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代数的整数論



1 名前:132人目の素数さん [2005/09/12(月) 16:30:31 ]
代数的整数論に関するスレッドです。

194 名前:208 [2005/10/03(月) 16:45:49 ]
A を環、Mを A-加群、
N, L を M の部分加群とする。
S を A の積閉集合とする。
M_S の部分加群として、(N ∩ L)_S = N_S ∩ L_S となる。

証明
完全列
0 → N ∩ L → M → M/N + M/L(直和)
より、完全列
0 → (N ∩ L)_S → M_S → M_S/N_S + M_S/L_S(直和)
が得られる(>>86)。
証明終

195 名前:208 [2005/10/03(月) 17:13:36 ]
A をネーター環とし、Mを A-加群、
Q を M の準素部分加群、Ass(M/Q) = {p} とする。
S を A の積閉集合とする。p ∩ S が空なら、Q_S は M_S の
準素部分加群であり、Ass(M_S/Q_S) = {pA_S} となる。
さらに、φ^(-1)(Q_S) = Q となる。ここで、φ: A → A_S は
標準射。
p ∩ S が空でないなら Q_S = M_S となる。

証明
p ∩ S が空とする。
>>95より、
Ass(M_S/Q_S) = Ass(M/Q) ∩ Spec(A_S) となる。
よって、Ass(M_S/Q_S) = {pA_S} となる。
s ∈ S、x ∈ M、 sx ∈ Q とする。>>180より s は
M/Q に関して正則元だから x ∈ Q となる。
これは、φ^(-1)(Q_S) = Q を意味する。

次に、p ∩ S が空でないとする。
Ass(M_S/Q_S) = Ass(M/Q) ∩ Spec(A_S) は空となるから、
M_S/Q_S = 0 である。
証明終

196 名前:208 [2005/10/03(月) 17:31:40 ]
A をネーター環とし、Mを A-加群、
N = Q_1 ∩ Q_2 ... ∩ Q_n を M の部分加群 N の最短準素分解
各i に対して {p_i} = Ass(M/Q_i)、
S を A の積閉集合とする。
0 < r < n, i = 1, ... , r に対して
p_i ∩ S は空、j = r+1, ... , n に対して p_j ∩ S は空でない
とする。このとき、N_S = (Q_1)_S ∩ (Q_2)_S ... ∩ (Q_r)_S
となり、これは N_S の M_S における最短準素分解である。

証明
>>194>>195より。
証明終

197 名前:208 [2005/10/03(月) 17:44:20 ]
>>195
>ここで、φ: A → A_S は標準射。

ここで、φ: M → M_S は標準射。

198 名前:208 [2005/10/03(月) 17:45:20 ]
A をネーター環とし、Mを A-加群、
N = Q_1 ∩ Q_2 ... ∩ Q_n を M の部分加群 N の最短準素分解
各i に対して {p_i} = Ass(M/Q_i) とする。
ある i に対して p_i が極小素イデアルとすると、
Q_i = φ^(-1)(N_p_i) となる。よって、 Q_i は、N と p_i により
一意に決まる。
ここで、N_p_i は、いつものように積閉集合 S = A - p_i による局所化。
φ: M → M_p_i は標準射。
証明
>>196より。
証明終

199 名前:208 [2005/10/04(火) 11:25:15 ]
ネーター加群における準素加群分解(>>182)は、既約部分加群が
準素であるという事実(>>158または>>192)に基づいていた。
しかし、準素部分加群は既約とは限らない。既約とは限らない
準素部分加群による分解は次の結果から得られる。

命題
A をネーター環とし、Mを有限生成 A-加群とする。
p ∈ Ass(M) とすると、M の部分加群 N で、
Ass(M/N) = {p}, Ass(N) = Ass(M) - {p} となるものが存在する。

証明
Ass(M) = {p} なら命題は自明なので、Ass(M) ≠ {p} と仮定する。
M の部分加群 N で、Ass(N) に p を含まないものの中で極大なもの
とする。このようなものが存在することは、M がネーター加群である
ことからわかる。Ass(M) ⊂ Ass(N) ∪ Ass(M/N) だから、
p ∈ Ass(M/N) となる。q ∈ Ass(M/N) で p ≠ q となるものがある
とする。N ⊂ L で L/N が A/q と同型になるような部分加群 L が
存在する。Ass(L/N) = {q} で Ass(L) ⊂ Ass(N) ∪ Ass(L/N) だから
Ass(L) は p を含まない。これは N の極大性に反する。
よって、Ass(M/N) = {p} である。Ass(N) = Ass(M) - {p} は、これと
Ass(N) ⊂ Ass(M) および、Ass(M) ⊂ Ass(N) ∪ Ass(M/N) からわかる。
証明終

200 名前:208 [2005/10/04(火) 12:23:14 ]
A をネーター環とし、Mを有限生成 A-加群とする。
各 p ∈ Ass(M) に対して、M の部分加群 Q(p) で、
Ass(M/Q(p)) = {p}, Ass(Q(p)) = Ass(M) - {p} となる
とする(>>199)。
このとき、0 = ∩{Q(p); p ∈ Ass(M)} となり、
これは、0 の最短準素分解である。

証明
N = ∩{Q(p); p ∈ Ass(M)} とおく。Ass(N) ⊂ Ass(Q(p))
だから、Ass(N) は空である。よって N = 0 である(>>90)。
0 = ∩{Q(p); p ∈ Ass(M)} は最短準素分解である。
何故なら、もしあるp ∈ Ass(M) に対して
0 = ∩{Q(q); q ∈ Ass(M), q ≠ p} とすると、
M は、直和 ΣM/Q(q) に埋め込まれて、
Ass(M) ⊂ ∪Ass(M/Q(q)) となり矛盾する。
証明終

