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女装SS総合スレ



1 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/10/17(水) 02:10:23 ID:d6QvuoYn]
ここは既存スレに該当しない女装関連のSSを総合的に取り扱うスレです。
無理やり女装させて、嫌がったり、恥ずかしがったりするのをニヨニヨするのもよし、自分の意思で女装させ、女よりも女らしい子を目指すのもよし、全ては書き手の自由です。
女装っ子を愛でながらまったりと盛り上げていきましょう。

既存の女装関連スレ

【おむつ】幼児女装小説 3冊目【園児服】
sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1188338286/l50

強制女装少年エネマ調教 ネオ×5
sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1176841562/l50

↑のシチュに該当するSSはこちらのスレでお願いします。

301 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2008/01/19(土) 01:08:24 ID:z7wh6U35]
ブルマは紺、2本ラインで(1本でも)

あと、ウェディングドレスとか・・・いえ、なんでもないです

302 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2008/01/19(土) 13:21:40 ID:IhgQvlxE]
女装オナヌーGJ!

赤も捨てがたいが、ここは紺で。
ttp://imepita.jp/20080119/451790

エプロンドレスはピンクで。
ttp://imepita.jp/20080119/452090

303 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2008/01/19(土) 17:56:23 ID:WUqx4wgC]
>>13-33まで続いたIMITATION-GIRLの続きまだ?

304 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2008/01/19(土) 18:21:24 ID:pfr/92in]
>>303
 >>202‐208

305 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2008/01/19(土) 18:53:58 ID:WUqx4wgC]
>>304
サンクス
ってまだ途中か・・

306 名前:偽装彼女の中の人 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/19(土) 21:51:29 ID:J3xEAWjV]
(本文ないです)

「偽装彼女」の続きです。小ネタよりも「偽装」の話題が含まれます。


「偽装〜」がちょい長くなったので、もしこちらから読まれる方へ↓

 概要
イケメン優等生な須藤くんのMっ子女装趣味が、ひょんな事からクラスメイトで精神的S
な「俺(村瀬)」にバレてしまい、色んな意味で可愛がられる話です。

今回からしばらくは女装描写薄いですが、ご了承ください。



307 名前:協定彼女 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/19(土) 21:52:19 ID:J3xEAWjV]
(1/3)

 13日ではないけれど、ついてない金曜日だ。
 しばらく予備校漬けになった後久々にバイト先に行ったら、シフトを勘違いしていた。
今月はまだ入ってなかったらしい。
 高校から電車に乗ってまで無駄足踏んでしまったことと、それならもっと平日は緩やか
な時間割を組むんだったと少し後悔したが、しばらくは平日遊んで帰れるとポジティブに
考えることにした。
 が、歩きながら見えた駅前のドラッグストアの看板に、前の彼女の下着やら化粧品やら
といった私物がまだ俺の部屋に残っていたことを思い出してしまった。
 バイト先で知り合った、学校は違うけど同い年の彼女。あちらは先に辞めてしまったが
、この駅で一人暮らしをしていた彼女とはそれなりに刺激的な付き合いを続けていたのだ。
 俺的地雷をガッツリ踏みまくってくれた挙句、あちらも俺にブチ切れて衝動的に別れて
しまったままだったのを、一週間近く経ってようやく実感した。別れた直後に、立て続け
にイベントがいくつも起こったせいだろう。
 イベントの内容を思い出してニヤニヤしつつも、置いてかれたのを勝手に捨てちゃあマ
ズいかなあ、でもぶっちゃけウザいからどうにかしたいなあと気分は沈み気味で駅構内に
入ろうとした途端、
「あ」
「あ」
 前カノご本人とご対面してしまった。
 しかも相手は彼氏連れ。別れて何日もしないうちからなんて、どんだけだよ。
 …まあ、俺も他人のこと言えないけど。
 このまま人違いを装うこともできるが、せっかくだしお互い清算しとこう。そう思って
俺はにこやかに声をかけた。
「あ、マミちゃんおひさー!」
 「知り合い?」と俺を警戒しつつ尋ねる男と腕を組んだ彼女は気まずげな表情。あー、
こりゃあこっちに有利だわ。



308 名前:協定彼女 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/19(土) 21:53:32 ID:J3xEAWjV]
(2/3)

「あれ、覚えてる?村瀬だよムラ!」
 一週間前は目の前の男ポジションだった片鱗も少しも見せずに、他人行儀にニッコリ笑
う。気まずさに引きつる笑顔を無理やり浮かべた彼女は、「前のバイト友達」と彼氏に耳
打ちした。
「ま…まだバイトここだったっけ?」
「うん、今日はシフト確認だけだけど…彼氏さん?お初でっす!」
 俺のチャラい愛想笑いに、身構えてた男はぎこちなく「どうも」と返してきた。余裕な
いなあ、こいつ。
「いやーでもマミちゃん彼氏居たんだ!仕事中そんな素振り見せてなかったから、うっか
り合コン誘うとこだったよ、良かったー」
「そう、なんだ…ゴメンねー」
 はた目には和やかな友人同士の再会を演じつつ、俺は本題に入る。
「あっ!そうそうせっかくだから今聞きたいんだけど、マミちゃん辞める前マンガ貸して
くれたじゃんマンガ。あれさー皆で回し読み又貸ししてるうちに誰が誰んトコにあるか分
かんなくなっちゃって、何冊かはロッカーに残ってんだけど、どうしたらいっかな?」
「マンガ…?」
 怪訝な顔をするが、俺の目を見て何か察したみたいだ。
「あ、ああ!アレね!思い出した、うん!」
「なんならバイトん時回収してポストに届けるけど…マミちゃん家この辺だったっけ?」
 彼氏の見ている前で腹を探り合う元カレカノだなんて、笑えない。
「…もういいからそっちで処分してよ。あたしもムラ達から借りたMDか何か、又貸しし
ちゃってワケ分かんなくなっちゃったし」
「りょーかい。んじゃ、邪魔してゴメンね〜!」
「またねっ!」
 「また」が来ないことはあちらもこちらも承知済みだが、俺たちは互いに作り笑いを浮
かべ手を振った。
 振り返りもせず改札を通りホームに着いてから、やっと俺は顔を楽にした。気分にふさ
わしい仏頂面。
「………ぁー」
 色々いたしてた相手捕まえて言うのも何だが、見たくもない顔見ちゃってマジ落ちたわ。



309 名前:協定彼女 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/19(土) 21:54:54 ID:J3xEAWjV]
(3/3)

 まったく変わらない、腕組んだ相手に媚びまくりなエロ女。
 大きな胸と、ちょっと気が強いトコが良いかなと思って付き合い始めた気がするが、ち
ょっと実感わかない。
 なかなかエッチさせてくれなかったから意外と処女と思ったら、単に俺の身体値踏みし
てたみたいだったとか、いざ一回ヤったら会う度に部屋連れ込んでケツ触ってくるわ、あ
んまりアレな顔で「イヤイヤ」いうから萎えて止めたら逆ギレするわ……なんであんなん
と付き合って楽しんでたんだ?俺。
 実質的にすでに別れていた相手について残ったのが、あんまり嫌な思い出ばかりでイラ
ついたので、俺は携帯を取り出した。
 強制的に入手した番号にかけるのは初めてなので、着拒されることなくつながる…あれ
?留守電かよ。
「はーいユカちゃん?こないだの記念写真これから送るから、ちゃんと見てね〜!」
 メッセージを聞くのと、嫌々開くメールを見るのとどっちが先になるんだろう?相手の
反応を想像してみると、数分前に事実上にも終わった関係なんてどうでも良くなった。
 送る画像は、先週の日曜に撮ったもの。
 明るいファミレスの座席で、中にはエロ下着しか身に着けていないのを、羽織ったコー
トの前を開いてカメラに見せつけているという「それなんてエロゲ?」なシチュエーショ
ンな代物なのだが、特筆すべきはその配役だ。
 羞じらいつつも被虐の悦びに上気した頬も、サラサラの黒髪の下から覗く、涙をいっぱ
いに溜めた大きな瞳も、ブラの意味をなしていないフリルの枠に縁取られた、ぷっくりと
色付いた乳首も、薄いパープルが淫靡に映える白い肌も、すべて女性のものではない。
 凹凸のない滑らかな胸板や、ショーツから飛び出した無毛の勃起ペニスや睾丸が、被写
体が紛れもなく男であることを証明していた。
 そして俺は、こうして公共の場で倒錯的な姿をさらして欲情しているのが、クラスメイ
トにして誰もが羨むイケメン優等生の須藤豊だと知る、本人以外で唯一の人物だった。

 яяя
 




310 名前:協定彼女の中の人 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/19(土) 21:57:43 ID:J3xEAWjV]
(本文ないです)

度々間違い失礼します、

>>298のレス内、
白かピンクか水色
じゃなくて、
白(基調) に ピンクか水色
でしたorz白にエプロンじゃマッチロケじゃないか。


そんな中ご回答ありがとうございます!

>>301さん
赤にしろ黒にしろ、二本ラインは入れる気満々でしたw
あまりのど真ん中具合に、寝てる間に自分でレス書いたか!?と思いましたw
ウェディングドレスも萌えますな(´д`*書いてみたいです。

>>302さん
ご回答どころか画像までありがとうございます!
上の画像は「お姉ちゃんのイケナイ保健体育」なんてベタなタイトルが頭をよぎりましたw
下の「お客様」は是非次回以降ネタにしたいです。



311 名前:偽装彼女の中の人 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/20(日) 11:21:29 ID:NiYERr2w]
(本文ないです)

これから投下するのは「偽装〜」キャラのウェディングドレスネタです。
エロなしで女装っ子暴走になりましたがもしよろしければ。

>>301さん、素敵ワードありがとうございました!

投下中の「協定〜」もエロまでが長いので、次の小ネタはエロ沢山にしたいです。


312 名前:追懐彼女 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/20(日) 11:22:31 ID:NiYERr2w]
(1/3)

 ベールもブーケもないが、本物なのだ。
 レンタル落ちで格安だったウェディングドレスをクリーニングしてもらって、真新しい
色になったそれを須藤に着せた。
 背中とウエストに編み上げるような赤いリボンの飾りがあって、奴の白い肌と艶やかな
黒髪とあいまって「白雪姫」なんてベタな単語が頭をよぎったくらい可憐なデザイン。
 背中のファスナーを身体の硬い奴の代わりに上げてやりながら「すげー可愛い」とかか
らかってた時は、いつも通り顔を赤らめて「ふざけるな」とか言ってたはずだ。
 長い裾に動きづらそうな奴を机の上に置いた鏡の前に座らせて、俺は洋風かんざしとい
うか、針金を折り曲げたようなヘアスティックを手に後ろに立ち、奴の髪を飾ってやろう
と手櫛で解かしていたのだが。
 気付けばさめざめと涙する彼が、俺がまとめ髪のバランスを確かめようとして見た鏡に
映っていた。
 別にやらしいことしたわけでも、とりたてて言葉責めしてやったわけでもない…という
か、それはこれからだったのだが、何の具合か花嫁姿の優等生は俺に髪を触らせたまま泣
いている。
 はじめは髪の毛を引っ張りすぎたのかと思ったが、痛い思いをさせるのは趣味ではない
ので慎重にやっていたから、それはないだろう。
 だったら純白の乙女の夢を叶えてしまった自分に悲しくなったのだろうか?いやいやそ
れでは一番始めに着せられた時点でアウトだろうし、今の状況以上に泣きたくなるほど恥
ずかしい思いは沢山させたはずだ。
 とにかく、表向きは嫌々従っているはずの俺の前で奴が自発的に「いや」だとか「恥ず
かしい」以外の感情を見せることはなかったので、俺は柄にもなくうろたえてしまった。


313 名前:追懐彼女 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/20(日) 11:23:42 ID:NiYERr2w]
(2/3)

「ど、どしたん?」
「………なんでもない…」
「いやいやそれなら聞かないって!」
「…ごめん……っ」
 俺に謝るだなんて、これは由々しき事態だ。何か変なスイッチ入っちゃってるのか、し
ゃくりあげながらついに顔を覆ってしまう。髪をアップにするどころではなさそうだ。
 そう思いつつも、泣き顔が絵になるだなんて創作の世界だけじゃなかったんだ!とひっ
そり感動してみたりしている。本人が気付かないのをいいことに、鏡で正面から、のぞき
込んで斜め上からと、世にも貴重なウェディングドレス姿の女装優等生の泣き顔というも
のを鑑賞した。
「…えーと、もしかして、先祖代々伝わる家訓が『ウェディングドレスを着たら勘当』だ
ったことに気付いたとか?」
「……ゃんが…」
「あ?」
「襟子お姉ちゃ……叔母と、さいごに一緒にいた時、これ着てたから…」
 叔母って、こいつと俺の趣味のきっかけになったセーラー服の持ち主だったよな。「さ
いご」って、故人だったんですか?
 便利キャラで終わると思いきや、どうやらこいつにとって重要な存在なようだ。そんな
大切な人のなら、俺なら着衣オナニーなんてできないんだけど、優秀な奴の考えってわか
らない。
「えーとその…なんだ、大事な人なんだなっ?」
 黙ってコックリうなずく。顔だけ見れば、家族への感謝の手紙を読んだ花嫁のようだ。
「…あー……」
 黒髪を一房手にしたまま、次の行動に悩む。
 可愛い弟相手に血も涙もない姉貴に金払ってクリーニングしてもらったことを思い出す。
 こいつの感傷なんて、あの女に借りを作ってしまった俺に比べたら一銭の価値もない。
 俺は自分の手の中にある黒髪やスティックと、奴の片手で覆われた泣き顔とを見比べた
め息をついた。



314 名前:追懐彼女 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/20(日) 11:24:40 ID:NiYERr2w]
(3/3)

 そして、
「……っ!?…」
 髪から手を離し、奴の頭を撫でてやった。
「やり方ど忘れしちゃったから、また今度な」
 先程までと違い目的なく髪を梳いてやると、肩を震わせて「遅すぎだろ」と小さくつぶ
やいた。
 うん、俺も珍しく言い訳失敗したみたいだ。
 「初めての共同作業は新婦のチンコをふたりエッチです〜」とか、「ここで新婦による
キャンドルサービス!(白い火を噴かせます)」とかいろいろ考えてはいたのだが、今日だ
けはお預けにしておこう。
 ただし、次回これを着せる時は今日の分もしっかり取り返させていただくが。

(おしまい)


 おまけ

 最近、土日やメール以外でやたら村瀬が関わってくる。

 学校で妙に視界に入ってきてウロウロした挙句、「今日もリア充だね!」とよく分から
ないことをいって肩を叩いてくるのだ。当然無視すると、今度は「朝飯ちゃんと食った?」
とか周りを巻き込んで世間話を始めようとする。
 隠しているはずの関係を匂わされているのかと、近付かれる度に内心ひやひやする。や
めて欲しい。

 今日の昼休みなんか、珍しく図書室に来たかと思えばわざわざ俺に貸し出し手続きをと
らせた本を押しつけて行った。
 あいつのことだから中学生が喜びそうなきわどい小説かと思ったら、「オーバー・ザ・
ロス〜大切な人を失った時に」とかいう、事故死や病死によって残された家族への心のケ
アに関する本だった。

 ここ数年、遠縁の曾祖父以外に身内に不幸はないのに、新手のいやがらせだろうか?

