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少女・女性が化物に捕食されちゃうスレ 復活の5



1 名前:名無しさん@ピンキー [2010/01/14(木) 18:12:53 ID:kO4ltSek]
オレは女の子(女性)が化け物に捕まって、いろいろ弄繰り回された後に食べられちゃうよー
てなシーンにすごく萌えるわけですが・・・

皆さん、こんなの好きな人いませんかね??

話を書いてみたり、そういうサイトを教えあいませんか?


※SS投下の際の諸注意
 ・元の作品:オリジナル/パロディ(キャラ・世界観のみの場合含む)
 ・捕食方法:噛みつき・丸呑み・体液吸出・咀嚼・溶解吸収etc...
 ・他注釈 :特に凄惨な表現を含むなど、注意が必要と思われる場合
以上を冒頭に明記することを推奨します

男性が捕食されるシチュエーションはNGではありませんが、
このスレでは
『女の子(女性)が化け物によって(嬲られ犯された末に)捕食される』
がメインです
 ・ラミア、リリス、サキュバスなどに捕食要素を追加して男女両方を襲う
 ・男女混成のチームを丸ごと、あるいは順に捕食していく
などの工夫で男性が捕食される状況を含むものはOKです
 ・ヒトが人魚、妖精などを(嬲る、犯す)食うのは変化系としてOKです
 ・単にヒトがヒトを食う(ただのカニバリズム)ものはスレ違いです


初代  ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1125051013/
その2 ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1147338907/
その3 ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1182796046/
その4 ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1217963873/

関連スレ
◆女性に捕食されるスレ◆
yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1213114446/


その3スレ>>804氏が作ったWiki (補完等、協力お願いします!)
www11.atwiki.jp/hosyoku/


401 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2011/02/06(日) 23:20:48 ID:9rwW5Prd]
>>392の続きを投下します。
内容は、ハッピーエンドに向けて一直線って感じ!

NGワードはタイトル「人食い怪物vs巫女」で。


402 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2011/02/06(日) 23:22:59 ID:9rwW5Prd]
「私のサファイア・アイが輝く限り、外道に明日は来ないって感じ!」

 きらりと光る碧眼を見て、度の強い眼鏡をかける顔が不快げに歪んだ。
「ぐぬぬ……ぶっ、ぶっ殺しちゃええええっ!」
 瓶底眼鏡女が顔を赤くして怒声を発すると同時に、異形の大群がキララに殺到する。
 巨体の蟷螂が、4本腕から規格外の大鎌を振り下ろした。灰色の肉塊が大口を開いてライトバンに
突撃し、カエルや毛むくじゃらの獣がそれに続いていく。轟音と共に巨大な炎が立ち昇る中、異形群
は車体を切り刻み、音を立ててドアや天井部分を食い千切った。
 ライトバンは瓦解し、タイヤが吹き飛んで地面を跳ね、ゴロゴロと転がっていく。
「くくく、ひとたまりもあるまいー!」
 瓶底眼鏡男がにやりと笑って勝利を確信するも、それは背後からの声に打ち消された。
「標的は攻撃を回避したわ。上空よ」
 アペカは無表情で目を細め、ゆっくりと虚空を指した。
 そこではキララが、炎で編まれた羽衣を纏って天女のように浮遊し、異形群を見下ろしている。
「バカの一つ覚えに突っ込んでくるとはね! ホントに超びっくりって感じ!」
 両腕を腰に突き、堂々とした開脚で仁王立ちする白焔の光巫女。大陰唇が地上からまる見えであ
ることについては、本人が多少興奮しているだけで問題は無いらしい。
「炎を撃たせるな! 弾幕を張って撃ち落せ!」
 眼鏡男の指示を受け、人間を取り込む巨大宝石の表面から閃光が発射された。巨大イソギンチャ
クや巨大ナメクジも、自分の体液や牙を次々と宙に射出していく。無秩序に発射されたかに見えた
個々の攻撃は、しかし曲線を描きながら上空の巫女に収束し始めた。
「テメェらの居場所はここじゃねえ! どこぞの珍獣島か動物園に帰りやがれって感じ!」
 しかし、攻撃はキララに直撃する前、やはり10メートル手前で炎上して灰になった。巨大宝石から
発射された光線だけは、鏡に当たったかのように角度を変え、何もない空に飛んでいく。

403 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2011/02/06(日) 23:25:46 ID:9rwW5Prd]
「きーっ! あの変態女! バリアを張ってますねー! って、きゃあああああああー!?」
 眼鏡コンビが指揮する対空砲火部隊に、全身を炎上させた異形が突っ込んできた。突然の出来事
に、巨大ナメクジやイソギンチャクたちの攻撃も中断される。
 それは、キララを攻撃しようとして、白炎に触れた個体。
 ライトバンに突撃した異形たちは、自分に燃え移った白炎を消そうと大パニックだった。肉塊は車両
と仲良く燃え尽きたが、カマキリ・カエル・毛むくじゃらの先走りトリオは全身に広がった白火に右往
左往しながら、助けを求めて仲間たちの元に殺到したのである。
「ちょっ! やばいっ! 燃えてる! 燃えてるよ!」
 眼鏡男は自分の背中に燃え移った火にパニック状態で、異形の間を無茶苦茶に走り回っている。
しかし、炎から逃げるように走るだけなので、火が消えることは当然ながら無かった。
「もう! おバカさんたちぃ! 何やっちゃってるのぉ! こいつらを何とかしなさーい!」
 瓶底眼鏡の女が炎上するカマキリから逃げながら、指示を飛ばす。
 死に物狂いで火を消そうと暴れる毛むくじゃらに、イソギンチャクが踏み潰されて緑の鮮血が噴き
上がった。毛むくじゃら自身も力尽きたようで、白炎を立ち昇らせながら倒れて沈黙する。
 巨大宝石は、ビームでカエルの頭部を撃ち抜いて沈黙させた。
 殻で覆われた二足歩行の巨大サソリが、カマキリを鎮圧しようと胸部に尻尾を打ち込んだが、そこ
から炎が燃え移り、サソリ自身も火達磨になって別の仲間集団に突っ込んでいく。
「熱っ! 熱いいいい! 離せ! こら! 離してえええええっ!」
 助けを求めるカマキリに捕まり、眼鏡女の白衣が一気に燃え上がった。
 次々と異形に燃え広がる白炎に、地上は大火事の態をなし始めた。
 異形たちは無駄に高い機動力で暴れまわり、勝手に味方内に火を広げていく。燃え上がりながら
お互いに噛み合い、刺し合い、殺し合う光景が、部隊全体に感染していった。
 見下ろしていたキララは、全身を覆った火勢を増して、一気に急降下する。

404 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2011/02/06(日) 23:28:36 ID:9rwW5Prd]
「一気にフィニッシュって感じ!」
 巨大な白炎の塊が、阿鼻叫喚の異形たちの中に落下した。
 瞬間、悲鳴をかき消すような衝撃と閃光が、一帯を白く塗り潰した。

 …………………………………………
 ………………………

 キララの赴く戦場は、基本的に人家の無い場所である。

 例えば山奥にある小さな湖。例えば断崖にある迷路のような洞窟。
 人間がいない、もしくは全滅した場所で、大繁殖している怪物が確認された場合、または、普段の
巫女協会の戦法が通用しない未知の怪物や、怪獣クラスが確認された場合にほぼ限られる。
 キララの神性は、通常で10メートル圏内に邪悪な存在を寄せ付けない。
 発射できる白炎の射程を含まれば、攻撃可能範囲は半径200メートルにもなる。詰まるところ、彼
女が本気になれば、周囲を一瞬で焼き尽くして焦土と化すことも可能だった。
 その能力の前では、湖底に隠れようが、洞窟の奥に隠れようが関係ない。
 彼女の炎は湖の底を沸騰させ、洞窟を灼熱のカマドに変えて余りある。怪獣級の巨大生物でも、
蟲のように小さな生物群でも、白焔の光巫女にとっては、暖炉に入れられた薪に等しかった。
 さらに、飛翔による機動力が加われば、広域での戦闘も可能になる。
 ロケットのように飛翔しながら、半径200メートル圏内を焼き尽くす人間がいれば、1人でも中規模
の都市を簡単に壊滅させ、軍隊と互角以上に渡り合うこともできる。その性質は、端的に言えば害
獣退治の要員である退魔巫女とは大きく異なり、完全な軍事兵器だった。

405 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2011/02/06(日) 23:31:23 ID:9rwW5Prd]
「さて、雑魚は纏めてお掃除完了って感じ?」

 瓶底眼鏡のレンズが、炎に包まれて溶けながら落下する。
 吹き飛んだ異形たちの肉片が炭化して、ばらばらと一帯に降り注ぐ。
 一帯は爆弾でも落とされたかのように焦土と化していた。ただし、呆然となる藤村と、アペカと樹里
がいる場所は熱風が来ず、周囲から切り取られたかのように影響が無かった。
「首謀者に死なれると、後の捜査が厄介なのよね。リーダーっぽいテメェらは拘束って感じ」
 炎の放出をコントロールし、アペカたちへの直撃だけは回避されていた。
 キララは、にやりと笑みを浮かべながら、白い尾を引いて歩いてくる。
 つい先程まで場を埋め尽くしていた異形の集団は、瓶底眼鏡の男女を含め天高くに吹き飛び、今
や炭化した破片が落ちてくるのみ。あの大部隊がほんの一瞬で壊滅していた。そこには、小細工や
物量など一瞬で押し切ってしまうほどの、圧倒的な火力差があるだけだった。
「言っとくけど、妙な動きはするんじゃねーよ。キララ様がその気になれば、テメェらを灰にするなん
て、ウインク1回でオーケイなんだからね。1秒もかからないって感じ?」
 言葉に嘘や誤魔化しの感情は微塵も無く、ただ事実を淡々と説明するものだった。
「イリスっぽいヤツや、ギャオスっぽいヤツが出たときでも、秒殺だったしね」
 過去に巫女協会が遭遇している怪獣級の魔物2体は、通常の巫女部隊では大苦戦だったが、キラ
ラの介入で一気に巣ごと焼き払って殲滅した。協会の歴史に残る大金星と言われるその話を、彼女
は積極的には語らないものの、誇りに思っているのは確かだった。
「言っとくケド、テメェらに黙秘権とかねーから」
 キララはそう言って微笑むと、手をゆっくりと街のほうに向けた。視線の先は、先程地下に放置して
いた怪物がいた場所である。方角を定めると、ゆっくりと目を細めた。
 そして、少し不機嫌さが滲み出した口調で、ぽつりと、
「あんにゃろ。今になって出てきやがって」
 と言った。そして、怪物が地上に戻ったのを察知し、白炎を放つ。
 白い軌跡を残して飛翔した光弾は、一直線に国道の事故現場に飛び、街に爆発音を轟かせて白
い火柱を上げた。

406 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2011/02/06(日) 23:33:48 ID:9rwW5Prd]
 …………………………………………
 ………………………

 キララが去った後、人食い怪物は、地上に触手を数本伸ばして辺りを探索した後、再び地上に姿を
現していた。先程の攻撃で表皮の半分は焼け爛れていたが、深部には及んでいない。
 怪物は、自分を攻撃した少女がいないことを確認し、安堵と同時に、傷の痛みに怒り狂う。
 回復のためには、もっと人間を食べなくてはならない。
 予定通りにショッピングモールと呼ばれるに向かい、人間を食べ続けて、傷を癒すのが良いだろ
う、と怪物は思った。位置は最初からインプットされているし、集客施設である分、モールと呼ばれる
場所には、今までより良質の獲物が沢山いるはずだった。
 もしかしたら、すぐに死んでしまうような普通の人間ではなく、もっと狩り応えのある獲物がいるかも
しれない。狩りの満足感を得られるような、素晴らしい獲物がいるかもしれない。
 空腹と傷の痛みを堪えながら、異形が再び都市への侵攻を開始しようとした瞬間――。

 撃ち込まれた白炎が、怪物を一瞬で灰に変える。
 ショッピングモールに迫っていた脅威は、完全に燃え尽きて、この世界から消え去った。

 …………………………………………
 ………………………

「きゃっ! な、何……? 何なの……?」
 ビルの屋上から屋上に飛び移りながら移動してきたトランスジェニックガール・アスカこと佐久島ア
スカは、突然国道方面で起きた大爆発に驚き、立ち止まって状況確認を行うことにした。
 ショッピングモールに急がなければならないが、それでも確認することにしたのは、炎が赤色では
なく、見たこともない白色だったからである。しかも、今回は2回目の爆発だった。数分間の間に、殺
戮の起きた場所で爆発が続くなど、尋常な事態ではないだろう。


407 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2011/02/06(日) 23:35:24 ID:9rwW5Prd]
(一体、何が起きているの……? 戦闘? それとも……)
 彼女の位置からでは、ビルの隙間からしか見えない爆発の余韻。紙のように白い炎は周囲の建
物より高く噴き上がり、そのまま空気に溶けるように消えていき、煙は何も残さなかった。
(でも……今は、ショッピングモールへ急ごう! 確かめるのは後でもできるもん!)
 安否不明の友人たちの笑顔が脳裏を過ぎり、不安で胸が締め付けられそうになる。

 ……少女の名は、佐久島アスカ。
 密かに街の平和を守り続けていた少女は、最後の戦いとなった場所に近づいていく。

 
(続)




408 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2011/02/06(日) 23:37:04 ID:9rwW5Prd]
ハッピーエンドに向けて一直線ですね。
続きはそのうち。


捕食シチュだと、最近確認したのは漫画「アカメが斬る」2巻で、
ヒロインの一人が敵の連れた大型獣に食われてたわ。
上半身を噛み千切られて、噛み砕かれる直前で場面転換→喰われてもぐもぐ咀嚼されている
という感じで、直接的な描写は無かったけど。
食い千切られ後は走馬灯モードで過去回想しまくりで、苦しむ描写が無かったのがいかん。

>>400
アタゴウルってまだ続いてたの。


409 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2011/02/07(月) 18:06:55 ID:i0tNnLWq]
絶対バッドエンドになると思ってたけどハッピーエンドになるのか!タノシミだ…



410 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2011/02/07(月) 23:08:40 ID:dc+6tLR9]
アスカ助かるの?