201 名前:208 [2005/10/04(火) 12:59:11 ]
A をネーター環とし、Mを有限生成 A-加群とする。
Ass(M) に属す素イデアル全体の共通集合は、Mに関してべき零
となる元全体からなる(>>178)。
Ass(M) に属す素イデアル全体の合併集合は、Mに関して非正則
な元全体からなる(>>180)。

特に、A を A-加群とみると、これは有限生成だから、
Ass(A) に属す素イデアル全体の共通集合は、A のべき零元全体と
一致する。つまり、Nil(A) である(>>163)。
Ass(A) に属す素イデアル全体の合併集合は、A の非零因子全体と
一致する。

202 名前:208 [2005/10/04(火) 17:50:56 ]
A をネーター環とし、Mを有限生成 A-加群とする。
M の部分加群 N が準素であるためには、M/N に関して非正則な
A の元は、M/N に関してべき零であることが必要十分である。

証明
>>181>>191より明らかだろう。



203 名前:208 [2005/10/04(火) 18:03:34 ]
命題
A を環、I, J を A のイデアル、p を A の素イデアルとし、
IJ ⊂ p とする。
このとき、 I ⊂ p または、J ⊂ p となる。

証明は明らかだろう。

204 名前:208 [2005/10/04(火) 18:18:37 ]
命題
A をネーター環とする。
Ass(A) = {p_1, p_2, ... , p_r} とする。
p を A の任意の素イデアルとすると、
ある i に対して p_i ⊂ p となる。

証明
A の零イデアルの最短準素分解を
0 = q_1 ∩ q_2 ∩ ... ∩ q_r とし、Ass(A/q_i) = {p_i} とする。
(q_1)(q_2)...(q_r) ⊂ q_1 ∩ q_2 ∩ ... ∩ q_r
だから、>>208 より、q_i ⊂ p となる i がある。
>>178より、p_i = rad(q_i) である。
よって、>>165より、(p_i)^(n) ⊂ q_i となる整数 n がある。
よって、(p_i)^n ⊂ p となる。
再び、>>208 より p_i ⊂ p となる。
証明終

205 名前:208 [2005/10/06(木) 11:39:25 ]
ネーター環において極小素イデアルは有限個しかないということは、
>>204からわかるが、これは、 A がネーター環のとき、Spec(A) の
閉部分集合全体が極小条件を満たすことからもわかる。
これを以下に説明する。

定義
位相空間 X が可約とは、 X = F_1 ∪ F_2 となる、X の閉部分集合
F_1, F_2 で X ≠ F_1, X ≠ F_2 となるものが存在することをいう。
空集合でない位相空間が可約でないとき既約という。

位相空間 X の部分集合 A が既約とは、A に部分空間としての位相を
いれたときに、既約なことをいう。

206 名前:208 [2005/10/06(木) 12:05:53 ]
u: A → B を環の射とすると、位相空間としての射
u~: Spec(B) → Spec(A) が、u~(p) = u^(-1)(p) で定まる。
u~が写像として定まり、連続であることを確かめるのは
読者にまかす。

u: A → A/Nil(A) を標準射とすると、
u~: Spec(A/Nil(A) ) → Spec(A) は、位相空間としての同型射となる。
これを確かめるのも、読者にまかす。
ここで、Nil(A) は A のべき零元の全体である(>>163)。
よって、Spec(A) の位相を考えるときは、Nil(A) = 0 と仮定してよい。

Nil(A) = 0 となるとき、A を被約という。

207 名前:208 [2005/10/06(木) 12:33:54 ]
空でない位相空間 X が既約なためには、X の任意の空でない開集合
が稠密であることが必要十分である。これは、2個の空でない開集合の
共通集合が空でないことと同値である。

208 名前:208 [2005/10/06(木) 12:40:21 ]
A を環とする。
Spec(A) の開集合は、D(f) (>>162) の形の開集合の合併集合になる。
よって、Spec(A) が既約なためには、任意の D(f) と D(g) が空で
なければ、D(f) ∩ D(g) = D(fg) が空でないことが必要十分である(>>207)。

D(f) が空であることと、f がベキ零であることは同値である(>>162)。
よって、A が被約なら、D(f) が空でないことは、f ≠ 0 と同値である。
よって、A が被約なら、Spec(A) が既約であることと、A が整域で
あることは、同値である。

これから、被約とは限らない A については、Spec(A) が既約であることと、
Nil(A) が素イデアルであることは同値である(>>206)。

209 名前:208 [2005/10/07(金) 10:16:08 ]
位相空間 X の空でない部分集合 E が既約なことと、以下の条件が成立つ
ことは同値である。

E ⊂ F_1 ∪ F_2 となる X の閉部分集合 F_1, F_2 があるとすると、
E ⊂ F_1 または E ⊂ F_2 となる。

証明は定義(>>205)から明らかだろう。

210 名前:208 [2005/10/07(金) 10:48:33 ]
位相空間 X の部分集合 E が既約なことと、その閉包 cl(E) が既約
なことは同値である。

証明
証明は>>209から明らかだろう。

211 名前:208 [2005/10/07(金) 10:50:59 ]
演習問題
ハウスドルフ空間が既約なのは、それが1点よりなる場合のみである。


212 名前:208 [2005/10/07(金) 11:12:55 ]
命題
位相空間 X の既約部分集合の集合 {E} が包含関係に関して全順序
集合となっているものとする。この合併集合 ∪E は既約である。

