補題 A を環、S を A の積閉部分集合とする。 B = A_S とおく。 p を S と交わらない A の素イデアルとする。 pB は B の素イデアルだから局所化 B_pB が意味をもつが B_pB は A_p と標準的に同型である。
証明 U = A - p とおくと S ⊂ U である。 B_pB の元は (a/s)/(u/t) の形をしている。 ここで a ∈ A, s ∈ S, u ∈ A - p, t ∈ S である。
u ∈ A - p に対して (u/1)/(1/1) は B_pB の可逆元だから a ∈ A のとき a/u に (a/1)/(u/1) を対応させて 射 φ : A_p → B_pB が定まる。
a ∈ A, s ∈ S, u ∈ A - p, t ∈ S のとき、 B_pB において (a/s)/(1/1) = (a/1)/(s/1) (u/t)/(1/1) = (u/1)/(t/1) だから (a/s)/(u/t) = (at/1)/(su/1) である。 よって φ(at/su) = (a/s)/(u/t) となって φ は全射である。
a ∈ A, u ∈ A - p のとき、φ(a/u) = 0 とする。 φ(a/u) = (a/1)/(u/1) だから v ∈ A - p, s ∈ S があって B において (v/s)(a/1) = va/s = 0 となる。 よって t ∈ S があって tva = 0 となる。 tv ∈ A - p だから A_p において a/u = 0 である。 よって φ は単射である。 証明終