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少女・女性が化物に捕食されちゃうスレ 復活の5



1 名前:名無しさん@ピンキー [2010/01/14(木) 18:12:53 ID:kO4ltSek]
オレは女の子(女性)が化け物に捕まって、いろいろ弄繰り回された後に食べられちゃうよー
てなシーンにすごく萌えるわけですが・・・

皆さん、こんなの好きな人いませんかね??

話を書いてみたり、そういうサイトを教えあいませんか?


※SS投下の際の諸注意
 ・元の作品:オリジナル/パロディ(キャラ・世界観のみの場合含む)
 ・捕食方法:噛みつき・丸呑み・体液吸出・咀嚼・溶解吸収etc...
 ・他注釈 :特に凄惨な表現を含むなど、注意が必要と思われる場合
以上を冒頭に明記することを推奨します

男性が捕食されるシチュエーションはNGではありませんが、
このスレでは
『女の子(女性)が化け物によって(嬲られ犯された末に)捕食される』
がメインです
 ・ラミア、リリス、サキュバスなどに捕食要素を追加して男女両方を襲う
 ・男女混成のチームを丸ごと、あるいは順に捕食していく
などの工夫で男性が捕食される状況を含むものはOKです
 ・ヒトが人魚、妖精などを(嬲る、犯す)食うのは変化系としてOKです
 ・単にヒトがヒトを食う(ただのカニバリズム)ものはスレ違いです


初代  ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1125051013/
その2 ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1147338907/
その3 ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1182796046/
その4 ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1217963873/

関連スレ
◆女性に捕食されるスレ◆
yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1213114446/


その3スレ>>804氏が作ったWiki (補完等、協力お願いします!)
www11.atwiki.jp/hosyoku/


181 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/29(土) 11:44:30 ID:gehcn4Kg]
3【おしり】

認許された社会、みたいな。


182 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/29(土) 14:04:26 ID:/WvaRDWK]
4同化吸収

183 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/29(土) 19:45:44 ID:cMuJO5f3]
5(丸呑み)

184 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/29(土) 21:59:01 ID:YDUSNIAi]
人数少ない上に見事にばらけてるな

185 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/30(日) 07:14:10 ID:enI8fRjz]
それでも進まないということはだいぶ規制がかかってるのかもね。
俺も最近までぜんぜん書き込めなかったわ

186 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/30(日) 10:39:58 ID:fwNkuo9E]
6(同化吸収)

187 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/30(日) 22:45:54 ID:vlYM5kEj]
点呼ついでに、自分好みのSSを投下するとかどうよ?
来たれ職人の卵!

188 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/31(月) 00:31:57 ID:i09EQvVW]
>>169の続きを投下します。

今回は話と話の繋ぎ目です。
セリフもありません。


189 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2010/05/31(月) 00:36:09 ID:i09EQvVW]
 ……少女たちの所属する教団では、性的行為は厳しく禁じられていた。

 『性的快感に溺れることで、神への信仰心を忘れてしまう』

 そのような理由から、セックスは勿論、性器に異物を挿入するなど論外。性器を指で弄る行為や、異
性とのキスすら背信となるというのが、『藤村先生』の教育だった。
 両親が自分たちを産んだことでさえ、その論理では罪深き行為であると彼女は教えた。
 だから、少女たちは、生まれた瞬間から、両親の罪の象徴。両親から隔離されることは、即ち、両親の
贖罪である。両親と会えないことに疑問を抱いてはいけない。
 そのような教団の洗脳は、少女たちを潔癖な人形に育て上げていった。
 ましてや彼女たちは、その人形の中でも選りすぐりの信者たち。
 <フィルール・スター・ナイツ>に選ばれ、異世界に旅立つことを許された少女たちは、入浴時も常に
動きを監視され、寝るときは手足をベッドに縛られ、金属製の貞操帯を嵌められるほどだった。
 股を擦り合わせることは愚か、シーツで胸を擦るような行為さえ封じられた。
 尿意や便意を感じようが、病気で発熱しようが、寝ている間は絶対に動けなくされていた。

 ……だから、陰部が汚物に塗れようが、負傷しようが、彼女たちはそう簡単には触れない。陰部にウ
ジが湧いてそれを取り除く行為さえ、有罪の行為なのである。
 最終的に一部の少女は、罪を覚悟して蟲を取り除いた。しかし、大半の少女は教義を頑なに守り、傷
口に沸いたウジが乳房や陰部で増殖していくのに、ひたすら耐え続けた。
 入口に自然発生した蟲であり、積極的に侵入したわけではないから、異物挿入ではない。
 そのような根拠不明の脳内解釈が、彼女たちの唯一の心の逃げ場だった。

 …………………………………………………
 ……………………



190 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2010/05/31(月) 00:38:56 ID:i09EQvVW]
 轟音と共に、前後左右から唾液の壁が押し寄せて、数十秒が経過した。
 集団がいた場所は、原生林の風景画を抉り抜いたかのように、琥珀色の湖と化していた。ドーム球場
をいくつか満杯にできるほどの怪液に襲われ、立ち並んだ木々は先端まで水没し、そして今、水位が下
がり、ゆっくりと木々の頭が水面から現れてきているところである。
 洪水時に、時間の経過と共に、氾濫した河川水位が下がるように。
 足を負傷した少女たちは、最後は斜面を登ることができず、沢に沿って山を移動していた。
 俯瞰してみれば、その場所は大きな窪地で、少女たちの集団がいたのはすり鉢の底に近い位置だっ
た。普通の雨でも小さな湖ができていたであろうその場所は、今や魔物の唾液湖と化している。
 一帯に充満したのは、甘い砂糖菓子のような匂い。
 揮発したアルコールの芳香。
 頭を出した木々の枝や葉っぱにも、どろりと粘性を帯びた琥珀色の液体がこびり付き、糸を引いて唾
液湖に垂れ落ちていく。異様な粘性は、それが魔物の体液の一部であることを物語っていた。
 唾液湖の水面には、葉や、樹の幹に付着していたゴミが漂っている。
 そこに、ぼこり、ぼこり、と気泡が浮かび上がってきた。
 粘性の強さを示すかのように、気泡が浮上するスピードは遅い。
 まるで空気が蜂蜜の中を移動しているかのようだった。

 ごぼごぼっ……ごぼごぼごぼごぼごぼ!

 気泡は鎖のように連なり、次々と底から浮き上がってくる。
 それらは、唾液の海に沈んだ少女たちの口から漏れているものだった。

191 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2010/05/31(月) 00:40:42 ID:i09EQvVW]
 呼応するように水面は波打ち、無数の波紋が模様を成し、そして生物のように震えた。
 唾液湖の水はそのまま重力に逆うように盛り上がり、表面の粘液が軟体動物の足のようにぬるりと起
き上がって、そのまま数メートルの長さになるまで空に伸び続け、パシャリと湖面を叩いた。
 それが合図のようだった。
 唾液湖の、水面のあらゆる場所から、同じような触手が何百本、何万本と空に伸び上がった。それら
は湖表面を征服し、細切れに分裂して群体に変わり、枝分かれして増殖していった。

 びちびちびちびちびちびち!
 びちびちびちびちびちびちびちびちびちびちびちびちびち! 

 魔物の唾液湖は、今や別の生物の巣窟と化して、全体が蠢いていた。
 人間の唾液にも、当然ながら雑菌の類は存在している。
 しかし、魔物の唾液中のそれらは、やはり魔物に近い。半透明のゼラチンのようなそいつらは、唾液
を体内に取り込んで膨張し、まるで蜜色のミミズやウジの大群のように、激しくのたうった。
 それは、腐敗した肉塊を浴槽に詰めて数日放置し、ウジの洪水と化したところにドラム缶満タンのミミ
ズを注ぎ込み、粘り気が出るまでかき混ぜたような汚辱風呂を、砂糖とアルコールを加えることで甘味
のあるゼリー風味に調整したの、悪夢的な巨大蟲塊の粘液プールだった。
 蟲の大群が活発に動いて、水面は沸騰しているかのように激しく泡立っている。

192 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2010/05/31(月) 00:43:44 ID:i09EQvVW]
 そこに、気泡の鎖で引き上げられるように、沈んでいた少女たちが次々に浮上してきた。
 苦しみから、どの少女も手足をバタつかせている。
 甘い雨を啜りながら、恍惚の表情を浮かべていた彼女たちの面影は、最早全く無かった。今や、その
表情は、ここ数日の放浪を超えた苦悶によって塗り潰されていた。
 暴れているのは、もちろん、窒息のみが原因ではない。
 甘い甘い蜜の世界に満ちていたのは、大小無数の蟲の大群。
 唾液の中を泳いでいる半透明の蟲は、粘液の外からでは姿形が視えない。しかし、それらは間違い
なく存在して、彼女たちの肉体に纏わり付いているのだった。
 少女たちは純潔を守ろうと、死に物狂いで手足を動かしている。
 まだキスの味も知らない唇、指の味も知らない女性器、排泄以外で使用したことは無い肛門……。
 必死に純潔を守り抜いてきた少女たちは、蜜色の地獄の中で、サイズからして聖域に易々と侵入でき
てしまう不可視の大群を相手にし、文字通りの死闘状態にあるのだった。
 小さな蟲ならば脳内解釈で誤魔化せても、ゴムホースのような数メートルの触手で破瓜を迎えてしま
えば、最早言い逃れも誤魔化しも不可能になってしまう。
 それは、自分の宗教的地位の喪失を意味していた。
 中には冷静に顔を両手で覆い、太股を閉じて陰部を守ろうと試みている者。身体を丸めて顔を隠し、
両手で股を隠そうとしている者もいるが、大半は半狂乱状態で暴れるだけだった。

 同時に、彼女たちが求めているのは新鮮な空気。
 必死に蟲風呂を泳ぐ集団と、水面の距離が、1メートル、あと50cmと近づいて……。
 音を立てて、少女たちが水面から顔を出した。

 …………………………………………………
 ……………………

193 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/31(月) 00:45:48 ID:i09EQvVW]
続きはそのうち。
ではまた。

194 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/03(木) 12:07:35 ID:zYxLy+fV]
GJ!

