- 1 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/03(土) 22:01:23 ID:paYtfAjQ]
- ※コードギアスのエロパロスレです
◆エロパロスレなので対象年齢以下の方は速やかにスレを閉じてください。 ◆荒し、煽りは徹底的に放置。スルーできない人も同じ。 ◆雑誌等のネタバレはネタバレスレ。特定のキャラの話はキャラネタ板で。 ◆アニメのアップロード、YouTube、Winnyなどの話題をするレスは自粛。 ◆次スレは>>950辺りで立ててください。又はスレ容量が500KB近くになったら。 ■公式サイト www.geass.jp/ ■コードギアス WIKI(まとめサイト) mania.sakura.ne.jp/geass/index.php?TopPage ■エロパロ保管庫 ttp://eroparogeass.web.fc2.com/index.html ttp://www.wikihouse.com/geasseroparo/index.php? (気付いた人更新して下さい)
- 155 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/19(月) 00:59:06 ID:OiqIM/3u]
- 「……彼が勝てば、ブリタニアの女と日本人の男、そしてその子供が静かに暮らせる世界が、できるかもしれないですね」
「…………」 「スザクの件で身にしみました。ナンバーズはいつまでたってもナンバーズ。純粋ブリタニア人でない者は、いつまで経とうが――」 ――ブリタニアでは人扱いされないんです。 胸にしがみつかんとする女を、男は今度は受け止めた。 「どこまで行っても、本音ではただの道具なんです。私も。彼も。カナメさん、私――あなたのためにタコさんを作っているとき、自然と歌がこぼれるのに気付いたんです」 男にとって、その髪の毛の香りはもはや異国の香りではなかった。 「必死で血の海をかいくぐって、泥にまみれて、ようやく――私は、手に入れました」 だから。 ゼロの正体について、私はあなたに教えません。 むしろ、今のあなたがそれを知ることは、危険です。 彼が自分からその姿を明かさない限り、私は口をつぐみます。 カナメさん、私を守ってください。私も、あなたを全力で――守ります。 泣き叫ぶ女を何とかベッドに腰掛けさせてその背をあやしながら、彼は彼女を愛しいと思った。 些細な幸せ。 ゼロに従うことで、それが守れるのなら。 俺は、それに賭けてもいいか。 「あ……」 ヴィレッタが顔を赤らめた。 先程愛し合った残滓が、立ち上がったせいでつつっと溢れ、その締まった腿に筋を描いていることに気付いたのだ。 紙を手にすると、気恥ずかしそうに拭う。 「今度は、カニさんを作りますね――」 照れを隠すかのように、彼女ははにかみながらそう言って、微笑んだ。 野心が死んだと言えば、嘘になる。 打算がないかと言われれば、否定できない。 だが――。 ヴィレッタは隣ですやすや眠る男の顔を、眺めた。 私は――見つけた。 帰る場所を。 そして、帰ってくる人を待つ場所を。
- 156 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/19(月) 01:01:33 ID:OiqIM/3u]
- 以上です。
扇×ヴィレ、本編で破局を迎える前にと思いまして。
- 157 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/19(月) 01:23:17 ID:YwynURn1]
- >>152-155
GJ! 本編で気になってるカップルなんで、余計に心打たれた
- 158 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/19(月) 11:45:20 ID:T1bf8yLA]
- イイネイイネー!GJ!!
- 159 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/19(月) 13:51:11 ID:1ibmksq8]
- わあい。<扇×ヴィレ
せめて今だけでも夢がみたいわ。
- 160 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/20(火) 01:10:11 ID:ybuAMUJa]
- いや、何と言うか本編で似たことやっても全くおかしくない話だな。
深夜枠だし、扇もヴィレッタも成人してるし。 しかし、これを本編でやれば超特大の死亡フラグ…
- 161 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/20(火) 01:18:22 ID:Ct5Nt74m]
- ルルママがナイトメアパイロットとしってギャップ萌え。
あんなおっとりっぽい顔しておきながら・・・。
- 162 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/20(火) 01:58:37 ID:OGnnOfZq]
- 親父があれで、母親が運動神経良さそうなのにルルはどんくさいなぁ。
- 163 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/20(火) 02:11:12 ID:Y1Fyx0bm]
- 周りが超一級なだけでしょ。
運動不足はあるかもしれないが、運動神経は悪くはないよ。
- 164 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/20(火) 03:41:17 ID:yJ2zkhGM]
- ルルカレ読みたいです
- 165 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/20(火) 15:57:36 ID:vwnXz638]
- そろそろゼロカレにでも着手するかな…
- 166 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/20(火) 19:47:51 ID:AWmxtH4f]
- >>165
wktkして待つ
- 167 名前:名無しさん@ピンキー [2007/02/20(火) 21:47:29 ID:oZJj0QsC]
- >>165
期待してる
- 168 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/20(火) 22:59:30 ID:uXespvgg]
- >>161
パイロットだったの?ナイトメアが実戦配備されたのって日本進攻が初めてじゃなかったっけ
- 169 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/20(火) 23:02:29 ID:xUi4uDnz]
- >>168
始めて実戦投入されたグラスゴーは第3世代ナイトメア
- 170 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/21(水) 16:21:09 ID:6fZMxZbG]
- グラスゴーは第四世代でマリアンヌが乗っていたのは第三世代のガニメデ。
アッシュフォード財団所属のテストパイロットだった。
- 171 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/21(水) 19:15:02 ID:Fvt/X0CP]
- 何で第四世代以降は古臭い名前で、第三世代は松本零士チックなw名前なんだろう
- 172 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/22(木) 02:50:52 ID:BGThCUNr]
- …と思ったんだが、最近エロいのが書けなくてなorz>166>167
- 173 名前:慟哭の贄――ゼロ(ルルーシュ)×カレン mailto:sage [2007/02/23(金) 06:46:40 ID:yU8WLLN6]
-
――その時カレンは一人、耳元の通信機越しに"その声"を聴いた。 次第にそれは耳元を圧迫し、彼女の意識下にまで深く入り込んでくる。 おかしくてたまらないといったように昏く響く、くぐもったような嗤い声。 それが少しずつ大きくなっていき、終いにはついに堰を切り、すべてを解き放つ。 笑っているのか、それとも泣いているのか……いや。 それにはどこか、本物の感情をそのまま吐き出せない、不完全燃焼の悲しみがあふれていた。 偽りの……だからこそ。 慟哭――彼女には、それが酷く哀しげな自嘲の嗤いに聴こえた。 カレンは一人きり立ち尽くし、目の前の黒いナイトメアを見上げると、人知れず切なく胸を震わせた。 * * * しばらくしてゼロは、自身の機体から、何事もなかったかのように無言のまま降りてきた。 その瞬間すらっとした黒ずくめの長身が、やけに淋しげに見え、その姿を見とめるとカレンは思わず、もどかしげに駆け寄る。 「あの……ゼロ……、」 しかし、やっとそれだけ声をかけるのが精一杯だった。 「ん?……なんだ――カレン」 ゼロはカレンに気付くと、不安げな眼差しを自分に向ける彼女を仮面越しに視つめた。 「い、いえ……」 カレンは言い淀むと、ふと視線を俯かせた。 ……先程の彼は、幻だったのだろうか。 カレンは落ち着かなく目線を泳がせ、しかし次第に襲い来る不安に耐え切れなくなり、言った。 「あ、あの――あの白兜のパイロットは……、」 口火を切ったその言葉に、ゼロが一瞬ピクッと反応したように見えた。 しかし、のっぺらぼうの紺青の仮面からは一切、表情は何ひとつ読み取れない。 今のゼロにとっては、それは好都合だった。 仮面を被った自分には、感情は要らない――そう、要らないのだ。 だから例え、これまで幾度となく苦汁を飲まされ続けてきた憎きヤツ、白兜のパイロットが誰であろうと……。 「枢木スザク――だったんだな」 ゼロの声は平静を保ちつつも、心なしか、どこか憂いを秘めているようにも聴こえた。 「あいつが、どうかしたのか?」 先程の哀しげな嗤いが、まるで嘘のように、ゼロはカレンに訊き返した。 そのあまりにも、さっきの彼とは違う平然とした様子に、かえってカレンの不安感は増す。 「い、いいえ……」 再び目を伏せて俯くカレンを前に、ゼロは再び口を開いた。 「新しいスーツの調子はどうだ――何か不都合はないか?」 「はい、とてもいい調子です……」 「そうか。では、次の出撃に備え、体調管理を怠らぬようにな」 「――はい」 スザクのことには、それ以上触れず、当たり障りのないカレンとのやり取りを終えると、ゼロは一人自室へと戻っていった。
- 174 名前:慟哭の贄――ゼロ(ルルーシュ)×カレン mailto:sage [2007/02/23(金) 06:48:48 ID:yU8WLLN6]
-
どうしよう……。 白兜――黒の騎士団で紅蓮弐式を操縦するカレンの宿敵、ブリタニア軍の第7世代最新鋭ナイトメアフレーム、 ランスロットに、彼女のクラスメイトである、名誉ブリタニア人の枢木スザクが乗っていた。 これまで自分が何度か、拳を交えてきたその相手が、まさかあのスザクだったなんて……。 彼らは、ゼロはちょうどその日、念願の守り刀、藤堂鏡士朗と四聖剣を手に入れた。 その夜、チョウフの刑場にて、今まさに処刑寸前だった藤堂は無事救出され、さらにゼロの説得により、 晴れて彼という貴重な駒を、新たに黒の騎士団に迎え入れることが、かなったのだった。 でも。 自分たちが、自分が最も倒さねばならない相手が、よりによってスザクだった。 カレンはその夜、眠れぬ夜を過ごした。 明日にはまた、彼女は学園に戻らなければならない。 でも……。 こんな気持ちのまま、到底、戻れるわけがない。 何より普段の日常生活の学園で、再びスザクに会うことが酷く躊躇われた。 ――当たり前だ。 自分が倒そうとしている相手、殺そうとしている相手が、そこにはいる。 今まで彼女の裏の顔である、黒の騎士団の一員として、それも紅蓮弐式のエースパイロットとして、 己の、そして何よりゼロの理想を達成せんがために、カレンはこの場所で働いてきた。 宿敵ランスロットに、その殺意のすべてを剥き出しにして。 それが……なんてことだろう。 やっと本来の自分自身の役目を果たせると思ってきたのに。そう、ひたすら信じてきたのに。 ひたすら明るい陽の光に照らされた学園で自分は、その"相手"と何食わぬ顔で、何事もない平和な屈託のない会話を続けていた。 そう、彼は、枢木スザクは、クラスメイトなのだ。 でももう私は、彼、ゼロについていくと決めた。 そう――あの時、誓ったのだ。 どんなことがあろうと、貴方を守ります。誠心誠意、貴方のために働きます。と。 例え同じクラスメイトのシャーリーの父親を、間接的に殺ったのが自分だと知っても。 あのナリタ連山で多くの人々の命を犠牲にしたのが、この血塗られた手のひらだと悟っても。 すべては、彼のためだけに……! 再びカレンの胸に、試練という雪崩が襲い掛かる。 だがそれは、決して、彼女一人だけのものではなかったのだ。 もう戻れない――その真実の痛みは、決して。
