[表示 : 全て 最新50 1-99 101- 201- 301- 401- 501- bbspinkのread.cgiへ] 2chのread.cgiへ]
Update time : 08/18 14:42 / Filesize : 500 KB / Number-of Response : 593
[このスレッドの書き込みを削除する]
[+板 最近立ったスレ&熱いスレ一覧 : +板 最近立ったスレ/記者別一覧] [類似スレッド一覧]


↑キャッシュ検索、類似スレ動作を修正しました、ご迷惑をお掛けしました

女装SS総合スレ



1 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/10/17(水) 02:10:23 ID:d6QvuoYn]
ここは既存スレに該当しない女装関連のSSを総合的に取り扱うスレです。
無理やり女装させて、嫌がったり、恥ずかしがったりするのをニヨニヨするのもよし、自分の意思で女装させ、女よりも女らしい子を目指すのもよし、全ては書き手の自由です。
女装っ子を愛でながらまったりと盛り上げていきましょう。

既存の女装関連スレ

【おむつ】幼児女装小説 3冊目【園児服】
sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1188338286/l50

強制女装少年エネマ調教 ネオ×5
sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1176841562/l50

↑のシチュに該当するSSはこちらのスレでお願いします。

5 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/10/17(水) 09:23:55 ID:FZOXmkWH]
>>4
それは男の子を股間はそのままにして女体化改造するスレだろ!
ここはあくまでも少年をそのままにスカートを穿かせて、「僕…あたしのケツマンコにぶち込んでおけつぶち壊して〜あ…大きなクリちゃんからカルピス出ちゃあう…」と言わせるスレ

6 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/10/17(水) 10:12:41 ID:Zim4EU2E]
電波受信乙。

ま、重複削除じゃね?

7 名前:名無しさん@ピンキー mailto:age [2007/10/17(水) 12:29:56 ID:gD9ie1/0]
>>5 性病で汚い一物切っちまえ 屑が

8 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/10/17(水) 18:50:56 ID:ETqrQ64t]
男→女の嗜好はやたらと細分化してて、しかも自分の好みじゃない
シチュエーションが混じると荒れる傾向があるから、
書くヤツがいるならこのまま存続でも良いんじゃないかと思う。
同種のスレがフェチ板にもあったけど、小説主体ならこっちの方がいいだろうし。

9 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/10/17(水) 19:59:40 ID:uFJl7yDN]
やたらと細分化してしかも過疎だらけなのが問題視されてるってのに、
なに言ってんだ?

10 名前:名無しさん@ピンキー [2007/10/28(日) 17:05:49 ID:HYcqtKUV]
誰かSS書こうぜ

11 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/10/29(月) 19:08:10 ID:1YvKEgsp]
じゃあ俺が書くよ

12 名前: ◆5MQX3IqBgo mailto:sage [2007/10/30(火) 00:00:01 ID:R5JNh1bZ]
書いたんで投下するよ。

13 名前:IMITATION-GIRL ◆5MQX3IqBgo mailto:sage [2007/10/30(火) 00:02:13 ID:1YvKEgsp]
「ゆかりってさー、いつ見てもほんっと可愛いよねー」
「えー、突然何言い出すのよー」
「髪の毛すごいサラサラだよねー。シャンプー何使ってんの?」
「目も大きくてパッチリしてて羨ましー。これって付け睫毛じゃないんでしょ」
「やだもう皆して…そんなに言われたら恥ずかしいよ」

放課後。
帰り支度を整えている小桜池有菜(おおうち ありな)の耳に甲高い声が何重にも折り重なって飛び込んでくる。

(あいつ等いつもいつも同じようなこと話してて何が楽しいんだか……)

うんざりした表情で有菜は声の中心に目を向ける。

「だってホントのことだもーん。ねえ、そのリップって新作のやつ?」
「うん、この間発売したの。美穂も使ってみる?」
「えっ、いいの?」
「うん。だって私たち友達でしょ」
「…もうゆかりってば大好きッ!!」

(……何で女って友達同士でああやってベタベタするのかね)

男の有菜には全く理解できない形で友情を育んでいる女生徒たちの姿を見て、有菜は溜息を吐いた。

「……ねー、アイツさっきから私たちのほうジロジロ見てない?」
「え、ああ…小桜池のこと?」
「アイツ昼休みも私たちのこと見てなかった?」
「やだー、気色悪ぅー」



隠す気がないのか、わざと聞かせようとしているのか、
有菜に丸聞こえの声で陰口を言い始める女生徒たち。

「……別に見てなんかいないよ」

複数の女子から向けられる冷ややかな視線に耐え切れず、
帰り支度もそこそこに有菜は席を立った。


「……前から思ってたけどさー、小桜池ってキモくない?」
「あー、私も思ってたー。アイツいっつも下向いててボソボソ話すしさー」
「ゆかりもそう思わない?」
「……まあ、そんなこといいじゃん。それより今度駅前にさ…………」


「…………………………………………」

耳障りな話し声を有菜は乱暴にドアを閉めて遮断した。







14 名前:IMITATION-GIRL ◆5MQX3IqBgo mailto:sage [2007/10/30(火) 00:03:35 ID:1YvKEgsp]

「…………はあ……」

帰り道を歩きながら、有菜は本日二度目の溜息を吐いた。

「何で女子ってああやって群れたがるんだろうね……」

有菜は教室にいた女生徒たちを思い出す。
ほとんどの女子は顔も名前も朧げにしか記憶していなかったが、
彼女等の中心にいた少女だけは鮮明に有菜の脳裏に焼きついていた。

高須賀ゆかり。

その黒目がちな大きな眼も、高い鼻梁も、顎先がキュッと尖った輪郭も、
艶やかな光を放つ髪も、見ているだけで柔らかさが伝わってくるような唇も
目を閉じれば瞼の裏にはっきりと映し出すことが出来る。

「………………………………………」

有菜の通う高校の中でもずば抜けた美貌を持つ彼女の周りには
いつもその美しさを讃える生徒たち(時には教師までも)が入学当初から耐えることなく溢れかえっていた。

「何でアイツがあんなに人気があるんだか……」

ぶつぶつと独り言を呟きながら、有菜は自宅のマンションに辿り着いた。
ドアノブを回す。鍵は掛かっていない。

「ただいまー。……母さん帰ってきてんのー?」

靴を脱ぎながら声を掛けてみるが、返事はない。

「…………」

家に上がり、廊下を通りって居間に向かうと、
ソファーの上に母がスーツ姿のまま寝転がっていた。

「……母さん、ただいま」
「――――――――――――んっ……。
 …………ああ、アンタか。おかえり」

有菜の母、夏実(なつみ)は息子の方に顔だけを向けて起き上がりもせずに出迎えの挨拶を告げた。


「あのさー、先に帰ってきたらまず洗濯物を取り込んどいてくれって何度も言ってんでしょ」
「うるっさいわねー……疲れてんのよあたしは」

声を出すのも面倒だと言わんばかりの態度で返答し、夏実は寝返りを打つ。

「それよりさ……早いとこ夕食作ってくんない?
 あたし昼抜いたから腹減って仕方ないのよ」
「またぁ? 昨日も一昨日も僕が作ったじゃん。夕食は当番制って約束はどうなったの」
「うっさいわねー……誰に食わせてもらってると思ってんのよ」
「……子供を養うのは親の義務ですけど?」
「あーっ! もうやだやだ! 最近の若いやつはすぐ権利とか義務とか言い出して。
 ウチの若い社員どももすぐ自分の権利ばっか主張しやがって……給料分働いてから物言えっつーの!!」
「もう分かったから……ソファーを蹴っ飛ばすのはやめてください」

洗濯物を取り込みながら、有菜は本日三度目の溜息を吐いた。



15 名前:IMITATION-GIRL ◆5MQX3IqBgo mailto:sage [2007/10/30(火) 00:04:25 ID:R5JNh1bZ]


「ねー、まだ出来ないの?」

部屋着に着替えた夏実が冷蔵庫を開けながら調理場の有菜に文句を付ける。

「あと五分くらいで出来るからもうちょっと待ってて」
「アンタってさー、昔っからやることなすこと遅いのよねー。
 グズっていうかノロマっていうかさー」
「……お惣菜も冷凍食品もないのにそんな短時間で用意できるわけないだろ」
「それで口を開けば言い訳ばっか。……誰に似たのかしらね本当」

憮然とした面持ちで手前勝手なことを言い放ち、
夏実は冷蔵庫から取り出した缶ビールの蓋を開けた。

「……そんなんだから父さんに逃げられるんだよ」
「ああッ!?」
「すいません。何でもないです」

そんな穏やかな母子の語らいの最中、
ふいにガチャンと、扉を開く音が聞こえた。


「……あ、おっかえりなさーい!!」

それを聞くやいなや、夏実は不機嫌な顔を破願させて玄関へと駆け出していった。


「ただいま、おばさん」
「遅かったわねー、おばさん心配してたのよー。
 お腹空いてない? もうすぐ夕飯できるからね。あ、靴ベラ使う?」
「大丈夫です。有難うございます」
「もー、そんな畏まった話し方しなくてもいいっていつも言ってるでしょー」


「疲れてんじゃなかったのかよ……」

玄関から聞こえてくる母の浮付いた声に、有菜は不満を通り越して苦笑の笑みを浮かべる。
そんな有菜を余所に、夏実は鼻歌交じりの上機嫌で居間に戻ってきた。

「ボーっと突っ立ってないでさっさと皿でも並べなさいよ有菜」
「いや、鍋の様子を見てるんですけどね……」

そう言いながら振り向くと、母の後ろから現れた『もう一人』と有菜の視線が交錯した。


「……おかえり」

有菜がそう告げると、


「――――ただいま」

高須賀ゆかりは使い古された定番の言葉で返事をした。


16 名前:IMITATION-GIRL ◆5MQX3IqBgo mailto:sage [2007/10/30(火) 00:06:20 ID:R5JNh1bZ]
小桜池夏実には妹がいた。
名を、冬美(ふゆみ)という。
冬美は高須賀亮(たかすか りょう)という男と結婚し、一人の女児を設けた。
それが高須賀ゆかりである。

