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禁断少女



1 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/06/23(金) 20:02:49 ID:IJGeRlJg]
禁断少女専用スレ

213 名前:207 mailto:sage [2006/08/04(金) 18:05:18 ID:pVMhFfl8]
「ちょ、ちょっと待て……!!き、君はアレか、知らないのかもしかして?私達はその、口ですることはあっても……」
「知らん。俺の妄想の産物なんだろ?なら今から徹底的に可愛がってやる。大丈夫だ、弱いトコは全て知ってる」
「そ、そりゃそうだろうな、君の考えたとおりなんだから!!そ、そうじゃ無く……てッ……ンむ……ぁ……」
 強引に胸を揉みしだきながら唇を奪う。形の良い眉が八の字になる光景に、更に興奮が増す。そのまま舌を入れて相手の舌を絡めとる。段々と女の身体がびくんびくんと震えだす。
「ぷは……最高だな、アンタ」
「お、お気に召して幸いだよ……ん、ンッ!!」
 強がるのも俺の趣味だ。首筋に、耳たぶにキスを降らす。声も無く身をよじろうにも、それは俺の身体が上にのっているから無理だ。耳元の熱い吐息が、徐々に官能の色を強く帯びてくる。
「ず、ずるいな君は全く、私の弱いところばっかり知っているんだ……」
「ああそうだ。ていうか弱いところしか知らない。所詮ご都合主義だからな」
 スーツをはだけてワイシャツのボタンを外していく。大きな胸が外気に晒され、上に浮かぶ汗がキラキラと光る。激しく上下するそれを再び両手で鷲掴む。
「ら、乱暴にしないでッ……」
「どうかな。メチャメチャにしたいのも事実だからな」
 一瞬怯えたような目がぞくりと来る。
「ちょ、待って……あかん、痛いのイヤ……」
「安心しろ、痛くはしねえよ……そういうところを知ってるからな」
 口調が関西弁になっている。ここまで俺の好みのままだともうどう言っていいかわからん。とりあえず徹底して貪るのみだ。
「や、そこ、ウチ弱いッ……」
「知ってる」
 ブラをずらし、乳首を口に含んで先端を舌でくじる。はぁはぁと大きく息をつく彼女に、更なる快感を叩き込む。
「や、やぁぁ……そこ、あかんッて……」
 胸を刺激しながら右手が内股に忍び込む。ストッキングと下着の二枚の上からでも、既に秘所が湿り気を帯びているのがわかる。
「もう濡れてるんだな?エロいなぁ、アンタ」
「あ、あんたのせいやんかぁ……ンっ、あ、や、やぁ!!駄目、やって、ソコ……弱……ァァ!!」
「なあ、もうイキそうだよな?俺の趣味なんだもんな?もうイキそうでイキそうで必死だろ?」
 俺が囁く言葉に、顔面を真っ赤にしながらこくこくと頷く。紅潮した顔、目尻の涙、八の字の眉。全てがそそる。
「なら、イッちまいな。俺が女がイくときの顔が大好きだって知ってるよな?」
「あ、あかん、本当、イって……まぅ……い、イイっ……あ、あ、あああッ!!」
 びくん、びくんと一際大きく身体を痙攣させ、俺の腕の中で彼女は達した。はぁ、はぁという荒い吐息が、俺の股間を痛いぐらいぎちぎちにさせていた。




214 名前:207 mailto:sage [2006/08/04(金) 18:06:13 ID:pVMhFfl8]

「な、何てコトすんねん……」
 はぁ、はぁと呼吸を乱しながらも恨めしげに彼女は俺を見る。
「何てコトって……いやその……」
「う、ウチだけがイってもうたやろ?そしたらアンタ、もう一生書かれへんよ、ああいう小説」
「は?」
「う、ウチはな、あのテのモノに対する妄念が集まって出来たようなモンや。せやから『誰か一人のモノ』にはなれへん。せやのにアンタは一方的にイカせてもうた……」
「そ、それが悪いのか?」
「今、ウチは『アンタだけのモン』になってもうてる……アンタの妄想の具現たる精液をもらってへんのに、イクだけはイッてもうたからや。そしたら、もう『禁断少女』でも何でもない」
「……はぁ。そしたら何なんだ」
「た、唯の妄想みたいなモンや……アンタ一人のな。アンタの煩悩の塊や、せやからウチがここにいる限りは」
「書けない、か。別にいいや」
「は?」
 彼女の目が点になる。
「妄想でも何でもいいや。要は書けないかわりにアンタもココにいるしか無いわけだよな?何度でもイって見せてくれるんだよな?」
「ちょ、ちょう、アンタ!!」
「知ってると思うけどさ、俺女がイく時の顔みるの大好きでな。あと三回はイって見せてくれ」
「や、ちょう待って!!あ、あかん、あかん、て、そ、そんなッ……」
 再び唇を奪って舌を絡めとる。大きな胸を揉みしだきながら両方の乳首をしごく。
「は、ぁあッ……か、かんにんしてッ……あかん、てッ……」
「やー妄想ってのは素晴らしい。もう身体中ガクガクで力入んないよな?」
「な、何でアンタそんなに……ッ、違和感無く犯せるねんッ……ふぁ、ぁッ……ふ、普通やったらッ……、とまど、うッ……ぁ、ああ!!」
「さぁなー。俺がイタイからじゃねぇの?とりあえずココとか責めてみようかな」
 言うや俺は彼女の股間に顔を埋める。既に下着だのは消えてなくなっている。ビバ妄想。
「ちょ、ちょうッ、あかんッ、ひぁ……ぁあ!!」
 舌で入り口を刺激しながら先端を軽く挿入する。彼女がのけぞり、その拍子に豊かな胸がぶるん、と跳ねるのが見えた。左手を伸ばして胸を掴み、乳首をしごきながら舌と右手で秘所を責め続ける。
「ふぁ、ああ!!やぁ、アカン、あかんて、ほん、まにッ、また、イって……!!」
「イキやすいんだよな、凄く。それが悩みの種、って設定だからな。特に──」
 舌の先を入り口から陰核に変える。未だ包皮に包まれたままのそれを舌先でつついてやるだけで──
「は、ぁぁぁぁあ!!」
 電気に打たれたみたいに、彼女は声を上げながら二度目の昇天を迎えた。


215 名前:207 mailto:sage [2006/08/04(金) 18:07:26 ID:pVMhFfl8]
「はぁっ、はぁっ……、こ、こんなんやったら来るんやなかったわ……」
 恨めしそうな顔でこっちを見る。その顔が更に劣情を誘うのだが、それがわかっていないのだろう。
「なぁ、本当に何で来てくれたんだ?俺はこの通り、自分の欲求には素直に生きてる人間なんだが」
「あ、アンタ、色々なところに小説書いとるやろ?」
「……?ああ」
「それも、活気が無いところが多い。そンである程度賑わったら姿を消す」
「そうだな、それが多い」
「それがな、女神様の目に止まったんや」
「は?」
 女神ときた。それはアレか、SS書きの女神とか言う奴か。まあ禁断少女とやらがいるくらいだ、おかしくも無いか。
「そンで、アンタみたいな書き手がいると全体的な活性化に繋がっていくから、特別なご褒美として……」
「行って来い、か」
「なぁ、お、お願いや、アンタのん、頂戴?ウチ、このままやったら……」
 いや、実はそうやってジーンズの上からなでられてるだけでも出しちまいそうなんだが。ハッキリ言って俺、早漏だし。
「出したら、消えちまうんだろ?アンタ」
 再びやわやわと胸を揉みながら俺は尋ねる。
「んぁ、あっ、せ、せやかて、ずっとこうしてるわけにもッ、いかんやろ?ん、んぁっ、お、お願いや、ごっつう気持ちよくしたるから……ッ」
「……ん」
 実は俺も既に限界だ。二度も目の前で好みの女がイっているのだ、いい加減出したくて仕方が無い。俺が頷くと、彼女は淫靡に優しく微笑んで俺の股間をなで上げた。
 ベルトをカチャカチャと外すと、既に下着を押し破らんばかりに元気な俺の息子が先端を塗らして挨拶する。
「随分苦しそうやね……」
 下着をずらして、ぶるんと立つ肉棒にそっと彼女は手を添える。そのままゆっくりと手コキを始める。
「……く」
「ふふ、散々いぢめてくれはって……ウチかてアンタの弱いトコ、沢山知っとるよ……」
「く、ぅ……ッ」
 やわやわと袋を揉みながら竿をゆっくりと擦られる。そのまま先端に口付け、舌が尿道をくじる。
「う……くぁ……」
「ヒクヒク言っとる……もう、今すぐにもイキたそうやん……」
 しゅ、しゅと手が上下する。急速に股間が爆発しそうになる。畜生、一回イッちまったらコイツは消えちまう、のに……
「大丈夫、アンタ滅茶苦茶しはったから、一回出したくらいじゃウチは帰れへん……安心して、イってまい」
 その言葉に、何かが切れる。
「う、うぉッ……く、ぅあ!!」
 びゅる、びゅると白濁液が俺の肉茎からあふれ出る。それを上気した瞳で見つめながら、彼女は舌で舐めとり始めた。
「……ん、んっ……コレが、ウチや何かを文章で犯してるモトなんやね……ヘンな味や……」
 もう、そこまで見たのが俺の限界だった。
「え、ちょ、きゃぁっ!!」
 強引に肩を掴んで押し倒すと、そのまま胸にしゃぶりつく。
「あ、あぁッ、あかん、優しゅうしてっ……ふぁ、あ、ソコ……っ!!」
「悪い、もう我慢出来ねぇ。挿れちまうけど、いいな?」
「え……ん。ええよ、アンタやから……特別や」

216 名前:207 mailto:sage [2006/08/04(金) 18:07:56 ID:pVMhFfl8]
 纏めていた髪が解けて、床に広がる。汗ばんだ肌の上で、眼鏡が少しずれている。大きな胸が、呼吸と共にふるふると震える。まさに完全に理想形だ。俺は自らの逸物に手を添えると、彼女の秘所にあてがった。
「ん……」
 ぎゅ、と目をつむる彼女。そのまま、ゆっくりと腰を押し入れていく。
「ぁ、ぁ、っ、あっ、ん、んん……!!」
 正直、俺の逸物のサイズは大した事は無い。だが案ずる無かれ、こういう時はお互いのサイズはぴったり一致と相場が決まっているのだ。
「う、ウチのなか……アンタで一杯や……ぁっ……」
「動くぞ」
「ん、あ、あっあっあっ!!や、激し、そんな、いきなりッ……ああ!!」
 遮二無二腰を打ち付ける。視覚と触覚と聴覚と嗅覚、嗅覚にいたるまで五感全てが俺を馬鹿みたいに唯ひたすら生殖行動へと走らせる。
「あ、ぁあっ、や、アカン、あ、ああ……ふゥあ!!」
「わ、悪ぃ、さすがにまだイキたくないから……な!!」
「え、ちょ、ちょうッ、や、そ、そんなカッコ……!!」
 正常位から即位へと変え、すべすべした脚を抱えるようにしながら更に突く。そのまま後ろに回り、豊かな胸を掴みながら突き、上に載せる。
「は、恥ずかしい……こんなんッ……や、そ、それアカンっ!!」
 抱きかかえるようにして突き上げながら、右手を股間に這わす。出入りするところと陰核を指で刺激する。
「ああッ、ふぁああ……!!い、イク、イって……まうッ!!」
「俺も、げん、か……く、うぉ、で、出るッ!!」
 一瞬の弛緩の後、急速に締まる彼女の蜜壷。背後から抱きしめながら、俺は彼女の中に思い切り放出していた。

「全く、何て男だ。普通私達が呼ばれて、ここまで酷いことをされるなんて無いぞ」
「酷いコトって……あんあん感じてたやん」
「あ、あのなぁ君は!!感じてればレイプは犯罪じゃないとでも言うつもりか!?」
「んーにゃ。でもコレはレイプじゃねーだろ」
 抱きしめて髪を撫でながら、ぶーぶーという彼女と軽口を叩いていた。
「なあ、やっぱり」
「ああ。もうすぐかな、私は消えるよ。否、戻ると言った方が良いかな」
 やっぱりな。そりゃ中に出してまでこっちにいてくれる道理は無いわな。
「すげー気持ち良かった。アンタ最高だったよ、またエロいのが書けそうだ」
「ふん。一回精を抜くだけの仕事なのに、なんで三回もイかされて、おまけに中に出されなきゃならないんだか。もう二度と来ないからな」
 だがお互いにわかっている。恐らくは俺がSS書きを止めない限り、そしてコイツが「禁断少女」と呼ばれる事を忘れ去られない限り、どこかで俺達はまた会うのだ。ソレが他人が書いた物語の中であろうとも、だ。
「それじゃあな。最低のどすけべ小説家」
「ああ。最高の『禁断少女』だったよ、アンタ」
 そう言って、俺は眼を閉じる。そして──


217 名前:207 mailto:sage [2006/08/04(金) 18:08:38 ID:pVMhFfl8]
パソコンのモニターからの薄明かりで目が醒めた。寝ちまった上に随分と卑猥でご都合主義な夢を見ていたような気がする。どうにも、最近頭の中がピンク色で困る。
 と──、突然、筆がサクサクと進みだす。先程まで詰まっていたのが嘘のように俺の指がキーボードの上を走り出した。コレじゃ丸で──
「禁断少女のおかげで、か?」
 くすり、と鼻で笑う俺の脳裏に、一瞬物凄い良い女の顔がちらつく。──もう忘れかけているけど、さっきの夢の断片だ。
「よし。コイツを書き上げたら」
 次はあの女をネタに書いてみるかな。何とかおぼろげながら未だイメージは残っているし。よし、それじゃ一服入れて──

『未だそんなものを吸っているのか、君は』

 どこかでそんな言葉を聞いたような気がした。少し戸惑った後、結局煙草を咥えて火を点ける。構うものか、俺は俺のやりたいようにやる。過疎スレに投下するのも、活気が出たら去るのも俺のスタイルだ。
 禁断少女とやらがオナ禁をしている人間の下にくるというなら、それはきっと自分のしたいことの為にスタイルを崩さぬ人間へのご褒美みたいなもんなのだろう。
 まあ最も、俺は少女は好みじゃないのでお姉さんの方が良いんだがな。

 カチカチとキーボードの音、じりじりと煙草のフィルターが焼ける音。夜はまだ明けない。明日は休みだ、精々今夜のうちに作業を進めるとしよう。

以上です。すっかり寂れたこのスレの活性化の手助けになれば幸いです。では。

218 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/08/04(金) 18:27:39 ID:mznehQEo]
GJ!流石は禁断少女スレ。
良作、堪能させてもらいました。

219 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/08/04(金) 18:40:15 ID:JAwYY4CI]
神キタ―――!!!

テラエロス!

220 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/08/04(金) 20:22:09 ID:TU5kuUyI]
SUGEEEEE!!!!!
最高だあんた(;´Д`)ハァハァ

221 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/08/05(土) 01:42:54 ID:JTzvyocZ]
関西弁に萌えた



222 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/08/05(土) 03:17:05 ID:sx71Hhxi]
これはいいものだ まさにGJ

よし、俺も書く!