- 175 名前:慟哭の贄――ゼロ(ルルーシュ)×カレン mailto:sage [2007/02/23(金) 06:55:24 ID:yU8WLLN6]
-
その夜ルルーシュも、到底、眠りに就けぬまま、一人きり刻々と過ぎる時間だけを持て余していた。 先程カレンが、自分に何を言わんとしていたのか、彼には手に取るように解った。 ……そうだ、スザクだ。 俺は今まで、誰を相手に戦ってきたのだ。 その相手こそが、彼の幼馴染であり、親友のスザクだった。 彼とはつい何ヶ月か前に、実に7年振りに奇跡的に再会したばかりだった。 昨日まで平和な学園生活において、何度も屈託なく笑いあってきた、あたたかなあの微笑み。 つい数時間前、最愛の妹ナナリーの騎士として、妹を託そうと心に決めたばかりの、そのあいつが。 ルルーシュは泣きたかった。本当は、声を涸らして大声で泣きたかったのだ。 しかし、不思議と涙は一滴も出なかった。 どうしてだ、スザク……! だがそんな思いは、既に後の祭りであることは、解り切っていることだった。 今となっては、何を思っても、せんないことなのだ。 そうだ、自分は黒の騎士団を束ねるカリスマリーダー、ゼロなのだ。 その団員の中でも、誰よりも自分を慕い忠誠を誓って、付き従ってくれているカレンの前で、泣き言など決して許されない。 いや、無論、彼女ばかりではない。 福リーダーである扇や玉城、そして新参者のブリタニア人ではあるが、有能な情報通であるディートハルト。 またさらに、今回新たに彼ら黒の騎士団に参戦した、伝説の武人、藤堂や、その配下である四聖剣の面々に対しても。 そして何より、自分たちの後ろ盾となってくれている、キョウト重鎮の桐原や神楽耶らの手前――。 そうだ、俺にはもう戻るべき場所は、一切残されてはいないのだ。 既に俺たちの戦いの火蓋は切って落とされた。 ――心を、鬼にしなければ。 「修羅の道をゆく」……ルルーシュの、ゼロの胸に、再びその言葉が昏く響いた。
- 176 名前:慟哭の贄――ゼロ(ルルーシュ)×カレン mailto:sage [2007/02/23(金) 07:00:26 ID:yU8WLLN6]
-
それでもカレンは、先程のコクピット内から漏れ聴こえた、不穏なゼロの嗤いが気になっていた。 よくよく考えてみれば、彼女は未だ、彼について何ひとつ知らない。 それでもいいと思っていた。 そうだ、ゼロが誰かなんてどうだっていいと、とっくにそう思ってきたことじゃない。 それにゼロの正体については、その内実に迫りたいと感じながら、騎士団内の誰もが、これまでずっと押し黙ってきたことだ。 敢えて無闇に知ろうとしてはいけない。 それは、暗黙の了解。 でも……。 あの時ゼロは、私に「ありがとう。」と言ってくれた。 その瞬間この胸にあふれたその声、あたたかな彼の体温を、私は片時も忘れたことがない。 そしてその時、私は強く誓ったのだ……彼に、そして自分自身に。 もしかしたらずっと、自分は人知れず恋焦がれてきたのかもしれない。 ――彼に、そうゼロに。 いつしか、そのことに気付いたのは、"彼女"の存在を知ってからだ。 常に影のようにゼロに付き従い、その素顔さえも一人だけ唯一知っているという、不思議な雰囲気を漂わせる、拘束服の少女。 C.C.(シーツー)……まるでゼロの名にも似た、暗号のような、記号的なその名前。 そのことが、さらにカレンの心を攻め立て、泡立たせる。 二人は、どこかしら謎めいた暗黙の絆によって、深く結ばれているような気がした。 そんな彼女からしてみれば、私など……。 そのことを思う度、カレンは一人きり唇を噛んだ。 そしてだからこそ、彼女はどこまでもゼロの忠実な僕であろうとしたのだ。 ……そう、誰よりも。誰一人追随できぬほど。 そしてカレンは、その夜、自分さえ窺い知れぬゼロの一面に偶然、触れた。 あのくぐもった哀しげな嗤い声が、まだ耳元にこびり付いて離れない。 ゼロ、貴方は何を抱えているのですか。何を哀しんでいるのですか。 やはりそれは、私が知ってはいけないことなのですか――? きっと一人きり。 それとも……やはり"彼女"は、誰一人知らない彼のすべてを知っているのだろうか。 その悲しみも喜びも、ゼロの心にひろがる、そのすべてを。 そう思うと、唐突に、いても立ってもいられなくなった。 無論スザクのことももどかしく蟠り、まだ彼女の心の襞から完全に拭えずにいた。 様々な不安と焦りと強い思慕とがないまぜになり、カレンの心は今にも張り裂けそうだった。 そして気がつくと、彼の――ゼロの部屋の傍らまで足を運んでいた。 おそるおそる、そろそろと扉に近づく。
- 177 名前:慟哭の贄――ゼロ(ルルーシュ)×カレン mailto:sage [2007/02/23(金) 07:08:40 ID:yU8WLLN6]
-
すると……。 カレンはその瞬間、扉の内側から突然漏れ聞こえた、思いもかけぬ声を、耳にした。 「スザク……ッ!」 え……っ……。 その名と心なしか詰るような語気の激しさに一瞬、耳を疑う。 確かに"彼"は、ある意味では有名人だったし、誰もがその名を知っていても、まったくおかしくはなかった。それに。 名誉ブリタニア人の彼が自分たちの宿敵、白兜のパイロットであると、ゼロ自身も先程、知ったばかりなのだ。 けれど。 直感でカレンは感じた。 その名を呼んだ声は明らかに、何か特別な感情を、確かにその内実に潜ませていた。 まるで、よく見知っている親しい人間に対するよう、な……? 気のせいだろうか。でも。 ――沈黙。 そして、すすり泣くような、いや。息を殺し、くくくと搾り出し笑うような、声。 その瞬間、先程のコクピット内のゼロの哀しげな嗤いが蘇る。 カレンはつい、ふらっとよろけてしまった。 バランスを崩したカレンの足元が、体勢を立て直そうと、不覚にもザッと足音を立ててしまう。 「誰だッ!」 ビクッ。 カレンは思わず、目を瞑った。 すぐさま、その場から立ち去ろうとするが、足がもつれて上手く動けない。 「痛ッ」 慌てていきなり逃げ出そうとしたせいか、不意にカレンは足首を捻ってしまった。 そして、派手にその場に転んでしまう。 そうこうしているうち、内側から目の前の扉が開かれる。 気がつくと、彼女の目前に仮面を付けたゼロが立ち尽くしていた。
- 178 名前:慟哭の贄――ゼロ(ルルーシュ)×カレン mailto:sage [2007/02/23(金) 07:15:15 ID:yU8WLLN6]
-
「ごっごめんなさい!私――っ」 床に手を着いて蹲り、なす術もなく固まったカレンは、ただ理由もなく謝るばかり。 しかしゼロは、相手がカレンだと分かると、仮面の内側でふっと息を漏らした。 「……君か、カレン」 カレンがその声に振り向くと、 「大丈夫か?」 ゼロは、勢い余って転んでしまった彼女を気遣った。 「は、はい――」 左足首と擦り付けた膝小僧を交互に指先で摩りながら、そう答えると、さらにカレンは尋ねられた。 「どうした、眠れないのか……?」 夜も更けたアジト内の薄闇の中で、ふと仮面の中のゼロの表情が柔らかく凪いだような気がした。 廊下の片隅に点々と灯る、非常灯の明かりにぼんやり照らされ、いつも見慣れているその仮面の形が、ふと淋しげに見えた。 カレンは不思議だった。 その声は普段周囲に対して見せる、凛と気高く強く誇らしげに響く硬質な声色とは、どことなく違っていた。 カレンは戸惑いを隠せず躊躇えたが、それでもまた一段と、彼自身の素顔に近づけた気がして、なぜだかふと嬉しくなり、 ほんのりと頬を紅らめた。 だが。 なんとか立ち上がろうとすると、傷めた足首のせいか、またしてもカレンは上体のバランスを崩して、前方につんのめってしまう。 そして、次の瞬間。 いつのまにか、カレンはゼロの腕の中に抱え込まれていた。 「………ッ………」 呼吸(いき)が停まるかと思った。心臓が停まるかと思った。 ドキドキドキ……不覚にも、自分自身の意思を無視して、鼓動が早鐘を打つ。 ゼロの胸に顔を埋めた状態のまま、カレンはさらに固まってしまう。 しかし、 「……いっ……つ……ッ」 突然立ち上がったために、先程捻った足首が痛んで、思わず顔を歪ませ、声を漏らしてしまう。 するといきなり、それを見かねたゼロにカレンは軽々と持ち上げられた。 「え……っ……あの……その……っ」 まるで乙女のように頬を紅潮させ、あからさまにカレンは恥じらい戸惑う。 「足を捻ったのか?――よし、ちょっと見せてみろ」 カレンはなす術もなく、ゼロの部屋の室内に運び込まれてしまった。
- 179 名前:慟哭の贄――ゼロ(ルルーシュ)×カレン mailto:sage [2007/02/23(金) 07:36:13 ID:yU8WLLN6]
-
部屋の一角の卓上のスタンドのみから零れ落ちる明かり。 まるでその部屋の薄闇には、彼女の知る由もない彼の内側が息を潜めて漂っているようだった。 カレンの脳裏に、偶然耳にしたあの慟哭と、先程のゼロとのやり取りの一部始終がフラッシュバックした。 ゼロはカレンをベッドに横たえると、ブーツを脱がせ、足首の様子を看てやった。 そっと摩りながら、 「どうだ、痛くないか……?」と訊かれ、 「――はっはい」 少々慌てふためきながら、そう答える。 「軽い捻挫のようだな……だが一応、な」 そう言うとゼロは、棚から下ろした医療キットの箱から取り出した湿布をカレンの足首にあてがい貼ってやる。 さらに擦り剥いた膝小僧も消毒し、絆創膏を貼った。 「……すみません」 思わずカレンは謝っていた。 「これぐらいなら大丈夫だろう、戦闘には差し支えなさそうだな」 ふふっと笑いながら、ゼロは言った。 その仮面の内側から零れた笑みに、ふと思わずカレンの胸から、先程の諸々の不安が不思議とどこかへ溶けていく。 本当はこの人は、とても優しい人だ……。 その時、カレンは我知らず、心からそう思っていた。 そんな彼の内面に、さらに触れられたことが、とても嬉しかったのだ。 けれど同時に彼女は、悲しくもあった。 そして――。 カレンはつい、訊いてしまった。 ……あまりにも彼が、不憫に思えたから。 なぜだろう。自分は何ひとつ彼のことを知らないけれど、でも、確かに彼は何かの哀しみを一人きり抱えている。 そしてそのすべてを周囲から押し隠して、たった一人で。 つい、そんな風に思えてしまったのだ。 そう――組織の最上階である司令塔の上に立つ者は、皆、常に孤独なのかもしれない。 ましてや彼は、「ゼロ」だ。 今や世間の注目の的であり、我々日本人の最後の切り札、であるかもしれない、この日本における最重要人物。 その見るも鮮やかな手腕、切れ味のよい頭脳と指揮戦法のすべてに、カレンのみならず、騎士団の誰もが惚れ込んでいた。 いや、それは既にこの日本の中枢である、桐原以下の元老たちや神楽耶ら、キョウトの面々でさえも。 けれど、その実彼は、その仮面の内側に秘めた己の感情のすべてを押し殺し、誰にも一切その素顔を明かさず……。 今でこそカレンは、どこかで彼自身の哀しみそのものが、解ったような気がしていた。 ――だ、か、ら。 例え"彼女"が、彼の傍に常にいるのだと解っていても。 「ゼロ、貴方は、誰か大切な人を……」 ……まさか、それがスザ、ク? ありえないと思いながら、カレンは。
- 180 名前:慟哭の贄――ゼロ(ルルーシュ)×カレン mailto:sage [2007/02/23(金) 07:49:49 ID:yU8WLLN6]
-
その瞬間、ビクンと胸が震えた。 ルルーシュはカレンの唇がそう動くのを見て、突然、心臓の鼓動が停止するかと思うような、軽い衝撃を食らっていた。 まさか彼女は、俺とスザクとのことを勘付いているのか? いや、正確には、俺の正体について。 ダメだ、 ――彼女に心を見せてはいけない。俺の心を知られてはいけない。 俺はゼロだ。黒の騎士団のヘッドにして、血も涙もない冷酷非情の男。 当然だ、俺はゼロなのだから。 冷血漢と言われてもいい、人でなしと罵られてもいい。 そうだ、俺に感情は、要らない……! そう胸の内で叫ぶが早いか、ベッドに腰掛けたカレンを有無を言わさず、押し倒していた。 そして。 「カレン、君の主人は誰だ――?」 ……ッ……!? その低く押し殺したようなドスの利いた声色に、思わず身震いしてしまう。 「いやっ、離してくださいッ」 目には映らぬ仮面の向こう側から見下ろしている、怖ろしいほどに冷たい視線が、なぜだか分かった。 ガッと強い力で、両手首を押さえつけられながら、カレンはなす術もなく呻いた。 ゼロは、どこまでも非情になりきれぬ自分を知りながら、いやだからこそ、敢えて非情になろうとした。 これまで彼は、確かに少々彼女に気を許しすぎていたのかもしれない。 確かにそれは、微妙な綱渡りだった。 紅蓮弐式のエースパイロットとしての腕だけでなく、カレンの自分への変わらない、揺るがぬ忠誠心。 それが容易に手に入ったことは、彼としては非常に好都合だった。 しかしゼロ――ルルーシュの心に広がったものは、確かにそれだけではなかった。 本当はそんな、人の心さえも操る、損得勘定の働いた冷たい理屈ばかりでは。 だが、やはり――そんなものは、己自身の奥底に封印しなければならないのだ。 ……目の前のカレンに、己自身の本当の心を知られる前に。 そうだ、最早もう後戻りなどできないのだ。
