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【朝ドラ】ゲゲゲの女房でエロパロ【昭和のかほり】



1 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/05(水) 12:07:38 ID:wXoQLilw]
なさそうなので立ててみた

389 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/20(日) 02:48:05 ID:pHdjypfa]
>>387
新作キタ━━ヾ( ◎ )/━━!!
チュッチュッしちょるよ〜w
向井リと松下さんが本当に演じてる場面が浮かんできて
放送にないのがオカシク感じてきたw
やばいwww

それにしてもこの夫婦イチャイチャしすぎである
実にけしからん!
もっとやれ(ry

390 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/20(日) 02:58:22 ID:bF1aMllm]
所構わずちゅっちゅっするのは危険ですぞwでも可愛いのう!萌えをありがとうございますっ!

391 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/20(日) 03:20:49 ID:QF4EIjMv]
規制解除ヤッタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!
時間亀杉かもしれないけどうpしてくれる職人さんに感謝&萌えまくりです
皆さん脇役活用旨過ぎ!!
浦木とか美智子とか中森さんとか一反木綿とかww



浦木の間男疑惑
ほんとにゲゲは1_も疑いとかよくない妄想とか持たんだったんだろーか
(その辺のお話ちょっこし期待してみるw)

392 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/20(日) 10:16:18 ID:hgmqhzYJ]
>>387
GJ!カワユス
このあとフミちゃんがどれだけ身体で返したのかも是非読みたいですw
>>391
皆様、脇役にも愛を持って書いているのが伝わりますなぁ

393 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/20(日) 21:19:41 ID:9y7y+z0H]
281様!新作待っちょりました。
口づけの嵐で甘いですな〜

そういえば今日の総集編の最初でこれから放送予定の3カットが
公開されましたね。
3カットともイチャイチャカットで萌えw


394 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/21(月) 21:16:40 ID:qv3Yj3X3]
暫く離れ離れの夫婦ですか…寂しい…
勿論旅立ちの前夜には
二人の絆をしっかりねっとり確かめあうんですよねわかります
でも…やっぱり寂しいなぁ(´;ω;`)

395 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/21(月) 22:18:29 ID:yi3sQpnp]



まいど、281です。

いつもレスありがとうございます。嬉しいです。
本番よりもイチャイチャの時間が萌えるので
こういうチュッチュしとるのが実は好きです。
いや、エロいのもええんですが。

あと自分、書くのも好きなんですが、
読む方もすごい好きなので、
職人さまの投下が待ち遠しいです。

今は>>391さんの「浦木間男疑惑」にヒントを得て
あれこれ考え中です。

あの回の「亭主の留守に間男しにきたわけではないぞ」の浦木の台詞に
「当たり前だ!だら!」というゲゲの強い口調が
なんか妙に萌えたのは自分だけだったのか?
と思っていたのですが、>>391さんもそう思っていたのですかね?

396 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/21(月) 22:50:49 ID:7m/LWao8]
>>395
391タソではないですが、あのゲゲのリアクションは萌えましたね〜!
2人きりになってからも、もう少し引っ張って欲しかったくらいw

397 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/21(月) 23:50:54 ID:73pjz8zi]
>>395
お〜!やっぱりチューがお好きなんですね。
281さんの2人はよくチュッチュッしてて可愛くて凄い萌えますw
新作も楽しみにしちょりますけん!



398 名前:蜜柑1 mailto:sage [2010/06/22(火) 02:03:35 ID:O5311a8s]
「今日は、100円で蜜柑がこんなに♪本当この所100円づいちょるわ♪早く帰って果汁絞って藍子に飲ませんと♪…そういえば…おとうちゃんと安来からの汽車の中で蜜柑一緒に食べたなぁ…フフッ」

ドンッ!!

「きゃっ!!」
「わっ!!」

ドサッ!ゴロゴロゴロゴロ…

「「すんませんっ!!」」

「あっ…とっ…失礼しました!ぼんやりしていて…お怪我はありませんか?あぁぁぁ蜜柑がぁ〜!!」

「ええっ!こちらこそすんません。大丈夫ですけん。私も、ちょっこしぼんやりしちょったんです…………蜜柑〜〜〜〜!!」

道端に転がった蜜柑をしゃがんで拾い集めながら男は布美枝の言葉が気になった
「えっ…ちょっこし…しちょった…あっ。最後の1個…
………………………………あの失礼ですが、郷はどちらでしょうか?」

「はぁ〜良かったぁ…ありがとうございます
はい?島根の安来の方です。ご存じですか?」

蜜柑の入った袋を大事に抱えながら立ち上がる

「あぁ!やっぱり!自分も安来なんです………って…で…!!(デカい!この人…んっ…大きい→電信柱…)
…まさか…布美枝ちゃん?」

399 名前:蜜柑2 mailto:sage [2010/06/22(火) 02:05:18 ID:O5311a8s]
「えっ…えっと…そげですが…えっと…あのー…」
「俺だ!俺!覚えちょらんかなぁ〜山田!山田太郎!」
「えええぇぇぇタロちゃん!東京に住んどったの?」
「仕事で5年前に…しかし…びっくりした!安来の時より更に背ぇ伸びちょらんか?…………あぁ…でも、綺麗になったなぁ」

「もぅ…最初に私のこと『電信柱』って言ったのタロちゃんだけんね…えっ…綺麗…?」
「うん。ほんに綺麗になったなぁ。…あー…電信柱はすまんかった。あの頃、ふみちゃん俺より背ぇ高かったけん。好きな子より小さいんは悔しくてなぁ…つい…」

「えっ…えええぇぇぇーーーーーー!しし知らんかったよ…
えっと…そのぉ…
すっかり東京の人みたい。最初全然なまっちょらんかったよ」

「おっ…うん…営業で外回るけん。頑張って直した。けんどふみちゃんに会ったらすっかり戻ったなぁ。あははっ。
今は?結婚しちょるの?」

「うっ、うん。子供もおるよ」
「そげか。会えて嬉しかった」
「うん。…あっ。じゃ、私こっち」
「おぅ!元気でな」
「タロちゃんも」

400 名前:蜜柑3 mailto:sage [2010/06/22(火) 02:05:53 ID:O5311a8s]
帰り道、太郎の言葉を反芻する
「知らんかったわータロちゃんが私を…あの頃は、ただ意地悪な子としかおもっちょらんかったなー背も伸びて、きっちりスーツ着て、かっこよくなっちょったなぁ」



「ただいま帰りましたー!藍子ただいま!ええ子にしちょった?」
「ええ子にしちょったなぁーおっ。藍子、土産があるようだ
おぅ。よだれ垂らして。ははっ!わかっちょるな」



夕食後
藍子に果汁を飲ませると満足したのか、機嫌良く眠ったので2階に運んでベビーベッドに寝かせ布美枝は、1階に降りた

「あれっ?おとうちゃん、蜜柑食べんのですか?」
「食うけん。剥いてくれ」

普段はなんでも自分でこなす茂だが時折、布美枝に甘えたがるときがある。
この時も布美枝が2階に行ってる間に器用に蜜柑の皮を剥いてひとつペロリと平らげたのだが…

「はいはい♪いま剥きますね」

401 名前:蜜柑4 mailto:sage [2010/06/22(火) 02:07:05 ID:O5311a8s]
蜜柑の皮を剥きながら、ふと先程の太郎の事を思い出して笑ってしまった

「んっ。どげした?思い出し笑いか」
「いえ…さっき帰り道、男の人とぶつかったら…その人、小学校の時の同級生だったんです
私は全然気付かんかったんたんですが…向こうはすぐ私だと気付いてくれて
少しおしゃべりしちょったんです」

「ふーんそげか。」
蜜柑を剥いていて茂が少し不機嫌な顔になった事に気付かない布美枝
さらに話を続け

「あの頃は、丸坊主だったのに…髪も背も伸びて、かっこよくなって…
それに…ふふふっ♪
…はい。おとうちゃん、お蜜柑むけましたよ………………んっ。おとうちゃん??」

布美枝が顔をあげた頃には茂は、すっかり臍を曲げてしまい布美枝に背を向けていた

402 名前:蜜柑5 mailto:sage [2010/06/22(火) 02:08:49 ID:O5311a8s]
「いらん」
「え!おとうちゃんが食べ物いらんなんて……
あれっ?
えとっ…まさか、おとうちゃん妬いて?」

「だらっ!誰が妬くか!!いらん!いらんったらいらん!」

「もぅ」
布美枝は、そっと茂に近付き広い背中にもたれ頬を寄せ抱きつく

「もぅ…おとうちゃんたら」
「ふんっ」
「私には、おとうちゃんよりかっこいい人なんてどこ探したって絶対おらんですけん」
「…………」

そっと顔をあげ茂の耳元に唇を近付けた
「機嫌なおしてください…あ・な・た♪」

ドキッと茂の心臓が跳ねるのがわかったが、ここで吹き出しては元も子もないと、ぐっと笑いを堪えて
蜜柑をひと房口にくわえる
茂はその様子を目の端で捉えながら振り返り
「わかっちょるならええ」

そっと唇を近付け
口移しに蜜柑を頬張ると満足そうに笑った



ちゃんちゃん♪

403 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/22(火) 07:36:07 ID:HNcSaQXH]
>>398
新作キタ━━━ヾ(◎)ノ━━━!!
職人様、だんだん!
やっぱヤキモチ展開は良いなぁ
まさかのフミちゃんからの口移しとゲゲの可愛い拗ね方に萌えた!