223 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/08/05(土) 09:50:14 ID:dJFygVfS]
超GJ。
関西弁の猥語ってあまり違和感なくていいな。

224 名前:名無しさん@ピンキー [2006/08/05(土) 12:35:56 ID:UB2we7EO]
>>217
超GJ!

225 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/08/05(土) 21:37:28 ID:X8om3T2H]
うわ、楽しんで頂けたみたいで良かったです。
正直、変化球になってしまったのでちょっと心配してまして……
よし、また何か書きます!!読んで下さって有り難うございました!!

226 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/08/06(日) 20:55:57 ID:KGm76x1s]
>>225のところに良い禁断少女が行きますように...

227 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/08/06(日) 21:32:38 ID:bfuWst1/]
>>226
>>211->>217

228 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/08/08(火) 23:43:48 ID:cT3JtqV9]
禁断少女降臨期待保守

229 名前:225 mailto:sage [2006/08/10(木) 11:34:00 ID:Tqox3F2+]
自分に対するブースト用に投下予告!!
今週末には新しいSSを投下します!!


230 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/08/11(金) 22:54:25 ID:8B5iK7en]
ガンガレー

231 名前:225 mailto:sage [2006/08/13(日) 07:34:13 ID:MSvq8mMm]
完成直前ファイルを間違って消去orz


………鬱だ。マジで来てくれ禁断。すいません俺は有言不実行のチキン野郎です



232 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/08/13(日) 11:17:14 ID:lV4eTnSA]
「宿題はやったんですけど持って来るの忘れました」
ということですね?

233 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/08/13(日) 15:29:03 ID:OjKb/ruy]
>>231
あと九時間残ってるぜ。

234 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/08/13(日) 19:11:53 ID:o54xUmRq]
9月2日or3日に宿題を提出しても、先生は案外受け取ってくれるものさ。

235 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/08/13(日) 22:15:14 ID:aQ9O/VLS]
もう追い詰めるのはやめようぜwww
ファイル削除なんてベタな言い訳するぐらいだし、よっぽど切羽詰ってんだよ

気長に禁断しようや

236 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/08/14(月) 22:39:52 ID:uen9U0s0]
ただ今オナ禁5日目・・・
後どのくらい我慢すれば彼女は現れるのだろうか・・・

237 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/08/15(火) 10:03:08 ID:srrSwxbH]
投下します。7レスあります

238 名前:1/7 mailto:sage [2006/08/15(火) 10:05:08 ID:srrSwxbH]
 前

「で、君がここにいる理由は?」
 恭子は平坦な声で呟いた。
 彼女は自分の机に向かっていて、彼は床に座っていた。
「家にクーラーないの知ってるだろ」
 彼の位置からだと、彼女のデニムスカートが絶妙な丸みを帯びているのがよく見える。
「知らないわ」
 ロングヘアーが左右に揺れる。
「ないんだ。で、家にいられないからこうしてクラスメイトの好意に預かろうと思ってさ」
 彼の家から徒歩十秒。お隣さんと言った方が分かりがいいだろう。もっとも、彼女の方が三年前に越してきたから幼なじみではない。
「私、隆也くんとクラスメイトだったの、去年だったと思うのだけれど」
「……あのさ。同情してくれない?」
「無理ね」
 そう言いながら出て行けと直接言わないのは、彼女なりの優しさなのか、それともただ面倒なのか。
「その。ここにいていいか?」
「君が勝手にそこにいるんでしょ」
「う」
「まあ、いいけど」
 くすりと笑って、恭子は椅子を回して彼の方を向いた。
「あ」
 そしてもう半回転して元の位置に納まった。
「お前……何してんの?」
「宿題」
 彼は首をかしげた。
「椅子にのって一回転するのが宿題か。おもしろいな」
「見たくせに」
「はあ?」
 会話が途切れる。
 ミーンミンミン。
「麦茶取ってくるわ」
 彼女はいきなりそう言うと、部屋を出て行ってしまった。
「へんなの」
 彼は呟き、ふと目にとまったデスクトップパソコンの画面をのぞき見ようとして、
「パソコン、見たら駄目よ」
 引き返した彼女の一言で、硬直した。
「ごめん」
「……」
「ごめんって」
「帰って」
「はあ?」
「いいから帰って」
「えっ、ちょっ、ホントに?」
「見たでしょう」
「え、いや、見ようとはしたけど見てないって」
「嘘」
「何で嘘つくんだよ」
「だって、」
 彼女は続きを言えなかった。
 パソコンの画面にあるテキストに書かれているのは――
 彼女の逡巡を、彼は見ていられなかった。
「分かった、帰るよ」
 彼女は思わず顔を上げ、彼の瞳を見つめようとして、できなかった。
 彼の目は申し訳なさげに伏せられていた。
「あ……」
「言えないことなんだろ」
「……ええ」
「悪かった。いきなり女の子の家に押しかけるなんて、いくら去年よく遊んだからって無神経だったよ」
 彼女も、黙ってうつむいた。
「それじゃ」

239 名前:2/7 mailto:sage [2006/08/15(火) 10:07:09 ID:srrSwxbH]
 出て行く隆也。階段を下りる音。それも段々聞こえなくなって――

 部屋は、静寂を取り戻した。


 中

 気まずい別れから一週間、温度計が壊れたかと思うほど暑い日々が続いてい
たある日の夜のこと。
 彼が部活から帰ると、部屋には、正座した一人の女の子がいた。
 彼女は襦袢一枚を身に纏い、髪を上げてかんざしで留めていた。年は一つか
二つ上に見える。瞳は、優しそうな深い鳶色。色は少し白すぎるくらいだった
が、その絹のようにしっとりと柔らかそうな肌は彼を蠱惑するに十分だった。
「で、名前も知らない貴女がここにいる理由は?」
 彼女は静かで、それでいて華やかさを感じさせる声で答えた。
「呼ばれたからです」
「呼ばれた?」
「はい」
「誰に、なぜ」
 彼女は優美に眉を寄せた。
「それが、わたくしにも分からぬのです」
「はっ?」
「わたくしは、禁断少女と呼ばれるモノです。わたくしをお呼びになるのは通
常、その、精を溜められた殿方ですので、慣例に従えば隆也様が私をお呼びに
なったはずなのですが……」
「が?」
「お見受けしたところ、隆也様は、あの、それほど精をお溜めになってはおら
れぬ御様子ですので、わたくしも困惑しておりました所なのです。……隆也様
のご質問にもお答えできぬぬような、不出来な娘で申し訳のうございます」
 彼女は深々と頭を下げた。
「いや、それはいいんだけど……」
 彼は、急速に彼女に引かれていくのを自覚していた。惹かれていくのではな
く、引かれていく。
 ごくりと、のどが鳴る。
 目の前の、真っ白な肌がひどく劣情を刺激する。
 普段の彼からは想像もできないほど――事実彼自身驚いていた――乱暴な気
持ちが、この一個の芸術品のような娘を滅茶苦茶にしてやりたいという気持ち
が、沸き上がってきていた。これも、禁断少女の効果なのかも知れない。
「隆也様? どうかなさいましたか?」
 彼女の声が震えていた。
「しようぜ。こういうこと、しにきたんだろ」
 彼は乱暴に彼女を抱きかかえ、そのままベッドに横たえた。
「あっ、隆也様、お戯れを」
 瞳は震え、身体はどうしていいか分からないかのように固まっている。
「さっき、男の精が溜まっている時に呼ばれるって言ってただろ」
「あの、それはそうなのですが、毎回わたくしは、わたくしをお呼びになる殿
方の好まれる姿に変わって参上し申し上げるのです。なので、このわたくしで
殿方と伽をするのは、その、初めてなのです」
 怯え怯え、彼女は言葉を紡ぐ。
 が、彼の目にはそのつややかな唇しか映ってはいなかった。
「隆也様に、大事にしていただきとうございま――んっ!?」
 彼は彼女を抱きしめるといきなり唇を奪い、そのまま舌をつっこんだ。
「んっ、んぁっ……ふぁ、んんっ……」
 瞳をギュッと閉じて、まつげを震わせながら、彼女は健気にそれに応える。
「ん……ぷはっ……美味い」
「あ……」
 彼女は頬を染め、目を伏せる。
 その仕草に、心臓がドクンと強く拍を打つ。
「脱がすぞ」
「あ、隆也様、お待ち下さいまし、それは」

240 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/08/15(火) 10:09:11 ID:srrSwxbH]
「うるさい」
 腰のあたりで結ばれていたひもを解き、ばっとはだけさせる。
 彼女はその均整のとれた美しい裸体を隠そうとするが、彼は両手を掴んで開
かせる。
 目の前に咲く、誰も汚していないまっさらな肢体。
 その白さ故か、羞恥に震える彼女の身体は美しい桜色に染まっていた。
「……恥ずかしゅう、ございます」
 まともに目を合わせられないのか、彼女は真っ白だった頬を上気させ、顔ご
と背けて呟いた。
「綺麗だ」
「いやです、おっしゃらないでくださいまし……っ!?」
 彼は、彼女の標準より少し控えめくらいの胸の先端を、いきなり口に含んだ。
「あ、あ、隆也様、いやです、んっ、いや、です……」
 舌で転がし、つつく。
「っ……んっ……」
 彼女は、襦袢の襟のあたりを噛み、声を殺していた。
「声を聞かせろ」
 びくん、と彼女の身体が震える。そして、一瞬だけ縋るような視線を送った後、ゆっくりと口を離した。
「いい子だ」
「あ……勿体なきお言葉、有難うございまひぁっ!」」
 彼女の至福の笑みは、その原因によって打ち砕かれる。
「あっ、ああっ、やっ、ああっ!」
 大きな声を上げてから、カアッと顔が赤くなる。
「いい声だ」
「……そのようなことをおっしゃられては、んっ……困ります」
「なぜ」
「声を、我慢できなくなります……」
 顔を背けたまま、震える声で彼女は言う。
「可愛いな」
「隆也様……んっ」
 唇を重ね、下半身にも手を伸ばす。
 さわさわと茂みをいじる。
「んっ……んっ、ふっ」
 恥ずかしいのか、瞑った目を更にぎゅっと強く閉じる。
 そして、彼の指が彼女の女の部分に到達すると。
「んっ、ぷはっ! そ、そこはっ」
「ここでしないと、終わらないだろ」
「い、いえ……その、私が隆也様の精を、どのような手段であれ抜いて差し上げれば、それでよいのですが……」
「ふーん?」
「あっ……」
 指を入れると、くちゅっと音がした。既に濡れていた。
「いいのか?」
 細かく出し入れし、時折くすぐるように壁をなぞる。
「あっ、んっ、あっ、たっ、隆也、様っ……おっ、おやめくださいっ……!」
 敏感に身体を震わせ、とろけた瞳で隆也を見つめる禁断少女。
「あっ……ああっ、いやっ、いやです……んぅあっ!」
 中指で膣をいじりながら、親指で陰核を軽くつつくと、彼女は途端に大声を出した。
「あ……」
 未知の感覚だったのか、呆然と自分の口を押さえて顔を赤くしている。
 彼は笑った。
「もっと弄ってやるよ」
「そ、そんな、どうか、どうかお許しをひあっ!?」
 ビクンッっと震える身体。彼はそれを押さえつけるように身体を密着させ、責め立てる。
「ああっ! ひうっ、んっ、は、あっ!!」
「聞いてるだけで犯したくなる声だな」
 耳元で囁く。すると、彼女を責め立てている手にとろりと愛液が垂れてきた。
「お前、犯されるって聞いて興奮したのか」
 のぞき込むと、彼女は顔を背ける。
「あっ……ああっ! そっ、それはっあっ……!」
「答えろ」

241 名前:4/7 mailto:sage [2006/08/15(火) 10:11:12 ID:srrSwxbH]
「あっ、たっ、隆也様っ、おっ、お許しっ、あっ、お許し下さいっ……!」
 既に答えているようなものだったが、あえて尋ねる。
「答えろ。目を逸らすな」
 一度愛撫の手を止め、背けられた顔を無理矢理正面へ向けて、彼は言った。
「あ……その……は、い」
「どんな風に犯されると思った。言ってみろ」
「い、いえ……そこまで思い至ってはおりませぬ……」
「じゃあ、どうやって犯して欲しいか言ってみろ」
「え?」
「お前が、俺にどうして欲しいか言ってみろ。さっきからイヤイヤ言ってるんだ、希望があるんだろ?」
「いえ、そんな、滅相もございませぬ……隆也様が気分を害してしまわれたならば、もう二度といやとは」
「うるさい。言え」
「あ……あの……その、恥ずかしゅうございます……」
「お前は俺の言葉を拒否するのか?」
「あ……いえ、その」
「言え」
 びくりと身体が震えた。
「……はい」
 彼女は目を逸らして、ぽつぽつと言葉を漏らし始める。
「隆也様は……わたくしをそっと抱きしめてくださって、それからわたくしの髪を梳り、くちづけをしてくださいます。それから、怖がっているわたくしの背中を撫でて安心させてくださって、微笑まれて……」
 夢見る彼女を遮って、彼はぽつりと言った。
「お前、さ」
「は、はい」
「なんでここにいるんだ?」
 途端に、彼女の顔に後悔が走る。
「も、申し訳ありませぬ、わたくしは決して、隆也様に不満があるなどというわけでは」
「言うな、分かってる。お前は嘘をついていないだけだ」
「申し訳、ありませぬ」
「謝る必要はない。俺は俺のやりたいようにお前を犯す」
 言って、彼は彼女を見た。彼女も、じっと目の前の男を見つめる。
 わずかな沈黙。
 静かに、彼女が目を閉じた。
 彼の手が動く。
 胸を荒々しく揉み、先端を抓り、押し潰し、責めたてる。
 膣に指を出し入れし、陰核を転がし、跳ねる身体を押さえつける。
 響く女のあえぎ。息づかい。乱れる髪と、飛び散る汗。
 やがて二人は繋がり、刹那の交歓を繰り返す。
 何度も何度も。
 それだけで己を満たすように。
 それだけで全てを埋めるように。
 二人の空虚な繋がりは、いつ果てるとも知れず続いていった。

 次の朝彼がまどろみから醒めると、彼女は消えていた。
 彼の脳裏に残る彼女の胸の柔らかさ、すべらかな腰のライン、尻の揉み心地、あそこの具合、そして涙。全て、夢幻のように感じる。
 だというのに、苦しい。
 繋がっていた気持ちよさと、それを越えて余りある虚しさが消えない。
 優しい交わりを求めた彼女と、それを打ち砕いた自分。
 全て受け入れた彼女の微笑み。そして裏に隠された悲しみ。
 全てが彼を捕らえていた。


 後

 あれから四日後。
 いまだ禁断少女のことを思い続ける隆也の元に、恭子が訪れた。
「こんばんは」
 彼女は、いつか彼がそうしたように勝手に部屋にあがってきていた。
「なんだ?」
「つれないのね。この前のお詫びに来たのに」
「お詫び?」



