補題 R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。 I ≠ 0 を R-イデアルとする。
I が正則 (>>446) であるためには I ⊂ P となる任意の R-素イデアル P が正則であることが必要十分である。
証明 I が正則であるとする。 P を I ⊂ P となる R-素イデアルとする。 P が正則でないなら >>448 より f ∈ P である。 >>447 より Z[ω] の素イデアル P ' で P = R ∩ P ' となるものが 存在する。 IZ[ω] ⊂ PZ[ω] ⊂ P ' で f ∈ P ' だから fZ[ω] + IZ[ω] ⊂ P ' となり I は正則でない。 これは仮定に反する。 よって P は正則である。
逆に、P を I ⊂ P となる R-素イデアルで正則でないとする。 fZ[ω] + PZ[ω] ≠ Z[ω] だから fZ[ω] + IZ[ω] ≠ Z[ω] となり I は正則でない。 証明終