 腹は立ったが、夕食の時母親に襟子お姉ちゃんから届いた近況を教えてもらったので、
彼女に免じて忘れてやることにする。
 相変わらず年に一、二回メールしかできないほど、毎日が充実しているようだ。

(勘違いはしばらくつづく)



315 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2008/01/20(日) 13:01:59 ID:O43Nkc9u]
村瀬、何気にいいヤツだなw

316 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2008/01/20(日) 13:44:03 ID:Gh1Sv9jM]
情が移ってきたというやつだな
数字板のいけない腐ったお姉さんたちが喜びそうなシチュだ

317 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2008/01/20(日) 14:03:38 ID:OvPOJEoN]
ウェディングドレスの調達までやってしまう辺りすでに填ってる気もするがw

318 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2008/01/20(日) 15:12:13 ID:LGa6hVnt]
しかし村瀬は器用だな、着付けやらメイクやら…
あれだ、将来はそっち系に進んだらいいんじゃね?

>>310
白は間違いとの事だけど、
以前見た白×白のエプロンドレスが萌えだった事を報告しておくw

319 名前:協定彼女 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/20(日) 15:34:53 ID:NiYERr2w]
(1/3)
 
 そのまま留守電もメールもスルーされたが、見てもらえたことは翌朝教室で目が合った
時、奴が一瞬遅れて下を向いたことから確認できた。
 月曜に「クラスメイトの須藤君」としていつも通り登校した彼は、土日のできごとが嘘
だったかのように皆に対しても、俺に対しても振る舞っていた。
 話しかけられればその整った顔に笑みも浮かべるが、用事がなければ基本的に無関心。
開いた時間も黙って本を読んでたりという具合だ。なまじ顔がいいので、根暗どころか後
輩には「孤高な王子様」呼ばわりされる始末。なんでも王子王子つけるなっての。
 午前授業中の休み時間に、朝家のポストから持ってきた模試結果を開いていると、その
王子様とやらが俺の机まで来た。ブレザーのボタンを開けていても、きちんと締められた
ネクタイのせいか折り目正しいスラックスのせいか、生真面目な印象が崩れることがない。
 普段は互いに気にもかけてなかったのだが、日曜にセーラー姿で俺の家を出てから一言
も話してない彼が俺にどんな用なのか、非常に興味深い。
 周りに覚られないよう、肩の力を抜いて奴を見上げた。
「…何?」
「沢田と矢野は?」
 入学早々から女子とくっついたり離れたりを繰り返していてあんまり評判の良くない俺
と、教師のおぼえめでたい奴が向かいあったことに主に女子が注目していたが、優等生の
セリフに「ああ、また仕事か」と興味をなくしたようだ。
 たしかに、女癖の悪評高い俺と「真面目な須藤クン」の共通項なんて、クラスが同じこ
とくらいしかないだろう。先週までは。
「知らね、便所じゃね?」
 それこそ女子じゃあるまいし、つるんでるからって逐一居場所なんか把握してない。
「こないだの数Uの補習、課題出してないのに帰ったろ」
「あぁー…」
 まさしく俺の手の内にある結果を出した、予備校の共通模試の日だった。放課後そんな
ものがあった気もしたが、そんなのより偏差値がしっかり出る方を優先して三人で下校し
た気がする。
 



320 名前:協定彼女 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/20(日) 15:36:06 ID:NiYERr2w]
(2/3)
 
「未提出者対象だって、知ってたよな?せっかく…」
「おい聞けよムラ!こいつ俺より英語できてんのにバックれてやがんの!」
 男にしては柔らかな声色による厳しい詰問が、後ろからの声にかき消された。これで、
補習欠席者三名勢揃い。
「…あれ?須藤何か用?」
 矢野の呑気な声に須藤が口を開く前に、俺が答えた。
「…これ。模試があったから、予備校の」
 自分のと、横に立つ二人の持つそれを示すと、形の良い眉根を寄せる。アイドルのよう
な顔で、そんな悩ましい表情されましても。
「……予備校?」
 ちらりと俺を見る目は、言外に日曜俺が話したことと、その真偽を尋ねていた。
 あー、疑っちゃってるわけね。あの時呼んだ奴と違うから。
「ほんとだよ。俺だけ地元のトコだけど、三人とも同じのに行ってんの」
 大手予備校の一つの名前を挙げ、嫌がる沢田と矢野の模試結果と俺のを名前の部分だけ
見えるように並べて見せると、表情を変えずに須藤が尋ねた。
「これがあったから帰ったって?」
「うん」
 こんな言い訳通じるかは分からないが、単にサボりでバックれたと思われるのも癪なの
で弁解してみる。
「あー、まぁ俺らも何も言わないで帰っちゃったから、しゃあないけど」
 どうやら責められているらしいことに気付いた二人もコクコクとうなずく。普段無口な
須藤君がご立腹なのはなかなか迫力があるようだ。
 その模範生を女物の下着姿で泣かせちゃった俺には、いまいち分かんないけど。
 俺の考えてることも知らずに涼しい顔をしたまま、須藤が口を開いた。
「…なんだ。言えば良かったのに」
「は?」
「だって、それじゃ仕方ないだろ…先生には言っとくから、なるべく早く課題出せよ」
 無愛想ではあるが、素晴らしく慈愛溢れる情状酌量。
「マジで!?サンキュー須藤!」
 模試の結果に浮かない顔していたくせに、沢田も矢野も拝むように手を合わせる。いつ
も通り、頼れる須藤君にクラスメイトが頼る光景。
 それに倣って、俺も奴に片手を上げてみせた。
「わり。じゃあまたな」
 「また」というところでわずかに須藤の動きが止まったが、何事もなかったかのように
彼はうなずき、教室を出て行った。このまま俺の顔を気にするよりも、教師相手に交渉す
る方が良いのだろう。 



321 名前:協定彼女 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/20(日) 15:37:06 ID:NiYERr2w]
(3/3)
 
 奴の後を追って数人の女子が教室を飛び出し、わらわらと「須藤クン」に群がる。
「須藤クンかっこいー!あんなガラ悪い奴らにあんな優しい事言っちゃうなんてー」
「知ってる須藤クン?村瀬があそこ通ってるのって、こっちより女子の比率が多いからな
んだって!」
 俺も初耳な噂に、俺から模試の結果を奪い返した二人が苦笑している。教室の窓から見
える上に扉開けっぱだから、バッチリ聞こえてるっつーの。あと地元ではまだ引っかけて
ませんから。
 ていうか三人居たのに、なんで俺だけ評判悪いの?やっぱ一年の頃バトン部の先輩と遊
びまくってたから?そんですぐ飽きて別れちゃったから?
「ちょっとモテるからって、サイテーだよねー」
 うん、俺も先週の土日にあいつにセーラー服着てるの見つかっちゃって、君らが着てる
のと同じような下着を着せられちゃったり、もっととんでもない格好してイかされまくっ
ちゃったんだ…なんて本当の事、言うわけねーだろな。
 それに対する須藤のいらえは、当然ながら俺の予想とも、彼女らのそれとも違った。
「……それは、本人に直接聞いたの?」
 穏やかな問いかけに、それまでかしましく喚いていた声が静まった。
 それを指摘することなくすべてに平等な笑みを浮かべ、気まずげに黙る女子らを彼は優
しくたしなめる。
「…違うなら、そんなこと言うものじゃないよね」
 その面のせいで嫌味の抜けた模範回答に、ほぅ…と言葉もなく学年首席の美しい横顔に
見とれる女子。
 うんうん、これだけ清く正しく美しいんだから、ちょっとマゾっ気ある女装趣味でもな
いと、釣り合いとれないよな。
 他ならぬ自分自身の痴態が映る画像とともに送られた「明日の終礼後、日曜と同じ格好
で直接俺ん家来い」なんて命令に、渋々だろうと「はい、わかりました」と返信できるく
らい異常じゃないと。
 奴の失敗は、そんな性癖を持ってしまったことだろうか。それとも、俺みたいなタチの
悪い「ご主人様」にとっ捕まってしまったことだろうか?

 яяя
 


322 名前:協定彼女の中の人 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/20(日) 15:39:18 ID:NiYERr2w]
(本文ないです)
 
該当箇所を書き始めたので、ブルマとドレス希望はいただいた回答から決めます。
ご回答ありがとうございました!
(そして>>318さんも気になる情報dクスです(´д`*)
 
>>315-317さん
もし「俺」がガチホモだったら、あまりに報われなさすぎだ…w
 
今日初めてPCから見たんですが、時間経過や段落のために開けてたつもりの改行が反映さ
れずに、ギチギチになってました。読みづらくて申し訳なかったですorz
次回から気をつけます。
 

323 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2008/01/20(日) 15:55:42 ID:O43Nkc9u]
こんだけ美少年で女子に人気あるならば、
普通に女装していても
「キャーーー、須藤クンかわいいーー」
って言いそうだなw>クラスの女子

そんな囃し立てに顔を真っ赤にする須藤きゅん…ハァハァ
でもスカートの中ではチンポおっ勃ててそうだ

324 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2008/01/20(日) 20:35:45 ID:OrPU7tbQ]
なんつー王子様……でも本性はマゾい女装王女様なんだよなぁ

素晴らしい

325 名前:偽装彼女の中の人 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/20(日) 20:52:13 ID:NiYERr2w]
(本文ないです)
 
これから投下するのは「偽装〜」キャラの小ネタです。
奇しくも>>323さんのレス内容と似てるとこがあってドッキリしましたw
 
「俺」不在で女装っ子視点、凌辱(複数)ものです。
(尻は犯しません)
 
自分の中のエロ分が足りなくなったので、ちょっとバランスとるために「協定」と並行し
てしばらく投下させていただきます。
 
夢オチですがもしよろしければどうぞ。
 
 
>>324さん
「マゾい女装王女様」って言葉の響きに魂が揺さぶられましたwすばらすぃセンスだ…
(´д`*
 


326 名前:奉仕彼女 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/20(日) 20:52:52 ID:NiYERr2w]
(1/3)
 
 
 寝苦しさを感じてはじめて、自分が眠っていたことに気付いた。
 身体は疲れ切っていたが、かぎ慣れない匂いに意識ははっきりしてくる。壁に寄りかか
り、足を投げだしているようだ。
「…ぅ……ん……?」
 そうだった、今日は高校の文化祭。自分のクラスは喫茶店をする事になって、女子のウ
ェイトレスの衣装作りに一番時間がかかって…ギリギリまで今自分が居る、模擬店出店ク
ラスにあてがわれた普段は生徒に開放していない倉庫の中で、皆で作業していたのだ。
 重い瞼を持ち上げた途端目に入ったのは、白いニーソックスの先にある自分の上履き。
 ……ニーソックス?
 ガバッと起き上がると、眠る前とは明らかに肌に触れるモノが変わっていた。
 冬服のブレザーを着ていたはずが、半袖のパフスリーブブラウスを着ている。
 ぴったりとしたエプロンが、腰をぎゅうぎゅうと締めつけていた。寝苦しかったのも無
理もない。
 下半身にはパニエでボリュームを持たせたパステルブルーのフリルスカートに、最初に
目に入った白のニーソックス。
「こ…これって、」
 ついさっきまで女子らが着ていた、クラスの模擬店の衣装だ。
 例によって誰もやりたがらないので買って出た実行委員は、それだけやる気があるなら
代わってくれと言いたくなるくらい女子らがこれを着た姿を見ることができた。
 外では自分の趣味を隠してはいたが、可愛らしい服にやはり胸の奥が疼いたのは事実。
 そして、少し前の景気づけに皆で乾杯した時に「一着余ってるんだけど、須藤クン着て
みる?なんちゃってー!」などと言われて、表向きには苦笑しつつも高鳴る鼓動を抑える
のに必死だったのも。
 受け取ったジュースを一口飲んだら急に文化祭の準備や、本来の図書委員の仕事での疲
れが押し寄せてしまい、開場までちょっと休もうと座ったのだと思う。
 顔を上げると皆の鞄や空の段ボール、飲んだ後の紙コップ等が散らばる床に、なぜだか
大きなスタンドミラーがあった。演劇部から借りてきたのだろうか。
 

327 名前:奉仕彼女 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/20(日) 20:54:07 ID:NiYERr2w]
(2/3)
 
 たちの悪い冗談に、後でクラスメイトを何と問い詰めようか考えつつも、ふらふらと姿
見に向かう。なんだか頭が重いし、耳がくすぐったいが、気にしてなどいられなかった。
 誰も知らない、明かすわけにはいかない自分の趣味。皆に羨まれ尊敬される、模範生の
自分の女装趣味。
 今は仕方ない。だって、皆が勝手にいたずらして、寝ている自分を置いてさっさと出て
行ってしまったのだもの。
 言い訳をしながらも鏡の前に立ち、自分の姿を正面から見た。
「……っ!…」
 ほう、と思わずこぼれたため息には、学校にはそぐわない情欲が混じっている。
 普段はそんな素振りを見せていないが少女めいた自分の顔は、その可憐な衣装によって
華やかに演出されていた。
 均整のとれた華奢な身体を、愛らしいウェイトレスの制服が飾っていた。
 半袖のブラウスは胸を強調するようなダーツの入ったデザインだが、襟にはスカートと
同じ水色の千鳥格子柄の大きなリボンが付いているので、薄い胸板の自分が着ていてもお
かしくはない。と思う。
 フリルの多いエプロンは、引き締まった腰のラインを強調させるように後ろできつめに
結ばれている。向きを変えて見ると、細い腰で蝶結びにされたレースの幅広リボンがスカ
ートの裾に垂れ、身動ぎに合わせてヒラヒラと揺れていた。
 少し屈んだら中が見えるのではと思うような、ふんわりしたミニスカートから伸びる、
脂肪も筋肉の凹凸も少ないすらりと長い足は、白というある意味下半身には反則とも言え
る色のニーソックスを、問題なく穿きこなしていた。
 極めつけは、本物のように見えるよく出来たツインテールのウィッグである。
 胸のそれ同じパステルブルーのリボンで結ばれた地毛と同じ黒髪が、わずかに顔を動か
す度に耳の横でゆらゆら揺れる。これでは頭も重いはずだ。
 鏡の中の少女にしばしみとれてから、我に返る。こんなところ誰かに見られたら大変だ。
 「馬鹿馬鹿しいことをするな」とクラスメイトに見せるためのお堅い委員の顔を努めて
作り、携帯が入った自分の制服や鞄を探す。
 

328 名前:奉仕彼女 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/20(日) 20:55:32 ID:NiYERr2w]
(3/3)
 
「……あれ?」
 他人の荷物がごちゃごちゃと散乱している中、自分のものだけが見つからない。それど
ころか、もともと着ていたはずの服すら、影も形もないのだ。
 ちょっと不安になってスカートをめくり上げる。大丈夫、下着までは着せ替えられてな
い。というかそこまでやったらマズいだろう。
 エプロン姿なのはあきらめて、せめて髪だけは直そうとツインテールを掴む。文字通り
後ろ髪を引かれる思いだが、嫌がっているのをアピールしなくてはならない。
「……あ、あれ…?」
 どこかピンで留まっているはずなのだが、リボンや生え際の当たりを探しても指にその
感触がない。少々乱暴にツインテールを引っ張ると、外れるどころか地肌が痛くなった。
 手の込んだいたずらに肩を落とし、仕方なく倉庫を後にした。露出した腕や太腿が涼し
いが、寒いと言う程ではない。
 廊下に出ると、臨時開放ということで今日入ったばかりの倉庫なこともあり一瞬どちら
に行けば良いのか迷った。一度来た道は忘れないはずなのに、まだ寝ているみたいだ。
 必死に数時間前の記憶を手繰り寄せていると、少し離れた部屋から何か音が聞こえてき
た。腕時計を見るともう開場時間なのに、誰だろう。
「……?」
 あんまり見られたい格好でもないので足を忍ばせてその部屋の前まで行き、開いた扉の
陰からそっと中をうかがう。
 


