1 名前:132人目の素数さん [2005/09/12(月) 16:30:31 ] 代数的整数論に関するスレッドです。
127 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2005/09/26(月) 13:41:26 ] 挑発的なレスは208?
128 名前:208 [2005/09/26(月) 13:45:07 ] 今日のレスで>>121 ,>>125 ,>>127 以外は今のところ俺
129 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2005/09/26(月) 14:00:57 ] ぐだぐだ言ってるのは208だと思います><
130 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2005/09/26(月) 14:07:02 ] そのとおりだとおもいまゅ(><)
131 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2005/09/26(月) 14:07:40 ] これからの数学にとって、非可換環ほど重要なものはないだろ?
132 名前:208 [2005/09/26(月) 14:18:13 ] >>131 これからって、どのくらいのスパンを考えてる? 50年以上先ってのなら、そういう話は今しないでくれ。
133 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2005/09/26(月) 14:24:59 ] GL(2,Z)の整数論でもやらないか?
134 名前:208 [2005/09/26(月) 14:31:49 ] >>133 ヘッケ環だろ。 特殊な非可換環なら昔から整数論でやってる。 群環だって表現論では昔から重要。
135 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2005/09/26(月) 14:41:17 ] 例えば、M(2,Z) を2次の行列環とするとき、 Spec(M(2,Z)) はどういうものになるんですか?
136 名前:208 [2005/09/26(月) 14:54:33 ] 俺は知らないからスルー
137 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2005/09/27(火) 05:47:22 ] 現代数学概説Iはやたら一般の代数系に拘ったり 素朴集合論に70〜80ページとか費やしてる割に 群、環、体はあまり深く議論してなかったり、突っ込みどころ満載かと、、 圏論について書いてないことも無いけど、あれを学部生に読ませるのは駄目だと思う あの本が参考文献で出てくること自体が、 ほとんど日本語の本が出てないこと、学部教育に圏論が必要と 考える人が少ないことをを端的に表している
138 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2005/09/27(火) 06:45:52 ] >>137 まあ圏論なんて代数幾何とかやらないとなかなかありがたみがわかないと思う。 圏論だけの授業やってもあまり面白くないと思うし、しょうがないわな。
139 名前:208 [2005/09/27(火) 08:56:16 ] >>137 >現代数学概説Iはやたら一般の代数系に拘ったり >素朴集合論に70〜80ページとか費やしてる割に >群、環、体はあまり深く議論してなかったり、突っ込みどころ満載かと、、 そうそう。俺なんか、何も知らない1年生だったから、退屈なのを 我慢して読んだよ。束論なんかもいやに詳しくて、そのくせ あそこに書いてある束論の結果なんか俺は今もって使ったことがない。 あれはBourbakiにひどく影響されて書かれたものなんだね。 Bourbakiの集合論と代数の内容をあの一冊に収めようとしたのが そもそもの間違い。
140 名前:208 [2005/09/27(火) 09:09:09 ] >>138 >圏論だけの授業やってもあまり面白くないと思うし、 何も圏論だけの授業をやれと言ってるんじゃない。 圏論は代数幾何とまで言わなくても、普通に代数に使われるよ。 位相幾何もそう。これ等をやる前にちょこっとやればいいじゃん。
141 名前:208 [2005/09/27(火) 09:21:09 ] 圏論使わないと教えるのに不便なんだよ。 圏論の初歩、つまり米田の補題とか随伴関手くらいまでだったら 証明を理解するのは簡単だろ。簡単すぎてあくびがでるくらい。
142 名前:208 [2005/09/27(火) 09:38:59 ] >>116 の命題を証明する。 命題 A を環とし、(M_i), i ∈ I をA-加群の帰納系とする。 ここで、I は有向前順序集合。 同様に、(N_j), j ∈ J をA-加群の帰納系とする。 ここで、J は有向前順序集合。このとき、 ind.lim M_i(x)N_j = (ind.lim M_i) (x) (ind.lim N_j) となる。ここで等号は同型を表す。 (M_i(x)N_j) の添え字集合は I と J の直積に、(i, j) ≦ (i', j') を、i ≦ i' かつ j ≦ j' と定義したものこれが有向前順序集合に なることは明らかだろう。 証明 M = ind.lim (M_i) N = ind.lim (N_j) T = ind.lim M_i(x)N_j とおく。 M × N から T への写像φを以下のように定義する。 (x, y) ∈ M × N とし、x = f_i(x_i), y = g_j(y_j) とする。 ここで、x_i ∈ M_i, y_j ∈ N_j で、f_i, g_j はそれぞれ (M_i), (N_j) の極限を定義する標準射。 φ(x, y) = h_(i,j)(x_i (x) y_j) とする。 ここで、h_(i,j): M_i(x)N_j → T は標準射。 これが、x_iとy_jの取り方によらないことと、双線形写像であること の確認は各自にまかす。 よって、テンソル積 M (x) N の性質から、φ(x, y) = λ(x (x) y) となる A-加群としての射 λ: M (x) N → T が存在する。 他方、 μ_(i,j) : M_i(x)N_j → M (x) N が μ_(i,j) = f_i (x) g_j と定義して得られる。射の族 (μ_(i,j)) は帰納系 (M_i(x)N_j) から M (x) N への射を定義する。よって、μ: T → M (x) N が得られる。 λとμが、互いに逆写像になっていることは容易にわかる。 証明終