411 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2011/02/08(火) 19:35:40 ID:7LozEf+o]
捕食も好きだがそれ以上にハッピーエンドも大好きな俺はwktkせずにはいられない

412 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2011/02/08(火) 19:50:50 ID:68Fcc+B0]
我々にとってのハッピーエンド=捕食エンドだったりしてな

413 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2011/02/09(水) 02:29:37 ID:Jrc+ZJOH]
捕食したら融合して少女の姿に戻っちゃったみたいなのを期待。

414 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2011/02/12(土) 03:58:28 ID:HWPoXlOH]
もし書き込めたら本能のまま打ってた文章の一部を捧げよう

415 名前:メガワームの餌1/3 mailto:sage [2011/02/12(土) 04:01:35 ID:HWPoXlOH]
OK捕食者ども
こんなつたない文章でよければ楽しんでくれ

「エラ・・・だっけ?お前はいいメスだよ 今までに無い征服感を俺にくれた
おい兵士ども 前の女はもう要らないんだよ メガワームの餌にでもしてしまえ」
その残酷な命令に朦朧としていたエラの意識が返ってくる
「い 嫌ああ!離してえ!」
エラの目の前にエラとはそう変わらない年頃の少女が連れられてくる
彼女に負けない美貌とグラマーな肢体の持ち主だが 体中にある凌辱の後が痛々しい
「お前みたいにあっさり抵抗しなくなる女はつまらんのだ この女が手に入ったからお前はもう用済みだよ」
「え・・・」
少女の目がエラに向けられる 憎しみとも悲しみともつかない視線がエラには辛かった
「なんで・・・ なんで・・・あっ!」
亀獣人が手を上げて合図をすると 少女はメガワームの檻に放り込まれる


416 名前:メガワームの餌2/3 mailto:sage [2011/02/12(土) 04:02:47 ID:HWPoXlOH]
ずりずりっ

奥から現れたミミズともヘビともつかないその巨体は人すらあっさりと飲み込めそうなほどで
触手の様な突起の中央にあるすぼまった口は生理的嫌悪感を催させた
「あ・・・嫌・・・助け・・・」
少女が後じさりし 格子に背中が押し付けられる
「なんだあ?最期にもう一度したいのか?」
「あうっ!」
亀獣人が格子越しに少女を捕まえると そのヴァギナに指を突き立てる
「期待してたんだな こんなに濡らして」
口元をいやらしく歪めると その長いペニスを少女のヴァギナにつき立てた
「ああああっ!」
その豊満な胸を揺らし少女は悶える しかしワームにはそれが生きのいい獲物に映ったのか
ずるずると這いよってくる
「い・・・嫌・・・嫌・・・」
ワームが少女の顔にその肛門のような口をつけた瞬間 周りの突起から汁が吹き出る
「嫌ああ!」

ちゅるん

粘り気のある汁の助けを借りて ワームは少女を一瞬で胸元まで飲み込む
「いいぞ いいぞ この瞬間はどんなガバガバの穴でもよく締まる」
一気に視界を奪われた少女は必死で手足をばたつかせ逃れようとするが 無駄な努力だった
そうする間にも亀獣人の長いペニスは子宮口をこじ開け 赤子のゆりかごを凌辱する
「んー! んー!」
そうして徐々に豊かな胸 くびれた腰と飲み込まれ
少女の動きも徐々に力を失っていく・・・

417 名前:メガワームの餌3/3 mailto:sage [2011/02/12(土) 04:05:51 ID:HWPoXlOH]
ブシュッ ブシュッ

再び亀獣人があの大砲のような射精をし 少女のヴァギナを逆流した精液が床を濡らす
亀獣人は満足したような表情を見せると 少女の腰を手放した

ちゅぼん
間抜けとも思える音とともに尻 足と一瞬で口の中へと消えてゆく

哀れな少女はとうとうワームに全身を飲み込まれ その姿はワームの白い腹にくっきり浮き出ていた
「逆らおうなんて思うなよ」
亀獣人がワームの腹を指差す 脈打つ体が少女をもみしだいている それは消化の始まりを表していた・・・



いつの間に眠っていたのだろう 次の朝エラは汚らしい破裂音で目を覚ます
目をやるとワームが尻尾の先から黄土色の軟泥状の物をひり出していた
哀れな少女の成れの果てだった



これで終わりです
とりあえずスツーカ乗りリスペクト

418 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2011/02/12(土) 15:03:39 ID:fSPiqrs7]


419 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2011/02/12(土) 23:54:09 ID:u0ISg7Rt]
>>407の続きを投下します。
内容は、ハッピーエンドに向けて一直線って感じ!

NGワードはタイトル「人食い怪物vs巫女」で。



420 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2011/02/12(土) 23:54:48 ID:u0ISg7Rt]
「あんにゃろ。今になって出てきやがって」
 白い軌跡を残して飛翔した光弾は、一直線に国道の事故現場に飛び、街に爆発音を轟かせて白
い火柱を上げた。それだけで、街で暴れた人食いの怪物が消し飛んでしまう。
「………これは、お手上げね」
 アペカは静かに目を閉じて、両手をゆっくりと挙げた。
「こちらには、貴女に抵抗する力は無いわ。降伏よ」
 困惑気味の樹里の横で、巨大頭の異形は早々に抵抗の意思が無いことを示した。しかし、藤村は
諦めてはいないようで、怒りに身を震わせながら、キララを無言で睨み付けている。事態打開の方法
を考えているのだろうが、流石の彼女も、この状況を覆す手は簡単に思いつけないらしい。
「うううう……まだよ……! まだ……樹里がいるじゃない!」
 結局、彼女が選択したのは、最後に残った手駒を敵に繰り出すことだった。
「樹里! その爆発女を殺しなさい! 私が与えてやった能力を、存分に奮いなさい!」
 主たる指揮官の声を受け、アペカの横にいた樹里はゆっくりと歩き始める。眼前にいるのは、巨大
な怪物たちを一瞬で灰に変える火力を持つ、誰が見ても勝算が無い状況であるのに。
「樹里、動いては駄目よ。藤村も少し冷静になりなさい」
「コラ、動くなってのが、聞こえないのかって感じ!」
 樹里はくるりとアペカに振り返り、悲しげな顔で笑みを作る。
「申し訳ありませんが、その命令は聞くことができません」
 アペカの命令とキララの脅しを無視して、樹里はゆっくりと洋服のボタンを外し始めた。
 そして服を脱ぎ捨て、靴も脱いで、アニメキャラの絵がプリントされたパンツを残して、生まれたまま
の姿を晒していく。脂肪の無い胸部に膨らんだ腹は、同年の男児と変わらない。
 桃色というより、やや濃い肌色の乳頭を晒しながら、樹里はキララに向き合った。
「このガキ 服を脱いで、まさかキララ様に対抗……」
「服を脱いだのは、貴女と同じ理由。一帳羅を台無しにしたくないもの」

421 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2011/02/12(土) 23:55:09 ID:u0ISg7Rt]
 そう言った樹里の両腕から、半透明の液体を滴らせながら、乳白色の触手が伸びた。枝分かれし
ながら増殖して網目状に広がるそれは、植物の根っこに他ならない。
 黒髪は、植物の葉のように変色し、鮮やかなエメラルドグリーンに変化した。そして、両頬から、乳
房から、背中から、腹部から、少女の肢体の至る箇所から、根っこが虚空に拡大する。
「厄介な外見しやがって、お前も化物の仲間かよって感じ」
「アペカ様直属の護衛である私に対して、何と言う口の聞き様でしょうか」
 食人植物の魔物を移植され――同化した異形の少女は、にやりと微笑んだ。
 …………………………………………
 ………………………
 樹里は基本的に、生物の体液ならば何でも吸収することができる。
 人間や動物の血液は勿論のこと、スポーツドリンクや生野菜、調理した食物でも水気が多けれ
ば、全身に生やした根と口から摂取することができる。光合成も一応は行えるが、それは普段活動
するには全然養分が足らず、主として生物の体液を吸わなければ体調を崩してしまう。
「テメェ……キララ様に本当に勝てると思ってるのか?」
 白炎の巫女は不快そうに顔を歪め、童女の外見をした異形を睨み付ける。
 樹里は目を細めて、自嘲気味に口元を歪めた。
「戯言を。私だって戦士です。喩え無駄でも、無謀でも、戦わなければならない時がある。逃げること
が許されない時がある。私にとってそれが、今まさに、この瞬間だということ」
 今や鮮やかな緑に変色した瞳が、かっと見開かれる。
 瞬間、巨木を思わせる植物の根っこが、地面から噴き上がるように伸び始めた。樹里の足の裏か
ら成長していたそれは、一気に地上に出て獲物を絡めとり、締め上げていく。
「きゃっ! うっ! くっ! ちょっと待って……!」
 根は標的の両手両足を拘束し、螺旋を描くように胴体を駆け上がり、ついに頭部に達した。

422 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2011/02/12(土) 23:55:45 ID:u0ISg7Rt]
「ちょっと、離して! 離しなさい! 私は違うでしょ! 敵はあっち! ちょっと!」
「くっ、苦しい……樹里……? きゃ……ぁ……!」
 樹里の根で締め上げられ、意味が分からないという表情を浮かべながら、藤村とアペカの身体が
宙に持ち上げられた。足先から頭までぐるぐるに巻かれており、完全に自由を奪われている。
 振り返った樹里は、憤怒の色を浮かべて藤村を睨み付けた。
「じゅ、樹里! どういうつもり!」
「私の名前を呼ぶな! この悪魔!」
 突然大声で吐き捨てられ、藤村の表情が一瞬消える。
 護衛を称していた少女の突然の反乱は、両陣営ともに予想外のことで、混乱するだけのアペカは
勿論、キララも呆然とするだけで、どう言葉をかければ良いか分からない。
「ずっと、こんなチャンスを待ってたんです! お前から護衛が消えるのを! そして、『叡智の冠』に
対抗できる戦力が現れるのを! 何年でも待つつもりだったけど……」
「お、おまえ……私を裏切るつもりなの! 能力を与えてやった恩を、こんな!」
 藤村の目が見開かれ、血走った眼球が?き出しにされる。
 幾人もの命を弄び、実験台にしてきた女性研究者は、今や怒りと失望を隠そうともせずに暴れ始
め、拘束を解こうとする。しかし、部下は全員異形でも、彼女自身は普通の人間らしく、顔を赤くして
抵抗するも拘束を解くことはできない。ただ、無様にもがくだけだった。
「裏切る? 私は最初から味方になったつもりはありません」
 憎悪に染まる表情で、樹里は藤村を睨み付けて叫ぶ。
「あのとき、実験室の仲間同士で誓ったんです。私たちの誰か一人でも、毎日繰り返される拷問から
生き延びられたら、絶対にお前たちをやっつけて、捕らえられてる他の子供たちを助けようって。結
局、お前に選ばれた私以外は、拷問中に死ぬか、化物の餌にされましたけど」
 樹里は藤村から、護衛していたアペカに視線を移す。

423 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2011/02/12(土) 23:56:41 ID:u0ISg7Rt]
 しかし、その表情に藤村に向けた憎悪は無く、ただ哀れみがあるだけだった。
「樹里……愚かなことは止めなさい」
 駄々を捏ねる子供をあやすように、アペカは優しい笑顔で、裏切った従者に語りかける。
「今なら、何も無かったことにしてあげるから、冷静になりなさい」
 巨大頭の異形は、慈愛に満ちた笑みで、語りかける。

「今なら、私は貴女を赦せる。貴女を抱きしめずに済む」

 唇が三日月を作って、静々と言う。

「酷いことはしたくないの。お願い」

 樹里はアペカの語りかけに、残念そうに首を横に振った。
「アペカ様、申し訳ございませんが、貴女様もここで消えていただきます。貴女様は藤村の犠牲者で
すし、人間を食べるのも、生きるためには仕方の無いこと。ですが――その体内で生きている蟲は、
人間の天敵です。新しい犠牲者を出さないためにも、始末しなければなりません」
「樹里……私は貴女のためを思って、言っているのよ」
「私は覚悟はできています。『叡智の冠』を壊滅させたら、ヒトを食べた罰を受けます。少し時間はか
かるかもしれませんが、アペカ様の後を追わせていただきます」
 アペカは深く息を吐いて、視線を下向ける。
「決意は固そうね。とても残念だわ」
「申し訳ございません」
 頭を深く下げた樹里は、そのまま表情を見せることはなかった。
 しかし、藤村は狂乱めいた表情で、樹里に喚き散らし始める。
「残念じゃない! 申し訳ございませんじゃねーよ! 謝るなら拘束を解け! そ、そうだ! キララっ
ていったかしら、貴女? ちょっと、その娘を焼き殺してよ! というか、私と組まない?」

424 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2011/02/12(土) 23:57:34 ID:u0ISg7Rt]
「あン? 何言ってるのって感じ?」
 沈黙して推移を見守り続けていたキララの眉が、ぴくりと上がる。
 藤村はにやりと嗤って、首を捻りながら訴えた。
「貴女が私の味方になってくれれば、もう千人力よね! 良心が痛むってのなら、ビジネスって割り
切ればいいわ! お金ならあげる! それとも、下僕がいいかしら? とにかく、損はさせない! 仕
事に見合うだけの報酬は用意するから! だから、その餓鬼をやって! 私を助けてええええ!」
「テメェ……どうしようもねーな」
 冷徹な声でそれだけ言って、キララは沈黙に戻った。
 事件を起こした組織の素性が、宗教法人『叡智の冠』であり、樹里が証人になる意思が確認できた
今、彼女は樹里の復讐を黙認する様子ですらある。
「ぎいいいいいいいいいいいいいい!」
 拒絶されたと理解した藤村は、ぐるりと白目を剥いて声を張り上げた。
「畜生おおぉぉぉぉぉ! 離せええええええっ! くそっ! はなしやがれえええぇぇぇぇ!」
 手負いの獣が罠にかかって咆哮するような、壮絶な声で。
「もう少しで! もう少しで、私たちの理想は敵うのよ! 愚かな人間全てに叡智の冠を与えることが
できる! 愚かな人間を全員、聖界フィルールに連れて行ける! ずっと受け継がれてきた理想が、
積み重ねて積み重ねて、やっと現実になるのに! 偉大なる開祖、瑪瑙姫の理想が、300年を経て
ようやく、ようやく、じっ、実現、するのにっ、いいいいいいいいっ!」