329 名前:協定彼女 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/21(月) 23:32:35 ID:zWtCIqHC]
(1/2)
 
「お邪魔します」
 二度目の不本意な口上を発しながら、叔母のだと言う女学生服姿の優等生は俺の家に上
がった。
 短いスカートから伸びる白く細い足からスニーカーを脱ぎ、丁寧に揃える。
 屈む時に左手でスカートの後ろを押されているのが、やけにやらしかった。見えそうで
見えないってやつ?
 通学鞄の他に、午前中教室で見た覚えのないスポーツバッグを抱えているのに気付き聞
いてみると、前例のない持ち検に備えて最寄り駅近くのコインロッカーに入れておいたら
しい。
 実に慎重深い奴だ。俺に見つかっちゃっただなんて、昨日の俺以上についてないんだろ
う、本人的に。
 俺の自宅が魑魅魍魎の巣窟でないことは先週理解したようで、前回のように興味深げな
顔をすることもなく、俺の部屋に入るとそのまま鞄を置き床に座った。
 ぴったりと合わせた張りのある腿を見て、その上に重ねて置かれた奴の白い手がちょっ
とうらやましくなる。
 なんていうかこう、ぐわっとスカートめくり上げて、折った膝から足の付け根までをひ
たすらスリスリしたいっ!…って感じ。キャバクラ行くおっさんの気持ちがよく分かった。
 ソファに座ってる時にも足触ったけど、下にふくらはぎがある分正座の方が手応えが柔
らかそうだ。
 なんか学校にいる時以上の仏頂面で黙りこくられて、珍しくご機嫌うかがいをしてしま
う。ツンと尖った小さな唇を動かしてみたい。
「道迷わなかった?」
「…二度通ったから」
 口もききたくないのか短い返答。嫌われたもんだね。
「そこ座れ」
 どっちが家主か分からないほど重々しく言って、須藤が自分の目の前を指差した。
「言われなくても座るっての」
 憎まれ口を叩く俺を、何も言わずにじっと見つめる。やや長い前髪の間からのぞく黒い
瞳の目力は、世が世ならというか女だったらスカウトに引っ張りだこだろう。
 




330 名前:協定彼女 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/21(月) 23:34:47 ID:zWtCIqHC]
(2/2)
 
 男に生まれたばっかりに、こんな格好をするのにいちいち緊張したり、興奮したりして
るんだから、可哀想っちゃ可哀想だ。そういや男子にだけ怒る塾の先生が怖かったとか何
とか言ってたっけ。
 まあ俺にはこいつの葛藤なんざ関係ないし、そのおかしな趣味のおかげで、こうして顔
だけは最高に好みドンピシャな「女の子」を好きにできてるんだから、こいつの親にも、
この趣味を開花させるきっかけになった奴にも大感謝だ。
 今にも三つ指ついてお辞儀しそうだと思っていたら、膝に置いていた手を俺の前に置き、
「お願いします」
 短いスカートにも険しい面にもそぐわない楚々とした仕草で、本当にテレビか何かで見
た作法通りのお辞儀をした。
 深く頭を下げたので、セミロングの黒髪の間からのぞく白いうなじがやわっこそうだと
か、何か習ってたの?とか突っ込みどころは多いのだが、とりあえずの問題は、
 俺の目の前に差し出された諭吉さん二枚。
 その手(女子よりはやや骨張ってるが、楽器の良く似合う薄い手のひらに細長い指をし
ている)のドコに隠してたんですか!?と一瞬違う事を聞きたくなったが、奴の羽織るダ
ボダボのカーデにポケットが付いてるのに気付き、見当外れなリアクションをせずに済ん
だ。
「なん…だよ、これ?」
「その……画像、を売ってくれ」
 思っても見なかった発言に、俺は呆気にとられた。床の上の紙幣と、下げられたままの
奴の頭を交互に見る。
「……は?」
「とりあえず今まとまって出せるのはこれだけだけど、足りないならまた貯めるから」
「ちょ、ちょっと待てちょっと待て!」
 おいおい、俺だから良かったけど、うっかり相手間違えてたら金ヅル決定だぞ。育ちが
良さそうなくせにお小遣いがつましいなあとか、いやだからこそ持たない主義か?とかい
ろいろ聞きたいけど!
 カモ候補生になるという、よりにもよって一番厄介なことになる行動をとってしまう彼
がある意味憐れでならない。
 ゲームで言えば、最高の装備で泥沼に突き進んでいく勇者のようだ。どの道、女装して
興奮してるんじゃ魔王倒せないけど。
 


331 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2008/01/21(月) 23:58:08 ID:M//RSe+Q]
並行彼女お疲れ様です。

>夢オチですがもしよろしければどうぞ。
こ、こんな素敵な作品のネタバレを最初にしなくても orz
頼む、騙されてもいいので夢を見させてくれw

332 名前:協定彼女(昨夜上げそびれた) ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/22(火) 11:00:04 ID:Xsbc7WYM]
(1/2)
 
 優秀な須藤君な判断力なくしちゃうくらい、奴的には俺が一番厄介な相手なのかと思う
と…やばい、すごく楽しくなってきた。
「…で?お前はこれで俺にどうして欲しいわけ?」
「っ…もう……自由にしてくれ…」
 顔を上げ、再び膝の上に置いた両手を握りしめて、湿った睫毛を伏せて訴える。
 これがダメ男に借金させられた女の子なら心も痛むが、先週この部屋で今と同じ格好で
フル勃起して喘ぎまくっていたのを知っている俺は煽られるだけだ。
「…自由に?また一人で家でそのカッコしてオナニーすんの?」
 ビクンと細い肩が震える。
「勘違いすんなよ?お前が何したって、真面目な須藤君が女の子のカッコしてマスかいて
る変態だって俺が知ってる事実は消えないんだよ……それに」
 相手が怯えるのに気付き、俺は語調を和らげた。
「先週言ったよな?『お前の望み通りの女にしてやる』って。お前は望み通り女の格好を
する。俺はお前がそれで喜ぶのを見て楽しむ。完璧じゃないか」
「そんな……勝手すぎる…」
 肩を落とし嘆く須藤。伏せられた長い睫毛と、サラサラと白い頬にかかる黒髪の清楚な
感じが、時代劇で身売りに出される生娘のようだ。
 こういうのが落ちて行くのが大好きな俺は、それこそ悪代官のような素敵な笑顔になっ
てしまう。憐れな美少女(男)は、その羞恥心が災いして奉行所へ訴えることもできない。
「…でもせっかくだから、これでユカちゃんの欲しいものを買いに行こうか?」
 これでまた先週と同じ。優秀な須藤君とクラスメイトの俺ではなく、淫乱マゾ女装っ子
と奴を好きにできる俺という関係になった。
 交渉の余地もないことを俺が明言してしまったので、彼がここから抜け出すには自分の
変態趣味を皆にバラしてしまうか、俺が飽きるか死ぬかしないと叶わない。
 もっとも、一人では味わえなかった羞恥や快感を覚えてしまった奴が、それに耐えられ
るかは分からないけど。
 


333 名前:協定彼女 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/22(火) 11:01:39 ID:Xsbc7WYM]
(2/2)
 
 ティッシュケースを引き寄せ一枚抜く。
「ほら、拭けよ。可愛いお顔が台無しですよぅ〜?」
 黙って受け取り、目尻に溜まった涙をぬぐう須藤。
「あーあー、ちゃんと押さえるように拭けよ」
「っ…るさい……」
 そのすべすべ美肌が傷まないよう心配してやったのに、分かってない。
 先週俺に見つかってしまい、叶わなかった奴の「おんなのこごっこ」の舞台をどこにし
ようか考えながらクローゼットを開ける。
 学校にあまり着て行かないブルゾンを引っ張り出し、フードをかぶってみた。暑苦しい
かな。
 客を無視して鏡に向かう俺を、うさん臭げに眺める須藤の顔がその端に映る。
「……何してるの?」
「知ってる奴居てもパッと見で分かんないようにって。先週はこっちだったから良かった
けど…あ、お前も化粧してやろっか?」
 できもしない事でカマかけてみると、予想外の答えが返ってきた。
  


334 名前:奉仕彼女 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/22(火) 20:07:27 ID:Xsbc7WYM]
(1/3)
 
 自分の服装とは別の意味で、カラフルな面々が溜まっていた。
 招待券制とはいえ、規制しろよと受付係に言いたくなるような柄の悪い輩三名が、引き
払った教室の机や椅子の置き場である部屋でたむろしている。髪を真っ赤に染めた背の高
いのと不自然に日焼けした鼻ピアス、白っぽい金髪に剃り込みを入れた細身。
 すべて若い男だが、気怠げな表情と肌のくたびれ具合から同年代より少し上といったと
ころか。煙草をふかしながら下品な笑い声をあげている。
 正直しり込みしたが、火事でも起こされたらかなわない。散々な日だとため息をついて
から、扉を完全に開けた。
「お客様。喫煙所なら職員室前にございますよ」
 声音ににじみ出る棘を隠すことはできただろうか。驚いたように一斉にこちらを見た三
人と視線が合う。少しだけ自分の行動を後悔した。
「…誰?アンタ」
煙草を咥えたまま色黒が尋ねる。
「…ここの生徒です」
「こんな子の居たクラスなんて、あったっけ?」
「あのカッコだから、模擬店じゃね?」
「誰だよつまんねーから店はパスつった奴!」
 幸か不幸か、やはり第三者には自分は女子だと思われているようだ。理性や警戒とは別
の感情が高まるのを抑えつける。
 このまま女生徒だと思わせたまま退去させて、すぐに受付に文句を言わなければ。でも
その前にこの格好をどうにかしないと…
「こ…こちらは関係者以外立ち入り禁止と書いてあったはずです。お引き取りください」
 考えつつ言葉を継ぐと、火の管理はきちんとしているのか床に落とした煙草を念入りに
踏みつけて三人が立ち上がった。
「キミ、一人?」
 金髪が馴々しく手を伸ばしてきたので、思わず後ずさる。黙るのを肯定ととったのか、
三人の笑みが深くなった。
「冷たいなあ。話しかけてきたのはそっちなのに」
 こりずに伸ばされた手が、自分の肩を掴んだ。
「っ…やめてください!」
「まあまあ、そう言わずに」
 色黒に後ろに回り込まれ、文字通り逃げ場がなくなる。警戒が具体性を増した。
 


335 名前:奉仕彼女 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/22(火) 20:08:38 ID:Xsbc7WYM]
(2/3)
 
「あのっ!」
「胸だけ不合格だなあ」
 真正面から自分を観察しながら、赤髪がつぶやく。値踏みされるように頭のてっぺんか
ら白いニーソックスに覆われた足まで眺め回され、場違いにも鼓動が高鳴る。
 自分の性癖にうんざりしつつ、精一杯毅然とした声をあげた。
「ぁ…当たり前です!俺男ですからっ!」
「はぁ!?」
 間の抜けた声が三様にあがる。
「今さら何言ってんのさ。アンタそのカッコで…」
 後ろから胸を押さえてきた色黒が黙ってしまった。
「どうしたよ?」
 面倒臭げに促す赤髪に、色黒がおずおずと続ける。
「…貧乳すぎてブラしてないとか?」
「何言ってんだお前、これで男なら」
 あきれ声を上げる赤髪に、金髪も掴んだ自分の腕を上げて訴えた。
「マジじゃね?時計もこれ、男物だし」
「………」
 訪れる沈黙に内心胸をなで下ろした。
「…分かったら、離していただけますか?お客様」
 同性に好まれる容姿をした自分は好きだが、男女問わず恋愛感情は抱けないし、正直気
持ち悪い。今まで自分を女だと思って声をかけてきた男達は皆、そうと分かれば離れてい
った。
 今回もそのはずなのだが、掴まれた腕や囲まれた状況はなかなか変わらない。
「あの……?」
「お前さ、なんでそんなカッコしてんの?」
 不意に赤髪が顔を寄せてきた。かぎ慣れない紫煙の臭いに顔をしかめそうになるが、ど
うにか堪える。
「その…いろいろあって、こんなにされました」
 引きつりつつも愛想笑いを浮かべたが、赤髪は興味をなくしたように仲間に声をかけた。
「ふぅん……なぁ、ゴム持ってる?」
「女とするつもりだったから、ねーよ」
「俺も」
「そっか。じゃあケツは使えねーなぁ」
 不穏な会話と、自分の腕を掴む力が緩まないのに不安になる。
「…あの、」
「まぁこんだけ顔が良ければ、それなりに楽しみようもあるだろ」
「な」
「それなりもなにも、俺的には十分」
 三人の含み笑いに、「まさか」という不安が現実味を帯びてきた。
 


336 名前:奉仕彼女 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/22(火) 20:09:38 ID:Xsbc7WYM]
(3/3)
 
「俺らさー、ナンパしに来たんだけど、ココの女って良い感じなのは皆彼氏持ちなのな」
「へ…へえ……」
 そんなこと知るか、さっさと手を離して出会い系でも漁ってろと言いたいが、舌が強張
りうまく動かせない。
「でも、こんな可愛いウェイトレス見つけちゃったから、テキトーなの引っかけなくて良
かったよ」
「俺たち『お客様』なんだろ?接待してくれるよね?」
「まあとりあえず、そこ這いつくばれ」
 畳みかけられるように話しかけられ頭が混乱したが、最後の赤髪のセリフで現実に引き
戻された。
「ふ…ふざけるな!離せっ!」
 乱暴に腕を振りほどこうとすると、色黒に両肩を掴まれてしまう。
「あーあー、そんな怖い声出さないでよ。もったいないよ〜?」
 柔らかな語調の割に強い力で、金髪が腕をひねってきた。
「痛っ!……っなにす…!?」
 赤髪に胸倉を乱暴に掴まれ、言葉を継ぐことができない。
「うるせーよ」
 ギラギラとした目で睨まれ、腹の底がスッと冷える。紛れもなく、自分は怯えていた。
 


337 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2008/01/22(火) 20:29:12 ID:/3mSNhBR]
わっふるわっふる

338 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2008/01/23(水) 01:28:29 ID:VfLgDO9L]
ツンデレ展開か?>協定彼女
両方とも続きに期待


339 名前:協定彼女 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/23(水) 15:27:36 ID:P45GL17G]
(1/4)
 