ドラマとこのスレのお陰で今日も頑張れるw
前にも書いてる方がいるけど、自分も2人が居るだけで幸せw

404 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/22(火) 10:39:44 ID:1aaL9G6P]
>>403
職人タソありがd
嫉妬ゲゲ大好きです!
個人的には、ちょっぴりSモードゲゲも大好きですwww
続きもヨロシクお願い致します!!

405 名前:404 mailto:sage [2010/06/22(火) 10:41:04 ID:1aaL9G6P]
アンカーミスですスマソ
>>402様へのレスです
失礼しました

406 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/22(火) 15:54:34 ID:ChR3AF56]
嫉妬ゲゲが可愛いですなあ。自分で皮むけるけど、フミちゃんに頼むあたりがいいよねw

407 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/22(火) 23:26:42 ID:HNcSaQXH]
>>406
電車の中では断ってたのになw>みかん剥き



408 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/23(水) 00:53:53 ID:qOdJHu1h]

どうも、281です。

>>398さん、確かに自分で皮むかないゲゲ萌え。
口移しがバナナでなくてよかったw

ヤキモチはいいもんです。
というわけで、自分もヤキモチ話を投下。



409 名前:ヤキモチ焼けました1 mailto:sage [2010/06/23(水) 00:54:59 ID:qOdJHu1h]

漫画のストーリーの展開に行き詰ると、散歩に出かけるのが茂の常だった。
真夏のうだるような暑さはもうすっかり薄れ、
墓めぐりにはもってこいの秋の夕方。
しばし「何十年も死んで、心が寛容になった」先人達の墓と対話し、
ぶらぶらとススキを揺らしながら家に戻ってきた。

すると。

「ああっ、だめ、だめです、浦木さん…」

開いた窓の向こうから、切羽詰ったような布美枝の声。

「でも、奥さん…」

もうひとつの声は、あのイタチ男、浦木だった。

「中はだめです、外に、外に出してください、お願い…」
「…じゃあ、行きますよ」
「はい…あ…行く、行きます…」

何なんだ、この会話は?!

410 名前:ヤキモチ焼けました2 mailto:sage [2010/06/23(水) 00:55:44 ID:qOdJHu1h]

茂の頭は一気に沸騰し、沸点をも通り越すほどにかっと熱くなった。
まさか自分の留守にイタチと布美枝が?!
そんなはずはない!が、今の会話はまさに濡れ場の男女のそれではないか!
信じられない思いで茂は、持っていたススキを放り投げると
ただでさえ壊れそうな玄関の扉を勢いよくあけ、だだっと居間に駆け込んだ。

「浦木ぃ!!」

どすの効いた茂の声と

「きゃー!やったーー!」

布美枝の黄色い声は同時。

布美枝と浦木は、鬼気迫る形相の茂を振り返って「?」顔をした。

「…おかえりなさい」
「なんだ、ゲゲ?何怖い顔しとるんだ、お前」

茂の想像とはうらはらに、濡れ場のはずの二人はしっかり服を着込んでおり、
布美枝はハエたたきを、浦木は丸めた新聞紙を持って立っていた。

「…な、にを、しとったんだ?」

茂にはその場の状況が理解できなかった。
すっかり鬼の形相はなくなっていたけれど。

411 名前:ヤキモチ焼けました3 mailto:sage [2010/06/23(水) 00:56:25 ID:qOdJHu1h]

「ゴキブリが出たんです。もう涼しくなっておらんようになったと思っとったのに。
 それで、浦木さんに追いやってもらったんです」
「奥さんが家の中で叩き潰すのは気味が悪いから、外に出してくれと言うのでな。
 二人でゴキブリを追いやっとったんだ」
「うまく外に行きましたね」
「私の巧妙なる誘導のたまものですな」
笑顔で向き合う二人に、茂はちょっとむっとした。

しかして、自分の勘違いをどうにも説明のしようのない茂は、
「な、何しに来たんだお前はー!」結局浦木に当たるしかなかった。

「何しにとは冷たいじゃないの。近くを通ったから様子を見にきたんでねーか。
 そしたら煮物のええ匂いがして…」
「メシにありつこうって魂胆か!」
「…いやあ、まとまった金が入るまであと2、3日あるんでな。ちっとひもじいんだわ」
「帰れ!この野良イタチ!」

飼われたイタチがいるのかどうかはわからなかったが、
茂は浦木を蹴飛ばしながら玄関まで来ると、
自分が勢いよく入ってきて、その反動で開けっ放しになってあった扉から追い出した。

慌てて布美枝があとから追いかけてきて
「浦木さん、助かりました。これ、ちょっこしですけど」
と言って、握り飯の包みを渡した。

412 名前:ヤキモチ焼けました4 mailto:sage [2010/06/23(水) 00:57:01 ID:qOdJHu1h]

「ああっ!ありがとうございます、奥さん。
 それにしてもあげな鬼のような亭主によー尽くしとりますなあ。
 この前なんかもほれ、無理矢理玄関先でねぇ」

と言われて、はっとして布美枝は真っ赤になってしまう。

玄関前の廊下で、夫婦の甘い口づけを交わしている姿を
浦木にばっちり見られてしまったのはつい一月ほど前だった。

「ま、独り身としては目の保養、下半身の慰めに…」
「だらくそがっ!!さっさとどっか行けっ!!」

茂がまた赤鬼のように追いかけてこようとしたので、浦木は慌てて逃げていった。

部屋に戻った茂は、持って行き場のない怒りと恥を抱えてちゃぶ台の前に座った。
布美枝は呆れた顔でその背中を見やり、
「何もあそこまでせんでも…」と言って少しため息をついた。
「お前なぁ…!」
と言いかけて、布美枝を振り返る。
ふっと自分の想像の中の濡れ場で、浦木に抱かれて悶える布美枝の表情を思い出してしまった。

「ん?」
「ぐっ…」

茂は言葉を飲み込んでしまった。

413 名前:ヤキモチ焼けました5 mailto:sage [2010/06/23(水) 00:57:49 ID:qOdJHu1h]

「…お手伝い、しましょうか?」

そうっと襖を開けて、布美枝は茂の様子を伺った。
今日は浦木が来てから機嫌が悪いようで、ずっと口を利いてくれない。
もしかしたら「寝ろ」と言われるかも、と覚悟した。
けれど「…ん」と言って、原稿を布美枝の作業机に差し出してくれた。
ほっとする。

言葉はかけてくれなかったけれど、布美枝は嬉しくなって作業を始めた。
しばらくしんとした中、ペンの走る音と原稿をめくる音だけがしていた。
やがてこの沈黙に耐えられなくなったのは、茂の方だった。
「…おい」
「はい?」
布美枝は原稿から顔を上げずに返事をした。

「…浦木をそうそう家に上げるなよ」
「え?」
ぱっと顔を上げる布美枝。
茂の低い声に少し怖気づく。

414 名前:ヤキモチ焼けました6 mailto:sage [2010/06/23(水) 00:58:36 ID:qOdJHu1h]

「どげしたんですか?あなたの幼馴染でしょう?」
「ろくなヤツでないと言っただろうが」
「それは…そうですけど」
中森のこと、少年戦記の会のこと、色々と思い当たる節がある。