……要するに有菜とゆかりは従兄妹同士の関係にあった。

「おばさんね、本当はゆかりちゃんみたいな女の子が欲しかったのよ」

有菜の作った鶏肉とインゲン豆のスープを味わいながら、
夏実は隣に座ったゆかりに緩みきった笑みを向ける。

「有菜って名前も、娘に付けようと思って考えてたのよね。
 まあ、何故か男が産まれちゃったんで息子に付ける事になっちゃったんだけどーハハハ。
 あ、ここ笑うトコね」

笑えねえよ、と有菜は心の内で思った。
思っただけで口には出さなかったが。

「……………………………………」

夏実は昔からこの美貌の姪御を可愛がっていた。
親戚同士の集まりの時は勿論、そうでなくても何かと理由をつけてはゆかりを家に招き入れては
息子の有菜をほったらかしにしてベタベタとした愛情を惜しみなく注いでいた。
ゆかりが高校に進学を決めた際、「高須賀家よりウチの方が学校に近いから」と
有菜の承諾も無しに小桜池家にゆかりを下宿をさせるよう取り計らったのも彼女だ。

ちなみにそれに際して、有菜は自分の部屋から荷物を全て――――ベッドから勉強机までを
物置として使われていた小部屋に一人で移し変え、自室をゆかりに明け渡したのだが
そのことに対して感謝やねぎらいの言葉を掛けられたことは一度も、誰からも、ない。

「まあ、嬉しい。私もおばさんのこと大好きですよ」
「やっだもー! 可愛いこと言ってくれちゃってこの子はっ!」

年甲斐もなく甘ったれた声を出してはしゃぐ夏実。

「…………………………………………」

まあ、母のことはこの際置いておこう。
ゆかりもゆかりだ。居候の身でありながら家事を手伝おうという素振りも一切見せず、
無償で家人から奉仕を受けること、目の前にいる実の息子を差し置いて夏実から耽溺されることに対して
何ら疑問も、遠慮も、呵責も抱いていない。

(コイツは昔からこういう奴だったな……)

従兄妹同士ということで、有菜とゆかりは乳飲み子の頃からの付き合いだ。
有菜の記憶の中の最も古いゆかりの姿を引き出してみても、
それは今のゆかりと何ら変わらず、宗教画に描かれた女神のように超然とした笑みを浮かべていた。

愛されることに慣れている。
与えられることに慣れている。
それが自分にとって当然の権利であると思っている。
高須賀ゆかりはそういう少女だった。

「…………………………はあ」

有菜はスープを啜りながら「冷蔵庫の中の食材が切れたから明日買ってこなきゃな」と考えていた。
溜息を吐いた数はもう忘れてしまった。

17 名前:IMITATION-GIRL ◆5MQX3IqBgo mailto:sage [2007/10/30(火) 00:11:28 ID:R5JNh1bZ]
「ふー……」

有菜が一人で流し台に立って食器を洗っていると、風呂上りのゆかりが寝巻き姿で居間に入って来た。
タオルで髪をまとめ、白いうなじが剥き出しになっている。

「………………」

有菜はゆかりという人間に対して好意と呼べる感情はまるで持っていなかったが、
それでもその美しい姿を目の当たりにすると心臓がドクンと高鳴ってしまう。
普通なら、ブラウン管を通さなければまずお目にかかれないような極上の美少女。
それが手を伸ばせば届くほど近い距離で息衝いているという――――


「………何、ジロジロ見て」

そんな甘い感傷が、ゆかりの冷たい声によって一瞬で掻き消された。

「有菜さあ、学校でも私のことジロジロ見てたでしょ」

普段発している、聞く者の耳をくすぐるような甘い声とは打って変わった
冷ややかな声で有菜に語り掛けるゆかり。
学校や夏実の前では、皇家の国事行為のように笑顔と愛想を振りまいている彼女だったが、
有菜と二人きりのときはそうしたものは一切見せなかった。

「だから学校のあれは違うんだって……前の席に座ってんだから顔を上げれば
 視界に入っちゃうのは当然だろ」

理由は、有菜にも良く分かっている。
自分がゆかりの事を嫌っているからだ。
他の者たちのように彼女の美しさを讃えようともせず、惜しみなく愛を捧げようともせず、
『お前の事が気に入らない』という態度で接している有菜には、ゆかりの方も
それ相応の態度で臨む、ということなのだろう。


「ふぅん……ま、別にどーでもいいけど……。
 でもね、何度も言ってるけど私と有菜が従兄妹って事は学校の皆にバレないようにしてよね」
「だからそれは分かってるって……」
「アンタと私が従兄妹同士でしかも一緒に住んでるなんてことが
 皆に知られたら何て言われるか……冗談じゃないわ」


『自分と有菜が従兄妹同士で、同居しているということは周囲に隠し通すこと』。
ゆかりが小桜池家に下宿する際に突きつけてきた条件だった。
何故下宿させてもらうほうが家人に条件を突きつけるのか、という瑣事についてはもう語るまでもないので省略する。

有菜としても、特にこの取り決めに異論はなかった。
自分だってゆかりと一緒に住んでるということが知られたら男子から何を言われるか分かったものではない。

「………………………………」

だからと言ってこうもあからさまに自分のことを汚点のように扱われては――――

18 名前:IMITATION-GIRL ◆5MQX3IqBgo mailto:sage [2007/10/30(火) 00:13:47 ID:R5JNh1bZ]
「あ、そうそう」

ふと、何かを思い出したように呟くゆかり。

「明日ここに友達呼ぶからさあ、有菜はそのあいだ家から出てって」
「………………何時まで?」
「次の日の朝まで」
「朝!?」

危うく掴んでいた皿を落としかけたが、寸前の所で踏みとどまった。

「別いいでしょ? 有菜は男なんだからその辺の公園ででも寝れば」
「そんなこと出来る訳ないだろ!? お前ワガママもいい加減に……!」

「――――――――あ?」


異議を申し立てようと声を張り上げた有菜の叫びが、
ゆかりの発した、たった一音によって遮られた。

「何か――――文句、あるの?」
「……………………………………」

怒っている、という表情ではない。
常識から外れた狂人の所業を咎めるような、無表情の中に蔑みと哀れみの情を含んだ
そんな視線でゆかりは有菜を睨み付けた。

「……………ぅ……」

有菜は、ゆかりが時折見せるこうした顔が心底苦手だった。
笑みを捨て、眦を裂いたゆかりの美貌は女帝のごとき貫禄と凄みを持って有菜の心を打ち据える。

どう考えても無茶を言っているのはゆかりの方なのに、この顔を向けられるとその考えが揺らぐ。
自分の方が何かおかしなことを言っているのではないか? そんな疑念が頭の中に浮かんでくる。
この眼に睨まれると―――――逆らえない。

「………………分かっ……たよ」

首を絞められた人間が呻くような声で、有菜は承諾の言葉を告げた。



「っふー! いーいお湯だったわー」

居間に溜まった重苦しい空気をぶち破って夏実が入り込んで来た。

「ゆっかりちゃーん。今夜はおばさんと一緒に寝・な・い?」
「えー、そんなの恥ずかしいですよーう」

…………先ほどまでの凄みはどこに消えたのか。
愛らしい笑顔と媚びた声を発しながら夏実に応えるゆかり。

「そんなぁ、いいじゃなーい。……あ、有菜。
 風呂場の隅の方に汚れが溜まってたから後で掃除しといて」

「………………………………………………………はい」

19 名前:IMITATION-GIRL ◆5MQX3IqBgo mailto:sage [2007/10/30(火) 00:16:25 ID:R5JNh1bZ]


「はあ……」


女二人から押し付けられた家事を全てこなし、
有菜は深い溜息を吐きながらベッドに倒れこんだ。


「…………………」


首を傾げ、ベッドの横に置かれた鏡に自分の姿を映す。
隷属することに慣れてしまった、卑屈な目つきの少年が映り込んでいた。

負け犬の目だな、と思った。


「……………………………………」


有菜は自分の外見にコンプレックスを抱いていた。
顔に限ったことではない。日本男児の平均身長を5cmほど下回った背丈も、
ろくに筋肉の付いていない華奢な体躯も、全てが嫌いだった。
ゆかりのように自らの外見を誰かに誉められたことなど一度もない。


「………………………………………………………………………………」


もし、
もしも自分が男ではなく女に生まれていたら、
高須賀ゆかりのような、見た者が平伏さずにはいられないような美少女に生まれていたら……。




―――――馬鹿な。何を考えているんだ、僕は。


益体のない妄想を頭から振り払い、有菜は目を閉じた。
視界が黒一色の闇に覆われる。



(………………………)


闇はいい。
美少女も、醜男も、闇の中では全て塗りつぶされて、消え失せる。
平等な、世界。



(―――――――――――――――。)



有菜の意識は闇の底に沈んでいった。

20 名前:IMITATION-GIRL ◆5MQX3IqBgo mailto:sage [2007/10/30(火) 00:17:20 ID:R5JNh1bZ]
投下終了。次回は女装シーンに入れると思う。

21 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/10/30(火) 00:29:10 ID:h5guhUui]
一日でよくここまで書けるな、乙
女装待ってるよ

22 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/10/31(水) 00:35:53 ID:f89p8zOG]
GJ。
期待しながら待ってるぜ。

23 名前:Imitation Girl ◆5MQX3IqBgo mailto:sage [2007/11/01(木) 01:00:44 ID:NhCGttVx]
続きを投下するよ。あとタイトルを微妙に変えたよ。



24 名前:Imitation Girl ◆5MQX3IqBgo mailto:sage [2007/11/01(木) 01:01:41 ID:NhCGttVx]
土曜日。
世間の人々にとって今日は休暇を謳歌し、一週間の疲れを癒すために作られた安息日であったが
小桜池家ではその慈悲に預かれる者は少なかった。

