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代数的整数論 004



1 名前:132人目の素数さん [2006/11/23(木) 21:57:04 ]
Kummer ◆g2BU0D6YN2氏が代数的整数論を語るスレです。

前スレ
science4.2ch.net/test/read.cgi/math/1141019088/

237 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 23:24:23 ]
SL_2(Z) の元 S, T を

S = (1, 1)/(0, 1)
T = (0, -1)/(1, 0)

で定義する。

S(z) = z + 1
T(z) = -1/z

である。

238 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 23:35:48 ]
問題
S = (1, 1)/(0, 1) と T = (0, -1)/(1, 0) で生成される SL_2(Z) の
部分群を G' とする。

複素上半平面 H の任意の点 z に対して { Im(g(z)) ; g ∈ G' } は
最大値をもつ。

239 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 23:50:28 ]
補題
z を複素上半平面 H の点で |z| < 1 とする。
このとき |T(z)| > 1 である。
ここで、T = (0, -1)/(1, 0) である。

証明
自明である。

240 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/11(月) 00:03:58 ]
問題
S = (1, 1)/(0, 1) と T = (0, -1)/(1, 0) で生成される SL_2(Z) の
部分群を G' とする。

>>238 より 複素上半平面 H の任意の点 z に対してある g ∈ G'
があり Im(g(z)) が最大値となる。

w = S^n(g(z)) とおく。つまり w = g(z) + n である。
|Re(w)| ≦ 1/2 となるように整数 n をとる。
このとき |Im(w)| ≧ 1 である。

つまり、w は
D~ = { z ∈ H ; |Re(z)| ≦ 1/2 かつ |z| ≧ 1 } の点である。

241 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/11(月) 00:45:26 ]
訂正

>>239 を次の問題に置き換える。

問題
z を複素上半平面 H の点で |z| < 1 とする。
w = -1/z とおく。
このとき Im(w) > Im(z) である。

242 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/11(月) 07:33:58 ]
>>205, >>207, >>209 は、ここでの話題とあまり関係ないかも
しれない。

他にもそのような問題があるかもしれないので、問題を解くのは
必要性がはっきりした時点にしたほうがよいかも知れない。

もちろん、解くのはなんら問題ない。

243 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/11(月) 10:25:47 ]
訂正

>>214
>特殊回転群 SO(2) = { g ∈ SL_2(R) ; g(g^t) = 1 } である。

特殊直行群 SO(2) = { g ∈ SL_2(R) ; g(g^t) = 1 } である。

244 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/11(月) 10:26:43 ]
もといw

特殊直交群 SO(2) = { g ∈ SL_2(R) ; g(g^t) = 1 } である。

245 名前:132人目の素数さん [2006/12/11(月) 18:51:32 ]
クンマー、ディリクレ



246 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/11(月) 19:45:09 ]
問題
H を複素上半平面とする。
即ち H = {z ∈ C ; Im(z) > 0 } である。

D = { z ∈ H ; |Re(z)| < 1/2 かつ |z| > 1 } とおく。

z ∈ D なら Im(z) > (√3)/2 である。

247 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/11(月) 20:16:43 ]
問題
z を |z| > 1 である任意の複素数とする。

|z + 1|^2 > 2(Re(z) + 1) である。

248 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/11(月) 20:34:48 ]
問題
H を複素上半平面とする。
即ち H = {z ∈ C ; Im(z) > 0 } である。

D = { z ∈ H ; |Re(z)| < 1/2 かつ |z| > 1 } とおく。

z ∈ D なら |z + d| > 1 である。
ここで d は |d| ≧ 1 である任意の実数である。

249 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/11(月) 21:13:22 ]
補題
H を複素上半平面とする。
即ち H = {z ∈ C ; Im(z) > 0 } である。

D = { z ∈ H ; |Re(z)| < 1/2 かつ |z| > 1 } とおく。

g を SL_2(Z) の元、z を D の点とし w = g(z) とおく。
g = (a, b)/(c, d) とする。
この記法 (a, b)/(c, d) については >>196 を参照。
即ち w = (az + b)/(cz + d) である。

Im(w) ≧ Im(z) なら c = 0 または ±1 である。

証明

>>198 より Im(w) = Im(z)/|cz + d|^2 である。

Im(w) ≧ Im(z) より Im(z)/|cz + d|^2 ≧ Im(z) となる。
よって Im(z) ≧ Im(z)|cz + d|^2 となる。
Im(z) > 0 だから
|cz + d| ≦ 1 となる。

y = Im(z) とおくと、cz + d の虚部は cy である。
よって |cz + d| ≦ 1 より |cy| ≦ 1 となる。
よって |c| ≦ 1/y となる。
一方、>>246 より y > (√3)/2 である。
よって |c| ≦ 2/√3 < 2 である。
よって c = 0 または ±1 である。
証明終

250 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/11(月) 21:16:16 ]
問題
H を複素上半平面とする。
即ち H = {z ∈ C ; Im(z) > 0 } である。

D = { z ∈ H ; |Re(z)| < 1/2 かつ |z| > 1 } とおく。

D の任意の異なる2点は SL_2(Z) の作用で同値ではない。

251 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/11(月) 21:22:18 ]
>>240>>250 より
D = { z ∈ H ; |Re(z)| < 1/2 かつ |z| > 1 } は
SL_2(Z) の基本領域(>>235)である。

252 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/11(月) 22:29:32 ]
訂正

>>233
>定義
>複素上半平面 H の楕円点 z の安定化部分群
>{ g ∈ SL_2(R) ; g(z) = z } は有限巡回群である(>>218)。
>この部分群の標準射 SL_2(Z) → SL_2(Z)/{±1} による像の位数を
>この楕円点の位数という。

定義
複素上半平面 H の楕円点 z の安定化部分群
{ g ∈ SL_2(Z) ; g(z) = z } は有限巡回群である(>>218)。
この部分群の標準射 SL_2(Z) → SL_2(Z)/{±1} による像の位数を
この楕円点の位数という。

253 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/16(土) 11:09:44 ]
D = { z ∈ H ; |Re(z)| < 1/2 かつ |z| > 1 } とおく。

D の閉包を [D] と書く。

[D] = { z ∈ H ; |Re(z)| ≦ 1/2 かつ |z| ≧ 1 } である。

E = { z ∈ [D] ; |z| = 1 }
= { z ∈ H ; |Re(z)| ≦ 1/2 かつ |z| = 1 }

L = { z ∈ [D] ; Re(z) = -1/2 }
= { z ∈ H ; Re(z) = -1/2 かつ |z| ≧ 1 }

R = { z ∈ [D] ; Re(z) = 1/2 }
= { z ∈ H ; Re(z) = 1/2 かつ |z| ≧ 1 }

とおく(それぞれの図を描かくとよい)。

[D] の境界は [D] - D であるが、
[D] - D = E ∪ L ∪ R
である。

F = { z ∈ E ; Re(z) ≦ 0 }
= { z ∈ H ; -1/2 ≦ Re(z) ≦ 0 かつ |z| = 1 }
G = D ∪ L ∪ F
とおく。

