- 228 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2010/07/12(月) 01:03:14 ID:SSf3KCDL]
- そう思った瞬間、蟲は彼女の内臓を抉り出し、皮を剥ぐために殺到してきた。予想どおり、彼女もこれ
から仲間も少女たちと同様に処理されるのだった。 (私たちを……殺してください……) 弥生の身体が、更に大量に蟲にたかられる。 異様に大きな心臓の音だけが、酷くはっきりと胸の奥から聞えた。 ………………………………………………… …………………… 少女たちが骨を砕かれ、皮を剥がれて内臓を抉り出されていくのを、高台から眺める二人の影。少女 たちの教育係である某教団幹部の藤村と、巫女協会の巫女、雪菜である。 「あらあらまあまあ、彼女たちの肉体があの状態では、もう『酒池』もお終いのよう。続いて……」 「どうして?」 流石に少し動揺した口調で、雪菜は藤村に向けて口を開いた。 藤村はゴーゴンヘッドを少しだけ傾けて、意味が分からない様子で雪菜を見る。 「どうして、彼女たちは発狂せず、いえ、どうして、あんな状態で生存が可能なの?」 雪菜が少し汗をかきながら、睨むように藤村を見る。 彼女自身、これまでの戦場で悲惨な死体は何回も見ている。 しかし、あそこまで、全身の骨を砕かれて内臓まで嬲られて、正気を維持したまま生存し続けるという のは、化物云々の世界に身を置いた彼女からしても、説明不可能の異常事態だった。 「………」 藤村は殺気で黒く濁った眼を細めて、唇をゆっくりと吊り上げた。
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