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【朝ドラ】ゲゲゲの女房でエロパロ【昭和のかほり】



1 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/05(水) 12:07:38 ID:wXoQLilw]
なさそうなので立ててみた

591 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう mailto:sage [2010/07/10(土) 11:34:29 ID:LjMxI0ts]
一番萌えたのは見合いだな
フミちゃんが立ち上がっちゃって、しまった!って顔がかわいい
そのフミちゃんを驚きながら上から下まで舐めるように見るゲゲがかわいい
なんであんなでっかい夫婦がこんなに萌えるんだw

592 名前:渚の怪談1 mailto:sage [2010/07/10(土) 16:19:27 ID:qknu7djc]
 安来への里帰りの日程も終わりに近づいたある日、フミエは藍子を連れて
叔母の輝子の家に遊びに行った。叔母が、店の若い衆にオート三輪で迎えに
来させてくれたのだ。
 よく晴れた気持ちのいい日で、フミエは義姉から借りた乳母車に藍子を乗せ、
海岸へ散歩に出た。

「ああ〜、やっぱり海はええなあ・・・。」
 松林の日陰に腰かけ、おだやかな海をみつめているうちに、フミエはつい
うとうとと眠ってしまった。

 強烈な磯の香りに目を覚ますと、
「これ・・・女!」
フミエの前に白い着物を着た女が立っている。
髪は長く、ところどころに枝サンゴや貝がら、海草が絡まり、背はすらりと
高い。何より恐ろしいことに、青白いその顔はフミエにそっくりであった。
金縛りにあったように動けないでいるフミエにかまわず、女は語りだした。
「だいぶ落ちぶれておるようじゃが、そなたは私のけん族じゃな。
 それゆえ波長が合って私が見えるのであろう。」
(落ちぶれたなんて、し、失礼な〜><)
「わが名はフミ姫。いくさの世に、安来一帯をおさめる飯田家に生まれた。
 幼少の頃よりあらゆる武術にしたしみ、特に櫓をあやつっては漁師にも
 勝ると言われたものじゃ。」
 突然、フミエは自分がフミ姫と一体化し、馬を駆って山野をかけめぐり、
波濤を割って海にこぎ出だすのを感じた。
城とは名ばかりの、堅牢な塀や櫓に囲まれた館。姫とはいえ、いくさとなれば
女たちと兵糧作りに精を出す、そんな生活・・・。
「私は家中の誰よりも背が高く、男勝りなものじゃから、巴御前よ板額よと
 はやされ、二十歳を過ぎても輿入れの話もなく、父上も半ばあきらめて
 おいでじゃった。それをよいことに、乳母の実家の網元の屋敷を根城に、
 舟ざんまいの日々をすごしておった。」
(女のノッポは、苦労しますよね・・・。)

593 名前:渚の怪談2 mailto:sage [2010/07/10(土) 16:24:17 ID:qknu7djc]
「・・・あの方に出会うたのは、いつものように舟をあやつり、沖にこぎ出した
 時じゃった。転覆した小舟に乗り上げ、気を失っている若者を助け上げ、
 岩屋に運んだが、身なりや持ち物から見て、敵方の隣国の村井家の次男と
 知れたので、身動きできぬよう岩に縛っておいたのじゃ。」

男「う・・・ここは・・・?」
姫「気がついたか?村井のうつけどの。」
男「そういうそなたは、飯田の板額どのじゃな。」
姫「そなた、うつけをよそおって絵を描いておるふりをしながら、地形などを
  さぐっておるとの噂じゃったが・・・。どうやら本物のうつけらしいの。
  風景やら花やら虫の絵ばかり・・・!」
フミ姫は、男が懐に入れていた画帖を放り投げた。
男は、このような状況でも駘蕩とした面持ちで、画帖を大切そうに目で追った。
男「わしは、武張ったことが大嫌いで、こういった絵を描くことが好きじゃ。
  板額も巴も、大そうな美女であったと聞く。ぜひそなたの姿を写したい
  ものじゃと念願しておった。予想にたがわず美しい・・・。生きて戻れた
  ならば、必ず描いてみせよう。」
(わ〜、この人、お父ちゃんのご先祖さま?顔だけじゃなくて性格も似とるわ。)

姫「痴れ者め・・・!そもそも板額じゃ鬼女じゃと評判をたてたは、そなたの家中の
  者どもであろう!悪評は近隣諸国に知れわたり、他家と縁組して家の役に
  立つこともかなわなくなったわ。このうえは、いくさがあらば打ち物とって
  加わり、よき死に場所もがなと思うておる。・・・そなたのことは、間者として
  父上にお引渡し申せば、何かにお役立てくださるであろう。」
男は、悲しそうな顔をしてフミ姫をみつめた。
男「そのように美しいのに、なぜ戦場で死にたいなどと申される?女の幸せは、
  もっと他にあるであろう。・・・わが名は茂之介。・・・そなたの名は?」
姫「その方ごときに名乗る名などないわ!かほどの大うつけなれば、村井家でも
  見放しておろう。父上にお渡ししても人質の役ににさえ立たぬかもしれぬ。
  二度とくだらぬ絵など描けぬよう、目玉をくじり取って村井の城下に
  放逐してやろうか?覚悟しておくがよい!」

594 名前:渚の怪談3 mailto:sage [2010/07/10(土) 16:25:41 ID:qknu7djc]
だが、フミ姫はなぜかそうしなかった。男は以前にかかった瘧(おこり)が
ぶり返して高熱を発し、生死の境をさまよった。姫は男を漁師小屋に移し、
懸命に看病した。
「そしてあの方と私は、いつしか愛し合うようになったのじゃ。ふたりとも
 親兄弟の持て余しもの、似合いの夫婦じゃと笑い合うた日もあった・・・。」
幸せな思い出、フミ姫の感じる愛の歓びが、フミエの身体をも貫いた。
 敵同志でありながら、二人の間にいったん燃え上がった情熱は、もはや
消し去ることなどできなかった。
いくら親に半ば見放されている二人とはいえ、そろそろ家に帰らないとまずい。
茂之介が対岸で合図の灯をともしたら、それを目印にフミ姫が得意の舟で
中海をわたっておちあうことを逢瀬の取り決めとし、二人はいったん別れた。
「暗い中、広い中海をこぎわたるのは危険なことじゃったが、私にとって中海は
 庭のようなものじゃし、あの方に会えると思えば、何もこわいことはなかった。
 けれど、うれしい逢瀬も長うはつづかなんだ。・・・私は身ごもった。あの方に
 それを告げると、『国を捨て、三人で暮らそう。』と言うてくださった・・・。」

595 名前:渚の怪談4 mailto:sage [2010/07/10(土) 16:29:29 ID:qknu7djc]
 決行の日、合図はなくとも薄闇の中をフミ姫はこぎ出した。暗くなったら
灯をともしてくれる約束だった。嵐が近づいていたが、延期するわけにはいかなかった。
フミ姫には監視がつけられるようになっていた。
「なんとこの私に、縁談が持ち上がっていたのじゃ。相手は新たに同盟を結んだ家の
 嫡男、父御は『巴御前おおいにけっこう。この乱世に強き子を産んでくれる女子は
 願ってもない。』といたく乗り気じゃそうな。もし私が敵方の男の子を
 身ごもっていることが知れれば、ふしだら娘の親不孝者よと成敗されても
 文句は言えぬ。」
決死の思いで舟をこぐフミ姫。しかしあたりがすっかり暗くなっても、約束の灯は
ともらなかった。里の家々の灯もやがて消え、まったく方向がわからなくなった。
嵐が追いついてきた。フミ姫の心を絶望が黒くぬりつぶす。波と激しい雨風が
小さな船をほんろうした。
ついに力つき、フミ姫は荒波の中に放り出された。身をさすように冷たい水、
底知れぬ深い海の恐ろしさ・・・。
愛する男に裏切られたくやしさ、お腹の中の赤子とともに死んでいかねばならぬ
悲しみを、フミエも容赦なく味わわされる。
「くやしや・・・。くちおしや。かくなるうえは怨霊となりてあの男をとり殺し、
 末代までも祟らんと願いしが、あの方を信じたい心がわずかばかり残って
 消えてくれぬゆえ、鬼ともなれず、長の年月、ただ海底をさまよっておった。
 そして今日、そなたと出会うて、顕現することを得たのじゃ。」
愛の歓び、裏切られた悲しみ、死の苦しみを全て体感させられたフミエは、
(いけん、このままこの人と同化しておったら、連れていかれてしまう!)