G = { z ∈ H ; -1/2 ≦ Re(z) < 1/2 かつ |z| ≧ 1 で
|z| = 1 のときは -1/2 ≦ Re(z) ≦ 0 }
である。

254 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/16(土) 11:30:14 ]
[D] の図は例えば

ttp://en.wikipedia.org/wiki/Modular_group

にある。

255 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/16(土) 12:22:19 ]
簡単のために H の2点が SL_2(Z) の作用で同値なことを単に同値と
いうことにする。

z = x + y√(-1) で |z| = 1 のとき
-1/z = (-x + y√(-1))/|z|^2 = -x + y√(-1)

よって変換 T(z) = -1/z は E = { z ∈ [D] ; |z| = 1 } の点を
虚軸に関して対称な点に写す。
よって、 E の点は F = { z ∈ E ; Re(z) ≦ 0 } の点と同値である。

変換 S^(-1)(z) = z - 1 は R = { z ∈ [D] ; Re(z) = 1/2 }
の点を L = { z ∈ [D] ; Re(z) = -1/2 } の点に写す。

よって [D] の任意の点は G = D ∪ L ∪ F の点に同値である。
>>240 より H の任意の点は [D] の点に同値だから、
結局 G の点に同値となる。



256 名前:132人目の素数さん [2006/12/16(土) 12:43:11 ]
定理の証明は見ずに自分で証明すること。

遅くとも学部四年になるまでには、こういう読み方を身に付けないと
いけない。

257 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/16(土) 14:44:50 ]
補題
G を >>253 の通りとする。
z ∈ G なら Im(z) ≧ (√3)/2 である。

証明
>>246 と同様である。

258 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/16(土) 14:46:47 ]
補題
z を |z| ≧ 1 である任意の複素数とする。
d を実数とし、|z + d| ≦ 1 とする。

このとき
d = 0 なら |z| = 1

d > 0 なら x ≦ -d/2
d < 0 なら x ≧ -d/2

証明
>>247 と同様の単純計算である。

259 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/16(土) 14:49:13 ]
補題
G を >>253 の通りとする。
z ∈ G とし d を有理整数とする。
さらに |z + d| ≦ 1 とする。

このとき d = 0 または d = 1 である。

d = 0 なら |z| = 1

d = 1 なら z = (-1 + √(-3))/2

証明
>>258 より明らかである。

260 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/17(日) 01:01:35 ]
補題
G を >>253 の通りとする。

g = (a, b)/(c, d) を SL_2(Z) の元とする。
なお、記法 (a, b)/(c, d) については >>196 を参照。

z, w ∈ G で w = g(z) = (az + b)/(cz + d) とする。

Im(w) ≧ Im(z)

なら c = 0 または c = ±1 である。

証明
>>249 の証明とほとんど同じである。
>>246 の代わりに >>257 を使う。

261 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/17(日) 01:14:21 ]
>>260 において c = 0 なら g = ±1 であり、w = z である。

証明
ad - bc = 1 だから c = 0 より a = d = ±1 である。
よって w = z ± d となる。
z と w は G に属するから d = 0 である。
証明終

262 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/17(日) 01:27:17 ]
>>260 において c = 1 なら d = 0 または d = 1 である。

d = 0 なら |z| = 1

d = 1 なら z = (-1 + √(-3))/2

である。

証明
Im(w) = Im(z)/|z + d|^2 ≧ Im(z)
より、|z + d| ≦ 1 となる。
よって >>259 より主張がでる。

263 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/17(日) 02:12:19 ]
>>262 において

d = 0 なら

w = z = √(-1) で g = (0, -1)/(1, 0)

または

w = z = (-1 + √(-3))/2 で g = (-1, -1)/(1, 0)

証明
ad - bc = 1 で c = 1 だから d = 0 なら b = -1 である。
よって w = a - 1/z である。

|z| = 1 で z ∈ G だから z ∈ F である。
ここで F は >>253 で定義された集合である。
|z| = 1 だから -1/z は虚軸に対して z と対称の位置にある。
w ∈ G だから a = 0 または a = -1 である。

a = 0 なら z = √(-1) で g = (0, -1)/(1, 0) よって w = -1/z = z

a = -1 なら z = (-1 + √(-3))/2 で g = (-1, -1)/(1, 0)
よって w = -1 - 1/z = (-z - 1)/z = z^2/z = z

ここで z は 1 の原始3乗根だから z^2 + z + 1 = 0 となることを
使った。
証明終

264 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/17(日) 02:42:15 ]
>>262 において

d = 1 なら w = z = (-1 + √(-3))/2 で g = (0, -1)/(1, 1)

証明
ad - bc = 1 で c = 1 だから d = 1 なら a - b = 1 である。
よって a = b + 1 である。

w = ((b + 1)z + b)/(z + 1) = b + z/(z + 1) = b - z/z^2 = b - 1/z

w ∈ G だから b = -1 である。
よって
w = (-z - 1)/z - z^2/z = z
証明終

265 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/17(日) 02:44:44 ]
訂正

>>264
>w = (-z - 1)/z - z^2/z = z

w = (-z - 1)/z = z^2/z = z



266 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/17(日) 03:02:42 ]
>>260 において c = -1 のときは -g = (-a, -b)/(-c, -d) で
w = -g(z) であるから c = 1 の場合の結果を適用できる。

つまり以下のようになる。

c = -1 なら d = 0 または d = -1 である。

d = 0 なら
w = z = √(-1) で g = (0, 1)/(-1, 0)
または
w = z = (-1 + √(-3))/2 で g = (1, 1)/(-1, 0)

d = 1 なら
w = z = (-1 + √(-3))/2 で g = (0, 1)/(-1, -1)

267 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/17(日) 03:53:47 ]
定理
G を >>253 の通りとする。

(1) 任意の z ∈ H に対して g(z) ∈ G となる g ∈ SL_2(Z) が
存在する。

(2) G の異なる2元は SL_2(Z) に関して同値ではない。

(3) z ∈ G に対して I(z) = { g ∈ SL_2(Z) ; g(z) = z } を
z の安定化部分群とする。

S = (1, 1)/(0, 1)
T = (0, -1)/(1, 0)
ρ = (-1 + √(-3))/2 = exp(2π√(-1)/3) とおく。

z が √(-1) でも ρ でもないとき I(z) = {±1}

z = √(-1) のとき I(z) = {±1, ±g}
ここで g = T

z = (-1 + √(-3))/2 = exp(2πi/3) のとき I(z) = {±1, ±g, ±g^2}
ここで g = TS = (0, -1)/(1, 1)