- 181 名前:慟哭の贄――ゼロ(ルルーシュ)×カレン mailto:sage [2007/02/23(金) 08:24:32 ID:n/u8HESm]
-
ゼロは襟首に巻き付いていたスカーフをシュルッと抜き取ると、それを使い目の前のカレンに目隠しした。 「なっ……!?」 それは一瞬の出来事だった。 カレンの頭の後ろで、きちっとスカーフを強く縛るが早いか、ゼロはおもむろに仮面を取り去った。 そして……、 「うっ……んッ」 有無を言わさず、目隠しされたままのカレンの唇を奪う。 ゼ……ロ……。 その瞬間、身体中に電流が走った。何が起こったのか解らなかった。 薄暗闇の中で視界を塞がれ、そのことがさらなる恐怖心と、そして自分でも解らぬ、不可解な高揚感を生み出す。 ゼロに奪われたカレンの唇は、なす術もなく、滑り込ませてきた舌に口内を蹂躙され、戦慄いた。 でも、不思議と抵抗する意思は起きなかった。 もしかしたらカレンは、心の奥底で、この瞬間を待ちわびていたのかもしれなかった。 ゼロ、貴方を知りたい。貴方の心に近づきたい……。 いいえ、それがかなわぬのなら、いっそ。 お願い――"私 を 奪 っ て く だ さ い"。 そのカレンの望みが届いたのか、いつしか手袋を脱いで素手となったゼロの指先は、カレンの胸元へと伸びていく。 すっかり抵抗する様子のなくなった、目の前の恍惚の女。 恐怖と少なからずの期待に慄き、小刻みに震える、白い喉元。 呼吸の度に切なげに上下する、その豊かな膨らみに、しなやかな指先が、いつしか届く。 柔らかな花弁のようなカレンの唇を吸いながら、ルルーシュは次第に我を忘れていった。 今だけは……もしかしたら、自分がゼロであることも? しかし……。 例え視界を塞いでいるとしても、相手の目の前で仮面を脱いだ時点で、さらに互いの距離が縮まっていくことに、 不覚にも彼は気付かなかった。 それだけに彼は今、少なからず常軌を逸しているのかもしれなかった。 そう、スザクのことで、今ルルーシュは、頭がはちきれんばかりだった。 そしてだからこそ、すべてを忘れたかった。 そんなことを知る由もないカレンは……。 ただ、目の前の素顔を晒しているゼロのすべてを、まさに身体中で感じていたのかもしれない。 そうです……私は貴方が、ゼロ……。 外気に晒され、いつしか肌蹴られた二つの見事な果実をがっしりと鷲掴みされ、その膨らみを揉みしだかれると、思わずカレンはのけぞった。 「ああっ――!!」 そう……例え貴方が、誰であろうと……。
- 182 名前:慟哭の贄――ゼロ(ルルーシュ)×カレン mailto:sage [2007/02/23(金) 08:49:31 ID:kda4lxyu]
-
鬼になれ。 そうだ、鬼に、だ――。 ひたすらルルーシュは、ただ自分自身に言い聞かせていた。 そうでもしなければ――忘れられない、諦められない。 ……そう、スザクのことを。 いわば目の前のカレンは、そのための彼の生贄なのかもしれなかった。 そんなルルーシュ自身の鬼畜になりきるための練習台の代用品にさせられているとも知らず、カレンは。 どちらにしても、ことごとくすべてが今後、なし崩し的にゼロとしての彼の踏み台となっていくのだ。 カレンは幸い、俺に惚れているらしい。 もっともそれも、ゼロとしての俺自身に、だが。 ククッ――こんな滑稽なことが他にあるか。 むしろカレンは、学園での本物の俺に嫌悪感さえ抱いている。 本物の俺?――ルルーシュ・ランペルージ。 それは最早、彼にとって単なる影武者でしかなかった。 偽物の俺……それでも俺は、そんな学園での俺自身に安息を許していた。 愛する妹ナナリーがすぐ傍で愛らしく微笑み、そしてその傍らには、いつでもスザクが……。 しかし一体、俺は俺の何を守ろうとしてきたのか。その一端であったはずのスザクは。 あろうことか、俺自身の敵として一瞬に姿を変えた。そう、最悪の敵に、だ。 いずれ俺は、あいつを殺らなければならないだろう。 そうしなければ……。 これまでのすべてが水の泡、そう思った途端、ルルーシュは発狂せんばかりの狂おしい思いに苛まれた。 ――どうしてだ、どうしてなんだ。俺の愛する者が、なぜ。ふふ、ふはははは……。 そうだ、俺は滑稽だ。俺自身のすべてが、最早。 胸の内で哀しく嗤いながらルルーシュは、その痛みの代償として、目の前のカレンの瑞々しい肉体を貪った。 幸い、その肢体は、驚くほど彼自身に従順だった。 カレン、君は本当に可愛い。そう、君が傍にいてくれて、どれほど俺は救われ慰められたか。 きっとこんな俺をC.C.は、小物だと、また見下し嘲るのだろう。 だが、それさえも既に俺にとっては、余裕で慰めのひとつとして数えられる。 今となっては、どんな言葉でさえ。俺自身を奮い立たせる、甘く優しい憐れみの言葉だ。 ――はぁはぁはぁ。 その舌先がチロチロと蠢き、すっかり硬直しきった先端を嬲る度に、カレンは飛魚のように何度ものたうち、跳ねた。 ……ゼロの、舌……ゼロの指先……ゼロの……。 目隠しをされているせいか、彼女の感覚は異様に研ぎ澄まされていく。 文字通りカレンは、全身でゼロという男のすべてを感じていた。 あ、あ……ぁ……っ。 嵐のような愛撫の刹那、カレンの素肌に零れたルルーシュの黒髪が、その感触でカレン自身をくすぐる。 深く口付けを交わし、身体中のすべてを奪われているようで、だがしかし、その実カレンは同時に失ったそのものすべてを還元された、 その確かな何かと交換し、目の前のゼロ自身から、しっかりとそれを受け取ってもいた。 虚しく奪われ、けれど同時に確かに与え合う。 その無意識のうちに感じる事実が、カレンはただ、この上もなく嬉しかったのだ。
- 183 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/23(金) 08:49:46 ID:1xjFRdvO]
- 生殺しーーーーー!!
- 184 名前:慟哭の贄――ゼロ(ルルーシュ)×カレン mailto:sage [2007/02/23(金) 09:46:29 ID:Ablf1EFJ]
-
いつしかカレンは、シーツの上で一糸纏わぬ姿にされていた。 乱暴に上着を脱がされ、シャツを肌蹴られ、下半身の半ズボンとショーツを取り去られ、そしてついには。 ゼロにそうされている間、カレンは知らず異様な高揚感に包まれ、それだけで身体中が熱くなった。 ただ単に目隠しをされているからというだけでなく、それをされているのが、切なく恋焦がれるゼロであるというだけで。 視界を塞がれたカレンは、自分の服という服を脱がせていく指先の感覚に、いつしか全神経を集中させていた。 そして、すべてすっかり生まれたままの裸に剥かれると、身体中という身体中に、燃えるような口付けが降り注いだ。 「あっ!」 瞬間、激しく背中が弓なりにのけぞった。ただそれだけで、カレンは感じてしまう。 いや、正確に付け加えると、目隠しされた状態で、今あられもない姿を自分はゼロに晒しているのだ、という事実によって。 さらには、大きく両腿を膝を折るようにして持ち上げられると、呆気なく広げられ、露にされた秘部に俄かに指先をあてがわれる。 「あああ、あ、あ、……ぁッ」 恥ずかしかった、ものすごく。しかし、その炎の熱であぶるような羞恥心が、さらにカレンの全身をどこまでも燃え上がらせた。 すっかり切なく濡れそぼったその箇所からは、知らず知らずに愛液が零れ落ち、密やかに蠢くゼロの指先を延々と濡らし続ける。 「はぁ……ああ、ふぅ……ん、」 たまらず、半開きのカレンの唇から、艶やかな吐息が漏れ出す。 そして、 「――あっ、あっあっああああっ……!!」 今度はゼロの舌が指先に代わってそこに侵入すると、カレンは自分でも驚くほど淫らな声をあげ、激しく喘いだ。 どうにかなってしまいそうだった。もう、どうにかなってしまうかと思うほど、気持ちよかった。 がっしりと男の腕力によって組み敷かれ、ただ欲望のままに我を忘れて泣き叫ぶ。 その舌先は、容赦なく哀れ酷い洪水となった割れ目をレロレロと生き物のように何度も行き来する。 「ぃやぁ…っ…ぅんッ……ううん…んんんっ!」 そのあいだにも、豊満な両乳房をゼロは揉みしだき続け、時折乳首を強く捻り上げた。 胸と花弁の割れ目を同時に攻められ、あまりに心地よすぎるその刺激に、カレンの意識は既に風前の灯火だった。 さらに舌先が離れると、いつしか蹂躙する指先は今度は二本に増やされ、カレンの内部を容赦なく掻き混ぜる。 「……あぁぁッ!」 途端に、再び艶かしく耳元に溶けだす鳴き声。 「――はぁっんッ!」 カレンがひときわ高く跳ねたと思った瞬間、その膣はゼロの指先をきつく締め上げていた。その瞬間、カレンは最初の絶頂を迎えた。 ……たまらない。たまらなく心地いい。 好きなようにゼロに身体を弄られているというだけで、カレンの意識は既にどこかへ真っ白に吹き飛んでいた。 今はスザクのことも、何もかもを忘れられた。 そう、今ただひたすら全身で感じているのは、自分自身を執拗に犯し続ける、目の前のゼロ一人だけ。 最早それだけでよかった。それだけで彼女は、すべて満たされた。
- 185 名前:慟哭の贄――ゼロ(ルルーシュ)×カレン mailto:sage [2007/02/23(金) 10:23:24 ID:dubkoh1W]
-
「……カレン」 すると、はぁはぁという自身のどうしようもなく淫らに上擦った喘ぎ声に混じって、幻のように遠くからゼロの声が聴こえた気がした。 「――挿入れるぞ」 ゾクッとするような声で、そう告げられたかと思うと、カレンの入り口に何か硬いモノがあてがわれ、一気に中に押し込まれた。 「ううっ……!!」 ずぷずぷと音を立てて、その剛直が膣内へ惑うことなく侵入していく。 「ああっ……ゼロぉ……っ」 カレンの息も絶え絶えの甘いうわ言が耳元をくすぐる。 さらに己自身を擦りながら、中へ中へと奥深く誘い込んでいく、そのぬるぬるとした感触に、思わず身悶えしそうになる。 だが声をあげそうになるのを必死で堪え、ルルーシュはゆっくりと腰を動かし、カレンの中で何度も進退を繰り返した。 ああっ!ゼロっ…いい……すごくいいっ。 カレンは、容赦なくゼロ自身から送られる狂おしいまでの刺激の虜になっていく。 そして、その男自身の欲望に支配された快楽の中心核で、不思議と、えもいわれぬ幸福感が身体中にひろがっていく。 「……ゼ、ロ……私、嬉しい……です……すご、く」 自分でも我知らず、カレンは切なげな性交のさなか、そう呟いていた。 その消え入りそうな切れ切れの囁きを聴いて、一瞬ルルーシュの動きが停まる。 ぎゅっと閉じたカレンの目尻には、うっすらと涙さえ浮かんでいた。 それを目にした途端、ハッと我に返った。 カレン……。 だが、何事もなかったかのように再び容赦なく動き出す。 カレンの身体自身も、無論それを望んでいた。 二人が繋がった下半身から、じわじわと身体全体に押し寄せる恍惚とした昂ぶり。 それ以外には、此処には何ひとつ存在しなかった。 それは刹那、ゼロとカレンが今まさに一つになろうとする瞬間だった。 いや、ゼロではなく、ルルーシュとカレンが。 だが、もう、そんなことはどうだってよかった。カレンにとっても、勿論ルルーシュにとっても。 俺自身がゼロだろうと誰だろうと、ただ今この瞬間だけは、まっさらな"無"に還れた。 その子宮のような懐に導いてくれたのが、まさに目の前のもう一つの体温を届けてくれているカレン自身だった。 ルルーシュは一瞬だけ、小さな胎児に戻ったかのような錯覚を覚えた。 そうだ、まだ誰の子とも、どこの生まれとも決まっていない瞬間の、そのどこまでも果てしない宇宙空間のただなかに放り込まれ……、 彼はたった一人、歪な形の細胞核となって、ごぼごぼと数珠のように連なる泡を吐きながら、水の中に漂っていた。 ここには誰もいない。上も下もない真っ白な空間に、ただ本物の孤独だけがひろがっていた。 だが、不思議と淋しくはなかった。悲しくはなかった。 まるで誰かの腕(かいな)に、すっぽりとあたたかく包まれているかのような、そんな安心感だけに満たされていた。
- 186 名前:慟哭の贄――ゼロ(ルルーシュ)×カレン mailto:sage [2007/02/23(金) 10:31:44 ID:dubkoh1W]
-