143 名前:208 [2005/09/27(火) 09:56:48 ] >>142 の記号を使う。 x ∈ M, y ∈ N とし、x (x) y = 0 とする。 >>118 より x = f_i(x_i), y = g_j(y_j) となる x_i ∈ M_i, y_j ∈ N_j がある。 (f_i (x) g_j) (x_i (x) y_j) = f_i(x_i) (x) g_j(y_j) = x (x) y = 0 となる。 >>120 より、 x_k (x) y_l = 0 となる、x_k ∈ M_k, y_l ∈N_l がある。ここで i ≦ k, j ≦ l であり、x_k = f_(k, i)(x_i), y_l = g_(l, j)(y_j)
144 名前:208 [2005/09/27(火) 10:09:42 ] 命題 A を環とし、M と N を A-加群とする。 x ∈ M, y ∈ N とし、x (x) y = 0 とする。 このとき、x を含む A上有限生成の M の部分加群 M' と y を含む A上有限生成の N の部分加群 N' が存在し、 M' (x) N' の元として x (x) y = 0 となる。 証明 M の有限生成部分加群全体の族 (M_i) を考える。 ここで添え字集合 I は M の有限生成部分加群のなす集合であり、 包含関係により順序を定義する。I は有向順序集合である。 当然、有向前順序集合でもある。 M = ind.lim (M_i) は明らかだろう。 同様に、N の有限生成部分加群全体の族 (N_j) を考える。 N = ind.lim (N_j) となる。 こもまでくれば、>>143 より命題は明らかだろう。 証明終
145 名前:208 [2005/09/27(火) 10:38:01 ] >>85 の証明をする。 命題 A を環とし、MをA-加群とする。 SをAの積閉集合とする。 M_S = M(x)A_S と定義する。 ここで、M(x)A_S は M とA_Sの A 上のテンソル積。 M_S は A_S-加群となる。M_S を M[1/S] と書くこともある。 x ∈ M, s ∈ S のとき、x (x) (1/s) を x/s と書く。 x/s = 0 とすると、ある t ∈ S があり、tx = 0 となる。 証明 x/s = x (x) (1/s) = 0 より、x/1 = x (x) 1 = 0 となる。 >>144 より、A_S のA-加群としての有限生成部分加群 N で 1 を含み、M (x) N の元として x (x) 1 = 0 となる。 N の生成元を、a_1/t_1, ... , a_r/t_r とする。 t_1, ..., t_r の積を t とすれば、N ⊂ A(1/t) となる。 I = {a ∈ A; ある s ∈ S に対して sa = 0} と定義すると、 I は A nのイデアルである。 a ∈ A のとき、a/t = 0 となるのは、sa = 0 となる s ∈ S があるときに限る。つまり、a ∈ I である。 A-加群としての射 f: A → A(1/t) を、f(a) = a/t で定義する。 この射の核は、I に他ならない。f は明らかに全射だから、 A(1/t) は A/I と同型である。よって、 M (x) A(1/t) は M (x) (A/I) = M/IM に同型である。この同型により、 x (x) 1 = x (x) (t/t) は tx mod IM に移る。 x (x) 1 = 0 だから、tx ∈ IM となる。よって、tx = Σ(a_i)(m_i) となる、有限個の a_i ∈ I と m_i ∈ M がある。 すべての a_i に対して sa_i = 0 となる s ∈ S がある。 この s により stx = 0 となる。 証明終
146 名前:208 [2005/09/27(火) 12:17:37 ] A をネーター環とし、Mを A-加群とする。 p を Supp(M) の極小元とすると、p ∈ Ass(M) となる。 証明 M_p は空でないから、>>90 より Ass(M_p) は空でない。 Ass(M_p) は Spec(A_p) の部分集合であり、Spec(A_p) は {q ∈ Spec(A); q ⊂ p} と同一視される(>>81 )。 pの極小性より、Ass(M_p) = {pA_p} となる。 一方、>>95 より、この同一視により Ass(M_p) = Ass(M) ∩ Spec(A_p) となる。よって、p ∈ Ass(M) となる。 証明終
147 名前:208 [2005/09/27(火) 12:31:14 ] 随伴素イデアル(つまり Ass(M) の元)という概念 は Bourbakiの 手柄だね。それ以前は、この概念は準素加群分解に現れる素イデアル ということでしか定義されなかった。 随伴素イデアルの重要性を示すために例として有限アーベル群の 随伴素イデアルは何かという問題を出そう。 別の例として、V を代数的閉体 K 上の有限次ベクトル 空間とし、u を Hom(V, V) = End(V) の元とする。 K[X] を K 上の1変数多項式環とし、 X に u を対応させることにより、 K-多元環としての射 K[X] → End(V) が得られる。この射により、 V は K[X]-加群となる。このK[X]-加群の随伴素イデアルは何か?