242 名前:5/7 mailto:sage [2006/08/15(火) 10:13:14 ID:srrSwxbH]
「少し前、私が隆也くんをいきなり追い出したでしょう。悪いと思ってたのよ、これでも」
「ああ、そう」
「……元気ないわね。どうしたの」
「さあね」
「……あ、そう言えば……」
 彼女は彼に耳打ちした。
「三日くらい前、誰かここに来なかった?」
 彼の目が驚きに開かれる。
「……お前、なんで?」
「……本当だったのね、あれ……」
「おい」
「あの子、私が呼び出したみたいなの」
「『みたい』?」
「禁断少女って言うんだけど」
「っ!!」
「当たりみたいね。その禁断少女っていうのは、まあ根も葉もない噂みたいな
ものだけれど、『溜まって』いる物書きの元に現れては精を抜いていく精霊と
か妖精のようなものなのよ。それで、実は、私はインターネット上でちょっと
した小話を書いていて」
 彼女は言葉を切った。そして、一度小さく息を吸い込む。
「それで……怒られても仕方ないし当然だと思うけれど、私、君をモデルにち
ょっとえっちな話を書いていて」
「はあ? お前ちょっと待てよ」
「ごめんなさい。本当にごめんなさい」
「まあ……そのことは後でしっかり追求させて貰うとして……それがどうして、
あの子と繋がるんだ」
「その、この前私が君を追い出したとき、ちょうど『そういう』のを書いてる
ときだったのよ」
 彼の脳裏に、普段に比べて妙に冷たかった彼女が思い起こされる。
「勢い余って追い出してしまったのだけれど……その後、私、自己嫌悪でなん
となく『そういう』のからずっと遠ざかっていて。有り体に言えば、『溜まっ
てた』の」
 そして、禁断少女が呼び出された。
「で、なんでそれが俺の所に来たんだよ」
「きっと、私の願いを聞き入れてくれたのだと思う」
「願い?」
「私は、君にとても悪いことをしてしまったと思っていたわ。初めてこっちに
越してきたときから親切にしてくれて、遊んでくれて、守ってくれて……なの
に、この前は、私の我が儘で酷いやり方で追い出してしまった。だから、君に
何か償いをしたいと思っていたのよ」
「償い……」
「そして、四日くらい前だったけれど、本当に辛くて仕方ない日があったの。
それが恐らくは、君の家に禁断少女が現れた日だと思うのだけれど」
「お前」
「つまり、君にどうにかして喜んで欲しいと思った結果として、禁断少女が君
の元に現れた――
「ちょっと待てよ」
「なにかしら?」
「お前さ……都合が良すぎないか」
「そうね、私もそう思う。禁断少女なんておとぎ話――
「黙れよ」
「っ……」
 言葉の強さに思わず目を見開く恭子。
「『禁断少女』は確かに来た。いい女だった。でもな、それでなんでお前が償
ったことになる」
「それは……でも、楽しんだでしょう」
「ふざけるな!」
「え……?」
「あいつは確かに『そういうこと』のための女だったよ。お前の言うとおり、
楽しんださ。けど、虚しいんだよ……あいつは全部受け入れて微笑んで、でも

243 名前:6/7 mailto:sage [2006/08/15(火) 10:15:16 ID:srrSwxbH]
悲しんでたんだよ。なんか、正直な奴なんだろけど、必死に隠そうとする姿が、
もう笑っちゃうくらい虚しいんだよな」
「隆也、くん……?」
「なあ。禁断少女って呼び出した奴の理想の姿になるんだろ」
「え、ええ。そういう噂よ。とりあえず、もし本当に現れるなら君に迷惑をか
けないような子を、とは思ったけれど」
 彼は、禁断少女の従順な態度を思い出した。
「ああ。あいつは俺の言うことは何でもしたし、させてくれたよ」
「だったら……いいじゃない」
「良くない。あいつは従順だったが、ちゃんと意志も理想も持ってたんだ」
「理想?」
 禁断少女は、優しく抱いて欲しかった。
 誰かの願いを映す存在だとしても。
「俺はしょうがない奴だからあいつの思うようにはしてやれなかった。それは
俺が悪い。だが、勝手にあいつを呼び出したお前にも責任はある。呼び出した
奴の理想の姿になるなら、本当ならどっちもいやな思いはしないはずだった」
「ちょっと、何をそんなに怒っているのよ。たかが禁断少女でしょう」
「たかがでも、今はもういなくても、あいつが泣いたことに変わりはない!」
「……だったとしても、もういない女のことで私に怒鳴るなんて、酷いわ」
「はあ?」
「私は良かれと思って呼び出したの。私は君のために禁断少女を呼んだのよ」
「おい」
「もういいじゃない。もういない女のことにかまけてないで、私のことを考え
てよ」
「え?」
 彼女は一瞬瞳を揺らしたかと思うと、
「私はね、隆也。あなたのことが好きなのよ」
 泣きそうな顔で、そんなことを言った。
「……え?」
「泣きたいのは私の方。隆也とセックスしただけでなく、そんなに隆也の心の
内を占めているなんて。憎い。今はもういなかったとしても、禁断少女が、憎
い」
「元はといえば、お前が呼んだんだろ!」
「本当に現れるなんて思っていなかったもの! 隆也を盗られるなんて……思
っていなかったもの」
 そして、涙が一条、頬を伝った。
「あ……れ? ちょっと、なんで」
 彼女自身驚いているのだろう、両手で何度も目のあたりをぬぐう。
「やだ、こんな、うそ……ごめんなさい……!」
 彼女は、彼の前から逃れようとして、できなかった。
「待てって」
 彼女の手が掴まれる。
「いや、いやよ……離して」
「なんで」
「なんでも何もないわよ……隆也に……こんな私見られたくないの」
「こんな私?」
「嫉妬してっ! みっともなく泣きわめく姿よっ!!」
「お前」
 黒い考えが頭をもたげる。
 そんなことをしてはいけないと心の中で何かが叫ぶ。
 だが、彼の口はその言葉を発してしまった。
「……あの女の代わりになるか」
「え……?」
「俺の禁断少女になれよ」
「ふっ、ふざけないで……なんで、私が」
「お前はそれを望んでいるんじゃないのか」
「なっ、冗談言わないでよ」
「お前は、俺のことが好きなんだろ」
「……そうよ。悪い?」
「悪くなんかないさ。お前、さっき『隆也を盗られるなんて』って言ったじゃ

244 名前:7/7 mailto:sage [2006/08/15(火) 10:17:17 ID:srrSwxbH]
ないか」
「それが……何よ」
「盗られたなら盗り返せよ」
「なに、言ってるの。もう、貴方なんかもう……」
「もう?」
「い……いら、ないのに」
「本心か? 本当に俺がいらないのか」
「思い上がるのもいい加減になさいよ」
 言葉とは裏腹に、口調は弱い。
「思い上がってなんかいない。お前みたいにいい女に好かれてるんだ」
「褒めたって」
「お前は」
 ぐっと引き寄せ、顔を近づけて言う。
「俺を盗り返せるぜ」
「な、に言って」
「お前は言った。『今はもういなかったとしても、禁断少女が、憎い』と」
「だから?」
「今はもういないんだ。あいつは。お前はここにいる。俺の目の前に」
「どういう、意味よ」
「嘘をつくな。お前みたいに聡い奴が分からないわけないだろ」
「分かったとしても、そんな、あからさまに誰かの代わりにされるなんて……
いや」
「じゃあ、サヨナラだ」
「えっ」
 途端に、縋るような視線を向ける彼女。
「俺は、お前の言ったとおり禁断少女に惹かれている。これは事実だ」
 嘘だった。彼は、禁断少女としての彼女には『引かれていた』に過ぎない。
それは禁断少女としての本能とも言える、男をその気にさせる力の結果だった。
「う……」
「お前が俺の禁断少女になるなら、少なくとも、俺から彼女の幻影を消し去る
ことができる」
「でも……」
「お前は」
「っ……」
「俺が欲しいのか。欲しくないのか。どっちなんだ」
 彼女の目が見開かれ、唇がふらふらと揺れる。
 何かを言いかけ、口をつぐむ。
 そして、数秒か数分かの後、
「……たら」
 彼女は、声だけでなく身体まで僅かに震わせて、その言葉を、口にした。
「もし『そう』したら……愛してくれる?」
「あの女と同じように扱ってやる」
 禁断少女として。
 彼女は一瞬悲しそうに眉をひそめ、しかし、そしてやはり、言葉を続ける。
「……そうすることで、貴方の心からその女が消えるのね」
「お前がそう望むならば」
「なら……私は」
 とん、と彼の胸に響く、少女一人分の重さ。
 しかし禁断少女としての、本来使い捨てであるべき重さ。
「貴方だけの、禁断少女になるわ」
 そこはいつか夢見た場所と同じで、全く違う場所。
 しかし、彼女にとって間違いなく幸せな場所。



 途中改行が乱れたところがあり、お見苦しいところをお見せしました。
 申し訳ありませんでした。

245 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/08/15(火) 15:11:50 ID:CIynNaDA]
GJ
挿入部分をはしょらなければもっと良くなったと思うな〜


246 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/08/16(水) 03:35:15 ID:yZ33nBfo]
いいシチュだ。GJ。
禁断少女を間に挟んだ恋模様というのを読んでみたかったんだわ。俺。
なかなかに切な萌えた。

247 名前:237 mailto:sage [2006/08/17(木) 01:30:35 ID:1T9BBWKs]
読んでくれてありがとう。
もっと精進します。

248 名前:名無しさん@ピンキー [2006/08/19(土) 21:36:40 ID:vpAaCeNI]
禁断少女降臨期待ageヽ(`Д´)ノ

249 名前:キュンキュン ◆4hcHBs40RQ mailto:sage 羊頭狗肉 [2006/08/21(月) 21:25:29 ID:HH+OftuL]

 どうも、こんばんはキュンキュンと申すモノです。
 一本SSを書けたので投下します。

 もう、極甘!
 書いていて背中がむずむずするような感触に耐えるのがものすごく辛かったです。
 何度も何度も自分の書いたSSに砂糖を吐くようなこっ恥ずかしさ。
 力作ですから是非是非読んでくださいねっ♪
 あ、悶死されても作者は責任とれませんので、ご利用は自己責任でお願いします★★★★
 七レス消費。

 (*´Д`)ノシ オパーイ オパーイ
 オパーイハイイモノダネ (・ω・`)
 ('A`) オパーイ マンドクセ

 タイトルは「禁断少女2 〜エレベーターで初えっち!?〜」です。



250 名前:1/7 ◆4hcHBs40RQ mailto:sage [2006/08/21(月) 21:25:59 ID:HH+OftuL]

「おい、お前何してんだよ」

 パソコンに向かってカタカタ叩いているバカに話しかけた。
 折角人が遊びに来てやったっていうのに、今日はずっとパソコンに向かって何かしっぱなしだ。
 友達甲斐のないやつだが、これでも腐れ縁だ。
 まあ、エロゲとか確かにその手の情報には詳しくて、
 それ関係でちょっとお世話になっているから文句は言えないがな。

 今日もまたPCに向かいっぱなし。
 適当にマンガなんかを引っ張り出して読んではいるものの、
 人のこと家に呼んでおきながら、さっきからずっとキーボード打つことしかしていない。

 そろそろとさかに来て、肩を叩いた。

「ん? 何?」

 何じゃねぇよ、糞。
 なんだよその目、クマできてるじゃねぇか。
 不健康そうな顔しやがって……ちゃんと寝てるのかよ、こいつ。

「ああ、ちょっとSSをな」
「SS? ナチか?」
「いや……そのSSじゃない」
「せきゅりてぃーさーびす?」
「それでもない」
「しゃふとせきゅりてーさーびす……?」
「違うし、Sが一つ多い」
「星新一」
「惜しいな。ショートストーリー、ま、短編小説みたいなもんだ」
「ふーん……」

 PCの画面を覗いてみると、本当に小説みたいだ。
 「あぁ〜ん」とか「いくぅ」とかそんな文字が躍っている。
 阿呆か、こいつ。
 こいつが書いている以上官能小説だとは思っていたが、
 それを惜しげもなく俺に見せれるって、イタくね? こいつ……。
 ……今に始まったことじゃねぇな。

 軽く目を通してみると、なにやらさっき俺が読んでいた漫画のキャラの名前があった。
 ヒロイン役と主人公……エレベーターに閉じこめられてエッチなんて笑えない展開みたいだ。
 こいつも好きだなぁ。

「で? 俺を呼んでおいてこんなもん書いているのは一体どういうつもりだ?」
「あ、ああ……」

 一瞬、瞳に怯えが見えた。
 少し顔を伏せ、かけているメガネの位置を正すと、俺をまっすぐ見据えてくる。

「じ、実はな……」
「……なんだよ」

 やっぱりこいつは怯えていた。
 微かに手が震え、やっぱり瞳には不安げな光が宿っている。


251 名前:2/7 ◆4hcHBs40RQ mailto:sage [2006/08/21(月) 21:26:57 ID:HH+OftuL]

「感じるんだよ」
「何が?」
「気配を……気配を感じるんだ」
「な、何の気配?」
「わからない……エロSSを書いていると、な。
 何かが、誰かが、どこかで俺を見ているような気がするんだ」
「は? き、気のせいじゃね?」
「気のせいなんかじゃない! 確かに何かが見てるんだ!」

 精神を病んだのか……。
 そこまでエロにこだわるとは、まさしく変態だな。

「ふぅ……大丈夫だよ。そういった経験は俺にもある。
 風呂で頭洗っているとき、後ろに誰かいるんじゃないか、とか思って何度も振り返ったり」
「違う! 違うんだよ! 本当にいるんだって!」

 パソコンラックに備え付けの椅子を蹴倒し、俺の肩を掴んで振った。
 どうやら本当に精神が衰弱してしまったみたいだ。
 このところ毎日部屋に閉じこもってみたいだし、少し付き合ってやらないと本当にやばいかもしれんな。

「わかったよ、わかった。じゃ、俺はその誰かか何かが来るのを見張ってりゃいいんだな」
「あ、ああ……頼む……」

 ま、これが終わったら外に出して一杯奢るか。
 そうすりゃ、この神経質閉じこもり野郎の顔色もちったぁよくなるだろうよ。
 ……にしても、何が好きなのかねぇ。

 来る前に買っておいたペットボトルのジュースを軽く口に含みながら、
 PCのモニターを覗き込んでみた。
 中々素晴らしいキーボード捌きで次々文字が打ち込まれていく。
 時折、うぁぁ、とか、おっぅ、とかうめき声をあげる。
 曰く、書けなくなったときの悲鳴らしい。
 一分二分、頭を抱えたと思うと、再びキーボードを打ち始める。

 やれやれ、見ている方は相当暇だ。

 しばらくすると読んでいた漫画にも飽き、目を離してあいつの背中を見る。
 相変わらず画面に向かってキーボードをカタカタ叩いている。
 なんだか段々眠気が出てきた。

 まあ、暇だからな。
 少し……眠らせてもらおうか。

 くちゃくちゃになっているベッドのシーツを軽く正し、その上に横になる。
 確かにベッドは軋む音をだしたが、あいつはそれに気づきもせず、
 変わらず何かに取り憑かれたかのように時折うめき声を漏らしながらもキーボードを打っている。

 さて、少し眠らせて貰うか。

 ……。




252 名前:3/7 ◆4hcHBs40RQ mailto:sage [2006/08/21(月) 21:27:44 ID:HH+OftuL]

