖骨、首筋、耳元へねっとりと這わせていく。
その度に映士の背中を寒気にも似た快感がゾクゾクと走り抜ける。

「・・・・っくぅ・・あ・・」
「これ、あなたがいつも私にしていることですよね。気持ちいいですか?」
「・・・っの野郎」
「無理しちゃって」

さくらがクスッと笑みを浮かべ、映士を見下ろす。

「いくら悪態をついても、ここは素直ですね」

さくらの視線が下へと下がる。
まさか、と映士も同じく目を走らせると、とっくにその部分が
大きく自己主張をしているのが見て取れた。

「無理矢理されても感じちゃうんですか?呆れちゃいますね」
「だ・・・誰でもこうなるだろうが!」
「もしかして、こういうのが好きだったりして」
「バカ言ってんじゃ・・・・うあっ・・・」

反論も聞かずにさくらの細い手が盛り上がりを優しく撫でる。
形に沿って根元から先まで、優しく往復させると
映士の口から少しずつ荒い息が漏れ出す。

「もうキツそうですね」

そう言うとさくらが強引に下半身に纏っているズボンや下着を
脱がせ、再び膝の辺りの上に馬乗りになった。

「なんか、いつもより大きくなってません?」
「・・・・知る・・・か・・」
「菜月に教えてあげなくちゃいけませんね。高丘さんは無理矢理が好きだって」
「・・・・・調子に乗ってんじゃねぇぞ・・・」
「調子に乗ってるのはどちらですか」



460 名前:「男の世界」 冒険銀桃 10/14 mailto:sage [2007/12/13(木) 11:27:49 ID:WwkKJ19c]
そして再びさくらの手が伸び、今度は直接熱い男根を握ると
ピクン、と見て分かるほどそれが跳ねる。
そして先端から我慢しきれずに滲み出た汁を指先で掬い取ると、
周辺に満遍なく塗り広げていく。

「もうカチカチじゃないですか」
「ふうっ・・・っく・・・」
「"ぎこちない"かもしれませんが、許してくださいね」

さくらの手が上下に動き出すと、想像以上の快感が映士を襲い
背中がベッドからわずかに浮く。
間を置かずに、さくらの空いた片手が柔らかい袋の部分を
ゆっくりと揉み解し始める。

「あっ・・・あぁっ・・・!」
「ふふっ、あんまり声出すと外に聞こえちゃいますよ?」
まるで女の子みたいですね」

期待通りの反応に気を良くするさくら。
一方映士はそんな余裕など全くなく、まるでさくらの手の平の上で
転がされているような自分の失態に我慢できぬ憤りを感じながらも、
後から後から浴びせられる快感に何ら抵抗できずにいた。

「ちょっ・・・待て・・・」
「こうすると、もっと気持ちいいんですよね?」

手の動きを止めぬまま、顔を映士の足の間に沈めたかと思うと
はむっ・・・とさくらが袋の部分を口に含む。
その瞬間、もう限界かと思われた男根がさらに反り返り、暴れ始める。

「くぁっ・・・!な、なんでそんな・・っ・・・」
「色々と勉強しました。さすがに実際にするのは気が引けてたので
今日が初めてですが、効果はあるみたいですね」

461 名前:「男の世界」 冒険銀桃 11/14 mailto:sage [2007/12/13(木) 11:28:49 ID:WwkKJ19c]
そのまま吸ったり舐めたりを繰り返して刺激し尽くした後、
ゆっくりとそのまま竿のほうへと舌の感触が上がってきた。
根元、裏筋、くびれ、そして先端へ・・・。
チロチロとせわしなく、しかし念入りに刺激していくさくらの舌の感覚が
更に映士を追い詰めていく。

「う・・・あ・・ぁ・・・」

映士の額にはじっとりと汗が滲み、口が半開きになっている。
途中、何度か我慢できずに果てそうになったが、
その度に変化を感じ取ったさくらが絶妙な力加減でそれを阻止していた。
押さえつけられっぱなしの射精感が自分の下半身の中で
行き場を求めて暴れ回っているのが感じられる。
息はとうに上がり、訴えるような視線をさくらに投げかける。

