1 名前:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 0ba1-ctHD) mailto:sage [2023/07/04(火) 19:26:26.00 ID:N1v9B10H0.net] 原文を精読したり訳書の翻訳について語ったり 原文:https://www.gutenberg.org/files/34901/34901-h/34901-h.htm 現代英語版:https://www.earlymoderntexts.com/assets/pdfs/mill1859_1.pdf
53 名前:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ d889-NBo5) mailto:sage [2023/07/16(日) 11:48:01.85 ID:cg1gzNqe0.net] 問題文中の for anything they know について(特に>>50 に関連して)。 これは別に自分の解釈と他の人々の解釈が違うというのではないと思う。 北村訳の 「彼らの知識から判断する限りは間違いであってもおかしくない」 に異議を唱えようとは思いません。 要は、原文のニュアンスの受け取り方、訳し方の違いにすぎないと思います。 自分が当該箇所を訳すとすれば、 「彼らの結論は正しいかもしれない。しかし、彼らが当該の問題について多少は知識 を持っているとしても、彼らはやっぱり間違っているかもしれない」 ぐらい。 ここで重要だと思われることは、 for anything I know には little のニュアンスが 伴っていると考えられることです。 既に>>48 で指摘された通り、for anything one knows は for all one knows と 同義だと考えられています。 anything(どんなこと・いかなるもの)と all(すべて) がほぼ同一視されています。 さらにこの表現は considering how little one knows を意味するとも解説されています。 すなわち、anything や all が多いことをイメージさせるのに、それと反対のイメージ である little(わずか・少量) と共存するのです。 (続く)
54 名前:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ d889-NBo5) mailto:sage [2023/07/16(日) 11:50:09.49 ID:cg1gzNqe0.net] (続き) (ここで受験英語でおなじみの what little 〜 という表現に思い当たります。「少ない ながらもすべての 〜 」という例のやつです。ここでも all または anything が little と いう要素またはニュアンスと共存しています。) 問題文の it might be false for anything they know に戻れば、この部分の自分の 訳文をもっとくだくだしく説明すると以下のような感じになります。書き手の心理を 推し量って述べてみた場合です。 「彼らは大して知識は持ち合わせていないだろう。しかし、仮に彼らがいくらかでも 知識を持ち合わせているとしてみよう。そのいくらかの、わずかばかりの知識をすべて 総動員してみたところで、(彼らはやっぱり間違っているかもしれない)」 自分の最初の訳文では、この anything(意味的には allでもよい)と little(わずか・ 少量)の要素・ニュアンスをどちらも捉えて簡潔に表現するためには、「彼らが(当該 の問題について)多少は知識を持っているとしても」という譲歩的な表現に落ちつく しかなかったということです。これが>>50 に対する回答になります。 北村訳の「彼らの知識から判断する限りは間違いであってもおかしくない」は「彼ら の知識の少なさから判断する限りは間違いであってもおかしくない」とほぼ同義でしょう。