 夢を見た。
 俺がベッドに眠り、あいつがキーボードを打ち、同じ部屋に何かがいる。
 俺はその『何か』の視点になって、俺と、あいつをじっと見つめている。
 それはクローゼットの隙間から覗いていたり、テレビの裏から顔を出していたり、
 果ては俺の体の寝ているベッドの下に潜んでいたり、電灯の裏に隠れていたりした。
 同時に複数の視点を持つ奇妙な感覚と、自分の体が細かったり、小さかったり、薄っぺらかったり
 そういった尋常ではない体の感触を感じながら、無感動に、見つめていた。
 一片たりともなかった思考が、夢の最後にほんの少しだけ揺らいだ。
 それは俺の今持つ体の持ち主の名であり、更にはそれ自体に全く意味の持たぬもの。

 ――禁断少女

「はっ」
「……どうした?」

 突然目が覚めた。
 何か恐ろしい夢を見ていたのか、クーラーの効いた部屋であるにもかかわらず体が汗だくになっている。
 あいつがおどおどした表情でこちらを見てきた。
 俺がベッドに横になり、眠っていたことを特に非難することもせず……
 いや、あいつの熱狂ぶりを見て、俺が寝ていたことに気付いていないのかも知れない。

「いや、気にするな……なんでもない」
「すごい汗だぞ、大丈夫か?」
「本当に……何でもない」

 あいつは、更に何度か「大丈夫か」と続けたが、俺は首を振り続けていると「そうか」と言って
 再びキーボードを叩き始めた。
 俺はベッドの縁に座り、親指の爪を噛みながら、考えた。

 何か恐ろしい夢を見たような気がする。
 けれど、夢の内容が何も思い出せない。
 よくあることだ。
 夢なんて眠りがさめてしまうと忘れてしまうことがほとんどだ。
 でも、でも何か、重要なことがあったはずだ。

「……つっ」

 気が付けば親指は深爪していた。
 子どものころ、親に爪切りで深爪されたことがきっかけで、大人になった今でも爪を噛む癖が抜けなくなってしまった。
 もちろん普段から爪を噛んでいるわけじゃない。
 しかし、イライラしたときにはついついわかっていても爪を噛まざるを得なかった。
 それによって精神の安定をいくらか得られていたのも、認めたくはなかったが、認めざるを得ない事実でもあった。

 ふと、気が付くと外では雨が降っていた。
 小雨でもなく、かといって大雨でもない、普通の雨。
 特徴を述べるとしたら、静かな雨ということだろうか。
 雨音が一切聞こえない無音の雨でもなく、遠くで沢があるかのようなサアサアといった水音が俺の耳に届く。
 その雨のせいか、若干気温が下がったような気がした。


253 名前:4/7 ◆4hcHBs40RQ mailto:sage [2006/08/21(月) 21:28:26 ID:HH+OftuL]

 なんだろう、空気が悪いような気がする。
 クーラーが効いているので、換気はちゃんとしているはずなのに、何故か息が詰まる。
 まるで何か得体のしれないガスが発生しているかのように、段々部屋の雰囲気が変わっていくのに気が付いた。
 どう変わっているのか上手く説明できない。
 あいつは相変わらずキーボードを無言で打ち続けているし、部屋の家具も勝手に動いたりしていない。
 けれど、さっきまで見ていた部屋だというのに、全く違う。
 それこそ物理法則すら違った異世界へと迷い込んでしまったような気がした。
 言いようのない懐郷病に襲われる。
 数秒前の世界へと戻りたい。
 そう強く心が願う。
 何も変わっていないのに。
 心が挫けなかったのは、あいつがいたから。
 この、どう変わったか判然としないが、とにかく変わった世界に俺は一人ではない。
 あいつというもう一人の人間がいたことだけが、俺の心の支えだった。

 俺も現金な性格なもので、あいつが唯一無二の大親友であるように感じられた。
 あいつがいればこそこの異様な世界の重圧に耐えられる……何の根拠もなくそう思えた。
 緊張も度が過ぎれば逆に冷静になるのか、いつも声をかけるときと同じ感じで、
 あいつの肩に手を置いた。

 あいつは平然としてなかった。
 俺よりも遙かに怯えて、それどころか硬直していた。
 糸は両端を強く引っ張るとピンと張って、動かない。
 けれど、何かきっかけを与えてやると激しく上下に揺れる。
 あいつの状態もそれと同じようだったみたいで、
 ずっと、指先の一ミリも動かない状態から、俺がぽんと肩を叩いたことをきっかけに、
 激しく全身が震え始めた。
 横顔はぞっとするほど青ざめ、尋常じゃない。
 キーボードに触れているだけで止まっていた状態から、いきなり全身が震えたことにより
 PCの画面に文字が次々と打たれていく。


 asjkasaji;lkjkjkdalj;adsfamfpmdal;
 ljldafjdakolasedadajlkraremallkda
 dadaraermapa:pきa;fkdaokfdafdaaf
 ;afdajklfasdfouiorraep@@k::;mgalj:l
da:mfad:fauoptakpmdgalmlfdaks:pf
 da:kae:pma:pmsfdapjnaifdp:kopkda:p
 waんwqojfroakcpckl;,a;::pikp[]jdasop
 dl;fanidapocop,lernekbkakldajp:dkak
 aj:jfd:pajdpjakdamkmfdklaml;:fdak:
 dajlfjapoeutaopeiopp@eだl;]:@hvdva
 ad;jzmlmea::uja:pjngamdlamlcz,ml;ajp
 a:ld;klfadjopjpmlc,./,d:a;kjopajhpgajlp
 daw@q@jadldaopickjl;c;,l;kpjopjopjpda
 ladjdaj:jfajopjopajfdl;fdm./a,m.l;kpckopja
 daljklnakgjjopzip@klp@r,k;ml;amnl;n
 dajopdajopdka:pkl;dal;c,z/.,lpiopup
 da:jfdlajfdjal:んaopuopdip@ckpjmpan
 dahoajoeja:lmdlaml:dak;:dk;:klfd;:k:das
 adj:pajojgaoklpamelmew[kopkdap:jpf
 jdkjpadkpdksopajdsiohfdioajjfdopkd
 ldasjdjajfdaljfdamnfdakljopdajoedop

 少女
                         』

254 名前:5/7 ◆4hcHBs40RQ mailto:sage [2006/08/21(月) 21:29:09 ID:HH+OftuL]

「……ッ!」

 踊り狂う文字列の中に、何かを見たような気がする。
 俺の目の錯覚か……?

「ひっ……あぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!!」
「お、おい! 大丈夫か!?」

 突然悲鳴をあげるあいつの肩を掴んだ。
 あいつはとても怯えていて、暴れはしなかったが、錯乱状態に陥っていた。
 何かをぼそぼそと言っている。
 聞き取れない。
 何を……何を言ってるんだ……?

「……女神……少女……キュン……オナ禁……千の子……も
 宿命……精液……孕み……双子……苦しみ……っ
 ふたなり……異形……人間……以外……ノボル……こ
 パロ……オリ……逆転……女兵士……キュン……シマイ……す
 オサナナジミ……リョナ……ハヤテ……pink……ロボコ……降
 悦楽不運藻掻き……呼び出す儀式……隠密……悲哀……臨
 秘密……呼び出してはならない……究極……ウッ、あッ!」
「お、おい! 大丈夫か!? 何を言ってる、何を見てるんだ!」
「来た! きたきたきた! 来た! 来たぁぁぁぁ!
 来るな、もう、だめだ、だめだ、来るな、あああああがあああ!!」

 おかしい、絶対におかしい。
 こいつは大声で叫んでいる。
 けれどその叫びはこの部屋の外へは届かない気がする。
 何故そう思ったのか俺にもわからない。
 ただ、勘、というものか、心の奥底で、ああこの声はこの部屋の外に届かないな、と
 何の根拠もなく漠然とそう思ったのだ。

 ぐっ、と腹の下が重くなった。
 この部屋に何かがいる。
 そうだ、この部屋には最初から何かがいた。
 なんで俺は気付かなかったのか。

 クローゼットの隙間にいる。
 ベッドの下にいる。
 テレビの後ろにいる。
 本棚の隙間にいる。
 ドアの向こう側にいる。
 天井裏にいる。
 床下にいる。
 部屋の四隅にいる。
 キーボードの中にいる。
 足下にいる。


255 名前:6/7 ◆4hcHBs40RQ mailto:sage [2006/08/21(月) 21:29:52 ID:HH+OftuL]

 何がいる?
 ほんの少し影になったところに何がいる?
 これはなんだ、あれはなんだ。
 説明がつかない。
 全部が違い、全部が同じ。
 あれはなんだ。
 俺には見えない。
 こいつには見えているあれは何なんだ?
 黒いモノにしか見えない。
 不定形のモノにしか見えない。
 アレは何なんだ?
 なんであんなものがここにいるんだ。
 どこから来たんだ。
 なんで気が付かなかったんだ。

 あれは何なんだ?

「た、助けてくれ……」

 助けてくれ、俺を助けてくれ。
 なんでこんなことになったんだ。
 一体、あれは何なんだ。
 あのほんの少し影になったところならばどこにでもいるアレは何なんだ。
 こちらを見ているだけでなく、ごわごわと動くアレは何なんだ。
 通風口の隙間から覗いてくるアレは何なんだ。
 置物の後ろから様子をうかがってきているアレは何なんだ。
 本のページの隙間から目を向けているあれは何なんだ。
 天井裏で足音を立てるあれはなんなんだ。
 床下で蠢くあれはなんなんだ。
 テレビの凹凸に浮かぶ無数のあれはなんなんだ。
 ドアの後ろで待機しているのはなんなんだ。
 電灯の上から見下ろしてくるあれはなんなんだ。

 助けて、助けて……。

 次の瞬間、全身が総毛立った。
 パソコンラックの下にいた。
 あいつのズボンのジッパーを引き下ろし、陰茎を取り出したあれがいた。

 顔があった。
 その顔は、さっき読んでいた漫画のキャラと全く同一のものだった。
 それは俺が気付いたことに気付くと、俺の方に向いた。
 瞬時に、その顔がまったく違ったものに変わった。

 ぞっとするほど妖艶。
 魂を吸い取られるほどの美貌をもった顔。
 今すぐにでも心臓の鼓動を、えぐり出したくなるほどの魅力。
 美しかった。
 その顔はとても美しかった。
 あまりにも美しすぎて、死ぬほどの美しさだった。

 俺は逃げ出した。
 恍惚の表情を浮かべた友人を見捨てて俺は逃げ出した。
 目をつぶり、壁に当たってもくじけず、逃げた。
 走って走って、走って、街中を走って、逃げた。


256 名前:7/7 ◆4hcHBs40RQ mailto:sage [2006/08/21(月) 21:30:33 ID:HH+OftuL]

 気が付くと、俺の部屋にいた。
 全身の活力を抜かれてしまったようにつかれてしまった。
 自分が百歳の老人になってしまったかのように、体が動かない。
 裸足で街中を走ったので、足は惨憺たるものになっている。

 駄目だった、逃げ切れなかった。
 背後にあれを感じる。
 もう俺は駄目だ。

 つかれた腕を無理矢理動かし、部屋のPCにスイッチをいれる。
 すぐさまモニターに彩りがみなぎり、PCが静かな動作音を発する。

 俺に何ができるんだろうか。
 あいつが書いていたSS……アレの正体がわかるヒントがあるのかもしれない。
 もちろんないかもしれない。
 正体がわかったところで、何かが変わるとも思えない。
 しかし、どうせ何もやることはない。
 ただ、あれの存在が一体何なのかだけを調べるくらいはいいだろう。

 あいつの行っていたサイトをグーグルで検索し、ページをすすめる。

 あった、これだ。

 ――禁断少女

 これが一体何なのか、クリックすればわかるだろう。
 あるいはわからないかもしれない。

 ああ、後ろの禁断少女が俺の元へ迫ってきている。
 時間がない。

 マウスを指で叩くと軽快なカチカチという音が俺の耳に届いた。


257 名前:キュンキュン ◆4hcHBs40RQ mailto:age [2006/08/21(月) 21:31:08 ID:HH+OftuL]
 以上、終わりです。
 前書きは100%『ネタ』ですので、そこんところ考えて、大人の対応ヨロシク。


258 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/08/21(月) 22:09:06 ID:mMT1M+tU]
>>257
単純に良かったですGJ!

259 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/08/21(月) 22:35:00 ID:IVG8eJVz]
痛々しさを感じながら読み始めてみたらホラーものですか。
前書きにムカついたのでGJはあげません。

260 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/08/22(火) 00:39:44 ID:Q7wTTqkn]
GJ!
けどこんな夜中に読むんじゃなかったw

>>289
前書きは作中作品でないかい?

261 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/08/22(火) 03:39:30 ID:v/SR+4Vl]
挑発するような書き方がうざい



262 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/08/22(火) 19:07:55 ID:1H/pUiB7]
>>257
GJ。怖くて良かったです。
前置き?

ゴメ、読んでなかったw

263 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/08/23(水) 01:18:47 ID:Be32iJAh]
専ブラのおかげでメ欄丸見えだったから何がしたいのかは見る前に分かった
けどお預け食らった気分だ(´・ω・`)

264 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/08/23(水) 16:37:11 ID:XmmG6rNj]
>>257
散々ひっぱたかれてるけど、俺は好きだ。我孫子武丸の「探偵映画」とまではいかないけど、文章ネタならではの反則技だと思う。
ただ、ここの住人には受けが悪いみたいだな。
後、あのイッちゃってる文字の乱打が携帯から読むと流石にめんどかった。
ホラーな禁断少女ってのもアリだな。つーかホラーだしな。

265 名前:eins ◆zug3p/I.KE mailto:sage [2006/08/25(金) 23:32:12 ID:XtGqITCy]
「異端な禁断少女?」投下します。
余り期待すると、肩透かしを食らいますのでご注意を。

266 名前:異端な禁断少女?1/13 mailto:sage [2006/08/25(金) 23:32:45 ID:XtGqITCy]