証明
(1)
>>255 で証明されている。

(2) と (3)
>>261 >>262 >>263 >>264 >>265 >>266 からわかる。
証明終

268 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/17(日) 04:10:06 ]
>>267 から >>234 の別証が得られたことになる。

269 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/17(日) 04:32:25 ]
定理
SL_2(Z) は S = (1, 1)/(0, 1) と T = (0, -1)/(1, 0) で生成される。

証明
S と T で生成される SL_2(Z) の部分群を K とおく。

D = { z ∈ H ; |Re(z)| < 1/2 かつ |z| > 1 } とおく。

D から任意の元 z を取る。
g を SL_2(Z) の任意の元とする。

>>240>>255 より hg(z) ∈ G となる h ∈ K が存在する。

>>267 の (2) より hg(z) = z である。
>>267 の (3) より hg = ±1 である。
よって g ∈ K となる。

証明終

270 名前:132人目の素数さん [2006/12/17(日) 06:41:46 ]
kummer さんの数式の書き方、きれいですね!
TeX いらないのでは!

271 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/17(日) 10:52:37 ]
>>270

有難うございます。
これだけ書いてるとさすがに上達しますw

272 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/17(日) 12:11:49 ]
定義
2次体 Q(√m) において m > 0 のとき Q(√m) を実2次体と呼ぶ。
m < のとき Q(√m) を虚2次体と呼ぶ。

273 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/17(日) 12:20:51 ]
定義
2次体 Q(√m) において m > 0 のとき Q(√m) を実2次体と呼ぶ。
m < のとき Q(√m) を虚2次体と呼ぶ。

Q(√m) が虚2次体のとき、√m = √(|m|) √(-1) と決めておく。
ここで √(|m|) は |m| の正の平方根である。

したがって、√m および ω (>>11) は複素上半平面にある。

274 名前:132人目の素数さん [2006/12/17(日) 12:42:07 ]
問題
z を複素数、a, b, c, d を実数とする。
ただし、cz + d ≠ 0 とする。

w = (az + b)/(cz + d) とおく。

このとき

Im(w) = (ad - bc)Im(z)/|cz + d|^2

である。

275 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/17(日) 12:49:19 ]
補題

虚2次体 Q(√m) の原始イデアル I = [a, b + ω] と J = [k, l + ω]
が同じイデアル類に属すとする。
すなわち I = ρJ となる ρ ∈ Q(√m) があるとする。
このとき θ = (b + ω)/a、ψ = (l + ω)/k とおくと、
θ = (pψ + q)/(rψ + s) となる。
ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = 1 である。

証明
>>194 より θ = (pψ + q)/(rψ + s) となる。
ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = ±1 である。

>>273 の規約より θ と ψ は複素上半平面にある。

よって >>274 より ps - qr = 1 である。

証明終



276 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/17(日) 15:35:27 ]
定義
代数的数(前スレ3の156) θ に対して Q(θ) が Q の n 次拡大で
あるとき θ を n 次の代数的数という。

θ は有理数係数の多項式 f(X) = a_0X^n + a_1X^(n-1) ... + a_n の
根となる。ここで a_0, ..., a_n の最大公約数は 1 であり、
a_0 > 0 である。

f(X) は θ により一意に決まる。

f(X) の判別式を θ の判別式という。

ここで f(X) の判別式について復習しよう。

f(X) の根を θ_0, ..., θ_(n-1) とする。

f(X) の根の差積をΔとする。つまり Δ = Π(θ_i - θ_j) である。
ここで積は i < j となる対 (i, j) 全体を動く。

D = Δ^2 は θ_0, ..., θ_(n-1) の対称式だから f(X) の係数の
多項式で表せる。よって D は有理整数である。

D を f(X) の判別式という。

277 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/17(日) 20:10:58 ]
A を環とする。

x と y を A の元を成分とする n 次の列ベクトルとしたとき
(x, y) は (x^t)y を表すとする。ここで x^t は x の転置であり、
x^t は行ベクトルになる。

S を A の元を成分とする n 次の対称行列とする。

2次形式 (x, Sx) = (x^t)Sx = (Sx, x)
を考える。これを S[x] と書く。

P を A の元を成分とする n 次の可逆正方行列とする。

x = Py と変数変換すると、

S[x] = (Py, SPy) = (Py)^t(SPy) = y^t(P^t)SPy =(y, (P^t)SPy)
= (P^t)SP[y]

det((P^t)SP) = det(P)^2 det(S) である。

278 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/17(日) 21:01:58 ]
>>276
>ここで a_0, ..., a_n の最大公約数は 1 であり、
>a_0 > 0 である。

a_0 > 0 の条件をつけない場合もある。
この場合 f(X) の係数は符号を除いて決まる。
さらに f(X) の判別式は根の差積 Δ の平方だから
θ により一意に決まる。

279 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/17(日) 22:12:29 ]
定義
有理整数係数の2元2次同次多項式

f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2

を2元2次形式、略して、2次形式という。

gcd(a, b, c) = 1 のとき f を原始的という。

D = b^2 - 4ac を f の判別式という。

280 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/17(日) 22:40:30 ]
2次形式

f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2

に一次変換

x = pu + qv
y = ru + sv

を施して

f(pu + qv, ru + sv) = ku^2 + luv + mv^2

とする。
ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = ±1 である。

k = ap^2 + bpr + cr^2
l = 2apq + b(ps + qr) + 2crs
m = aq^2 + bqs + cs^2

である。

281 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/17(日) 23:09:27 ]
>>280 のつづき

f(x, y) の判別式を D とする。

A を2次の正方行列 (a, b/2)/(b/2, c) とする。
行列の記法 (a, b)/(c, d) については >>196 を参照。

B = (k, l/2)/(l/2, m) とおく。

P = (p, q)/(r, s) とおく。

P の転置行列 P^t は (p, r)/(q, s) である。

>>277 より

B = (P^t)AP である。

よって det(B) = det(P)^2 det(A) である。

det(P) = ps - qr = ±1

だから
det(B) = det(A) である。

よって km - l^2/4 = ac - b^2/4
よって l^2 - 4km = b^2 - 4ac = D

282 名前:132人目の素数さん [2006/12/17(日) 23:26:42 ]
命題

>>280 において

gcd(a, b, c) = gcd(k, l, m) である。

証明
a, b, c で生成される有理整数環のイデアルを I とする。
k, l, m で生成される有理整数環のイデアルを J とする。

k = ap^2 + bpr + cr^2
l = 2apq + b(ps + qr) + 2crs
m = aq^2 + bqs + cs^2

より J ⊂ I である。

一次変換

x = pu + qv
y = ru + sv

は可逆だから

2次形式 g(u, v) = ku^2 + luv + mv^2
にこの逆一次変換を作用させて f(x, y) を得ることが出来て、
a, b, c を k, l, m の式で表せる。