596 名前:渚の怪談5 mailto:sage [2010/07/10(土) 16:30:42 ID:qknu7djc]
愛の歓び、裏切られた悲しみ、死の苦しみを全て体感させられたフミエは、
(いけん、このままこの人と同化しておったら、連れていかれてしまう!)
あがいたが、自由になることはできない。その時、
「さがしたぞ、姫!」
目の前に若い武士が立っていた。長身でなかなかの男ぶりだが、顔は茂とそっくりで
なんとなくのほほんとした感じがした。
姫「・・・お怨みにぞんじます、茂之介どの・・・!なにゆえに、私をたばかって、お腹の
  ややまでも・・・。私が邪魔になったのであれば、あなたの手で殺してくだされば
  よかったものを・・・。」
茂「待て、話を聞け!フミ姫。
  あの日、わしは出奔の準備をととのえ、日没を待っておった。ところが、めのと子の
  浦木克之進にたばかられ、一服盛られて眠らされてしもうたのじゃ。きゃつは
  父の意をうけて、わしを監視するようになっておった。
  翌朝、浜にそなたの遺体があがったと聞いて、止める浦木を切り捨てて駆けつけ、
  わしはそなたのなきがらを抱いて去った。そして初めて出会うたあの岩屋で、
  自害してそなたの後を追うたのじゃ。わしもそなたも、誰に弔われることもなく、
  風雨にさらされて朽ち果て、骨は交じり合って今も散らばったまま・・・。
  魂魄となりて再び相まみえんと、そなたを探しつづけたが、そなたの怨みが
  深すぎるゆえか、はたまた冥府の理(ことわり)か、どうしてもみつけることが
  できなんだ。それがこんにち、こうして相会うことを得たのは、そこな赤子の
  おかげぞ。」
(はっ!藍子・・・!藍子はどうしてる?!)
フミエは思わず我に返ったが、やはり身動きはとれない。しかし、藍子は乳母車の中で
無事に眠っていた。
茂「その娘は、わしとそなたの、両方の血統につらなっておる。すなわち、父なる男は
  わしがけん族、そこなるそなたのけん族の女が母というわけじゃ。・・・その子の
  血の力が、われら二人を引き合わせてくれたのじゃ。
  さあ、長い間待たせたな。いっしょにあの世とやらへまいろう。そして三人で
  幸せに暮らすのじゃ。」
姫「うれしや・・・。長い、長い歳月、あなたに裏切られたと思い込んだまま、私は鬼に
  なるところじゃった。けれど、わずかばかり残ったあなたを信じる心のおかげで、
  罪を犯さないですみました。」

597 名前:渚の怪談6 mailto:sage [2010/07/10(土) 16:32:31 ID:qknu7djc]
フミエの中から、フミ姫がぬけ出し、茂之介に寄り添った。
姫「わがけん族の女よ・・・。そなたの名は?そして娘御の名はえ?」
フ「私はフミエ。・・・娘は藍子と申します。」
姫「そなた達のおかげで、いとしいお方とまた一緒になることができました。礼を申す。
  我ら二人、藍子の守護霊となりて、末永く守るであろう。では、さらばじゃ。」

「  あ   り   が   と   う  。」

 フミエは、はっと目覚めた。傍らでは藍子がすやすやと眠っている。太陽の位置を
見ると、たいして時間は経っていないらしかった。
(私ったら、あんな夢を見るなんて・・・欲求不満なんだろうか?お父ちゃんと離れて、
 まだ五日やそこらなのに・・・。)
フミ姫として茂之介に抱かれた時の感触がなまなましくよみがえり、フミエはあわてて
それを振り払うように藍子をのぞきこんだ。
藍子の髪に、小さな小さなももいろサンゴがからまっている。フミ姫の髪についていたのと
同じものだ。フミエの笑顔が固まった。
海からの風が急に冷たくなったように感じられ、フミエは急いで叔母の家に帰った。

 翌々日、フミエは調布の我が家に戻った。いつもどおりの茂の顔を見ると、
心の底からほっとした。
おみやげのようかんをつまみながらお茶を飲んでいる茂に、フミエは聞いてみた。
フ「なぁお父ちゃん、あの世ってどんなところなんでしょうか?」
し「ええ所に決まっとる。働かなくても食うには困らんし、いつでもあったかくて
  花が咲き乱れとるんだ。まあ現世では、南方の島がそれに近いな。」
唐突な質問だったが、茂の最も得意とする分野なので、昔描いた絵までひっぱり
出してくわしく解説してくれた。
フ「じゃあ、死んだ後もそこで家族で暮らせるんでしょうか?」
し「・・・お前、妙なことを考えとるんじゃなかろうな。いくら貧乏だからといって・・・。」
フ「いやだ、違いますよ。安来で昔話を聞いたけん。」
フミエはあのことを茂に話そうかと思ったが、もうしばらく自分の胸だけにしまって
おきたい気がして、やめておいた。
その後、フミエはあのももいろサンゴをていねいに真綿にくるんで、おばばの形見の
紅色サンゴのかんざしの箱にしまった。
「フミ姫さま、茂之介さま、しあわせにお暮らしですか?藍子のこと、どうぞ
 末永くおまもりください。」
フミエが手を合わせて祈ると、かすかに磯の香りがした。

598 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう mailto:sage [2010/07/10(土) 20:12:44 ID:UQ/13aqe]
>>592
おお〜GJ!なんかスペクタクル?だな。
すごいんだが、浦木がどうしてもこの板だと
邪魔モノ要員になってて、そこだけワロタw

しかも今回は茂(之介)にぶった斬られてたw

599 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう mailto:sage [2010/07/10(土) 23:19:01 ID:ZoWvcOe/]
>>592
おおなんか鬼太郎テイストな感じの物語が…GJ  
つか「村井のうつけ」に笑ったw



600 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう mailto:sage [2010/07/10(土) 23:44:47 ID:9m+qALvS]
>>592
だんだん!
本スレで「結婚前から恋愛してる2人が見たい」って書きこみ読んで以来、
自分も「それ見たい!」って思ってたから、ここで補完出来て嬉しい。
(ご先祖様の話だけど)

ロミオとジュリエット的展開がまたいいですな。

勿論、自分はほのぼの系も大好きですがw

601 名前:大トラ布美ちゃん1 mailto:sage [2010/07/11(日) 14:38:44 ID:cklKFUXH]
漫画家に盆も正月もない。あるのはそこに、ただ締め切りのみ。
しかしやっとここにきて、原稿の完成の目処がたちそうだった。
暮れも押し迫る師走の夜、この分だと正月には珍しくゆっくりできるぞ、
茂が机から顔をあげ、凝った肩をほぐすように首をぐいぐい捻っていると。

「ごめんください」

遠慮したような女性の声が玄関の向こうから聞こえた。
漫画に集中していたら、きっと聞こえなかっただろう。
襖を開けて、出窓の置時計を見やると、すでに22時をまわっている。

玄関を開けると、こみち書房の女将が申し訳なさそうに、引き戸のところで佇んでいた。

「こんな遅くなってしまって、申し訳ありません」
「…いや、なんだ、こちらこそ。送ってもろうたんですか?
 てっきり今日はもう、そちらで厄介になるのかと思っとりました」

すると、後ろからひょこっと
銭湯の女将、床屋の女将、乾物屋の女将の「商店街の拡声器トリオ」も顔を見せた。
三人とも少し赤ら顔で、茂を見上げて挨拶をすると、えへへ、と作り笑いをした。

「?」茂は四人の顔を代わる代わる不思議そうに見る。
靖代が暗闇に向かって、
「太一君、大丈夫?早く早く」と手招きをする。

近眼の茂が目を細めてそちらの方を見ると、
暗闇の向こうから、細身の太一がゆっくりと、いや、ふらふらと、何かを抱えて歩いてくる。
やがて外灯に照らされて、浮かび上がったその「何か」は
太一と肩を組んで千鳥足で歩く布美枝だった。

「はにゅう〜〜の〜〜やど〜〜〜も〜〜♪」
十八番の歌を口ずさみながらよたよたと歩く姿を信じられない思いで茂は凝視した。
布美枝は女将連中に囲まれている茂に気づくと

「あっ!これはこれは、ちょーふの星っ!水木しげる先生」
と、まるでどこかの太鼓持ちのような口調で言った。
「え…?」
あまりのことに茂は半歩後ずさった。


602 名前:大トラ布美ちゃん2 mailto:sage [2010/07/11(日) 14:40:01 ID:cklKFUXH]
話を遡ると、昨日のことになる。
布美枝は買い物から帰ってきて、茂に「ちょっとええですか」と話かけた。

「明日、商店街の皆さんと、こみち書房で忘年会をしようってことになって」
「おう」
茂は原稿に向かったまま返事をした。
「夕方から集まることにしたんですけど。あなたも行けますか?」
「俺は無理だわ。年内にこれを仕上げて、出版社に届けんといけん」
「…そげですか」
「お前は行って来い、ゆっくりしてきたらええ」

締め切りが近いことは分かっていたので、その返事は大方予想していた。
少し気が引けたが、布美枝は茂の厚意をありがたく受けることにして
今日、茂一人分の食事を用意して出かけたわけであるが…。

やっと玄関先まで辿り着いた太一が、ぺこりと茂に挨拶をすると、
横で肩を組んでいた布美枝も一緒になって、だらりと頭を下げた。
すぐに頭を上げると、敬礼をして
「ただ今帰還致しました」にっこりした顔が紅潮している。

言葉も出ない。
あまりにも普段と違う女房の姿に、唖然として開いた口が塞がらないの図。


603 名前:大トラ布美ちゃん3 mailto:sage [2010/07/11(日) 14:40:35 ID:cklKFUXH]
そんな茂の心境を察した美智子が、何度も頭を下げる。
「先生、本当にごめんなさい。
 主人がおもしろがってどんどん飲ませるもんだから…」
「アタシが悪いのよ。布美枝ちゃん、最初は飲まないって言ってたのに
 無理矢理飲ませちゃったから!」
と、風呂屋の女将の靖代が、布美枝と茂を交互に見ながらフォローする。
後ろで徳子と和枝もうんうん、頷いている。