195 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/07(月) 01:40:56 ID:y76aSHBw]
>>192の続きを投下します。
それっぽくはないですが、今回から消化になります。

残酷な表現がありますので、注意してください。

196 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2010/06/07(月) 01:42:07 ID:y76aSHBw]
 膨らみの乏しい乳房は、同年代の男子とまだ変わらないだろう。しかし、よく観察すれば、その肢体は
確かに女性として見ることができた。全身の傷が無ければ、なおさらである。
 琥珀色の唾液に赤い血を広げながら、幼い少女が水面を目指して泳いでいた。
 目印は、左目のみの濁った視界の中で、ゆらゆらと揺れている太陽のみ。ぎこちなく手を動かし、生き
るために何とか新鮮な空気にありつこうと、異様な気配が満ちた粘液を、力を振り絞って蹴った。

「いっ、いやああああああああああああっ!」

 しかし、浮かび上がった少女――弥生から迸るのは、身を斬られたような悲鳴。
 水面から飛び出した柔らかな肌で動くのは、伝い落ちる唾液だけではない。
 彼女の上半身には、唾液を取り込んで蜜色に変化した畸形の蟲が、びっしりと張り付いていた。小指
サイズのウジの群れと、ゴムチューブのように細長いミミズの群れ。黒髪の生え際から脇の下まで柔肌
を覆い尽くした大群は、小さな乳房やあどけない顔を舐めまわすように蹂躙していく。
 そして呼吸のため開かれた唇や鼻腔に流れ込むように侵入し、口内で暴れてそのまま喉に入り込んで
いく。周囲でも唾液が山のように盛り上がり、現れた大群が胸元と背中から這い上がってきた。
「ごばごぼっ! げえっ! ……っすけて……ごぶっ……だれか……がぼごぼがぼ!」
 弥生は数枚だけ残った淡いピンクの爪を立て、胸や首を掻き毟り、蟲を振り払おうとする。しかし、多勢
に無勢。爪の隙間は蟲の残骸と唾液に覆われて、身体を掻いてもぬるぬる滑るのみ。
 突然、下腹部を異物感が襲い、焼け杭を打ち込まれたような激痛が全身を駆け巡った。視界は真っ白
になり、音が消え、気が遠くなり、次の瞬間、意識が爆発するかのように甦る。

197 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2010/06/07(月) 01:46:42 ID:y76aSHBw]
「いや゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」
 小さな唇から7本のミミズを生やしながら、弥生は仰け反って絶叫する。
 それは肺から全ての空気を絞り出し、喉が破れんばかりの獣のような声。
 成熟せずに固く閉ざされた性器からは、破瓜の鮮血が煙のように広がっていた。
 前触れも何も無く、弥生の下腹部は蟲に貫かれていた。
 穢れを知らなかった性器と結合したのは、何十本というミミズで編まれた荒縄の如き触手だった。サイ
ズは大きすぎて話にもならない。陰唇は青黒く内出血しながら拡張され、しかし限界を迎えて肉が裂け、
血の涙を流しながら結合部がブチブチと上下に広がり始めた。
「お゛お゛お゛お゛お゛お゛――っ゛!」(痛い! 痛い! 痛い――!)
 触手の先端を挿入されただけで性器を破壊され、弥生は狂ったように頭を振った。
 しかし、悲鳴を上げた口は数十匹のミミズに殺到されて塞がれ、蟲が流れ込んでくる勢いに負けて、
小さな頭はガクンガクンと前後に揺らされる。甘い砂糖の味も、にゅるにゅると蠢くミミズと融合すれば
嫌悪感しか湧いてこなかった。トラウマでもう一生、甘いものは食べられないかもしれない。
 喉まで侵入したミミズたちは、彼女が嘔吐するのを無視して奥へ奥へと流れ込んだ。
 頭から雨のように浴びせられる唾液は、涙さえも押し流していく。口と性器を蹂躙され、弥生はただ苦悶
の声を漏らすしかできない。手は触手に縛られながら、虚しく空気を掻いていた。
 しかし、蟲はそのようなことも関係なしに、幼い肢体に殺到して性器と口を嬲り、抵抗もままならない
獲物の体内と体外に、砂糖とアルコールで飽和した唾液を塗りつけていく。
 周りでも、少女たちが壮絶な悲鳴を上げて蟲風呂に引きずり込まれ、触手に貫かれて空中に巻き上げ
られ、または必死に蟲と格闘している。最早、悪夢にすら登場しない地獄である。

198 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2010/06/07(月) 01:48:59 ID:y76aSHBw]
(か、神様……どうか……私たち、フィルール・スター・ナイツに……ご加護を……)
 弥生が最後にできたことは、文字通りの本気の神頼み。
 少女たちは、もうすぐ到着できたはずの聖界フィルールで、名誉ある聖星騎士の一員となり、美しい甲
冑と聖剣を手に、悪魔たちと戦う使命を帯びている。こんな場所で、ボロボロの惨めな姿で、蟲に蹂躙さ
れて朽ち果てるわけにはいかないと、彼女は本気で神に助けを求めた。
(どうか……私たちに……この悪魔の蟲をうち破る……聖なる力を、お与えください……!)
 偶然か運命か、弥生の願いに呼応するように、ミミズ縄は彼女の下腹部に侵攻した。
「がぐう゛う゛う゛う! う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛っ!」
 ブツンと肉をハサミで断つような感触を残して、弥生の性器が上下に倍ほど裂け広がり、巨大なミミズ
縄が膣にまで入り込んだ。真紅の血煙と、擦り切られた肉片が唾液の海に広がっていく。
 少女の意識は一瞬暗転し、しかし、再び覚醒して蟲地獄に戻されてしまう。
(ああああっ! そんな! 神様! どうか! どうかご加護を!)
 全身をウジとミミズに何重にも覆われ、上半身が半透明の蟲達磨と化した少女。その片眼球は、苦痛
と絶望、そして同時に恐怖と嫌悪の間を行き来するように、上下左右に激しくぶれていた。
(お願いもう止めて助けて神様みんな私が助けをみんなが嫌だ止め――!!)
 弥生は、凌辱と蟲地獄から逃れようと、力を振り絞って暴れようとする。しかし、触手に巻かれた手足は
動かない。呼吸もままならず、歯も食いしばれず、足も踏ん張れず、抵抗はあまりにも無力だった。
 彼女の抵抗を嘲るかのように、膣道に侵入したミミズたちが最奥壁に激突した。
 そして、膣粘膜を細長い胴体で撫ぜ回し、甘い唾液を塗りつける。
 子宮口まで弧を描くように蜜が擦り込まれ、膨大な摩擦熱で膣道は高温になっていく。それを冷ますの
は、擦り切られた粘膜からの血の洪水だった。

199 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2010/06/07(月) 01:51:10 ID:y76aSHBw]
 敏感な粘膜を守ろうと愛液も大量に分泌され、必死に熱を冷まそうとする。
(お腹の奥が熱い! 痛い! 燃えちゃう! 止めて! これ以上暴れないで!)
 しかし、蟲は愛液に絡まりながら、残酷な熱を生み続けた。摩擦熱と擦傷の痛みに混じり、微弱な電流
も伝わるが、それを快感と認識するには、弥生はまだ幼すぎたし、性が未成熟すぎた。
 肉体の中で最も神聖な場所で繰り広げられる蟲の狂騒に、ただ耐え続けるしかない。
 大きな瞳に宿るのは、世界が崩壊したかのような絶望と恐怖、そして自己の喪失。
「ふぐううっ! ふぶぐううう! ぐうー! ううー! ぶぐぶぶ!」
 そして異物が体内に侵入してくる苦痛に、口を塞がれながら泣き叫んだ。
 純潔である前提で、異世界に旅立つことを教団から許された。純潔である前提で、神様に選ばれる資
格を貰うことができた。フィルール・スター・ナイツとして、戦士になることを認められた。
 空想じみた夢物語であろうと、幼い少女にとっては、それは世界の全てだった。この世界での生を終え、
次の世界で生まれ変わるという世界観は、少女の行動の根底だった。
「ぐぶぶぶっ! ごぶっ! がぼぼうぐううごがぼ!」
 下腹部を襲う激痛と異物感に、弥生は身を仰け反らせて必死に耐える。
 しかし、頬がはち切れんばかりにミミズとウジで飽和した口では、悲鳴を漏らすこともできない。理解で
きた状況は、自分が処女を失って、これまでの人生の全てが崩れ去ったことのみ。
 幼いながらに戦士になろうと、数日間の地獄のような山越えに耐え続け、身も心も限界まで追いつめら
れても希望を失わずにいた少女は、蟲に純潔を奪われる結末に終わったのである。
 空想であれ、現実であれ、その事実は受け入れざるを得なかった。
 それは絶望的な結末と言うしかない。
 しかし、絶望とは通過点で在り、まだ続きがあることには、弥生は気付いていなかった。



200 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/07(月) 01:52:34 ID:y76aSHBw]
続きはそのうち。
ではまた。

201 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/07(月) 04:37:56 ID:RMa1TvAK]
いつもごちそうさまです
この拷問、まだ先があるとは...涎が出ます

202 名前:名無しさん@ピンキー [2010/06/11(金) 16:01:29 ID:Eci2oYQW]
鳥人戦隊ジェットマンにおける敵組織が怪人を精製する方法は、次元虫という寄生虫を地球上の物に寄生させることで怪人になるんだ



そこで、ランドセルを怪人化させてランドセルジゲンになると、持ち主の少女を食べるとかってどうすかね

203 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/12(土) 22:59:18 ID:/J96b3t1]
>>202
これですね
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm9723934

204 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/14(月) 01:15:50 ID:sDPnTKXj]
話題がないからひさしぶりに
今までの作品で好きだったものをあげていこうぜ

205 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/15(火) 13:52:56 ID:faD7gYQn]
人少ないし、職人一人だけだし、このスレもう要らないだろ。


206 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/16(水) 01:00:12 ID:1nQPI8Gu]
変態

207 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/19(土) 17:24:49 ID:MABDDKBr]
>>199の続きを投下します。
残酷な表現がありますので注意してください。
内容は、ガムを噛んでいるとお考えください。

208 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2010/06/19(土) 17:25:59 ID:MABDDKBr]
 暗黒で塗り潰された心。
 そこに、微かな光が灯ったのは、破瓜からすぐのこと。
 打ち砕かれた使命の欠片を集めて小さな山を作るかのように、ズタズタに引き裂かれた心は再び凛々
しき姿を取り戻し、凌辱の苦痛で濁った瞳にも光が甦っていく。
(……そうだ……私はダメだとしても、これから聖界に向かう仲間が、まだいる……)
 フィルール・スター・ナイツにも無事な者はいるだろうし、全国に在る教団施設では、弥生たちと同じ
境遇の子供が大量に存在して、異世界に旅立つための教育を受けているはずである。
 弥生自身は蟲に犯されて資格を喪失という結末に終わったとはいえ、それで自分が絶望して終わって
しまえば、これから仕えるはずだった異世界の神様も呆れてしまうかもしれない。
 評価は、同時に、これからやってくる後続の少年・少女たちへも影響するかもしれないのだ。
 自分は敗北はしたが、信仰心はそれでも揺らがないことを示さなければならない。自分が救われる
ためではなく、いっしょに旅立った仲間のため、そして後続のために、やるべきことがある。
 自分が最後まで挫けずに戦い抜いたことを、神様に示さなければならない。

(身体はどれだけメチャクチャにされても、心は、オモチャにならない……!)