夏実は海外出張ということで、今日は日も昇らぬ内から出勤していった。
帰宅予定は明後日とのことである。
小規模とはいえ、経営者としての一つの会社を背負う身となると、
週休二日制の恩恵を当然のように享受することは出来ないようだ。

一方、有菜は一週間で溜まった家事を消化するために孤軍奮闘していた。
手伝ってくれる者はいない。現在、小桜池家の家事全般はすべて有菜一人の手に委ねられていた。
以前は夏実と折半して行っていたのだが、有菜が成長し、一人前の家事能力を身に付ける様になると
夏実は家事に対する協力を放棄し、全てを有菜に一任するようになった。

「………………」

そのことについて、有菜は不満がないわけではなかったが、
夏実を本気で責めるつもりもなかった。
夏実が多忙で、いつも心身ともに疲れきった状態で帰ってくることは有菜が一番よく分かっている。
女手一つで自分を育てるために、その細い体で社会の荒波と闘っているのだ。
家事くらいはある程度自分がやって、夏実の負担を少しでも軽減するよう努めるのは当然のことだと思う。
まあ、その有菜の内助の功に対して夏実がまるで感謝の意を示そうとしない点は多少腹立たしくもあったが。

だが―――――それより何より本当に腹立たしいのは『もう一人』の方だ。


「……あ、」


有菜がリビングフロアに掃除機を掛けていると、ヘッドが何か硬いものにぶつかってガチリと音を立てた。
視線をそちらに向けると、小さい化粧瓶が一つ床に転がっていた。


「……何回片付けろって言えば分かるんだ……ゆかりの奴は」

リビングを見回すと、この化粧瓶の他にもゆかりの私物があちらこちらに散らばっていた。
十分な広さの部屋を自室として一人で占拠しているにも関わらず、
ゆかりは家族全員の憩いの場であるはずの居間に、平気な顔で自分の私物を大量に持ち込んで、
私室であるかのように置きっ放しにしていた。
このままだと小桜池家の全てがゆかりの『自室』として占領されるのも時間の問題かな……と、
有菜は洒落にならない冗談を思い浮かべ、苦笑した。


「何一人でニヤニヤ笑ってんの? 気持ち悪い」


―――――いつの間にか、
有菜の背後に高須賀ゆかりが立っていた。


「てゆーかまだ家にいたの、有菜」
「……いちゃ悪いかよ」

そもそもお前の家じゃないだろ。

25 名前:Imitation Girl ◆5MQX3IqBgo mailto:sage [2007/11/01(木) 01:04:32 ID:NhCGttVx]
「私、7時くらいには友達連れて帰ってくるからさー。
 それまでには昨日言った通り家から出てってよね」
「……………………………………………………………」

今日は随分気合が入ってるな…と、有菜はゆかりの姿を見て思った。
上半身を着飾るのは、襟から体の中心線に掛けてフリルがあしらわれた白いパフスリーブブラウス。
腰には折り目正しくプリーツの入った黒いミニスカート。
サイハイソックスとスカートの裾の隙間から、肉感的な太腿がチラチラと見え隠れしている。

視線を上に戻す。
白く滑らかな頬にはうっすらと紅が差し、唇は艶やかなピンク色に染まっている。
普段は肩に掛かるくらいの長さしかないゆかりの髪だが、
今日は胸元にウェーブの掛かった房が垂れるまでに伸びている。エクステ……付け毛を用いているのだろう。

そのまますぐにでも少女向けファッション雑誌の表紙を飾れそうな、華やかで愛らしい装いだった。

(朝から部屋にこもって何をしてるのかと思ったら……)


ゆかりは午前10時頃に起床し、有菜の用意した朝食を食い散らかしてから
今現在までずっと自室に閉じこもっていた。
どうやら、今のこの姿を作り出すためにひたすら自分の飾り立てに勤しんでいた様だ。
全くもって気楽な女子高生の休日そのものである。


26 名前:Imitation Girl ◆5MQX3IqBgo mailto:sage [2007/11/01(木) 01:06:39 ID:NhCGttVx]
「……ゆかり、それなんだけどさ……」
「何よ」
「やっぱり……幾らなんでも無理だよ。一晩中外に出てろなんてさ……。
 僕、ホテルに泊まれるようなお金も持ってないし……だから……」
「は?」

こくん、と首を傾げるゆかり。

「何、言ってんの?」


まるで、小さい子供が何かトンチンカンな発言をするのを聞いた大人のような、
嘲笑めいた余裕の笑み。


「………………………………………………………」

黙って言う事を聞けという支配的な意志は感じられない。
あくまで正しいのは自分、理は明々白々に自分にあるというのに
何故この男はそれが判らないのだろうと不思議に感じているような
そんな様子の、ゆかり。

(こいつは―――――)

こいつは自分が無茶な要求を“していない”と本気で思っているのか―――?


「…………いや、
 何でもないよ」

もうこの女には何を言っても無駄だ。
そう言葉少なに悟った有菜は、それ以上の言及はしなかった。

「あ、そう」

それだけ言ってリビングのソファーの上に置かれたハンドバッグを手に取るゆかり。

「それじゃあ出掛けて来るから……あ、そうだ。
 この部屋、私が帰ってくる前に綺麗に片付けておいてよ。友達連れてきても恥ずかしくないようにさ。
 有菜に任せたからね。じゃ、そういうことでー」


ひたすら一方的に言い放って、ゆかりは扉を開き、外の世界へと駆け出していった。
最後まで堂々とした、気高さすら感じられる態度だった。


27 名前:Imitation Girl ◆5MQX3IqBgo mailto:sage [2007/11/01(木) 01:08:07 ID:NhCGttVx]
「はあぁぁぁぁぁぁぁ…………」

ゆかりを見送って、有菜は肺に溜まった空気を思いっきり吐き出した。
いつものことだが、ゆかりと会話していると本当に疲れる。息が詰まる。
別世界の住人と手探りでコミュニケーションしているかのように精神を消耗させられる。


「それにしても……」

有菜と二人きりだというのに、ゆかりはいつものような無表情ではなく笑顔だった。
全く珍しい……よほど機嫌が良いのだろう。

「……………」

男かな、と有菜は思った。
念入りにお洒落をして出かけて行き、保護者のいないときを見計らって
自宅に招き、朝まで……ということは、まあ、そういうことなのだろう。
ゆかりに言い寄る男が星の数ほどいることは有菜も良く知っている。
彼氏の一人や二人、いない筈がない。


「……まあ、どうでもいいか」

そんなことより今は目の前の、好き放題に散らかされたリビングの処置だ。
散らばっているゆかりの私物を一つ一つチェックしていく。
化粧品やアクセサリーだけではない。脱ぎっ放しで放置されたシャツやスカート、
信じられないことに下着まで転がっていた。


「どんだけだよ……おい」

楚々とした外見からは想像もつかないが、ゆかりは非常にだらしのない少女だった。
まあ、親戚一同から友人知人に到るまで、周囲の人間全てに
幼児期から現在までひたすらに甘やかされて生きてきた女だ。あれでしっかりした性格に育つわけがない。
それに……自分もその、ゆかりを甘やかしている人間の一人である。


「だからってなあ……男の僕と一緒に暮らしてるっていうのに恥ずかしくないのか……アイツは」

苦々しい顔で呟く有菜。
とは言うものの、自分とゆかりは従兄妹同士であり幼馴染。旧知の仲である。
今更異性として意識することは難しいのかもしれない。
事実、自分だってゆかりのことを恋愛や性の対象としては見ていない。
そういう目で見るには……あまりに嫌な部分を知りすぎてしまった。

「…………………………」

まあ、自分の場合はそれ以前にゆかりの眼鏡に適うような男でないというのが大きな理由であろうが。

「はぁ……」

有菜はまた溜息を吐いた。
高須賀ゆかり。
目の前からいなくなっても、彼女は有菜の精神を消耗させていた。

28 名前:Imitation Girl ◆5MQX3IqBgo mailto:sage [2007/11/01(木) 01:09:38 ID:NhCGttVx]
「とにかく片付けなきゃな……」

有菜は、リビングに落ちている雑多な物を一つ一つ拾って仕分けしていく。
化粧品や装身具はゆかりの部屋にある化粧台の上に置いてくればいいだろう。
衣類はまず洗濯が必要だ。洗って、乾かし、アイロンを掛けて洋服ダンスに仕舞う。


「……………………」

杜撰に脱ぎ捨てられたゆかりの服を一つ一つ手に取って、有菜は思う。
こうしてゆかりの服を見るとどれも、ろくにファッションの知識を持たない有菜にも
一瞥しただけで上等の品と分かる質感と手触りのものばかりだ。
アルバイトをしているわけでもないのに、よくここまで大量に買い集められるものだ。

「……いや、自分で買ってるわけないか」

おそらくどれもこれも、ここに散らばっている衣類全てが、
誰かから買い与えられた物だろう。
『誰か』から。

その『誰か』の中には―――有菜の母、夏実も含まれていることだろう。


「……………………………………」

自分が夏実に買ってもらった服を思い出す。
どれも皆、何処で仕入れてきたのか分からないようなヨレヨレとした安物ばかり。
ここに無造作に脱ぎ散らかされたゆかりの物とは雲泥の差。


「…………………………………………………………………………」


昔から、そうだ。
たまたま美少女に産まれ付いたというだけで、ゆかりは何もせずに何もかもを、
有菜が決して手に入れることの出来ない何もかもを平然と掻っ攫って行った。
昔から。
本当に昔から―――高須賀ゆかりはそういう女だった。


29 名前:Imitation Girl ◆5MQX3IqBgo mailto:sage [2007/11/01(木) 01:11:58 ID:NhCGttVx]
まだ、有菜とゆかりが幼稚園児の頃の話だ。

「会計を済ませてくるから、二人ともここで待っていなさいね」

夏実に連れられて有菜とゆかりが百貨店へ買い物に行ったときの話。
二人でベンチに座って、夏実が戻るのを待っていたときの話だ。



「……ねえ、ちょっと見て。あの子超可愛くない?」
「え? ……ホントだー。すっごい可愛い」
「すごーい。お人形さんみたーい!」


ただ座っているだけで、ゆかりの周りに二十歳くらいのお姉さんたちがワラワラと集まってきた。


「ねえ、お嬢ちゃんお名前は?」
「たかすか、ゆかりです」
「やだー! ねえ、この子喋った! 喋ったよぅ!!」
「声も超可愛いー! ねえ、お菓子あげるから後で食べて」
「どうもありがとう。おねえさん」
「きゃー!!」
「もう持って帰りたいくらい可愛いわーこの子!!」

はしゃぐお姉さんたち。


「…………………………………………………………………………」

すぐ傍らにいる自分は、道端に転がった石ころのように無視され続けた。



どうして?
どうしてゆかりちゃんだけあんなに可愛がってもらえるの?
どうしてゆかりちゃんだけお菓子もらえるの?
どうして? どうして? どうしてなの?