「・・・ビックンビックン、ですね」

先端から口を離すと、さくらの表情がふと真剣なものに変わり、映士を見つめる。

「もう・・・勘弁してくれ・・・・頼む・・・」
「二度とあんなことは言いませんか?」
「・・・言わねえ、誓う。だからっ・・・・」

懇願する映士の表情を見て、さくらが映士の体に覆いかぶさり、
互いの顔を近づける。

「私は・・・・・何も自分が恥ずかしい目に遭ったという事だけで怒っている訳ではありません」
「・・・・・・・・・」
「私のこういう姿を見せるのは、世界にあなた・・・たった一人だけです。
でもそれを仲間とはいえ、軽々しく人に話されて・・・少し寂しかった」
「・・・姐さん」
「こんなことして、ご免なさい」

さくらが映士の背中に手を回すと、戒めをそっと解く。

462 名前:「男の世界」 冒険銀桃 12/14 mailto:sage [2007/12/13(木) 11:29:51 ID:WwkKJ19c]
「俺のほうこそ、すま・・・・・いや、ごめん」

その言葉にさくらの、さくら本来の笑顔が戻る。

「分かってもらえばいいんですよ。それに・・・」
「・・・?」
「それはそれとして、ちゃんと最後までさせてもらいますからね」

えっ?と呟く間にさくらが再び映士の下半身に顔を埋め、
いまだ反り返る男根にゆっくりと口に含んでいった。
唇と、内部で絡む舌のぬるりとした感触に再び映士の背が反る。

「っく・・・!・・ぁ・・・・」
「好きなだけ、出していいですからね」

そう呟いた後、さくらが頭を左右に傾けながらリズム良く上下に振り始める。
空いた手はしっかり男根の根元を握り、こちらも速い速度で扱いていく。

「さっ・・・・・!くら・・ぁ・・・」

たまらず映士が両手でさくらの頭を掴む。
力を込めて股間に頭を押し付けられ、喉奥まで竿の先端が届きそうになるが
さくらはそれに抗うことなく、じっと映士のよがる様子を見つめている。

「だめだ・・・もうっ・・・・!」

映士の言葉にさくらが僅かに頷き、ゆっくりと目を閉じる。
そして間髪入れずにさくらの口内へ大量の白濁が解き放たれた。

「・・・・っ!」

苦しげに、さくらの眉間にぎゅっと皺が寄る。
それでもさくらは決して口を離そうとはしない。
口の中で先端はあちらこちらに方向を変えながら暴れ回り、
最後の一滴が搾り出されるまでの間、ずっとさくらの
口内を汚し続けた。

463 名前:「男の世界」 冒険銀桃 13/14 mailto:sage [2007/12/13(木) 11:30:52 ID:WwkKJ19c]
「はっ・・はっ・・・・・はぁっ・・・・」

まるで空中を漂っているような、ふわふわした感覚。
全身が脱力し、指一本すら全く力が入らない。
荒い息を少しずつ整えながら、未だ残る快感の余韻に身を委ねる。

「・・・大丈夫ですか?」

不意に近くから呼びかけられる。
ゆっくりと目を開けると気遣うような視線でさくらがこちらを覗き込んでいた。
口を開く気力も無く、ただ問いに頷いて答える。

「はじめて飲んじゃいました。結構平気ですね」

さくらが口の周りや手についた白濁を、特に気にすることも無く舐め取っていく。
その仕草にドキッと心動かされるが、今はとても襲う気分になどなれない。

「それじゃ、これで仲直りという事で・・・私帰りますね。
このまま寝ないで下さいね?風邪引いちゃいますから」
「え・・ちょっ・・・」
「仕事に差し障りますから。今日はここまでです」