 ウジとミミズの大群に覆われた下で、弥生の幼顔に再び戦う意志が復活する。
 しかし、唾液に沈んでいる下半身は勿論、ようやく水面から出た上半身でさえ、砂糖味の粘液に塗れ
たミミズに全身を締められ、ウジの大群に塗り固められている状態である。体力を使い果たしていた彼
女に、それらを振り払う力はもう残されてはいなかった。
 彼女の口と性器には、巨大な触手が侵入され、そのまま奥へ奥へと攻め入られている。蟲は前に進む
ことばかり考えているようで、進んできた道を戻る概念は無いらしい。そして、

209 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2010/06/19(土) 17:28:03 ID:MABDDKBr]
「ぐぶごぶっ! ごぼっ! ぐうう! ううう! うううぅ!」
 弥生の胸の奥、胃の内壁に触手の先端がぶつかった。激痛と吐き気が喉からこみ上げ、異物を排除
しようと胃から喉、そして喉から舌までが一斉に躍動する。しかし、触手がビチビチと波打つたびに頭は
捩じられて左右に振られ、食道の抵抗を押し戻して、触手が更に深く突き入れられた。
 呼吸の苦しさと喉を擦られる痛みに、華奢な肢体は小刻みに震える。
 彼女の口内で、ウジやミミズは歯裏や舌に絡みつき、柔らかい頬は内側から押されてボコボコと形を
変え、胃酸の海でミミズが泳ぐ感触が反響して、不快感と異物感が何倍にも膨れ上がった。
 さらに、ミミズの触手といっしょに胃に流れ込んでくるアルコールが、純白の紙を端から黒く染めていく
ように、疲弊した彼女の理性を侵食していた。苦痛が勝る現状では、酔いは実感できなかったが。
「ぐっ!ふ゛う――ぶう゛う゛う゛う゛っ! うう゛う゛う゛――く゛う゛う゛う゛う゛う゛ぐう゛う゛う゛――っ!」
 下腹部からも、これまでに無かった鋭い痛みが伝わってきた。
 膣内で獰猛に動いていた蟲塊に愛液の潤滑油も擦り切れ、膣粘膜が剥がれたのである。敏感な粘膜
を剥かれる激痛に、全身が吹雪に晒されたような悪寒が背筋を駆けあがった。
 現在進行形で自分の性器が破壊されていくのを、否応なしに実感させられてしまう。
(負けるものか! 絶対に負けない! これぐらいで、負けない……!)
 責め苦に押し潰されないよう、心だけは必死に守ろうとする弥生に対して、蟲はまるで彼女の考え方に
応えるかのように、これまで以上に猛烈な突き上げを開始した。
 口を限界まで広げた蟲棒と、膣を限界まで広げた蟲棒が、上からは胃をほぼ飽和させて奥に侵攻し、
下は子宮口を押し上げて生殖器そのものをガタガタと揺さぶった。
「お゛お゛お゛――――っ!」
 衝撃で弥生の首は寝違えたように折れ曲がり、下腹部が膨らんで突き上がり、反動で足が蟲の海から
飛び出して、同時に、バシャリ!と手が激しく唾液の水面を叩いた。



210 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2010/06/19(土) 17:29:27 ID:MABDDKBr]
 ドズン、ドズン、と鈍い音を立てて、連続して体内に打ち込まれる、二本の巨杭。
(嫌あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ! いやあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!)
 弥生の意識は再びガラスのように砕け散り、巻き戻すかのようにまた復元される。しかし、次の衝撃に
耐えることができず、意識が砕け散るやまたも復元され、それを延々と繰り返させる。
 激痛と窒息の苦しさに混ざり、まるで無重力状態のような錯覚に襲われながら、弥生はただ心の中で
悲鳴を上げ続けるしかない。空に向けて下半身を突き上げる触手と、口から下腹部に向かう触手が絶
妙に噛み合わず、胴体がへの字に曲げられたまま宙に縫い付けられてしまう。
 だらりと肩から下りた手には無数のミミズが瀧のように垂れていく。小ぶりの胸からも、曲がった腰から
も、足の指先からも、唾液に覆われたウジとミミズがだらだらと流れ落ちていく。
 そのとき、粘液の膜に切れ目ができて、弥生の片眼の視界は久方ぶりに開けた。
 しかし、そこに映されたのは、余りに無惨な仲間の少女たちの姿。
(ああ、そんな……っ! みんなが……嫌あああ!)
 まるで不可視の手に摘まれるように、水面から浮き上がる少女たち。
 しかし、彼女たちは蜘蛛の糸に救われたわけでもなければ、信仰する異世界の神様に拾われたわけ
でもない。肛門と女性器に殺到した蟲に内臓を突き上げられ、勢いのまま宙に浮いたのである。
 かん高い絶叫は何重にも響いて、空気をびりびりと震わせた。
 弥生が、フィルール・スター・ナイツのリーダーだと考えていた優秀な少女たちも、共に生活していた友
人たちも、戦士を目指すにはまだ幼すぎると心配だった小さな少女たちも、視界に映る全員が、唾液の
海で溺れるように足掻きながら、蟲に穴という穴を抉られていた。半分以上は鮮血の衣装を纏い、今に
も全身を引き裂かれんばかりの勢いで犯されている。

211 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2010/06/19(土) 17:30:51 ID:MABDDKBr]
 数百人もいた、戦士を志した少女たちが、蟲の餌食にされ、絶望の中にいた。
 全員を確認できたわけではないが、全滅という言葉を連想するに十分な光景だった。
 蟲に肉体を蹂躙される数百人の少女の血は、今や酒池を真紅に染め上げて、文字通りの血の池地獄
のよう。まるで世界地図を描くように、血の川は血の海へと変化していく。
(みんな、しっかりして……! 気を確かに………! ひいっ!?)
 巨大な肉杭が、今度は尻の割れ目にぴたりとくっ付いた。
 犯される穴に意識を集中するあまり、忘れていた排泄口に異物の気配を感じ、弥生の意識は一瞬で
凍りつく。今でも身体がバラバラになりそうな衝撃なのに、さらに挿入本数が増えてしまう。
 せめてもの抵抗と必死に穴を窄めるが、触手はそれを力づくで押し破ってきた。
(う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!)
 便秘気味の硬便が一気に逆流したかのような負荷と激痛が肛門に広がった。ボタンが千切れるような
段階的な感触を残して、肉丘の谷に沿うように排泄口が数倍に裂け広がっていく。
 瀧のような鮮血を唾液の水面にぶちまけ、腸への侵攻が開始された。ずっと垂れ流し状態だった汚物
は腸にほとんど残されておらず、触手は障害も無いまま膣壁を擦り上げ、奥へ奥へと侵入していく。
 さらに、腸壁から直接吸収されるアルコールが、彼女の理性を一気に掻き乱した。
「………ごぶぐうう! ぐううっ! ふぐうううっ!」
 激痛を与えられ続けられる弥生は、ショックで痙攣しながら悶え苦しむ。肛門から下腹部を突き上げら
れた衝撃に連動して、挿入中の女性器も音を立てて裂けていく。肛門と性器の亀裂は広がるばかりで、
鮮血は合流して陰部から赤黒く垂れ落ち、ショックで痙攣した筋肉が硬直している。
(………かみさま……どうか………たすけ………)
 弥生は無意識に力を振り絞り、天に助けを求めるように手を伸ばした。そこにミミズ束の触手たちが
何本も絡みついて、細い腕の関節を固め、そして一気に負荷を加えた。

212 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2010/06/19(土) 17:32:48 ID:MABDDKBr]
 ……その甘美なる蜜は、蟲の眼には、淡い桃色の霧として見えるのだという。
 人間が激痛を感じた時や絶望を覚えた時、苦しみを和らげようと脳から分泌される麻薬が血液を通じて
全身に広がり、あらゆる体液から微量ながら放出されたものを、蟲は何よりも好むのだという。
 だから、蟲はそれを食するため、獲物に苦痛を与え続け、貪欲に搾取を続けていく。
 人間がどのように苦痛を与え、肉体を壊すれば、どれだけの蜜が発生するか。蟲は本能的にそれを
理解し、力加減をしながら苦痛を人間に与え続け、その甘美な分泌物質を全身から搾るのである。
 果肉を最後の一粒まで擦り潰してジュースを作るように。
 脳味噌が限界の限界の限界を迎える最後の一瞬まで。
 獲物が搾りカスになるまで、身も心も極限まで嬲り尽くし、苦痛が生み出す蜜を貪るのである……。


 痛いという感覚よりも先に、意識が爆ぜたのが正しい。
 ボキリと音を立てて、弥生の腕は関節と逆に曲がり、構造と逆に折れたヒジからは折れた骨が肉を
破って露出した。潰れた果肉を敷き詰めたような肉からは黒い血がじわりと溢れ出し、断面に無数の
ウジが群がって、神経を直接擦り切ろうと傷口でぐちゅぐちゅと愛撫していく。
(――――――っああ゛あ゛あ゛あ゛っ!)
 四散した意識は再び復元され、気絶して言えなかった悲鳴の後半部分を叫びながら、弥生の心は再び
肉体破壊の蟲地獄に戻されてしまう。意識を失い、とり戻す度に、夢ではないと思い知らされる。
 粘液塗れの眼球から、じわりと甘い蜜が滲み出してきた。
 彼女の肢体から放出された桃色の蜜を、蟲は音も無く啜る。
 そして、更に蜜を生み出させるためには、責めを更に苛烈に行う必要があると判断した。蟲は今までの
7倍から8倍もの数で、弥生の穴はもちろん、全身に一斉に襲いかかった。

213 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/19(土) 17:34:14 ID:MABDDKBr]
続きはそのうち。
ではまた。

214 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/20(日) 20:03:54 ID:oXX5dwqY]
中々話進まないなぁ。
正直飽きた。

215 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/20(日) 21:20:08 ID:rjwT2zEH]
続きを期待しております!