「…あるなら、自分でやる」
 取り出したニット帽をかぶったまま思わず振り返って見ると、鏡面に映っていたのと同
じ至極真面目くさった顔があった。
「マジで?」
「親のしか使ったことないから、あんま個性的なのは無理だけど」
 つまり、最低限眉墨とライナーの区別くらいはつくわけか。
「マジ?うわぁ、ちょー楽しみなんだけど!」
 心変わりに大げさに喜んでみせると、困ったように視線を逸らされてしまう。
「……俺だって知られたくないし」
 それはその格好をしている事をかな?それとも俺と一緒にいる事をかな?
 「両方」と吐き捨てられるのが目に見えてるので、今日帰ってから奴が来るまで片付け
に使っていたゴミ袋に手を突っ込んだ。
「これ、さっき開けた袋だから。使用済みだけど好きに使っちゃっていいよ」
 ファスナーが閉まったままのポーチを放ると、誰の使用済みなのか見当がついているの
だろう、黙って受け取り中身を開けた。
 …詮索されるのは嫌だけど、これはこれでちょっとつまらない気もする。別に「若いう
ちからスレた女付き合いしててやーねー」とか言われたかったわけでもないけど。
 俺の複雑な表情などに見向きもしない奴はポーチからファンデやら何やらを一通り出し
て並べ、使うと思われるものだけ長い指でつまみ引き寄せていく。
 ある程度物色を終えたところで、黒髪乙女の顔をした優等生は、ちらりと俺を見て俯い
てしまった。
「…どしたん?」
「み……見られると、手元狂う」
 とことん可愛くない奴だな。ツンデレじゃなくデレツンか?
 しかし俺は優しいので、奴が緊張しちゃわないようにベッドでゴロゴロしながら待って
やることにした。
 




340 名前:協定彼女 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/23(水) 15:29:01 ID:P45GL17G]
(2/4)
 
 先程の発言通り、メーカーは違うかもしれないがモノは扱いなれているようで、丁寧か
つテキパキと顔を控え目に彩っていく。
 俺が視界から消えたことでノってきたのか、こちらに注意を払わず黙々と作業する彼を
観察して、グロスは色付きよりも元からの小振りな唇の形や血色をアピールするようなの
が合ってるみたいだとか、睫毛はマスカラ塗りたくるよりもホットビューラーでしっかり
上げるのがお好みらしいとか、別に知らなくても良い優等生流女装法を入手。別に要らね
ーけど。
 まあとりあえず、装うというよりは化粧のりの良い肌に元からの造作を際立たせるメイ
クをしたおかげで、いわゆるガッツリメイクするとどの子も同じ顔〜っていう負のスパイ
ラルに陥らなかった。さっすが須藤君。
「…終わった」
 まっすぐこちらを見やった彼は、もはやクラスメイトの「カッコいい須藤クン」ではなかった。
 


341 名前:協定彼女 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/23(水) 15:30:02 ID:P45GL17G]
(3/4)
 
 今までだって十分掃き溜めに鶴と言いたくなるような面ではあったのだが、あくまでそ
れは男子の中に居る時であって、入学当初の俺やそれと知らずナンパしてきた奴らみたい
に、前知識を持たない奴しかだまされない男っぽさがあった。先週俺がセーラーを着たこ
いつを見抜いたのだって、「女だったら良いのに」と思いながら顔をよく眺めていなけれ
ば、須藤とは気付かずに通り過ぎていただろう。
 そんな単に整っただけだった顔が、そこにあるだけで「可愛く」なっていた。
 女子に騒がれる涼やかな目元は形の良さをグレイでくっきりと強調した眉と、絡まるこ
となくきれいにカールした睫毛をはじめとするアイメイクで華やかなものになっている。
異性受け以上に同性からもモテそうな、隙のない女の子のまなざし。
 エラのない滑らかな弧を描く輪郭は、頬にかかる黒髪と軽くのせたチークで普段の爽や
かな印象とは打って変わって甘やかなラインになっていた。そのままニッコリ笑われたら、
ちょっとヤバいかもしれない。
 ポーチにあった大量の道具から最低限の、それも地味な色ばっかり使って、奴の顔はす
っかり「女の子」のものになっていた。
 化粧に興味なかったりパッと見だとノーメイクに見えるけど、分かる人には上品なメイ
クだってのが分かる感じ。どこまで完璧なんだこいつ…って、女装してる時点で何かに気
付け。
「うんうん、良いんじゃね?」
「…これで良いのか?」
「は?なんで?」
 俺にまじまじと見つめられているのに、ヤケというよりも疑問形でこられたので、ちょ
っと面食らう。
 須藤は言葉を探しながら使わなかった化粧品を示した。
「だってこの…色とか、いかにもって感じだから」
 「いかにも」ギャル好きっぽく見られてますか、俺は。
「ああ、あれはその女の好みだから、俺関係ないし」
「なんだ…」
 拍子抜けしたように肩を落とす。
 地味メイクに幻滅して欲しかった割には集中してませんでしたか?真面目すぎるのも困
りものだね。
 


342 名前:協定彼女 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/23(水) 15:31:27 ID:P45GL17G]
(4/4)
 
「まあこれですぐ須藤君と分かるのは、よっぽど鋭いか、そのケがある奴だな」
 あながち冗談でもないのだが、あからさまに眉をひそめられた。元から整えてあったと
ころを強調するようにアーチを描いているので、表情がはっきりと分かる。
「変な事言うなよ…気持ち悪い」
 先生、自己愛激しい模範生が自分を棚に上げて酷い事言ってます!
 可愛い可愛い自分が勃起しちゃうくらい大好きな相手のご機嫌を直すため、俺は話題を
戻した。
「その顔で外に出たことは?」
「だから…先週が初めてだって」
「そっか。じゃあ今日がその可愛い顔の初披露だな」
 首を傾げてするんとした頬をつつくと、電流でも走ったかのようにビクリとして身を引
いた。俺がこの笑顔を見せると、年上も同い年も「もう、しょうがないわね」って言うは
ずなんだけど。
「へ…変なこと、言うな……っ」
 内容は同じなのだが、明らかにうろたえている。あんなに完璧な須藤君なのに、褒めら
れる事に慣れてないらしい。
 触られた頬を真っ赤にして声を震わせるのが面白くて、俺はわざとすっとぼけて手を伸
ばした。
「どうして?先週以上にほら、セーラーもすっごく似合って、可愛いよ」
 ユカちゃん、と赤いスカーフをいじりながらささやきかけると、何かを堪えるように口
を引き結んでしまった。
 クラスメイトの真ん前で「女の子」に化けてみせるくせに、こいつの恥ずかしいポイン
トがよく分からない。
 相手への理解を深めるために、俺は準備の仕上げに入ることにした。
 


343 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2008/01/23(水) 20:00:27 ID:Rafwm6yw]
ベッドでメイク観察…
シチュだけみると、初めてのお泊りカップルみたいで甘酸っぱいwww

344 名前:奉仕彼女 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/23(水) 21:50:58 ID:P45GL17G]
(1/4)
 
 抵抗がなくなったことに金髪がようやく腕を放してくれたが、かすかに震える肩には先
程のように力は入らず、後ろから掴まれていなければ座り込んでしまいそうだった。
「あーあー、怖がっちゃってるじゃん」
「そんくらいでちょうど良いだろ」
 吐き捨てる赤髪に笑いかけてから、金髪が自分の前に立つ。
「今日は何も用意してないからさ、あんまヒドいことしないから、ね?」
「お前それ説得力ねーよ」
 色黒も笑うのが、掴まれた肩から伝わった。
「…やめて……っ」
 「やめてください」と言いたかったのだが、金髪の指がブラウスのボタンにかかるのに
思わず息を呑んでしまった。
「やめるよー、終わったらね」
 鼻歌さえ歌いながら、リボンの付いた第一ボタンとエプロンのかぶさった所以外のボタ
ンを外していく。
「ひゃ…ぅ……」
 あらわになった胸板の中心を自分と違う体温の指が撫でるのに、思わず声が漏れた。
「イイ声じゃね?」
「ねー乳撫でくり回すシュミねーよ」
 興味をなくしたように離れてしまった赤髪のすげない返事に、金髪が自分と背後の色黒
にだけ見えるように舌を出してみせる。
 そして、あろう事かそのままブラウスの間からのぞく自分の肌を舐めてきた。
「!ぁ…だ、だめ……っふ!」
 ヌルヌルと生温い生き物のような触感に、嫌悪と共に甘い痺れが背筋を走る。
「うわぁ、すっげスベスベしてる」
「は…ぅ………っ!?」
 気持ち悪いような良いような、とにかく奇妙な感覚から逃れたくて色黒の方に寄ると、
片手で肩を掴まれたまま尻を撫でられた。
「締まり良さそうだなぁ、ほんとゴム持ってくりゃ良かった」
 スカートの上から谷間に指を突っ込まれ、恥ずかしさと発言内容の恐ろしさにブルリと
震えてしまう。
 


345 名前:奉仕彼女 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/23(水) 21:52:11 ID:P45GL17G]
(2/4)
 
「あっれぇ?」
 不意に金髪がスカートの前を押さえつけてきた。
「……っ!?」
 下着の中で、自分のペニスが熱を持っていることに今さら気付き、そしてそれを相手に
指摘されたことに堪えがたい怒りを覚える。
 なんでこんな状況でそうなるんだ!?
「胸とお尻、どっちで感じちゃったのかなぁ?」
「っうぅ………あ、」
 下卑たからかいに目を伏せて耐えていると、後ろからスカートを捲り上げられた。
「うわー。こりゃイカンよ」
 色黒の発言に金髪もその視線の先を追った。
「ほんとだ。パンツもちゃんと着替えろよなー俺白希望」
「ここは黄緑の縞パンだろ」
 好き勝手文句をつける二人に挟まれ、胸と下着をさらされている。赤髪は面白くなさそ
うにこちらを眺め、自分と目が合うと小馬鹿にするように口の端を持ち上げた。
「間とって、脱がしちまえよ」
「あ、そっかそっか!頭イイ〜!」
「というわけで、こんな無粋なモノは脱いじゃおうね〜」
 赤髪の提案に二人は子供のようにはしゃぎ、自分の下着に手をかけてきた。
「支えてろよ」
「おう」
 先程のように色黒に肩をしっかりと掴まれて、金髪に下着を下ろされる。
 しゃがみ込んだ金髪を蹴り飛ばしたい気持ちは山々だが、視界の端に映る赤髪の冷たい
視線に足が竦んでしまい、何もできない。
「あ、今チンポぷるんってしたよ。でっけぇなあー!」
 窮屈なボクサーから飛び出たペニスを笑われ、消えてしまいたくなる。それをのぞき込
もうと、色黒が掴んだままの肩に自分の顎をのせてくる。ツインテールと男の息が耳や頬
に当たって、くすぐったい。
「何?お前よりデカい?」
「バカ言え。でもこんな可愛い顔して、ナニはデカいって反則だよなー」
「スケベだからじゃね?ほら、女でも処女ぶってる奴のがよっぽど淫乱じゃん」
「あーあーありえるぅ!」
 軽口をたたきながら金髪が自分の両足から下着を抜いたところで、色黒が自分の首筋に
顔をうずめてきた。鼻のピアスが当たってヒヤリとするのだが、本人は痛くないのだろう
か。
 


346 名前:奉仕彼女 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/23(水) 21:53:14 ID:P45GL17G]
(3/4)
 
「あーなんか、やわこくて良い匂いするんだけど」
「ひゃ……ゃ、あ…っ」
 喉の薄い皮膚を吸われて、頭が真っ白になる。初めての刺激は痛みよりも「汚されてい
る」という甘美な…普通の人にしてみれば異常な感覚に強く訴えかけた。
「…でも、他は皆可愛いのにココだけってのもなんだかなあ」
 エプロンごとスカートをめくり上げ、先走りをにじませる自分のペニスをしげしげと眺
めていた金髪が、「あ」と嬉しそうな声をあげる。
「ウェイトレスさん、それちょーだいっ!」
 言って、首のリボンに手をかけた。蝶結びにされただけのそれは、あっさりとほどけ金
髪の手に渡った。
「……?…」
「何すんの?」
 わけが分からない自分と色黒に笑いかけてから、金髪は上向いたペニスの先をちょんとついた。
「っ!?」
「このチンポ、可愛くしてあげようねぇ〜」
 息を詰める自分にお構いなしに、淡い水色のリボンをむき出しのペニスに巻きつけだし
た。わざとなのか不器用なのか、やけにゆっくりとした手つきで蝶結びにしていく。
「…へったくそ」
 赤髪がぼそりと評した通り、長さが余っている割には不格好な縦結びで、ペニスをパス
テルブルーが飾った。
「だって、あんまキツくしたら可哀想じゃん」
「掘るならその方が締まりそうだけどな」
 たしかに、と大声で笑う三人。この声に気付いて誰かが来るだろうか。というか、自分
は来て欲しいだろうか。
 男になぶられて、隆起したペニスにリボンを巻かれた、女装をしている自分を?
「可愛いなあ。ねぇ、ウェイトレスさん?」
 金髪がリボンをちょいちょいと引っ張るのだが、充血したそこをぞんざいに扱われて自
分はそれどころではない。
「ひぁう…っや、やめて……」
「んもう、イヤイヤばっかり言っちゃって!」
「俺ら客だぜ客」
 こんなサービスをする高校の文化祭があるのなら、ぜひとも教えてもらいたいものだ。
絶対糾弾してやる。
 


347 名前:奉仕彼女 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/23(水) 21:54:35 ID:P45GL17G]
(4/4)
 
 こんな最低な輩に涙は見せたくないので、怒りで必死に恥ずかしさをこらえていると、
自分が本能的に恐れている低い声がかかった。
「いいかげん、おせーぞ」
 赤髪の苛ついたような声に、「おおコワっ!」と耳元で色黒がささやく。ウィッグと他
人の吐息に耳や首筋をくすぐられ、リボンを巻かれたペニスが疼いた。
「はぁい、ごめんごめん」
「美味しいトコどりなんだから、カンベンしてよ」
 あまり反省していない声で、二人が自分から手を離した。恐怖と恥辱に力が入らず、ガ
クリと膝と手を床についてしまう。先程自分が拒んだはずの、情けない格好。その上今は
下着すら身に着けていないのだ。
「ダセえから、こーゆーとこでやるのは嫌なんだけど」
 ぼやきながら再び自分の正面まで来た赤髪がしゃがみ、下を向いた自分の顎に手をかけ
た。
「フェラしたことある?さっきあんだけヨがってたから、後ろもイけるとか?」
 頭が耳に入ってくる言葉を理解することを拒否しているのか、何を言われているのか分
からない。
 ただ、顎を上げられ無理やり合わせられた赤髪の瞳がひどく冷たく、それでいて凶暴に
光っているのに、自分が怯えきっているのは嫌というほど理解できた。
 


348 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2008/01/24(木) 00:19:35 ID:rCJaItKQ]
妙に女性メイクに詳しい村瀬萌え。
>345,346 ハァハァ

349 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2008/01/24(木) 22:26:22 ID:eZwX6wBF]
>>347
最後は村瀬に助けられるところで目が覚めたりして



350 名前:協定彼女 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/24(木) 23:27:45 ID:ihn9UYeW]
(1/4)
 