当時の有菜は小さい頭で必死にその謎を解き明かそうとしていた。
そしてある時、一つの結論に辿りついた。


「ぼくもゆかりちゃんとおなじ服がきたい!
 フリフリしたシャツとか、スカートがはきたい!!」

そんな駄々を捏ねたことがあった。

美醜という概念が根付いていない幼少時の有菜には、
自分とゆかりの違いが、身に付けている衣服の違いくらいにしか見出せなかったのだろう。
自分も女の子の服を着れば、ゆかりのように皆からチヤホヤして貰えるに違いない―――
何とも子供らしい、単純な発想である。

ちなみにこの要望は夏実に「馬鹿なことをぬかすな」と一蹴され、
有菜は自分のわがままが容易には通らないという世の摂理を学ぶことになったのだが。

30 名前:Imitation Girl ◆5MQX3IqBgo mailto:sage [2007/11/01(木) 01:13:40 ID:NhCGttVx]
これと似たような経験を、有菜は幾度となく味あわされてきた。
自分とゆかりの間にある超えられない壁。生まれ持っての格の違い。
美少女として生まれてきたゆかり。そう生まれなかった自分。
それを見せ付けられるたび、有菜の頭にはいやが上にも一つの想いが浮かんでしまう。

もし、
もしも自分が男ではなく女に生まれていたら、
高須賀ゆかりのような、見た者が平伏せずにはいられないような美少女に生まれていたら……。


「……………………………………………………」


そんなのは全く持って無意味な妄想にすぎない。
だがそれでも、考えずにはいられない。


もしも自分が男ではなく女に生まれていたら。
きっと、ゆかりのような顔だけが取り得のだらしのない女ではない。
料理だって作れる。家事は全部出来る。他人に対する気配りも持ち合わせている。
ゆかりなんかよりずっと魅力的な女の子になっていたはずだ。

ゆかりなんかよりずっと、
ゆかりなんかより、ゆかりなんかより、ゆかりなんかよりずっとずっとずっとずっと!!



「…………………………………………………………………………」

          .. . . ... . ..
――――――なればいいじゃないか。

そうだ、自分が今持っているゆかりの服を着ればいいのだ。
ゆかりは申し分のないスタイルをしているが、何故か体の線を出すのを嫌っているようで
所有している衣服はどれも大きめのサイズの物ばかりだ。
これならば……痩せた自分の身体なら何とか袖を通すことが出来るはず。
そうだ、これを着よう。
これを着ればゆかりのように、皆から愛される少女になれる。

ゆかりのように。
ゆかりのように。
ゆかりのようにゆかりのようにゆかりのようにゆかりのようにゆかりのようにゆかりのように
ゆかりのようにゆかりのようにゆかりのようにゆかりのようにゆかりのようにゆかりのように―――――


(――――――馬鹿! 落ち着け!!)

暴走していく己の思考回路にギリギリの所で理性がブレーキを掛けた。

31 名前:Imitation Girl ◆5MQX3IqBgo mailto:sage [2007/11/01(木) 01:16:29 ID:NhCGttVx]
「………………は、
 はぁ……はぁっ……」


いつの間にか荒くなっていた呼吸を落ち着け、気分を鎮める。
冷静に考えてみろ、男が女物の服を着たくらいで美少女に変身できるわけがない。
第一、他人の服を……しかも異性の物を勝手に着るなんてことが許されるわけがない。

「何を幼稚園児の頃と同レベルのことを考えているんだ僕は……」


落ち着いて、あくまで落ち着いて有菜はリビングを見回した。
―――――散らばっているのは衣類だけではない。
ファンデーションがある。口紅がある。アイシャドーパレットがある。
香水がある。ビューラーがある。マニキュアがある。ウィッグやヘアーエクステンションがある。
人を女の子らしく見せるための道具が無数に存在している。

ここにあるものを、
ここにあるものを総動員すれば自分も―――――


「……いや、でも」

だが、しかし、


「…………………………」

(化粧品が一回分減ったぐらいでバレるはずがない)
(服を着たって、すぐに脱いで綺麗に洗濯すればいいじゃないか?)


「そういえば……」

ゆかりが出掛ける直前に言った言葉を思い出す。


『この部屋、私が帰ってくる前に綺麗に片付けておいてよ。友達連れてきても恥ずかしくないようにさ。
 有菜に任せたからね』

そう、確かにゆかりはそう言った。

  . . .. .. .. . . . . . .. . . . . . .
 この部屋にあるものの扱いは全て有菜に任せると言ったのだ。

「……………」

有菜は眼球を動かして壁に掛かった時計に目をやった。
現在の時刻は午後一時を少し回ったばかり。
ゆかりは午後七時ごろに帰宅すると言っていた。
時間は―――――充分すぎるほどに、ある。



「…」


もう、迷いはなかった。

32 名前:Imitation Girl ◆5MQX3IqBgo mailto:sage [2007/11/01(木) 01:18:56 ID:NhCGttVx]
「―――――さて、」

リビングに散らかっていたゆかりの私物を整理し、有菜は一息ついた。

「どこから取り掛かろうか……」

有菜は指を振りながら、目の前に置かれた『女の子用品』を一つ一つ吟味していく。

「……これからやるか」


そう言って、有菜は一つの道具を手に取った。
ハサミの先端に湾曲した板が二枚、平行に取り付けられている奇怪な形の道具。
確か『ビューラー』という、睫毛を上向きにカールさせるための道具だ。


「えーっと、これは確か……」

ゆかりがソファーに寝転がって、この道具を使っていたときの事を思い出す。

「こう、左手で鏡を持って、右手で……」


近くにあった手鏡を顔の正面に構え、
ゆっくりとビューラーを睫毛に添えて、挟む。


「……あだっ!」


―――瞼の肉を挟んでしまった。


「……鏡がフラフラしててやりにくいな」

手鏡を捨て、置き鏡をテーブルの上に備えて有菜はその前に座った。
顔を斜めに向けて、ビューラーと顔の距離がよく分かるように注意する。
そして再び、ビューラーを睫毛に近づけ、挟む。……今度は上手く行った。

「確かこの後しばらく挟んだままにするんだよな……」

ギュッと力を入れてビューラーを数秒間握り締める。
そしてゆっくりと、ビューラーを手にした腕を上へ上へと持ち上げていく。

「……よし」

だがこれで終わりではない。これだと睫毛が根元から三分の一しかカールしていない。
もう一度、今度はビューラーを浅く入れて中心の辺りをカールさせる必要があるのだ。
そしてその後で今度は更に先端三分の一をカールさせる。確かゆかりはそのようにやっていたはずだ。
ビューラーの挟む部分を先端へ……、慎重に、ゆっくりと手を動かしていく。

33 名前:Imitation Girl ◆5MQX3IqBgo mailto:sage [2007/11/01(木) 01:20:12 ID:NhCGttVx]
「何か妙に疲れるなこれ……」

右目の睫毛の先端をカールさせながら呟く有菜。
だがこれでまだ半分。次は同じようにして左睫毛を持ち上げなければ。


「……はぁーっ…」

両睫毛のカールを終えて、有菜は大きく息を吐いた。
どうも細かさが要求される作業を行うときは呼吸が止まってしまう。


「ゆかりは毎日こんな細かいことを平然とこなしていたのか……」

それで何故野菜のみじん切りも満足に出来ないのか、有菜は不思議で仕方がなかった。



「………………」

ビューラーを掛けた自分の顔を、鏡に映しまじまじと覗き込む有菜。
ただ睫毛が上向きに反り上がったというだけなのに、
暗く沈んだ印象だった有菜の顔は、光が差し込んだように明るくなった気がする。


「こうして見ると僕って睫毛長いなあ。眼も大きいし……」

自分の顔にコンプレックスを持っていた有菜は、あまり真剣に
鏡で自分の顔を見るということをしなかった。
しかしこうしてじっくりと向き合ってみると……結構整った顔をしている。
傍系とはいえ、ゆかりと血が繋がっているだけの事はある。


「睫毛一つで大分印象って変わるんだな……」

有菜は感心した表情で手に持ったビューラーを、
ソファーに並べられた多種多様の化粧道具を見つめる。

他の道具を使えばもっと……
もっと……どんどん綺麗になれる。


「……はは」


有菜は笑っていた。
こんなに心が弾むのは本当に久しぶりだ。



34 名前:Imitation Girl ◆5MQX3IqBgo mailto:sage [2007/11/01(木) 01:21:16 ID:NhCGttVx]
投下終了。前振りばかり長くなっちゃってスマン。
ここからはずっと女装のターンだから。

35 名前:名無しさん@ピンキー [2007/11/01(木) 02:23:19 ID:UN1rAEqb]
(・∀・)イイヨイイヨー

36 名前:名無しさん@ピンキー [2007/11/05(月) 15:08:53 ID:i2vjj94X]
女装ネタというと定番は文化祭と演劇ですかねぇ。

37 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/11/05(月) 19:07:13 ID:FJAbV5Us]
あと、興味本位で姉妹の下着はいてそれがばれる→言うこと聞かないと親に言いつける→しかたないから女装 みたいな

38 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/11/06(火) 07:53:03 ID:4uF0Cc5R]
あああ・・・本気でムカついてきた
有菜の逆転に期待したい。

39 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/11/06(火) 20:14:40 ID:mcNAagOM]
てか、女性のイヤな側面書くのが上手すぎる。

40 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/11/07(水) 18:59:33 ID:HJj9ZPJ6]
同人ゲーの不機嫌ななつみさんとか、二次元ドリーム文庫のゴスロリ生徒会とかこのスレ的には参考になるよね

41 名前:名無しさん@ピンキー [2007/11/13(火) 00:46:10 ID:kA1XZQ2c]
>>34


42 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/11/13(火) 00:49:26 ID:kA1XZQ2c]
>34
GJ、wktkしてるよ。

43 名前:名無しさん@ピンキー [2007/11/15(木) 19:40:11 ID:ru2ZXNAj]
続きマダー



44 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/11/16(金) 03:16:38 ID:dcpE+6O7]
継続決定ダナ

45 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/11/16(金) 08:38:47 ID:aCYTz2mB]
どう見ても打ち切りです

46 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/11/17(土) 05:56:25 ID:CgqD0smA]
俺は投下されると信じてる

47 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/11/17(土) 07:18:58 ID:8Pkih8fJ]
信じるー!

