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【朝ドラ】ゲゲゲの女房でエロパロ【昭和のかほり】



1 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/05(水) 12:07:38 ID:wXoQLilw]
なさそうなので立ててみた

116 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/24(月) 02:17:13 ID:FBxNcj6n]
エロくないうえに
方言おかしいし誤字脱字すみませんorz

普通、大晦日に餅つきしないし…とか自分で突っ込みながらも
本家のスレに水木先生が饅頭つついて点数言ってたってエピみて
ちょっこし書いてみたくなって
テキトーにかいちゃいましたw

117 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/24(月) 08:41:22 ID:b1NnqZBk]
>>116
乙!可愛い二人に萌えた
茂は姫初めする気満々だな
そして布美枝の胸に何点つけたのか気になるw


118 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/24(月) 16:36:02 ID:PuTep2LD]
遅レスだけど>>102->>105
布団入る場面の辺り、ニヤけながら見てたわ
なんだこの喋ってるだけで萌える夫婦

119 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/24(月) 21:58:45 ID:wRKQyCkU]
>>116
だんだん!
可愛いやりとりにニヤニヤしながら読んだw

120 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/25(火) 18:52:31 ID:zk1OkMBQ]
本スレで茂はフミエの笑顔を見るのが好きなんだねっていうレスがあって
なんだかそれに萌えてしまった……w
そう考えると確かに茂は車で初めて調布に向かう時とか鬼太郎の本ができたときとか
喜んでるフミエの顔を凄く満足そうに見てたような気がする!

121 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/25(火) 20:36:33 ID:hpJeGGLH]
>>120
だから源べー襲来の時、鬼太郎の新刊見せて布美枝が上の空だった時のイジケっぷりがw

122 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/26(水) 00:42:39 ID:99bKLRW0]
>>121
あぁ〜あの「なんだ!ちぃとも喜ばんで…ブツブツ」って場面ねw

拗ねゲゲルも良いよね〜フミちゃんに甘えてるみたいでw
40男が10も年下の嫁さんに人知れず甘えてる図…萌w

火曜は頭でイチャコラしておいて
尻は言い争いでズドーンと落とされて…体がもたんよ(´Д`;)
早く仲直りエチーでもすればええのに!ry

123 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/26(水) 01:35:28 ID:T+Qy6tT0]
というわけで>>122さんが仲直りエチー補完を住人の心身安定用に落としてくださるのですね
分かります


124 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/26(水) 23:53:07 ID:GRdhOi1F]
今日も我慢は続く・・・
はぁ〜〜



125 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/27(木) 01:41:42 ID:xrZ2+aae]
そげですねぇ…辛いねぇ…
でも、きっとフミちゃんの方が何倍も辛いんだよね…
最後の涙目カット…可哀相で可哀相で堪らんかったわ

唯一ひっくり返ってたゲゲルのとっくりセーターの襟を
直してあげてたシーンは良かったなぁ…

盛り上がる為だとはいえ、夫婦の中がギクシャクしてると
その日一日沈みがちな自分がおる
どんだけゲゲゲにハマってるんだか…

126 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/27(木) 02:24:49 ID:B4OT7NkN]
>>125
全文同意!(特に最後の3行)

ドラマはハマッてるけど、最近本スレつまんなくなってきた(今辛い状況だから余計に)
調布にきたばかりの時は辛い状況でも、本スレはある程度楽しんで読めたんだがな

127 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/27(木) 16:11:30 ID:xty/5zzw]
>>120
ラジオ買ってやった時にフミエが喜んでる顔を見て
茂も嬉しい顔になってる場面も加えてごしない

128 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/27(木) 22:11:04 ID:C2Duqa/M]
さり気なく検索してみたらこんなスレがあるとは‥
いろんな意味で2ちゃんて凄いねww

いや、しげーさんとふみちゃんには萌えますがww

129 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/27(木) 23:41:13 ID:4JLuM6+B]
ゲゲは本当はフミちゃんを不安にさせたり、ガッカリさせたくなかったんだね
ゲゲはフミちゃんの笑顔、喜んでる顔をずっと見ていたいんだね・・・

不器用な愛情表現しか出来なくても、フミちゃんにはちゃんと伝わっているからね

130 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/28(金) 18:58:22 ID:zcZIB0Ft]
えぇこと言った>>129さんには
砂糖たっぷりの湯飲みコーヒードゾー つ□

自分爪切りイチャイチャがいまだに脳裏に焼き付いとる…
本スレでも何回か話題になってる
しげぇさんのやや伸び気味な髪も
手先の器用なフミちゃんがカットしてあげたらええのに…

(そ〜っと前髪切りつつ)
「あっ動いたら危ないですけん、じっとして!」
「こわ〜髪なぞ切らんでも死なん!」
「漫画描くのに邪魔になるから、いけんですよ」(ちょきちょき)
「うぐぐ…」(漫画の事を出されると弱い)
…的な。長文許してごしない。

131 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/28(金) 19:15:35 ID:zcZIB0Ft]
↑と、言うか全然エロじゃないね…すんません
ちょっこし表に立っちょります…

132 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/28(金) 20:01:46 ID:6vs8g5La]
>>130
可愛い!GJ!
そのシーン是非やってほしい!
床屋に行く金ももったないだろうしw

この前、本スレで
「結婚記念日の手作りプレゼントは可愛いフミちゃんについてくるオマケのような物だ・・・」って書き込み読んで
それに妙に萌えてしまったww

133 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/28(金) 22:20:42 ID:9BkKokyy]
ここの小説wktkしながら一気に全部読みましたが禿しく萌えますた‥
職人様皆文章上手だなあ
自分も何か投下したいけど
肝心のネタが思いつかないのでちょっこし考えてみます
ふみちゃんが妊娠〜赤ちゃん誕生の辺りの話放送されたら
その辺りで書けたら書きたいなあなんてw

ふみちゃんは本当に心からしげーさんを愛しているんだなあ
しげーさんも口には出さないけどちゃんとふみちゃんを大切に思ってるし
在り来たりな恋愛話よりこの2人のお互いをちゃんと思い合ってる関係の方が
全然萌えられますw
ええですな、ほんにこのドラマは

心優しい二人に幸あれ。

134 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/29(土) 00:25:17 ID:TlpoK/77]
>>133
楽しみに待ってま〜す♪♪



135 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/29(土) 02:12:22 ID:HyDTG6BA]
>>133
健闘を祈るッ!! ('Д')ゞ

136 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/29(土) 12:56:45 ID:C6EfRjoD]
茂とフミエの会話の噛み合わなさにも萌えた自分にビックリだorz
フミエが真面目な相談してるのに自分の漫画で笑う茂は可愛いだろ…
さらにはそんな茂を見て仕方ないなあと思いながら笑うフミエはもっと可愛い
あれで萌えるなというほうが無理があると思うわw

137 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/30(日) 22:42:57 ID:ZUrtZ+cU]
一日に何度もこのスレ覗いてしまう・・・
ドラマでは描かれなかった二人の(ソフトな)エチシーンが見たいわ

138 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/30(日) 23:57:54 ID:SatNF+Zu]
今日、親が「ゲゲゲは安来編が傑作だった」と親戚に熱弁しているのを聞いて
二人一緒の萌えシーンが多いほど、神回になってる自分は
「いや、アシスタントと自転車が最強だろ!」と反論したかったが
思わず押し黙ってしまった・・・
こんな自分が嫌だorz

139 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/31(月) 00:37:05 ID:rxhQvEVp]
アシスタント最強!!
頭よしよし激萌え

140 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/31(月) 01:41:35 ID:d3GSiL8G]
第8週【父の上京】
第45回の夫婦喧嘩をパロッてしまいましたw

141 名前:砂糖菓子1 mailto:sage [2010/05/31(月) 01:44:38 ID:d3GSiL8G]
「ぅん…だけん、うち(境港)の方には黙っとれ!ええなっ」
「けど…贈り物までせんでもええじゃないですか」
「…んっ?」
「キャンディーなんて…よっぽど儲かっとるみたいに…」
「たかがキャンディーでなにいっちょる」
「たかがですか!?あげな高級品うちでは買ったことないですよ!!」
「うるさいっ!!みみっちい事言うな!!」

互いにそっぽ向き背中合わせになる二人
気まずい空気が流れる中、布美枝は…
(あぁ…こげなハズじゃなかったのに…たぶん今夜は…
ほんにチヨちゃんに見栄を張った罰かもしれん…)

茂も…
(なしてこげな事になった…新刊見せたら喜ぶ顔が見れると思ったんじゃがなぁ…そのまま久々に…と…
じゃがこっちから折れん!………だがなぁ…)

(はぁ…どげしょぅ…喧嘩したまま夜過ごすなんて耐えられんわ…
言い過ぎたのは自分でもわかっちょる…でも、このまま謝るんは…ちょっこし癪…でも…)

142 名前:砂糖菓子2 mailto:sage [2010/05/31(月) 01:47:37 ID:d3GSiL8G]
相変わらず互いに背をむけたまま
何か意を決した布美枝が
「わ…わかりました…」
「………」
「境港には心配かけたらいけんのですね?」
「ん…だな…」
「本当の事言ったらいけんのですよね?」
「だらっ!何が言いたい?」
「そ、そ、そげでしたら口止め料ください!」
突拍子もない布美枝の物言いに茂は思わず振り返る
「……なんじゃそりゃ!金などなぁぞ」

内心動揺していた布美枝だが茂に悟られまいと、しれっとした顔でくるりと振り返り真っ直ぐに茂を見やる
「それは、よぉーく知っちょります…お金の事じゃありません!私が口を滑らさんよう、口止めしてください」ニッコリ

「なに言っちょる?」
「目には目を。歯には歯を。口には…と言うではなかですか」


「…?…………………!
だ!だ!だらすがっ!!!なに阿呆なことゆーちょる!!!」

「じゃぁええです。調布の拡声器になるだけですけん」
「……………ふがっ」
「お義母さん境港から飛んでいらっしゃるかもしれませんねぇ」
布美枝は最後の仕上げとばかりに目を閉じて顔を少し上げてみる