216 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/21(月) 10:15:45 ID:0SdFUjcQ]
乙です

217 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/21(月) 23:07:27 ID:9ztQ9BKy]
今規制が酷いのですよ…
なかなか感想がいえない人もおおいの 続き楽しみにしておりますよ がんばってください

218 名前:名無しさん@ピンキー [2010/06/22(火) 13:06:13 ID:Zqdz3aID]
これだけ書き続けるのも根気いると思います。
自分も支持してます


219 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/23(水) 07:53:20 ID:SZb/tFFK]
前々から思ってたんだが、規制規制言い訳してる奴はなんなの?
どう取り繕ったって需要減の過疎化には変わりないからw



220 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/23(水) 21:01:25 ID:3NLrsUpJ]
リアル路線のssとかどうだろうか


221 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/05(月) 23:07:24 ID:KSv28kgO]
hoshu

222 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/06(火) 02:54:16 ID:UWjzb0om]
保守レスするなら何か書け。

223 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/12(月) 00:56:54 ID:SSf3KCDL]
>>212の続きを投下します。
残虐な表現がありますので、ご注意ください。

224 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2010/07/12(月) 00:58:32 ID:SSf3KCDL]
 苦痛の蜜を搾取する蟲の食事。
 その方法はさながら、高度に洗練された方法での料理に酷似する。
 一流のシェフが、材料の加工方法から、鍋に加える順序、火加減の細部まで懇切丁寧に管理するよう
に、蟲もまた、人間に苦痛を与えて蜜を搾取するノウハウを持っているのである。
 立場も目的も異なれど、その思考は全く同じものである。
『この材料は細かく切り刻んで、捏ね混ぜてから』
『この材料はゆっくり擦り潰し、引き伸ばしておいて』
『皮を全て剥いで、奥から抉り出してそのまま』
『全体を叩き潰して、柔らかくしてから』
『熱湯に沈めてから30分』
『しばらく放置して』
『強火で嬲って表面を焦がす』
『ここは、一気に旨味を引き出すのだ』
『ゆっくり、じっくりと』

 そうすれば、一番美味しくなのだから。

 虫にとって弥生は、料理の材料と同じ。 
 カレーを作るための、肉や人参や林檎と同じ。
 それぞれの材料を、ぞれぞれの方法で料理していくだけなのだ。

225 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2010/07/12(月) 00:59:54 ID:SSf3KCDL]
 小さな口に無理に侵入することで、新しい苦痛が生まれ、蜜の甘味が増していく。
 既に限界近くまで開かれていた弥生の口に、これまでの倍以上のミミズが侵入した。侵入しようとした
のではなく、既に侵入した。顎が激痛を発して軋んでいくが、しかし蟲が止まるはずもない。
「ぐう゛う゛う゛う゛う゛! う゛う゛う゛ー! ふ゛ぎう゛ううっ! うう゛う゛う゛う!!!」
 涎と粘液が瀧のように流れ、彼女の虚ろな瞳は再び白目を剥いた。
 石が擦れるような感触を残して顎は外れ、あんぐりと開かれた口に蟲の洪水が流れ込む。しかし、まだ
入り口は狭すぎたようで、彼女の淡い唇は端から裂け、美顔は頬から真っ二つになっていった。
(うわあああああああああああ!)
 新しい激痛を生みだして、弥生の顔は文字通り横に割れ、鮮血の化粧が蟲塗れの幼顔を容赦なく塗り
変える。亀裂は耳まで達し、数倍のサイズと成り果てた口は蟲を盛った大皿のよう。
 勿論、この場に鏡は無いが、今の自分の顔がどうなったかは容易に想像できる。
(わ、私の、顔が……こんな……酷い……………)
 普段、弥生は自分の容姿について、特別に意識していたわけではない。
 しかし、周囲から、綺麗だとか可愛らしいと評されることは多々あった。本音を言うと恥ずかしいという
か、少し照れくさかったのだが、褒められているのだから決して気分は悪いものではない。
 勿論、異世界で戦士になる決意をしたとき、顔が傷つけられるのも覚悟していた。
 しかし、ここまで一方的に、しかも蟲に、何の容赦も無く破壊されるとなればショックは大きい。山歩きの
中で負傷するのと、明白な悪意に満ちた蹂躙では、また意味が異なっている。
 肉体的にも精神的にもダメージは甚大で、比例して弥生の全身から濃い蜜が滲み出した。
 群がった蟲はそれを啜り、更に彼女から蜜を搾ろうと、全身で破壊活動を開始する。

226 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2010/07/12(月) 01:00:49 ID:SSf3KCDL]
 無事な方の腕に触手が巻きつき、細い腕がヒジを起点に手形と肩側で逆方向に、まるでネジのように
捻られて変形していく。両脚はヒザの皿を起点に指側と陰部側で、やはり同じく逆回転。
 ボキボキと音を立てながら骨が砕け、変形した肉が青黒く変色していく。
「ぐぶぐう! う゛ー! ふ、う゛ぐぐぐぐ……! ぶふ゛っ! ごふっごぼっ!」
 歪に捩じられた手足から、皮膚がゴムのように伸びては裂けた。鬱血した肉が花のように飛び散り、
折れた骨が次々と肌から飛び出し、ザクロを割ったように関節から真紅の口が開いていく。
 手足だけではない。腰を起点に上半身と下半身が逆に捩じられ、骨格が粉砕される音と内臓が潰れる
音と、砕けた骨と潰れた内臓が捏ね混ぜられる音が腹の奥から喉まで込み上げてくる。
 何度目かもわからない、口からの赤黒い噴水。
 蟲で飽和した口から飛び出たそれは、両頬からぴゅうぴゅうと何筋も放物線を描いた。
 彼女の人体は構造を無視した変形を続け、まるでバケツで絞られている雑巾のよう。
 触手が埋め込まれた、口の僅かな隙間と穴から血を噴水のように噴き、弥生の上半身がぐるりと回転
して捻じれたまま元の位置に戻る。絶叫はしかし音声にすらならない。
 最早激痛という概念すら超えて、意識を遮断する信号と意識を復活させる信号の繰り返しだった。激痛
で意識を失い、更なる激痛で覚醒するループで、しかし苦痛は常に上書きされ続ける。
 これ以上の地獄は流石に無いだろうと考え、次の瞬間に打ち砕かれてしまう。
(……なに……あれ……? うそでしょ……まさか、そんなことって……!)
 弥生の狭い視界に飛び込んできたのは、最初の怪物襲撃の際に眼前に落下し、人体模型よろしく四散
したあの少女だった。あまりの肉体欠損にも関わらず、それでも生きていた彼女。
 そして今、彼女の欠損部分は、ミミズ塊で埋められていた。そして触手に拘束されて吊り上げられる
彼女の、半壊しながらも確かに正気を残している表情は、狂おしいほど助けを求めていた。

227 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2010/07/12(月) 01:01:31 ID:SSf3KCDL]
「………! ……! …! …………!」
 そして、彼女は破裂した胴体の中から、肋骨や折れた背骨を少しずつ蟲に砕かれ、髄液が垂れる断面
を弄られ、臓器を蟻の巣のように穴だらけにされ、全身の皮膚を剥かれている最中だった。
 破れた腹部や胸部から、全ての光景はまる見えになっていた。
 傷ついた臓器も、骨も、皮膚も、肉体の残されたほぼ全ての要素を拷問されていた。
 口が裂かれたとか、手足が折られたどころの話ではない。身体に残された骨と臓器と神経と、あらゆる
ものを同時に責められ、破壊され、その怒涛の苦痛の中で助けを求めているのである。
 最早、人体模型の態すら成していない。
 僅かな血管や皮だけで繋がった大量の肉片と化した少女はしかし、まだ正気を維持して生存し、解体
と変わらないような苦痛の中で苦しんでいるのである。
 そして、唯一無傷の心臓は倍以上に肥大し、太鼓を叩くように脈打っている。
 周りでも、蟲に凌辱されていた仲間の少女たちが、弥生と同じように顎と全身の骨を破壊され、皮膚を
剥かれて内臓を掘り出されていた。拷問はほぼ決まったステップで進行するようで、最早、異世界の戦士
を志した少女たちの面影は微塵も無く、流れ作業で加工されるだけの食肉のよう。
(ああ、私もこれから、あんな目に遭わされるんだ)
 目を潰さずに残すのも、絶望味の蜜を啜りとる蟲の戦術。
 弥生は悲鳴すら上げられないまま、自分の末路をただ想像するしかなかった。
(こんな……もう……)
 心の中に、ようやく浮かび上がる一つの感情。
 山を歩いている時も浮かばないでいた、恐ろしく冷たい気持ち。
 あのような、人間の原型も留めない肉塊に成り果て、蟲に命を弄ばれるのならば……。
(……誰か、……いて……私た……気付いている人がいるのなら……)

228 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2010/07/12(月) 01:03:14 ID:SSf3KCDL]
 そう思った瞬間、蟲は彼女の内臓を抉り出し、皮を剥ぐために殺到してきた。予想どおり、彼女もこれ
から仲間も少女たちと同様に処理されるのだった。

(私たちを……殺してください……)

 弥生の身体が、更に大量に蟲にたかられる。
 異様に大きな心臓の音だけが、酷くはっきりと胸の奥から聞えた。

 …………………………………………………
 ……………………

 少女たちが骨を砕かれ、皮を剥がれて内臓を抉り出されていくのを、高台から眺める二人の影。少女
たちの教育係である某教団幹部の藤村と、巫女協会の巫女、雪菜である。
「あらあらまあまあ、彼女たちの肉体があの状態では、もう『酒池』もお終いのよう。続いて……」
「どうして?」
 流石に少し動揺した口調で、雪菜は藤村に向けて口を開いた。
 藤村はゴーゴンヘッドを少しだけ傾けて、意味が分からない様子で雪菜を見る。
「どうして、彼女たちは発狂せず、いえ、どうして、あんな状態で生存が可能なの?」
 雪菜が少し汗をかきながら、睨むように藤村を見る。
 彼女自身、これまでの戦場で悲惨な死体は何回も見ている。
 しかし、あそこまで、全身の骨を砕かれて内臓まで嬲られて、正気を維持したまま生存し続けるという
のは、化物云々の世界に身を置いた彼女からしても、説明不可能の異常事態だった。
「………」
 藤村は殺気で黒く濁った眼を細めて、唇をゆっくりと吊り上げた。

229 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/12(月) 01:09:45 ID:SSf3KCDL]
続きはそのうち。
ではまた。



230 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/12(月) 14:39:10 ID:p6hTV5Jb]
GJGJ
いやあ素晴らしい……が、既に捕食と何の関係も無い気がするのは俺だけ?

231 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/14(水) 12:29:49 ID:BLK/s9D3]
激しく同意。
ただ痛め付けてるだけになってるな。



232 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/14(水) 20:03:31 ID:rK3V8Smh]
まだ続きだからさー

233 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/15(木) 09:39:28 ID:ajFzTb1a]
候ばっかだな、最初っから喰われたらそれで終了やんけ

234 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/15(木) 12:03:47 ID:p5Vrsk0Y]
>>233>>230を100回読み直した方がいい。

235 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/15(木) 20:06:22 ID:vjZW3KIb]
今盛り上がってきてるところじゃないか

236 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/15(木) 23:07:02 ID:PYxI02Yx]
描写が少ないだけで、ちゃんと美味しくいただいてるようだけどな
拷問描写も好きな俺にとっては神作品なんだ

237 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/19(月) 21:40:20 ID:ahOWrwYi]
作者ェ…。
キュアサンシャインもいいが、こちらも頼むぜ・・・。

238 名前:名無しさん@ピンキー [2010/07/24(土) 08:54:16 ID:H0zczxoH]
三次の女が食われかけてる画像って需要ある?
スレ違いになっちゃうかな?