「じゃあ、下にコレ穿いてこっか!」
 言って、部屋の隅にあったモノを拾い、広げて見せる。
 両側にそれぞれ二本のラインが入った、つぶれた六角形をした紺色のそれ。
「…何、それ?」
「ブルマ」
 紛うことなきブルマ…女子の体操着の下であるのだが、それを前に優等生は激怒した。
「そんなの見れば分かる!」
「だって、『何』って聞いたから」
 元々はブルマー何とかさんが崇高な志の下に考案したらしいが、「ハミパン恥ずかしー
い!」と廃止の相次ぐ今となっては、一部の男を惑わし喜ばせる小道具と化している。
 誕生秘話は知っているだろうが、こいつもやっぱり後者の目的だと思っているようだ。
まあ図星なんですが。
「こっ…こないだも思ったけどなんでそんなモノがあるんだよっ!?」
 残念。家自体はごく一般的な安普請なんですが、俺の部屋はカオスなんです。
「なんでも何も、通販で買ったから」
 言って部屋に転がるカタログを開いて見せると、先週以上に破廉恥な衣装だの、大人の
オモチャだのによる色彩鮮やかなページに、ファンデやチークの上からでも分かるほど奴
の頬が赤くなる。
「み、見せるなそんなものっ!」
「だってお前が聞いてきたからー」
 そっぽを向かれてしまったので、カタログを放りまたブルマを手にする。
 ちょっと考えて、聞いてみた。
「…穿きたくない?」
 無言でコクコクうなずく須藤。俺の良心に一縷の望みを懸けているんだろう。ないけど。
「悪ぃなあ。俺ドSだから、嫌なら無理やり穿かせますっ!」
 そう宣言するや否や、目の前の薄い肩を掴んで押し倒した。
 


351 名前:協定彼女 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/24(木) 23:29:08 ID:ihn9UYeW]
(2/4)
 
「ひゃ、あ…っ!?」
 出来の良い頭を守るため回した左手で受け止めてやったが、正座した状態で無理やり仰
向けにされた奴の硬い両足が悲鳴をあげた。化粧を施した顔を痛そうにしかめるのに、肉
体的には限りなく優しい俺は少し気の毒になる。
 あ、でもなんか痛いのとナニされるか怖いのとでいっぱいいっぱいな感じが良いかも。
 スカートが完全に捲れ上がって、女にはありえない隆起で前がぴっちりしたピンクのシ
ョーツが丸見えだ。さっきまで一生懸命隠してたのに、そんなことに構ってられないのか
、俺の身体の下で両足を必死でばたつかせる。
「…っや、やだあっ!やめてくれっ!」
「やめませ〜ん!はい、じっとしてねぇ」
 穿かぬなら、穿かせてやろう女装っ子☆とかアタマ腐った狂歌がよぎる。
「わ、わかったから!自分でやるから離してっ!」
「…穿かせて欲しくない?」
「欲しくない!……ぁ」
 にやーっと笑う俺の顔に、慌てて口を手で押さえるがもう遅い。
「悪ぃなあ。俺ドSだからカッコ以下略」
「か、カッコとか言うな…っあ!」
 思わず突っ込みを入れる須藤の片足を掴むと、今さらスカートが捲れ上がっていたのに
気付き、両手で裾を押さえようとした。
 しかしその努力はむなしく、ショーツの上からペニスや下腹を撫でる俺の手に意味を為
さなくなる。
「ちゃんと手入れしてんじゃん。ピンク似合ってる」
「っ……」
 剃毛を命令してから一週間経ったのに、布地から生えかけの毛が飛び出すこともなけれ
ば、俺の手にチクリとも刺激を与えない。
 少女めいた顔に似合わず立派なペニスをショーツ越しに軽く揉んでやると、化粧に没頭
したり押し倒された時の痛みに萎えていたのだろうそれがわずかに熱を帯びた。
「コレ、外で元気になっちゃあ大変だろ?」
 だから、と優しくささやきかけると、先週屋外でさんざんな目に遭わされたことを思い
出したのか黙り込んでしまった。突っ張っていた足も俺の手に預けてしまう。
 


352 名前:協定彼女 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/24(木) 23:30:14 ID:ihn9UYeW]
(3/4)
 
「あれ?いいの?」
 ニヤニヤしながら尋ねると、顔を横に向けてしまった。
 前髪に隠されてはいるが滑らかな額と高く通った鼻筋、薄すぎも厚すぎもしない小さな
唇が絶妙なラインを描いている。化粧だけでは誤魔化しきれない、お人形さんみたいな美
貌がペニスを包んだショーツ丸見せでむくれているのが俺のせいだなんて、今さらな背徳
感にゾクゾクしちゃう。
 グロスでプリプリ感の増したモテリップを動かしたくて、俺はさらに問いかけた。
「こんな格好して、どうしたいのかな?ユカちゃんは」
「っ………は……はかせて……くださ、ぃ……っ…」
 嫌なことをお願いするのって、どんな気分なんだろう?くるんと愛らしくカールした睫
毛や、俺と同じ色が流れてるとは思えない、吸いつきたくなるような赤い唇を震わせちゃ
うくらいエネルギーが必要なんだろうけど。
「そっか、じゃあ可愛いパンティー見えちゃわないようにしようねぇ〜」
 紺ハイソに覆われた細い足首にブルマを通す。今さらだけど俺、ちょっと変態臭くね?
「はい、足浮かせて〜」
 抵抗することなく言われた通りの体勢をとる奴の両足に、ブルマを引き上げていく。ス
ラリと長いそこにはむだ毛も毛穴もほとんどなく、残念な例を女で嫌というほど知った俺
には、それが一朝一夕で得られるものじゃないのが分かる。
 筋金入りの変態なこいつには負けるな。
 五十歩百歩なセリフを自分の中で繰り返しながら、すべすべしたふくらはぎから震える
膝、無駄な脂肪のない適度な張りのある腿へと、ブルマを穿かせながら指先でツィーっと
なぞった。
 


353 名前:協定彼女 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/24(木) 23:31:46 ID:ihn9UYeW]
(4/4)
 
「…っふ……やめ…っ」
「穿かせてって言ったのはどこの誰かなぁ?」
「それはお前が…ひゃ!?ぅ…っ!」
 ショーツの裾から、床に当たって少したわんだ尻たぶに指を突っ込むと、文句を言おう
と開いた口から高い悲鳴があがった。さっきみたく慌てて両手で押さえるが、だからもう
遅いって。
「こないだも思ったんだけどさ、ココ弱いの?」
 刺激にビクンビクンと腰が浮くのを良いことに、俺は穿かせかけのブルマから手を離し
て、両手で奴の尻を掴んだ。
「…はぁ?そんなわけ……っぁ、んんっ!」
 手の甲にはカーペットの固い感触。手のひらにはショーツ越しに発育途上の乳房のよう
な、程良い弾力の尻。プチ天国と地獄だ。
「ふぅん?じゃあも少し触ってていい?」
「ひゃ……あっ…やだ……っやめて、くださ…っ!」
 もにゅもにゅと全部の指で感触を楽しむと、それに合わせて須藤が喘ぎ腰が跳ねる。
 もうそんな余裕がないのだろう、スカートから離してしまった両手をギュッと握って健
気に耐えているのだが、おかげで丸見えのショーツの前がさっきより膨らみ、ジワリと染
みが広がってきているのがよく分かった。
「感じすぎて辛いならやめてやるよ?」
「あ……っか、かんじる、感じますっ!だから……ひぅっ!」
 ぎゅぅっと小ぶりな尻たぶの感触を、最後に一回楽しんでから名残惜しく手を離す。ブ
ルマを穿きかけたままの白い太腿が余韻に震えていて、付け根でショーツを押し上げるモ
ノが見えてるのに思わずむしゃぶりつきたくなりそうだ。
 聖人君子も真っ青な理性で、俺はそれ以上いたずらをすることなくブルマを腰まで引き
上げてやった。
 
 


354 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2008/01/25(金) 01:42:27 ID:mDx7YFQv]
染み付き勃起ショーツ萌え。GJ!

355 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2008/01/25(金) 08:59:37 ID:ATJ+Hy5Q]
GJ!
ド変態だな二人とも!(誉め言葉

356 名前:協定彼女 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/25(金) 17:51:10 ID:mEzxpQsN]
(1/3)
 
「ほら、髪直して」
 起き上がる須藤に100均のスタンドミラーを手渡すと、黙って開いて先程寝かされた時
に乱れた黒髪を梳く。
 サラサラストレートヘアが再び清純派美少女を演出するのを、部屋着のジャージを上下
とも脱ぎながら眺めて、呼びかけた。
「ちょっとそっち見てろよ」
「え?何する……!?」
 思わず鏡から顔を上げた須藤はシャツも脱いだ俺に気付き、慌てて後ろを向いてしまう。
「っ…ごめんなさい……」
「いや、別に見てもいいけど」
「け、結構です!」
 同性でもそんな見てくれで羞じらわれちゃうと、俺がデリカシーないみたいじゃないか。
 男相手にストリップショーをしたかったわけではないので、さっさと先に決めたブルゾ
ンに合わせたシャツとジーパンを着る。
 ブローとワックスでセットしていた頭にニット帽をかぶり、クローゼットの鏡で午前中
と印象が変わっていることを確認した。
「俺が男前すぎてバレちゃったらごめんね〜」
 立ち上がりながら、ちらりと俺を見ただけで答えない。冗談とはいえ、ちょっとショッ
クなんですが。
 ショーツ越しに勃起したのをそのまま放置したので頬は上気したままだが、ぴったりと
したブルマのおかげでスカートの上からは奴が男だという証拠はさっぱり分からなくなっ
ている。
 仕上がりに満足しつつ床に置かれたままだった二枚の紙幣を財布に突っ込んでいると、
黙っていた奴が声を出した。
「…あ、あのっ!トイレお借りしたいんだけどっ!」
「えーなんで?ションベン?」
 品のない俺の言葉を咎めもせずに、激しく首を縦に振る。何て言うか…嘘なのが見え見
えだ。
「それに着替える時に寄って来ただろ?電車間に合わないから後でな」
 かくして、膀胱以外からの欲求を抱えた前屈みセーラー美少女を追い立てるようにして
俺は家を出た。

 яяя
 


357 名前:協定彼女 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/25(金) 17:52:09 ID:mEzxpQsN]
(2/3)
 
 すれ違う時は男女問わず凝視してくる。そしてその内、野郎は百パーの確率でわざわざ
振り返る。
 どう見ても場違いです、本当にありがとうございましたと言いたくなるような黒髪セー
ラーの美少女を隣で歩かせて、俺は上機嫌だった。
 電車に乗せてまでどこへ連れて行かれるのかと憂い顔の須藤は、女にしてはやや長身な
自分の表情がどれだけ他人を引きつけているか気付けていない。
 大きめのカーデの上からも分かるすんなりした手で俺の横の吊り革を掴み、停車駅が近
いのでゆっくり流れる景色よりも、窓に映る自分の浮かない顔を眺めているようだ。もっ
たいない。
 自分が紛れもなく女性として、それも思わず見とれてしまうような、彼氏面の俺がねめ
つけられるような視線を受けるほどの魅力的な美少女として見られていると知れば、きっ
と喜んで…スカートの中のペニスを疼かせるだろう。
 そう思って横を見ると、定期入れだけカーデのポケットに入れて来させた須藤の片手が
所在なげに自分の袖をいじっていたのに気付く。先週の日曜はそれどころじゃない格好だ
ったから気にしてなかったみたいだけど、手持ちぶさたみたいだ。
 奴とは別の意味で他人の視線を楽しんでいたせいで、俺としたことがうっかりしていた!
 到着駅の改札を出たところで、俺は奴の片腕を掴んだ。
 一瞬抵抗しかけたが、奴の身体は素直に俺のそばに引き寄せられる。
「……何?」
「手、寒いだろ?」
 腕を掴んだ力を緩めて笑いかけると、不承不承といった風に腕を絡めてきた。まったく
もって自然なカップルの形なのだが、嫌々従うのとそれを楽しむという感情の相違を現す
かのように、ひどくいびつな体勢になる。強張る奴の身体がなるたけ俺に触れないように
しているからだ。
 


358 名前:協定彼女 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/25(金) 17:53:35 ID:mEzxpQsN]
(3/3)
 
「ユカ」
 通行人に聞かれても問題ない声色で、しかし相手の顔を見ずに呼びかけると、少しため
らってから奴の身体が俺の腕に押し当てられた。
 連れだって歩く仲の良い男女のように、俺が顔を近付けてニッコリしていると、数人が
こちらを凝視するのが分かった。
 整った顔で姿勢良く佇む、いかにもどこぞの令嬢然とした奴と、軽薄な笑みを浮かべる
アタマが下半身に直結してそうな俺ではどう考えてもおかしな取り合わせだ。悪い友達に
そそのかされでもしなければ、俺だってこんな女とは付き合えないはずだって分かってる。
 しかし実際こうして誰もが羨む美少女を連れているのも、お上品な顔をしたこいつがと
んでもない変態野郎だと知っているのも、他ならぬ俺なのだ。
 ちょっとやそっとじゃ味わえないような優越感に浸りながら、俺は話しかける。
「こうするとさぁ…つくづく胸ちっちゃいな〜、ユカちゃんは」
「!ぁ………っ…」
 「あってたまるか馬鹿野郎!」とでも言おうとしたのか、一瞬その目に険しさが戻った
のだが、往来であることに奴の理性が働いたらしい。
 くっきりとした眉を八時二十分にして、押し殺した声で須藤は抗議した。
「…そんな事……言わないで……っ」
 はた目には恥ずかしがってるように見えるが、悔しいのを知っている俺は奴の真珠のよ
うな歯がグロスを塗った唇に食い込む前に口を開いた。
「こないだは下着見たから、今日は何か可愛い服探そうなっ?」
「……」
 俺の腕を掴んだ手に力が入るが、奴の救難信号なんて誰も気付かない。
 二種類の対照的な足取りではあったが、目的のショッピングモールには無事たどり着けた。
 
 яяя
 


359 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2008/01/25(金) 18:58:57 ID:YQVzBOaJ]
お買い物! お買い物!!