143 名前:砂糖菓子3 mailto:sage [2010/05/31(月) 01:52:00 ID:d3GSiL8G]


「ぐっ…」『しげーさん!!どげなっとるか!きぃーちり聞かせんしゃい!!』
ドアップで詰め寄るイカルを思い浮かべあまりの恐怖に思わず身震いする茂

ブルブルブルッ
(うぅー…イカルが飛んで来るくらいなら…まー減るもんでもなし
よしっ!ここはビシッと)


(これ以上はまた喧嘩になるけん…ここらで…)
そっと目を開けた瞬間
布美枝のふっくらとした唇に
優しく温かい茂のそれが押し当てられ
「!!」驚き目を見開く布美枝

体を放しながら目を開けると
目を見開いたまま固まっている布美枝と目が合い心臓が飛び出しそうになる茂
「なななにしちょる!あんた目ぇ開けてたんか!!こ、こげな時は目ぇ瞑るんがえちけっとじゃろが!!」

「すすすすみません!!まさか…あの…本当に…あの…その」
「だらっ!あんたがしろ言うたじゃ!」
「そそそげですね」


「………………………」
「……………………」




144 名前:砂糖菓子4 mailto:sage [2010/05/31(月) 01:54:44 ID:d3GSiL8G]

互いに顔が赤いのがわかり
言葉が続かず先程とは違う気まずい空気が流れる


「…っん…だっ…ふ風呂…!風呂沸かして来い!」
「えっ…!…あっ!はっはい…ただいま」

急いで立ち上がり部屋を出た布美枝だったが
何を思い立ったのか襖からちょっこし顔だけのぞかせながら
「あの…ちょっこしええですか?」
「なんじゃ?」

布美枝は人差し指で唇をさすりながら
「……うちにはキャンディーはありませんけど…」
「………」
「その…もっと甘ぁい砂糖菓子があるんだなぁとそげに思ったんです」
「☆@!〜※〆♀〒≡!!!」
「つ、つまらんこと言いました!
お、お風呂沸かしてきますね」
急ぎ足で逃げる布美枝


しばらく呆然としたまま固まる茂だったが
(うちの嫁なに言っちょ……ぶっ…)
ぶはははははっ…くっくくっ
(金のかからん砂糖菓子か…こりゃええ!なかなかおもしろい事言う)
あはははっ
「今夜はたんまり腹いっぱい砂糖菓子食わせてやる!覚悟しとけ」



ちゃんちゃん♪



145 名前:砂糖菓子―おまけ― mailto:sage [2010/05/31(月) 02:00:06 ID:d3GSiL8G]
第9週【私、働きます】
第52回より


―――数ヶ月後―――
「これ♪飲んでいただきたくて」
「コーヒーか!珍しいな!いつもは節約節約言っとるくせに」
「一生懸命働いてくださっとるんですけん。これぐらいいいかな〜と思って。
淹れましょうか。
あー…風邪の時にコーヒーはいけんかな」
「ええぞ!俺が淹れる」


「あっ私はええです!」
「なんでだ?」
「コーヒー豆ちょっこししかないですけん、あなたが飲んでください」
「ええけん、飲め。
砂糖はいくつだ?」

「本当にええです。あなたのコーヒーですけん」
「遠慮するな。あんたも嫌な思いして原稿料もらってきたんだろ」
「えっ…」
「もひとつ入れるか?」

布美枝は涙が溢れるのを堪えきれず、そっと茂に背を向け涙を隠そうとする
茂は、そんな布美枝の背中を見て
「こりゃ相当言われたな?」
「………………………………あの…わがまま言ってもええですか?」
「ん?なんじゃ?」
「コーヒーに入れるお砂糖よりも…もっと甘い…砂糖菓子が……ええです」

146 名前:砂糖菓子―おまけ2― mailto:sage [2010/05/31(月) 02:02:55 ID:d3GSiL8G]
「………!¥℃∞≡♪∇★*……………あ…アレか?」
「…………はい…駄目でしょうか?」

「…………………………………………………………ええぞ」

その言葉にくるっと振り返る布美枝
涙目だったはずが、パッと花がほころぶような笑顔に変わる
茂は、この笑顔にこの上なく弱い

布美枝の肩に優しく茂の手が置かれ、そっと目を閉じながら
「こうゆう時は、目ぇ瞑るんが『えちけっと』でしたよね。クスクス」
「だらっっ!」

そっと顔が近付く2人…
唇が触れ合うまで、あと少し……


――ガタンッ!



ちゃんちゃん♪


147 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/31(月) 02:08:38 ID:rxhQvEVp]
おおお
夜更かしの甲斐があった〜

LLIVEで楽しませてもらいました!!

148 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/31(月) 02:29:43 ID:d3GSiL8G]
>>147
ありがとうございます!
恥ずかしいですが
そう言っていただけると嬉しいです♪

日曜は放送なくさみしくて、あれこれ録画したの見返してたら
萌え満載で思わずw

149 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/31(月) 14:40:02 ID:VMIvOzfd]
>>140
新作キテター!!
貴方が神ですか(*´Д`)ハァハァ 
ちょっこし小悪魔ふみちゃんもええですな
そんなふみちゃんに振り回されるしげーさんにも激しく萌えましたw
GJです

150 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/31(月) 20:21:27 ID:jlZdJP28]
>>140
ありがとうございます!
ふみちゃんが襖からちょっこし顔を覗かせる辺りから特に激萌えしましたw

151 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/01(火) 01:34:27 ID:CvgE3jxN]
>>140
職人様だんだん!
いやぁ〜フミちゃんカワユスw
この二人のイチャコラをずっと見ていたいなぁ

152 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/01(火) 21:40:43 ID:ErnLAT6w]
>102-105の続き
規制に巻き込まれて随分遅れてしまった
苦戦が続きますなぁ

自分で書いといてなんだけど
このふたりは非エロの方が個人的には萌えるんだなぁ
そのせいで毎日毎日追っかけて観たくなる朝ドラは初めてだw


153 名前:5 mailto:sage [2010/06/01(火) 21:41:28 ID:ErnLAT6w]
いくら触れて確かめても、不思議でならない。女の体は不思議なことばかりだ。
どうして、何のためにこんなに柔らかいのだろう?
同じようなもんを食っているのに、どうしてこんなに滑らかな肌なんだろう?
同じ石鹸、同じ湯船に漬かったはずなのに、妙に甘い香りがして、
いくら嗅いでも嗅ぎ足りない。
横座りのままその首筋に顔を埋めて、寝巻越しの腿、尻に手を伸ばす。
ちろりと舌を伸ばせば、フミエの肢体がびくりと震え、
茂を抱き寄せた腕に力がこもる。
潜り込むように首筋からたもとに頬を滑らせ、後ろ手に帯を解く。
着やせするその胸の突起に張り付いた浴衣地は、いくら顎を左右にうねらせても
執拗に張り付いたまま。
茂が焦れて布美枝の名を呼ぶと、以前教えた通り従順にそっと浴衣を開いた。
舌を滑らせた突起が硬くとがり始めていたのは、
肌寒さのせいか、それとも…?
頼りないほど危うい柔らかさの乳房に吸いつくと、頭の上から布美枝の噛み殺した
吐息が下りた。
「……っ」
母乳が出ているわけでもないのに、酷く甘く感じる。
柔らかな乳房を夢中になって吸いついてしまう。
やがて掻き抱いていたフミエの腕が縋るように強く強く茂の肩に沈み、
執拗に吸いついていた胸は、不規則に浅い息を繰り返し出した。
「……寒いか?」
布美枝はきゅっと唇を縫い縛ったまま、首を左右に振るう。
むしろ熱いのです…とは言えず、切なげに眉を八の字にしていた。

154 名前:6 mailto:sage [2010/06/01(火) 21:41:48 ID:ErnLAT6w]
スタンドライトだけの薄暗い室内。
茂は布美枝がどんな顔をしているのか気になり、にゅっと首を伸ばしたが……
「?」
左肩に妙な突っかかりを感じ、引き止められるように視線を落とす。
よくよく見ればだらりと下りた左袖を布美枝が必死に掴んでいて、毛糸も伸び伸びだ。
そんなに耐えるほど、だったのだろうか。
不意に頬を合わせると、しっとりとした布美枝の柔らかな頬は酷く熱く火照っていた。
思わず茂の口端が上がる。
「お前はいつまでもベイビィちゃんなんじゃの」
「……っ」
かかかっと朗らかに笑い出し、セーターを脱ぎ捨てる。
「な…何がおかしいんですかっ」
「ははっ。お互い、花も恥じらう若人っちゅうわけでもないじゃろ?」
「でも…」
「好ければそう言うてくれなきゃわからんけん」
「……」
「えぇならえぇ、いやならいやと、教えてくれ」
そんなこと言われたって…と尖らせた唇が覆われる。
口づけを交わすうちに布美枝は段々と現実感を失っていくように思えた。
やがて崩れ落ちるようにその身を覆い被されて、なにも考えられなくなってしまう。
「……ぁ」
離れた唇から吐息交じりの甘い声が落ち、布美枝は我を取り戻して手の甲を宛がう。
……上には中森がいるのだ。
いくら夜更けとはいえ徹夜も常の漫画家。起きていないとも限らない。