「『叡智の冠』の、300年に及ぶ悪夢の歴史は、これでお終いです」


 樹里は静かな声で、容赦なく宣告する。
 根に捻り潰された藤村とアペカの、肉塊と鮮血が地面にびちゃびちゃと落下した。

425 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2011/02/12(土) 23:58:04 ID:u0ISg7Rt]
 …………………………………………
 ………………………

「着いた……ショッピングモール……」

 息を切らしながら顔を上げたアスカの前には、無傷のショッピングモールが建っていた。怪物襲撃
の情報は既に伝わっているらしく、来訪者は駆け足でモールから逃げ出していた。
 それは、彼女の最後の戦いとなった場所。
 しかし、眼前に広がる光景は、壮絶な最後の光景とはまるで違うものだった。

「おっ、アスカじゃん! おーい! こっちこっち!」

 アスカの友人たちは、彼女の姿を発見するや、手を振って自分たちの生存を伝えてきた。
 下半身を噛み切られ、または胴体のみになり、または頭部だけが残された少女たち。しかし、彼女
たちは怪物に襲われず、笑顔を浮かべてアスカの名前を呼んでいる。

「みんな………良かった……無事だったんだ……!」

 アスカは口元を手で押さえた。
 肩を震えた。
 目が熱くなる。
 涙が頬を伝っていく。
 失いたくなかった。
 守りたかった。
 かけがえのないものが、無事でいてくれた。


「みんなっ! すぐに、そっちに行くよっ!」


 アスカは満面の笑顔で、友人たちの方へ走り始めた。


426 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2011/02/12(土) 23:58:26 ID:u0ISg7Rt]
ハッピーエンド?
続きはそのうち。

427 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2011/02/13(日) 01:08:49 ID:ClWhpuU9]
乙乙
しかしこのままじゃ終わりそうにないな〜w

428 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2011/02/13(日) 02:13:25 ID:updfxQsR]
乙、新井素子の処女作みたいな結末ってハッピーエンドなんだろうかとふと思った。

429 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2011/02/13(日) 21:33:24 ID:8vMZvzd8]
アスカ幽霊じゃないよね…




430 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2011/02/23(水) 23:08:26 ID:3WVg9p+Z]
ほしゅ

431 名前: ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2011/02/26(土) 23:15:47.75 ID:SCfjPlG2]
>>425の続きを投下します。
内容は、しつこい敵は嫌われるって感じ!

NGワードはタイトル「人食い怪物vs巫女」で。

432 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2011/02/26(土) 23:17:13.67 ID:SCfjPlG2]
「アペカ様は読心術が使えました」
 樹里の言葉に、キララは驚きを隠せずに眼を丸くした。
「貴女のことも最初から警戒していましたし。同じような魔物である私にとっても信じ難いことです
が、確かに彼女には、そういう能力が存在していたのです」
「マジで? キララ様の考えてることが、まる分かりだったってこと?」
「いいえ、彼女が読めたのは心の表層だけで、深部の思考は読めなかったようです。私の裏切りも
察知できていませんでしたし。まあ、教団内では、彼女はマルチな能力の持ち主で、他にも幽霊が
見えるとか、人間の魂を繋ぎ合わせて、巨大な異世界を創っているとか、話を聞いただけでは理解
し難い設定になっていましたが……」
 樹里は何も存在しない空を見え上げて、短く息を吐いた。
 教団の一部関係者が視えていたらしい異世界の球体は、やはり見ることができなかった。
「おそらく、読心術をオカルト的に脚色したものでしょう。そうに決まっています」
 そう自分に言い聞かせながら、樹里は空から視線を外す。
 そして、捻り潰した2つの遺体を、冷徹な眼で見下ろした。
「私、これでもアペカ様には好意を寄せていたのですよ」
「え? でもお前、そいつ」
「いっしょにいられるなら、人食いの化物だって悪くないと思えるぐらい。かなり重症でした。彼女は
いつも私の心を読んで、欲しい言葉を欲しい時にかけてくれていたのだと思います。優しい言葉が
欲しいときは甘い言葉を。厳しい言葉が欲しいときには苦い言葉を。心が満たされました。私はいつ
の間にか、彼女のことばかり考えるようになっていて、従者として、四六時中いっしょにいるようにな
りました。ずっとずっといっしょにいたいと思いました。だけど」
 樹里は目を細めて、主の亡骸を見る。
「結局、復讐の決意まで揺らすことはできませんでした」

433 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2011/02/26(土) 23:19:05.01 ID:SCfjPlG2]
 根に捻り潰された藤村とアペカの、肉塊と鮮血が地面に撒かれていた。
 手足は枯れ枝のように折れ曲がり、胴体が捻れて破れ、内臓が溢れ出している。血溜りをじわり
と広げる肉塊は痙攣するのみで、完全に生命活動を停止しているようにしか見えない。
 無表情でそれを見下ろす樹里の背後で、キララは静かに唇を開いた。
「それでも、ちょっと驚いたって感じ。好意や恨みがある割には、躊躇い無く一瞬で終わらせた。退
魔の巫女だって、仇みたいな魔物に対しては、多少感情を込めた方法で討伐するのに」
「感情を込めるなんてできません。遺体の見た目は酷いですが、全力で、可能な限り苦しみを感じな
いように、一瞬で殺したつもりです。アペカ様は勿論、藤村だってそう」
 樹里は緊張した面持ちを崩さず、独り言のように呟いた。
「キララさん。貴女方が討伐してきた普通の魔物ならば、感情を込めて復讐するようなことも可能で
しょう。しかし、『叡智の冠』の過激派については、それは逆効果になるんです。貴女の言う、感情を
込めるということは、要するに、必要以上に「痛めつけたり」「苦しめたり」「恐怖を与えたり」「絶望さ
せたり」することでしょう? それはダメです。「餌」になってしまうんです」
「ちょっと語弊があるって感じ。ていうか、餌って何よ?」
「『叡智の冠』は、それによって人類を救済しようとした宗教団体です。表向きの教義は、真に健全な
魂は別世界の神様による教育で生まれるというものですが、実際には、無限拷問による人類の救
済を目指していました。これは、そのおぞましい研究成果の1つ」
 アペカの潰れた頭から、脳漿と血液に混じり、半透明の粘液が流れ出した。
 それは耳や眼窩、鼻腔からも流れ始め、血液と混じり合ってゆっくりと渦を巻き始める。
 半透明の粘液は、そのまま藤村の遺体にも近寄り、破れた胴体に吸われるように流れ込んだ。硬
直した彼女の顔にも這い上がり、露出した脳味噌に向けて近づいていく。
 アペカの遺体は目に見えて胴体や頭部が動き出し、内部でガスでも溜まったかのように膨らみ始
めた。蘇生したのではなく、何かが内側で暴れているような動きである。

434 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2011/02/26(土) 23:21:12.94 ID:SCfjPlG2]
「ちょ、おい! そいつら! まだ生きてるのかよ!」
「アペカ様と藤村は死んでいます。急所は完全に破壊しました。ただ……アペカ様と藤村が、死ぬ直
前に感じた恐怖と絶望は、今もまだ「餌」として残っているんです」
 藤村とアペカの壊れた人体模型のような体躯が、地面に弾かれたかのように跳ね起きた。
 全身の骨を砕かれた彼女たちを支えているのは、破れた皮膚から洪水のように溢れ出した半透明
の蛆虫とミミズの大群だった。潰れた頭部の様々な穴から、手足の折れ曲がる部分から、破れた腹
部から、広がった血の海から、大量の蟲が発生して、二人の遺体に内外から貪りついていた。
 胴体を風船のように膨らませ、臓物を掻き出し、穴という穴から体内に侵入し、傷口から泉のよう
に溢れ出す蟲に、辛うじて原型を保っていた遺体はみるみる変形していく。
 全身の肌が剥かれ、傷口は裂け広げられ、臓物は潰され、血塊と化した肉が分断される。
 蟲は巨大な噴水のように肉塊から天に高く、地に広く増殖し、バラバラにした手足を弄び、地面に
吸われた血液も残さずに貪り、二人の遺体から脳漿を引き出して食い尽くしていく。外側と内側を舐
めるように削ぎ取られた頭蓋骨の欠片は、ゴミのように蟲群から吐き出された。
「じょ、冗談は生きてるときにしろって感じっ! マジキメェ! ラーメン食えなくなるって!」
 キララは緊張した顔で指先に力をため、炎を練る。
 空気を熱で歪ませながら、渦を巻く白炎が膨らんでいった。魔物を滅ぼす力を秘めた炎は、眩く発
光して蟲群を白く照らし出し、一直線に標的に狙いをつける。
「こいつらがアペカ様に憑いていた魔物です。人間が恐怖や絶望を感じた時に発生する、脳味噌の
分泌物質を食べて生きる人類の天敵。獲物の分泌物質が混ざった脳味噌や血液を、身体ごと食ら
い尽くして増殖していく。あと、アルコールを与えても爆発的に増えます。だけど、本来は極めて特殊
な環境でのみ存在していた生物で、ここならば放置しても死滅するだけです」
 樹里は炎を発生させたキララを振り返り、泣きそうな顔で呟き続ける。
 白い炎に照らされた顔に、しかし迷いの色は無い。

435 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2011/02/26(土) 23:22:59.11 ID:SCfjPlG2]
「これが、『叡智の冠』の本性。私もこんな連中の仲間でした。人間を17人も食べている罪人です。
自分がしたことについては、どんな罰も受けます。だから……」

 爛々とした白炎を映した涙が、静かに両頬を伝い落ちた。
 今、ここで殺されても仕方が無いと、その表情は語る。それでも、樹里は願わざるを得ない。自分
がどれだけの罪を犯したか告白し、自分がどれだけ化物なのかも告白した上で、
 信用を得るためには、一切の隠し事は許されないことを理解し、告白した上で、

「私は殺されても構いません……だけど、お願いがあります……! 教団を調べてください。それで
……捕まってるみんなを……、殺される前に助けてあげてください……!」

 樹里の横を、白炎の奔流が駆け抜けていく。
 蟲柱の中心に吸い込まれた白炎は、灼熱を帯びて膨らみ、藤村とアペカの残骸ごと人間の苦痛
に群がる蟲を灰に変えた。それは容赦の欠片も無い、駆除作業に他ならなかった。
 顔を上げた樹里の前で、キララは言った。
「出発するから、さっさと支度しな。巫女協会の本部までは、少し遠い」
 樹里は口を開いて、しかし、何を言うべきかも分からないという表情で、キララを見る。お願いをし
てみたものの、それについて白炎の巫女がどのような決断をしたのかが分からない。
 言ったことを信じてもらえず、ただ罪人として連行されるのか。それとも。
「テメェを信じる。嘘をついているように見えねーし。ヤバい連中も放っとけねーし」
 キララは、どうと言うことでも無いという風に、あっさりと言う。
「救出する相手の場所も敵の戦力も分からないし、作戦が立てられない。とりあえず本部に連れて
行くから、知ってることは全部話せって感じ。段取りは早く済ませないとな」

436 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2011/02/26(土) 23:25:45.55 ID:SCfjPlG2]
 樹里は、しばらく放心した後、表情が戻った。
 肩を震わせながら何度も頷き、嗚咽を漏らし始める。
「んー? 怖がらせたか? 別に、テメェを今すぐどうにかしようとは思ってねーよ」
 キララは白炎を消して、樹里に向けてゆっくりと歩き出した。
 舞い上がった金髪は背中に垂れ、表情の険も無くなっている。
 不敵さも挑発的な姿勢も無く、異形たちを圧倒した鬼気迫る気配も消えていた。同年代ならば友人
と毎日遊んでいるであろう歳の少女が、生まれたままの姿で立っているだけである。
 生死に関わる戦いを行う巫女としての、張り詰めていた精神の緊張も解けていく。戦士の仮面を
外して、年齢相応の柔らかい笑みを顔に浮かべ、キララは樹里の頭を優しく撫ぜた。

「私と巫女協会が、悪いやつの好きにはさせないって感じ」

 そのとき……キララに普通の少女と同じ口調で話されて、ようやく樹里は気付いた。
 目の前で笑っている退魔の巫女は、ほぼ無敵に近い戦闘力を有しているとか、戦い慣れていると
か、それ以前の事実として、自分と歳もあまり変わらない少女なのだった。
 怖いものは怖いと思うだろうし、攻撃を受ければ血を流すだろう。
 よくよく考えてみれば、瓶底眼鏡たちとの戦闘にしても、あのときの魔物は眼鏡たちが創ったオリ
ジナルが多く、キララにとっては、未知の魔物の大群に取り囲まれていた状態だった。
 万が一、白炎が通用しない敵が一匹でもいたら……。
 想像もしていない方法で、シールドを突破されて逆襲されたら……。
 あの状況で、最悪の事態を考えなかったはずが無い。
 怖くなかったはずが無い。

437 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2011/02/26(土) 23:26:55.34 ID:SCfjPlG2]
 全身に炎を纏うスタイル上、彼女は普通の武器や防具を身につけることができないだろう。全身の
急所が剥き出しであり、体格差のある怪物の攻撃を受ければ、一撃でも致命傷になりかねない。炎
が破られでもしたら、もう細腕での徒手空拳しか戦う方法は残されていない。
 彼女はどれだけの恐怖と逃げたい気持ちを、汚い言葉といっしょに吐き出したのだろう。
 他の戦場では、怪獣と戦わされたようなことも言っていたが……。

「大丈夫、私は絶対に負けない」

 キララは、樹里の顔に浮かんでいる不安と困惑を察したようで、儚げに微笑む。
 そして、最強ゆえに、普通の攻撃が通用しない未知の怪物や、怪獣クラスの魔物に対してばかり
投入される白炎の巫女は、不安を払拭するように胸を軽く叩いて、にっこりと笑った。

「戦いはもちろん、心だって絶対に負けないから」

 …………………………………………
 ………………………






「……あれ? ここってどこ? 何も見えない」
 気がつくと、周りが何も見えない暗闇の中を歩いていた。どうして自分がここにいるのか、いくら考
えても、思い出せなかった。誰かと直前まで話していた気がするが、それも思い出せない。
 どうしようもなく、目を細めて足元に注意を払いながら、ゆっくりと前に進むしかなかった。

