- 282 名前:名無シネマさん [02/04/01 09:45 ID:gwxKJbvM]
- ソマリアを救いに行ったアメリカ人はあのときなぜ襲われたか。
戦後独立したソマリアは、70年代に共産主義政権になりソ連から支援を受け た。一方、冷戦で対決していた米国は、となりのエチオピアを支援。ソマリア とエチオピアの争いは、米ソの代理戦争となり、溝を深くしていく。 ところが、74年にエチオピアで共産主義勢力が政権の座につくと、今度はソ 連はエチオピア、アメリカはソマリアをと、それぞれの支援が逆転してしまっ た。が、代理戦争の仕組みは変わらない。 ソマリアは日本の戦国時代のように、中央政府は一応あるが、各地の部族が互 いに勢力を争っている状態にある。アメリカは74年以後、毎年5千万ドルの 軍事資金援助を、中央政府を担う部族にのみ行ったため、他部族の反感を買っ た。また、ソマリアの経済自立や貧困解決にほとんど資金は回らなかった。ア メリカが支持を受けた部族勢力は次第に権力を強め、虐殺などの人権侵害を犯 したが、アメリカは見て見ぬ振りをした。 アメリカの利権が、ソマリアの内戦と貧困を悪化させてきたというわけだ。 91年、中央政権が他部族によって倒され、激しい内戦に突入し、食糧不足や 虐殺などが問題になったが、アメリカは特に何も行動を起こさなかった。ソマ リアが以前ほど戦略的に重要ではなくなったからだ。同年、ソ連が崩壊し、対 立する相手はいなくなり、また、折しも湾岸戦争が始まり、アメリカの関心は 中東へ向いた。湾岸戦争後、サウジアラビアなど中東にいくつも軍事基地を手 に入れたアメリカにとって、ソマリアは用無しになった。
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