155 名前:7 mailto:sage [2010/06/01(火) 21:42:41 ID:ErnLAT6w]
「ん…っ」
武骨な指先が蕩け出した花芯をまさぐり出す。
興味深いのか研究熱心なのか…。感触を確かめるように繰り返される執拗な愛撫に、
布美枝は手を食んで身をしならせるしかなかった。
不意に茂の眼鏡の縁が少ない光を反射して輪郭を浮き彫りにしては、消える。
どこか冷静に観察されているような気がして、ますます眉根を寄せた。
「……っ!」
びくくんと身をしならせても、指の蠢きは止まない。
布美枝は喉元にぐっと声を押し殺して、硬直した身で必死に首を左右に振った。
「? どげした?」
「……っっ」
茂はちらりと布団の中を覗き込んだが、辺りが暗すぎて己の手の先は見えない。
けれどその感触を確かめるように水音が鳴り、
「おぉ…よく濡れちょる…」
「! な……っ、そ…そげなこと…」
布美枝が耐えきれず力任せに茂の肩を抱き寄せると、バランスを崩してその身の上に重なった。
上下する胸の上、布美枝の噛み殺した声が届く。
「そげなこと……言わんで、ください…っ」
「だけん、ちゃんとせんと。あんたが痛い思いを…」
「言わんでください…っ」
あまりに必死に抱きついているので、茂は不思議そうな顔つきのまましばらくじっとしていた。
息を整える間、ふたりの間に沈黙がおりる。
布美枝は、初めての時にあまりに驚いて痛みを堪え切れなかったことを、
茂がまだ覚えていることが恥ずかしくて、忘れて欲しくて、
ぐるぐる回って混乱気味にぎゅっと目を伏せ口を開いた。


156 名前:8 mailto:sage [2010/06/01(火) 21:43:01 ID:ErnLAT6w]
「好えです…から……」
「ん?」
「痛くなんて…ありません。ちゃんと、好えです…」
言ってしまってから、これではまるでよがっているように思われると、
ますます顔を赤くした。
「ほぉー…そうか」
「あ、あの…。そう…じゃなくて……。だから…」
「だら。ごちゃごちゃ言うのを聞くほど、こっちも余裕はないわ…」
内ももをなする茂の手の合図は、充分に教えこまされている。
茂に不便がないよう、協力するのは女房の務めだと日々思ってはいるが、
自ら待ち受けるように膝を割り、両足を広げるのはいつまでも慣れない。
「ほれ。ちゃんとせんと…おかしな処へ暴発してはいけん」
「…はいぃ…」
身を震わせながら膝が開かれる。
幾度体を重ねてもいつまでも恥じらいを捨て切れない姿に、
茂は照れ隠しに告げる戯言も失った。
角度を上げた高まりが熱い肉襞に滑り込んでいく。
まさに極楽浄土の感触に、茂は喉元を引き攣らせて早腰を打った。
「んっ…んぅ……、んん…っ」
押し殺し切れぬ喘ぎが鼻から漏れ、布美枝は無意識に縋るものを求めて、
茂の腰に手を回した。
「わっ」
がくんとバランスを崩し、肩肘で身を支えると、より密着したせいで
茂の下腹が布美枝の恥骨を擦り立てた。
「ああっ!」
思わず上げた声に「いけん!」とばかりに、茂の右腕が布美枝の頭を回り、
その唇を重ねて口を塞いだ。
「んっ…んん、ん……っっ」
抑えられても身をよじっていた布美枝の肢体から、急にふっと力が抜け落ちる。
やがて茂も限界を迎え、息を詰めて昂りを吐き出した。


終わり

157 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/01(火) 22:08:29 ID:ctw2Xpxp]
GJですけん!!
鮮明に情景が・・・ハァハァ

158 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/01(火) 22:15:07 ID:A5kn6XOL]
だんだん!だんだん!

空気のような中森さんの顔がやたら青白かったのは
夜ごと階下の秘め事に聞き耳を立てて眠れなかったからか
いっそエロ漫画家になっていれば……

159 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/02(水) 01:25:12 ID:IYKLKX3r]
>157-158 レスありがd!
調子に乗って、プロバ規制中に書いてたものも投下します
我慢しているのは中森さんだけじゃないかもというお話

またすぐ規制されるかもしれないけどいつもこのスレロムって楽しんでます
萌えもエロでも盛り上がるといいなぁ

160 名前:ひとりでできるもん1 mailto:sage [2010/06/02(水) 01:25:52 ID:IYKLKX3r]

締切の押し迫るある夜更け。
茂は悶々とペン先で一点を突いたまま、その手が動くことはなく、
ぼんやりとカレンダーを見つめていた。

(……あと三日ほど…だろうか……)
斜め下に視線を走らせれば予定の締切日のしるしを思い出し、
ブルブルと頭を振って再び机に目を戻した。

「だらぁ…。今はそんなこと考えてる暇はないのだ」
意に副わぬ流行りもの漫画とはいえ仕事は仕事。
請け負ったからには描かぬわけにはいかない。
集中して筆の走るままにアイディアを描いてはみても、
いつの間にやら怪しげな女体が表れた。

「!」
慌てて紙を丸めて床に落とす。
「いかん、いかん」
筆の音が止まったのを見計らったように、襖越しに呼びかけられた。

「あの…。お茶が入りました」
「お、おぉ…」
遠慮がちに襖が開き、布美枝が微笑みかける。
「何かお手伝いすること…ありますか?」
「ええ。……まだ起きとったんか、もう遅い。先に休め」
「けど…」
「ええったらええっ、集中できんっ」

つい語気を荒げてしまうのも仕事に熱中するあまりのことと、布美枝は知っている。
「すみません。それじゃ…お先に」
「ん」
居間に戻ってしまってからも、布美枝の声が耳から離れない。
朗らかな笑い声もいいが、ちょっこし消極的な小声も堪らなく健気でいい。
邪魔にしているのではなく、気になって仕方がないから、気が散るのだ。

(参ったな…)
悩まされているのは迫りくる締切ではなく己の煩悩。
こんなことは今までなかった。
それはあの甘美な柔肉の味を知ってしまったからか…
それでも半週も前からお預けを食っているからか…
(全く。毎月毎月…ちゃーんと忘れず訪れるものなのだなぁ…)
茂にとっては奇妙な女体の神秘に、深くため息をつくしかなかった。




161 名前:ひとりでできるもん2 mailto:sage [2010/06/02(水) 01:27:07 ID:IYKLKX3r]

月のこの時期に、それが布美枝の身に訪れるのを知ったのはいつだっただろう。
数度体を重ねてからというもの、布団に潜り込めば抗うことなく従順に夫に従うのは
夜の営みでも変わらぬ布美枝だったが、ある夜、頑として身を交わされた。
『…いけません…っ』
『は?』

口に出すまでもなく、茂の顔にハテナマークが浮かんでいたのだろう。
布美枝は『あの…そのぉ…』と口を濁すばかりで、はっきりと理由を言えない。
『どげした。嫌…なのか?』
『え……』
嫌だと言えば嘘になる。けれどいいと言って自ら誘うような真似もできない。

『……照れとるのか? 何を今更…』
『違います…っ。だから…今日は……その…』
覆い隠すように自らの両肩を抱いていた手が下腹へと降りて、手を重ねる。
茂ももう四十路の男。流石に口に出すのは憚られたが、
女の体に月の周期があることぐらいは知っている。

『あ…。そうか、そうか…』
どんな顔をしていいか分からず、茂はかかかっと笑った。
あまりに奔放な笑い声に、布美枝はふと不安になって顔を上げる。
『違いますっ。下しているのではないですよ…っ』
『分かっとるわ』

しかし夫婦ともなれば知らぬ存ぜぬで目を背けてばかりもいられない。
こちらの下半身にもイロイロと事情がある。
『こほん。それで…いつ頃まで…だ?』
『はい?』
『だから。一週間ほどと世にいうが…』
『はい…。そげですね…』
無意識に指折り数えているのをちらり見る。
『月によって違いますけん…。たぶん、週明けには…』



興味のないことにはからっきしの茂であったが、その時からこの時期を忘れることはない。
よくよく注意して見れば確かにその時期には布美枝の様子は異なっていた。
それとなく接触を避けるようにしたり、少し厚着をしていたり。
不自然な時間に人目を避けて洗濯しているのもそのせいなのだと知った。
(仕方ないことだけん、分かってはおるが…)
理性と本能は時として相反するもの。
茂は治まりの利かない身を揺すって、じっと襖越しの居間に耳を澄ました。

(……もう…眠ったろうか…?)
このまま悶々とやり過ごすことも敵わず、茂はペンを置いて股ぐらを寛がせた。

162 名前:ひとりでできるもん3 mailto:sage [2010/06/02(水) 01:28:17 ID:IYKLKX3r]
(そういえば。これも久しぶりだな…)
やはり一人で過ごしていた頃とは違い、家にはいつも布美枝がいる。
それにこうして自分で慰める必要もなく、床を共にするのが常だった。
しばらくは互いに不慣れで、うまくいかないことも間々あったが、
いつしか布美枝も行為に慣れてきて…

(ああ…。いっぺん、上に座らせたことがあったなぁ…)
茂が胡坐をかいた上に跨るよう告げると、目を白黒させて驚いていた。
しかし急くように強請る茂の「ええから」という言葉に逆らうことはできず、
向かい合わせにぎゅっと茂の肩に抱きついた布美枝の身は羞恥に震えていた。
先端が擦れ合うだけでもびくりと跳ねて、自ら誘うように腰を下ろすことはできず、
結局茂が導くままに片尻を掴み下ろされて、繋がり合った。

(…子猫のように鳴いとったなぁ…)
しばらくは茂が突き上げるに任せていた布美枝も、根が器用なのかこつを覚えたようで、
茂の肩にしがみ付いたまま腰を揺らめかせていた。
その度に目の前の乳房も揺らめいて。
堪らず茂が吸いつけば、驚いたように「きゃっ」と声を上げてしまい、
上の住人を気遣って慌てて口を塞いでいた。

まるで映像のごとく甦るのは、茂のイマジネーション豊かな才でもあるのか。
押し殺した布美枝の喘ぎまでも耳の奥に思い出されて、
上下する手は速度を増した。

「……あの」
「!?」

襖越しの声に茂は息を詰める。
今にも放出しかけた己を握る手も止まった。
「まだ…寝てなかったのか」
「……はい。今夜は冷えますけん、どてらを」
すすっと襖が開き、茂は慌てて大きな背を丸めた。
「ええっ!」
「でも、体を壊しますから。あ…火鉢の火が消え…」
「自分でやるからええ! 一人にしてくれ」

あっちへ行け、とばかりに睨みつけられ、布美枝は口を尖らせた。
「……火鉢の用意くらいさせてください。邪魔はしませんから」
「一人でできるっ。ええから…」
「そんな…。そんなこと言わんでください」
「ああ?」
布美枝は切なげに眉根を落とした。
「そりゃあ…大事なお仕事ですけん。一人で頑張っとってのことでしょうけど…。
少しでも…いいですから、手伝わせてください。二人で…頑張りたいんです」
茂は叫びだしたいのをグッと喉もとで耐える。

(こっちだって、二人で頑張りたいわっ! それがこん週はできんのだろうが!)