438 名前: ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2011/02/26(土) 23:27:31.55 ID:SCfjPlG2]
怪物を倒して、みんな笑顔です。
良かったですね。
もちろん続きます。

439 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2011/02/28(月) 04:03:03.07 ID:ln1DRzyP]
おぉマジでハッピーエンドくせえ
次なる捕食を求めて...続き待ってます



440 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2011/03/06(日) 19:56:17.12 ID:7p1Q4m03]
>>437の続きを投下します。
残虐な表現を含みますので、苦手な方はスルーしてください。

441 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2011/03/06(日) 19:57:14.94 ID:7p1Q4m03]
「……あれ? ここってどこ? 何も見えない」
 気がつくと、周りが何も見えない暗闇の中を歩いていた。どうして自分がここにいるのか、いくら考
えても、思い出せなかった。誰かと直前まで話していた気がするが、それも思い出せない。
 どうしようもなく、目を細めて足元に注意を払いながら、ゆっくりと前に進むしかなかった。
 闇色の道は一直線に続いているようだが、先は分からない。
「どうなってるの。どうして私、こんな場所に?」
 トランスジェニックガール・アスカは不安に駆られながら、再度周囲に探りを入れる。
 自分の置かれた状況を整理しようとするが、やはり答えは出ない。
 特有の、人間を超えた五感を駆使するも、生物の気配は勿論、風の流れ1つ感じないし、暑いとも
寒いとも思わない。過敏になりすぎると日常生活に支障が出るので、普段は眠らせている感覚まで
起こして周囲を探るも、体内のセンサーは何も感知しなかった。
「誰か! 誰かいないの! ちょっと! ここはどこなのよ!」
 背筋に冷たいものを感じ、大声で呼びかけるも、木霊すら返ってこない。
 身体を動かせば当然起きるはずの空気の流れすら起きず、まるで自分が自分でなくなってしまっ
たかのような――例えば、風も気温も感じない存在になってしまったかのような、現実には絶対に起
こらない仮説まで、頭の片隅でゆっくりと形作られていく。
 正直なところ、アスカは今の状況が怖かった。
 得体の知れない場所に閉じ込められた現状が、手に入れた超人的な筋力や感覚では、どのよう
にも打破できないことを、彼女は感覚的にだが理解しつつあった。
「ううう……誰も、いないの……?」
 歩くのを止めて、震える声で闇に話しかける。
 未知の暗闇を動き回るよりも、今いる場所でずっと止まっている方が幾分かは安堵できた。それで
は何も解決しないと分かっていても、一時の安らぎは曇天の心を少しだけ癒してくれる。
 そのとき、視界の端に白い光が映った。
 驚いて振り返ったアスカの眼前では、ホタルのように舞う無数の光が集まり、ゆっくりと人の形を成
していく。白い発光が描き出すのは、すらりとした華奢なライン。

「道に迷って困ってるのね。お姉ちゃん」

 発光体は、聞き覚えのある声で、明瞭に言った。

442 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2011/03/06(日) 19:58:11.71 ID:7p1Q4m03]
 聞き覚えがあるのも当然である。
 何しろ、その声は毎朝、そして毎晩のように、テレビのチャンネル争いであるとか、1台しかないイ
ンターネット用パソコンの使用で会話をしている、実の妹のものだったのだから。
「え? 貴女、もしかしてヤヨイちゃん?」
「うん。そうだよ。ヤヨイだよ」
 発光体が飛び去ると、そこには髪を腰まで伸ばした少女が立っていた。
 佐久島ヤヨイ――アスカの妹。
 姉と似て端整な顔で、両頬はやや赤みを帯びているが、本人はあまり気にしていない。健康的な
笑顔に色香は無いが、余りある瑞々しさがいつも溢れていた。
 衣服は、アスカと同じく手作りのレオタードである。
 水色の生地に純白の斑点模様は、姉の星空模様とは穏やかな対になっていた。スリーブには淡
い黄色のフリルが付き、腰からは姉とお揃いで薄地の白スカートが開花している。胸部はよくよく観
察してみれば、やんわりとした膨らみが見えるぐらいで、まだ成長途上のよう。
「ちょっと待って。さっきの無し。今の私はヤヨイじゃなくて、トランスジェニックガール2号!」
 顔の上半分を隠す青い仮面を付けて、Vサインを決めるヤヨイ。
 彼女もアスカと同様、超人的な身体能力を持っていた。
 旅行先で料理を食べた際、「お姉ちゃんと同じメニューがいい!」の一言が原因で、彼女も
スーパーヒロインに足る能力を手に入れたわけだが、今までは特に活用していない。
 姉のアスカが街の治安を守るため、正義の味方を始めたときも、消極的な肯定のみだった。調査
の手伝いや応援はするけれど、悪人と実際に戦うのは嫌というのがその理由である。
 アスカは一瞬、何を言いかけたかを忘れてしまうが、再び我に返った。
「そうじゃなくて、ここは一体どこ……」
「やっぱりトランスジェニックガール・プティットがいいかな」
「ヤヨイちゃんの呼び方なんてどっちでもいいから!」
 アスカは眩暈と違和感を覚えたが、妹の様子からして、ここは危険な場所でもなさそうだった。
 そして、いつも全く話を聞かない妹に、仕方なく話を合わせる。
「ヤヨイちゃん、そういうのは嫌って言ってたのに、急にどうしたの? あと、その仮面は何?」
「むしろ、お姉ちゃんが、素顔丸出しで正義の味方してるのが不思議」
「え? どうして?」
「お姉ちゃんが気にしないなら、今さらヤヨイは何も言わないけどね」
 青い仮面の奥で微笑んで、トランスジェニックガール2号ことヤヨイは言葉を続ける。
「だって、お姉ちゃん。もう死んじゃったから。顔バレする心配は無いし」

443 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2011/03/06(日) 20:00:08.44 ID:7p1Q4m03]
「え……今、何って言った? ヤヨイちゃん」
「もう死んでるんだよ。お姉ちゃんは。ごめん。これははっきり言わないと駄目らしいから」
 硬直するアスカの身体に腕を回し、ヤヨイは実の姉の身体を強く抱きしめる。
「殺される直前、とっても痛かったよね。痛くて、怖かったよね。口の中でもいっぱい噛まれて、頭ま
で噛み砕かれて、だけど死ねないまま胃に運ばれたなんて……ものすごく苦しかったよね」
 アスカはヤヨイの言葉が理解できず、表情を喪失したまま立ち尽くしていた。
「私ね、知ってるんだよ。口に引き擦り込まれていく途中に、好きだった三島くんのこと、お友達のこ
と、お父さんやお母さんのことや……私のことも、思い出してくれたんだよね。お姉ちゃん」
 ヤヨイの作り笑顔はゆっくりと歪み、大きな眼からは大粒の涙が零れる。
「お姉ちゃんの意思は私が継ぐから! 私がいけないんだ! 一緒なら、お姉ちゃんに無謀なことを
させなかったのに! お姉ちゃんの性格を知ってて……何もしなかった自分が許せない!」
「ヤヨイちゃん……何の話をしてるの?」
「ううん。ごめんね。変なことを言って……」
 泣きながら首を横に振るヤヨイに、得体の知れない焦燥感を覚えながら、アスカは上手く言葉を紡
ぐことができない。何かがおかしいとようやく思い始めたが、上手く思考がまとまらない。
 いや、まとめようとしても、部品が足らなくてまとめられないような、異様な感覚。

「無理よ。彼女の記憶は、私が上書きしたもの。きっと理解できないわ」

 今度は、全く聞き覚えの無い声だった。
 驚いて振り返ったアスカの前には、巨大な頭部を持つ怪人の少女……アペカがにこりと微笑んで
いた。背後の闇からは、藤村や瓶底眼鏡たちも次々と現れる。
「残酷な記憶を残しても、苦しませるだけだからね。事後で申し訳ないけれど」
「ううん、いいんです。本当に、ありがとうございました」
 直感的にアペカたちに危険なものを感じたアスカは、ヤヨイの肩を掴んで問いかけた。
「ヤヨイちゃん、あの人たちは誰? 知り合いなの?」
 自分に浴びせられる視線に悪寒を感じながら、非難めいた口調で確認する。
「あの人たちは、すごい力を持ってる人。誤解しないで、悪い人じゃないよ」
 感謝しているように、ヤヨイはアペカを見る。
「あのアペカ様が、家にいた私を、こうやってお姉ちゃんに会わせてくれたんだよ。詳しい話は難しく
て分からなかったけど、人の心や魂を、糊やハサミで工作するみたいに、切ったり貼ったりできるん
だって。だから、自分の心を切り取ってもらって、お姉ちゃんの心に貼り付けてもらったの」

444 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2011/03/06(日) 20:01:31.97 ID:7p1Q4m03]
 神を崇拝する眼で、ヤヨイはアペカを姉に紹介する。
 しかし、アスカにとっては、妹の言うことは理解不能だった。言葉だけを聞けば、ヤヨイの頭がおか
しくなったか、怪しい宗教に毒されているとしか思えない。
「あの人たちはね、すごい力を使って、この世界を、もっと素晴らしくしようとしてるの!」
 巨大頭の少女は優しく微笑んでヤヨイを見た。
「ヤヨイさん。魔物を体内に取り込んで変異した者同士、これからも仲良くしましょう」
「ああ、アペカ様! 有難うございます!」
 仮面を外して、ヤヨイは異形の少女に跪く。彼女が演技をしているようには見えないし、間違いなく
本心から巨大頭の少女に感謝しているのだろう。しかし、アスカにはそれが異様に映った。
「ヤヨイちゃん。大切な話があるから、その人たちから離れて、こっちに来なさい」
「どうして、お姉ちゃん?」
 アペカの目がすっと細まった。
 そして、悪戯を思いついた子供のような笑みを浮かべて、ヤヨイの方をちらりと見る。
 特に直接触れたりはしなかった。
「どうして、そんなトゲのある言い方するの?」

 振り返ったヤヨイの美顔は、
  ……肌が全て削ぎ落とされた状態で、血肉が剥き出しだった。

 アスカの悲鳴が喉まで込み上げたときには、ヤヨイの剥き出しの肉が顔中で音を立てて裂けて、
内側から巨大な眼球が次々と現れていた。
 そして、水溜りに浮かんだカエルの卵を貼り付けたように、顔中を眼球で覆い尽くしたヤヨイは、い
つの間にか8本に増えていた腕を振り回しながら顔を前に突き出し、昆虫が壁を這うような動きをし
て、おぞましいほどの速さでアスカの方に迫ってきた。
「まるでアペカ様が悪い人みたいに聞こえるじゃない。アペカ様に謝ってよ」
 聞きなれた可愛らしい声だけが、かつての妹のまま。眼球だらけの妹の顔を見てアスカが悲鳴を
上げたのと、アペカがけたたましく嗤い始めたのはほぼ同時だった。

 …………………………………………
 ………………………

445 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2011/03/06(日) 20:03:41.86 ID:7p1Q4m03]
「大丈夫、私は絶対に負けない」
 キララは、樹里の顔に浮かんでいる不安と困惑を察したようで、儚げに微笑む。
 そして、最強ゆえに、普通の攻撃が通用しない未知の怪物や、怪獣クラスの魔物に対してばかり
投入される白炎の巫女は、不安を払拭するように胸を軽く叩いて、にっこりと笑った。
「戦いはもちろん、心だって絶対に負けないから」
 厳しい修行と勇気に裏打ちされた言葉に、樹里は無言でゆっくりと頷いた。彼女とならば、厳しい
戦いも耐え抜くことができるし、自分の罪も容赦なく断罪してくれると確信する。
 そう思った瞬間、背後から、

「なら、もっと頑張らないといけないわね」

と声が聞こえてきた。
 キララと樹里が、驚愕の表情を浮かべて振り返る。
「そんな……嘘……」
 樹里は呆然となって一歩、二歩と後退する。直立を支えるのが怪しくなるほどに、彼女の動揺は激
しい。自分の目や耳を、そして触覚を信じられなくなってしまう衝撃だった。
「おいテメェ。こりゃ一体どういう手品だって感じ。なんで生きてやがる」
 キララの表情が、穏やかな少女から、白焔の姫巫女モードに豹変する。
 両手に轟轟と白炎が渦を巻いて膨らんでいくが、彼女も表情に浮かんだ困惑は拭えない。これま
でとは様子が異なり、見てすぐに分かるほどに警戒の念を露にしていた。
「そんなに顔を見つめられると、照れてしまうわ」
 二人の視線の交わる先、白き異形の少女はくすくすと可笑しそうに肩を揺らす。
「ねえ、樹里。もしかして、さっきいっしょに食べたアイス、顔に付いていたりする?」
 以前と同じ声、同じ笑い、同じ話し、同じ外見、同じ気配、同じ余裕――。藤村や蟲群が焼かれて
消滅した場所で、まるで何事も無かったかのように、何も変わった様子は無かった。

「勝手に殺さないでよ。私はこのとおり、とても元気よ」

 特注の麦藁帽子を直し、無垢な笑みを浮かべ――無傷のアペカがそこにいた。
 彼女の身体には、火傷はおろか、衣服に根っこで締め上げられた跡すら残されていない。まるで
先程の樹里やキララの攻撃が行われていないかのように、平然と、優しく微笑みかけてくる。