「くっ……は、は、はっ!!」 ひとときの妄想(まぼろし)から醒め、ルルーシュは未だカレンと結合している事実を知った。 まるでひととき息をするのを忘れていたかのように、自然と息遣いが荒くなる。それはカレンも同等だった。 「――ッああん、あ!あ!あああっ」 激しく腰を打ち付けるうちに、次第に脳内が真っ白に焼き切れるような快感が襲う。 もっともっともっともっと――ただそれだけを望み、二人はさらなる快楽の極みへと昇り詰めて行く。 「あぁ……――いくっ!いくっ!いくっ!」 声にならない悲鳴に続いて、うわ言のように壊れた人形の如く髪を振り乱し、狂いながらカレンが叫ぶ。 ああっ死んじゃうっ。死んじゃうよ……私、ゼロっ。 その切ない鳴き声を聴きながら、ルルーシュはカレンの奥深くへと己の精を勢いよく放った。 時間と空間そのものが意識それ自体から消し飛び、最後には、空白に残された二体の抜け殻のようにしなだれた。 これですべて終った……終ったのだ。その刹那の幻を夢見ながら、ふたりは――。 しかし、事切れるその瞬間、カレンは初めてゼロと深い場所で繋がれた気がした。 満ち足りた眠りから目覚めると、そこにはまだ、ぼんやりとした薄闇が広がっていた。 気がつくと、いつのまにかスカーフの目隠しを外され、カレンはゼロとの行為から解放されていることを知った。 窓がないので解らなかったが、まだ夜は明けていないようだ。 ……少しだけ眠ってしまったのね。 カレンは、まだ自分が裸のまま、ゼロの部屋のベッドに横たわっていることを知り、少しだけドギマギしてしまう。 まだ爛れた余韻の残る身体を横たえたまま、ふと目線をあげると、すぐそばの机の前に腰掛けた"その人"が、軽く寝息を立てていた。 無論、仮面を付けたまま……。 いけない!私、ゼロのベッドを、すっかり占領してしまって……。 彼が少しでもゆっくりと休めるよう、私はもう出て行かなければ。 しかも彼は、今にも仮面を取られてしまっても、おかしくないような無防備な体勢で。 カレンは、自分が信頼されているのだ、という事実を知り、思わず胸に愛しさが込み上げる。 ゼロ、やっぱり私は――。 おもむろにベッドから起き上がり、ひっそりと着替えを済ませ、床に立って忍び足で机に近づくと、背中からその人をそっと抱きしめた。 「……私でよければ、抱いてください。いつでも私は、貴方の傍にいますから」 その優しげな囁きを残して、カレンは部屋から出て行った。 「………」 ありがとう、カレン……。 ルルーシュは一人だけになると、仮面の内側の胸中で人知れず呟いた。 けれど、俺は。 彼のなかに、また別の哀しみが我知らず拡がる。 俺に近づけば近づくほど、彼女は。いや、誰であろうと。 そう……俺自身の慟哭の生贄になるのだ。 ――Fin
- 187 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/23(金) 10:36:17 ID:dubkoh1W]
-
以上っす。 も、燃え尽きた、ぜ……。 ひたすら長ったらしくて申し訳ないです… エロも微妙だしorz
- 188 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/23(金) 10:53:49 ID:v8Forrxo]
- GJ!
ぜひ、ミレイさんを書いて頂きたい!
- 189 名前:名無しさん@ピンキー [2007/02/23(金) 11:09:35 ID:1Vfu5+W7]
- GJ!
- 190 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/23(金) 11:37:20 ID:7ibKEvi1]
- 力作GJ
- 191 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/23(金) 13:00:56 ID:xwXDhy86]
- このスレ的には、コメディとかOKなん?
- 192 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/23(金) 14:13:26 ID:s7wwxWlo]
- >>191
ギャグエッチなら可。
- 193 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/23(金) 17:03:34 ID:676ku/v9]
- >>187
カレンとゼロの関係が巧みに描かれててヨカタGJ!! 長いっちゃ長いけど丁寧でいいんじゃね!
- 194 名前:名無しさん@ピンキー [2007/02/23(金) 17:06:34 ID:92hb5qiY]
- GJ! 実に素晴らしかったであります!
- 195 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/23(金) 17:14:47 ID:1xjFRdvO]
- 丁寧なつくりGJ!!!
- 196 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/23(金) 20:43:26 ID:g4HWed4t]
- 乙だねぇ。いいねぇ。GJだねぇ!(マオ風)
きっちり人物が描けていて読みやすいですね。
- 197 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/24(土) 06:54:59 ID:oTfMbbhC]
- その日、誰もいない生徒会室でニーナはデータ処理の雑務をこなしていた。
カタ、と小さな音がする。 驚いてその方向を振り向くと、そこにはミレイ会長が立っていた。 「会ちょ・・・・どうして?!」 「あら、ここは生徒会室よ。わたしがいても変じゃないでしょ? それより・・・・」 そう言うとミレイはポケットから数葉の写真を取り出す。そこに写っているものを見てニーナは息を呑んだ。 「殿下の・・・・写真?!」 「綺麗な方よねぇ。あなたがユーフェミア殿下に浮気したくなる気持ちはよく分かるわ。でもね」 ミレイの片手がニーナの震えるあごをそっと掴んで上に持ち上げる。 怒りを隠した笑顔が眼鏡少女の怯える瞳に映しだされた。 「あなたのすべては、もうわたしのものだっていうことを忘れてもらっては困るわ」 「それは・・・でも」 ニーナに反論があったにせよ、それを聞くことはできなかった。ミレイが座ったままの少女に被さり、その唇を自分のそれで塞いでしまったからだ。 罠に捕らわれた子鹿のようにニーナの肢体がわななく。 密なる部分で絡まる舌と舌が少女の理性を早くも奪っていた。 (会長・・・・・・・殿下・・・・・・・っ!) 「ほーら、分かったでしょ? あなたはわたしのものなの。キスだけでこんな・・・・」 伸びた右手の指先がいつの間にかニーナの内股に潜り込み、薄い布の湿りを探り当てている。 過去にその身体のすべてを愛撫したことのある手は、ニーナの官能の昂ぶりを見逃すことはなかった。 「もうびっしょり。そうよ、だってわたしがこんなに感じる身体にしてあげたんだもの。それとも、机の角のほうがいいの?」 「!!」 「そう、知ってるわ。ユーフェミア殿下の写真を見ながらあなたがどんなに乱れたか。あなたがあれ以来、殿下のお姿をどんなイヤらしい目で見つめているかも、ね」 「ゆ、許してください・・・・・会長」 ニーナはミレイが嫉妬の発作にかられたとき、どんなに残酷になるか知っていた。それも知識としてではなく、彼女自身の身体で。 カレンをなかなか堕とせない苛立ちのはけ口を、ミレイはニーナへの仕打ちに求めていた。 「立ちなさい」 明るい生徒会長。優しい仲間。 そうした虚飾の仮面を剥いだ生身のミレイがそこにいた。 「か、会ちょ・・・・」 「ミレイ様、よ。忘れたの?」 「ミレイ様・・・・・」 すべてを奪われたあの日に決められた一方的な関係と約束。それはニーナに恥辱と屈従を刻むものだった。 「脱ぎなさい」 「え・・・」 「全部よ。着ているもの、全部」 「・・・・そんな!」 放課後でもうほとんど生徒がいないとはいえ、誰が来るともしれぬ場所で平然とそれを命じるミレイにニーナの心は慄える。 だが押しつけられたものとはいえミレイ以外を愛さないという誓いを破ってしまった痛みが、抵抗する力を失わせていた。 「いいえ、すぐに・・・・ミレイ様のおっしゃるとおりに・・・・・」 生徒会室の静けさの中に、暫時衣擦れの音が混じる。 やがて激しい羞恥に身悶えする裸身がミレイの前に出現した。 「いいわ。それから犬の格好で片足をあげながらオシッコなさい」 「ええっ?!」 「オシッコのマトはこれよ」 そう言うとミレイはニーナの足下にユーフェミアの写真を投げ捨てる。 こちらを見、慈しむような笑顔を浮かべている想い人の肖像を見下ろしつつ、ニーナは子宮がまたも熱く疼きだすのを感じていた。
- 198 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/24(土) 11:13:44 ID:LXchpnyM]
- なんという生殺し…\(^o^)/つづき…を…
- 199 名前:名無しさん@ピンキー [2007/02/24(土) 13:35:50 ID:2TKuiosH]
- >>197
レズ板からのコピペ乙。
- 200 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/24(土) 18:40:13 ID:zdLyGTVC]
- スザユフィが読みたいです。職人さんお願いします
- 201 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/24(土) 19:40:48 ID:z3nrkrWU]
- スザユフィかルルCがよいなあ
- 202 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/24(土) 20:08:13 ID:4gxk7anK]
- スザクはニーナに後ろから刺されて死にそうな気がするなぁ。
- 203 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/24(土) 20:59:12 ID:oTfMbbhC]
- >199
ごめん。お詫びに続き 「どうしたの。さあ早く!」 軽い苛立ちを見せてミレイが再度命じる。 その声と股間の潤みに喘ぎをもらしつつ、ニーナはゆるゆると床に膝をついた。 (ううっ! お写真とはいえ殿下の前で・・・・・しかも・・・・っ!) 「床に両手をつくのよ・・・・・・・・そう。そして・・・・うふふ、大きく片足をあげて」 こみ上げる強い羞恥を押さえつつニーナはミレイに言われるがままその肢体をくねらせ、生きた塑像と化す。 しかし柔毛を冠した秘部を露わにするあまりにも破廉恥なポーズに、哀れな少女は自分の感情を殺しきることができなかった。 「次よ。さあ!」 (こ、こんなところでオシッコをするなんて! しかも殿下の写真にっ! ・・・・・いや・・・・・いやぁ・・・・っ!!) 「はしたないマゾのくせに顔を真っ赤にするなんて・・・・・でも、とっても可愛いわ、ニーナ」 冷たい笑いを浮かべつつミレイはニーナから離れ、生徒会室のドアに近づく。 そして何のためらいも見せずにドアを開け放った。 「そんなっ!? ミレイ様!!」 「あなたがユーフェミア殿下の写真にオシッコを引っかけるまでこのままよ。いいじゃない、どうせほとんど人はいないんだし」 「ううっ・・・・・あああああああっ・・・・・」 狭い角度だが、もしそこの廊下を通りがかる者がいれば一目で見ることができるだろう。 ニーナの狂おしい貌、汗にぬめ光る肌、苦悩と興奮のあまり蜜を滴らせているプッシー、それらすべてを。 恐怖と羞恥に心臓は激しく脈打ち、屈辱と背徳の姿勢が股間の疼きを倍加させる。 だがたった一人でも来れば破滅は間違いないこの状況にあってなお、ニーナは禁忌の行為に踏み切ることはできなかった。 「・・・・・・・・・そんなに殿下がいいの?」 最後の最後でとどまり続けるニーナに絶対零度の炎を宿した瞳を向け、ミレイは唇を歪める。 そしてドアを開けたままさっとニーナの元に戻り、そのしなやかな指を二本、彼女の膣口へとうずめた。 「うああっ!!」 「どう、あなたの大好きな指よ。あなたの感じるところ、あなたのイくところをたっぷり弄ってきてあげたのに、それでも殿下の方がいいの?!」 「んんんんんんんんんはぁっあああああっ!! そこっ・・・・・それはっ! くぁああ・・・・・・」 さらに奥の襞、エクスタシースポットの数々を突かれ、弄ばれてニーナは狂乱する。 あげくにアヌスも突き貫かれ、ダブルで責め抜かれたとき彼女はついに失禁し、ユーフェミアの笑顔を汚したのだった。 <続かない>
- 204 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/25(日) 05:02:29 ID:jPXZhq0W]
- 会長激しいよ会長GJ
- 205 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/25(日) 06:57:42 ID:tMe85+wU]
- ミレイ×ルルが見たい!