「中まで運びましょうか」
この寒いのに、太一は汗をかいていた。
「いや、大丈夫だ。わざわざすまんだったな」
憧れの人物に礼を言われて、太一は照れくさそうにはにかんだ。

太一の肩から離れると、布美枝はふらふらと茂の胸に吸い寄せられた。
慌てて右腕で支えて、ようやくバランスを保つ。

女将四人衆は、何度も茂に頭を下げて、太一とともに帰っていった。
玄関先でそれを見送った茂は、ふうとため息をつき、
にこにこ顔の布美枝を見やった。

「うーわ、酒くさ…」
「あっ、酷いですね。自分はいっつもおならばっかりしとるくせに」

そんなことを言いながら家の中へ歩みを進めようとするのだが、
布美枝の足元がおぼつかないものだから、部屋に辿り着くまでに相当の時間を要した。


604 名前:大トラ布美ちゃん4 mailto:sage [2010/07/11(日) 14:41:04 ID:cklKFUXH]
置時計は23時を報せた。

やっとのことで布団を敷き終えると、茂までもうっすら汗をかいた。
布美枝はちゃぶ台を抱えて目を閉じていたが
相変わらず「埴生の宿」を歌っているところをみるとまだ気分上々なのだろう。

それにしても珍しい光景だ。
というより、布美枝が酔っぱらっているのを見るのは初めてのことだ。
酒が飲めたのか。それすらも知らなかった。

「…おい、着替えてもう寝たらどげだ」
「…んー…はい…」

つぶやくと、布美枝はカーディガンをやや乱暴に脱ぎ捨て、
ブラウスのボタンに手をかけてはずそうとする。が、その手元がおぼつかない。
やがてブラウスのボタンは2個目までで諦め、
スカートのホックをもたもたと緩めると、靴下も脱ぎ散らかした。
そして四つん這いで布団まで行くと、ぱたっとに倒れこんだ。

「…おい」
あまりの状態に、茂はかける言葉も失ってしまった。

この中途半端な状況をどうすれば?

肌けたブラウスの向こうには胸の谷間が見え、
緩めたスカートはすでに膝までおりている。
乱れた髪が、潤いつややかな唇にからんで、
半開きの瞳の先端で、うっすら震える睫毛が、これまた長い髪を掴まえていた。

茂はとりあえず手を伸ばして、顔にかかった髪をとかしてやった。
すると、その手に気づいた布美枝が、目だけを動かして茂をじっと見つめた。
なぜか悪いことをしていたのを見つけられた気分で、息を呑んだ。


605 名前:大トラ布美ちゃん5 mailto:sage [2010/07/11(日) 14:41:32 ID:cklKFUXH]
「…夢の中でおるようです…」
布美枝は弱々しくつぶやいた。
「身体が、ふわふわする…」

分かっているのかいないのか、自分で剥ぎ取った衣服は
もう布美枝の身体を覆っているわけではなく、
ただ引っかかっている布切れに過ぎないのである。
茂にとってはある意味、据えられた膳のような状態になっているわけで。
息を吐いて、身体をしならせる布美枝の動きに、どきりとする。

「…だいぶ、酔うとるみたいです」
「そげか」
「あなたが、ずいぶん男前に見える」
「…正気のときはそう見えんのか」
少し、笑った。

「グレゴリーペックかと思いました」
「…そげならお前はヘプバーンか。あげな小顔は無理だ。空母みたいな顔のくせに」
「あー、もう」
起き上がって茂の両頬を思い切りつねった。
「いてて」
「ちっとはロマンチックなこと言うてみたらどげですか」
「だら言うな、酔っ払い。酒屋の娘のくせに」
「酒屋の娘が酒に酔うたらいけんのですか」
「みっともない」
「メガネ屋の娘はメガネかけとかんといけんのですか?」
「はあ?」
「魚屋の娘は肉を食べたらいけんのですか?」
「…あのなぁ」
「八百屋の娘は…」
「もうええ、うるさい」

おしゃべりな唇を、無骨な唇が塞いだ。
苦手な酒の匂いが布美枝の全身を包んでいるので、茂はそれだけで酔いそうだった。
ふたつの身体はぴったりとくっついたまま、ゆっくりと布団に沈んでいく。


606 名前:大トラ布美ちゃん6 mailto:sage [2010/07/11(日) 14:41:57 ID:cklKFUXH]
「…んん……」

熱い息を漏らしながら唇を離すと、布美枝はじろりと茂を睨んで口を尖らせた。
「…ええ男と言ったのは撤回します。ただの助平だった」
「だら。『ローマの休日』は悲恋でねか。最後に二人は別れなならん」

茂がどういうつもりでそんなことを言ったのか、
悲恋に終わるような恋人たちに、自分たちを例えるなとでも…?

「そげでしたね…」
布美枝はそれだけつぶやくと、また降りてくる茂の唇を受け止めながら、
セーターに手をかけて脱がす手伝いをしてやった。
露わになった逞しい胸を手でなぞりながら、うっとりと茂の顔を確認すると、
もう一度自分の唇へと誘導する。

熱いキスのその間に、今度はその手を茂のズボンへと伸ばす。
ズボンの上から、今まさに傾きかけた茂の欲望をゆっくり撫でた。
そしてボタンをはずしてチャックをおろすと、それに直接触れてみた。
いつもなら、茂の愛撫がゆっくりと布美枝に熱を持たせていくのに、
今日は布美枝がいつになく積極的で、茂は内心驚いていた。

途中までしかはずせていなかった布美枝のブラウスのボタンを
茂が器用にひとつづつはずしていくと、やがて下着に隠された美しい乳房が現れて
またその下着を一枚ずつ剥いていくと、その丘陵の先端に咲いた蕾がピンク色に萌えていた。
その蕾をひとつ甘噛みする。それから舌で転がす。
「あ…ん」
甘い吐息と嬌声が布美枝の口から洩れて、お礼にキスの嵐が降ってきた。
しばらくすると、布美枝が茂の肩を押しながら上体を起こし、
今度は茂が下に、布美枝が茂を見下ろすような格好になった。

607 名前:大トラ布美ちゃん7 mailto:sage [2010/07/11(日) 14:42:23 ID:cklKFUXH]
首筋から鎖骨へ、鎖骨から乳首へ、視線と指先をつつつ…と移動させて
茂の骨ばった身体を確認してから、その進行経路に今度は唇を落としていく。
熱を帯びて潤った唇と、酒を含んだ唾液が舌先から、茂の身体を這って行く。
その妖艶な動きと舌遣いに、茂の身体が思わずびくっと反応した。

「…ええ、…ですか?」
「ん…」

この間はこそばゆいだの、なんだのと言われたので、今日の反応は嬉しかった。
布美枝は再び舌の侵攻を進め、さらに手で茂の硬くそそり立つモノを弄びはじめた。
ふと、茂の心臓がざわめいた。
布美枝の愛撫は、胸から腹へどんどん降下していく。
このままだとまさか、と思って頭を上げたとき。

「あっ…」
思わず声を上げた。
茂の欲望が詰まったそのモノに、布美枝の舌は到達してしまった。
先の方からこぼれだす、てらてらした液を舐め吸うと、
根元から先端まで余すところなく舌を這わす。
しばらくして今度はそれを咥えて上下し始めた。
「ちょ…っ、ま…」
思わず顔をしかめる。当然、快感が支配していくのに抵抗しているからだ。
布美枝もまた、口に収めるにはあまりにも大きすぎるそれを相手にかなり苦戦していたが
茂が快感に震える様子が手に取るようにわかるので、そのままずっと愛撫を続けた。
「は……あっ…」
悶える声が、いつもの意地悪な茂をかき消して、いっそう布美枝を突き動かす。
何度も何度も、出し入れを繰り返して、もう顎がくたびれてしまった頃。
「も、もう、ええ、これ…以上は、いけん…」
快感の波間で、茂が制する。
「も、やめぇ…」
力なく、布美枝の肩を押す。
布美枝は、やめなかった。むしろいっそう激しく攻めた。
「…い…くっ」
そして次の瞬間、どくっと布美枝の口内に精が放たれた。
あまりの勢いに、むせてしまう。
「げほっ、げほ!」
「おい、大丈夫か?!」
「げほ…っ…だいじょぶ、で、す。けほっ」
涙目だったが、微笑んでみせた。

608 名前:大トラ布美ちゃん8 mailto:sage [2010/07/11(日) 14:42:46 ID:cklKFUXH]
茂は少し照れくさそうに「無茶するな」とだけ言って、布美枝を抱きしめた。

「えかったですか?」
まるで子どものように無邪気な布美枝は、率直に感想を問い合わせする。
「…そりゃ、えかったけど」
「ふふ」
「けどお前、俺をいくつだと思っとんだ」
「え?」
「もう無理だけんな。…多分」

