- 192 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2010/05/31(月) 00:43:44 ID:i09EQvVW]
- そこに、気泡の鎖で引き上げられるように、沈んでいた少女たちが次々に浮上してきた。
苦しみから、どの少女も手足をバタつかせている。 甘い雨を啜りながら、恍惚の表情を浮かべていた彼女たちの面影は、最早全く無かった。今や、その 表情は、ここ数日の放浪を超えた苦悶によって塗り潰されていた。 暴れているのは、もちろん、窒息のみが原因ではない。 甘い甘い蜜の世界に満ちていたのは、大小無数の蟲の大群。 唾液の中を泳いでいる半透明の蟲は、粘液の外からでは姿形が視えない。しかし、それらは間違い なく存在して、彼女たちの肉体に纏わり付いているのだった。 少女たちは純潔を守ろうと、死に物狂いで手足を動かしている。 まだキスの味も知らない唇、指の味も知らない女性器、排泄以外で使用したことは無い肛門……。 必死に純潔を守り抜いてきた少女たちは、蜜色の地獄の中で、サイズからして聖域に易々と侵入でき てしまう不可視の大群を相手にし、文字通りの死闘状態にあるのだった。 小さな蟲ならば脳内解釈で誤魔化せても、ゴムホースのような数メートルの触手で破瓜を迎えてしま えば、最早言い逃れも誤魔化しも不可能になってしまう。 それは、自分の宗教的地位の喪失を意味していた。 中には冷静に顔を両手で覆い、太股を閉じて陰部を守ろうと試みている者。身体を丸めて顔を隠し、 両手で股を隠そうとしている者もいるが、大半は半狂乱状態で暴れるだけだった。 同時に、彼女たちが求めているのは新鮮な空気。 必死に蟲風呂を泳ぐ集団と、水面の距離が、1メートル、あと50cmと近づいて……。 音を立てて、少女たちが水面から顔を出した。 ………………………………………………… ……………………
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