よって I ⊂ J である。
証明終

283 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/17(日) 23:29:43 ]
>>282 に名前を入れるのを忘れた。
将来の検索の便宜のために注意しておく。

284 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/18(月) 19:44:58 ]
2次の代数的数(>>276)のことを2次の無理数ともいう。

285 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/18(月) 19:46:12 ]
GL_n(Z) で有理整数を成分とする n 次の正方行列で可逆なものの
なす群を表す。

g ∈ GL_n(Z) であるためには det(g) = ±1 が必要十分である。

GL_2(Z) の元は C ∪ {∞} に一次分数変換として作用する(>>196)。



286 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/18(月) 19:49:21 ]
命題
θ を2次の無理数(>>284)とする。
τ = g(θ) とする。ここで g は GL_2(Z) (>>285) の元である。
このとき τ も2次の無理数であり、θ と同じ判別式(>>276)をもつ。

証明
aθ^2 + bθ + c = 0 とする。
ここで a, b, c は有理整数で gcd(a, b, c) = 1 である。

D = b^2 - 4ac は θ の判別式である。
θ は2次の無理数だから D は平方数ではない。

2次形式 f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を考える。

g の逆行列を h = (p, q)/(r, s) とする。
θ = h(τ) = (pτ + q)/(rτ + s) である。

g(u, v) = f(pu + qv, ru + sv) = kx^2 + lxy + my^2
とすると、>>281 より D = l^2 - 4km である。

μ = pτ + q
ν = rτ + s
とおく。

θ = μ/ν だから
a(μ/ν)^2 + b(μ/ν) + c = 0
aμ^2 + bμν + cν^2 = 0
よって f(μ, ν) = g(τ, 1) = 0

よって g(τ, 1) = lτ^2 + mτ + n = 0
D = l^2 - 4km は平方数ではないから τ は2次の無理数である。
証明終

287 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/18(月) 19:56:08 ]
2次体 Q(√m) の判別式を D とする。
θ を判別式 D の2次の無理数とする。

aθ^2 + bθ + c = 0 とする。
ここで a, b, c は有理整数で gcd(a, b, c) = 1 である。
さらに a > 0 とする。

D = b^2 - 4ac である。
θ = (-b ± √D)/2a であるが θ = (-b + √D)/2a と仮定する。

a(aθ^2 + bθ + c) = a^2θ^2 + abθ + ac = 0
だから
(aθ)^2 + b(aθ) + ac = 0

よって aθ は代数的整数である。
aθ = (-b + √D)/2 だから aθ ∈ Q(√m) である。

m ≡ 1 (mod 4) のとき
(-b + √D)/2 = (-b - 1 + 1 + √m)/2 = (-b - 1)/2 + ω

m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) のとき
(-b + √D)/2 = (-b + 2√m)/2 = -b/2 + ω

いずれの場合でも aθ = r + ω の形である。
r = aθ - ω は有理数で代数的整数でもあるから、有理整数である
(前スレ3の158より有理整数環は整閉である)。

(aθ)^2 + b(aθ) + ac = 0
だから N(aθ) = ac である。

よって [a, aθ] = [a, r + ω] は Q(√m) の原始イデアルである。

288 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/18(月) 19:59:48 ]
>>285

A を環としたとき GL_n(A) も同様に定義される。

g ∈ GL_n(A) であるためには det(g) が A の可逆元であることが
必要十分である。

289 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/18(月) 22:55:11 ]
補題
2次形式 f = a^x^2 + bxy + cy^2 の判別式が、ある2次体 Q(√m) の
判別式に等しいなら f は原始的(>>279)である。

証明
2次体 Q(√m) の判別式を D とする。
仮定より、D = b^2 - 4ac である。

f が原始的でないとするとある有理整数 t > 1 があり、
a, b, c はそれぞれ t で割れる。よって D は t^2 で割れる。
D = (t^2)d とする。

m ≡ 1 (mod 4) のときは D = m であるから D は平方因子を含まない。
これは D = (t^2)d に反する。

よって m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) である。
この場合 D = 4m である。
m は平方因子を含まないから 2 で割れるとしても 4 では割れない。
よって t = 2 である。

b = 2e とする。
D = b^2 - 4ac = 4(e^2 - ac)
よって e2 - ac = m である。

ac ≡ 0 (mod 4) だから m ≡ e^2 (mod 4)
よって
m ≡ 0 (mod 4) または m ≡ 1 (mod 4)
である。これは矛盾である。
証明終

290 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/18(月) 23:04:49 ]
>>289
>m は平方因子を含まないから 2 で割れるとしても 4 では割れない。

m ≡ 0 (mod 4) でないことは
m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) からもわかる。

291 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/18(月) 23:17:34 ]
補題
有理整数係数の2次多項式 f(X) = aX^2 + bX + c の判別式が、
ある2次体 Q(√m) の判別式に等しいなら gcd(a, b, c) = 1 である。

証明
>>289 と同様である。

292 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/18(月) 23:26:20 ]
命題
I = [a, r + ω] を2次体 Q(√m) の原始イデアルの標準基底による
表示とする。

θ = (r + ω)/a とおく。
θ は2次無理数であり、その判別式は Q(√m) の判別式と一致する。

証明
Q(√m) の判別式を D とする。

θ が有理数なら ω = aθ - r が有理数になり矛盾である。
θ ∈ Q(√m) だから θ は2次無理数である。

β = r + ω とおく。仮定より N(r + ω) = ββ ' は a で割れる。

f(X) = a(X - θ)(X - θ ') とおく。

f(X) = a(X - β/a)(X - β '/a) = aX^2 -(β + β ')X + ββ '/a

b = -(β + β ')
c = ββ '/a
とおくと b と c は有理整数」であり、f(X) = aX^2 + bX + c である。

f(X) の判別式は (β + β ')^2 - 4ββ ' = (β - β ')^2
= (ω - ω ')^2 = D である。

>>290 より gcd(a, b, c) = 1 である。
よって θ の判別式は D である。
証明終

293 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/19(火) 22:18:56 ]
定義
2次形式(>>279) f(x, y) = a^x^2 + bxy + cy^2 の判別式 D が
平方数でなく D < 0 とする。

a > 0 のとき f は正定値であるという。
a < 0 のとき f は負定値であるという。

D は平方数でないから a ≠ 0 であることに注意する。

294 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/19(火) 22:28:43 ]
>>293
>a^x^2 + bxy + cy^2

ax^2 + bxy + cy^2

295 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/19(火) 22:42:50 ]
補題
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を正定値(>>293)の2次形式とする。