証明は>>209から明らかだろう。



213 名前:208 [2005/10/07(金) 11:48:58 ]
定義
位相空間 X の既約部分集合 E が包含関係に関して極大なとき、
つまり、E を真に含む既約部分集合が存在しないとき、
E を X の既約成分という。

既約成分は>>210より閉部分集合である。

>>212とZornの補題より任意の既約部分集合に対して、それを含む
既約成分が存在する。

位相空間の任意の点 p に対して {p} は、既約である。
よって、任意の位相空間はその既約成分の合併集合になる。

214 名前:208 [2005/10/07(金) 19:13:37 ]
定義
位相空間 X の閉部分集合を要素とする空でない任意の集合に包含関係に
関しての極小元が存在するとき、つまり、閉部分集合に関して極小条件
が成立つとき、X をネーター空間と呼ぶ。
これは閉部分集合の降鎖列が途中で停留することと同値である。
さらに、これは開部分集合に関して極大条件が成立つことと同値である。

215 名前:208 [2005/10/11(火) 10:49:44 ]
定義
位相空間 X の任意の開被覆が有限部分開被覆を持つとき、X を
準コンパクト(quasi-compact)という。位相空間がハウスドルフかつ
準コンパクトなときコンパクトという。

216 名前:208 [2005/10/11(火) 10:58:31 ]
ネーター空間は準コンパクトである。

証明
X をネーター空間とし、X の開被覆 {U_i} があるとする。
有限個の U_i の合併となる開部分集合全体を考える。
X はネーターだから、この中に極大なものがある。
これを U とすると、U の極大性から、任意の
U_i ⊂ U となる。よって X = U となる。
証明終

217 名前:208 [2005/10/11(火) 11:09:44 ]
位相空間がネーターであるためには、その任意の開部分集合が
準コンパクトであることが必要十分である。

証明は各自にまかす。

218 名前:208 [2005/10/11(火) 11:21:25 ]
ネーター空間の既約成分は有限個である。

証明
X をネーター空間とし、X の空でない閉部分集合で有限個の
既約閉部分集合の合併とならないものがあるとする。
X はネーターだから、このようなもののなかに極小なものがある。
これを F とする。F は既約ではないから、 F = F_1 ∪ F_2 となる
閉部分集合 F_1, F_2 で F と異なるものがある。F の極小性から
これらは有限個の既約閉部分集合の合併となる。よって F も
有限個の既約閉部分集合の合併となる。これは矛盾。
よって X の任意の空でない閉部分集合は有限個の既約閉部分集合の
合併となる。とくに X がそうなる。
証明終

(注) このような論法は今までにも暗黙に使った。例えば>>182
この論法をネーター帰納法と呼ぶ。

219 名前:208 [2005/10/11(火) 11:47:45 ]
A を環、E を Spec(A) の部分集合とする。
E に属すすべての素イデアルの共通部分を I(E) と書く。

I を A のイデアルとすると、 I(V(I)) = rad(I) となる(>>164)。
I = rad(I) となるイデアルを根基イデアルという。

Spec(A) の閉部分集合の集合と A の根基イデアルの集合は
F に I(F) を対応させることにより1対1に対応する。

220 名前:208 [2005/10/11(火) 11:49:36 ]
A を環、E を Spec(A) の部分集合とする。
cl(E) = V(I(E)) となる。ここで、cl(E) は E の閉包をあらわす。

証明
E ⊂ V(I(E)) は明らか。E ⊂ V(J) とする。ここで J は A のイデアル。
I(V(J)) ⊂ I(E) である。I(V(J)) = rad(J) だから(>>219)、
rad(J) ⊂ I(E) となる。よって V(I(E)) ⊂ V(rad(J)) = V(J)
つまり V(I(E)) は E を含む最小の閉部分集合である。
よって、cl(E) = V(I(E)) となる。
証明終

221 名前:208 [2005/10/11(火) 12:02:42 ]
A をネーター環とすると、Spec(A) はネーター空間である。

証明
>>219 より Spec(A) の閉部分集合の集合と A の根基イデアルの集合は
1対1に対応する。これより明らか。

222 名前:208 [2005/10/11(火) 12:09:19 ]
A を環とする。Spec(A) の既約部分集合の集合は Spec(A) と1対1に
対応する。

証明
>>208 より V(I) が既約なためには rad(I) が素イデアルであることが
必要十分である。これより明らか。



223 名前:208 [2005/10/11(火) 12:13:06 ]
環 A の極小素イデアルと Spec(A) の既約成分は1対1に対応する。

証明
既約成分の定義(>>213) と>>222 より明らか。

224 名前:208 [2005/10/11(火) 12:15:25 ]
命題
ネーター環の極小素イデアルは有限個である。

証明
>>218>>223 より。

225 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2005/10/11(火) 12:17:36 ]
おもしろいスレじゃのう。
よっ、この208! 仕事人!!ガンガレ

226 名前:132人目の素数さん [2005/10/11(火) 12:42:45 ]
Hand book of K-theory , Springer (Eric Friedlander & Dan Grayson)

kore yondahitoiru??

227 名前:208 [2005/10/11(火) 12:45:57 ]
Thanks(>>225).