148 名前:132人目の素数さん [2005/09/27(火) 12:43:22 ] しかし、これだけ演習題を提示して 証明もあたえらるなら、本にして売ったほうがいいような気がする 「電車男」なんてインチキ本が売れるんだ、 「数」の世界にごまかしはないからぜひとも編纂願う
149 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2005/09/27(火) 12:50:06 ] 興味ある奴の絶対数が違いすぎる
150 名前:208 [2005/09/27(火) 12:52:09 ] 随伴素イデアルの理論の次はだいたい以下のように考えている。 ・Artin環 ・Dedekind環の特性つけ ・Krull-秋月の定理 ・正規環の因子類群 ・ガロワ拡大におけるHilbertの分岐理論 ・Dedekindの判別定理の証明 ・付値論の初歩 ・完備付値体の理論 途中で変更の可能性もある。
151 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2005/09/27(火) 12:56:30 ] 興味ない奴はスルーすればいいだけとか言うくらいだったら、 自分でサイト作ってそこに文章書いて掲示板でも設置すればいいのに。 彼が2chという掲示板でやる理由は何だろうね。
152 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2005/09/27(火) 12:57:29 ] わかりきった問いをするなよ
153 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2005/09/27(火) 13:12:21 ] 本当は大学か何かの先生だったりします?>>208
154 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2005/09/27(火) 13:58:34 ] >>153 だろうね。
155 名前:208 [2005/09/27(火) 15:27:24 ] そんなわけねえだろ。学部で圏論教えてるかどうか聞いてるのに。
156 名前:208 [2005/09/27(火) 15:28:45 ] >>152 ほう、教えてくれ
157 名前:208 [2005/09/27(火) 15:45:20 ] A をネーター環とし、Mを A-加群とする。 N を M の部分加群とする。 Ass(M/N) が1個の素イデアルのみからなるとき、N を M の 準素(primary)部分加群という。Ass(M) が1個の素イデアルのみから なるとき、つまり {0} が M の準素部分加群となるとき、 M を余準素(coprimary)加群という。 M の部分加群 N が真に大きい部分加群の共通部分になるとき、 つまり、N = N_1 ∩ N_2, N ≠ N_1, N ≠ N_2 となる部分加群 N_1, N_2 があるとき、N を可約部分加群という。可約でないとき 既約という。
158 名前:208 [2005/09/27(火) 16:03:24 ] 命題 A をネーター環とし、Mを A-加群とする。 N を M の部分加群とする。 N が準素部分加群でなければ、N は可約である。 証明 M を M/N に置き換えて N = 0 と仮定してよい。 よって、Ass(M) に属す素イデアルで互いに異なる p, q がある。 p = Ann(x), q = Ann(y) となる元 x, y ∈ M がある。 Ax は A/p に A-加群として同型だから、Ass(A/p) = {p} となる。 同様に Ass(A/q) = {q} である。 Ass(Ax ∩ Ay) ⊂ Ass(A/p) ∩ Ass(A/q) だから、Ass(Ax ∩ Ay) は 空集合である。よって、Ax ∩ Ay = 0 証明終
159 名前:208 [2005/09/27(火) 16:25:22 ] 補題 A をネーター環とし、Mを 有限生成 A-加群とする。 f ∈ Hom(M, M) とする。 ある整数 n > 0 に対して f^n(M) ∩ Ker(f) = 0 となる。 証明 M の部分加群の昇列 Ker(f) ⊂ Ker(f^2) ⊂ ... を考える。M はネーターだから、Ker(f^n) = Ker(f^(n+1)) となる 整数 n > 0 がある。この n が求めるものである。 証明終
160 名前:208 [2005/09/27(火) 17:03:07 ] A を環、I を A のイデアルとする。 V(I) = {p ∈ Spec(A); I ⊂ p } と定義する。 V(I) の形の Spec(A) の部分集合を閉集合と定義することにより、 Spec(A) に位相が入る。この位相を Spec(A) のZariski位相という。
161 名前:208 [2005/09/27(火) 17:04:58 ] 補題 A を環とし、Mを 有限生成 A-加群とする。 Supp(M) = V(Ann(M)) となる。 証明は演習とする。
162 名前:208 [2005/09/27(火) 17:17:27 ] A を環、f ∈ A とする。S = {f^n; n = 0, 1, 2, ...} とする。 S は積閉集合である。A_S を A[1/f] または A_f と書く。 A[1/f] が零環となるのは f がべき零のときに限る。 よって、Spec(A[1/f]) が空となるのは、f がべき零のときに限る。 Spec(A[1/f]) は、集合 D(f) = {p ∈ Spec(A); f は p に含まれない} と同一視される(>>81 )。
163 名前:208 [2005/09/27(火) 17:20:32 ] 命題 A を環とする。A のすべての素イデアルの共通部分は A のべき零元の 全体と一致する。 証明は>>162 より明らか。 A のべき零元の全体を Nil(A) と書く。
164 名前:208 [2005/09/27(火) 17:35:13 ] A を環、I を A のイデアルとする。Nil(A/I) の標準射 A → A/I による逆像を I の根基(radical)とよび、rad(I) と書く。 これは、mod I でベキ零となる A の元全体である。 >>163 より、rad(I) は I を含む素イデアル全体の共通部分である。
