- 281 名前:208 [2005/10/17(月) 09:48:11 ]
- 最近(実はほんの2、3日前)、Kummerの理想数に関して以外な発見を
した。俺だけが気がついたとは思はないが。 足立の「フェルマーの大定理」という本を1ヶ月ほど前にアマゾンで 買った。この本にはKummerの理想数について書いてあると聞いたから。 ところが読んでみるとあまり詳しく書いてない。 ただ、定義は書いてあった。 K を代数体(実は円分体だが一般の代数体でも同様)、A をその主整環、 p を素数とする。p の素因子とは、p と A の元ωの組 (p, ω) で以下の条件を満たすものである。 1) ω ≠ 0 (mod pA) である。つまり ω ⊂ pA とならない。 2) α、βを A の元で、αβω = 0 (mod pA) なら、 αω = 0 (mod pA) または βω = 0 (mod pA) となる。 このとき、(p, ω) は p の素因子 P を定めるという。 αω = βω (mod pA) のとき α と β は 素因子 P を法として 合同といい、α = β (mod P) と書く。 初めこれを読んだとき、なんじゃこれは? 奇妙な定義だなと思った。 ところが、2、3日前に読み返してみて気がついた。 皆、もうわかるよね? そう 素因子 P とは A/pA の随伴素イデアル、 つまり P ∈ Ass(A/pA) のことだ(>>89)。 これは驚きだよね。随伴素イデアルの概念はやっと1950年代の 終わりにBourbakiが定式化したものだ。それを、Kummerが100以上前に 代数体でやっていたとは。
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