これを書くのにBourbakiの可換代数を参考にしてることは前に書いた。
私見によれば、現在のところ可換代数の入門書としてはBourbakiの
可換代数がトップだろうな。8、9、10章が数年前に出たことにより
松村を抜いた。8章は次元論。9章は完備局所環の構造定理とその応用。
10章は、ホモロジー代数の応用とCM環。

228 名前:208 [2005/10/11(火) 12:52:39 ]
Bourbakiの可換代数の8章の次元論は、Atiyah-MacDonald とか
EGA とか 松村と違って Krull の次元定理 を Hilbert-Samuel の
特性多項式を使わないで直接に証明している。Krullのオリジナル
の証明に近い。これは、俺も賛成。他の証明は迂回しすぎ。

229 名前:132人目の素数さん [2005/10/11(火) 14:42:30 ]
>>Bourbakiの8、9、10章

French version, or English version?

230 名前:208 [2005/10/11(火) 17:08:19 ]
8、9、10章の英語版はないはず

231 名前:132人目の素数さん [2005/10/13(木) 09:50:46 ]
ところで、環 A の素イデアルの集合を何故 Spec(A) (Spec というのは
Spectrum(スペクトル)の略)と書くか。
これを追求するのは結構面白いと思う。
スペクトルというのは虹の7色に代表されるように光を周波数で
分けたもの。これは、突き詰めると原子内の電子がエネルギー
を放出することによって特定の周波数の光を放出する現象
だろう(多分)。
だから、Spec(A) は量子力学からきたものと思う。
聞きかじりによると、Hilbert空間のエルミート作用素の固有値が
原子の出す光の振動数に対応するらしい(間違ってる可能性もある)。

空間が有限次の場合は、>>147 の例が示唆的だろう。
V は K[X]-加群となり、Ass(V) は、線形写像 u の固有値の集合
とみなされる。 この場合、Ass(V) = Supp(V) であり(>>166)
Supp(V) = V(Ann(V)) = Spec(A/Ann(V)) である(>>161, >>176)。
つまり、Spec(A/Ann(V)) は u の固有値の集合とみなされる。

232 名前:208 [2005/10/13(木) 11:06:51 ]
>>231
>Supp(V) = V(Ann(V)) = Spec(A/Ann(V)) である

この A は体 K 上の多項式環 K[X] をあらわす。
Ann(V) は 線形写像 u の固有多項式で生成される。



233 名前:208 [2005/10/13(木) 11:21:49 ]
>>199
>しかし、準素部分加群は既約とは限らない。

この例を Zariski-Samuel から引用しよう。
そのために、次の命題がいる。

命題
A をネーター環、 m をその極大イデアルとする。
整数 n > 0 に対して Ass(A/m^n) = {m} である。

証明
Supp(A/m^n) = V(m^n) である(>>176)。
一方、V(m^n) = {m} である(>>203)。
よって、Ass(A/m^n) = {m} である(>>99)。
証明終

234 名前:208 [2005/10/13(木) 11:42:19 ]
準素部分加群が既約とならない例(Zariski-Samuel):

K を体、 A = K[X, Y] を K 上の2変数多項式環とする。
A は Hilbert の基底定理よりネーター環である。
m = (X, Y) は A の極大イデアルである(何故か?)。
m^2 = (X^2, XY, Y^2) は A の準素イデアルである(>>233)。
m^2 = (m^2 + AX) ∩ (m^2 + AY) となる(演習問題とする)。
m^2 ≠ m^2 + AX, m^2 ≠ m^2 + AY であるから、
m^2 は可約である。

235 名前:208 [2005/10/13(木) 12:37:38 ]
Artin環について述べる前に、可換環論において頻繁に使われる
中山の補題を証明する。私の知る限りこの証明は3種ある。
その全部を紹介しよう。

236 名前:208 [2005/10/13(木) 12:38:51 ]
補題
A を環、M を A-加群とする。
n > 0 を整数。
a_(i,j), 0≦i, j≦n を A の元の列。
x_1, x_2, ... , x_n を M の元の列とする。

これ等の間に次の関係式:

a_(1,1) x_1 + a_(1,2) x_2 + ... + a_(1,n) x_n = 0
a_(2,1) x_1 + a_(2,2) x_2 + ... + a_(2,n) x_n = 0
.
.
.
a_(n,1) x_1 + a_(n,2) x_2 + ... + a_(n,n) x_n = 0

があるとする。
このとき、det(T)x_i = 0 が各 i で成立つ。
ここで、 T = (a_(i,j)) であり、det(T) は T の行列式。

(注) 行列式は可換環でも普通と同様に定義される。

237 名前:208 [2005/10/13(木) 12:42:13 ]
>>236の補題の証明

上の関係式を行列記法で書くと、TX^t = 0 となる。
ここで、 X = (x_1, x_2, ... , x_n)
X^t は X の転置行列。

T~ を T の余因子行列とする。
線形代数でよく知られているように
T~T = det(T)E となる。ここで、E は n-次の単位行列。
よって、T~TX^t = det(T)X^t = 0 となる。
つまり、det(T)x_i = 0 が各 i で成立つ。

証明終

238 名前:132人目の素数さん [2005/10/13(木) 13:11:57 ]
定義
環 A のすべての極大イデアルの共通集合を A の Jacobson根基といい、
rad(A) と書く。Jacobson根基を省略して J-根基ということもある。

239 名前:132人目の素数さん [2005/10/13(木) 14:09:07 ]
よく恥ずかしげもなくassなんて書けるな

240 名前:208 [2005/10/13(木) 17:26:14 ]
補題
A を環、x を A の元で x = 1 (mod rad(A)) とする。
このとき、 x は可逆元である。