239 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/24(土) 13:32:04 ID:m0MWPFFD]
捕食ならデビルマンにいっぱいあるがな



240 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/24(土) 22:22:57 ID:Htkm/pHs]
>三次の女が食われかけてる画像って需要ある?
>スレ違いになっちゃうかな?

個人的には興味あるけどスレ違いになるのでこちらにどうぞ
【0,,0】 グロ総合スレ Part115 【0,,0】
anchorage.2ch.net/test/read.cgi/occult/1278300009/l50



241 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/25(日) 21:06:03 ID:4Ez3uVoC]
>三次の女が食われかけてる画像って需要ある?
白熊の檻におちたやつかサメ女子大生のどっちかかな?

242 名前:名無しさん@ピンキー [2010/07/25(日) 21:58:57 ID:H798JrNG]
>>241
いや、三次の特撮丸呑みAVのキャプだよ
ここじゃ>>240に勝手にグロ指定されてむかついたから他のスレに張った
ちなみにグロみたいな流血とかないし、このスレのベクトルに合うと思ってたんだけどね

243 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/26(月) 00:44:30 ID:30XjOaNO]
いや
普通そう思うわ

244 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/28(水) 15:39:08 ID:qnhKQqlB]
ここって三次グロはスレチだったの?
別によくね?

245 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/29(木) 08:23:36 ID:hLAwCVXn]
板TOPの【この板の趣旨】を見てね
二次三次問わず画像の貼り付けは基本NG
実在人物をネタにするのも駄目
特撮含むドラマや映画のキャラクター使ってお話を作るのはOK

246 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/02(月) 23:08:37 ID:X7ZjpEdi]
>>228の続きを投下します。

247 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2010/08/02(月) 23:10:20 ID:X7ZjpEdi]
「どうして、彼女たちは発狂せず、いえ、どうして、あんな状態で生存が可能なの?」
 雪菜が少し汗をかきながら、睨むように藤村を見る。
 彼女自身、これまでの戦場で悲惨な死体は何回も見ている。
 しかし、あそこまで、全身の骨を砕かれて内臓まで嬲られて、正気を維持したまま生存し続けるという
のは、化物云々の世界に身を置いた彼女からしても、説明不可能の異常事態だった。
「………」
 藤村は殺気で黒く濁った眼を細めて、唇をゆっくりと吊り上げた。
「どうしましょうかね……」
 やれやれという風に両手を左右に広げ、首を横に振る。しかし、雪菜は唇の端を一瞬歪めただけ
で、緊張を維持したまま、同じ内容の質問を繰り返した。
 藤村は数秒間思案して、再びにっこりと微笑んで両手を頬に添える。
「雪菜さん。貴女はガメラを見て、『あんなデカい亀はいない』なんて感想を言いますか?」
「は?」
 遊んでいる,おどけている、そんな口調だった。
「それと同じですよ。どうして生きている? どうして狂わない? そんな整合性を意識して、せっかくの宴
を楽しめますか? せっかく、酒池肉林の『酒池』も終わったというのに」
 雪菜の釣り針のように歪んだ目に、じんわりと危険な色が増していく。
 怪獣映画を見て、怪獣が実在すると思う人間は、子供を除けば、この国では少数だろう。
 その少数さえも、統計上は異常値として排除されるものでしかない。
 ただ、その母集団は、動物図鑑に掲載された生物にのみ、接している人々なのだ。
 社会の裏側にて、跋扈する異形から人々を守る巫女では、その感覚も異なる。

248 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2010/08/02(月) 23:11:24 ID:X7ZjpEdi]
「ふんっ!」
 雪菜は吐き捨てるように嗤った。
「私だってねえ、化物退治を生業にしてるんだ。怪獣がいないなんてホザくつもりはねぇよ。ガメラっぽい
奴はまだ無ぇけど、ギャオスっぽい奴やイリスっぽい奴とはバトったことあるんだよ」
「レギオンっぽい奴は?」
「半月に1回は日本のどこかに現れる奴なんざ、わざわざ言及する意味も無え」
「まあ、それはそれは」
 藤村は手を叩いて怪獣の話に喜びを現した。
 しかし、雪菜は話を逸らされることも、誤魔化されることもなく、行動を移す。
 彼女が白装束の懐から取り出した木筒は、三段階の乾いた音を立てて、鈍色に光る仕込み刃を生や
し、一瞬でレイピアに似た退魔の霊剣に早変わりする。
 すらりと伸びた刃は暗い森林を映して光り、
 一振りで、顔を歪ませる雪菜を映す。二振りで、雲が増してきた大空を映す。
 最後に、ゴーゴンのような頭を揺らす藤村を映してぴたりと静止した。

「アンタの遊びの、隠蔽工作をするのは私なんだよ。妙な隠し事はしないでくれる?」

「お止めなさい」

 刃先を喉元に突き付けられても顔色を変えず、藤村は命令を発した。
 その命令の対象は、彼女に刃を向けている雪菜ではない。彼女は藤村の指揮系統にはいない。それ
は、主に刃を向ける雪菜を殺害しようとした、藤村自身の部下に向けたものだった。

249 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2010/08/02(月) 23:12:39 ID:X7ZjpEdi]
「あらら、思ったより沢山、兵隊を連れてるのね」

 雪菜も同様に顔色一つ変えず、藤村の眼を見て動かない。
 今や、その場にいるのは二人だけではなかった。
 木々の隙間から、大地の影から、大空から、まるで背景から溶け出してきたかのように、数十人の異形
が一斉に飛び出して陣を組み、全員が雪菜に殺気を集中させていた。
 首から下がゴリラの肉体に変化した大男、1メートル近い鉤爪を生やした半分トカゲの女性、両肩から
半透明の触手を伸ばす小太りの男、果実のように垂れた3つの頭部を持つ少年……。
 動物と人間を冒涜的に混ぜた畸形の群れは、獰猛な殺気を放ち、包囲を重ねていく。
 上空でも、教団のローブに身を包んだ、小さな少年少女たちが、獲物を狙いながら旋回していた。彼ら
にはバッタやチョウチョウを思わせる巨大な翅が生えており、やはり人間とは言い難い。
 勿論、人間と同じ外見をした者もいた。
 拳銃を装備したスーツ姿の男たちもいるし、ピンクの子供服を来た非武装の幼女もいる。
 しかし、まるで人間を模して造られたマネキンを見ているような、不気味な違和感は拭えない。特に幼
女の方は可愛らしい顔であるが、妙に無機的で、そもそも生物にすら見えなかった。
「藤村先生にお怪我はありますか?」「藤村先生にお怪我はありません」
 牛乳瓶の底のような度の強い眼鏡をかけた、痩身の男女が藤村の左右に控える。どちらも背は高く、
豪奢な装飾が施された白地のローブを纏い、それぞれが大きなアタッシュケースを持っていた。
 そのケースから隠しようも無く漏れる魔物の瘴気は、まるで黒い煙のよう。
 明らかに人間以外の者に成り果てた、年齢を無視した混成部隊。
 しかし、雪菜は特に驚いていない。
 教団の最高幹部である藤村が、こんな場所に一人で来るはずが無いのである。数は予想よりも多かっ
たが、化物の手下を多数準備しているのも容易に想像はついていた。



250 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2010/08/02(月) 23:13:40 ID:X7ZjpEdi]
「武装を解除して、下がりさない。私は今、彼女と歓談をしているのです」
 今や少数派となった、人間の外見をした者。
 藤村は人間の姿形を維持したまま、王よろしく異形の群れに命令を下した。
 雪菜に向けられた鉤爪や触手はそのまま下ろされ、半獣人たちはそのまま数歩退いて跪く。上空を
旋回する有翅の子供たちも次々に地面に降りていった。
「失礼いたしました。悪ふざけが過ぎたようです」
 ぺこりと頭を下げる藤村。
「まったく、『叡智の冠』が、ここまで動物園だとは知らなかったわ」
「ごくごく一部の者だけです」
 雪菜も霊剣を降ろして畳み、再び懐にしまった。

 宗教法人 『叡智の冠』。
 それこそが、藤村の属する組織。

「貴女が知りたいことについて、お話しましょう。ちょうど良い。実は、『酒池』から『肉林』へは少し準備
時間が要りまして、彼女たちの年齢ならば20分〜30分程度。その時間潰しということで」
「最初からそう言っとけば良いのよー。ん?」
 そういう雪菜の視界の端に、ぞろぞろと列をなして歩いてくる少女たちの集団が現れる。全員が何も
着ておらず、逃走防止のためか、手足は鎖で繋がれていた。

251 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2010/08/02(月) 23:15:24 ID:X7ZjpEdi]
 またかよ、と雪菜は苦笑いする。
 しかし、蟲に嬲られているフィルール・スター・ナイツの少女たちとは異なり、最初から明らかに怯えて
いる。反応を見ても、どこにでもいる、普通の少女にしか見えなかった。
 そして、列は藤村の護衛たちの前でぴたりと止まる。
「ちょっと、あの子供たちは何? 護衛には見えないけれど」
「ああ、あれは」

「私の護衛たちの、今日のお弁当ですよ。彼らは生肉が好きですので」

 藤村は、まるで生徒たちに給食が配られるのを、微笑ましげに見ている教師のような顔で、連れられ
てきた少女たちが単なる食糧であると言い放った。
 彼女は既に、人間の側に立っていなかった。


(続)




252 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/02(月) 23:16:15 ID:X7ZjpEdi]
続きはそのうち。
ではまた。

253 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/03(火) 20:58:27 ID:6zAh2dHW]
お弁当を生きたままつれてくなんて興奮ものだな
続きがすごく楽しみだ

254 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/04(水) 15:44:34 ID:mwC5qhpi]
新しいの来てた!
新展開わくわくしてます!