しかし村瀬は実に面食いなのだなーという事が、
ユカちゃんの容姿への描写から如実に伝わってくるなw



360 名前:奉仕彼女 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/26(土) 00:17:28 ID:4ME9pkQW]
(1/4)
 
「お願い……はなし、て…」
 震える声でどうにかこうにか懇願するが、背後で閉められる扉の音にかき消された。
「閉場まで、ココは使わないだろ?」
「んーでも、念のため」
 金髪の問い掛けに色黒が答えるのが聞こえる。
 黙ってじっと自分の目を見つめていた赤髪の顔が、不意に和らいだ。
「…顔は、すげー好みかも」
「『顔は』ぁ!?」
「お前どんだけワガママなんだよ?」
 呆れ声を出す二人を「うるせーよ」と睨みつけてから、赤髪が手を離す。
「口開けろ」
 膝立ちになりズボンの前を緩めながら言われて、自分が何をされるのかがようやく分か
った。
「っ!?……ぃ、っ!」
 顔を引こうとしたら鼻をつままれる。驚いて口を開けたところに、赤髪の肉棒を突き入
れられた。
「ぁぐっ!?…っふ、ぅうんっ!」
「噛んだらブッ殺すぞ」
 前髪を乱暴に掴み上げられながら、冷めた声で命令される。
「ぅ、ぐ……っぅ!」
 生臭い味や臭い、腔内いっぱいに頬張らされたモノへの生理的な嫌悪に吐き気がする。
うめきとともに、あれほど耐えたと言うのに涙がこぼれてしまった。
 悔しい…悔しいっ!
「しゃぶれ。イかせたら抜いてやるよ」
「まぁ、次は俺らだけどねえ〜」
「余力残しといてよ」
 赤髪に続き金髪と色黒が自分の両腕にそれぞれ手をかける。わけの分からないまま、な
んだか生温い、ヌルリと硬いモノを握らされた。
「あ、あ…やっぱお手てもスベスベして、可愛いっ」
「ちゃんとシゴけるかなぁ〜?」
 握らされた上から手を重ねられ、はじめて触る他人の性器…それも、自分をいたぶるた
めのモノを無理やり擦らされている。
 


361 名前:奉仕彼女 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/26(土) 00:19:06 ID:4ME9pkQW]
(2/4)
 
「おい、舌使えよ。ゲロ吐かすぞ」
「ぁぐっ!?…っう、う……っ」
 喉奥を抉るように赤髪が腰を突き出してくるのに思わずえずくと、二人が同時に声をあげた。
「ちょっとやめろよ、そんなトコ突っ込みたくないって!」
「次の人のことを考えてくださーい」
 「うるせー」と毒づきつつも、赤髪は腰を引く。
「っは!はふっ……は…っ」
 空気を求め肩と胸を上下させる自分の背を、色黒か金髪が撫でた。
「初めてだったら仕方ないよねえ、喉はいいから、頑張ってペロペロしなね」
「先っちょが狙い目だから、こいつ」
「好き勝手言ってんなよ、早くしゃぶれ」
 赤髪に追い立てられ、恐ろしさにたまらず舌先でそろりと口腔にあるそれをなぞる。味
だとか感触だとかなんて、もはや構っていられない。彼らを怒らせたら…それだけは避け
たい。
「…ん、んっ…ぅ……っ」
 言われた通り歯を立てないよう気をつけて、必死で乏しい雑誌やネットによる知識を思
い出しながら肉棒をしゃぶる。
「ウェイトレスさーん、手がお留守ですよう」
「他のお客様にも構ってくださーい」
 両側からの声に、慌てて両手を動かす。手探りどころか自分のモノでもない性器を慰め
るには、どうしたら良いのだろう?
「下手くそ」
 冷たくかけられる赤髪の声に震え、一度口を離して舌を突き出す。尖らせた舌先で根元
から裏筋をなぞり上げると、目の前に立つ膝がわずかに震えた。
「…できんじゃねーか」
 ここで初めて赤髪が穏やかな声を出した。ゾリゾリと顎や鼻の下を擦る陰毛に眉をひそ
めてしまったが、気付かれなかったのか怒りを買わずに済む。
 


362 名前:奉仕彼女 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/26(土) 00:20:34 ID:4ME9pkQW]
(3/4)
 
「ふぁ…っん…ん、む……っ」
「んー、手は口ほどにモノをしごけないなあ」
 両手で二人の肉棒をしごくのは…特に利き手ではない左手でそれをするのは、どうして
も単調に手首をひねるだけになってしまう。
 金髪のぼやきに、どちらの手か分からないがビクリと震えてしまった。この状況で機嫌
を損ねられたら…そして、これ以上ひどい目とはどんな事をされるのか、想像もつかない。
「っご……ごめんなさ……っん、ぅ…」
 しゃくりあげながら、涎と赤髪の先走りまみれになった唇で亀頭を咥え込む。両手をギ
ュッと握りしめて、指に絡むヌルヌルしたものを二人の肉棒に擦り付けていくと、左右か
ら尻を撫でられた。
「っ…あ、ダイジョブダイジョブ。上手だよ〜」
「それ、もっとギュって……ぁ」
 色黒が小さく声を上げると、尻を撫でていた手を止めスカートを掴んだ。
「はふっ……む、ぅうんっ……っ!?」
 顔を上下させて赤髪がうめくところを重点的にしゃぶっていたのだが、急に尻を外気に
さらされ動きを止めてしまう。
 そして、
 ぱぁんっ!
「んぅっ!?……っう!」
 おそらく色黒の手のひらが、むき出しの自分の尻を打った。衝撃に思わず口の中のモノ
に吸いつき、両手を強く握りしめてしまう。
 どうにかこうにか、歯や爪を立てずに済んだのは不幸中の幸いだろう。
「あー、かっわいそ〜」
 金髪が非難の声をあげるが、加減したのか音の割には痛みはひどくはない。それどころ
かじんわりとした痺れが尻たぶを伝って…浅ましく勃起したままの自分のペニスを刺激し
た。
 家畜のように尻をぶたれて、屈辱的な命令に従わされている。そんな自身の境遇に、場
違いにも酔っている。
「っ…でも、お前らも良かったろ?」
 色黒のセリフに答えない二人。まさか、と嫌な予感がした。
「はぁい、もう一回!」
 ぱぁん!
 楽しげな声とともに尻に下ろされる平手に、ビクンと背がしなる。
 


363 名前:奉仕彼女 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/26(土) 00:21:58 ID:4ME9pkQW]
(4/4)
 
 自分の痛みに伴う反応がお気に召したのか、スパンキングが止んだのは自分でも何回目
か分からなくなってからだった。
「いいかげん…っ出そう、なんだけど」
「あ、待って待って」
 赤髪のわずかに掠れた声に、やはり上擦った金髪の声が重なる。
「ウェイトレスさん頑張ってくれたから、ご褒美あげないとねぇ〜」
「?ふ、あ……っ!?」
 金髪の手が先程平手を受けた尻を素通りして、股間に来た。そして、
「はぁ〜い、クチクチしたげようねえ〜」
 ずっと放っておかれてはいたが、この異常な状況下においてなお高ぶり続けていたペニ
スを握られ、リボンごと上下に動かされた。
「あふっ!…ん、ぅうっ!んんっ!」
 ちゅぷちゅぷという自分の舌や唇のたてる湿った音に、リボンを巻いたペニスからの粘
着質な音が混じる。
「お前…ほんとマメだなあ…っ」
「っ…でも、ほら、俺らにも返ってくる、し!」
 呆れ声もはしゃぎ声も、食いしばった歯の間から漏れる息も、切羽詰まったものになっ
てきている。
「…ぁむ……ふ、ぅ…んんっ…っ!」
 自分の亀頭を抉られた時、咥え込んだ赤髪の肉棒も、両手にある二人のそれも我を忘れ
て締めつけてしまった。
 リボンで飾られたペニスから精液を吐き出しながら小刻みに震える自分の口腔に赤髪が、
むき出しの腕やニーソックスに覆われた足などに二人が、それぞれ自分たちの劣情を放っ
た。
 もはや自分の身体は、彼らに汚されていないところを探すのが難しいくらいだろう。
 
 


364 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2008/01/26(土) 00:31:06 ID:sLjN5sYk]
そろそろ胸パッドも欲しい気分。

365 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2008/01/26(土) 01:32:34 ID:pezuE0n4]
なんというか、○○彼女の新作が毎日待ち遠しい自分がいる

366 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2008/01/26(土) 03:08:37 ID:6u2k1WoY]
あれ?俺がいる

367 名前:奉仕彼女(終) ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/26(土) 08:43:32 ID:4ME9pkQW]
(1/2)
 
「…おつかれさん」
 達してから最初に声を発したのは、自分の口を犯していた赤髪だった。
「え?続けねえの?」
「インターバルおいてやれよ」
「あー、自分がヌいたからって余裕〜!」
 あーだこーだ言いつつも三人から突き放され、とうに支える力を失っていた身体はくた
りと床に横たわる。
「次さあ、俺お口もらっていーい?」
「ああ、二回やったらいい加減慣れるだろ」
 頭の上を飛び交う会話に、まだ続くのかと気が遠くなる。
「たどたどしいのが可愛いんじゃん…あーあー、いっぱいひっぱたかれちゃったね。かわ
いそ〜」
 さんざん叩かれて赤くなった尻を、金髪が労るように撫でてきた。
「手コキもなかなか良かったよ、えーっと…」
「そういや俺ら、名前も知らなかったな」
 何がおかしいのか色黒が馬鹿笑いする。
「…あ、踵に書いてた!えーと、須藤ちゃん、だってさ!」
 上履きに気付いた金髪が歓声をあげた。
「へぇー、須藤クンって言うんだ」
「須藤ちゃ〜ん、どこのお店なんですかぁ?」
「…今はほっとけよ」
 赤髪の言葉に、金髪も色黒も首を傾げる。
「こいつと同じ服着たクラス行って、メアド聞き出せば良いだろ」
「そっかあ!アッタマ良い!」
「ケツダメにする前に、よーっくしつけないとな!」
 どっと笑う三人は、今度は自分たちの携帯で思い思いに凌辱対象…自分の痴態を撮り始
めた。
 だらしなく開いた口の端から流れる精液や自身の唾液を無意識のうちに舌先で掬いなが
ら、ツインテールのウイッグを無理やり外さなくて良かったと思う。
 この被虐がしばらくは続くのだという悦びに、知らず浮かんでくる笑みを隠すことがで
きるからだ。
 
 яяя
 


368 名前:奉仕彼女(終) ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/26(土) 08:44:52 ID:4ME9pkQW]
(2/2)
 
「…っていう夢をみたんだけど、どうよ一人だけ女装喫茶!?」
「却下!」
「えー?だってウチのガッコにゃ倉庫だってないし、都合良くバイのチンピラが登場する
とか、俺がなぜか全方向ビデオポジションだとか、夢でしかありえないだろー?」
「とにかく却下!」
 結局うちのクラスの模擬店は、無難なお好み焼き屋になった。
 
(おしまい)
 
 
 おまけ
「…っていうか何なんだよ始めの俺の自己陶酔しきった独白部分は!?お前どれだけ俺の
こと馬鹿にしてるんだ!?」
「そうだよなあ、ユカちゃんなら絶対『ご主人様ならもっとヨくしてくれるのにぃ…っ!』
ってモノローグ入れるよなあ」
「ご主人様って何だよご主人様って!?」
「んじゃ『慎吾くぅん』」
「呼ぶか!」
 すっかりご立腹な奴の桃尻を膝に乗せたまま(たぶんこれも不機嫌の理由だろう)、む
きだしの太腿を撫で回す。
「そうだよなあ〜。俺だったら絶対、真っ先にお前のところに駆けつけるもんなぁ」
「……はぁ?」
 やってることにそぐわない、男気溢れる俺のセリフに怪訝な顔をする須藤。しかしすぐ
に困ったように可愛い唇を尖らせ視線をそらせてしまった。ちょっと嬉しいんだ?
「だって、そんな貴重なプレイにゃ参加しなかったら損だろ損!?」
「………」
 せっかく姉貴のツテで借りた、ピンクのアン○ラ制服を脱ぎ捨てられる前に、俺は下着
の中へ指を伸ばした。 
(ほんとにおしまい)
 
 


369 名前:奉仕彼女の中の人 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/26(土) 08:46:08 ID:4ME9pkQW]
(本文ないです)
 
エプロンドレス(というか制服か?想像と違ってたらスンマセン)の色はピンク水色同数
だったので本編水色おまけピンクにしました。
 
>>331さん
レス読んで初めてネタバレしてたことに自分で気付きましたorzオソスギダ
 
ご回答、レス、投下させていただきありがとうございました。
 
 
「協定〜」はもう少しエロ無しが続きますが、よろしければお付き合いください。
 
>>364さん
自分の鬱憤を晴らすかのように、後半はガッツリ乳責めの予定ですw
 
そして毎度連投ばかりで申し訳ないorz気にせずお願いします
 
 




370 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2008/01/26(土) 19:48:07 ID:ifVEhrXB]
>>369
奉仕完結乙でした!
>>331とは逆に、実は最初にネタバレあったので安心して読めたw

しかしご主人様の方の、だとは思わなかったwww
何だこの爽やかなほどのアホっぷりwwwスバラシス

371 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2008/01/26(土) 19:49:36 ID:9BJY91fr]
ちょwwww

久しぶりに見たら、いきなりGJすぎですwwwwww



372 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2008/01/26(土) 20:01:44 ID:Oj4AcbuR]
なにげにラブラブにしか見えない
GJ!

373 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2008/01/26(土) 20:07:15 ID:h7dtwWOt]
慎吾になら掘られても良いわ。

GJ!

374 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2008/01/26(土) 20:07:50 ID:sLjN5sYk]
お疲れさまです、GJ!
段々バカップルになっていくなw

375 名前:協定彼女 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/27(日) 00:16:53 ID:4aMl48LZ]
(1/4)
 
 それこそ塾でもあるのか、それとも学校帰りに寄って帰ってしまったのか、繁華街の駅
ビル近くという立地にもかかわらず、見知った顔はとりあえずないようだ。
 この好機を逃す手はないので予告通り、当然レディースのカジュアルショップに入った。
 カジュアルと言っても、中坊が好みそうなのからいわゆるお姉系まで揃っているから、
清純派なこいつの見てくれに合いそうなモノはいくらでもあるだろう。
 店の半ばまで入ったところで、カーディガンに包まれたそれから腕を抜く。
「んじゃ分かれよっか。俺向こう見てくるわ」
「…え?ちょ、ちょっと待っ……」
 店に入ってからはさらに緊張気味だった奴は、慌てて俺の袖をつまんだ。さっきまで嫌
々組んでたくせに。
「お前すぐ迷子になるんだから、俺がまた来るまでこっち見てろ、なっ?」
 表向きは世話焼きな彼氏の顔をして命令する。賢い頭は俺の意図を理解したのか、入口
近くのワゴンに向かう俺を今度は引き止めなかった。
 ハンガーにかけられたアンサンブルだの何だのを見るふりをして、俺に連れられて来た
棚の前に立ち尽くす須藤をガン見する。気分はストーカーだが、俺以上に目標のブルマの
中が犯罪だ。
 落ち着かなげにキョロキョロしてはいたが、自分が挙動不審なことに気付いたのか棚の
前に向き直る。先週俺に見つかることなく下着を買えたならば、こうした店に行くことも
夢見ていたのだろうか?
 手近の段にあった、モスグリーンのブラウスを奴の手がそろりと掴む。何気なく品定め
している風を装っているが、そんな目で睨みつけてはスーパーのタイムセールみたいだ。
 腹がよじれそうなのを堪えながら俺がワゴンの服を漁っていると、奴の後ろに店員が来
た。
 


376 名前:協定彼女 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/27(日) 00:18:17 ID:4aMl48LZ]
(2/4)
 
「それ、今シーズンの人気商品なんですよ」
「っ!?……」
「あ、ごめんなさいお客様」
 ギクリと奴が細い肩を震わせたのは、急に声をかけられたせいだけではないと思うのだ
が、店員がそんなこと知っているわけがない。
「ぃ、いえ…」
 引きつり笑いを浮かべる奴に、ニッコリと営業用とは思えない笑顔を向ける店員。
 150あるだろうか?奴と並ぶと余計小さく見える、えらく可愛らしい二十歳前後の女だ
った。フリルの付いたブラウスに、小花模様のシザーバッグを下げたジーパン姿が、今の
須藤とは別の種類の人形みたい。
 あと二歳若いか俺が年食ってれば声かけるのになあと思っていると、うろたえる奴に気
付かないのか店員はにこやかにセールストークを続ける。
「これ、このまま着ても良いんですけど、襟にもボタンついてるから…ほら、上まで留め
ても可愛くなるんですよ?お客様だったら、こちらのピンクもお似合いかと」
 須藤が取ったのと色違いを手に取り、小首を傾げる店員。学校に居る時は大量の女子に
囲まれて涼しい顔してるくせに、今は小柄な女性店員一人に動揺しまくりの奴の様子に、
俺は他の客に覚られないよう笑いを堪えるのに必死だ。
「あ!でもそのグリーンなら、あちらにあるショートパンツと合わせても良いですよね。
お客様スレンダーだから、きっとお似合いですよ!」
 無邪気に褒めつつちゃっかりと勧めるあたり、あの姉ちゃん油断ならないな。
「…あ、ありがとうございます………あ!」
 逃げ場を求め視線を泳がせた須藤が、俺を見つけたようだ。
「す、すみません!ひ…人、待たせちゃってるので!」
 大慌てで、それでも手にした服は丁寧に畳んで返してから、奴はセーラー服のスカート
を翻して俺のそばに駆け寄ってきた。
「……待ってろって言わなかった?」
「っ…み……見てたなら来てくれたって良いじゃないか…っ!」
 両手をギュッと握りしめて、小さな声で俺を非難する。
「ふぅん。ユカちゃんは一人でお洋服も見られないんだ?」
 別のワゴンに移動しながら意地悪く尋ねると、俺の後を追いつつも悔しそうに頬を赤ら
める須藤。
「できるなら、俺にくっついてないで見ておいで?」
 