163 名前:ひとりでできるもん4 mailto:sage [2010/06/02(水) 01:29:01 ID:IYKLKX3r]

「あら?」
描いては捨て描いては捨てしてきた煩悩丸出しの落書きに手を伸ばされ、
茂は慌てて紙くずを取り返した。
「ええからっ。あっちへ行け!」
「は…はい。ひゃっ!」
「ん?」
開いた股ぐらが目に入ったのか、布美枝は顔を手で覆って振り返った。

「あっ! いや、これは…」
「い…いくら仕事に集中されていても…。お手洗いはちゃんと…行ってください」
「は? だ…だらぁ、小便ではないわっ」
「はい? でも…」

「……。あ…あぁあ、もうええ!」
焦燥感に耐えきれず、茂は布美枝の手を引いた。
「ひゃ、な…何……。ん…」
長い片腕は布美枝の首筋からたすき掛けのように背を羽交い絞めに抱き寄せることも容易だ。
不意打ちに唇を合わされて、布美枝は息も整えられず身を硬直させる。
お構いなしで吸いつく茂のペースに押されて、布美枝の唇が弛緩していくと、
隙を見つけて茂の舌が伸びた。

「ん…んぅ……」
鼻から漏れる甘い声は、口づけの合間、不意に唇が開いた時には明確に漏れる。
やはりイマジネーションよりもずっといい。
耳心地のいい声に煽られて、茂はますます胸を弾ませていた。

「……はぁ…。あんた…手伝うと、そう言ったな」
「…は…はい…?」
まだ夢見心地で息も整わぬまま答える。
「二人で頑張りたい…と。そう、言ったろう?」
「はい。言いました」
「わしは、一人でできる。そう言ったのに、手伝うと言ったのはあんたの方だ」
「はい…?」
「いくら女でも。言ったことに責任は持たんがいけんな」
「はい」

顔突き合わせた茂の形相は鬼気迫るものではあったが、
まるで先生に道徳の説教でも受けているような言葉に、思わず布美枝は吹き出してしまう。
「何だ?」
「ふふっ。そんな当たり前のこと、そげん顔して言わんでも…」
何を手伝わされるのか、まだ分かっていないのだろう。
まだ暢気に肩を震わせて笑っている布美枝に頬を寄せ、くすぐったそうに首をうねるのも
構わず、茂は囁いた。
「それじゃあ…ちゃんと、手伝ってもらおうか」
「はい…? あ…」
茂の手に導かれて、指先が強張りに触れる。


164 名前:ひとりでできるもん5 mailto:sage [2010/06/02(水) 01:29:42 ID:IYKLKX3r]

「あ…あの。えっ…?」
「ほれ、ちゃんと掴んでみい」
「あの、でも…私……。今日は…まだ……」
「分かっとるっ。だから…。だから、一人でできると言っとったんだ」
「え? 一人…で、って??」
布美枝にとっては分からないことだらけだったのだろう。
けれど説明している暇はない。
すでに強張りは角度を上げ、先端が濡れ照るほど切羽詰まっていた。

「こうして、掴んで…だな」
「はいぃ…」
これは仕事と関係あることなのか。いやそんなはずはない。
混乱するままに布美枝は茂に手を添えられて、脈打つ昂りを上下に扱き始めた。
「…もうちぃっと…力を入れてくれ」
「でも…。痛くは…ないですか?」
赤ん坊の手首とも違う、蒟蒻とも違う、奇妙な感触。
扱くほどに茂は苦しげに息を詰めるから、何かへまをしないか心配になってしまう。
「痛くなどない。ほれ、早く…」

先を促す茂の言葉に、布美枝はひとつ頷いて覚悟を決める。
その覚悟はそのまま姿勢に表れて、きちんと背筋を伸ばして正座に座り直した。
「……っだら。そんなに真剣に…。華道や茶道ではないのだぞ」
「は…はぁ」
かと言ってどういうふうにしたらいいのかなど布美枝には分からない。
正直、茂にだって分からない。

「……」
茂は布美枝の手から離れて、浴衣の合わせ目に指を伸ばした。
「…あ……、いけんよ…。よして…ください」
「ちぃっとぐらい、サービスじゃ。サービスしてくれ」
分からないな…と、布美枝は首を傾げても、その手は止まらない。
袂がたわみ柔らかな乳房に手が伸びると、堪らない感触を求めて茂の手が蠢いた。
「……んっ…いけんよ…」
「ん? よもやここからも血が出るわけではあるまい」
「な…っ。当たり前ですっ」
「おぉ…」
頭には血が昇るのだなと、茂は感心するように頷いた。
しかしあまり怒らせても歩が悪い。
袂を開いた手を脇に回し、布美枝の身を寄せた。



165 名前:ひとりでできるもん6 mailto:sage [2010/06/02(水) 01:30:14 ID:IYKLKX3r]

「…あ…」
「そのままでええ…。ちぃっと…味見だ」
言うや否や茂の舌が胸の頂をぺろりとなぞる。
肌寒さのせいか既に尖り始めていた赤い蕾に吸いつくと、布美枝は唇を縫い縛る。
柔肉の谷間を渡るように左右行き交えば、強張りを掴む手の力が弱まってきて…
「……ほれ。ちゃんとせんと……これでは生殺しだ」
「……っ」
こくりと頷いて強く扱きあげられて、茂も息を漏らした。

奇妙な感覚だった。
されるがままだった夜の営みとは違う形とはいえ、掌にしっかりと茂の欲情が伝わる。
心なしか強めに握り上げれば不規則に息を詰めるのは、苦しいのではなくて
感じている証拠なのだろうか。
「…んっ……」
甘い疼きの走る胸の先を強めに吸いつかれて、思わず息を詰める。

同じように感じてくれているのだろうか。
布美枝は奇妙な嬉しさも感じて、優しく、そして時に強めに茂自身を掴んで上下した。
胸肌に茂の昂った吐息を感じる。
布美枝の手が速度を増すと、強張りもまた硬度を増した。

「……ふみえ…」
不意に顔を上げ、上気した視線がかち合う。
荒い息を噛み殺す唇、妙に火照った視線に布美枝はどきりと胸を弾ませた。
「は…い」
「……で」
「……はい?」
「…口で……して、くれ」

途端に顔を真っ赤にしたから、意図は伝わったのだろうか。
「え…。で、でも…そげんこと……」
「早う…っ」

166 名前:ひとりでできるもん7 mailto:sage [2010/06/02(水) 01:30:42 ID:IYKLKX3r]

切羽詰まった茂の声に弾かれて、布美枝はごくりと喉を鳴らし頷いた。
今にも果てそうなところを耐え、茂が顔をしかめると、
その頬にそっと布美枝の左手が添わされた。

(…ん……?)
目蓋を開けば、ゆっくりと布美枝の顔が近付いてくる。
布美枝からの口づけは初めてだったけれど…
(そう、ではない…)
精一杯茂の唇に吸いついて、柔らかな唇を押しつけてくる。
拙い口づけでは物足りない。茂は堪らず舌を伸ばして、
引っ込み思案な布美枝の舌を誘い出して絡めた。
その感触は充分に火照った下の口の感触を思い出させて、
茂はぶるりっと肩を震わせる。
(……だらっ…)

もうこれ以上の我慢は利かない。
茂は慌てて布美枝の肩を押して離れたが、布美枝はいつまでもその手を休めなかった。
「いけんっ」
「はい…?」
先端を覆うように手を伸ばし、布美枝の手が止まる。
「フハッ」
「?? あの…何かいけんかった、ですか?」
きゅっと握った布美枝の手に掴まれたまま、茂は迸った。

「……っ、はぁ…はぁ……」
「?? あの…」
数度痙攣した強張りは徐々に力を失い、二人の手の隙間にどろりと白濁したものが伝う。
「え…えぇから、早う拭うものを…っ」
「は? あ…はいっ」
机上のハナ紙を手に取ると、茂は布美枝からそれを奪うようにして背を向けた。

「??? …ぁ……」
気まずそうに背を向けて始末をしている背中を見つめていたら、
やっと布美枝も理解し始めた。
思い出せば「一人でできるっ」と睨みつけた姿は、思春期の青年が艶本を隠すような
幼さにも似ていて、思わずくすくすと笑い出した。
「……何だ」
そんな姿で低い声を出したところで、布美枝の笑いは止まらない。

「何がおかしいっ」
口を尖らせて振り返った姿に、布美枝は「すんません」と口では言いながらも、
その唇は笑みを消せなかった。
「ふふっ。…もう…二、三日の辛抱ですけん。堪忍?」
しなを作った甘い声はぞくぞくと耳に響くから、茂は思わずざんばら髪をくしゃりと掻いた。

「うるさい…っ。……ったく…、だから気が散ると言うとるのだ」
「あはは、あ……すんません」
押し殺すこともできず笑い顔を見せる布美枝に、茂が仕返しをするのは……
また週明けの話。


終わり

167 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/02(水) 03:09:26 ID:fsH5vaDl]
フハーッ!!
凄い作品が連続投下されとるー!
職人様だんだん!GJ!だんだん!

