- 392 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2011/01/24(月) 23:35:03 ID:Wd3j01vG]
- 「へぇ、携帯用の魔物って感じ? うわあ、とってもこわーい」
燃えるライトバンの上に立ちながら、それでもキララが見上げるほど、異形の群れは大きかった。 しかし、驚いたように声を上げるも、彼女に全く怖がる様子は無い。 「……戦闘要員はいないのではなかったの? ちょっと想定と違うんだけど」 苦笑いしながら問いかけるアペカに、瓶底眼鏡の男は胸を張って答える。 「まさに、備えあれば憂い無しってやつです!」 「言っときますけどー、さっきの信者たちとは桁が違いますよー」 瓶底眼鏡コンビは空になったケースを投げ捨てると、口元を歪めてキラリと眼鏡を光らせた。 そして両手を合わせ、足を上げ、左右対称のポーズをとって異形の軍勢に宣言する。 「さあさあ、食べましょう食べちゃいましょう! 今日はとってもご馳走ですよ」 「お行儀悪く、ぐちゃぐちゃに散らかしてあげましょう! 今日は藤村先生も怒りませんよ!」 渦巻いた眼鏡の奥に、凶悪な殺気がみるみる増していく。 「さあ行け! 私たちの可愛い可愛い傑作ちゃんたちっ! あの女を仕留めた子には」「活きの良い スペシャル赤ちゃんを1日に5人、一週間ずっとおやつに追加しちゃいますーっ!」 げらげらと高笑いする眼鏡コンビに呼応し、異形たちはご褒美に歓声を上げた。 「別にぃ、私の胸でもケツでも勝手に食えって感じ。その前に灰にしちゃうけどね」 前後左右から奇声を上げて迫る怪物たちを碧眼に映しながら、キララは白炎を引きながら構えをと る。白炎は渦を巻くように肢体を包み込み、金色の髪が吹き出る炎で高らかに逆立った。 「私のサファイア・アイが輝く限り、外道に明日は来ないって感じ!」 (続)
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