377 名前:協定彼女 mailto:sage [2008/01/27(日) 00:19:26 ID:4aMl48LZ]
(3/4)
 
 怒ってどっか行くと思ったら、俺の上着の裾を掴んで俯く。そんなにあのおねーちゃん
にビビっちゃったんですか?
「………て……ぃ…」
「えぇ?聞こえないんだけど」
 わざとらしく大声で聞き返すと、俺の服を掴む手に力がこもった。
「ぃ…っ……いっしょに、見て…くださ…い」
 今までに服屋で、こんな可愛いおねだりをされたことがあっただろうか。中坊臭いガキ
が変なモノを見る目で、にやつく俺を見てきた。うっぜえ。こっちのがお前よりよっぽど
良いケツしてんだよバーカ!
「…こんなのは、どう?」
 ワゴンから一着取り出して奴に見せる。
 えんじ色のワンピース…といっても、今時の重ね着前提なノースリーブだが、毛の混紡
なのか見た目よりずっと柔らかい。
 胸の前に共布のリボンが付いてて、高い位置で切り替えがあるのでちょっと幼い印象に
なる。まあぶっちゃけ半端に胸ある子が着るとマタニティになりそうなAラインワンピ。
「かぶるだけだから、これなら一人でも着れるんじゃね?」
 顔を真っ赤にしてそっぽを向いてしまった奴の肩に勝手に合わせていると、店前のマネ
キンの服を直していた兄ちゃん店員が俺たちに気付き「お似合いですよ」とほほ笑みかけ
てきた。接客というか、売り込みに気合い入ってんな、この店。
「あ、やっぱそう思います〜?」
 何も言えず下を向いてしまう奴に代わって応えてやる。
「ええ。中に鏡もございますし、それに合わせるものもご一緒に、どうぞお試しください」
 こーゆー店行く度に思うんだが、服にしてもアクセにしても、なんで連れの方に熱心に
勧めるんだ?
 まあ今まで連れ回されてきた買い物と違って、今日は俺の方がノリノリだから良いんだ
けど。
 


378 名前:協定彼女 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/27(日) 00:20:46 ID:4aMl48LZ]
(4/4)
 
 店の奥へ行く店員の背を見送って、ワンピを肩で合わせられたまま俯く須藤の耳にささ
やきかける。
「似合うってさ」
「…聞こえてた」
 ムッとしたように言い返してきた。可愛くない通り越して可愛いぞ、いじめたいくらい。
「ちょっとは嬉しそうな顔しろよ」
「誰が……っ」
 キッと顔を上げ俺を睨みかけるが、周りの客に気付きまた俯いてしまった。
「そっか、自分で合わせてないモノをどうこう言われても困るよなぁ。んじゃあ着てみよ
っか!」
「……え?何を?」
「何って、コレを」
 須藤の肩から離したワンピを示し、俺は続ける。
「店員さんも言ってくれたし、せっかくだからコレん中に着るのも一緒に試着しようか」
「しちゃ……!」
 前回入った試着室でのアレコレを思い出したのか、メイクしてもなお白い面が赤くなっ
たり青くなったりした。
「いや、そんな…わざわざ時間取らせるから悪い!申し訳ない!」
 それまでの寡黙ぶりが嘘だったかのように、両手と首をぶんぶん振って固辞する。先週
の二の舞になるまいとしてか、元凶の俺を気遣うほどの必死ぶりだ。だからあからさます
ぎて嘘なのが丸分かりだって。
「だってお前の大事な金使うんだから、お前が気に入ったのじゃないと、それこそ悪いじ
ゃん」
「き…気に入った!すごく可愛いコレ!これ欲しい!」
 頬を赤らめて俺が手にするワンピを指差す。
「…色はこれでいいの?赤好き?」
「好きです!大好き!これが良いです!」
 大人しそうな顔したモデル級の美少女が、突然大好きだのなんだの連呼しだしたのに、
そばで服を眺めていた女が驚いたようにこちらを見てきた。
「…そうなんだ、これ欲しいんだ?」
「うん!とっても!……ぁ」
 苦笑する俺に気付き、我に返った須藤の顔が固まる。
「じゃあなおさら自分で確認しようねえ〜!」
 激しく自責の念にかられる優等生の手を引いて、俺は店の奥へと向かった。
 
 


379 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2008/01/27(日) 00:59:43 ID:DNQ2wl0u]
あー!もう!!
須藤かわいいなぁ!!!



380 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2008/01/27(日) 01:46:56 ID:na4BNtQ5]
>>378
須藤も勿論だが、
これほどエロパロ板の俺様な野郎サイドに(いや須藤も厳密には野郎か)
好感を覚えたことがあっただろうか、いやない

GJ!

381 名前:協定彼女 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/27(日) 11:51:45 ID:4aMl48LZ]
(1/3)
 
「すんませーん、これに合うの欲しいんですけど」
 ワンピを上げてさっきのお姉さんに声をかけると、須藤に向けたのと同じ笑みを浮かべ
てカットソーの棚を指してくれた。
「ご試着でしたらお預かりしますよ」
 お言葉に甘えハンガーごとワンピを預け、中に合わせる物を物色する。
「あの、むら……慎吾、くん」
 嫌がる割に学習能力の高い頭は、俺の発言をよく覚えているようだ。
「んー?」
「その…やっぱり、試着は要らないって。ほら、化粧しちゃったから汚したら悪いし」
「フェイスカバーございますから、どうぞお試しくださいね!」
 斜め後ろからかかった邪気のないセリフに、角度的に俺にだけ見える顔がげんなりする。
「これなんかどうよ?」
「……はい…」
 オフホワイトとクリームの中間みたいな色のハイネックを渡すと、今度は素直に受け取
った。
 俺に背中を押され、小柄なお姉さんから試着室に連行される須藤。三つあるうち一つだ
けが使用中だった。
「こん中までは無理だから、ちゃんと一人で着替えろよ」
 先週行った下着屋の試着室とは違って、カーテン隔てて即売り場だから変なことはでき
ない。第一膝から下が丸見えの長さのカーテンでは、いかに器用な俺でも難しい。
「ぁ…当たり前…で、しょ……」
 店員の目を気にして、女の子みたいに返してきた。
「じゃあ着たら教えろよー」
 無責任に手を振る俺を恨みがましく見つめる須藤の姿が、カーテンで隠される。試着室
の前で脱いだ、女にしてはやや大きいスニーカーを揃えて、店員が話しかけてきた。
「モデルさんみたいですねぇ」
「そうですかあ?…嬉しいっす」
 胸ないけどチンコはでかいんですよ…なんて、言うわけがない。
 「何か必要があればお申しつけください」とペコリと頭を下げて店員が離れる。近くの
棚のマフラーだの帽子だのを眺めつつ、カーテンの裾から覗くほっそりした足からスカー
トが落ちるのを見て、あー今ブルマ姿なんだろうなあ、勃ってんのかななんて想像してた
ら、わりかし早くにカーテンが細く開いた。
 


382 名前:協定彼女 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/27(日) 11:52:49 ID:4aMl48LZ]
(2/3)
 
「き…きた……よ…」
 顔と片腕だけ出してぼそぼそと申告する須藤を、隣の試着室から出てきた客がほほ笑ま
しい顔をして見ている。
「ちゃんと見せろよ」
「…はずかしい……」
 本人にしてみれば切実なのだろうが、子供じみたセリフに思わず噴き出してしまった。
「なにそれ、わかったよ」
 身を引く奴の代わりに、開けられたカーテンの隙間に半身突っ込んでやる。先週よりず
っと狭い空間で、着せ替え人形よろしく真新しい服に身を包んだ美少女が立ち尽くしてい
た。
 俺の見立て通り、着る体型を選ぶストンとしたシルエットのワンピを、華奢な身体は可
愛らしく着こなしている。腿の半ばよりちょっと短い裾からは形の良い足がスラリと伸び
て、膝下ハイソックスだけなのに下品な感じはしなかった。
 中に着たハイネックも、肌やワンピになじむ柔らかな色合いで、手にした時は気付かな
かったが袖の肩に近いあたりにパフスリーブのようなギャザーが寄せてある。華美なデザ
インではないが落ち着いた可憐さと、ほっそりした二の腕を十二分に演出していた。
「良いじゃん、似合ってる」
 言って手を伸ばすと、須藤が逃れようと後ずさる。狭い試着室はそれを許さなかったが。
「…っ………」
 切り替えのある胸を押さえると、元から下部にパッドが入っているにもかかわらずカッ
プの余ったブラの感触。服の上から肌との隙間に指を突っ込めそうだ。
 ない乳をまさぐって、そのまま下ろした手でひき締まった腹を撫でる。くすぐったさに
息を漏らすが、すぐにびくりと身を強張らせた。
 裾でふんわりとドレープを描くワンピの上から、足の付け根あたりをぐりぐりと押さえ
つけると、顔や服にそぐわない感触がある。
 エログッズにあっただけあって本来の用途のものよりぴったりめのブルマの中で、奴の
ペニスはちゃっかり元気になっていた。
 


383 名前:協定彼女 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/27(日) 11:53:50 ID:4aMl48LZ]
(3/3)
 
「…喜んでる?」
「……やめて…っ…」
 逃げ場がないことを思い知ったのか、その場に立ち尽くしたまま小さく声を上げる。ワ
ンピやブルマ、中に穿いたピンクのショーツの下から、奴のペニスは健気に俺の手のひら
を押し返してきた。
 あまり顔突っ込んだままグダグダしてても怪しまれるので、お望みどおりスカートを放
してやる。カーテンが短いのでワンピの下をさらして座り込むわけにもいかず、ふらふら
と壁に寄りかかる奴に、俺は聞かれても良い声で尋ねた。
「じゃあ、それ二つ買ってこっか?」
 恥ずかしさに長い睫毛を伏せて、須藤はうなずいた。
「うん……」
「あーでもこのワンピにそのハイソは合わないから、後で靴下と…あ、靴も見に行こうな!」
 自分のあやまちに気付いたのか、「や、やっぱり別のも見たい」と言いかけるがもう遅
い。
「じゃあ早く着替えろよ。すいません、これくださーい!」
 カーテンを勢い良く閉めながら、俺は奴の逃げ道をふさいだ。
 
 яяя
 


384 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2008/01/27(日) 12:08:02 ID:mwgYKCEP]
ちょwww
筆が早いにも程があるwwww

またもやGJ!


385 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2008/01/27(日) 12:36:53 ID:0z5bm7b+]
何じゃこの性的バカップルwww
村瀬がユカたんをいじめたくなる気持ちがよくわかるよ…
実に素晴らしい掘り出し物だよ>須藤クン

○○彼女の中の人さんのせいで、日に何度もこのスレ確認してるよw
いつも楽しみにしてます。ありがと!

386 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2008/01/27(日) 15:50:21 ID:7TgXiGI5]
この筆の速さと質は神の領域!

387 名前:協定彼女 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/28(月) 00:03:08 ID:jfFwRZx9]
(1/3)
 
 他の店でも同じように「人見知りの彼女と世話焼きの彼氏」を演じつつ演じさせ、黒ニ
ーソとエナメルっぽいビニールの赤いベルトパンプスを買ったころには、俺も奴もいい加
減足が疲れていた。
「俺、ちょっと便所」
 モール内の化粧室の前でそう言うと、気を利かせたのか俺と接触しない理由が欲しかっ
たからなのか、さっと両手を差し出してきた。
「はい」
「中に更衣室あるはずだから、それに着替えて、袋まとめろよ?」
「はい……え?」
 奴と腕を組んでない方の手に提げていた、服屋のと残りを買った雑貨屋の紙袋を素直に
受け取りながらうなずきかけ、ギョッとして俺の顔を見る。
「え…その、全部?く…靴も?」
「合わなかったら交換できるだろ?」
 足が25センチの女なんてざらにいるので、Lサイズで安可愛い靴ならいくらでもある。
「空いてるみたいだから、今のうちに行っとけよ?」
「あの、えっと……どっちで?」
「どっちも何も、更衣室女子トイレにしかないし」
「………ひ…人が居るから…」
 空いてるとはいえ、他の女性客もいる中で単身着替えたり、用を足すのは奴的に抵抗が
あるのだろう。カラオケボックスでも女子トイレに行かせたが、あの時は無人だったし、
第一外に俺が居た。
「そんなに俺と離れるのが寂しいならアレだけど、そのカッコで男子トイレなんかに入ら
れたら、きっと痴女扱いだろうなあ〜…あぁ、痴女を装った痴漢だっけ、ユカちゃんは?」
「っ……ぇ…駅じゃ、ダメ…ですか?」
「ちょっと休んでから、もう少しブラつく予定だから、だぁめ」
 俺の家を出てからしばらく経つから、嫌でも女だけの列に並ぶことになるだろう細い肩
を掴み顔を寄せる。
「…着替える時もトイレん中でも、オナニー禁止な?」
 耳元でささやくと弾かれたようにこちらを睨みつけた。そんな過剰反応されちゃうと、
余計怪しいじゃないか。
 


388 名前:協定彼女 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/28(月) 00:04:39 ID:jfFwRZx9]
(2/3)
 
「っ……!するわけない、だろ…っ!」
「どうだかね」
 カーッと赤くなった目元を隠すようにして、奴は先程までの躊躇が嘘のように女子トイ
レにズカズカ入っていった。すれ違った客がおそらくむくれてるのであろう美少女の顔に
首を傾げて、ニヤニヤしながら手を振る俺をみて「痴話喧嘩かよ」と興味を失う。
 痴話どころか、内容バレたら二人ともおしまいなんですけどね。 
 
 яяя
 
 人それぞれ規範意識って違うと思うが、異性だけが許される空間に自分を偽って入り込
むというのは、そういう趣味の変質者でもない限りなかなかハードルが高いと思う。
 たとえそれが、外のプレートの色の違いだったり小用便器の有無の差であるだけだとし
ても、普段至極真っ当に生きている奴なら耐えがたい苦痛になるだろう。
 化粧室の前のベンチに座りそんな事を考えてると、入る前より浮かない表情で真新しい
服に身を包んだ須藤が出てきて俺の前へと歩み寄った。
 えんじ色のワンピと白いハイネックが似合っているのはすでに確認していたが、タグを
取り去って明るい中で見ると「着せられてる」感がなくなり、あつらえたかのように均整
のとれた身体になじんでいる。幼いラインの服が、華やかな面と姿勢の良さとで年相応の
色気を出していた。
 甲に細いベルトの付いた赤いパンプスの下には、長い足をこれでもかとにアピールする
ような黒のニーソックス。ゴムの部分が締まりの良い腿にほんの少し食い込んでいるのと、
ワンピの裾との間に覗く白い肌が悩ましい。いわゆる絶対領域ってやつ?
「…ぉ……おまたせ…」
 俺と並んで連れを待っていた男数人が一様に奴を凝視する。
(どうでもいいが、同じようなカッコしてて野郎より数も多いはずなのに、どうして女の
トイレって無駄に長いんだろう?)
 そりゃあ、「目がおっきくてぇ〜、さくらんぼみたいな唇でぇ〜、白くてすべすべな肌
でぇ〜」といった勝手な理想を具現化したような美少女が、画面越しでなく生身の状態で
しゃべって動いているのだ。この場に居もしない彼女の目なんて気にしていられないだろ
う。
 