(u, v) を 直積 Z × Z の元とすれば f(u, v) ≧ 0 であり、
f(u, v) = 0 となるのは (u, v) = (0, 0) のときに限る。

証明
f(x, y) の判別式を D とする。
f(x, y) は正定値だから D < 0 かつ a > 0 である(>>293)。

af(x, y) = a^2x^2 + abxy + acy^2

= (ax + by/2)^2 + acy^2 - (b^2/4)y^2

= (ax + by/2)^2 + (4ac - b^2)y^2/4

= (ax + by/2)^2 + |D|y^2/4

これから補題の主張は直に出る。

証明終



296 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/20(水) 12:51:50 ]
補題
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を負定値(>>293)の2次形式とする。

(u, v) を 直積 Z × Z の元とすれば f(u, v) ≦ 0 であり、
f(u, v) = 0 となるのは (u, v) = (0, 0) のときに限る。

証明
>>295 の証明より

af(x, y) = (ax + by/2)^2 + |D|y^2/4

これより補題の主張は明らか。

証明終

297 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/20(水) 12:54:09 ]
命題
2次形式 f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 に一次変換

x = pu + qv
y = ru + sv

を施して

g(u, v) = f(pu + qv, ru + sv) = ku^2 + luv + mv^2

とする。

ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = ±1 である。

f(x, y) が正定値(>>293)であるためには g(u, v) が正定値であること
が必要十分である。

証明
>>281 より f と g の判別式は同じである。

一次変換
x = pu + qv
y = ru + sv
は可逆だから (u, v) に (x, y) を対応させることにより
集合としての直積 Z × Z の自己同型写像が得られる。

これと >>295>>296 からわかる。
証明終

298 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/20(水) 15:34:52 ]
命題
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を正定値(>>293)の2次形式とする。
さらに f = f(x, y) の判別式が、ある2次体 Q(√m) の判別式 D に
等しいとする。

f に一次変換
x = pu + qv
y = ru + sv
を施して

g(u, v) = f(pu + qv, ru + sv) = ku^2 + luv + mv^2

とする。 ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = 1 である。

このとき [a, (-b + √D)/2] と [k, (-l + √D)/2] は Q(√m) の
原始イデアルであり、同じイデアル類に属す。

299 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/20(水) 15:37:57 ]
>>298 の証明

D < 0 だから Q(√m) は虚2次体である。
θ = (-b + √D)/2a とおく。θ は ax^2 + bx + c = 0 の根である。

ここで、>>273 と同様に √D = √|D| √(-1) とする。
a > 0 だから θ は複素上半平面にある。

>>287 より [a, (-b + √D)/2] は Q(√m) の原始イデアルである。

行列 (p, q)/(r, s) の逆行列は (s, -q)/(-r, p) である。
τ = (sθ - q)/(-rθ + p) とおく。
θ = (pτ + q)/(rτ + s) である。

>>198 より Im(τ) = Im(θ)/|-rθ + p|^2 だから
τ も複素上半平面にある。

aθ^2 + bθ + c = 0 より

a(pτ + q)^2 + b(pτ + q)(rτ + s) + c(rτ + s)^2 = 0

この左辺は f(pτ + q, rτ + s) = g(τ, 1) = kτ^2 + lτ + m
である。

>>297 より g(u, v) は正定値だから、k > 0 である。
よって τ が複素上半平面にあることから τ = (-l + √D)/2k で
でなければならない。

>>287 より [k, (-l + √D)/2] は Q(√m) の原始イデアルである。
>>195 より [a, (-b + √D)/2] と [k, (-l + √D)/2] は、
Q(√m) の同じイデアル類に属す。
証明終

300 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/20(水) 15:54:09 ]
>>194 において Q(√m) が虚2次体のとき、>>273 より
θ と ψ は複素上半平面にある。

>>274 より Im(θ) = (ps - qr)Im(ψ )/|rψ + s|^2

よって ps - qr = 1 である。

301 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/20(水) 16:05:53 ]
I = [a, b + cω] を2次体 Q(√m) のイデアルの標準基底による
表示とする(>>16)。

a と b は c で割れるから a = ce、b = cr とすると、

I = c[e, r + ω] となる。[e, r + ω] は原始イデアルである。

(b + cω)/a = (r + ω)/e である。

302 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/20(水) 16:17:06 ]
定義
2次形式 f と g は ps - qr = 1 となる有理整数 p, q, r, s があり、

g(x, y) = f(px + qy, rx + sy)

となるとき、同値であるという。

303 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/20(水) 16:36:36 ]
定義
Q(√m) を虚2次体とする。その判別式を D とする。
Q(√m) のイデアル類群(>>193)を Cl(D) と書く。

判別式 D の正定値2次形式を >>302 の同値関係で類別した同値類の
集合を F+(D) と書く。

F+ の元からその任意の代表 f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 をとる。

>>287 より [a, (-b + √D)/2] は Q(√m) の原始イデアルである。

>>298 より、このイデアルの属すイデアル類は f(x, y) の取り方に
よらない。

よって F+(D) から Cl(D) への写像が定まる。
この写像を Φ+ と書く。

304 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/20(水) 17:08:22 ]
命題
>>303 の写像 Φ+ は単射である。

証明
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 と g(x, y) = kx^2 + lxy + my^2
を 判別式 D の正定値2次形式とする。
さらに [a, (-b + √D)/2] と [k, (-l + √D)/2] が同じイデアル類に
属すとする。

θ = (-b + √D)/2a
τ = (-l + √D)/2k とおく。

>>300 より ps - qr = 1 となる有理整数 p, q, r, s があり、
θ = (pτ + q)/(rτ + s) となる。
aθ^2 + bθ + c = 0 だから
a(pτ + q)^2 + b(pτ + q)(rτ + s) + c(rτ + s)^2 = 0
この左辺は f(pτ + q, rτ + s) である。

f(px + qy, rx + sy) を x, y の2次形式とみたものを h(x, y) とする。
>>297 より h(x, y) は正定値である。
>>281 より h(x, y) の判別式は D だから >>289 より h(x, y) は
原始的である。

h(τ, 1) = 0 だから h(x, 1) は τ を根とする2次式で、その係数
の最大公約数が 1 かつ最高次の係数が正であり τ により
一意に決まる(>>276)。

一方 τ = (-l + √D)/2k は kx^2 + lx + m の根でもあるから
g(x, y) = h(x, y) である。
証明終

305 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/20(水) 17:33:53 ]
命題
>>303 の写像 Φ+ は全射である。

証明
I = [a, b + cω] を2次体 Q(√m) のイデアルの標準基底による
表示とする(>>16)。

>>301 より I = c[e, r + ω] となり、
(b + cω)/a = (r + ω)/e である。

θ = (r + ω)/e とおく。

>>292 よりθ は2次無理数であり、
その判別式は D である。

よって aθ^2 + bθ + c = 0 となる。
ここで a, b, c は有理整数で gcd(a, b, c) = 1、a > 0、
b^2 - 4ac = D である。

θ は複素上半平面にあるから θ = (-b + √D)/2a である。
よって >>287 より [a, (-b + √D)/2] は Q(√m) の原始イデアル
である。

>>195 より [a, (-b + √D)/2] と [e, r + ω] は
Q(√m) の同じイデアル類に属す。

よって、写像 Φ+ により f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 の
属す F+ の類が I の属すイデアル類に対応する。
証明終



306 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2006/12/20(水) 18:38:43 ]
これって何の本を参考にされてるんですか?