くるっと後ろを向いて何やらブツブツと「貴重な一回を…」などと言っている。
布美枝はその背中から茂に抱きついて、顔を覗き込んだ。
どこか、してやったりという風の布美枝の表情が、
憎たらしくも愛しく思えて、照れ隠しに、振り向きざまに布美枝の鼻をつまんでやった。
「むっ…」
「…酒くさいんだよ」
「むぅ」
そして鼻から手を離すと、キスと一緒に勢いで押し倒した。
「勝ったと思うなよ」
「え…?」
そう言うなり、茂の右手は布美枝の尻を撫で、そこから秘所へと指を滑り込ませた。
「あっ」
割れ目の上の突起部分をつまんだり、転がしてみたりすると
じわじわと快感の証拠に液が溢れ出してきた。
さらにそれを引きずり出すように、指で侵入して掻きまわしてやる。
一方、口と舌では乳房を余すことなく舐めまわし、ピンク色の蕾を刺激してやる。
柔らかい胸に顔をこすりつけて、二つの山を行ったりきたりしていると
酒の匂いと、もうひとつ、いつもの布美枝の香りがして茂はその香りに酔ってしまった。


609 名前:大トラ布美ちゃん9 mailto:sage [2010/07/11(日) 14:54:49 ID:cklKFUXH]
今度は布美枝の白く、細い足の先から、ずっと内股を通って舌を這わせ、
先ほどまで指で刺激していた突起部分へ到着した。
あたり一帯を舐め上げると、布美枝がのけぞって嬌声をあげる。
「は…っ!あ…あん、あぁ…」
いつもは思慮深げに、手を当てたり布団で覆ったりして、
声を出すことには慎重な布美枝が、今日は大胆にも艶かしい声を隠そうとはしなかった。
その喘ぎに動かされるように、舌と指をさらに駆使して快感を与えてやった。
「あっ…あぁ、は…え、ええです、すご…く…もぅ…」

ふと気づくと。
(あれ…復活しとる…?)
あまりの布美枝の淫靡なさまに、茂の興奮が再び力をつけてきていて、
貴重な二回目の装いを呈してきた。

すぐさま茂は上体を起こして、力の入らない布美枝の足を開かせ一気に挿し込んだ。
「ああぁっ…!」
待ちくたびれたように、熱を帯びた布美枝の膣内は、茂の侵入を離すまいとぎゅっと締め上げる。
「も…無理って…さっき…あっ、あん、んっ…」
「俺もまだ若いな」
「なに、言って…ああ、や…、も、ぅ…っ」
うっすら視界がぼやけてきて、茂の顔もにじんでくる。
布美枝は必死に茂にしがみついて、うわごとのようにつぶやいた。
「あ…な、た…」
「ん?」
「…ずっと、傍に居らせて、ください、ね…」
「え…?」
「ずっと…離れんと、一緒に…居りたいんです…」

そう言ってから、布美枝は絶頂を迎えて、力を無くしてだらりとなった。
茂もそのあとに今日二回目の精を、布美枝の奥底へ放った。



610 名前:大トラ布美ちゃん10 mailto:sage [2010/07/11(日) 14:55:31 ID:cklKFUXH]
布美枝は下着も付けずにそのまま眠ってしまった。
熱く火照った身体が、師走の夜の冷気にさらされ冷たくなりかけていた。
茂は二人分の布団を上からかけ、自らの体温で冷気から布美枝を守るべく
その細い身体を後ろから強く抱きしめた。

酒に言わされた戯れ言だろうか…。
しかし素手で心臓をわし掴みにされたように、
さっきの布美枝の言葉は、茂の胸を熱くさせていた。
茂は、乱れた布美枝の髪を撫でながら、その耳元で
「…………」
何かを囁いた。
深い眠りに落ちた布美枝に、茂の囁きは聞こえなかった。


翌日、上がった原稿を出版社に届けた帰り、茂はこみち書房へ立ち寄った。
正確に言うと、立ち寄ろうとした、のだが。
店の机を囲んで、昨日の女将四人衆が集って大声で井戸端会議に花を咲かせていた。
少々、あの勢いは苦手だ。茂は手前で立ち止まった。
しかし、布美枝から昨日の迷惑を詫びるために、必ずここには寄って欲しいと言われてある。
どうしたものかと考えあぐねていると。

「布美枝ちゃん、スポンジみたいによく吸収したわね〜」
「酒屋の娘さんって言ってたから、強いのよ、きっと」
「先生が下戸だって言ってたから、飲む機会がなかったのね」
と、布美枝の噂話が始まる。

611 名前:大トラ布美ちゃん11 mailto:sage [2010/07/11(日) 14:56:10 ID:cklKFUXH]
「それにしても、昨日の靖代さんたらなかったわ〜」
「何よ、それ?人生の先輩として色々アドバイスをしたんじゃないの」
「布美枝ちゃん、真剣に聞き入っちゃってさ、ねえ、美智子さん」
「うん…でも、あれは、ちょっとねえ…太一君も居たのに」
美智子の声のトーンが少し下がった。
「太一君には政志さんが色々伝授してたじゃない」
「本当にもう、みんなお酒が入るとそういう風になるんだから」
そういって美智子は奥に引っ込んだようだった。
残された「拡声器トリオ」が、きゃっきゃと盛り上がる。

「布美枝ちゃん、酔いつぶれてなければ実践してくれたかなあ」
「さあ、そもそも覚えて帰ったかも疑問だけどね、靖代さんの四十八手講座」
どっと笑いが起こる。

一部始終を立ち聞きして、茂は心底入って行かなくて良かったと思った。
また、昨日の布美枝のあの行動にも合点がいった。
どこからあんな行為の情報を入手したのか、気がかりではあったのだ。

「酒が入ると女は怖い…」

つぶやいて帰ろうと振り返ると、通りの向こうから太一がこちらに向かってくるのが見えた。
慌てて茂の方から駆け寄って制止する。

「今、あの店に入るのはやめとけ。もうちっと経ってからの方がええ」
「え?そ、そうなんですか?」

まだ恐らくは女の怖さを知らないであろうこの青年を、魔の手から救った、と茂は思った。
が、こみちの主人が何を伝授したのだろうか、大丈夫か?と心配でもあった。
まあ、男としては通り抜けていかねばならん道でもあるか。

「先生?」
「あ、いや、これ、うちのからだ。みんなで分けてくれ。昨日は世話になった」
来る途中で買った饅頭を太一に託す。
「寄っていがねんですか?」
「うん、ちょっこし、用がある」
「今日は、布美枝さんは?」
「二日酔いだわ。頭抱えて寝込んどる」

茂は太一と顔を見合わせて笑った。


おわり


612 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう mailto:sage [2010/07/11(日) 21:25:09 ID:jyLvxkvc]
GJ
エロも勿論だが、すずらん組がおおらかで良いな

613 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう mailto:sage [2010/07/11(日) 23:08:46 ID:Nb5U/RWk]
>>601
職人様だんだん!
フミちゃんのフェラと告白が堪らんw
ゲゲはフミちゃんの耳元で何て言ったのか気になるな。

そして靖代さんはテクニシャンだったというw

614 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/12(月) 00:07:09 ID:LYSYXi9/]
積極的なフミちゃんもええですなあ。しかし何者なんだ靖代w

615 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/12(月) 00:54:48 ID:iKVKQvdu]
>>601
職人様乙です!
積極的なフミちゃんたまりませんなあ〜

そして靖代さんの四十八手講座、他にもなにを教え込んだのか気になりますw


616 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/12(月) 01:13:53 ID:Im+f3fKL]
>>611
ありがd!
ゲゲの囁きが、気になりまする〜
ちょっとドジ(死語ww)なフミちゃんって可愛いなあ
ゲゲに萌え〜!!

617 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/12(月) 22:43:23 ID:hV4ejoL+]
ゲゲがヤられてるのもまたいいw
そして浮腫んだときのマッサージから四十八手まで、
守備範囲の広い靖代スゴス。

618 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/13(火) 01:20:51 ID:FUGDUrVa]
>>601
うわ〜職人様だんだん!!!

酔っ払い責めフミちゃんマジ最高!
可愛いし、エロいし、堪ら〜ん!!(*´Д`)ハァハァ

あと祝!フミちゃん初フェラwww
おめでとう御座います先生www
これから四十八手で毎夜勤しむ夫婦が楽しめるんですねわかります
てか、酔っ払いフミちゃんがこのスレで流行ればいい!