389 名前:協定彼女 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/28(月) 00:06:07 ID:jfFwRZx9]
(3/3)
 
 胸が大きくてどこもかしこも華奢だなんて、一般人にはそうそうありえない。その点今
のこいつは、胸がない以上に「男が好む女の子」としての魅力を存分に発揮しているのだ。
 羨望と嫉妬の視線を気分良く浴びつつ俺は立ち上がり、恥ずかしそうに俯く奴の顔を覗
き込む。
「似合ってんじゃん…可愛い」
 頬を赤らめて俺の視線から逃れそうとした奴の目が、自分自身に見とれる男とかち合っ
たのか慌ててまた下を向いた。
「か……かわいいとか言わないで…」
「どうして?可愛いから可愛いって言ったのに。ユカは『可愛い』って言われて嬉しくな
い?」
 ウザいほどに熱っぽく連呼し、サラサラの黒髪を梳きながら俺は続ける。
「せっかくだから結ぼっか?座れよ」
 さっきまで俺が座っていたベンチに並んで腰を下ろし、紙袋を持ったままの奴に横を向
かせた。須藤が顔を向けた方の男が居ずまいを正しつつ、ちらちらとこちらを気にしてく
る。もっとやってくれ、こいつも服の中すんごい事になるから。
 手触りの良い髪の毛を手櫛で梳き、時折ほっそりしたうなじやなめらかな耳の裏とかに
指を滑らせると、懸命抑えつつもふるりと肩を震わせる。
「っ!…ふ……やだ…っ…」
「なんだよ、お前本当くすぐったがりなのな」
 乳繰り合ってるようにしか見えない俺たちを、化粧室から出てきた女が須藤に釘付けに
なっていた彼氏を引きずりながら、軽蔑するような顔をしてきた。悔しかったらこいつく
らいになってみろよ。
 セミロングの髪を片一方でまとめ、俺の部屋に置いてかれた処分品の一つであるピンク
のシュシュで括る。
 立ち上がって前から奴の顔を確認すると、狙い通り耳の下辺りでホワホワしたレースが
黒髪を彩っていた。選んだわけではないが、服にも似合っている。
「はい、できあがり」
「ぁ……ありがと、う…」
 顔を真っ赤にして下を向く様子は、初デートで彼氏にプレゼントをもらった少女のよう
だ。シュシュをリサイクルしたことをちょっぴり後悔。
 「何か食べよっか」と言って、俺は紙袋を掴んだ奴の手を引っ張った。
 
 яяя
 




390 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2008/01/28(月) 01:34:47 ID:vqEuqrG2]
ちょっと質問

なぜここまで筆が早いのですか?
なぜこうもGJなのですか?



391 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2008/01/28(月) 02:26:48 ID:kXW8JeLf]
>390
そりゃ決まっている、神だからさ!

392 名前:協定彼女 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/28(月) 13:48:02 ID:jfFwRZx9]
(1/3)
 
 建物内でもオープンカフェって言葉は使えるだろうか?開けたスペースに小さなテーブ
ルと椅子をごちゃごちゃと置いてある、セルフサービスの喫茶店。
 そのうちの一つに向かい合わせに座るという、ドラマか何かで見るようなシチュエーシ
ョンで俺が買ってきたのは、やっぱりお約束な氷菓子だった。
「ほれ」
 コーンに乗ったジェラートに、ぱっちりした瞳が一瞬見入ったのを見逃さなかった。
「何?食うの初めて?」
「はっ…初めてなんかじゃ、ない………けど」
 ムッとしたように言いかけるが、なぜだか口ごもってしまう。
「けど?」
「その……そういうのに乗っかってるのは、食べたことない…」
 マジかよ。あとそれって「初めて」だと思います。
 いろんな意味で思わず噴き出しそうになるが、うち震えながら机に置いた白い手を握り
しめるのを見てなんとか堪える。お口が震えちゃいます先生!
「…変な顔してないで笑えばいいだろ」
「笑うわけないだろぉ〜?さあ、初ジェラート召し上がれ!」
「さ、皿に乗ったのなら食べた事あるから!」
「ほら溶けちゃうから、初コーン食べな?」
 むきになる奴をせっつくと、慌ててコーンを受け取った。そんなすぐ溶けるわけないだ
ろ。ジェラートから抜いたスプーンを舐めつつ奴の反応をニヤニヤ観察する。
 おおかたカップアイスのが好きだからそればかり選んでたとか、お利口さんだから外で
無駄遣いしないでいるうちに今に至ったクチだろう。ところが奴的には俺に遅れをとった
事が許せないのか、悔しげに憎らしげに、でも慎重に支えるジェラートを睨みつけている。
 三百円でこんな楽しめるとは、なんてお買い得なんだ!
「……食べないの?」
「スプーン返せよ」
 当然のように差し出された須藤の手のひらに、何も持ってない手を乗せるとイライラし
たように払いのけられた。あまりのつれなさに傷ついちゃう。
「こっちは俺が使うから、直接食べろよ」
 言って、一口掬って口に運ぶ。舌にのせた途端溶ける氷の粒と、性的な意味ではない濃
厚ミルクが乾いた喉を滑り落ちていった。
「あーっ、うまいなあ!すぐ食べないと溶けちゃうなあ!」
 わざとらしくウットリしてやると、あきらめたように口を付けようとする。ぱくりと上
から食らいつく気だ。
 


393 名前:協定彼女 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/28(月) 13:49:19 ID:jfFwRZx9]
(2/3)
 
「ちょっとタンマ!」
「…今度はなんだよ」
「そのまま食ったらリップ剥げるだろ、ちゃんと舐めて食べなさい」
「……いちいちうるさい」
「な・め・ろ」
 手の中のジェラートと俺を交互に見て、わざとらしくため息をついてから須藤は言われ
たとおりに食べ始めた。
 光沢のあるぷりんとした唇から覗く赤い舌が、白い半溶けクリームを掬いかすかな音を
たてて嚥下する。
 なんてことない、ごく普通に自分もしていることなのだが、これだけの美少女に目の前
でやられると、中身があの優等生と分かっていても凝視してしまう。
 ペロン。ちゅるん。ゴクン。
 時々バランスをとるように、溶けかけた反対側を下から舐め上げる。首を少し傾けて、
溶けたのが手に垂れないようにレロリと掬う。
 俺と同じく喉が渇いていたのか疲れも手伝ってか、しばらく黙々と食べていた須藤だっ
たが、まだ三分の一もなくならないうちにペースが落ち、俺に差し出してしまった。
「…食べないの?」
「……この状況で食欲湧くほど無神経じゃない」
 せっかく可愛い格好をさせてやったというのに、何なんだこの嫌われようは。
 コーンを受け取り、スプーンを突き刺すと恨みがましい目でそれを見る。美味しかった
んだ。
 ちょっと考えて、一口掬う。目の高さに上げたスプーンをそのまま前に差し出し、
「はい、あーん」
「……え?あ、あっ!…」
 こぼれそうになるジェラートに慌ててスプーンを咥えたところで、笑いを堪える俺に優
等生が気付く。だからもう遅いって。
 少しの沈黙の後、チュッと小さな音をたてて奴の口からスプーンを抜いた。
「美味しかった?」
「…………」
 子供のような真似をしてしまったことに自己嫌悪しつつも、同じようにまたスプーンを
口の前に差し出されると律義に咥えてしまう。そのまま軽くスプーンを下げると、ふるり
と艶やかな下唇が柄を押し返してきた。
 口に含んだ分をしっかり飲み込んでから、恥ずかしそうに俺を睨みつける。
「た…食べろよ、おま……慎吾君、も」
「残ったので良いや。ほれ、あーん」
「もう要らな…あ、あー…」
 今時小学生でもやらないようなデートごっこを、それもこんな美少女が俺みたいなのと
やっていることに周りの席の、特に男が注目している。
 


394 名前:協定彼女 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/28(月) 13:51:06 ID:jfFwRZx9]
(3/3)
 
 ヤケになったように機械的に口を開けてスプーンを舐める相手に、少し意地悪をしたく
なった。
 同じようにスプーンを運ぶが、さっきまでよりちょっと手前で止める。当然奴には届か
ないのだが、ルーチンワークで口を開けかけた奴は慌ててそれを追った。
「あ…あ、こぼれる…っ!」
 なんかきわどい発言と共に、腰を浮かせる。椅子とスカートの間から覗いたのだろう腿
の裏側に、奴の後方に居た男が大注目。
 またちょっと手前に引くと、テーブルに手をついて身を乗り出してきた。
「…あ…ちょっと……あ」
 わずかに舌を覗かせて、赤い唇がジェラートを追う。
 ぷよんぷよんしたそこに、ジェラートを乗せたままのスプーンを急に押し当てた。
「ひゃっ!………?」
 思わぬ冷たさに小さく声をあげた奴が睨んでくるが、意にも介さずニヤつく俺に怪訝な
顔をし、俺の視線の先である背後をうかがった。そして、
「…っ!……」
 元通り椅子に座ってしまった須藤に、ペーパーナプキンを渡しつつ白々しく尋ねる。
「あれ?もう良いの?」
「要らない!」
 口を拭きながら拗ねたように横を向いてしまったが、その先でずっと前からこいつの挙
動に夢中になってた男の一人に気付いたのか、困ったようにテーブルの上に視線を落とし
た。それでもなお、恥ずかしげに赤くなった奴の頬や耳を凝視しつつ、こんな子を怒らせ
るなんてと羨望混じりの視線を俺にぶつけてくる野郎は一人二人ではない。
 彼らが大注目してる美少女が、こんな格好して大興奮でチンコおっ勃ててる優等生なん
だと知っているのが俺だけという優越感と、その瞳を羞恥に潤ませてしまっているのが他
ならぬ俺だという事実に腹の底が熱くなる。
 しかし俺は素知らぬ顔をして、目の前の奴にはさせなかった食べ方で、溶けかけのジェ
ラートを平らげた。がっついたから、口の中がヒューヒューする。
「ごっそさん」
 レジそばの時計を見ると、けっこう良い時間。先週と同じく、思わぬ反応を見せてくれ
ちゃうから、予定よりも時間を食ってしまった。
 おおむね清らかな「おんなのこごっこ」の首尾は、初めてにしては上々なのではないだろうか?
 
 яяя
 



395 名前:協定彼女の中の人 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/28(月) 13:54:55 ID:jfFwRZx9]
(本文ないです)
 
>>390さん
仕事中も妄想がデフォのキモオタだからです。
って冗談だったら良いのにななマジレスは置いといて、
自分が楽しんで打ってるので、楽しんでいただけたら禿げしくウレスィです(´∀`*レ
スくださる方マリガトン
 
自分の時間的に連日細切れ連投してしまってるので迷惑になってないか心配なのと、ちょ
っと前みたく別口で小ネタ打つことができないでいるので、早く何とかしたいです。
(いただいたレスの中で妄想かきたてられるのが色々あったのでそれも早く書いてみたい)
 


396 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2008/01/29(火) 01:43:31 ID:UQINIXQY]
キモヲタですって?
何をバカな・・・
「SS書きの神」と言うヤシでしょう?

ちなみに、細切れで投下して頂いてもなんだか焦らされてるw感じで逆に悦しみになってますwwww



397 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2008/01/29(火) 06:22:38 ID:lPoY/ONq]
そろそろ才能と賞賛に嫉妬して、やっかみでいちゃもん付けてくる人が出てきそうな
気もするけどなあ。

1人か、多くても2人がIP変えつつ「つまんねー」って連呼すると、せっかくの作者が
創作意欲を失ってそこでストップ、という例が多すぎる。

ご注意、ご注意。

398 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2008/01/29(火) 06:35:07 ID:mgM3dul5]
>>397
むしろそこまでいったら物書きとして一人前だと思う

399 名前:偽装彼女の中の人 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/29(火) 06:41:05 ID:29pCKjRG]
(本文ないです)
 
これから投下するのは、今投下中の「協定〜」内の一場面です。
(女装っ子を女の子だと思ってる第三者視点、エロ無し)
 
「協定〜」読んでない方へ↓
女装っ子がご主人様とデート(羞恥プレイ)帰りの電車ん中で…って内容です。
 
 
「おんなのこごっこ」が長くなりましたが、帰宅後はひたすらアンアンらめえ〜予定なの
で、もう少しお付き合いください。
 




400 名前:帰宅彼女 ◆r56se/gkEE mailto:sage [2008/01/29(火) 06:42:11 ID:29pCKjRG]
(1/5)
 
 時間割を組み間違えたことに気付いても、半期は変えることができない。大学の融通の
きかなさにウンザリしつつも、帰宅ラッシュを読めなかった自分のせいだと言い聞かせな
がら、僕は今日のレジュメと窓の外を交互に眺めていた。
 電車の規則的な揺れが足裏から伝わると同時に、不規則に他人の足だの肩だのが当たる。
 混み具合に読む気もしなくなってレジュメを左肩にかけた鞄にしまった。窮屈な車内で
は、そのわずかな動きも邪魔になる。左側のおっさんが小さく舌打ちした。
 「すみません」と胸の前に上げた右腕を下ろすと、ちょうどカーブに差し掛かったのか
揺れが大きくなった。左手の吊り革に必死ですがりつく。
 と、右の腕に誰かが寄りかかってきた。バランスを崩したのか、一瞬右足の靴を踏まれ
る。気付いたのかすぐにどけられたので痛くはないが、ちらりと相手の方を見る。
「ごめんなさい」
 至近距離で僕に詫びたのは、ふっくりした赤い唇だった。
 すごく可愛い女の子が、僕のすぐそばに立っていた。
「っ……」
 驚いて身を引くとまた左のおっさんが舌打ち。でもそんなことに構っていられなかった。
 白いハイネックを着た肩に、染めてない真っ直ぐな髪がふわりとかかっている。背が高
いのか、男子の中で小柄な方の僕と同じくらいの目線。モデルさんみたいだ。
「その…足、ごめんなさい」
 無反応の僕が怒ってると思ったのか、彼女はもう一度謝った。
 高校生くらいだろうに、ずいぶん大人びた掠れ声だったが、車内のためか音量を押さえ
た細い声色はその風貌にふさわしい、優しく耳をくすぐるものだった。
「いや…い、痛くなかったし、仕方ないから気にしないで」
 対して発された僕の声は、どもった上に上擦ってしまっている。良い人ぶって失敗だ。
 しかしその子ははにかんで、会釈するように軽く頭を下げた。彼女は明らかに年下だろ
うにこの落ち着きよう、余計に自分が恥ずかしい。
 気まずくなって彼女の顔から視線を下に落とす。別にジロジロ見るつもりはなかったの
だが、胸にリボンの付いた赤っぽいワンピースが似合ってて、とても可愛い。
 







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