フェラーリを知らぬフミちゃんからのキッスが堪らんw
週明けのゲゲの反撃は猛烈だろうなw
…そっちも禿しく読みたいなぁ(´・ω・`)

168 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/02(水) 08:34:55 ID:SaBXvkTo]
>>159
乙!か、可愛ええw

茂お迎えに萌えて本スレに感想言う前にこっちに萌えを吐き出そうと思ったら
可愛い話にまた萌え転がされた!
萌え死にそうww


お迎えにきた茂にニヤニヤが止まんないんですけど!
茂は完全にツンデレだな
そっぽ向きつつ帰るぞって何回も言うな!
あまりの甘さにビックリしまくりですよ、もうホントに転がっちゃったよ

169 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/02(水) 12:59:40 ID:BRRwApJE]
職人様、だんだん!!
週明けのしげぇさんの反撃がほんまに楽しみですなあ

いよいよフミちゃんのおめでたも周囲に知れ渡り、
お祝いムードになってきたね〜。
上のほうでおめでた話書くといわれた職人さん、書いてごしない。

>>168
しげぇさんのポケットにはいったい何本バナナが入ってるんだろねw

170 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/02(水) 16:02:07 ID:EycXg9Ra]
皆さん力作揃いで凄いなぁ。

書き直そう… orz

171 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/02(水) 20:15:59 ID:agRRvdhl]
フハッ

172 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/02(水) 23:47:31 ID:zjZEJSuL]
>>152
だんだん!だんだん!

この2人は非エロの方が萌えるってのわかる。
今日の映画館デートの可愛いことといったらなかった
抱き合ったりとかしてないのに不思議だ

173 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/03(木) 00:23:52 ID:Vjy5dlFt]
でも、ちょっとは抱き合ってほしいなw

174 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/03(木) 00:44:56 ID:0K+0KLxE]
>>170
みんなちがって みんないい

待ってるけん
頑張ってごしない!

そして今日の(もう昨日か)バナナを食べる布美枝を見て
昼は公園で手土産のくすねたバナナを食べ
夜は布団で茂のバナナを頂くのですな
…と、思った住人は自分だけではないハズだ(ry



175 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/03(木) 00:51:32 ID:8tzM25mW]
実況で布美枝が食べてるバナナにモザイクかけたキャプがあったなw

176 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/03(木) 00:51:32 ID:0K+0KLxE]
いや、やっぱり夕餉に節約赤飯の豆を食べて
夜は茂が布美枝のお豆さんを摘んだり挟んだり擦ったり
舐めたり吸ったり弾いたりした方が可能性が高(ry

OKが2回も出てるIDだからって、ちょっこし調子に乗った
連投スマソ

177 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/03(木) 06:37:29 ID:5sd5PU50]
>>159
だんだん!
「子猫の鳴き声ってどんなだ?」と思って
つべで確認してしまったw
こうして聴くとエロいw

178 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/03(木) 08:36:55 ID:LX2evkWa]
>>162
こっちだって、二人で頑張りたいわっ!にワラタ

熊楠先生並の性欲をもてあます茂さんに萌え
仕返し版お待ちしとります
だんだん!

179 名前:浦木騒動1 mailto:sage [2010/06/03(木) 09:02:08 ID:Jb9JtShn]
萌えがなんとか文章にまとまったので投下します。
非エロです。


布美枝が夕ご飯の支度をしていると、玄関の開く音がした。
「お帰りなさい!」
茂が散歩から戻ったのかと笑顔で振り返ってみれば、
「やっ。奥さん、ごぶさたしとります。
ゲゲは留守ですかな?」
「浦木さん!」
茂の腐れ縁の幼友達が我が物顔で入ってきて、断りもなくちゃぶ台の前に座り込んだ。
「いや〜、いい匂いですな〜今日の夕御飯はなんです?」
とあつかましく鼻をひくつかせている。
「うちの人はそろそろ帰ると思いますが…。
あの、よかったら、夕飯食べていかれますか?」
「おおっありがたい!旦那と違って奥さんは気前がええですな〜。」
布美枝は苦笑する。この傍迷惑な男はいつも問題を起こす悩みの種ではあるが、
なぜか憎めないのだ。
「そうそう、今日は奥さんにええ土産があるんです。」
と、浦木は後ろ手に持っていた一冊の本をだし、ちゃぶ台におく。
「じゃーん。この浦木がプロデュースした本です!」
「?何ですか?この本。えっと…妻の心得?」
浦木が持ってきた本は、薄紫色の表紙に黒で「妻の心得」とだけ書いてある、
布美枝にはあまり馴染みのない装丁のものであった。
しかし題名には心惹かれるものがある。
「これは…妻として、勉強になるような本なんでしょうか?」
「そう!まさにそうですよ〜奥さん!
 この本に載っている、ありとあらゆる手管を習得すれば、
 旦那大喜び!家庭円満!」
「あのっ、うちの人の役にも立つでしょうか?」
布美枝は勢いこんで尋ねる。
「もちろんですよ〜!ゲゲも喜ぶに決まってます!
 すべての夫婦に贈る、旦那の夢がつまった素晴らしい本ですよ!」
布美枝は期待に頬を染め、早速ページを捲ろうとした。

180 名前:浦木騒動2 mailto:sage [2010/06/03(木) 09:05:36 ID:Jb9JtShn]
その瞬間、
「おう、今帰ったぞ。」
「あっ、お帰りなさい!」
布美枝は開きかけた本を閉じ、夫を迎えるために立ち上がる。
「なんだ、浦木がきとるのか。突然どうしたんだ。
 …さてはまた何かたくらんどるんじゃないだろうな?」
茂が冷たい目で浦木をじろりと見た。
「たくらむとは失敬な。新しく作った本をお届けにきただけだ!」
と浦木は胸を張り、ちゃぶ台の上の本をビシッと指差す。
茂は本を手に取り、
「なんだ?妻の心得?」
不審気にパラパラと開く。
と、みるみる茂の目が見開かれ、布美枝が横からのぞきこむ前に、
本はバタンと勢いよく閉じられた。
「浦木〜!!!なんちゅうもんをもってくるんだ!」
それは夫婦の夜の生活、特に女性側の技巧や誘い方について懇切丁寧に書かれた、
図解入りの指南書であった。
「どうだ〜ええ本だろう。
 これで奥さんが勉強すれば、めくるめく夜が…って、おい!ゲゲ!何すんだ!」
「だらっ!余計なもん持ってきおって!」
茂は本を投げ捨て、片手で浦木の襟首を掴み、玄関へ引きずっていく。
「ちょ、ちょっと待てって!ゲゲだってうれしいだろ?
 奥さんがあげなこと、こげなことだぞ?」
引きずられながらも必死な浦木の言葉に、一瞬茂の動きが止まったかに見えた。
が、すぐに強制送還を再開し、器用に開けた玄関から浦木を放り出した。
「なんだよーゲゲ!お前だって今一瞬想像したでねーか!」
鼻先で閉められた扉に縋りついて叫ぶ浦木の言葉を無視し、
部屋へ戻った茂の眼に飛び込んできたのは、、
今まさに女房が件の本を開こうとしている姿であった。
「こらっ!そげなもん見てはいかん!」
「あっ!」
布美枝から慌てて本を取り上げ、玄関を開け、扉の前に座り込んでいた浦木に投げつけ、
「それ持ってはよう帰れ!二度と持ってくるなよ!」
乱暴に扉を閉め、鍵を掛ける。
「ああ〜、晩飯食べ損ねた…。ゲゲのやつ…一瞬迷ったくせに…あーのムッツリが…。」


181 名前:浦木騒動3 mailto:sage [2010/06/03(木) 09:08:11 ID:Jb9JtShn]
そしてその夜村井家では。
「なして私には見せてくれんかったんですか?」
「あげなもん、あんたには必要ない!」
「だって浦木さんがあなたも大喜びだって。夫の夢が詰まっとるって。」
「つまっとらん!」
「だけどちょっこしくらい見せてくれてもええでないですか…。
 何かひとつくらい参考になったかもしれんのに。」
「参考になどならん!」
「じゃあせめて、どんな本だったか教えてください!」
「そげなもん忘れた!」
ため息を吐いてがっかりする布美枝。、
「なしてそんなに気にするんだ。もうええだろ。」
「だって、少しでもあなたの役に立ちたいんです!」
子猫のようにキラキラと潤んだ目で見つめられ、茂は思わず目を逸らす。
「今だってこの目にこげに惑わされとるのに、下手になんか勉強されたりしたら、
 どげな事になるか…。」
横を向きブツブツとつぶやく夫の顔を、布美枝が下から覗き込む。
「?何か言いましたか?」
「な、何でもなぁ!とにかくこの話は終わりだ!仕事する!」
無邪気な目に更に動揺させられ、茂は慌てて仕事部屋に逃げ込んだ。

「まったく、あいつは妙に生真面目だからな…。
 あげな本を渡したら、必死に勉強して免許皆伝までいきかねんぞ。
 なんとか見せずにすんで助かった…。」
茂は胸を撫で下ろし、仕切り直しとばかりに原稿にむかったが、
どうも先程ちらりとみただけの図解と女房の姿が重なり、目の前にちらついてしょうがない。
「あげな本、普段はなーんにも感じんのに…。」
茂は机に突っ伏し、今夜は仕事になりそうにないと、浦木と女房を怨むのであった。

その頃、襖を隔てた隣では。
「もお、自分ばっかりみて、全然教えてくれんのだから…。
 よっぽど難しい内容で、私には無理だと思われたんだろうか。
 あーん、気になる!
 …そうだ!美智子さんに聞いてみよう!
 ええ本だったら店に仕入れてもらえるかもしれん。そうなったら貸してもらおう。」
隣で夫が悶々としているとも知らず、無邪気な女房は自分の思いつきに機嫌を直し、
ニコニコと壁の絵を見つめていた。
一反木綿は何故か、あーあ、と肩をすくめたように見えた。

オワリ


お目汚し失礼いたしました。

182 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/03(木) 12:28:36 ID:SAhFPi5e]
>>179乙!
とりあえず浦木GJすぐる!こういう浦木が本放送でも見てみたいw
美智子さんは本を仕入れてくれるのか気になるわぁ
ゲゲは何気に都合が悪くなると仕事部屋に籠るんだなw


183 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/03(木) 14:26:09 ID:tKpTGz1j]
>>179
あああ日々素晴らしい新作が拝めるなんて‥
本当に夢のようだよ父さん!
どこまでも硬派なしげーさんに禿モエスですw
理性と本能の間で葛藤する男性の姿には
何か胸ときめくものがありますなw

上の方でふみちゃん妊娠話書きたいと言ってたものですが
とりあえず今週の放送全話観終わるまで待っててごしない
語彙力も無いし文章も拙いですが
愛だけは込めて書きたいですw

184 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/03(木) 17:24:00 ID:+fiey7OH]
>奥さんがあげなこと、こげなこと

仕事部屋に逃げ込んだゲゲの頭の中でぐーるぐるw
職人さんだんだん!

