- 850 名前:本当にあった怖い名無し [2007/09/08(土) 11:21:01 ID:Ysyuw2zmO]
- >>848
私は、人ではなく、畜生であり、鬼である 鬼とは頭が真っ白になる事を言うのだろう。 私は遮二無二サトシに飛びかかり、押し倒した 今度は両の親指にありたけの力を込めて、その細い首を押した 今度はサトシも目玉が飛び出しそうなほど目を見開いている 細い手で、私の手を振り解こうと私の手首に爪を立てる やがてゴキリと音がして私の親指が、サトシの首にめり込んだ。 私は妻を振り返る、彼女は未だ放心したように、踏み台の上に突っ立っている。 その踏み台を私は蹴り倒し、彼女の膝にぶら下がる 頭の上に雫がしたたる、ビクビクと二、三度痙攣したあとダラリとなった 気が付けば、彼女の爪先は畳につきそうである、踏み台はいらなかったか。 久し振りに、この家に静寂が戻ってきた気がした。 あと耳につくのは、私の荒い呼吸音だけだ。 これが止めば、この家は完璧な静寂に満たされる。
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