もちろんミレイさんが攻めのヤツが…
- 206 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/25(日) 09:05:05 ID:HR5Br1c2]
- ミレイGJ
- 207 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/25(日) 13:40:05 ID:CEJFZgYP]
- 誰かマリアンヌ×皇帝とか書かないもんかね。
- 208 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/25(日) 13:53:53 ID:mT3VEnBF]
- ルルミレか、スザユフィが見たいですな。
保管庫にあったの、どっちも面白かった
- 209 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/25(日) 15:45:01 ID:7vB3K4Du]
- スザユフィ読みたい。
保管庫の甘い感じのがくすぐったくて良かった。 犬と猫がじゃれているみたいだった。
- 210 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/25(日) 16:22:02 ID:+DBKTGRT]
- 保管庫のナリタ攻防の後のスザユフィが、どれも可愛かったですよ。
あの続きは書かれないのかな? さっき、このスレ知ったばかりで リアルで言えなかったのが残念。
- 211 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/25(日) 19:38:56 ID:sBWURYJ3]
- リヴァルミレイは本編で無理そうなんでここで見たいかも
- 212 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/25(日) 21:15:10 ID:deEsylqE]
- ミレイから見たら後輩Aだもんな、リヴァル
- 213 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/25(日) 22:45:51 ID:ZsGo2bV/]
- ロイドミレイが・・・怖いけど、見たい。
ものっごい変態なの。
- 214 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/25(日) 23:20:20 ID:uDRFjEOL]
- ロイドがミレイがルルーシュを好きなのに気付いて
それをネタにベッドでねちねちいびるネタを考えたが 俺の文章力じゃ無理だった
- 215 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/25(日) 23:24:43 ID:97JMkGH6]
- >>214
ガアアア…ッツ!!! あなたは頑張りたくなりま〜す。
- 216 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/25(日) 23:25:35 ID:bbgcHGVT]
- むしろ、ベッドに入った途端ロイド伯爵を押し倒してドSになるミレイさん
- 217 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/26(月) 00:50:49 ID:ct5OeOkO]
- 流れを無視してゼロカレ+CC投下します
- 218 名前:ゼロカレ+CC1/7 mailto:sage [2007/02/26(月) 00:51:46 ID:ct5OeOkO]
- 大事な話があるとゼロに呼び出されたのは、つい先刻のことだ。それから、いまゼロの私
室の扉を開けるまで数十分といったところか。その間のカレンの心境をジェットコースタ ーにたとえるなら、まさに急上昇急降下だ。現実なんてそんなものだと諦観しつつも、カ レンは自分の表情が強張っているのを自覚した。 ―――また、あの女……! 役職にも就かず、つまりゼロのために何の働きもしないくせに、気づけば彼のそばにいる。 いまだってそうだ。黒の騎士団の幹部でさえめったに足を踏み入れることのないゼロの私 室に、我が物顔で居座っている。それをゼロがよしとしていることも気に入らない。それ が嫉妬だということに、カレンはまだ気づいていない。 「……大事な話ってなんですか?」 声に棘がある。C.C.を視界の外に追い出して、こう切り出したのは、あるいは宣戦布告だっ たのかもしれない。ゼロをめぐる恋の鞘当の―――カレンはそうと自覚していなくても。 C.C.はソファから立ち上がり、ゼロの背後から腕を回した。そのしぐさはまるで恋人のそれ のようで、ひどくカレンを傷つけた。 「C.C.、悪いが、外に出ていてくれないか」 「……わかってる。大事な、大事な話だものな」
- 219 名前:ゼロカレ+CC2/7 mailto:sage [2007/02/26(月) 00:52:30 ID:ct5OeOkO]
- 絡めた腕をほどいて、音も立てずにC.C.は部屋を出て行った。2人きりになると、カレンの
心臓はまた高鳴り始めた。期待というより、不安のせいで。大事な話とやらを聞くのがと たんに怖くなってきたのは、さっきのC.C.の含みのある言い方が気になっているからだ。 ゼロはなかなか話を切り出さない。むしろ迷っているのかのようだ。うつむいたまま気忙 しげに指で机を叩いている。時折視線をあげるものの、何も言わずにまたうつむいてしま う。 ぐっと拳を握り締め、ようやくゼロは口を開いた。 「……カレン、私は君を0番隊、つまり親衛隊の隊長に任命した」 「はい」 「…………。私のために戦い、そして―――死ねるか?」 「もちろんです、ゼロ」 迷いのない瞳で、カレンはゼロを見返した。改めて問われるまでもない。 「ありがとう、カレン……」 言って、ゼロはカレンを抱きしめた。頬に、冷たい仮面の感触があったが、それ以上に彼 の腕のぬくもりに、カレンはうっとりと目を閉じた。仮面の下で彼が、苦渋の表情をして いるとも知らずに。
- 220 名前:ゼロカレ+CC3/7 mailto:sage [2007/02/26(月) 00:53:07 ID:ct5OeOkO]
- 唆したのは自分だ。煽って、追い込んだのもまた、自分だ。ゼロの私室の扉にもたれかか
り、C.C.は自分の心のうちに言い聞かせた。扉越しにかすかに、鼻にかかった女の甘い声が 聞こえる。彼の計画が動き出したのだ。その計画を持ち込んだのは自分だ、だからこんな ふうに落ち込むなんて馬鹿げている―――C.C.は思いを打ち消すように大きく首を振った。 ―――あれが女でよかったな、ルルーシュ ―――どういう意味だ? ―――男女の間にはギアスよりもっと強力な力があるだろう、それを使えばいい ―――……どういう、意味だ? ―――ふふ、わかっているくせに。それともそんなことも思いつかないほどネンネなのか、お前は。 カレンにはすでにギアスを使ってしまっている。0番隊隊長を選出するにあたり、ルルーシ ュが気にかけていたのはその点だった。 能力からいえばカレンがふさわしい。だが。 ルルーシュにとって、ニッポンは二の次、方便に過ぎない。いつかニッポンを切り捨てる ときがきたとき、あるいは彼らレジスタンスと利害が一致しなくなったとき―――なにも かもを振り切って、ただただひたすらにゼロのために命を投げ出せる者が必要だ。0番隊は そういう存在でなくてはならない。 カレンよりは劣っても、ギアスを用い、完全服従させた者のほうが、あるいはいいのかも しれない、とルルーシュがつぶやいたときだ。 ―――いい方法がある メフィストフェレスよろしく囁いたのは、誰だ。次第に甲高くなる女の声を聞きながら、 C.C.は時が過ぎていくのをじっと待った。
- 221 名前:ゼロカレ+CC4/7 mailto:sage [2007/02/26(月) 00:53:38 ID:ct5OeOkO]
- ほの暗い室内に、カレンの裸体はまぶしいほどだった。生粋のブリタニア人に比べればい
くらか色素が濃いものの、よく鍛えられた体は瑞々しく、しっとりとゼロの手に馴染んだ。 カレンはいま、先程までC.C.が寝そべっていたソファに四つんばいになっている。ほのかに C.C.の残り香が漂っているような気がする。それもまたカレンの気分を高めるのに一役買っ ていた。 後ろから覆いかぶさるようにゼロに抱きすくめられた。手袋を外した彼の指は、思った以 上に細長く繊細だった。 カレンの胸は大きく、弾力に富み、その手のひらに余るほどだ。柔らかな乳房とは対照的 に、頂は硬くなっている。たぷんたぷんと手のひらで遊ばせながら、その硬く尖った頂を ころころと転がしてやる。乳房を思う存分揉みしだき、合間にその頂をつまんでやると、 熱い吐息に切ない鼻声が混じった。 ゼロはゆっくりと仮面を外した。振り向かないに違いないという賭けにも似た気分もあっ たかもしれない。だが仮に、いま素顔を知られたところで構うものかと慢心していた。も はや彼女は、彼を受け入れるしかないのだ。 つ、つと舌を背中に這わせた。びくんと、カレンの体が大きく震えた。 「……あ、あぁぁ………ゼ、ゼロ…仮面、は……?」 問いかけは無視して、ルルーシュは舌で背骨をなぞった。その窪みをたどって、クレバス にたどりつく。足腕には余分な肉がついていないが、こういう部分にはしっかりとついて いる。丸みを帯びた張りのある臀部を両の手で押し広げると、菊のつぼみがひくひくと彼 を待ちわびていた。舌でなぞるとかすかに苦い味がした。奥には蜜が滴り落ちるほどに満 ちている。指で軽くこするだけで、カレンは大きく反応した。女の香りで頭がくらくらし そうだ。 「……――そんな、ぁぁあっ、あ、だめぇ………はぁ、ぁぁああ、やぁあああっっ!!」
- 222 名前:ゼロカレ+CC5/7 mailto:sage [2007/02/26(月) 00:54:32 ID:ct5OeOkO]
- 最奥にあるぷっくりと膨れた肉の芽。びらびらとした花弁。ぐしょぐしょに濡れそぼった
蜜壷。ルルーシュは、ひとつひとつ感触を楽しみ、反応を確かめていった。どこをどう刺 激すれば反応がいいのか、それを探るのはゲームにも似て面白かった。 ぐちゅぐちゅっとわざと大きな音を立てて、蜜壷をかきまわした。きゅっとカレンが締め 付けてくる。恥ずかしそうにしながらも、いい反応を示す。なんていやらしい声で鳴くん だ、と声に出せるものなら聞かせてやりたいものだ。普段気丈に振舞っているのはその背 負っているもののせいなのだろう、とルルーシュは思う。ニッポンとかブリタニアとか、 背負っているものをみんな取っ払ってやれば、この通り、素直で従順な10代の女の子だ。 ―――……可愛そうなやつだな 快楽に溺れるように喘ぐカレンを見下ろしながら、そんなことを思った。ブリタニアのせ いで人生を滅茶苦茶にされたという点では、自分もカレンと同じだ。そして今またルルー シュに滅茶苦茶にされようとしている。利用されているとも知らず、純粋にゼロを信じ、 命までも投げ出そうとしている。可愛そうだと、胸が痛んだ。 ―――お前の望みはなんだ、ルルーシュ! 非情になれと声がする。C.C.の姿をした自分自身の声だ。ブリタニアをぶっ壊すためならす べて捨てると誓ったあの声だ。 ほのかな恋心も、心許せる友も、みんな失った。代わりに望みを叶えるため、ギアスの力 を手に入れた。この道を進むしかないのだ。 ちらりと浮かんだ感情を振りほどくように、ルルーシュは自身をカレンに突き立てた。痛 いと悲鳴をあげる彼女を押さえつけて、強引になかへ侵入した。濡れそぼったその場所は、 柔らかく彼自身を締め付け、その甘い感触に泣きそうになった。 ―――そうだ、それでいいんだ、ルルーシュ 悲鳴にも似た嬌声を聞きながら、C.C.は独りごちた。涙で感情を洗い流せる器用さを持ち合 わせていない自分を、呪わしげに思いながら。
- 223 名前:ゼロカレ+CC6/7 mailto:sage [2007/02/26(月) 00:55:03 ID:ct5OeOkO]
- 「―――……初めてだとは知らなかった。すまなかったな、乱暴にして」
「いえっ、そんな……いいんです、ほんとに」 薄暗い室内でもそれと分かるほどに、カレンの顔は真っ赤だ。こういうとき仮面は便利だ とつくづく思う。その下の素顔がいまどんな表情をしているのか、見てみたいとカレンは 思った。せめて声だけでも、機械処理されていない生の声を聞いてみたい。 「なぜだ?」 急に問われて戸惑った。なにを答えるべきか考えあぐねているうちに、ゼロが畳みかけた。 「見ようと思えば見られたはずだ。私の顔を」 ああ、それは―――。 考えを覗かれたようで少々びっくりした。いま顔を見たいと思ったばかりだったから。け れど、知りたいと思ったのは彼の正体ではなくて―――自分と同じように、気恥ずかしく も幸せな気持ちでいるのかと……それがただ知りたかっただけだ。 正体なんて、もうどうでもいい気がする。 「あなたはゼロです。それだけで十分」 軽く頭を下げて、カレンは部屋を出て行った。 数秒置いて入れ違いにC.C.が部屋に戻ってきた。 「……盗み聞きか、趣味の悪い」 「お前がうまくやれるか心配してやったのさ」 ふん、といいながら、ルルーシュは仮面を外した。心なしか顔が赤いような気がする。嫉 妬などするものか―――何度目かの自問自答を、C.C.は心の内で繰り返した。
- 224 名前:ゼロカレ+CC7/7 mailto:sage [2007/02/26(月) 00:55:38 ID:ct5OeOkO]
- 「男女の間にはギアスより強い力がある―――と言ったな」
「体を重ねて情が移った、というわけか?」 「まさか、そんなんじゃない」 皮肉な笑みを浮かべてルルーシュは立ち上がった。バスルームへ足を向ける。その背中を、 C.C.が切なげに見つめているのに、彼は気づかなかった。 熱いシャワーは、独特の倦怠感を洗い流していった。まだ手に、体に、カレンの感触が残 っている。 ―――あなたはゼロです。それだけで十分 その気持ちを、信頼と呼ぶのは間違っているだろう。だが、顔も名前も素性も分からぬ自 分を、嘘まみれの自分を、そのまま受け入れると言ったカレンの言葉が、素直に嬉しかっ た。 ―――いつか…… と思い始めてやめた。いつかなんて夢物語は来ない。未来は自分の手で掴み取るものだ。 ぐっと拳を握りしめ、ルルーシュは不敵な笑みを浮かべた。 了
- 225 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/26(月) 01:23:17 ID:evE2dzHQ]
- 超GJGJGJ
- 226 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/26(月) 01:32:54 ID:KagVnpo7]
- うおおおぉぉぉぉGJ!!