>>183
待っちょります。
楽しみー!



185 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/03(木) 17:39:37 ID:8tzM25mW]
免許皆伝w悩むしげーさんが可愛い。浦木なら本当に作りそうな本だ。

186 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/03(木) 18:21:09 ID:Go/e2fTa]
妊娠中って眠い。
原稿の手伝いをしながらつい、ウトウト…

妊娠中って食欲旺盛。
お裾分けでいただいた大福、「茂サンのお夜食に♪」のつもりが、コソーリ1つ摘み食い…


187 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/04(金) 07:44:33 ID:AbqZx4i3]
↑そういうのおながいします

188 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/04(金) 14:30:49 ID:2/A9+RqS]
>>179
だんだん!
薄紫に黒なんて装丁からしてアヤシそうだw
ドギマギしてる茂に気づかない無邪気なフミちゃん萌え
一反木綿もカワユスw

189 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/04(金) 18:43:48 ID:AbqZx4i3]
赤ちゃん産まれたら育児にテンテコマイな布美枝サン、茂サンがヤキモチ妬いたりして。

190 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/04(金) 19:41:01 ID:irUE1xgm]
>>189
萌ユ〜ル
偉大な母になったふみちゃんなら、ありったけの母性でもって
ヤキモチ焼く年上亭主を優しく包み込んでくれそうだ…

てか、向井リのしげーさんは赤ちゃん凄く好きそうw
ずっとダッコしてそうな感じ

191 名前:新婚さんエロっしゃ〜い1 mailto:sage [2010/06/05(土) 02:30:22 ID:QAjR+nMO]
トントントン…トントントン…
ネギを刻む規則正しい音に誘われて
茶の間で座布団を枕にスヤスヤと眠っていた茂が目を覚ました
「んっ…」
ボサボサ髪をかきながら起き上がると掛けられていた毛布がずり下がる
ボ〜ッと焦点定まらない目で辺りを見渡す

「あら。」
「俺…寝てたんか?」
「えぇ。気持ち良さそうに、よう寝ちょってましたよ」
「そげか…んっ…もう夕方かぁ」
「もう少ししたら夕飯出来ますけぇ。お茶飲まれますか?」
「んぅ…んっ…ええ」

眠くはないが、ゴロゴロと寝転がってみる
このところの慌ただしさからやっと解放されて久々の休日といったところの茂だった

トントントン…トントントン…
なにげなく音がする方に目を向けてみる

野菜を刻む音も
寝てる間に掛けられていた毛布も独身の頃には無かったものだ
日常の何気ない事に結婚したのだと改めて実感する

日頃は、ご飯が出来て呼ばれるまで仕事部屋に籠っているのが常なので
布美枝が料理をする姿を目にするのは案外初めてかもしれんと、のんびり考えながら眺めていた

幼い頃は近所の悪ガキに『電信柱』と揶揄され
夫にも『一反もめん』にたとえられた長身の布美枝にとって古い日本家屋の台所は小さすぎた
そのため何か作業する度に人一倍、前屈みになったり
腰を曲げたりしなければならなかった

その度に丸みのあるお尻が自然と強調され
スカートの裾もヒラヒラと揺れる
そんなつもりは無かったはずだが男の悲しい性なのだろうか
体制を何度も変えながらついつい覗きこんでしまう

布美枝が火加減を見ようと屈んだ拍子にチラリと茂のお目当ての物が目に飛び込んできた

「………白か……一反もめんだけあって、よう似合っちょる」ボソッ

「はい?何か言いました?」
「いや。なんも言うちょらん」
「そげですか」
特に気にする風もなく料理を続けた

192 名前:新婚さんエロっしゃ〜い2 mailto:sage [2010/06/05(土) 02:33:15 ID:QAjR+nMO]
旨そうな匂いにつられて、もそっと起き上がり台所の鍋をのぞいてみる
いろんな野菜がコトコト、コトコト煮えていた

「煮物かぁ。うまそうだ」
「よぉ煮たんで味が染みちょりますよ。一つ味見してみますか?」
「あぁ」

布美枝が鍋から野菜をひとつ箸でつまんで
「熱いですけん」と、ふぅーふぅーと冷ましてから茂の口に運んでやる
素直に『あ〜ん』と口を開ける姿は、まるでエサを待ちわびる雛鳥のようで布美枝は、思わず笑ってしまった

「どげですか?クスクス」
「ええ。よう味が染みててうまい!」
「そげですか。クスクス」
「なんね?なに笑っちょる?」

「いいぇなんでもなかですよ。クスクス」
「うそつけっ。言え!」「クスクス。うちには手のかかる大きな子どもがいるなぁと…フフフッ」
「俺か?40男になに言うちょる」

「いまの『あ〜ん』は、可愛らしかったですけん。」
「かわいい言うなっ!」
「はいはい。すんませんでした。クスクス…危ないですけん、あっちで座って待っちょってください。フフッ」
言いながら茂に背を向け鍋の火を消す

布美枝に軽くあしらわれ、ムッとした茂が布美枝の背後から抱きついて反撃に出た

193 名前:新婚さんエロっしゃ〜い3 mailto:sage [2010/06/05(土) 02:37:25 ID:QAjR+nMO]
「きゃっ!なんです!危ないですよ」
「ふんっ。俺が子供なら、あんたは母親じゃろ?甘えとるんじゃ」
「えぇぇ!これじゃ夕飯の支度出来ませんて!」「知るかっ!!子供扱いしたんはそっちだ!」

「すんませんて!私が悪かったです」
そう言いながら顔だけ振り返った布美枝のブラウスの第一ボタンが緩んでいたのか、ぷつりと外れた
布美枝は気付いていない

開いた襟元から胸の谷間が見えて茂はドキリとする

困ったように見上げてくる瞳や
半開きの口元が誘っているように見えてきて茂の体に火を灯してしまった

茂は、ぐっと布美枝に体を押しつけより密着させた
布美枝は流し台と茂に挟まれてしまい身動きが取れない

茂の腕がスッと布美枝の体から離れたかと思うと
次の瞬間
「!!」ススッ…と、尻を撫でられ驚き
何か言いかけた布美枝は、身を捩ろうと動いた
不意に項に生温かい茂の吐息を感じて背筋に電流が走り身震いして言葉にならない
それに気付いた茂は、すかさず首筋に唇を這わせたり
耳朶を甘噛みして攻撃してくる

「んっ…ふっ…」
布美枝は流しの縁を力一杯掴んだり、下唇を噛んで快楽に流されそうになる自分をなんとか押しとどめようとする

そうこうしているうちに、だんだんと素足に風を感じ、スカートを捲り上げられ手が忍び込んで内腿を擦ったり
下着越しに布美枝の敏感な部分を撫でられているのがわかった

「ちょっ…待ってください!ちょっこしイタズラが過ぎますっ!」
必死に訴える布美枝のお尻に茂は、熱くなった自身の下腹部を押し当てる

194 名前:新婚さんエロっしゃ〜い4 mailto:sage [2010/06/05(土) 02:39:27 ID:QAjR+nMO]
「!!!」茂がすでに戯れだけでは済まないと知ってうろたえる布美枝

「あんたが誘ってきたんだろが」
「さ、誘って…なんて…んっ…」

「ほれ、見てみぃ」と、襟を広げられ布美枝にも自分の胸がはだけているのがわかった
更にブラウスのボタンを一つずつ外され
柔肌を掴まれ、揉まれ、乳房が茂の思うがままに形を変える
すでに立ち上がって固くなり始めた胸の先端を指で弾かれ
思わず声が漏れる


くるりと体の向きを変えられ布美枝は茂と向き合う
布美枝は懸命に両手で茂の胸を押して抵抗しようとするが
腕に力が入らず、茂はぴくりとも動かない
むしろ体を押しつけられ手を動かせなくなってしまった
「あ、あな…た…ごげなとこ…ろで…いけ…」
茂は、唇を合わせて布美枝の言葉を封じる
布美枝は逃げようとするが後頭部に手を添えられ固定されては動けない

布美枝が息苦しさに思わず口を少し開くと茂は、すかさず舌を捩じ込んできた
「んっ…ふっ…」
言葉にならない声が漏れ部屋に響く



195 名前:新婚さんエロっしゃ〜い5 mailto:sage [2010/06/05(土) 02:42:12 ID:QAjR+nMO]
布美枝の膝は震え立っていられなくなり流し台に寄り掛かっていた
手をついた拍子に台に上がっていたまな板と包丁は派手な音を立てながら流しに滑り落ちていったが、2人の耳には届かないほど激しく淫らに舌を絡ませあっていた

茂の支えがなければ床にに崩れ落ちそうな布美枝の腰に腕を回して少し抱き上げて
流し台に腰を下ろさせる

はだけたブラウスから零れて揺れる乳房に誘われて思わず吸いつく
きゅっと軽く歯を当てられ思わず布美枝は体をのけ反らせる
とうに布美枝は抵抗する気も失せて茂と快楽に身を任せていたが…

うっすらと目を開けると天井が映った

……………………!!
今日は、2階に居候の中森がいることを思い出し布美枝は慌てて茂に伝える
だが茂は「声だけ我慢せい」と、言うだけで止める気配はまったくない

乳房に吸い付きながら
手は布美枝の下腹に手を伸ばしていた
布美枝の下着はすでに甘い蜜にしっとりと濡れていた
茂は半ば強引に下着剥ぎ取り床に投げ捨てる

布美枝は足を閉じようとするが
茂は、それを許してはくれなかった

左足を持ち上げられて流し台の上に乗せられ
茂の眼前に布美枝の秘所が晒された
恥ずかしさのあまり布美枝は涙を零すが
茂は構わず、もう片方の足も流し台の上に上げてより足を開かせる

いつもは夜、薄暗い部屋の布団の中で交わるため茂も布美枝の秘所を明るい中でじっくりと眺めるのは初めてだった

親指で恥豆を擦りながら布美枝の顔を見上げると髪を振り乱し、涙で頬を濡らしながら
手の甲を噛んで声を押し殺して堪える姿に興奮した

196 名前:新婚さんエロっしゃ〜い6 mailto:sage [2010/06/05(土) 02:45:42 ID:QAjR+nMO]
とめどなく蜜を溢れさす泉に中指を差し入れて、ゆっくりと動かすと
ビクリッと布美枝の体が跳ねる

――熱い…指がとろけていまいそうだ――

何度も何度も指を差し抜きする
その度に淫猥な水音がグチュグチュと部屋にこだまする

もちろん布美枝にも聞こえているのだろう
懸命に羞恥に耐え顔を背け目を固く閉じていた

ビクッ「!!」
指とは明らかに違う生温かく柔らかな感触に驚き目を開くと
なんと
茂が布美枝の秘所に顔を埋めて舌で愛撫していた!

