- 152 名前:(бιб∂ ◆8fRI53Oe1o [2008/02/22(金) 22:29:18 ID:fFA76nOn]
- 世間ではガリレオの地動説が宗教と科学の対立のように伝えられています。
しかし、実際にはガリレオ事件はカトリック教会の厳密科学的な慎重さと、 ガリレオの感情的軽率との食い違い以上の何ものでもなかったと結論される のが正当な見方であると思われます。 ガリレオは潮汐論を主だった主張としてプトレマイオスの天動説の数理を 覆すに足る有力な証明も見つけない内に太陽中心説を力説強調しただけ ではなく、聖書にこれと一致しない表現があったらそちらを訂正すべきだと まで極限しました。この主張は宗教裁判所の異端審査部に持ち込まれる 事態となります。そこで学説は委員会にかけられ問題は次の二点に絞られ ました。 一 太陽は宇宙の中心にあって、絶対に不動であるという、ガリレオの主張 の検討 ニ 地球は自転しつつ公転しているという仮説の証明は聖書解釈を再検討 せしめるほど充全であるか。 この二点に対して委員会の答申は次のようにまとめられました。 一 太陽は宇宙の中心にあって絶対に不動であるとする仮説は、哲学的 見地からすれば、不可能であると証明することは出来ない。しかしながら 神学的見地からは、誤謬とみなすべきである。 ニ 地球の自転ならびに公転は、哲学的には不可能であると証明すること はできないが、ガリレオ氏の提示せる証明の、第一(黒点の移動)と第二 (他の惑星からの類推)とは不充分であって、第三(潮汐論)は事実に反して いる。神学的には結論を得ることができず、少なくとも信仰の躓きとなる おそれがある。 (F.X.Funk:Abh.und Untersuch. U 444/76,1899) ここで宗裁の時の上席審査員ベラルミーノ枢機卿は個人としてガリレオに この二点だけが問題となっているから「教壇あるいは著作の中で、この二点 には触れない」と誓約してはどうかと持ちかけ、ガリレオが素直に誓約に応じた ため第一回審問は打ち切れることになります。 つづく。
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