48 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/11/18(日) 18:33:29 ID:Om/A8U/9]
たかが2週かそこら
待ったうちには入らんよ

49 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/11/18(日) 18:49:59 ID:Om/A8U/9]
ていうかもう女装より
この糞女に天誅が下るところが見たい

50 名前:名無しさん@ピンキー [2007/11/22(木) 23:50:39 ID:nZ3KpiRn]
続きマダー?

51 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/11/23(金) 22:40:46 ID:o+BcBvJm]
>>49
ワロタw

52 名前:名無しさん@ピンキー [2007/11/26(月) 22:47:37 ID:+pzWdjNw]
続きマダー

53 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/11/26(月) 23:52:01 ID:T0gTJume]
どうみても打ち切りです



54 名前:名無しさん@ピンキー [2007/11/27(火) 00:32:58 ID:AQHgX3od]
俺は投下されると信じてる

ってまたこの流れかよ

55 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/11/29(木) 17:52:29 ID:qj5dtwSB]
俺は小さい頃から気に入らない事があるとすぐ切れる子だったから友達がいないんだね
ちゃんとおにゃのこに服従してたら良かったんだなうんわかってるよくわかったのあはははははははははは

56 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/11/29(木) 19:24:35 ID:VmvtDlCW]
ところで女装少年が俺の知り合いに居るんだが

57 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/11/30(金) 18:28:06 ID:B0Wr+UEC]
とりあえずゴスロリ着させて犯せ

58 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/01(土) 19:08:49 ID:MgL8UuWg]
続きマダー

59 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/04(火) 00:23:30 ID:hChEhHMt]
どうみても打ち切りです

60 名前:名無しさん@ピンキー [2007/12/06(木) 11:46:16 ID:e6GFicN4]
保守

61 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/06(木) 19:18:54 ID:BomzIabm]
俺の妄想でも書こうか

62 名前:名無しさん@ピンキー [2007/12/07(金) 01:25:17 ID:KBHcwbIj]
>>61頼むぜ

63 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/07(金) 13:35:00 ID:UWTlabnE]
頼む



64 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/08(土) 15:31:01 ID:cPDlCVJz]
ごめん、パソコン今2ちゃんねる規制されてて書けない…

65 名前:名無しさん@ピンキー [2007/12/12(水) 08:13:13 ID:6PsQQntw]
ほしゅ
imepita.jp/20071212/012310

66 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/13(木) 02:57:48 ID:ky9fFuEB]
こんな糞過疎スレで救世主気取りで恥ずかしい駄文を投下して
ヲチされてるともしらずに投下する馬鹿の得意げなレスをみたいんでw

67 名前:名無しさん@ピンキー [2007/12/15(土) 01:21:58 ID:vP0yCBW0]
続きまだー

68 名前:名無しさん@ピンキー [2007/12/20(木) 20:31:30 ID:/1GeOOca]
続きwktk

69 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/24(月) 21:56:44 ID:2zHtPAqB]
職人よ降臨せよ!!

いまなら神になれる!

70 名前:名無しさん@ピンキー [2007/12/24(月) 22:19:38 ID:fXE95qDU]
こんな過疎スレなんかに職人なんかこねーよ
さっさと削除申請しておけ

71 名前:名無しさん@ピンキー [2007/12/24(月) 23:55:36 ID:POHtNBE0]
男が同級生に女装させてニヨニヨってのは板違いだろうか
他の似たスレだと女が強要てのばかりな印象だから、このスレで良いのかな?


72 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/25(火) 01:18:51 ID:oOGOm5W1]



73 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/25(火) 20:02:05 ID:khxlwvjL]
どうみても板違いです。オナニ−は自分のブログにでも書いてろ



74 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/26(水) 07:39:45 ID:MIIksiHP]
>>65GJ!



75 名前:名無しさん@ピンキー [2007/12/26(水) 23:06:47 ID:M+useQKk BE:137400825-2BP(1000)]
hssh

76 名前:偽装彼女 mailto:sage [2007/12/27(木) 20:06:16 ID:Z5dpZUoh]


「…須藤……?」
 ビクリと震える肩は、そいつがクラスメイトの須藤豊だということを、俺に確信させた
だけだった。
 ただ問題は、青ざめた顔で振り返るセーラー服姿の須藤が、数時間前は俺と同じブレザ
ーを着ていた、紛うことなき男子生徒だったことである。
 土曜日の午後、大型スーパーの婦人服売り場。
 売り物の女性用下着を掴んで更衣室に入るというのは、品行方正な優等生の彼にはとて
も似つかわしくないシチュエーションであった。
「っ……!?」
 ああ、女だったらなあと入学当初奴を知った頃から常々思っていた、可愛らしく整った
顔の、これまたぱっちりした黒い双眸が、俺を認識したのか信じられないものでも見たか
のように見開かれる。
 元から色白な顔が、すっかり血の気を失っていた。
 同じクラスになって二年、黙って男女共通のジャージ姿で校外学習に出れば他校の男子
にナンパされるという須藤のこんな表情を見るのは初めてで、俺は多分相手とは別の意味
で言葉を失う。
 だが、先に我に帰ったのは俺の方だった。
「…なに、やってんの?」
 できるだけ軽薄そうに聞こえるように言ってやる。驚愕の次には、絶望のお手本のよう
な顔をしやがった。
「なんでそんなカッコでこんなトコいんの?ていうかお前ん家この辺だっけ?」
 浮かべる表情に、予測が確信に変わる。
「…もしかして、そーゆー趣味?」
「……っ!」
 青ざめた顔が一気に紅潮した。
「ぃ…言わないでくれっ!」
 第一声が懇願という、素晴らしいリアクションを決めてくれた。
 声を押し殺してはいるが、相当切羽詰まっている。そりゃあ膝丈セーラーにカーデ羽織
ってブラジャー引っ掴んでるところを同級生に見られたら…俺だったら死にたい。
 しかし俺は須藤ではないので、この状況を逃すつもりはさらさらなかった。
「とりあえず、それ置いてきたら?」




77 名前:偽装彼女 mailto:sage [2007/12/27(木) 20:07:45 ID:Z5dpZUoh]

>>65さんのイラストに激しく燃え上がってインスピもらったので、とりあえずその場面を
目標に書きます。

「Imitation Girl」や他の方も気にせず投下ください。楽しみにしてます!


78 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/28(金) 09:36:42 ID:a1GJ4b5p]
超期待

79 名前:偽装彼女(1/2) mailto:sage [2007/12/28(金) 18:02:53 ID:dIo846jf]

 昼間外に出たのは初めてなのだと、奴は言った。
 ホモというわけではなく、単に女装をするのが、女の子になった自分を見るのが興奮す
るのだという、その顔がなければナルシスト乙。と言いたくなるような動機で、家を出た
叔母の若い頃の制服をこっそり着て、家の中や上っ張りだけでは飽きたらず、しかし近所
で隠し通す自信もなく、学校や自宅から離れたこの駅まで来て、「おんなのこごっこ」を
したのだそうだ。
 なるほど、校則が緩いとはいえ染めもせずに肩まで髪を伸ばしているのも、今まで足し
げく通った彼女の家があるこの駅で今日初めて遭遇した(奴にとっては「してしまった」)
のも、そんなわけか。
 そんなことを聞き出しながら、俺は何をしてたかというと、
 ずっと須藤の赤らんだ顔やら、見慣れないはずのセーラー服やら、裾から覗く膝やらを
見まくっていた。
 本人はそれについて何も言いはしなかったが、見られていることは分かりきっているの
かずっとそわそわと落ち着き無く視線をさまよわせたり、学校では体育の時くらいしか出
してない膝頭を撫でさすっていたりしていた。
 店の中で見た須藤の「恥ずかしくて死にそう」な顔をもっと見てやりたくて、こうして
寒い中スーパーの喫煙所という名の外ベンチまで連れ出して、奴の委員会やホームルーム
の時の弁舌はどこへやらな質疑応答をしているのだ。
 ついでに言うと、初めてサシで話しているうちに、普段からかすれ気味な細い声も、ち
ょいハスキーな女の声だと思えるようになってきた。
 案の定いっそ殺してくれとでも言わんばかりに、女装優等生はこの羞恥プレイと今後の
自分に苦悩している。
 ああ、なんて楽しいんだ!
 ついさっき色んな意味で別れた彼女に辟易していた気分がすっかり晴れている。
 可愛い「女の子」は恥ずかしさに嫌がるのが、羞じらう表情が最高にクるものだと思う。
 そして俺は、仕上げに一言言ってやった。


80 名前:偽装彼女(2/2) mailto:sage [2007/12/28(金) 18:05:34 ID:dIo846jf]

「あーだこーだ言ってるけどさぁ…つまり、変態なんだろ?お前」
「…っ!」
 その三点リーダーと声にならない息遣いは何回目かな?須藤君。
「はぁーっ、ヒトは見た目によらないモンだなあ。まさかお前がスカート穿いておっ勃て
るような変態だったとは」
「…っやめてく」
「どこ?」
 もう泣きそうになりながら訴えかけた奴がうろたえる。
「だから、その格好はどこからしてきたんだよ?その格好で『ママぁ、行ってきま〜す』
とでも出てきたのか?」
「…カラオケ」
「は?」
「すぐそばの、先払いのカラオケボックスの部屋で」
 そこで上手いこと化けたと言うわけか。さすが秀才君。エロい方面にも頭が回る。
 それを言うと長い睫毛を伏せて「言わないで」と絞り出すような声でささやいた。
 そんな恥ずかしいこと言わないで、という意味か、他の奴等に、という意味かは分から
ないが、こいつに命令する権利はない。
「じゃあ、お前の提案通りにそこに行こうか」


81 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/28(金) 22:08:58 ID:KUmdjNhx]
わっふる、わっふる!