619 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/13(火) 23:27:01 ID:NmeqkWEJ]
祝☆最高視聴率更新

村井夫婦の頑張りが報われ始めた回で更新したので二重の喜びだ



620 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/13(火) 23:36:40 ID:V5KPflRC]
これから投下させてもらいます。
にしきやさんが出てくる所が少し>>580さんとかぶっちゃってますが
スルーでお願いします…

藍子が生まれて数ヶ月後あたりで

621 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/13(火) 23:38:31 ID:V5KPflRC]
 その日、茂が散歩から帰ってくると布美枝の姉の暁子が家に居た。
年始にやってしまったぎっくり腰も良くなり、今日は自分の息子達の
赤ん坊の頃の産着やらおむつやらのお下がりを持ってきてくれたという。
「男の子用だけど、これなんて黄色だから使えるでしょう?すーぐ大きくなって
着れんようになるからこれもまだまだ新しいし」
などと色々説明している。茂は軽く挨拶してすぐ仕事部屋に引っ込んだ。
暁子も、だいぶこの風変わりな義弟に慣れてきたため特に失礼とも思わなく
なってきている。そのうち女同士の話に花が咲いた。

話題は弟の貴司の事だった。もう三十路間近なのに未だ身を固めていない
彼を、安来の家族も心配しているという。
「うかうかしとったらじき30だけんねえ、早いことまとまるとええんだけど」
「うん…貴司も、ええご縁があるとええね」
布美枝はつい自分の身と重ねていた。たとえ遅い結婚でも、縁あるひとと、
毎日笑っていられるような結婚をしてほしい。
妹の心中を察し、暁子は微笑ましく思った。
「フミちゃんもええ人に巡り会えたもんね」
布美枝は目を見開いた。「な、何言うとるのアキ姉ちゃん」
暁子はちょっとからかう口調になる。「あんたが昔、背が高いいうてお見合い
断られた時にはそりゃ心配したもんだけど」
「もう!そげな昔の話、今頃言わんとって!」
『にしきや』の若旦那から見合いを断られたのも、今となっては懐かしい話だ。
姉妹は笑いあった。


622 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/13(火) 23:41:26 ID:V5KPflRC]
大声で喋っていた訳ではない。だが、襖を一枚隔てて向こう側、
茂の耳に単語が飛び込んできた。見合い?断られた?
もちろん相手は自分ではない。そんな話は初耳だ。
見合いを断られた過去など、仲人側や飯田家がわざわざ伝えるはずもないので当然だった。

「藍子もう寝付きましたけん、お仕事手伝いましょうか?」
洗濯物を畳みながら、襖の向こうで布美枝が尋ねた。
「いや、今日はまだ下書きだけん大丈夫だ」そう茂は答え、それから布美枝に
早く寝るよう促した。
「すんません、ほんならこれ終わったら先に休ませてもらいますね」

 てきぱきと洗濯物を畳む布美枝を見ながら、ふと茂は日中の話を思い出した。
それとなく詳細を聞き出してみる。
もうずっと昔の話なんですけど、と前置きして布美枝は話し始めた。
「それ以来、背が高い事を余計気にするようになって、ずっと実家におって
肩身が狭い思いもしましたけど…あの縁談がなくなったから、今こうして
お父ちゃんと一緒になれて、藍子も授かる事ができて…結局は、これで
良かったんですね」そう話を結んで、布美枝は照れたように微笑んだ。
本心だった。運命の人とはちゃんと出会えるのだと、祖母の言葉は、
慰めではなく真実だったと、心から言える自分が嬉しかった。
    

623 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/13(火) 23:42:43 ID:V5KPflRC]
 布美枝が二階にあがっていった後、茂は鉛筆を持ちながら、珍しくあまり
集中していなかった。頭の中はさっきの話で占められていた。
布美枝と最初に出会ったのは見合いの時。二度目に会った時には既に
彼女は花嫁になっていた。そのせいか茂は、布美枝は自分の女房と
なる為に現れた女のような気がしていた。飯田布美枝、十歳年下で、安来出身。
それだけ把握していれば十分だと思っていたのだ。
しかし当然ながら、布美枝にも今まで生きてきた過去があり、また、
茂以外の男と連れ添う未来が在り得た。そして、どんな人生であろうとも、あの
大人しい割に意外と度胸のある女房はすべて受け入れて生きていくの
だろう。そう思いを馳せて、茂はふいに胸の内側を撫でられた様に
心がざわついた。
布美枝と結婚した事も、藍子が藍子として生まれた事も、思っていた程
必然ではない。まさしく人の縁とは、妖怪よりも不可思議なものだーーー、
そんな風に思った。


624 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/13(火) 23:43:34 ID:V5KPflRC]
 二階では布美枝がもう横になっていたが、まだ寝てはいなかったようで、
茂が畳を踏む音をぎしりとさせると、布団から身を起こした。
「お仕事もう終わったんですか?」
「今日はもうええんだ」曖昧に言うと、茂は布美枝を抱きすくめた。
「お、お父ちゃん?」右腕の中で布美枝が身を固くする。
「しばらくお母ちゃんと仲良くしとらんだったせいで、つまらん事を考えた」
「つまらんこと?」
「ああ。考えてもしょうもないのにぐだぐだ考えるのは、まったくつまらん」
「?……何の話です?」説明する気はなかった。話が掴めない女房を
置いてきぼりにして、茂は布美枝の浴衣の中をまさぐった。

 仲良うする、の意味をやっと察し、布美枝は赤くなる。そういえば、
藍子がお腹に出来たのがわかってから、随分ご無沙汰だった。
もはや話を聞けるような状況ではない、と観念する。
「もう……。お父ちゃんは何も教えてくれんのですね」苦笑しながらも、
受け入れる態勢になる布美枝にほっとした。
 とにかく今はこいつは俺の女房で、こうやって、いつも受け入れて
くれる。それでいい。先程の不安が霧散していくのを感じた。
そして、茂は布美枝に覆いかぶさった。


625 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/13(火) 23:44:28 ID:V5KPflRC]
 二人が体を離した後。
茂は布美枝の横で寝息をたてていた。夫を起こさないように布美枝は
慎重に動いて布団をかけてやる。暦の上では春、などと言っても
まだまだ夜は寒かった。
 久しぶりに受けた夫の愛撫は、記憶にあるよりも熱っぽかった。
あるいは自分も、久しぶりだったから嬉しかったのかもしれないと
布美枝は一人で照れて、茂の寝顔を見つめる。
そういえば、さっきうやむやにされた話はなんだったのだろう?
結局聞けずじまいになってしまった。そっとその寝顔につぶやく。
「あなたの考えてる事はいつもようわかりませんけど…私はずっと
付いていきますけん」
藍子のミルクの時間まではまだ間がある。布美枝もようやっと
横になった。願わくば、親子三人、同じ夢を見れますように。
そんな事を思いながら、目を閉じた。


(終)

626 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/14(水) 00:01:46 ID:Jr1urf6V]
>>621 GJ!
これがリアルタイムというやつですね!
ありがとうございます!

エロがないのに、色っぽいのはなぜだ。
布美ちゃんの過去を意識するゲゲがすごくイイ!


627 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/14(水) 00:14:09 ID:wYrKDa5V]
>>621
新作キテタ!
職人様だんだん!

藍子ちゃんが生まれてからの作品はあまりなかったので
自分的に嬉しかった。


628 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/14(水) 01:00:12 ID:gudbsA3m]
>>621
投下だんだん!
いや〜夫婦がお互いを思い合ってるのが
じんわり伝わってくる良い作品でした(´ー`)
ゲゲの
>俺の女房
発言に禿萌えた〜!!
もっともっと仲良うして欲しいですなw

629 名前:名無しさん@ピンキー [2010/07/14(水) 01:19:32 ID:Tp6zlpWI]
>>621
だんだんだ〜ん!
ふみえちゃん「結局はこれでよかったんですね」
と言いながらもゲゲの求めには赤くなる所が可愛い
理想の女房ですな!





630 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/14(水) 22:42:21 ID:UQ0q6rVR]
>>621
だんだん!
動揺して不安になるゲゲと照れるフミちゃんが良いですなぁ〜

631 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/14(水) 23:54:46 ID:U8Cjhqmq]
今日の放送内容は激しくこのスレ向け?!
ふみちゃんが帰った後のスピーカー三人組の会話はどげなっとったんだろーかw

632 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/14(水) 23:55:23 ID:Q7EPwX+b]
今日のゲゲゲ、やっと今録画したの見れた。
「精のつくもの」を連発されると
どうしてもこっちのスレを意識してしまう。
しかも女房が4人も集まってそれを考えているなんて
狙っとるとしか思えん…!

633 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/15(木) 23:53:59 ID:yn7ufSrz]
本スレで「通帳の桁を数えるフミちゃんをゲゲが優しく見つめてた・・・」って
書きこみがあったけど、本当か!?
あとで録画分確認してみようっとw

今週は夫婦のシーンが多くて良いな。
しかも萌え夏服ありだしww

634 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/16(金) 00:14:41 ID:Bh2uyuJ8]
>>633
振込み間違いじゃ…って心配してるフミちゃん
お人好しで可笑しくて、でも凄く可愛かったなー
それを笑っていなすゲゲも優しげで…
ラブラブ夫婦で良かったよね〜(´ω`)
こんな何気ない一コマが好きだ<ゲゲゲ

635 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/16(金) 00:26:59 ID:eZFF+ud8]
電話番の布美ちゃん&藍子も可愛かったね。
冷やし中華ネタはなんつーか、お約束にもほどがあるくらい古臭いけど
自分的には好きだ。後ろで「よしっ」ってするゲゲも…w

せっかくの夏服だ、高校生ゲゲでなくて
グレーの落ち着いた方のゲゲを見せてくれ〜〜

636 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/16(金) 00:54:50 ID:IqKedSCt]
>>633
本当です。
さっき録画分もう一度見直したら一生懸命通帳に振り込まれた金額の桁を
数えてるフミちゃんをすごく優しい目で見つめてました。
一生懸命数えてるフミちゃんが可愛かったんでしょうなw



637 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/16(金) 01:06:00 ID:S0w7014/]
>>633
お前さんのレス見てじっくり見直してきた
・・・・あれは萌える
なんつー愛情部会、いや深いまなざしなんだ


あのシーンのゲゲの心の内も読んでみたいような・・・(さりげなくリクw)

638 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/16(金) 03:14:28 ID:1h8k0s83]
その後の大激怒でスルーしがちだけど
フミちゃんの為にラジオを受け出してきた時も
彼女の喜ぶ姿に、優しいぃ笑顔を浮かべてたなあ。。。
新婚時代から、フミちゃんの喜んでる(はしゃいでる)顔を見る時のゲゲは
すごく幸せそうだよね

それはそうと、ゲゲってさ、時々エロい目でフミちゃん見ない?
例を挙げると、みかんの時とかナズナの時もそう
ああいう目は一度もハルコなんかにはしなかったよ!