「けど、あたしは色々話が聞けて楽しいです。
 あたしの知らん頃のあなたのこと。今日もようけ話してくれました」
「…」
「ケンカばーっかししとったとか、昔から食いしん坊だったとか」
「ろくでもない…」
「浦木さんと話しとると楽しいですよ。話し上手ですけん、おもしろい…」
「そげなら俺と別れて浦木と一緒になったらえーでなーか」

言ってから、しまった、と思った。
思わず口をついて出た台詞は、しかしもう拾い返しようがない。
我ながらなんと子どもみたいなことを…。
なんとも厭味な、えげつない言い方と内容。
ガシガシ、頭を掻きむしる。すると、左側の視界にきらりと光るものが飛び込んできた。
はっとして顔を上げると、布美枝が大粒の涙を零して肩を震わせていた。


415 名前:ヤキモチ焼けました7 mailto:sage [2010/06/23(水) 00:59:24 ID:qOdJHu1h]

「な…」
「ひっく…な、なんでそげなこと…言うんですか…ひっ…
 何をそげに…今日は怒っとられるのか…あたしにはわからん…ひっく…」
「や、な、何も、泣かんでも…」
「ひっ、えっ…えーん…」
「わ、悪かった!嘘だ、本気で言ったんでなーわ!」

なかなか止まらない布美枝の涙に、茂はほとほと困り果てた。

自分のつまらない勘違いから、本当は浦木にも八つ当たりをしたのはわかっていた。
けれど、布美枝をも泣かせるまでのこの幼稚さ…。
自己嫌悪に拍車がかかるが、かといって布美枝にかける言葉は見つからない。

おどおどしながら、布美枝を抱き寄せ、背中をとんとん叩いてやる。
布美枝はぎゅっと茂の背中に腕をまわして、その胸の中でしばらく泣いていた。

「…悪かった…」
としか言いようがない。
しばらくしてようやく少し落ちついた布美枝を見て、ほっとした。
壊れ物でも扱うように、そっと布美枝の肩を抱いて自分から引き離すと、
涙の痕を軽く指でぬぐってやった。

416 名前:ヤキモチ焼けました8 mailto:sage [2010/06/23(水) 01:00:02 ID:qOdJHu1h]

それを合図に思ったのか、布美枝は茂を見上げる。
目と目が合うと、どちらからともなく、唇を触れ合った。

熱い吐息とともに離れた唇を、今度は布美枝の首筋に落とす。
茂の右手は既にブラウスのボタンをはずし始めていた。

と、布美枝の手がそれを制止する。

「…訊いてもええですか?」
「…ん」
「もしかして…」
「ん?」
「やきもち、やいとったですか?」
「!」

見上げてくる布美枝の、どこか悪戯っぽい視線から、茂は思わず目を逸らしてしまった。

「浦木さんのこと、ええように言ったからあなた、怒ったんでしょう?」
「…ぅ」

自分の顔が赤くなるのを感じた茂は、手で顔を覆うが
布美枝の「口撃」に撃沈寸前までの痛手を被っていた。

「うふふ」
「何を…さっきまで泣いとったヤツが」

それを言うのが精一杯だった。もう白旗を揚げるしかない。

417 名前:ヤキモチ焼けました9 mailto:sage [2010/06/23(水) 01:00:39 ID:qOdJHu1h]

すると。

布美枝が、茂の首に飛びついてきて、勢い余って後ろに倒されてしまった。
いつもとは違い、布美枝に組み敷かれ、見下ろされる茂の図。

その布美枝の顔には、さっきまでの笑みはなく、ちょっと緊張した面持ちがあった。

そうっと茂の唇に自らのそれを落とすと、二度三度、繰り返す。
稚拙なキスだったが、茂はただそれを受け止めた。

「あの…」

声も緊張しているような布美枝の問いかけに、視線で返す。

「今日は…このままで。その…物真似ですけど」
「…ん?誰の」
「あなたしかおらんです。あなたしか…知らんのですけん」

顔を赤くして視線をそらす布美枝を、いじらしく思いながら、
茂は下から布美枝の唇を誘いにいって、布美枝もそれに誘われて、二人は深く口づけた。




418 名前:ヤキモチ焼けました10 mailto:sage [2010/06/23(水) 01:01:18 ID:qOdJHu1h]

布美枝は茂の、茂は布美枝の、お互いの服のボタンをはずしていく。
布美枝の両手は小刻みに震えて、なかなか上手くいかない。
片手なのに、ずっと茂の方が早かった。
下着の上から柔らかい乳房の感触を愉しんでいると、怒られた。
「ぁ…ん、もうっ、気が散るっ」
「寝転んどるだけでは退屈だが。お前がトロくさいんだ」

やっと茂の服を脱がせることに成功すると、
広い胸にドキドキしながら唇を落とし、鎖骨に添って舌を這わせた。

「こそばゆいな…」

少し笑って、茂は言った。

今度は二つの突起を舐めあげてみる。
一方は舌で、一方は指で、愛してみる。
布美枝なら、この瞬間に鳥肌が立って一気にそれが下半身に飛び火するところだが、
「ぁははっ、こそばゆいわ…くっくっく…」
茂には何だか、子どものくすぐりあいのような反応しかしてもらえない。

布美枝は少し情けなくなってしまった。
茂がいつも布美枝にしてくれるように、優しく愛撫しているつもりなのに。
動きを止めた布美枝を、覗き込む茂。

「おい?」
「…ええこと、ないですか…?下手くそで…すんません…」

419 名前:ヤキモチ焼けました11 mailto:sage [2010/06/23(水) 01:01:50 ID:qOdJHu1h]

うーむ、と茂はちょっと悩んだが、
布美枝の手を取って、自分の足の付け根のあたり、
硬くなったそれ自身へ、導いてやった。
少し、躊躇した布美枝だったが、意を決したようにズボンを脱がせて、
それに触れて、何ともいびつな形を確かめるように撫でる。
そして、下着の中に手を入れて、直に触れた。

既にぬるっと先走った液がそれ自身を濡らしており、
生温かく、まるで生き物のように、その心臓を、どく、どく、言わせていた。
いつもは触れる間もなく、布美枝の中へ入ってくるそれを、
今日初めてそれ以外の場所で確かめているのだ。
遠慮がちに付け根から先端へ撫で上げる。
そして手の中にそれ自身を包み込み、上下に動かしてやった。
茂の吐息が熱くなった。

少し、嬉しい。
布美枝の愛撫で感じてくれることが、ただ嬉しかった。
しばらくそうして、茂の様子を伺っていると
負けじと茂も布美枝の下半身へと手をのばしてきた。


420 名前:ヤキモチ焼けました12 mailto:sage [2010/06/23(水) 01:02:29 ID:qOdJHu1h]

「…あっ…」

こちらも既に潤いが十分満ちていて、
すんなりと二本の指の侵入を許してしまった。
あっさりと下着を剥ぎ取られ、今度は下から布美枝が攻撃される。

「だ、めです…きょ、うは…あたしが…」
支配権を握るのだから…と言いたかったが、続かなかった。
まだまだそんな権限が持てるほど熟達してはいない…。
ちらり、と布美枝はそんなことを思った。

やがて茂に促され、その補助に添って
そそり立つ茂自身の上に布美枝の入り口が宛がわれ、ゆっくり腰を下ろした。
ぐっと入っていく感覚が、いつものように突かれるような衝撃ではなく、
貫かれる、という表現が正しいだろうか。しかし快感には変わりない。

「…っぁ」

布美枝は茂に覆いかぶさるように崩れた。
リズミカルに下から突かれる。
それに合わせて、布美枝も腰を動かした。
布美枝の中で、先ほどの生き物が暴れだす。

いつもは布美枝に覆いかぶさって、よく見えない茂の顔を、
今日はじっくり見ることができる。
快感に眉をひそめ、熱い息を吐いている茂。
否応無く、淫らで、とろけるような空気に包まれ酔ってしまう。
茂は布美枝の視線に気づくと、口の端だけを持ち上げて、
仕返しとばかりに布美枝の乳房を掴んで弄びはじめた。

421 名前:ヤキモチ焼けました13 mailto:sage [2010/06/23(水) 01:03:18 ID:qOdJHu1h]