証明
x ∈ m となる A の極大イデアルがあるとする。
rad(A) ⊂ m だから x = 1 (mod m) である。
当然、x = 0 (mod m) だから 1 = 0 (mod m) となって矛盾。
よって、Ax = A でなければならない。
何故なら、Ax ≠ A とすると Zornの補題より、Ax を含む極大イデアル
が存在するから。
証明終

241 名前:208 [2005/10/13(木) 17:27:04 ]
補題
A を環、E, F を A の元を成分とする n-次の正方行列とする。
I を A のイデアルとする。
E = F (mod I) とは、行列の成分毎の mod I での合同を意味する
とする。このとき、det(E) = det(F) (mod I) である。

証明
明らか。

242 名前:208 [2005/10/13(木) 17:36:29 ]
中山の補題
A を環、I を A のイデアルで I ⊂ rad(A) とする。
M を有限生成 A-加群とする。
IM = M なら M = 0 である。

証明
M の A-加群としての生成元を x_1, ... , x_n とする。
IM = M より、I の元の列 a_(i,j), 0≦i, j≦n があり、
これ等の間に次の関係式が成立つ:

a_(1,1) x_1 + a_(1,2) x_2 + ... + a_(1,n) x_n = x_1
a_(2,1) x_1 + a_(2,2) x_2 + ... + a_(2,n) x_n = x_2
.
.
.
a_(n,1) x_1 + a_(n,2) x_2 + ... + a_(n,n) x_n = x_n

つまり、TX^t = X^t となる。
よって、(E - T)X^t = 0 となる。
ここで、T = (a_(i,j))、
X = (x_1, x_2, ... , x_n)
X^t は X の転置行列。 E は n-次の単位行列。

よって det(E - T)x_i = 0 が各 i で成立つ(>>236)。
よって、det(E - T)M = 0 となる。
一方、E - T = E (mod I) となるから、
det(E - T) = 1 (mod I) となる(>>241)。
よって、det(E - T) は可逆元である(>>240)。
よって、M = 0 となる。
証明終



243 名前:208 [2005/10/13(木) 17:47:48 ]
中山の補題(>>242)の別証1

>>242の記号を使う。
a_(1,1) x_1 + a_(1,2) x_2 + ... + a_(1,n) x_n = x_1 より、
(a_(1,1) - 1) x_1 + a_(1,2) x_2 + ... + a_(1,n) x_n = 0
a_(1,1) - 1 は可逆(>>240)だから、
x_1 ∈ Ax_2 + ... + A x_n となる。
よって、M = Ax_2 + ... + A x_n となる。
これから、n に関する帰納法より、M = 0 となる。
証明終

244 名前:208 [2005/10/13(木) 17:58:50 ]
補題
A を環、M を有限生成 A-加群とする。
N を M の部分加群で N ≠ M とする。
N を含む M の極大部分加群が存在する。

証明
N を含む M の部分加群で M と異なるものから構成される
全順序集合(包含関係による) S があるとする。
S の要素全体の和集合 L は M の部分加群で M と異なる。
何故なら M = L とすると L は M の有限個の生成元を含むから
S の要素で M と一致するものがあることになり矛盾。
よって Zorn の補題より N を含む M の極大部分加群が存在する。
証明終

245 名前:132人目の素数さん [2005/10/14(金) 08:33:28 ]
>>244
明らかな事を証明するな馬鹿

246 名前:132人目の素数さん [2005/10/14(金) 08:51:11 ]
>>244
明らかな事を証明するな馬鹿


omae usero BOKE!!!

247 名前:132人目の素数さん [2005/10/14(金) 09:07:51 ]
>208

O-BOKE!!! !!!

248 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2005/10/14(金) 09:20:45 ]
>>245-247 寝た子を起こすな。

249 名前:208 [2005/10/14(金) 10:24:13 ]
補題
A を環、I を A のイデアル、M を A-加群とする。
(A/I)(x)M は M/IM と標準的に同型である。

証明
A-加群の完全列
0 → I → A → A/I → 0
より完全列
I(x)M → A(x)M → (A/I)(x)M → 0
が得られる。これより明らか。
証明終

250 名前:208 [2005/10/14(金) 10:29:27 ]
中山の補題(>>242)の別証2

M ≠ 0 とする。
>>244 より、M の極大部分加群 N が存在する。
M/N は 0 以外に真の部分加群を持たない。つまり単純加群である。
よって M/N は1個の元で生成されるから、A の適当なイデアル m に
対して A/m と同型である。N は極大だから m は極大イデアルである。
よって、完全列
M → A/m → 0
が得られる。
よって、完全列
M(x)(A/I) → (A/m)(x)(A/I) → 0
が得られる。
一方、>>249より、
M(x)A/I = M/IM
(A/m)(x)(A/I) = A/m (I ⊂ m に注意)
と見なされる。つまり、完全列
M/IM → A/m → 0
が得られる。
よって、M/IM ≠ 0
証明終

251 名前:208 [2005/10/14(金) 10:38:20 ]
個人的には、>>250の証明が中山の補題の本質を突いてると思う。
どの証明もZornの補題を本質的に使っていることに注意。
A がネーター環ならZornの補題はいらないが。

