補題 A を環、I を A のイデアルとする。 p が A の素イデアルのとき I(p) = { a ∈ A; sa ∈ I となる s ∈ A - p が存在する } とおく。 容易にわかるように I(p) は IA_p の標準射 A → A_p による 逆像である。
このとき I = ∩I(m) となる。 ここで m は A のすべての極大イデアルを動く。
証明 I ⊂ ∩I(m) は明らかだから逆の包含関係を示せばよい。
a ∈ ∩I(m) とする。 (I : a) = { x ∈ A; xa ∈ I } と書く。 (I : a) を含む極大イデアル m があるとすると、 a ∈ I(m) だから、s ∈ A - m があって s ∈ (I : a) ⊂ m となって 矛盾である。よって (I : a) = A である。 これは a ∈ I を意味する。 したがって ∩I(m) ⊂ I である。 証明終