「はいはい、おしまいっ!」
 俺は勢いよくエンターキーを押し込む。
 中のデータは回線を伝ってサーバへ届けられ、スレの燃料がとなる……と思う。
 エロパロ書きをしてはや数ヶ月。
 己の限界を嘆きながらもそれなりに満ち足りた生活をしていたが、今最大の危機が去った。
 卒論&エロパロ書きの2足の草鞋状態ではや4徹。
 どっちも出来たら完璧だが、俺はそんな器用じゃないので卒論を切る選択をした。
 あぁ、まさにザ・社会の底辺。
 そんな人間が書くレベルとしたら底辺な代物なのに楽しみにしてくれる人達がいてくれる。
 あぁ、なんとありがたいことか!ハレルヤ!ハレルヤ!
 ……いかん、落ち着け。いくら4徹したからってテンション壊れすぎだ。
「寝よ……」
 まぁ、卒論は明日書けばいいだろう。いい加減、恋しい布団が待っている。
 流石に栄養剤を飲み込んでの強行軍は体に悪い。が、スリルがあって結構楽しく感じるのはエンドルフィンの所為だろう。
 蛇足だが2徹くらいは何とかなるが、4徹となるとは脳にダメージが残る気がしてあまりお勧めできない。
「明日明日と先延ばしにして、どうにもならなくなるその悪い癖。どーにかしなさいよ」
「20数年同じ事してきたんだ。いまさら無理だね」
「救いようないわね。この腐れ外道」
「なんだと――」
 この段階になってやっと気がつく。俺はなにに反応したんだと。
 恐る恐る振り返ると、ふわふわと浮いている箒に座る魔女っ子風の服装をした女の子。
 魔女っ子らしく、大き目の黒の三角鍔広帽を被り、服装にしても赤と白と黒の三色で纏められたふりふりレースをふんだん
に使って高価に見える。
 「はン、なにボケっとしてるのよ、最下級生物。まともな顔つくれないの? 美しさにでも見惚れでもした?」
 なんか失礼な事言われている気がするが、こういう輩は相手にしたら負けだ。
 まぁ、確かにいろいろ差し置けば見惚れもするだろう。
 白磁のような肌や大きめな目、罵詈雑言を吐き出す口にすら人形めいた美しさがあるが、表情がよく動くためか螺子が何本
か抜けたような間抜けな人形の印象がある。
「聞いてるの? 間抜け」
「だれが間抜けだ」
 落ち着け俺。例え俺の幻視でも冷静に事を対処しなきゃややこしい事になる。
「あんた誰だ」
「知らないの?」
「ふわふわ浮く知り合いをこの世にもった覚えは無い」
 即答してやると微妙に落ち込んだ様に目を伏せたがすぐに顔を上げる。……元気のいいことで。


267 名前:異端な禁断少女?2/13 mailto:sage [2006/08/25(金) 23:33:18 ID:XtGqITCy]
「仕方ないから名乗ってあげる。私は『禁断少女』、聞いたことくらいはあるでしょ。そのスポンジ脳でも」
「あぁ、なるほど。電波に幻想、空想、妄想を混ぜて、仕上げに現実逃避で出来上がるアレな」
「ちっがーう!」
 徹夜の脳みそが程よくシェイクされそうな大声量で叫ばれた。うぅ、頭が痛い。
 冗談はさておき置いておくとして。
 『禁断少女』とはSS書きの中ではそこそこ噂されている存在なのだが、彼女らに会う事が出来ると『彼女が出来ました』と
か『SSがすいすい書けるようになりました』だの胡散臭いことこの上ない噂だ。
 会う条件はオナ禁すること。自慢じゃないが俺にはそこまでやる精神力はない。
「オナ禁した覚えはないぞ」
「馬鹿じゃないの?この一週間やってないのにも気が付かないの? やっぱ脳がスポンジより密度薄い所為かしら」
 はて……?あぁ、卒論の結果とは纏めるのに3日位学校に缶詰だったな。
 あとの4日で纏めるつもりが現実逃避してSS書いてたが、神光臨過ぎてそんなこと思考の欠片すらもなかった。
 ……って、
「なぜ、おまえさん魔女っ子?」
「自分のリピドーに穢れた心に聞きなさい。このヘタレ」
 ヘタレ扱いか……。脈略ないなぁ。
「いや、リピドーにもヘタレにも心当たりないんだが」
「はぁ?書き手の心とかを表す鏡みたいな物なのになんの感慨も感じないと? このインポ野郎」
 だんだん、腹が立ってくる。なんせ口を開くたびに『腐れ外道』『ヘタレ』挙句の果ては『インポ野郎』。
 正直許せる限度を越えてくる。
 つーか存在自体許せん。プラズマなんかの塊かもしれないが。
「ちょっとここに座れ、言葉遣いを説教してやる」
 俺は丁寧にもプラズマモドキ相手に座布団を敷いてやる。こんな奴に座布団出すのは癪だが。
「はぁ?なんでそんな汚いのに座んなきゃならないのよ。しかも説教なんて笑わせてくれるわね、キ○ガイ」
 ……まともな反応を期待した俺がキチ○イだった。あぁキチガイだね。
 さて、捕まえたい所だが、依然こいつは箒の上でふわふわ浮いている。狭い部屋だが、三次元を自在に使えるから逃げ回る
のには苦慮しないことだろう。
 ふと、脳裏に一つの推測が浮かぶ。
 書き手の願望の鏡とかだから――
「はわっ!」
 くそ生意気なこいつを縛り上げる。と思ったら見事に成功。とは言っても徹夜明けの頭にゃ、目隠しに、ロープで簀巻き、
さらには足かせ付き程度が限界だ。一番必要な猿轡はなぜか無いが。
「こらー! ロープ解けー! この変質者ー」
 いろいろ騒いでるが、他人に聞こえない事を願いつつ、動けない"自称"禁断少女のしゃがみこむ。
 じたばた暴れているが俺には凌辱のケはない。

268 名前:異端な禁断少女?3/13 mailto:sage [2006/08/25(金) 23:33:50 ID:XtGqITCy]
「……禁断少女っての、書き手の元に現れて色々やっていくそうだがお前さんは何しに来たんだ?」
「……」
 こんどはだんまり。何を考えているのやら。
 とりあえず箒を回収してやろうと見回すが無い。流石物理法則の外側。
 仕方ないので動けない禁断少女を尋問してみる。
「さて、もう一度聞こうか?書き手の元に現れて色々やっていくそうだがお前さんは何しに来たんだ?」
 精なりなにかを吸っていくとか諸説あるが、コイツは俺を罵倒するだけでその気にはならない、否、その気にさせない様な
フシがある。
「だって……」
「だって?」
 声が小さくて聞き取れなくて聞き返してみる。徹夜すると耳も目も頭も悪くなるからキツイ。
「4徹よ! 4徹! 普通の人間なら死んでもおかしくないわよ? 心配で心配で……」
 あとの台詞は尻すぼみになって聞こえない。
「それなら、さっさと出てくればいいじゃねぇか」
「出たわよ! なのに相手にもしてくれないで、ずっと書いてばっかで……書いたまま死ぬんじゃないかと思ったじゃないの! この鈍感!」
 全く覚えちゃいない。だが、ありがたくて俺は彼女の頭を優しく撫でてやる。
 今まで暗かった上に帽子を被って見えなかったが、ショートカットにしている髪が軽く赤が混じった色をしてとても綺麗だ。
「ん……ありがとな」
「べ、別にあんたが死んでも代わりは沢山いるんだから! ただ、目の前で死なれたら気分悪いから……本当にそれだけなん
だからね!」
 といいつつも、目隠しの端が僅かに濡れているのを俺は見逃さなかった。うんうん、いい子じゃないか。
「と、しおらしい事言って拘束解いてもらうつもりだろ?」
「うん……あ」
 体験談に目を通せば非常に狡猾と注意書きが着きそうなものだ。まぁドジっ子はポイント高いが。
「罠に嵌めたわね! ペテン師!」
 失敗したからか、態度を豹変させてまた暴れる。が、いまいち勢いが無い。
「もう一度聞こうか、書き手の元に現れて色々やっていくそうだがお前さんは何しに来たんだ?」
「ぐ……」
 体験談を見る限り、即刻襲われるもんだと思ってたが罵詈雑言を言うだけで別に害は無い。
「だって、初めてだもん……」
 蚊が飛ぶような小さな音で呟く。
 主語が無いが、何が『初めて』か位は鈍い俺でもわかる。痛いのはイヤだしな。
「今回、『魔女っ子ツンデレドジ処女ちなみにマゾなので思いっきり罵ってやりましょうver』の禁断少女なんて私には荷が
重過ぎるわよー、このバカー!」
 打って変わって弾ける様な大声。周りに聞こえてなきゃいいけど。
 にしても、俺の趣向にゃ合わない物だらけだなおい。
「うぅ……ぐす……」
 あーあ、泣かせてしまった。鼻をぐずらせて居る辺りマジ泣きなのかもしれない。
「仕方ない」
「解いてくれるの!?」
 声が明るくなった。……嘘泣きか。

269 名前:異端な禁断少女?4/13 mailto:sage [2006/08/25(金) 23:34:21 ID:XtGqITCy]
「その属性好きになってやるから頑張れ」
「バカー!変態!」
「世間一般から言わせれば十分変態だな俺」
「うわーん」
 さてと……襲う趣味は無いが、もしかしたらこういう趣向なのかもしれない。
「ひゃっ!」
 手始めに裾にレースをあしらった黒いロングスカートの裾を持ち上げてみる。
 彼女は抵抗するように暴れるが、足かせがあるから全く効果は無い。
 するするとピンクのショーツが見えるくらいまで持ち上げると真っ白な太ももが晒される。
 ディスプレイの僅かな明かりに照らされる光景に俺は思わず溜まってもいない唾を飲み込む。
「バカー!見るなー!」
「覚悟を決めろって。"女は度胸"だろうが」
「まだ"女の子"だっ!レイパー!」
 確かに、その通り。が、レイパーとはなぁ……
「レイパーってお前さん、自分が何者かわかってるのか?」
「ぐぅぅぅ」
 事実を再確認して唸っている彼女の太ももをさわさわと撫でつつ、あまり期待の持てない胸に手を掛ける。
「もうちょっと丁寧に扱え!この色情狂ー」
 揉み応えは少ないがそれでもいい感触がする。
 服を脱がしてやろうかと思ったが、思いのほか服装がややこしくて脱がせない。
 視線で聞くが答えは、
「ふん、脱がし方なんて教えないわよ」
 と、徹底的に拒絶された。仕方ないので足の愛撫に集中する。
 見た目通りのきめ細やかな肌の感触がとても気持ちいい。
「お前の足柔らかくて飽きないよ」
「……褒めても何もでないわよ?」
 どうせ褒めても出ないので、俺は太ももから膝裏まで舌でなぞってやるとビクビクと震えている。
「――……ひぅ」
 何か奇妙な声が聞こえた気がして、顔をあげる。
「なんか言ったか?」
「な、なんでもない」
 ……なんでこうまで意地を張る?
 そんな疑問を脳みその片隅に残しつつ、丁寧に舐める。舌であっても手であってもその心地よさには変わりの無さにますま
す夢中になる。
 その感触をもっと楽しみたくて白いソックスを脱がして……と思ったが足枷で脱がすことが出来ない。
「はぁ、はぁ、ふふ、さっさと、拘束解きなさい、このアンポンタン」
 脱がすことの出来ないという間抜けな俺の状況に勢いを取り戻したらしく、早速俺を貶してくる。
 ソックス、消えろっと。
「な、なんで消えるのよぉ!」
 思ったとおり。こいつを動けないようにしたときの要領で思うだけで変化してしまう。
 さて、思う存分やらせてもらおうか。

270 名前:異端な禁断少女?5/13 mailto:sage [2006/08/25(金) 23:34:53 ID:XtGqITCy]
「やぁ……なんで、そこ、なめるのよぉ……」
 ソックスは消えた筈なのだがソックスの跡が残っている。
 せっかくなので、一つ一つ舌で舐め取るように舌を動かす。少しだけ汗の味がする。
 それすら、甘美な蜜に思えるから不思議なものだ。
「…っ……っ…」
 何かを押し殺すような声がするが気にせず、一本一本、足の指やその間までじっくりと時間を掛けて口に含んで舐め回す。
 視界を遮られている所為か抵抗はなく、むしろ足の指は舐めて欲しがるように動く。
「ん、どうかな?」
 もう片方の足にも同じくらい時間を掛けて舐めてやると耳まで顔を真っ赤にして、息も絶え絶えの禁断少女。
 一目瞭然の光景だが俺は反応を聞いてみたが、
「は、ぁっ……はぁ……なんてこと、ない、わよ」
 とのこと。強情だねぇ。
 足はあらかた舐めたのでどこを舐めようかね。
「うぅ…うぅぅ……」
 そんなことを考えていると、いまいち、信用しきれないすすり泣く声。……3度目の正直かなコレは?
「なんで、私がこんな目にあうのよ。他のは『幸せ』とか『気持ちよかった』だのいい話が聞こえてくるのに、ぐすっ……私
は縛られ、足枷に目隠し付きの状態で舐められなきゃならないのよ。不条理よ……ぐす……」
 目隠しまでされている以上、俺が近くまで耳を寄せても小言を聞いているとは夢にも思わないだろう。
 まぁ、見た目上女の子をこの状態でどーにかするってのは非常によろしくない。
「ひえっ?」
 足枷とロープは流石に手では取れないので消えてもらうが、目隠しはお詫びを込めて手作業でとってやる。
 相当きつかったのか腫れたように赤くなっている。
「こ、今度はなにするつもりよ、嗜虐趣味者ぁ……」
 まだ、ひりひりするのか手首をしきりにさすりながら上体を起き上がる彼女。
「嫌なら帰れ」
 ここまでしといて、『可哀想だから帰っていいよ』と言うのは余りにも格好が付かないので、ぶっきらぼうに俺は言った。
 真意が分かってくれるならそれでよし、本当に嫌なら帰ってくれるだろう。
「……へ? 帰れですって?」
「そう、そこまで嫌なら帰ればいいよ」
 瞬間、俺は勢いよく押し倒された。
 いつもの状態なら耐えられる程度の力だが、如何せん徹夜のダメージは大きいようで。
 まぁ……布団敷いてて助かった。無かったら盛大に床に頭を打ち付けていただろう。
「帰れ?戯れもそこまでにしてよ……」
 綺麗に短く切りそろえられた髪で顔が隠れてよく見えないが、俺の胸に落ちてくる雫はなんなのだろうか?――まぁわかっ
ちゃいるが。
「人の足を散々舐め回して、満足して、帰れですって?」
 満足はしちゃいないんだが。事実、股間のアレは立ちっぱなしだ。

271 名前:異端な禁断少女?6/13 mailto:sage [2006/08/25(金) 23:35:38 ID:XtGqITCy]
「私に恥ずかしいマネさせといて、帰れってと?」
「えーとすまん」
 妙な迫力を醸し出す声に思わず謝る俺。煤けた匂いがするのは幻か。
「謝って済むわけないでしょ。一方的に辱められたのよ」
「……どうすればよろしいのでしょうか?」
 迫力の余り思わず敬語になる俺。背中から変な汗まで出てくるほど怖い。
「責任取ってもらうに決まってるじゃないの、この甲斐性無しっ!」
 力尽きたように禁断少女の頭が俺の胸に落ちてくる。
 俺は無意識のうちにそいつの頭を撫でていた。やっぱり絹糸のような手触りが最高だ。
 そんな余裕のあるような素振りとは裏腹に俺の脳内はパニック。
 だって、『腐れ外道』が『甲斐性なし』にクラスチェンジですよ?
「ははは、まぁ、眠いから明日な?」
 言った後にとんでもない地雷を踏んだ事に言った後に気づかされた。目の前のこいつに。
「絞りきってやる――」
 地獄の底から響く声で呟いた途端、何か思いつめた表情で俺のズボンとトランクスをセットで勢いよく引きおろされた。
 引き出された俺の急所兼息子は既に臨戦態勢。まぁ、一週間もしてなければ簡単になるだろう。
「〜〜〜っ」
 お願いですから、そんな親の敵を見るような形相で睨まないでください。
「んむぅ」
 様子見のひと舐めなのか舌の先で俺のモノを軽く舐めた。それだけで激しく動き、反応するソレ。
 我ながら、堪え性の無いヘタレだ。
「ふふ、すぐに絞りきって脳みそ殺してやる」
「不穏だな、おい」
「人のメンツに泥塗った制裁よ、覚悟しなさい」
 語りの時間は終わりと言わんばかりに、彼女は怒張を掴み白い指を這わせる。
「意外と硬いわね……匂いもちょっとするし……でも」
 這わせた指が愛しそうに蠢き、切り添えられた爪が艶やかに光る。
 敏感になっている俺の一物はそれだけで嬉しそうに動く。
「ふふ、正直ね」
 俺のを握ったことでスイッチでも入ったのか、彼女の目は色に濁り、頬は朱に染まっている。
「あは、いくわよ……」
 そう小さく呟いたかと思えば、股間にぬめったような感触と快感が走る。
 目を凝らせば、お世辞にも綺麗とはいえないソレの裏側に舌を動かし、舐めている。
「うむぅ、ぺちゃ……」
 子猫がミルクを飲むように、細かく、しつこく、丹念に舐めてくる。
 流れてくる快感に俺は奥歯が痛むほど歯を食いしばるが、大した効果はあがっちゃいない。
 フェラチオのシーンはいくらか書いた事はあったが、実体験では初の俺には、これだけの事でも酷である。
「ちゅぷ……あは、裏舐めただけでもうダラダラじゃないの。堪え性なしっ」
 ぴんっ、と人差し指で弾かれる。その堪え性なしは、ギチギチに固まって弾かれた痛みすら快感に変えた。