639 名前:ゲゲ先生のご趣味1 mailto:sage [2010/07/16(金) 03:51:44 ID:Xm0PDmuN]

「う〜む…」

編集部より送られてきたペラ紙一枚を前に、茂は首を捻っていた。

原稿に向かうのとは少々異なる様子に、布美枝はそっと背中から覗き込んだ。

「…水木先生…徹底解剖……?」
「あー。今時の読者は作品だけでなく、作者にも興味を持つもんなんだのー…」

羅列された質問を、虫食い問題のようにいくつか空欄を残して進める姿は、
苦手なテスト用紙を前に時をやり過ごすゲゲ少年の姿を思わせた。
「こげなもん聞いてどうするんだか」
「ふふっ。あ、でもこの『先生の趣味は?』なんて、簡単じゃないですか」
「あ?」

ふとひとつ思い当ってペン先を押しつけると、
「お墓巡り、ですよね?」
「む……」
「あ…れ? 違いました??」

別の答えを書きかけた手を止めて、茂はきょとんと見開いた布美枝の瞳を見つめた。




640 名前:ゲゲ先生のご趣味2 mailto:sage [2010/07/16(金) 03:53:36 ID:Xm0PDmuN]

俺の趣味は──
確かに墓巡りもいい、戦艦作りも好きだ。
いまやテレビ鑑賞も趣味といえるかもしれないし、何より食うことが好きだ。

けれど一番の趣味・鑑賞といえば……
いつからか、目の前の布美枝が喜ぶ顔を見るのが一番好きになっていた。

墓場鬼太郎の連載を喜ぶヤッターダンス──あれは良かった。
たまに上機嫌で鼻唄を歌うのは知っていたが、まさか奇妙な踊りまで堪能だとは知らなかった。

そもそもこの家へ初めて訪れたタクシー内では──夢見る少女のごとく
きらきらした瞳で東京の街並みを車窓から見上げていたっけ。

空母のごとく長い茂好みの顔が様々な表情を見せるのを、茂はこよなく愛していた。
少しでもその喜ぶ顔がみたくて、布美枝も知れず発奮していることも間々あった。

けれど、あまりやり過ぎてもいけない。これは微妙なさじ加減だ。

ラジオを一六銀行から出してやった時は、期待通りの笑顔がみれて満足だったが、
自転車を買ってやったりなどすれば、喜びを通り越して泣いてしまったりもする。
あれは本当に驚いた。何も泣かんでも……。


641 名前:ゲゲ先生のご趣味3 mailto:sage [2010/07/16(金) 03:54:59 ID:Xm0PDmuN]

それに心配ごとに頭を悩ませている時も、やはりうまくいかない。
ご近所連中……あの時は太一の心配だったろうか?
せっかく喜ぶだろうと鬼太郎の新刊を一緒に見ようと開いてやったというのに、
思うようには喜んでくれず、ついこっちも当てが外れてムッとしてしまった。

この趣味は、本当に奥が深いのだ。

やり過ぎがいけないといえば……
せっかく悦ばそうとして発奮しても、失敗する夜もある。

あんな処やこんな処をまさぐっている間は、嬉々として身を捩るのに、
それならもっと……と執拗に舌を走らせれば、その喘ぎが苦しげに潤んでしまう。
こっちがどれほど辛抱して、湧き出る泉への侵入を耐えているのか知らんのだろう。

ふとやり過ぎて目を上げると、熱を帯びた瞳が潤んでいる。
あれはいかん。あの、猫のような瞳で見つめられるのには本当に弱い。

それでいて、こちらの我慢すらも振り切れてしまい、もっと啼かせてしまうことになってしまう。

事後。ぐったりと横たわる姿をみて、しまった…とは思うのだが、
翌朝になれば鼻唄交じりの上機嫌で台所に立ち、朝飯の一品も多いところをみると、
これはこれで失敗ではないのかも、しれない。



642 名前:ゲゲ先生のご趣味4 mailto:sage [2010/07/16(金) 03:56:32 ID:Xm0PDmuN]

テレビくんの原稿料に目を丸くして、ひと桁ひと桁数える無邪気な表情は、
思わずじっと凝視してしまうほどだったな……などと思い起こしているうちに、
また無意識に微笑んで眺めていたらしい。

「どげしました? あの…違っとってですか……ね」
「ん? あ…ああーそげだな。墓巡りだったわ」
よもや何十万部数もの雑誌に、嫁の笑顔鑑賞が趣味です、などと惚気るわけにもいか
ない。

茂は気恥ずかしさを噛み殺し、口元を歪めながら、
達者な字で『墓場めぐり』と書き入れた。


終わり



643 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/16(金) 07:29:24 ID:q2QTIEA5]
投下キテター!ゲゲって幸せ者だよなあ、ホント


>>638
いいじゃないか、自分の女房をエロい目で見たってww

644 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/16(金) 15:27:25 ID:etXalcDf]
ふみちゃんかわいいからね。
ゲゲの趣味になって当然w

>>642の最後2行がたまらんですよー!

645 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/16(金) 17:33:20 ID:1h8k0s83]
>>642
ありがと〜ぉ♪♪♪
ここでの雑談をふんだんに取り入れてくれてるね!!
こういうゲゲって本当に萌えるわ

646 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/16(金) 18:30:48 ID:+jQLI2m/]
>>639
ぐっじょ〜〜〜〜ぶ!!
今日の本編でも、着物返ってきて喜ぶ布美ちゃん見て
にんまりしてるゲゲがいた。
このスレ思い出してこっちもにんまりw

嗚呼、明日が楽しみでならん。

647 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/16(金) 22:41:14 ID:TMSvOszr]
>>642
投下GJ〜
もう、趣味:嫁の笑顔鑑賞って書いちゃえよと思った

648 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/16(金) 23:16:02 ID:01aH5Aq4]
>>639
GJ!
ゲゲはフミちゃんの笑顔見て喜びすぎだw
いいぞwもっとやれwww

>>634
自分もそこ可愛くて可笑しくて声に出してワロタw

今日はゲゲが豊川さんに一反木綿を紹介するシーンでこのスレを思い出した
あの時のゲゲ、惚気すぎじゃねーか?とw

649 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/17(土) 00:25:52 ID:WfGb6AnU]
ゲゲって案外、惚気るよね
自慢の模型も、深沢さん&戌井さん、豊川さんに
フミちゃんと作ったって、言ってるし

そういや、戌井さんにはよく惚気ているような・・・
「いつもはおかずはメザシ一匹ぃ〜」とか
フミちゃんのしぶい大蔵大臣ぶりを指して「うちも〜」とか
(戌井さんが出産祝いに来てくれた時かな)



650 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/17(土) 06:33:22 ID:znEv+M3S]
>>639
GJ!!!!!

さーて

フミちゃんの着物が一六銀行からかえってきました。
満足そうなゲゲとちょっとうるっときたフミちゃんの視線からみあってましたよね?

その夜はどんな着物プレイ?
wkwk

651 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/17(土) 08:43:02 ID:c3VJ2BNg]
本日の視聴終了。
開始1分から涙腺崩壊・゚・(つД`)・゚・

ネクタイエピとお見送りの際のフミちゃんの「ええ男」発言に
萌え転がされました…


652 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/17(土) 09:59:27 ID:Kh9JBRLk]
>>650
大事な着物汚しちゃらめえええええ。

つーことで汚さない方向でプレイよろしくです。

653 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/17(土) 11:20:00 ID:MGog9WiT]
あの着物は受勲の時に着るんだよ

654 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/17(土) 15:42:28 ID:LtoeRliS]
一昨日〜今日は涙と萌えによる感謝カンゲキ雨嵐だったw

>>651
ハゲド
そこ特に萌えたww>ネクタイとええ男発言

来週はフミちゃん二人目妊娠クルー?!