引き止めようとする映士に一方的にそう告げ、部屋を出るさくら。
そしてドアを閉める間際、周囲を確認してからさくらが小声で囁く。

「気持ちよさそうにしてる高丘さん、可愛かったですよ」

そういい残すと、ペロッとさくらが少し舌を出してドアを閉める。
程なくして少しずつ小さくなっていくさくらの靴音がゆっくりと消えていった。


「くそっ・・・調子に乗りやがって・・・」

ドアに向かって悪態をつく。
女に一方的に責められて、いいように手玉に取られて・・・。
心底胸糞悪い・・・はずなのに。

高丘流も堕ちたな、と自嘲するのが精一杯だった。

464 名前:「男の世界」 冒険銀桃 14/14 mailto:sage [2007/12/13(木) 11:31:57 ID:WwkKJ19c]
「よお、昨日は危なかったな」

翌朝、サロンに入った映士の肩を真墨が軽く叩く。

「うるせえ」
「何だよ、朝っぱらから機嫌悪いな」
「うるせえってんだよ」

真墨を無視し、ズカズカとソファに歩み寄って腰掛ける映士。
その表情は憮然とし、不機嫌そのものだった。

「どうしたの?あれ」
「さぁな。姐さんと何かあったんじゃねえか」
「・・・まさか昨日の件はバレてないだろうな?」

蒼太、真墨、明石が揃って遠巻きにこちらを見る。
そこへファイル片手にサロンへ入ってきたさくらが、スタスタと映士に歩み寄ってきた。
その場にしゃがんで映士と同じ目線になるさくら。
途端にやや伏目がちになる映士。

「おはようございます、高丘さん」
「・・・・・・あぁ」
「早速ですが昨日の報告書、まだ書いて頂いてないようですが」

昨日と同じように映士の前に書類を突き出す。

「・・・だから、俺は書かねえって」
「書いて頂けますよね?」
「・・・・お、俺は」
「ね、高丘さん?」
「・・・・・・・・・」

苛立ちと照れ臭さを感じながら、視線を上げてさくらを見る。
そしてこちらを伺うさくらのその表情は・・・あまりにも可愛すぎた。

「・・・・・・・・・・・ああもう!分かったよ、書きゃいいんだろ書きゃ!」
「「「嘘だろっっ!?」」」

ひったくる様にしてさくらから書類を奪い取ると、
バツが悪そうに皆に背を向け、ペンの尻で頭を掻きながら報告書を書き始める映士。
3人がその様子を呆気に取られながら見ている。

そして満足げに微笑むさくらが、映士に近寄りそっと耳打ちをする。

「昨日のお詫びにお弁当、作ってきましたから・・・一緒に食べましょうね?」


(了)

465 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/13(木) 11:33:24 ID:WwkKJ19c]
以上、長々と失礼しました。
好みに合わなかったらすんませんです。

率直な感想聞かせて頂ければ幸いです。
ではではー。

466 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/13(木) 11:38:00 ID:kEvJGGJ6]
さくら責めktkr!!!GJ!!
こんなの来ないかな〜と思ってたのでうれしいっす。
次回はもっといろんなコトさせちゃって下さい。

467 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/13(木) 11:40:38 ID:Oa5o/Vw2]
これは、なんと良い姐さん…!
GJです。

468 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/13(木) 11:52:03 ID:zEDJwnbU]
素晴らしい、GJです
好みのどツボを突かれました

しかしチーフが面白すぎるw

469 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/13(木) 17:20:25 ID:72oV2fM9]
ムチャクチャGJ!!だぁ〜〜〜!!
ジックリエロで、しかも愛ある銀桃!もう、土下座の勢いです!
たまらん!ありがとうございます!職人様!



470 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/13(木) 17:38:33 ID:1OTFmRKz]
GJでした! まさにプレシャス!
銀桃はもちろん、チーフはじめ他のキャラも特徴をよくつかんでおられて
蒼や真などの名前を割り振らなくてもどれがどのキャラのセリフか
ばっちり理解できました
いいもの読ませていただいて感謝感謝です!