「はぁ、は…ぁ…」

互いの息遣いが荒い。
布美枝はどんどん腰の動きを速める。
自分の快感と、茂の快感と、互いの高みに到達するまで、あとわずかだ…。

「っ…あぁ…ふ…み…」

名前を、呼んでくれるより先に、
大きく嘆息した茂が、その動きを止めた。
と同時に、布美枝の中に飲み込まれていた生き物がその種子を吐き出した。

――――――

本日の被害状況。

一、仕事部屋の座布団二枚。

二、布美枝のスカート。

以上を洗濯してきた布美枝は、すやすやと寝息をたてる茂を見やり、
ひとり、「ふふ」と笑みを浮かべた。
その子どものような寝顔と、やきもちをやいてくれたときの顔。
それだけでこの世の幸せを全部自分が抱きしめているような気分になった。

浦木さん、また来んかなあ…。
来たら、この人の妬いた顔、また見られるのに。

いつもは迷惑千万の浦木も、そう思うと何だか恨みきれない男に思えるのだった。


おわり

422 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/23(水) 11:22:38 ID:I7fc3yx3]
281タソありがとうーー

じぇらすぃゲゲが良い感じ!!
281タソはいつも「焦れるゲゲの描写」が上手いですなあ〜♪

423 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/23(水) 14:39:12 ID:Op8lhZzu]
長編キター!嫉妬するゲゲ、積極的になっちゃうフミちゃん良いですなあ。嫉妬してもらえて嬉しそう。
ゲゲに嫉妬させる為に、浦木には家にしょっちゅう来て欲しくなるw

424 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/23(水) 15:47:12 ID:9SuSljdJ]
>>409
職人様いつもだんだん!
浦木GJ!嫉妬してもらえたことに喜ぶフミちゃんがカワイイ

Sっぽいゲゲの嫉妬編も激しく読みたいなぁ

425 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/23(水) 23:41:13 ID:qOdJHu1h]

281です。いつもレスありがとうございます。

それにしても、分かっていたこととは言え、
ゲゲと布美ちゃんが離れると
萌え箇所が皆無だわ…(/_;)
今日なんか特にゲゲの影すら見えんだった…。

明日は布美ちゃん(と藍子ちゃん)がいなくて
ゲゲがなんかさみしーなぁ、と思う、
くらいの演出があってほしい。

この里帰り、今週中に終わるんだろうか?

426 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/24(木) 00:49:27 ID:ZTWL+ywN]
そだねー
ゲゲはフミちゃんと藍子ちゃんを送り出してはみたものの
一人になって、めっちゃ寂しくなっちゃうの見たいよねー

・・・それにしても、はるこヤダな orz

427 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/24(木) 10:23:27 ID:zR/L6kOO]
フミちゃん里帰り、寂しい…。

大作続きの隙間に、
こっそり投下します。

またも非エロの夫婦コントです。
よろしければ。





428 名前:女房孝行 1 mailto:sage [2010/06/24(木) 10:24:19 ID:zR/L6kOO]

「今日、お前の誕生日だろう。」
夕餉の途中で切り出すと、布美枝は目を丸くした。
「めずらしいですねえ。そげなこと覚えとられるなんて。」

「う…いや…実は忘れとったんだが、今日こみち書房の前を通りかかってな…。」
「ああ、さては美智子さんと偶然会って、そげな話になったんですね。」
変だと思いました、と布美枝はクスリと笑っている。


…あれはおそらく、偶然ではない。
すずらん商店街の情報網を使い、茂が通るのを知っていて、
待ち伏せしていたのだろう。
美智子の目は決意に満ちていた。

「先生、今日、何の日かご存じ?」
「は?」
「…もしかして、忘れていらっしゃるの?」
「…申し訳ない、さっぱり話が見えんのですが。」
本気で聞き返すと、

「もう!布美枝ちゃんのお誕生日ですよ!」
「!ああ〜あ〜、そういや、そげでしたなあ。」
ようやく話を掴めてほっとする暇もなく、畳みかけられた。

「先生。いつも忘れていらっしゃるんでしょう。
今年は、ちゃんとお祝い、してあげて下さいね。」
「はあ、そげなもんですか。」
「あたりまえですよ。東京じゃあ、布美枝ちゃんの家族は先生だけなんですからね。」
「ほほう、なるほど…」

のらくらとした茂の態度に業を煮やしたのか、
美智子の後ろから、突然、姑・キヨの爆撃がとんできた。

「先生!なーに他人事みたいに言ってんですか!
誕生日くらいね、女房孝行したってバチあたりませんよ!」

429 名前:女房孝行 2 mailto:sage [2010/06/24(木) 10:25:21 ID:zR/L6kOO]

「…あれはなかなかの迫力だった…。」
思い出して首を振る茂を、布美枝が不思議そうにみている。
「それで、誕生日がどげされましたか?」

「おう、それでな、今日はなんでもひとつ、お前の頼みをきいてやる。
何がええかゆうてみろ。」
「ええっ、そげなこと、ええですよ。」

茂の提案に、布美枝は遠慮しながらもほんの少しうれしそうである。

ーふむ、なるほど、たまには女房孝行も悪くない。

「いやいや、まあ、金の無い人間の贈り物としては使い古された手ではあるが、
そう捨てたもんではないぞ?
なにしろ心が込もっとるからな。
これでも一人で何でもやってきたんだ。
なんでも言うてみろ。肩もみでも皿洗いでもうまいもんだぞ。」

布美枝は困ったようにしばらく考えていたが、

「…ほんなら、あのう、背中を流させてもらっても…ええでしょうか。」
と言い出した。

「背中?俺のか。」
「はい。」
「しかしそれじゃあ、お前の祝いにならんだろう。」

それでも布美枝は、
「ええんです、いっぺん流してみたかったんです。
…やっぱりだめでしょうか?」
と真面目な顔をしている。

「お前も変な奴だなあ。」
茂は苦笑し、
「よしわかった。じゃあまあとりあえず、今日は俺が風呂の支度をしてやるか。」
布美枝は、お願いします、と笑顔を見せた。

430 名前:女房孝行 3 mailto:sage [2010/06/24(木) 10:26:02 ID:zR/L6kOO]



ーここは地獄か極楽か。

先程から茂は風呂椅子の上、腰に手ぬぐい一枚、
というなんとも頼りない恰好で、背中を布美枝に預けている。

「どげですか?」
「ああ、なかなかうまいもんだ。」
「そげですか?よかった。
実家では兄弟が多いですけん、子供のころから毎日流しっこしとったんですよ。」

茂の背中をこすりながら、布美枝は楽しそうに思い出話をしているが、
実はあまり頭に入ってきていない。

こもる湯気の中、眼鏡もなく、視界は仙界の如く霞んでいる。

やわらかい掌は背中をやさしくなでていく。

布美枝が前へ踏み出すたびに、目に入る素足はやたらに白く。

自制心を総動員してはいるが、湯をすくう細い手首を掴まないようにするには、
かなりの忍耐を必要とした。

ーやはり地獄だな。

これは女房孝行なのだから、自分の思うようにしていいはずがない。
ここは我慢だ、と茂は限りなく極楽に近い地獄でさらに忍耐を学んだ。




431 名前:女房孝行 4 mailto:sage [2010/06/24(木) 10:26:38 ID:zR/L6kOO]

しかし何事にも限界がある。
もしやこいつは仙女に化けた妖怪ではないか…
と、幻覚にもにた妄想が頭をよぎり始めた時、

「はい、終わりました。」

「そ、そげか。もうお前は出てろ。暑いだろう。」
一刻も早く追い払おうとしたが、布美枝はなかなかでていかない。

「どげした」
「今日は、…だんだん。」
「…いや、むしろこっちが礼をいうとこだろう。
すまんかったな。なんもしてやれんで。」

布美枝はじっと背中を見つめているようだ。

「…あなたが、精魂こめて、寝る間も惜しんで漫画書いとられる時、
私はいっつもこの背中を見とるんです。
この背中を見ながら、心配したり、力になりたいと思ったり、
…色んな気持ちでおりますけん…。

…ずっと、いっぺんでいいから、あなたの背中をきれいに流して、
お疲れ様、って言いたかったんです。

だから今日は、あなたにも、あなたの背中にも、だんだん、です。」


「…」

忍耐の二文字は、あっさりどこかへ飛んでいった。



432 名前:女房孝行 5 mailto:sage [2010/06/24(木) 10:27:23 ID:zR/L6kOO]