165 名前:208 [2005/09/27(火) 17:50:11 ] ネーター環 A の Nil(A) はベキ零である。 証明は演習
166 名前:208 [2005/09/27(火) 17:58:15 ] A をネーター環とし、Mを A-加群とする。 Ass(M) と Supp(M) のそれぞれの極小元の集合は一致する。 証明 Ass(M) ⊂ Supp(M) (>>99 ) と >>146 からわかる
167 名前:208 [2005/09/27(火) 18:02:21 ] 命題 A をネーター環とし、Mを 有限生成 A-加群とする。 rad(Ann(M)) は p ∈ Ass(M) 全体の共通部分と一致する。 証明 >>161 と >>166 よりわかる。
168 名前:208 [2005/09/27(火) 18:07:01 ] A をネーター環とし、Mを 有限生成 A-加群で余準素(>>157 )とする。 このとき、定義より、Ass(M) は一個の素イデアル p よりなるから >>167 より p = rad(Ann(M)) である。>>165 より、p^n ⊂ Ann(M) となる整数 n > 0 がある。よって、(p^n)M = 0 となる。
169 名前:208 [2005/09/28(水) 09:11:33 ] 現代数学概説Iの悪口を書いたけど、俺はあれで集合論を勉強した。 束論も意識してないけどジョルダン・ヘルダーの定理なんかで、 無意識に使ってるかもしれない。若い頃に読んだものって結構 影響力がある。因みにあのシリ−ズはいい本があるね。 岩沢の代数関数論とか。あの本はいいらしいけど超難しい。 俺も学部のころ仲間で読もうとしたけど、最初の付値論の 近似定理あたりで皆おだぶつ。
170 名前:208 [2005/09/28(水) 09:29:13 ] 今やってる随伴素イデアルとか今後やる予定の殆ど(全部ではない) はBourbakiの可換代数に書いてあるんで、それを参照してくれと 言えばお終いだけどね。その本が手元にない人も多いだろうから こっちの復習もかねてここに書いてる。
171 名前:208 [2005/09/28(水) 09:36:20 ] 前に数回書いてるけどBourbakiの可換代数はいいよ。なんで皆、 Ati-Macとか松村で勉強するんだろ。松村はBourbakiが書いて ないこともあるからいいけど。Bourbakiのいいところは、すべて 証明をつけてあるところ。しかもほとんどの命題の証明が比較的簡単 なんだな。だから、根気さえあれば読める。これはGrothendieck のEGAにもある程度言える。
172 名前:208 [2005/09/28(水) 12:35:52 ] A を環、M を A-加群、N をその部分加群とする。 Supp(M) = Supp(N) ∪ Supp(M/N) となる。 証明 完全系列 0 → N → M → M/N → 0 より、p ∈ Spec(A) に対して 完全系列 0 → N_p → M_p → (M/N)_p → 0 が得られる。 これより明らか
173 名前:208 [2005/09/28(水) 12:43:00 ] A を環、M を A-加群、(M_i), i ∈ I をその部分加群の族で M = ΣM_i とする。ここで、Σは直和ではなく単なる和をあらわす。 つまり、M は(M_i)で生成される。 S を A の積閉集合としたとき、 M_S = Σ(M_i)_S となる。 証明は演習。っていうか明らかだろう。
174 名前:208 [2005/09/28(水) 12:46:58 ] A を環、M を A-加群、(M_i), i ∈ I をその部分加群の族で M = ΣM_i とする。ここで、Σは直和ではなく単なる和をあらわす。 Supp(M) = ∪Supp(M_i) となる。 証明は>>173 より明らかだろう。
175 名前:208 [2005/09/30(金) 16:01:36 ] 定義 Aを環とし、MをA-加群とする。 Aの元 a が M に関して概べき零であるとは、各 x ∈ M に対して、 整数 n(x) > 0 が存在して、a^(n(x))x = 0 となることを言う。 n(x) が x によらないとき、つまり、ある整数 n > 0 に対して、 (a^n)M = 0 となるとき、a を M に関してべき零であるという。
176 名前:208 [2005/09/30(金) 16:52:47 ] Aを環とし、I をそのイデアルとする。 Supp(A/I) = V(I) である。 証明は演習とする。
177 名前:208 [2005/09/30(金) 17:13:43 ] A を環とし、Mを A-加群とする。 Supp(M) に属す全ての素イデアルの共通部分は、M に関して概べき零な 元全体と一致する。 証明 >>174 より、Supp(M) = ∪{Supp(Ax); x ∈ M} である。 Ax は A/Ann(x) と同型であるから、>>176 より、Supp(Ax) = V(Ann(x)) となる。>>164 より、Supp(Ax) に属す素イデアルの共通部分は、 rad(Ann(x)) である。 証明終
178 名前:208 [2005/09/30(金) 17:22:25 ] A をネーター環とし、Mを A-加群とする。 Ass(M) に属す全ての素イデアルの共通部分は、M に関して概べき零な 元全体と一致する。 証明 >>166 と>177より。 証明終
179 名前:208 [2005/09/30(金) 17:32:47 ] 定義 Aを環とし、MをA-加群とする。 Aの元 a が M に関して正則であるとは、 u(x) = ax により定義される射 u: M → M が単射であることをいう。 M に関して正則であることを M-正則と言うこともある。
180 名前:208 [2005/09/30(金) 17:35:35 ] A をネーター環とし、Mを A-加群とする。 Ass(M) に属す全ての素イデアルの合併部分は、M に関して非正則な元 全体と一致する。 証明 >>89 と>>90 より。 証明終