272 名前:異端な禁断少女?7/13 mailto:sage [2006/08/25(金) 23:36:11 ID:XtGqITCy]
「あは」
 何か思いついたのか、蠱惑的に笑い、舌なめずりをする禁断少女。その格好と相まってまさに魔女。
 ……これはこれでいいかもしれない。そう思ったのは秘密にしておく。
 そうこうしているうちに、彼女は俺の股の間に座り込んで陰茎を根本から両手で固定。
 続きを待ちわびる様に、先からはだらだらと先走った液体がどっと増える。
「出せるなら出してもいいわよ、出せるならだけどね」
 不穏な事を彼女は言っていたが、咥えられた俺はもう覚えちゃいない。
 最初は小手調べなのか先の方を唇で咥えて狭い口内に入った部分は舌で蹂躙され、徐々に焦らすかのようにゆっくりと肉棒
が口の中へ吸い込まれていく。
 ゆったりとした口外とは裏腹に、中は戦場も同然だった。
 何処から湧き出すのか、多量の唾液が舌を伝って一物へと絡みつき、その生暖かさに出しそうになる。
 ゆったりと進んだが、やっと根元まで咥え込む。
 ここまで辿り着くまでに精神力のほどんどを使い切ったような気がする。
 出してもいいと言われたが、ちっぽけなプライドとしては出したくない。
「ほくがんかったわね」
 そう言うと、彼女は顔をゆっくりと引き上げ始めた。
 引き上げる間も行きと同じように執拗な舌に、襲われては耐え、襲われたら耐えを繰り返す。
 なまじ、気持ちがいいだけにタチが悪い。
 先の方に近づくにつれて、更に口内は激しさを増していく。
 ぬるりとした舌は棹を溶かすかのように唾液を塗りたくり、亀頭を刺激する。
 手はコロコロとした玉をさわさわと弄り、白かった頬は上気して、艶っぽいことこの上ない。
「ん…んっ……。れろっ…っ……ちゅっ…ちゅぱ…ちゅく……」
 それを数度繰り返され、耐えるので息も絶え絶えになる頃には俺は意識すら朦朧としていた。
 流石に、舌を動かし疲れたのか今は動いていない――と、気を緩めたのが悪かった。
 不意打ちのように笠のようになっている下の部分を刺激し、とどめとばかりに先割れた部分へと舌を突っ込む。
「あ――くぅ……」
 気づいた時にはもう遅く、爆発ともいえる精液がで…ない……?
「あ、れ?」
 確かにペニスはビクビクをしているが、肝心の物出ていない。それに付随する快感も。
 言うなれば"空砲"だ。
 俺の間抜けた表情に満足したのか、禁断少女は顔上げて、
「一応、魔女だから試してみたんだけど魔法っぽいのも出来るようね、私」
「み、見かけ倒しじゃなかったのかー!?」
 思わず、声を上げてしまう俺。……正直、ゾっとする。
 これを何度もやられたら欲求不満で死にかねない。
「それよりも、こんな簡単に出しちゃうなんてどれだけ早いのよ」
 ……ぐうの音も出ません。
「もうちょっと頑張りなさい」
 そう言うと、"空砲"だからか萎えずに固まっているソレを彼女は口に含んだ。

273 名前:異端な禁断少女?8/13 mailto:sage [2006/08/25(金) 23:36:42 ID:XtGqITCy]
「はむぅ…うむぅ……。はぁ…ちゅ…ぁむ…」
 赤いっぽい髪が激しく上下に揺れ、責め立てるように舌は蠢く。
 時折、吸い込むような感触や想像も付かないような複雑な動きさえも混ぜて責めてくる。
 また、"空砲"ではたまらないと俺は必死で堪え、防御固めるが技巧のレベルが違う。
「ちゅ……はぁ…じゅる……」
 ずるずると快感と一物を引っ張られ、鈴口を喉の奥に飲み込まれそうになる感覚が走る。
「うぁ――」
 その感覚に耐え切れず、爆ぜるがまたもや"空砲"。
 頭の奥が徹夜と空撃ちの所為でひどく痛むおかげか、気を失わないがかなりキツイ。
「ん……しょ」
 ふと見れば、彼女は、恥ずかしげもなく穿いていたショーツを脱ぎ捨てた。
 はっと、一つの事実を思い出す。
「……お前さん、処女だろうが。そんな簡単に入れていいのか」
 妙な沈黙は一瞬のはずだったと思うのだが、俺には異様に重く長く感じた。
「大丈夫よ」
「根拠をどうぞ」
「勘よ」
 ようやく答えを聞けたかと思ったら適当な根拠もあったもんだ。
「とにかく、いいの!」
 そうヤケクソ気味に言い放つと、スカートの裾を持ち上げて毛も生えていない秘所を見せ付ける。
 その光景に俺は生唾を飲み込んだ感触をどこか他人事のように感じていた。
 我に返った時には彼女は俺に跨り、カチカチに固まっているモノに手を沿えて入れようとしていたときだった。
 淫らな水音を立てて俺のモノは沈み、何かに当たるような感触――ちょい待てっ!
「ひゃあ――な、なにするのよ!」
 彼女のやろうとしたことに比べれば何てことない。ただ起き上がって抱きしめただけだ。
 相手は膝立ちのような状態なので、抱きしめても俺の頭は胸辺りまでしか届かないが。
「俺はレイパーとか言っただろうが。そのお返しをさせてもらう」
 欠片もんな事気にしちゃいないんだが、コイツは何かしら理由つけると大人しくなると見た。
「な、なによそれっ!うひゃ!」
 半分入ってたモノを引き抜き、腰に座らせる。
 入れてないだけで対面座位そのままだが、オアズケな分身は彼女の太ももに挟まれてさぞやいい心地なのだろう。
 これで高さが合うので正面を見れば耳まで赤い俯いた顔が見える。視線は俺を見たり下を見たりと忙しなく動いている。
「いいか? この大きいのが準備なしで入ればかなり痛いぞお互いに」
 多分、勢い任せで押し切ろうとしたらしいが途中で演技力が切れたのが致命的だな。
「何が、大きいよ……こんなの、お、大きいうちにも…入らないわよっ!」
 ……いい度胸してるというか、なんというか。
 素面で言われたら俺はヤケクソっぽく乱暴に扱うかもしれんが、俯いたまま、しかもちらちらソレを見るたびに、耳朶が
真っ赤になるのを見ると可愛らしくみえるから不思議だ。
 半分突っ込んだ時は分からなかったが、正気を取り戻すと軽く濡れている程度で処女でなくとも痛がる位だ。
 全く無茶をする。

274 名前:異端な禁断少女?9/13 mailto:sage [2006/08/25(金) 23:37:13 ID:XtGqITCy]
「ま、大きい云々はともかく、俺は痛いのはイヤだね。だから――」
 改めて近くで見るとブラウスのような感じだが、見た目以上に複雑そうだ。……そういやちょっと前に同じ事しようとした
気が。
 そんな懊悩を見て取ったのか何処か拗ねた雰囲気を感じる。
「私は揉むほど胸ないから見せてあげない」
 つんとそっぽを向かれてしまった。
 頭の中が急速沸騰するが所詮は徹夜明け、理性とか倫理が小さじ一杯程度しかないようで、思ったことがすらすらと
流れ出す。
「今は小さいかもしれんが、今度出たら大きくなるかもな」
「また、『禁断少女』呼ぶ気?そんな根性も我慢強さも無いくせによく言えるわね」
「お前に会う為ならいくらでもできるさ」
 ……誰か俺を止めてくれ。脳みそが沸騰して歯が浮きそうだ。
 俺の後悔とは裏腹にこの言葉は非常に威力があったようで、劇的な反応が返ってくる。
「〜〜〜〜っ、この物好きっ!物好き!物好き……がぁ――ぐす」
 近くで見れば見るほど彫刻と見紛うほどの白い肌が朱に染まる姿は何度見ても新鮮な印象を覚える。
 それに見惚れているのも良かったが、目の前でぐずぐずと鼻を鳴らしているをどうにかしなければならない。
「今度、出るときはちゃんとおおきく、してよ?」
 どうしようかとオロオロしてると、Tシャツの襟元を掴まれて上目遣いでお願い(?)された、しかも涙目。
 こうお願いされたら断れないじゃないか、もとより断るつもりはカケラもないが。
「あ、あぁ分かった」
 こんな頼りない返事でも満足したのか、複雑な装飾を外し、するすると脱いでいく。
 最後の一枚でもある白いブラウスのボタンを全て外した所でやっぱり恥ずかしいのか固まる。
「笑わないでよ? そもそもアンタの理想なんだから……」
 と、我慢できずに俺はブラウスの中に手を突っ込む。
 どうやらブラをしていないようで隙間から、ちらちらと乳首が見えてるのにお預けをくらうのは非常に酷というものだ。
「まだ、話は終わって、ない、あう」
 色々文句があるらしいが、俺は気にせず突っ込んだ手であるかないかのふくらみをもみしだく。
 揉み応えは少ないが、その分柔らかいのは個人的に好きだ。
「んく…やぁ、むぐっ」
 変化を持たせたつもりで小さい胸を揉んでいるが、今一自信はないのでキスをしてみる。
 まるで待ち望んだかのように舌を差し出され、お互い拙いながらも絡ませる。
 それだけに飽き足らず、歯茎や歯の一つ一つさえも蹂躙しあう。
「あむ…んん、あん……ぁあ…ぷはっ」
 息をするのを忘れるほど興奮していたのか、彼女は口を離しぜいぜいと息をしている。
「おいおい、大丈夫か」
「なんてこと、ない、わよ。下手なんだから、もうちょっと続けなさいよ……」
 説得力ないと言ってやりたいが、強がりを言う姿が可愛いのでぐっと堪えてキスをする。
 今度は胸に。

275 名前:異端な禁断少女?10/13 mailto:sage [2006/08/25(金) 23:37:45 ID:XtGqITCy]
「ちょ、まって……やぁっ――」
 乳首を舌で付いたり吸ったりすると、硬さを帯びてくるのが微かながらに分かる。
 反対側の乳房は、空いた手で揉む。
 足と同じようにいくら弄ろうが飽きが来ない。
「ああん、んぅ…あん……ぁぁ…はぁ……く……」
 沸きあがる快感を堪えるように唇を噛んで耐える禁断少女。
 その反応の仕方が楽しいので反対側にも同じようにする。
「あ、ちょ、また……くぅ、あ……いや…ん……」
 吸ったり、舌でこねくり回していても全く飽きない。
 いつまでもこうしていたいという誘惑に駆られるが、頭を抱かれる感触で現実に引き戻される。
 ちらっと彼女の顔を盗み見ると、目を閉じて恥らいに頬を染め耐える姿が見えた。
 俺だけ楽しんでは、意味が無い。
「はぁ…はぁ……な、なによ……? 気味悪く笑ったりして」
「いやなんでもない」
 俺は苦笑を噛み殺しきれなかったらしい。
 仕方ないので誤魔化すように軽いキス。
「い、いきなりなによ?」
「触るぞー」
 流石に誤魔化せなかったので禁断少女の股に手をやり、軽く触れる。
「え?いやっ、ちょっ……やあん――」
 そこはもう、なにがあったと聞きたいくらい濡れており、もうぐちゃぐちゃの様相を呈していた。
 未熟なテクでこう反応されては、どうしていいかわからない。
「あー、えーと?」
「……私の口から、言わせる気?」
「俺から聞きたいか? 自分から言いたいか?」
 ノーコメントのようで額に皺を寄せて睨まれた。そんな顔も可愛らしくて、くしゃくしゃを頭を撫でてしまう。
「だ、だから、子ども扱いしないっ!」
 一瞬心地よさそうに目を細めたが、一転して怒り出す。まるで天邪鬼だ。
「子供じゃないなら言えるよな?」
 我ながら悪質なウソだな、と突っ込む。まさか信じるとは思えないが――
「……言わなきゃダメ?」
 信じちゃったよ。もしかして演技かもしれないがここは乗ってやろう。
 俺は首を縦に振って肯定の意を示すと、彼女は理性と矜持の狭間でコロコロと表情が変わって迷っている。
 見ている分には面白いが。
「っ……えっちなものが……いっぱい溢れて、ます――こ、これで子供じゃないわよ」
「――」
 言われた瞬間、ぶつっと理性の紐切れかける音がした。もう少しだけもってくれ理性。
「子供じゃないだけで大人じゃないからな」
「ソレ、ずるいっ」
「だから、大人になろうな」

276 名前:異端な禁断少女?11/13 mailto:sage [2006/08/25(金) 23:38:22 ID:XtGqITCy]
 俺はそう言うと、彼女を抱き上げて布団へ下ろす。なにか抗議の声が聞こえる気がするがこの際無視。
 半脱ぎだったズボンを完全に下ろして既にモノは完全に戦闘体制。
 対する『禁断少女』は半脱ぎのブラウスと乱れきったロングスカートで布団の上で大人しくしている。
「ちょ、ちょっと目が据わってるわよ」
「誰の所為だ、誰の」
 スカートを捲り上げて、彼女の秘部を晒す。
 慎ましげなスリットが僅かに開き、彼女の言った「えっちなもの」があふれ出している。
 俺は、ペニスを秘部へと押し当て、そこで留める。
 このまま入中へ入れたい衝動に駆られるが、残り少ない理性を総動員して食い止める。
「いいか?」
 その答えを待つ時間さえ、もどかしく感じるほど余裕がない。
「好きにしなさいよ……」
 険の剥がれた大人しい声は、どこか官能的で理性を抉る。
「…ンぐぅぅぅ」
 苦しげな声に対する気遣いの欠片すらなく、俺は一気に挿入した。
 中は予想以上に締め付けられ、あまりの心地よさに、奥歯を軋ませるほど歯を食いしばって耐えなければならないほどだ。
 最奥までたどりついた感触がしたところで俺は動きを止める。堪える為もあるけど彼女の反応をみる為でもある。
「大丈夫か」
「……思ったより、痛くない」
「そりゃ、重畳」
 痛くないに越したことは無いが、こっちはかなりギリギリだ。
 そんな心の内を読み取られているのか、中を締めたりと悪戯される。
「ふふん、どーよ……はぁ、私の方が一枚上手なんだから……」
 確かにキツイが、慣れてきたのかなんとか落ち着いてくる。
 ここから反撃させてもらう。
「あぅ、んん……ま、負けないもん」
 ぬるりとした感覚を感じながら腰を引き、そして、秘肉の中をモノをゆっくりとうずめていく。
 それを何度か繰り返すと、俺も調子をつかめてきたのか少しづつ動きは速める。
「あふ、んん、、んぅ! はぁ…気持ちよくなんか……んぁっ、ないっ」
 相変わらず強情だが、艶っぽい声のトーンは少しずつ上がっていく。
 お互いの皮膚か当たり、音を立て、汗ばみ、否が応でも興奮してくる。
「く…はぁ、んあっ、へた、くそっ、――んんっ」