252 名前:208 [2005/10/14(金) 11:23:43 ]
中山の補題と準素イデアル分解の応用として「Krullの共通イデアル定理」
を証明する。

定理(Krull)
A をネーター局所環、m をその極大イデアルとすると、
∩m^n = 0 となる。ここで n はすべての正の整数 n > 0 を動く。

証明
I = ∩m^n とおく。
mI = I を示せば、中山の補題より I = 0 となる。
mI ⊂ I は明らかだから I ⊂ mI を示す。
mI = q_1 ∩ ... ∩ q_r とする。ここで、各 q_i は準素イデアル。
ある i に対して、I ⊂ q_i とならないと仮定する。
mI ⊂ q_i だから m の各元は mod q_i で零因子となる。
よって、{m} = Ass(A/q_i) である。
よって、m^n ⊂ q_i となる整数 n > 0 がある(>>168)。
一方、I = ∩m^n だから I ⊂ m^n である。
よって、I ⊂ q_i となって矛盾。
証明終



253 名前:208 [2005/10/14(金) 12:05:02 ]
定義
A を環、M を A-加群とする。
M ≠ 0 で
M ≠ N かつ N ≠ 0 となる部分加群 N が存在しないとき
M を単純加群と呼ぶ。

254 名前:208 [2005/10/14(金) 12:06:05 ]
定義
A を環、M を A-加群とする。
M の部分加群の列
M = M_0 ⊃ M_1 ⊃ M_2 ... ⊃ M_n = 0
があり、各 i に対して M_i/M_(i+1) が単純とする。
このとき、列 (M_i) を M の組成列と呼ぶ。
n をこの組成列の長さという。

255 名前:132人目の素数さん [2005/10/14(金) 14:26:25 ]
アホかお前

256 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2005/10/14(金) 14:27:57 ]
>>255
たのむからこのスレに文句つけるのやめてくれ。


257 名前:208 [2005/10/14(金) 18:45:16 ]
可換環論においてネーター環が重要なことは当然だし、ネーター環は
色々、好都合な性質を持っている。だから、常にネーター性を
仮定出来れば、すっきりする。ところが、そうは問屋がおろしてくれない。
ネーター環でない重要な環がある。例えば離散付値でない付値環。
それに、不幸なことにネーター整域のその商体における整閉包は必ずしも
ネーター環ではない。

258 名前:132人目の素数さん [2005/10/14(金) 19:34:24 ]
そ れ が な に か ?

259 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2005/10/14(金) 19:44:55 ]
>>256

260 名前:132人目の素数さん [2005/10/15(土) 10:11:17 ]
可換環論においてネーター環が重要なことは当然だし、ネーター環は
色々、好都合な性質を持っている。だから、常にネーター性を
仮定出来れば、すっきりする。ところが、そうは問屋がおろしてくれない。
ネーター環でない重要な環がある。例えば離散付値でない付値環。
それに、不幸なことにネーター整域のその商体における整閉包は必ずしも
ネーター環ではない。


tatoeba hokaniaru?

261 名前:感想 mailto:sage [2005/10/15(土) 12:28:52 ]
おつかれさま。これからもがんばって。
いや、なんだか大変そうだから。読んで文句をいうだけなら楽でも書くのは大変かと。

以下愚痴:素人というのはつまり、今はどんな状態からどんな状態へとつなぐ為に
こんなことをしています、っていうイメージがわかないひとのことかな、って思った。
たどれる(なぞれる)だけでは意味がなくてそれぞれの場面でどこを目指せばいいか
そんなレベルで知りたくて見てる私は素人なので、途中の道に目印だけ置かれて
途中で迷子にならないように何とかとりあえずついていくだけだと、ちょっとさびしく。

原語がわかるから言語的イメージを持てるのかもしれないけれど、
図形などの視覚的イメージや同じ〜類似の形式的性質を持つモデルがあったらな。
でもわかるひとには長くてくどくなるし、かくのにも面倒だから、無理なんだろうな…。

たとえば?えーと上の局所化って内部相互差の一部の同一視なのかな、とか、
それによって扱うべき差異に注目して、本題以外の情報を視野から外せるかなとか、
ネイター環なら閉集合縮小時=限定条件強化=焦点化に限界があって、
開集合拡大時=存在条件ゆるめ時の限界と表裏で、操作時いろいろ便利だ、とか。
かなり雑で不正確な気がするけど、ここの文だけだとそんなイメージになったよ。

262 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2005/10/15(土) 12:52:02 ]
そんな無茶苦茶な理解しても役に立たんよ
数学は基礎からきちんと勉強しないと身につかない

それからネイター環じゃなくてNoether(ネター/ネーター)ね
物理の人とかたまにナーターとか読んでたりするけど



263 名前:感想 mailto:sage [2005/10/15(土) 14:06:13 ]
そうそう、そんな感じで。

何がどう間違ってるか突っ込まない教授って
あまり学習者には役に立たないものだから。
単に不正確とかいうのは、まず無意味。
ちゃんと正しい記述に直してくれてありがとう。

ちなみにこのoeは円唇音(≒咽頭開け音でも可、
口腔内前後径延長によって同様の音の変化
=全フォルマントの低音化が起きるから容認発音)
のエで、やや長めなので、その通りになります。

他で基礎を全部学ぶならこの場はいらない。
半分の理解(=誤解)の段階が想定対象だから、
軌道修正が中心になるのは当然、でもそれがない
参考書等が多く、このスレッドを頼りに学ぶわけで。

参考文献が入手困難か読みにくい外国語だけ、
または本の記述の細かさのムラのために
初学者が理解困難な場面の解説をしてくれている
そんな親切なひとのスレッドなのです。

だけど一人だと負担が重くなりすぎるので、
焦点が外れていたらスレ主は流すしかない。
こういった親切な人が助けてくれないと、
質問者は「???」なままになるわけ。

で、ROMは気が引けるので、声援・応援レスなのです。

264 名前:132人目の素数さん [2005/10/15(土) 15:46:55 ]
ラのために
初学者が理解困難な場面の解説をしてくれている
そんな親切なひとのスレッドなのです。

だけど一人だと負担が重くなりすぎるので、
焦点が外れていたらスレ主は流すしかない。
こういった親切な人が助けてくれないと、
質問者は「???」なままになるわけ。

で、ROMは気が引けるので、声援・応援レスなのです。

91 KB [ 2ちゃんねるが使っている

265 名前:208 [2005/10/15(土) 16:30:38 ]
>>260
>tatoeba hokaniaru?