茂が細い手首を掴んで引き寄せると、
布美枝はあっけなく茂の膝の上に座る形で転がり込んできた。

「あ、あなた!」
「今度は俺が洗ってやる。」
「ぬ、濡れますけん。」
「風呂は濡れるところだ。」
「服が濡れるんです!」
「しらん。風呂で服着とる方が悪い。」

ぼんやり霞んだ視界の中、布美枝の真っ赤な顔には、
汗だか湯気だかで一筋の毛が張り付いている。

右手で背を支えながら、唇でそっと髪を払ってやり、
ついでに上唇をやわらかく食むと、布美枝の肩が小さく震えた。

鎖骨のくぼみに玉のようにたまった汗を、そうっと吸い取る。
そのまま鎖骨にそって舌でなぞると、布美枝の手がぎゅっ、と茂の肩につかまってきた。

右手が自由になったところで、胸元のボタンをはずしていく。
と、突然布美枝の手から力が抜けた。


きゅう。

「ん?きゅう?お、おい!」

あわてて右手で支えたが、布美枝は真っ赤な顔で目を回し、
ずるずると風呂場の床にへたりこんだ。



433 名前:女房孝行 6 mailto:sage [2010/06/24(木) 10:28:20 ID:zR/L6kOO]

「大丈夫か。」
「はい…。」

布美枝は布団のうえで恥ずかしそうに身を縮めている。
無事に目を覚ました女房に安心して、つい説教じみた口調になった。

「俺も悪かったが、お前も風呂場であんな厚着しとるからのぼせるんだ。
次からはちゃんと気を付けろ。」

「はい。
…え?次…って。」

はたと目が合う。

「〜っ、とにかく気を付けたらええんだ!」
「は、はい!」

全く、今日は何かとしまらない日であった。

…ああそうだ。しかし、これだけは言わなければ。

「おい」
「はい」

「…誕生日、おめでとう、だな。」
とんだ女房孝行になってしまったが。

「……だんだん。」

上掛けからは目から上しか出ていないが、本当にうれしそうに微笑んでいるのがわかる。

ーこんな簡単なことでこんなに喜ぶのだから、安上がりな奴だ。


「それにしてもさっきはびっくりするくらい真っ赤っ赤だったぞ。」
「えっ、そ、そげですか。」
「ああ、まるでゆでダコだったな。」
「!…もう!」
「ほれ、そうやって口をとがらすとますますそっくりだ。」
「しりません!」

仙女に見えたなどと、教えてやる気はない。
まだすこし赤い顔を、その辺の紙で扇いでやる。

「もう、そのまま朝までゆっくり寝とけ。ええな。」
「はい…。」



ーそれにしても今日は…最後まで生殺しだな…。


ほんの少し肩を落としている茂の横で、
布美枝の心を映したかのように、
一反木綿が幸せそうにすそをはためかせていた。


オワリ


434 名前:427 mailto:sage [2010/06/24(木) 10:36:53 ID:zR/L6kOO]
み、皆様があっためてきたお風呂ネタを、
こんな形で消費して申し訳ない…。

誰か上手な方、続きをお願いします。

では、安来まで逝ってきます。

435 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/24(木) 13:59:00 ID:oIZovGzC]
>>263です。
遅ればせながら続きです。


その日の夕方。
台所では布美枝が夕餉の支度、少し離れた所に敷かれた座布団に座った藍子が静かに遊んでいた。
「お父ちゃん、もう直ぐ帰って来ますからね〜」
時折藍子に話し掛けながら野菜を刻む。
「帰ったぞ」
玄関のドアの音。
「お帰りなさい お疲れ様です」
原稿を出版社に持って行っていた茂が帰って来た。鞄から茶封筒を取り出すと、布美枝に手渡す。
「原稿料入ったぞ。今日は約束通りの金額だ」
「……アッ こんなに♪」
思わず声が出てしまい、口元を抑える。
「オゥ 藍子、帰ったぞ」
積み木で遊んでいる藍子の頬をチョンとつついた。
「お父ちゃんが帰って来るの待ってたのよね、藍子」
「お父ちゃん、お風呂どうぞ」
「お父ちゃん、ご飯ですよ」
「お父ちゃん」
「お父ちゃん」
「お父ちゃん」……
その日の夜。
茂の仕事部屋の襖が開く。
「お茶ですよ…お手伝いしましょうか?お父ちゃん」
「すまんな、それじゃベタを頼む」
「はい♪」
慣れた手つきで墨を塗ってゆく布美枝。茂はペンを休め、布美枝の横顔を眺めていた。
「? どげしましたか?お父ちゃん」
布美枝が気付き、茂を見た。
「あのな…」
「はい お父ちゃん」
「その、なんだ…」
「どげしましたか?お父ちゃん」ひとつ大きく深呼吸した茂は意を決した様に言った。
「ォ…お前のお父ちゃんは安来に居るだろうが」
「……え?」
「ッタク、藍子が生まれてからお父ちゃんお父ちゃん… 」
「でも、お父ちゃんはお父ちゃんですよ?」
「アーッ だから、俺はお前のお父ちゃんじゃない」
少しの沈黙の後。
「…肩を揉みましょうか」
布美枝は茂の後ろにまわり、肩揉みを始めた。
「そげですね…藍子にとってはお父ちゃんでも、私にとっては…茂サン」
布美枝は茂の耳元で呼んだ。
「ツ、続きやらんと朝になるぞ」
茂は原稿に取り掛かる。
「そげですね、茂サン」
「あー、もうええ 仕事にならんぞ ……布美枝」
「…はい♪」

オシマイ

436 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/24(木) 20:47:00 ID:wWeprP0K]
職人様方、だんだん!だんだん!
どっちも脳内で音声付き再生してます

>>428
こみち書房のおばあちゃん大好きだw
理性と戦うゲゲと健気なふみちゃんがええですな

>>435
フミちゃんが「茂さん」呼びしてるの読みたかったから嬉しい!

437 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/24(木) 22:52:19 ID:feu1CHq9]

おお〜!連続して投下されとる!
>>427
>>435
GJ!

>>427
こみち書房のキヨさんの台詞、ドラマとマジ同じ言い回し!
誕生日とかの萌えネタ、本編は軽くスルーなので
ここではどんどん使いまショー。
あっさり吹き飛ばされる理性ワロタw

>>435
気になっとったですよ、続き投下だんだん!
「オトウチャン」連発、確かにここのとこイヤに耳につく!
そこは「あなた」で行ってくれ!と毎日つっこんでいたので
耳元「茂サン」萌え…。

今週はやけに長いよ、話はおもしろいんだが。
やっぱり二人が一緒にいないと、萌えチャージが減少の一途。



438 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/24(木) 23:12:01 ID:6mBeaKih]
>>427
誕生日と風呂のコラボきたー
ドラマじゃ誕生祝とかやらなそうだからここで補完できて嬉しい
>>435
GJ!自分からお母ちゃん呼びし始めたのにむくれる茂が萌えですな

439 名前:小ネタ mailto:sage [2010/06/24(木) 23:25:03 ID:4nIIfVLV]
藍子5才

藍子「うらきのおいちゃん!わたしお馬さんに乗りたーい!おいちゃんお馬さんになってー」

布美枝「藍子。お馬さんごっこなんてどこで覚えたん?」

藍子「うんとねーきのうーおとーちゃんの上におかーちゃん裸で乗ってたーお馬さんごっこしてたーわたしもやるー」

浦木「お前ら激しいのー奥さんが上ですかー」

440 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/25(金) 01:20:58 ID:l0AR6hfm]
>>428
おお、本当に台詞が役者さん達の声で聞こえてきそう!上手いですな!

>>435
二人きりの時だけの茂サン呼び、萌えます!

>>439
藍子ばらすなwww

441 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/25(金) 14:08:53 ID:5djlxhuG]
藍子ちゃんはしげぇさんより賢いんだから気ぃつけんと!

442 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/25(金) 20:49:19 ID:9mgXni2R]
>>441
イカル乙w

今日はゲゲがふみちゃん達が居なくて寂しがる?描写があって良かった。

きっと明日は萌えチャージを補給出来るはず!・・・だよな?