446 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2011/03/06(日) 20:04:45.62 ID:7p1Q4m03]
「キララさんだっけ? 貴女のサファイア・アイとやらは、どうやら節穴の……」
 瞬間、アペカの全身はボッと音を発し、白色の炎に覆い尽くされた。
 アペカ当人も何が起きたか分からない表情で、樹里も驚きの余り声が出せない。
 現象を説明するのは、無言でアペカに向けられたキララの腕のみ。
 それは予告も無く、ただ相手を殺すためだけの合理的な行動。彼女に火炎放射を繰り出したキララ
は、汚い言葉を吐かず、忌まわしき魔物を焼き殺すために、淡々と火力を上げていく。
「……ごぼおお……がぼおお……」
 焼かれ、アペカの肌は赤黒く爛れ、苦しげな声が口から漏れる。
 炎は彼女だけでなく、彼女の周囲にまで展開されていく。
 火力はみるみる上昇し、周囲を焼き尽くして天高くにまで火柱が上がり、一体の地表はおろか、何
も無い空間まで怪物のように暴れまわった。それは、アペカを、周りの空間ごと完全に焼き尽くす攻
撃。炎を回避できても窒息するよう、周囲の空気を爆発させるように消費していく。
 どう動こうと、彼女に逃げ場が残されているようには見えなかった。
「アペカ様……どうして生きてらしたのですか……?」
 生きたまま焼き殺すという残酷な方法を前に、樹里は思わず目をそらしてしまう。しかし、戦闘中に
余所見をした隙を、炎の中にいた異形の少女は見逃さなかった。
 黒焦げの肢体がバッタのように跳び、火柱の高さを上回る。
「そんなバカな! あれだけ私の炎で焼いたのに!?」
 キララが叫び声を上げたときには、炎の中から跳躍したアペカが頭上に落下してきていた。地上の
視線を浴びながら、火傷をみるみる治癒させていき、そして嗤った。
「樹里、戦闘中に余所見はいけないわね」
 両眼を怪しく光らせながら、邪悪な嗤いを浮かべたアペカの両手に、鈍色の影が現れる。薄い円
盤状の金属で造られたそれは外周に鋭い刃を尖らせ、渦巻きのような曲線を描いていた。
 かん高い金属音を発する、草刈機の先端に付いている回転刃。
「なっ……!?」
 樹里も虚を突かれた形で、アペカを呆然と見上げるのみ。
 そんなことができるはずが無い、と根本的な疑問を表情が物語る。何も無い場所から金属製の刃
を出現させるなど、生物としての能力を遥かに超えている行為だった。
「当たると少し痛いわよ。頑張って回避しなさい」
 不可視の足場に着地したように、空中で静止したアペカの口が三日月に歪む。

447 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2011/03/06(日) 20:06:24.10 ID:7p1Q4m03]
 薄い凶器は両手の指数だけ生まれ、次々と樹里に向けて発射された。
 空気を切り裂き、異なる軌跡を描きながら飛来する草刈刃の半分は、横からキララが放った炎に
呑みこまれて吹き飛ばされていく。しかし、残る刃は次々と樹里の元に降り注いだ。
「くうっ! こんなオモチャなんか!」
 巨大な根を地面から起こして、樹里は飛来する刃を次々と叩き落していく。
 しかし、少し遅れて、糸が絡まるような水音が響き渡った。
「う゛ぐう゛う゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!」
 大振りになった根の合間を縫った一刃が、彼女の左脇腹から太股を掠めた。
 回転の勢いで耕された肌から繊維束のような組織が露出し、半透明の赤い体液が左足に伝い落
ちて、切断されてずり落ちた下着をじわりと濡らした。見開かれた樹里の瞳は苦悶の涙で溢れ、震え
る喉から悲鳴を漏らしながら、両手で必死に傷口を押さえ込んでいく。
「……う゛あ゛、あ゛……こ……これぐらい……どうってこと……」
 魔物とはいえ、皮膚を裂かれる苦痛に思考は掻き乱され、それが新たな隙を生んだ。苦痛に歪ん
だ樹里の目に、弾いた刃の1枚が、ブーメランのように戻ってくるのが映る。
「……あ……う、あ……」
 両目に薄い円盤を映しながら、樹里は立ち尽くす。激痛で掻き乱された思考は、迫ってくる凶器に
対して、身体を動かして回避できず、触手を動かすこともできない。
「い、や……!」
 無防備な乳房の谷間に、回転刃がドスリと突き刺さった。
 反動で肢体が地面から浮きあがり、地下に伸びた根がぼこぼこと掘り起こされる。
 刃の回転は刺さるだけで止まらず、縦方向に胸部を切り開きながら、頭部に向けて侵攻した。胸
から円弧を描いて体液と肉片が掘り起こされて飛び散り、噴水のように撒き散らされる。
 顎の手前で止まった刃に、口から溢れ出した体液が降り掛かった。
 瞳は、一瞬で焦点を失った。
 小さな身体はぐらりと傾いて、ゆっくりと崩れ落ちていく。
「どうしちゃったの樹里? 普段の貴女なら楽に回避できたでしょうに?」
 上空で微笑みを崩さないアペカに、白炎を噴いて飛翔したキララが並ぶ。
「おい糞デカ頭。キララ様に手品は通用しねーぞ」
「ええ? 種も仕掛けも無いけれど?」
 憤怒の表情のキララを眼球に映し、微笑みを浮かべる巨大な顔に、白炎の渦が炸裂する。

448 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2011/03/06(日) 20:08:44.94 ID:7p1Q4m03]
 キララの火炎弾に狙い撃たれたアペカは、空中で超高温に晒され、爆発四散した。
 花火のように飛び散った彼女の手足や内臓が、半分炭化した状態でボトボトと落下する。破壊力
は今までの攻撃よりも遥かに高く、まさに木っ端微塵という表現がしっくりくる破壊である。
 粉砕したアペカを無視して、すたりと着地したキララは樹里の元に走る。
「おい! 大丈夫か! 早く傷を見せろ!」
「大丈夫。樹里はあの程度では死なないわ」
 背後から聞こえてきた声に、キララの足がぴたりと止まる。
「彼女は植物の魔物。表皮を裂かれた程度は問題ないし、胸に心臓があるわけでもない」
 姫巫女の端正な顔が、様々な感情に揺り動かされる。
 キララは、怒りと動揺を纏めて砕くように、歯を強く噛み締めた。
 不可視のシールドが全開にされ、周囲10メートル圏の異物全てを焼却する。
「しつこいんだよテメェ! 今度こそ死ねって感じ!」
 背後に立っていたアペカは一瞬で炎に包まれ、顔の穴という穴、眼窩や鼻孔等などから煙と炎を
噴きながら、みるみる焼け爛れていく。一度振り返り、アペカの完全な炎上を確認したキララは、二
度、三度と火力を強め、今度こそ完全に殺そうと念入りに焼き続ける。
 やがて、炎上したアペカは崩れ落ち、ぴくりとも動かなくなった。
 復活の気配も全く無い。完全に死んでいるとしか思えない。
 キララは今度こそ樹里の手当てに向かおうと、再び背中を向ける。

 同時に、アペカはむくりと起き上がった。

 眼球が溶解し、顔が沸騰し、焼け爛れた異形は、音も無くキララに近づいていく。
 異形はくすりと微笑んで、力に満ち溢れた姫巫女の裸体を、存在しない目で愛でた。
 肩を隠すようにさらさらと流れている金髪を、両手で優しく左右に分ける。
 そして、染み1つない綺麗な肩に合わせて大きく口を開いた。
 半分以上炭化しているアペカの口内で、綺麗に並んだまま歯が、キララの柔らかい肌に当たる。
舌は焼けて唾液も全く分泌されていない。上下に並んでいる硬質の臼や尖がりで、瑞々しい肌を挟
むように固定し、そのまま思い切り噛み締め、頭を素早く横に動かした。
「きゃあああっ!」
 戦闘で味わうのは数年ぶりになる痛みに、キララの表情は苦悶に歪んだ。

449 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2011/03/06(日) 20:10:47.50 ID:7p1Q4m03]
 しかも、以前に負傷したのはまだ能力の操作が未熟な時で、現状のように白炎に守られた彼女の
肢体を直接攻撃できた魔物は、今まで存在していない。それほど絶対の防御だからこそ、彼女は単
独で怪物の群れに突撃できたのだが、それが今、肩の激痛といっしょに崩れていく。
「はっ離して! 離せっ! 離せええええええっ!」
 全身から白炎を噴き出しながら、キララは必死にアペカを振り払おうとする。
 右肩から柔らかい肌は剥かれ続け、赤い肉が露出した。身体を捻るように暴れたため、乳房が上
下左右に激しく揺れ動き、白焔の姫巫女の戦姿は卑猥な見世物にさえ見えてしまう。
 キララの背中が爆発したように炎を噴いたのと、アペカが吹き飛ばされたのは同時だった。
「はぁ、はぁ、はぁ……テメェ……! どうして生きてやがる……!」
 動揺を鎮めながら、右肩から血を流して、キララは青い瞳でアペカを睨み付けた。
 轟音を上げ、肢体から白炎が舞い上がる。
 全身に何重にも白焔の衣を纏い、シールドを最大出力で展開していた。上昇気流で逆立った金髪
は、彼女の怒りの大きさを表すかのように天に昇り、眼も充血して赤く染まっている。
 対したアペカは、はやり戦闘前の姿に戻っており、ダメージの様子はない。
 くっちゃくっちゃと口を動かして、キララの右肩から剥いだ皮と肉を咀嚼している。唇の端から赤く染
まった唾液を垂らし、そして、二回に分けて喉を動かし、呑みこんだ。
「どうしてって、これは、貴女が私を殺せないってだけの話」
 不思議そうに、異形の少女は首を傾げる。そして、自嘲気味に微笑んだ。

「貴女は私を殺せない。だって私の食料だもの」

 キララに見えるように、アペカは大きな口を開けた。
 肉片が挟まり血で濡れた歯と、血で濡れた舌を見せて、巨大頭の異形は肩を揺らす。最早、そこ
に存在するのは巨大頭の穏やかな少女ではなく、人間を食べる肉食の魔物だった。


(続)


続きはそのうち。
ではまた。



450 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2011/03/06(日) 20:13:07.31 ID:2Z11ZS3C]
ヤッて下さると信じてたぜアペカ様ヒャッホー!
リアタイ乙です!

451 名前:名無しさん@ピンキー mailto:age [2011/03/08(火) 21:24:15.93 ID:5QRy3pS+]
浮上。

452 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2011/03/14(月) 22:30:14.65 ID:N7pRqMX8]
ハッピーエンドなんてなかったんや。

453 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2011/03/16(水) 18:09:39.20 ID:blOw693Q]
まだだ、まだ終わらんよ…

454 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2011/03/18(金) 03:39:50.19 ID:CdN6Mdad]
だが当分の間、投下は自粛した方がいいだろうな。
都市型災害を彷彿とさせる要素もある。

取り敢えず早くても、被災地が復興して今回の震災が過去のものになるまでは自重すべき。

455 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2011/03/18(金) 10:55:34.25 ID:+JexARcd]
自粛ムードのせいで死ぬ前に読みたかった本、やりたかったゲーム、見たかったアニメの最終回を心残りにして
死んでいく人が増えるんだろうな

456 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2011/03/18(金) 16:41:07.63 ID:KDldaFgl]
(元から不謹慎の塊のようなこのスレで自重する必要があるのか…?)

457 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2011/03/19(土) 23:35:19.16 ID:sPDOiZF9]
2chのこんな辺境スレでも不謹慎厨さんが見張ってるのかよ…
ほんと気持ち悪いわ

458 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2011/03/21(月) 23:16:54.79 ID:M4IieDdh]
>>449の続きを投下します。
残虐な表現を含みますので、苦手な方はスルーしてください。

459 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2011/03/21(月) 23:19:02.48 ID:M4IieDdh]
「貴女は私を殺せない。だって私の食料だもの」

 キララに見えるように、アペカは大きな口を開けた。
 肉片が挟まり血で濡れた歯と、血で濡れた舌を見せて、巨大頭の異形は肩を揺らす。最早、そこ
に存在するのは巨大頭の穏やかな少女ではなく、人間を食べる肉食の魔物だった。
 肩を揺らす異形の捕食者を前にして、白焔の光巫女から表情が消える。
 百戦百勝の彼女とて、眼前の敵に白炎の効果が薄いことは、これまでの状況からして認めざるを
得ない。しかし、効果が薄いと一言で表しても、その理由には様々な可能性がある。
 アペカが何らかの能力で、炎を防いでいる可能性。
 そして、アペカの再生能力が高く、対して火力が不足している可能性。
 要約すると敵との相性が悪いということであるが、しかし、
(だけど、手加減なんてしてねーし、攻撃は間違いなく通ってる。手応えもあるんだから……。第一、
あいつ、さっきは粉々になったし……。それが、無傷ってことは……どういうことだ?)
 アペカが実は何人もいて、撃破するたびに新しいアペカが現れる可能性。
 または、アペカは別に本体がいて、眼前にいるのは端末という可能性もある。しかし、
(だけど……どこに隠れてるんだよ……。どっかに控え室でもあるのかよ……。 いっそのこと、山ご
と焼き尽くすか……でも、そんなことしたら……街が……)
 キララの青い瞳が、ちらりと横に動いた。
 視界に映したのは、大勢の人々が住んでいる市街地。
 点ではなく面で責めるような攻撃を仕掛ければ、周囲の市街地はただでは済まない。
 怪物襲撃による混乱の中、山自体がいきなり白炎に包まれれば、それこそ住民のパニックを誘発
しかねなかった。日常ではありえない白色の炎のインパクトは、キララもよく理解していた。
 経験則からして、白い炎を見た人々は驚きのあまり、9割方は遠くに逃げ始める。
 そして、未知の現象は、人間の思考を停止させ、行動を単純にしてしまう。
 無駄なことが無駄と理解できず、何度も同じことをしてしまう。
 誰かがある方向に逃げれば、それを見た者も同じ方向に逃げる。
 誰かが車両で逃げようとすれば他の者も殺到して奪い合いになり、誰かが道路を横断すれば、他
の者も続いて道路を横断し始めるだろう。仲間と同じ道をたどるアリの行列のように。
 逃げる場所が多くある広大な市街地で、人々が限られた選択肢に殺到するのは想像しにくいが、
むしろパニックとは、逃げる余地が存在してこそ発生するものなのである。



