- 530 名前:名無しさんの野望 mailto:sage [2019/01/09(水) 21:31:57.73 ID:GVQzK1++0.net]
- >>516
「スナフキン…でも…」 ムーミンは恥ずかしそうにうつむきます。 しかしスナフキンは、ムーミンの肩を優しく撫でながら 「おさびしやまの雪が溶けるのを見たことがあるかい?」 ムーミンは思わず 「おさびしやまの雪が?」 そう答えるやいなや、スナフキンの手がムーミンのしっぽを柔らかく撫でました。 甘美な痺れに、ムーミンは思わず声をあげますが、階下のパパやママのことを思い出して、手を口に当てました。 「ほら、もうこんなになってるじゃないか、ムーミンのおさびしやまが」 ムーミンは体をよじって逃げようとするのですが、スナフキンの細くて鍛えられた腕につかまれて、逃げることができません。 「ムーミン? おさびしやまの雪を溶かしてみるかい?」 スナフキンがムーミンの目を見つめています。 ムーミンもスナフキンの目を見つめています。 二人の眼の中に、二人だけが映っています。 ムーミン谷に、秋の風が吹いていました。
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