- 274 名前:人食い怪物vs巫女 ◆gRbg2o77yE mailto:sage [2010/09/12(日) 13:13:06 ID:XAxJ+v2X]
- 悲鳴があちらこちらから聞えてくる。
藤村の護衛たちの食事は続いていたが、特に雪菜は少女たちを助けようとはしない。 「あら、あの子が暴れているわ」 ふと、話を切った藤村が懐から取り出したのは、イモリのような生物が入ったビンだった。胃袋が異空間になっ ており、ドーム何杯分かの容積を持つ魔物であるという説明を、雪菜はさきほど聞いている。 ビンの中のイモリは、興奮しているのだろうか。ばったん、ばったん、と激しく暴れていた。 「ん? そういやー、その中って何が入ってるの?」 藤村は、待ってましたとばかりの笑顔で、雪菜に回答した。 「巨大怪獣です」 「もう、怪獣の話はいいって。さっき、したじゃない」 藤村は少し寂しそうに雪菜を見ながら、ビンを懐にしまっていく。 「アンタ、最後に巨大化は嫌だとか言って、巨大怪獣はいいわけ?」 「それとこれとは、話は別です」 「面倒くさいなー。まあ、その怪獣さんに踏み潰されたりしないようにね」 そして、雪菜は少し真面目な顔で、言った。 「私が今回の報酬を受け取って、日本から脱出するまでは、変な真似はしないでね? 中東に逃げようと思った ら、海上封鎖されて出られませんなんて、ちぃーっとも、笑えないんだから」 雪菜の要求に、藤村はただ微笑して頷くだけだった。
|
|