- 219 名前:名無しさん@1周年 mailto:sage [2019/07/23(火) 12:50:49.93 ID:BYJCCVkn0.net]
- >>209
まずノルウェーで捕鯨砲が開発される前と後では、一隻の捕鯨船で殺せるクジラの数が全然違うんだよ。 いわゆるアメリカ式捕鯨という、小説「白鯨」で描かれているような、銛撃ちが手漕ぎボートでクジラと戦うやり方 では、一回の航海で10頭も獲れれば上出来とされた。同じく近代以前の日本の網取式捕鯨でも、300人がかり で1シーズンに最高で15頭しか獲れなかった。 ところが明治の後半にノルウェーで開発された捕鯨砲を装備して動力で走るロシアの捕鯨船が朝鮮近海に現 れると、2隻の捕鯨船を使って1900年前後の3年でそれぞれ159頭、116頭、114頭のおもにナガスクジラを捕獲した。 (ここまでのソースは神長「北東アジアにおける近代捕鯨業の黎明」スラブ研究49巻(2002))。1隻あたりの捕獲数 はアメリカ式のだいたい6〜8倍になってる それを見てノルウェー式捕鯨を始めた日本でも、東洋捕鯨株式会社が、宮城県の鮎川(現石巻市)でイワシクジラ やマッコウクジラやナガスクジラなどを、大正時代(大3-15)に捕鯨船1隻あたり年平均約30頭捕獲している(宇仁 「ロイ・チャップマン・アンドリュースの鯨類調査と東洋捕鯨鮎川事業場」『歴史と文化』55号(2017)、表2,3より計算)。 さらには、母船式といって、タンカーのような冷凍工船と数隻のノルウェー式捕鯨船を組み合わせて、シーズン中は 外洋に居座ってクジラを取り続ける方法が導入されると、日水や大洋はあわせて4つの母船船団(それぞれ5〜9の 捕鯨船を従えた)を投入した昭和12−13年度の南極海の1シーズンで、1隻の捕鯨船あたり144〜229頭のシロナ ガスクジラやナガスクジラなどを捕獲した(農林省水産局編『捕鯨業』農業と水産社1939, p.19 表12より計算)。 アメリカ式のだいたい14〜23倍になった。 ついに人間はほんのちょっとした営利を追求したいと思っただけで、クジラを絶滅させることができそうな産業技術を 身につけて、現代に至ってる。
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