82 名前:偽装彼女 mailto:sage [2007/12/29(土) 18:20:14 ID:92XFdJ/z]

 付き合い始めの頃は初々しいのに、一度セックスしたとたん大胆になる女って、俺的に
は萎え萎えだったりする。
 腕組むだけでも恥ずかしがってたくせに、今日部屋入った途端ケツ揉んできたり、通販
のエロ下着見せたらノリノリで着てみせようとするなんて論外だ。
 だから「やっぱいいわ」って言って、「帰るってこと!?別れるってこと!?」という
逆ギレに「両方」って言って出てきたわけだ。
 その点、「カーデ着れば胸なくても様になるよなあ」と言っただけで顔を真っ赤にして
俯いてしまう須藤の反応は、古臭いセーラーでも可愛らしい容貌とあいまって、俺の理想
ど真ん中だった。
 それがたとえ自分から着たのだとしても、こうやって第三者、つまり俺に辱められると
いうのは奴の予定に入っていないのだから。
 週末の午後にカラオケに来る高校生カップルなんて珍しくない。
 運良く入口から遠い、まあ行って見れば二人ギリギリな狭い部屋に配置されたので、さ
っさと用を済ますことにした。
 ドリンクバー何にするか聞いても疲れた顔で首を振るだけだったので、仕方なく俺はコ
ーラと、もう一つは白濁液がエロい気がしたのでカルピスを取った。
 悪あがきは無駄だと悟ったのか、さして抵抗なく俺に続いて部屋に入った須藤にコップ
を渡す。押し返そうとはしたが、俺がグビグビ飲むのを見て喉の渇きに気付いたのか、形
の良い唇でストローを咥えた。
 ちくしょう、原液垂らしてやりてぇ。
 黒髪セーラーの美少女がチュウチュウ音を立ててジュースを啜るのを見届けて、俺はソ
ファに座った。無論、歌うためにではない。
「それ、似合ってなくもないけど、いまいちダサい」
「は…?」
 鞄を下ろし頬杖をついて言ってやると、潤った喉から裏返った声が洩れた。
「なに、言って…何が望みだよ!?」
 強請られるとでも思っていたのだろうか。肩から提げっぱなしの自分のスポーツバッグ
を抱えるようにして須藤は後退さる。
「いけないなあ、そんな可愛い格好でそんな言葉遣いじゃあ」
 にっこり笑いかけてやると、余計に不安げな顔で一歩下がり、
 こつん。
 奴のスニーカーの踵が、閉まった扉にぶつかった。ここから逃げ出すという向こう見ず
さはないらしい。
「俺がお前の望み通りの女にしてやるよ」



83 名前:偽装彼女の中の人 mailto:sage [2007/12/29(土) 19:13:20 ID:92XFdJ/z]

(本文ないです)

質問と言うかちょっと気になったので。

地の文での性器描写って、直接的なのと間接的なのとどっちが良いですかね?
今のところ間接的なのを幾つか使い回す予定。
まあ今後出る会話文では「チンコ」連呼してしまうので、地の文にもし希望あったら教え
てくださいな。

特になければこのまま続けます。




84 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/29(土) 21:19:10 ID:f0Vvy7hO]
女装っコ側のモノはむしろ生々しく「ペニス」とか萌える
文章と合わないようであればスルーしてくだされ

85 名前:偽装彼女(1/2) mailto:sage [2007/12/29(土) 23:10:14 ID:92XFdJ/z]

「はぁ!?」
 何言ってるのか分からないとでも言いたげに、彼は憤りを露わにした。
「とりあえずカーデと…ピンクのブラ見てたくらいだから、パンツは自分のなんだろ?そ
れも脱いでスカート上げてみせろよ」
「なんでそんなこと…っ」
「あっそ。じゃあそのまま可愛くポーズとってよ。クラス中に回してやるから」
 これ見よがしに携帯を出して見せると、少しばかりの反抗心は途端に萎えたようだ。
「…っわ、わかった!言う通りにするからやめろ!」
「『やめろ』じゃなくて『やめて』な」
「……っ」
 唇を噛んで座った俺を睨みつける。
 しかし賢い彼は、自分の赤らんだ目元は俺を楽しませるだけだということに気付いたの
か、憮然とした顔で乱暴にバッグを床に置き、言われた通りの行動をとりだした。
 上着を脱いだら、誤魔化しようもないぺたんこの上半身が露わになる。
 しかし、こうなる前にもちらりと思いはしたが、薄い胸板とウエストのバランスは貧相
と言うより華奢な体つきだから、「まじ貧乳なんですぅ〜!」とでも言えばそのままセー
ラー上下だけでもいけるんじゃないかと思った。ぶっちゃけ巨乳自慢する女って、腹も尻
もヤバいし。
「……どしたん?」
 男らしく上着もボクサーも脱ぎ捨てたものの、スカートの裾をいじったまま途方に暮れ
たように下を向いた相手に気付く。
「…ベルトとか、そういうのないから、無理だ」
 最後の命令が、ということか。
「あのさぁ、ちょっとは考えろよ」
 学年首席にそんなこと言えちゃう奇跡。
「ほら、どうせ腹んとこ余ってんだろ?皆やってるみたいにねじっちゃえばいいじゃん」
 立ち上がり、須藤の服に手をかけた。
 やはりガバガバで腰骨に引っ掛かっていたウエストの、留め具が付いた部分を平行に折
り上げていく。こーゆーのも駅のホームとか彼氏の目の前でやられると萎えるんだが、何
されるのか訳が分からず立ち尽くされると、事故を装って尻を撫でたりしたくなる。
 はっきりと拒絶もできずにふるりとむき出しの尻に包まれたスカートが揺れる。
 クローゼットに長いこと入ってた服だったのか木の匂いと、多分こいつのシャンプーの
匂いがした。


86 名前:偽装彼女(2/2) mailto:sage [2007/12/29(土) 23:14:54 ID:92XFdJ/z]

 プリーツが崩れないよう注意しながら一段折上げる。膝頭が完全に出た。
「ほら。いい感じ」
 もう一段。無駄な肉の付いていない腿が覗く。
「み、短すぎるんじゃないか?」
「クラスの女なんか、パンツ丸出しで歩いてんじゃん」
 顔も見ずにもう一段。
「やぁ…っ…」
 もう、羞恥に裏返った悲鳴をあげて、しかし弱々しく俺の手を押さえてきた。
 見上げてみると、嗜虐心を煽られるお目々が涙を溜めて俺を見つめている。
 なんてこった、このくらいでメーター振り切れちゃうのかよ!
 風呂場での痴漢プレイにアンアン言ってた前カノを思い出し、カルチャーショックとい
うかジェネレーションギャップと言うか、性差を思い知る。
「わーった、じゃあ今はこんくらいにしとく」
 腿の半ばくらい、ギャルじゃなくても出してるだろとは思いつつも、裾を引いてプリー
ツを直してやった。
「ひっ…ぃあっ!」
「え?」
 ただならぬ声色と、布地を引っ張った時の抵抗によくよく見てみると、
「…マジかよ」
 紺色のスカートを捲り上げると、二次元でありがちなのとは違って毛の生えた、それな
りに立派なモノが起き上がっていた。
「なに?お前。ミニ穿かせてもらって興奮してんの?」
 先端に我慢汁がにじんでいるそれに無造作に触ろうとすると、過剰なほどに拒否してきた。
「……っやだ、他をあたれっ!」
「は?」
「お前はどうか知らないけど、俺は男が好きなんじゃない!」
「………ぅえ?」
 あ、もしかして俺まで絶賛勃起中に思われてる?
「あのさあー」
 気の抜けた呼び掛けにも身を竦めている。嬉しくない予感的中だ。
「お前と一緒で、男とエッチする気はねえから」
 たっぷり間をおいた後、少し安心したように顔を見上げてきた。
「ただ、こういう『変態』をいじめるのは大好きなんだよ」
 貞操の危機と社会的生命の危機に、同時に瀕した表情というのは初めて見た。
「お前の喜びそうなとこ連れてってやるよ」
 怯えつつも訝しげな顔をする須藤をとりあえずソファに座らせて、俺はさっき飲んだコ
ーラを出しに行った。


87 名前:偽装彼女の中の人 mailto:sage [2007/12/29(土) 23:16:11 ID:92XFdJ/z]

(本文ないです)

>>84さん
回答サンクス!地味に悩んでたので助かりました。
今回投下分には出てこないのですが、次回以降に使わせてもらいます。


88 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/29(土) 23:27:45 ID:f0Vvy7hO]
被虐感に勃起しちゃう彼女(?)萌え
続きにwktk

89 名前:偽装彼女 mailto:sage [2007/12/30(日) 08:54:55 ID:Om/ZaEzg]


