- 436 名前:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む [2013/03/06(水) 22:10:13.62 ]
- >>430 補足
現代数学の系譜11 ガロア理論を読む2 でも紹介した下記高瀬氏のブログより uni.2ch.net/test/read.cgi/math/1331903075/432 reuler.blog108.fc2.com/blog-entry-776.html 2009-09-20-Sun 新しい数学史を求めて(105) 情緒の数学史(45)代数的可解性の基本原理をめぐって (抜粋) ラグランジュのいうガウスの「美しい発見」というのは何かというと、ここでもまた4年前の一通目の手紙で語られたのと同じ円周等分方程式に関することが語られているのですが、 ラグランジュの言葉をそのまま写すと、「二項方程式の解法を3次と4次の方程式の解法の原理と同じ原理に帰着させた」という状況を指しています。 「二項方程式」というのは円周等分方程式x^n-1=0のことで、この方程式の左辺が二つの項で構成されているところに着目して「二項方程式」という名で呼んでいます。 ガウスは円周等分方程式をいくつかの低次数の「純粋方程式」(これはガウスの用語です)、すなわちx^k=aという形の一系の方程式の解法に組織的に帰着させる手順を示したのですが、 その道筋は3次方程式と4次方程式の解の公式を導くときの手法とまったく同じです。 そこでラグランジュは「(ガウスは)3次方程式と4次方程式を解くのと同じ原理に帰着させた」と言い、これを「美しい発見」と呼んで賞賛したのでした。 ガウスが示した手法はどれほど高い次数の円周等分方程式にも適用可能ですし、 しかもいっそう根源的に、そもそも方程式が代数的に解けるというのはどのようなことなのかという根本原理が明示されているのですから、ラグランジュが驚嘆したのも無理からぬことでした。 ルフィニに欠如していたのはこの根本原理で、そのことがそのままルフィニの「不可能の証明」の欠陥になりました。 アーベルはといえばガウスに学んでこの原理を理解して自分のものにしていましたので、「不可能の証明」に成功するとともに、ルフィニの失敗の原因もすぐにわかったのでした。 「不可能の証明」の正否を分けたのは代数的可解性の根本原理の認識なのであり、これを欠いていたのでは「置換の理論」なども働く余地がありません。 ガウスは別格で、アーベルの証明はガウスの目にはあたりまえのことのように映じたことでしょう。
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