- 437 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2011/02/26(土) 23:26:55.34 ID:SCfjPlG2]
- 全身に炎を纏うスタイル上、彼女は普通の武器や防具を身につけることができないだろう。全身の
急所が剥き出しであり、体格差のある怪物の攻撃を受ければ、一撃でも致命傷になりかねない。炎 が破られでもしたら、もう細腕での徒手空拳しか戦う方法は残されていない。 彼女はどれだけの恐怖と逃げたい気持ちを、汚い言葉といっしょに吐き出したのだろう。 他の戦場では、怪獣と戦わされたようなことも言っていたが……。 「大丈夫、私は絶対に負けない」 キララは、樹里の顔に浮かんでいる不安と困惑を察したようで、儚げに微笑む。 そして、最強ゆえに、普通の攻撃が通用しない未知の怪物や、怪獣クラスの魔物に対してばかり 投入される白炎の巫女は、不安を払拭するように胸を軽く叩いて、にっこりと笑った。 「戦いはもちろん、心だって絶対に負けないから」 ………………………………………… ……………………… 「……あれ? ここってどこ? 何も見えない」 気がつくと、周りが何も見えない暗闇の中を歩いていた。どうして自分がここにいるのか、いくら考 えても、思い出せなかった。誰かと直前まで話していた気がするが、それも思い出せない。 どうしようもなく、目を細めて足元に注意を払いながら、ゆっくりと前に進むしかなかった。
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