しかし本当にチーフが面白すぎるw

471 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/13(木) 19:11:03 ID:mYL6kjr6]
笑いあり、エロあり、ラブラブありでお見事です
姐さん責めは初めて見たので、Hなくてもめちゃめちゃ興奮しました・・・
自分もこういうの書けるようになりたい

472 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/13(木) 20:32:30 ID:a4o9o/ib]
逆襲編希望w

473 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/14(金) 03:35:01 ID:OxlyBFKc]
自分も逆襲編希望ノシ
いやもうホント面白くてエロくてGJでした!
男4人の会話もすごく楽しかったw

474 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/14(金) 14:22:11 ID:yM/nG8wm]
自分も逆襲編というか、さくらさんが「ビックンビックン」な時が
どんな感じか、チーフ並に興味深々だ!

475 名前:465 mailto:sage [2007/12/14(金) 16:07:36 ID:tX1J2CIi]
映士責め編はそのうち書かせて頂きます
色々とご意見ありがとうございました

次の職人様カモンヌー

476 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/14(金) 23:13:11 ID:zj6NQr6F]
久々に来たら祭状態サイコー マジ職人さんGJ
ゴウラン、レツラン、冒険銀桃全て私の栄養になった!ありがとう!!

477 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/15(土) 19:22:06 ID:jRY8/Abq]
>>388にwktkして、とりあえず5巻のトークを見てみた。
以下ちょっとネタバレ



理央様の浮気を疑うメレ(の中の人)、可愛いすぎです

478 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/16(日) 19:59:46 ID:a6u2ICqM]
次週のミニスカサンタなメレ様が楽しみなんだ

479 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/17(月) 03:30:18 ID:3S9Ukwkj]
臨獣トーク見た
自分の目が腐ってるせいだろうが、巻ごとに進行していく2人の関係がたまらん

2巻 カップルシートがまだぎこちない初デート編
3巻 リオ様がチャウチャウ化し、メレ様がうちとけていく、屋外デート編
4巻 新妻の初々しさと色気がたまらない新婚編
5巻 どこまでもやってくれとなるバカップル編

次巻はもしや間男ロン出現でメレ様昼下がりの危機編になってしまうんだろうか



480 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/17(月) 12:34:19 ID:lkgn4XUc]
>>479
分かる!分かるよ!!
人がいちゃいちゃしてるの見て
何がうれしいんか自分も何度も見てしまう。
しかもにやにやしながら。
何であんなにかわええんだよ。二人とも。

481 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/17(月) 12:47:28 ID:maORJFxr]
うちの子、トークの理央見て絶句してた
すぐさまテレビ消して「よく似た人だったね」となだめた

482 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/17(月) 12:55:47 ID:kR99eWe7]
ワラタ
どんだけキャラ違うんだか

お子様にはショックだろうて

483 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/17(月) 13:56:57 ID:lkgn4XUc]
キャラ崩壊といえば
去年の不滅の牙も笑えた。
特にDVD最終巻の赤銀桃トーク。
チーフのとんでも発言に
ポカーンな銀桃が微笑ましかったw

まぁ、理央さま圧勝だが。

484 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/17(月) 15:50:50 ID:sLo3tSE2]
>>483
げっ。
あのチーフには銀桃の頭上に「!」「?」が飛び交っていたわけだが、
それ以上の破壊力なんか。
リオ最強かー。

485 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/19(水) 17:03:33 ID:rhcJStop]
DVDトークぶっちぎって済みません。
ちょい前に、蒼太を使ってチーフに対して大変失礼な考察をした者です。
冒険赤桃出来たので落とします。
全部で7スレ消費予定。宇宙行く前夜と当日話でエロ有りです。
赤桃嫌いな方だけじゃなく、男らしくてカッコいい赤い人が好きな方もスルー奨励です。


486 名前:所有率・明石編1 (冒険赤桃) mailto:sage [2007/12/19(水) 17:05:25 ID:rhcJStop]
「私がチーフを気持ち良くしてあげますね。」
 そう言って上から見下ろすさくらの瞳は酷く野生的で、狩りの獲物とはこんな気持ちだった
のかと、俺は背筋をゾクリと震わせた。

 2〜3ヶ月前から、だんだんセックスの回数が減ってきた。
 ほぼ一緒に住んでいるのに、疲れているからと同じベッドで背中を向けて眠ったり。
 1ヶ月前から、とうとうさくらは俺の部屋に来なくなった。
 原因は自分にある。
 さくらを、皆を置いて宇宙へ行ってしまう自分に。