- 227 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/26(月) 01:43:13 ID:PveIqgnb]
- 必死に黒くあろうとするルルーシュが涙を誘うな。
- 228 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/26(月) 02:51:27 ID:eHYn+yzE]
- やはり一度投下されると触発でもされたよーに
同じカプが続く傾向が…w
- 229 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/26(月) 03:58:45 ID:z4XaAAuK]
- よかったと思うんだけどゼロが倉庫で服脱いでるときカレンは生声聞いてると思うだけど・・・?
- 230 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/26(月) 04:01:20 ID:Sgm9jryJ]
- 凄く・・・GJです・・・
- 231 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/26(月) 04:27:57 ID:rh4rNewb]
- GJ!
…是非ともその続きでCゼロも見たい
- 232 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/26(月) 07:42:57 ID:EKR+ex5L]
- ちょっと質問したい事があるんだけど、ミレイが住んでるのは自宅と寮どっちだっけ?
あと2巻のピクドラで入ってたデカい風呂はクラブハウス? それによって書く内容が変わってくるんだけれど
- 233 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/26(月) 08:44:56 ID:ksd2EPLT]
- >>232
風呂は学校施設じゃないかな。 人質救出のあとお風呂の中まで〜で生徒に囲まれているから。
- 234 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/26(月) 12:15:04 ID:5+C0CZNi]
- >>217-224
ぐぉおおおおおおおおおっ?!! エロイしギアスっぽいし、泣いた。これでこそのルルーシュだ♪
- 235 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/26(月) 14:32:44 ID:ktBXQvk+]
- 妄想が頭に湧いたので、早速投下します。
あまり需要ないだろうけど? シュナイゼル×ユフィ×スザク 前半長めですみません。
- 236 名前:神の島――恍惚の海原で【シュナイゼル×ユーフェミア×スザク】1/10 mailto:sage [2007/02/26(月) 14:40:58 ID:ktBXQvk+]
-
スザク――枢木スザクは、その日、晴れて私の騎士となった。 これでもう彼のことを、汚らわしいイレヴンだなどと、そんな風に誰にも呼ばせやしない。 ユーフェミアは、心の底から嬉しく思った。スザク、ああスザク、私のスザク……。 あの時、思い切って皆の前で宣言してよかった。正直、騎士の選出など、どちらでもよかったのだ。 けれど、もし本当に誰か一人を選ばなければならないのだとしたら……やはり私は、迷わず彼を選んだだろう。 本当によかった。これで彼自身を、誰に断ることもなく、誰一人一切文句を言われることもなく、ずっと傍においておける。 そうよ、例え、お姉様にだって……。 お姉様は、あの時私に、こうおっしゃった。 『それは、皇帝になるということなのだぞ?ユーフェミア……』 わかっている、わかっているわ、お姉様。 スザクが自ら名誉ブリタニア人とまでなっても、変えようとしているブリタニアという国。 正直私も、父君であるブリタニア皇帝陛下、いえ、この国の国是である、基本的な下克上の弱肉強食の考え方には、 以前から、心から賛同できないものを感じていた。……やはり戦争とは、一様に虚しいものだ。 あの日、スザクと初めて出会った日、ひと時訪れた、荒廃しきったシンジュクゲットーの有様を、私は今でも忘れられない。 私たちブリタニア人が怖し踏み躙った、スザクの祖国である美しい国、日本。虚しく奪われた、たくさんの命。 そして国土を奪われ、自分自身の国の名を奪われ、イレヴンという屈辱的な呼び方をされている、日本の人たち。 私はお姉様やお兄様方のような、いいえ、お父様のような、そんな無慈悲な割り切り方をすることは、到底できない。 だって私はスザクという、愛すべき素晴らしい日本人を知った。スザクに本当の平和の素晴らしさを教えられた。 そう、私は――スザクを愛している。だから……。 たとえイバラの道でも、私はスザクとともに踏み越えてみせる――。 自由と平等を愛し、基本的人権の守られた、真の平和な世界を形作るために。 スザク、お願い……そのために、この脆弱な私に力を貸してくれますか。
- 237 名前:神の島――恍惚の海原で【シュナイゼル×ユーフェミア×スザク】2/10 mailto:sage [2007/02/26(月) 14:47:52 ID:ktBXQvk+]
-
けれど、その日私は、本国からいらっしゃるという、シュナイゼルお義兄様をお出迎えするために……。 総督であるコーネリアお姉様が御留守の間、私は福総督としての使命を立派に果たさなければならない。 確かにお姉様の代わりは荷が重い。けれど今からでも、せめて、これくらいの任務に慣れておかなければ。 そうよ、頑張りなさい、ユーフェミア。幸いお姉様は、こちらに片腕であるダールトン将軍を残してくれた。 それに、私の騎士になりたてのスザクだって傍にいる。私は一人、胸を張ってお義兄様をお迎えすればよいだけのこと。 いつかこの国に、いいえ、世界に本当の平和がやってくる日のために……私は、刻々と流れていく今この時を確かに守らなければ。 ユーフェミアは、式根島へと向かう皇室専用の船内のキャビンで、人知れず心に誓っていた。 しかし慣れない船旅で、少々胸焼けがしていたのも確かだった。 そこで、お付きの者に断り、早朝一人で甲板に上がってみることにしたのだ。 四方に広がる海原が、今まさに昇った朝陽を受けて、キラキラと眩しく輝いている。 美しく青く透き通った、紺碧のひろがり。トウキョウ租界を出て、初めて見る太平洋、日本の海。 ブリタニア本国でさえ、頻繁に目にすることのかなわなかった南方の海の輝きに、少しだけ眩暈を覚える。 それにしても、なんだってお義兄様は、こんな南の島に……? 次第に見えてくる島影に視線を送りながら、ユーフェミアは、その海のように青い瞳を眩しげに細めた。 どちらにしても、久しぶりに租界を出て、ユーフェミアは少しだけ、少なからずの開放感を感じてもいた。 確かに連日のデスクワークばかりでは、さすがに気が滅入る。それに今回の旅には、当然スザクも同行している。 ――何より彼女には、そのことが最も嬉しく思えた。 だがユーフェミアは、まさかその旅が、自分自身の運命を大きく左右することになるのだとは、その時は一寸たりとも思いもしなかった。 第二皇子であり、彼女の義兄であるシュナイゼルが、なぜ租界から遠く離れた、その島を到着の場所に選んだのか。 そして彼女らの船足を追って、一隻の潜水艦が人喰い鮫のように、ひたひたと近づいて来ていることも……。 ユーフェミアは、何ひとつ知らなかった。
- 238 名前:神の島――恍惚の海原で【シュナイゼル×ユーフェミア×スザク】3/10 mailto:sage [2007/02/26(月) 14:53:14 ID:ktBXQvk+]
-
「スザク……!」 命令より何より、身体がまず先に動いた。 ランスロットに乗って出撃したスザクが、黒の騎士団の幹部、ゼロに捕まった。 問題の式根島に到着して早々に、基地司令部のあちこちから爆発が起こった。 早速、黒の騎士団のナイトメア部隊を迎え撃つ、スザクのランスロット。 特派技術部のロイド伯爵らとともに、私たちは、島から脱出することもままならず、 そのまま彼らの戦闘を、ひっそりと見守ることしかできなかった。 黒の騎士団は、まるで狙いを定めたかのように――いち早く私たちを追って、この島にやってきた。 これは偶然?でも、もしかしたら……いいえ、今はそんなことを考えるのはやめにしましょう。 あのお優しいシュナイゼルお義兄様が、そんな酷いことをするはずがないわ。 確かに現エリア11総督代理である、副総督の私を、いええランスロットとスザクを囮に使えば……、 容易にゼロを仕留めることができるかもしれない。 ゼロ――、 そういえば私は、あの河口湖ホテルジャック事件の際に、一度だけ彼とあいまみえ、話したことがある。 『あいかわらずだな、ユーフェミア』 ……そう、あの時、確かに彼は、そう言った。 私は不意にその言葉を訝しんだけれど、不思議とその言葉がすんなり心に入り込んできたのを今でも覚えている。 なぜかしら?……冷酷非情のテロリストの親玉、ゼロ。 確かに日本の人たちの中には、彼を、そして黒の騎士団を英雄視する声もある。 現にあの時、日本解放戦線によって人質に捕らえられた私たちをゼロは……。 お姉さまでさえ、あの時、容易に動くことがかなわなかったというのに。 ゼロは、私たちを見事に救出してみせた。
- 239 名前:神の島――恍惚の海原で【シュナイゼル×ユーフェミア×スザク】4/11 mailto:sage [2007/02/26(月) 14:58:22 ID:ktBXQvk+]
-
けれど、先程の私の考えは数分後、怖ろしい現実の前に脆くも崩れ去った――。 砂地にてランスロットの動きを封じられ、ゼロに銃を突きつけられたスザクは、しかし辛くもゼロの銃を奪い、逆に彼を人質に取った。 そこまではよかった。でも、スザクは……。 今、彼がゼロと何を話しているのか、ノイズによって混線し、遮断された通信機からは、何ひとつ窺い知ることができない。 そうこうしているうちに何者かによって、式根島へのミサイル一斉攻撃が命じられた。 一体、誰が?エリア11福総督である、この私の命でさえも覆すなんて……まさか……でも。 「これは準一級命令です。例えユーフェミア副総督であろうとも……」 その一点張りの将校の言葉を遮って、思わずそこにあったナイトメアに飛び乗っていた。 「基地にお伝えなさい――この私が巻き込まれる危険性があるのだと!」 どうしてだろう。どうして、あんなにあの時の私は、あんなに勇敢になれたのだろう。 あとから考えたら、ものすごく不思議だった。 けれど、そう――何よりもまず、身体が動いたのだ。 そうよ、スザクは、この私が守らなければ。 「あれは……お義兄様の……、」 しかしその瞬間、ユーフェミアは一人、上空を見上げ、言葉を失った。 多くのミサイル郡とともに式根島上空に飛来した、ブリタニアの最新鋭戦艦。 未だ開発途上と噂されていた、フロートシステムを搭載されたそれは、軽々とその勇姿を大空にひろげていた。 騎士団ナイトメア部隊の放つ攻撃にも、その鋼の体躯は、びくともしない。 悠然と翼を広げたその姿は、伝説の神の島――アヴァロンという、その名に相応しかった。 未だ砂地に残されたままのランスロット、無頼。そして、ゼロとスザク。 不慣れなナイトメアの操縦どころではなくなったユーフェミア。 さらにゼロを救けようと砂地に飛び込んだ、紅蓮弐式に乗ったカレン。 彼らの真上で、その空中戦艦アヴァロンは……その発射口をあけ、その中に備えた黒いナイトメアから、二つの悪魔の火種を放った。 その瞬間、誰もが目を疑っただろう。その劫火によって砂地は瞬く間に吹き飛び、跡形もなく霧散した。 ――勿論、ゼロ、スザク、カレン、ユーフェミアの4人を巻き込んで。