181 名前:208 [2005/09/30(金) 17:50:59 ] A をネーター環とし、Mを A-加群とする。 次の条件は同値である。 1)Ass(M) が1個の素イデアルのみからなる。 2)A の元で M に関して非正則なものは概べき零である。 証明 >>178 と>>180 より。 証明終
182 名前:132人目の素数さん [2005/09/30(金) 18:20:07 ] A をネーター環とし、Mを有限生成 A-加群とする。 N を M の真部分加群 とする。 N は有限個の準素部分加群の共通集合となる。 証明 M の部分加群のなす順序集合は極大条件を満たすから、 N は有限個の既約部分加群(>>157 )の共通集合となる。 既約部分加群は準素部分加群である(>>158 )。 証明終
183 名前:132人目の素数さん [2005/10/03(月) 10:00:08 ] >>166 は暗黙に次の命題を使用していた。 A を環、p をその素イデアルとすると、p に含まれる極少素イデアルが 存在する。 証明は、Zornの補題より簡単に得られる。 A がネーターの場合は、零イデアルの準素イデアル分解が存在すること を使えば、Zornの補題は必要ない。 因みに、ネーター環においては、素イデアルの降鎖列は有限で停留する。
184 名前:132人目の素数さん [2005/10/03(月) 11:23:43 ] A をネーター環、M を A-加群、(M_i) を M の部分加群の族で、 M = ∪M_i とする。このとき、 Ass(M) = ∪Ass(M_i) となる。 証明 明らか。
185 名前:208 [2005/10/03(月) 11:32:46 ] A をネーター環、M を A-加群、N をその部分加群とする。 Ass(M) ⊂ Ass(N) ∪ Ass(M/N) となる。 証明 p ∈ Ass(M) とする。M の部分加群 L で A/p と同型になるものが ある。 L ∩ N が空でなければ、p ∈ Ass(L ∩ N) ⊂ Ass(N) となる。L ∩ N が空なら、L は (L + N)/N ⊂ M/N と同型。 よって、p ∈ Ass(M/N) となる。 証明終
186 名前:208 [2005/10/03(月) 11:38:28 ] A をネーター環、M を A-加群、(M_i) を M の部分加群の族で、 M = ΣM_i (直和)とする。このとき、 Ass(M) = ∪Ass(M_i) となる。 証明 >>184 より(M_i)は有限個の族、特に2個の場合を証明すればよい。 M = M_1 + M_2 (直和)とする。 >>185 より、Ass(M) ⊂ Ass(M_1) ∪ Ass(M_2) となる。 逆の包含関係は明らか。 証明終
187 名前:208 [2005/10/03(月) 11:46:19 ] A をネーター環とし、Mを A-加群とする。 N を M の部分加群 とする。 N = Q_1 ∩ Q_2 とする。ここで、Q_1, Q_2 は準素部分加群であり、 {p} = Ass(M/Q_1) = Ass(M/Q_2) とする。 このとき、N は準素であり、{p} = Ass(M/N) となる。 証明 M/N は M/Q_1 + M/Q_2 (直和)の部分加群に同型である。 よって>>186 より、 Ass(M/N) ⊂ Ass(M/Q_1) ∪ Ass(M/Q_2) 証明終
188 名前:208 [2005/10/03(月) 11:59:08 ] 定義 A をネーター環とし、Mを A-加群とする。 M の部分加群 N が有限個の準素部分加群の共通集合となっている とする。N = Q_1 ∩ Q_2 ... ∩ Q_n 各 i に対して N ≠ ∩{Q_j; j ≠ i} となっているとき、 これを N の無駄のない準素分解と言う。 さらに、{p_i} = Ass(M/Q_i} としたとき、各 p_i が互いに異なって いるとき、これを、N の最短準素分解と言う。
189 名前:208 [2005/10/03(月) 12:04:07 ] ところで、かなりかったるいな。随伴素イデアルとか準素分解が こんなに長くなるとは思ってなかった。早くDedekind環に行きたい んだけど。まあ、もう少しで終わるから辛抱して。
190 名前:208 [2005/10/03(月) 14:21:29 ] A をネーター環とし、Mを A-加群とする。 M の部分加群 N の最短準素分解 N = Q_1 ∩ Q_2 ... ∩ Q_n があるとする。 各i に対して {p_i} = Ass(M/Q_i) とすると、 Ass(M/N) = {p_1, p_2, ... , p_n} となる。 証明 M/N は Σ(M/Q_i) (直和)の部分加群に同型だから、 >>186 より、Ass(M) ⊂ {p_1, p_2, ... , p_n} となる。 各i に対して P_i = ∩{Q_j; j ≠ i} とおく。 N = Q_1 ∩ Q_2 ... ∩ Q_n は無駄がないから、 P_i/N ≠ 0 である。P_i/N は (P_i + Q_i)/Q_i に同型であり、 (P_i + Q_i)/Q_i は M/Q_i の部分加群だから、 Ass(P_i/N) = {p_i} となる。P_i/N は M/N の部分加群だから p_i ∈ Ass(M/N) となる。 証明終
191 名前:208 [2005/10/03(月) 14:34:30 ] >>175 Mが有限生成なら、A の元が M に関して概べき零であることと、 べき零であることは同値である。
192 名前:208 [2005/10/03(月) 14:51:49 ] Mが有限生成の場合に、>>158 の別証を述べる。 この証明はネーター自身の証明と本質的には同じである。 命題 A をネーター環とし、Mを有限生成 A-加群とする。 N を M の部分加群とする。 N が準素部分加群でなければ、N は可約である。 証明 M を M/N に置き換えることにより、 N = 0 と仮定してよい。 0 が準素でないとする。>>181 より、A の元 a で M に関して非正則かつ (M に関して)べき零でないものがある。A-加群 としての自己準同型 f を f(x) = ax により定義する。仮定より、f は単射でもべき零でもない。 >>159 より、0 は可約になる。 証明終