 用を足して部屋に戻ると、ノーパン勃起女装野郎は、さっき座らせたところから微動だ
にせず待っていたようだ。
 何をされると思っていたのか、奴は手ぶらの俺に安堵したような顔を向けてくる。
 馬鹿だなあ。逃げちまえばよかったのに。と口には出さない。何だかんだ言ってこの状
況に頬を上気させてるのは、さっきのように下半身熱くさせてるのはこいつ自身だからだ。
 直接ソファに触れる尻がスースーするのか、膝をぴったり合わせて心許なげに見上げてくる。
 短くした服の裾から、すんなりした太腿が半ばまで露出していた。体毛が薄いのか見え
ないところまで剃っておいたのか、まあ俺を現実に引き戻さないスペックに感謝する。
「来いよ」
 言われるままに立ち上がる須藤を連れ、さっき来たばかりの場所…の隣に行く。
「一度ソレ抜いて、トイレ済ませて来い」
 簡単な話だが、奴にとって十六、七年間生きてきて初めての行為は、はいそうですかと
気軽に従えるものではないようだ。
 まあ今は誰も入っていないとはいえ、女子トイレで精液と小便出して来いというのは、
初屋外女装な彼にはなかなかハードルが高いのかもしれない。
 まあそれでもスカートの前を見る限り勃起し続けてるあたり、こいつの趣味も真性なん
だろう。
「テント張った女子高生がどこにいるんだよ」
 観念したかのように、しかし後ろやら周りやらをやたら気にしながら、前屈みの女子高
生は女子トイレの中に入って行った。
 スカートの裾を捲り上げ、そそり立った自身のペニスを扱く美少女の倒錯的な姿を想像してみる。
 自分の家のと変わらないのに、便器の前で途方に暮れてるところを想像してみる。
 すでにギンギンだったくせに、たっぷり十分くらい時間を置いて、須藤は出てきた。
「してきた?」
「………してきた」
 できることなら消えてしまいたい、と心の声が聞こえてきそうな奴の泣きそうな表情に、
もう一度トイレのお世話になりそうになった。



90 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/30(日) 15:51:23 ID:fI/TzI/I]
わっふるわっふる

91 名前:偽装彼女(1/2) mailto:sage [2007/12/30(日) 18:26:39 ID:Om/ZaEzg]


 よく漫画とかで、他人の記憶を操作したりする奴が出て来るけど、こいつが今その力を
手に入れたら、まず真っ先に俺の記憶を消すんだろう。
 涼しい顔して女子にキャアキャア言われてる優等生が、自分からセーラー服着てノーパ
ンで歩いてるなんて、なかなか貴重な光景だ。
 そんなことを考えながらニヤニヤ見てやると、不安の色濃く見上げてきたので、「あの
後女子トイレから苦情来てねーかな?『イカ臭いです』って」と言ってやった。
 ぷりぷりした赤い唇を震わせて、結局何も言えないまま下を向いてしまうのをさらにニ
ヤニヤ眺めてやる。
「転ぶなよ〜中身丸見えんなるぞ」
 小さく呼び掛けると、分かってるとでも言いたげにスカートの裾を押さえ付けた。いっ
そ転んでしまえば俺も共犯にできるのに。嫌だけど。
 カーディガンを元通り羽織らせ、脱いだ下着は着替えが入っているというスポーツバッ
グにしまわせて俺が持った。これで彼は俺の支配下に置かれるというわけだ。
 奴が持っていたのより軽い俺の学生鞄を持たせ、知らない他人が見たら「部活帰りの彼
氏とデートする女子高生」になった須藤は、はっきりと態度には出さないが、自分の格好
の恥ずかしさと同じくらい、どこへ連れて行かれるのか不安でたまらない、といった感じ
で俺の斜め後ろを歩いている。
 ドナドナの子牛みたいだ。見たことないけど。


92 名前:偽装彼女(2/2) mailto:sage [2007/12/30(日) 18:28:46 ID:Om/ZaEzg]

 今自分が持ってる鞄の中身を知ったら、どんな顔をするのだろう?そう思いながら須藤
の肩に腕を回した。
「連行されてるような顔してんなよ。怪しまれたいのか?」
 注目されてまた勃っちゃうかもなとニヤニヤしながらささやくと、真っ赤になって顔を
そむけた。
 周りには、彼氏に意地悪を言われて拗ねているように見えるだろう。
 目当ての場所の前まで来て、俺は立ち止まった。
「着いたよ」
 ピンクの看板もやらしく見える…オープンなランジェリーショップ。
 若い子受けの良さげな可愛い下着やら、ちょいお姉様が狙う勝負下着やらを身に着けた
マネキンが、ショーケースの中で挑発的なポーズを決めている…そう見えるのは男だけな
んだろうな。
 対して須藤の顔を見ると、呆然というか、拍子抜けしたような顔をしていた。
 あれ?なんでだよ。
「ここ…で良いのか?」
 きょとんとして十センチ低い位置から見上げてくる。
 いつも耳にかけてる黒髪が頬にかかって、アジアンビューティーを演出していた。これ
ではナルシーな変態趣味に走っても仕方ない。
「え?なんかもっとすごいとこ期待されてた?」
 勢いよく首を振って否定した後、小さな声でぼそぼそと答えた。
「色んな女の子と、その…遊んでるって聞くから」
 どんだけだよ、俺の評判。
 まぁご期待に添えるだけの思いを味わわせてやるから、とは言わずに、俺は須藤の背を
押した。



93 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/30(日) 19:56:23 ID:fI/TzI/I]
読者って…自分だけ?
時期柄仕方ないのかもしれないけど、
応援してます。



94 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/30(日) 23:26:45 ID:doTsu00C]
ノシ
wktk

95 名前:偽装彼女(1/2) mailto:sage [2007/12/30(日) 23:52:23 ID:Om/ZaEzg]


 今時よくある、彼氏連れ歓迎なランジェリーショップ。
 自動ドアの中は、俺にとっては彼女とよく行った店の中。奴にとっては新世界。
「いらっしゃいませ〜…!」
 条件反射で営業スマイルをくれた顔なじみの店長のサキさんが、俺の顔を見て寄ってき
た。
 セーターの上からも分かる、彼女の形の良い乳がぱよんぽよんする。須藤の目が釘付け
になっていて、噴きそうになった。
「おひさしぶり〜!シンちゃんと…あ」
 「前連れてた子と違うじゃない」と俺に目で咎めるだけで口には出さない。空気を読む
人だ。
「あ、今日からマミじゃないんで〜」
 心遣いをぶち壊してやると、サキさんと隣の「彼女」がギョッとした顔をした。
 お構いなしに、俺は今日初めて優しい声を、肩を抱き寄せた相手にかけてやる。
「授業早く終わったから一緒に買い物に来たんだよな……なぁ、ユカ?」
 「豊」だからユーカとかユカなんて、我ながら安易にして最高のセンスだ。
 須藤は俺と第三者を前に一瞬の逡巡の後、
「………うん」
 顔を赤らめて奴がコックリうなずくと、なぜかサキさんが照れだした。
「やだ、ごめんねあたし邪魔しちゃって。ゆっくり見ていってね!」
 たゆゆんたゆんと揺れる胸と共に、サキさんはレジに引っ込んでしまった。
 今まで連れて来た彼女らと同じノリかと思っていたのなら、さぞかし面食らったことだ
ろう。
 まあ下半身丸出しでミニスカセーラー姿で巨乳さんと対峙しちゃ、もじもじしたくもな
るわなと、向こうは知るよしもないことを思う。
「すっげぇじゃん。本物だましちゃって」
 回した腕を離して耳打ちすると、困った顔をして唇を噛んだ。
「ほら、どんなんがいい?」
 須藤が何か言う前に俺は手近な棚に呼び寄せる。
 どんな行動をとれば良いか分からないが、先程のスーパーにあったのとはかなり系統の
違う下着を前に、恥ずかしげな表情を奴は浮かべた。
 たしかに、値段に見合わない布量の黒レースはちょっと早い。清楚なこいつの見てくれ
にも、懐的にも。
「俺が声かけなかったら、あのまま普通に買ってけたかもな。残念」
 キッとにらみ付けて来る彼に小さく笑って、俺は別の棚を指した。



96 名前:偽装彼女(2/2) mailto:sage [2007/12/30(日) 23:56:56 ID:Om/ZaEzg]


「あ、ほらこっちのがお前好きじゃね?ピンクピンク」
 なんてことないセリフに耳まで真っ赤にしてキョロキョロする。うぶな反応に、レジで
作業していたサキさんも違う棚に居る店員も、こちらを見ないようにしつつ笑いを堪えて
悶えているのが見えた。
 ブラと揃いのパンティーがセットになっている棚を物色しながら、俺は須藤の頭を冷や
してやるために短く命令する。
「上脱いで合うの着けて待ってろよ」
「え…き、着るの!?ぉ…わたし、が?」
 俺と言いかけて一瞬理性と戦い、結果たどたどしく一人称を変えるのに、なんかムラッ
ときた。
「だってせっかく試着室あるんだから、お前が気に入ったの着て欲しいじゃん」
 こいつを辱めるためのセリフのはずが、なんか俺までニヤニヤ見られてる気がした。
 たしかに今まで彼女が選んでる間ずーっとサキさん達とだべってましたが何か?と、ヤ
ケになって「これも可愛いなぁ」とか甘々なセリフを吐いてやる。
「すんませーん!試着室借ります!」
「………」
 結局、彼の持つ鞄と引き換えにデザインを変えつつアンダー三種類くらいずらしたハン
ガーを持たせて、更衣室に追い立ててやった。奴の胸囲なんぞ知らないが、まあ一つくら
いは合うのがあるだろ。



97 名前:偽装彼女の中の人 mailto:sage [2007/12/30(日) 23:58:19 ID:Om/ZaEzg]

(本文ないです)

>>93>>94さん
ありがとうございます。

>>65さんの画像期限が切れてしまうまでに、目的のシーンにたどりつきたいです。

それこそ時期柄保守も兼ねて投下しますのでよろしくお願いします。
そして、他の書き手さん描き手さんカモンプリー!