277 名前:異端な禁断少女?12/13 mailto:sage [2006/08/25(金) 23:38:52 ID:XtGqITCy]
 こんな状況になっても嘘をつくコイツが可愛らしくて、口封じの口づけ。
 腰をリズムよく動かしながら舌を激しく絡ませる。
 ……強情だが悪い奴ではないそう思える。
「――んあっ!」
 口を離すと今までが嘘のように嬌声があふれ出し、どっと汗がかくのが目に見えて分かる。
 その声に後押しされるように俺は腰の動きを加速させる。
「あ、あんっ、あん…くっ! ああ! あん! あっ!」
 膣内から伝わる快感はジワジワとモノを責め立てて、絞り取ろうと蠢く。
「ぐ……」
 無意識かどうかは分からないが、締め付けが一層強くなり呻き声すら出せなくなる。
 その為か、限界を表すかの様に下腹部が引き絞られるような感覚で俺はラストスパートへ持って行く。
「」
 彼女が俺の首に手を回すと、俺も背中に手を回し上体を持ち上げる。すると自然に向かい合うような姿勢になる。
 長いスカートが互いの足に絡みつくが、気にもならない。淫らの水音と荒い息、嬌声。それだけの音しか耳に入らない。
 どとのつまり互いにギリギリ。
「あっ…はぁっ、ふぁ…ああっ!」
 いよいよ声のオクターブの裏返りの域にまで高まるが、興奮と頭痛で視界が霞む俺には耳すら遠くなる。
 ……一瞬、意識が飛んだぞ。おい。
 仕方ない。
「限界だ、俺も出す……!」
「い、イカせないと、あんっ、また……やるわよっ、ふぁぁ!」
 何をやるかはすぐに思い当たった。"空砲"だ。
 冗談じゃない。この状態で食らったら命に関わりかねない。
「そ、んな、あっ! はげしくした、らっあ! 」
 それはもう必死にイカせようと激しく腰を打ちつけ、衣擦れのような音を立てながら抽送する。
 後にも先にもこれほど相手をイカせようと必死に頑張った事はないと思う。
「ふあっ、あああぁぁっ!」
 最後に強く腰を打ちつけたときに彼女と俺はなんとか同時に達した。
 ……は、ははは、なんとか…やったぜ……
 そう思った時には視界は暗転していた。
 4徹の疲労、"空砲"のダメージ、などが組み合わさって、俺は意識を静かに失っていた。



278 名前:異端な禁断少女?13/13 mailto:sage [2006/08/25(金) 23:39:24 ID:XtGqITCy]




 スズメが鳴くのは朝。では、カラスの鳴く時間は?
「――は!?」
 頭にガンガン効くカラスの鳴き声で目の覚めた俺は思わず周りを見回す。
 窓からは夕日が差し込み、日は沈みかかっていた。
「おいおい、俺大丈夫かよ」
 女の子が出てきて、ヤッたなど妄想甚だしい夢を見た気が。
 とりあえず、下半身丸出しな変態ちっくな服装を正してPCの前に座る。
「は?」
 卒論書こうとファイルを開くと、既に文字が埋まっており最後にこう書いてあった。
『又、徹夜して気絶しないようにしてあげてるだけなんだから、今度は期待しない事っ!』
「っく、くくく……」
 禁断少女が卒論をしたなど聞いた事が無い。そんなおかしさに思わず笑いがでてしまう。
 字はたまに間違ってたり、日本語として変な所もあるが、それは俺が直せばいい。……俺、同じ所間違ってるよ。
「こんど着たらお礼してやんなきゃな」
 それには頑張るしかない。
 今度こそ、あの暴言魔女を好きになれそうな気がした。 




279 名前:eins ◆zug3p/I.KE mailto:sage [2006/08/25(金) 23:40:41 ID:XtGqITCy]
これにて終了。
決して4夜連続徹夜はやってはいけません。長生きできませんからね?
そして題名の意味を考えていただけると幸いです。
お目汚ししつれいしました〜

280 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/08/26(土) 00:32:19 ID:NrIrxM5k]
推敲甘すぎるのが所々目についたけど、概ねGJ!

281 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/08/26(土) 00:51:57 ID:quad5ULG]
GJ!
かけあい会話とエチーがいいテンポです。
ただのツンデレではなくいろいろイジっているのが魅力的。

知らないうちに何かやってくれる「小人さん機能」は
禁断少女の標準装備だけど、いろいろバリエーションが考えられるものかも。



282 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/08/27(日) 21:24:53 ID:3WQ8xrZZ]
>>266
GJ!
エロパロと卒論を天秤にかけるなんて、SS職人の底意地をかいま見たような
気がしましたww


283 名前:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 mailto:sage [2006/08/27(日) 23:43:43 ID:2Mt8irAr]
<夏の終わりに>

「んくっ……ふう……」
「う……そろそろいくぞ……」
「――来や。わらわの中にっ!!」
自分の小袖の端を噛んで耐えようとする娘の首筋に唇を這わせる。
何度も試し、覚えた「彼女」の弱点。
「ひっ……!」
のけぞって思わず咥えた小袖を離したところを白いうなじに手をかけて引き戻す。
唇を重ねると、「彼女」は大きく目を見張ったあと、軽く睨み、そして目を閉じた。
同時に射精がはじまる。
どくどくという律動とともに、
肉体的にも心的にも弱いところを次々と嬲られた「彼女」も達する。
はじめてあった頃のように、僕だけがイかされることは、もう、ない。

──真夜中の後朝(きぬぎぬ)。
朝までの時間を共に過ごすことがなくなってから、どれくらい経つだろうか。
のろのろと女の肌から離れる動きに、倦怠感が混じる。
「彼女」のほうにも。
いや。
そう言ったら、「彼女」に失礼かもしれない。
ベッドに伏せた美しい女は、僕のような嫌な疲労感を持っていない。
粘膜質な音を立てて自分の中から相方が乱暴に性器を引き抜いたときでさえ、「彼女」は
「あ……」
という綺麗な声で啼(な)いた。
刷毛ではいたように柔毛がうすい翳りの下に、
今しがたの情交で無残に広げられた幼い性器が、粘液をのろり、とこぼしていく。
自分の秘所を見つめるその瞳に、羞恥が浮かぶ。
小袖を翻して桜紙をそこに当てる動作を、僕はもう見ていなかった。
慣れ親しんだ女体を、僕はぞんざいにベッドの上に転がして立ち上がった。
パソコンデスクの前に座る。
電源を入れっぱなしのマシンから、文書ソフトを呼び出した。

284 名前:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 mailto:sage [2006/08/27(日) 23:44:14 ID:2Mt8irAr]
「――まだ、書き終わらぬのかや?」
ぞろりと、背筋を這い上がるような声にも慣れた。
「ああ」
「遅筆なこと──」
「うるさいよ」
開いた文書ソフトにどんどん文字を打ち込んでいく。
「……」
アイデアがあふれ出す、とはまた違った感覚ですらすらと書ける。
テクニックというほど高尚なものじゃない。慣れの領域だ。
半年も前から書き続けている続き物──。
登場人物の造形がだいたい固まり、眉根にしわをよせなくても、
勝手にしゃべってくれる時期──書き手が一番楽な時期。
すんなりとキーボード上の指が動く感覚は、80点の幸せを僕にもたらす。
──マイナスと、120点を行ったり来たりする感覚は、耐えて久しい。
夜明けに、全知全能を振り絞りながら書いた物語は、遠い過去だ。
さまざまなテクニックと経験を積んだ今の僕は、そんなことをしなくても、
あの頃には書けなかったレベルの話を量産できる。
そう──あの娘――<禁断少女>と始めて会った夜の頃。

「……なんだ、まだいたのか」
「居て、悪いかや?」
一段落書き終えて投下したあと、僕は、ベッドの上に<禁断少女>が腰掛けたままでいるのに気がついた。
今までないことではなかったが、珍しい。
「悪くないけど……」
のびをして、椅子から立ち上がる。
「彼女」の横に腰掛ける。
禁欲と、そのあとの情交はともかく、こんなのは久しぶりだ。
「……どうした」
「……いや。あの話、まだ書かぬのかえ?」
<禁断少女>は、ぽつりと言い、――僕は息が詰まった。

285 名前:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 mailto:sage [2006/08/27(日) 23:44:45 ID:2Mt8irAr]
「彼女」が言う「あの話」とは、僕の最初の作品。
最初に書きはじめ、途中で投げ出した20kbほどの文章。
あまりにひどいできだったので、途中で書くのをあきらめ、
HNも別のものにして別の物を書き始めた。
それがいくつか感想をもらえるようになり、それが楽しくて書き続けた。
書き続ける中で、僕はテクニックやなんやらを覚え、
幾つかのスレを渡り歩き、――今の僕になった。

「いや……あれは書かないよ」
苦い表情になった僕は、<禁断少女>から顔を背けた。
続きは何度も考えたけど、古い作品は、今みると、自分の幼虫を見るような嫌悪感がある。
ここからどう話をつなげればいいのか、全然イメージできない。
「そうかえ……」
<禁断少女>は、ちょっとうつむいた。
「あれを書いてるとき、はじめて君に出会ったから、思い入れはあるんだけどね。
パソコン変えた時に写しもしなかったから、もうデータもない。
投下スレもサーバー移転のときに、飛んじゃったらしいし……」
僕は言い訳のように言った。
「ふむ。わかっておる──」
少女は鼻を鳴らして立ち上がった。
黒の小袖と黒髪が、どこまでも美しい。
「じゃ、またな」
「――また、は、ないのじゃ」
<禁断少女>の返事に、僕は声を失った。
「……え?」
「賞賛でも批判でも感想でも、憑いた書き手が、○×個のレスを受ければ、
<禁断少女>は、<SSの女神>となる。わらわはちょうどその時期でな」
幾つかのスレを渡り歩く中で、それくらいのレスをもらった覚えはあった。
「……見や……」
<禁断少女>は小袖をはだけた。
少女の名に恥じず、薄く幼かった胸乳は、いつのまにか豊かなふくらみをつけていた。
そういえば、最初は何も生えていなかったあそこに、茂みが経たのはいつからだろう。
成熟した女体は──少女ではなく,豊穣の女神の象徴。

286 名前:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 mailto:sage [2006/08/27(日) 23:45:19 ID:2Mt8irAr]
「女神となると、一人の書き手に憑いておれぬ。今宵がそなたと最後の夜となろうな」
「……そんなっ!!」
「さらばじゃ。――あの話、続きを読みたかった……」
<禁断少女>は、振り向きもせずに消えた。
僕は、よく識った存在が世界から消えうせたことを悟った。

「……」
それから、二週間、僕は何も手がつかなかった。
このあいだまでは、ほとんど自分でコントロールできるくらいに
思った時に呼び出せた「彼女」は、まったく呼びかけに応えなかった。
「ほんとに……消えちまったのかよ……」
そのことばが事実であることを、僕は悟っていた。
「あんなに突然……」
大切なものは、いつだって不意になくなってしまう。
「……くそっ……!」
無視気に掴んでいた枕を投げ飛ばす。
腹いせに投げられた枕は、棚に当たって派手な音を立てた。

──からん。

プラスチックの物体が、フローリングの床を転がる音。
「……」
視線を落とした僕の目に飛び込んできたのは、ケース入りのフロッピーディスク。
「……これは……」
いかにも古臭いデザインのそれは──昔、僕が文書を保存していたバックアップデータだ。
僕は、震える手でそれをパソコンに押し込んだ。
──冴えないファイル名。
──センスのない分類の仕方。
──のたうちまわりそうなタイトル。
その中に──そいつはあった。
僕のはじめてのSS。

287 名前:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 mailto:sage [2006/08/27(日) 23:45:50 ID:2Mt8irAr]
ドライブを読み込む音――耳に心地いい。
開いた画面は、今のようにカスタマイズされていない──懐かしい。
ずらずらと並んだ文章──恥ずかしいけど……恥ずかしいけど……。
「あ……」
僕は思わず声を上げた。
顔を赤らめるくらいに稚拙な文章は、一人の少女を綴ったSSだった。

なんで忘れていたのだろう。
黒い和服の不思議な少女を描いたSSのことを。
これを書き綴った夜、それとそっくりな<禁断少女>と会ったことを。

──はじめて街の図書館に行ったとき、感じたこと。
僕は、ここにある本を全部読めない。
──はじめて有明に行ったとき、思ったこと。
僕は、ここのサークルを全部見てまわれない。
──はじめてネットにつないだとき、感じたこと。
僕は、このサイト群を全部見ることができない。

──はじめてほかの人の作品に感動したとき、感じたこと。
僕は、こんな物語を書けない。

でも、僕は、僕のこのSSを書くことが出来て──。

カタ、カタ、カタ。
知らず知らずのうちに、僕の手はキーボードに伸びていた。
あの日、出あった少女のことを綴る物語。
あの夏、書き終わることができなかったSS。
でも、今の僕には書けるかもしれない。――たぶん、書ける。
最近の倦怠混じりの80点の作品じゃなくて、
これを書き始めた時の、120点の情熱を持って。
初めてのこの作品を、今一番新しいこいつを、僕の最高傑作に、したやるんだ。
きっと、できる。
どこかで、新米の<SSの女神>が見守ってくれているはずだから。

288 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/08/28(月) 00:50:45 ID:JtfJ3tbT]
ゲーパロさん、相変わらずうまい。
たったこれだけの短編で、きっちりお話をまとめて読ませるなんて。
GJ

289 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/08/28(月) 00:56:53 ID:7sXZBvc4]
少女が女神に変わる時……
大人になる瞬間のような甘酸っぱさがあって、素敵です。
GJ!