193 名前:208 [2005/10/03(月) 15:04:02 ] 次の命題はしばしば使われる。 命題 A をネーター環とし、Mを有限生成 A-加群とする。 M の部分群の列 0 = M_0 ⊂ M_1 ⊂ ... ⊂ M_n = M で 各 M_i/M_(i-1) が A/p_i と同型になるものが存在する。p_i は素イデアル。 証明 p_1 ∈ Ass(M) とすると、A/p_1 と同型な M の部分群 M_1 がある。 M/M_1 ≠ 0 なら、p_2 ∈ Ass(M/M_1) をとり同様にする。 M はネーターなのでこの操作は有限回で終わる。 証明終
194 名前:208 [2005/10/03(月) 16:45:49 ] A を環、Mを A-加群、 N, L を M の部分加群とする。 S を A の積閉集合とする。 M_S の部分加群として、(N ∩ L)_S = N_S ∩ L_S となる。 証明 完全列 0 → N ∩ L → M → M/N + M/L(直和) より、完全列 0 → (N ∩ L)_S → M_S → M_S/N_S + M_S/L_S(直和) が得られる(>>86 )。 証明終
195 名前:208 [2005/10/03(月) 17:13:36 ] A をネーター環とし、Mを A-加群、 Q を M の準素部分加群、Ass(M/Q) = {p} とする。 S を A の積閉集合とする。p ∩ S が空なら、Q_S は M_S の 準素部分加群であり、Ass(M_S/Q_S) = {pA_S} となる。 さらに、φ^(-1)(Q_S) = Q となる。ここで、φ: A → A_S は 標準射。 p ∩ S が空でないなら Q_S = M_S となる。 証明 p ∩ S が空とする。 >>95 より、 Ass(M_S/Q_S) = Ass(M/Q) ∩ Spec(A_S) となる。 よって、Ass(M_S/Q_S) = {pA_S} となる。 s ∈ S、x ∈ M、 sx ∈ Q とする。>>180 より s は M/Q に関して正則元だから x ∈ Q となる。 これは、φ^(-1)(Q_S) = Q を意味する。 次に、p ∩ S が空でないとする。 Ass(M_S/Q_S) = Ass(M/Q) ∩ Spec(A_S) は空となるから、 M_S/Q_S = 0 である。 証明終
196 名前:208 [2005/10/03(月) 17:31:40 ] A をネーター環とし、Mを A-加群、 N = Q_1 ∩ Q_2 ... ∩ Q_n を M の部分加群 N の最短準素分解 各i に対して {p_i} = Ass(M/Q_i)、 S を A の積閉集合とする。 0 < r < n, i = 1, ... , r に対して p_i ∩ S は空、j = r+1, ... , n に対して p_j ∩ S は空でない とする。このとき、N_S = (Q_1)_S ∩ (Q_2)_S ... ∩ (Q_r)_S となり、これは N_S の M_S における最短準素分解である。 証明 >>194 と>>195 より。 証明終
197 名前:208 [2005/10/03(月) 17:44:20 ] >>195 >ここで、φ: A → A_S は標準射。 ここで、φ: M → M_S は標準射。
198 名前:208 [2005/10/03(月) 17:45:20 ] A をネーター環とし、Mを A-加群、 N = Q_1 ∩ Q_2 ... ∩ Q_n を M の部分加群 N の最短準素分解 各i に対して {p_i} = Ass(M/Q_i) とする。 ある i に対して p_i が極小素イデアルとすると、 Q_i = φ^(-1)(N_p_i) となる。よって、 Q_i は、N と p_i により 一意に決まる。 ここで、N_p_i は、いつものように積閉集合 S = A - p_i による局所化。 φ: M → M_p_i は標準射。 証明 >>196 より。 証明終
199 名前:208 [2005/10/04(火) 11:25:15 ] ネーター加群における準素加群分解(>>182 )は、既約部分加群が 準素であるという事実(>>158 または>>192 )に基づいていた。 しかし、準素部分加群は既約とは限らない。既約とは限らない 準素部分加群による分解は次の結果から得られる。 命題 A をネーター環とし、Mを有限生成 A-加群とする。 p ∈ Ass(M) とすると、M の部分加群 N で、 Ass(M/N) = {p}, Ass(N) = Ass(M) - {p} となるものが存在する。 証明 Ass(M) = {p} なら命題は自明なので、Ass(M) ≠ {p} と仮定する。 M の部分加群 N で、Ass(N) に p を含まないものの中で極大なもの とする。このようなものが存在することは、M がネーター加群である ことからわかる。Ass(M) ⊂ Ass(N) ∪ Ass(M/N) だから、 p ∈ Ass(M/N) となる。q ∈ Ass(M/N) で p ≠ q となるものがある とする。N ⊂ L で L/N が A/q と同型になるような部分加群 L が 存在する。Ass(L/N) = {q} で Ass(L) ⊂ Ass(N) ∪ Ass(L/N) だから Ass(L) は p を含まない。これは N の極大性に反する。 よって、Ass(M/N) = {p} である。Ass(N) = Ass(M) - {p} は、これと Ass(N) ⊂ Ass(M) および、Ass(M) ⊂ Ass(N) ∪ Ass(M/N) からわかる。 証明終
200 名前:208 [2005/10/04(火) 12:23:14 ] A をネーター環とし、Mを有限生成 A-加群とする。 各 p ∈ Ass(M) に対して、M の部分加群 Q(p) で、 Ass(M/Q(p)) = {p}, Ass(Q(p)) = Ass(M) - {p} となる とする(>>199 )。 このとき、0 = ∩{Q(p); p ∈ Ass(M)} となり、 これは、0 の最短準素分解である。 証明 N = ∩{Q(p); p ∈ Ass(M)} とおく。Ass(N) ⊂ Ass(Q(p)) だから、Ass(N) は空である。よって N = 0 である(>>90 )。 0 = ∩{Q(p); p ∈ Ass(M)} は最短準素分解である。 何故なら、もしあるp ∈ Ass(M) に対して 0 = ∩{Q(q); q ∈ Ass(M), q ≠ p} とすると、 M は、直和 ΣM/Q(q) に埋め込まれて、 Ass(M) ⊂ ∪Ass(M/Q(q)) となり矛盾する。 証明終