443 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/25(金) 23:11:17 ID:y3a99+Nu]
>>439
藍子の無邪気発言きたww

非エロだし短いですが、投下させてください
新婚時期あたりで

444 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/25(金) 23:12:20 ID:y3a99+Nu]
布美枝が村井姓になってそろそろ一ヶ月が過ぎようとしていた。
出会って5日目で結婚というスピード婚。漫画家という人種の生活スタイルに面食らう事
ばかりで、心細さを打ち明けられる親しい相手もなく、これから何十年と続くであろう
結婚生活に不安が膨らんでいた当初。
 しかし、上京して数日後、茂とサイクリングへ出掛けたのをきっかけに少しずつ
茂と距離が縮まっていくのを感じた。彼は破天荒な所があるものの、普段は大らかで
優しくて、時折見せる茶目っ気がまるで少年のようだ。そんな茂と暮らしていくうちに、
布美枝はどんどん茂にひかれているのを自覚した。つまり、布美枝は今、夫に恋を
していた。
 その布美枝がある日の昼前、洗濯物を干していると茂が玄関から出てきた。
「おい。仕事が一息ついたけん深大寺までサイクリングに行かんか。桜が咲いとる頃だぞ」
「わあ、ええですね。あ…でも」布美枝は笑顔になった後、すぐ思案顔になった。
「そろそろお昼ご飯の支度するところでしたけど、どげしましょう?お昼食べてから
行きましょうか?おなか空いとりますか」
茂は少し考えて答えた。
「ほんなら握り飯でも作ってくれ。あっちで桜見ながら食べたらええ」
楽しそうな企画に、布美枝はいそいそしながら「じゃあ、急いで作りますね」と台所へ向かった。


445 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/25(金) 23:13:29 ID:y3a99+Nu]
 ささやかながらピクニックへ出掛けると、深大寺では丁度桜がほころんでいた。わあ、と布美枝が歓声を上げる。
「五分…、七分咲きぐらいですね。綺麗。ええ時に来ましたねえ」
「そげだろ」茂はまるで自分が咲かせたかのように得意気に返した。

 桜を見上げている布美枝を横目で見ながら、茂は内心安堵していた。
漫画の仕事は忙しく日々闘いだ。しょっちゅう〆切が襲ってくるので気が抜けず、
朝から晩まで漫画を描き続け、食事時以外布美枝とろくに顔も合わせない日も度々ある。
新妻を放ったらかしにしているのは承知なものの、相手が文句を言わないのを助けとばかりに、目の前の飯のタネを優先せざるを得ない状況に少なからず後ろめたさを感じていた。
 今日花見に誘ったのは、自分が行きたかったからという他に日々の埋め合わせの意味も
あったのだが、こちらの思惑以上に布美枝は喜んでくれている。
朗らかな女なのだ。見合いの時の印象に間違いがなかった事を茂は再確認した。


446 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/25(金) 23:14:52 ID:y3a99+Nu]
 座れそうな大きさの石に2人座り、布美枝がてきぱきとお握りの包みを広げ、水筒から
お茶を注いだ。春の植物の香りが混じり合う風を感じながら2人で昼食を食べた。

布美枝は満ち足りた気持ちを味わっていた。
「空の下で食べるお握りって、なして普通に食べるよりも美味しいんでしょうねえ」
「そげだなあ」ほおばりながら茂が答えた。その口元に米粒が付いている。
くすりと布美枝が笑った。「お弁当ついとりますよ」
いつもなら、布美枝にしては少々、ましてや屋外でとるには大胆な行動だった。
だがこの時は暖かな陽気のせいで気が大きくなっていた。布美枝は躊躇せずに茂の口元に
手を伸ばした。
「ほら」すくい取った人指し指を見せるような仕草をした。
と、茂が右手でお握りを持ったまま、器用に中指で布美枝の人指し指を引き寄せ、
何のてらいもなくその指を食べた。いや正確には、その指に付いていた米粒を食べた。


447 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/25(金) 23:17:10 ID:y3a99+Nu]
「あっ」
「ん?」思わずお互いの顔を見合わせた。赤くなった布美枝を見て、茂も視線を泳がせる。
(そりゃ、食べんともったいないけど)
(そんな驚くような事、したか?)
唇の感触がまだ指に残っていて、なんだかとてもどきどきする。
そんな布美枝の感情が伝染したのか、茂まで落ちつかなそうに意味もなく手で膝をさすった。

帰り道、「またたまにはここに来ましょうね」と恥ずかしそうに上目遣いになりながら
布美枝が言う。結婚して一ヶ月、既に体を重ねているのに、まだまだ娘のように恥じらう新妻だった。
もう少し、触ったくらいで緊張しないでほしい。そう思いつつ、なんともこそばゆい気持ちになりながら、
「ああ」と返す茂だった。

(終)




448 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/26(土) 00:00:12 ID:L7ZXdyYq]
>>439
藍子ちゃんwww
これからも、おとうちゃんとおかあちゃんの秘密を
どんどん暴露して頂きたいw
あと感心する浦木にもワロタw
おとうちゃんとおかあちゃんのお馬さん現場にも期待!

>>444
だんだん!
なんて可愛い夫婦なんだー萌え上がった!
非エロでも大歓迎ですけん
また素晴らしい作品投下してごしない!

449 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/26(土) 00:50:52 ID:9PwC/flU]


イチャイチャキター!!

萌えチャージはここで補完するしかない。

>>439
藍子ww
お馬さんごっこというか、ロデオを思い浮かべたw

>>444
これまじ、イチャ萌え。めちゃ好み。
あ、ちなみに自分281なんですが、
すごい偶然に、今、自分も深大寺デートを書いていた最中で…。
こちらとかぶるので、しばし推敲します…。


450 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/26(土) 00:57:28 ID:qEHN0khm]
>>444
ほのぼのデート可愛いですなあ。心が洗われるようだ…。いや、エロネタももちろん素晴らしいですがw

451 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/26(土) 02:05:40 ID:NQNxcCIU]
>>427
フミちゃんのゲゲさんに対する感謝の言葉に胸がきゅん!とさせられて
しまいました…。
こげな可愛いこと言われて理性が保てる男はいません!

>>444
初々しいですなぁ〜。
ほのぼのイチャイチャに萌えです。


今週の足らない萌えは職人様方の作品で補完させて頂きましたww

452 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/26(土) 02:13:30 ID:qPjUq/tG]
>>459
281さん
いや、推敲せずにそのまま投下してくだされ!!
深大寺はお題ということで良いじゃありませんかw

453 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/26(土) 02:44:45 ID:9PwC/flU]


>>452
281です。ありがとうございます。
お題は深大寺デートということで。
ととのいました〜。

お目汚しくだされば幸いです。

454 名前:深大寺デート1 mailto:sage [2010/06/26(土) 02:45:47 ID:9PwC/flU]

「…う…わぁ!」
布美枝は思わず感激の声をもらした。
深まる秋に、深大寺の境内は紅葉に彩られ、
さながらパレットの上の絵の具のように、賑やかな色合いで二人を迎えてくれた。

仕事の合間、茂が散歩に出かけようとして襖をあけると
家計簿とにらめっこをして、ウンウン唸っている布美枝がいた。
「おい、外に出て気分転換でもしたらどげだ」
一緒に行こう、茂が誘ってくれた。
布美枝は大喜びでカーディガンを羽織った。

山門前から霊園へ抜ける山道の途中で、布美枝は少し道からはずれると
色とりどりの落ち葉が広がる、わき道の大きな木の下にしゃがみ込んだ。

「どげした?」後ろから茂が問いかける。
「綺麗なのを拾って、本の栞にしようと思って」
「おぅ、そげか」

そう言って茂も一緒にしゃがんで、色とりどりの落ち葉をガサガサやりはじめる。

455 名前:深大寺デート2 mailto:sage [2010/06/26(土) 02:46:32 ID:9PwC/flU]

やがて、茂が栞に最適と思うようなお目当ての葉を認めると、
それに手を伸ばした。
と同時に、向こうから同じ葉っぱに布美枝の手も差し出された。

―――触れ合う。

はっとして二人は顔を上げてお互いを見ると、
ふっと笑顔になった。

茂はそのまま膝をついて、右手で自身の身体を支えて前のめりになると、
軽く顎をあげて布美枝に合図を送る。
布美枝は少し照れて俯いたが、すぐに顔をあげると目を閉じて、
二人はカラフルな落ち葉のじゅうたんの上で、キスをした。

やがて、膝に着いた土を掃いながら茂が、
「さて、本来の目的地へ行くのだ」
と言って先に歩き始めた。

少し口を尖らせて、布美枝は「目的地ねぇ…」と呆れ顔。
それもそのはず、茂の目的地とは、
寺とは言え鮮やかな紅葉に彩られた深大寺境内や、
山門脇に軒並ぶ蕎麦屋や土産物屋ではなく、
そういった賑やかな場所からずいぶん離れた、墓地、なのである。

