- 154 名前:bセイ集が面白いのは、こんなすごい数学者でも数学を勉強するのは一筋縄でいくものではないということが赤裸々に語られている点です。
どんなことが語られているのか、冒頭3ページ目の「ノートを作りながら」から引用してみましょう。 私にとって数学の本(論文も含めて)ほど読みにくいものはない。数百ページもある数学の本を初めから終りまで読み通すことは至難の業である。数学の本を開いてみると、まずいくつか定義と公理があって、それから定理と証明が書いてある。数学というものは、わかってしまえば何でもない簡単で明瞭な事柄であるから、定理だけ読んで何とかわかろうと努力する。証明を自分で考えてみる。たいていの場合は考えてもわからない。仕方がないから本に書いてある証明を読んでみる。しかし一度や二度読んでもなかなかわかったような気がしない。そこで証明をノートに写してみる。すると今度は証明の気に入らない所が目につく。もっと別な証明はありはしないかと考えてみる。それがすぐに見つかればよいが、そうでないと諦めるまでにだいぶ時間がかかる。こんな調子で一ヵ月もかかってやっと一章の終りに達した頃には、初めの方を忘れてしまう。(中略)数百ページある本の終章に達するのは時間的にも不可能に近い。何か数学書を速く読む方法があったら教えて貰いたいものである。 小平邦彦『怠け数学者の記』(岩波現代文庫)p3-p4 「ノートを作りながら」 以下略す https://www.rimath.saitama-u.ac.jp/lab.jp/ToshizumiFukui.html 福井 敏純 埼玉大学数学科 https://www.rimath.saitama-u.ac.jp/lab.jp/Fukui/lectures/ 講義ノートなど https://www.rimath.saitama-u.ac.jp/lab.jp/Fukui/lectures/intro.pdf 数学科に入ったら読む本 福井敏純 2025 年1月9日 はじめにiii 0.1数学とは. . . . . iii 0.2数学をわかるようになるには?. . . iv 第7章有理数の完備化95 7.1有理数の完備化...... 96 7.2実数....... 100 (引用終り) 以上 [] - [ここ壊れてます]
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