201 名前:208 [2005/10/04(火) 12:59:11 ] A をネーター環とし、Mを有限生成 A-加群とする。 Ass(M) に属す素イデアル全体の共通集合は、Mに関してべき零 となる元全体からなる(>>178 )。 Ass(M) に属す素イデアル全体の合併集合は、Mに関して非正則 な元全体からなる(>>180 )。 特に、A を A-加群とみると、これは有限生成だから、 Ass(A) に属す素イデアル全体の共通集合は、A のべき零元全体と 一致する。つまり、Nil(A) である(>>163 )。 Ass(A) に属す素イデアル全体の合併集合は、A の非零因子全体と 一致する。
202 名前:208 [2005/10/04(火) 17:50:56 ] A をネーター環とし、Mを有限生成 A-加群とする。 M の部分加群 N が準素であるためには、M/N に関して非正則な A の元は、M/N に関してべき零であることが必要十分である。 証明 >>181 と>>191 より明らかだろう。
203 名前:208 [2005/10/04(火) 18:03:34 ] 命題 A を環、I, J を A のイデアル、p を A の素イデアルとし、 IJ ⊂ p とする。 このとき、 I ⊂ p または、J ⊂ p となる。 証明は明らかだろう。
204 名前:208 [2005/10/04(火) 18:18:37 ] 命題 A をネーター環とする。 Ass(A) = {p_1, p_2, ... , p_r} とする。 p を A の任意の素イデアルとすると、 ある i に対して p_i ⊂ p となる。 証明 A の零イデアルの最短準素分解を 0 = q_1 ∩ q_2 ∩ ... ∩ q_r とし、Ass(A/q_i) = {p_i} とする。 (q_1)(q_2)...(q_r) ⊂ q_1 ∩ q_2 ∩ ... ∩ q_r だから、>>208 より、q_i ⊂ p となる i がある。 >>178 より、p_i = rad(q_i) である。 よって、>>165 より、(p_i)^(n) ⊂ q_i となる整数 n がある。 よって、(p_i)^n ⊂ p となる。 再び、>>208 より p_i ⊂ p となる。 証明終
205 名前:208 [2005/10/06(木) 11:39:25 ] ネーター環において極小素イデアルは有限個しかないということは、 >>204 からわかるが、これは、 A がネーター環のとき、Spec(A) の 閉部分集合全体が極小条件を満たすことからもわかる。 これを以下に説明する。 定義 位相空間 X が可約とは、 X = F_1 ∪ F_2 となる、X の閉部分集合 F_1, F_2 で X ≠ F_1, X ≠ F_2 となるものが存在することをいう。 空集合でない位相空間が可約でないとき既約という。 位相空間 X の部分集合 A が既約とは、A に部分空間としての位相を いれたときに、既約なことをいう。
206 名前:208 [2005/10/06(木) 12:05:53 ] u: A → B を環の射とすると、位相空間としての射 u~: Spec(B) → Spec(A) が、u~(p) = u^(-1)(p) で定まる。 u~が写像として定まり、連続であることを確かめるのは 読者にまかす。 u: A → A/Nil(A) を標準射とすると、 u~: Spec(A/Nil(A) ) → Spec(A) は、位相空間としての同型射となる。 これを確かめるのも、読者にまかす。 ここで、Nil(A) は A のべき零元の全体である(>>163 )。 よって、Spec(A) の位相を考えるときは、Nil(A) = 0 と仮定してよい。 Nil(A) = 0 となるとき、A を被約という。
207 名前:208 [2005/10/06(木) 12:33:54 ] 空でない位相空間 X が既約なためには、X の任意の空でない開集合 が稠密であることが必要十分である。これは、2個の空でない開集合の 共通集合が空でないことと同値である。
208 名前:208 [2005/10/06(木) 12:40:21 ] A を環とする。 Spec(A) の開集合は、D(f) (>>162 ) の形の開集合の合併集合になる。 よって、Spec(A) が既約なためには、任意の D(f) と D(g) が空で なければ、D(f) ∩ D(g) = D(fg) が空でないことが必要十分である(>>207 )。 D(f) が空であることと、f がベキ零であることは同値である(>>162 )。 よって、A が被約なら、D(f) が空でないことは、f ≠ 0 と同値である。 よって、A が被約なら、Spec(A) が既約であることと、A が整域で あることは、同値である。 これから、被約とは限らない A については、Spec(A) が既約であることと、 Nil(A) が素イデアルであることは同値である(>>206 )。
209 名前:208 [2005/10/07(金) 10:16:08 ] 位相空間 X の空でない部分集合 E が既約なことと、以下の条件が成立つ ことは同値である。 E ⊂ F_1 ∪ F_2 となる X の閉部分集合 F_1, F_2 があるとすると、 E ⊂ F_1 または E ⊂ F_2 となる。 証明は定義(>>205 )から明らかだろう。
210 名前:208 [2005/10/07(金) 10:48:33 ] 位相空間 X の部分集合 E が既約なことと、その閉包 cl(E) が既約 なことは同値である。 証明 証明は>>209 から明らかだろう。
211 名前:208 [2005/10/07(金) 10:50:59 ] 演習問題 ハウスドルフ空間が既約なのは、それが1点よりなる場合のみである。
212 名前:208 [2005/10/07(金) 11:12:55 ] 命題 位相空間 X の既約部分集合の集合 {E} が包含関係に関して全順序 集合となっているものとする。この合併集合 ∪E は既約である。 証明は>>209 から明らかだろう。