655 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/17(土) 22:16:52 ID:1AOkj0G0]
忙しくてもやることやってんだな

656 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/18(日) 00:20:59 ID:WrtULtuu]
予告であんなごちゃごちゃ家の中に人いたのによくやることやれたな
というのが率直な感想

657 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/18(日) 01:09:48 ID:LIx5EP08]
普段一緒に寝てるのかな?そういう描写がないよね

658 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/18(日) 01:54:02 ID:ZKjMJ536]
藍子ちゃんが産まれる前だけど、二回ほど
2階の元中森さん部屋に、布団並べて敷いてあるシーンあったよ〜

659 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/18(日) 02:28:27 ID:UcPft0dk]
実話だとテレビくん受賞の時はすでに妊娠がわかってたから、少し歴史がずれてんだね。
ええ男だなあ発言の後の、「おうっ、フフッ…。」の茂の照れ方が可愛かったな。原稿を早く終わらせて頑張れw



660 名前:受賞記念1 mailto:sage [2010/07/18(日) 13:40:06 ID:ijin+jwv]
甘く、優しい唇の愛撫の一方で
茂の分身は布美枝を強く、激しく攻めたてる。
剣を収める鞘の中は、出し入れに伴って強く痙攣し、
攻める茂はもちろん、必死に理性にしがみつく布美枝をも狂わせようとする。
茂の腰の動きに合わせるように、布美枝の喘ぐ声。
しかし、隣に眠る愛娘に気を遣うように、布団を頭からかぶって、限界まで音量を抑えてある。
やがて布美枝は快感の渦の中に飲み込まれて、だらりと力尽きた。
それを見届けると、茂も布美枝の中へ精を吐き出して果てた。

ふう、と布団から頭を出すと、二人の視線がぶつかった。
離れがたい思いで二人は、繋がったまま口づけを繰り返す。
その甘い時間のくすぐったさに、布美枝はにやけてしまう。
「ん?」
「うふふ」
「変なヤツ」
「あなたほどではないです」
言われて茂はむくれるでもなく肩をすくめると、やっと布美枝から離れた。

いったん眠ると朝まで起きない藍子だが、その様子を一応確認して、
布美枝は母の笑顔でほっと息を吐いた。
すると後ろから茂が布美枝の腕をひっぱって、布団へ招く。
そうなると、今度は妻の顔ではにかんでみせて、それに応じた。
二人は、お互いの顔を撫でたり、
ときに唇で遊んだり、ぽつりぽつりと話をしたりしていた。

今日はさすがの茂もすぐには寝付けないようだった。
茂の渾身の作、「テレビくん」が雄玄社の漫画賞を受賞したと
昼間、豊川から電話があったのだ。
受賞は当然のことと踏ん反り返ってみた茂だったが、
布美枝の反応が、茂以上にその受賞を「必然」と言い切ったものだから、
改めてこの女房に対して、並々ならぬ感情を抱いたのだ。

一方の布美枝も、今回の受賞については心底、夫の偉大さに敬服するばかりだった。
知り合ったばかりの、全く将来の見えない隻腕の漫画家と、
結婚すると決めた5日後にはもうこの家に居た。
とまどいの中で、しかしひたむきに机に向かう茂の姿に、
布美枝はいつしか覚悟を決めていた。付いていこう。きっと、ずっと…。

移り変わる季節と、次々とめまぐるしく起こる出来事の中で、
二人の絆は強くなり、互いの存在をかけがえのないものとしていた。

661 名前:受賞記念2 mailto:sage [2010/07/18(日) 13:40:46 ID:ijin+jwv]
茂の目にかかりそうな前髪を、そっと避けてやると
10歳もの年の差を感じさせない、あどけない瞳が布美枝を見返してきた。
愛しいと、言葉にするのは恥ずかしすぎたが、
その想いは大きく膨らんでいくばかりで、
布美枝はぎゅっと茂の胸に顔をうずめて、それを悟られないようにした。
そんな布美枝をどう思ったのか、茂は額にキスをひとつ落とすと、
布美枝の頭の下にくぐらせた右腕に力を込めて、強く抱きしめてくれた。

漫画家の魂を魅せつけてくれた背中。
優しく頭を撫でてくれた手。
大きな広い胸。
ぼさぼさの髪の一本一本でさえも。

―――全てが愛しい。

ふと顔を上げると、茂は寝息をたてていた。
ふふっと笑ってから、布美枝も小さくあくびをすると、
茂の胸の中で、その匂いを感じながら眠りにつこうとした。

「…ぉぃ」
「え?」

ぱっと顔を上げる。

「…ぁい………しとるぞ…」

―――え?

茂は確かに眠っている。寝言?
けど、何と言った?
まさかまさかまさかまさかまさかまさか。

愛してる?

布美枝の顔が、かーっと赤くなるのがわかった。
寝言とは言え、そんなことを言われるなんて!
もう一回、もう一回、もう一回だけ!!

「な…なん…ですか?」
おそるおそる、耳元でそっと囁いてみる。
茂は目を閉じたまま、口元だけをむにゃむにゃとさせて
「……あい…こ…原稿に、落書き…しとる」

しゅーーーっと、一反木綿の布美枝は、折りたたまれるようにしぼんでいった。
「さすが、俺の娘…」
そう言って茂はにやりと笑って、またしんとなった。

布美枝は、はーーっと大きなため息をつくと、
ちょっと頬をふくらませて、茂の鼻をつまんだ。
「ふがっ」
それでも眠るこの偉大な漫画家を、やっぱり愛しいと思った。
軽く、キスをした。茂が微笑んだ気がした。
布美枝も、ふっと微笑った。


おわり


662 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/18(日) 22:23:04 ID:Pi8kM0vo]
>>660
GJ!!
ゲゲにメロメロで、寝言にまで振り回されるフミちゃん可愛すぎw

663 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/19(月) 00:17:32 ID:NOClLowR]
>>660
投下GJ!
言うのかと思って期待したけどやっぱ言わないんだなw

664 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/19(月) 03:40:46 ID:PoDI4jvC]
>>660
だんだん〜!
幸せイチャコラ夫婦大好きだー泣きそうになった…
お互い思いあってるのがビビビンって伝わってきたよ

寝言オチもワロタw
ゲゲ絶対言いそうにないわな〜夢の中なら言うかな?w

また是非投下してごしない!

665 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/19(月) 10:20:46 ID:WgB/uXai]
なぜか知らんが、新OP映像萌えたw
あと今日はイチャイチャ漫画描きもw

666 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/19(月) 17:25:06 ID:4+OqTUj+]
>>665
同意!
動きとか画的には同じことやってるんだけど、
二人の間に、なんつーか年輪というか
歴史みたいのを感じるんだよね。

667 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/19(月) 17:39:58 ID:GpCQy70D]
>>660
寝言の勘違い可愛いですなぁ〜。いちゃいちゃ具合がナイス!

668 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/20(火) 13:15:23 ID:i3YYW+5S]
今日のゲゲ、この 展 開 は … !!!

フミたん4Pか?
もしくはゲゲるさんの嫉妬フラグが立った

669 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/20(火) 14:01:45 ID:bqMjNeWE]
>>668
フミちゃん可愛いからなぁ
誰かフミちゃんの魅力に気づかないとおかしいよね

テレビジョンの「読者が選ぶドラマカップルランキング」って特集に
ゲゲフミがランクインしとるw



670 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/20(火) 22:36:49 ID:J9G7AjaM]
レモンを持ってにっこり笑ってるゲゲフミも見てみたい

671 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/21(水) 13:22:21 ID:33nMt0DJ]
あんなに忙しくていつやったんだろう…

672 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/21(水) 14:21:09 ID:h4GQOEp+]
相手がゲゲとは限らない

673 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/21(水) 18:35:49 ID:/nu2EIIi]
フミちゃん不倫とか正直想像すらつかんわ
仲良しイチャコラ夫婦って言葉もピッタリだしなぁ

674 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/21(水) 20:51:55 ID:QfdnB0kL]
>>673
フミちゃんが不倫するんではなく、相手が惚れる展開
なら思いつく

フミちゃんはゲゲ一筋がデフォ

675 名前:ヒゲのひと1 mailto:sage [2010/07/21(水) 21:32:13 ID:qz/Mq2L+]

「ほんと…別人みたいでしたねぇ…」
川の字で寝床につき、寝ついた藍子にうちわ風をあてながら、
布美枝が呟いた。

「ン? ああー…あのアシスタントか」
「はい」
「仙人のような顔つきがいいだろう。腕も確かだ」
自らスカウトして見つけてきたことを誇らしげに鼻息を荒げるが、
布美枝はまだぼんやりとした顔つきで首を傾げている。

「仙人…というか……」
「何だ? ごぼうか? タロイモか?」
「うふふ。髪を整えたら随分男前が上がっちょってでしたよね」

まるでテレビの人みたい…と呟いた布美枝に、無論他意はなかった。
が。
(何を上の空な顔つきをしとるんだ…うちのは)

無意識にちょちょいと前髪を分けてみる。
授賞式のごとくじっと見つめたまま首を傾げた布美枝は、
それに気付いてそっと手を伸ばした。

「お父ちゃん」
「お…おぉ」
やっと、目の前の”いい男”に気付いたかと、胸を反らした…が。
伸ばされた布美枝の手はそっと茂の額から前髪を払い、
寝ついた藍子の代わりに今度は茂にうちら風を送った。

「今夜も暑いですねぇ…。髪が汗で張り付いちょってですよ?」

676 名前:ヒゲのひと2 mailto:sage [2010/07/21(水) 21:34:00 ID:qz/Mq2L+]
「……む」

扇ぎ寄せられた風に顔をしかめて、ひとつ大きな息をついた。
「……何じゃ…。こういう髪型が好きだというわけではないのか…」
「はい?」
「何でもない!」
ぷいっと背を向けてしまった茂を見て、布美枝はまた首を傾げた。