460 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2011/03/21(月) 23:22:29.82 ID:M4IieDdh]
(このままじゃデカ頭は倒せない……だけど、騒擾が収拾できないほど広がったら……)
 広域爆撃は後方支援の仲間がいれば可能な手だが、今の彼女は1人しかいない。
 市街地で起きる混乱に対処する余裕は、とてもではないがキララには無かった。市街地戦への投
入自体が皆無のため、そもそも、どう対処すれば良いのかすら分からない状態である。
「長考しているけれど、妙手は思いついたかしら? 白焔の光巫女さん?」
 微笑を浮かべたアペカが一歩、また一歩と、キララに向かって近づいてきた。
 全開で張られているシールドなど問題無いと言わんばかりに、一定の速度で距離を詰めてくる。唇
に付いた血をぺろりと舐めながら、眼を爛々と輝かせながら、嗤いながら、迫ってくる。
「くっ……くうっ! しっ死にたくないなら、キララ様に近づくなって感じ! これ以上近づいたら、本当
にただじゃ済まねーぞテメェ! この最強無敵国宝美少女のキララ様が、本当に本気出すぞ!」
 キララは後ずさりながら、声を張り上げ、炎を噴いてアペカを牽制する。
 しかし、炎に巻かれて広がるアペカの火傷は瞬時に治り、笑みは崩れることも無い。全身の皮膚
が爛れようとも、顔中の体液が沸騰しようと、剥きだしの歯が形作る嗤いは崩れない。
「くそっ! くそおおおっ! 来るな! 来るなよおおおお!」
 白炎を浴びせられながらも、炭化しながらも、アペカが進む速度は、全く変わらない。
 涙が煮えて白く濁った眼球は、しかし一直線にキララを映し、中央に捉え続けている。
 その焦げ固まった唇が乾いた音を立てて割れ、地の底から響くかのような言葉が紡がれた。

「もう、食べてもいい?」

 言葉を聞いた瞬間、キララは劇的に動いた。
 足元から炎を噴いて十メートル以上後退してから、自分が後退したことに気付く。
 彼女の背筋には一瞬だけ悪寒が走ったが、その正体を考えることはしない。戦闘中にその感情を
無視できるよう、巫女たちは日常から厳しい訓練を積んでいるのだから。
 裸体を守る炎の帯は、更に密度を増していた。移動の反動によって靡いた金髪が背中にゆっくりと
かかり、上下に揺れる乳房も落ち着くのと同じくして、心に広がった波紋も消えていく。
(大丈夫! 私は戦える! 私は負けない! 私は)
「ごめんなさい。貴女を怖がらせようと思って言ったの」
 キララが視線を少し下に向けると、
 息がかかる距離に、距離をとったはずのアペカの顔があった。

461 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2011/03/21(月) 23:25:51.76 ID:M4IieDdh]
 アペカの肢体は地面から少し浮いて、キララの乳房に顔を埋めるように静止していた。果実のよう
に丸い乳房に両頬を押されながら、悪戯をした子供のような笑みを浮かべて目を細めている。
 いつの間に近づかれたのか、キララは全く感知することができなかった。
「ひいっ……! ど、どうして……っ!?」
 最早隠すこともできず感情を露にして、キララは短い悲鳴を漏らした。
 アペカがくすりと笑みを形つくり、吐息がキララの金髪を優しく揺らす。長時間の戦闘で浮かんだ珠
の汗が潤滑油のように広げられ、紙のような白肌と血色の良い柔肌が擦りあった。
 異形の少女はキララの細い首筋に手を回し、さらさらとした金髪ごと彼女の頭を自分に向けて引き
寄せていく。白炎の防護術は完全に無視されており、最早火傷の1つすら負っていない。全開で展
開しているシールドと、生身を守る白炎の衣が、全く通じていなかった。
「え……、やめ……離せ……っ!」
 眼前の巫女戦士が必死に無視し続ける感情に触れて、アペカはくすりと微笑んだ。そして、芽生え
た恐怖心に、文字通り芽に水を与えるようかのように、優しく語り掛けていく。
「心配しないで。ただ、味見するだけだから。怖がらなくていいのよ?」
「くっ……この糞デカ頭……!」
 精神に針で穴を開けられていく感覚に襲われながら、キララは闘志を必死に奮い立たせる。
 彼女は巫女協会において最強の切り札的存在だった。
 下級の戦士が敗れても、まだ静香や御幸のような上位の戦士がいる。上位戦士が敗れても最後
にはまだ、突き抜けた最上位にキララがいる。
 しかし、その先は無い。
 この組織において、キララの敗北は即ち、巫女協会の敗北と同義となってしまう。
 キララには、アペカと名乗る魔物が危険という直感があった。そして、自分が巫女協会最強の冠を
持つ退魔巫女であるというプライドも当然あった。逃げるという選択肢はすぐに消える。
(全国の支部で、仲間がみんな頑張ってるのに……ちょっと劣勢だからって、最強戦士が逃げるな
んて、できるわけないって感じっ! こんなことで逃げてたら、誰も守れない!)
 国道でバラバラにされ、無残に食い千切られ、命を落とした人々がいた。
 多くの場所で、原型も残さずに食われた多くの人々がいた。
 眼前で両親を殺されてしまった双子の姉妹がいた。
 理不尽に、全ての未来を狩られた人々がいた。

(この街の人は私が守る! もう誰も殺させないって感じ!)

462 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2011/03/21(月) 23:28:52.08 ID:M4IieDdh]
『いいえ。貴女は誰も守れない』

 アペカが、呪いのような言葉を紡ぐ。
 キララの思考は、刹那の一瞬をさらに分割した時間に行われたもの。
 本来ならば、言葉を発する時間には全く満たない瞬間、アペカの言葉は、キララの思考にタイミン
グを合わせて響いた。まるで直接、言葉を脳内に貼り付けられたかのように。
「う……うぅ……この……キララ様が、テメェなんかに……」
 自分の術が効かない混乱は、全く炎が効かないアペカに肯定される。無視しようとした恐怖は、怖
がらないで、という言葉で無視できなくなる。思考の流れる先で、逃げ道は次々と断たれる。
 異形の少女が読心術を使えることを、キララは改めて思い知らされてしまう。
「負けるはずが無いって? 可笑しい話だわ。だって」
 アペカは、キララの肩の肉が挟まった歯を見せながら、あんぐりと大きな口を開いた。ほぼ180度
で顎関節を無視するように開いた口は、顔全体が空洞になったと錯覚する大きさである。
 スイカも丸呑みできそうなほど開かれた大口に、白焔の光巫女も呆然となるしかなかった。
「貴女は、これから、私に食べられるんだから……」
 這い出した蛇のような舌が、キララの右頬にそっと当たる。
 鼻に向けて唾液を薄く伸ばすと、そのまま淡い唇を愛でるように湿らせた。
 同時に、アペカの下顎がキララの首に、上顎が彼女の頭部に被さり、位置を合わせる。そして、そ
のまま上下から挟んでクルミを砕くかのように、キララの頭部を口内に収めていく。
 自分の顔を舐め回す舌と、視界の上下に並んだ歯を見て、
(あ、あれ……どうして、こんな……)
 白焔の光巫女、西園キララは、自分が食べられる寸前であることを自覚した。
 自分の能力ならばまだ戦えるはずとか、状況を打破する方法はまだあるとか、能力が高いだけに
様々な可能性を模索していた彼女は、唯一、自分が食われかけていることに気付けなかった。
「いっ、いやああああああああっ! やめてええっ! やめてえええええええええ!」
 キララの顔は既に半分以上、アペカの口に押し込まれていた。
 悲鳴とも怒声とも突かない叫び声をあげて、キララは肢体を仰け反らせる。金槌で殴られたような
衝撃を受け、眼窩で堰き止められていた涙が盛大に決壊した。青い瞳から、大粒の涙が零れ落ちる
のを我慢できなくなる。無視し続けていた恐怖心が、悲鳴に変換されて喉から吐き出される。
「離せ! 離して! いやああああっ! やめっ! やだあああああああああ!」
 キララは反射的に両腕を自分とアペカの間に差し込み、その身体を引き剥がそうとする。しかし、ま
るで鋼鉄の塊でも押しているかのように、異形の肢体はびくともしなかった。
 金髪を振り乱し、唾液で美顔を濡らしながら、最強巫女は死から逃れようと絶叫する。
 全身から白炎を噴き出してアペカを焼こうとするが、まるで効果は無かった。アペカの背中に両腕
を回して、力の限り手刀を打ち込むも、拘束が揺るぐことは全く無かった。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」
 キララの泣き声が木霊する中、アペカは彼女の頭部を噛み砕こうと、顎を閉じていく。そして、次の
瞬間、骨を砕く鈍い音が連続して響き、悲鳴と重なって一帯に撒き散らされた。

463 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2011/03/21(月) 23:29:19.54 ID:M4IieDdh]
続きはそのうち。
ではまた。

464 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2011/03/22(火) 04:14:59.04 ID:G7ZPEl8k]
巫女の人が無事でなにより
ついに食べられちゃったけど、アペカ様を止められる正義の味方はいるのかな

465 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2011/03/25(金) 04:50:28.23 ID:sFg79C7Z]
アペカ様のことだから、きっと「けいおん!!」や「らき☆すた」の世界に転生して
食べ尽くして下さると思うよ!

466 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2011/03/27(日) 23:11:36.85 ID:h0t++t8T]
>>462の続きを投下します。
噛み砕き等の残虐な表現を多々含みますので、苦手な方はスルーしてください。

467 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2011/03/27(日) 23:12:21.61 ID:h0t++t8T]
 アペカの口内は赤い肉で造られた洞窟のようで、サウナにいるように蒸し暑かった。巣穴に帰る蛇
のように舌が喉奥に消え、上下の歯が処刑具と化して距離を縮めてくる。
 そこに頭を突き入れられた金髪の少女は、自身の状況を理解して声を張り上げた。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」
 キララは涙が溢れた碧眼にアペカの歯を映しながら、自分を砕こうと近づいてくる凶器にどうするこ
ともできず悲鳴を吐き出した。白炎も全く通じなくなり、腕力でも振り解けないとなれば、今のキララに
現状を打破する手段は残されていない。顔中を濡らした生温かい唾液が髪から両頬に伝わり、涙や
鼻水と混じりながら垂れ落ちていく先で、石臼のような歯が迫ってくる。
 巫女協会最強の冠も、白焔の光巫女の異名も、最早意味は無い。今の彼女はただ捕食者に狩ら
れて、そして捕食されかけている、ただの全裸の少女に成り果てていた。
(怖くなんかない! 怖いわけがない! 私は最強! 最強で無敵! 負けるはずがない!)
 キララは必死に状況を打破しようとするが、手足を動かすぐらいしかできなかった。黄ばんで見える
歯群が視界に入るだけで、恐怖のあまり思考能力の大半が奪われてしまう。
 その代わりに、巫女協会に所属する、退魔巫女の戦士たちの顔が、次々と脳裏に浮かんだ。
 静香や御幸を始めとする上位戦士、雪菜を始めとする調査隊、全国各地の拠点で戦い続ける多く
の少女たち。いっしょに作戦に参加して戦った者もいれば、キララが魔物から助けた者もいるし、中
には、まだ戦士見習いだった頃のキララを助けてくれた面々もあった。

468 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2011/03/27(日) 23:13:56.59 ID:h0t++t8T]
 もっとも、大半の者は、既に戦士を引退している。
 能力が衰えて若手の教育役に就いたのは少数で、大半は魔物に殺され死体も残っていない。
 生存者も、再起不能の怪我で一生動けない者、殺されかけたショックで精神が壊れた者、そして魔
物に陵辱された挙句に魔物化し、仲間に殺された者までいる。
 終わりの見えない魔物との戦い。絶え間なく出る負傷者と戦死者。
 社会の平和を守る引き換えに、巫女たちは心身を削り取られ、次々と倒れていた。
 才能を見出され、様々な理由から巫女協会に保護される戦士の卵たちは、数年以内に半数以上
が消え、十年経てば一割も残らない。彼女のたちの住む世界は、それが当たり前だった。
(白焔の光巫女、キララ様は、こんなところで負けたりしない!)
 そんな現実で、いつからか、キララは巫女の希望の星となっていた。
 凄まじい能力で、怪獣でさえ打ち倒す彼女の存在は、多くの巫女の精神を支えるようになった。未
知の強敵を次々に撃破する『光巫女』の称号も、他の巫女が呼んだのが最初だった。
(負けない! まけない! まけられない! わたしはみんなをまもる!)
 人々が、当然のこととして平和に暮らせる世界を守る。
 そして、理不尽に未来を奪われる悲劇を防ぐことが、巫女戦士の共通する正義である。
 キララもまた、その正義を胸に退魔の巫女になった。
 理不尽に奪われた両親の未来を想いながら、血生臭い世界に足を踏み入れた。
(わたしはこんなところでしぬわけにいかない! ぱぱとままにやくそくしたもの! わたしはぱぱと
ままのぶんもがんばっていきるって! わたしとおなじおもいはもうだれにもさせないって!)
 キララの記憶は更に、過去へと巻き戻されていく。

469 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2011/03/27(日) 23:15:44.45 ID:h0t++t8T]

 それは、巫女協会に入る前。まだキララが普通の女の子だったときの記憶。
 鯨のように大きな船。豪華客船ツアー。手を引いてくれる両親の姿。キララが先天性の難病を克服
し、普通の生活を取り戻した記念の、贅沢な家族旅行。美味しい食事。綺麗な景色。これから始まる
新しい生活への期待。キララたち家族の、一生の思い出となるべき貴重な時間。
 そして三日目の夜、謎の生物の襲撃により、客船は騒然となった。
 扉を破って部屋に侵入してきた、ヒトデのような怪生物。数メートルはあるそいつらが、キララを守
ろうとする両親に次々と飛び掛ると、すぐに両親の身体からびゅうびゅうと鮮血が噴き出した。
 母親の腕や足が噛み切られ、上半身を失った父親が崩れ落ち、怪物が肉を噛み砕く音が部屋に
響き渡り、カーペットが黒く染まり、飛沫が天井に飛び散り、キララの顔も赤く濡らし、
 そして、ヒトデたちが残されたキララに飛び掛かった瞬間、能力が目覚めた。
(いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!)
 悲鳴と同時に、白炎が彼女を中心に爆ぜ、ヒトデたちを粉々に吹き飛ばす。
 あと100秒ほど早く目覚めていれば、両親を守れたかもれない魔物退治の能力。燃え尽きたパジャ
マが消えて、華奢な裸体を晒すキララの前で、白炎に焼かれた両親もまた朽ちていく。
 感傷に浸る間もなく、ヒトデたちが壊れたドアから次々と部屋に雪崩れこんできた。天井や壁を這
いながら迫る異形たちを、キララは両手から放った炎で次々と灰に変えていく。
「う゛わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛! あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」
 未来の、白焔の光巫女の初陣は、豪華客船を占拠した魔物の群れの殲滅だった。
 ぺたぺたと裸足で部屋を飛び出したキララは、廊下で人々を貪るヒトデたちを焼き殺し、手当たり次
第にドアを破っては、中のヒトデを殲滅した。幸か不幸か、生存者は無かった。
 向かってくる魔物を、ただ焼き殺し続けた。
 自分がどうなってしまったのか、これからどうなってしまうのか、考える暇は無かった。
 客船は、ゆっくりと白い炎に包まれ、海に底に沈んでいった。
 後日、原因不明の海難事故として大々的に報道されることになるその事故について、救命ボート
で漂っていた生存者が一人いたことは、決して表に出ることはなかった。