307 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/20(水) 19:12:31 ]
>>306

主に高木の初等整数論講義です。
しかし、この本のこのあたりはあまり整理されていない。
2次形式もあまり表だっては使われていない。

2次形式まわりの定義(特に正定値2次形式)については Zagier の
数論入門(岩波) を参考にしました。
しかし、この本はこのあたりの証明はほとんど書いてないので
定義以外はあまり参考にならない。

写像 Φ+ の定義については Zagier と前に言及した Cohen の
A course in computational algebraic number thery
を参考にしました。

しかし、この本にも証明はほとんど書いてないです。

308 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2006/12/20(水) 19:30:04 ]
>>307
ありがと。
Zagierはちょうど図書館から借りてるところだったので、暇なときに読んでみる

309 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/20(水) 22:58:18 ]
正定値というのは positive definite の訳ですが誤解を与える
かもしれない。
正値のほうがいいかもしれない。

310 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/21(木) 09:34:58 ]
命題
Q(√m) を虚2次体とする。その判別式を D とする。
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の正定値(>>293)の
2次形式とする。

f に一次変換
x = pu + qv
y = ru + sv
を施して
g(u, v) = f(pu + qv, ru + sv) = ku^2 + luv + mv^2
とする。 ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = 1 である。

θ = (b + √D)/2a
τ = (-l + √D)/2k
とおくと
θ = (pτ + q)/(rτ + s) である。

証明
kτ^2 + lτ + m = 0 だから
g(τ, 1) = f(pτ + q, rτ + s) = 0
よって
a(pτ + q)^2 + b(pτ + q)(rτ + s) + c(rτ + s)^2 = 0

この式の両辺を (rτ + s)^2 で割ると

aμ^2 + bμ + c = 0
となる。ここで μ = (pτ + q)/(rτ + s) とおいた。

a > 0 であり、μ は複素上半平面にあるから
μ = (b + √D)/2a である。
よって θ = μ である。
証明終

311 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/21(木) 09:56:24 ]
定義
Q(√m) を虚2次体とする。その判別式を D とする。

複素上半平面にある判別式 D の2次の無理数(>>276) の SL_2(Z) の
作用での同値類の集合を H(D) と書く。

F+(D) (>>303) の元からその任意の代表 f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2
をとる。 (-b + √D)/2a は複素上半平面にある判別式 D の2次の
無理数である。

>>310 より (-b + √D)/2a の属す H(D) の同値類は f(x, y) の属す
F+(D) の同値類のみで決まる。

よって F+(D) から H(D) への写像が定まる。
この写像を Ψ+ と書く。

312 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/21(木) 09:58:46 ]
命題
>>311 の写像 Ψ+ は単射である。

証明
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 と g(x, y) = kx^2 + lxy + my^2
を 判別式 D の正定値2次形式とする。
さらに
θ = (-b + √D)/2a
τ = (-l + √D)/2k
とおいたとき

θ = (pτ + q)/(rτ + s)
とする。ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = 1 である。

aθ^2 + bθ + c = 0 だから
a(pτ + q)^2 + b(pτ + q)(rτ + s) + c(rτ + s)^2 = 0

この左辺は f(pτ + q, rτ + s) である。

f(px + qy, rx + sy) を x, y の2次形式とみたものを h(x, y) とする。
>>297 より h(x, y) は正定値である。
>>281 より h(x, y) の判別式は D だから >>289 より h(x, y) は
原始的である。

h(τ, 1) = 0 だから h(x, 1) は τ を根とする2次式で、その係数
の最大公約数が 1 かつ最高次の係数が正であり τ により
一意に決まる(>>276)。

一方 τ = (-l + √D)/2k は kx^2 + lx + m の根でもあるから
g(x, y) = h(x, y) である。
証明終

313 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/21(木) 10:09:09 ]
命題
>>311 の写像 Ψ+ は全射である。

証明
H(D) の任意の類からその代表 θ を取る。
θ は複素上半平面にある判別式 D の2次の無理数である。

aθ^2 + bθ + c = 0 とする。
ここで a, b, c は有理整数で gcd(a, b, c) = 1、a > 0、
b^2 - 4ac = D である。

f = ax^2 + bxy + cy^2 は判別式 D の正定値2次形式である。
f の属す F+(D) の類に θ の属す H(D) の類が対応する。
証明終

314 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/21(木) 11:22:09 ]
>>304>>305 より
集合 F+(D) と Cl(D) の間に全単射が存在し、

>>312>>313 より
F+(D) と H(D) の間に全単射が存在することが分かった。

315 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/21(木) 11:28:33 ]
Q(√m) を虚2次体とする。その判別式を D とする。
θ を複素上半平面にある判別式 D の2次の無理数とする。

>>267 の (1) より θ は >>253 の G の点と SL_2(Z) の作用で
同値である。

θ ∈ G となる条件を求めよう。

aθ^2 + bθ + c = 0 とする。
ここで a, b, c は有理整数で gcd(a, b, c) = 1、a > 0、
b^2 - 4ac = D である。

θ = (-b + √D)/2a である。

>>257 より (√|D|)/2a ≧ (√3)/2
よって
(√|D|) ≧ a√3
よって
a ≦ √(|D|/3)

よって a の取りうる値は有限である。

他方
|b/2a| ≦ 1/2 だから |b| ≦ a である。
よって b の取りうる値も有限である。

b^2 -4ac = D だから a と b が決まれば c も決まる。

以上から H(D) は有限集合であることが分かった。
>>314 よりイデアル類群 Cl (D) の位数も有限である。



316 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/21(木) 12:01:51 ]
定義
Q(√m) を虚2次体とする。その判別式を D とする。
>>315 より Q(√m) のイデアル類群 Cl (D) の位数は有限である。
これを Q(√m) の類数と呼び、h(D) と書く。

317 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/21(木) 12:05:57 ]
問題
Q(√(-5) の類数 h(-20) を >>315 を使って求めよ。
さらにイデアル類群 Cl (-20) の各類の代表となる原始イデアルを
求めよ。

318 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/21(木) 13:09:45 ]
問題
m が -1, -2, -3, -7, -11, -19, -43, -67, -163 のとき
Q(√(−m)) の類数は1であることを証明せよ。

m の値が異なる毎に答えのレスを変えること。

319 名前:132人目の素数さん [2006/12/22(金) 14:56:54 ]
与えられた類数を持つ虚二次体って有限個なの?