このような愛撫をされるのは初めてで、布美枝は驚きを隠せない
茂の肩を掴んで押し戻そうとしながら
「いけん…そげな…とこっ…あっ…あぁ………んっ!きたな…い……い…けんで…す…よ!……やめっ……や…めてご…しなぃ!はっ…あぁ…!」

茂は、むしゃぶりついて離れようとしない

布美枝はあまりの刺激に気が狂いそうになり、泣きながら髪を乱れるのも構わず
頭を左右に振る

茂は、やっと顔を離して右手で軽く口を拭ったが、まだ口の周りは濡れていた

(あれは…私の…はぁ…あげなこと…)

茂もかなり限界まできていた
ちらりと部屋を見回し先程の毛布の上に布美枝を寝かせようと流し台から下ろした

布美枝はよろけて茂の肩にもたれかかり乱れる息を整えながら、ぼんやりと目を開く

「いやっ…!」
急に茂のシャツを握り締め、胸に顔を埋め震える布美枝

布美枝を落ち着かせるため背中を優しくさすりながら
なにごとかと慌てて問いただす茂に
「あぁ…いけんですよ……おばばが…おばばが見ちょります!恥ずかしくて耐えられん…駄目です…」

茂が振り返ると棚の上に布美枝の亡き祖母の写真が飾ってあった

197 名前:新婚さんエロっしゃ〜い7 mailto:sage [2010/06/05(土) 02:50:00 ID:QAjR+nMO]
「あぁ。ははっ!そうか。なら…見えんよう、あんたはそっち向いとけばええ!すまんが…俺も我慢できん」と、茂にしがみつく布美枝の体の向きを強引に変え
流し台に手をつかせた

布美枝は、力が入らず自身を支えていることが出来ず流し台に上半身を投げ出すようになだれ込む

ひんやりとした台の冷たさが火照った体に心地よく、ほぅ…と一息吐き出すと同時に後ろから茂に一気に最奥まで貫かれた

「!!!はぁっ!…あっ…あぁぁぁ!」
慌てて手で口を抑えるが突かれる度に淫らに声は漏れるばかり
どうすることも出来ない

茂は、攻める手を緩めてくれず
後ろから手を回し布美枝の恥豆を弄ぶ

泣き叫びたくなる衝動を抑えきれない布美枝は力を振り絞って蛇口をひねる

勢いよく水が溢れ流しを叩く音が
布美枝の声をかき消してくれた

2人は一緒に果てて茂は布美枝の中に迸る熱いものを吐き出した
茂は布美枝から自身を抜くと
腿をつたってドロリと滴り落ちる

布美枝は床にへたりこみ子供のように泣きじゃくる

茂は、蛇口を捻り水を止め
布美枝の前にしゃがみ込んで、そっと抱きしめる
そんな茂の胸をポカポカ叩きながら
「うっ…うえっ…ご…げな明る…い……こげな…うぅっ…ところ…で…ひくっ…
おばばも…えぇ…ん…見とる…の…ぐすっ…にぃ」

「あぁ悪かった…よしよしっ
しかしなぁ〜俺が子供なら、こんなに初心なあんたは、まだまだ赤ん坊じゃな。あはははっ」
「もぉ…うぇぇぇえん…ひっく…ぐすっ」
茂は日が暮れても布美枝の気が済むまでいつまでもいつまでも抱きしめていたとさ



ちゃんちゃん♪


198 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/05(土) 02:54:43 ID:35pJz9TI]
ぬおー!リアルタイムで楽しませていただきました!
だんだん♪

やはりドSしげーさんはいいなww

199 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/05(土) 09:48:30 ID:oKD+ILeG]
GJ!
だが煮物が〜〜〜〜

200 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/05(土) 11:05:51 ID:qAuuK3ON]
ふみちゃんがちゃんと火を消してるから無問題。
てか自分は水道代が心配。

あ〜ふみちゃんが可愛い。
だんだん、だんだん!

201 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/05(土) 15:30:41 ID:8mxelRgh]
恥ずかしがるフミちゃんがかわええのう!聞こえないふりをしてそうな中森さんが少し気の毒w

202 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/05(土) 20:44:06 ID:bX4MeRas]
>>191
GJ!
泣きじゃくるフミちゃんカワエエ
フミちゃんは、イジメられる→最後に優しくされるパターンに調教されてるなw

203 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/05(土) 21:31:07 ID:q3irPGlw]
いやあ!すっごい萌えますた!!

職人さん、ありがd

204 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/05(土) 22:46:30 ID:8cKLJpqZ]
赤ちゃん可愛かったw
お母ちゃんになっておめでとう!だけどもうふたりのイチャコラはみれなくなるのかな
せめて一度は名前で呼び合ってみて欲しかった、、



205 名前:183 mailto:sage [2010/06/05(土) 23:19:19 ID:Cv5tdzVU]
>>191
どSなしげーさんもええですなw
ふみちゃんはどの職人様が書いても可愛いなあ
GJです
今更ながらタイトルに笑いますたww

赤ちゃん誕生記念に妊娠話書いてましたが
それと同時進行でしげーさんが子供時代の話が無性に書きたくなって
そちらを先に一気に完成させてしまったのでうpさせて頂きます‥
妊娠話はまた次回うp出来たらさせていただきます、スミマセヌ

ちょっこし長いですが宜しければまったりどうぞー
ちなみにエロパロ板なのに思いっきりノーマル話です‥
それでも良ければどうぞw
誤字脱字方言の違和感は大目に見てやってごしない orz

206 名前:しげーさんの思い出・1 mailto:sage [2010/06/05(土) 23:21:41 ID:Cv5tdzVU]
布美枝が掃除をしていると、棚の上で偶然アルバムを見つけた。
「こげな所にあったんだ」
被っていた埃を払い、ちゃぶ台の上でノスタルジーに浸りながらアルバムを捲る。
「懐かしいなあ‥」
仕事場の襖を開けて茂が出てくる。
「あ、お仕事終わったんですか」
「いや。気分転換にちょっこし散歩行ってくる」
「そげですか」
ふと、アルバムに目が止まる。
「何見ちょるんだ?」
「あ、私が子供の頃の写真です。お掃除してたら見つけて」
「あんたの子供の頃?どれ」
渡されたアルバムをパラパラ見ていると、ふと茂の手が止まる。

それは6、7歳頃の布美枝の姿だろうか。
目の大きな可愛らしい少女が写っていた。
何かを思い出すように、じっとその写真を見つめる茂。
「どげしました?」
妻の声にハッとする。
「いや‥何でもない。ほんじゃ行ってくる」
アルバムを閉じ、玄関先へ向かう。
「行ってらっしゃい」
優しい妻の声に見送られながら、ゆっくりと歩き出した。

「‥あの子‥いや、確かにあの子だ‥でも何であいつがあの子なんだ?分からん」
ぼんやりとした目でカラカラと下駄を鳴らしながら、
茂は少年時代の自分を今一度思い出していた。

207 名前:しげーさんの思い出・2 mailto:sage [2010/06/05(土) 23:24:10 ID:Cv5tdzVU]
「村井!またお前は遅刻しおって!」
「はあ、すんません」
「小学五年生にもなって、ちっとは気を引き締めんか!」
「でも朝飯が旨いですけん」
教室中にドッと笑いが起きる。
「本当に‥お前はどうしようもないな」
先生が呆れ返り片手で頭を抱える。
「もういい!廊下に立っちょれ!」
「はーい‥」
いつものことですっかり慣れっこなのか、開き直った足取りで廊下に向かう。
「全く‥あのだらずもんが‥」

そんな先生の気苦労もどこ吹く風か、茂はいつものように
廊下から窓の外をぼんやり見つめていた。
「来週は隣町の奴らが攻めて来るけんなあ‥何か作戦を練らんと‥」
苦手な算数は0点でも喧嘩に強い茂は、面倒見のいいガキ大将として何人かの子分を従えていた。

208 名前:しげーさんの思い出・3 mailto:sage [2010/06/05(土) 23:25:36 ID:Cv5tdzVU]
放課後。
校門をのんびり出てくる茂の後ろから声がする。
「おーい、ゲゲ待ってくれー」
声の主は、茂の子分兼友人のネコ安だ。
「何だ、ネコ安か」
「そこまで一緒に帰ろう」

田んぼのあぜ道をのんびりと歩く茂とネコ安。
ぽつりとネコ安がつぶやく。
「なあ、ゲゲ」
「何だよ」
「ペロの奴がオレを殴るんだ。仕返ししてくれんか」
「殴られたら殴り返せよ」
「あいつ体も大きいからオレでは力では勝てんよ。頼む」
「そげだなー」
「今度帰りに餅おごるけん」
「餅か。ええよ」
「そげか!大きなゲンコツ一発な」
「よし」

そんな話をしながら歩いていると、2、3人の男子が目に付いた。
誰かを囲んでいるようだ。
「? 何やっちょるんだ」
「ゲゲ、行ってみよう」
2人が近付いてみると、2、3年生位の男子が一人の同じ位の歳の女の子を囲んでいた。
そこでは男子三人組が女の子に詰め寄っていた。