470 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2011/03/27(日) 23:17:33.54 ID:h0t++t8T]
 あのときは、殺されると思った瞬間、生きたいと思った瞬間、魔物を撃ち滅ぼせる新しい力に目覚
めることができた。しかし、研鑽に研鑽を重ねたその能力も、眼前の魔物にはまるで通じない。
(ちからほしい……もっとつよい、みんなまもれるちから……)
 アペカの歯は、キララの顔から数センチメートルまで迫っていた。
 心臓が異様に早く高鳴り、文字通り目前に迫る危機に思考が掻き乱される。脳裏に浮かんだ様々
な顔が、隠し様の無い恐怖と絶望に塗り潰され、何も考えられなくなる。
(ぱぱ……まま……みんな……わたしに……ちからを……)
 自分と同じ悲劇を繰り返さない決意と、共に戦った仲間の顔が、胸奥で交差する。
 生み出せる炎はこれまでと変わらないが、キララは無意識に術式を開始し、最後の力を振り絞り、
自分のこれまでの全ての思いを込めて、白炎を紡ごうとする。もう少しだけ時間があれば、アペカの
体内に直接白炎を流し込むこともできる。効果も今までの攻撃よりは期待できるだろう。
(このかいぶつにかつ、ちからを……)
 しかし、それも少し遅かった。アペカの歯がキララの頭部を万力のように挟み込んだ。
 左眼から鼻を通り過ぎて右頬下に食い込んだ凶牙が、鼻骨を砕きながら顔に突き刺さり、臼状の
歯群が眼窩にめり込んだ。ぶちゅりと音を立てて、サファイア・アイと呼んだ自慢の碧眼が押し潰さ
れ、眼球の内液が涙といっしょに顔に流れ出した。圧迫された右頬の内側では歯茎が押し潰され、
無数の歯が舌の上を転がった。同時に大量の唾液がシャワーのように周囲から溢れ出して、水糊を
被せるように彼女の頭部をどろどろに覆い尽くしていく。
「………ぎゃ……が……ぐ……!? ぎ、ぃ……ぐ……あ、あ゛………」
 キララの顔を襲う痛みは、瞬く間に頭部を圧迫する痛みに変貌した。
 しかし、それも一瞬のことだった。次の瞬間には、左眼窩周囲から上顎骨が砕かれ、アペカの歯が
顔に更に深く食い込んだ。キララの美顔はぐしゃりと歪んで、陥没した鼻から血を噴いた。歯に圧迫
される前頭骨も同じく悲鳴を上げて割れ始め、溢れ出た鮮血がキララの顔に赤い川を作った。
「ぎゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛! い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛! あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」
 悲鳴を上げると顔の奥に激痛が走り、その激痛にも悲鳴を上げてしまう。
 それでも悲鳴を上げなければ発狂してしまいそうだった。痛みを感じた瞬間、決してアペカには屈し
まいと復活した正義の心は、顔を噛み潰される激痛に一秒も耐えられなかった。魔物の拷問に耐え
るための訓練も吹き飛んだ。音を立てて内側から頭部を潰されていく痛みは、それでも白焔の光巫
女であろうとした少女の戦士の心を、粉微塵未満にまで噛み砕いていく。
(め゛て゛……や゛め゛………や゛め゛、て゛……)
 血と唾液を垂らしながら歪むキララの顔に、べちゃりと分厚い舌が押し当てられた。

 …………………………………………
 ………………………

471 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2011/03/27(日) 23:19:38.48 ID:h0t++t8T]
「…………そんな……ウソ……」
 回転刃で抉られた傷を塞いだ樹里が起き上がった先では、風船のように顔を膨らませたアペカ
が、あれだけの戦闘能力を発揮したキララの頭を呑み込んで、飴玉を転がすように噛み砕いてい
た。悲鳴以前に言語の態すらなしていない絶叫が、耳に痛いほど響き渡っている。
「ほ゛お゛ごお゛お゛ぼご! ほ゛よ゛ぐごお゛!」
 アペカの口内から、唾液に溺れたキララの声が漏れ続ける。
 キララの両手がアペカの背中を引っかき、痙攣する裸体からは白炎が火矢のように撒き散らされ
ていた。眼前の怪物を何とか殺そうとする抵抗はしかし、アペカの肌に火傷1つ負わせられない。頭
を齧られる胸元に赤い唾液が流れ落ち、健康的な肢体を濡らしてすぐに蒸発している。
 抵抗も弱くなる一方で、震えていたヒザがガクリと折れて地面に付くと、白炎を発することもできなく
なり、細い腕が弱弱しくアペカの背中を掻くのみになった。一糸纏えない下腹部からは大量の小水
が漏れて太股を濡らし、ヒザから伝い落ちて小さな溜りを作っていた。
「アペカ様、もうお止めください! このようなこと、アペカ様も本心で望んでいないはずです!」
 人から怪物に変化することを恐れていたはずのアペカ。
 その彼女が、このような残酷な狩りをしていることが、樹里は信じられなかった。
 樹里が知るアペカの狩りは、気絶した人間の首筋を噛んで絶命させ、死体を食べるという、獲物の
苦痛が限りなく小さく済むものだった。アペカ自身は「狩りがいが無い。十年ぐらい時間をかけたい」
と言っていたが、実際、彼女はこれまで獲物を嬲るような狩りはしていない、はずだった。
 しかし、眼前のアペカは今、冷酷な方法でキララに苦痛を与えている。
「……アペカ様…………どうして……」
 言葉を失った樹里を見ながら、アペカはげろりと音を立ててキララの頭部を吐き出した。
「がぼっ……ごぼっ……げほごほ……ごぶっ……う……ごぷっ……」
 両腕を突いたキララは、肩を必死に動かして酸素を貪っている。
 唾液塗れの金髪が張り付いた頭部は、顔面から後頭にかけて一周するように歯型が刻まれてい
た。鼻は潰れて陥没し、頬肉が破れて歯茎が露出し、折れたり割れたりした歯が口内に突き刺さり、
唇からは粘り気のある血が垂れていた。女神のような美顔は柔肌が裂け、左眼窩は空洞と化して
視神経を頬まで垂らし、頭からは赤黒い血が湧き水のように滲み出している。
 右眼はまだ無事だが、壊れた堰のように涙を流すだけで、アペカを見ることもできない。戦闘を行う
どころか、頭部が生死を左右する重傷を受けていることは、誰の目にも明白だった。

472 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2011/03/27(日) 23:24:11.10 ID:h0t++t8T]
「……ひ、酷い……なんてことを……」
 力を貸してくれるはずの巫女戦士の悲愴な姿に、樹里は眩暈を覚えてよろめく。
 しかし、それを見たアペカは呆れた表情で首を横に振って、崩れ落ちたキララの胸元に合わせて地
面を踏み込んだ。そして、ボールのように彼女の上半身を蹴り上げる。
「酷いこと? こんなの、全く足りていないわ」
 キララの乳房の谷に食い込んだアペカの右足が、そのまま上半身を跳ね上げた。最強巫女の裸体
は、背中が反り返り、顔中から血を噴き、宙に浮き上がった。
「があ゛あ゛あ゛あ゛っ!」
 キララは地面に叩きつけられて反動でごろごろ転がり、数メートルも血の帯を残して静止した。
 樹里は無表情のまま硬直して、凶行を目に焼き付けてしまう。
「ごっ……あぐう……っ……ああ゛……っ」
 引き裂かれた顔に土と砂の化粧を施されて、キララは嗚咽とも呻きともとれない声を漏らした。顔
面骨折による内出血が激化したのか、傷の周りから彼女の美顔はどす黒く腫れ、倍近くにまで膨れ
る箇所も見られる。胸部を骨折したのか、蹴られた乳房も青黒く変色し始めていた。
 重傷どころか、死んでいてもおかしくない、怪我と出血。
 しかし、樹里の前で、瀕死の最強巫女は身体をごろりと動かし、手元の土を思い切り握り、身体を
起こし始めた。震えるヒザを必死に支え、立ち上がろうとし始めた。
「………ま゛だだ……まだ終わ゛って゛な゛い゛……」
 頭部から流れた血が伝い、転がって土と砂に塗れ、美しかった肢体は無残に汚れている。
 力も感じられず、唯一の武器である白炎さえ微塵も纏えず、防具の一つもない。
 小水を漏らした下腹部も、引き裂かれ、腫れ上がった美顔も、哀れとしか言い表せない。
 敗北は確定している。しかし、
「………キララ゛様は……こ゛んな゛ことで……負けな゛い……って感じ……」
 砕かれた心は、再び戦意を取り戻していた。
 巫女の希望の星たる彼女の選択は、最後まで戦士として戦い抜くこと。
 震える腕をゆっくり動かし、ぎこちなく言葉を紡ぎながら、キララは恐怖に向き合った。恐怖に押し潰
されながら、それを上回る使命感で勇気を搾り出し、白焔の光巫女として戦いに戻ろうとする。
 徒手空拳すらままならず、勝ち目が皆無でも、よろめく身体を必死に支える。
 命すら燃やすように……西園キララは凛として、立ち上がった。

473 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2011/03/27(日) 23:25:47.27 ID:h0t++t8T]

「私のサファイア・アイが輝く限り……外道に明日は来ないって感じ……」

 顔面の大半を潰されながら、残された右目は鬼気迫る色で敵を睨む。アペカは無垢な笑みを浮か
べながら両手を広げ、キララを抱擁するような仕草をとり、独り言のように呟いた。
「流石に、普通の人間よりも頑丈だわ。藤村の要求には足りないけれど」
 そして、樹里に明確に宣告する。
「私の主食は、とびきりの苦痛と絶望に満ちた人間の体液。恐怖を打ち負かせるのならそれ以上の
恐怖を与えるだけだし、絶望しないのなら絶望するまで遊ぶだけよ」
 アペカの眼が血走り、口元が歪み、涎が瀧のように流れ出した。

「樹里。私は初めて、食べがいのある人間に出会えたわ」

 歓喜に震えるおぞましい声が、異形の少女から溢れ出す。
 宣告を聞いた樹里の表情は、完全に硬直していて、蒼白に転じていた。


(続)


続きはそのうち。
ではまた。


474 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2011/03/31(木) 22:22:32.41 ID:/+eRl9y3]
生存者はいないようだ

475 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2011/04/01(金) 01:13:46.26 ID:OFtPyxIX]
化物も逃げ出した。

476 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2011/04/02(土) 12:07:12.13 ID:ktq09Gsu]
wiiのラストストーリーで
巨大なクモが飲み込み攻撃をしてくるらしい。
確認してないけど多分女の仲間が飲み込まれることもあると思う。

477 名前:妖怪ポポル [2011/04/05(火) 17:10:01.23 ID:e2ukGBiG]
食用肉ヒロヨの評価ありがとうございます。新作も考案中ですので、また宜しくお願い致します。



478 名前:妖怪ポポル [2011/04/05(火) 17:28:54.58 ID:e2ukGBiG]
食用肉ヒロヨ(序編)

ヒロヨは既に三十路を越え、俗に言うオバサンの域に到達していた。しかしその肉体は、日頃の良質食材の調達摂取から始まり、超高級サプリメントの多種多様な摂取、
連日のフィットネスクラブでの運動行為により、多少ふっくらとはしてきているが、乳房の適度な膨らみ、縊れてキュッと締まった腰、大きく割れた白桃のような尻という
二十歳代の活き活きした「ナイスバディ」を未だ保持していたのである。

ある日の昼下がり・・
オナニー嗜好のヒロヨは、家族が全員お出かけで居なくなったのを待ち構えたかのように、手早く部屋のカーテンを閉め、衣服を脱ぎ棄て全裸になると、
ベッドに佇み、ピンク色の乳首の先をキュッと摘みながら、牛乳を搾り出すかのように、ゆっくりと 乳揉みを始めた。
久しぶりの快感だった。
ここの処、暫くオナニーに耽っていなかったせいで、頭の真中に電流が走るような衝撃を感じていた。
股間は、すぐにしっとりと濡れ始めた。
白く細い指は、急くように自然に恥ずかしい肉壁の割れ目の間を上下に 弄り始めていた。
三十路後半とは言え、まだまだ美しい 艶かしい肉壷であった。
時折、陰毛の間に見え隠れする、薄い二枚の綺麗な 恥肉の花弁…
オナニー好きのせいか、恥皮を捲り上げて突出した 貝柱のような、白く大きい 敏感に感じそうな クリトリス…
排便の姿を想像させない、皺の少ない 薄紅色の尻の穴…
やがて、淡毛に隠された、まだ赤い肉壷の奥から、透き通ったヒロヨの甘蜜汁が、蜂蜜のように ゆっくり溢れ、淫肉が潤いはじめた。
白い頬は紅潮し、肉体が火照り始めたヒロヨは、堪らなくなり ベッドの上でお尻を突き出し、誰もいない開放感から 恥ずかしいドッグスタイルになっての オナニーをはじめた。
白く、ふっくらした尻の肉を揺り動かしながら、細い指を蟹の様に股間に這わせ 艶かしい吐息を漏らす ヒロヨ。
股間からは、ピチャピチャと卑猥な音色が、白い指の動きに合わせて、奏でられていた。
白い尻を突き出した壁からは、パックリ割れて 淫蜜を溢れさせている ヒロヨの肉壷と気持ち良さそうに 収縮を繰り返す 臭い蕾が、淡い陰毛を押し除けるかのように 顕わに 丸見えになっていた。
久しぶりの充実した至極のオナニー…
ヒロヨは、気が狂ってしまいそうな快感に包まれた至極のひとときを、味わい、堪能していた。
しかし、官能に浸り 歓喜を味わう時間は あっという間に過ぎ去り ヒロヨは、もう絶頂近くに達していたのである…。

その瞬間であった。

ゴクッ!

