- 179 名前:浦木騒動1 mailto:sage [2010/06/03(木) 09:02:08 ID:Jb9JtShn]
- 萌えがなんとか文章にまとまったので投下します。
非エロです。 布美枝が夕ご飯の支度をしていると、玄関の開く音がした。 「お帰りなさい!」 茂が散歩から戻ったのかと笑顔で振り返ってみれば、 「やっ。奥さん、ごぶさたしとります。 ゲゲは留守ですかな?」 「浦木さん!」 茂の腐れ縁の幼友達が我が物顔で入ってきて、断りもなくちゃぶ台の前に座り込んだ。 「いや〜、いい匂いですな〜今日の夕御飯はなんです?」 とあつかましく鼻をひくつかせている。 「うちの人はそろそろ帰ると思いますが…。 あの、よかったら、夕飯食べていかれますか?」 「おおっありがたい!旦那と違って奥さんは気前がええですな〜。」 布美枝は苦笑する。この傍迷惑な男はいつも問題を起こす悩みの種ではあるが、 なぜか憎めないのだ。 「そうそう、今日は奥さんにええ土産があるんです。」 と、浦木は後ろ手に持っていた一冊の本をだし、ちゃぶ台におく。 「じゃーん。この浦木がプロデュースした本です!」 「?何ですか?この本。えっと…妻の心得?」 浦木が持ってきた本は、薄紫色の表紙に黒で「妻の心得」とだけ書いてある、 布美枝にはあまり馴染みのない装丁のものであった。 しかし題名には心惹かれるものがある。 「これは…妻として、勉強になるような本なんでしょうか?」 「そう!まさにそうですよ〜奥さん! この本に載っている、ありとあらゆる手管を習得すれば、 旦那大喜び!家庭円満!」 「あのっ、うちの人の役にも立つでしょうか?」 布美枝は勢いこんで尋ねる。 「もちろんですよ〜!ゲゲも喜ぶに決まってます! すべての夫婦に贈る、旦那の夢がつまった素晴らしい本ですよ!」 布美枝は期待に頬を染め、早速ページを捲ろうとした。
|
|