曰く、「墓の主と話をする」のだそうで、
「和やかな墓」を前にすると、本当に何時間でも帰らない。
彼の愛でる物には、自分も共感していきたいと思う布美枝ではあったが、
しかし墓というものについては、きっとずっと一生無理だろうと思うのだった。

456 名前:深大寺デート3 mailto:sage [2010/06/26(土) 02:47:08 ID:9PwC/flU]

「ちょっこし雲行きが怪しいですね」
空を見上げて布美枝が声をかけたが、茂は墓を撫でながらにこにこと歩き回って返事をしない。

そうこうしていると、布美枝の心配通り、ポツポツ…雨が降り出した。

「いけん…」
雨をしのげる場所を探して周りを見回すと、
もう使っていないと思われる、屋根のついた小さな手水場があって
あわてて二人はそこへ逃げ込んだ。

大きい図体の二人には、少々手狭な場所だった。
手水台に腰を下ろして身体をぴったりくっつけても、
茂の左の肩口にぽたりぽたり、屋根から雨の雫が落ちる。
「濡れとりますよ」
布美枝がもっと詰めるように言ったが、
「そしたらお前が濡れるだろう」
と言って、茂はそのまま墓をぼんやり眺めていた。

しとしと…。
秋の雨はなかなか止まない。

「…雨降り小僧という妖怪がおってなぁ」
視線は墓に向けたままで、ぼそっと茂が言った。
「こう、和傘をかぶって、提灯を持っとって…。その提灯を振ると雨が降る。
 そうやって急に雨を降らせて、人を困らせて愉しむんだわ」
「そげですか…。じゃあ、この雨も?」
「うん、多分な」

茂のこういう不思議な話は、おばばを思い出させてくれるので布美枝は好きだった。

457 名前:深大寺デート4 mailto:sage [2010/06/26(土) 02:47:45 ID:9PwC/flU]

ぶるっと茂が身震いをした。
「寒いんでないですか?」
「ちょっこし、な。…大丈夫だ」

そう言うと、茂は布美枝の肩をぎゅっと抱いた。
一瞬、緊張して周りを見回した布美枝だったが
雨の墓地に、他に人が居るはずもない。
すぐに力を抜いて、頭を茂の肩に預けた。

「…困ってない、ということにしたらどげだろう」
「え?」
思わず見上げた茂の顔が、妙案のひらめきに輝いていた。

「人を困らせて喜ぶ妖怪のせいなら、こっちはぜーんぜん、困っとらんのだ、
 ということにしたら、諦めて雨も止むんでないか?」
「…ふふふ」
子どものような茂の言葉に、布美枝は和んだ。

「どうやって困っとらんと知らせますか?」

布美枝の問いかけに、にんまりと茂は口の両端だけを上げて笑い、
見上げる布美枝の唇に、自分の唇を重ねた。
思わず茂の肩を押して引き離す布美枝。

「ちょ、誰か見とったらどげするんですか」
「見せとんだわ。雨のおかげで昼間っから野外でこんなことしちょる、
 困るどころか愉しませてもらっとるんだ、というのをわざと見せとんだ」
「…」
なんという思考回路…。言葉を失う布美枝。



458 名前:深大寺デート5 mailto:sage [2010/06/26(土) 02:48:24 ID:9PwC/flU]

が、ふと見ると本当に雨が小降りになってきた。

「ほーら見ろ。もう一息でねか」
そう言って、茂はまた布美枝に顔を近づけてきた。

「もうっ。そんな雰囲気台無しなこと、イヤです!」
「雰囲気ねぇ…」

先ほど、落ち葉のじゅうたんの上でしたキスは極上のムードだったのに、
墓場の前で、しかも妖怪に見せつけるキスなどまっぴら御免だ。

むくれて布美枝は、肩にまわされた茂の手を振りほどく。
するとまた、雨がしとしと強くなる。

「あーあ、ほれ。お前が困り顔するけん」
「だって…」

本当に妖怪のせいみたいだ。布美枝は曇天を睨みつけた。

「そしたら…」
空を仰いだままで、布美枝はつぶやいた。

「名前を呼んでごしない?」
「へぇ?」
「名前、呼んでから…その…してくれたら…」
ええですよ…と、声が尻つぼみになる。
茂はぽりぽり頭を掻いて、先ほどの布美枝のように、空を見上げた。


459 名前:深大寺デート6 mailto:sage [2010/06/26(土) 02:48:58 ID:9PwC/flU]

雨はしとしと。
茂を試すかのように。

やがて。

「…布美枝」

その呼びかけに、布美枝は顔をあげてにっこり笑う。
茂は視線を逸らしたまま、手持ち無沙汰の右手をグーパーしていた。

見上げる布美枝の顔をちらりと伺ってから、
茂は背中をかがめて、布美枝の唇を食むようにしてなぞる。
そして右手を布美枝の背中にまわすと、自分の方へぎゅっと引き寄せ
熱っぽい目で見つめてくる布美枝に再び接吻する。
二人は舌を絡ませながら、熱い口づけにしばし蕩けた。


――結局。

しばらくして雨は止み、二人は無事家に戻れたのだが、
左肩から背中にかけて、屋根から滴る雨を避けきれなかった茂だけが
この日風邪をひいて熱を出した。


この続きは次回…。


おわり


460 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/26(土) 15:30:22 ID:9eOA6UkW]
職人様、いつも乙です

>>444
初々しくてカワイイ2人に萌えた!
ゲゲとふみちゃん、それぞれの心境描写が丁寧でこっちもドキドキしましたw

>>453
その出来事を通して、ふみちゃんが音松さんへ案内する
「とっておきの場所」に繋がるわけですね(・∀・)ニヤニヤ
続きも期待しちょりますけん!

461 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/26(土) 17:03:25 ID:qEHN0khm]
いちゃいちゃ具合が良いですなあ〜。確かに墓場でいいムードになるのは難しいw
やはり二人の時には布美枝と呼んで欲しいね。

462 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/26(土) 19:21:28 ID:LRi7Mr2J]
>>454
イチャコラ夫婦だんだんー!
秋や雨の描写の美しいこと…職人様の文章、大好きです
風邪ひいたしげぇさんの続きも、楽しみにしちょります!
出来るだけ長引く風邪で、布美枝ちゃんに甘えたらええw

本放送もやっと布美ちゃんが帰ってきてくれて良かった…
しかし、天然かはたまた作為的か
春子ちゃんが来ていたことは言わないしげぇさん…
それって、どげとらえたら、ええんでしょうか…

463 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/27(日) 00:09:33 ID:0F9tTNwX]
【深大寺】どちらの作品も瑞々しく、とても良かったです!!
ぜひ、続きをお願いいたします♪♪♪

464 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/27(日) 00:24:48 ID:CmLgvjst]
>>454
秋のイチャイチャだんだん!キスがエロいよ
>>444なんですが、深大寺ネタかぶって申し訳なかったです
でも深大寺ってなんか…色んな意味でいいですよねw
>>462
茂は、部屋をちゃんと自分で片付けたのを突っ込んでもらった事に満足で後は何も考えていない、に一票

465 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/27(日) 01:23:23 ID:GFCuM95d]
その場にいない布美枝につい話し掛けた後は、頭の中は布美枝と藍子の事でいっぱい。原稿を描く手も止まりがち。
イタチが撮った家族写真を眺めながらぼんやりしてた…と妄想。
はるこはイタチとコンビで騒いでた事しか覚えてないかもしれないw

466 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/27(日) 02:37:24 ID:L4BLi0Rm]

281です。いつもレスありがとうございます。
>>458のとこ「尻つぼみ」じゃなくて「尻すぼみ」…
一回墓場に逝ってくる…

>>464
いや、こちらが後だしなんで、こちらこそ申し訳ない。
深大寺って全然行ったことないんで、
紅葉とかほんとに境内が鮮やかになるのか知らんのだけど
なんか赴きみたいなものが想像をかきたてる場所ですね。

今日やっとこ、布美ちゃん調布に帰ってきて嬉しい。
自分的には>>465に一票。
はるこが缶詰持って来たときにはエライ散らかりようだったけど
布美ちゃんが帰ってくるときに大急ぎで片付けたのか?