255 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/09(月) 01:36:38 ID:Li+vnPdT]
>>251の続きを投下します。
残虐な表現があるので注意してください。

256 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2010/08/09(月) 01:38:22 ID:Li+vnPdT]
 どうしてこのようなことになったのだろう、と少女は思う。
 手と足に付けられた枷は異様に重く感じられて、じわじわと疲労が溜まってくる。
 封じられた両手を前にだらりと垂らし、背中を丸めてラジオ体操をしているかのような体勢で、足を地面
に擦りつけるように歩かされた。少し前から足跡は赤く濡れ、足の裏からは激しい痛みを覚える。
 フィルール・スター・ナイツに選ばれて、異世界に旅立てると信じていた少女。
 しかし、与えられた役割は、あまりにも非情で、惨めなもの。
「ひいっ! いやあああああっ!」
 髪を乱暴に掴まれ、ぶちぶちと引き抜かれながら、顔を起こされる。
 視界の先で、ゴリラと人間が融合した異形の巨躯が、だらりと涎を垂らして彼女を見つめていた。裸体
に獣の臭気が纏わりついて鳥肌が立ち、両足がガクガクと震えて立つこともままならない。
 ゴリラの半獣人は、少女の御椀型の乳房、肉の付いた腹部、毛の茂る陰部まで、唇を唾液で濡らしな
がら見回すと、枷を嵌められた両腕を万歳させるように持ち上げる。
 そして、大きな口を開いて、大きな顔を彼女の胸元に埋めた。
「ぐっ、き゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!」
 灼熱の感触が左乳房に潜り込み、陰部に向けて赤い川が何筋も伝い落ちた。黄ばんだ歯が柔らかな
胸肉をグチグチと音を立てて咀嚼し、紙やすりのようにざらついた舌が乳首に唾液を塗していく。
 ゴリラの半獣人が、女性の乳房が大好物だということは、数分前に聞かされたばかり。
(いやだ! こんなの、いやだあ!)
 少女は異世界で悪魔と戦うため、厳しい修行に耐えてきたのだ。スーパーで叩き売られるバナナである
まいし、ゴリラの化物の餌にされるため、今まで生きてきたわけではない。

257 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2010/08/09(月) 01:39:54 ID:Li+vnPdT]
 ごつん、ごつん、とゴリラ人間の頭に、鋼鉄の枷が振り下ろされる。
 少女はあまりの激痛に視界も霞む中で、枷で半獣人の頭を殴って必死に抵抗した。自分の胸に齧りつ
いている異形を殺すつもりで、渾身の力を込めて鉄の枷を振り下ろす。
 しかし、ゴリラの半獣人は少女の抵抗を無視して、牙で肉を貫いて口内に固定した。そして、首を勢い
よく横に振って、左乳房を胸から引き剥がし、そのまま皮膚で繋がった右乳房まで剥いでしまう。
「ぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」
 両胸から血の大華を咲かせて激痛にのけぞる少女の前で、ゴリラの怪物は彼女の右乳房をだらりと口
から垂らしながら、ぐっちゃぐっちゃと左乳房を咀嚼していく。脂肪の塊の歯応えを楽しみ、溢れ出してくる
脂肪と血液の濃厚な味を愉しみ、クセのある乳腺を珍味とばかりに舌で愛でる。
 少女は血の帯を広げながら、ショックで地面をのたうち回った。


「我々、『叡智の冠』は、動物園ではなく、人類救済のための高潔な教育機関です。子供の可能性を引き
出し、創造するのは新価値と概念。導き出した最適解は新たな世界の鍵となり、現世の空集合たる聖界
フィルールに達し、やがては世界を新たに塗り変えるのです」
「へえ? 異世界に送るって理由で、子供を殺しまくりの集団が、教育機関?」
「肉体の死は集団の一つ。異世界という解釈も、貴女のニュアンスとは異なります。聖界フィルールは
位相の異なる隣人の庭なのです。この世界と異なるこの世界。より高次になるだけのこと。子供たちが
道を切り開いた瞬間、世界は新たな叡智に塗り潰されます。それは即ち、進化です」

258 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2010/08/09(月) 01:41:38 ID:Li+vnPdT]
「ぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」
 乳房と呼ぶような膨らみも無かった幼い少女が、剥がれた胸板から肋骨を露出しながら崩れ落ちる。
 そこには既に6名の少女たちが、齧りとられた乳房から鮮血を流しながら重なり合っていた。お互いの
胸から流れた血と泥で塗れた彼女たちは、失血のショックで震えながら身を寄せ合っている。
 枷に嵌められながら、お互いの欠けた胸を押さえて止血も施し合っていた。効果はおそらく、行わない
よりもマシという程度。しかし、彼女たちは何とか生き抜こうと必死に傷口を圧迫する。
「痛い! 痛いよおお!」「早く傷口を!」「暴れないで!」「お願いだから、動いちゃダメ!」
 半狂乱状態の幼い少女を、6人の胸が欠けた少女たちが地面を這って取り囲み、お互いの身体を使って
必死に押さえつける。しばらくして、暴れていた幼女も、落ち着きを取り戻した。
 ゴリラの半獣人は、後の3人分の剥いだ乳房を捏ねて団子状にし、頬をカエルの様に膨らませて咀嚼
している最中だ。唇から流れ落ちているのは、少女たちの母性の象徴と涎の混合物。ただし、ゴリラの
異形は乳房にしか興味を示さず、少女たちの全身を食べようとする気配は皆無だった。
 最初に齧られた少女は、最後の幼い少女の手を握り、顔を見て、静かに語りかける。
「私たち、助かるかもしれない……あいつ、胸しか興味ないみたいだし……」
「ほ、本当……? 私たち、助かるの……?」
 激痛に引き攣っていた幼い少女の顔に、ほんのわずかに希望の光が灯った。
 次の瞬間、彼女の丸い眼窩と愛らしい顔に、ストロー状の針が何十本も打ち込まれた。ぐちゃりという
音が聞こえるようだが、実際は無音。本人は何が起きた分からず、口が金魚のように動く。

259 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2010/08/09(月) 01:43:57 ID:Li+vnPdT]
「う……あ……」
 幼女の眼球の破片や血液を顔中に浴びて、最初の少女は放心状態。
 そして、潰れたトマトと化した幼女の顔半分から、じゅるじゅると血液や肉が吸い上げられる。
 ストロー先端がゴリゴリと頭蓋骨を擦る音が聞こえてくる。彼女の手足の激しい動きからしても、相当
の苦痛は容易に想像できるが、縫い付けられた頭部が逃走を許さなかった。
 その先では、チョウチョウの翅を生やした子供たちが、口から数メートルのストローを伸ばし、まるで泥
状に溶解したパフェを啜るような恍惚の表情を浮かべて、彼女の体液を飲んでいる。
「いっ、いやあああああああっ!」
 ぎょろりと少女の顔を映したのは、人間の眼球では無く、昆虫の複眼。
 顔だけ見れば天使のように愛くるしい子供たちだが、中身はチョウチョウと変わらない。花の代わりに
人間の体液を貪る化物でしかなかった。恐怖と嫌悪感が、彼女の中で爆発した。
「助けて! 誰かぁ! 助けてええええ!」
 手足をばたつかせる彼女の胴体に、バッタの翅を生やした子供たちが群がる。愛らしい顔の下半分
は変形し、巨大なハサミのような対の牙が、頬まで広がる口から飛び出していた。


「人間と魔物を交配させて作った化物が、教育機関に必要なの?」
「私たちには敵が存在します。それに対抗するための戦力も必要でしょう。教義は教義として、組織防衛
のため、犠牲になる子供たちも不可欠。尤も、それさえもフィルールへの鍵にはなり得えますが」



260 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/09(月) 01:45:28 ID:Li+vnPdT]
続きはそのうち。
ではまた。

261 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/10(火) 09:55:02 ID:o6m6jjn9]
おお、投稿感覚が短い!
ほとんど無いような貧乳を食いちぎるシーンって案外見なかったので
新鮮だな…
作者さんすばらしいです!

262 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/08/24(火) 21:17:08 ID:9onsH68z]
hoshu

263 名前:名無しさん@ピンキー [2010/09/04(土) 09:21:34 ID:j8g/CN5h]
保守

264 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/09/12(日) 12:55:26 ID:XAxJ+v2X]
>>259の続きを投下します。

265 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2010/09/12(日) 12:56:17 ID:XAxJ+v2X]
「地獄は、人間の想像力を試しているってー、私は思うのよ」

 床に広がった、黒い絨毯のようなもの。一歩踏み込むと、白い足袋が血を吸ってじわりと変色する。
 綺麗な紅色の着物を纏う、黒髪の少女はそれを気にせず、ゆっくりと歩を進めていった。
 右手には木槌、左手には……30センチメートルはある鉄針。
「……姫……様…………おゆ、るし……ください……」
「その限界を超えたときにー、人間の想像力は、未知の領域に達することができちゃうのよ」
 姫と呼ばれた黒髪の少女は、目の前にいる子供が恐怖に怯え、苦痛に顔を歪め、震える姿を見て、
目を細める。しかし、それが、子供の頭蓋に鉄針を打ち込む行為を止めることはない。
「だから、本当の地獄をねー、体験してねー、そのどこまでも広がる地獄の世界に解答を得られれば、
貴女は天上に近づくことができるのー。今までと異なるものが見えて、異なることが分かって、それは、
新しい世界を築くための礎になるのー。だから、苦しいと思うけれど、がんばってー」
「ひいい……いい……」
 柔和な笑みを浮かべて近づいてくる姫に、まだ幼い少女は、
「……おゆるし、ください……………………もう、死なせて……」
 全身の皮を剥がれて伸ばされ、黒い絨毯を敷いたようになった床。
 その中央で、剥き出しの肉や筋に細かい針をびっしりと刺され、ハリネズミのようにされた少女は、
それでも生きていて、赤黒い血で濡れた頭をゆっくりと上げる。
 両頬から口内に挿入された針が、舌を噛み切ることを妨げていた。
「苦しいでしょう? 辛いでしょう? でも、がんばって」
 姫は悲しげに微笑むと、手にした鉄針を彼女の顔に当て、木槌で打ち込み始める。
 音が響き、少しずつ、少女の顔の内部に鉄杭が侵入する。
「叡智の冠を、生み出すためだから」
 絶叫が迸った。

266 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2010/09/12(日) 12:58:33 ID:XAxJ+v2X]
 ……………………………………
 …………………

「『叡智の冠』――其の起源は、数百年前。国土が死肉で覆われた、戦乱の世にあり。
 異形が人に化け、異形が人を喰らい、そして人が異形を操る暗黒時代。日本国の未来を左右する、全国の戦
国大名を二分しての、未曽有の内戦。荒廃した社会の、裏の裏」

 かん高い少女の声が、何も無い空間に穏やかに広がっていく。
 そこは、日光は決して当たらない、深い洞窟のような場所。
 しかし、外壁は岩ではなく、淡い光を含んだ、ピンク色の肉で構成されている。

「戦乱にて、無惨に死にゆく童に、救いの手を伸ばす、一人の姫君あり」

 立ち上がったのは、とある戦国大名の可憐な姫君。
 彼女は莫大な財を投じて、学舎を作り、童たちを匿い、そして育てた。
 苦難に耐えるための教育。生きるための教育。死なないための教育。
 それは文字の読み書きであり、算術であり、武芸であり、そして、飢え、殴打、凌辱、ありとあらゆる、拷問的
苦痛に耐える訓練も含まれていた。今の価値観で見れば、虐待か拷問かにしか思えない内容も、しかし、国内
が事実上の内戦状態にあった当時では、生きるために必要な教育として行われたのである。

