- 351 名前:考える名無しさん [2018/03/09(金) 22:38:41.61 0.net]
- “おお夜の海よ、お前は何と美しいことか!
ここは燦々と輝き、かしこは暗く濃藍色、 月光を身に浴びて、海は生きもののように 歩み、呼吸し、きらめいている。 涯て知らぬ自由のひろがりの上に 閃々と光り、たゆたい、遠雷のごとくどよみ轟く 縹渺たる月光を全身に浴びた海よ、 人気ない夜の世界に、お前はなんと素晴らしいことか。 巨大なるうねりよ、海のうねりよ お前はそんなにして誰の祭日を祝つているのか。 浪は轟き輝きつつ寄せて来る。 目ざとい星達が空にまたたいている。 この動揺のさなかに、この煌燿(きらめき)のさなかに、 夢みるごとく茫然と私は立ちつくす。 ああ如何に心地よいことであろうか この魅惑の中に魂を沈め盡すことができたなら” ― チュチェフ 「無題」 1865年作 (井筒俊彦「ロシア的人間」9章)
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