「プレシャス探索の為宇宙へ行く事になった。3ヵ月後だ。」
 3ヶ月前、サロンで二人きりになった時、やっと打ち明けた。
 実はガジャ達の事が片付いてすぐミスターボイスから打診があり、その時から密かに
準備を進めていたのだ。しかし、問題はどのタイミングでさくらに話すのか。
 プライベートな時間に仕事の話をするのはルール違反。だから話すのなら仕事中。お互い
チーフとサブチーフである時に。尚且つ二人きりで。
 条件が会う機会を伺いながら、時には訝しそうにこちらを見るさくらの視線をかわしつつ、
時間だけが過ぎていった。
 そしてようやく打ち明けた言葉は、業務連絡としか言い様の無い味も素っ気も無い一言。
 だがこれで良い。これから更に重要事項を伝えなくてはならないのだから。
 ボウケンジャーのチーフとして。


487 名前:所有率・明石編2 (冒険赤桃) mailto:sage [2007/12/19(水) 17:07:47 ID:rhcJStop]

「俺はボウケンジャーを辞める。新チーフはサブのお前が引き継ぐのが本来なら妥当な所だが、
 俺個人の判断として真墨にやらせるつもりだ。
 お前は引き続きサブチーフとしてあいつを支えてやってくれ。
 それと、この話は出発ギリギリまで皆には内緒だ。あいつらは俺の命令を無視して
 絶対一緒に行くと言うだろうからな。」
「・・・・私なら貴方の命令に必ず従うから、教えて下さったのですか?」
 掠れた声。震える語尾。でも表情は凛として、キッとこちらをねめつける。さくららしい。
「仕事の引継ぎがあるだろう。流石の俺も、何もかも放り出して宇宙に行く程無責任じゃない。
 それに、仮に真墨に打ち明けてあいつに引き継いだとしても、あいつじゃどう考えても
 仕事を覚え切れないだろう。だからお前に引き継いで貰って、俺がいなくなった後真墨を
 指導してもらう予定だ。」
「・・・私も宇宙に付いて行くと言ったら?」
 零れ出す本心。
 仕事とプライベートを使い分けていても、その仕切りの隙間から俺への感情が溢れ出る。
 
 だから、いっそ冷たい声で突き放す。

「分かっている筈だ。
 ボウケンジャーから一度にチーフもサブチーフもいなくなって良いものかどうか。」
「分かっています。」
「俺は宇宙に行く。お前は地球に残ってサブチーフの責務を全うしろ。」
「それは命令ですか?」
「チーフとして、サブチーフへの命令だ。」
「・・・分かりました。」

 我ながらズルイ男だと思う。
 サロンにいれば、俺達はメンバーに対して責任のあるチーフとサブチーフだ。
 彼女は上司である俺に逆らったりはしないし、仲間の話を出せば反論出来る筈が無い。
 それが分かっていたからこそ、ここで打ち明けた。命令した。
 ボウケンジャーのチーフとして。



488 名前:所有率・明石編3 (冒険赤桃) mailto:sage [2007/12/19(水) 17:09:41 ID:rhcJStop]

 宇宙へ一人で行くと決めた以上、その決心が揺らぐ場面を作りたくなかった。
 例えば「行かないで」と女が縋る・・・・、まあ、さくらは決してそんな事はしないが。
 それでもプライベートな空間でそんな話をしたら、どんな事をしても付いて行くと言いかね
ない。二度と地球へ戻ってこられないかもしれない危険な冒険へ。
 そんな事は、リーダーとして許可することは絶対出来ないのだ。