「お父ちゃん?」
「もううちわはええっ。お前ぁもさっさと寝いっ」
「はあ…。何…へそを曲げちょってだろーか…」
明かりを落としてちらりみれば、眼鏡を外すのも忘れてムスッと口を噤んでいる。

(いくら急務だったとはいえ…。若い男連中を家に入れるのは早まっただろうか…)
ぎゅっと目を閉じたまま、ブルブルッと首を横に振る。
(いや、そげん余計な心配はいらん。まさかうちのに限って…間男をつくるなどと…)

ますます顔をしかめていると、頭の上からくすくすっと布美枝の笑い声が聞こえた。
「……ン?」

「ふふっ…お父ちゃん、なしてそげん百面相しとるの? 可笑しくて…寝られんよ」
「ああ? だらっ、そいなら見んがええだろーが…。どーせテレビの人のような男前な
 面でもないけん…」

「へ?」
枕の横でおひざしていた布美枝は、茂の眼鏡を取ってそっと顔を寄せた。


677 名前:ヒゲのひと3 mailto:sage [2010/07/21(水) 21:35:26 ID:qz/Mq2L+]
「……お父ちゃんはどこへもいかんでね」
「ああ?」
「テレビくんみたぁに…。テレビの中だの別の世界だの…いかんで、ね?」

「何を…言うとるのだ。お前が……」
ぐっと唇を噛み締めて見上げる瞳は、薄明かりの中でも潤んで光を集めている。
胆の据わったことを言うと思えば、すぐそんな繊細さも見せるから、
茂は吸い寄せられるように身を起して、布美枝を胸元に引き寄せてしまう。

「……藍子じゃあるまいし。何を子供みたぁなこと言うとるんだ」
「……ほんとですねえ……」
「俺はこの家を気に入っとるんだぞ? 裏に墓場もあるし…静かだし……。
 ここにはいい風が吹いとるんだ」
茂だけには見える不思議な風が、このあばら屋には吹いている。

「すんません……。私も…子供みたぁなこと…言いません、から。だから……」
胸元から顔を上げた布美枝は、ぺろりと舌を見せた。

「お父ちゃんも、子供みたぁに、ヤキモチ妬かんでください、ね?」
「あ?」

抱き寄せたままの布美枝の肩は、まだ震えている。
それは、泣き声を押し殺していたのではなく、込み上げる笑いを押し殺していたのだ。


678 名前:ヒゲのひと4 mailto:sage [2010/07/21(水) 21:37:16 ID:qz/Mq2L+]
(やられた……)

梳いた髪は日中の縛りで流れるようにうねっていて、豊かな黒髪が揺れる。

「だらっ。だ、誰がヤキモチなぞ…」
「そーですよね? 妬いてなんかしませんよね?」
「当たり前だっ!」
「はい、はい。だから、そげんヘソ曲げる必要だって、なぁですものね?」

「お…おぉ」
またもしてやられた…と口ごもる茂に、布美枝は駄目押しにひとつ頬に口づけて、
「おやすみなさい、あなた♪」と、優しく囁いた。


終わり


679 名前:名無しさん@ピンキー [2010/07/21(水) 23:52:17 ID:D7ppD9Ys]
>>675
だんだんだん!
なんと心地よい風の吹く物語なのでしょう。
ふみちゃん、お願いしているようで、実はしげ〜さんの
心を操っていますねvさりげなく対等の言葉を使っているのが
萌える!

>>674
小峰さん希望。
ムッツリしていながら心の中で「奥さん・・・」
と思ってそう






680 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/22(木) 00:39:04 ID:m3jra/D9]
>>675
GJ!!めっちゃ可愛いゲゲ!
布美ちゃんの手の中で転がされとりますなw

あの3人の中だと、対抗馬は小峰しかいないと思ってた。
けど、一番布美ちゃんに興味津々なのは、かんぴょうだとオモ。

2人目妊娠キターーー!明日も楽しみ。

681 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/22(木) 01:01:15 ID:HfbWZeny]
>>675
やきもちゲゲが可愛いですな〜!実は手玉に取ってる感じのフミちゃんがいい!
そういや小峰のモデルになった漫画家さんを、布枝さんもかっこいいって実際書いていたねw

682 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/22(木) 01:57:52 ID:6jOwohQW]
>>675
だんだだーん!!!
小峯の使い方、上手いっ!
嫉妬ゲゲは皆の大好物ですけんwww
そして布美ちゃんの可愛いこと…堪らんなあ〜
第ニ子と言わず三人・四人と出来ちゃいそうなゲゲフミ
…ええですねぇw

683 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/22(木) 02:00:45 ID:6jOwohQW]
今週の放送見ていたら悶々としてきた

倉田→布美ちゃんは
憧れのお姉さん…的な思慕を感じたな
犬っころみたいな倉田が布美ちゃんに懐いたらいいな!

菅井→布美ちゃんは
要領は悪いが何にでも一所懸命な菅井が
昔の引込思案な自分と重なる…なんてどげでしょう?
かんぴょうと一反木綿w

小峰→布美ちゃんは絵になる!www
ゲゲが実力を認めてる+元貸本漫画家っていうのも
ゲゲと対して良い構図になりそう…
>>675みたいなのもっと読みたいな〜

でも結局はゲゲフミに戻ってくる、と…こっぽし

684 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/22(木) 03:35:48 ID:a9yF9Hy/]
>>675
だんだん!
小悪魔フミちゃんと嫉妬ゲゲも大好きだw

685 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/22(木) 04:54:28 ID:VAYa+u1g]
二人目妊娠おめ!
気持ち悪いと言ったふみちゃんを心配するゲゲの不安そうな顔たまらなかったよ。何事も動じない人が焦ってるのはいい。
台詞ではなく、ゲゲのふみちゃんへの色んな感情が一瞬の表情で表現されて毎回画面が見逃せない。


686 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/22(木) 16:53:00 ID:nz3+vebx]
今日のゲゲフミと浦木のシーンって
このスレ向けっぽい気がした
こzそり拍手と看板のシーンがw

687 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/22(木) 17:12:11 ID:0sN6ZMWy]
そういえば最近フミちゃんは精の付くもの食べさせなきゃって必死になってたもんな

688 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/22(木) 19:35:45 ID:CnH7G3p8]
>>675
だ、だ、だんだーん!!!!!!!
ゲゲのツンデレパねぇww
も、もしや自分の大好物「ひとりでできるもん」の書き手さんでは?
「はい、はい」の区切る感じがすっごい好きです可愛い禿げ萌える!

小峰とかとフミたんをどんどん絡ませてゲゲを悶えさせて頂きたい!
GJ!!


689 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/22(木) 23:27:32 ID:DyAf/dLT]
>>687
なるほどそういう伏線だったのか
すごいなギョーザの力



690 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/07/23(金) 00:33:14 ID:zGXKIKxd]
つーことは今日
妊娠報告したフミちゃんが帰った後のスピーカー三人衆の反応や如何に?w


>>674
アシさんがフミちゃんに惚れるネタ色々出てるけど
そういえば太一はフミちゃんに対してそれっぽい想いはなかったのかな

691 名前:授賞式の夜 mailto:sage [2010/07/23(金) 07:47:21 ID:NYV1y1ZD]
漫画賞の授賞式夜、二人で見た星空。流れ星に願いを唱える事が出来なかったが、この星空を忘れる事は無いだろう。
慣れない場所や人混みで、身体は疲れているのに、興奮して中々寝れそうにない。
「おとうちゃん、肩揉みましょうか?」
風呂あがりの布美枝は、真っ白な肌が、ほんのりピンクに染まり、甘い匂いがする。甘いのは石鹸の香りか?茂は、ドキッとする。
布美枝は、そっと茂の肩に手を置き、優しく茂を揉みほぐす・・・・。
「今まで、苦労かけたな・・・・」
「えっ?どげしたとですか?」
「これからは、食うに困らんはずた。」
「・・・・・」
背中越しに泣いてる布美枝。
「どげした?そんな辛かったのかっ!」
「違うんです。おとうちゃんが一生懸命頑張ってた姿を見てきたから・・・嬉しいんです」
茂は、ゆっくり後ろを振り向き、布美枝の頬に手を触れ、流れ落ちる涙を拭き、そっと、額に口づけをした。
布美枝をそっと抱きしめ・・・・
今度は、唇に口づけをした。
甘い香りにクラッとする。首筋に華奢な鎖骨に口づけを落とす。
器用に、浴衣をほどき、小ぶりだが、形の良い乳房を揉みしだく。中央の赤い果実を親指でそっと触れると、何とも悩ましげな表情で「あっ」と、小さく声をあげる。今度はその果実を口に含み、舌で転がす。
布美枝をそっと倒し、太股の間をまさぐる。溢れ出た密は、すでに茂を受け入れる準備をしている。本当は、全身をもっと愛撫したいが、甘い香りのせいか、我慢の限界だ。そそり立つ茂の分身を布美枝にあてがう。
静まりかえった部屋に、パンパンと打ち付ける音、お互いの息遣いが響く。
愛おしくてたまらない。その表情も声も・・・・。「うっ」限界がきた。しばらくは、お互い結合したまま抱き合った。
「これからも・・・・よろしくな」


すみません。何か書いて見たくなりました
スルーしてくれ〜






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