267 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2010/09/12(日) 12:59:36 ID:XAxJ+v2X]
 ……それは、宗教法人『叡智の冠』に代々伝わる物語。
 全ての信者が教え込まれる、偉大なる始祖の物語。
 子供には特に、徹底した教育が行われる。その行動が、この世界の全てにも勝る善行であるように。絶対に
疑問を抱かないように。自分たちの境遇を理解させるために。
 それは、一種の洗脳。
 しかし、『叡智の冠』の、その教育が批判対象となったことはない。
 宗教を絡めた教育など、どこの団体でも行っていることである。
 教育機関としての顔を持つ組織ならば、なおさらのこと。
 直接でなくとも、例えば、進学校とされる私立高校であっても、宗教系の学校では、その授業カリキュラムに、
偉大なる始祖の物語や、思想が組み込まれる。それが、ただ教師の話を聞くだけで済む科目か、それ以上の
ことを求められるかは、それぞれの団体の思想に委ねられることになるわけだが。
 進化論など、最たる例。
 人間がサルから進化したという考え方もあるが、一方で、猿から人間への進化には、起点となるインパクトが
必要であり、そこに科学の光が当たらない以上、神による介入した可能性を否定できはしない。
 進化論といっしょに、そのような思想も教えるのも、教育としては一部で認められていること。
 反発するのは、宗教と科学。
 教育は拒まず、否定せず、拒むのも、否定するもの、教育者のみ。

 ……………………………………
 …………………

268 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2010/09/12(日) 13:01:07 ID:XAxJ+v2X]
 そして、教団の上位幹部のみに伝えられる、本当の思想。

「姫君は勿論、神などは信じてはいませんでした。
 罪無き幼き少女が飢えに苦しみ、野犬の餌にされ、異形の餌にされ、はたまた、餓鬼と化した人間の餌にされ
るような世界。それが、神に創られたものならば、それが神の試練なのだとしたら――神など要らない」

 全ての色を抜き去った、澄んだ長い白髪。
 一糸纏わぬ姿の幼い少女は、腹を抱えて再び大笑する。

「姫君は理解していました。
 人間の世界を創るのは、神に非ず。人間の他に無いのだと。
 しかし、あらゆる宗教法人が戦闘集団を有し、宗教同士が世界中で争い続けていた時代に、あまりに単純な
そのことを、本当に理解していた人間が、果たしてどれだけ存在したでしょう。
 神などは、人間の限界を示す概念に過ぎないのに。
 本当に、人々が神と呼ぶ存在がいるならば、それは人間の想像の外にのみ、いるのだから」

 少女は異様に頭部が膨らんでいて、首と手足が針金のように細く感じられた。まるで、宇宙人の目撃証言で
ある灰色の畸形生物のようで、人間の規格からは外れている印象を受ける。
 蒼い瞳は笑い過ぎて涙が浮かんでいるが、その眼球に浮かぶのは反射光のみ。まるで、鏡面のような少女
の瞳は、外部の光を受け容れずに、全て跳ね返しているかのようだった。

269 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2010/09/12(日) 13:02:32 ID:XAxJ+v2X]
「『叡智の冠』において、『神』とは『人間』と同じ意味を持ちます。
 人間の世界を創るのは、あくまで人間。神が人間の運命を決める。
 しかし、その神は人間であり、本当の意味での神ではない。
 神が統べる異世界、聖界フィルールは、あくまで人間のイマジネーション。その領域に潜んでいる、想像力の
限界こそが悪魔であり、その領域で悪魔と戦う聖星騎士も、肉体の枷を捨てた人間に過ぎない。
 肉体もまた、人間の限界の一つ。想像力と同じく、人間の枷となる限界に過ぎない。
 そんなものは、要らないの。これは、限界とそれを超える可能性なのだから。
 その結果、人間が被るべき、叡智の冠が産み出されるのだから」

 腰を上下させ、足をぷらぷらとさせて少女は微笑む。
 彼女が腰掛けているのは、まるでゼンマイのように丸く渦を巻いた、黄色い触手だった。十メートル以上の高
さがある巨大な触手の、周囲には赤い触手、碧の触手、蒼の触手、紫の触手……。
 世界中の絵の具を集めて色を塗ったような、色鮮やかな触手が群生して、お伽噺に出てくる、毒々しい魔女
の森か、カビの生じた食物を顕微鏡で拡大したような光景が、そこに広がっていた。
 そして、カラフルな触手の森は、大海原のように上下に波打つ。
 まるで風に吹かれているように、此方から彼方へ、大きく激しく、鼓動に合わせて。

「姫君は、庇護した少女たちに教育を施すうちに、悟りました。そして、毎日のように顔を殴り、辱め、頭から
足まで針をびっしりと突き刺し、炙り、潰し、刻んで、あらゆる責め苦を試しながら、確信しました。
 人間の想像力の限界、それは即ち、『地獄』であると。
 多様な責め苦と無限の時間。
 悪夢的な地獄を与えることで、人間はその想像力の限界の、解を知る。
 限界を知るとき、人間はようやく、その限界を超えるための段階に入れる。
 その限界を突破した時、人間は新しい領域に足を踏み入れるのだと、姫君は悟りを開きました。



270 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2010/09/12(日) 13:03:57 ID:XAxJ+v2X]
 姫君は毎日毎日、庇護した少女たちを、思いつく限りのあらゆる方法で拷問して、彼女たちの限界突破を試み
ました。自分のアイデアでは不足と知るや、国中から残虐な刑罰を募集して、それらを少女たちに試しました。
 発狂する者も、死ぬ者も続出したが、彼女は全国から子供を収集して、拷問をし続けました。
 少しでも多くの苦痛を与えるために、手段は選ばず。
 極限の拷問を施し、それに耐えた少女こそが、人間を次の段階に導くのだから」

「そして、夢は、もうすぐ現となる。
 私と藤村が創る聖界フィルールは、これ以上無い地獄となる。それに取り込まれる、フィルール・スター・ナイツも、
厳選された少女ばかり。精神の限界がいよいよ示される。
 『叡智の冠』の理想。
 私たちの目指した場所は、もう手の届く先なのよ」

 巨大頭の少女が大笑すると、呼応するように触手の海が大きく揺れた。
 それはまるで地震のような激しさだった。無数の触手が生えている底部がプレートのように移動し、何ヶ所か
に集中して大地が起伏するかのように大きく盛り上がり、無数の触手が絡み合う塔と化して天井に向かい、そ
して、その触手が生え並んだ大地に亀裂が走り――

「喜びすぎです。怪獣さん」

 カラフルな触手に覆われた表皮が割れて、黒い血に満たされた筋肉繊維で覆われ、突起状の歯で覆われた
巨大な亀裂が現れる。二〜三十メートルはある裂け目からは、洪水のような唾液と、鋼鉄の板のような舌が覗
いていて、まさに、それが怪獣と呼ぶべき巨大生物の口であることを示した。
 口からは、瀧のような唾液が流れ落ちていた。

271 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2010/09/12(日) 13:05:26 ID:XAxJ+v2X]
 そこでは、半透明の蛆虫ともミミズのような蟲たちが、飽和してびちびちと蠢いている。外界で、フィルール・ス
ター・ナイツの少女たちを嬲りものにしている蟲と同じだった。
 元より、蟲は、件の巨大生物の唾液中にて繁殖していたもの。怪獣が噛み砕いた獲物を、蟲が勝手に嬲りもの
にして限界まで解体していくので、体内には『胃』も『腸』も存在していない。口内で蟲に潰された獲物は、口内の
肉壁からそのまま吸収され、残り滓は吐き出されてしまう。
 巨大生物と、口内の蟲は、お互いに餌を供給し、消化を助ける、共生関係なのだった。
 もっとも、口内という制約上、一定時間が経つと獲物は蟲から離れる。よって、蟲が延々と、時間無制限で獲
物を嬲り続けたら、どのような変化が起きるかは、分かっていなかった。
 ――それを藤村は解明し、そして応用した。
「……………!」「…………………………!」
 音を立てて膨れあがる触手の丘の裏からは、半透明の吸盤で覆われた巨大な腕が、岩のように大きな眼球
に覆われた肉丘が、虹色の閃光を放つ三つ叉の角が、次々と浮き上がる。
 それは、複雑怪奇な構造を持ち、既存の動物学を超越した巨大生物が、身体を無理矢理折りたたまれてこの
空間に寝かされていて、それが今、起きようとしているのだった。
 しかし、数百年前、そいつは巫女協会によって、全身をバラバラにされており、起きるのに必要な構造器官は
全て切断されていた。今の状態から、どうしても起きあがれない。頭部も解体されて、脳味噌や眼球を摘出さ
れ、皮膚は全て剥かれて、筋肉も各部分で切断され、骨格も臓器も全て摘出されて、それでも殺すことができず
に、苦肉の策として、それぞれのパーツを別々に封印されたのだから。
 そして今も、集められたパーツが結合しておらず、剥ぎ取られた触手だらけの皮膚や、腕や、角や、眼球が、
個々に動いていて、しかしお互いがお互いを邪魔して、起き上がれない状態が続いているのである。

272 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2010/09/12(日) 13:06:59 ID:XAxJ+v2X]
「……………………………………!」
 触手だらけの皮膚を、ぐいっと押しのけて現れたのは、怪獣の心臓。
 一つ一つの心臓が集結して、まるでブドウの果実のように巨大な房を形成していて、しかし、そのうちの一つ
だけが抉られていた。抉られた一部は今、外界で、人食いの心臓として繁殖している……。

「生物とは心臓のみで構成されず。
 怪獣さん自身の出番は、きっちりと用意されていますよ」

 巨大頭の少女−−宗教法人『叡智の冠』の巫女であるアペカは、足下に折り重なる巨大な魔物を見下ろしな
がら、にやにやと邪悪な笑みを浮かべていた。
 巨大怪獣。
 心臓の魔物のオリジナル。
 そして、同時に、教団の最終兵器。
 封印の大半は解除したので、外に出せば自己再生して動き出す。
 出現すれば国中が大混乱になり、国軍が出動する大事になるだろう。そいつは、最大戦力ではあるが、サイ
ズからして、使い道と言えば、都市ごと敵を殲滅するという物騒なものでしかない。

「しかし、落ち着いてください。怪獣さんの出番はまだ先です。
 『叡智の冠』の最終兵器である怪獣さんが、こんな前哨戦の前哨戦で、登場してはいけないんですよ。
 怪獣さんは、もうすぐ起きる首都決戦で、大集結して邪魔をしてくる巫女協会の巫女やら、他の正義のヒロイン
さんの組織やら、警察やら軍隊やらを、纏めて踏み潰して、ぺっちゃんこにすることなんです」