320 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/22(金) 15:31:19 ]
定義
Q(√m) を虚2次体とし、その判別式を D とする。

f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D で正定値(>>293)の
2次形式とする。

G を >>253 で定義した集合とする。
つまり

G = { z ∈ H ; -1/2 ≦ Re(z) < 1/2 かつ |z| ≧ 1 で
|z| = 1 のときは -1/2 ≦ Re(z) ≦ 0 }

(-b + √D)/2a が G に属すとき f(x, y) を簡約2次形式と呼ぶ。

321 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/22(金) 16:26:24 ]
命題
Q(√m) を虚2次体とし、その判別式を D とする。
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の正定値(>>293)の
2次形式とする。

f(x, y) が簡約2次形式(>>320)であるためには

|b| ≦ a ≦ c であり、
|b| = a または a = c のときは b ≧ 0 となることが必要十分である。

証明
θ = (-b + √D)/2a が >>253 で定義した集合 G に属すとする。

G = { z ∈ H ; -1/2 ≦ Re(z) < 1/2 かつ |z| ≧ 1 で
|z| = 1 のときは -1/2 ≦ Re(z) ≦ 0 }
である。

Re(θ) = -b/(2a) だから -1/2 ≦ -b/(2a) < 1/2 である。
したがって -a ≦ -b < a
よって |b| ≦ a
|b| = a のときは a = b である。

他方、 D = b^2 - 4ac に注意して、
|θ|^2 = (b^2 + |D|)/4a^2 = (b^2 + |D|)/4a^2 = 4ac/4a^2 = c/a

|θ| ≧ 1 であるためには a ≦ c が必要十分である。

|θ| = 1 つまり a = c のときは -1/2 ≦ -b/(2a) ≦ 0
よって -a ≦ -b ≦ 0
つまり a ≧ b ≧ 0
証明終

322 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/22(金) 20:01:00 ]
>>319

そうです。

もっと一般に与えられた次数と類数を持つ有理数体の虚アーベル拡大体
も有限個です。

この証明は、例えば Narkiewicz の
Elementary and analytic theory of algebraic numbers
に載っています。

323 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/22(金) 20:42:34 ]
Lecture Notes on Algebraic Number Theory

ttp://www.fen.bilkent.edu.tr/~franz/LN/LN-ant.html

324 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/22(金) 21:11:15 ]
命題
Q(√m) を虚2次体とし、その判別式を D とする。

f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の正定値(>>293)の
2次形式とする。

f に (-b + √D)/2a を対応させることにより、

判別式 D の正定値(>>293)の2次形式と、複素上半平面にある
判別式 D の2次無理数(>>276)とは1対1に対応する。

証明
判別式 D の正定値(>>293)の2次形式の集合を PF(D) と書く。
複素上半平面にある判別式 D の2次無理数の集合を HQ(D) と書く。

f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 が判別式 D の正定値2次形式なら

θ = (-b + √D)/2a は複素上半平面にある判別式 D の2次無理数
である。

従って φ(f) = θ により写像 φ : PF(D) → HQ(D) が定まる。

逆に、θ が複素上半平面にある判別式 D の2次無理数なら、
>>276 より aθ^2 + bθ + c = 0 となる。
ここで a, b, c は有理整数で gcd(a, b, c) = 1 かつ a > 0 である。

>>276 より a, b, c は θ により一意に決まる。

θ に ax^2 + bxy + cy^2 を対応させれば、これが φ の逆写像である。
証明終

325 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/22(金) 21:53:50 ]
Q(√m) を虚2次体とし、その判別式を D とする。

f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の正定値(>>293)の
2次形式とする。

θ = (-b + √D)/2a とおく。
θ は複素上半平面にある判別式 D の2次無理数である。

(p, q)/(r, s) ∈ SL_2(Z) のとき
τ = (sθ - q)/(-rθ + p) とおくと、>>286 より τ は判別式 D の
2次無理数である。

>>198 より Im(τ) = Im(θ)/|-rθ + p|^2 だから τ は
複素上半平面にある

θ = (pτ + q)/(rτ + s) である。

g(u, v) = f(pu + qv, ru + sv) = ku^2 + luv + mv^2 とする。

aθ^2 + bθ + c = 0 より

a(pτ + q)^2 + b(pτ + q)/(rτ + s) + c(rτ + s)^2 = 0 となる。

この左辺は f(pτ + q, rτ + s) = kτ^2 + lτ + m である。

>>281 より g(u, v) = ku^2 + luv + mv^2 の判別式は D であり、
>>297 より g は正定値2次形式である。よって k > 0 である。

よって τ = (-l + √D)/2k である。

以上を簡潔にまとめると
f に θ が対応するなら g には τ が対応する。



326 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/22(金) 22:43:34 ]
G を >>253 で定義した集合とする。

複素上半平面にある判別式 D の2次無理数 θ が与えられたとき
それと SL_2(Z) の作用に関して同値な2次無理数で G の点となるもの
を有限回の手続きで求める方法を述べる。

>>269 より SL_2(Z) は S = (1, 1)/(0, 1) と T = (0, -1)/(1, 0) で
生成される。

以下のアルゴリズムを考える。

(1) -1/2 ≦ Re(θ) < 1/2 なら (2) にいく。
-1/2 ≦ Re(θ) < 1/2 でなければ
θ に一次分数変換 S^(n)(θ) = θ + n を施すことにより
τ = θ + n を -1/2 ≦ Re(τ) < 1/2 と出来る。
θ = τ とおく。

(2) |θ| < 1 なら τ = T(θ) = -1/θ とすると |τ| > 1 となる。
θ = τ とおいて、(1) にいく。

|θ| > 1 なら終了。

|θ| = 1 なら (3) にいく。

(3) -1/2 ≦ Re(θ) ≦ 0 なら終了。

0 < Re(θ) < 1/2 なら τ = T(θ) = -1/θ とすると
|τ| = 1 で -1/2 < Re(τ) < 0 となるので θ = τ と
おいて終了。

327 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/22(金) 23:36:32 ]
補題
a と b を有理整数として a > 0 とする。