- 240 名前:神の島――恍惚の海原で【シュナイゼル×ユーフェミア×スザク】5/11 mailto:sage [2007/02/26(月) 15:06:02 ID:ktBXQvk+]
-
「ぅうン、お義兄様……シュナイゼルお義兄様……?」 ユーフェミアは、ぼんやりとかすむ意識の中で呻くと、その名を呟いた。 ここは、一体どこなのだろう……。自分は今、確かに雲の上のような空間に浮かんでいる。 もしかして、天国!? 今、自分が浮かんでいる空間の周囲を凝視しようとして目を凝らすが、眩しくて何も見えない。 けれど、でもさっき、確かにシュナイゼルお義兄様の御姿が目に浮かんだ気がした。……どうして? ユーフェミアは、なぜ自分がここまでやってきたのか、今にも消え入りそうな記憶の糸を手繰った。 そうだわ、スザク――! やっとのことで彼女は、先程からの一部始終を思い出した。 けれどその記憶も、アヴァロンから発射された二筋の光の矢が炸裂した瞬間まで辿り着くと、すべて虚しく途絶えた。 スザクは……彼は無事なのだろうか。ユーフェミアは、何よりも真っ先にスザクの安否を気遣うのだった。 それにここは――やはり自分は上も下もない、真っ白なこの空白のただなかに一人漂っている。 ユーフェミアは、なす術もなく呆然とした。身体が動かない。でも、確かに意識だけは、はっきりしている。 そうしているうちに、語りかけるような声が頭の中に響いた。 『ユーフェミア……』 その聞き覚えのある声に、ハッとする。 「……お義兄様、やはりシュナイゼルお義兄様なのですね!?」 すると、なぜだか彼女の脳裏に、哀しげな表情をしたシュナイゼルの憂い顔が浮かんだ。 「お義兄様、なぜ、お義兄様は……、」 そこまで問うと、いきなり視界が暗転した。 「きゃぁ―――」 その一瞬、ユーフェミアは意識を失った。 再び目を開けると、そこには光る海原が広がっていた。これは……。 その未明、ユーフェミアが式根島に来る時に目にした、亡羊たる広がりを見せる、光の粒子だった。 目を凝らすと、雲間から島影に差す光の帯……それが幾重にも重なり、後光のように、幻のようにその島を照らしていた。 だが、明らかにその"島"は、先程、自分がいた式根島ではない。 辺りに広がる珊瑚礁は、まるで菌糸のような、独特の奇妙な形を海中に埋めている。 不思議なところ……ユーフェミアは、一人きり呆然と思った。
- 241 名前:神の島――恍惚の海原で【シュナイゼル×ユーフェミア×スザク】6/11 mailto:sage [2007/02/26(月) 15:15:52 ID:ktBXQvk+]
-
すると、 『……ユーフェミア……』 再び、その声が彼女を呼んだ。 「シュナイゼルお義兄様――!?」 ふと振り返ると、そこにシュナイゼルの長身が立ち尽くしていた。 立っているといっても、やはり二人は空中に浮かんでいた。 けれど眼下に広がる南の海は、確かに現実のものであるらしかった。 これは一体……そう訝しがり畏れる間も与えず、三度、目の前のシュナイゼルが口を開いた。 『久しぶりだね――ユーフェミア』 穏やかな、そう、どこまでも凪いだ、穏やかな義兄のその声色。けれど、何かが確かにおかしい。 それは彼らがここに浮かんでいる、という事実以前に、目の前の義兄の様子から、なぜだかそれが窺い知れた。 「お義兄様、どうして――、」 けれどユーフェミアは、どこかもどかしげな不安を振り切り、シュナイゼルに尋ねた。 やはりシュナイゼルが……先程、明らかに自分たちを確かに吹き飛ばしたアヴァロンの猛火を、彼女は思い出した。 そんな、そんなことって――ユーフェミアが人知れず惑っていると、 『ユーフェミア……君は今、誰かを愛しているのだね?』 逆に唐突にそう問われ、ユーフェミアの胸は、ふいにキュンと高鳴る。 不意打ちのその問いかけに、ふと彼女はスザクの顔を思い浮かべた。 『枢木スザク――、』 すると目の前のシュナイゼルは、まるで既に知り尽くしている彼女の心を読みあげるかのように、その名をそっと口にした。 もっとも、スザクのことを義兄が知っていても全くおかしくはない。先日、スザクは彼女の騎士になったばかりなのだから。でも。 ユーフェミアがスザクを愛しているなどということは、彼女自身、まだ誰にも打ち明けたことなどない。 それは無論、実の姉であるコーネリアにさえも。 しかしシュナイゼルは、ユーフェミアの心の内のすべてを悟っているかのように、穏やかに微笑む。 そして、『ユフィ……』彼女を、その愛称で呼んだ。 ユフィ――それは、姉のコーネリアと義兄のシュナイゼル以外、誰一人呼ぶことのない、愛らしい彼女の呼び名。 その愛称を、あの日スザクと初めて出会ったあの日、彼女は彼にそう名乗った。そう、見ず知らずのスザクに。 いいえ、本当は彼のことは、すべて知っていた。それだけスザクは有名人であったのだけれど。 かつて最後の日本の総理大臣だった、枢木首相の息子。そうと知っていて、私は……。 皇女であるとは名乗らず、ただ一人のブリタニアの学生として、彼に名乗った。 ――だって、あまりにその笑顔が眩しすぎたから。 もしかしたら、私はその瞬間、恋に落ちていたのかもしれない。
- 242 名前:神の島――恍惚の海原で【シュナイゼル×ユーフェミア×スザク】7/11 mailto:sage [2007/02/26(月) 15:27:56 ID:ktBXQvk+]
-
『恋をしている……』 その唇がそう動くのを見て、ユーフェミアは、再びドキッとした。 『そんな君を知ったら、コニィは――コーネリアは、どう思うだろうか?』 コニィ……それは唯一、シュナイゼルだけが姉のコーネリアを呼ぶ呼び名だ。 そのくらいコーネリアお姉様とシュナイゼルお義兄様は、幼い頃から互いに当然のように親しかった。 すっかりよい大人になった今では、お姉様は、その呼び方を嫌がられているけれど。 それよりもユーフェミアは、シュナイゼルのその言葉に、スザクを自分の騎士に任命したと告げた瞬間の、 いかにも不服そうなコーネリアの顔を思い出した。口にさえ出さないけれど、やはりお姉様は……。 騎士になったというだけでも、あの調子なのに、もしお姉様が、私のスザクへの密かなこの気持ちを知ったら。 無論そんなことは、姉は勿論、他の誰一人にさえ言えるわけがない。 「あの……お義兄様……私……私、は……っ」 ユーフェミアは、言い訳でも探すように、もどかしげに言い淀んだ。 言うべき言葉を捜して狼狽し続ける彼女を前にして、シュナイゼルが再び微笑む。 けれど、その薄紫がかったアイスブルーの瞳の色が冷たく閃いたのに、ユーフェミアは気付かなかった。 『ユーフェミア……ルルーシュのことを覚えているかい?』 突然その名を口にした義兄に、ユーフェミアはびくっとなった。なぜだろう……ルルーシュ。 8年前、妹のナナリーとともに、この日本に送られ、その一年後に始まった戦争の際、この国で命を落としたと聞かされていた幼い義兄。 なぜだかユーフェミアは、ゼロと会った日から、なんとなく彼が生きているような気がしていたのだ。 そのルルーシュの名を、唐突に呟いた目の前のシュナイゼル。 『もし今、彼が生きているとしたら――ユーフェミア、君はどうする?』 「えっ!?」 ユーフェミアは、耳を疑った。まるでシュナイゼルは、自分の心を見透かしたように、そんなことを言う。 「お義兄様、やはりルルーシュ義兄さんは、生きてらっしゃるの?」 シュナイゼルは、フッと笑うと一瞬沈黙し、そして口を開いた。 『ああ、生きている……今、あの神の島でスザクと一緒に』 シュナイゼルの指差した方向に、"あの島"があった。その指し示す指の先を見て、ユーフェミアは愕然とする。 え……っ。 でも、スザクはさっき、ゼロと一緒に……。 ゼロ。――そう思った自分自身に、さらに驚愕する。 「どうして?……お義兄様、どうして、ルルーシュ義兄さんが」 ユーフェミアの問いには答えず、シュナイゼルは微笑う。 『最後までスザクを愛するというのなら、覚悟が必要だよ……ユーフェミア』 え、と思う間もなく、そうしっかりと囁かれた途端、突然シュナイゼルの姿が消えた。 それどころか、今まで目に見えていた辺りの景色が一瞬で吹き飛んだ。 気がつくと再びユーフェミアは、最初に目覚めた真っ白な空間に独りきり取り残されている。 「お義兄様、シュナイゼルお義兄様、どこ?どこにいらっしゃるの――?」 呼びかけたが、今度は返事がない。ユーフェミアには、訳が分らなかった。
- 243 名前:神の島――恍惚の海原で【シュナイゼル×ユーフェミア×スザク】8/11 mailto:sage [2007/02/26(月) 15:44:20 ID:ktBXQvk+]
-
するとユーフェミアは、いきなり自分が何も身に着けていないことに気付くのだった。 「きゃ―――っ」 薄桃色の長い髪がまとわりつく、自分自身の頼りなげな白い肢体を隠そうとするかのように、 彼女は自分の胸元を、ぎゅっと両手で抱き締めた。周囲には誰もいない。誰かが見ているわけではない。 それでも、やはりなんとなく誰かに見られているような気がして、どうしようもなく気恥ずかしくなり、ユーフェミアは身を竦めた。 確かに皇女である彼女たちは、着替えをする際、そして入浴する際、下々の者たちの前で臆することなく裸になる。 それは大昔から皇室の人間の誰もが、男も女も、変わらずずっとそうしてきたことだ。 けれどユーフェミアには以前から、なんだかそれが、ものすごく恥ずかしいことに思えた。 だから、できるだけ着替えや入浴は自分一人で済ますからと、お付きの者たちに、以前からさりげなくそう言い伝えてきたのだ。 その自分が、上も下も分からない、このまっさらな空間で、一人きり生まれたままの姿で……裸でいる。 どうして?どうしてこんな――ユーフェミアは訳も解らず一人きり頬を紅潮させ、躊躇えた。 『ユーフェミア……スザクと一つになりたいのだろう?』 突然、頭の中に響き降り注いだその声に、ユーフェミアはびくっとする。 それは、先程のシュナイゼルの声だった。まるで自分の心をすべて見透かしているかのように、やはりシュナイゼルは云う。 まるで、心そのものを丸ごと鷲掴みにされでもしているような、妙な居心地の悪さだった。いや、なんだか気分が悪い。 『臆することはないよ、ユフィ……スザクのことを思い浮かべてごらん……そう、いつもしているように――』 次の瞬間、彼女の身体を電流の如くの快感が刺し貫いた。 「あ、あぁ――ッ」 思わず身体を大きく反らせ、甘く切ない痛みに目を閉じる。ぎゅっと目を瞑った瞼の裏側で、乱反射する光のような眩暈。 「はぁ…はぁ…はぁ……」 我知らず、呼吸が荒くなっていく。頭の中がぼぉっとする――身体中がだるい。 なんだか自分の身体が水のただ中に漂っているような心地がして、ユーフェミアは、そのままその心地よい鈍い痛みに身を任せてしまう。 そして、再び彼女を襲う、雷に打たれたような衝撃。 「はぁ……んッ!……スザク、スザ、ク……あっあっああぁっ!!」 うわ言のように自然と、その名が艶めいた唇にのぼる。 まるで見えない誰かに犯されているような――見えない手に愛撫され、唇と舌とで敏感な部分に触れられ舐められ……、 けれどユーフェミアの脳裏に浮かんでいるのは、まぎれもないスザクの姿だった。 いや、いつしか愛するスザクとこうしたい、こうなりたい、そう思っている素直な自分の姿が、そこにいた。 『……い…て……ス、ザク……私を、だぃ、て――』 半開きになった唇から、艶かしいそんな言葉が、切れ切れに狂おしくついて出る。 お姉様は、こんなふしだらな私を、きっとお許しにならないだろう。規律にお厳しい、あのお姉様なら。 そう思えば思うほど、自分自身をねぶり乱していくスザクの愛撫を想って、無意識のうちに身体中が熱くなる。 いつのまにか下腹部が、もどかしく新たな刺激を欲して蕩け、ふるふると戦慄いていた。 次の瞬間、ユーフェミアは切なく濡れた秘所を誰かに撫でるように触れられ、びくんと弓なりにのけぞった。 「あっあぁぁ――っ!!」 彼女の脳裏では、あいかわらずスザクが自分の肉体を押し開き、身体中のあちこちに甘い口付けを落としている。 おかしくなりそうな、じんわりとした快楽に身を委ねたまま、ユーフェミアは自然と自分が両足を大きく広げているのに気付いた。 いや、彼女の頭の中では、スザクにがっしりと両腿を抱え込まれていた。