続きはこちらへどうぞ:www11.atwiki.jp/hosyoku/pages/1.html

479 名前:妖怪ポポル [2011/04/05(火) 17:33:36.36 ID:e2ukGBiG]
食用肉ヒロヨ(続き)

お尻を向けていた壁の方から、まるで生唾を呑み込むような怪しげな音が聞こえたような気がした。
訳の分からない戦慄に襲われ、我に返り 壁側に振り向くヒロヨ。そこには、いまだかつて見たことの無い恐ろしい形相の化け物が、
壁の中から大きな頭だけ出し、ヒロヨの剥き出しになったお尻を、血走った目で、涎を垂らしながら見据えていたのである。

「….ひ、ひいいいいいぃッ、..」
異次元惑星の妖怪大王だった。
銀河小惑星の衝突により、住処と食料を求めて 地球に彷徨い着いたのであった。彼らの技術水準は全てに於いて、地球人のレベルを遥かに超越していた。
異空間の瞬間移動など、日常茶飯事。腹を減らした彼らは、その技術をフルに使い、食料を探し求めていた。
そして…甘い匂いのするフルーツのような、美味そうな食料をついに 探し当てたのであった。
心臓の凍りつくような妖怪大王の冷たい目に凝視されたヒロヨは、石にされてしまったかのように、悲鳴さえも上げることが出来ず、ただただ 身震いするばかりであった。
大王は 大きな口から涎を垂らしながら壁から抜け出すと、いきなりヒロヨの後頭部を殴打し、彼女を気絶させた。


…どれくらい時間が過ぎ去ったのか思い出せないが、目を覚ますと、大きな皿の様な物に、仰向けに縛り付けられていた。
見たことも無い洞窟の中の様な景色が、ヒロヨの視界に飛び込んできた。
周りには、顔もまともに見ることの出来ないような おぞましい妖怪共が、何百匹とヒロヨを取り囲み、奇声のようなものを発していた。
今まで嗅いだことのない異臭が漂う狂気に満ちた世界であった。
ヒロヨは、恐気に吐き気を催し、嗚咽していた。
…と、急に様子が一変し、辺りが静まり返った。
うじゃうじゃ並んだ醜い妖怪達の中から、ヒロヨを捕らえた、格段に大きな妖怪大王が、ヌッと彼女の前に姿を現した。
あまりの恐怖とおぞましさに、大王から目を逸らす ヒロヨ。
しかし、大王は ヒロヨの頭を掴み上げると、涙で腫らしたヒロヨの目を、無理矢理に自分の目と合わせた。
瞬間、大王の目が赤く輝いたかと思うと、ヒロヨは、おぞましい恐怖を忘れたかのように、朦朧とした放心状態となってしまったのである。





480 名前:妖怪ポポル [2011/04/05(火) 17:35:59.50 ID:e2ukGBiG]
食用肉ヒロヨ(続き)

彼女は、一瞬にして、大王による奴隷催眠を掛けられてしまったのであった。
再び、美味そうな白い肉を前にした大王は、ダラダラと汚い涎を垂らしながら、ヒロヨを縛り上げた縄を解くと、
彼女を自由に動けるように開放し、暫く 放心状態に陥った ヒロヨの肉体を凝視していたが、一瞬 生唾を呑み込むと彼女の後頭部に向かって、念を送り始めた。


ヒロヨは、何かを受信したかのように、ビクッと肉体を痙攣させると、
大王の眼前で四つん這いになり、大王の顔の方向に 白い大きなお尻を突き出した。
大王は、充血した目でヒロヨの尻を食い入るように見つめながら、彼女に、念を送り続けていた。
更に、ヒロヨの腕がゆっくりと動き始め、手が尻肉の両側に宛がわれたかと思うと、白い指が滑るようにして、ふっくらと 深く割れたお尻の割れ目に沈み込み、割れ目をゆっくりと、両側に拡げ始めた。


ヒロヨの恥ずかしい肉穴と淫肉が、大王の眼前に拡がっていく。
排便の姿を想像出来ない、信じられない程、綺麗で淡紅色の皺の少ない キュッと引き締まった尻の穴、変色の少ない赤みを帯びた 肉壷を覆うように寄り添った薄い2枚の花弁、そしてSEXよりも
オナニーの嗜好を象徴するかのような、擦れて膨らんだ 白く大きい 敏感に感じそうなクリトリス…ついさっき、ヒロヨの部屋で、壁から見た光景と同じものが、再び大王の眼前に顕れた。


大王は、眼前のヒロヨの淫肉を涎を垂らして凝視しながらも、彼女に念を送り続けていた。
ヒロヨは、自分の指で、性器の陰唇を捲り上げて隠れている恥肉を曝してみたり、肛門を拡げて腸の入り口の辺りまで露呈するなど、淫肉の細部に渡って、恥ずかしげも無く丹念に、大王に曝け出していた。
ヒロヨの性器や肛門には、オナニーの時に溜まった恥垢滓が若干残っており、大王の鼻先に、その芳香が漂っていた。

パート1終わり

481 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2011/04/05(火) 18:52:07.50 ID:mmVWWEWL]
本スレへの書き込み有難うございます。このスレでも珍しい熟女入りかけというジャンルの
作家さんが来てくれて嬉しく思います。自宅という安全な場所で日常を過ごしていた
現実世界の一般人が、理不尽にさらわれて嬲りものにされるというシチュエーションが
自分の過去の妄想を思い出すようでとても興奮しました。
肉感的でねちっこい表現もとても好きです。
また気が向きましたら新作の発表をお待ちしております。その時はメール欄にsageと
入れていただけると有難いです。

ということで新しい作家さんが来てくれたぞ みんなも感想を寄せて応援するといいさ


482 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2011/04/06(水) 00:55:09.28 ID:irvwThyI]
読んできた。スカトロ表現は苦手だけれど文章がうまいと思ったのと
妄想をそのままぶつけたような内容がいいと思ったのでこれからも期待

483 名前:妖怪ポポル mailto:sage [2011/04/07(木) 17:15:56.32 ID:HGQQZP+L]
食用肉ヒロヨの御評価ありがとうございます。
同じ幻想を持つ皆さまに喜んで頂けるのは本当に嬉しいです。
新作も頑張りますので宜しくお願い致します。
また、皆さまに喜んで頂きたくて、イメージを収集した簡単なサイトを
googleに開設致しましたので、宜しければお楽しみくださいませ。

https://sites.google.com/site/poporu0117/

妖怪ポポル



484 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2011/04/07(木) 22:07:41.28 ID:um3TOIvO]
アペカ様氏んじゃったの?

485 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2011/04/08(金) 09:03:42.53 ID:NYcox5+0]
アペカ様は元気すぎだろ。

486 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2011/04/25(月) 21:20:32.64 ID:fWdnAA+p]
ほしゅるー
ほしゅるー

487 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2011/05/13(金) 02:10:38.06 ID:GvLUWN0t]
保守

488 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2011/05/15(日) 00:03:44.56 ID:3jGudO6T]
TERAのサービスが始まったらエリーンで捕食描きたいね
あのふとももは見ているとね

489 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2011/05/15(日) 14:16:29.87 ID:JjKURMoX]
まあ…べつにサービス始まる前でもいいよな固有名とか出す必要ないし
ちなみにこんな種族
ttp://www.youtube.com/watch?v=xf6zpXAK990




490 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2011/05/16(月) 00:35:04.95 ID:Z1S9w890]
これはうまそう

491 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2011/05/21(土) 11:24:14.05 ID:j7ymmo64]
もうこのスレができて5年ぐらいにはなるのかな
また昔みたいに盛り上がらないものか
保管庫のSSで抜きまくったよ


492 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2011/05/24(火) 12:48:23.45 ID:mlA7Jg4G]
このスレが再度動き出すことを願いたい

493 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2011/05/25(水) 23:25:21.07 ID:/U0/iERz]
月に照らされた温室の中

その中にあたしは立っていた。
目の前にあるのは巨大な植物。

高さは3mほどで、巨大な壷のような形をした大きな葉っぱが地上近くにいくつも生えている。
ここは植物研究所の中の温室で、アフリカの奥地で発見された植物だという。

これをはじめてみたのは今日の昼間。
ここに勤めている友達が見せてくれたのだ。

「すごいでしょう?
これはいわゆる食虫植物の仲間なんだけど、こんな大きいのは今まで発見されてなかったの。
大きな動物でも取り込めるくらいあるんだって。」
そこまで言った後、びっくりすることを言ったのだ。
「ねえ、ちょっと食べられてみない?」
何を言うのかと思ったあたしを見てクスッと笑う。
「この植物は取り込んだ生物を消化して栄養を取るんだけど、大きな動物の場合
皮膚のごく一部だけしか吸収できないの。
そして、消化して取り込んでしまうのは角質化した皮膚の一部。
ドクターフィッシュって知ってる?古くなった皮膚だけを食べてくれる魚。
それと同じ作用で、しばらくこの植物の中にいるとお肌の老廃物を取ってくれるわけ」
彼女は続けていった
「あたしもここに届いてから一度食べられてみたんだけど気持ちいいのよ。
どう?一回」
そういわれておっかなびっくりあたしはその植物に食べられた。

494 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2011/05/25(水) 23:27:55.97 ID:/U0/iERz]
服を脱いで、足から壷のような葉っぱに体を埋めるのはなんか変な感じだった。
しかし、そのあと全身を粘液で覆われて、蠕動を始める葉っぱに身をゆだねると、
言うとおり今まで感じたこともないような気持ちよさが全身を駆け巡った。

余りの気持ちよさに我を忘れ、引っ張り出された頃には
半ば気を失っていた。

「どう?気持ちよかったでしょう?
これを育てることに成功したらちょっとしたビジネスになると思うの」
服を着た後、彼女の話に大きく頷く。
たしかにあれだけ気持ちよくて、美容にも効果があるなら商売にもなるだろう。

夕方に彼女と別れて家に帰ったあたしは、昼間味わった強烈な快感の残り火と、
温室で見たちょっとした異変が頭に残っていた。

そしてその夜、あたしはあの植物の前に立っている。
温室の壁の一部にあった大きな穴。
そこから外の道路が見えていたのだ。
あたしはそこからこの温室に忍び込んでいたのだ。

その目的はただひとつ。

「あれだけ気持ちよかったのを独り占めなんてズルイよね」
ひとりつぶやきながらあたしは服を脱ぐ。
下着も脱ぎ捨てて、全裸になったあたしの体を月の光が照らす。

495 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2011/05/25(水) 23:29:35.82 ID:/U0/iERz]
あたしは壷のような葉っぱの中に足から体を埋める。
ぬるぬるする粘液の感触を感じながら太腿、お尻、くびれた腰と体を埋めてゆく。
足が壷の底に着く頃にはあたしの体は頭まで完全に葉っぱに埋まっていた。
ぬるぬるする粘液は温かく、心地よい香りに満ちていた。

そして、始まる蠕動。

くちゅ…くちゅ…

全身を柔らかい舌で舐め上げられる感触は昼間味わったもの以上だった。
粘液で舐められるにつれて、体中から激しい快感が伝わる。
体が蕩けるような快感に、徐々に心がぼやけていく。

特に、蠕動するたびにもまれていく乳房や粘液に埋まるアソコからは
理性を維持できないほどの快感が伝わる

「ん…あふぅ…」

「あ…あぁ…ぁ…」

溶けていくような快感の中であたしはイってしまった。
しかし、葉っぱの蠕動は止まらない。

快感を上書きされていきながらあたしの意識は昼間の時のようにとろけていった。


496 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2011/05/25(水) 23:32:32.20 ID:/U0/iERz]
わずかに残った意識の片隅で、股間に当たる感触を感じる。
今まで意識してなかった触手のような何か。
いつのまにかそれが硬化して大きくなったらしい。
全身が蕩ける快感で塗りつぶされた中であたしがわずかに感じる不満。
それを補ってくれそうな熱く太い何かがあたしの股間をつついていた。
消えうせた理性ではそれが何なのかを理解することもなく、ただただ体の欲求にしたがって
それをあたしのアソコに埋めていった。

「ひあぁ!…あふぅ…」
あたしの体を埋め尽くす快感の残った1ピースが埋まってゆく感覚。

体の外だけでなく中からもあたしの体は快感に埋め尽くされた。
徐々に激しくなってゆく蠕動にあたしの体は揺らめく小船のように
何度も何度も舐め回される。
その都度あたしの中に入ったモノも、激しくあたしを突き上げてゆく。

昼間とは桁違いの快感があたしをもみくちゃにしていた。

もう、手足の感覚は完全になくなっていた。
ただただ経験したこともない快感だけがあたしの意識を支配していた。

497 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2011/05/25(水) 23:34:56.93 ID:/U0/iERz]
真っ白になって行く意識の中で、あたしの視界に乳房のようなものが見えた。

あれ…なんで…目の前におっぱいが浮かんで…いるの…

そういえば…あたしの…おっぱい…感覚…ないや…

そして、あたしの意識は真っ白な中に消えていった。


蠕動を激しくする葉っぱの中で、少女の裸身が崩れていく。

乳房が蠕動で擦り切れて千切れていくとともに、
溶かされながらも丸みを帯びていた尻の肉がボトリと落ちる。
股間からあふれ出る植物の消化液は、ピンク色の塊となった少女の内臓のなれの果てを
とめどなく吐き出していく。

すでに意識を失った彼女の体を植物はなおも貪欲に取り込もうとしていた。

翌朝

朝の光が降り注ぐ温室

大きな花をつけた植物と、その植物の栄養となった少女の服と下着が
朝の光に照らし出されていた。

498 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2011/05/26(木) 03:46:03.24 ID:bkD81/Db]
GJです!
スイッチとなるものを受け入れてしまうと、外から、中からとかされてしまうんですね・・・
それにしても、気持ちよさそうでよかったです。
最後の方の描写も適度にグロくて・・・

499 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2011/05/27(金) 01:02:01.78 ID:adD3bua9]
久しぶりのSSごちそうさまでした
溶解もいいものだ



500 名前:名無しさん@自治スレで設定変更議論中 mailto:sage [2011/06/12(日) 16:49:14.84 ID:+nYs6u52]
(´・ω・`)らんらん♪






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