273 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2010/09/12(日) 13:09:07 ID:XAxJ+v2X]
 アペカは大きな頭を揺らして、振り子のように動いて、けらけら嗤った。
 想定しているのは、数週間後の、首都制圧戦。
 樹海で、全国から教団信者を集めて人食い心臓を数万まで増殖させ、首都に侵攻させる計画。
 魔物の繁殖は、巫女協会の裏切り者を利用して、事前に露見しないよう工作していた。
 まず、諜報担当の雪菜という巫女を買収して、調査結果を捏造させた。
 後は、やってくる討伐隊に虚偽の情報を伝えて油断させ、皆殺しにする。そして、雪菜に、討伐隊は魔物と戦
闘して、どちらも全滅した、と報告させれば良い。
 「最初から魔物はいなかった」と報告するよりも、「巫女は全滅したが魔物は討伐した」と報告する方が、再調
査がかかり難くなる、という雪菜の意見により、そうすることとなった。
 組織の内部にいる彼女だからこそ、注目されやすいケースと、されにくいケースを熟知しているのである。
 後は、巫女討伐隊が来てから1〜2週間で魔物を増やし、首都を攻撃する。抵抗する勢力は、件の巨大怪獣を
投入して都市ごと叩き潰すことになる。

「そして最後に、この私が、現世界と、完成した聖界フィルールを繋げる」

 アペカは奇怪なことを言って、うっとりと微笑み、暗い暗い狂気の夢を見る。
 彼女や藤村たち、『叡智の冠』の目的が、そのとき達成させることになる……。

「来週、巫女の討伐隊が5人、派遣されてきます。
 それさえ処理できれば――ハッピーエンドは、もうすぐそこ」

……………………………………
…………………

274 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2010/09/12(日) 13:13:06 ID:XAxJ+v2X]
 悲鳴があちらこちらから聞えてくる。
 藤村の護衛たちの食事は続いていたが、特に雪菜は少女たちを助けようとはしない。
「あら、あの子が暴れているわ」
 ふと、話を切った藤村が懐から取り出したのは、イモリのような生物が入ったビンだった。胃袋が異空間になっ
ており、ドーム何杯分かの容積を持つ魔物であるという説明を、雪菜はさきほど聞いている。
 ビンの中のイモリは、興奮しているのだろうか。ばったん、ばったん、と激しく暴れていた。
「ん? そういやー、その中って何が入ってるの?」
 藤村は、待ってましたとばかりの笑顔で、雪菜に回答した。

「巨大怪獣です」

「もう、怪獣の話はいいって。さっき、したじゃない」

 藤村は少し寂しそうに雪菜を見ながら、ビンを懐にしまっていく。
「アンタ、最後に巨大化は嫌だとか言って、巨大怪獣はいいわけ?」
「それとこれとは、話は別です」
「面倒くさいなー。まあ、その怪獣さんに踏み潰されたりしないようにね」
 そして、雪菜は少し真面目な顔で、言った。
「私が今回の報酬を受け取って、日本から脱出するまでは、変な真似はしないでね? 中東に逃げようと思った
ら、海上封鎖されて出られませんなんて、ちぃーっとも、笑えないんだから」

 雪菜の要求に、藤村はただ微笑して頷くだけだった。

275 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/09/12(日) 13:13:37 ID:XAxJ+v2X]
続きはそのうち。
ではまた。

276 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/09/13(月) 23:29:43 ID:wnF8zakm]
とうとう話のラスボスが
続きが楽しみだ

277 名前:規制解除来た mailto:sage [2010/09/25(土) 05:51:58 ID:xyimGxm/]
満月が照らす森の中
うっそうとした森の奥に一本だけそびえる大きな木

その木の枝にわたし達は吊るされている。
枝は足がかろうじて届く高さで、背の低い娘は足をブラブラさせている。
誰もが一糸まとわぬ姿のまま両手を枝に固く縛られていた。

わたしの名はノノ。
吊るされているのはわたしを含め10人ほどの近くの村の娘ばかり。
この森の近くの村に住む娘のうち選ばれたものが毎年こうやって木に吊るされている。
この森に住む鬼のための生贄として。

わたしはふと視線を目の前の森の向こうに向ける
満月のおかげで眼下に広がる山すその風景が浮かび上がっていた。
その向こうに見える海岸線と海。そして、かすかに小さな島も見えた。

わたしは生まれてからこの山の中の村でしか暮らしたことがなく、
眼下に見える海を見たことがないまま生涯を終えることになるのだ。

「行ってみたかったなぁ。海ってあれが全部水なんだよね。」
普段水汲みで苦労してきたわたしにはあれだけの水があるなんてちょっと信じられなかった。
「あの向こうの島にも、人が住んでるのかな…」
そう思いながら視線を近くに向けると、黒くて大きな影がこっちへ向かってきた。

鬼たちだ。


278 名前:規制解除来た mailto:sage [2010/09/25(土) 05:52:20 ID:xyimGxm/]
吊るされた娘達の中に緊張が走る。
泣き出す娘もいた。
しかし、誰一人として逃げ出すことは出来ないのだ。

鬼の姿かたちは意外とわたし達人間と大差ない。
生贄と交わって子供を作ってきたおかげで徐々に人間に近づいていったかららしい。

鬼達は顔を見合わせながら思い思いにわたしたちのもとへやってきた。
何をされるかはわかっていた。
鬼の一人が背の低い少女の足を掴んで開かせる。
少女は泣き叫ぶが、抗うことは出来なかった。
鬼の股間に屹立する巨大なペニスが少女を引き裂くように
彼女の幼い女陰に割り込んでいく。
悲鳴がひときわ大きくなり、首を振り乱しながら暴れた。

「ナツちゃん…」
村で一番歌のうまかった彼女が、今、その声をからしながら
鬼に犯されて泣き喚いている。

そして、それは私の運命でもあった。
他の娘達にも鬼が近寄って犯し始めたころ、わたしのところにも鬼がやってきた。


279 名前:規制解除来た mailto:sage [2010/09/25(土) 05:53:26 ID:xyimGxm/]
わたしのところにきた鬼は他の鬼たちよりひときわ大きく、逞しかった。
そして、そのペニスも強固な杭のようだった。
「ひっ…」
一瞬目をそむけてしまうくらいにそのペニスは凶暴なものに見えた。
わたしの足を広げて鬼はそのペニスを力ずくで押し込んでいく。

メリメリ…
たしかにそんな音が頭に響き、股間から体が二つに引き裂かれる痛みが走った。

「うぎぃ!!」
そのまま鬼は力ずくでわたしの膣内に大きなペニスを押し込んでいきました
わたしは体内を無理やり押し広げられる苦痛に悶える。
今まで男性を知らなかったわたしの純潔を踏みにじることに快感を覚えるように
奥へ奥へとわたしの中を犯していく。
子宮口へ達したら、一旦引いては叩き破るかのような勢いで再び突いてくる。
その度に引き裂かれる痛みがズキズキ疼く。

内臓を容赦なく抉られるような痛みに涙を浮かべながら、わたしは鬼の激しい突き上げに耐える。
せめて…少しでも早く終わるように念じながら目を閉じた。
「おっかさん……助けて!」
誰の声かわからない声が響く
生贄の誰かかもしれないし、わたしが上げた声かもしれない。
その区別もつかないほどにわたしは鬼に犯されていた。

意識がどこかへ消えていた。

知らぬ間にわたしは喘いでいたのかもしれない。
泣き叫んでいたのかもしれない。

それすら鬼の乱暴な動きに塗りつぶされていた。

そして…突き上げが私の体を飛ばすような勢いになった刹那
胎内に溶岩のような熱い塊が注ぎ込まれるのを感じた。

「ぁ…ぁ……」

股間からとめどない熱い液体がこぼれ落ちるのを感じていた。
わたしたちは股間から流れおちる鬼の精液をだらしなく垂れ流しながら泣いていた。




280 名前:規制解除来た mailto:sage [2010/09/25(土) 05:54:21 ID:xyimGxm/]
そして、他の娘達も同様になった頃、新たな鬼達がやってきた

それから、わたしたちは新たな鬼達に犯され続けた。
数を増した鬼達にお尻の穴も、口も、アソコも犯され続けた。
いつしか体中に精液をまといつかせるのが当たり前になっていった。
しかし、わたしたちは知っていた。
これが、ほんのはじまりに過ぎないことを

夜が明け、散々に犯されたわたしたちを鬼達が名残惜しそうな顔で見ながら去っていった。
「ノノ…やっと…終わったね」
ナツが枯れた声でわたしにそういった。
繰り返された喘ぎと悲鳴でかつての声はもう戻っていなかった。
ナツと、わたし自身を慰めるためにこういった
「次の満月…それまではもう何もないよ」

そのはずだった。
そして、次の満月には…わたしたちは食べられてしまうのだ。
あの鬼達に。

わたし達の体に変化が訪れたのはその後からだった。
吊るされっぱなしで感覚がなくなっていたわたしたちの手が徐々に茶色く変色し始めた
まるで枝と一体化したようだった。

それとともに、わたしたちは空腹を感じなくなり始めていた。
誰もおなかがすいたとも喉が渇いたとも言わなくなっていた。

そして、日がたつにつれて、お尻が膨らみはじめていった。
それは日増しに大きくなっていき、やがて下腹部とともにぷっくり膨れ始めた。

そして、満月が近づいた夜。誰ということなく体中から不思議な香りが漂い始めた
まるで、桃の実のような。


281 名前:規制解除来た mailto:sage [2010/09/25(土) 05:54:46 ID:xyimGxm/]
誰もが、半ば木と一体化したようにぼんやりとした視線を漂わせた満月の夜。

鬼達がやってきた。

わたしたちは覚悟したような表情を浮かべていた。
もう、動くことも出来なくなったわたし達に鬼たちに食べられる運命から逃れることは出来ない。
せめて、痛くないようにしてほしい。祈ることはそれだけだった。

鬼達は、手に手に大きな鉈を持っていた。
一人の鬼が、端の娘の足の付け根に鉈を当てる、
娘が顔を引きつらせた瞬間、鉈がすごい速さで娘の両足を切断した。

上がる悲鳴、ゴトリという不気味な音とともに地面に落ちる両足
奇妙なことに、切断面からは血は流れなかった。
かわりに透明で甘い香りを放つ果汁が滴り落ちた。

鬼達の鉈は次々と娘達の足を切り落としていった。
私の足にも、あの大柄な鬼が鉈を持ってやってきた

ヒヤリと鉈の感触が伝わり、それが離れた次の瞬間
激しい衝撃とともに足の感覚がなくなった。

ゴトゴトッとわたしの足が地面に落ちる音を聞いた。

全員の足が太腿から切断された後、鬼達は指笛を吹く。
どこからともなくやってきたのは獰猛そうな野犬だった。
野犬たちは地面に転がるわたしたちの太腿の肉や
ふくらはぎ、すねの肉をかじって食べていった。
弾けるような歯ごたえと肉質を持つ豊かな丸みを帯びた太腿は、争うようにして食べられた。
娘達の足の肉は野犬にとってこの上ないご馳走だった。
そして、木に吊るされたわたしたちは自分達の足が食べられるのを見ているしか出来なかった。







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