213 名前:208 [2005/10/07(金) 11:48:58 ] 定義 位相空間 X の既約部分集合 E が包含関係に関して極大なとき、 つまり、E を真に含む既約部分集合が存在しないとき、 E を X の既約成分という。 既約成分は>>210 より閉部分集合である。 >>212 とZornの補題より任意の既約部分集合に対して、それを含む 既約成分が存在する。 位相空間の任意の点 p に対して {p} は、既約である。 よって、任意の位相空間はその既約成分の合併集合になる。
214 名前:208 [2005/10/07(金) 19:13:37 ] 定義 位相空間 X の閉部分集合を要素とする空でない任意の集合に包含関係に 関しての極小元が存在するとき、つまり、閉部分集合に関して極小条件 が成立つとき、X をネーター空間と呼ぶ。 これは閉部分集合の降鎖列が途中で停留することと同値である。 さらに、これは開部分集合に関して極大条件が成立つことと同値である。
215 名前:208 [2005/10/11(火) 10:49:44 ] 定義 位相空間 X の任意の開被覆が有限部分開被覆を持つとき、X を 準コンパクト(quasi-compact)という。位相空間がハウスドルフかつ 準コンパクトなときコンパクトという。
216 名前:208 [2005/10/11(火) 10:58:31 ] ネーター空間は準コンパクトである。 証明 X をネーター空間とし、X の開被覆 {U_i} があるとする。 有限個の U_i の合併となる開部分集合全体を考える。 X はネーターだから、この中に極大なものがある。 これを U とすると、U の極大性から、任意の U_i ⊂ U となる。よって X = U となる。 証明終
217 名前:208 [2005/10/11(火) 11:09:44 ] 位相空間がネーターであるためには、その任意の開部分集合が 準コンパクトであることが必要十分である。 証明は各自にまかす。
218 名前:208 [2005/10/11(火) 11:21:25 ] ネーター空間の既約成分は有限個である。 証明 X をネーター空間とし、X の空でない閉部分集合で有限個の 既約閉部分集合の合併とならないものがあるとする。 X はネーターだから、このようなもののなかに極小なものがある。 これを F とする。F は既約ではないから、 F = F_1 ∪ F_2 となる 閉部分集合 F_1, F_2 で F と異なるものがある。F の極小性から これらは有限個の既約閉部分集合の合併となる。よって F も 有限個の既約閉部分集合の合併となる。これは矛盾。 よって X の任意の空でない閉部分集合は有限個の既約閉部分集合の 合併となる。とくに X がそうなる。 証明終 (注) このような論法は今までにも暗黙に使った。例えば>>182 。 この論法をネーター帰納法と呼ぶ。
219 名前:208 [2005/10/11(火) 11:47:45 ] A を環、E を Spec(A) の部分集合とする。 E に属すすべての素イデアルの共通部分を I(E) と書く。 I を A のイデアルとすると、 I(V(I)) = rad(I) となる(>>164 )。 I = rad(I) となるイデアルを根基イデアルという。 Spec(A) の閉部分集合の集合と A の根基イデアルの集合は F に I(F) を対応させることにより1対1に対応する。
220 名前:208 [2005/10/11(火) 11:49:36 ] A を環、E を Spec(A) の部分集合とする。 cl(E) = V(I(E)) となる。ここで、cl(E) は E の閉包をあらわす。 証明 E ⊂ V(I(E)) は明らか。E ⊂ V(J) とする。ここで J は A のイデアル。 I(V(J)) ⊂ I(E) である。I(V(J)) = rad(J) だから(>>219 )、 rad(J) ⊂ I(E) となる。よって V(I(E)) ⊂ V(rad(J)) = V(J) つまり V(I(E)) は E を含む最小の閉部分集合である。 よって、cl(E) = V(I(E)) となる。 証明終
221 名前:208 [2005/10/11(火) 12:02:42 ] A をネーター環とすると、Spec(A) はネーター空間である。 証明 >>219 より Spec(A) の閉部分集合の集合と A の根基イデアルの集合は 1対1に対応する。これより明らか。
222 名前:208 [2005/10/11(火) 12:09:19 ] A を環とする。Spec(A) の既約部分集合の集合は Spec(A) と1対1に 対応する。 証明 >>208 より V(I) が既約なためには rad(I) が素イデアルであることが 必要十分である。これより明らか。
223 名前:208 [2005/10/11(火) 12:13:06 ] 環 A の極小素イデアルと Spec(A) の既約成分は1対1に対応する。 証明 既約成分の定義(>>213 ) と>>222 より明らか。
224 名前:208 [2005/10/11(火) 12:15:25 ] 命題 ネーター環の極小素イデアルは有限個である。 証明 >>218 と>>223 より。
225 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2005/10/11(火) 12:17:36 ] おもしろいスレじゃのう。 よっ、この208! 仕事人!!ガンガレ
226 名前:132人目の素数さん [2005/10/11(火) 12:42:45 ] Hand book of K-theory , Springer (Eric Friedlander & Dan Grayson) kore yondahitoiru??
227 名前:208 [2005/10/11(火) 12:45:57 ] Thanks(>>225 ). これを書くのにBourbakiの可換代数を参考にしてることは前に書いた。 私見によれば、現在のところ可換代数の入門書としてはBourbakiの 可換代数がトップだろうな。8、9、10章が数年前に出たことにより 松村を抜いた。8章は次元論。9章は完備局所環の構造定理とその応用。 10章は、ホモロジー代数の応用とCM環。