例えば、Krull環、例えば、ネーター整域のその商体における整閉包とか

266 名前:208 [2005/10/15(土) 16:35:11 ]
初学者? そうね、我慢して証明を追っていく。
そのうち、トンネルを抜けるように見晴らしがパーっと良くなる。
この感覚は言葉でいくら説明してもわからない。
体験するしかない。

267 名前:208 [2005/10/15(土) 16:46:04 ]
まあ、そう突き放すのも何だから、わからないところは質問して
くれればいい。

268 名前:132人目の素数さん [2005/10/15(土) 16:49:10 ]
さて、ここでクリトリスについて考察してみよう。

まず、「リス」を漢字で書くと「栗鼠」、すなわち
  (リス) = (栗鼠)

ここで、
  (栗) + (栗鼠) = (栗) (1 + 鼠)

故に、
  (クリトリス) = (栗) (1 + 鼠)

を得る。

269 名前:208 [2005/10/15(土) 16:55:44 ]
何なんだろうね。釣りに反応するのもなんだけど。
数学がなんかすごくまじめくさった面白くもなんともないもんだと
誤解してんだろうね。数学ってのは場合によるとセックスより気持ち
いいもんなんだよ。これは知るひとぞ知る公然の秘密

270 名前:132人目の素数さん [2005/10/15(土) 17:15:22 ]
問題が解けたときって、100円玉拾ったときと脳波がおなじじぇあねーの?

271 名前:シュリ [2005/10/15(土) 18:26:57 ]
 今、就職活動中で、もし数学に事を何も知らない面接官に「代数学って何?」ってき
聞かれたら、何て説明しますか!?(素朴な疑問でスミマセン・・・。)
 あとこの掲示板では、代数的整数論の話題以外の分野で質問するのは、マズイですか!?

272 名前:132人目の素数さん [2005/10/15(土) 18:29:15 ]
おでん屋みたいなものですとネタを入れる



273 名前:GiantLeaves ◆6fN.Sojv5w [2005/10/15(土) 18:44:30 ]
talk:>>271 集合に、いくつかの演算の構造を入れた空間を考える学問。(もはや「代数」などとは呼べないかもしれないが。)

274 名前:132人目の素数さん [2005/10/15(土) 18:53:07 ]
>>273
それは「数学」の説明では?


275 名前:132人目の素数さん [2005/10/15(土) 19:10:33 ]
暗号に使える高級数学とでもいっておけば。。。どんな暗号ってって会話が続くかも
営業で代数専攻でっていったら客がぽかーんとするから、そのときどう答えるかを聞いてるんだよ。
代数なんかで商売できる仕事はない

276 名前:132人目の素数さん [2005/10/15(土) 19:14:27 ]
まあとにかく
・好きでやった
・一生懸命やった
・努力する才能はある

という点をアピールするのが目的だから、
説明と言う手段にこだわりすぎないほうがよい。



277 名前:132人目の素数さん [2005/10/16(日) 15:46:59 ]
・好きでやった
・一生懸命やった
・努力する才能はある
・本質は馬鹿である
・他人に教える才能も無い
・つぶしが利かない
・人生やめたほうが良い

278 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2005/10/16(日) 16:24:57 ]
もとの話題に戻りましょ。208さん、すみません。


279 名前:132人目の素数さん [2005/10/16(日) 16:37:52 ]
微分幾何学と数値解析はなにに使えるって聞かれて。。。
リアクターの中のケミカル物質の濃度解析につかえるといったら。。
うちでは使う機会がないといわれた。。。

だったら面接に呼ぶなよな。。。忙しいのに。。。
馬鹿の面接官を出す会社は最初から蹴ったほうがいい

280 名前:132人目の素数さん [2005/10/16(日) 16:41:26 ]
大手は形式だけ試験受けてくれで。。。即決だった。
判断が速い。格の違いを感じた。

281 名前:208 [2005/10/17(月) 09:48:11 ]
最近(実はほんの2、3日前)、Kummerの理想数に関して以外な発見を
した。俺だけが気がついたとは思はないが。
足立の「フェルマーの大定理」という本を1ヶ月ほど前にアマゾンで
買った。この本にはKummerの理想数について書いてあると聞いたから。
ところが読んでみるとあまり詳しく書いてない。
ただ、定義は書いてあった。

K を代数体(実は円分体だが一般の代数体でも同様)、A をその主整環、
p を素数とする。p の素因子とは、p と A の元ωの組 (p, ω)
で以下の条件を満たすものである。
1) ω ≠ 0 (mod pA) である。つまり ω ⊂ pA とならない。
2) α、βを A の元で、αβω = 0 (mod pA) なら、
αω = 0 (mod pA) または βω = 0 (mod pA) となる。