209 名前:しげーさんの思い出・4 mailto:sage [2010/06/05(土) 23:26:50 ID:Cv5tdzVU]
「おいお前、今日先生に告げ口したな」
「大人しい癖に生意気だぞ」
「何とか言ったらどげだ!」
押し黙っていた少女が、小声でおずおずと言う。
「だって‥サヨちゃん困っとったけん‥いっつも掃除手伝ってくれんて」
その声は、今にも泣き出しそうだった。
そこへ茂が割って入って来た。

「おい、やめろ」
体の大きい上級生に、三人組はちょっと怯んでしまう。
「お前ら下級生だろ。男の癖に卑怯でねえか。こげに小さい女の子三人で苛めて」
「い‥苛めとらんわ!」
「只こいつがちょっこし生意気だけん‥」
それでも茂の態度は変わらない。
「そげなこと言うても女の子苛めとることには変わりはないわ。やめんか!」
ネコ安もその間に割り込む。
「そげだ。ゲゲを怒らせると怖いぞ。ゲゲのゲンコツは泣く程痛いぞー」
三人組は顔を見合わせると、逃げるようにその場から立ち去った。

210 名前:しげーさんの思い出・5 mailto:sage [2010/06/05(土) 23:28:19 ID:Cv5tdzVU]
「‥ケガしちょらんか?」
その子の顔を覗き込むと、茂は一瞬ハッとした。
色白で、長い睫毛に少し伏せられた大きい瞳に涙が溢れていたからだ。
茂はその女の子の顔を見て、幼い頃インテリな父が土産にと買ってきてくれた
舶来物のセルロイド人形を思い出した。
そして、その人形のように可愛らしい女の子の顔に正直少し不覚にも見とれてしまった。

「ゲゲ!何ボーッとしちょる」
ネコ安の声にハッとする茂。
「え‥?あ、ああ‥」
女の子の潤んだ瞳が茂を見上げる。
(「そげな目で見んといてくれ‥」)
内心ドキリとしていた茂だったが、とりあえず上級生らしく男らしく平静を装う。

「‥ケガは?」
もう一度優しい声で話しかける。
「‥大丈夫‥」
「そげか」
今にも泣きそうな声だったが、ケガはしていない様だったのでとりあえず安心する。
「何年生?」
「2年」
「家はどっちだ?」
「あっち」
「何だ、オレと同じ方か。途中まで一緒に帰らんか?」
女の子は一瞬考え込んだが、茂の優しいオーラに安心したのか二つ返事をした。
「うん」
「よし、帰ろう」

2人並んで歩き出す。
「おい、ゲゲ!」
ネコ安のことをすっかり忘れていた茂だったが、その声に振り向く。
「ネコ安、お前とはこの道でお別れだ。じゃあな」
何処か仲良さ気に帰る茂と女の子の後ろ姿を、
一人残されたネコ安はポツンといつまでも眺めていた。

211 名前:しげーさんの思い出・6 mailto:sage [2010/06/05(土) 23:29:34 ID:Cv5tdzVU]
2人並んで歩く茂と女の子。
女の子の目にもう涙はない。
今日一日何があったとか、たわいの無い話で盛り上がる。
「あ」
「どげした?」
「‥私の家こっちだから」
「そげか」
女の子の家が近付いて来たようだ。
「ほんなら、さよなら」
「ああ」
仲良くなったせいか、別れに一抹の淋しさのようなものを感じる茂。
「‥あ、そげだ」
何かを思い出したかのように女の子に駆け寄る。
「なあ、ちょっと」
「なあに?」
「そういや聞いちょらんかったけど、名前は?」
「・・・・・」
「そげか」

その子の名前なぞ、今ではとうの昔に忘れてしまった。
一番思い出したいことだというのに。

「お兄ちゃんの名前は?」
「オレは村井茂。皆はゲゲって呼んじょる」
「ゲゲ?」
「うん。茂だからゲゲ」
「ふーん‥‥ゲゲちゃんて呼んでもいい?」
ちゃんなんてガキ大将ぽくない仇名だが、
この子になら何となく呼ばれてもいいかな、という気持ちになる。
「ええよ」
「ほんなら。さよならゲゲちゃん」

その小さい背中を見送る茂。
その背中が見えなくなるまで、茂はそこに立っていた。

212 名前:しげーさんの思い出・7 mailto:sage [2010/06/05(土) 23:30:37 ID:Cv5tdzVU]
数日後。
遊びに出かけた茂。
いつものようにあぜ道を歩いている。
「そげだ。のんのんばあおるかな」
久しぶりに友達のような不思議な婆さんに会いたくなって、家に遊びに行くことにした。

その道中にある神社の境内で、見覚えのある女の子が木の枝で地面に落書きをしていた。
「? あの子だ。何しちょるんだ、一人で」
思わず声をかける。
「おうい。何しちょるんだー」
聞き覚えのある声にパッと振り向く。
「ゲゲちゃん」
女の子の元へと近付くと、何処か淋しげな顔で茂を見つめている。
「こげな所で女の子一人でおったら危ないじゃろが」
「‥うん‥」
「何描いちょったんだ?」
女の子の落書きを覗き込む。
そこには何やら丸い形をした変な生き物が描かれていた。

「これ何だ?」
「‥何かはよく知らんけど、私この前こんなのに追いかけられたの。顔は知らんけど」
「変質者か?」
「ううん。一人で歩いちょったら、後ろから何かに追いかけられたの」
「ふーん‥いや、オレもそげな経験あったなあ」
「ゲゲちゃんも?」
「それはべとべとさんかも知れん」
「べとべとさん‥?」
聞いたことの無い名前に頭を捻る。
「誰か待っちょったのか?」
「ううん。いつも一人で遊んどる」
「こげな所でいつも?」
「‥うん。私あんまり友達おらんから」
「そげか‥」

213 名前:しげーさんの思い出・8 mailto:sage [2010/06/05(土) 23:31:44 ID:Cv5tdzVU]
暫く考えると、何かを思い付き頭を上げる茂。
「そげだ!」
「?」
「今から一緒にのんのんばあの所へ行かんか?」
「のんのんばあ‥?誰、それ?」
「知り合いの婆さんだよ。妖怪のことよーお知っちょる。べとべとさんのことも知っちょるよ」
ちょっと考え込む女の子。
「どげだ?」
「‥うん、行きたい」
大きな瞳を輝かせて茂を見つめる。
「じゃ、決まりだな。行こう」

2人でのんのんばあの家へ向かうことになった。

214 名前:しげーさんの思い出・9 mailto:sage [2010/06/05(土) 23:32:52 ID:Cv5tdzVU]
のんのんばあの家の前。
玄関先で茂が叫ぶ。
「おーい、のんのんばあ!おるかぁ?」
暫くすると、ゴトゴトと音がしてゆっくりと戸が開けられた。
「おや、しげーさんかい。今日は友達も一緒かね」
「こんにちは」
少し恥ずかしそうにのんのんばあを見る女の子。
「ま、上がらんかや。何も無い所だけんど」
そう言って2人を快く迎え入れてくれた。

「サイダーでも飲まんかや」
「気ぃ使わんでええよ」
「ありがとう」
決して広くは無いが、何処か安心出来るのんのんばあの家は、
まるで我が家のような気持ちにさせてくれる。



215 名前:しげーさんの思い出・10 mailto:sage [2010/06/05(土) 23:34:13 ID:Cv5tdzVU]
「のんのんばあ、いつかオレが夜一緒に帰った時、後ろからべとべとさんが付いて来たことあっただろ」
「そげなこともあったなあ」
「この子もこの前べとべとさんに追いかけられたって言っちょった」
「おや、あんたも会ったのかい」
何処か楽しそうに女の子を見つめるのんのんばあ。
「会ったけど‥怖くて夢中で家まで走って帰りました」
「ははは。何も怖がる事ないよ。悪い妖怪じゃないけんね。
そういう時は、『べとべとさん、先へお越し』と言ったらええ」
「先へお越し‥?」
「そげだ。そしたらもう足音は聞こえんようになるけんね。今度やってみなされ」
「のんのんばあは妖怪のことなら何でも知っちょる。
のんのんばあ、他にもこの子に何か話聞かせてやってくれんか」
「おや。やけにしげーさん今日は生き生きしちょるね」
いつもより何処か楽しそうな茂の姿に、何やら自分まで楽しくなって来る。
「そ、そげなこと無いよ」
「あんたも妖気を感じやすいのかも知れんね」
女の子を見つめるのんのんばあ。
「ほんなら次は人形の霊の話でもしようかいねえ」
「うん。聞きたい」

女の子の目が生き生きと輝いているのを見て、茂もちょっぴり嬉しくなる。
その日2人は烏が寝床に帰って行く時間まで、のんのんばあの話を聞いていた。

216 名前:しげーさんの思い出・11 mailto:sage [2010/06/05(土) 23:35:12 ID:Cv5tdzVU]
そんな日が何日か続いていた、学校からのある帰り道のこと。
茂がいつものようにのんびり下校していると、前方にあの女の子がいた。

「おーい」
呼び掛けながら走り寄る。
「ゲゲちゃん」
振り返るその顔はいつも通り可愛らしかったが、
いつも茂に見せるような笑顔は無く、何処か寂しげだった。
何となく不安になる茂。
「‥どげしたんだ。また何かされたんか?」

この子にはいつも笑っていて欲しい。
悲しげな顔など見たくは無かった。

「‥ううん、何もされちょらんよ」
「なら何でそげな顔しちょるんだ」
「・・・・・」
「黙っちょったら解らんよ」
暫くの沈黙の後、女の子が口を開いた。

「‥私、転校するの」
「転校?」
「東京行くの。もうこっちには戻って来れんて、母ちゃんが」
「‥‥‥!」
余りの急な話に、茂はただただ驚くしかなかった。
「‥いつだ?」
「‥明後日‥」
「‥そげか‥」

何処か重い足取りで歩みを進める2人。
2人の間にいつものような会話は無い。
その沈黙を破ったのは、意外なことに女の子の方からだった。






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