 だが、明石暁個人としてはどうなのか?と問われれば、物理的な距離、それも途方も無い
二人の間の距離が、そのまま心理的な距離になってしまうんじゃないのか?とか、もっとその
前に、悲しむさくらを慰めるフリをした映士にサックリ取られるんじゃないか?とか、よく
考えれば、別に映士じゃなくたって真墨だって、蒼太だって男なんだからさくらとそういう
仲にならないとも言い切れないじゃないか?とか、そもそもビークルの整備士でもミュージ
アムのスタッフでも、自分がいない間にさくらに近づく男はゴマンといるじゃないか?とか、
実に情けない。
 あまつさえ、自分で勝手にさくらの新しい恋人を想像して激しく嫉妬している始末で、
それに気が付いた時には、我ながら愕然としてしまった。
 だから、好きな女に情けない自分を見せないよう、精一杯の見栄を張って、チーフとして
さくらに対峙したのだ。

 でも、見栄と虚勢で厚く覆った心の隙間から、こちらも本心が滲み出る。

「どうしても付いて来たいなら、ボイジャーに密航して来い。」

「・・・はっ?」
「勝手に俺に付いて来い。・・・そうだな、クリスマスの罰ゲームだ。
お前が付いて来るのに、俺は何の手助けもしない。お前も誰にもバレずに準備しろ。」
「・・・そんなの無理です・・・。」
「だろうな。冗談だ、忘れろ。」
 そうして心にまた蓋をする。蓋をしなくてはいけない。
 俺の身勝手な冒険にさくらを付き合わせてはいけないのだから。


489 名前:所有率・明石編4 (冒険赤桃) mailto:sage [2007/12/19(水) 17:10:37 ID:rhcJStop]

 出発の前夜、いつもと変わらない素振りで仕事を終え、部屋に引き上げる。
 エレベーターを降りてさくらに手を伸ばしたのは何故だ?
 お互いに明確な別れの言葉を言った訳では無いのに、彼女との事は自分の中で半ば自然消滅
しかけているはずだった。
 華奢な腕を掴む。
 それは多分、もうどうしようもない感情。
 自ら離れてしまう事を選択したくせに、押さえ付けても押さえ付けてもさくらをまだ求める
やりきれない感情。

 腕を捕られた彼女は、驚いた風ではあったがさりとて抵抗する事も無く、大人しく部屋に
付いて来た。
 そのまま、言葉も無く俺はさくらを抱いた。




490 名前:所有率・明石編5 (冒険赤桃) mailto:sage [2007/12/19(水) 17:12:29 ID:rhcJStop]

 さくらが上になるのは別に珍しい事じゃない。
 前だろうが後だろうが上だろうが、俺が望めば彼女はそれに従ってくれた。
 でも、ここまで積極的に行動した事はあったか?
 俺の戸惑いを他所に、さくらの腰が緩やかに動き出す。
 奥深く咥えていたソレを、腰を浮かせてほんの少し引き抜き、また腰を沈めて咥え込む。
 眉根を寄せて、唇から甘い喘ぎを漏らしながらゆっくりと。
 手を伸ばして、彼女の左手に絡ませた。腰の動きに合わせて揺れる形のよい乳房をもう
片方の手でぎゅっと掴み、彼女がその上から右手を重ねる。
 早まった腰の動きに、掌の刺激で硬くなった胸の頂を摘めば、堪らずさくらは声を零した。
「やっ・・・、あ・・ああ!チッチーフ・・・!!」
 
 もうすぐこの声も聞こえなくなる。
 宇宙へ行っても、お互いの状況報告を行う為の通信はするだろうが、これ程魅惑的で、
こんなにも切ない、俺の為だけの甘い響きはもう聞けない。
 次に聞くのはいつになるのか?
 その前に、そのチャンスすら残っていないんじゃないのか?