このとき、(p, ω) は p の素因子 P を定めるという。

αω = βω (mod pA) のとき α と β は 素因子 P を法として
合同といい、α = β (mod P) と書く。


初めこれを読んだとき、なんじゃこれは? 奇妙な定義だなと思った。
ところが、2、3日前に読み返してみて気がついた。
皆、もうわかるよね? そう 素因子 P とは A/pA の随伴素イデアル、
つまり P ∈ Ass(A/pA) のことだ(>>89)。
これは驚きだよね。随伴素イデアルの概念はやっと1950年代の
終わりにBourbakiが定式化したものだ。それを、Kummerが100以上前に
代数体でやっていたとは。

282 名前:208 [2005/10/17(月) 10:24:37 ]
Kummerの定義によると α ∈ A が (p, ω) で定義される素因子 P の
n乗で割れるとは αω^n = 0 (mod (p^n)A) となることをいう。
A がDedekind環であることを使うと、これはイデアルとして
αA ⊂ P^n と同値であることが分かる。



283 名前:132人目の素数さん [2005/10/17(月) 10:54:37 ]
偉大なり、kummer

拡大スレをあげるんだ!

284 名前:208 [2005/10/17(月) 12:06:11 ]
補題
A を環、M を A-加群とする。
M が長さ n の組成列(>>254)を持てば、M の任意の部分加群 N は、
長さ ≦ n の組成列を持つ。

証明
n に関する帰納法。
M = M_0 ⊃ M_1 ⊃ M_2 ... ⊃ M_n = 0 を組成列とする。
(N + M_1)/ M_1 は N/(M_1 ∩ N) と同型である。
N + M_1 = M_1 つまり N ⊂ M_1 の場合は帰納法の仮定より、
N は長さ ≦ n-1 の組成列を持つ。
N + M_1 ≠ M_1 の場合は、N + M_1 = M であり、N/(M_1 ∩ N) は
単純加群(>>253)である。一方、M_1 ∩ N は帰納法の仮定より、
長さ ≦ n-1 の組成列を持つ。よって、N は長さ ≦ n の組成列を持つ。
証明終

(注) 図を書くと証明が良く分かる。

285 名前:208 [2005/10/17(月) 12:22:24 ]
補題
A を環、M を A-加群とする。
M が長さ n の組成列(>>254)を持てば、M の任意の部分加群 N に
対して、M/N は長さ ≦ n の組成列を持つ。

証明
n に関する帰納法。
M = M_0 ⊃ M_1 ⊃ M_2 ... ⊃ M_n = 0 を組成列とする。
(N + M_(n-1))/N は M_(n-1)/(N ∩ M_(n-1)) と同型である。
N + M_(n-1) ⊃ M_(n-1) であり、M/M_(n-1) は長さ = n-1 の
組成列を持つ。よって、N + M_(n-1) に帰納法の仮定が使える。
残りの証明は読者に任す。

286 名前:208 [2005/10/17(月) 12:30:31 ]
定理(Jordan-Holder)
A を環、M を A-加群とする。
M = M_0 ⊃ M_1 ⊃ M_2 ... ⊃ M_n = 0 を組成列とする。
M の任意の組成列の長さは n であり、その剰余群の列は、
順序を別にして 列 (M_i/M_(i+1)) と同型である。

証明
n に関する帰納法。
M = N_0 ⊃ N_1 ⊃ N_2 ... ⊃ N_m = 0 を別の組成列とする。
M_1 ∩ N_1 は補題(>>284)より長さ ≦ n-1 の組成列を持つ。
これと、帰納法の仮定を使えばわかる。
詳しくは読者に任す。

287 名前:208 [2005/10/17(月) 12:32:51 ]
>>286から自然数の素因数分解の一意性がすぐに出る(演習)。
だから、>>286は非常に基本的な定理ということが出来る。

288 名前:208 [2005/10/17(月) 12:37:52 ]
定義
A を環、M を長さ n の組成列を持つ A-加群とする。
>>286より n は組成列の取り方によらない。
n を leng(M) と書き、M の長さと呼ぶ。
一般に組成列をもつ加群を長さ有限の加群と呼ぶ。

289 名前:208 [2005/10/17(月) 12:41:14 ]
命題
A を環、M を長さ有限の加群、N をその部分加群とする。
このとき、N も M/N も長さ有限であり、
leng(M) = leng(N) + leng(M/N) となる。

証明
>>284>>285から明らか。

290 名前:208 [2005/10/17(月) 12:45:08 ]
命題
A を環、M をA-加群とする。
M が長さ有限であるためには、部分加群に関して極大条件と
極小条件を同時に満たすことが必要十分である。

証明
>>286>>289を使えば簡単なので読者にまかす。

291 名前:208 [2005/10/17(月) 12:49:44 ]
>>281

自画自賛だけど、このスレで随伴素イデアルを扱ったのは正解だね。
なにしろ、Kummerがやってるんだから。
普通は代数的整数論の導入部で随伴素イデアルに関してここまでやらない。

292 名前:208 [2005/10/17(月) 16:00:19 ]
定義
A を環とする。それをA-加群とみたとき極小条件を満たすなら、それを
Artin環という。



293 名前:132人目の素数さん [2005/10/17(月) 16:03:51 ]
>>286から自然数の素因数分解の一意性がすぐに出る(演習)。
うそつけ

294 名前:208 [2005/10/17(月) 16:06:13 ]
命題
Artin環が整域なら、それは体である。

証明
a ∈ A を 0 でない元とする。
イデアルの列 aA ⊃ (a^2)A ... ⊃ (a^n)A ⊃ ...
は途中で停留するから、(a^n)A = (a^(n+1))A となる整数 n > 0 が
ある。よって、a^n = a^(n+1)x となる x ∈ A がある。
A は整域だから、1 = ax となる。
証明終






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