290 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/08/29(火) 21:20:12 ID:My1V/pEG]
面白かった。

291 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/08/30(水) 01:59:06 ID:flTAHx1a]
面白かったのはもちろんなのだけれども――。



作中、一人称の「僕」が語る心の声。
100%でないにしろ氏自身がかつて考えたことなんだろうと思ったら、少し勇気が湧いてきた。
図書館・有明・Webサイト、全部、俺も同じことを考えた。

ゲーパロ氏ほどの書き手でも、やっぱり同じ道を通っているんだな、と、
そう思うと少し心の重荷が軽くなるような気がする。

最初から神と呼ばれる書き手なんていないことは肝に命じてるつもりなんだけれど、
どうしても、書けないときは内にこもって悩まなくてもいいことで悩んでしまうもので。
そういう時、先人の経験を踏まえた言葉は、何よりの薬になってくれるんですよ、と。

俺も、俺の生んだ娘が女神様になるその日まで頑張らなくては。
……そんな風に思わせてくれる作品だった。



駄長文失礼。



292 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/08/30(水) 15:10:02 ID:CCy8WdiY]
GJ!!

293 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/08/31(木) 18:12:24 ID:70+x2KbF]
これから投稿します。
5レスの予定です。

294 名前:一期一会 1/9 mailto:sage [2006/08/31(木) 18:24:11 ID:70+x2KbF]
 暑い日が続いている。日中は風が強く吹いていたが、夕方には収まっていた。
 二階にあるこの部屋の窓から外を見れば、近所の家の明かりが見えるだろう。
 俺は視線をカーテンからディスプレイに移す。そこには書きかけのSSが表示されている。
 読み専だったのだが、ある事が切っ掛けとなり、SSに挑戦しているのだ。
 それはある掲示板で、偶然見つけたスレに原因があった。
 そこで禁断少女……もとい、素晴らしい作品群に出会ったからだ。
 いざ書いてみると、想像以上に難しかった。作者の苦労を実感し、頭が下がる思いだ。

 オナ禁してから既に一週間経つが、いまだに禁断少女らしい人物は現れていない。
「駆け出しの元に来るはずもないか……」
 大きく伸びをした後、メールをチェックする。相変わらず、出会い系の怪しいメールばかりだ。
 ふと、その中に『禁断少女』という差出人名を見つける。
「これは!?」
 はやる気持ちを抑え、ゆっくりと唾を飲み込む。

295 名前:一期一会 2/9 mailto:sage [2006/08/31(木) 18:27:36 ID:70+x2KbF]
 メールを開くと、本文には『今夜、貴方の元に伺います』と一行だけあった。
 返信ボタンを押し、『突然部屋に現れても困るので、玄関から来て下さい』と入力する。
 俺は細かい事は気にしないのだが、登場は自然なほうがいいと思ったからだ。
 メールを送信してから後悔する。
「新たな手口に引っ掛った?」
 俺の不安をよそに、送ったメールは配信不能というエラーで返って来た。
 そうだよな。そんな都合のいい話があるわけない。少し期待していた自分に苦笑する。

「もう九時か。腹減ったな」
 両親が旅行に出かけているため、食事はコンビニの弁当などで済ませていた。
 最近、この辺りに怪しいヤツが出没するらしいので、夜はあまり外に出たくなかった。
 男が襲われることはないと思うが、変質者に間違えられても困る。
「まだ何か残ってたかな?」
 自分の部屋から出ると、階段を下りて食堂へと向かう。
 食堂の入り口には、幾つかの洗濯物――体操着や下着など――が無造作に置いてある。
 これらは昼間、隣りの家から飛んできた物だった。留守だったので、返していない。

296 名前:一期一会 3/9 mailto:sage [2006/08/31(木) 18:30:46 ID:70+x2KbF]
 戸棚を漁るとカップラーメンが一つだけ残っていた。
「今夜はこれでよしとするか」
 ヤカンに水を入れ、お湯を沸かすことにする。
 自分の席に腰を降ろすと、頬杖をついた。

 禁断少女はその人が想い描く姿で現れるらしい。性格や性癖なども合わせてくれるのだろうか?
 実は隣りの家に住む少女に好意をもっている。彼女は今年高校生になったばかりだ。
 小さい頃はたまに遊んだこともあるが、最近はそんな事もなくなっていた。
 まあ、挨拶くらい交わすが、それ以上は望むべくもない。
 今朝見かけた時、彼女は長い髪を揺らしていた。その笑顔には、まだあどけなさが残っていた。
 もっとも体の発育は順調なようで、何度か風呂場を覗いて確認済みだった。
 どちらかというと、髪は短い方が好みなんだが……。

 もし、俺の元に禁断少女が現れるとすれば、彼女の姿で来てくれるのだろうか?
 格好はもちろん制服で……いや、夏だから違ってても許すぞ。

297 名前:一期一会 4/9 mailto:sage [2006/08/31(木) 18:33:21 ID:70+x2KbF]
 いきなり襲ったら、嫌がってビンタくらいされるかな? 従順なだけじゃ、イマイチ面白くない。
 ヒールで踏み付けられたり、鞭で打たれてみるっていうのはどうだろう? ローソクは?
 手錠なんか掛けられて、激しく罵られるとかは?
 責められた事などないのだが、そんな経験をしてみたいと思っている。頼む、体験させてくれ!
 幼さの残る子にそんなことをされたら、ギャップで萌え狂ってしまうかもしれない。

 ヤカンが沸騰したことを知らせてきたので、火を止めにいく。
 カップラーメンの蓋を開け、湯を注ぐ。
「ちっ」
 お湯が線より多く入ってしまった。今にも溢れそうだ。まあ、いいか。
 カップラーメンをテーブルまで持っていき、時計を見る。長針は4を指していた。
 箸を用意し、椅子に座る。あと少しで食べられるぞ。
 不意に呼び鈴が鳴った。
「誰だ? こんな時間に……ま、まさか!」
 俺は食堂から玄関へと続く、真っ直ぐな廊下を小走りで進んでいく。

298 名前:一期一会 5/9 mailto:sage [2006/08/31(木) 18:36:52 ID:70+x2KbF]
 玄関のドアを開けると、隣りの家に住む少女が立っていた。髪型は俺好みのショートカットだ。
 白い半袖ブラウスにチェックのスカートを穿いている。両手は後ろに回されていて見えない。
 さり気なく胸の辺りへ目をやると、ブルーのブラジャーが薄っすらと透けていた。
「こんばんは。あの、回覧板です」
 彼女はそう言うと、両手で回覧板を差し出した。
 マジか!? 俺の所にも、ついに禁断少女がキター!!
 彼女に見えないよう、小さくガッツポーズをする。
 この際、制服姿でなくてもいいじゃないか。俺は細かい事は気にしないのだ。
「どうしたんですか?」
 彼女はちょっと首を傾げる。
「い、いや何でもないよ。ありがとう」
 回覧板を受け取ると、それをゲタ箱の上に置く。
「失礼します」
 彼女は一礼して、背を向ける。
「上がっていきなよ」
 その背中に、慌てて声をかけた。焦らす作戦だろうか?
「えっ?」
 彼女が振り向いた。
「ジュースぐらい出すよ」
「でも。わたし、帰りま……」
 彼女の視線は、俺から廊下の奥、食堂の方へと向けられていた。

299 名前:一期一会 6/9 mailto:sage [2006/08/31(木) 18:42:44 ID:70+x2KbF]
「いいからいいから。遠慮することないって」
 そう促すと、彼女は指を口元に持っていき、何事か考えているようだった。
「……じゃあ、少しだけ」
 彼女はそう言うと、玄関の中に入ってきた。ゆっくりとした動作で靴を脱ぐ。

 俺は食堂へと続く廊下をゆっくり進む。彼女は後ろから付いてくる。
「わざわざ俺の所に来てくれるなんて、感激だな」
「あの、なんのことですか?」
「またまた。俺、一週間も溜まってるんだ」
 急に立ち止まって振り返る。彼女も慌てて止まると、二人は向き合った状態になる。
 俺が彼女を見つめると目が合った。しかし、彼女はすぐに視線を逸らした。
 次の瞬間、俺は彼女のスカートをめくった。青いパンツがちらりと見える。レース付きだ。
「キャッ!」
 小さな悲鳴と共に、両手でスカートを押さえる姿が愛らしい。
 た、たまらん!
「ちょっ、ちょっと何を――」
 抗議しようとした彼女をその場に押し倒し、馬乗りになる。
 手で腕を抑えつけ、強引に唇を奪おうと腰を浮かせ、前のめりになった。
「や、やめて下さい」
 顔を背けた彼女が言う。

300 名前:一期一会 7/9 mailto:sage [2006/08/31(木) 18:44:31 ID:70+x2KbF]
「嫌がる姿もいいね」
 彼女の耳元で囁く。
「ひ、人を呼びますよっ!」
 顔を戻して言う彼女の声は、少し震えているようだった。
 俺は左手で無理矢理ブラウスを襟元から引っ張ると、ボタンが幾つか飛んだ。
 レース付きのブラジャーが露になる。柔らかそうな膨らみは目の前だ。
「い、いやぁー!」
「嫌よ嫌よも好きのうちって――」
 頬に平手打ちを喰らった後、股間に鈍痛が走る。
「ってー!」
 彼女の蹴りが入ったのだ。床で転げる俺を無視し、彼女は一目散に駆け出す。
「ちょ、まてよっ」
 俺は手を伸ばすが、彼女は振り向きもせず、玄関から出ていった。
 なんとか立ち上がり、ぴょんぴょんと跳ねる。
「ぅああ、マジ痛え……」

301 名前:一期一会 8/9 mailto:sage [2006/08/31(木) 18:46:36 ID:70+x2KbF]
 暫くして、気を落ち着かせた俺は食堂に戻った。
 時計を見れば、もう五十分を過ぎている。
「完全に延びちゃったな」
 席に着き、水分を吸ってしまった麺を食べ始める。
「さすがにちょっと強引すぎたかな」
 自分の衝動を抑えきれなかったことを反省する。
 何も逃げ出すことはないじゃないか。まだ抜いていないんだから、すぐに戻ってくるだろう。
 そういえば、なんで持ち物が回覧板なんだ? まあ、いいか。俺は細かい事は気にしないのだ。
 殆んど残っていない汁をすすった。
 パトカーのサイレンが近づいて来るような気がする。
「ん? 近くで何かあったのかな」
 変質者でも出たのだろうか? のん気にそんな事を思う。
 カラになったカップと箸をテーブルの上に置くと、ゆっくり背もたれに寄りかかった。



302 名前:一期一会 9/9 mailto:sage [2006/08/31(木) 18:48:31 ID:70+x2KbF]
 それから一時間後――。

 明かりの点いた家の玄関先に、人影が立っていた。
 呼び鈴を何度となく鳴らしているが、誰も出てくる気配がない。
「おかしいなぁ」
 髪の短い、制服姿の少女が首を傾げる。手には膨らんだ学生鞄を持っていた。
「確か、ここで間違いないと思うんですけど……」
 少し玄関から離れると、ゆっくりと辺りを見回す。
「急でしたけど、苦労して集めたんですよ、コレ」
 そう呟いて持ってきた鞄に目をやると、ため息を吐く。
 玄関前に行き、もう一度呼び鈴を鳴らす。
 少し待ってみたが、やはり誰も出てこない。
「せっかく来たのに……もう知らないです!」
 少女は頬を膨らませると、その家を後にするのだった。

−完−

303 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/08/31(木) 18:52:38 ID:70+x2KbF]
以上です。

ごめんなさい、ごめんなさい。
携帯からの書き込みなんですが、文字数制限に引っ掛かりました。
(つд`)

304 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/08/31(木) 22:10:19 ID:+zmJ/3i/]
なんつーか、こういうのはこういうのでいいな。
無駄足を踏まされた禁断少女がかわいい。

305 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/09/06(水) 23:31:02 ID:ICjSo8Wq]
保守

306 名前:名無しさん@ピンキー [2006/09/09(土) 23:49:32 ID:sZMkAcLG]
age

307 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/09/12(火) 20:16:57 ID:V4h0efHJ]
         ,:':.:,:':.:.:.:.:.:.:/:.:./:,:':.:ハ/:,:.:.:.>、:.:.\;.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.::.:!
         /:.:/:.:.:.:.:.:.:/:.:.:, ': :// ,:':, 1:::/:.:.l:.:`:..、:.`. 、,:.:.:.:.:.:ハ:.:.:.:.::.:|
         /:ノ:.:.:.:.:.:.:/:.:.,:':.//  // |:::ハ:.:.|,:.:.:.i:.:.:.i. ..,:.`:..;:...::',:.:.:.:.::.:|
        /:.:.:.:.:.:.:.:./::./:/ / ⌒ ス:、 |:| ';:| l:.:.ト:.:.:.|l:.:.:.|`:.:.;:'..、;:.:.:.:.::.|
      /:.:.:.:.:.:.:///! / 、, =≧ヾ, |  | ',::| |:::ハ:.:.:;|:.:.:.:.|:.:.::.`:'::ー|-
     //:.:./:./:,'イ-、| -ィ'  ィぅ, ゞt,_  〉:;.:',| |::l |:_;L:.:.::.|::.:|:.:.:. ::.|
   /イ:.:.:.:./:/:::::::::::l ヽl   ゝ,__'~ 、ンヾ ィ' (,、ィァン≠匕|:.:.:.:l:.:.:i:.::.| .:|
  /´  /:..:./:/::::::::::: :| 、|       '"'  ` ,^ '゙ r ゙´fy, ヽ:.:.:,':.:.:|:.:.|:..:!
     ,':.:.:/:/::::::::::::::::::ヽ!         _  丶  ``'、´~ ,!::ノ:.,'::,':.:.|:.:,'
    ,':.:./,:':::::::::::::::::::::::::i   :.:        '      ̄ ,'/l:.:.':.,':.:.,':.,'
    ,':.:/:':::::::::::::::::::::::::::八  ;::  ィ介ミ`ー ,、、 _       ィ//:.:/ /:.:,'
   ノィ/:::::/|::/|ハ::: /|/∧   〈{:.:.:.:.:.:.:`:..`´};!       //ィ:./ /:.:/
    /イ  |/ リ ∨/ ,' ム  ゞ'^‐= z、_ィノ  、:.. ,人/:./ ハ/
             /ト   \   ー..-  `´  , イ / /;:'  /゙   喰いちぎってやろうかあ
              /   \  ヽ、    ,. ,<´ / / /  ノ    
            /|     ヽ、    ̄  ノ〉
        , r/'´   |        >  <  |
   -─'' ´ /    |      /::::::::::::: \ |`' ‐-、 _
     / /      |    /:::::::::::::〈{:::::::::::\   \ヽー-
    / /       |  /::::::::::::::::::| }〉::::::::::::::.:\  \\

308 名前:名無しさん@ピンキー mailto:age [2006/09/14(木) 00:40:34 ID:JKG9vKBg]
あげなければならないスレだ

309 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/09/15(金) 01:09:10 ID:iUXfx1h2]
さてオナ禁しますかね…

310 名前:名無しさん@ピンキー [2006/09/18(月) 02:54:49 ID:Yi2XLMha]
オナ禁が出来ない
今日だけで3回しちゃったよorz

311 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/09/18(月) 08:14:17 ID:Gvca8lHQ]
やり杉ばあば が現れるぞ



312 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/09/18(月) 11:25:15 ID:+4zzs2uP]
>>311
もっと萌える名前にしてくれよw

313 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/09/18(月) 11:50:31 ID:3M7BuUqO]
オナニーをし過ぎた者の前には、槍杉先任軍曹が現れ。
精根つき果てるまで、筋トレを強いるぞ。
気をつけろ。






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