 身体の中心から湧き上がる快楽に浮かされながらも、頭は妙に冷静にそんな事ばかり
考えていた。


491 名前:所有率・明石編6 (冒険赤桃) mailto:sage [2007/12/19(水) 17:13:51 ID:rhcJStop]

「チーフ・・・、気持ち良いですか・・?」
「・・ああ。だが、何でこんな事?」
「・・・餞別です。」
 ・・・これが餞別か。
 だったらこっちも遠慮する事は無いな。

 深く繋がったタイミングを見計らって、いきなり強く突き上げた。
「やあっ!!ダッ、ダメッ!!わ、私がチーフをイカせてあげるのに・・・止めっ・・!!」
 気持ちだけ受け取って、尚も激しく突き上げる。欲望のままに。
 繋がった部分がぴちゃぴちゃと淫猥な音を立て、それにさくらの甘い鳴き声が被さる。
 もう宇宙の事もミッションの事も忘れて、ただひたすらこのプレシャスを貪った。

「ああっ・・・。もう・・。やあっ!イクっ・・ダメェ!!」
 俺の上で大きく仰け反り、絶頂を極めたさくらが倒れ込んできた。
 でも、俺の中心はまだ立ち上がったままで。
 まだ足りない。もっとさくらが欲しい。
「チーフ?」
 彼女を仰向けに横たえ、今度は俺が上になる。
 しなやかな足を肩に担げば、まだ達した余韻でひくついていた胎内に、俺自身がより
いっそう奥深く入り込んだ。
 さくらが小さく震える。

「次は俺の番だな。」
「えっ?あ・・。」
「餞別はたっぷり貰う。」
 自分の声がやけにケダモノじみてる。そう思った。



492 名前:所有率・明石編7 (冒険赤桃) mailto:sage [2007/12/19(水) 17:14:58 ID:rhcJStop]

 朝目覚めた時、さくらはもういなかった。
 昨夜の狂乱の跡は微塵も感じさせない静まり返った部屋。
 ・・・・どうやら彼女にとっては、本当にあれは餞別だったらしい。
 
 ボウケンジャーとして過ごした2年半の月日は、様々な思い出に彩られている。
 その中でも、さくらとの思い出が俺の中で驚くほどの所有率を占めている事が、
彼女には分かっているのだろうか?
 サロンを出てしまえばもう宇宙へ行くというのに、さくらは至って普段通り。
 俺との別れを少しも悲しんでいない様子だ。彼女の方がさっさと俺を吹っ切たらしい。
 もしかしてあの時の“冗談”を真に受けて・・・なんて甘い期待をしていたが、やはり
生真面目なサブチーフは、こんな未練がましい男より、自分の職務を優先したのだ。

 それでいい。それがさくらの選択なのだから。

「行ってくる。」

 俺は皆に、さくらに別れを告げた。

                         ・・・It continues to Sakura edition


493 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/19(水) 17:15:53 ID:rhcJStop]
以上、駄文失礼いたしました。
これの対になる話のさくら編を作成中です。年内には落とせるようがんがります。
ちなみに、毎回お願いしているのですが、落とす前によくチェックしているつもりでも、
やっぱりどこかにミスがあります。
気になる事等ありましたら、ビシビシご指摘下さい。
それでは今回はこれで失礼いたします。


494 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/19(水) 22:32:08 ID:cTz6m6NO]
所有シリーズ、投下をお待ちしておりました。
まさが「罰ゲーム」がこう来るとは思いもせずw
さくら編も楽しみにお待ちしておりますが、年末で何かと
お忙しい折、どうぞご無理はなさらずに。
ありがとう、GJでした!

495 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/20(木) 00:29:32 ID:LeDBiaYK]
おぉ!所有シリーズ新作がっ!!あいかわらずGJでした。姐さん編楽しみにしてますよー!

496 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/20(木) 18:25:51 ID:tj3g/KOk]
所有シリーズ作者様、いつもGJです。
続きを楽しみにしております!!

497 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/21(金) 06:40:50 ID:WgxFE7i3]
GJ!
餞別おいしゅうございました。
一生懸命な姐さんに萌えた!

498 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/21(金) 07:58:01 ID:ZcMmPtiM]
所有シリーズ、内容も文章もダレて来てる。
面白くないというか、無理矢理引っ張って書いてる印象。
ネタ切れならもう無理して書かないで欲しい。


499 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/21(金) 09:01:39 ID:WgxFE7i3]
GJ!
餞別おいしゅうございました。
一生懸命な姐さんに萌えた!



500 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/21(金) 09:02:48 ID:WgxFE7i3]
ごめん、二重投下しちゃった






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