-a ≦ 2ak + b < a となる有理整数 k が一意に存在する。

証明
有理整数の割り算の剰余定理の一種だが、改めて証明しよう。

集合 { n ∈ Z ; 2an ≦ b } の最大値を m とする。

2am ≦ b < 2a(m + 1) = 2am + 2a だから区間 [2am, 2am + 2a) を
2等分して
2am ≦ b < 2am + a または 2am + a ≦ b < 2am + 2a である。

前者の場合 0 ≦ b - 2am < a
後者の場合 -a ≦ b - 2a(m + 1) < a
よって k = -m または k = -(m + 1) とおけばよい。

一意性の証明が残っている。
-a ≦ 2ak + b < a かつ -a ≦ 2al + b < a とする。

-a < -2al - b ≦ a だから
-2a < 2a(k - l) < 2a となる。
対称的に -2a < 2a(l - k) < 2a となる。

よって 2a|k - l| < 2a だから |k - l| < 1 となる。
k と l は有理整数だから k = l である。
証明終

328 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/22(金) 23:46:51 ]
>>326 のアルゴリズムが有限回で終わることを証明しよう。

そのため >>326 のアルゴリズムを正定値2次形式の簡約アルゴリズムに
翻訳する。

Gauss に倣って簡単のために、2次形式 ax^2 + bxy + cy^2 を
(a, b, c) と書くことにする。

いつものように Q(√m) を虚2次体とし、その判別式を D とする。
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の正定値(>>293)の
2次形式とする。

n を有理整数として f に S^n = (1, n)/(0, 1) を作用させと、

x = u + nv
y = v
とおいて、

f(u + nv, v) = a(u + nv)^2 + b(u + nv)v + cv^2
= au^2 + (2an + b)uv + (an^2 + bn + c)v^2
= (a, 2an + b, an^2 + bn + c)

f に T = (0, -1)/(1, 0) を作用させると、

x = -v
y = u
とおいて

f(-v, u) = av^2 - buv + cu^2 = (c, -b, a)

329 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/23(土) 00:14:09 ]
以下のアルゴリズムを考える。

(1)
-a ≦ -b < a なら (2) にいく。
-a ≦ -b < a でなければ

(a, b, c) に S^(n) を施すことにより
(a, 2an + b, an^2 + bn + c) となる(>>328)。

ここで -a ≦ -2an - b < a となるように n をとっておく(>>327) 。

(a, 2an + b, an^2 + bn + c) を改めて (a, b, c) とおく。

(2)
a < c なら終了。

a = c なら (3) にいく。

a > c なら
(a, b, c) に T を施すことにより (c, -b, a) となる(>>328)。

(c, -b, a) を改めて (a, b, c) とおき、(1) にいく。

(3)
b ≧ 0 なら終了。

b < 0 なら (a, b, c) に T を施すことにより (c, -b, a) となる。

(c, -b, a) を改めて (a, b, c) とおき、終了。

330 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/23(土) 00:40:24 ]
>>329 の (1) において |b| > a のとき、
(a, b, c) に S^(n) を施して
(a ', b ', c ') = (a, 2an + b, an^2 + bn + c) となり、
-a ≦ b ' < a となる。よって |b '| ≦ a である。
つまり |b| は、少なくとも 1 減少する。

-b = a のときも (a, b, c) に S^(n) を施すが、
このときも -a ≦ -b ' < a となり |b| は、少なくとも 1 減少する。

(2) と (3) において |b| は変化しない。

以上から >>329 のアルゴリズムは有限回で終わる。
したがって、それと同値な >>326 のそれも有限回で終わる。

331 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/23(土) 00:57:37 ]
訂正

>>330
>-b = a のときも (a, b, c) に S^(n) を施すが、
>このときも -a ≦ -b ' < a となり |b| は、少なくとも 1 減少する。

-b = a のときも (a, b, c) に S^(n) を施すが、
このときは -a = -b ' となり |b| は変化しない。

332 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/23(土) 01:08:43 ]
>>327
>対称的に -2a < 2a(l - k) < 2a となる。

この行は不要なので削除。

333 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/23(土) 01:33:37 ]
>>329 の簡約アルゴリズムは |b| = a または a = c の場合を
考慮するのでやや面倒である。
これを軽減するため以下の定義をする。

定義
Q(√m) を虚2次体とし、その判別式を D とする。

f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D で正定値(>>293)の
2次形式とする。

[D] を >>253 で定義した集合とする。
つまり
[D] = { z ∈ H ; |Re(z)| ≦ 1/2 かつ |z| ≧ 1 } である。

(-b + √D)/2a が [D] に属すとき f(x, y) を広義の簡約2次形式と呼ぶ。

334 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/23(土) 01:47:23 ]
命題
Q(√m) を虚2次体とし、その判別式を D とする。
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の正定値(>>293)の
2次形式とする。

f(x, y) が広義の簡約2次形式(>>333)であるためには

|b| ≦ a ≦ c となることが必要十分である。

証明
>>321 の証明から明らか。

335 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/23(土) 01:48:39 ]
Q(√m) を虚2次体とし、その判別式を D とする。

以下のアルゴリズムは判別式 D の任意の正定値2次形式 (a, b, c)
を広義の簡約2次形式(>>333)に変形する。

(1)
|b| ≦ a なら (2) にいく。

|b| > a なら
(a, b, c) に S^(n) を施すことにより
(a, 2an + b, an^2 + bn + c) となる(>>328)。

ここで -a ≦ -2an - b < a となるように n をとっておく(>>327) 。

(a, 2an + b, an^2 + bn + c) を改めて (a, b, c) とおく。

|b| ≦ a となっている。

(2)
a ≦ c なら終了。

a > c なら
(a, b, c) に T を施すことにより (c, -b, a) となる(>>328)。

(c, -b, a) を改めて (a, b, c) とおき、(1) にいく。



336 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/23(土) 01:54:06 ]
>>335 の (1) において |b| > a なら、(a, b, c) に S^(n) を施して
|b| ≦ a と出来る。
つまり |b| は、少なくとも 1 減少する。

(2) において |b| は変化しない。

以上から >>335 のアルゴリズムは有限回で終わる。

337 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/23(土) 02:20:08 ]
広義の簡約2次形式を狭義つまり >>320 で定義した簡約2次形式に
変形するのは簡単である。

(a, b, c) を広義の簡約2次形式とする。

|b| = a で b < 0 なら -b = a である。

(a, b, c) に 変換 S = (1, 1)/(0, 1) を施すことにより
(a, 2a + b, a + b + c) となる(>>328)。

ここで 2a + b = a である。
a + b + c = c である。

よって (a, 2a + b, a + b + c) = (a, a, c) は狭義の簡約2次形式
である。

今度は a = c で b < 0 とする。
(a, b, a) に T = (0, -1)/(1, 0) を施すことにより
(a, -b, a) となる(>>328)。

これは狭義の簡約2次形式である。






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