98 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/31(月) 00:19:38 ID:+Vj3nOF/]
凄いハイペースだ。ガンガレ!
続き期待してます

99 名前:偽装彼女(1/2) mailto:sage [2007/12/31(月) 02:12:59 ID:LJCDmEq1]


「ちょっ、シンちゃんどしたのあの子!?マミちゃんともレイカちゃんともメグミちゃん
とも違うじゃない!」
 更衣室のドアがしまった途端、フロアを滑り寄ったサキさんに小声で詰め寄られる。
 レイカではなくレイコです、と訂正しかけたが、まあどうでも良いか。
「だろ?今までにないタイプに一目ぼれしちゃってさぁ、ダメ元でアタックしたらオッケ
ーもらえちゃったんだよ」
 歩きながら考えた嘘をにこやかに並べると、やっぱり訝しげな視線を向けてきた。
「アンタみたいなだらしない男が、あんな清純派をどうやって引っ掛けられるのよ?」
 もう一人離れたところに居た店員が頷きながら聞いている。
 ここでも何なの、俺の評判。
「だからまだ清いお付き合いでラブラブなんだって!あのセーラーだってあいつのガッコ
私服だから親戚に借りて来てくれたんだって!」
「あ、そうなんだ。道理で見たことない制服だと思った」
 …危なかった。にしても、よくもまあ細かいところに鼻が利くな。
 通う学校の話題になったら面倒なのでさりげなく視線を逸らすと、その先に思わぬ伏兵
がいた。
「いかがですか、お客様ー?」
 どっから湧いたのか、別の店員が須藤の入った更衣室の扉に手を掛けながら声を掛けて
いる。聞いてねえよ!さすがに同性相手にゃ誤魔化せないだろ。
 「お姉さんのように、友達のように」なコンセプトに合った店員らしく、「サイズ違い
持ってくるかお測りしましょうか?」などと呑気に声かけしているが、サイズってドコの
!?ナニの!?
「中よろしいですかー?」
 返事のない…というか、おそらくパニクっているだろう室内に、彼女は今にも入りそう
だ。
「あーっダメダメ!俺が行く!」
 なんてこった、ここでバレたら俺まで終わりじゃないか!
 焼きもち焼く彼氏の顔を必死で作り、更衣室にすっ飛んで行く。
「あーもう!あいつ超恥ずかしがり屋なんだって!」
 「じゃあ余計に入るなよ」という顔をする店員を押しのけて、一人分ギリギリに細く開
けた戸の隙間から滑り込んだ。
 「イタズラしないでよー」とサキさんの声が、扉を閉じた向こう側から届く。部屋に、
という意味か、奥にいる奴に、という意味か。



100 名前:偽装彼女(2/2) mailto:sage [2007/12/31(月) 02:16:07 ID:LJCDmEq1]


 狭い店のくせに更衣室は気合い入っていて、扉の奥にさらにカーテンを引いたところに
一段上がって着替えるところがある。
 几帳面に揃えた奴のスニーカーを一瞥してからカーテンをつまんで「どんな感じ?」と
聞くと、隠れられるはずもないのに忙しない衣擦れの音がした。
「ま、待っ……!」
 返事なんて聞いてないので全開にしてやる。
「…なんだ、ちゃんと着れたんだ」
 言われた通りの格好をした須藤が、脱いだセーラーで身体の前を隠して立ち尽くしてい
た。
 着けることもできず裸でいるかと思っていたが、むき出しの両肩にはブラの紐がきちん
とかかり、奴が背を向けた鏡にも、後ろのホックがかかっているのが映っている。
「さっすが、優等生」
 スーパーで遭遇した時から、男子高校生の須藤豊であることをちらつかせる度に、面白
いほど過敏に反応する。
 今回もまた、抱えた服に顎をうずめるようにして朱の走る顔を下に向けた。
 そうだよ、お前は俺と同じ野郎で、俺よりも立派な生徒なのに、スカート穿いて勃起し
たり、嫌がりながらもこうして女の下着着けて内心喜んでいる変態なんだろう。
 口には出さずに突っ立ったままの奴の姿を舐めるように眺めながら二つの鞄を下ろし、
靴を脱いで中へ上がる。
 壁の端にカーテンをぴったり付けるようにして、万一扉を開けられても取り繕う猶予を
作った。
 今更だけど、これって失敗したら俺もヤバいんじゃね?
 捨て身の反撃にも出られない憐れな優等生は、何も言わずに笑う俺に怯えたように見つ
め返す。
 緊張しているのか興奮しているのか、頬がうっすら上気して、羞恥に潤んだ瞳は俺の一
挙一動も逃すまいとしている。
 無自覚マゾっぷりに敬意を表して、思う存分いじめてやろうじゃないか。


101 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/31(月) 02:54:09 ID:+Vj3nOF/]
深夜までお疲れ様です。
>100の真ん中よりちょい下あたりの
心の中での責め言葉(そうだよ〜変態なんだろう)とか
たまらん…

102 名前:名無しさん@ピンキー [2007/12/31(月) 03:26:49 ID:oC5TfEM4]
すばらすいです。
次は服でも買いに行くのかな??ww
可愛らしい服を着せてあげて欲しいですねw

103 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/31(月) 06:47:01 ID:FwRLHnMz]
すごいイイです!
正座&全裸で待ってます。



104 名前:偽装彼女(1/2) mailto:sage [2007/12/31(月) 07:21:30 ID:LJCDmEq1]


「いい格好」
 言って、真正面から焦らすようにゆっくりと彼のむき出しの背を覗き込む。
 決して太っているわけではないのだが、筋肉の隆起がほとんど目立たない、つるりとし
た上半身だった。今まで水泳の授業がなかったことを悔やむ。
 それがちょうど合っているのか、ホックを留めたブラも背中に食い込まず、白い肌にぴ
たりとサテンのピンクが這っている。背中ニキビ?何ですかそれは、なするんするんのマ
ット感。
「服下げろよ」
 そんなつもりはなかったが、ビクリと細い首を竦めて、言われた通りに奴は服を傍らの
スツールに置いたスカーフの上に放る。
 膝上スカートと紺ハイソ、花柄ブラだけを着けた痩身が、俺の目の前にさらされた。
 腹もうっすら縦筋が一本へそに続いているくらいで、ちょっと前に流行ったエクササイ
ズビデオの外国人女性のが逞しい。
 胸筋も同じく、一番小さいカップがガバガバに余っている。元から入ってる底上げパッ
ドが可哀想だ。
「着てみたかったんだろ?どう?」
「どうって……」
 耳まで赤くして、両手でスカートの裾をギュッと握りしめる。
 できることならその手で恥ずかしい上半身を隠すなり、脱いでしまうなり…俺を突き飛
ばして逃げるなりしてしまいたいだろう。
「『言葉にできないくらい嬉しいです』とか?」
「なっ……っぁ!」
 反射的に抗議の声を上げる須藤の胸元に、俺は手を伸ばした。
 逃げようとする肩をもう片方の手で掴み、身動きをとれなくする。
 肩紐から、あれば谷間へ続く縁飾りを指先でなぞると、ビクンと奴の身体が震えた。
「似合ってんじゃん」
 ない乳房があるように手のひらでブラを揉んでやる。
「やっ……っ」
 パッドの入った柔らかい裏地が、奴の胸板をふにふにとくすぐるのか、掠れた悲鳴があ
がった。
「店ちょ…あのおねーさんの乳見てたろ?」
 上がぱっくり開いたブラの隙間に手を突っ込み、女の子にしてやるように乳頭をぐりぐ
りいじってやると、真っ正面で潤んだ瞳を伏せて小さく喘ぐ。
「…ふっ……ぅ…」
「もうオナニーで開発済み?」
「………っ……やめ…」
 すがるように俺の両腕を奴が掴む。ちょっと驚くが、乳首をつまんだ指を動かす度に膝
が笑っているのを見て、両手で胸を攻めてやることにした。



105 名前:偽装彼女(2/2) mailto:sage [2007/12/31(月) 07:34:03 ID:LJCDmEq1]


「ほら、どうなんだよ?聞いてるんだけど」
 乳房は揉んでも、ここまで先っぽをいじくり続けるのは初めてかもしれない。すっかり
芯を持っているのが見なくても分かった。
「……ぁ…そこ、好きぃ…っ!」
 そこまで聞いてないのに、とんだ淫乱だよ。
「…へぇ」
 正直な奴は嫌いではないので、お望みどおりこねくり回してさしあげた。
「……っひ、ぁ…っ」
 ほっそりした喉をのけぞらせて、奴の両足から力が抜けたところで、長い長い乳首責め
を終えた。あー、指疲れた。
 よろよろしながらも健気に自分の足で立つのを待って、俺は先程から気付いていたこと
を言ってやった。
「なんかさっきから足に何か当たるんだけど」
 ビクリと身を竦め奴が腰を引くよりも、俺が彼の背に片腕を回す方が早かった。
「ぁ…やめ……っ」
 片手でスカートの裾をつまみ前をめくり上げる。
「…チンコまた勃ってんじゃん」
 分かりきってはいたが揶揄してやると、ふるりと奴の唇とペニスが震えた。
「え?こここうされて、こっちも感じちゃったわけ?」
 スカートを捲り上げた手はそのまま、背に回していた方の手で再び下着の上から胸に触
れる。
「ん…っぅ!」
「お前今どんなカッコしてっか分かる?」
「やめ、て……っ」
 大声を出すわけにも、激しく抵抗するわけにもいかず、あっさり俺の胸に背を預け、鏡
の方に身体を向けられてしまった。
「……っ!?…」
 黒髪の少女が、サイズの合わないブラの上から胸をまさぐられ、むき出しのペニスを鏡
に見せつけている。
「…恥ずかしい……」
 蚊の鳴くような声でささやいて、拘束されていない両手で自分の顔を覆ってしまった。
もったいない!
 胸を撫でていた手をポケットに忍ばせ、低く命じた。








[ 続きを読む ] / [ 携帯版 ]

前100 次100 最新50 [ このスレをブックマーク! 携帯に送る ] 2chのread.cgiへ
[+板 最近立ったスレ&熱いスレ一覧 : +板 最近立ったスレ/記者別一覧](;´∀`)<500KB

read.cgi ver5.27 [feat.BBS2 +1.6] / e.0.2 (02/09/03) / eucaly.net products.
担当:undef