あと、ゲゲは冬服より夏服のがセクシーに見えるw
もちろん、布美ちゃんもだけど。
来週は夏服仕様なので楽しみ。

467 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/27(日) 02:45:19 ID:bRIO7E5p]
遅レスだが、一言言わしてごしない
>>409のハァハァフミちゃん責めハァハァや
>>428の念願の風呂ネタや
深大寺のいちゃいちゃデート2パターンと
職人様方だんだん!dandan!dndn!
これからも投下楽しみに待っちょるげな



468 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/27(日) 02:52:03 ID:bRIO7E5p]
ゲゲのことだから、フミちゃん&藍子&ようかんで満足して
ハルコのことは全く思い出しもしなかったんだとオモ

つか、一人留守番で寂しさが限界になったゲゲは
フミちゃんの下着とか布団とか、フミちゃんを感じられるもので
オナってんじゃね?て思ってた…
40男がこれじゃあまりにもキメェな
正直スマンかった

469 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/27(日) 03:21:36 ID:xROLe8r7]
まあ茂のビジュアルは20代だし
でも泣きながらシコッてたらただのギャグだなw

470 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/27(日) 06:44:32 ID:eYKnqfu4]
フミちゃんが藍子ちゃん初めて家に連れて帰ってくる時も、
ゲゲはソワソワしながら準備万端で待ってたからなw
きっと今回もそうやって2人を待っていたんだと思った

>>466
同感です。
アシスタントの回で2人が夏服姿で並んでるの、本当に良かった!
このドラマは夏の描写が少ないから夏服姿は貴重ですね

471 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/27(日) 10:43:41 ID:m7XEcoWk]
投下以外で281さんはいちいち名乗らなくていいよ
淡々とSS投下した方がいいと思う
誉めてもらって嬉しいのは解るけど、ちょっと…
萌えさせってもらってるのに悪いですが

472 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/27(日) 11:11:26 ID:L4BLi0Rm]

>>471
あ、了解です。
スマンでした。


473 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/27(日) 18:08:38 ID:g8Cm6nsP]
↑471さん、別にいいじゃないか。せっかく書いてくれてるのに、萌えてるくせに嫌ならくるな!いつも素敵な小説書いてくれてる方達、ありがとうございます。今までどおり、小説も雑談も楽しくやっていきましょう。

474 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/27(日) 22:57:59 ID:bRIO7E5p]
日曜日はゲゲゲがなくて寂しいのは自分だけ?
来週はガロじゃなくてゼタが創刊されるから
少しは家計が楽になって、布美ちゃん助かるかな!
でも、お父ちゃんは原稿で忙しくなっちゃうかなぁ
忙しくなっても、夫婦の時間や描写は減りませんように!

475 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/27(日) 23:21:38 ID:eYKnqfu4]
>>474
日曜日は寂しいね。
今から9月以降が怖いよ・・・

476 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/28(月) 00:01:57 ID:rP732WjN]
有名になってからは夫婦の会話がなくなったと寂しがる原案本のシーンを思うと
今から辛いな。連合艦隊再建してる時期がある意味一番幸せだったかも、って感じで

477 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/28(月) 00:15:28 ID:5dKlPHej]
>>473
蒸し返して悪いけど、嫌なアンチが出てくる前に馴れ合い注意って言いたいんじゃない?
嫌がる人って意外にいるから。
はた目に見て来るなって喧嘩腰のあなたのが痛い。
スレの質が下がるからやめなさいね。



478 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/28(月) 01:42:18 ID:KhpwnzlV]
コテでも名無しでも、投下して頂けるなら
自分はどちらでも構わんですが・・・
出来るだけ良い雰囲気で行きたいですね

職人様方、これからもどしどしお願いします!!

479 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/28(月) 02:43:51 ID:iMSWkNh1]
しげさんがようかんをパクパク食べてるの見たら
フミちゃんお手製のホットケーキ食べるお話読みたいな
クリスマスでは結局見れなかったし
「あーん♪」してあげたら、どげですか?w

ゲゲゲは食事シーンが印象的だな〜と、思ふ
実際中の人の話だと美味しいらしいし

480 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/28(月) 12:56:08 ID:PjL9wEHT]
>471
乙thx

481 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/28(月) 20:31:17 ID:gGVdWBXx]
布美枝サンお手製焼きたてのホットケーキを、
藍子「おいしいねぇ〜オトーチャン」
茂「んだな〜」
と親子でモフモフ食べている、というのもいいなぁ。

エロ無しでスンマセン

482 名前:いかないで1 mailto:sage [2010/06/28(月) 21:47:00 ID:hOpzwDVM]
「美智子さん。こんにちは〜」
「あらっ♪布美枝ちゃんに藍子ちゃんいらっしゃっい。
藍子ちゃん、こんにちは」
「こんちゃ♪」
「あら♪おりこうさん。今日は、おばちゃんパンケーキ作ったの♪藍子ちゃんおいで〜」

ひしっ。
藍子は、布美枝のスカートをきつく握り締めて離そうとしない

「あらっ。どーしたの藍子ちゃん?いつもは美智子さんに飛び付くくらいに懐いてるのに」
「そうなんですよ靖代さん。今日、藍子ヘンなんです。朝から私にくっついて、おもちゃで遊ぼうともせんし…
買う物いろいろあるけん自転車で行くから、おとうちゃんと留守番しとって。って言っても『一緒に行く』ってきかんくて…
どげしたの藍子?ほらっ、みんなのとこいっといで。太一おにいちゃんもおるよ」

ふるふるふるっ
藍子は、布美枝のスカートに顔をうずめ首を横にふるだけで離れようとしない

布美枝はしゃがんで藍子に目線をあわせ「どげしたの?」と、問いただす

「ふえっ…おかあちゃん、どこいくの?どこも…ぐすっ…いかないでぇ…」
「藍子。おかあちゃんどこにもいかんよ。いつも藍子と一緒におるよ。なしてそげなこと思ったの?」

483 名前:いかないで2 mailto:sage [2010/06/28(月) 21:48:19 ID:hOpzwDVM]

「だってぇ…うえっぐすっ…きのうおとうちゃんとケンカして…うぇぇぇえん」
「えぇっ?おとうちゃんとおかあちゃんケンカなんてしとらんよ(だって夕べは…////きゃっ♪)」

「だってぇ…きのうおとうちゃん『いけん!まだイッたらいけんっ…』おかあちゃんも『もうダメ!イクーっ!イクゥーー!!』って…どこにいくのー?あいこおいていかないでぇ…えーん」

「!?ちょっwww」←靖代
「……………!!!!あらっ♪」←美智子
「おやおやっ」←キヨ
「………………」←太一


「あっああああああああああいこ?なっななな………………………………きゃぁぁぁぁぁぁああぁぁぁーーーーーー」
「ふえっ」
「いっいかないっ!おかあちゃんどこにもいかんよっ!藍子、勘違いしちょるんよ」
「ほんとー?よかったあぁー」



ちゃんちゃん♪

おまけ
「ほいで奥さんどこさ行ごうとしてたんですか?」

……………………まだまだ純真な太一であった…


484 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/28(月) 22:51:26 ID:q2maPf23]
>>482
靖代さんと太一くんの反応wwwww

485 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/28(月) 23:13:25 ID:NAPSXkD5]
>>482
ぷっ…あ、藍子ちゃん勘違いでもおとうちゃんとおかあちゃんの
秘め事ばらしちゃいけんよwww

職人様、乙です!
めっちゃ笑ろうてしまいました。



486 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/29(火) 00:17:18 ID:YZEQrtNb]
>>481
かわゆい親子〜もふもふ食べちょるw
エロ無しだって、ええじゃないですか!
是非作品にして投下ごしない!
>>482
禿ワロタwwwwww
いや〜センスありますなぁ
どげなプレイだったのかkwsk!!www
また投下お待ちしちょります!

487 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/29(火) 00:26:09 ID:JUgiUr5l]
>>482
藍子wwwww
しかし太一はまだチェリーボーイかw確かにそんな感じだが。誰か店連れてってやれ!



488 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/29(火) 21:13:55 ID:RDGXJHFX]
浦木、出番だ

489 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/29(火) 21:49:31 ID:3kFS0X6z]
このスレが急に進んでるとwktkするのは自分だけ?
書いて下さる職人様、いつもありがとうございます。
>>476
有名になってからはそういう描写が多そう・・・
せめて萌え補完が出来る、このスレは盛り上がってるといいな。






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