- 244 名前:神の島――恍惚の海原で【シュナイゼル×ユーフェミア×スザク】9/11 mailto:sage [2007/02/26(月) 15:55:35 ID:ktBXQvk+]
-
『ああ、なんて、はしたない格好なんだ……』 すると突然、シュナイゼルの声が脳内に響き渡り、愕然とする。 『ダメだよ、ユーフェミア――本当に好きな男の前でしているわけでもないのに』 ……い、いやっ。お義兄様、見ないで!見ないでください――、 そう叫んだと思ったが、声が出ない。 それどころか、シュナイゼルに見られていると知った途端、あろうことかユーフェミアの感度は、あからさまにさらに増していく。 まるで本当に男の、スザクの唇と舌先に間断なくねぶられているように、ユーフェミアの秘部はたまらなく濡れ続け、その蕾は潤んでいく。 「スザク――おねがい…犯して……私をっ……ッはぁあ、ああぁっ!!」 ユーフェミアが身体を大きく震わせると、二つの乳房がたぷんたぷんと四方に揺れた。 気がつくと、いつのまにかスザクの太い指先が、ユーフェミアの花弁にあてがわれていた。 『好きだよ、ユフィ……』 そんな低い囁き声までもが、幻のように耳元に聞こえる。 スザクは迷うことなく、容赦なくユーフェミアのぐしょぐしょの蜜壷を指先で掻き回す。 『大丈夫――僕に任せて』 何度も何度も、執拗に彼女の敏感な女の部分を行き来する、いやらしいスザクの指先の動き。その指先を次第に濡らしていく麗しい蜜壷。 スザクの指がぬちゃぬちゃと蠢く度にユーフェミアの肢体は戦慄き、待ちわびた愛するスザクから与えられる秘めやかな刺激に、我を忘れていく。 「――ぃや、やぁあああっっんんッ」 ハァハァハァ――ッ その悩ましい声を耳にする度に、スザクの息遣いが次第に荒々しくなっていく。 スザクの瑞々しくも逞しい肉体。まるで獣のような、煮え滾るその男の精。 イレヴンの、日本人の持つ、その野生そのものを漲らせる若い男の情欲を想う度に、ユーフェミアの身体は密かに震え続けた。 勿論、そんなことは彼女自身、意識して考えようなどと思ったことは一度足りともない。けれど、その実。 ユーフェミアは、心のどこかでスザクを欲していた。スザクに犯されたいと無意識のうちに乞い願っていた。 そんな密かな思いを兄であるシュナイゼルに知られて、彼女は……。 文字通りシュナイゼルはユーフェミアの心、欲望そのものを、今まさに鷲掴みにしていたのである。 スザクの指先の動きは、さらに激しくなる。まるでユーフェミアの身体の反応を、すべて知っているとでもいうように。 いつしか膨れあがり、たまらなく理性を失ったその性が、切なく狂う彼女自身の中に唾液に濡れそぼる舌先を差し入れる。 「……あっ……あっあっあああっ!」 何度も舌で肉の蕾をなぞりあげる。その度に愛液がねっとりと滴り、ユーフェミアの唇から艶かしい吐息と嬌声とが交互に漏れ零れた。 まるでそのいやらしい水音と鳴き声とが、あたり一面に――いや世界中に響き渡り、木霊しているようだった。
- 245 名前:神の島―恍惚の海原で【シュナイゼル×ユーフェミア×スザク】10/11 mailto:sage [2007/02/26(月) 16:08:59 ID:ktBXQvk+]
-
『ユフィ……なんてよい声で鳴くんだ、君は……』 その瞬間、どこからか、くくとシュナイゼルの含み笑いが聞こえた。 どこかでシュナイゼルの冷たい視線が、あられもない姿のユーフェミアを見下ろしているような気がした。 『可愛いよ、ユフィ……とても』 ……お義兄様、嫌です、嫌っ。 大きく何度もかぶりを振り、ユーフェミアは絶望のあまり、気絶しそうだった。 けれど、あいかわらず逞しいスザク自身から送られ、ユーフェミアが泣き叫び身体を震わせる、切ない快楽の応酬は続いている。 小ぶりだが、ぷっくりした果実のような純白く丸い乳房の先端で、コリコリに硬くなった乳首を唇に含まれ、何度も舌先で転がされ甘噛みされた。 スザクの下半身も、既に立派にイキり立ち、熱い戦慄に鳴き始めている。 『ああ、ユフィ……とってもいい……』 最早、スザクのものなのか義兄のものなのか、判別できなくなった声が彼女の脳裏に響く。 そして密やかな愛液をあふれさす緩みきった蜜壷を、さらに指先で押し広げられ掻き混ぜられ、意識が一気にどこかへ弾け飛ぶ。 「あ……あっっ……あぁ……ッ」 天使のようなユーフェミアの白い頬はすっかり桃色に上気し、物欲しそうに半開きになった、だらけた唇からは唾液が零れ、 その瞳は熱っぽくトロンと視線を宙空にさまよわせている。額にしなだれた髪は、最早かつての聖女の面影を残してはいない。 『君は女帝にでもなるつもりなのかい――ユフィ』 甘く淫靡な刺激が余韻となって肉体を蹂躙するさなか、さらにシュナイゼルの声が朦朧とした意識に追いすがる。 『スザク、枢木スザクと共にブリタニア帝国を……いいや、皇帝陛下を』 そこまで言うと、焦点の定まらなかったユーフェミアの瞳がハッと見開かれる。 『君には似合わないよ、ユフィ……君のような淑女には』 しかしシュナイゼルは、ふふっと笑うと、意地悪く言い直した。 『いや、違うな――君も立派に淫乱な"女"だったね』 やめて、やめてください、お義兄様……。 ユーフェミアは、泣き叫びながら、必死に絶え間なく繰り返される快楽の調べに抵抗しようとした。 だが、その声も虚しく彼女を、さらに淫靡な肉の欲へとその意識を絡め取る。 元々彼女は、誇り高く気高い皇族の生まれにあることで、知らず自分自身の欲望をモラルの鎖で縛り付けてしまっていた。 その鉄の枷を解いたのが彼――そう、スザクだった。ユーフェミアは、スザクに恋することで、我知らず自身の欲望を解放していた。 夜な夜な彼女の部屋から漏れ聞こえる切なげな声は、その真実を語っていた。 そんな覆い隠せない自分自身の本当の姿を、目の前のシュナイゼルにすべて見られ、ユーフェミアはすぐにでも消えてしまいたかった。 『己の欲望に素直になることだ……そうすれば、きっとスザク自身も喜ぶことだろう』
- 246 名前:神の島―恍惚の海原で【シュナイゼル×ユーフェミア×スザク】11/11 mailto:sage [2007/02/26(月) 16:32:23 ID:ktBXQvk+]
-
『ユーフェミア――あの島がなんと呼ばれているか、知っているかい?』 その声は、最早彼女の耳には、届いていなかった。 『……禁断の果実が実ると言われている"神の島"――そう、"アヴァロン"だよ』 いつしかユーフェミアの秘部には、猛り狂うスザク自身があてがわれていた。 スザクはその腰を両手で掴むと、ユーフェミアの中へと容赦なくソレを突き入れる。 その途端、肢体を刺し貫くような鈍い痛みに、ユーフェミアの身体全体が甘く震えた。 「あっ!はぁっ……ぁぁあっあっぁあああっ!!」 ズズ、ズチュ、ぴちゃ……っ、そんないやらしい水音が、絶え間なく彼女の耳を犯し続けている。 きつくスザク自身を締め付け、しっかりと咥えこむ、しとどに濡れ、複雑に絡みついた、その膣内の感触に身悶えする。 何度か強弱をつけて、ずるずると進退を繰り返すと、たまらなく膨れ上がったスザクの精が、その欲望のすべてを、 ついにはユーフェミアの最奥部に叩き付けた。その瞬間、肉に迸りひろがる、未知の悦び……。 皇女である誇りも気高さも、すべて爛れきった快楽の前に捨て去り、その瞬間ユーフェミアは一人の女として、スザクのためだけに逝った。 『神々の楽園、アヴァロン……文字通り人類は、今まさに禁忌の領域へと、その足跡を踏み入れるのだ』 シュナイゼルは嬉々として、その眼差しに妖しい光を躍らせ、しかし、ひたすら穏やかな声色で語った。 義兄が何を言っているのか、最早ユーフェミアには何も解らなかった。 『ユフィ、これから君は――あの島でルルーシュと再会することになる』 シュナイゼルの柔らかな声が、すっかり聞く力を失ったその耳元に、まだ響いていた。 未だ生まれたままの姿のユーフェミアは、すっかり生気をなくし、壊れた人形のように重力に従い、だらんと頭を垂れている。 『――ルルーシュは、おそらく正体を知られた君を生かしてはおかないだろう……いや、元々彼は』 そう呟き、遠い過去に思いを馳せるかのように、シュナイゼルの薄紫の瞳が細められた。 『かつては親友同士だった二人……ルルーシュとスザク――これから極上の面白い舞台が拝めそうだ』 愉しくてたまらないといったように、屈託なくやんわりと微笑むシュナイゼル。 その瞬間、ユーフェミアの虚ろな瞳から一粒、涙の形をした雫が毀れ落ちる。 それを境に彼女のこの場所での記憶は、真っ白に一つ残らず消え落ちた。 ……お義兄さま。ルルーシュ義兄さん……スザク……。 ――END
- 247 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/26(月) 16:39:27 ID:ktBXQvk+]
- >>236-238
NO.間違ってます→1/11,2/11,3/11 シュナイゼルだけに黒くなってすみません… 無人島編でルルユフィ(orスザカレ) ものでも口直しにどなたか書いてくださいorz
- 248 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/26(月) 17:18:59 ID:PeFN/Zlp]
- すげえ上手い!GJ!
ユフィかわいいよありがとー(´Д`*)また気が向いたら書いてください!
- 249 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/26(月) 19:13:14 ID:kfD9L9vQ]
- シュナイゼルって絶対、自分では手を下さずに視姦して悦ぶタイプだよねw
スザクが幻なのも切ないし、見られて嫌がるユフィが可愛くてよかった、GJ!!
- 250 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/26(月) 22:12:48 ID:hfIpFxWS]
- .
- 251 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/26(月) 22:14:03 ID:hfIpFxWS]
- さすが鬼畜シュナ兄上w
GJです!
- 252 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/26(月) 23:21:14 ID:96lZ6o78]
- おおーユフィ、エロい!w
ありがとう。 一人Hなのかシュナ兄の鬼畜なのか、狭間なのが良い感じ。
- 253 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/26(月) 23:59:22 ID:E78dV9K8]
- wikiの更新をしてみたんだけど、
ミレイ×ニーナは載せていいのかな? コピペとか言ってるから今は載せてないんだけど あと、ユフィGJ!
- 254 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/27(火) 01:51:30 ID:Wio0FndI]
- >>253
乗せてください。
- 255 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/02/27(火) 01:57:55 ID:10a+iw7Z]
- GJ!
|
|